(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021068790
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】半導体レーザ素子及び半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20210101AFI20210402BHJP
   H01S 5/02 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   !H01S5/022
   !H01S5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】2019192278
(22)【出願日】20191021
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番5号
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕貴
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目6番5号 ウシオ電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC12
5F173MC15
5F173MD04
5F173MD05
5F173MD07
5F173MD08
5F173MD27
5F173MD35
5F173MD63
5F173MD72
5F173MD84
5F173ME15
5F173ME85
5F173ME90
5F173MF03
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】ファスト軸方向の広がり角を小さく保ちつつ、放熱性を向上させる。
【解決手段】半導体レーザ素子は、サブマウントと、前記サブマウントの第一面側に配置される端面発光型の半導体レーザチップと、を備え、前記半導体レーザチップは、前記第一面側にジャンクションダウン実装により配置され、前記第一面に直交する方向から前記半導体レーザ素子を見たとき、前記半導体レーザチップの光出射端面は、前記サブマウントの外周縁のうち光の出射方向に位置する第一外縁よりも前記サブマウントの内側に位置し、前記光出射端面と前記第一外縁との間の前記第一面上には光反射面が形成されている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブマウントと、前記サブマウントの第一面側に配置される端面発光型の半導体レーザチップと、を備える半導体レーザ素子であって、
前記半導体レーザチップは、前記第一面側にジャンクションダウン実装により配置され、
前記第一面に直交する方向から前記半導体レーザ素子を見たとき、前記半導体レーザチップの光出射端面は、前記サブマウントの外周縁のうち光の出射方向に位置する第一外縁よりも前記サブマウントの内側に位置し、
前記光出射端面と前記第一外縁との間の前記第一面上には光反射面が形成されていることを特徴とする、半導体レーザ素子。
【請求項2】
前記光反射面は、前記サブマウントとは別部材からなることを特徴とする、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
【請求項3】
前記光反射面は前記サブマウントの前記第一面側に積層された光反射層によって形成され、
前記光反射層は、主に金、銀、又はアルミニウムを含む材料からなる光反射膜を備えることを特徴とする、請求項2に記載の半導体レーザ素子。
【請求項4】
前記光反射層は、前記第一面側の全面に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の半導体レーザ素子。
【請求項5】
前記サブマウントと前記半導体レーザチップとが接合される領域には、前記サブマウント側から順に、前記光反射層、半田ブロック層、半田層、及び前記半導体レーザチップが積層されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の半導体レーザ素子。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射される光の出射方向を変更するミラーと、を備え、
前記ミラーは、式(1)を満たすように配置されることを特徴とする、半導体レーザ装置。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.3<θm<45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.7 ・・・式(1)
(式(1)中、θm(度)は前記ミラーの反射面が前記第一面に直交する方向に対してなす角度であり、H(μm)は前記半導体レーザチップの活性層の厚み中心から前記光反射面までの高さであり、θ(度)は前記該半導体レーザチップから出射されるレーザ光のファスト軸方向の広がり角であり、L(μm)は前記光出射端面と前記サブマウント端面との間の距離である。)
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射される光の出射方向を変更するミラーと、を備え、
前記ミラーの反射面は、Si基板の(111)面であることを特徴とする、半導体レーザ装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子と、
前記サブマウントを支持する支持面を有する支持台と、を備え、
