(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021067754
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】電子写真装置、プロセスカートリッジ、及びカートリッジセット
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20210402BHJP
   G03G 9/097 20060101ALI20210402BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20210402BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20210402BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   !G03G15/02 101
   !G03G9/097 374
   !G03G21/18
   !C08L101/00
   !C08K3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】45
(21)【出願番号】2019191585
(22)【出願日】20191018
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨永 英芳
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】津田 祥平
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】琴谷 昇平
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】梅田 宜良
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】倉地 雅大
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山内 一浩
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 元就
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
2H500
4J002
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA11
2H171FA14
2H171GA01
2H171GA24
2H171JA23
2H171JA27
2H171PA14
2H171QB03
2H171QB07
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2H171QB41
2H171QB53
2H171QB54
2H171QB58
2H171TA14
2H171TB13
2H171UA03
2H171UA06
2H171UA07
2H171UA10
2H171UA22
2H200FA01
2H200FA08
2H200FA16
2H200GA46
2H200GA52
2H200HA02
2H200HB12
2H200HB22
2H200HB45
2H200LA01
2H200LA38
2H200LC02
2H200LC03
2H200LC04
2H200MA03
2H200MA12
2H200MA17
2H200MA20
2H200MB01
2H200MB04
2H200MC10
2H200MC16
2H500AA09
2H500CB06
2H500EA52D
2H500EA62D
2H500FA01
4J002AA001
4J002BC071
4J002CF001
4J002DE286
4J002FD206
4J002GQ00
4J002GT00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高温高湿環境における高速画像形成プロセスにおいても、画像流れを抑制でき、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体、帯電装置及び現像装置、を有する電子写真装置であって、該帯電装置が該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、該導電性部材の導電性がマトリックスドメイン構造を有し、該ドメイン6bの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、マトリックスの体積抵抗率R1が1.00×1012Ω・cmより大きく1.00×1017Ω・cm以下であり、マトリックスの体積抵抗率R1がドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、該現像装置はトナーを含み、該トナーは結着樹脂を含有するトナー粒子及び外添剤を有し、該外添剤はハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有することを特徴とする電子写真装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する電子写真装置であって、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリックス及び該マトリックス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有することを特徴とする電子写真装置。
【請求項2】
前記ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径をLh(μm)としたとき、該Lhが、0.10μm以上1.00μm以下である請求項1に記載の電子写真装置。
【請求項3】
前記導電性部材の断面観察における、前記導電層中の前記ドメインの隣接壁面間距離の算術平均値Dmが、0.15μm以上2.00μm以下である請求項1又は2に記載の電子写真装置。
【請求項4】
前記ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径をLh(μm)とし、
前記導電性部材の外表面を観察した際の、導電層中のドメインの円相当径の算術平均値をLd(μm)としたとき、該Ldが、該Lh(μm)以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真装置。
【請求項5】
前記導電性部材の断面観察における、前記導電層中の前記ドメインの隣接壁面間距離の算術平均値をDmとし、該Dmの分布の標準偏差をσmとしたときに、前記ドメインの隣接壁面間距離の変動係数σm/Dmが、0以上0.40以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真装置。
【請求項6】
前記ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の前記トナー粒子に対する固着率が、20%以上60%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真装置。
【請求項7】
電子写真装置の本体に脱着可能であるプロセスカートリッジであって、
該プロセスカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリックス及び該マトリックス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
電子写真装置の本体に脱着可能である第一のカートリッジ及び第二のカートリッジを有するカートリッジセットであって、
該第一のカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該帯電装置を支持するための第一の枠体を有し、
該第二のカートリッジが、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するためのトナーを収容しているトナー容器を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリックス及び該マトリックス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有することを特徴とするカートリッジセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真装置、プロセスカートリッジ、及びカートリッジセットに向けたものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、長期間の連続使用においても画像品質が安定していることが求められている。電子写真装置には、帯電部材として導電性部材が使用されている。導電性部材としては、導電性の支持体と、支持体上に設けられた導電層を有する構成が知られている。導電性部材は、導電性の支持体から導電性部材表面まで電荷を輸送し、当接物体に対して、放電又は摩擦帯電によって電荷を与える役割を担う。
帯電部材としての導電性部材は、電子写真感光体との間に放電を発生させ、電子写真感光体表面を帯電させる部材である。
特許文献1には、電気抵抗が均一で、電気特性が温度、湿度等の環境の変化に影響されず経時的に安定した帯電部材が記載されている。
特許文献2では、トナー側から改善するために外添剤としてチタン酸塩の微粒子を含有するトナーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−3651号公報
【特許文献2】特開2019−45578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子写真装置を長期間、連続使用した場合、特に、高温高湿環境下において「画像流れ」と呼ばれる静電潜像のボケが生じることがわかった。
この画像流れは、以下のように発生すると考えられる。帯電部材によってオゾンやNOなどの放電生成物が発生し、感光体の表面に付着する。感光体の表面に付着した放電生成物が高湿環境下で吸湿し、感光体の表面が低抵抗化する。結果、感光体の電荷保持能力が低下することで静電潜像のボケを発生させる。以上が、画像流れの発生プロセスであると考えられる。
特許文献1に係る帯電部材及び特許文献2に係るトナーの各々は、長期間の連続使用における画像品質の視点では優れているものの、高温高湿環境においては改善の余地があることがわかった。
本開示は、高温高湿環境における高速画像形成プロセスにおいても、画像流れを抑制でき、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真装置、プロセスカートリッジ、及びカートリッジセットの提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する電子写真装置であって、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリックス及び該マトリックス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有する電子写真装置が提供される。
本開示の他の態様によれば、電子写真装置の本体に脱着可能であるプロセスカートリッジであって、
該プロセスカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリックス及び該マトリックス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、
該現像装置は、該トナーを含み、
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有するプロセスカートリッジが提供される。
本開示の他の態様によれば、電子写真装置の本体に脱着可能である第一のカートリッジ及び第二のカートリッジを有するカートリッジセットであって、
該第一のカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該帯電装置を支持するための第一の枠体を有し、
該第二のカートリッジが、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するためのトナーを収容しているトナー容器を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有し、
該導電性部材が、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、
該導電層が、マトリックス及び該マトリックス中に分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露
出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であり、
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有するカートリッジセットが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、高温高湿環境における高速画像形成プロセスにおいても、画像流れを抑制でき、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真装置、プロセスカートリッジ、及びカートリッジセットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】帯電ローラの長手方向に直交する方向の断面図
【図2】導電層の拡大断面図
【図3】帯電ローラの導電層からの断面切出し方向の説明図
【図4】プロセスカートリッジの概要図
【図5】電子写真装置の概略断面図
【図6】ドメインの包絡周囲長の説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本発明者らは、下記のトナー及び導電性部材の組み合わせにより、特に高温高湿環境における、高速プロセス及び長期間繰り返し使用条件において画像流れの抑制が可能であることを見出した。
該トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有する。
導電性部材は、導電性の外表面を有する支持体、及び該支持体の該外表面上に設けられた導電層を有し、電子写真感光体に接触可能に配置され
該導電層が、マトリックス及び該マトリックスに分散された複数のドメインを有し、
該マトリックスが、第一のゴムを含有し、
該ドメインが、第二のゴム及び電子導電剤を含有し、
該ドメインの少なくとも一部は、該導電性部材の外表面に露出し、
該導電性部材の外表面は、少なくとも、該マトリックスと、該導電性部材の外表面に露出している該ドメインとで構成され、
該マトリックスの体積抵抗率R1が、1.00×1012Ω・cmより大きく、1.00×1017Ω・cm以下であり、
