(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021068189
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】タッチセンサ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210402BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20210402BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20210402BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20210402BHJP
【FI】
   !G06F3/041 430
   !G06F3/044 127
   !B32B15/08 D
   !B32B7/025
   !G06F3/041 662
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】2019193040
(22)【出願日】20191023
(71)【出願人】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】NISSHA株式会社
【住所又は居所】京都府京都市中京区壬生花井町3番地
(72)【発明者】
【氏名】松本 康祐
【住所又は居所】京都府京都市中京区壬生花井町3番地 NISSHA株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】加賀瀬 充
【住所又は居所】京都府京都市中京区壬生花井町3番地 NISSHA株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】向後 輝之
【住所又は居所】京都府京都市中京区壬生花井町3番地 NISSHA株式会社内
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AA33
4F100AA33D
4F100AB17
4F100AB17B
4F100AK01C
4F100AK02
4F100AK02C
4F100AR00B
4F100AR00D
4F100AS00A
4F100AS00E
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA07
4F100CB05
4F100CB05A
4F100CB05E
4F100DC13
4F100DC13A
4F100DC13E
4F100GB48
4F100JG01B
4F100JG01D
4F100JN01C
(57)【要約】      (修正有)
【課題】切り欠き部に台形形状の切り欠き部を形成し、耐クラック性に優れたタッチセンサを提供する。
【解決手段】タッチセンサは、透明フィルム基材1と、透明フィルム素材に積層する上部保護フィルム2および下部保護フィルム3と、透明フィルム基材1の一方の表面上に形成され表側電極5と接続する表側端子7と、透明フィルム基材1の他方の表面上に形成され裏側電極6と接続する裏側端子8とを備える。上部保護フィルム2および下部保護フィルム3の、表側端子7および裏側端子8と対向する領域に、平面視において、開口端10から奥に向かって漸次幅広な台形形状の切り欠き部4を形成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明フィルム基材と、
透明フィルム基材の一方の表面上に形成された表側電極と、
透明フィルム基材の表側電極が形成された表面上に形成され、表側電極に接続された表側端子と、
透明フィルム基材の他方の表面上に形成された裏側電極と、
透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、表側端子と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、
透明フィルム基材は、透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有し、
透明フィルム基材が、上部保護フィルムおよび下部保護フィルムの一対のフィルムで積層され、
前記一対のフィルムの両方において、
表側端子および裏側端子と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられているタッチセンサにおいて、
平面視において、切り欠き部の開口端から奥部に向かって漸次幅広な台形形状になることを特徴とするタッチセンサ。
【請求項2】
透明フィルム基材と、
透明フィルム基材の一方の表面上に形成された表側電極と、
透明フィルム基材の表側電極が形成された表面上に形成され、表側電極に接続された表側端子と、
透明フィルム基材の他方の表面上に形成された裏側電極と、
透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、表側端子と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、
透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有する第1積層体と、
透明フィルム基材と、
透明フィルム基材の裏側の表面上に形成された裏側電極と、
透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、第1積層体の接続端子部と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、
透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有する第2積層体と、
前記第1積層体および第2積層体において、
第1積層体と第2積層体の間に接着層が設けられ、
