(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021067043
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】そで壁付コンクリート柱の耐震補強構造
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20210402BHJP
【FI】
   !E04G23/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】2019191667
(22)【出願日】20191021
(71)【出願人】
【識別番号】519377624
【氏名又は名称】相原 俊弘
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区西柴1−5−5
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】相原 俊弘
【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区西柴1−5−5
【テーマコード(参考)】
2E176
【Fターム(参考)】
2E176AA02
2E176AA04
2E176BB28
2E176BB29
(57)【要約】
【課題】構成が簡単で製造が容易で耐震性能を著しく向上することが可能なそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造を提供することを目的とする。
【解決手段】コンクリート柱の両側にコンクリートそで壁が定着されたそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造において、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に配置されコンクリート柱とコンクリートそで壁に固定される薄肉鋼板からなる補強部材と、補強部材に囲まれた空間に配筋される補強筋と、補強筋が配筋された補強部材に囲まれた空間に充填固化されるコンクリートモルタルと、を備え、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に補強柱を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート柱の両側にコンクリートそで壁が定着されたそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造において、
コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に配置されコンクリート柱とコンクリートそで壁に固定される薄肉鋼板からなる補強部材と、
補強部材に囲まれた空間に配筋される補強筋と、
補強筋が配筋された補強部材に囲まれた空間に充填固化されるコンクリートモルタルと、を備え、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に補強柱を形成することを特徴とするそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造。
【請求項2】
補強部材に囲まれた空間に伸びるコンクリートそで壁に配置されたあと施工アンカーを備えることを特徴とする請求項1に記載のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造。
【請求項3】
補強部材の外側に配置固定される連続繊維シートを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そで壁付コンクリート柱の耐震補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、そで壁付コンクリート柱の耐震補強構造において、コンクリート柱としてコンクリート梁に囲まれた架構面内の一部に柱の際にまで及ぶ大きな開口部が形成されたそで壁であって、前記開口部にその高さ及び横幅寸法がそで壁に近似した大きさの長方形に形成されたループ状補強筋を配置するそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭59―63706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造は、ループ状補強筋はコンクリート柱に定着されておらず、コンクリート柱の地震時の耐震性能を高めるものではないという問題を有していた。
【0005】
本発明は、従来技術の持つ問題を解決する構成が簡単で製造が容易で耐震性能を著しく向上することが可能なそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造は、前記課題を解決するために、コンクリート柱の両側にコンクリートそで壁が定着されたそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造において、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に配置されコンクリート柱とコンクリートそで壁に固定される薄肉鋼板からなる補強部材と、補強部材に囲まれた空間に配筋される補強筋と、補強筋が配筋された補強部材に囲まれた空間に充填固化されるコンクリートモルタルと、を備え、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に補強柱を形成することを特徴とする。
【0007】
また、本願発明のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造は、補強部材に囲まれた空間に伸びるコンクリートそで壁に配置されたあと施工アンカーを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本願発明のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造は、補強部材の外側に配置固定される連続繊維シートを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