該ドメインの体積抵抗率をR2としたとき、該マトリックスの体積抵抗率R1が、該ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上である。
なお、導電性部材の外表面とは、導電性部材におけるトナーと接する面である。
本発明者らは、この画像流れを抑えられるメカニズムを以下のように推定している。
【0009】
まず、トナーから移行したハイドロタルサイト類化合物の微粒子は、導電性部材の導電層の表面のドメイン上に固着する。その理由を以下に述べる。
ドメインは電子導電剤を含有しているため、体積抵抗率が低くなりやすい。感光体を負
帯電させる場合、導電性部材表面は多くのマイナスの電荷を保持している。導電性部材の表面はマトリックスドメイン構造を持っており、マトリックスの体積抵抗率R1が、ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上であるため、マイナスの電荷がドメインに集中していると考えられる。
ハイドロタルサイト類化合物はプラスに帯電しているため、静電的にドメインに固着すると考えている。ドメインに固着したハイドロタルサイト類化合物は電子写真プロセスの過程で発生する窒素酸化物(NO)を吸着する。そのため、ドラム上で窒素酸化物が水分と反応し硝酸になることを防止することができ、画像流れを抑制できる。ハイドロタルサイト類化合物が選択的にドメインに固着するため、ハイドロタルサイト類化合物が少量であっても、効率良く窒素酸化物を吸着する。
以上のメカニズムを踏まえ、帯電部材としての導電性部材及びトナーについて説明する。
【0010】
<導電性部材(帯電部材)について>
導電性部材は、帯電部材として用いた場合、電子写真感光体に対して、安定した量の放電を継続的に与え得る。そのため、高温高湿環境下においても安定した放電を生じさせることができるため、電子写真感光体に対して、過度な放電を発生させることがない。その結果、最小限の放電量で電位形成が可能となり、放電生成物の発生量を抑制できると考えている。
上記の構成を備える導電性部材が、被帯電体に対して、安定した量の放電を継続的に与え、過度な放電を抑制できる理由を、本発明者らは以下のように推測している。
【0011】
導電性部材の支持体と、電子写真感光体との間に帯電バイアスが印加されたときの導電層内においては、電荷は以下のようにして導電層の支持体側から反対側、すなわち、導電性部材の外表面側に移動すると考えられる。すなわち、電荷は、マトリックスとドメインとの界面近傍に蓄積される。
そして、その電荷は、導電性支持体側に位置するドメインから、導電性支持体の側とは反対側に位置するドメインに順次受け渡されていき、導電層の導電性支持体の側とは反対側の表面(以降、「導電層の外表面」ともいう)に到達する。このとき、1回の帯電工程で全てのドメインの電荷が導電層の外表面側に移動すると、次の帯電工程に向けて、導電層中に電荷を蓄積するために時間を要することとなる。そうすると、高速の電子写真画像形成プロセスにおいては安定放電を達成することが困難となる。
従って、帯電バイアスが印加されたときにも、ドメイン間の電荷の授受が同時的に生じないようにすることが好ましい。また、高速の電子写真画像形成プロセスにおいては電荷の動きが制約されるため、一回の放電で十分な量の電荷を放電させるためには、各々のドメインに十分な量の電荷を蓄積させることが好ましい。
【0012】
導電層は、マトリックス及びマトリックス中に分散された複数のドメインを有する。そして、マトリックスは、第一のゴムを含有し、ドメインは第二のゴム及び電子導電剤を含有する。そして、マトリックス及びドメインは、下記構成要素(i)及び構成要素(ii)を充足する。
構成要素(i):マトリックスの体積抵抗率R1が1.00×1012Ω・cmよりも大きく、1.00×1017Ω・cm以下である。
構成要素(ii):マトリックスの体積抵抗率R1が、ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上である。
【0013】
構成要素(i)、(ii)を満たす導電層を備えた導電性部材は、感光体との間にバイアスを印加したときに各々のドメインに十分な電荷を蓄積できる。また、ドメイン同士は、電気絶縁性のマトリックスで分断されているため、ドメイン間での同時的な電荷の授受を抑制できる。これにより、1回の放電で、導電層内に蓄積された電荷の大半が放出され
ることを防ぐことができる。
その結果、導電層内には、1回の放電が終了した直後においても、次の放電のための電荷が未だ蓄積されている状態とすることができる。そのため、短いサイクルで安定して放電を生じさせることが可能となる。なお、本開示に係る導電性部材によって達成されるこのような放電を、以降、「微細放電」とも呼ぶ。
【0014】
以上述べた通り、構成要素(i)、(ii)を充足するマトリックスドメイン構造を備えた導電層は、バイアス印加時のドメイン間での同時的な電荷の授受の発生を抑制し、かつドメイン内に十分な電荷を蓄積させることができる。そのため、当該導電性部材は、プロセススピードの速い電子写真画像形成装置に適用された場合であっても被帯電体に対して継続的に安定した電荷を付与し、過度な放電を抑え、放電生成物の発生量を抑制できる。
【0015】
導電性部材として、ローラ形状を有する導電性部材(以降、「導電性ローラ」ともいう)を例に、図1を参照して説明する。図1は、導電性ローラの軸に沿う方向(以降、「長手方向」ともいう)に対して垂直な断面図である。導電性ローラ51は、円柱状の導電性の支持体52、支持体52の外周、すなわち支持体の外表面に形成された導電層53を有している。
【0016】
<支持体>
支持体を構成する材料としては、電子写真用の導電性部材の分野で公知なものや、導電性部材として利用できる材料から適宜選択して用いることができる。一例として、アルミニウム、ステンレス、導電性を有する合成樹脂、鉄、銅合金などの金属又は合金が挙げられる。
さらに、これらに対して、酸化処理やクロム、ニッケルなどで鍍金処理を施してもよい。鍍金の種類としては電気鍍金、無電解鍍金のいずれも使用することができる。寸法安定性の観点から無電解鍍金が好ましい。ここで使用される無電解鍍金の種類としては、ニッケル鍍金、銅鍍金、金鍍金、その他各種合金鍍金を挙げることができる。
鍍金厚さは、0.05μm以上が好ましく、作業効率と防錆能力のバランスを考慮すると、鍍金厚さは0.10μm〜30.00μmであることが好ましい。支持体の円柱状の形状は、中実の円柱状でも、中空の円柱状(円筒状)でもよい。また、支持体の外径は、3mm〜10mmの範囲が好ましい。
【0017】
支持体と導電層の間に、中抵抗層又は絶縁層が存在すると、放電による電荷の消費後の電荷の供給を迅速にできなくなる場合がある。よって、導電層は、支持体に直接設けるか、又はプライマーなどの、薄膜かつ導電性の樹脂層からなる中間層のみを介して支持体の外周に導電層を設けることが好ましい。
プライマーとしては、導電層形成用のゴム材料及び支持体の材質等に応じて公知のものを選択して用いることができる。プライマーの材料としては、例えば熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、フェノール系の樹脂、ウレタン系の樹脂、アクリル系の樹脂、ポリエステル系の樹脂、ポリエーテル系の樹脂、エポキシ系の樹脂のような公知の材料を用いることができる。
【0018】
<導電層>
導電層は、マトリックス及びマトリックス中に分散された複数のドメインを有する。そして、マトリックスは、第一のゴムを含有し、ドメインは第二のゴム及び電子導電剤を含有する。そして、マトリックス及びドメインは、下記構成要素(i)及び(ii)を充足する。
構成要素(i):マトリックスの体積抵抗率R1が1.00×1012Ω・cmよりも大きく、1.00×1017Ω・cm以下である。
構成要素(ii):マトリックスの体積抵抗率R1が、ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上である。
【0019】
<構成要素(i);マトリックスの体積抵抗率>
マトリックスの体積抵抗率R1を、1.00×1012Ω・cmよりも大きくすることで、電荷がドメインを迂回してマトリックス中を移動することを抑制できる。そして、1回の放電で蓄積された電荷の大半が消費されることを抑制できる。また、ドメインに蓄積された電荷が、マトリックスに漏洩することによって、あたかも導電層内を連通する導電経路が形成されている状態となることを防止できる。
体積抵抗率R1は、2.00×1012Ω・cm以上であることが好ましい。
また、R1の上限は、1.00×1017Ω・cm以下である。好ましくは、9.00×1016Ω・cm以下である。
【0020】
電荷を導電層中のドメインを介して移動させ、微細放電を達成するためには、電荷が十分に蓄積された領域(ドメイン)が、電気的に絶縁性の領域(マトリックス)で分断されている構成が有効であると本発明者らは考えている。そして、マトリックスの体積抵抗率を上記したような高抵抗領域の範囲とすることで、各ドメインとの界面において十分な電荷を留めることができ、また、ドメインからの電荷漏洩を抑制できる。
【0021】
また、放電が微細でかつ必要十分な放電量を達成するためには、電荷の移動経路が、ドメインを介在した経路に限定することが極めて有効である。ドメインからのマトリックスへの電荷の漏洩を抑制し、電荷の輸送経路を複数のドメインを介した経路に限定することにより、ドメインに存在する電荷の密度を向上させることができるため、各ドメインにおける電荷の充填量をより増大させることができる。
これにより、放電の起点である導電相としてのドメインの表面において、放電に関与できる電荷の総数を向上させることができ、結果、導電性部材の表面からの放電の出やすさを向上させることができると考えられる。
【0022】
・マトリックスの体積抵抗率の測定方法;
マトリックスの体積抵抗率は、導電層を薄片化し、微小探針によって計測することができる。薄片化の手段としては、ミクロトームのような非常に薄いサンプルを作製できる手段を用いる。具体的な手順については後述する。
【0023】
<構成要素(ii);ドメインの体積抵抗率>
マトリックスの体積抵抗率R1は、ドメインの体積抵抗率R2の1.0×10倍以上である。
これにより、マトリックスで目的としない電荷の移動を抑制しつつ、電荷の輸送経路を複数のドメインを介する経路に限定しやすくなる。
R1はR2の、1.0×10倍〜1.0×1020倍であることがより好ましく、1.0×10倍〜1.0×1018倍であることがさらに好ましく、1.0×1011倍〜1.0×1016倍であることがさらにより好ましい。
そしてR2は1.00×10Ω・cm以上、1.00×10Ω・cm以下であることが好ましく、1.00×10Ω・cm以上1.00×10Ω・cm以下であることがより好ましい。
【0024】
上記を満たすことで、導電層内における電荷の輸送パスをコントロールでき、微細放電をより達成しやすくなる。そのため、過度な放電を抑制でき、画像流れを抑制できる。
ドメインの体積抵抗率は、例えば、ドメインのゴム成分に対し、電子導電剤の種類や量を変更することによって、その導電性を所定の値にすることで調整する。
【0025】
ドメイン用のゴム材料としては、マトリックス用としてのゴム成分を含むゴム組成物を用いることができる。マトリックスドメイン構造を形成するためにマトリックスを形成するゴム材料との溶解度パラメータ(SP値)の差を一定の範囲にすることが好ましい。すなわち、第一のゴムのSP値と第二のゴムのSP値との差の絶対値が、好ましくは0.4(J/cm0.5以上5.0(J/cm0.5以下であり、より好ましくは0.4(J/cm0.5以上2.2(J/cm0.5以下である。
ドメインの体積抵抗率は、電子導電剤の種類、及びその添加量を適宜選択することによって調整することができる。ドメインの体積抵抗率を1.00×10Ωcm以上1.00×10Ωcm以下に制御するために使用する電子導電剤としては、分散する量によって高抵抗から低抵抗まで体積抵抗率を大きく変化させることができる電子導電剤が好ましい。
【0026】
ドメインに配合される電子導電剤については、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、酸化錫等の酸化物;Cu、Ag等の金属;酸化物又は金属が表面に被覆され導電化された粒子等を例として挙げられる。また、必要に応じて、これらの導電剤の2種類以上を適宜量配合して使用してもよい。
以上の様な電子導電剤のうち、ゴムとの親和性が大きく、電子導電剤間の距離の制御が容易な、導電性のカーボンブラックを使用することが好ましい。ドメインに配合されるカーボンブラックの種類については、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
【0027】
中でも、高い導電性をドメインに付与し得る、DBP吸油量が40cm/100g以上170cm/100g以下である導電性カーボンブラックを好適に用いることができる。
導電性のカーボンブラック等の電子導電剤の含有量は、ドメインに含まれる第二のゴム100質量部に対して、20質量部以上150質量部以下が好ましい。より好ましくは、50質量部以上100質量部以下である。
一般的な電子写真用の導電性部材と比較して、導電剤が多量に配合されていることが好ましい。これにより、ドメインの体積抵抗率を1.00×10Ωcm以上1.00×10Ω・cm以下の範囲に容易に制御することができる。
また、必要に応じて、ゴムの配合剤として一般に用いられている充填剤、加工助剤、架橋助剤、架橋促進剤、老化防止剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、軟化剤、分散剤、着色剤等を、本開示に係る効果を阻害しない範囲でドメイン用のゴム組成物に添加してもよい。
【0028】
・ドメインの体積抵抗率の測定方法;
ドメインの体積抵抗率の測定は、マトリックスの体積抵抗率の測定方法に対して、測定箇所をドメインに相当する場所に変更し、電流値の測定の際の印可電圧を1Vに変更した以外は同様の方法で実施すればよい。具体的な手順は後述する。
【0029】
<構成要素(iii);ドメインの隣接壁面間距離>
ドメイン同士での電荷の授受を行わせるうえで、導電層の厚み方向の断面観察における、ドメインの隣接壁面間距離の算術平均値Dm(以降、単に「ドメイン間距離Dm」ともいう)は、好ましくは2.00μm以下であり、より好ましくは1.00μm以下である。
また、ドメイン同士を絶縁領域(マトリックス)で電気的に確実に分断し、電荷をドメインにより蓄積しやすくなることができるため、ドメイン間距離Dmは、好ましくは0.15μm以上であり、より好ましくは0.20μm以上である。
【0030】
・ドメイン間距離Dmの測定方法;
ドメイン間距離Dmの測定方法は、次のように実施すればよい。
まず、前述のマトリックスの体積抵抗率の測定における方法と同様の方法で切片を作製する。また、マトリックスドメイン構造の観察を好適に実施するために、染色処理、蒸着処理など、導電相と絶縁相とのコントラストが好適に得られる前処理を施してもよい。
