(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021067771
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】画像形成装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20210402BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   !G03G15/02 102
   !G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】2019192035
(22)【出願日】20191021
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番2号
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 久
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 コニカミノルタ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H200FA01
2H200FA02
2H200FA18
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA31
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2H270KA09
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2H270LA28
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2H270MF08
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD01
(57)【要約】
【課題】感光体の膜圧を正確に計測できない場合でも、適切に帯電電圧を調整する。
【解決手段】画像形成装置は、像担持体1と、帯電装置2と、帯電装置2の電流を検出する電流センサー203と、像担持体1の回転数をカウントし、帯電装置2の電圧を制御する制御部50と、像担持体1の回転数と、帯電装置2に流れる電流と、像担持体1の回転数当たりの想定減耗量とを記憶する記憶部とを備える。電流センサー203は、帯電装置2に第1の電圧が印加されたときの帯電装置2に流れる第1の電流を検出する。制御部50は、像担持体1の回転数と、第1の電流と、前回計測された帯電装置2に流れる第2の電流とに基づいて、像担持体1の回転数当たりの減耗量を検出し、計測した像担持体1の回転数当たりの減耗量と、像担持体1の回転数当たりの想定減耗量とを比較し、比較の結果に基づいて、トナー像の形成時に、帯電装置2に印加される第2の電圧を調整する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成する像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置に流れる電流を検出する電流センサーと、
前記像担持体の回転数をカウントし、前記帯電装置の電圧を制御する制御部と、
前記像担持体の回転数と、前記帯電装置に流れる電流と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量とを記憶する記憶部とを備え、
前記電流センサーは、前記帯電装置に第1の電圧が印加されたときの前記帯電装置に流れる第1の電流を検出し、
前記制御部は、
前記像担持体の回転数と、前記第1の電流と、前回計測された前記帯電装置に流れる第2の電流とに基づいて、前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出し、
計測した前記像担持体の回転数当たりの減耗量と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量とを比較し、
前記比較の結果に基づいて、トナー像の形成時に、前記帯電装置に印加される第2の電圧を調整する、画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体の回転数は、前記制御部が前記第1の電流を検出するときの前記像担持体の第1の回転数と、前記制御部が前記第2の電流を検出するときの前記像担持体の第2の回転数とを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出することは、
前記第1の回転数および前記第2の回転数に基づいて、回転数の差分を算出することと、
前記第1の電流および前記第2の電流に基づいて、電流の差分を算出することと、
前記回転数の差分および前記電流の差分に基づいて、前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出することとを含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記像担持体の回転数当たりの減耗量と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第1の閾値以上である場合、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量を前記像担持体の回転数当たりの減耗量として、前記第2の電圧を調整する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記像担持体の回転数当たりの減耗量と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第2の閾値未満である場合、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量を前記像担持体の回転数当たりの減耗量として、前記第2の電圧を調整する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記像担持体の回転数当たりの減耗量が、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも多い場合、前記第2の電圧を下げ、
前記像担持体の回転数当たりの減耗量が、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも少ない場合、前記第2の電圧を上げる、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量は、各色のトナーごとに個別に設定されている、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置の機内の温度を検出する温度センサーと、
前記画像形成装置の機内の湿度を検出する湿度センサーとをさらに備え、
前記記憶部は、前記画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく前記第2の電圧の補正値をさらに格納し、
前記制御部は、前記温度センサーおよび前記湿度センサーの各検出値と、前記画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく前記第2の電圧の補正値とに基づいて、前記第2の電圧を調整する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく前記帯電装置の比誘電率をさらに格納し、
前記制御部は、前記温度センサーおよび前記湿度センサーの各検出値と、前記画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく前記帯電装置の比誘電率とに基づいて、前記第2の電圧を調整する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、予め定められた印刷枚数ごとに、前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置の制御方法であって、