コンクリート柱の両側にコンクリートそで壁が定着されたそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造において、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に配置されコンクリート柱とコンクリートそで壁に固定される薄肉鋼板からなる補強部材と、補強部材に囲まれた空間に配筋される補強筋と、補強筋が配筋された補強部材に囲まれた空間に充填固化されるコンクリートモルタルと、を備え、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に補強柱を形成することで、地震時の応力により二つの補強柱に生じるそれぞれ反対方向のモーメントによって大きな曲げ強度をえることが可能となりコンクリート柱の耐震性能を向上することが可能となる。
補強部材に囲まれた空間に伸びるコンクリートそで壁に配置されたあと施工アンカーを備えることで、コンクリート柱とコンクリートそで壁の両入り隅部に形成される補強柱とコンクリートそで壁との一体化が促進される。
補強部材の外側に配置固定される連続繊維シートを備えることで、制振性、耐震性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図により説明する。図1は、コンクリートそで壁付コンクリート柱の水平断面図であり、図2は補強部の拡大図である。
【0012】
そで壁付コンクリート柱1は、コンクリート柱2の両側にコンクリートそで壁3が一体に定着されている。
【0013】
この実施形態のコンクリート柱2は、中心に軸方向に伸びるH型鋼2aが配置され、周囲に複数の軸方向筋2bが配筋され、複数の軸方向筋2bの周囲に横筋2cが配筋された鉄筋鉄骨コンクリート造になっているが、鉄筋コンクリート造であっても良い。
【0014】
コンクリート柱2の両側に一体に定着するコンクリートそで壁3は、複数の軸方向筋3aが配筋され、複数の軸方向筋3aの周囲に横筋3bが配筋された鉄筋コンクリート造になっている。
【0015】
このようなコンクリートそで壁付コンクリート1の構造性能は、地震時に引張側となるコンクリートそで壁3の構造面力は無視されるので、圧縮側のコンクリートそで壁3が一体化したコンクリート柱2の構造性能のみが考慮の対象となる。
【0016】
本発明は、この状況を踏まえ、コンクリートそで壁付コンクリート柱1の有効な耐震補強構造を提供するものである。
【0017】
本発明のコンクリートそで壁付コンクリート柱耐震補強構造は、コンクリートそで壁3とコンクリート柱2の両入れ隅部にコンクリートそで壁3、コンクリート柱2と一体化した補強柱4を形成することである。
【0018】
補強柱4の構造を図2に基づいて説明する。コンクリートそで壁3とコンクリート柱2の両入れ隅部にコンクリートそで壁3、コンクリート柱2に固定ボルト6で固定される薄肉鋼板からなる補強部材5が配置される。図に示される実施形態の補強部材5は、断面L字形で両端にコンクリートそで壁3、コンクリート柱2と接する連結部5aが形成されたものであるが、断面矩形の補強部材5としても良い。連結部5aを固定ボルト6を介してコンクリートそで壁3、コンクリート柱2に固定する。
【0019】
補強部材5で囲まれた空間内に複数の軸方向筋5bと複数の軸方向筋5bの周囲に横筋5cからなる補強筋が配筋される。一端がコンクリートそで壁3内に固定されたあと施工アンカー7の突出部7aが補強部材5で囲まれた空間内に伸びている。この状態で補強部材5で囲まれた空間内にコンクリートモルタル8を充填し固化させ補強柱4を形成する。あと施工アンカー7は、コンクリートモルタル8との定着性を個以上させ、補強柱4とコンクリートそで壁3との定着強度を向上させる。
【0020】
図に示すように、補強部材5の外側に連続繊維シート9を固定しても良い。連続繊維シート9としては、カーボン繊維などの無機系繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維及びポリアレーと繊維などの有機系繊維を用いる。連続繊維シート9を配置することで制振性、耐震性が向上する。
【0021】
図3は、そで壁付コンクリート柱1とそで壁の無いコンクリート柱11がコンクリート梁10で連結された正面図であり、図4は、B−B線切断面図であり、図5はC−C線切断面図である。A-―-A線切断面図は、図1に示されるとおりのものである。図4に示されるコンクリート梁10は、H型鋼10a、軸方向筋10b、横筋10cが配筋されら鉄筋鉄骨コンクリート造であり、そで壁の無いコンクリート柱11は、H型鋼11a、軸方向筋11b、横筋11cが配筋されら鉄筋鉄骨コンクリート造である。
【0022】
図3に示されるように地震時に矢印方向の水平応力が作用すると、コンクリート柱2の左右に位置する2つの補強柱4にそれぞれ逆方向のモーメントが発生する。2つの補強柱4に生じる逆方向のモーメントにより大きな曲げ強度が得られるのでコンクリート柱2の水平面力が著しく向上する。
【0023】
以上のように、本発明のそで壁付コンクリート柱の耐震補強構造によれば、簡単な構成で、2つの補強柱に生じる逆方向のモーメントにより大きな曲げ強度が得られるのでコンクリート柱の水平面力を著しく向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0024】
1:そで壁付コンクリート柱、2:コンクリート柱、、a:H型鋼、2b:軸方向筋、2c:横筋、3;コンクリートそで壁、3a:軸方向筋、3b:横筋、4:補強柱、5:補強部材、5a:連結部、5b:軸方向筋、5c:横筋、6:固定ボルト、7:あと施工アンカー。7a:突出部、8:コンクリートモルタル、9:連続繊維シート、10:コンクリート梁、10a:H型鋼、10b:軸方向筋、10c:横筋、11:どで壁の無いコンクリート柱、、11a:H型鋼、11b:軸方向筋、11c:横筋、
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】