(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021068630
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20210402BHJP
【FI】
   !H01R13/42 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】2019194020
(22)【出願日】20191025
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野崎 新史
【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号 株式会社オートネットワーク技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大亮
【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号 株式会社オートネットワーク技術研究所内
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE12
5E087FF05
5E087FF06
5E087GG15
5E087GG26
5E087GG31
5E087GG32
5E087HH04
5E087RR04
5E087RR11
(57)【要約】
【課題】雄端子を保護する機能を備え、小型化に対応することが可能なコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタは、内側に雌ハウジング80が配置されるガイド14と、ガイド14の後方に位置し、ガイド14の内側に連通するキャビティ19と、ガイド14に対して前後方向に移動可能に配置される保持部材12と、キャビティ19の内側に配置され、前方に突出するタブ37を有する雄端子11と、を備える。雄端子11は、保持部材12と一体に移動するように設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に雌ハウジングが配置されるガイドと、
前記ガイドの後方に位置し、前記ガイドの内側に連通するキャビティと、
前記ガイドに対して前後方向に移動可能に配置される保持部材と、
前記キャビティの内側に配置され、前方に突出するタブを有する雄端子と、を備え、
前記雄端子は、前記保持部材と一体に移動するように設けられているコネクタ。
【請求項2】
前記ガイドおよび前記キャビティは、ハウジングに設けられ、
前記保持部材は、前記ハウジングに対して初期位置と前記初期位置より前方の嵌合位置とに移動可能に配置される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記保持部材は、アーム部を有し、前記ハウジングは、前止め部を有し、前記アーム部は、前記初期位置において前記前止め部の後面に当たるように配置される請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、後止め部を有し、前記アーム部は、前記初期位置において前記後止め部の前面に当たるように配置される請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記アーム部は、前記嵌合位置において前記雌ハウジングが離脱する方向で前記雌ハウジングに当たるように配置されている請求項3または請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記雌ハウジングは、前記アーム部と対向する位置に、前記アーム部が前記前止め部の後面に当たる状態を解除する解除部を有している請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記保持部材は、前記嵌合位置において前記ハウジングを係止するロックアームを有している請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたコネクタは、フード部を有するハウジングと、フード部内に組み付けられるフロントホルダとを備えている。フード部内には、雄端子金具のタブが突出して配置される。フロントホルダは、フード部内に挿入される前面壁を有している。フロントホルダの前面壁には、複数のタブ貫通孔が開口して設けられている。
【0003】