前記支持面は、式(2)を満たすことを特徴とする、半導体レーザ装置。
[θ/4−atan(H/L)/2]×0.3<θn<[θ/4−atan(H/L)/2]×1.7 ・・・式(2)
(式(2)中、θn(度)は支持面が前記半導体レーザ素子の出射光の光軸方向に対してなす角度であり、H(μm)は前記半導体レーザチップの活性層の厚み中心から前記光反射面までの高さであり、θ(度)は前記該半導体レーザチップから出射されるレーザ光のファスト軸方向の広がり角であり、L(μm)は前記光出射端面と前記サブマウント端面との間の距離である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、端面発光型の半導体レーザ素子及び該半導体レーザ素子を備える半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至3に示されるように、従来から、端面発光型の半導体レーザ素子600では、半導体レーザチップ80の光出射端面80eから出射される出射光の一部が、半導体レーザチップ80を載置するサブマウント90に遮られて光エネルギーを損失しないように、半導体レーザチップ80の光出射端面80eをサブマウント90の外縁90eから光出射方向に突出させている(図10参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−327753号公報
【特許文献2】特開2018−113377号公報
【特許文献3】特開2019−062033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端面発光型の半導体レーザチップ80は、ファスト軸(「速軸」とも称される。)方向の広がり角θが大きくなる傾向にある。広がり角θが大きいとエタンデュが大きくなり、小さい集光径を得るには後段の光学系において大きなサイズの光学系が必要になるという問題がある。
【0005】
また、半導体レーザ素子の高出力化が進む昨今、半導体レーザ素子の発熱量が増加しており、放熱性の向上が要請されている。しかしながら、半導体レーザチップ80の光出射端面80eをサブマウント90に対して突出させた半導体レーザ素子600では、半導体レーザチップ80を突出させた分だけ、半導体レーザチップ80がサブマウント90と接触する接触面積が小さくなり、放熱性が低下するという問題もある。放熱性の低下は、発光効率の低下要因でもある。
【0006】
特に、本発明者は、とりわけ温度上昇幅の大きい光出射端面80e付近の放熱性の低下を問題視している。つまり、光出射端面80eをサブマウント90の外縁90eから突出させると、該端面付近の放熱性の低下を招き、優先的に冷却すべき光出射端面80e付近を十分に冷却できないことに問題を有している。
【0007】
本発明は、ファスト軸方向の広がり角を小さく保ちつつ、放熱性を向上させた半導体レーザ光源素子、及び該半導体レーザ素子を備える半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
半導体レーザ素子は、サブマウントと、前記サブマウントの第一面側に配置される端面発光型の半導体レーザチップと、を備える半導体レーザ素子であって、
前記半導体レーザチップは、前記第一面側にジャンクションダウン実装により配置され、
前記第一面に直交する方向から前記半導体レーザ素子を見たとき、前記半導体レーザチップの光出射端面は、前記サブマウントの外周縁のうち光の出射方向に位置する第一外縁よりも前記サブマウントの内側に位置し、
前記光出射端面と前記第一外縁との間の前記第一面上には光反射面が形成されている。
【0009】
半導体レーザチップの光出射端面は、サブマウントの第一外縁よりも内側に位置するので、従来構造の半導体レーザ素子に比べて、サブマウントとの接触面積が大きくなり放熱性が向上する。とりわけ温度上昇幅の大きい光出射端面付近がサブマウントの第一外縁よりも内側に位置するため、光出射端面付近で発生した熱がサブマウントへ逃げる経路が増えて高い放熱性が得られる。また、光反射面が第一面上に形成されているので、第一面に入射した光が反射されて出射光のファスト軸方向の広がり角を小さくできる。
【0010】
前記光反射面は、前記サブマウントとは別部材からなるように構成しても構わない。
【0011】
前記光反射面は前記第一面側に積層された光反射層によって形成され、
前記光反射層は、主に金、銀、又はアルミニウムを含む材料からなる光反射膜を備えても構わない。金、銀、又はアルミニウムを含む材料は、総じて光反射率が高く、放熱性に優れている。
【0012】
前記光反射層は、前記第一面側の全面に設けられていても構わない。
【0013】
前記サブマウントと前記半導体レーザチップとが接合される領域には、前記サブマウントから順に、前記光反射層、半田ブロック層、半田層、及び前記半導体レーザチップが積層されても構わない。
【0014】
半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射される光の出射方向を変更するミラーと、を備え、
前記ミラーは、下記式(1)を満たすように配置されていても構わない。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.3<θm<45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.7 ・・・式(1)
(式(1)中、θm(度)は前記ミラーに反射された反射光の光軸が前記第一面に直交する方向に対してなす角度であり、H(μm)は前記半導体レーザチップの活性層の厚み中心から前記光反射面までの高さであり、θ(度)は前記該半導体レーザチップから出射されるレーザ光のファスト軸方向の広がり角であり、L(μm)は前記光出射端面と前記サブマウント端面との間の距離である。)
