(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021068825
(43)【公開日】20210430
(54)【発明の名称】インダクタアレイ部品およびインダクタアレイ部品内蔵基板
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20210402BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20210402BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20210402BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20210402BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20210402BHJP
   H01F 41/10 20060101ALI20210402BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20210402BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   !H01F17/04 A
   !H01F17/00 B
   !H01F27/29 P
   !H01F27/29 123
   !H01F27/28 104
   !H01F41/04 C
   !H01F41/10 C
   !H05K1/16 B
   !H05K3/46 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】2019193664
(22)【出願日】20191024
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
【住所又は居所】京都府長岡京市東神足1丁目10番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 由雅
【住所又は居所】京都府長岡京市東神足1丁目10番1号 株式会社村田製作所内
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 顕徳
【住所又は居所】京都府長岡京市東神足1丁目10番1号 株式会社村田製作所内
【テーマコード(参考)】
4E351
5E043
5E062
5E070
5E316
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351AA03
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4E351BB09
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5E316HH24
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5E316HH40
5E316JJ14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回路設計の自由度を向上できるインダクタアレイ部品およびインダクタアレイ部品内蔵基板を提供する。
【解決手段】インダクタアレイ部品1は、樹脂と樹脂に含有された金属磁性粉とを含む磁性層を含む平板状の本体10と、本体内の同一の平面上に配置され、互いに隣接する第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22と、第1インダクタ配線の第1端21a側及び第2端21b側並びに第2インダクタ配線の第1端22a側及び第2端22b側のそれぞれから本体の内部を貫通するように平面に対して法線方向の第1方向に延在し、本体の第1主面10a側で露出する複数の第1垂直配線51と、第1インダクタ配線の第1端側及び第2端側並びに第2インダクタ配線の第1端側及び第2端側のそれぞれから本体の内部を貫通するように平面に対して法線方向の第2方向に延在し、本体の第2主面側で露出する複数の第2垂直配線とを備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と前記樹脂に含有された金属磁性粉とを含む磁性層を含む平板状の本体と、
前記本体内の同一の平面上に配置され、互いに隣接する第1インダクタ配線および第2インダクタ配線と、
前記第1インダクタ配線の第1端側及び第2端側、および前記第2インダクタ配線の第1端側及び第2端側のそれぞれから前記本体の内部を貫通するように前記平面に対して法線方向の第1方向に延在し、前記本体の第1主面側で露出する複数の第1垂直配線と、
前記第1インダクタ配線の前記第1端側及び前記第2端側、および前記第2インダクタ配線の前記第1端側及び前記第2端側のそれぞれから前記本体の内部を貫通するように前記平面に対して法線方向の第2方向に延在し、前記本体の第2主面側で露出する複数の第2垂直配線と
を備える、インダクタアレイ部品。
【請求項2】
前記複数の第1垂直配線のそれぞれに対し、同じ位置から前記第2方向に延在する前記第2垂直配線の中心軸は、当該第1垂直配線の中心軸と同一軸上に存在する、請求項1に記載のインダクタアレイ部品。
【請求項3】
前記複数の第1垂直配線のそれぞれに対し、同じ位置から前記第2方向に延在する前記第2垂直配線の断面積は、当該第1垂直配線の断面積と異なる、請求項1または2に記載のインダクタアレイ部品。
【請求項4】
前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線の少なくとも一部を被覆する非磁性体の絶縁層をさらに備える、請求項1から3の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項5】
前記絶縁層は、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂およびビニルエーテル系樹脂のうち、少なくとも1つを含む、請求項4に記載のインダクタアレイ部品。
【請求項6】
前記複数の第1垂直配線および前記複数の第2垂直配線の少なくとも一つは、前記第1インダクタ配線又は前記第2インダクタ配線の前記第1端又は前記第2端から前記法線方向に延在し前記絶縁層の内部を貫通するビア導体と、前記ビア導体から前記法線方向に延在し前記磁性層の内部を貫通する柱状配線と、を含む、請求項4または5に記載のインダクタアレイ部品。
【請求項7】
同じ位置から前記法線方向に延在する前記第1垂直配線および前記第2垂直配線の組において、一方は、前記ビア導体と前記柱状配線を含み、他方は、前記ビア導体を含まない、請求項6に記載のインダクタアレイ部品。
【請求項8】
前記複数の第1垂直配線および前記複数の第2垂直配線について、前記金属磁性粉との最小距離は、200nm以下である、請求項1から7の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項9】
前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線について、前記金属磁性粉との最小距離は、200nm以下である、請求項1から8の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項10】
前記磁性層は、凹凸を有し前記平面に平行な主面を含み、
前記磁性層の前記主面の前記凹凸の算術平均粗さRは、前記磁性層の厚さTの1/10以下である、請求項1から9の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項11】
前記磁性層の表面に設けられた被覆膜をさらに備える、請求項1から10の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項12】
前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線の前記法線方向に積層された複数のインダクタ配線をさらに備える、請求項1から11の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項13】
前記法線方向に異なる層のインダクタ配線を接続する複数の層間ビア導体をさらに備え、
前記複数の層間ビア導体の少なくとも一つの中心軸は、前記第1垂直配線および前記第2垂直配線のそれぞれの中心軸と異なる、請求項12に記載のインダクタアレイ部品。
【請求項14】