破断面の形成、白金蒸着を行った切片を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察して、マトリックスドメイン構造の存在を確認する。これらの中でも、ドメインの面積の定量化の正確性から、SEMで、5000倍で観察を行うことが好ましい。具体的な手順は後述する。
【0031】
・ドメイン間距離Dmの均一性;
ドメイン間距離Dmの分布は均一であることが、より安定的に微細放電を形成できるため好ましい。ドメイン間距離Dmの分布が均一であることで、導電層内で局所的にドメイン間距離が長い箇所が一部できることで、電荷の供給が周囲比べて滞る箇所が生じた場合などに、放電の出やすさが抑制される現象を低減できる。
電荷が輸送される断面、すなわち、図3(b)に示されるような導電層の厚さ方向の断面において、導電層の外表面から支持体方向への深さ0.1T〜0.9Tまでの厚み領域の任意の3か所における、50μm四方の観察領域を取得する。このとき、当該観察領域内のドメイン間距離Dm及びドメイン間距離の分布の標準偏差σmを用いて、ドメイン間距離の変動係数σm/Dmが0以上0.40以下であることが好ましく、0.10以上0.30以下であることがより好ましい。
【0032】
・ドメイン間距離Dmの均一性の測定方法;
ドメイン間距離の均一性の測定は、ドメイン間距離の測定と同様に、破断面の直接観察で得られる画像を定量化することによって行うことができる。具体的な手順は後述する。
【0033】
導電性部材は、例えば、下記工程(i)〜(iv)を含む方法を経て形成することができる。
工程(i):カーボンブラック及び第二のゴムを含む、ドメイン形成用ゴム混合物(以降、「CMB」とも称する)を調製する工程;
工程(ii):第一のゴムを含むマトリックス形成用ゴム混合物(以降、「MRC」とも称する)を調製する工程;
工程(iii):CMBとMRCとを混練して、マトリックスドメイン構造を有するゴム混合物を調製する工程。
工程(iv):工程(iii)で調製したゴム混合物の層を、導電性支持体上に直接又は他の層を介して形成し、該ゴム組成物の層を硬化させて、導電層を形成する工程。
【0034】
そして、構成要素(i)〜(iii)は、例えば、上記各工程に用いる材料の選択、製造条件の調整により制御することができる。以下説明する。
まず、構成要素(i)に関して、マトリックスの体積抵抗率は、MRCの組成によって定まる。
【0035】
MRCに用いる第一のゴムとしては、導電性の低いゴムが好ましい。天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、及びポリノルボルネンゴムからなる群から選択される少なくとも一が好ましい。
第一のゴムが、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、及びエチレンプロピレンジエンゴムからなる群から選択される少なくとも一がより好ましい。
また、マトリックスの体積抵抗率が上記範囲内であれば、MRCには、必要に応じて、充填剤、加工助剤、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、老化防
止剤、軟化剤、分散剤、着色剤などを添加してもよい。一方、MRCには、マトリックスの体積抵抗率を上記範囲内とするために、カーボンブラックなどの電子導電剤は含有させないことが好ましい。
【0036】
また、構成要素(ii)に関して、ドメインの体積抵抗率R2は、CMB中の電子導電剤の量によって調整し得る。例えば、電子導電剤として、DBP吸油量が、40cm/100g以上170cm/100g以下である導電性カーボンブラックを用いる場合を例に挙げる。CMBの第二のゴム100質量部に対し、40質量部以上200質量部以下の導電性カーボンブラックを含むようにCMBを調製することで所望の範囲を達成し得る。
【0037】
さらに、構成要素(iii)に関わるドメインの分散状態に関しては、下記(a)〜(d)の4つを制御することが有効である。
(a)CMB、及びMRCの各々の界面張力σの差;
(b)CMBの粘度(ηd)、及びMRCの粘度(ηm)の比(ηm/ηd);
(c)工程(iii)における、CMBとMRCとの混練時のせん断速度(γ)、及びせん断時のエネルギー量(EDK)。
(d)工程(iii)における、CMBのMRCに対する体積分率。
【0038】
(a)CMBとMRCとの界面張力差
一般的に二種の非相溶のゴムを混合した場合、相分離する。これは、異種高分子間の相互作用よりも、同一高分子間の相互作用が強いため、同一高分子同士で凝集し、自由エネルギーを低下させ安定化しようとするためである。
相分離構造の界面は異種高分子と接触するため、同一分子同士の相互作用で安定化されている内部より、自由エネルギーが高くなる。その結果、界面の自由エネルギーを低減させるために、異種高分子と接触する面積を小さくしようとする界面張力が発生する。この界面張力が小さい場合、エントロピーを増大させるために異種高分子でもより均一に混合しようとする方向に向かう。均一に混合した状態とは溶解であり、溶解度の目安となるSP値(溶解度パラメーター)と界面張力は相関する傾向にある。
【0039】
つまり、CMBとMRCとの界面張力差は、各々が含むゴムのSP値差と相関すると考えられる。MRC中の第一のゴムの溶解度パラメーターSP値と、CMB中の第二のゴムのSP値の絶対値の差が、好ましくは0.4(J/cm0.5以上5.0(J/cm0.5以下、より好ましくは0.4(J/cm0.5以上2.2(J/cm0.5以下となるようなゴムを選択することが好ましい。この範囲であれば安定した相分離構造を形成でき、また、CMBのドメイン径を小さくすることができる。
【0040】
ここで、CMBに用い得る第二のゴムの具体例としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クルルプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、シリコーンゴム、及びウレタンゴム(U)からなる群から選択される少なくとも一が好ましい。
第二のゴムが、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、及びアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)からなる群から選択される少なくとも一がより好ましく、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、及びブチルゴム(IIR)からなる群から選択される少なくとも一がさらに好ましい。ブタジエンゴム(BR)及びブチルゴム(IIR)からなる群から選択される少なくとも一がさらにより好ましい。
導電層の厚みは、目的とする導電性部材の機能及び効果が得られるものであれば特に限
定されない。導電層の厚みは、1.0mm以上4.5mm以下とすることが好ましい。
ドメインとマトリクスとの質量比率(ドメイン:マトリクス)は、好ましくは5:95〜40:60であり、より好ましくは10:90〜30:70であり、さらに好ましくは13:87〜25:75である。
【0041】
<SP値の測定方法>
SP値は、SP値が既知の材料を用いて、検量線を作成することで、精度良く算出することが可能である。この既知のSP値は、材料メーカーのカタログ値を用いることもできる。例えば、NBR及びSBRは、分子量に依存せず、アクリロニトリル及びスチレンの含有比率でSP値がほぼ決定される。
従って、マトリックス及びドメインを構成するゴムを、熱分解ガスクロマトグラフィー(Py−GC)及び固体NMR等の分析手法を用いて、アクリロニトリル又はスチレンの含有比率を解析する。それにより、SP値が既知の材料から得た検量線から、SP値を算出することができる。
また、イソプレンゴムは、1,2−ポリイソプレン、1,3−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、及びcis−1,4−ポリイソプレン、trans−1,4−ポリイソプレンなどの、異性体構造でSP値が決定される。従って、SBR及びNBRと同様にPy−GC及び固体NMR等で異性体含有比率を解析し、SP値が既知の材料から、SP値を算出することができる。
SP値が既知の材料のSP値は、Hansen球法で求めたものである。
【0042】
(b)CMBとMRCとの粘度比
CMBとMRCとの粘度比(CMB/MRC)(ηd/ηm)は、1に近い程、ドメイン径を小さくできる。具体的には、粘度比は1.0以上2.0以下であることが好ましい。CMBとMRCの粘度比は、CMB及びMRCに使用する原料ゴムのムーニー粘度の選択や、充填剤の種類や量の配合によって調整が可能である。
また、相分離構造の形成を妨げない程度に、パラフィンオイルなどの可塑剤を添加することでも可能である。また混練時の温度を調整することで、粘度比の調整を行うことができる。
なおドメイン形成用ゴム混合物やマトリックス形成用ゴム混合物の粘度は、JIS K6300−1:2013に基づきムーニー粘度ML(1+4)を混練時のゴム温度で測定することで得られる。
【0043】
(c)MRCとCMBとの混練時のせん断速度、及びせん断時のエネルギー量
MRCとCMBとの混練時のせん断速度は速いほど、また、せん断時のエネルギー量は大きいほど、ドメイン間距離Dmを小さくすることができる。
せん断速度は、混練機のブレードやスクリューといった撹拌部材の内径を大きくし、撹拌部材の端面から混練機内壁までの間隙を小さくすることや、回転数を大きくすることで上げることができる。またせん断時のエネルギーを上げるには、撹拌部材の回転数を上げることや、CMB中の第一のゴムとMRC中の第二のゴムの粘度を上げることで達成できる。
【0044】
(d)MRCに対するCMBの体積分率
MRCに対するCMBの体積分率は、マトリックス形成用ゴム混合物に対するドメイン形成用ゴム混合物の衝突合体確率と相関する。具体的には、マトリックス形成用ゴム混合物に対するドメイン形成用ゴム混合物の体積分率を低減させると、ドメイン形成用ゴム混合物とマトリックス形成用ゴム混合物の衝突合体確率が低下する。つまり必要な導電性を得られる範囲において、マトリックス中におけるドメインの体積分率を減らすことでドメイン間距離Dmを小さくできる。
そして、CMBのMRCに対する体積分率(すなわち、ドメインのマトリクスに対する
体積分率)は、15%以上40%以下とすることが好ましい。
【0045】
また、導電性部材における、導電層の長手方向の長さをLとし、導電層の厚さをTとしたとき、導電層の長手方向の中央、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所における、図3(b)に示されるような導電層の厚さ方向の断面を取得する。導電層の厚さ方向の断面の各々について、以下を満たすことが好ましい。
該各々の断面において、導電層の外表面から深さ0.1T〜0.9Tまでの厚み領域の任意の3か所に15μm四方の観察領域を置いたときに、全9個の該観察領域の各々で観察されるドメインのうちの80個数%以上が、下記構成要素(iv)及び(v)を満たすことが好ましい。
構成要素(iv)
ドメインの断面積のうち該ドメインに含まれる電子導電剤の断面積の割合μrが、20%以上であること。
構成要素(v)
ドメインの周囲長をA、該ドメインの包絡周囲長をBとしたとき、A/Bが、1.00以上1.10以下であること。
【0046】
上記構成要素(iv)及び構成要素(v)は、ドメインの形状に係る規定ということができる。「ドメインの形状」とは、導電層の厚さ方向の断面に現れたドメインの断面形状として定義される。
【0047】
ドメインの形状は、その周面に凹凸がない形状、すなわち球体に近い形状であることが好ましい。形状に関する凹凸構造の数を低減することによって、ドメイン間の電界の不均一性を低減でき、つまり、電界集中が生じる箇所を少なくして、マトリックスで必要以上の電荷輸送が起きる現象を低減できる。
本発明者らは、1個のドメインに含まれる電子導電剤の量が、当該ドメインの外形形状に影響を与えているとの知見を得た。すなわち、1個のドメインの電子導電剤の充填量が増えるにつれて、該ドメインの外形形状がより球体に近くなるとの知見を得た。球体に近いドメインの数が多いほど、ドメイン間での電子の授受の集中点を少なくすることができる。
【0048】
そして、本発明者らの検討によれば、1つのドメインの断面の面積を基準として、当該断面において観察される電子導電剤の断面積の総和の割合μrが20%以上であるドメインは、より、球体に近い形状を取り得る。
その結果、ドメイン間での電子の授受の集中を有意に緩和し得る外形形状を取り得るため好ましい。具体的には、ドメインの断面積に対する該ドメインが含む該電子導電剤の断面積の割合μrが、20%以上であることが好ましい。より好ましくは、25%〜30%である。
上記範囲にあることで、高速プロセス下においても、十分な電荷供給量を可能とすることができる。
【0049】
ドメインの周面の凹凸がない形状に関しては、下記式(5)を満たすことが好ましいことを本発明者らは見出した。
1.00≦A/B≦1.10 (5)
(A:ドメインの周囲長、B:ドメインの包絡周囲長)
【0050】
式(5)は、ドメインの周囲長Aと、ドメインの包絡周囲長Bとの比を示している。ここで、包絡周囲長とは、図6に示されるように、観察領域で観察されるドメイン71の凸部を結んだときの周囲長である。
ドメインの周囲長と、ドメインの包絡周囲長との比は1が最小値であり、1である状態
は、ドメインが真円又は楕円等の断面形状に凹部がない形状であることを示す。これらの比が1.1以下であると、ドメインに大きな凸凹形状が存在しないことを示し、電界の異方性が発現しにくい。
【0051】
<ドメインの形状に関する各パラメーターの測定方法>
導電性部材(導電性ローラ)の導電層から、ミクロトーム(商品名:Leica EM
FCS、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて、切削温度−100℃にて、1μmの厚みの超薄切片を切り出す。ただし、下記のように、導電性部材の長手方向に対して垂直な断面によって、切片を作製し、当該切片の破断面におけるドメインの形状を評価する必要がある。この理由を下記に述べる。
図3(a)及び図3(b)に、導電性部材81を、3軸、具体的にはX、Y、Z軸の3次元としてその形状を示した図を示す。図3(a)及び図3(b)においてX軸は導電性部材の長手方向(軸方向)と平行な方向、Y軸、Z軸は導電性部材の軸方向と垂直な方向を示す。
【0052】
図3(a)は、導電性部材に対して、XZ平面82と平行な断面82aで導電性部材を切り出すイメージ図を示す。XZ平面は導電性部材の軸を中心として、360°回転することができる。導電性部材が感光体ドラムに対して当接されて回転し、感光ドラムとの隙間を通過する際に放電することを考慮すると、当該XZ平面82と平行な断面82aは、あるタイミングに同時に放電が起きる面を示していることになる。一定量の断面82aに相当する面が通過することによって、感光ドラムの表面電位が形成される。
【0053】