【0015】
半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子から出射される光の出射方向を変更するミラーと、を備え、前記ミラーの反射面は、Si基板の(111)面である。
【0016】
半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子と、
前記サブマウントを支持する支持面を有する支持台と、を備え、
前記支持台は、式(2)を満たしても構わない。
[θ/4−atan(H/L)/2]×0.3<θn<[θ/4−atan(H/L)/2]×1.7 ・・・式(2)
(式(2)中、θn(度)は支持面が前記半導体レーザ素子の出射光の光軸方向に対してなす角度であり、H(μm)は前記半導体レーザチップの活性層の厚み中心から前記光反射面までの高さであり、θ(度)は前記該半導体レーザチップから出射されるレーザ光のファスト軸方向の広がり角であり、L(μm)は前記光出射端面と前記サブマウント端面との間の距離である。)
【発明の効果】
【0017】
これにより、ファスト軸方向の広がり角を小さく保ちつつ、放熱性を向上させた半導体レーザ素子、及び該半導体レーザ素子を備える半導体レーザ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】本発明に係る半導体レーザ素子の一実施形態の側面図である。
【図1B】図1Aの半導体レーザ素子の上面図である。
【図2A】半導体レーザ素子の出射光の角度分布のシミュレーション結果を示す。
【図2B】コリメータレンズ透過光の角度分布のシミュレーション結果を示す。
【図3】図10に示す半導体レーザ素子の出射光の角度分布のシミュレーション結果を示す。
【図4】ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子の側面図である。
【図5A】ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子の出射光の角度分布のシミュレーション結果を示す。
【図5B】ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子のコリメータレンズ透過光の角度分布のシミュレーション結果を示す。
【図6A】本発明に係る半導体レーザ素子の変形例を示す側面図である。
【図6B】図6Aの半導体レーザ素子の上面図である。
【図7】半導体レーザ素子の出射部分の側面模式図である。
【図8】本発明に係る半導体レーザ装置の一実施形態を示す図である。
【図9】本発明に係る半導体レーザ装置の変形例を示す図である。
【図10】従来構造の半導体レーザ素子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ装置につき、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書に開示された各図面は、あくまで模式的に図示されたものである。すなわち、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致しておらず、また、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
【0020】
以下において、XYZ座標系を適宜参照して説明される。また、本明細書において、方向を表現する際に、正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「−X方向」のように、正負の符号を付して記載される。また、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「−X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。
【0021】
[半導体レーザ素子の構造]
図1A及び図1Bを参照して、半導体レーザ素子の構造の一実施形態を説明する。図1Aは半導体レーザ素子100の側面図、図1Bは半導体レーザ素子100の上面図を示している。半導体レーザ素子100は、サブマウント50の第一面51側に、端面発光型の半導体レーザチップ10が配置されている。本実施形態において第一面51はXY平面に平行である。なお、図1A及び図1Bでは、半導体レーザチップ10のエミッタ(後述の光出射端面10eに対応する。)がXZ平面に平行であって、ファスト軸方向がZ方向、スロー軸(「遅軸」とも称される。)方向がX方向であり、エミッタから出射される光(後述する光反射面で反射されるまでの光)の光軸方向がY方向であるものとして図示されている。
【0022】
半導体レーザチップ10は、半導体基板1上にn型クラッド層2、活性層(p−n接合層)3及びp型クラッド層4が−Z方向に積層された領域を有している。p型クラッド層4は、n型クラッド層2よりもサブマウント50に近い配置であり、いわゆるジャンクションダウン実装されている。ジャンクションダウン実装の詳細については後述する。n型クラッド層2とp型クラッド層4に電圧が印加されると、活性層3において光が発生し増幅されて、活性層3の両端に設けられたへき開面のうちの一方がエミッタとして機能し、レーザ光を出射する。上面図である図1Bにおいて、レーザ光を出射するエミッタを含む半導体レーザチップ10の光出射端面10eは、直線状の端縁として表される。
【0023】