前記金属磁性粉の平均粒径は、前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線の前記法線方向から見た内磁路の内接円の1/30以上1/3以下である、請求項1から13の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項15】
前記金属磁性粉の平均粒径は、前記第1インダクタ配線と前記第2インダクタ配線の間の最大距離の1/30以上1/3以下である、請求項1から14の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項16】
前記金属磁性粉の平均粒径は、前記磁性層の厚さTの1/10以上2/3以下である、請求項1から15の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項17】
前記磁性層は、さらにフェライト粉を含む、請求項1から16の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項18】
前記磁性層は、絶縁体からなる非磁性粉を含む、請求項1から17の何れか一つに記載のインダクタアレイ部品。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一つに記載のインダクタアレイ部品と、
前記インダクタアレイ部品が埋め込まれた基板と、
前記基板の主面に沿った方向に延在するパターン部と、前記基板の厚み方向に延在する基板ビア部とを含む基板配線と
を備え、
前記基板配線は、前記基板ビア部において、前記インダクタアレイ部品と接続している、インダクタアレイ部品内蔵基板。
【請求項20】
前記基板配線の前記パターン部は、前記インダクタ配線が配置された平面に対して、平行に配置されている、請求項19に記載のインダクタアレイ部品内蔵基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタアレイ部品およびインダクタアレイ部品内蔵基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インダクタ部品内蔵基板としては、特開2004−319875号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このインダクタ部品内蔵基板は、巻線構造のインダクタ部品と、インダクタ部品が埋め込まれた基板とを備える。該インダクタ部品の巻線のコイル径は基板の厚み方向と平行である。
【0003】
また、特開2014−197590号公報(特許文献2)には、平面状に巻回されたインダクタ配線と、インダクタ配線が巻回された平面の法線方向両側からインダクタ配線を挟む位置にある第1磁性層および第2磁性層とを備えるインダクタ部品が記載されている。このインダクタ部品の外形は、直方体であり、上記法線方向と垂直な上面および下面と、上記法線方向と平行な4つの側面を有している。該インダクタは、表面実装型のチップ部品であり、インダクタ配線は、その外周端に接続された引出部(端子電極+引出電極)を介して、外部電極に接続されている。引出部は上記側面から、外部電極は上記上面からそれぞれ外部に露出し、L字状の外部端子を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−319875号公報
【特許文献2】特開2014−197590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インダクタ部品の小型・低背化に伴い、従来の表面実装だけでなく、SiP(System in Package)技術やPoP(Package on Package)技術などを適用したインダクタ部品の3次元実装が検討されている。例えば、インダクタ部品を基板に埋め込むことにより、システム全体を小型・薄型化することができる。しかしながら、特許文献1のインダクタ内蔵基板では、インダクタ部品が巻線構造であることや、巻線のコイル径が基板の厚み方向と平行であることから、基板を薄くした場合に、インダクタ部品の特性を維持することが難しい。
【0006】
そこで、特許文献2のインダクタ部品を、インダクタ配線が巻回された平面と基板の厚み方向とが直交するように基板に埋め込むことが考えられる。これにより、基板の薄型化によるインダクタ部品の特性への影響を小さくすることができる。
【0007】
一方で、特許文献2のインダクタ部品は、表面実装を想定しており、3次元実装に対応した構成となっているとは言い難い。例えば、特許文献2のインダクタ部品では、インダクタ配線は、引出部により、一旦インダクタ部品の側面側(インダクタ配線が巻回された平面に沿った方向=基板の主面方向)に引き出されてから外部端子に接続されている。これは、表面実装では、基板の配線パターンは基板の主面に沿って、側面側からインダクタ部品に接続されることを想定したものである。一方で、3次元実装ではインダクタ部品に対して上面側または下面側から基板の配線パターンが接続されるが、特許文献2のインダクタ部品のように、インダクタ配線が一旦側面側に引き出されていると、配線パターンは、一旦インダクタ部品の側面側に迂回してからインダクタ配線と接続することになり、不要な配線引き回しが発生する。
【0008】
また、特許文献2のインダクタ部品のようにL字状の外部端子だけではなく、上面または下面のみから外部端子を露出させた底面電極型のインダクタ部品なども含めた表面実装型のインダクタ部品では、外部端子は、基本的に側面側に寄せて配置される。これは、表面実装では、インダクタ部品は基板にはんだ実装されるため、はんだの濡れ広がりによる電極間ショートを防ぐよう、なるべく外部端子間の間隔を広く取るためである。一方で、3次元実装においては、インダクタ部品と基板の配線パターンとの接続ははんだ実装とは限らない。よって、広い外部端子間の間隔は、不要な配線引き回しに繋がるおそれがある。
【0009】
そこで、本開示の課題は、3次元実装にも対応することで、回路設計の自由度を向上できるインダクタアレイ部品およびインダクタアレイ部品内蔵基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるインダクタアレイ部品は、
樹脂と前記樹脂に含有された金属磁性粉とを含む磁性層を含む平板状の本体と、
前記本体内の同一の平面上に配置され、互いに隣接する第1インダクタ配線および第2インダクタ配線と、
前記第1インダクタ配線の第1端側及び第2端側、および前記第2インダクタ配線の第1端側及び第2端側のそれぞれから前記本体の内部を貫通するように前記平面に対して法線方向の第1方向に延在し、前記本体の第1主面側で露出する複数の第1垂直配線と、
前記第1インダクタ配線の前記第1端側及び前記第2端側、および前記第2インダクタ配線の前記第1端側及び前記第2端側のそれぞれから前記本体の内部を貫通するように前記平面に対して法線方向の第2方向に延在し、前記本体の第2主面側で露出する複数の第2垂直配線と
を備える。
【0011】
本開示のインダクタアレイ部品によれば、第1、第2垂直配線が第1、第2インダクタ配線に対して第1方向及び第2方向に引き出されることで、配線との接続の自由度が向上する。
【0012】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記複数の第1垂直配線のそれぞれに対し、同じ位置から前記第2方向に延在する前記第2垂直配線の中心軸は、当該第1垂直配線の中心軸と同一軸上に存在する。
【0013】
ここで、同一軸上に存在するとは、完全に中心軸が重なり合う場合だけでなく、実質的に重なり合う場合も含む。具体的には、第1、第2垂直配線の幅の10%程度、中心軸がずれている場合も製造上のばらつきとして、同一軸上に存在するものとする。
【0014】
前記実施形態によれば、対となる第1垂直配線、第2垂直配線の中心軸は、同一軸上に存在するので、インダクタアレイ部品の表裏の物理的及び電気的な差異を低減できる。
【0015】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記複数の第1垂直配線のそれぞれに対し、同じ位置から前記第2方向に延在する前記第2垂直配線の断面積は、当該第1垂直配線の断面積と異なる。
【0016】
ここで、断面積とは、垂直配線が延在する方向に直交する横断面における面積を意味する。
【0017】
前記実施形態によれば、インダクタ配線に流れる電流密度に応じて、接続する第1、第2垂直配線を選択することができる。したがって、各垂直配線を一律の断面積とする必要がなくなり、一部の垂直配線の断面積を小さくすることで、その周囲の磁性層の体積を大きくすることで、同じ部品外形に対してインダクタンスを向上することができる。