像担持体を帯電させるステップと、
前記像担持体の回転数をカウントするステップと、
帯電装置に第1の電圧が印加されたときの前記帯電装置に流れる第1の電流を検出するステップと、
前記像担持体の回転数と、前記第1の電流と、前回計測された前記帯電装置に流れる第2の電流とに基づいて、前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップと、
計測した前記像担持体の回転数当たりの減耗量と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量とを比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて、トナー像の形成時に、前記帯電装置に印加される第2の電圧を調整するステップとを含む、制御方法。
【請求項12】
前記像担持体の回転数は、前記第1の電流を検出するときの前記像担持体の第1の回転数と、前記第2の電流を検出するときの前記像担持体の第2の回転数とを含む、請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップは、
前記第1の回転数および前記第2の回転数に基づいて、回転数の差分を算出するステップと、
前記第1の電流および前記第2の電流に基づいて、電流の差分を算出するステップと、
前記回転数の差分および前記電流の差分に基づいて、前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップとを含む、請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記像担持体の回転数当たりの減耗量と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第1の閾値以上である場合、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量を前記像担持体の回転数当たりの減耗量として、前記第2の電圧を調整するステップをさらに含む、請求項11〜13のいずれかに記載の制御方法。
【請求項15】
前記像担持体の回転数当たりの減耗量と、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第2の閾値未満である場合、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量を前記像担持体の回転数当たりの減耗量として、前記第2の電圧を調整するステップをさらに含む、請求項11〜14のいずれかに記載の制御方法。
【請求項16】
前記像担持体の回転数当たりの減耗量が、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも多い場合、前記第2の電圧を下げるステップと、
前記像担持体の回転数当たりの減耗量が、前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも少ない場合、前記第2の電圧を上げるステップとをさらに含む、請求項11〜15のいずれかに記載の制御方法。
【請求項17】
前記像担持体の回転数当たりの想定減耗量は、各色のトナーごとに個別に設定されている、請求項11〜16のいずれかに記載の制御方法。
【請求項18】
前記画像形成装置の機内の温度を検出するステップと、
前記画像形成装置の機内の湿度を検出するステップと、
温度および湿度の各検出値に基づいて、前記第2の電圧の補正値を取得し、前記補正値に基づいて前記第2の電圧を調整するステップとをさらに含む、請求項11〜17のいずれかに記載の制御方法。
【請求項19】
温度および湿度の各検出値に基づいて、前記帯電装置の比誘電率を取得し、前記比誘電率に基づいて前記第2の電圧を調整するステップをさらに含む、請求項18に記載の制御方法。
【請求項20】
予め定められた印刷枚数ごとに、前記像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップをさらに含む、請求項11〜19のいずれかに記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関し、より特定的には、帯電装置の電圧調整制御に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)等の電子写真方式の画像形成装置は、一般的に、像担持体である感光体にトナー像を形成し、トナー像を媒体に転写して定着させる。感光体は、その表面に静電潜像を形成するために、帯電装置によって、表面全体を帯電される。帯電装置によって感光体に印加される電圧が高すぎる場合、感光体と帯電装置との間で放電が発生し、感光体の寿命を縮めることがある。逆に、帯電装置によって感光体に印加される電圧が低すぎる場合、印刷品質に影響が出る場合がある。そのため、画像形成装置において、帯電装置の帯電電圧を適切に設定することが求められる。
【0003】
帯電装置の帯電電圧の設定技術に関し、例えば、特開2017−138381号公報(特許文献1)は、「非画像形成時に、ピーク間電圧Vppが異なる帯電電圧を帯電部材に供給したときに帯電部材に流れる交流電流Iacの検出結果から正放電領域の近似関数L1と逆放電領域の近似関数L2との差分値を示す第3近似関数を求める。次に、ピーク間電圧Vpp=2000Vのときの交流電流Iacの検出値が所定の異なる範囲のうちどの範囲に属するかを判断する。そして、求めた第3近似関数においてその傾きが、判断した範囲に対応して予め決められた値と一致する点を求め、求めた点のピーク間電圧を、以降の画像形成時の帯電電圧のピーク間電圧に決定する」方法を開示している([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−138381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術によると、それぞれの画像形成装置に搭載される帯電装置の回路の特性誤差が原因で、感光体の膜圧を正確に計測できず、適切に帯電電圧を調整できない場合がある。
【0006】
したがって、感光体の膜圧を正確に計測できない場合においても、適切に帯電電圧を調整する技術が必要とされている。
【0007】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、感光体の膜圧を正確に計測できない場合においても、適切に帯電電圧を調整する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従う画像形成装置は、トナー像を形成する像担持体と、像担持体を帯電させる帯電装置と、帯電装置に流れる電流を検出する電流センサーと、像担持体の回転数をカウントし、帯電装置の電圧を制御する制御部と、像担持体の回転数と、帯電装置に流れる電流と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量とを記憶する記憶部とを備える。電流センサーは、帯電装置に第1の電圧が印加されたときの帯電装置に流れる第1の電流を検出する。制御部は、像担持体の回転数と、第1の電流と、前回計測された帯電装置に流れる第2の電流とに基づいて、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出し、計測した像担持体の回転数当たりの減耗量と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量とを比較し、比較の結果に基づいて、トナー像の形成時に、帯電装置に印加される第2の電圧を調整する。
【0009】
ある局面において、像担持体の回転数は、制御部が第1の電流を検出するときの像担持体の第1の回転数と、制御部が第2の電流を検出するときの像担持体の第2の回転数とを含む。
【0010】
ある局面において、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出することは、第1の回転数および第2の回転数に基づいて、回転数の差分を算出することと、第1の電流および第2の電流に基づいて、電流の差分を算出することと、回転数の差分および電流の差分に基づいて、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出することとを含む。