第1積層体には、第2積層体の接続端子部と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられ、
第2積層体には、第1積層体の接続端子部と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられ、
第1積層体と第2積層体が、上部保護フィルムおよび下部保護フィルムの一対のフィルムで積層され、
前記一対のフィルムの両方において、
第1積層体の接続端子部および第2積層体の接続端子部と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられているタッチセンサにおいて、
平面視において、第1積層体、第2積層体、上部保護フィルム、下部保護フィルムのいずれも切り欠き部の開口端から奥部に向かって漸次幅広な台形形状になることを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
切り欠き部において、外周線と接する前記台形形状の上底の外角が30度以上60度以下であることを特徴とする請求項1から請求項2に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
一対の保護フィルムの切り欠き部の開口端における切り欠き部の内側から外側にまたぐ両端の領域に、透明フィルム基材上に補強層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のタッチセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐クラック性に優れたタッチセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入力手段として、タッチセンサが広く用いられている。タッチセンサは、多くの場合、有機ELや液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置において、タッチセンサは表示装置の表示面上に配置され、これにより、タッチセンサは表示装置に対する極めて直接的な入力を可能にする。
【0003】
このようなタッチセンサとしては、様々な方式のものが実用化されている。このなかで、静電容量方式と呼ばれるものは、タッチセンサ面に微弱な電流を流して電界を形成し、指等の導電体が軽く触れた場合の静電容量値の変化を電圧の低下等に変換して検知することにより得られた接触位置を信号として出力する
【0004】
静電容量方式に用いられるタッチセンサとしては、一般的には、一対の対向する基板上に透明電極および接続端子部が形成されたものが知られている。また、別の態様としては、透明電極および接続端子部が一枚の透明基板の両面にそれぞれ形成されたもの( 以下、両面タイプタッチセンサ)が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
両面タイプタッチセンサは、部材数が少なくタッチセンサの薄膜化や、ロールトゥロールプロセスによる製造が可能となることによる生産性向上等を図ることができる。また、2枚の基板を貼り合わせる必要がないため、2つの透明電極間の位置ずれ等の不具合を回避することができる。
【0006】
両面タイプタッチセンサの構造としては、樹脂やガラス等からなる透明フィルム基材の表面に金属パターンで形成された透明フィルム基材の一方対向面に透明導電膜が被着されたフィルムを上部保護フィルムとし、透明フィルム基材の他方対向面に透明導電膜が被着されたフィルムを下部保護フィルムとし、上部保護フィルムと下部保護フィルムとを貼り合わせる構造が一般的に広く用いられている。
【0007】
タッチセンサの電極と制御回路は、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCと表記する)を通じて接続される。FPCの一方端部に在る配線板端子部が透明フィルム基材に在る表側端子および裏側端子に接続される。上部保護フィルムと下部保護フィルムはFPC接着部分に対応する位置に切り欠き部を設けて、FPCとシート端子部との接着の容易化を図っている。
【0008】
切り欠き部を設けた上部保護フィルムと下部保護フィルムを透明フィルム基材に接着後、所定の製品サイズに合わせてカットするための外形抜きの工程を経て両面タイプタッチセンサを製造する。
【0009】
しかし、外形抜き型の内側にクッション材が設けられているため、外形抜き型で所定の製品サイズに合わせてカットする際に、上部保護フィルムが外形抜き型の内側のクッション材に押し当てられ、垂直方向に応力が加わった場合、切り欠き部の内側は透明フィルム基材の1層のみが露出しているのに対し、切り欠き部の外側は透明フィルム基材および上部保護フィルムならびに下部保護フィルムの3層であるため、切り欠き部の内側の境界部位に応力が集中し、切り欠き部の開口端における切り欠き部の内側から外側にまたぐ両端から透明フィルム基材へクラックが発生するという課題があった(図8参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4901660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記課題を解決した耐クラック性に優れたタッチセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のタッチセンサは、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の一方の表面上に形成された表側電極と、透明フィルム基材の表側電極が形成された表面上に形成され、表側電極に接続された表側端子と、透明フィルム基材の他方の表面上に形成された裏側電極と、透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、表側端子と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、透明フィルム基材は、透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有し、透明フィルム基材が、上部保護フィルムおよび下部保護フィルムの一対のフィルムで積層され、前記一対のフィルムの両方において、表側端子および裏側端子と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられているタッチセンサにおいて、平面視において、切り欠き部の開口端から奥部に向かって漸次幅広な台形形状になるように構成した。
