(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021066897
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】蒸着マスクの製造方法及び蒸着マスク
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20210402BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210402BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   !C23C14/04 A
   !H05B33/14 A
   !H05B33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】2019190522
(22)【出願日】20191017
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】清水 恒芳
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】吉田 耕平
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】樋口 拓也
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】岡 宏樹
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】落合 洋光
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107CC45
3K107FF15
3K107GG04
3K107GG33
4K029CA01
4K029HA01
4K029HA02
4K029HA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被蒸着基板に対する高い密着性を発揮し得る蒸着マスクの製造方法の提供。
【解決手段】樹脂層35と、樹脂層35の上に配置された鉄−ニッケル系合金を含む金属層31と、を準備する工程と、金属層31をエッチングして、金属層31に第1孔33を形成する工程と、金属層31をマスクとして、樹脂層35に第1孔33と通じる第2孔37を形成する工程と、を備える蒸着マスクの製造方法。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂層と、前記樹脂層の上に配置された鉄−ニッケル系合金を含む金属層と、を準備する工程と、
前記金属層をエッチングして、前記金属層に第1孔を形成する工程と、
前記金属層をマスクとして、前記樹脂層に第1孔と通じる第2孔を形成する工程と、を備えた、蒸着マスクの製造方法。
【請求項2】
前記第2孔は、レーザ光の照射により形成される、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項3】
前記第1孔を形成する工程の前に、
第1面と前記第1面とは反対側にある第2面とを有する支持基板を準備する工程と、
前記支持基板と前記金属層との間に前記樹脂層が位置するように、前記支持基板の前記第1面側に前記樹脂層及び前記金属層を配置する工程と、をさらに有する、請求項1又は2に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項4】
前記支持基板の前記第2面の上に、平面視において少なくとも部分的に前記第2孔と重なる開口を有するレジスト層を形成する工程と、
前記開口を介して前記支持基板をエッチングして、前記支持基板に前記第2孔と通じる第3孔を形成する工程と、
前記レジスト層を除去する工程と、をさらに有する、請求項3に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項5】
前記第2孔を形成する工程の後に、前記金属層及び前記樹脂層を前記支持基板から剥離する工程をさらに有する、請求項3に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項6】
第1面と前記第1面とは反対側にある第2面とを有する蒸着マスクであって、
鉄−ニッケル系合金を含み、第1孔を有する金属層と、
前記金属層の前記第2面側に位置し、前記第1孔と通じる第2孔を有する樹脂層と、を備え、
前記樹脂層の面方向の前記第2孔の寸法は、前記金属層から離れるにつれて大きくなるように変化する、蒸着マスク。
【請求項7】
前記第2孔の前記第2面側の寸法は、前記第1孔の前記第1面側の寸法よりも大きい、請求項6に記載の蒸着マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸着マスクの製造方法及び蒸着マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置として、応答性の良さ、消費電力の低さやコントラストの高さを備えた、有機EL表示装置が注目されている。この有機EL表示装置では、画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着マスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。具体的には、はじめに、有機EL表示装置用の基板(有機EL基板)を蒸着装置に投入し、次に、蒸着装置内で有機EL基板に対して蒸着マスクを密着させ、有機材料を有機EL基板に蒸着させる蒸着工程を行う。
【0003】
特許文献1には、フィルム層とメタル層とを有するマスクシートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−179591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蒸着マスクを有機EL基板等の被蒸着基板に対して密着させる際には、被蒸着基板の蒸着マスクと反対側に磁石を配置し、この磁石の磁力によって蒸着マスクを磁石側に引き寄せて、蒸着マスクを被蒸着基板に密着させる場合がある。樹脂層と金属層とを有する蒸着マスクを用いる場合、樹脂層が被蒸着基板側に位置するようにして蒸着マスクを配置して蒸着工程が行われる。従来技術においては、樹脂層と金属層とを有する蒸着マスクを用いて蒸着工程が行われる場合にも、被蒸着基板に対する蒸着マスクの高い密着性が求められていた。
【0006】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであって、被蒸着基板に対する高い密着性を発揮し得る蒸着マスクの製造方法及び蒸着マスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、
樹脂層と、前記樹脂層の上に配置された鉄−ニッケル系合金を含む金属層と、を準備する工程と、
前記金属層をエッチングして、前記金属層に第1孔を形成する工程と、
前記金属層をマスクとして、前記樹脂層に第1孔と通じる第2孔を形成する工程と、を備えた、蒸着マスクの製造方法、である。
【0008】
本開示の第2の態様は、
前記第2孔は、レーザ光の照射により形成される、第1の態様の蒸着マスクの製造方法、である。
【0009】
本開示の第3の態様は、
前記第1孔を形成する工程の前に、
第1面と前記第1面とは反対側にある第2面とを有する支持基板を準備する工程と、
前記支持基板と前記金属層との間に前記樹脂層が位置するように、前記支持基板の前記第1面側に前記樹脂層及び前記金属層を配置する工程と、をさらに有する、第1の態様又は第2の態様の蒸着マスクの製造方法、である。
【0010】
本開示の第4の態様は、
前記支持基板の前記第2面の上に、平面視において少なくとも部分的に前記第2孔と重なる開口を有するレジスト層を形成する工程と、
前記開口を介して前記支持基板をエッチングして、前記支持基板に前記第2孔と通じる第3孔を形成する工程と、
前記レジスト層を除去する工程と、をさらに有する、第3の態様の蒸着マスクの製造方法、である。
【0011】
本開示の第5の態様は、
前記第2孔を形成する工程の後に、前記金属層及び前記樹脂層を前記支持基板から剥離する工程をさらに有する、第3の態様の蒸着マスクの製造方法、である。
【0012】
本開示の第6の態様は、
第1面と前記第1面とは反対側にある第2面とを有する蒸着マスクであって、