【0011】
ある局面において、制御部は、像担持体の回転数当たりの減耗量と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第1の閾値以上である場合、像担持体の回転数当たりの想定減耗量を像担持体の回転数当たりの減耗量として、帯電装置に印加される第2の電圧を調整する。
【0012】
ある局面において、制御部は、像担持体の回転数当たりの減耗量と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第2の閾値未満である場合、像担持体の回転数当たりの想定減耗量を像担持体の回転数当たりの減耗量として、帯電装置に印加される第2の電圧を調整する。
【0013】
ある局面において、制御部は、像担持体の回転数当たりの減耗量が、像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも多い場合、第2の電圧を下げ、像担持体の回転数当たりの減耗量が、像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも少ない場合、第2の電圧を上げる。
【0014】
ある局面に従う画像形成装置において、像担持体の回転数当たりの想定減耗量は、各色のトナーごとに個別に設定されている。
【0015】
ある局面において、画像形成装置は、画像形成装置の機内の温度を検出する温度センサーと、画像形成装置の機内の湿度を検出する湿度センサーとをさらに備える。記憶部は、画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく第2の電圧の補正値をさらに格納する。制御部は、温度センサーおよび湿度センサーの各検出値と、画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく第2の電圧の補正値とに基づいて、第2の電圧を調整する。
【0016】
ある局面において、記憶部は、画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく帯電装置の比誘電率をさらに格納する。制御部は、温度センサーおよび湿度センサーの各検出値と、画像形成装置の機内の温度および湿度に基づく帯電装置の比誘電率とに基づいて、第2の電圧を調整する。
【0017】
ある局面において、制御部は、予め定められた印刷枚数ごとに、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出する。
【0018】
他の実施の形態に従うと、画像形成装置の制御方法が提供される。この制御方法は、像担持体を帯電させるステップと、像担持体の回転数をカウントするステップと、帯電装置に第1の電圧が印加されたときの帯電装置に流れる第1の電流を検出するステップと、像担持体の回転数と、第1の電流と、前回計測された帯電装置に流れる第2の電流とに基づいて、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップと、計測した像担持体の回転数当たりの減耗量と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量とを比較するステップと、比較の結果に基づいて、トナー像の形成時に、帯電装置に印加される第2の電圧を調整するステップとを含む。
【0019】
ある局面において、像担持体の回転数は、第1の電流を検出するときの像担持体の第1の回転数と、第2の電流を検出するときの像担持体の第2の回転数とを含む。
【0020】
ある局面において、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップは、第1の回転数および第2の回転数に基づいて、回転数の差分を算出するステップと、第1の電流および第2の電流に基づいて、電流の差分を算出するステップと、回転数の差分および電流の差分に基づいて、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップとを含む。
【0021】
ある局面において、制御方法は、像担持体の回転数当たりの減耗量と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第1の閾値以上である場合、像担持体の回転数当たりの想定減耗量を像担持体の回転数当たりの減耗量として、帯電装置に印加される第2の電圧を調整するステップをさらに含む。
【0022】
ある局面において、制御方法は、像担持体の回転数当たりの減耗量と、像担持体の回転数当たりの想定減耗量との差が、予め定められた第2の閾値未満である場合、像担持体の回転数当たりの想定減耗量を像担持体の回転数当たりの減耗量として、帯電装置に印加される第2の電圧を調整するステップをさらに含む。
【0023】
ある局面において、制御方法は、像担持体の回転数当たりの減耗量が、像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも多い場合、第2の電圧を下げるステップと、像担持体の回転数当たりの減耗量が、像担持体の回転数当たりの想定減耗量よりも少ない場合、第2の電圧を上げるステップとをさらに含む。
【0024】
ある局面に従う制御方法において、像担持体の回転数当たりの想定減耗量は、各色のトナーごとに個別に設定されている。
【0025】
ある局面において、制御方法は、画像形成装置の機内の温度を検出するステップと、画像形成装置の機内の湿度を検出するステップと、温度および湿度の各検出値に基づいて、第2の電圧の補正値を取得し、補正値に基づいて第2の電圧を調整するステップとをさらに含む。
【0026】
ある局面において、制御方法は、温度および湿度の各検出値に基づいて、帯電装置の比誘電率を取得し、比誘電率に基づいて第2の電圧を調整するステップをさらに含む。
【0027】
ある局面において、制御方法は、予め定められた印刷枚数ごとに、像担持体の回転数当たりの減耗量を検出するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0028】
ある実施の形態に従うと、感光体の膜圧を正確に計測できない場合においても、適切に帯電電圧を調整することが可能である。
【0029】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ある実施の形態に従う画像形成装置100の一構成例を示す図である。
【図2】イメージングユニット10およびその周辺回路の一例を示す図である。
【図3】ある実施の形態に従う画像形成装置100の回路構成の一例を示す図である。
【図4】感光体1の厚みと、帯電部2に流れる交流電流Iacとの関係の一例を示す図である。
【図5】ピーク間電圧Vppの調整のためのパラメーターの一例を示す図である。
【図6】HV(High Voltage)出力補正項A,Bのテーブルの一例を示す図である。
【図7】帯電ローラーの比誘電率を求めるための比誘電率テーブル700の一例を示す図である。
【図8】トナーごとの感光体1の回転数当たりの想定減耗量を格納する想定減耗量テーブル800の一例を示す図である。
【図9】感光体1の回転数当たりの想定減耗量と、計測された感光体1の回転数当たりの減耗量とを比較するときに使用される閾値を格納した閾値テーブル900の一例である。
【図10】画像形成装置100におけるピーク間電圧Vppの調整の処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0032】
本実施の形態に従う画像形成装置は、交流電源のピーク間電圧を適切に制御することで、感光体の削れを抑制して感光体の寿命を延長する。その際、本実施の形態に従う画像形成装置は、交流電源の回路特性等の差によるピーク間電圧の誤差の影響を抑制するため、感光体の回転数あたりの減耗量に基づいて、ピーク間電圧を調整する。以降、本実施の形態に従う画像形成装置の全体像、帯電部の詳細、画像形成装置の回路構成およびピーク間電圧の調整の順に説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態に従う画像形成装置100の一構成例を示す図である。図1を参照して、本実施の形態に従う画像形成装置100の構成について説明する。画像形成装置100は、プリントエンジン110と、原稿読取部120と、排出トレイ130と、操作パネル60とを備える。