フロントホルダは、フード部に挿入される相手側の雌コネクタに押され、ハウジングに対して仮係止位置から正規の組付け位置へと移動する。仮係止位置では、雄端子金具のタブの先端部分がタブ貫通孔内に配置され、タブが位置決めして保護される。正規の組付け位置では、タブの先端部分がタブ貫通孔から突出し、雌コネクタに装着された雌端子金具に接続される。このように、フロントホルダは、ムービングプレートの機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−282188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、端子数が少ない少極のコネクタの場合、フード部が小型になるため、フード部内に挿入されるムービングプレート(特許文献1の場合はフロントホルダ)も小型になる。その結果、ムービングプレートの成形が困難になり、成形可能であったとしても、フード部内でムービングプレートが円滑に移動することができないおそれがある。
【0006】
そこで、雄端子を保護する機能を備え、小型化に対応することが可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のコネクタは、内側に雌ハウジングが配置されるガイドと、前記ガイドの後方に位置し、前記ガイドの内側に連通するキャビティと、前記ガイドに対して前後方向に移動可能に配置される保持部材と、前記キャビティに配置され、前方に突出するタブを有する雄端子と、を備え、前記雄端子は、前記保持部材と一体に移動するように設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、雄端子を保護する機能を備え、小型化に対応することが可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態において、雌雄のコネクタが嵌合された状態を示す平面図である。
【図2】図2は、雌雄のコネクタが嵌合された状態を示す断面図である。
【図3】図3は、雌ハウジングを斜め前上方から見た斜視図である。
【図4】図4は、ハウジングを斜め後上方から見た斜視図である。
【図5】図5は、雄端子を斜め後上方から見た斜視図である。
【図6】図6は、保持部材を斜め前上方から見た斜視図である。
【図7】図7は、保持部材がハウジングに対して仮係止位置に留め置かれた状態を示す背面図である。
【図8】図8は、保持部材がハウジングに対して仮係止位置に留め置かれた状態を示す部分拡大側断面図である。
【図9】図9は、保持部材がハウジングに対して初期位置に留め置かれた状態を示す部分拡大側断面図である。
【図10】図10は、解除部が移動規制部を押し上げ、アーム部が撓み変形した状態を示す部分拡大側断面図である。
【図11】図11は、保持部材がハウジングに対して初期位置に留め置かれた状態を示す平断面図である。
【図12】図12は、雌雄のコネクタの嵌合後、保持部材がハウジングに対して嵌合位置に留め置かれた状態を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)内側に雌ハウジングが配置されるガイドと、前記ガイドの後方に位置し、前記ガイド内に連通するキャビティと、前記ガイドに対して前後方向に移動可能に配置される保持部材と、前記キャビティの内側に配置され、前方に突出するタブを有する雄端子と、を備え、前記雄端子は、前記保持部材と一体に移動するように設けられている。本構成によれば、保持部材が後方位置にあるときに、雄端子のタブをキャビティの内側に保護状態に配置させることができる。保持部材がガイドに対して前方に移動すると、雄端子も前方に移動し、雄端子のタブを、ガイドの内側に至らし、雌ハウジング側の雌端子に接続させることができる。ここで、ガイドの内側には保持部材を配置させる必要がない。このため、保持部材は、従来のムービングプレートと異なり、ガイドの形状やサイズに制約されない。よって、本構成は、小型のコネクタにも対応することができる。
【0011】
(2)前記ガイドおよび前記キャビティは、ハウジングに設けられ、前記保持部材は、前記ハウジングに対して初期位置と前記初期位置より前方の嵌合位置とに移動可能に配置されることが好ましい。本構成によれば、保持部材が初期位置にあるときに、雄端子のタブをキャビティの内側に保護状態に配置することができる。保持部材が嵌合位置にあるときには、雄端子のタブを雌ハウジング側の雌端子に接続させることができる。
【0012】
(3)前記保持部材は、アーム部を有し、前記ハウジングは、前止め部を有し、前記アーム部は、前記初期位置において前記前止め部の後面に当たるように配置されると良い。本構成によれば、アーム部が前止め部の後面に当たることで、保持部材が初期位置から嵌合位置へと不用意に移動するのを防止することができる。
【0013】
(4)前記ハウジングは、後止め部を有し、前記アーム部は、前記初期位置において前記後止め部の前面に当たるように配置されると良い。本構成によれば、アーム部が後止め部の前面に当たることで、保持部材が初期位置から嵌合位置とは反対側の後方へと不用意に移動するのを防止することができる。特に、アーム部は、保持部材が嵌合位置に移動するのを防止する機能と、反対側の後方に移動するのを防止する機能とを兼備することができる。
【0014】