したがって、導電性部材内の電界集中と相関する、ドメインの形状の評価のためには、断面82aのようなある一瞬において同時に放電が発生する断面の解析ではなく、一定量の断面82aを含むドメイン形状の評価ができる導電性部材の軸方向と垂直なYZ平面83と平行な断面での評価が必要である。
この評価に、該導電層の長手方向の長さをLとしたとき、導電層の長手方向の中央での断面83bと、及び該導電層の両端から中央に向かってL/4の2か所の断面(83a及び83c)の計3か所を選択する。
また、当該断面83a〜83cの観察位置に関しては、導電層の厚さをTとしたとき、各切片のそれぞれ外表面から深さ0.1T以上0.9T以下までの厚み領域の任意の3か所で15μm四方の観察領域を置いたときの、合計9か所の観察領域で測定を行えばよい。
【0054】
得られた切片に対し、白金を蒸着させ蒸着切片を得る。次いで当該蒸着切片の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて1000倍又は5000倍で撮影し、観察画像を得る。
次に、当該解析画像内のドメインの形状を定量化するために、画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)を使用して、8ビットのグレースケール化を行い、256諧調のモノクロ画像を得る。次いで、破断面内のドメインが白くなるように、画像の白黒を反転処理し、2値化画像を得る。
【0055】
<<ドメイン内の電子導電剤の断面積割合μrの測定方法>>
ドメイン内の電子導電剤の断面積割合の測定は、上記5000倍で撮影した観察画像の2値化画像を定量化することによって行なうことができる。
画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)によって、8ビットのグレースケール化を行い、256諧調のモノクロ画像を得る。当該観察画像に対して、カーボンブラックの粒子を区別できるように2値化を実施し、2値化画像を得る。得られた画像に対しカウント機能を使用することによって、当該解析画像内のドメインの断面積S及び当該ドメイン内に含まれる電子導電剤としてのカ
ーボンブラック粒子の断面積の合計Scを算出する。
そして、ドメイン内の電子導電材の断面積割合として、上記9か所におけるSc/Sの算術平均値μrを算出する。
電子導電剤の断面積割合μrは、ドメインの体積抵抗率の均一性に影響する。断面積割合μrの測定と合わせて、ドメインの体積抵抗率の均一性は以下のように測定できる。
上記測定方法により、ドメインの体積抵抗率の均一性の指標として、μr及びμrの標準偏差σrから、σr/μrを算出する。
【0056】
<<ドメインの周囲長A、包絡周囲長Bの測定方法>>
画像処理ソフトのカウント機能によって、上記1000倍で撮影した観察画像の2値化画像内に存在するドメイン群に対して下記の項目を算出する。
・周囲長A(μm)
・包絡周囲長B(μm)
これらの値を以下の式(5)に代入し、9か所の評価画像の算術平均値を採用する。
1.00≦A/B≦1.10 (5)
(A:ドメインの周囲長、B:ドメインの包絡周囲長)
【0057】
<<ドメインの形状指数の測定方法>>
ドメインの形状指数は、μr(面積%)が20%以上であり、かつ、ドメインの周囲長比A/Bが上記式(5)を満たすドメイン群の、ドメイン総数に対する個数パーセントを算出すればよい。ドメインの形状指数が、80個数%〜100個数%であることが好ましい。
上記2値化画像に対して、画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)のカウント機能を用いて、ドメイン群の2値化画像内の個数を算出し、さらに、μr≧20及び上記式(5)を満たすドメインの個数パーセントを求めればよい。
【0058】
構成要素(iv)で規定したように、ドメイン中に電子導電剤を高密度に充填することで、ドメインの外形形状を球体に近づけることができると共に、構成(v)に規定したように凹凸が小さいものとすることができる。
構成要素(iv)で規定したような、電子導電剤が高密度に充填されたドメインを得るために、電子導電剤は、DBP吸油量が40cm/100g以上80cm/100g以下であるカーボンブラックを有することが好ましい。
DBP吸油量(cm/100g)とは、100gのカーボンブラックが吸着し得るジブチルフタレート(DBP)の体積であり、日本工業規格(JIS) K 6217−4:2017(ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部:オイル吸収量の求め方(圧縮試料を含む))に従って測定される。
一般に、カーボンブラックは、平均粒径10nm以上50nm以下の一次粒子がアグリゲートした房状の高次構造を有している。この房状の高次構造はストラクチャーと呼ばれ、その程度はDBP吸油量(cm/100g)で定量化される。
【0059】
DBP吸油量が上記範囲内にある導電性カーボンブラックは、ストラクチャー構造が未発達のため、カーボンブラックの凝集が少なく、ゴムへの分散性が良好である。そのため、ドメイン中への充填量を多くでき、その結果として、外形形状が、より球体に近いドメインを得られやすい。
また、DBP吸油量が、上記した範囲内にある導電性カーボンブラックは、凝集体を形成し難いため、要件(v)に係るドメインを形成しやすくなる。
【0060】
<ドメイン径D>
導電層の断面から観察されるドメインの円相当径D(以降、単に「ドメイン径D」とも
いう)の算術平均値は、0.10μm以上5.00μm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、最表面のドメインがトナーと同様以下のサイズとなるため、細かい放電が可能となり、均一放電を達成することが容易となる。
ドメイン径Dの平均値を、0.10μm以上とすることで、導電層において、電荷の移動する経路を目的とする経路により効果的に限定することができる。より好ましくは0.15μm以上であり、さらに好ましくは0.20μm以上である。
また、ドメイン径Dの平均値を5.00μm以下にすることで、ドメインの全体積に対する表面積の割合、すなわち、ドメインの比表面積を指数関数的に大きくすることができ、ドメインからの電荷の放出効率を飛躍的に向上させ得る。ドメイン径Dの平均値は、上記の理由から、2.00μm以下がより好ましく、1.00μm以下がさらに好ましい。
ドメイン径Dの平均値を、2.00μm以下にすることで、ドメインそのものの電気抵抗を低減できるため、単発の放電の量を必要十分量として、より効率的に微細放電が可能となる。
【0061】
なお、ドメイン間での電界集中のより一層の軽減を図る上では、ドメインの外形形状をより球体に近づけることが好ましい。そのためには、ドメイン径を、前記した範囲内でより小さくすることが好ましい。その方法としては、例えば、工程(iv)において、MRCとCMBとを混練して、MRCとCMBとを相分離させる。そして、MRCのマトリックス中にCMBのドメインを形成されたゴム混合物を調製する工程において、CMBのドメイン径を小さくするように制御する方法が挙げられる。
CMBのドメイン径を小さくすることでCMBの比表面積が増大し、マトリックスとの界面が増加するため、CMBのドメインの界面には張力を小さくしようとする張力が作用する。その結果、CMBのドメインは、その外形形状が、より球体に近づく。
【0062】
ここで、非相溶のポリマー2種を溶融混練させたときに形成されるマトリックス−ドメイン構造におけるドメイン径を決定する要素に関して、Taylorの式(式(6))、Wuの経験式(式(7)、(8))、及びTokitaの式(式(9))が知られている。
・Taylorの式
D=[C・σ/ηm・γ]・f(ηm/ηd) (6)
・Wuの経験式
γ・D・ηm/σ=4(ηd/ηm)0.84・ηd/ηm>1 (7)
γ・D・ηm/σ=4(ηd/ηm)−0.84・ηd/ηm<1 (8)
・Tokitaの式
D=12・P・σ・φ/(π・η・γ)・(1+4・P・φ・EDK/(π・η・γ))
(9)
【0063】
式(6)〜(9)において、Dは、CMBのドメインの最大フェレ径、Cは、定数、σは、界面張力、ηmは、マトリックスの粘度、ηdは、ドメインの粘度、γは、せん断速度、ηは、混合系の粘度、Pは、衝突合体確率、φは、ドメイン相体積、EDKは、ドメイン相切断エネルギーを表す。
構成要素(iii)に関連して、ドメイン間距離の均一化を図るためには、式(6)〜(9)に従って、ドメイン径を小さくすることが有効である。さらに、MRCとCMBとを混錬する工程において、ドメインの原料ゴムが分裂し、徐々にその粒径が小さくなっていく過程において、混錬工程をどこで止めたかによってもドメイン間距離は変化する。
したがって、そのドメイン間距離の均一性は、混錬工程における混錬時間及びその混錬の強度の指数となる混錬回転数によって制御可能であり、混錬時間が長いほど、混錬回転数が大きいほどドメイン間距離の均一性を向上させることができる。
【0064】
・ドメイン径Dの均一性;
ドメイン径Dは均一であること、つまり、粒度分布が狭い方が好ましい。導電層内の電荷が通るドメイン径Dの分布を均一とすることで、マトリックスドメイン構造内での電荷の集中を抑制し、導電性部材の全面にわたって放電の出やすさを効果的に増大することができる。
電荷が輸送される断面、すなわち、図3(b)に示されるような導電層の厚さ方向の断面において、導電層の外表面から支持体方向への深さ0.1T〜0.9Tまでの厚み領域の任意の3か所における、50μm四方の観察領域を取得した際に、ドメイン径の標準偏差σd及びドメイン径の算術平均値Dの比σd/D(変動係数σd/D)が0以上0.40以下であることが好ましく、0.10以上0.30以下であることがより好ましい。
【0065】
ドメイン径の均一性を向上させるためには、前述のドメイン間距離の均一性を向上させる手法と等しく、式(6)〜(9)に従い、ドメイン径を小さくすればドメイン径の均一性も向上する。さらにMRCとCMBとを混錬する工程において、ドメインの原料ゴムが分裂し、徐々にその粒径が小さくなっていく過程において、混錬工程をどこで止めたかによってもドメイン径の均一性は変化する。
したがって、そのドメイン径の均一性は、混錬工程における混錬時間及びその混錬の強度の指数となる混錬回転数によって制御可能であり、混錬時間が長いほど、混錬回転数が大きいほどドメイン径の均一性を向上させることができる。
【0066】
・ドメイン径の均一性の測定方法;
ドメイン径の均一性の測定は、先に説明したドメイン間距離の均一性の測定と同様の方法で得られる、破断面の直接観察で得られる画像を定量化することによって行うことができる。具体的な手段は後述する。
【0067】
<マトリックスドメイン構造の確認方法>
導電層中のマトリックスドメイン構造の存在は、導電層から薄片を作製して、薄片に形成した破断面の詳細観察により確認することができる。具体的な手順は後述する。
【0068】
<トナー>
以下、トナーについて説明する。
トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び外添剤を有し、
該外添剤はハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有する。
【0069】
ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径をLh(μm)としたとき、Lhが、0.10μm以上1.00μm以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子がドメインに安定して固着し、長期にわたって窒素酸化物(NO)を吸着することができる。
また、Lhが0.10μm以上であることで、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子が凝集体を形成しにくく、良好に窒素酸化物(NO)を吸収できる。
Lhが1.00μm以下であることで、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子のトナーからの移行が適切に起こり、帯電部材や感光体などの部材汚染を抑制できる。さらに比表面積が適度に大きくなるため、窒素酸化物(NO)の吸収能力が向上する。Lhは、より好ましくは、0.15μm以上0.75μm以下である。
【0070】
導電層の外表面から観察されるドメイン、すなわち、導電性部材の外表面に露出しているドメインの円相当径をLd(μm)としたとき、Ldは、0.10μm以上2.00μm以下であることが好ましく、0.15μm以上1.00μm以下であることがより好ましく、0.20μm以上0.70μm以下であることがさらに好ましい。
ドメイン径Ld(μm)は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径Lh(μm)以上であることが好ましい。ドメイン径Ld(μm)は、Lh(μm
)よりも大きいことがより好ましい。上記条件によってハイドロタルサイト類化合物の微粒子がより安定してドメインに固着する。より好ましくはLd/Lhが、1.10〜4.00である。
【0071】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子>
次に、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子について説明する。
ハイドロタルサイト類化合物は、好ましくは下記式(A)で表すことができる。正極性に帯電した基本層(式(A)中の[M2+1−xM3+x(OH)])とネガ性に帯電した中間層(式(A)中の[x/nAn−・mHO)とを有する層状の無機化合物である。
[M2+1−x3+(OH)][x/nAn−・mHO] (A)
式(A)中、
2+は、Mg2+,Zn2+などの2価金属イオンを表し、
3+は、Al3+,Fe3+などの3価金属イオンを表し、
n−は、CO2−,Cl,NOなどのn価アニオンを表し、
m≧0である。
【0072】
式(A)に含まれる化合物の例としては、
[Mg2+0.750Al3+0.250(OH)2.000][0.125CO2−・0.500HO]が挙げられる。
【0073】
このように、ハイドロタルサイト類化合物は、その構造に由来して、粒子表面は正極性に帯電しているためドメインに固着しやすく、また、窒素酸化物を層の間に吸着しやすいと考えられる。そのため、高温高湿環境において感光体上で窒素酸化物と環境中の水分との接触を防ぎ、画像流れを抑えられると考えられる。
電荷の付与能力の観点から、式(A)において、2価の金属イオンM2+としてはMg2+が、3価の金属イオンM3+としてはAl3+が好ましい。また、n価アニオンとしては、トナー粒子への帯電性付与の観点から、CO2−,Clが好ましい。
【0074】
ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部〜3.00質量部であることが好ましい。上記範囲であれば画像流れの抑制効果が得られやすい。より好ましくは0.10質量部〜1.00質量部である。
【0075】