図1Aに示される、半導体レーザチップ10から出射する出射光のYZ平面における広がり角θは、ファスト軸方向における広がり角を示す。図1Bに示される、半導体レーザチップ10から出射する出射光の、XY平面における広がり角θはスロー軸方向における広がり角を示す。半導体レーザチップ10の構造上、ファスト軸方向における広がり角θは、スロー軸方向における広がり角θよりも大きくなる。
【0024】
サブマウント50は、例えばサブマウントの面上に不図示の電極配線が設けられることで、半導体レーザチップ10に対する給電のための電気的な接続を形成する。また、サブマウント50は、発光に伴い半導体レーザチップ10に生じる熱を、サブマウント50を支持する支持台(ヒートシンク)側へ逃がす機能も有している。そのため、サブマウント50には熱伝導率の高い材料を用いるとよい。加えて、サブマウント50は半導体レーザチップ10と接合されるため、サブマウント50には、半導体レーザチップ10を構成する材料と線膨張係数差の小さい材料を用いるとよい。
【0025】
図1Bの上面図において、サブマウント50は、サブマウント50を囲む外周縁を有する。外周縁のうち、半導体レーザチップ10の光出射端面10eから出射される出射光の出射方向(図1Bの例では+Y方向)に位置する外縁を第一外縁50eという。そして、図1Bのように、第一面51に直交する方向(すなわちZ方向)から半導体レーザ素子100を見たとき、半導体レーザチップ10の光出射端面10eは、第一外縁50eよりもサブマウント50の内側に位置している。言い換えると、光出射端面10eは、Y方向に関して、第一外縁50eよりも、サブマウント50の第一面51における中心点51cに近い位置にある。
【0026】
なお、後述するように、図1Aに示す半導体レーザ素子100は、サブマウント50の第一面51上に形成された光反射層40を有してなる。このため、図1Bのように、半導体レーザ素子100を、Z方向から見た場合、光反射層40が最上面に現れており、サブマウント50の第一面51は光反射層40に隠れている。このことを明示する意図で、図1Bでは、光反射層40の下層に第一面51が存在することを示すために、符号40に併せて、カッコ書きで符号51が付記されている。
【0027】
半導体レーザチップ10の光出射端面10eは、第一外縁50eよりもサブマウント50の内側に位置する。そのため、光出射端面10eと第一外縁50eとの間に第一面51の一部が位置する。光出射端面10eと第一外縁50eとの間に位置する第一面51上には、光反射面が形成されている。
【0028】
光反射面の一実施形態として、図1Aに示されるように、第一面51に光反射層40が積層されている。光反射層40は光反射膜を含んでいる。光反射膜は、例えば、金、銀又はアルミニウム等を主に含む金属蒸着膜で構成されていても構わない。金属蒸着膜は、半導体レーザチップ10が出射する出射光の波長に対して光反射率の高い材料を使用すると好ましい。例えば、赤色帯域の光を出射する半導体レーザ素子には当該帯域に対して高い光反射率を示す金又は銀又はアルミニウム膜が好ましく、青色帯域の光を出射する半導体レーザ素子には、当該帯域に対して高い光反射率を示す銀又はアルミニウム膜が好ましい。なお、ここでいう「光反射率が高い」とは、入射光量に対する反射光量の比率が50%以上であるものを指す。光反射膜の構成材料は、光反射率が70%以上を示すものがより好ましく、80%以上を示すものが特により好ましい。反射率が高いと、利用できる光の光強度が高くなる。さらに、第一面に入射した光がサブマウントで吸収される量を低減でき、サブマウントの温度上昇を抑制して放熱性が向上する。
【0029】
光反射膜が金属蒸着膜で構成される場合には、金属蒸着膜を凹凸なく蒸着させるために、サブマウント50の少なくとも第一面51は結晶材料が使用されても構わない。結晶材料という条件に加えて、半導体レーザチップ10の構成材料との間の線膨張係数差が小さいという条件を合わせて鑑みると、サブマウント50は、SiC(単結晶又は多結晶)、AlN、CuW、ダイヤモンド又はグラフェン等で構成されてもよい。また、サブマウント50は、SiC(単結晶又は多結晶)、AlN、CuW、ダイヤモンド又はグラフェン等の材料に熱伝導率の高い銅などの厚膜(厚み数十μm〜数百μm)を形成した複合材料で構成されてもよい。
【0030】
光反射層40は、光反射膜の上に増反射膜や保護膜を積層したものでも構わない。増反射膜は、1以上の誘電体膜を積層して光反射膜よりも反射率を上昇させるための膜である。保護膜は、光反射膜を傷や酸化から保護するための膜である。さらに、光反射膜の下に、光反射膜の密着性を向上するための下層膜を積層したものでも構わない。
【0031】
光反射面の他の実施形態として、第一面51上に光反射面を有するシート状材料を貼り付けても構わない。さらなる光反射面の他の実施形態として、サブマウント50自体が光反射性を示す材料からなる場合には、別部材たる光反射層40やシート状材料を第一面51上に設けなくても良い。つまり、この場合、Y方向に関して光出射端面10eとサブマウント50の第一外縁50eの間に位置するサブマウント50の第一面51自体が、光反射面を構成する。
【0032】
図1Aに示されるように、サブマウント50の第一面51の全面を覆うように、光反射層40を形成しても構わない。光反射層40が蒸着法により成膜される場合には、光反射層40を全面に形成するときに、光反射層40の成膜前に光反射層40を形成しない領域をマスクして成膜しないようにしたり、光反射層40の成膜後に一部の光反射層を除去したりする必要がないという点で、製造工程の簡略化が可能となる。
【0033】