鉄−ニッケル系合金を含み、第1孔を有する金属層と、
前記金属層の前記第2面側に位置し、前記第1孔と通じる第2孔を有する樹脂層と、を備え、
前記樹脂層の面方向の前記第2孔の寸法は、前記金属層から離れるにつれて大きくなるように変化する、蒸着マスク、である。
【0013】
本開示の第7の態様は、
前記第2孔の前記第2面側の寸法は、前記第1孔の前記第1面側の寸法よりも大きい、第6の態様の蒸着マスク、である。
【発明の効果】
【0014】
本開示の実施形態によれば、被蒸着基板に対する高い密着性を発揮し得る蒸着マスクの製造方法及び蒸着マスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本開示の一実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスク装置を有する蒸着装置を説明するための図である。
【図2】図2は、図1に示す蒸着装置で製造された有機EL表示装置の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、蒸着マスクを有する蒸着マスク装置の一例を概略的に示す平面図である。
【図4】図4は、蒸着マスクの部分拡大図であって、図3のIVが付された一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。
【図5】図5は、図4のV−V線に対応する断面図である。
【図6】図6は、図5の蒸着マスクの1つの貫通孔を拡大して示す図である。
【図7】図7は、蒸着マスクの製造方法の一例の一工程を示す図である。
【図8】図8は、蒸着マスクの製造方法の一例の一工程を示す図である。
【図9】図9は、蒸着マスクの製造方法の一例の一工程を示す図である。
【図10】図10は、蒸着マスクの製造方法の一例の一工程を示す図である。
【図11】図11は、蒸着マスクの第2孔の形成方法の一例を説明するための図である。
【図12】図12は、蒸着マスクの製造方法の一例の一工程を示す図である。
【図13】図13は、蒸着マスクの製造方法の一例の一工程を示す図である。
【図14】図14は、蒸着マスクの一変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「板」、「シート」、「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。また、「面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(シート状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0017】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0018】
本明細書および本図面において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」、「上側に(又は下側に)」、または「上方に(又は下方に)」とする場合、特別な説明が無い限りは、ある構成が他の構成に直接的に接している場合のみでなく、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合も含めて解釈することとする。また、特別な説明が無い限りは、上(または、上側や上方)又は下(または、下側、下方)という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
【0019】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0020】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態や変形例と組み合わせられ得る。また、その他の実施形態同士や、その他の実施形態と変形例も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。また、変形例同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。
【0021】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
【0022】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「〜」という記号によって表現される数値範囲は、「〜」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34〜38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
【0023】
本明細書の一実施形態において、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクやその製造方法に関した例をあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクに対し、本実施形態を適用することができる。
【0024】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
【0025】
本開示の第1の態様は、樹脂層と、前記樹脂層の上に配置された鉄−ニッケル系合金を含む金属層と、を準備する工程と、前記金属層をエッチングして、前記金属層に第1孔を形成する工程と、前記金属層をマスクとして、前記樹脂層に第1孔と通じる第2孔を形成する工程と、を備えた、蒸着マスクの製造方法、である。
【0026】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様において、前記第2孔は、レーザ光の照射により形成されてもよい。
【0027】
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様のそれぞれにおいて、前記第1孔を形成する工程の前に、第1面と前記第1面とは反対側にある第2面とを有する支持基板を準備する工程と、前記支持基板と前記金属層との間に前記樹脂層が位置するように、前記支持基板の前記第1面側に前記樹脂層及び前記金属層を配置する工程と、をさらに有してもよい。
【0028】
本開示の第4の態様は、上述した第3の態様において、前記支持基板の前記第2面の上に、平面視において少なくとも部分的に前記第2孔と重なる開口を有するレジスト層を形成する工程と、前記開口を介して前記支持基板をエッチングして、前記支持基板に前記第2孔と通じる第3孔を形成する工程と、前記レジスト層を除去する工程と、をさらに有してもよい。
【0029】
本開示の第5の態様は、上述した第3の態様において、前記第2孔を形成する工程の後に、前記金属層及び前記樹脂層を前記支持基板から剥離する工程をさらに有してもよい。
【0030】
本開示の第6の態様は、第1面と前記第1面とは反対側にある第2面とを有する蒸着マスクであって、鉄−ニッケル系合金を含み、第1孔を有する金属層と、前記金属層の前記第2面側に位置し、前記第1孔と通じる第2孔を有する樹脂層と、を備え、前記樹脂層の面方向の前記第2孔の寸法は、前記金属層から離れるにつれて大きくなるように変化する、蒸着マスク、である。
【0031】
本開示の第7の態様は、上述した第6の態様において、前記第2孔の前記第2面側の寸法は、前記第1孔の前記第1面側の寸法よりも大きくてもよい。
【0032】
蒸着マスク20を備える蒸着装置90について、図1を参照して説明する。図1は、蒸着装置90を示す図である。蒸着装置90は、対象物に蒸着材料98を蒸着させる蒸着処理を実施する。例えば、蒸着装置90は、有機EL表示装置100を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上に蒸着させてもよい。
【0033】
蒸着装置90は、その内部に、蒸着源(例えばるつぼ94)、ヒータ96、及び蒸着マスク装置10を備えてもよい。また、蒸着装置90は、蒸着装置90の内部を真空雰囲気にするための図示しない排気手段を更に備えてもよい。るつぼ94は、有機発光材料などの蒸着材料98を収容してもよい。ヒータ96は、るつぼ94を加熱して、真空雰囲気の下で蒸着材料98を蒸発させてもよい。蒸着マスク装置10は、るつぼ94と対向するよう配置されていてもよい。
【0034】