ハイドロタルサイト類化合物の微粒子のトナー粒子に対する固着率は、20%以上60%以下であることがより好ましい。固着率がこの範囲内にあることで、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子がトナー上に残り安定して帯電性を向上させつつ、帯電部材へも移行し、画像流れ抑制の効果がより顕著となる。より好ましい範囲は、40%以上60%以下である。
ハイドロタルサイト類化合物の微粒子のトナー粒子に対する固着率は、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の添加量、粒径、外添条件、トナー粒子の性状を調整することで制御することができる。
【0076】
また、トナー粒子には、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子に加え、他の外添剤が添加されていてもよい。例えば、チタン酸塩の微粒子や、帯電性向上や流動性付与の観点からシリカ微粒子などが挙げられる。シリカ微粒子は、表面を疎水化処理した処理シリカ微粒子であることがより好ましい。
処理シリカ微粒子は、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30体積%〜80体積%であるものが好ましい。シリカ微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.10質量部〜4.50質量部であることが好ましく、より好ましくは0.10質量部〜3.00質量部である。
【0077】
<トナー粒子の製造方法>
トナー粒子の製造方法について説明する。
トナー粒子の製造方法は公知の手段を用いることができ、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。粒子径の均一化や形状制御性の観点からは湿式製造法を好ましく用いることができる。さらに湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法、乳化凝集法などを挙げることができ、乳化凝集法を好ましく用いることができる。
【0078】
乳化凝集法では、まず、結着樹脂の微粒子や着色剤の微粒子などの材料を、分散安定剤を含有する水系媒体中で分散混合する。水系媒体中には、界面活性剤が添加されていてもよい。その後、凝集剤を添加することによって所望のトナー粒子の粒径となるまで凝集させ、その後又は凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行う。さらに必要に応じて、熱による形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する。
ここで、結着樹脂の微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、又はいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。
【0079】
トナー粒子中に着色剤などの内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子に内添剤を含有させたものとしてもよく、また、別途内添剤のみからなる内添剤微粒子の分散液を調製し、該内添剤微粒子を、樹脂微粒子を凝集させる際に共に凝集させてもよい。
また、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させることにより組成の異なる層構成のトナー粒子を作ることもできる。
【0080】
分散安定剤としては以下のものを使用することができる。
無機分散安定剤として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。
また、有機系分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。
【0081】
界面活性剤として、公知のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を使用することができる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げることができる。
【0082】
トナー粒子を構成する結着樹脂について説明する
結着樹脂として、ビニル系樹脂やポリエステル樹脂などが好適に例示できる。
ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びその他の結着樹脂として、以下の樹脂又は重合体が例示できる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これら結着樹脂は単独又は混合して使用できる。
【0083】
結着樹脂はカルボキシ基を含有することが好ましく、カルボキシ基を含む重合性単量体を用いて製造された樹脂であることが好ましい。カルボキシ基を含む重合性単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸などのビニルカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノメタクリロイルオキシエチルエステルなどの不飽和ジカルボン酸モノエステル誘導体などが挙げられる。
【0084】
ポリエステル樹脂としては、下記に挙げるカルボン酸成分とアルコール成分との縮重合物を用いることができる。カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及び、トリメリット酸が挙げられる。アルコール成分としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、及び、ペンタエリスリトールが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、ウレア基を含有したポリエステル樹脂であってもよい。ポリエステル樹脂としては末端などのカルボキシ基はキャップしないことが好ましい。
【0085】
トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。
例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
エステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
架橋剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して、0.001質量部以上15.000質量部以下であることが好ましい。
【0086】
トナー粒子を構成する材料の1つとして、離型剤を含有することが好ましい。特に60℃以上90℃以下に融点を有するエステルワックスを用いると、結着樹脂に対する相溶性に優れるため可塑効果が得られやすい。
該エステルワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナウバワックスなどの脂肪酸エステル類から酸成分の一部又は全部を脱酸したもの;植物性油脂の水素添加などによって得られる、ヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニルなどの飽和脂肪酸モノエステル類;セバシン酸ジベヘニル、ドデカン二酸ジステアリル、オクタデカン二酸ジステアリルなどの飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アルコールとのジエステル化物;ノナンジオールジベヘネート、ドデカンジオールジステアレートなどの飽和脂肪族ジオールと飽和脂肪族モノカルボン酸とのジエステル化物が挙げられる。
【0087】
なお、これらのワックスの中でも、分子構造中に2つのエステル結合を有する2官能エステルワックス(ジエステル)を含有していることが好ましい。
2官能のエステルワックスは、2価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、又は、2価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル化合物である。
上記脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
上記脂肪族モノアルコールの具体例としては、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどが挙げられる。
【0088】
2価のカルボン酸の具体例としては、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタン二酸(ピメリン酸)、オクタン二酸(スベリン酸)、ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
2価のアルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−へキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,30−トリアコンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
【0089】
他に使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸のような脂肪酸、あるいはそのエステル化合物などが挙げられる

なお、離型剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して5.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
【0090】
トナー粒子に着色剤を含有させる場合には特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
【0091】
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
【0092】
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラックが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。
【0093】
トナー粒子は荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤として、トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
【0094】
有機金属化合物及びキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、又はエステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
【0095】
一方、トナー粒子を正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩のようなによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
荷電制御剤は単独で又は2種類以上組み合わせて含有することができる。
荷電制御剤の含有量としては、結着樹脂又は重合性単量体100.00質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。
【0096】
<プロセスカートリッジ>
プロセスカートリッジは以下の態様を有する。
電子写真装置の本体に脱着可能であるプロセスカートリッジであって、
該プロセスカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を有し、
該現像装置が、トナーを有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有する。
このプロセスカートリッジに、前述のトナー及び導電性部材を適用できる。
プロセスカートリッジは、帯電装置及び現像装置を支持するための枠体を有していてもよい。
【0097】
図4は、導電性部材を帯電ローラとして具備している電子写真用のプロセスカートリッジの概略断面図である。このプロセスカートリッジは、現像装置と帯電装置とを一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されたものである。
現像装置は、少なくとも現像ローラ93を備え、トナー99を有している。現像装置は、必要に応じてトナー供給ローラ94、トナー容器96、現像ブレード98、攪拌羽910が一体化されていてもよい。
帯電装置は、帯電ローラ92を少なくとも備えていればよく、クリーニングブレード95及び廃トナー容器97を備えていてもよい。導電性部材が電子写真感光体に接触可能に配置されればよいため、電子写真感光体(感光ドラム91)は、プロセスカートリッジの構成要素として、帯電装置と共に一体化されていてもよいし、電子写真装置の構成要素として本体に固定されていてもよい。
帯電ローラ92、現像ローラ93、トナー供給ローラ94、及び現像ブレード98は、それぞれ電圧が印加されるようになっている。
【0098】
<電子写真装置>
電子写真装置は以下の態様を有する。
電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置、を有する電子写真装置であって、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有する。
この電子写真装置に、前述のトナー及び導電性部材を適用できる。
電子写真装置は、
該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成
するための像露光装置、
該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写するための転写装置、及び
該記録媒体に転写された該トナー像を該記録媒体に定着させるための定着装置、
を有していてもよい。
【0099】
図5は、導電性部材を帯電ローラとして用いた電子写真装置の概略構成図である。この電子写真装置は、四つのプロセスカートリッジが着脱可能に装着されたカラー電子写真装置である。各プロセスカートリッジには、ブラック、マゼンダ、イエロー、シアンの各色のトナーが使用されている。
感光ドラム101は矢印方向に回転し、帯電バイアス電源から電圧が印加された帯電ローラ102によって一様に帯電され、露光光1011により、その表面に静電潜像が形成される。一方、トナー容器106に収納されているトナー109は、攪拌羽1010によりトナー供給ローラ104へと供給され、現像ローラ103上に搬送される。
そして現像ローラ103と接触配置されている現像ブレード108により、現像ローラ103の表面上にトナー109が均一にコーティングされると共に、摩擦帯電によりトナー109へと電荷が与えられる。上記静電潜像は、感光ドラム101に対して接触配置される現像ローラ103によって搬送されるトナー109が付与されて現像され、トナー像として可視化される。
【0100】