【0013】
また、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の一方の表面上に形成された表側電極と、
透明フィルム基材の表側電極が形成された表面上に形成され、表側電極に接続された表側端子と、透明フィルム基材の他方の表面上に形成された裏側電極と、透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、表側端子と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有する第1積層体と、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の裏側の表面上に形成された裏側電極と、透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、第1積層体の接続端子部と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有する第2積層体と、前記第1積層体および第2積層体において、第1積層体と第2積層体の間に接着層が設けられ、第1積層体には、第2積層体の接続端子部と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられ、第2積層体には、第1積層体の接続端子部と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられ、第1積層体と第2積層体が、上部保護フィルムおよび下部保護フィルムの一対のフィルムで積層され、前記一対のフィルムの両方において、第1積層体の接続端子部および第2積層体の接続端子部と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられているタッチセンサにおいて、平面視において、第1積層体、第2積層体、上部保護フィルム、下部保護フィルムのいずれも切り欠き部の開口端から奥部に向かって漸次幅広な台形形状になるように構成した。
【0014】
また、切り欠き部において、外周線と接する前記台形形状の上底の外角が30度以上60度以下になるように構成してもよい。
【0015】
また、一対の保護フィルムの切り欠き部の開口端における切り欠き部の内側から外側にまたぐ両端の領域に、透明フィルム基材上に補強層が設けるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る耐クラック性に優れたタッチセンサは、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の一方の表面上に形成された表側電極と、透明フィルム基材の表側電極が形成された表面上に形成され、表側電極に接続された表側端子と、透明フィルム基材の他方の表面上に形成された裏側電極と、透明フィルム基材の裏側電極が形成された表面上に、裏側電極に接続され、かつ、表側端子と平面視上重ならないように形成された裏側端子とを有し、透明フィルム基材は、透明フィルム基材の一辺の内側に接続端子部を有し、透明フィルム基材が、上部保護フィルムおよび下部保護フィルムの一対のフィルムで積層され、前記一対のフィルムの両方において、表側端子および裏側端子と対向する領域を切り欠いた切り欠き部が設けられているタッチセンサにおいて、平面視において、切り欠き部の開口端から奥部に向かって漸次幅広な台形形状になるように構成したので、切り欠き部の開口端から奥部に向かって漸次幅広な台形形状にすることで、外形抜きの加圧時に切り欠き部の透明フィルム基材にかかる応力が緩和され、透明フィルム基材の境界部位にクラックが発生しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るタッチセンサの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るタッチセンサの平面図および断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るタッチセンサの平面図および断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るタッチセンサの部分平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るタッチセンサの分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るタッチセンサの分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るタッチセンサの切り欠き部の平面図である。
【図8】タッチセンサの外形抜きの工程を示した断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係るタッチセンサの切り欠き部の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の耐クラック性に優れたタッチセンサ9について、図面を参照しながら実施形態の一例を説明する。
【0019】
(タッチセンサ)