蒸着マスク装置10は、フレーム15と、フレーム15に取り付けられた蒸着マスク20と、を備えてもよい。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように、蒸着マスク20をその面方向(蒸着マスク20の平面に沿った方向)に張力が掛けられた状態(面方向に引張られた状態)で支持してもよい。蒸着マスク装置10は、図1に示すように、蒸着マスク20が、蒸着材料98を付着させる対象物である被蒸着基板(例えば有機EL基板)92に対面するよう、蒸着装置90内に配置されてもよい。以下の説明において、蒸着マスク20の面のうち、有機EL基板92側の面を第1面20aと称し、第1面20aの反対側に位置する面を第2面20bと称する。
【0035】
蒸着マスク装置10は、図1に示すように、有機EL基板92の、蒸着マスク20と反対の側の面に配置された磁石93を備えていてもよい。磁石93を設けることにより、磁力によって蒸着マスク20を磁石93側に引き寄せて、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させることができる。また、静電気力(クーロン力)を利用する静電チャックを用いて蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させてもよい。
【0036】
図2は、図1の蒸着装置90を用いて製造した有機EL表示装置100を示す断面図である。有機EL表示装置100は、被蒸着基板(有機EL基板)92と、パターン状に設けられた蒸着材料98を含む画素と、を備えていてもよい。なお、図2の有機EL表示装置100においては、蒸着材料98を含む画素に電圧を印加する電極等が省略されている。また、有機EL基板92上に蒸着材料98をパターン状に設ける蒸着工程の後、図2の有機EL表示装置100には、有機EL表示装置のその他の構成要素が更に設けられてもよい。したがって、図2の有機EL表示装置100は、有機EL表示装置の中間体と呼ぶこともできる。
【0037】
図3は、蒸着マスク20を有する蒸着マスク装置10の一例を概略的に示す平面図であり、蒸着マスク20の第2面20b側から見た蒸着マスク装置10を示す図である。図4は、蒸着マスク20の部分拡大図であって、図3のIVが付された一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す平面図である。図示された例では、蒸着マスク装置10は、矩形の輪郭を有するフレーム15と、フレーム15に取り付けられた蒸着マスク20と、を備えてもよい。蒸着マスク20は、蒸着マスク20を貫通する複数の貫通孔25が形成された金属板を含んでもよい。
【0038】
図示された例では、蒸着マスク20は、平面視において四角形、さらに正確には平面視において矩形の輪郭を有していてもよい。蒸着マスク20は、規則的な配列で貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含んでいてもよい。蒸着マスク20は複数の有効領域22を有し、複数の有効領域22は、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されていてもよい。図示された例では、一つの有効領域22が一つの有機EL表示装置に対応するようになっていてもよい。すなわち、図示された蒸着マスク装置10によれば、被蒸着基板上への多面付蒸着が可能となっていてもよい。蒸着マスク20の周縁部は、例えばスポット溶接によってフレーム15に取り付けられていてもよい。
【0039】
有効領域22には、蒸着対象物である被蒸着基板(例えば有機EL基板92)へ蒸着材料98(例えば有機発光材料)を蒸着させる際に蒸着材料98を通過させることを意図された複数の貫通孔25が、所望のパターンで形成されていてもよい。この蒸着マスク装置10は、図1に示すように、蒸着マスク20の第1面20aが、被蒸着基板の下面に対面するようにして、蒸着マスク20が蒸着装置90内に支持され、被蒸着基板への蒸着材料98の蒸着に使用されてもよい。図1に示された例では、るつぼ94から蒸発して蒸着マスク装置10に到達した蒸着材料98は、蒸着マスク20の貫通孔25を通って有機EL基板92に付着してもよい。これによって、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98を有機EL基板92の表面に成膜することができる。
【0040】
なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク20が搭載された蒸着装置90をそれぞれ準備し、有機EL基板92を各蒸着装置90に順に投入してもよい。これによって、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料及び青色用の有機発光材料を順に有機EL基板92に蒸着させることができる。
【0041】
図5は、図4のV−V線に対応する断面図であり、図5に示された蒸着マスク20の1つの貫通孔25を拡大して示す図である。
【0042】
図5及び図6に示すように、蒸着マスク20は、所定のパターンで設けられた第1孔33を有する金属層31と、第1孔33に通じる第2孔37を有する樹脂層35と、を備えてもよい。樹脂層35は、金属層31よりも蒸着マスク20の第2面20b側に配置されてもよい。金属層31は、樹脂層35と反対側に位置する第1面31aと、樹脂層35側に位置する第2面31bと、を有してもよい。また、金属層31の第1面31aが蒸着マスク20の第1面20aを構成し、樹脂層35の第2面31bの少なくとも一部が蒸着マスク20の第2面20bの少なくとも一部を構成してもよい。
【0043】
蒸着マスク20は、樹脂層35の金属層31と反対側に位置する支持基板41をさらに有してもよい。支持基板41は、圧延された金属板からなる層(圧延金属層)であってもよい。支持基板41は、金属層31及び樹脂層35を支持する部材として機能する。図5に示されているように、支持基板41は、樹脂層35側を向く第1面41aと、第1面41aと反対側を向く第2面41bと、を有していてもよい。この場合、支持基板41の第2面41bが蒸着マスク20の第2面20bの一部をなしていてもよい。
【0044】
支持基板41の厚みは、例えば、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。また、支持基板41の厚みは、例えば、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、70μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。支持基板41の厚みの範囲は、15μm、20μm、25μm及び30μmからなる第1グループ、及び/又は、40μm、50μm、70μm及び100μmからなる第2グループによって定められてもよい。支持基板41の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。支持基板41の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。支持基板41の厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、15μm以上100μm以下であってもよく、15μm以上70μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上100μm以下であってもよく、20μm以上70μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上100μm以下であってもよく、25μm以上70μm以下であってもよく、25μm以上50μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、25μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上100μm以下であってもよく、30μm以上70μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上100μm以下であってもよく、40μm以上70μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよく、50μm以上100μm以下であってもよく、50μm以上70μm以下であってもよく、70μm以上100μm以下であってもよい。
【0045】