可視化された感光ドラム上のトナー像は、一次転写バイアス電源により電圧が印加された一次転写ローラ1012によって、テンションローラ1013と中間転写ベルト駆動ローラ1014に支持、駆動される中間転写ベルト1015に転写される。各色のトナー像が順次重畳されて、中間転写ベルト上にカラー像が形成される。
転写材1019は、給紙ローラにより装置内に給紙され、中間転写ベルト1015と二次転写ローラ1016の間に搬送される。二次転写ローラ1016は、二次転写バイアス電源から電圧が印加され、中間転写ベルト1015上のカラー像を、転写材1019に転写する。カラー像が転写された転写材1019は、定着器1018により定着処理され、装置外に廃紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光ドラム上に残存したトナーは、クリーニングブレード105により掻き取られて廃トナー収容容器107に収納され、クリーニングされた感光ドラム101は、上述の工程を繰り返し行う。また転写されずに一次転写ベルト上に残存したトナーもクリーニング装置1017により掻き取られる。
【0101】
<カートリッジセット>
カートリッジセットは以下の態様を有する。
電子写真装置の本体に脱着可能である第一のカートリッジ及び第二のカートリッジを有するカートリッジセットであって、
該第一のカートリッジが、電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該帯電装置を支持するための第一の枠体を有し、
該第二のカートリッジが、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して電子写真感光体の表面にトナー像を形成するためのトナーを収容しているトナー容器を有し、
該帯電装置が、該電子写真感光体に接触可能に配置された導電性部材を有する。
このカートリッジセットに、前述のトナー及び導電性部材を適用できる。
【0102】
導電性部材が電子写真感光体に接触可能に配置されればよいため、第一のカートリッジが電子写真感光体を備えていてもよいし、電子写真装置の本体に電子写真感光体が固定されていてもよい。例えば、第一のカートリッジが、電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電装置、及び該電子写真感光体及び該帯電装置を支持するための第一の枠体を有していてもよい。なお、第二のカートリッジが電子写真感光体を備えて
いてもよい。
第一のカートリッジ又は第二のカートリッジは、電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像装置を備えていてもよい。現像装置は、電子写真装置の本体に固定されていてもよい。
【0103】
各種物性の測定方法について以下に説明する。
<外添剤の一次粒子の個数平均粒径>
外添剤の一次粒子の個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。外添剤が添加されたトナーを観察して、最大5万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
【0104】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の同定方法>
ハイドロタルサイト類化合物の同定は、走査型電子顕微鏡(SEM)による形状観察、及びエネルギー分散型X線分析(EDS)による元素分析を組み合わせることで行うことができる。
走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて、最大5万倍に拡大した視野において、トナーを観察する。トナー粒子表面にピントを合わせて、判別対象の外添剤を観察する。判別対象の外添剤のEDS分析を行い、元素ピークの有無からハイドロタルサイト類化合物の同定を行うことができる。
元素ピークとして、ハイドロタルサイト粒子を構成しうる金属であるMg、Zn、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu、Feからなる群より選ばれる少なくとも一の金属の元素ピーク、及び、Al、B、Ga、Fe、Co、Inからなる群より選ばれる少なくとも一の金属の元素ピークが観察された場合に、該2種の金属を含むハイドロタルサイト類化合物の存在を類推することができる。
EDS分析により類推されたハイドロタルサイト類化合物の標品を別途準備して、SEMによる形状観察およびEDS分析を行う。標品の分析結果が、判別対象の粒子の分析結果と一致するか否かを比較し、ハイドロタルサイト類化合物であるか否かを判断する。
【0105】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(Lh)の測定方法>
トナー表面に存在するハイドロタルサイト類化合物の存在個所は、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)(SEM−EDS)による観察、及び元素分析によって特定することができる。
上記方法によりハイドロタルサイト類化合物の微粒子と判断された微粒子について測定を行う。
以下、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法について記載する。
【0106】
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
【0107】
(2)S−4800観察条件設定
S−4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PCSTEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイア
ログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]及び[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
【0108】
(3)S−4800による観察
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、トナー表面の少なくとも300個のハイドロタルサイト類化合物の微粒子について粒径を測定して、一次粒子の個数平均粒径(Lh)を求める。ハイドロタルサイト類化合物の微粒子は凝集粒子として存在するものもあるが、このような凝集粒子は粒径の測定対象にしない。また、粒子の最大径を粒径として扱い、最大径を算術平均することによって、一次粒子の個数平均粒径(Lh)とする。
【0109】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子のトナー粒子に対する固着率の測定方法>
まず、2種類のサンプル(水洗前トナー、水洗後トナー)を用意する。
(i)水洗前トナー:測定対象のトナーをそのまま用いる。
(ii)水洗後トナー:イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。
この分散液に測定対象のトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。遠心分離用チューブをシェイカーにて5.8s−1、20minで振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて58.3s−1,30minの条件で遠心分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを含む水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、サンプルとする。
【0110】
これらの水洗前後のサンプルについて、波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、ターゲット元素(第2族元素を有するハイドロタルサイト類化合物の微粒子は、Mg)の強度を使用することにより、第2族元素を有するハイドロタルサイト類化合物の微粒子の定量を行い、固着量を求める。
なお、測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中に、それぞれ水洗前のトナー、又は水洗後のトナーを1g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mmに成型したペレットを用いる。
【0111】
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とする。
また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
まず、上記方法にて水洗前トナー、水洗後トナーの元素の強度を求める。その後、下記式に基づき固着率(%)を算出する。例として、ターゲット元素として、Mgを用いた場合の式を示す。
ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の固着率(%)=
(水洗後トナーのMg元素の強度)/(水洗前トナーのMg元素の強度)×100
【0112】
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.2mL加える。
さらに測定試料を0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃〜40℃となる様に適宜冷却する。
超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載したフロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した分散液をフロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナーを計測する。
そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定し、トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
【0113】
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コール
ター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
【0114】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【0115】
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
トナーなどのガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料2mgを精密に秤量し、アルミニウム製パン中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製パンを用いる。
測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。
この2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ガラス転移温度(Tg)とする。
【0116】
[マトリックスドメイン構造の確認]
導電性部材の導電層におけるマトリックスドメイン構造の形成の有無について以下の方法により確認を行う。
カミソリを用いて導電性部材の導電層の長手方向と垂直な断面が観察できるように切片(厚さ500μm)を切り出す。次いで、白金蒸着を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて1000倍で撮影し、断面画像を得る。
導電層からの切片において観察されたマトリックスドメイン構造は、断面画像内において、図2のように、複数のドメイン6bがマトリックス6a中に分散されて、ドメイン同士が接続せずに独立した状態で存在する形態を示す。6cは電子導電剤である。一方で、マトリックスは画像内で連通し、ドメインがマトリックスによって分断されている状態である。
【0117】
さらに、得られた撮影画像を定量化するために、SEMでの観察により得られた破断面画像に対し、画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus、Media Cybernetics社製)を使用して、8ビットのグレースケール化を行い、256階調のモノクロ画像を得る。次いで、破断面内のドメインが白くなるように、画像の白黒を反転処理した後、画像の輝度分布に対して大津の判別分析法のアルゴリズムに基づいて、2値化の閾値を設定し、2値化画像を得る。
当該2値化画像に対してカウント機能によって、50μm四方の領域内に存在し、かつ、2値化画像の枠線に接点を持たないドメインの総数に対して、上記のように、ドメイン同士が接続せずに孤立しているドメインの個数パーセントKを算出する。
具体的には、画像処理ソフトのカウント機能において、当該2値化画像の4方向の端部の枠線に接点を有するドメインがカウントされないよう設定する。
導電性部材の導電層を長手方向に均等に5等分し、周方向に均等に4等分して得られた領域のそれぞれから任意に1点ずつ、合計20点から当該切片を作製して上記測定を行った際のKの算術平均値(個数%)を算出する。
Kの算術平均値(個数%)が80以上の場合に、マトリックスドメイン構造を「有」すると評価し、Kの算術平均値(個数%)が80を下回る場合に「無」と評価する。
【0118】
[マトリックスの体積抵抗率R1の測定]
マトリックスの体積抵抗率R1は、例えば、導電層から、マトリクスドメイン構造が含まれている所定の厚さ(例えば、1μm)の薄片を切り出し、当該薄片中のマトリクスに走査型プローブ顕微鏡(SPM)や原子間力顕微鏡(AFM)の微小探針を接触させることによって計測することができる。
弾性層からの薄片の切り出しは、例えば、図3(b)に示したように、導電性部材の長手方向をX軸、導電層の厚み方向をZ軸、周方向をY軸とした場合において、薄片が、導電性部材の軸方向に対して垂直なYZ平面(例えば、83a、83b、83c)に平行な面の少なくとも一部を含むように切り出す。切り出しは、例えば、鋭利なカミソリや、ミクロトーム、収束イオンビーム法(FIB)を用いて行うことができる。
体積抵抗率の測定は、導電層から切り出した薄片の片面を接地する。次いで、当該薄片の接地面とは反対側の面のマトリクスの部分に走査型プローブ顕微鏡(SPM)や原子間力顕微鏡(AFM)の微小探針を接触させ、50VのDC電圧を5秒間印加し、接地電流値を5秒間測定した値から算術平均値を算出し、その算出した値で印加電圧を除すること
で電気抵抗値を算出する。最後に薄片の膜厚を用いて、抵抗値を体積抵抗率に変換する。このとき、SPMやAFMは、抵抗値と同時に当該薄片の膜厚も計測できる。
円柱状の帯電部材におけるマトリックスの体積抵抗率R1の値は、例えば、導電層を周方向に4分割、長手方向に5分割した領域のそれぞれから各1つずつ薄片サンプルを切り出し、上記の測定値を得た後に、合計20サンプルの体積抵抗率の算術平均値を算出することによって求める。