【0018】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線の少なくとも一部を被覆する非磁性体の絶縁層をさらに備える。
【0019】
前記実施形態によれば、第1、第2インダクタ配線の絶縁性を高めることができる。
【0020】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記絶縁層は、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂およびビニルエーテル系樹脂のうち、少なくとも1つを含む。
【0021】
前記実施形態によれば、絶縁層に絶縁性有機樹脂を使用することで、インダクタ配線と磁性層との密着力を向上できる。また、絶縁層に無機系材料を使用する場合と比較して、絶縁層が柔らかくなるので、インダクタアレイ部品に柔軟性を付与することができ、機械的強度や熱衝撃に対する耐性を向上できる。
【0022】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記複数の第1垂直配線および前記複数の第2垂直配線の少なくとも一つは、前記第1インダクタ配線又は前記第2インダクタ配線の前記第1端又は前記第2端から前記法線方向に延在し前記絶縁層の内部を貫通するビア導体と、前記ビア導体から前記法線方向に延在し前記磁性層の内部を貫通する柱状配線と、を含む。
【0023】
前記実施形態によれば、絶縁層の内部を貫通するビア導体と磁性層の内部を貫通する柱状配線とで、異なるプロセスを用いることができ、製造の自由度が向上する。
【0024】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、同じ位置から前記法線方向に延在する前記第1垂直配線および前記第2垂直配線の組において、一方は、前記ビア導体と前記柱状配線を含み、他方は、前記ビア導体を含まない。
【0025】
前記実施形態によれば、第1垂直配線および第2垂直配線のうちの他方は、ビア導体を含まず、他方側に絶縁層がないため、同じ部品外形であっても、インダクタアレイ部品の直流重畳特性を向上でき、同じ特性であっても、インダクタアレイ部品の薄型化を図ることができる。
【0026】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記複数の第1垂直配線および前記複数の第2垂直配線について、前記金属磁性粉との最小距離は、200nm以下である。
【0027】
前記実施形態によれば、金属磁性粉の充填量を増やすことができるので、インダクタンスを高くできる。
【0028】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線について、前記金属磁性粉との最小距離は、200nm以下である。
【0029】
前記実施形態によれば、金属磁性粉の充填量を増やすことができるので、インダクタンスを高くできる。
【0030】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、
前記磁性層は、凹凸を有し前記平面に平行な主面を含み、
前記磁性層の前記主面の前記凹凸の算術平均粗さRは、前記磁性層の厚さTの1/10以下である。
【0031】
前記実施形態によれば、磁性層の主面の凹凸が小さいため、インダクタアレイ部品を埋め込む際にインダクタアレイ部品の表面凹凸にストレスがかかりにくく、インダクタアレイ部品の破損を防止できる。
【0032】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記磁性層の表面に設けられた被覆膜をさらに備える。
【0033】
前記実施形態によれば、磁性層の表面に外部端子を設ける場合、被覆膜は外部端子間の絶縁性を高めることができる。また、被覆膜は磁性層の表面の傷を隠すことができる。
【0034】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線の前記法線方向に積層された複数のインダクタ配線をさらに備える。
【0035】
前記実施形態によれば、第1インダクタ配線および第2インダクタ配線に複数のインダクタ配線を積層することで実装面積を削減することができる。さらに、積層したインダクタ配線を直列に接続すると、インダクタンスを高くすることができる。
【0036】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、
前記法線方向に異なる層のインダクタ配線を接続する複数の層間ビア導体をさらに備え、
前記複数の層間ビア導体の少なくとも一つの中心軸は、前記第1垂直配線および前記第2垂直配線のそれぞれの中心軸と異なる。
【0037】
前記実施形態によれば、層間ビア導体を形成するときの凹みを抑制できるので、安定した品質のインダクタアレイ部品を提供できる。
【0038】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記金属磁性粉の平均粒径は、前記第1インダクタ配線および前記第2インダクタ配線の前記法線方向から見た内磁路の内接円の1/30以上1/3以下である。
【0039】
前記実施形態によれば、取得できる透磁率を大きくでき、金属磁性粉を内磁路に安定して充填することができる。
【0040】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記金属磁性粉の平均粒径は、前記第1インダクタ配線と前記第2インダクタ配線の間の最大距離の1/30以上1/3以下である。
【0041】
前記実施形態によれば、取得できる透磁率を大きくでき、金属磁性粉を第1インダクタ配線と第2インダクタ配線の間に安定して充填することができる。
【0042】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記金属磁性粉の平均粒径は、前記磁性層の厚さTの1/10以上2/3以下である。
【0043】
前記実施形態によれば、取得できる透磁率を大きくでき、実行透磁率を向上できる。
【0044】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記磁性層は、さらにフェライト粉を含む。
【0045】
前記実施形態によれば、フェライト粉の比透磁率は高いので、磁性層の体積当たりの透磁率である実効透磁率を向上できる。また、磁性層の絶縁性を高めることができる。
【0046】
好ましくは、インダクタアレイ部品の一実施形態では、前記磁性層は、絶縁体からなる非磁性粉を含む。
【0047】
前記実施形態によれば、磁性層は、シリカフィラーなどの絶縁体からなる非磁性粉を含むことで、磁性層の絶縁性を向上できる。
【0048】
好ましくは、インダクタアレイ部品内蔵基板の一実施形態では、
前記インダクタアレイ部品と、
前記インダクタアレイ部品が埋め込まれた基板と、
前記基板の主面に沿った方向に延在するパターン部と、前記基板の厚み方向に延在する基板ビア部とを含む基板配線と
を備え、
前記基板配線は、前記基板ビア部において、前記インダクタアレイ部品と接続している。
【0049】
前記実施形態によれば、回路設計の自由度を向上できる。
【0050】
好ましくは、インダクタアレイ部品内蔵基板の一実施形態では、前記基板配線の前記パターン部は、前記インダクタ配線が配置された平面に対して、平行に配置されている。
【0051】
前記実施形態によれば、インダクタアレイ部品内蔵基板を薄型とすることができる。
【発明の効果】
【0052】
本開示の一態様であるインダクタアレイ部品およびインダクタアレイ部品内蔵基板によれば、回路設計の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品を示す透視平面図である。
【図1B】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品を示す断面図である。
【図2】図1BのA部拡大図である。
【図3】他のインダクタアレイ部品を示す断面図である。