(5)前記アーム部は、前記嵌合位置において前記雌ハウジングが離脱する方向で前記雌ハウジングに当たるように配置されていると良い。本構成によれば、保持部材が嵌合位置にあるときに、アーム部を介して、雌ハウジングが保持部材から離脱するのが規制される。特に、アーム部は、保持部材が嵌合位置に移動するのを防止する機能と、雌ハウジングの離脱を規制する機能と、上記(4)の構成を備える場合には保持部材が嵌合位置とは反対側の後方に移動するのを防止する機能とを兼備することができる。こうしたアーム部の多機能化によって保持部材の構造をより簡単にすることができる。
【0015】
(6)前記雌ハウジングは、前記アーム部と対向する位置に、前記アーム部が前記前止め部の後面に当たる状態を解除する解除部を有していると良い。本構成によれば、雌ハウジングがガイドの内側に配置されるのに伴い、アーム部が前止め部の後面に当たる状態を解除部によって解除することができる。よって、アーム部が前止め部の後面に当たる状態を解除する特別な解除操作を行う必要がない。
【0016】
(7)前記保持部材は、前記嵌合位置において前記ハウジングを係止するロックアームを有していると良い。本構成によれば、保持部材が嵌合位置にあるときに、ロックアームを介して、保持部材とハウジングとを保持状態に留め置くことができる。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0018】
コネクタは、雌コネクタと雄コネクタとからなる。雌コネクタは、雌ハウジング80と雌端子81とを備えている。雄コネクタは、ハウジング10と雄端子11と保持部材12とを備えている。雌コネクタと雄コネクタは互いに嵌合される。雌端子81と雄端子11は、雌雄のコネクタの嵌合時に電気的に接続される。なお、以下の説明において、前後方向については、雌雄のコネクタが嵌合開始時に互いに向き合う面側を前側とする。上下方向は、図1、図11および図12を除く各図を基準とする。
【0019】
<雌ハウジング80>
雌ハウジング80は合成樹脂製であって、図3に示すように、幅方向に扁平なブロック状の雌ハウジング本体82を有している。雌ハウジング本体82は、幅方向に一列に並ぶ複数の雌キャビティ83を有している。各雌キャビティ83は、雌ハウジング本体82を前後に貫通する孔である。各雌キャビティ83の内面には、図2に示すように、撓み変形可能な雌ランス84が突出して設けられている。
【0020】
雌ハウジング80は、図3に示すように、雌ハウジング本体82の上面に突出するハウジングロックアーム85を有している。ハウジングロックアーム85は、雌ハウジング本体82の上面の前部から後方に延びる形状とされている。ハウジングロックアーム85は、雌ハウジング本体82の上面の前部側を支点として上下に撓み変形可能とされている。ハウジングロックアーム85の上面にはロック突起86が設けられている。
【0021】
雌ハウジング80は、雌ハウジング本体82の上面から前方に突出する幅方向に一対の解除部87を有している。両解除部87は、前後に長い角柱状に形成されている。両解除部87の前部は、雌ハウジング本体82の前面よりも前方に突出している。両解除部87の前面は、上向きに直線状に傾斜する解除面88になっている。両解除部87の後部は、雌ハウジング本体82の上面にリブ状に突出している。両解除部87の後面は、上下に沿って配置される。
【0022】
<雌端子81>
雌端子81は導電性の金属板を曲げ加工などし、図2に示すように、前後に細長い形状に形成される。雌端子81は、筒状の接続部89と、接続部89の後方に連なるオープンバレル状の雌バレル部91とを有している。接続部89には、前方から雄端子11の後述するタブ37が挿入されて接続される。雌バレル部91は、電線90の端末部に圧着により接続される。雌端子81は、雌キャビティ83に後方から挿入される。接続部89が雌ランス84に係止されることにより、雌端子81が雌キャビティ83内に抜け止めして配置される。
【0023】
<ハウジング10>
ハウジング10は合成樹脂製であって、図4に示すように、ハウジング本体13と、ハウジング本体13から前方に突出するガイド14とを有している。ガイド14内には、前方から雌ハウジング80が挿入される。
【0024】
ハウジング本体13は、矩形平板状の底壁15と、底壁15の幅方向両端から起立する一対の側壁16と、底壁15の上面に幅方向に間隔をあけて配置される複数の隔壁17とを有している。両側壁16および各隔壁17は、前後に長い板片状に形成されている。また、ハウジング本体13は、両側壁16の前部の上端間に幅方向に架け渡される帯板状の連結壁18を有している。連結壁18は、各隔壁17の前部の上端にも連結されている。
【0025】