本実施例においては、まず、導電性部材の導電層から、ミクロトーム(商品名:Leica EM FCS、ライカマイクロシステムズ製)を用いて、切削温度−100℃にて、1μmの厚みの薄片を切り出した。薄片は、図3(b)に示したように、導電性部材の長手方向をX軸、導電層の厚み方向をZ軸、周方向をY軸とした場合において、導電性部材の軸方向に対して垂直なYZ平面(例えば、83a、83b、83c)の少なくとも一部が含まれるように切り出した。
温度23℃、湿度50%RH環境において、当該薄片の一方の面(以降、「接地面」ともいう)を金属プレート上に接地させ、当該薄片の接地面とは反対側の面(以降、「測定面」ともいう)のマトリクスに相当し、かつ、測定面と接地面との間にドメインが存在していない箇所に走査型プローブ顕微鏡(SPM)(商品名:Q−Scope250、Quesant Instrument Corporation製)のカンチレバーを接触させた。続いて、5秒間、カンチレバーに50Vの電圧を印加し、電流値を測定して5秒間の算術平均値を算出した。
SPMで測定切片の表面形状を観察し、得られる高さプロファイルから測定箇所の厚さを算出した。さらに、表面形状の観察結果から、カンチレバーの接触部の凹部面積を算出した。当該厚さと当該凹部面積とから体積抵抗率を算出した。
薄片は、導電層を長手方向に5等分し、周方向に4等分して得られたそれぞれの領域内から任意に1点ずつ、合計20点の当該切片を作製して上記測定を行った。その平均値を、マトリックスの体積抵抗率R1とした。
なお、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(商品名:Q−Scope250、Quesant Instrument Corporation製)はコンタクトモードで操作した。
【0119】
[ドメインの体積抵抗率R2の測定]
上記マトリックスの体積抵抗率R1の測定において、超薄切片のドメインに該当する箇所で測定を実施し、測定の電圧を1Vにする以外は、同様の方法で、ドメインの体積抵抗率R2を測定する。
本実施例では、上記(マトリックスの体積抵抗率R1の測定)において、測定面のカンチレバーを接触させる箇所を、ドメインに相当し、かつ、測定面と接地面との間にマトリクスが存在しない箇所に変更し、電流値の測定の際の印加電圧を1Vに変更した以外は同様の方法で実施し、R2を算出した。
【0120】
[導電層の断面から観察されるドメインの円相当径Dの測定]
ドメインの円相当径Dは以下のようにして算出する。
導電層の長手方向の長さをL、導電層の厚さをTとしたとき、導電層の長手方向の中央、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所から、図3(b)に示されるような導電層の厚さ方向の断面(83a、83b、83c)が表れている面を有する、厚みが1μmのサンプルを、ミクロトーム(商品名:Leica EM FCS、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて切り出す。
得られた3つのサンプルの各々の、導電層の厚さ方向の断面に白金を蒸着する。次いで、各サンプルの白金蒸着面のうち、導電層の外表面から深さ0.1T〜0.9Tまでの厚み領域内の任意に選択した3か所を走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて5000倍で撮影する。
得られた9枚の撮影画像の各々を、画像処理ソフト(製品名:ImageProPlu
s;Media Cybernetics社製)によって、2値化、カウント機能による定量化を行って、各撮影画像に含まれるドメインの面積の算術平均値Sを算出する。
次いで、各撮影画像について算出したドメインの面積の算術平均値Sから、ドメインの円相当径(=(4S/π)0.5)を計算する。次に、各撮影画像のドメインの円相当径の算出平均値を算出して、被測定対象である導電性部材の導電層断面から観察されるドメインの円相当径Dを得る。
【0121】
[ドメインの粒度分布の測定]
ドメインの円相当径Dの均一性を評価するための、ドメインの粒度分布の測定は、次のようにして行う。まず、上記ドメインの円相当径Dの測定で得られる、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)による5000倍の観察画像に対して画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)によって、2値化画像を得る。次いで、当該2値化画像内のドメイン群に対して、画像処理ソフトのカウント機能により平均値Dと標準偏差σdを算出し、次いで粒度分布の指標であるσd/Dを計算する。
ドメイン径のσd/D粒度分布の測定においては、導電層の長手方向の長さをL、導電層の厚さをTとしたとき、導電層の長手方向の中央、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所における、図3(b)に示されるような導電層の厚さ方向の断面を取得する。上記の3つの測定位置から得られた3つの切片のそれぞれの、導電層外表面から深さ0.1T〜0.9Tまでの厚み領域の任意の3か所、合計9か所において、50μm四方の領域を解析画像として抽出して測定を実施し、9か所の算術平均値を算出する。
【0122】
[導電層の外表面から観察されるドメインの円相当径Ld]
導電層の外表面から観察されるドメインの円相当径Ldは以下のように測定する。
導電層の長手方向の長さをLとしたとき、導電層の長手方向の中央、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所から、ミクロトーム(商品名:Leica EM FCS、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて、導電層の外表面が含まれるサンプルを切り出す。サンプルの厚さは1μmとする。
当該サンプルの、導電層の外表面に該当する面に白金を蒸着する。該サンプルの白金蒸着面の任意の3か所を選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて5000倍で撮影する。得られた合計9枚の撮影画像の各々を画像処理ソフト(商品名:ImageProPlus;Media Cybernetics社製)を用いて2値化、カウント機能による定量化を行って、撮影画像の各々に含まれるドメインの平面積の算術平均値Ssを算出する。
次いで、各撮影画像について算出したドメインの平面積の算術平均値Ssから、ドメインの円相当径(=(4S/π)0.5を計算する。次いで、各撮影画像のドメインの円相当径の算出平均値を算出して、被測定対象である導電性部材を外表面から観察したときのドメインの円相当径Ldを得る。
【0123】
[導電層の断面から観察されるドメイン間距離Dmの測定]
導電層の長手方向の長さをL、導電層の厚さをTとしたとき、導電層の長手方向の中央、及び導電層の両端から中央に向かってL/4の3か所から、図3(b)に示されるような導電層の厚さ方向の断面(83a、83b、83c)が表れている面を有するサンプルを取得する。
得られた3つのサンプルの各々について、導電層の厚さ方向の断面が表れた面における、導電層外表面から深さ0.1T〜0.9Tまでの厚み領域の任意の3か所に50μm四方の解析領域を置く。当該3つの解析領域を、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて倍率5000倍で撮影する。得られた合計9枚の撮影画像の各々を、画像処理ソフト(商品名:LUZEX;ニレコ社製)を使用して2値化する。
2値化の手順は以下のように行う。撮影画像に対し、8ビットのグレースケール化を行い、256階調のモノクロ画像を得る。そして、撮影画像内のドメインが白くなるように、画像の白黒を反転処理し、2値化し、撮影画像の2値化画像を得る。次いで、9枚の2値化画像の各々について、ドメインの壁面間距離を算出し、さらにそれらの算術平均値を算出する。この値をDmとする。なお、壁面間距離とは、最も近接しているドメイン同士の壁面間の距離(最短距離)であり、上記画像処理ソフトにおいて、測定パラメーターを隣接壁面間距離と設定することで求めることができる。
【0124】
[ドメイン間距離Dmの均一性の測定]
上記ドメイン間距離Dmの測定過程において得たドメインの壁面間距離の分布から、ドメイン間距離の標準偏差σmを算出し、ドメイン間距離の均一性の指標である変動係数σm/Dmを計算する。
【実施例】
【0125】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。実施例中で使用する「部」は特に断りのない限り質量基準である。
【0126】
トナーの製造例について説明する。
<結着樹脂粒子分散液の調製>
スチレン89.5部、アクリル酸ブチル9.2部、アクリル酸1.3部、n−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液に、ネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部をイオン交換水150部に混合した水溶液を添加して、分散させた。
さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.3部をイオン交換水10部に混合した水溶液を添加した。
窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの結着樹脂粒子分散液を得た。
【0127】
<離型剤分散液の調製>
離型剤(ベヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃)100部及びネオゲンRK15部をイオン交換水385部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して離型剤分散液を得た。離型剤分散液の固形分濃度は20質量%であった。
【0128】
<着色剤分散液の調製>
カーボンブラック「Nipex35(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)」100部及びネオゲンRK15部をイオン交換水885部に混合させ、湿式ジェットミル JN100を用いて約1時間分散して着色剤分散液を得た。
【0129】
<トナー粒子1の調製>
結着樹脂粒子分散液265部、離型剤分散液10部及び着色剤分散液10部を容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。
撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1mol/Lの塩酸を加えてpH=5.0に調整した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、凝集粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて凝集粒子の粒径を測定した。凝集粒子の重量平均粒径が6.2μmになった時点で、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整して粒子成長を停止させた。
その後、95℃まで昇温して凝集粒子の融着と球形化を行った。平均円形度が0.98
0に到達した時点で降温を開始し、30℃まで降温してトナー粒子分散液1を得た。
得られたトナー粒子分散液1に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。
これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行った。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットし、トナー粒子1を得た。トナー粒子1の重量平均粒径(D4)は6.3μm、平均円形度は0.980、ガラス転移温度(Tg)は57℃であった。
【0130】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例1>
203.3gの塩化マグネシウム6水和物と、96.6gの塩化アルミニウム6水和物とを1Lの脱イオン水に溶解し、この溶液を25℃に保ちながら、水酸化ナトリウム60gを1Lの脱イオン水に溶解した液でpH10.5に調整した。そして、98℃で24時間熟成した。
冷却後、沈殿物を脱イオン水でろ液の電導度が100μS/cm以下になるまで洗浄し、5質量%の濃度のスラリーとした。このスラリーを攪拌しながら、スプレードライヤー(DL−41、ヤマト科学(株)製)にて乾燥温度180℃、噴霧圧0.16MPa、噴霧速度約150mL/minで噴霧乾燥によりハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−1を得た。
熱重量分析、蛍光X線分析及びCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+0.692Al3+0.308(OH)−2.000・0.154CO2−・0.538H
【0131】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例2>
塩化マグネシウム6水和物を、246.5gの硫酸マグネシウム7水和物に変更し、塩化アルミニウム6水和物を、126.1gの硫酸アルミニウム16水和物に変更し、さらに、水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行う以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−2を得た。
熱重量分析、蛍光X線分析及びCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+0.692Al3+0.308(OH)2.000・0.150CO2−・0.555H
【0132】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例3>
塩化マグネシウム6水和物を、256.4gの硝酸マグネシウム6水和物に変更し、塩化アルミニウム6水和物を、150.1gの硝酸アルミニウム9水和物に変更し、さらに、水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行う以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子を製造した。さらに、分級処理を行い、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−3を得た。
熱重量分析、蛍光X線分析及びCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+0.692Al3+0.308(OH)2.000・0.141CO2−・0.502H
【0133】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例4>