【図4A】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4B】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4C】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4D】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4E】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4F】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4G】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4H】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4I】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4J】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4K】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4L】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図4M】第1実施形態に係るインダクタアレイ部品の製法を説明する説明図である。
【図5】第2実施形態に係るインダクタアレイ部品を示す断面図である。
【図6A】第3実施形態に係るインダクタアレイ部品を示す透視平面図である。
【図6B】第3実施形態に係るインダクタアレイ部品の断面図である。
【図7A】第4実施形態に係るインダクタアレイ部品を示す透視平面図である。
【図7B】第4実施形態に係るインダクタアレイ部品の断面図である。
【図8】第5実施形態に係るインダクタアレイ部品内蔵基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本開示の一態様であるインダクタアレイ部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
【0055】
(第1実施形態)
(構成)
図1Aは、インダクタアレイ部品の第1実施形態を示す透視平面図である。図1Bは、図1AのX−X断面図である。図2は、図1BのA部拡大図である。図1Aと図1Bと図2を用いて、インダクタアレイ部品1について説明する。
インダクタアレイ部品1は、例えば、パソコン、DVDプレーヤー、デジカメ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクスなどの電子機器に搭載され、例えば全体として直方体形状の部品である。ただし、インダクタアレイ部品1の形状は、特に限定されず、円柱状や多角形柱状、円錐台形状、多角形錐台形状であってもよい。
【0056】
インダクタアレイ部品1は、本体10と、絶縁層15と、インダクタ配線21,22と、垂直配線51,52と、外部端子41,42と、被覆膜50とを有する。
【0057】
第1インダクタ配線21は、導電性材料からなり、平面状に巻回されている。つまり、この実施形態では、第1インダクタ配線21は、スパイラル配線である。ここで、スパイラル配線とは、平面上で延伸する曲線(2次元曲線)を意味し、当該曲線が描くターン数は1周を超えていても、1周未満であってもよく、また、異なる方向に巻回された複数の曲線を有していても良いし、一部に直線を有していてもよい。
【0058】
第1インダクタ配線21が巻回された平面に対する法線方向を、図中、Z方向(上下方向)とし、以下では、順Z方向である第1方向を上側、逆Z方向である第2方向を下側とする。なお、Z方向は他の実施形態、実施例においても同様とする。第1インダクタ配線21は、上側からみて、内周端である第1端21aから外周端である第2端21bに向かって時計回り方向に渦巻状に巻回されている。第1端21aおよび第2端21bは、厳密な端ではなく多少内側に入り込んでいてもよく、または、電流経路となる突出部があってもよい。
【0059】
第2インダクタ配線22は、第1インダクタ配線21と同様の構成であり、内周端である第1端22aから外周端である第2端22bに向かって時計回り方向に渦巻状に巻回されている。第1インダクタ配線21と第2インダクタ配線22は、本体10内の同一の平面上に並列に配置され、互いに隣接している。
【0060】
第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22は、導電性材料からなり、例えば、Cu、Ag、Au、Fe、もしくはこれらを含む合金などの低電気抵抗な金属材料からなる。第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22の直流抵抗を下げることができる。第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22の実施例として、厚さが45μm、配線幅が50μm、配線間スペース(ターンピッチ)が10μmである。
【0061】
本体10は、平板状である。本体10は、上側に位置する第1主面10aと、第1主面10aと対向し下側に位置する第2主面10bとを有する。本体10は、磁性層11を含む。磁性層11の第1主面は、本体10の第1主面10aに相当し、磁性層11の第2主面は、本体10の第2主面10bに相当する。
【0062】
磁性層11は、Z方向の両側からインダクタ配線21,22を挟み、さらに、インダクタ配線21,22の内側、外側にも配置されている。このように、磁性層11は、インダクタ配線21,22に対して閉磁路を構成している。磁性層11は、インダクタ配線21,22の内側に、内磁路13を構成する。
【0063】
磁性層11は、樹脂100と、樹脂100に含有された金属磁性粉101とを含む。金属磁性粉101により、直流重畳特性を向上でき、樹脂100により、金属磁性粉101間が電気的に絶縁されて、高周波でのロス(鉄損)が低減される。
【0064】
樹脂100は、好ましくは、エポキシ系樹脂又はアクリル系樹脂の少なくとも1つを含む。これにより、磁性層11の絶縁性を高めることができ、また、樹脂100による応力緩和効果で磁性層11の機械強度を向上できる。樹脂100は、例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、およびビニルエーテル系樹脂のうちの少なくとも1つを含む。
【0065】
金属磁性粉101は、好ましくは、Fe系磁性粉を含む。これにより、優れた直流重畳特性を得ることができる。Fe系磁性粉としては、例えば、FeSiCrなどのFeSi系合金、FeCo系合金、NiFeなどのFe系合金、またはそれらのアモルファス合金である。これらのFe系磁性粉は、単独または組み合わせて使用してもよい。
【0066】
磁性層11は、好ましくは、さらにフェライト粉を含む。これにより、フェライト粉の比透磁率は高いので、磁性層11の体積当たりの透磁率である実効透磁率を向上でき、また、磁性層11の絶縁性を高めることができる。フェライト粉としては、例えば、NiZn系フェライト、およびMnZn系フェライトである。これらのフェライト粉は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
【0067】
磁性層11は、好ましくは、絶縁体からなる非磁性粉を含む。これによれば、磁性層11は、シリカフィラーなどの絶縁体からなる非磁性粉を含むことで、磁性層の絶縁性を向上できる。なお、本体10は、磁性層11のみならず、絶縁体をさらに含んでいてもよい。
【0068】
絶縁層15は、本体10(磁性層11)内に埋め込まれている。絶縁層15は、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22に直接接して、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22を被覆する。これにより、第1、第2インダクタ配線21,22の絶縁性を高めることができる。なお、絶縁層15は、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22の一部を被覆してもよく、または、第1インダクタ配線21又は第2インダクタ配線22に直接接していてもよく、または、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22と間隔を空けて配置されていてもよい。より具体的には、絶縁層15は、第1インダクタ配線21および/または第2インダクタ配線22の底面のみを被覆していてもよいし、天面及び側面のみを被覆していてもよい。また、この際、底面、天面及び側面の全面を被覆していてもよいし、当該面の一部分のみを被覆していてもよいし、複数の一部分を被覆していてもよい。
【0069】