そして、ハウジング本体13は、幅方向に一列に並ぶ複数のキャビティ19を有している。各キャビティ19は、幅方向中間部において幅方向に隣接する隔壁17間に配置され、幅方向両端部において側壁16とその側壁16に対向する隔壁17との間に配置される。各キャビティ19は、連結壁18に覆われる前端部を除いて上方に開放されている。また、各キャビティ19は、前後に延びてガイド14の後述する背壁27を貫通し、ガイド14内に連通している。各キャビティ19の内面には、図2に示すように、撓み変形可能なランス21が突出して設けられている。
【0026】
両側壁16の外側の側面には、図4に示すように、一対の係止部22が突出して設けられている。両係止部22は、前後に長く延びるリブ状に形成されている。
連結壁18は、図4および図11に示すように、上面の幅方向中央部に、前後に延びる幅方向に一対の両側座部23と、両側座部23の前端間をつなぐ幅方向に沿った前側座部24とを有している。両側座部23と前側座部24とは平面視門型に形成されている。前側座部24は、ガイド14の背壁27と同じ前後位置に配置され、背壁27に連結されている。両側座部23と前側座部24のそれぞれの上面は、面一に連なる平坦面であって、連結壁18の上面より一段高い位置に配置される。
【0027】
両側座部23の上面の後端部には、一対の後止め部25が設けられている。両後止め部25は、角柱状をなし、両側座部23の上面から上方に突出している。両後止め部25の前面は、上下に沿って配置される。
【0028】
前側座部24の上面の幅方向中央部には、前止め部26が設けられている。前止め部26は、前側座部24の上面から上方に突出し、かつ前側座部24の前方に延びる形状とされている。前止め部26は、前側座部24の上面に連なる後端部を除いてガイド14内に突出している。図8および図9に示すように、前止め部26の後面は、前側座部24の後面に面一に連続し、上下に沿って配置される。前止め部26の前面は、上向きに傾斜して配置される。
【0029】
ガイド14は、図4に示すように、角筒状をなし、上下に沿って配置される背壁27と、背壁27の上下端部および両側端部から前方に突出する周壁28とを有している。背壁27は、ハウジング本体13の前端に連結され、両側壁16の側方および連結壁18の上方に張り出す部分を有している。
【0030】
ガイド14の幅方向中央部には、周壁28の上壁部分の後部から背壁27の上部にかけて開口する貫通孔29が設けられている。貫通孔29の後端下面は、前側座部24および前止め部26の後端部によって閉塞されている。
【0031】
周壁28の上壁部分の後端部には、貫通孔29を挟んだ幅方向両側に、図1に示すように、一対のロック受け面31が設けられている。両ロック受け面31は、上下に沿い、かつ前方を向いて配置される。背壁27の上部には、貫通孔29を挟んだ幅方向両側に、一対の位置決め面32が設けられている。両位置決め面32は、上下に沿い、かつ内側に互いに対向して配置される。位置決め面32の前端とロック受け面31の幅方向内側端は互いに直交している。
【0032】
周壁28の上壁部分の上面には、図4に示すように、両位置決め面32および両ロック受け面31を介して周囲から一段低くなる凹面33が設けられている。周壁28の上壁部分のうち、凹面33、両位置決め面32および両ロック受け面31によって区画される内側の空間には、図1に示すように、保持部材12の後述するロックアーム56の前端部が嵌め入れられる。
【0033】
周壁28の上壁部分の前端部には、図2に示すように、下側(内側)に突出するハウジングロック部34が設けられている。雌ハウジング80がガイド14内に配置された状態で、ハウジングロックアーム85がハウジングロック部34に係止される。
【0034】
<雄端子11>
雄端子11は導電性の金属板を曲げ加工などし、図5に示すように、前後に細長い形状に形成される。雄端子11は、筒状の本体部35と、本体部35の後方に連なるオープンバレル状のバレル部36と、本体部35から前方に突出するタブ37とを有している。バレル部36は、電線30の端末部に圧着により接続される。
【0035】
本体部35は、図8に示すように、下壁部分に、斜め下後方に突出する係止突起38を有している。係止突起38は、本体部35の下壁部分を構成する板材の一部を下方に曲げて形成される。雄端子11は、キャビティ19に後方から挿入される。本体部35の係止突起38がランス21に係止されることにより、雄端子11がキャビティ19内に抜け止めして配置される。
【0036】
本体部35は、上壁部分に、下方に突出する前側当て部39を有している。前側当て部39は、本体部35の上壁部分を構成する板材の一部を下方に曲げて形成される。また、本体部35は、上壁部分における前側当て部39より後方に、上方に突出する後側当て部41を有している。後側当て部41は、本体部35の上壁部分を構成する板材の一部を上方に曲げて形成される。
【0037】