支持基板41は、当該支持基板41を厚さ方向(法線方向)に貫通する第3孔43を有していてもよい。第3孔43は、支持基板41の第1面41aと第2面41bとを接続する貫通孔として形成されていてもよい。第3孔43は、蒸着マスク20の各有効領域22に対応して設けられていてもよい。すなわち、支持基板41は、蒸着マスク20の1つの有効領域22に対応して1つの第3孔43を有していてもよい。図4に示されているように、第3孔43は、平面視において四角形の輪郭を有していてもよい。なお、これに限られず、第3孔43の輪郭は、平面視において、三角形、五角形、六角形、八角形等の多角形や、円、楕円等の他の形状を有していてもよい。なお、本明細書において、「四角形」、「五角形」「六角形」、「八角形」及び「多角形」とは、当該「四角形」、「五角形」「六角形」、「八角形」及び「多角形」の角部が丸められたり切り取られたりしている形状をも含むものとする。
【0046】
本実施の形態では、隣り合う2つの有効領域22の間に支持基板41が配置されてもよい。これにより、蒸着マスク20の強度を十分に確保することができる。すなわち、隣り合う2つの有効領域22の間に配置された支持基板41が、金属層31及び樹脂層35を支持するので、重力の作用により金属層31及び樹脂層35が撓んだり、外力の作用により金属層31及び樹脂層35が変形したりすることを、抑制することができる。
【0047】
金属層31は、蒸着工程において、被蒸着基板92の蒸着マスク20と反対側に配置され得る磁石93により被蒸着基板92へ向けて引き寄せられる層であってもよい。したがって、金属層31は、磁石93により引き寄せられる性質を有した材料を含んでいることが好ましい。
【0048】
蒸着処理は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部で実施されてもよい。この場合、蒸着処理の間、蒸着装置90の内部に保持される蒸着マスク20及び被蒸着基板92も加熱される。この際、蒸着マスク20及び被蒸着基板92は、各々の熱膨張係数に基づいた寸法変化の挙動を示すことになる。したがって、蒸着マスク20を構成する部材の熱膨張係数が、被蒸着基板92の熱膨張係数と同等の値であってもよい。
【0049】
例えば、被蒸着基板92としてガラス基板が用いられる場合、フレーム15及び蒸着マスク20の主要な金属材料として、ニッケルを含む鉄合金すなわち鉄−ニッケル系合金を用いてもよい。とりわけ、蒸着マスク20の金属層31及び支持基板41が鉄−ニッケル系合金を含んでいてもよい。鉄−ニッケル合金は、コバルト等の他の成分を更に含んでいてもよい。例えば、フレーム15、金属層31及び支持基板41の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で30質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いてもよい。ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルを含む低熱膨張Fe−Ni系合金などを挙げることができる。
【0050】
金属層31が鉄−ニッケル系合金を含むことにより、金属層31は、磁石93により引き寄せられる性質を有するようになる。これにより、金属層31は、蒸着工程において、磁石93により被蒸着基板92へ向けて引き寄せられる。したがって、蒸着工程における、被蒸着基板92に対する蒸着マスク20の密着性を向上させることができる。
【0051】
また、フレーム15、金属層31及び支持基板41が鉄−ニッケル系合金を含むことにより、蒸着マスク20の熱膨張係数と、被蒸着基板92の熱膨張係数との差を小さくすることができる。この場合、蒸着マスク20と被蒸着基板92との間の寸法変化を小さくすることができる。したがって、被蒸着基板92上に付着する蒸着材料98の寸法精度や位置精度を効果的に向上させることができる。
【0052】
金属層31は、樹脂層35の上に、電解めっき法、無電解めっき法等のめっき法、物理蒸着法、スパッタ法、CVD法等により形成されてもよい。また、金属層31は、圧延された金属板により形成されてもよい。金属層31が金属板により形成される場合、金属板を研磨することにより金属層31の厚みが調整されてもよい。
【0053】
金属層31の厚みは、例えば、0.3μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよく、0.8μm以上であってもよく、1.0μm以上であってもよい。また、金属層31の厚みは、例えば、2.0μm以下であってもよく、3.0μm以下であってもよく、4.0μm以下であってもよく、5.0μm以下であってもよい。金属層31の厚みの範囲は、0.3μm、0.5μm、0.8μm及び1.0μmからなる第1グループ、及び/又は、2.0μm、3.0μm、4.0μm及び5.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。金属層31の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。金属層31の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。金属層31の厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.3μm以上5.0μm以下であってもよく、0.3μm以上4.0μm以下であってもよく、0.3μm以上3.0μm以下であってもよく、0.3μm以上2.0μm以下であってもよく、0.3μm以上1.0μm以下であってもよく、0.3μm以上0.8μm以下であってもよく、0.3μm以上0.5μm以下であってもよく、0.5μm以上5.0μm以下であってもよく、0.5μm以上4.0μm以下であってもよく、0.5μm以上3.0μm以下であってもよく、0.5μm以上2.0μm以下であってもよく、0.5μm以上1.0μm以下であってもよく、0.5μm以上0.8μm以下であってもよく、0.8μm以上5.0μm以下であってもよく、0.8μm以上4.0μm以下であってもよく、0.8μm以上3.0μm以下であってもよく、0.8μm以上2.0μm以下であってもよく、0.8μm以上1.0μm以下であってもよく、1.0μm以上5.0μm以下であってもよく、1.0μm以上4.0μm以下であってもよく、1.0μm以上3.0μm以下であってもよく、1.0μm以上2.0μm以下であってもよく、2.0μm以上5.0μm以下であってもよく、2.0μm以上4.0μm以下であってもよく、2.0μm以上3.0μm以下であってもよく、3.0μm以上5.0μm以下であってもよく、3.0μm以上4.0μm以下であってもよく、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
【0054】
樹脂層35は、金属層31を支持する部材として機能する。樹脂層35は、例えば、ポリイミド、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、PA(ポリアミド)、フッ素化PI(フッ素化ポリイミド)又はETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)などのフッ素樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂を含んでいてもよい。とりわけ、十分な強度を確保する観点からは、樹脂層35を構成する材料としてポリイミドを用いることが好ましい。樹脂層35は、金属層31の上に流動性を有する樹脂を塗布した後に当該樹脂を硬化させることにより形成されてもよい。また、樹脂層35は、シートやフィルムとして形成されたものを用いてもよい。一例として、樹脂層35を構成する材料としてポリイミドが用いられる場合、樹脂層35は、金属層31の上にポリイミド前駆体の溶液を塗布し、当該ポリイミド前駆体を加熱してイミド化することにより形成されてもよい。
【0055】