図1Aに示されるように、サブマウント50と半導体レーザチップ10とが接合される接合領域に光反射層40が積層されている場合には、該接合領域では、サブマウント50側から順に、光反射層40、半田ブロック層30、半田層20及び半導体レーザチップ10が積層される構成を呈する。半田層20は、例えば、AuSn、AuGe、In等で構成され、接着層として機能する。半田ブロック層30は、半田層20の成分が光反射層40に浸透し広がらないように設けられ、例えばPt、Ti、Ni等で構成される。
【0034】
仮に、半田ブロック層30が存在せず、Au膜で構成された光反射層40とAuSn膜で構成された半田層20とが隣接している場合、半田層20に含まれるSn成分は光反射層40のAu膜に徐々に浸透して広がっていく。そうすると、光反射層40のAu膜表面にSn成分が入り込む。Snの混じったAu膜は光反射率を低下させるなどの問題を招くおそれがある。加えて、光反射率が低下するとサブマウント50で吸収される光が増加して、吸収される光が熱に変わり、放熱性の低下を招くおそれがある。
【0035】
半田ブロック層30が光反射層40と半田層20との間に介在することで、半田層20の成分が光反射層40に浸透して広がっていくことを抑制する。これにより光反射層40における光反射率の低下を防止するとともに、放熱性の低下を抑制する。
【0036】
[出射光の光特性分析]
本実施形態に係る半導体レーザ素子の出射光の光特性を、従来構造の、半導体レーザチップがサブマウントより突出した半導体レーザ素子の出射光の光特性と比較分析した。図2Aは、図1に示される半導体レーザ素子100の出射光の角度分布のシミュレーション結果を示す。図3は、図10に示される従来構造の半導体レーザ素子の出射光の角度分布のシミュレーション結果である。
【0037】
シミュレーション条件を説明する。本実施形態の半導体レーザ素子100における、活性層3の厚み(Z方向)中心からサブマウント50の光反射層40までのZ方向に係る距離H(図1A参照)は6(μm)であり、光出射端面10eと第一外縁50eとの間のY方向に係る距離L(図1B参照)は100(μm)である。サブマウント50はSiC単結晶で構成され、該SiC単結晶上に、光反射層40としてAu膜が成膜されている。そして、サブマウント50に向かう出射光の大部分がこのAu膜に入射して、反射される。
【0038】
半導体レーザチップの出射光に関して、波長639nmに光強度ピークを有し、TMモードの出射光を使用する。エミッタのサイズは、ファスト軸方向に1μm、スロー軸方向に80μmを呈する。本実施形態に設けられるAu膜は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光製V−7200)で実測すると、84〜92%の反射率を有する。なお、これらシミュレーション条件の内容及び数値は特定するための一例であって、これに拘束されず使用できる。以降、本実施形態の上記シミュレーション条件に合致した半導体レーザ素子を、「第一レーザ素子」と呼び、上述した従来構造の半導体レーザ素子を「従来素子」と呼ぶことがある。
【0039】
出射光の角度分布を作成するためのシミュレーション手順を説明する。まず、半導体レーザ素子を有する半導体レーザ装置の後段に、光軸に直交する被照射面を想定し、該被照射面における出射光の放射強度マップを算出する。次に、スロー軸方向について放射強度マップの値を積分し、ファスト軸を横軸に前記積分した放射強度マップの値を縦軸にプロットすることで、ファスト軸方向に関する出射光の角度分布を作成する。次に、ファスト軸とスロー軸を入れ替えて同様の処理を行うことで、スロー軸に関する出射光の角度分布を作成する。
【0040】
図3の従来素子の出射光の角度分布では、光軸A(図10参照)に沿って+Y方向に進む光の角度を0度とし、光軸Aより+Z側の広がり角を有する光を正の角度とし、光軸Aより−Z側の広がり角を有する光を負の角度として表される。図3より、ファスト軸方向及びスロー軸方向ともに、概ね左右対称であることが確認される。つまり、半導体レーザチップ80がサブマウント90より突出しているため、出射光が遮蔽されず、光軸Aより+Z側の広がり角と光軸Aより−Z側の広がり角が等しいことを表している。なお、ファスト軸方向の光強度の角度分布が、スロー軸方向の光強度の角度分布よりも広いことも確認される。
【0041】
図2Aの第一レーザ素子の出射光の角度分布について、第一レーザ素子のスロー軸方向の角度分布は、従来素子(図3)のスロー軸の角度分布と同様である。しかしながら、第一レーザ素子のファスト軸方向の角度分布について、広がり角が−3度以下の光は光反射層40の面(光反射面)で反射されるため、光強度が減少している。広がり角が−3度を超えて+3度未満の光は、半導体レーザチップ10からの直接光のみからなり反射光を含まない。広がり角が+3度以上の光は、半導体レーザチップ10からの直接光と光反射面で反射された光とが重なり、重なった分だけ光強度が高くなる。これにより、第一レーザ素子からの出射光は、従来素子の出射光よりも、広がり角の小さく光強度の高い光束を形成する。
【0042】
なお、光束を光強度ピーク値の1/e以上の光強度のある光の集合で定義し、係る定義に基づいて出射光の広がり角を算出すると、従来素子(図10)の出射光の広がり角は68度となるのに対し、第一レーザ素子(図2A)の出射光の広がり角は38度となり、出射光の広がり角が狭角化していることがわかる。
【0043】
[ジャンクションダウン実装の優位性]