絶縁層15は、磁性体を含まない、すなわち非磁性体であり、絶縁性材料を含む。絶縁性材料は、例えば、絶縁性有機樹脂であり、より具体的には、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂のうち、少なくとも1つを含む。絶縁層15がこれらの絶縁性有機樹脂を含むと、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22と磁性層11に含まれる樹脂100とが絶縁層15の上記樹脂を介して密着するため、結果として第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22と磁性層11との密着力を向上させることができる。また、絶縁層15の絶縁性有機樹脂は、無機系材料と比較して絶縁層15が柔らかくなるので、インダクタアレイ部品1に柔軟性を付与することができ、機械的強度や熱衝撃に対する耐性を向上できる。なお、絶縁層15は、シリカなどの非磁性体のフィラーを含んでいてもよく、この場合は、絶縁層15の強度や加工性、電気的特性の向上が可能である。
【0070】
複数の第1垂直配線51は、第1インダクタ配線21の第1端21a側及び第2端21b側、および第2インダクタ配線22の第1端22a側及び第2端22b側のそれぞれから本体10の内部を貫通するように第1方向(順Z方向)に延在し、本体10の第1主面10a側で露出する。具体的に述べると、複数の第1垂直配線51は、第1インダクタ配線21の第1端21a及び第2端21b、および第2インダクタ配線22の第1端22a及び第2端22bのそれぞれから第1方向に延在し絶縁層15の内部を貫通するビア導体25と、ビア導体25から第1方向に延在し磁性層11の内部を貫通する第1柱状配線31とを含む。
【0071】
複数の第2垂直配線52は、第1インダクタ配線21の第1端21a側及び第2端21b側、および第2インダクタ配線22の第1端22a側及び第2端22b側のそれぞれから本体10の内部を貫通するように第2方向(逆Z方向)に延在し、本体10の第2主面10b側で露出する。具体的に述べると、複数の第2垂直配線52は、第1インダクタ配線21の第1端21a及び第2端21b、および第2インダクタ配線22の第1端22a及び第2端22bのそれぞれから第2方向に延在し絶縁層15の内部を貫通するビア導体25と、ビア導体25から第2方向に延在し磁性層11の内部を貫通する第2柱状配線32とを含む。
【0072】
外部端子41,42は、第1、第2インダクタ配線21,22と電気的に接続され、本体10の第1,第2主面10a,10bから露出する。外部端子41,42は、本体10の第1,第2主面10a,10bの一部を覆い、垂直配線51,52を介して第1、第2インダクタ配線21,22と電気的に接続する。外部端子41,42は、導電性材料から構成される。導電性材料は、例えば、Cu、Ni、およびAuの少なくとも一つ、またはそれらの合金である。また、外部端子41,42は、複数の金属膜が積層した多層金属膜であってもよい。
【0073】
複数の第1外部端子41は、本体10の第1主面10aおよび第2主面10bのそれぞれに設けられている。第1主面10aにおいて、複数の第1外部端子41は、第1インダクタ配線21の第1端21aに接続された第1垂直配線51および第2インダクタ配線22の第1端22aに接続された第1垂直配線51のそれぞれに、接続される。第1外部端子41は、本体10の第1主面10aから露出する第1垂直配線51(第1柱状配線31)の端面を覆っている。第2主面10bにおいて、複数の第1外部端子41は、第1インダクタ配線21の第1端21aに接続された第2垂直配線52および第2インダクタ配線22の第1端22aに接続された第2垂直配線52のそれぞれに、接続される。
【0074】
複数の第2外部端子42は、本体10の第1主面10aおよび第2主面10bのそれぞれに設けられている。第1主面10aにおいて、複数の第2外部端子42は、第1インダクタ配線21の第2端21bに接続された第1垂直配線51および第2インダクタ配線22の第2端22bに接続された第1垂直配線51のそれぞれに、接続される。第2外部端子42は、本体10の第1主面10aから露出する第1垂直配線51(第1柱状配線31)の端面を覆っている。第2主面10bにおいて、複数の第2外部端子42は、第1インダクタ配線21の第2端21bに接続された第2垂直配線52および第2インダクタ配線22の第2端22bに接続された第2垂直配線52のそれぞれに、接続される。
【0075】
被覆膜50は、磁性層11の表面に設けられる。被覆膜50は、本体10の第1、第2主面10a,10bの一部を覆い、外部端子41,42の端面を露出させている。これにより、被覆膜50は外部端子41,42間(具体的には、第1外部端子41と第2外部端子42の間、隣り合う第1外部端子41,41の間、隣り合う第2外部端子42,42の間)の絶縁性を高めることができる。また、被覆膜50は、本体10の第1,第2主面10a,10bの傷を隠すことができる。被覆膜50は、磁性体を含まない、すなわち非磁性体であり、例えば、絶縁層15の材料として例示した絶縁性材料からなる。
【0076】
前記インダクタアレイ部品1によれば、第1、第2垂直配線51,52が第1、第2インダクタ配線21,22に対して第1方向及び第2方向に引き出されることで、実装基板の配線との接続の自由度が向上する。インダクタアレイ部品1は、例えば、入力端子には上側からのみ、出力端子には下側からのみ配線接続するなどができる。また、第1、第2垂直配線51,52が第1、第2インダクタ配線21,22に対して第1方向及び第2方向に引き出されることで、インダクタアレイ部品1の第1、第2インダクタ配線21,22に対して上下の応力を近似でき、インダクタアレイ部品1の反りを抑制することができる。また、第1、第2インダクタ配線21,22の第1端21a,22a及び第2端21b,22bの全てから第1、第2垂直配線51,52がインダクタアレイ部品1の上下に引き出されているので、インダクタアレイ部品1の表裏の違いを区別することなく使用でき、部品製造時や部品実装時の表裏の認識工程及び整列工程を省くことができる。
【0077】
好ましくは、複数の第1垂直配線51のそれぞれに対し、同じ位置から第2方向に延在する第2垂直配線52の中心軸は、第1垂直配線51の中心軸と同一軸上に存在する。具体的に述べると、第1垂直配線51の第1柱状配線31の中心軸と第2垂直配線52の第2柱状配線32の中心軸とが、同一軸上に存在し、第1垂直配線51のビア導体25の中心軸と第2垂直配線52のビア導体25の中心軸とが、同一軸上に存在する。なお、同一の第1垂直配線51において、第1柱状配線31の中心軸とビア導体25の中心軸とは、好ましくは、同一軸上に存在するが、偏心していてもよい。第2垂直配線52においても同様である。
【0078】
これによれば、対となる第1垂直配線51、第2垂直配線52の中心軸は、同一軸上に存在するので、インダクタアレイ部品1の表裏の物理的及び電気的な差異を低減できる。これに対して、中心軸がずれている場合、インダクタアレイ部品の表裏で差異が存在することになる。当該差異が存在すると、特に、インダクタアレイ部品を高精度に使用したい場合などにおいては、実装時に表裏の確認が必要となる。なお、垂直配線の接続位置がずれることで、インダクタ配線へ流れる電流経路も表裏で異なると、実効的なRdc,インダクタンスもわずかながら表裏で異なってくる。
【0079】
好ましくは、複数の第1、第2垂直配線51,52は、ビア導体25と柱状配線31,32とを含む。これによれば、絶縁層15の内部を貫通するビア導体25と磁性層11の内部を貫通する柱状配線31,32とで、異なるプロセスを用いることができ、製造の自由度が向上する。
【0080】
なお、インダクタアレイ部品1では、複数の第1垂直配線および複数の第2垂直配線が、すべてビア導体と柱状配線を含んでいたが、これに限られず、複数の第1垂直配線および複数の第2垂直配線の少なくとも一つが、ビア導体と柱状配線とを含んでいてもよい。具体的に述べると、同じ位置から法線方向に延在する第1垂直配線および第2垂直配線の組において、一方は、ビア導体と柱状配線を含み、他方は、ビア導体を含まない。
例えば、図3に示すように、他のインダクタアレイ部品1aでは、絶縁層15は、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22の底面のみを被覆し、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22の天面および側面は、磁性層11に接触する。このとき、第2垂直配線52は、ビア導体25と柱状配線32とを含み、一方、第1垂直配線51Aは、ビア導体25を含まず、柱状配線31を含む。
