(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021067818
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置、カメラ装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20210402BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20210402BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20210402BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20210402BHJP
   G03B 5/00 20210101ALN20210402BHJP
【FI】
   !G02B7/02 Z
   !G02B7/04 E
   !G02B7/04 D
   !G02B7/08 B
   !G03B17/02
   !G03B5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】2019193136
(22)【出願日】20191024
(71)【出願人】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
【住所又は居所】中華人民共和国浙江省嘉善県惠民街道金嘉大道58号
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 一嘉
【住所又は居所】神奈川県大和市中央林間西三丁目9番6号 新シコー科技株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
2K005
【Fターム(参考)】
2H044AJ05
2H044BD11
2H044BD20
2H044BE02
2H044BE10
2H044BE18
2H044DA01
2H044DB02
2H100BB04
2H100BB06
2K005CA02
2K005CA38
2K005CA42
2K005CA53
(57)【要約】
【課題】案内軸の傾きを抑制することができるレンズ駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置は、底面部67を有するベース66と、前記ベース66の底面部67に対して垂直に設けられた案内軸96,98と、前記案内軸96,98によって案内されるレンズ支持体と、を有し、前記ベース66は、ベース本体100と、該ベース本体100に設けられた金属製の支持板102とを有し、前記案内軸96,98の一端が前記支持板102に固定されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部を有するベースと、
前記ベースの底面部に対して垂直に設けられた案内軸と、
前記案内軸によって案内されるレンズ支持体と、を有し、
前記ベースは、ベース本体と、該ベース本体に設けられた金属製の支持板とを有し、前記案内軸の一端が前記支持板に固定されているレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記ベース本体は樹脂製であり、前記支持板は前記ベース本体に埋め込まれている請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記支持板は、前記ベースの全周に渡って形成されている請求項1又は2記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記案内軸は、案内軸本体部と、この案内軸本体部と一体に形成された挿入部とを有し、前記挿入部が前記支持板に形成された挿入孔に挿入されている請求項1から3いずれか記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記案内軸の挿入部は、カシメられて前記支持板に固定されている請求項4記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記挿入部は、前記案内軸本体部よりも太い請求項4又は5記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記案内軸は、前記案内軸本体部と挿入部との間に前記本体部及び前記挿入部よりも太いフランジ部が形成され、前記フランジ部が前記支持板に当たっている請求項4〜6記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
請求項1から7いずれか記載のレンズ駆動装置と、前記レンズ支持体に支持されたレンズとを有するカメラ装置。
【請求項9】
請求項8に記載の前記カメラ装置を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ駆動装置、カメラ装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォン等の電子機器には、小型カメラが搭載されている。この種の小型カメラとして、例えば特許文献1に示すように、オートフォーカス機能を備えたものが知られている。オートフォーカス機能は、レンズを支持するレンズ支持体をベースに対して移動させることで実現される。レンズ支持体をベースに対して移動自在に支持する構成として、ベースに案内軸を立ててレンズ支持体を案内する方式のものがあった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1200080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベースは通常樹脂で形成されているので、案内軸とベースとの固定が弱く、案内軸がレンズ及びレンズ支持体からの荷重により傾いてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、案内軸の傾きを抑制することができるレンズ駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様はレンズ駆動装置であり、このレンズ駆動装置は、底面部を有するベースと、前記ベースの底面部に対して垂直に設けられた案内軸と、前記案内軸によって案内されるレンズ支持体と、を有し、前記ベースは、ベース本体と、該ベース本体に設けられた金属製の支持板とを有し、前記案内軸の一端が前記支持板に固定されている。