上述したように、本発明に係る半導体レーザ素子はジャンクションダウン実装により配置されている。ジャンクションダウン実装では、図1Aに示されるように、p型クラッド層4を活性層3とサブマウント50との間に配置する。そのため、半導体レーザチップ10の半導体基板1側をサブマウント50から最も離れた位置になるように、半導体レーザチップ10を配置している(図1A参照)。
【0044】
図4に、ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子700の側面図を示す。ジャンクションアップ実装では、図4に示されるように、n型クラッド層2を活性層3とサブマウント50との間に配置する。そのため、半導体レーザチップ10の半導体基板1側をサブマウント50から最も近づいた位置になるように、半導体レーザチップ10を配置する。ジャンクションダウン実装は、ジャンクションアップ実装に比べて、以下の点において優れている。
【0045】
第一に、p型クラッド層4はn型クラッド層2よりも薄いため、ジャンクションダウン実装は、ジャンクションアップ実装に比べて、発熱する活性層3からサブマウント50までの距離が短くなり、排熱性が高い。
【0046】
第二に、半導体レーザチップ10の光出射端面10eを光の出射方向に位置する第一外縁50eよりもサブマウント50の内側に配置する場合において、ジャンクションダウン実装により配置された半導体レーザ素子の出射光は、ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子の出射光よりも、光源サイズが拡大しにくいという点において優れている。以下に詳しく述べる。
【0047】
ジャンクションダウン実装により配置された半導体レーザ素子の出射光特性の優位性について、ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子の出射光特性と比較しながら説明する。
【0048】
図2Aは、上述したように、ジャンクションダウン実装により配置された第一レーザ素子の(後述するコリメータレンズを透過する前の)出射光の角度分布である。図2Bは、図2Aの光特性を有する第一レーザ素子の出射光がコリメータレンズを透過した後の角度分布のシミュレーション結果を示している。なお、コリメータレンズは、図8及び図9にそれぞれ符号500で例示されており、半導体レーザ装置から出射される光の広がり角を平行にするために、半導体レーザ装置の後段に設けられる。
【0049】
図5Aは、比較のための、ジャンクションアップ実装により配置された半導体レーザ素子(以降、「参考レーザ素子」と呼ぶことがある。)の出射光の角度分布を示しており、図5Bは、参考レーザ素子の出射光がコリメータレンズを透過した後の角度分布のシミュレーション結果を示している。
【0050】
参考レーザ素子のシミュレーション条件について説明する。参考レーザ素子における、活性層の厚み中心からサブマウントの光反射層までの距離Hは100(μm)である。第一レーザ素子における距離Hと距離Lとの数値比と同値に設定するために、参考レーザ素子における光出射端面10eとサブマウントの第一外縁50eとの間の距離Lは1.66(mm)に設定されている。上述したように、第一レーザ素子と参考レーザ素子とは、サブマウント50上での半導体レーザチップ10の配置が異なる。しかしながら、その他の条件、例えば、波長639nmに光強度ピークを有しTMモードを呈する点、反射面がSiC単結晶上に成膜されたAu膜である点などは、第一レーザ素子と参考レーザ素子との間で違いがない。
【0051】
参考レーザ素子の出射光の角度分布(図5A)は、第一レーザ素子の出射光角度分布(図2A)に似た形状を示すことが確認される。しかしながら、コリメータレンズを透過した後の光強度の角度分布について第一レーザ素子と参考レーザ素子とを比較すると、参考レーザ素子の角度分布が互いに離間した2つのピークを有するのに対し(図5B)、第一レーザ素子の角度分布が1つのピーク又は互いに近接した2つのピークを有する(図2B)。
【0052】
第一レーザ素子の角度分布が1つのピーク又は互いに近接した2つのピークを有し、参考レーザ素子の角度分布が互いに離間した2つのピークを有する理由は、エミッタと反射面との間のZ方向における間隔の違いによるものと考えられる。ジャンクションアップ実装は、ジャンクションダウン実装に比べて、エミッタと反射面との間のZ方向における間隔が大きくなり、被照射面側からみて、エミッタとエミッタの反射面で反射された鏡像との間隔が大きくなる。そのため、コリメータレンズを透過した後の光強度の角度分布としてみたとき、互いに離間した2つのピークを有するように見える。エミッタとエミッタの鏡像との間隔が大きくなることは光源サイズの拡大を意味し、それに伴いエタンデュが大きくなって、後段の光学系において大きなサイズの光学系が必要になる。ジャンクションダウン実装では、コリメータレンズを透過した後の光強度の角度分布が、1つのピーク(又は互いに近接した2つのピーク)を有することからも分かるように、エミッタとエミッタの反射面で反射された鏡像との間隔が小さく、光源サイズが拡大しにくいため、後段の光学系の小型化・単純化を図ることができる。
【0053】
図6Aは半導体レーザ素子の変形例を示す側面図であり、図6Bは図6Aに示された半導体レーザ素子の上面図である。半導体レーザ素子110において、光反射層40は、半導体レーザチップ10からの出射光が照射され得る領域付近の第一面51上にのみ存在する。そして、サブマウント50と半導体レーザチップ10とが接合される接合領域において、サブマウント50と半導体レーザチップ10との間に光反射層40が介在せず、両者を接着するための半田層20が介在するのみである。そして、光反射層40と半田層20との間には、半田層20が光反射層40まで到達できない程度の隙間Gがある。隙間Gがあるので、半田層20の成分が光反射層40まで浸透し広がることはない。よって、本変形例では半田ブロック層30が不要となるという点で、製造工程の簡略化が可能となる。