本発明のタッチセンサ9は、透明フィルム基材1と、透明フィルム基材1の一方の表面上に形成された表側電極5と、透明フィルム基材1の表側電極5が形成された表面上に形成され、表側電極5に接続された表側端子7と、透明フィルム基材1の他方の表面上に形成された裏側電極6と、透明フィルム基材1の裏側電極6が形成された表面上に、裏側電極6に接続され、かつ、表側端子7と平面視上重ならないように形成された裏側端子8とを有し、透明フィルム基材1は、透明フィルム基材1の一辺の内側に接続端子部11を有し、透明フィルム基材1が、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3の一対のフィルムで積層され、前記一対のフィルムの両方において、表側端子7および裏側端子8と対向する領域を切り欠いた切り欠き部4が設けられているタッチセンサ9において、平面視において、切り欠き部4の開口端10から奥部12に向かって漸次幅広な台形形状になるように構成したものである(図1(a)、(b)参照)。
【0020】
図5に例示するように透明フィルム基材1は、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3の一対のフィルムで積層された構造となっており、外部からの衝撃による破損等を防止し、また、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3でラミネートされているため、外部からの水分等の浸入を防ぐ。
【0021】
図5に例示するように、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3にはそれぞれ、透明フィルム基材1上に設けられた表側端子7部および裏側端子8を露出させる切り欠き部4が設けられおり、平面視において、切り欠き部4の開口端10から奥部12に向かって漸次幅広な台形形状で形成されたものである。
【0022】
(透明フィルム基材)
透明フィルム基材1を構成する材料としては、透明性を有する樹脂からなるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエチレン系樹脂、ポリエーテルサルフォン等のポリエステル系樹脂等を挙げることができる。また、本発明に用いられる透明フィルム基材1の厚みとしては、上記表側電極5、裏側電極6、表側端子7、裏側端子8、接続端子部11等を安定的に支持することができるものであれば特に限定されるものではないが、通常50μm〜100μmの範囲内とすることができる。また、供給される形態はロール状、枚葉状のいずれでも良く、加工法、加工機械に準じて選択すればよい。
【0023】
(表側電極・裏側電極)
本発明における表側電極5は、上記透明フィルム基材1の一方の表面上に形成されるものであり、裏側電極6は、上記透明フィルム基材1の他方の表面上に形成されるものである。
【0024】
このような表側電極5および裏側電極6を構成する材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、透明性を有する透明性材料であっても、透明性を有しない非透明性材料であってもよいが、透明性材料であることが好ましい。本発明における透明性材料としては、タッチセンサ9に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛− 酸化錫系、酸化インジウム− 酸化錫系、酸化亜鉛− 酸化インジウム− 酸化マグネシウム系などの金属酸化物や、これらの金属酸化物が2種以上複合された材料が挙げられる。また、非透明性材料としては、例えば、アルミニウム、モリブデン、銀、クロム、銅等の金属およびその合金等を用いることができる。
【0025】
上記表側電極5および裏側電極6の形成パターンや厚み等については、一般的なタッチセンサと同様とすることができる。
【0026】
(表側端子および裏側端子)
本発明における表側端子7は透明フィルム基材1の表側電極5が形成された表面上に形成され、表側電極5に接続されるものであり、裏側端子8は、透明フィルム基材1の裏側電極6が形成された表面上に表側端子7と平面視上重ならないように形成され、裏側電極6に接続されるものであり、透明フィルム基材1の表面上に直接形成される(図5参照)。
【0027】
また、表側端子7および裏側端子8は、タッチセンサ9とFPCとの接続を、接続端子部11の単位で容易かつ効率的に行うことできる。なお、このような接続端子部11に含まれる端子の数等については、FPCとの接続に用いられるヒートツール等に応じて適宜設定されるものである。
【0028】
また、接続端子部11は、通常、透明フィルム基材1の同一表面上に並列状に配置された複数の端子からなるものである(図1(b)参照)。
【0029】
図2は、本発明の実施形態に係るタッチセンサ9の(a)平面図および(b)断面図である。
なお、図2(b)の断面図は、図2(a)の平面図におけるA− A線での断面に対応する断面図となっている。また、図5は、本発明の実施形態に係るタッチセンサ9の分解斜視図である。
【0030】
本発明における隣接する表側端子7および裏側端子8の間隔としては、特に限定されるものではなく、タッチセンサ9に一般的なものとすることができる。
【0031】
本発明における表側端子7および裏側端子8を構成する材料としては、所望の導電性を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、銀、銅またはそれらの合金等を用いることができる。
【0032】
上記表側端子7部および裏側端子8部の端子幅、厚みおよび平面視形状や、接続端子部11内における端子間の間隔については、一般的なタッチセンサと同様とすることができる。
【0033】
(上部保護フィルム・下部保護フィルム)
本発明における上部保護フィルム2および下部保護フィルム3は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、上記電極を覆うように形成されるものである場合には、透明性を有するものであることが好ましい。このような絶縁性および透明性を有する上部保護フィルム2および下部保護フィルム3としては、例えば、アクリル樹脂やSiO2等、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン‐酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。なお、表面保護用粘着フィルム(PSA)を用いてもよい。