これによれば、第1垂直配線および第2垂直配線のうちの他方は、ビア導体を含まず、他方側に絶縁層がないため、同じ部品外形であっても、インダクタアレイ部品の直流重畳特性を向上でき、同じ特性であっても、インダクタアレイ部品の薄型化を図ることができる。
【0081】
好ましくは、第1垂直配線51および第2垂直配線52について、金属磁性粉101との最小距離は、200nm以下である。これによれば、磁性層11における金属磁性粉101の充填量を増やすことができるので、インダクタアレイ部品1のインダクタンスを高くできる。ここで、最小距離の測定には、第1垂直配線51の中心軸を通る断面のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像を用いる。つまり、当該SEM画像を用いて、第1垂直配線51とその近傍の金属磁性粉101との距離を測定し、得られた距離のうち最小の距離を最小距離とする。第2垂直配線52についても同様である。なお、距離を測定するSEM画像の倍率は1万倍とするか、金属磁性粉101が30個程度含まれる倍率とする。
【0082】
好ましくは、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22について、金属磁性粉101との最小距離は、200nm以下である。これによれば、磁性層11における金属磁性粉101の充填量を増やすことができるので、インダクタアレイ部品1のインダクタンスを高くできる。ここで、最小距離の測定には、第1インダクタ配線21の中心軸を通る断面のSEM画像を用いる。つまり、当該SEM画像を用いて、第1インダクタ配線21とその近傍の金属磁性粉101との距離を測定し、得られた距離のうち最小の距離を最小距離とする。第2インダクタ配線22についても同様である。
【0083】
好ましくは、磁性層11の主面(本体10の第1,第2主面10a,10b)は、凹凸を有している。磁性層11の主面は、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22が配置される平面と平行である。この凹凸は、第1,第2主面10a,10bから金属磁性粉101のうちの一部を脱粒させることで、形成される。凹凸は、主として樹脂100部分の平坦性によるものと、金属磁性粉101の脱粒によって形成された凹部16によるものとから構成されるが、本実施形態の本体10の主面10a,10bにおいては、後述する算術平均粗さRにおいて支配的なのは後者の金属磁性粉101の脱粒によって形成された凹部16によるものである。凹部16には主面10a,10bと接触する層(例えば、被覆膜50および第1、第2外部端子41,42)が入り込むため、アンカー効果により本体10の主面10a,10bと主面10a,10bに接触する層との間の密着性が向上する。
【0084】
磁性層11の主面の凹凸の算術平均粗さRは、磁性層11の厚さTの1/10以下であることが好ましい。このように、算術平均粗さRが磁性層11の厚さTの1/10以下であると、磁性層11の主面の凹凸が小さいため、インダクタアレイ部品1を埋め込む際にインダクタアレイ部品1の表面凹凸にストレスがかかりにくく、インダクタアレイ部品1の破損を防止できる。
【0085】
算術平均粗さRは、第1、第2外部端子41,42を通る本体10の第1主面10a上の直線における第1、第2外部端子41,42と重なる部分を除いた一部分の算術平均粗さである。この実施形態では、直線は、第1、第2外部端子41,42を通過するように引いた第1主面10a上の直線であり、例えば、図1AにおいてX−X断面線で示す位置における第1主面10a上の直線をいう。算術平均粗さRは、形状解析レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製「形状測定レーザマイクロスコープVK−X100」)を用いて測定することができる。具体的には、インダクタアレイ部品1の被覆膜50を剥離して、本体10の第1主面10aを露出させる。露出した第1主面10aにおいて、外部端子41,42を通過する第1主面10a上の直線を含む部分の算術平均粗さRを測定倍率は50倍で測定する。なお、第2主面10bにおいても、同様である。
【0086】
磁性層11の厚さTは、磁性層11のZ方向の厚さである。厚さTは、走査型電子顕微鏡を用いて測定する。具体的には、第1、第2外部端子41,42を通過するように引いた第1主面10a上の直線でインダクタアレイ部品1をZ方向に切断し、走査型電子顕微鏡を用いて、測定試料の断面からSEM画像を得る。SEM画像を用いて厚さTを測定する。
【0087】
なお、第1,第2主面10a,10bの少なくとも一方において、RがT/10以下を満たせばよい。また、磁性層11が複数ある場合、磁性層の厚さTとは、複数の磁性層の厚さの総計をいう。なお、複数の磁性層11の間に非磁性体の層が存在する場合は、当該非磁性体の層の厚みは厚さTに含めない。
【0088】
好ましくは、金属磁性粉101の平均粒径は、第1、第2インダクタ配線21,22の法線方向(Z方向)から見た内磁路の内接円の1/30以上1/3以下である。これにより、平均粒径が1/30以上であるので、金属磁性粉101の平均粒径が必要以上に小さくならず、インダクタアレイ部品1の取得できる透磁率を大きくできる。また、平均粒径が1/3以下であるので、金属磁性粉101を内磁路に安定して充填することができる。内磁路の内接円とは、第1、第2インダクタ配線21,22をZ方向からみた場合に、第1、第2インダクタ配線21,22それぞれの内周端に接触する円のうち、最大の直径を有する円をいう。例えば、金属磁性粉101の平均粒径が45μmであり、内磁路の内接円が900μmである。なお、第1、第2インダクタ配線21,22は、絶縁層15に覆われているが、絶縁層15の厚みは薄いため、絶縁層15の厚みは考慮しなくてもよい。具体的には、絶縁層15の厚みが、第1、第2インダクタ配線21,22の内磁路の内接円の最大直径の1/10以下であれば十分に薄いと言える。
【0089】
金属磁性粉101の平均粒径は、例えば0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上30μm以下、より好ましくは2μm以上5μm以下である。金属磁性粉101の平均粒径は、金属磁性粉101を樹脂100に含有させる原料状態においてはレーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%に相当する粒径(体積中位径D50)として算出することができる。また、インダクタアレイ部品1の完成品の状態では、金属磁性粉101の平均粒径は、本体10の第1,第2主面10a,10b上の直線を通る断面のSEM画像を用いて測定する。具体的には、15個以上の金属磁性粉101が確認できる倍率のSEM画像において、各金属磁性粉101の面積を測定し、円相当径から算出した上で、その算術平均値を金属磁性粉101の平均粒径とする。
【0090】
好ましくは、金属磁性粉101の平均粒径は、磁性層11の厚さTの1/10以上2/3以下である。これによれば、金属磁性粉101の平均粒径が1/10以上であるので、金属磁性粉101の平均粒径が磁性層11に対して必要以上に小さくならず、インダクタアレイ部品1の取得できる透磁率を大きくできる。また、金属磁性粉101の平均粒径が2/3以下であるので、磁性層11の研削時の金属磁性粉101の脱粒を低減して、実行透磁率を向上できる。
【0091】
(製造方法)
次に、インダクタアレイ部品1の製造方法について説明する。
【0092】
図4Aに示すようにダミーコア基板61を準備する。ダミーコア基板61の両面には基板銅箔を有する。本実施形態では、ダミーコア基板61はガラスエポキシ基板である。ダミーコア基板61の厚みは、インダクタアレイ部品の厚みに影響を与えないため、加工上のそりなどの理由から適便取り扱いやすい厚さ、材料のものを用いればよい。
【0093】
次に、基板銅箔の面上に銅箔62を接着する。銅箔62は基板銅箔の円滑面に接着される。このため、銅箔62と基板銅箔の接着力を弱くすることでき、後工程において、ダミーコア基板61を銅箔62から容易に剥がすことができる。好ましくはダミーコア基板61とダミー金属層(銅箔62)を接着する接着剤は、低粘着剤とする。また、ダミーコア基板61と銅箔62の接着力を弱くするために、ダミーコア基板61と銅箔62の接着面を光沢面とすることが望ましい。
【0094】
その後、銅箔62上に絶縁層63を積層する。このとき絶縁層63は、真空ラミネータやプレス機などにより、熱圧着し、熱硬化する。
【0095】