【0034】
プリントエンジン110は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キー・プレート(K)のそれぞれのトナー像を形成するイメージングユニット10C,10M,10Y,10K(以下総称するときは、「イメージングユニット10」という)と、中間転写ベルト12と、中間転写体駆動ローラー14,16と、ベルトクリーニング部18と、転写ローラー20,21と、定着部22と、給紙部30と、送出ローラー32と、搬送ローラー34と、レジストローラー36と、制御部50と、記憶部51と、電源部52と、メディア検知センサー55とを含む。イメージングユニット10は、感光体1と、帯電部2と、露光部3と、現像部4(対応するイメージングユニット10が形成するトナー像の色に対応させて、4C、4M、4Y、4Kとそれぞれ記載する)と、クリーニング部5と、中間転写体接触ローラー6とを含む。原稿読取部120は、イメージスキャナー122と、原稿給紙台124と、自動原稿送り装置126と、原稿排紙台128とを含む。
【0035】
プリントエンジン110は、給紙部30内の媒体40に対して印刷処理を行う。送出ローラー32は、給紙部30から媒体40を搬送する。さらに、搬送ローラー34は、転写ローラー20,21に向けて媒体40を搬送する。
【0036】
レジストローラー36は、転写ローラー20,21の手前で、媒体40の搬送タイミングを調節する。メディア検知センサー55は、レジストローラー36の手前で、搬送されてくる媒体40の種類を検出する。メディア検知センサー55は、複数のセンサーの組み合わせによって、実現されてもよい。ある局面において、メディア検知センサー55は、光学センサーと、超音波センサーとを備えてもよい。その場合、制御部50は、媒体40における光の透過率または反射率に基づいて、媒体の坪量または厚み等を判別し得る。さらに、制御部50は、媒体40における超音波の透過量に基づいて、媒体40の種類、特に媒体40が封筒であるか否かを判別し得る。
【0037】
転写ローラー20,21は、媒体40にトナー像を転写する。定着部22は、媒体40に定着処理を行う。最後に、媒体40は、排出トレイ130に排出される。各イメージングユニット10および中間転写ベルト12は、媒体40に転写されるトナー像を形成する。帯電部2は、感光体1の表面を一様に帯電する。露光部3は、レーザー書き込み等により、指定された画像パターンに従って感光体1の表面を露光することで、その表面上に静電潜像を形成する。現像部4は、像担持体である感光体1上に形成された静電潜像をトナー像として現像する。
【0038】
帯電部2は、後述するように、電源部52から出力される交流電圧と、直流電圧とからなる帯電電圧を印加される。帯電電圧が高すぎる場合、帯電部2と感光体1との間に放電が発生することがあり、感光体1の表面が削れやすくなる。その結果、感光体1の寿命が短くなる。逆に、帯電電圧が低すぎる場合、感光体1の表面が十分に帯電されず、印刷品質に影響がでる場合がある。そこで、制御部50は、例えば、画像形成装置100が一定枚数の印刷処理を行なう毎に、帯電電圧を調整する。より具体的には、制御部50は、帯電電圧に含まれる交流電圧のピーク間電圧を調整し得る。
【0039】
感光体1の表面に形成されたトナー像は、中間転写体接触ローラー6によって中間転写ベルト12に転写される。中間転写ベルト12上には、それぞれの感光体1からトナー像が順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされることになる。重ね合わされたトナー像は、転写ローラー20,21によって、中間転写ベルト12から媒体40に転写される。ベルトクリーニング部18は、中間転写ベルト12から媒体40にトナー像が転写された後に、中間転写ベルト12の残留トナーを除去する。
【0040】
原稿読取部120は、原稿を読み取って、その読み取り結果をプリントエンジン110に対する入力画像として出力する。イメージスキャナー122は、プラテンガラス上に配置された原稿をスキャンする。自動原稿送り装置126は、原稿給紙台124に配置された原稿を連続してスキャンする。原稿給紙台124上に配置された原稿は、送出ローラー(図示しない)により1枚ずつ送られ、イメージスキャナー122または自動原稿送り装置126内に配置されたイメージセンサーによって順次スキャンされる。スキャン後の原稿は、原稿排紙台128へ排出される。
【0041】
制御部50は、画像形成装置100全体を制御する。制御部50は、各イメージングユニット10の感光体1の回転数のカウントと、各感光体1ごとの回転数当たりの減耗量の算出とを実行し得る。詳細は後述する。記憶部51は、制御部50によって参照されるデータおよび制御部50によって実行されるプログラムを格納する。電源部52は、交流電力源に接続され、画像形成装置100に電力を供給する。電源部52は、内部に整流回路を含み、交流電力源から供給される交流を直流に変換し、画像形成装置100内の一部または全ての各回路に直流を供給し得る。
【0042】
操作パネル60は、タッチパネル61と、ボタン操作部62とを含む。タッチパネル61は液晶モニター、有機EL(Electro Luminescence)モニター等を含む。液晶モニター、有機ELモニター等は、タッチセンサーを含み、操作メニューを表示すると共に、ユーザーからのタッチによる入力を受付けることができる。ボタン操作部62は、複数のボタンを含み、タッチパネルと同様に、ユーザーからの入力を受付けることができる。
【0043】
図2は、イメージングユニット10およびその周辺回路の一例を示す図である。図2を参照して、イメージングユニット10における帯電処理の制御について説明する。電源部52は、直流電源回路201と、交流電源回路202とを含む。
【0044】
交流電源回路202は、例えば交流トランスから構成され、出力すべき交流電圧Vacのピーク間電圧Vppの大きさを可変可能であり、制御部50からの出力指示に基づき、指示された大きさのピーク間電圧Vppを有する交流電圧Vacを出力し得る。
【0045】
直流電源回路201では、その出力端が交流電源回路202の出力端と接続される。それにより、直流電源回路201の出力端側で、直流電圧Vdcに交流電圧Vacが重畳された帯電電圧Vgが生成され、生成された帯電電圧Vgが帯電部2に供給される。直流電圧Vdcは、ここでは感光体1の帯電極性と同じマイナス極性であるが、装置構成によってはプラス極性のものもあり得る。また、直流電源回路201は、交流電源回路202から供給される交流電流を直流電流に変換し、当該直流電流を制御部50等に供給し得る。
【0046】
電流検出部203は、帯電電圧Vgが帯電部2に供給されたときに感光体1を介して帯電部2に流れる交流電流Iacを検出する。温度センサー204は、画像形成装置100の筐体内部の温度を検出し、検出した温度に対応する信号を制御部50に送信する。湿度センサー205は、画像形成装置100の筐体内部の湿度を検出し、検出した湿度に対応する信号を制御部50に送信する。
【0047】
制御部50は、媒体40の搬送、トナー像の転写処理、またはトナー像の媒体40への定着処理等の画像形成装置100の動作について、タイミングを取りながら統一的に制御することで、画像形成装置100にジョブのデータに基づくプリント動作を円滑に実行させる。また、制御部50は、電源部52に帯電電圧Vgの出力を指示する。この指示は、帯電電圧Vgに含まれる交流電圧のピーク間電圧(ピークツーピーク電圧の大きさ)Vppの指示を含む。制御部50は、電流検出部203と、温度センサー204と、湿度センサー205と、他の電気回路とから取得した各情報に基づいて、帯電電圧Vgを調整し得る。詳細は後述する。
【0048】