【0034】
(切り欠き部)
本発明における切り欠き部4は、表側端子7部および裏側端子8部と対向する領域を少なくとも切り欠いて形成されている。
切り欠き部4は、奥部12と、奥部12の両端に続き開口端10に至る側部19とを有している。この切り欠き部4は、平面視において、開口端10から奥部12に向かって漸次幅広な台形形状に形成されている(図3、図5参照)。
【0035】
このような台形形状にすることによって、外形抜きの加圧時に切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力が緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが発生しにくくなる。切り欠き部4は、台形形状の外角15が30度以上60度以下の範囲内であることが好ましい。このような範囲内にすると、切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力がより緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックがより発生しにくくなる。例えば台形形状の外角15を45度とするとよい(図3、図5参照)。
【0036】
図9は、本実施形態の変形例を示したものである。
【0037】
切り欠き部4において、外形抜きの加圧時に切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力が緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが発生しにくくする方法として、外角15が30度以上60度以下の範囲内であれば、側部19を曲線状に切り欠いてもよく、外角15を例えば45度とすることができる。(図9(a)参照)。
【0038】
また、外形抜きの加圧時に切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力が緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが発生しにくくする方法として、外角15が30度以上60度以下の範囲内であれば、側部19を多角形状に切り欠いてもよく、外角15を例えば45度とすることができる。(図9(b)参照)。
【0039】
また、透明フィルム基材1の性質などに合わせて、いずれか一方の外角15を30度以上60度以下の範囲内で、側部19を曲線状、多角形状に切り欠いてもよく、いずれか一方の外角15を例えば45度とすることができる。(図9(c)参照)。
【0040】
また、外形抜きの加圧時に切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力が緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが発生しにくくする方法として、外角15が30度以上60度以下の範囲内であれば、両側の外角15を同じ角度に合わせなくてもよい。
つまり、外角15が30度以上60度以下の範囲内であれば、切り欠き部4の形状はどのような形状であってもよい。
【0041】
一対の保護フィルムの切り欠き部4の開口端10において、切り欠き部4の内側から外側にまたぐ両端の領域に、透明フィルム基材1上に補強材14が設けてもよい。補強材14を設けることで外形抜きの加圧時に切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力がさらに緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックがさらに発生しにくくすることができる(図4(a)、(b)、図7参照)。
【0042】
図4は、本発明の実施形態に係るタッチセンサ9の部分平面図であり、図4(a)は補強材14を設けていない部分平面図、図4(b)は補強材14を設けた部分平面図である。
【0043】
補強材14の材料は電極を構成する材料と同様のものでもよいし、異なる材料のものでもよく、特に限定されるものではない。
【0044】
(タッチセンサ)
本発明のタッチセンサ9は、透明フィルム基材1、表側電極5、表側端子7、裏側電極6、裏側端子8、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3を少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、例えば、電極および端子を接続する引き回し配線16を挙げることができる。
【0045】
上記引き回し配線16としては、一般的なタッチセンサ9に用いられるものと同様とすることができる。具体的には、端子と同材料からなるものを用いることができる。また、このような引き回し配線16の線幅として、10μm〜100μm程度とすることができる。
【0046】
本発明の第2の態様について説明する。
【0047】
