(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021066339
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】輸送用台車の可動フォークポケット
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/00 20060101AFI20210402BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   !B62B5/00 Z
   !B62B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】2019193504
(22)【出願日】20191024
(71)【出願人】
【識別番号】593232402
【氏名又は名称】親和パッケージ株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市東灘区向洋町西6丁目19番地
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 昌宏
【住所又は居所】千葉県市原市八幡浦1−14−1 親和パッケージ株式会社千葉支店内
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
(57)【要約】
【課題】キャスター付き輸送用台車を水平移動させる際に台車下面のフォークポケットがスロープや段差に衝突することなくスムーズに乗り越えることができるようにする。
【解決手段】フォークリフトのフォークを抜き差しするためのフォークポケット15を台車下面に備えた輸送用台車10において、フォークポケット15を台車10に対して上下動可能または水平揺動可能に構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトのフォークを抜き差しするためのフォークポケットを台車下面に備えた輸送用台車において、前記フォークポケットを前記台車に対して上下動可能または水平揺動可能に構成したことを特徴とする輸送用台車の可動フォークポケット。
【請求項2】
棒鋼又は帯鋼板をコ字状に折曲げて前記フォークポケットを形成し、当該フォークポケットの両端の垂直部分を前記台車に形成した挿通孔に上下動可能に挿通すると共に、前記挿通孔から上方に突出した前記フォークポケットの垂直部分の突出端に、前記フォークポケットの脱落を防止する抜止め部材を装着したことを特徴とする請求項1の可動フォークポケット。
【請求項3】
前記フォークポケットの両端の前記垂直部分を下方に付勢するばねを装着したことを特徴とする請求項2の可動フォークポケット。
【請求項4】
前記フォークポケットの水平部分の両端部と垂直部分の下端部を枢支連結すると共に、前記垂直部分の上端部を前記台車の下面に枢結して前記フォークポケットを水平揺動可能に構成したことを特徴とする請求項1の可動フォークポケット。
【請求項5】
前記フォークポケットを水平揺動可能な可撓性部材で構成したことを特徴とする請求項1の可動フォークポケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は輸送用台車の可動フォークポケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、輸送用台車の下面には左右一対の滑材と、当該滑材相互間にあってフォークリフトのフォークを抜き差し可能な左右一対のフォークポケットが固定されている。輸送用台車をトラックや貨車の荷台に積んだり降ろしたりする際、フォークリフトのフォークをフォークポケットに挿入する。このフォークポケットで、台車を揚げ降ろしする際の台車の横ずれを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−193969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、台車の下面四隅に特許文献1のように滑材に代えてキャスターを取り付けたものがある。このようなキャスター付き台車は人手によって簡単に水平移動ができるが、移動途中の床面にスロープや段差があると、フォークポケットがこのスロープや段差に衝突して台車の水平移動に支障を来たすことがあった。またフォークポケットがスロープや段差に衝突するとその衝撃で台車の積荷が脱落するおそれもあった。
【0005】
キャスターの車輪径を大きくしたりキャスターの台座を厚くしたりすればフォークポケットがスロープや段差に衝突するのを回避できるが、トラックや貨車の荷台天井高さは制約があるので、キャスターとフォークポケットの高低差は必要最低限にする必要がある。このため緩やかなスロープや僅かな段差でもフォークポケットが衝突する可能性があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、キャスター付き輸送用台車を水平移動させる際にフォークポケットがスロープや段差に衝突することなくスムーズに乗り越えることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明の可動フォークポケットは、フォークリフトのフォークを抜き差しするためのフォークポケットを台車下面に備えた輸送用台車において、前記フォークポケットを前記台車に対して上下動可能または水平揺動可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、台車を水平移動させる際にフォークポケットがスロープや段差に衝突することなくスムーズに乗り越えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】(a)は本発明の実施形態に係る可動フォークポケットを備えた輸送用台車の側面図、(b)は当該台車を2段積みした状態の側面図である。
【図1B】(a)は輸送用台車のポールを取り外した状態の側面図、(b)は同台車の進行方向正面図である。
【図2】(a)(b)はフォークポケットの昇降状態を示す側面図である。
【図3】(a)〜(f)はフォークポケットがスロープを乗り越える状態を示す側面図である。
【図4A】フォークポケットの抜止め構造を示す斜視図である。
【図4B】フォークポケットの抜止め構造を示す斜視図である。
【図4C】フォークポケットの抜止め構造を示す斜視図である。
【図4D】フォークポケットの抜止め構造を示す斜視図である。
【図4E】フォークポケットの抜止め構造を示す斜視図である。
【図4F】フォークポケットを水平揺動可能に構成した変形例の側面図である。
【図4G】フォークポケットを水平揺動可能に構成した変形例の側面図である。