図3は、本実施の形態に従う画像形成装置100の回路構成の一例を示す図である。図3を参照して、本実施の形態に従う画像形成装置100の回路構成について説明する。画像形成装置100は、制御部50と、原稿取得回路304と、搬送回路305と、現像回路306と、定着回路307と、記憶装置310と、ファクシミリ回路311と、有線インターフェイス312と、無線インターフェイス313と、近距離無線インターフェイス314と、ユーザー認証回路315、操作パネル60とを備える。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)301と、RAM(Random Access Memory)302と、ROM(Read Only Memory)303とを含む。
【0049】
CPU301は、RAM302に読み込まれた各種プログラムおよびデータを実行または参照する。ある局面において、CPU301は、組み込みCPUであってもよいし、FPGA(Field-Programmable Gate Array)であってもよいし、またはこれらの組み合わせ等によって構成される。CPU301は、画像形成装置100の各種機能を実現するためのプログラムを実行し得る。
【0050】
RAM302は、CPU301によって実行されるプログラムと、CPU301によって参照されるデータとを格納する。ある局面において、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)が、RAM302として使用されてもよい。
【0051】
ROM303は、不揮発性メモリーであり、CPU301によって実行されるプログラムを格納してもよい。その場合、CPU301は、ROM303からRAM302に読み出されたプログラムを実行する。ある局面において、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)またはフラッシュメモリーが、ROM303として使用されてもよい。
【0052】
原稿取得回路304は、原稿読取部120がスキャンした原稿を画像データに変換し得る。CPU301は、原稿取得回路304を介して、画像データを取得し得る。ある局面において、原稿取得回路304は、取得した画像データを記憶装置310に保存し得る。他の局面において、原稿取得回路304は、有線インターフェイス312または無線インターフェイス313を介して画像データを取得し、当該取得した画像データを記憶装置310に保存してもよい。
【0053】
搬送回路305は、給紙部30から排出トレイ130までの搬送路にある各種ローラーを制御し得る。制御部50は、搬送回路305に指示を送信し、送出ローラー32、搬送ローラー34およびレジストローラー36等の各回転を制御し得る。
【0054】
現像回路306は、画像形成装置100が取り込んだ画像データの現像処理を行う。ある局面において、現像回路306は、イメージングユニット10を含む現像機能のための各種アクチュエーターを制御する回路として実現されてもよい。また、現像回路306は、制御部50からの指示を受け付けて、電源部52から出力されるピーク間電圧を調整し、または帯電電圧を調整してもよい。
【0055】
定着回路307は、定着部22のモーターおよびヒーター等を制御し、媒体40の表面のトナーを溶かして、媒体40に定着させる。定着部22のヒーターには、電源部52から交流電流が供給され得る。定着回路307は、例えば、トライアック回路等により定着部22のヒーターに供給される交流電流の量を調整し得る。
【0056】
記憶装置310は、不揮発性メモリーであり、画像形成装置100の電源が切れた状態でもデータを保存しておくことができる。記憶装置310は、CPU301が実行または参照する任意のプログラムおよびデータを保存し得る。ある局面において、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)が、記憶装置310として使用されてもよい。CPU301は、必要に応じて各種プログラムを記憶装置310からRAM302に読み込み、当該読み込まれたプログラムを実行することができる。
【0057】
ファクシミリ回路311は、電話回線を用いたファクシミリにより、原稿または画像データの送受信を行う。ある局面において、ファクシミリの通信制御機能を持つ回路および電話回線の通信ポートがファクシミリ回路311として使用されてもよい。
【0058】
有線インターフェイス312は、有線のネットワーク機器と接続される。ある局面において、有線LAN(Local Area Network)ポートが、有線インターフェイス312として使用されてもよい。無線インターフェイス313は、無線のネットワーク機器と接続される。ある局面において、Wi-Fi(登録商標)モジュール等が無線インターフェイス313として使用されてもよい。有線インターフェイス312および無線インターフェイス313は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルを用いてデータを送受信し得る。
【0059】
近距離無線インターフェイス314は、近距離用の無線信号を介して、ユーザーからの操作指示を受け付ける。ある局面において、赤外線信号モジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、または任意の無線ジュール等が、近距離無線インターフェイス314として使用されてもよい。
【0060】
ユーザー認証回路315は、画像形成装置100を使用するユーザーの認証処理を行なう。ユーザー認証回路315は、外部の認証サーバーと連携してもよいし、しなくてもよい。ある局面において、制御部50がユーザー認証回路315の機能を備えていてもよい。
【0061】
図4は、感光体1の厚みと、帯電部2に流れる交流電流Iacとの関係の一例を示す図である。グラフ401は、交流電流Iacが低い程、感光体1の膜圧はより厚いことを示す。
【0062】
制御部50は、所定の帯電電圧Vgを帯電部2に印加したときに、帯電部2に流れる交流電流Iacに基づいて、感光体1の膜圧を推定する。制御部50は、例えば、帯電部2に流れる交流電流Iacから感光体1の膜圧を算出するプログラムに基づいて、感光体1の膜圧を算出し得る。グラフ401は、帯電部2に流れる交流電流Iacと、感光体1の膜圧との関係を示す。制御部50は、例えば、画像形成装置100が一定回数印刷する毎に、算出した感光体1の膜圧に基づいて、ピーク間電圧Vppを調整し得る。
【0063】
しかし、実際には、それぞれの画像形成装置100に搭載されている電源部52の回路特性等によって、制御部50が電源部52に指示した電圧と、実際に電源部52から出力される電圧とには誤差が生じ得る。その結果、帯電部2に流れる交流電流Iacに基づいて、推定された感光体1の膜圧も正確な値ではなく誤差が含まれている可能性がある。よって、ある時点において算出した感光体1の膜圧から、ピーク間電圧Vppを調整する場合、調整後のピーク間電圧Vppも最適な値からずれている可能性がある。
【0064】
そのため、本実施の形態に従う画像形成装置100は、より正確にピーク間電圧Vppを調整するために、2つの時点における感光体1の膜圧を計測し、その差分から、感光体1の回転数当たりの減耗量を求める。画像形成装置100は、当該感光体1の回転数当たりの減耗量に基づいて、ピーク間電圧Vppを調整する。
【0065】
次に、N回目およびN+1回目の交流電流Iacの計測を例に、制御部50が感光体1の回転数当たりの減耗量を求める手順の一例について説明する。制御部50は、常に感光体1の回転数をカウントする。ある局面において、制御部50は、感光体1の回転数を記憶装置310に保存してもよい。次に、画像形成装置100が一定枚数の印刷(例えば、500枚)を実行する毎に、帯電部2に流れる交流電流Iacを電流検出部203から取得し、交流電流Iacに基づいて、感光体1の膜圧を推定する。
【0066】
制御部50は、N回目の時点(ポイント402A)で、帯電部2に流れる交流電流Iacを電流検出部203から取得し、交流電流Iacに基づいて、感光体1の膜圧403Aを推定する。このときの感光体1の回転数が500N回だったとする。
【0067】
次に、画像形成装置100が一定枚数の印刷を実行した後に、制御部50は、再度感光体1の膜圧を推定する。制御部50は、N+1回目の時点(ポイント402B)で、帯電部2に流れる交流電流Iacを電流検出部203から取得し、交流電流Iacに基づいて、感光体1の膜圧403Bを推定する。このときの感光体1の回転数が500(N+1)回であるとする。