【0007】
好適には、前記ベース本体は樹脂製であり、前記支持板は前記ベース本体に埋め込まれているようにする。また、前記支持板は、前記ベースの全周に渡って形成されているようにする。
【0008】
また、好適には、前記案内軸は、案内軸本体部と、この案内軸本体部と一体に形成された挿入部とを有し、前記挿入部が前記支持板に形成された挿入孔に挿入されているようにする。また、前記案内軸の挿入部は、カシメられて前記支持板に固定されているようにする。また、前記挿入部は、前記案内軸本体部よりも太くしてもよい。さらに、前記案内軸は、前記案内軸本体部と挿入部との間に前記本体部及び前記挿入部よりも太いフランジ部が形成され、前記フランジ部が前記支持板に当たっているようにしてもよい。
【0009】
本発明の他の態様はカメラ装置であり、このカメラ装置は、前記レンズ駆動装置と、前記レンズ支持体に支持されたレンズとを有する。
【0010】
本発明のさらに他の態様は電子機器であり、この電子機器は、前記カメラ装置を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、案内軸を金属製の支持板に固定するようにしたので、案内軸ベースに対する固定を強化でき、案内軸の傾きを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラ装置を示し、斜め上方から見た分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた移動体を示し、斜め上方から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた移動体を示し、斜め下方から見た分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた移動体を示すXZ平面で切った断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた移動体を示すYZ平面で切った断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いたフレキシブル基板とベースとを示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた支持板、第1案内軸及び第2案内軸を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係るカメラ装置を用いた支持板、第1案内軸及び第2案内軸の組み立てた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた支持板、第1案内軸及び第2案内軸を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた支持板、第1案内軸及び第2案内軸を示す図10のA−A線断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係るカメラ装置に用いた支持板、第1案内軸及び第2案内軸を示す図10のB部分の拡大断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係るカメラ装置を示すXZ平面で切った断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係るカメラ装置を示す図12のC−C線断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るカメラ装置を示す図12のD−D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1乃至図14には、本発明の実施形態が示されている。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラ装置10を示す。カメラ装置10は、レンズ駆動装置12と、このレンズ駆動装置12に装着されたレンズ14とを有する。
【0015】
レンズ駆動装置12は、固定体16と、この固定体16に対して移動自在に支持された移動体18とを有する。以下、まず、移動体18について説明する。移動体18は、図2及び図3に示すように、レンズ支持体20と、このレンズ支持体20を囲む第1枠体22とを有する。レンズ支持体20及び第1枠体22は、上方から見た外形がほぼ四角形状となっている。
なお、この明細書においては、便宜上、レンズ14の光軸方向をZ方向、光軸方向と直交する方向をX方向、並びにZ方向及びX方向と直交する方向をY方向と称する。また、光軸の被写体側を上側、その反対側で図示しない画像センサが配置される側を下側と称する。
【0016】
レンズ支持体20には、該レンズ支持体20の内側にはZ方向から見て円形のレンズ取付け用孔24が形成され、このレンズ取付け用孔24にレンズ14が取り付けられている。
【0017】