水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行い、スプレードライヤーの噴霧条件を噴霧圧0.12MPa、噴霧速度約110mL/minに変更する以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−4を得た。
熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+0.692Al3+0.308(OH)2.000・0.155CO2−・0.544H
【0134】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例5>
ハイドロタルサイト類化合物H−2に対して分級処理を行い、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−5得た。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
【0135】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例6>
ハイドロタルサイト類化合物H−2に対して分級処理を行い、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−6得た。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
【0136】
<ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の製造例7>
ハイドロタルサイト類化合物H−3に対して分級処理を行い、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−7得た。表1にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
【0137】
【表1】
【0138】
<シリカ微粒子1の製造例>
撹拌機付き反応器に、一次粒子の個数平均粒径18nmの未処理の乾式シリカを投入し、撹拌による流動化状態において、200℃に加熱した。
反応器内部を窒素ガスで置換して反応器を密閉し、乾式シリカ100部に対し、25部のジメチルシリコーンオイル(粘度=100mm/秒)を噴霧し、30分間攪拌を続けた。その後、攪拌しながら250℃まで昇温して、さらに2時間攪拌した後に取り出し、解砕処理を実施し、シリカ微粒子1を得た。なお、シリカ微粒子1の疎水化度は90(体積%)であった。
【0139】
<トナーの製造例1>
得られたトナー粒子1(100部)に対して、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−5(0.3部)、シリカ微粒子1(1.2部)を、FM10C(日本コークス工業株式会社製)によって外添混合した。
外添条件は、トナー粒子の仕込み量:2.0kg、回転数:66.6s−1、外添時間
:12分、冷却水を温度20℃・流量11L/minで行った。
その後、目開き200μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
【0140】
<トナーの製造例2〜8>
トナーの製造例1において、使用するトナー粒子、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子、シリカ微粒子の種類及び添加量を表2の記載に変更した以外は、同様にしてトナー2〜8を得た。
【0141】
【表2】
【0142】
<導電性部材1の製造例>
[1−1.ドメイン形成用ゴム混合物(CMB)の調製]
表3に示す各材料を、表3に示す配合量で、6リットル加圧ニーダー(商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて混合してCMBを得た。混合条件は、充填率70体積%、ブレード回転数30rpm、30分間とした。
【0143】
【表3】
【0144】
[1−2.マトリックス形成用ゴム混合物(MRC)の調製]
表4に示す各材料を、表4に示す配合量で、6リットル加圧ニーダー((商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて混合してMRCを得た。混合条件は、充填率70体積%、ブレード回転数30rpm、16分間とした。
【0145】
【表4】
【0146】
[1−3.導電層形成用未加硫ゴム混合物の調製]
上記で得たCMB及びMRCを、表5に示す配合量で、6リットル加圧ニーダー(商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて混合した。混合条件は、充填率70体積%、ブレード回転数30rpm、20分間とした。
【0147】
【表5】
【0148】
次いで、CMB及びMRCの混合物100部に対して、表4に示す加硫剤及び加硫促進剤を、表6に示す配合量加え、ロール径12インチ(0.30m)のオープンロールを用いて混合し、導電層成形用ゴム混合物を調製した。
混合条件は、前ロール回転数10rpm、後ロール回転数8rpmで、ロール間隙2mmとして合計20回左右の切り返しを行った後、ロール間隙を0.5mmとして10回薄通しを行った。
【0149】
【表6】
【0150】
(2.導電性部材の作製)
[2−1.導電性の外表面を有する支持体の用意]
導電性の外表面を有する支持体として、ステンレス鋼(SUS)の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施した全長252mm、外径6mmの丸棒を用意した。
【0151】
[2−2.導電層の成形]
支持体の供給機構、及び未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機の先
端に、内径12.5mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドの温度を80℃に、支持体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機から、導電層形成用ゴム混合物を供給して、クロスヘッド内にて支持体の外周部を、該導電層形成用ゴム混合物で被覆し、未加硫ゴムローラを得た。
次に、160℃の熱風加硫炉中に前記未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することで導電層形成用ゴム混合物を加硫し、支持体の外周部に導電層が形成されたローラを得た。その後、導電層の両端部を各10mm切除して、導電層部の長手方向の長さを231mmとした。
最後に、導電層の表面を回転砥石で研磨した。これによって、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.44mm、中央部直径が8.5mmのクラウン形状である導電性部材(帯電ローラ)1を得た。評価結果を表9に示す。
【0152】
<導電性部材2〜12の製造例>
原料ゴム、導電剤、加硫剤、加硫促進剤に関して表7A−1〜表7A−2に示す材料、及び条件を用いる以外は、導電性部材1と同様にして導電性部材2〜12を製造した。
なお、表7A−1〜表7A−2中に示した材料の詳細については、ゴム材料は表7B−1、導電剤は表7B−2、加硫剤及び加硫促進剤は表7B−3に示す。
得られた導電性部材の物性を表9に示す。
【0153】
【表7A-1】
表中のムーニー粘度に関し、原材料ゴムの値は各社のカタログ値である。ドメイン形成用ゴム混合物の値は、JIS K6300−1:2013に基づくムーニー粘度ML(1+4)であり、ドメイン形成用ゴム混合物を構成する材料すべてを混練している時のゴム温度で測定されたものである。SP値の単位は、(J/cm0.5であり、DBPは、DBP吸油量(cm/100g)を示す。
【0154】
【表7A-2】
表中のムーニー粘度に関し、原料ゴムの値は、各社のカタログ値である。マトリックス形成用ゴム混合物の値は、JIS K6300−1:2013に基づくムーニー粘度ML(1+4)であり、マトリックス形成用ゴム混合物を構成するすべての材料を混練している時のゴム温度で測定されたものである。SP値の単位は、(J/cm0.5である。
【0155】
【表7B-1】
【0156】
【表7B-2】
【0157】
【表7B-3】
【0158】
<導電性部材13>
表7A−1及び表7A−2に示した材料及び条件を用いる以外は実施例1と同様に導電性部材C1を製造した。次いで、以下の方法に従って、さらに導電性部材C1上に導電性樹脂層を設け、帯電ローラ13を製造し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。結果を表9に示す。
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液に溶媒としてメチルイソブチルケトンを加え、固形分が10質量%となるように調整した。このアクリルポリオール溶液1000部(固形分100部)に対して、下記の表8に示す材料を用いて混合溶液を調製した。このとき、ブロックHDIとブロックIPDIとの混合物は、「NCO/OH=1.0」であった。
【0159】
【表8】
【0160】
次いで、450mLのガラス瓶に上記混合溶液210gと、メディアとして平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gとを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間前分散を行い、導電性樹脂層形成用の塗料を得た。
導電性部材C1を、その長手方向を鉛直方向にして、導電性樹脂層形成用の塗料中に浸漬してディッピング法で塗工した。ディッピング塗布の浸漬時間は9秒間、引き上げ速度は、初期速度が20mm/sec、最終速度が2mm/sec、その間は時間に対して直線的に速度を変化させた。
得られた塗工物を常温で30分間風乾し、次いで90℃に設定した熱風循環乾燥機中において1時間乾燥し、さらに160℃に設定した熱風循環乾燥機中において1時間乾燥し
て導電性部材13を得た。評価結果を表9に示す。
【0161】
【表9】
表中、例えば「5.83E+16」は、「5.83×1016」であることを示し、「3.6E−13」は、「3.6×10−13」であることを示す。す。また、MD構造は、マトリックスドメイン構造の有無を示す。
【0162】
<実施例1>
電子写真装置として、電子写真方式のレーザープリンタ(商品名:LBP9950Ci、Canon社製)を用意した。次に、トナー1、導電性部材1、電子写真装置、プロセスカートリッジを、測定環境にならす目的で、35℃85%RHの環境に72時間放置した。
なお、高速プロセスにおける評価とするために、以下のように改造した。改造点は、評価機本体のギア及びソフトウェアを変更することにより、現像ローラーの回転数をドラムに対して1.5倍の周速で回転するように設定した事、プロセススピードを360mm/secに変更した事である。
LBP9950Ciのトナーカートリッジの中に入っているトナーを抜き取り、エアブローにて内部を清掃した後、評価するトナー1を180g装填した。さらに、導電性部材1をプロセスカートリッジの帯電ローラとしてセットし、レーザープリンタに組み込み、当該レーザープリンタ内の前露光装置を撤去した。
これらプリンター及びプロセスカートリッジの組み合わせは、図5に示す構成に該当する。
次に、初期評価画像を出力し、そのまま当該環境にて左右に余白を50mmずつとり中央部に、1.5%の印字率の画像をA4用紙横方向で20000枚までプリントアウトして、20000枚出力後に評価を行った。評価紙としては、A4のカラーレーザーコピー用紙(キヤノン製、80g/m)を用いた。評価結果を表10に示す。
【0163】
<画像流れの評価>
評価画像:上記A4用紙に1ドット2スペース横罫線の画像を配置紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧
及びレーザーパワーにより調整)で形成した。
初期と20000枚出力後に上記評価画像を1枚出力した。そして、耐久使用前後の罫線の太さを比較した。そして、下記式を用いて、罫線幅細り率を算出した。得られた罫線幅細り率を下記の評価基準に従って評価した。なお、画像の罫線の太さは、1枚の画像における30本の罫線の太さの平均値とする。C以上を良好と判断した。
罫線幅細り率={(耐久使用前の画像の罫線の太さ−耐久使用後の画像の罫線の太さ)/耐久使用前の画像の罫線の太さ}×100
(評価基準)
A:罫線幅細り率5.0%未満
B:罫線幅細り率5.0%以上10.0%未満
C:罫線幅細り率10.0%以上15.0%未満
D:罫線幅細り率15.0%以上20.0%未満
E:罫線幅細り率20.0%以上
【0164】
<部材汚染の評価>
評価画像:上記A4用紙にベタ画像をトナーの載り量:0.60mg/cm(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)で形成した。
トナーによる帯電ローラ汚染によって引き起こされる帯電ローラ及び感光体へのトナー融着レベルは、感光体表面のトナー融着状況とそれによって発生する画像への影響(白抜け)を目視で評価した。
(評価基準)
A:未発生
B:トナー融着はあるが軽微で目立たない
C:トナー融着が多く、ベタ黒画像で点状に白抜けした画像欠陥が目立つ
D:大きなトナー融着が発生し、数mmの線状に白抜けした画像欠陥が目立つ
【0165】
<実施例2〜12、比較例1〜6>
トナーと帯電ローラの組み合わせを表10のように変更した以外は実施例1と同様にして実施例2〜12、比較例1〜6を評価した。
【0166】
【表10】
【符号の説明】
【0167】
51 導電性部材の外表面、 52 導電性支持体、53 導電層、
6a マトリックス 、 6b ドメイン、 6c 電子導電剤
71 ドメイン
81 導電性部材、82 XZ平面、82a XZ平面82と平行な断面、83 導電性部材の軸方向と垂直なYZ平面、83a 導電層の一端から中央に向かってL/4の箇所の断面、83b 導電層の長手方向の中央での断面、83c 導電層の一端から中央に向かってL/4の箇所の断面、
91 電子写真感光体、92 導電性部材(帯電ローラ)、93 現像ローラ、94 トナー供給ローラ、95 クリーニングブレード、96 トナー容器、97 廃トナー容器、98 現像ブレード、99 トナー、910 攪拌羽、
101 感光ドラム、102 帯電ローラ、103 現像ローラ、104 トナー供給ローラ、105 クリーニングブレード、106 トナー容器、107 廃トナー収容容器、108 現像ブレード、109 トナー、1010 攪拌羽、1011 露光光、1012 一次転写ローラ、1013 テンションローラ、1014 中間転写ベルト駆動ローラ、1015 中間転写ベルト、1016 二次転写ローラ、1017 クリーニング装置、1018 定着器、1019 転写材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】