樹脂層35の厚みは、例えば、5μm以上であってもよく、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。また、樹脂層35の厚みは、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。樹脂層35の厚みの範囲は、5μm、8μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。樹脂層35の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。樹脂層35の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。樹脂層35の厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5μm以上50μm以下であってもよく、5μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上30μm以下であってもよく、5μm以上20μm以下であってもよく、5μm以上15μm以下であってもよく、5μm以上10μm以下であってもよく、5μm以上8μm以下であってもよく、8μm以上50μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
【0056】
金属層31と樹脂層35の合計厚みは、例えば、5.3μm以上であってもよく、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。また、金属層31と樹脂層35の合計厚みは、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、55μm以下であってもよい。金属層31と樹脂層35の合計厚みの範囲は、5.3μm、8μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び55μmからなる第2グループによって定められてもよい。金属層31と樹脂層35の合計厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。金属層31と樹脂層35の合計厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。金属層31と樹脂層35の合計厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5.3μm以上55μm以下であってもよく、5.3μm以上40μm以下であってもよく、5.3μm以上30μm以下であってもよく、5.3μm以上20μm以下であってもよく、5.3μm以上15μm以下であってもよく、5.3μm以上10μm以下であってもよく、5.3μm以上8μm以下であってもよく、8μm以上55μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上55μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上55μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上55μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上55μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上55μm以下であってもよい。
【0057】
本実施の形態の蒸着マスク20では、互いに通じた第1孔33と第2孔37とにより、蒸着マスク20を貫通する貫通孔25が構成されてもよい。この場合、蒸着マスク20の第1面20a側における貫通孔25の寸法や開口形状は、金属層31の第1孔33によって画定される。一方、蒸着マスク20の第2面20b側における貫通孔25の寸法や開口形状は、樹脂層35の第2孔37によって画定される。言い換えると、貫通孔25には、金属層31の第1孔33によって画定される形状、及び、樹脂層35の第2孔37によって画定される形状の両方が付与されている。
【0058】
図3及び図4に示すように、貫通孔25を構成する第1孔33や第2孔37は、平面視において多角形の輪郭を有してもよい。ここでは第1孔33及び第2孔37が、四角形の輪郭を有している例が示されている。また、第1孔33や第2孔37は、六角形や八角形など、その他の多角形の輪郭を有してもよい。第1孔33や第2孔37は、平面視において、円や、楕円等の輪郭を有していてもよい。金属層31と樹脂層35との間にその他の層が介在されていてもよい。例えば、金属層31と樹脂層35との間に、樹脂層35の上における金属層31の析出を促進させるための触媒層が設けられていてもよい。
【0059】
図4に示されているように、各有効領域22に形成された貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されていてもよい。貫通孔25の配列ピッチは、例えば、6μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、14μm以上であってもよく、18μm以上であってもよい。また、貫通孔25の配列ピッチは、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。貫通孔25の配列ピッチの範囲は、6μm、10μm、14μm及び18μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。貫通孔25の配列ピッチの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。貫通孔25の配列ピッチの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。貫通孔25の配列ピッチの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、6μm以上50μm以下であってもよく、6μm以上40μm以下であってもよく、6μm以上30μm以下であってもよく、6μm以上20μm以下であってもよく、6μm以上18μm以下であってもよく、6μm以上14μm以下であってもよく、6μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上18μm以下であってもよく、10μm以上14μm以下であってもよく、14μm以上50μm以下であってもよく、14μm以上40μm以下であってもよく、14μm以上30μm以下であってもよく、14μm以上20μm以下であってもよく、14μm以上18μm以下であってもよく、18μm以上50μm以下であってもよく、18μm以上40μm以下であってもよく、18μm以上30μm以下であってもよく、18μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
【0060】
図6に示されているように、第2面20bにおける貫通孔25(第2孔37)の寸法Sは、第1面20aにおける貫通孔25(第1孔33)の寸法Sよりも大きくなっている。なお、図6において、符号Sは、金属層31と樹脂層35との接続部における貫通孔25の寸法を表している。金属層31の第2面20b側の寸法と樹脂層35の第1面20a側の寸法とが互いに等しくてもよい。すなわち、金属層31の第2面20b側の寸法及び樹脂層35の第1面20a側の寸法が、いずれもSであってもよい。
【0061】
貫通孔25がこのような寸法S,Sを有していることにより、蒸着マスク20の法線方向に対して傾斜した方向に沿って移動する蒸着材料98を、十分に被蒸着基板92に付着させることができる。したがって、有機EL基板等の被蒸着基板92において、当該被蒸着基板92に付着した蒸着材料98から形成された有機発光材料から発せられる光に高い輝度を持たせることができる。また、これにより、被蒸着基板92から発せられる光の輝度を均一化することも可能になる。
【0062】
上述の寸法S,S,Sは、有機EL表示装置の画素密度や上述の角度θ1の所望値などを考慮して、適切に設定される。
【0063】
金属層31と樹脂層35との接続部における貫通孔25の寸法Sは、例えば、5μm以上であってもよく、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。また、寸法Sは、例えば、20μm以下であってもよく、25μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。寸法Sの範囲は、5μm、8μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、25μm、30μm及び40μmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上30μm以下であってもよく、5μm以上25μm以下であってもよく、5μm以上20μm以下であってもよく、5μm以上15μm以下であってもよく、5μm以上10μm以下であってもよく、5μm以上8μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上25μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、25μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよい。