第1枠体22は、第1移動体プレート26、第2移動体プレート28及び第1カバー30とから構成されている。レンズ支持体20、第1移動体プレート26及び第2移動体プレート28は、例えば液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックから作られている。また、第1カバー30は、例えば金属から作られている。第1移動体プレート26、第2移動体プレート28及び第1カバー30には、それぞれ光を通過させるための開口32,34,36が形成されている。開口32,34,36はそれぞれ略円形に形成されている。
【0018】
第1枠体22は、レンズ支持体20をY方向及びX方向に移動自在に支持している。即ち、第1枠体22は、直交方向支持機構38を有し、この直交方向支持機構38を介してレンズ支持体20をXY方向に移動自在であるようにしてある。
【0019】
直交方向支持機構38は、Z方向に隔てて第1支持機構40と第2支持機構42とから構成されている。第1支持機構40は、Z方向下方に設けられ、図4及び図5にも示すように、第1移動体プレート26の下面に突出して形成された第1支持部44と、第2移動体プレート28の上面に凹むように形成された第1案内部46とから構成され、該第1支持部44が第1案内部46に嵌っている。第1支持部44と第1案内部46とは、X方向に延びており、第1移動体プレート26及び第2移動体プレート28の4つの角部近傍に形成されている。X方向に延びる第1支持部44と第1案内部46とがY方向には移動を規制するように嵌っているので、第1移動体プレート26は、第2移動体プレート28に対してX方向のみ移動自在であるようになっている。第1支持部44及び第1案内部46は、Y方向に沿ってZ方向で切った断面(図5参照)において、3つの直交する線で囲まれており、X方向においては、3つの平面(対向する側面及び下面)で面接触している。
【0020】
第2支持機構42は、Z方向上方に設けられ、図4及び図5にも示すように、第1移動プレート28の上面に突出して形成された第2支持部48と、レンズ支持体20の下面に凹むように形成された第2案内部50とから構成され、該第2支持部48が第2案内部50に嵌っている。第2支持部48と第2案内部50とは、Y方向に延びており、レンズ支持体20及び第1移動体プレート26の4つの角部近傍に形成されている。Y方向に延びる第2支持部48と第2案内部50とがX方向には移動を規制するように嵌っているので、レンズ支持体20は、第1移動体プレート26に対してY方向のみ移動自在であるようになっている。第2支持部48及び第2案内部50は、X方向に沿ってZ方向で切った断面(図4参照)において、3つの直交する線で囲まれており、X方向においては、3つの平面(対向する側面及び上面)で面接触している。
【0021】
第1カバー30の四隅には、取付け部52がZ方向の下方へ延びるように設けられている。この取付け部52には、四角形状の取付け孔54が形成されている。また、第2移動体プレート28の四隅には、被取付け部56が側方に突出するように形成されている。この被取付け部56に取付け孔54が嵌り、第1カバー30が第2移動体プレート28に固定されている。この第1カバー30の下面とレンズ支持体20の上面との間は、図6及び図7に示すように、公差等で生じる誤差を含んだ必要最小限度の隙間となっており、レンズ支持体20又は第1移動体プレート26の第2移動体プレート28に対するZ方向の移動を規制する。
【0022】
レンズ支持体20の外側には、X方向2面とY方向1面に第1磁石58が固定されている。X方向2面の第1磁石58,58は、X方向にS極とN極が形成されている。また、Y方向1面の第1磁石58はY方向にS極とN極が形成されている。
【0023】
また、第2移動体プレート28の下面でX方向2面には、磁性体からなる第1磁性部材60,60が設けられている。この第1磁性部材60,60は、X方向2面の第1磁石58,58に第2移動体プレート28を挟んでZ方向で対向しており、第1磁石58,58との間には吸引力が生じる。このため、レンズ支持体20と第1移動体プレート26とは、第2移動体プレート28を挟んで吸引され、第1支持部44と第1案内部46及び第2支持部48と第2案内部50とのZ方向での接触を保つようになっている。
【0024】
また、第2移動体プレート28には、Y方向において、第1磁石58が設けられている面とは反対側の外面に第2磁石62が固定されている。この第2磁石62は、Z方向に2分割され、それぞれY方向にS極とN極が形成され、その極性が上下で逆になるように形成されている。
【0025】
次に固定体16と移動体18との関係について説明する。
図1に戻り、固定体16は、第2枠体64を有する。この第2枠体64は、移動体16の第1枠体22の周囲を囲んでいる。この第2枠体64は、ベース66と、第2カバー68とを有する。ベース66及び第2カバー68は、上方から見て方形状であり、ベース66の外側に第2カバー68が嵌め込まれて第2枠体64が構成されている。また、ベース66の底面部67及び第2カバー68の上面部69には、光を通過させ、或いはレンズ14を挿入するための通孔70,72が形成されている。
【0026】
また、図6に示すように、ベース66の4つの角部には、支柱部71が底面部67から上方へ立ち上がるように形成されている。また、支柱部71の間にあってベース66の4つの側面にはそれぞれ開口部74が形成されている。開口部74は、上方が解放されている。この支柱部71及び開口部74を囲むようにフレキシブルプリント基板76がベース66の外側に配置されている。即ち、図6に示すように、フレキシブルプリント基板76は、ベース66の外形を囲むように四角形状に折り曲げられ、その下部において、Y方向に第1端子部78、及びこの第1端子部78に対向して第2端子部80が形成されている。第1端子部78を介して後述する第1コイル82への通電が制御され、第2端子部80を介して後述する第2コイル84への通電が制御されるが、これに限るものではない。