本体部35の上壁部分における前側当て部39と後側当て部41との間には、孔部42が開口して設けられている。前側当て部39の後面および後側当て部41の前面は、孔部42に臨むように配置される。図2に示すように、本体部35の孔部42には、保持部材12の後述する保持突部46が挿入される。前側当て部39の後面は、保持突部46の前面に当たることができる。後側当て部41の前面は、保持突部46の後面に当たることができる。
【0038】
<保持部材12>
保持部材12は合成樹脂製であって、図6に示すように、幅方向に沿って配置される連結板部43と、連結板部43の幅方向両端から下方に突出する一対の側板部44とを有している。連結板部43と両側板部44とは門型に形成されている。
【0039】
両側板部44は、内面に、前後に延びる複数の溝状の係止受け部45を有している。各係止受け部45は、両側板部44において、上下に対をなして設けられている。各係止受け部45内には、対応する係止部22が嵌め入れられる。図7に示すように、両係止部22が下側の両係止受け部45内に配置されることにより、保持部材12がハウジング10(ハウジング本体13、ガイド14)に対して仮係止位置に留め置かれる。両係止部22が上側の両係止受け部45内に配置されることにより、保持部材12がハウジング10に対して本係止位置に留め置かれる。保持部材12は、ハウジング10に対し、仮係止位置では相対的に上方に配置され、本係止位置では相対的に下方に配置される。
【0040】
連結板部43は、平板状をなし、各キャビティ19の上面開口を覆うように配置される。図7に示すように、連結板部43の内面には、各キャビティ19と対応する位置に、複数の保持突部46が設けられている。保持突部46は、角ブロック状をなし、図8に示すように、雄端子11の孔部42に対応する位置に、孔部42に挿入可能な大きさで設けられている。保持突部46の前面および後面はいずれも上下に沿って配置される。
【0041】
保持部材12は、連結板部43の上面から上方に突出し、かつ連結板部43の前方に延びるアーム部47を有している。アーム部47は、帯板状をなし、幅方向中央部に、受容孔48を有している。受容孔48は、図7および図11に示すように、前後に延びてアーム部47の後端に開口している。アーム部47は、連結板部43の上面に連なる後端部を支点として上下に撓み変形可能とされている。
【0042】
アーム部47の前端部には、受容孔48の前端を閉塞し、幅方向に延びる移動規制部49が設けられている。移動規制部49の前面は、幅方向および上下に沿って配置される。図11に示すように、移動規制部49の前面は、幅方向中央部に前側規制面51を有している。前側規制面51は、移動規制部49の前面において、特別な加工が施されることなく、幅方向両側の隣接領域に面一で連続している。移動規制部49の幅方向両端部は、アーム部47の本体部分よりも側方に張り出している。移動規制部49の幅方向両端部の後面は、一対の後側規制面52として構成される。両後側規制面52は、上下に沿って配置される。
【0043】
図11に示すように、前止め部26の後面が前側規制面51に当たることにより、保持部材12がハウジング10に対して初期位置から嵌合位置へと移動するのを規制する。両後止め部25の前面が両後側規制面52に当たることにより、保持部材12がハウジング10に対して初期位置から後方に移動するのを規制する。保持部材12は、ハウジング10に対し、初期位置では相対的に後方に配置され(図11を参照)、嵌合位置では相対的に前方に配置される(図12を参照)。
【0044】
連結板部43は、アーム部47の幅方向両側に、一対の逃がし孔53を有している。両逃がし孔53は、前後に延びて連結板部43の前端に開口している。保持部材12が嵌合位置への移動途中および嵌合位置にあるときに、両側座部23が両逃がし孔53に挿入されて逃がされる。
【0045】
また、保持部材12は、図6に示すように、連結板部43の幅方向両端から起立する一対の脚部54と、両脚部54の上端間に幅方向に架け渡されるつなぎ部55と、つなぎ部55の幅方向中央部に連結され、前後に延びるロックアーム56とを有している。両脚部54は、前後に長い矩形リブ状に形成されている。つなぎ部55は、矩形断面で幅方向に長く延びる形状になっている。つなぎ部55の幅方向両端は、両脚部54の上端の前後中央部に連結されている。 ロックアーム56は、前後に長い帯板状に形成されている。ロックアーム56は、つなぎ部55を支点としてシーソ状に弾性変形可能(揺動変位可能)とされている。ロックアーム56の前端部の幅方向両端には、一対のロック本体57が側方に張り出して設けられている。ロックアーム56は、弾性変形後、図1に示すように、両ロック本体57がガイド14の両ロック受け面31を係止することにより、ハウジング10のガイド14にロックされるようになっている。
【0046】
<コネクタの組み付け構造および組み付け方法>
組み付けに際し、保持部材12がハウジング10に対して仮係止位置に配置される。仮係止位置においては、両係止部22が下側の両係止受け部45に嵌まることで、保持部材12がハウジング10に対して上下に位置決めして保持される(図7を参照)。各保持突部46は、各キャビティ19に上方から臨むように配置される。