【図5】(a)はタイヤラックを備えた台車の側面図、(b)は同台車の進行方向正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態を図を参照して説明する。図1A(a)は可動フォークポケット15を備えた輸送用台車(ポールパレット)10の側面を示し、(b)は同台車10を2段積みした状態の側面を示す。台車10は長方形の床板11を有し、この床板11の上に荷物Wを載せる。床板11の四隅には段積み用にポール12が立てられている。
【0011】
ポール12は図1Bに示すように床板11に固定されたポール差し11aに対して垂直方向で抜き差し可能とされている。ポール差し11aの下端部は、段積み可能なように末広がりの円錐形に形成されている。
【0012】
床板11の対向する長辺の下面にフォークポケット15が各一対で配設されている。これらフォークポケット15は図2に示すように棒鋼をコ字状に折曲形成したもので、水平部分15aと左右の垂直部分15bを有する。
【0013】
フォークポケット15の垂直部分15bは、床板11に形成された貫通縦孔11bに上下動可能に挿入されている。そして、貫通縦孔11bから上方に突き出た垂直部分15bの上端部に、脱落防止用の抜止め部材20が固定されている。このようにフォークポケット15が床板11に対して上下動可能に取り付けられているので、後述するように台車10の移動途中の床面にあるスロープや段差をフォークポケット15が難なく乗り越えることができる。
【0014】
図3は、台車10を矢印方向に水平移動する際に、フォークポケット15が床面にあるスロープSを乗り越える様子を示している。(a)は台車10がスロープSを上ってその前側キャスター14がスロープSの尾根に到達した状態を示し、この時点では前後のフォークポケット15と床面の間にまだ隙間がある。(b)は前側キャスター14がスロープSの尾根を乗り越えて下り坂に入った状態を示し、前側フォークポケット15がスロープSの尾根の直前の床面に接触している。
【0015】
(c)(d)では前側キャスター14が下り坂を下って行くにしたがって前側フォークポケット15が尾根に押されてほぼ限界まで上昇して行く(残り隙間4mm)。同時に後側フォークポケット15は(c)(d)で台車10が前傾斜になるにしたがって床面に接触し始める。
【0016】
(e)(f)で前側キャスター14がスロープSから出て水平な床面に入ると共に前側フォークポケット15が尾根を通過する。そして前側フォークポケット15は(f)で完全に元の下降位置に復帰する。
【0017】
一方、後側フォークポケット15は尾根に近づくにつれて床面で上方に押されてやや上昇するが、後側キャスター14がスロープSを上って台車10後端側が持ち上げられるため、後側フォークポケット15の上昇量は前側フォークポケット15ほどではない。
【0018】
このように、台車10を水平移動する際にスロープSがあっても、フォークポケット15が上下動可能なため、フォークポケット15がスロープSに軽く擦れることはあっても、スロープSに衝突して台車10の移動に支障が生じるようなことはない。
【0019】
図4A〜図4Gはフォークポケット15の抜止め構造などの変形例を示したものである。図4Aは台車10の床板11のフレームにチャンネル材11cを使用した場合のフォークポケット15の取付け構造を示している。フォークポケット15の垂直部分15bをチャンネル材11cの下側フランジに挿通し、その上端部に抜止め部材としてナット20を取り付けている。
【0020】
図4Bは床板11のフレームに角パイプ11dを使用した場合のフォークポケット15の取付け構造を示している。フォークポケット15の垂直部分15bを角パイプ11dの底壁に挿通し、その上端部に抜止め部材としてナット20を取り付けている。角パイプ11dの上壁にはナット20を装着するためのアクセス孔11eを形成する。
【0021】
図4Cは抜止め材としての板金21をフォークポケット15の垂直部分15bの上端部に溶接付けしている。
【0022】
図4Dのフォークポケット15は帯鋼板をコ字状に折曲したものである。このようにフォークポケット15は棒鋼以外で構成してもよい。図4Dのフォークポケット15の垂直部分15bの上端部間に抜止め材として長ボルト22を掛渡してもよい。また、フォークポケット15の戻りを確実にするため、長ボルト22とチャンネル材11cの上フランジとの間にバネ23を介装してもよい。
【0023】
図4Eは帯鋼板のフォークポケット15の垂直部分15bの上端部に抜止め材として板金24を溶接付けしたものである。図4Fはフォークポケット15を水平揺動可能に構成したもので、水平部分15aの両端部と垂直部分15bの下端部を枢支連結15cし、垂直部分15bの上端部を床板11に枢結15dしている。この枢結15d部分に、垂直部分15bが左右に揺動しても元通りに復帰するようにバネ部材を装着してもよい。
【0024】
図4Gもフォークポケット15を水平揺動可能に構成したものであるが、フォークポケット15は金属製ではなく、それ自体を可撓性のゴム材や繊維材などでコ字状に形成したものである。フォークポケット15が左右に揺動した後にコ字状に復帰するように適度の弾性を持たせておく。このように、フォークポケット15は上下動可能な構成に限られない。
【0025】
以上説明した台車10の形式はいわゆるポールパレットと呼ばれるものであるが、台車10の形式はポールパレットに限らず任意である。図5はタイヤラックを備えた台車10であって、タイヤラックは上下方向に伸縮自在なパンタグラフ式2段ラック17、18と最上部のポール19で構成されている。
【0026】
ポール18は上段ラック18の上端に抜き差し可能に挿入される。タイヤTを載せないときはポール19を抜いてハンドルHを手で持ち引き下げると、2段ラック17、18を扁平状にコンパクト化することができる。
【0027】
従来、複数本のタイヤTをラック17、18に載せて台車10を移動させる場合、重心が高くなるので、上下動しない固定型のフォークポケットではスロープや段差にフォークポケットが引っ掛かった時の衝撃でタイヤTが不測に脱落することがあった。本発明の可動フォークポケットを装着した台車は、スロープや段差を気にすることなくスムーズかつ安全に移動作業を行うことができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はフォークポケットを台車に対して上下動可能または水平揺動可能に構成したものであればよく、前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0029】
10:輸送用台車 11:床板
11a:ポール差し 11b:貫通縦孔
11c:チャンネル材 11d:角パイプ
11e:アクセス孔 12:ポール
14:キャスター 15:フォークポケット
15a:水平部分 15b:垂直部分
17、18:タイヤラック 18:ポール
20:ナット(抜止め部材) 21:板金(抜止め部材)
22:長ボルト(抜止め部材) 23:バネ
24:板金 H:ハンドル
S:スロープ T:タイヤ
W:荷物
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5】