【0027】
フレキシブルプリント基板76の内側には、X方向2面とY方向1面に第1コイル82が固定されている。また、フレキシブルプリント基板76の内側のY方向他面には第2コイル84が固定されている。さらにフレキブルブルプリント基板76の内側にあって、X方向の一つの第1コイル82の中側にX方向位置検知素子86が配置され、Y方向の第1コイル82の中側にY方向位置検知素子88が配置され、さらに第2コイル84の側方にZ方向位置検知素子90が配置されている。
なお、X方向2面に設けられた第1コイル82,82は、電気的に直列接続されている。
【0028】
第1コイル82、X方向位置検知素子86及びY方向位置検知素子88は、開口部74を介してベース66の内側に臨み、それぞれが第1磁石58に対向している。同様に、第2コイル84及びZ方向位置検知素子90は、開口部74を介してベース66の内側に臨み、第2磁石62に対向している。
【0029】
また、図1に示すように、フレキシブルプリント基板76の外側には、磁性体からなる第2磁性部材92が設けられている。この第2磁性部材92は、フレキシブルプリント基板76及び第2コイル84を挟んで第2磁石62に対向している。第2磁性部材92は、第2磁石62からの磁束が流れ、第2磁石62と第2磁性部材92との間には吸引力が生じる。このため、移動体18は、固定体16のY方向に吸引力が作用するようになっている。
【0030】
図1に示すように、移動体18は、固定体16に対して光軸方向支持機構94によりZ方向に移動自在であるように支持されている。光軸方向支持機構94は、固定体16に設けられた第1案内軸96と第2案内軸98、及び移動体18に設けられた第3支持部128と第4支持部130とから構成されている。
【0031】
第1案内軸96及び第2案内軸98は、金属から成り、この実施形態にあっては、Z方向へ延びる円柱として構成されている。
なお、第1案内軸96及び第2案内軸98は、XY方向断面において、円形としたが、円形の一部であってもよいし、円形以外に楕円や多角形状であってもよい。
【0032】
第1案内軸96及び第2案内軸98は、該第1案内軸96及び第2案内軸98の下端がベース66の底面部67のY方向端部付近に固定されている。
【0033】
図6〜図10に示すように、ベース66は、樹脂から構成されたベース本体100と、ベース66の底面部67にあってベース本体100に埋め込まれた金属製の支持板102とから構成されている。ベース66は、ベース本体100に支持板102が埋め込まれるようにインサート成形される。支持板102は、四角の枠から構成され、ベース本体100の全周に渡ってベース本体100のZ方向両側に挟まれる形で埋め込まれている。
なお、図7及び図8に示すように、支持板102のX方向両辺には、切断部103が突出して形成されているが、この切断部103は、接続部を介して複数のベース66がインサート成形された後に、接続部を切断して形成された部分である。
【0034】
第1案内軸96及び第2案内軸98は、上部から下部に向けてそれぞれ案内軸本体部104、フランジ部106及び挿入部108が一体に形成されている。挿入部108は、第1案内軸96及び第2案内軸98の下端に形成され、フランジ部106は、挿入部108のやや上部に形成されている。この挿入部108は、組み立てたときに姿勢が安定しやすくなるように、案内軸本体部104よりも太く形成されており、フランジ部108は、さらに案内軸本体部104及び挿入部108よりも太く形成されている。
【0035】
一方、ベース66は、図11に示すように、支持板102に第1挿入孔110が形成されていると共に、ベース本体100には、第1挿入孔110の周囲を囲むように、支持板102の上側及び下側に第2挿入孔112及び第3挿入孔114が形成されている。
【0036】
第1案内軸96及び第2案内軸98の挿入部108は、支持板102の第1挿入孔110に挿入され、ベース本体100の第3挿入孔114に突出している。また、第1案内軸96及び第2案内軸98のフランジ部106は、ベース本体100の第2挿入孔112に挿入され、支持板102の第1挿入孔110の周囲で支持板102に当接している。
【0037】
第1案内軸96及び第2案内軸98の挿入部108の下端は、支持板102にカシメられてカシメ部116が形成され、このカシメ部116とフランジ部106との間で支持板102の第1挿入孔110の周囲が挟まれ、第1案内軸96及び第2案内軸98が支持板102に固定されている。カシメ部116は、通常のプレス加工により行うようにしてもよいが、他の部分への圧力の影響を少なくするため、ハイスピン又はスピンカシメと呼ばれる方法により形成するようにしてもよい。ハイスピン又はスピンカシメとは、加工する先端を回転する工具により潰すようにした加工方法である。
【0038】
図1、図12〜図14に示すように、第1案内軸96及び第2案内軸98の上端は、前述した第2磁性部材92に固定されている。即ち、第2磁性部材92の上端はX方向両端でY方向に折り曲げられて上側固定部118,118が形成され、この上側固定部118,118に形成された第四挿入孔120,120に第1案内軸96及び第2案内軸98の上端が挿入固定されている。この実施形態においては、第2磁性部材92が第1案内軸96及び第2案内軸98の支持機能を兼ねており、別体に支持する部品を設ける場合と比較して部品点数を少なくすることができ、また第1案内軸96及び第2案内軸98を安定して支持することができる。
【0039】
前述した第3支持部128は、図12及び図13に示すように、Z方向に隔てられた第1接触部122と第2接触部124を有する。この実施形態においては、第1接触部122と第2接触部124は円形の孔として形成され、第1案内軸96の外面とは、第1案内軸96のXY方向の断面において、360度周方向に接触するようになっている。