【0047】
続いて、雄端子11がハウジング10の各キャビティ19に後方から挿入される。雄端子11の挿入過程においては、前側当て部39が保持突部46の下方を通過する。雄端子11が正規の挿入位置に至ると、後側当て部41が保持突部46の後面に当たり、雄端子11のそれ以上の前進が規制される(図8を参照)。また、係止突起38がランス21に係止されることとで、雄端子11の後退も規制される。このとき、雄端子11のタブ37は、キャビティ19内に配置され、ガイド14内に突出することはない。タブ37の先端部は、背壁27の内側に形成されたテーパ状の位置決め孔58内に配置される(図9を参照)。
【0048】
次いで、保持部材12が押し下げられて本係止位置に至る。本係止位置においては、両係止部22が上側の両係止受け部45に嵌まることで、保持部材12がハウジング10に対して上下に位置決めして保持される。各キャビティ19は、上面開口が連結板部43で閉塞されることで、孔状に形成される。また、各保持突部46は、下降して各雄端子11の本体部内に深く挿入される(図2を参照)。ここで、保持突部46の前面は前側当て部39に後方から当たるように配置される。
【0049】
また、保持部材12はハウジング10に対して本係止位置に至ると同時に初期位置に至ることができる。初期位置においては、移動規制部49の幅方向両端部が両側座部23の上面に載せられ、両後側規制面52が両後止め部25の前面に当たるように配置されるとともに、前側規制面51が前止め部26の後面に当たるように配置される(図11を参照)。これにより、保持部材12がハウジング10に対して前後移動を規制された状態に保持される。
【0050】
保持部材12がハウジング10に対して本係止位置および初期位置にある状態で、ハウジング10のガイド14に前方から雌ハウジング80が挿入される。雌ハウジング80には、予め雌端子81が装着されている。
【0051】
雌ハウジング80がガイド14内に正規に挿入されると、両解除部87が移動規制部49の幅方向両端部に前面に当たり、アーム部47が両解除部87の解除面88に乗って上方に撓み変形する(図10を参照)。アーム部47が上方に撓み変形することで、前側規制面51が前止め部26の後面から離れ、保持部材12の前止め状態が解除される。ここで、ハウジングロックアーム85のロック突起86がハウジングロック部34の後面を係止し、両ハウジング10、80が正規の嵌合状態(離脱規制状態)に保持される。
【0052】
また、保持部材12の前止め状態が解除されることにより、保持部材12が前方に移動可能となる。この状態で、保持部材12が前方に押し込まれる。保持部材12が前方に移動する過程においては、各保持突部46が各前側当て部39の後端に当たって各雄端子11を押圧し、各雄端子11が保持部材12とともに前方に移動する。つまり、各雄端子11は各キャビティ19に対して相対的に前方に移動する。これにより、各雄端子11のタブ37は、各位置決め孔58からガイド14内に突出し、対応する雌端子81の接続部89内に挿入される。
【0053】
そして、保持部材12が前方に移動する過程においては、両ロック本体57が背壁27の上面の幅方向両端部に乗り上がり、ロックアーム56が撓み変形する。保持部材12が嵌合位置に至ると、ロックアーム56が弾性復帰し、凹面33に載せられ、両位置決め面32によって幅方向に位置決めされる(図1を参照)。また、両ロック本体57が、両ロック受け面31を係止する。これにより、保持部材12がガイド14ひいてはハウジング10に離脱規制された状態に保持される。各雄端子11のタブ37は、各雌端子81の接続部89内に正規深さで挿入され、各雌端子81に電気的に接続される。
【0054】
保持部材12が嵌合位置に向けて移動する過程においては、両係止部22が上側の両係止受け部45の内面を摺動し、ハウジング10に対する保持部材12の移動動作が案内される。また、保持部材12が嵌合位置に向けて移動する過程においては、アーム部47が撓み変形した状態を維持しつつ、移動規制部49の幅方向両端部が、両解除部87の上面に乗り上がり、両解除部87の上面を摺動する。アーム部47は、貫通孔29を貫通してガイド14内に臨む。さらに、移動規制部49の幅方向中央部が、前止め部26の上面に乗り上がり、前止め部26の上面を摺動する。
【0055】
保持部材12が嵌合位置に至ると、アーム部47が弾性復帰して前側座部24および両側座部23に載せられ、かつ前止め部26がアーム部47の受容孔48内に挿入される。アーム部47が弾性復帰することで、移動規制部49の両後側規制面52が両解除部87の後面に当たるように配置される(図12を参照)。このため、保持部材12と雌ハウジング80とは、互いに離脱するのを規制された状態に配置される。
【0056】