すなわち、透明フィルム基材1と、透明フィルム基材1の一方の表面上に形成された表側電極5と、透明フィルム基材1の表側電極5が形成された表面上に形成され、表側電極5に接続された表側端子7と、透明フィルム基材1の他方の表面上に形成された裏側電極6と、透明フィルム基材1の裏側電極6が形成された表面上に、裏側電極6に接続され、かつ、表側端子7と平面視上重ならないように形成された裏側端子8とを有し、透明フィルム基材1の一辺の内側に接続端子部11を有する第1積層体21と、透明フィルム基材1と、透明フィルム基材1の裏側の表面上に形成された裏側電極6と、透明フィルム基材1の裏側電極6が形成された表面上に、裏側電極6に接続され、かつ、第1積層体21の接続端子部11と平面視上重ならないように形成された裏側端子8とを有し、透明フィルム基材1の一辺の内側に接続端子部11を有する第2積層体22と、前記第1積層体21および第2積層体22において、第1積層体21と第2積層体22の間に接着層20が設けられ、第1積層体21には、第2積層体22の接続端子部11と対向する領域を切り欠いた切り欠き部4が設けられ、第2積層体22には、第1積層体21の接続端子部11と対向する領域を切り欠いた切り欠き部4が設けられ、第1積層体21と第2積層体22が、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3の一対のフィルムで積層され、前記一対のフィルムの両方において、第1積層体21の接続端子部11および第2積層体22の接続端子部11と対向する領域を切り欠いた切り欠き部4が設けられているタッチセンサにおいて、平面視において、第1積層体21、第2積層体22、上部保護フィルム2、下部保護フィルム3のいずれも切り欠き部4の開口端10から奥部12に向かって漸次幅広な台形形状を備えたものである(図3、図6参照)。
【0048】
上記態様は、少なくとも表側電極5、表側端子7、裏側電極6、裏側端子8、接続端子部11が設けられた透明フィルム基材1を第1積層体21とし、少なくとも裏側電極6、裏側端子8、接続端子部11が設けられた透明フィルム基材1を第2積層体22とし、第1積層体21と第2積層体22を上部保護フィルム2および下部保護フィルム3の一対のフィルムで積層したものであり、その他は先に説明した発明と同様である。
【0049】
上記態様は、例えば発光材料に有機物質を使った発光ダイオード(OLED)や、液晶ディスプレイ(LCD)からタッチセンサ9へ放出される電磁エネルギー(所謂ノイズ)を遮る効果に優れている。
【0050】
図3は、本発明の実施形態に係るタッチセンサ9の(a)平面図および(b)断面図である。
なお、図3(b)の断面図は、図3(a)の平面図におけるA− A線での断面に対応する断面図となっている。
また、図6は、本発明の実施形態に係るタッチセンサ9の分解斜視図である。
【0051】
第1積層体21の接続端子部11と平面視上重ならないように第2積層体22の接続端子部11が設けられており、FPC接着部分に対応する位置において、第1積層体21には、第2積層体22の接続端子部11と対向する領域に切り欠き部4が設けられ、また、第2積層体22には、第1積層体21の接続端子部11と対向する領域に切り欠き部4が設けられ、さらに、上部保護フィルム2および下部保護フィルム3の一対のフィルムの両方において、第1積層体21の接続端子部11および第2積層体22の接続端子部11と対向する領域に切り欠き部4が設けられている。
【0052】
また、第1積層体21と第2積層体22の間には、第1積層体21と第2積層体22を接着させるための接着層20が設けられている。
【0053】
本発明における切り欠き部4は、表側端子7部および裏側端子8部と対向する領域を少なくとも切り欠いて形成されている。切り欠き部4は、奥部12と、奥部12の両端に続き開口端10に至る側部19とを有している。この切り欠き部4は、平面視において、開口端10から奥部12に向かって漸次幅広な台形形状に形成されている。
【0054】
切り欠き部4は、台形形状の外角15が30度以上60度以下の範囲内であることが好ましい。外形抜きの加圧時に切り欠き部4の透明フィルム基材1にかかる応力が緩和され、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが発生しにくくする方法として、台形形状の外角15を例えば45度とすることができる。
【0055】
上述以外は第1の態様と同様にするとよい。なお、目的に合わせて例えば、第1積層体21を複数積層してもよく、また、第1積層体21の下に第2積層体22を複数積層してもよい。
【実施例】
【0056】
透明フィルム基材1を形成する材料は、シクロオレフィンポリマーであり、厚みは100μmである。
【0057】
表側電極5および裏側電極6を形成する材料はインジウム錫酸化物(ITO)である。
【0058】
表側端子7および裏側端子8を形成する材料は銅である。
【0059】
上部保護フィルム2および下部保護フィルム3を形成する材料は表面保護用粘着フィルム(PSA)である。
【0060】
切り欠き部4を開口端10から奥部12に向かって漸次幅広な台形形状に形成し、外角15は45度とし、外形抜き型17で型抜きし、タッチセンサ9を得た。
【0061】
このようにして得たタッチセンサ9は、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが生じなかった。
【0062】
また、比較例1は、切り欠き部4の側部19を傾斜させずに矩形形状にし、外角15を90度とし、外形抜き型17で型抜きし、タッチセンサ9を得た。このようにして得たタッチセンサ9は、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが生じた。なお、本比較例において、上述の角度以外は実施例1と同様とした。
【0063】
また、比較例2は、切り欠き部4の開口端10から奥部12に向かって漸次幅狭なテーパ形状に形成し、外角15を135度とし、外形抜き型17で型抜きし、タッチセンサ9を得た。このようにして得たタッチセンサ9は、透明フィルム基材1の境界部位にクラックが生じた。なお、本比較例において、上述の角度以外は実施例1と同様とした。
【符号の説明】
【0064】
1 透明フィルム基材
2 上部保護フィルム
3 下部保護フィルム
4 切り欠き部
5 表側電極
6 裏側電極
7 表側端子
8 裏側端子
9 タッチセンサ
10 開口端
11 接続端子部
12 奥部
13 外周線
14 補強材
15 外角
16 引き回し配線
17 外形抜き型
18 クッショ材
19 側部
20 接着層
21 第1積層体
22 第2積層体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】