【0040】
また、前述した第4支持部130は、図12及び図14に示すように、XY方向の断面において、Y方向で対向する2つの壁面から構成されている。この第4支持部130には、両側の壁面が第2案内軸98側へ曲面状に突出する突出部126,126が形成されている。この突出部126,126の中央が第2案内軸98に接触している。第2案内軸98は、第2案内軸98にY方向2点で第4支持部130に接触し、摩擦抵抗を小さくしてある。
【0041】
上記構成において、Z方向の磁束が介在するX方向2面の第1磁石58,58に対向している第1コイル82,82に通電すると、第1コイル82,82にはY方向の電流が流れ、フレミングの左手の法則により第1コイル82,82にはX方向へのローレンツ力が作用する。第1コイル82,82はベース66に固定されているので、第1磁石58,58に働くその反作用がレンズ支持体20及び第1移動体プレート26に対する駆動力となってレンズ支持体20及び第1移動体プレート26は、第1支持機構40に支持されながらX方向へ移動する。
【0042】
また、Z方向の磁束が介在するY方向1面の第1磁石58に対向する第1コイル82に通電すると、第1コイル82にはX方向の電流が流れ、フレミングの左手の法則により第1コイル82にはY方向へのローレンツ力が作用する。第1コイル82はベース66に固定されているので、第1磁石58に働くその反作用がレンズ支持体20に対する駆動力となってレンズ支持体20は、第2支持機構42に支持されながらY方向へ移動する。
【0043】
X方向又はY方向いずれかにレンズ支持体20が移動した後に第1コイル82への通電を中止すると、第1磁石58,58と第1磁性部材60,60との間の吸引力及び第1支持部44と第1案内部46、及び第2支持部48と第2案内部50の摩擦により、レンズ支持体20は通電を中止した位置に止まる。
【0044】
次に、Y方向の磁束が介在する第2磁石62と第2磁性部材92の間に配置されている第2コイル84に通電すると、第2コイル84にはX方向の電流が流れ、フレミングの左手の法則により第2コイル84にはZ方向へのローレンツ力が作用する。第2コイル84はベース66に固定されているので、第2磁石62に働くその反作用が移動体18に対する駆動力となって移動体18は、光軸方向支持機構94に支持されながらZ方向へ移動する。
【0045】
移動体18がZ方向に移動した後に第2コイル84への通電を中止すると、第2磁石62と第2磁性部材92との間の吸引力及び第1案内軸96と第3支持部128、及び第2案内軸98と第4支持部130の摩擦により、移動体18は通電を中止した位置に止まる。
【0046】
ここで、移動体18は、第1案内軸96及び第2案内軸98にY方向片側で支持されて案内されることになる。第1案内軸96及び第2案内軸98は、金属製の支持板102に固定されているので、第1案内軸96及び第2案内軸98の傾きを抑制することができる。
【0047】
また、第3支持部128又は第4支持部130に微小変形が起こったとしても、第1案内軸96及び第2案内軸98がZ方向に延びている形状となっているので、第1案内軸96及び第2案内軸98には、局部的ではなくZ方向に沿って連続的な力が作用することになるので、移動体18の往復動作等での急激な動作変化が起きない。従って、レンズ支持体20のスムーズな移動を確保することができる。
【0048】
なお、移動体18は、Y方向側に設けられた光軸方向支持機構94に支持されており、また、移動体18には第1磁石58等が設けられて重いため、Z方向下方へ垂れ下がるようなモーメントが生じる。しかしながら、光軸方向支持機構94は、Z方向に延びる第1案内軸96及び第2案内軸98に支持されているので、従来のようなボールで支持するものと比較して、上記の垂れ下がりを少なくすることができる。
【0049】
なお、この実施形態においては、レンズ駆動装置12はフォーカス調整機能及び手振れ補正機能を有するものであるが、いずれか一方であってもよく、さらにズーム機能を有するもの等に適用することができる。また、この明細書では、カメラ装置10に用いられるレンズ駆動装置12について説明したが、本発明は、他の装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 カメラ装置
12 レンズ駆動装置
14 レンズ
16 固定体
18 移動体
20 レンズ支持体
22 第1枠体
24 レンズ取付け用孔
26 第1移動体プレート
28 第2移動体プレート
30 第1カバー
32,34,36 開口
38 直交方向支持機構
40 第1支持機構
42 第2支持機構
44 第1支持部
46 第1案内部
48 第2支持部
50 第2案内部
52 取付け部
54 取付け用孔
56 被取付け部
58 第1磁石
60 第1磁性部材
62 第2磁石
64 第2枠体
66 ベース
67 底面部
68 第2カバー
69 上面部
71 支柱部
70,72 通孔
74 開口部
76 フレキシブルプリント基板
78 第1端子部
80 第2端子部
82 第1コイル
84 第2コイル
86 X方向位置検知素子
88 Y方向位置検知素子
90 Z方向位置検知素子
92 第2磁性部材
94 光軸方向支持機構
96 第1案内軸
98 第2案内軸
100 ベース本体
102 支持板
103 切断部
104 案内軸本体部
106 フランジ部
108 挿入部
110 第1挿入孔
112 第2挿入孔
114 第3挿入孔
116 カシメ部
118 上側固定部
120 第4挿入孔
122 第1接触部
124 第2接触部
126 突出部
128 第3支持部
130 第4支持部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】