メンテナンスなどの事情により両ハウジング10、80を離脱する際には、ロックアーム56の後端部が押し下げられ、その状態から保持部材12が後方に引っ張られる。すると、移動規制部49が前止め部26の傾斜状の前面を摺動し、アーム部47が上方に撓み変形する。これにより、移動規制部49が前止め部26の前面および両解除部87の後面から離れ、保持部材12が後方に移動可能な状態になる。保持部材12が後方に移動する過程においては、各保持突部46が各後側当て部41の前端に当たって各雄端子11を押圧し、各雄端子11が保持部材12とともに後方に移動する。つまり、各雄端子11は各キャビティ19に対して相対的に後方に移動する。
【0057】
保持部材12が初期位置に戻ると、移動規制部49が前止め部26と両後止め部25との間に嵌め込まれ、保持部材12の移動が規制される。また、各雄端子11の全体が各キャビティ19内に配置される。これにより、各雄端子11のタブ37が各キャビティ19内に再び保護状態に配置される。その後、ハウジングロックアーム85の後端部が押し下げられ、ハウジングロックアーム85がハウジングロック部34を係止する状態が解除される。その状態で、両ハウジング10、80が互いに引き離される。
【0058】
以上のとおり、本実施形態によれば、保持部材12が初期位置にあるときに、雄端子11のタブ37をキャビティ19の内側に保護状態に配置させることができる。保持部材12がハウジング10に対して前方に移動すると、雄端子11も前方に移動し、雄端子11のタブ37を、ガイド14内に至らし、雌端子81に接続させることができる。保持部材12は、全体がガイド14内に配置されないため、ガイド14の形状やサイズの制約を受けることがない。このため、本実施形態は、少極数の小型のコネクタにも対応することができる。
【0059】
ここで、保持部材12が初期位置にあるときに、アーム部47の前側規制面51が前止め部26の後面に当たることで、保持部材12が初期位置から嵌合位置へと不用意に移動するのを防止することができる。そして、アーム部47の両後側規制面52が両後止め部25の前面に当たることで、保持部材12が初期位置から嵌合位置とは反対側の後方へと不用意に移動するのを防止することができる。また、保持部材12が嵌合位置にあるときに、アーム部47の両後側規制面52が両解除部87の後面に当たることで、雌ハウジング80が保持部材12(ひいてはハウジング10)から離脱するのを規制することができる。
【0060】
上述したように、アーム部47は多機能化されている。このため、アーム部47に備わる複数の機能が保持部材12に個別に設けられる場合に比べ、保持部材12の構造を簡単にすることができる。また、アーム部47の移動規制部49には両解除部87が当たり、保持部材12の前止め状態が解除される。このため、保持部材12の前止め状態を解除する特別な解除操作を行う必要がない。さらに、保持部材12が嵌合位置にあるときには、アーム部47とは別のロックアーム56を介して、保持部材12とハウジング10とを保持状態に留め置くことができる。
【0061】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態の場合、ガイドは、雌ハウジングを全周にわたって包囲する筒状に形成されていたが、他の実施形態としては、ガイドは、周方向に開放された部分を有する形状であっても良い。
上記実施形態の場合、保持部材は、ハウジングに対して仮係止位置と本係止位置とに留め置かれる構成であったが、他の実施形態としては、保持部材は、ハウジングに対して仮係止位置に留め置かれず、仮係止構造(上記実施形態の場合は、下側の係止受け部など)を有しない構成であっても良い。
【符号の説明】
【0062】
10…ハウジング
11…雄端子
12…保持部材
13…ハウジング本体
14…ガイド
15…底壁
16…側壁
17…隔壁
18…連結壁
19…キャビティ
21…ランス
22…係止部
23…側座部
24…前側座部
25…後止め部
26…前止め部
27…背壁
28…周壁
29…貫通孔
30…雄端子に接続された電線
31…ロック受け面
32…位置決め面
33…凹面
34…ハウジングロック部
35…本体部
36…バレル部
37…タブ
38…係止突起
39…前側当て部
41…後側当て部
42…孔部
43…連結板部
44…側板部
45…係止受け部
46…保持突部
47…アーム部
48…受容孔
49…移動規制部
51…前側規制面
52…後側規制面
53…逃がし孔
54…脚部
55…つなぎ部
56…ロックアーム
57…ロック本体
58…位置決め孔
80…雌ハウジング
81…雌端子
82…雌ハウジング本体
83…雌キャビティ
84…雌ランス
85…ハウジングロックアーム
86…ロック突起
87…解除部
88…解除面
89…接続部
90…雌端子に接続された電線
91…雌バレル部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】