【0068】
制御部50は、N回目の計算結果と、N+1回目の計算結果から、(式)「膜圧403B−膜圧403A」により、N回目の計測からN+1回目の計測の間における減耗量404を算出する。さらに、制御部50は、(式)「減耗量404/(500(N+1)−500N)」により、感光体1の回転数当たりの減耗量を計算し得る。制御部50は、感光体1の膜圧を推定するごとに、その時点での感光体1の回転数と、感光体1の膜圧(または、帯電部2の電流量)とを記憶装置310に格納し、次回の感光体1の回転数当たりの減耗量の計算に使用する。
【0069】
感光体1の回転数当たりの減耗量は、ある時点における感光体1の膜圧と異なり、前回の計測から今回の計測にかけての変化量であり、電源部52の回路特性による誤差の影響を受けにくく、感光体1の膜圧からピーク間電圧Vppを調整する方式と比較して、より正確にピーク間電圧Vppを調整することができる。
【0070】
画像形成装置100は、予め実験などに基づいて、感光体1の回転数当たりの想定減耗量を記憶装置310に保存しておいてもよい。制御部50は、当該感光体1の回転数当たりの想定減耗量と、実際に計測された感光体1の回転数当たりの減耗量とを比較することで、想定よりもより多く感光体1が削れているか否かを判定し得る。
【0071】
実際に計測された感光体1の回転数当たりの減耗量が、感光体1の回転数当たりの想定減耗量よりも一定量以上多い場合、制御部50は、感光体1が想定よりも早くけずれていると判定し、電源部52に指示を送り、ピーク間電圧Vppを下げ得る。
【0072】
逆に、実際に計測された感光体1の回転数当たりの減耗量が、感光体1の回転数当たりの想定減耗量よりも一定量以上少ない場合、制御部50は、感光体1が十分に帯電されていないと判定し、電源部52に指示を送り、ピーク間電圧Vppを上げ得る。
【0073】
図5は、ピーク間電圧Vppの調整のためのパラメーターの一例を示す図である。最適なピーク間電圧Vppは、感光体1の回転数当たりの減耗量に加えて、画像形成装置100内部の環境、感光体1および帯電部2等の特性によっても変化し得る。そこで、制御部50は、図5に示すパラメーターに基づいて、ピーク間電圧Vppを調整し得る。ある局面において、制御部50は、図5に示すパラメーターの一部のみを使用してピーク間電圧Vppを調整してもよい。他の局面において、制御部50は、図5に示すパラメーター以外のパラメーターをさらに使用してピーク間電圧Vppを調整してもよい。
【0074】
制御部50は、図5に示すパラメーターのうち固定値のパラメーターを、記憶装置310から読込む。制御部50は、固定値以外のパラメーターについては、ピーク間電圧Vppを算出するごとに、計測または計算する。制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するためのプログラムを記憶装置310からRAM302に読み込んで、図5の各パラメーターを用いて、ピーク間電圧Vppを算出し得る。説明を簡単にするため、各パラメーターは、それぞれピーク間電圧Vppを増加させる(比例する)か、そうでない(反比例する)かのみを記載している。
【0075】
ピーク間電圧Vppを算出するためのプログラムとは、図5に示すパラメーターに基づいて、実際の感光体1の回転数当たりの減耗量を、感光体1の回転数当たりの想定減耗量に近づけるためにピーク間電圧Vppを調整するためのプログラムであるといえる。
【0076】
一例として、「α値」は、算出した感光体1の回転数当たりの減耗量である。「α値」が大きいほど、感光体1が早く削れていることを意味するため、ピーク間電圧Vppは低く設定される。すなわち、「α値」は、ピーク間電圧Vppと反比例する。「α値」は、毎回変化する値であるため、制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するとき、毎回、「α値」を算出する。
【0077】
他の例として、「帯電ローラーNip幅(短手方向)」および「帯電ローラーNip幅(長手方向)」は、帯電部2のローラーの大きさを表すパラメーターであり、固定値である。そのため、制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するとき、毎回、記憶装置310からRAM302にこれらのパラメーターを読み込んで使用し得る。また、「帯電ローラーNip幅(短手方向)」および「帯電ローラーNip幅(長手方向)」は、いずれもピーク間電圧Vppに対して「反比例」するため、これらのパラメーターが大きくなるほど、ピーク間電圧Vppは小さくなる。
【0078】
また、他の例として、「感光体の静電容量」と、「空隙の静電容量」と、「帯電ローラーの静電容量」と、「感光体と空隙の合成静電容量」と、「帯電ローラーと感光体と空隙の合成静電容量」とは、各種部位における静電容量である。これらの静電容量は、使用される部品などの影響で、装置毎に異なる場合がある。そのため、これらのパラメーターとして、装置毎に出荷前に計算された値が記憶装置310に格納されていてもよい。制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するとき、毎回、記憶装置310からRAM302にこれらのパラメーターを読み込んで使用し得る。また、「感光体の静電容量」等は、いずれもピーク間電圧Vppに対して「比例」するため、これらのパラメーターが大きくなるほど、ピーク間電圧Vppも大きくなる。
【0079】
また、他の例として、「感光体回転数」および「気圧」は、ピーク間電圧Vppを算出するごとに変化し得る。そのため、制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するとき、毎回、センサー等を用いて、これらのパラメーターを算出する。また、「感光体回転数」は、ピーク間電圧Vppに対して「反比例」するため、「感光体回転数」が大きくなるほど、ピーク間電圧Vppは小さくなる。逆に、「気圧」は、ピーク間電圧Vppに対して「比例」するため、「気圧」が高くなるほど、ピーク間電圧Vppも大きくなる。
【0080】
さらに、他の例として、「HV出力補正項(A,B)」および「帯電ローラーの比誘電率」は、温度および湿度に応じて変化する。そのため、記憶装置310は、「HV出力補正項(A,B)」に関するテーブルと、「帯電ローラーの比誘電率」のテーブルとを格納する。なお、HV出力補正項(A,B)は、電源部52の出力を調整するパラメーターである。
【0081】
制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するとき、毎回、温度センサー204および湿度センサー205の計測値に基づいて、「HV出力補正項(A,B)」に関するテーブルと、「帯電ローラーの比誘電率」のテーブルとを検索し、「HV出力補正項(A,B)」および「帯電ローラーの比誘電率」のパラメーターを取得し得る。また、「HV出力補正項(A,B)」および「帯電ローラーの比誘電率」は、いずれもピーク間電圧Vppに対して「比例」するため、これらのパラメーターが大きくなるほど、ピーク間電圧Vppも大きくなる。
【0082】
図6は、HV出力補正項A,Bのテーブルの一例を示す図である。出力補正テーブル600は、HV出力補正項Aを決定するためのテーブルである。出力補正テーブル650は、HV出力補正項Bを決定するためのテーブルである。出力補正テーブル600,650は、それぞれ記憶装置310に格納される。ある局面において、出力補正テーブル600,650は、リレーショナルデータベースのテーブルとして表現されてもよいし、JSON(JavaScript Object Notation)等の他の任意のデータ形式で表現されてもよい。
【0083】
出力補正テーブル600は、画像形成装置100の機内の温度と湿度との組み合わせに基づいて、HV出力補正項Aを決定するマトリクス状のテーブルである。適切なピーク間電圧Vppは、画像形成装置100の内部の環境(主に、温度および湿度)によって変化する。そのため、制御部50は、HV出力補正項Aを用いることで、環境依存のピーク間電圧Vppの誤差を調整し得る。より具体的には、制御部50は、温度センサー204から取得した温度と、湿度センサー205とから取得した湿度とに基づいて、出力補正テーブル600を検索し、HV出力補正項Aを取得する。次に、制御部50は、HV出力補正項Aをピーク間電圧Vppの計算式に代入することで、ピーク間電圧Vppを調整し得る。