図4Bに示すように、絶縁層63をレーザ加工などにより開口部63aを形成する。そして、図4Cに示すように、絶縁層63上にダミー銅64aとインダクタ配線64bを形成する。詳しくは、絶縁層63上に無電解めっきやスパッタリング、蒸着などによりSAPのための給電膜(図示せず)を形成する。給電膜の形成後、給電膜上に感光性のレジストを塗布や貼りつけ、フォトリソグラフィによって配線パターンとなる箇所に感光性レジストの開口部を形成する。その後、ダミー銅64a、インダクタ配線64bに相当するメタル配線を感光性レジスト層の開口部に形成する。メタル配線形成後、感光性レジストを薬液により剥離除去し、給電膜をエッチング除去する。その後、さらにこのメタル配線を給電部として、追加の銅電解めっきを施すことで狭スペースな配線を得る。また、SAPにより図4Bに形成された開口部63aには銅が充填される。
【0096】
そして、図4Dに示すように、ダミー銅64a、インダクタ配線64bを絶縁層65で覆う。絶縁層65は真空ラミネータやプレス機などにより、熱圧着し、熱硬化する。
【0097】
次に、図4Eに示すように、レーザ加工などにより絶縁層65に開口部65aを形成する。
【0098】
その後、ダミーコア基板61を銅箔62から剥がす。そして、銅箔62をエッチングなどにより取り除き、ダミー銅64aをエッチングなどにより取り除いて、図4Fに示すように、内磁路に対応する孔部66aと外磁路に対応する孔部66bを形成する。
【0099】
その後、図4Gに示すように、絶縁層開口部67aをレーザ加工などにより形成する。そして、図4Hに示すように、SAPにより絶縁層開口部67aを銅により充填し、絶縁層63上に柱状配線68を形成する。
【0100】
次に、図4Iに示すように、磁性材料(磁性層)69によりインダクタ配線、絶縁層、柱状配線を覆って、インダクタ基板を形成する。磁性材料69は、真空ラミネータやプレス機などにより、熱圧着し、熱硬化する。このとき、磁性材料69は、孔部66a,66bにも充填される。
【0101】
そして、図4Jに示すように、インダクタ基板の上下の磁性材料69を研削工法により薄層化する。このとき、柱状配線68の一部を露出されることで、磁性材料69の同一平面上に柱状配線68の露出部が形成される。このとき、インダクタンス値が得られるのに十分な厚みまで磁性材料69を研削することで、インダクタアレイ部品の薄型化を図ることができる。
【0102】
その後、図4Kに示すように、印刷工法により磁性体表面に絶縁樹脂(被覆膜)70を形成する。ここで、絶縁樹脂70の開口部70aを、外部端子の形成部分とする。本実施例では、印刷工法を用いたが、フォトリソグラフィ法によって開口部70aを形成してもよい。
【0103】
次に、図4Lに示すように、無電解銅めっきや、NiおよびAuなどのめっき被膜し、外部端子71aを形成し、図4Mに示すように、破線部Lにてダイシングにより個片化し、図1Bのインダクタアレイ部品を得る。なお、図4B以降、記載を省略したが、ダミーコア基板61の両面にインダクタ基板を形成してもよい。これにより、高い生産性を得ることができる。
【0104】
(第2実施形態)
図5は、インダクタアレイ部品の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、第1垂直配線および第2垂直配線のそれぞれの断面積が互いに異なる。この相違する構成を以下に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0105】
図5に示すように、第2実施形態のインダクタアレイ部品1Aでは、同じ位置に接続される第1垂直配線51および第2垂直配線52において、第1垂直配線51および第2垂直配線52のそれぞれの断面積が互いに異なる。より具体的には、例えば、第2柱状配線32の断面積は、第1柱状配線31の断面積と比較して小さい。第1,第2垂直配線51,52の断面積は、垂直配線51,52が延在する方向(Z方向)に直交する断面における垂直配線51,52の面積である。
【0106】
第1垂直配線51および第2垂直配線52のそれぞれの断面積が互いに異なると、インダクタ配線21,22に流れる電流密度に応じて、接続する第1,第2垂直配線51,52を選択することができる。したがって、各垂直配線51,52を一律の断面積とする必要がなくなり、第2垂直配線52の断面積を第1垂直配線51の断面積と比較して小さくすることで、第2垂直配線52の周囲の磁性層11の体積を大きくすることで、同じインダクタアレイ部品1の外形に対してインダクタンスを向上することができる。
【0107】
なお、第1垂直配線51の断面積が第2垂直配線52の断面積よりも小さくてもよく、この場合、第1垂直配線51の周囲の磁性層11の体積を大きくすることで、同じインダクタアレイ部品1の外形に対してインダクタンスを向上することができる。また、同じ位置に接続された第1垂直配線51および第2垂直配線52の複数組の内の少なくとも1組において、第1垂直配線51および第2垂直配線52のそれぞれの断面積が互いに異なっていればよい。
【0108】
(第3実施形態)
図6Aは、インダクタアレイ部品の第3実施形態を示す透視平面図である。図6Bは、第3実施形態に係るインダクタアレイ部品の断面図(図6AのX−X断面図)である。第3実施形態は、第1実施形態に対して、インダクタ配線の構成(より具体的には、インダクタ配線の形状および数)、ならびに層間ビア導体をさらに備える点で相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0109】
図6Aおよび図6Bに示すように、第3実施形態のインダクタアレイ部品1Bは、第1実施形態と比較して、第1インダクタ配線21および第2インダクタ配線22の法線方向(Z方向)に複数のインダクタ配線が積層されている。これにより、複数のインダクタ配線を法線方向に積層化することで実装面積への影響を削減することができる。また、積層したインダクタ配線を直列に接続すると、インダクタアレイ部品1Bのインダクタンスを高めることができる。
【0110】
具体的に述べると、第1インダクタ配線21の法線方向に第3インダクタ配線23が積層され、第1インダクタ配線21と第3インダクタ配線23は、直列に接続されている。第1インダクタ配線21と第3インダクタ配線23とは、層間ビア導体28を介して直列に接続されている。
【0111】
第1インダクタ配線21の第1端21aは、その第1端21aの下側の第2垂直配線52を介して、第2主面10b側の第1外部端子41に電気的に接続される。第1インダクタ配線21の第2端21bは、その第2端21bの上側の第1垂直配線51を介して、第1主面10a側の第2外部端子42に電気的に接続され、その第2端21bの下側の第2垂直配線52を介して、第2主面10b側の第2外部端子42に電気的に接続される。
【0112】
第3インダクタ配線23は、第1インダクタ配線21の上側に配置されている。第3インダクタ配線23の第1端23aは、その第1端23aの上側の第1垂直配線51を介して、第1主面10a側の第1外部端子41に電気的に接続される。第3インダクタ配線23の第2端23bは、その第2端23bの上側の第1垂直配線51を介して、第1主面10a側の第2外部端子42に電気的に接続され、その第2端23bの下側の第2垂直配線52を介して、第2主面10b側の第2外部端子42に電気的に接続される。
【0113】
第1インダクタ配線21の第1端21aと第3インダクタ配線23の第1端23aは、層間ビア導体28を介して、電気的に接続される。これにより、第1インダクタ配線21の第1端21aは、その第1端21aの上側の第1垂直配線51を介して、第1主面10a側の第1外部端子41に電気的に接続される。
【0114】
層間ビア導体28の中心軸28aは、第1垂直配線51および第2垂直配線52のそれぞれの中心軸51a,52aと異なる。これにより、層間ビア導体28を形成するときの凹みを抑制できるため、安定した品質のインダクタアレイ部品1Bを提供できる。
【0115】
なお、前記実施形態では、Z方向にインダクタ配線を2つ配置しているが、Z方向に異なる層のインダクタ配線を3つ以上配置してもよい。Z方向に異なる層のインダクタ配線を3つ以上配置する場合、3つ以上のインダクタ配線を電気的に接続する複数の層間ビア導体を備える。インダクタアレイ部品が複数の層間ビア導体を備える場合、複数の層間ビア導体のうちの少なくとも1つの中心軸は、第1垂直配線および第2垂直配線のそれぞれの中心軸と異なる。
【0116】
(第4実施形態)
図7Aは、インダクタアレイ部品の第4実施形態を示す透視斜視図である。図7Bは、図7AのX−X断面図である。第4実施形態は、第1実施形態とは、インダクタ配線の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第4実施形態において、他の実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0117】