【0064】
第1面20aにおける貫通孔25(第1孔33)の寸法Sは、例えば、5μm以上であってもよく、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。また、寸法Sは、例えば、20μm以下であってもよく、25μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。寸法Sの範囲は、5μm、8μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、25μm、30μm及び40μmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上30μm以下であってもよく、5μm以上25μm以下であってもよく、5μm以上20μm以下であってもよく、5μm以上15μm以下であってもよく、5μm以上10μm以下であってもよく、5μm以上8μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上25μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、25μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよい。
【0065】
第2面20bにおける貫通孔25(第2孔37)の寸法Sは、例えば、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。また、寸法Sは、例えば、25μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。寸法Sの範囲は、8μm、10μm、15μm及び20μmからなる第1グループ、及び/又は、25μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法Sの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、8μm以上50μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上25μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上50μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、25μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
【0066】
図6に示されているように、蒸着マスク20の法線方向に沿った断面において、面方向(樹脂層35の平面に沿った方向)の第2孔37の寸法S37は、金属層31から離れるにつれて、すなわち蒸着マスク20の第1面20a側から第2面20b側へ向かうにつれて、大きくなるように変化してもよい。とりわけ、第2孔37の寸法S37は、金属層31から離れるにつれて、常に大きくなるように変化してもよい。言い換えると、第2孔37の寸法S37は、金属層31から離れるにつれて、常に大きくなるように変化し続けてもよい。
【0067】
なお、ここでいう「大きくなるように変化する」とは、法線方向に沿った第2孔37の断面を全体的に見て、第2孔37の寸法S37が金属層31から離れるにつれて、大きくなるように変化することを意味する。したがって、「大きくなるように変化する」とは、図6に示されているような、第2孔37の寸法S37が、金属層31から離れるにつれて、常に大きくなるように変化し続けることのみを意味するものではない。したがって、金属層31から離れるにつれて、一部の領域において寸法S37が変化しないものや寸法S37が小さくなるものであっても、法線方向に沿った第2孔37の断面を全体的に見て、第2孔37の寸法S37が金属層31から離れるにつれて、大きくなるように変化するといえるものは、ここでいう「大きくなるように変化する」に含まれる。
【0068】
蒸着マスク20の法線方向に対して傾斜した方向に沿って移動する蒸着材料98を、可能な限り被蒸着基板92に到達させるために、蒸着マスク20の法線方向と第2孔37の側面38とのなす角度θを大きくしてもよい。角度θは、例えば、0度以上であってもよく、5度以上であってもよく、10度以上であってもよく、20度以上であってもよい。また、角度θは、例えば、45度以下であってもよく、50度以下であってもよく、55度以下であってもよく、60度以下であってもよい。角度θの範囲は、0度、5度、10度及び20度からなる第1グループ、及び/又は、45度、50度、55度及び60度からなる第2グループによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0度以上60度以下であってもよく、0度以上55度以下であってもよく、0度以上50度以下であってもよく、0度以上45度以下であってもよく、0度以上20度以下であってもよく、0度以上10度以下であってもよく、0度以上5度以下であってもよく、5度以上60度以下であってもよく、5度以上55度以下であってもよく、5度以上50度以下であってもよく、5度以上45度以下であってもよく、5度以上20度以下であってもよく、5度以上10度以下であってもよく、10度以上60度以下であってもよく、10度以上55度以下であってもよく、10度以上50度以下であってもよく、10度以上45度以下であってもよく、10度以上20度以下であってもよく、20度以上60度以下であってもよく、20度以上55度以下であってもよく、20度以上50度以下であってもよく、20度以上45度以下であってもよく、45度以上60度以下であってもよく、45度以上55度以下であってもよく、45度以上50度以下であってもよく、50度以上60度以下であってもよく、50度以上55度以下であってもよく、55度以上60度以下であってもよい。
【0069】
本実施の形態の蒸着マスク20では、金属層31が、樹脂層35よりも被蒸着基板92側に配置されている。これにより、被蒸着基板92の蒸着マスク20と反対側に配置され得る磁石93と金属層31との距離が小さくなり、磁石93による金属層31を被蒸着基板92へ引き寄せる力を大きくすることができる。したがって、金属層31と樹脂層35とを有する蒸着マスク20を用いて蒸着工程が行われる場合における、被蒸着基板92に対する蒸着マスク20の密着性を効果的に向上させることができる。
【0070】
次に、図7〜図13を参照して、蒸着マスク20の製造方法の一例について説明する。
【0071】
まず、図7に示されているように、金属層31及び樹脂層35を準備する。金属層31は、鉄−ニッケル系合金を含んでもよい。樹脂層35としてシートやフィルムとして形成されたものを用い、この樹脂層35の上に、金属層31が、電解めっき法、無電解めっき法等のめっき法、物理蒸着法、スパッタ法、CVD法等により形成されてもよい。また、金属層31として圧延された金属板を用い、この金属層31の上に流動性を有する樹脂を塗布した後に当該樹脂を硬化させることにより樹脂層35を形成してもよい。また、シートやフィルムとして形成された樹脂層35と、圧延された金属板で形成された金属層31とを貼り合わせてもよい。金属層31が金属板により形成される場合、金属板を研磨することにより金属層31の厚みが調整されてもよい。
【0072】
次に、支持基板41を準備する。支持基板41は、第1面41aと、第1面41aと反対側にある第2面41bと、を有していてもよい。支持基板41は、圧延された金属板からなる層(圧延金属層)であってもよい。
【0073】
次に、金属層31及び樹脂層35を支持基板41の上に配置する。これにより、樹脂層35と、樹脂層35の上に配置された鉄−ニッケル系合金を含む金属層31と、が準備される。とりわけ、図8に示されているように、支持基板41と金属層31との間に樹脂層35が位置するように、支持基板41の第1面41a側に樹脂層35及び金属層31を配置してもよい。