【0054】
[出射光の傾斜]
図7は、半導体レーザ素子100の出射部分の側面模式図である。なお、当図において、反射層や半田層等は図示を省略している。半導体レーザチップ10からの直接光に、光反射面で反射された光が加えられた結果、半導体レーザ素子100から出射される光束Bは、活性層の延在方向に平行な+Y方向に進行せず、斜め上方向(+Yかつ+Z方向)に進行する。
【0055】
光束Bの斜め上方向へ出射に関し、光束Bの光軸Bcと活性層3の延在する(エミッタから出射する)Y方向と間に形成される角θcを用いて算出する。まず、半導体レーザチップ10のファスト軸方向の広がり角をθ、半導体レーザチップの活性層3の厚み中心から反射面までの高さをH、光出射端面10eと第一外縁50eとの間の距離をLとすると、光束Bの広がり角θは式(3)のごとく表すことができる。
θ=θ/2+atan(H/L) ・・・式(3)

式(3)より、光束Bの光軸BcとY方向と間に形成される角θcは、式(4)のごとく表すことができる。
θ=θ/2−atan(H/L)
=θ/4−atan(H/L)/2 ・・・式(4)

式(4)より、例えば、H=6(μm)、L=100(μm)、θ=68(度)の場合に、角θcは、15.3度となることが導かれる。
【0056】
[半導体レーザ装置]
上述したように、半導体レーザチップ10から直接出射された光に、光反射面で反射された光が加えられた結果、半導体レーザ素子100から出射される光束は、活性層3の延在方向に平行な+Y方向に進行せず、斜め上方向(+Yかつ+Z方向)に進行する。このように斜めの方向に進行する光が出射されると、後段の光学系を設置する際にはアライメントが複雑化する懸念がある。そこで、本実施形態の半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子からの出射光を+Z方向に取り出すべく、出射光の出射方向を変更するために、ミラーを使用する。
【0057】
図8には半導体レーザ装置の一実施形態が開示されている。半導体レーザ装置300は、半導体レーザ素子100とミラー200とを含む。図8から分かるように、ミラー200の反射面がZ軸に対してなす角度θmは、角θcとの間に、式(5)が成立する。
2θm+θc=90 ・・・式(5)

式(4)と式(5)より、ミラー200の反射面がZ軸に対してなす角度θmは、式(6)のごとく表される。
θm=45−θc/2
=45−θ/8+atan(H/L)/4 ・・・式(6)
【0058】
半導体レーザ装置300の出射光は、実際には、+Z方向を中心に±70%の角度のずれ量を許容できる。よって、角度θm(度)は、以下の式(1)を満たすとよい。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.3<θm<45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.7 ・・・式(1)
ここで、例えばH=6(μm)、L=100(μm)、θ=68(度)の場合には、θm(度)は、32.0<θm<42.7の範囲をとる。
【0059】
さらに望ましくは、半導体レーザ装置300の出射光は、+Z方向を中心に±50%の角度のずれ量を許容できる。よって、角度θm(度)は、以下の式(7)を満たすとよい。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.5<θm<45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.5 ・・・式(7)
ここで、例えばH=6(μm)、L=100(μm)、θ=68(度)の場合には、θm(度)は、33.5<θm<41.2の範囲をとる。つまり、係る条件を満たす半導体レーザ素子100を水平に配置し、ミラー200の反射面がZ軸に対してなす角度θmをこの範囲に収まるように固定することで、出射光を+Z方向(許容量を含む)に取り出すことのできる半導体レーザ装置300が得られる。
【0060】
ミラー200の反射面として、例えばSi基板を水酸化カリウム(KOH)や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ溶液を用いて異方性エッチングをして得られる(111)面を用いることができる。エッチング後に現れる(111)面と(100)面との角度は54.7度であることが知られており、この面を利用することでθm=90°−54.7°=35.3°のミラーが得られる。反射面には金属膜や誘電体膜からなる反射膜を設けても良い。ミラー200の他の実施形態として、平面ミラーをθm傾けて配置しても良く、ガラス棒をθmの角度で切断した面に反射膜を形成しても良い。
【0061】
半導体レーザ装置300から出射された光は、コリメータレンズ500により平行光に変換されるとともに目的に応じた種々の光学系(不図示)を経て、プロジェクタ等のレーザを利用する製品に供される。
【0062】
図9には半導体レーザ装置の変形例が開示されている。図9に示された半導体レーザ装置400は、半導体レーザ素子100と、半導体レーザ素子100のサブマウント50を支持する支持台250と、を含む。支持台250は、半導体レーザ素子からの出射光を+Z方向に取り出すために、サブマウント50を支持する支持面60がZ方向に対して傾斜して設けられている。支持面60が半導体レーザ素子100の出射光の光軸Bc方向に対してなす角度θnは角θcと同じ値をとるため、式(4)から以下の式(7)が得られる。