【0084】
出力補正テーブル650は、画像形成装置100の機内の温度と湿度との組み合わせに基づいて、HV出力補正項Bを決定するマトリクス状のテーブルである。制御部50は、温度センサー204から取得した温度と、湿度センサー205とから取得した湿度とに基づいて、出力補正テーブル650を検索し、HV出力補正項Bを取得する。制御部50は、HV出力補正項BおよびHV出力補正項Aを加算して、その和を計算式に代入し得る。すなわち、HV出力補正項Bは、HV出力補正項Aをさらに補正する値であるともいえる。
【0085】
例えば、特定の環境下(高温時等)において、最適なHV出力補正項Aが著しく変化するような場合、または、後からパラメーターを追加する場合等において、画像形成装置100は、出力補正テーブル650を保有することで、出力補正テーブル600の値を微調整することができる。ある局面において、出力補正テーブル600および出力補正テーブル650は、1つのテーブルであってもよい。
【0086】
なお、図6に示す出力補正テーブル600、650は、出力補正のためのデータ形式の一例であり、出力補正テーブル600、650のデータ形式はこれらに限られない。出力補正テーブル600、650は、マトリクス状である必要はなく、温度および気温からHV出力補正項A、Bをそれぞれ一意に決定できる任意のデータ形式であればよい。
【0087】
図7は、帯電ローラーの比誘電率を求めるための比誘電率テーブル700の一例を示す図である。比誘電率テーブル700は、帯電ローラーの比誘電率を決定するためのテーブルである。比誘電率テーブル700は、記憶装置310に格納される。ある局面において、比誘電率テーブル700は、リレーショナルデータベースのテーブルとして表現されてもよいし、JSON等の他の任意のデータ形式で表現されてもよい。
【0088】
比誘電率テーブル700は、画像形成装置100の機内の温度と湿度との組み合わせに基づいて、帯電ローラーの比誘電率を決定するマトリクス状のテーブルである。帯電ローラーの比誘電率は、ピーク間電圧Vppを求めるためのパラメーターであり、画像形成装置100の内部の環境(主に、温度および湿度)によって変化する。そのため、制御部50は、温度センサー204から取得した温度と、湿度センサー205から取得した湿度とに基づいて、比誘電率テーブル700を検索し、帯電ローラーの比誘電率を取得する。次に、制御部50は、帯電ローラーの比誘電率をピーク間電圧Vppの計算式に代入することで、ピーク間電圧Vppを調整し得る。
【0089】
なお、図7に示す比誘電率テーブル700は、比誘電率テーブル700のデータ形式の一例であり、比誘電率テーブル700のデータ形式はこれに限られない。比誘電率テーブル700は、マトリクス状である必要はなく、温度および気温から帯電ローラーの比誘電率を一意に決定できる任意のデータ形式であればよい。
【0090】
上述したHV出力補正項A,Bおよび帯電ローラーの比誘電率等は、温度および湿度に基づいて直線的に変化するとは限らない。画像形成装置100は、このような温度および湿度等の環境に依存して変化するものの、計算式から変化量を算出しにくいパラメーターについて、事前に実験により作成した図6および図7のようなテーブルを保有しておくことで、適切にピーク間電圧Vppを算出することができる。ある局面において、記憶装置310は、HV出力補正項A,Bおよび帯電ローラーの比誘電率以外のパラメーターのテーブルを格納してもよい。
【0091】
次に、図8および図9を参照して、感光体1の回転数当たりの想定減耗量と、計測された感光体1の回転数当たりの減耗量との比較手順について説明する。図8は、トナーごとの感光体1の回転数当たりの想定減耗量を格納する想定減耗量テーブル800の一例を示す図である。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、キー・プレート(K)の各トナーごとに、感光体1の回転数当たりの想定減耗量は異なる場合がある。そこで、記憶装置310は、予め実験により求められた各トナーごとの感光体1の回転数当たりの想定減耗量を含む想定減耗量テーブル800を格納する。ある局面において、想定減耗量テーブル800は、リレーショナルデータベースのテーブルとして表現されてもよいし、JSON等の他の任意のデータ形式で表現されてもよい。
【0092】
図9は、回転数当たりの想定減耗量と、計測された感光体1の回転数当たりの減耗量とを比較するときに使用される閾値を格納した閾値テーブル900の一例である。ある局面において、閾値テーブル900は、リレーショナルデータベースのテーブルとして表現されてもよいし、JSON等の他の任意のデータ形式で表現されてもよい。
【0093】
一例として、制御部50は、イエロー(Y)のトナーの感光体1の回転数当たりの減耗量(以下、減耗量(Y)と呼ぶ)を計測したとする。制御部50は、減耗量(Y)が、カラー下限閾値以上であり、かつカラー上限閾値以下であるか否かを判定する。すなわち、制御部50は、(式)「想定値+0.3≦減耗量(Y)≦3.5」が成立するか否かを判定する。
【0094】
制御部50は、減耗量(Y)が、カラー下限閾値以上であり、かつカラー上限閾値以下である場合、減耗量(Y)に基づいて、ピーク間電圧Vppを調整する。すなわち、制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するためのプログラムに、減耗量(Y)を入力して、ピーク間電圧Vppの設定値を算出する。そうでない場合、制御部50は、イエロー(Y)のトナーの感光体1の回転数当たりの想定減耗量を減耗量(Y)として、減耗量(Y)に基づいてピーク間電圧Vppを算出する。すなわち、制御部50は、ピーク間電圧Vppを算出するためのプログラムに、イエロー(Y)のトナーの感光体1の回転数当たりの想定減耗量を入力して、ピーク間電圧Vppの設定値を算出する。
【0095】
電源部52等でノイズが発生した場合等に、計測された減耗量が想定減耗量と大きく異なることがある。そのため、制御部50は、計測された減耗量が、想定減耗量と大きく異なっていた場合、ノイズの影響を抑えるため、想定減耗量を計測された減耗量に置き換えて、減耗量(Y)に基づいてピーク間電圧Vppを算出する。ある局面において、制御部50は、減耗量(Y)を複数回計測し、その平均値を減耗量(Y)として、減耗量(Y)に基づいてピーク間電圧Vppを算出してもよい。なお、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーの感光体1におけるピーク間電圧Vppについても同様に算出される。
【0096】
他の例として、制御部50は、キー・プレート(K)のトナーの感光体1の回転数当たりの減耗量(以下、減耗量(K)と呼ぶ)を計測したとする。制御部50は、減耗量(K)が、ブラック下限閾値以上であり、かつブラック上限閾値以下であるか否かを判定する。すなわち、制御部50は、(式)「想定値+0.3≦減耗量(K)≦3.0」が成立するか否かを判定する。
【0097】
制御部50は、減耗量(Y)のときと同様に、減耗量(K)が、ブラック下限閾値以上であり、かつブラック上限閾値以下である場合、減耗量(K)に基づいて、ピーク間電圧Vppを調整する。そうでない場合、制御部50は、キー・プレート(K)のトナーの感光体1の回転数当たりの想定減耗量を減耗量(K)として、減耗量(K)に基づいてピーク間電圧Vppを算出する。ある局面において、制御部50は、減耗量(K)を複数回計測し、その平均値を減耗量(K)として、減耗量(K)に基づいてピーク間電圧Vppを算出してもよい。
【0098】
上述のように、まず、制御部50は、感光体1の回転数当たりの減耗量を算出する。次に、制御部50は、算出した減耗量および想定減耗量を比較して所定の値以上の差異があるか否かを判定する。所定の値以上の差異がある場合は、制御部50は、想定減耗量を算出した減耗量として使用する。最後に、制御部50は、算出した減耗量および図5に示すパラメーターに基づいて、ピーク間電圧Vppを調整する。制御部50は、各トナーごとにこれらの一連の処理を実行する。