【0074】
図9に示されているように、金属層31をエッチングして、金属層31に第1孔33を形成する。第1孔33は、例えば、フォトリソグラフィー技術を用いて形成されてもよい。フォトリソグラフィー技術を用いた第1孔33の形成は、一例として、以下のように行われてもよい。まず、流動性を有する感光性の樹脂を金属層31の第1面31aの上に塗布して硬化させることにより、又は、シート状の感光性の樹脂を第1面31aの上に配置することにより、第1面31aの上に、図示しない樹脂層を形成する。次に、形成されるべき第1孔33のパターンに対応したパターンで配置された遮光層を有するフォトマスクを用いて樹脂層を露光する。そして、樹脂層を現像することにより、樹脂層から第1孔33のパターンに対応したパターンを有するレジスト層が形成される。とりわけ、レジスト層は、第1孔33が形成されるべき箇所に、当該第1孔33の形状に対応した形状を有する開口を有している。その後、レジスト層の開口を介してエッチング液により金属層31をエッチングして、金属層31の第1面31aから第2面32bに達する第1孔33を形成する。
【0075】
次に、図10に示されているように、金属層31をマスクとして、樹脂層35に第1孔33と通じる第2孔37を形成する。ここで、「金属層31をマスクとして、樹脂層35に第1孔33と通じる第2孔37を形成する」とは、金属層31の第1面31aと第1孔33から露出した樹脂層35とに対して、少なくともある瞬間に同じ処理が行われ、これにより、第1孔33から露出した樹脂層35に第1孔33と通じる第2孔37を形成することを指す。
【0076】
第2孔37の形成は、一例として、レーザ光の照射により行われてもよい。図11を参照して、第2孔37の形成方法の一例を説明する。光源50を金属層31の平面と平行な方向に沿って移動させながら、光源50から金属層31及び樹脂層35へ向けてレーザ光Lを照射する。レーザ光Lは所定の角度θにわたって光源50から離れるにつれて広がるように照射されてもよい。レーザ光Lは、少なくともある瞬間には、金属層31の第1面31aと第1孔33から露出した樹脂層35とに対して照射されてもよい。照射されたレーザ光Lのうち、金属層31の上に照射されたレーザ光Lは、当該金属層31により反射される。なお、金属層31の上に照射されたレーザ光Lの一部が金属層31により吸収されてもよい。このとき、金属層31は、レーザ光Lによって変化しない。その一方、第1孔33を通って樹脂層35に到達したレーザ光Lは、樹脂層35を削り取る。これにより、樹脂層35に第1孔33と通じる第2孔37が形成される。第1孔33と、当該第1孔33と通じる第2孔37により、貫通孔25が形成される。
【0077】
なお、レーザ光Lのエネルギーを調整することにより、レーザ光Lにより金属層31を変化させずに樹脂層35を削り取ることができる。ここに、例として、KrFエキシマレーザーをもちいた場合のレーザーエネルギーの例を示す。レーザ光Lのエネルギーの値は、例えば、0.5J/cm以上であってもよく、1.0J/cm以上であってもよく、1.5J/cm以上であってもよく、2.0J/cm以上であってもよい。また、レーザ光Lのエネルギーの値は、例えば、3.0J/cm以下であってもよく、4.0J/cm以下であってもよく、5.0J/cm以下であってもよく、6.0J/cm以下であってもよい。レーザ光Lのエネルギーの値の範囲は、0.5J/cm、1.0J/cm、1.5J/cm及び2.0J/cmからなる第1グループ、及び/又は、3.0J/cm、4.0J/cm、5.0J/cm及び6.0J/cmからなる第2グループによって定められてもよい。レーザ光Lのエネルギーの値の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。レーザ光Lのエネルギーの値の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。レーザ光Lのエネルギーの値の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.5J/cm以上6.0J/cm以下であってもよく、0.5J/cm以上5.0J/cm以下であってもよく、0.5J/cm以上4.0J/cm以下であってもよく、0.5J/cm以上3.0J/cm以下であってもよく、0.5J/cm以上2.0J/cm以下であってもよく、0.5J/cm以上1.5J/cm以下であってもよく、0.5J/cm以上1.0J/cm以下であってもよく、1.0J/cm以上6.0J/cm以下であってもよく、1.0J/cm以上5.0J/cm以下であってもよく、1.0J/cm以上4.0J/cm以下であってもよく、1.0J/cm以上3.0J/cm以下であってもよく、1.0J/cm以上2.0J/cm以下であってもよく、1.0J/cm以上1.5J/cm以下であってもよく、1.5J/cm以上6.0J/cm以下であってもよく、1.5J/cm以上5.0J/cm以下であってもよく、1.5J/cm以上4.0J/cm以下であってもよく、1.5J/cm以上3.0J/cm以下であってもよく、1.5J/cm以上2.0J/cm以下であってもよく、2.0J/cm以上6.0J/cm以下であってもよく、2.0J/cm以上5.0J/cm以下であってもよく、2.0J/cm以上4.0J/cm以下であってもよく、2.0J/cm以上3.0J/cm以下であってもよく、3.0J/cm以上6.0J/cm以下であってもよく、3.0J/cm以上5.0J/cm以下であってもよく、3.0J/cm以上4.0J/cm以下であってもよく、4.0J/cm以上6.0J/cm以下であってもよく、4.0J/cm以上5.0J/cm以下であってもよく、5.0J/cm以上6.0J/cm以下であってもよい。
【0078】
図11に示された例において、光源50が位置Pに位置するとき、光源50から照射されるレーザ光Lのうち照射範囲の最も先端側(図11では右側)のレーザ光Lにより、第2孔37の一方の側面(図11では右側に位置する側面)38が形成されてもよい。光源50が位置Pから位置Pへ移動するにつれて、第2孔37の内部が削り取られていく。光源50が位置Pに位置するとき、光源50から照射されるレーザ光Lのうち照射範囲の最も後端側(図11では左側)のレーザ光Lにより、第2孔37の他方の側面(図11では左側に位置する側面)38が形成されてもよい。この場合、蒸着マスク20の法線方向と第2孔37の側面38とのなす角度θ(図6参照)は、レーザ光Lの照射範囲を画定する角度θにより決まることになる。とりわけ、角度θと角度θとの間には、以下の関係がある。
θ = θ×(1/2)
【0079】
角度θは、例えば、0度以上であってもよく、10度以上であってもよく、20度以上であってもよく、40度以上であってもよい。また、角度θは、例えば、90度以下であってもよく、100度以下であってもよく、110度以下であってもよく、120度以下であってもよい。角度θの範囲は、0度、10度、20度及び40度からなる第1グループ、及び/又は、90度、100度、110度及び120度からなる第2グループによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。角度θの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0度以上120度以下であってもよく、0度以上110度以下であってもよく、0度以上100度以下であってもよく、0度以上90度以下であってもよく、0度以上40度以下であってもよく、0度以上20度以下であってもよく、0度以上10度以下であってもよく、10度以上120度以下であってもよく、10度以上110度以下であってもよく、10度以上100度以下であってもよく、10度以上90度以下であってもよく、10度以上40度以下であってもよく、10度以上20度以下であってもよく、20度以上120度以下であってもよく、20度以上110度以下であってもよく、20度以上100度以下であってもよく、20度以上90度以下であってもよく、20度以上40度以下であってもよく、40度以上120度以下であってもよく、40度以上110度以下であってもよく、40度以上100度以下であってもよく、40度以上90度以下であってもよく、90度以上120度以下であってもよく、90度以上110度以下であってもよく、90度以上100度以下であってもよく、100度以上120度以下であってもよく、100度以上110度以下であってもよく、110度以上120度以下であってもよい。