θn=θc
=θ/4−atan(H/L)/2 ・・・式(8)
【0063】
ただし、半導体レーザ装置400の出射光は、実際には、+Z方向を中心に±70%の角度のずれ量を許容できる。よって、角度θn(度)は、以下の式(2)を満たすとよい。
[θ/4−atan(H/L)/2]×0.3<θn<[θ/4−atan(H/L)/2]×1.7 ・・・式(2)
ここで、例えばH=6(μm)、L=100(μm)、θ=68度の場合には、θn(度)は、4.6<θn<26.0の範囲をとる。
【0064】
さらに望ましくは、半導体レーザ装置400の出射光は、実際には、+Z方向を中心に±50%の角度のずれ量を許容できる。よって、角度θn(度)は、以下の式(9)を満たすとよい。
[θ/4−atan(H/L)/2]×0.5<θn<[θ/4−atan(H/L)/2]×1.5 ・・・式(9)
ここで、例えばH=6(μm)、L=100(μm)、θ=68度の場合には、θn(度)は、7.6<θn<22.9の範囲をとる。
【0065】
つまり、角度θnが上記範囲に収まる支持面60を有する支持台250を設計することで、出射光を+Z方向(許容量を含む)に取り出すことのできる半導体レーザ装置400が得られる。
【0066】
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 :半導体基板
2 :n型クラッド層
3 :活性層
4 :p型クラッド層
10 :半導体レーザチップ
10e :(半導体レーザチップの)光出射端面
20 :半田層
30 :半田ブロック層
40 :光反射層
50 :サブマウント
50e :(サブマウントの)第一外縁
51 :(サブマウントの)第一面
100 :半導体レーザ素子
200 :ミラー
250 :支持台
300、400 :半導体レーザ装置
500 :コリメータレンズ
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【手続補正書】
【提出日】20191031
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射される光の出射方向を変更するミラーと、を備え、
前記ミラーは、式(1)を満たすように配置されることを特徴とする、半導体レーザ装置。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.3θm45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.7 ・・・式(1)
(式(1)中、θm(度)は前記ミラーの反射面が前記第一面に直交する方向に対してなす角度であり、H(μm)は前記半導体レーザチップの活性層の厚み中心から前記光反射面までの高さであり、θ(度)は前記該半導体レーザチップから出射されるレーザ光のファスト軸方向の広がり角であり、L(μm)は前記光出射端面と前記サブマウント端面との間の距離である。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射される光の出射方向を変更するミラーと、を備え、
前記ミラーは、下記式(1)を満たすように配置されても構わない。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.3θm45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.7 ・・・式(1)
(式(1)中、θm(度)は前記ミラーに反射された反射光の光軸が前記第一面に直交する方向に対してなす角度であり、H(μm)は前記半導体レーザチップの活性層の厚み中心から前記光反射面までの高さであり、θ(度)は前記該半導体レーザチップから出射されるレーザ光のファスト軸方向の広がり角であり、L(μm)は前記光出射端面と前記サブマウント端面との間の距離である。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
半導体レーザ装置300の出射光は、実際には、+Z方向を中心に±70%の角度のずれ量を許容できる。よって、角度θm(度)は、以下の式(1)を満たすとよい。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.3θm45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.7 ・・・式(1)
ここで、例えばH=6(μm)、L=100(μm)、θ=68(度)の場合には、θm(度)は、32.0<θm<42.7の範囲をとる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
さらに望ましくは、半導体レーザ装置300の出射光は、+Z方向を中心に±50%の角度のずれ量を許容できる。よって、角度θm(度)は、以下の式(7)を満たすとよい。
45−[θ/8−atan(H/L)/4]×0.5θm45−[θ/8−atan(H/L)/4]×1.5 ・・・式(7)
ここで、例えばH=6(μm)、L=100(μm)、θ=68(度)の場合には、θm(度)は、33.5<θm<41.2の範囲をとる。つまり、係る条件を満たす半導体レーザ素子100を水平に配置し、ミラー200の反射面がZ軸に対してなす角度θmをこの範囲に収まるように固定することで、出射光を+Z方向(許容量を含む)に取り出すことのできる半導体レーザ装置300が得られる。