【0099】
図10は、画像形成装置100におけるピーク間電圧Vppの調整の処理の流れの一例を示す図である。ある局面において、制御部50は、図10の処理を行うためのプログラムを記憶装置310からRAM302に読み込んで、当該プログラムを実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。制御部50は、画像形成装置100が媒体40を一定枚数印刷する毎に、以下の処理を各トナーの感光体1ごとに実行する。
【0100】
ステップS1005において、制御部50は、帯電部2に所定の電圧を印加する。ステップS1010において、制御部50は、電流検出部203から帯電部2に流れる交流電流を取得する。ステップS1015において、制御部50は、温度センサー204から画像形成装置の機内の温度を取得し、湿度センサー205から画像形成装置の機内の湿度を取得する。ステップS1020において、制御部50は、図5に示すパラメーターのうち、毎回求める必要のあるパラメーターを算出する。また、制御部50は、ステップS1015にて取得した温度および湿度に基づいて、HV出力補正項A,Bおよび帯電ローラーの比誘電率を求める。ある局面において、制御部50は、他のパラメーターについても、どうように記憶装置310に予め保存されているテーブルに基づいて取得してもよい。
【0101】
ステップS1025において、制御部50は、電流検出部203から取得した帯電部2に流れる交流電流に基づいて、感光体1の膜圧を推定する。ステップS1030において、制御部50は、感光体1の回転数を記憶装置310からRAM302に読み出す。ある局面において、制御部50は、画像形成装置100の電源がONの間は、常に感光体1の回転数をカウントし続け、RAM302上にそのカウント結果を格納してもよい。
【0102】
ステップS1035において、制御部50は、感光体1の回転数当たりの減耗量を算出する。より具体的には、制御部50は、今回計測した帯電部2に流れる交流電流と、今回の帯電部2に流れる交流電流を計測した時点の感光体1の回転数と、前回計測した帯電部2に流れる交流電流と、前回の帯電部2に流れる交流電流を計測した時点の感光体1の回転数とに基づいて、感光体1の回転数当たりの減耗量を算出する。当該ステップの処理は、図4の説明に対応する。
【0103】
制御部50は、感光体1の回転数当たりの減耗量を算出するとき、毎回、そのときの感光体1の回転数と、帯電部2に流れる交流電流とを記憶装置310に保存し得る。そして、制御部50は、次に感光体1の回転数当たりの減耗量を算出するときに、これらの保存した情報を使用する。
【0104】
ステップS1040において、制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量と、感光体1の回転数当たりの想定減耗量とを比較する。各色のトナーの感光体1の回転数当たりの想定減耗量は、図8に示す値である。
【0105】
ステップS1045において、制御部50は、減耗量を計測した対象が、カラートナーの感光体1であるか否かを判定する。制御部50は、減耗量を計測した対象が、カラートナーの感光体1であると判定した場合(ステップS1045にてYES)、制御をステップS1050に移す。そうでない場合(ステップS1045にてNO)、制御部50は、制御をステップS1070に移す。
【0106】
ステップS1050において、制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量が、所定のカラートナーの閾値以内であるか否かを判定する。当該ステップの処理は、図9の説明に対応する。制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量が、所定のカラートナーの閾値以内であると判定した場合(ステップS1050にてYES)、制御をステップS1055に移す。そうでない場合(ステップS1050にてNO)、制御部50は、制御をステップS1075に移す。
【0107】
ステップS1055において、制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量をピーク間電圧Vppの調整用のパラメーターとして選択する。ステップS1060において、制御部50は、図5に示すパラメーターのうち、固定値のパラメーターを記憶装置310から読み出す。
【0108】
ステップS1065において、制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量と、図5に示すパラメーターとに基づいて、ピーク間電圧Vppを算出する。制御部50は、算出後のピーク間電圧Vppを出力するように、電源部52に指示を送る。
【0109】
ステップS1070において、制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量が、所定のキー・プレート(黒)のトナーの閾値以内であるか否かを判定する。当該ステップの処理は、図9の説明に対応する。制御部50は、算出された感光体1の回転数当たりの減耗量が、所定のキー・プレート(黒)の閾値以内であると判定した場合(ステップS1070にてYES)、制御をステップS1055に移す。そうでない場合(ステップS1070にてNO)、制御部50は、制御をステップS1075に移す。ステップS1075において、制御部50は、感光体1の回転数当たりの想定減耗量を算出された感光体1の回転数当たりの減耗量として使用する。
【0110】
以上説明したように、画像形成装置100は、ある2つの時点に基づく、感光体1の回転数当たりの減耗量を算出する。そして、当該感光体1の回転数当たりの減耗量に基づいて、ピーク間電圧Vppを調整する。これらの処理により、感光体1の膜圧からピーク間電圧Vppを調整する方式と比較して、より正確にピーク間電圧Vppを調整することができる。感光体1の回転数当たりの減耗量は、ある時点における感光体1の膜圧と異なり、前回からの今回の計測にかけての変化量であり、電源部52の回路特性による誤差の影響を受けにくいためである。
【0111】
さらに、画像形成装置100は、このような温度および湿度等の環境に依存して変化するものの、計算式から変化量を算出しにくいパラメーターについて、事前に実験により作成したテーブルを保有しておくことで、適切にピーク間電圧Vppを算出することができる。
【0112】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0113】
1 感光体、2 帯電部、3 露光部、4 現像部、5 クリーニング部、6 中間転写体接触ローラー、10 イメージングユニット、12 中間転写ベルト、14,16 中間転写体駆動ローラー、18 ベルトクリーニング部、20,21 転写ローラー、22 定着部、30 給紙部、32 送出ローラー、34 搬送ローラー、36 レジストローラー、40 媒体、50 制御部、51 記憶部、52 電源部、55 メディア検知センサー、60 操作パネル、61 タッチパネル、62 ボタン操作部、100 画像形成装置、110 プリントエンジン、120 原稿読取部、122 イメージスキャナー、124 原稿給紙台、126 自動原稿送り装置、128 原稿排紙台、130 排出トレイ、201 直流電源回路、202 交流電源回路、203 電流検出部、204 温度センサー、205 湿度センサー、301 CPU、302 RAM、303 ROM、304 原稿取得回路、305 搬送回路、306 現像回路、307 定着回路、310 記憶装置、311 ファクシミリ回路、312 有線インターフェイス、313 無線インターフェイス、314 近距離無線インターフェイス、315 ユーザー認証回路、401 グラフ、402A,402B ポイント、403A,403B 膜圧、404 減耗量、600,650 出力補正テーブル、700 比誘電率テーブル、800 想定減耗量テーブル、900 閾値テーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】