【0080】
その後、第2孔37を形成する工程で発生した樹脂層35のカス等を除去するために、洗浄及び/又はデスカム処理を行ってもよい。デスカム処理としては、例えば酸素プラズマアッシングを用いることができる。
【0081】
次に、金属層31の上を覆うように第1レジスト層61を形成する。このとき、貫通孔25(第1孔33、第2孔37)内にも第1レジスト層61が充填されるようにしてもよい。また、支持基板41の樹脂層35と反対側の面(第2面41b)の上に第2レジスト層(レジスト層)63を形成してもよい(図11参照)。第1レジスト層61は、後述のエッチング工程において用いられるエッチング液によって金属層31及び樹脂層35が侵食されることを防止するために設けられる。したがって、他の方法により金属層31及び樹脂層35が侵食されることが防止される場合には、第1レジスト層61を省略してもよい。この場合、例えば、エッチング工程において、エッチング液が金属層31及び樹脂層35に接触しないようにして第3孔43を形成してもよい。第2レジスト層63は、支持基板41の第3孔43が形成されるべき箇所に対応する開口65を有してもよい。開口65は、平面視において貫通孔25(第1孔33、第2孔37)と重なっていてもよい。とりわけ、開口65は、平面視において1つの有効領域22に対応する全ての凸部42と重なっていてもよい。第1レジスト層61及び第2レジスト層63は、例えば、エッチング工程において用いられるエッチング液に対する耐性を有した樹脂シートを貼り付けたり、同様の耐性を有した流動性を有する樹脂材料を塗布して硬化させることにより形成してもよい。開口65は、例えばフォトリソグラフィー技術を用いて形成してもよい。
【0082】
次に、第2レジスト層63をマスクとして、支持基板41をエッチングし第3孔43を形成する(図13参照)。具体的には、第2レジスト層63の開口65に露出した支持基板41にエッチング液を接触させ、支持基板41を第2面41b側から第1面41a側へ向けてエッチングしてもよい。このエッチングは、少なくとも第3孔43が樹脂層35へ到達し、第3孔43内に樹脂層35が露出するまで継続されてもよい。エッチング液としては、塩化第二鉄溶液や塩酸を用いてもよい。
【0083】
ところで、エッチング工程では、図13に示されているように、エッチングによる浸食は、支持基板41の厚さ方向(法線方向)だけでなく、支持基板41の面方向(支持基板41の平面に沿った方向)にも進行し得る。したがって、平面視において、エッチング工程で形成される第3孔43の寸法は、第2レジスト層63の開口65の寸法よりも大きくなり得る。したがって、エッチング工程における支持基板41の面方向への浸食量を考慮して、開口65の寸法は、形成されるべき第3孔43の寸法よりも小さく設定されることが好ましい。
【0084】
最後に、第1レジスト層61及び第2レジスト層63を除去する。これにより、貫通孔25と第3孔43とが通じ、図5及び図6に示される蒸着マスク20が得られる。
【0085】
本開示の蒸着マスクの製造方法は、樹脂層35と、樹脂層35の上に配置された鉄−ニッケル系合金を含む金属層31と、を準備する工程と、金属層31をエッチングして、金属層31に第1孔33を形成する工程と、金属層31をマスクとして、樹脂層35に第1孔33と通じる第2孔37を形成する工程と、を備える。
【0086】
このような蒸着マスクの製造方法によれば、樹脂層35に第2孔37を形成する工程において、第2孔37を形成するために用いられる装置(例えば光源50)を、金属層31の第1孔33に対して精密に位置合わせすることなく、第1孔33と通じる第2孔37を形成することができる。したがって、第2孔37を形成するために用いられる装置の構成を簡単にすることができる。
【0087】
本開示の蒸着マスクの製造方法において、第2孔37は、レーザ光Lの照射により形成されてもよい。
【0088】
このような蒸着マスクの製造方法によれば、所望の形状を有する第2孔37を簡単に形成することができる。
【0089】
本開示の蒸着マスクの製造方法において、第1孔33を形成する工程の前に、第1面31aと第1面31aとは反対側にある第2面31bとを有する支持基板41を準備する工程と、支持基板41と金属層31との間に樹脂層35が位置するように、支持基板41の第1面31a側に樹脂層35及び金属層31を配置する工程と、をさらに有してもよい。
【0090】
このような蒸着マスクの製造方法によれば、支持基板41により金属層31及び樹脂層35が支持されるので、金属層31及び樹脂層35を平坦に維持することができる。
【0091】
本開示の蒸着マスクの製造方法において、支持基板41の第2面31bの上に、平面視において少なくとも部分的に第2孔37と重なる開口65を有するレジスト層63を形成する工程と、開口65を介して支持基板41をエッチングして、支持基板41に第2孔37と通じる第3孔43を形成する工程と、レジスト層63を除去する工程と、をさらに有してもよい。
【0092】
このような蒸着マスクの製造方法によれば、第3孔43を有する支持基板41をそのまま蒸着マスク20の一部とすることができる。この場合、製造後の蒸着マスク20においても、支持基板41により金属層31及び樹脂層35が支持されるので、金属層31及び樹脂層35を平坦に維持することができる。
【0093】
本開示の蒸着マスクは、第1面20aと第1面20aとは反対側にある第2面20bとを有する蒸着マスク20であって、鉄−ニッケル系合金を含み、第1孔33を有する金属層31と、金属層31の第2面20b側に位置し、第1孔33と通じる第2孔37を有する樹脂層35と、を備え、樹脂層35の面方向の第2孔37の寸法は、金属層31から離れるにつれて大きくなるように変化する。
【0094】
本開示の蒸着マスクにおいて、第2孔37の第2面20b側の寸法S2は、第1孔33の第1面20a側の寸法S1よりも大きくてもよい。
【0095】
このような蒸着マスクによれば、蒸着マスク20の法線方向に対して傾斜した方向に沿って移動する蒸着材料98を、十分に被蒸着基板92に付着させることができる。したがって、有機EL基板等の被蒸着基板92において、当該被蒸着基板92に付着した蒸着材料98から形成された有機発光材料から発せられる光に高い輝度を持たせることができる。また、これにより、被蒸着基板92から発せられる光の輝度を均一化することも可能になる。
【0096】
上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
【0097】
図14は、蒸着マスク20の一変形例を示す図である。本変形例の蒸着マスク20は、図5を参照して説明した蒸着マスク20と比較して、支持基板41を有していない点で異なっている。図14に示された蒸着マスク20は、支持基板41を有していないので、蒸着マスク20全体の厚みを小さくすることができる。
【0098】
このような蒸着マスク20は、一例として以下のように製造されてもよい。図8を参照して説明した、金属層31及び樹脂層35を支持基板41の上に配置する工程において、支持基板41と樹脂層35との間に、後の工程で剥離することが可能な層(剥離層)を配置する。剥離層としては、例えば、加熱されることにより発泡して剥離可能になる粘着剤を用いてもよい。このような粘着剤としては、例えば日東電工株式会社製の剥離シート「リバアルファ(登録商標)」を用いてもよい。そして、樹脂層35の第2孔37を形成する工程の後に、金属層31及び樹脂層35を剥離層から剥離してもよい。剥離層として、加熱されることにより発泡して剥離可能になる粘着剤が用いられる場合には、樹脂層35の第2孔37を形成する工程の後に、少なくとも粘着剤を加熱して、金属層31及び樹脂層35を剥離層から剥離してもよい。第2孔37を形成する工程で発生した樹脂層35のカス等を除去するための洗浄及び/又はデスカム処理を行う場合には、当該洗浄及び/又はデスカム処理を、金属層31及び樹脂層35を支持基板41から剥離する前に行ってもよいし、金属層31及び樹脂層35を支持基板41から剥離した後に行ってもよい。
【0099】
本変形例の蒸着マスクの製造方法において、第2孔37を形成する工程の後に、金属層31及び樹脂層35を支持基板41から剥離する工程をさらに有してもよい。
【0100】
このような蒸着マスクの製造方法によれば、全体の厚みが小さくされた蒸着マスク20を得ることが可能になる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】