図7Aと図7Bに示すように、第4実施形態のインダクタアレイ部品1Cは、第1実施形態のインダクタアレイ部品1と同様に、インダクタ配線21C,22CからZ方向に延伸し、磁性層11の内部を貫通する垂直配線51,52を備える。つまり、第1、第2インダクタ配線21C,22Cの第1端21a,22aのそれぞれに、第1垂直配線51および第2垂直配線52が接続され、第1、第2インダクタ配線21C,22Cの第2端21b,22bのそれぞれに、第1垂直配線51および第2垂直配線52が接続される。
【0118】
第4実施形態のインダクタアレイ部品1Cにおいて、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cは、Z方向から見たときに、半楕円形の弧状である。インダクタ配線21C,22Cの円弧は、互いに接近する方向に凸となるように、形成されている。すなわち、第1、第2インダクタ配線21C,22Cは、約半周分巻回された曲線状の配線である。また、インダクタ配線21C,22Cは、中間部分で直線部を含んでいる。なお、第1、第2インダクタ配線21C,22Cは、ターン数が1周未満の曲線であってもよい。
【0119】
第1、第2インダクタ配線21C,22Cのそれぞれにおいて、インダクタ配線21C,22Cが描く曲線と、インダクタ配線21C,22Cの両端を結んだ直線とに囲まれる範囲を内径部分とする。このとき、Z方向からみて、互いのインダクタ配線21C,22Cについても、その内径部分同士は重ならない。
【0120】
一方、第1、第2インダクタ配線21C,22Cは、互いに近接している。すなわち、第1インダクタ配線21Cで発生した磁束は、近接する第2インダクタ配線22Cの周囲を回り込み、第2インダクタ配線22Cで発生した磁束は、近接する第1インダクタ配線21Cの周囲を回り込む。したがって、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cとの磁気結合は強くなる。
【0121】
なお、第1、第2インダクタ配線21C,22Cにおいて、同じ側にある第1端21a,22aからその反対側にある第2端21b,22bに向かって同時に電流が流れた場合、互いの磁束は強めあう。これは、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cの各第1端21a,22aを共にパルス信号の入力側、各第2端21b,22bを共にパルス信号の出力側とした場合に、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cとは正結合されていることを意味する。一方、例えば、第1インダクタ配線21Cの第1端21a側を入力、第2端21b側を出力とし、第2インダクタ配線22Cの第1端22a側を出力、第2端22b側を入力とすれば、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cとは負結合されている状態とできる。
【0122】
好ましくは、金属磁性粉101の平均粒径は、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cの間の最大距離の1/30以上1/3以下である。これにより、平均粒径が1/30以上であるので、金属磁性粉101の平均粒径が必要以上に小さくならず、インダクタアレイ部品1の取得できる透磁率を大きくできる。また、平均粒径が1/3以下であるので、第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cの間に安定して充填することができる。第1インダクタ配線21Cと第2インダクタ配線22Cの間の最大距離とは、第1、第2インダクタ配線21C,22CをZ方向からみた場合の最大距離をいう。なお、第1、第2インダクタ配線21C,22Cは、絶縁層15に覆われているが、絶縁層15の厚みは薄いため、絶縁層15の厚みは考慮しなくてもよい。
【0123】
(第5実施形態)
図8は、インダクタアレイ部品内蔵基板の第5実施形態を示す断面図である。図8に示すように、第5実施形態のインダクタアレイ部品内蔵基板5は、インダクタアレイ部品1Dと、インダクタアレイ部品1Dが埋め込まれた基板6と、基板配線6fとを備える。基板配線6fは、基板6の主面(基板主面17)に沿った方向に延在するパターン部6a〜6dと、基板6の厚み方向に延在する基板ビア部6eとを含む。基板配線6fは、基板ビア部6eにおいて、インダクタアレイ部品1Dと接続している。
【0124】
インダクタアレイ部品1Dは、第1実施形態のインダクタアレイ部品1とは、被覆膜50を有しない点で相違し、それ以外は、第1実施形態のインダクタアレイ部品1と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0125】
基板6は、コア材7と絶縁層8とを有する。インダクタアレイ部品1Dは、コア材7の貫通孔7aに配置され、コア材7とともに絶縁層8で覆われている。インダクタアレイ部品1Dにおいて本体10の主面10a,10bに凹凸が形成されている場合、絶縁層8は、凹凸を有する主面10a,10bを覆うため、アンカー効果により主面10a,10bと絶縁層8との間の密着性が向上する。
【0126】
インダクタアレイ部品1Dの本体10の主面10a,10bと基板主面17とは平行であることが好ましい。インダクタアレイ部品1Dの主面10a,10bと基板主面17とが、平行である場合、インダクタアレイ部品内蔵基板5をさらに薄型にすることができる。また、インダクタアレイ部品1Dは、基板主面17と、本体10の主面10a,10bおよびインダクタ配線21,22が配置された平面とが実質的に平行な状態で、基板6に埋め込まれてもよい。かかる場合、インダクタアレイ部品1DにおけるZ方向(インダクタ配線21,22が配置された平面に対する法線方向)は、基板6における厚さ方向と実質的に一致し、基板主面17と実質的に直交する。
【0127】
インダクタアレイ部品1Dの外部端子41,42は、基板ビア部6eと直接接続している。つまり、基板配線6fは、基板ビア部6eにおいて、インダクタアレイ部品1Dの外部端子41,42と接続している。また、基板ビア部6eは、Z方向の上側からインダクタアレイ部品1Dに接続する第1ビア部と、Z方向の下側からインダクタアレイ部品1Dに接続する第2ビア部とを含む。具体的に述べると、上側の第1外部端子41は、第1外部端子41の上側の基板ビア部6e(第1ビア部)を介して、第1パターン部6aに接続される。上側の第2外部端子42は、第2外部端子42の上側の基板ビア部6e(第2ビア部)を介して、第2パターン部6bに接続される。下側の第2外部端子42は、第2外部端子42の下側の基板ビア部6e(第2ビア部)を介して、第3パターン部6cに接続される。なお、下側の第1外部端子41は、第1外部端子41の下側の第4パターン部6dに接続されていない。
【0128】
したがって、前記インダクタアレイ部品内蔵基板5は、前記インダクタアレイ部品1Dを有するため、回路設計の自由度を向上できる。好ましくは、基板配線6fのパターン部6a〜6dは、インダクタ配線21,22が配置された平面に対して、平行に配置されている。これにより、インダクタアレイ部品内蔵基板5を薄型とすることができる。
【0129】
要するに、インダクタアレイ部品内蔵基板5では、インダクタアレイ部品1Dのインダクタ配線21,22と、基板配線6fとが、Z方向に延在する垂直配線51,52および基板ビア部6eによって、接続されている。これはすなわち、インダクタ配線21と基板配線6fとが余分な配線の引き回しなく接続されることを意味する。インダクタアレイ部品内蔵基板5では、この余分な引き回し分の省略によって空いた空間を有効に活用できるため、従来技術のインダクタアレイ部品やインダクタアレイ部品内蔵基板よりも回路設計の自由度を向上できる。
【0130】
また、インダクタアレイ部品内蔵基板5では、余分な配線の引き回しがないため、配線抵抗を低減できる。さらに、インダクタアレイ部品内蔵基板5では、比較的大きいインダクタアレイ部品1Dを基板6に埋め込むことで、回路全体を小型化、薄型化できる。
【0131】
また、基板配線6fは、インダクタアレイ部品1DのZ方向の両側(上下)から電気的に接続されている。この場合、基板配線がインダクタアレイ部品1Dの一方側からしか接続されていない従来のインダクタアレイ部品内蔵基板に比べて、パターン部6a〜6dのレイアウトの選択肢が増え、回路設計の自由度が向上する。
【0132】
また、第1実施形態で説明したように、インダクタアレイ部品1Dにおいて、Z方向からみて、外部端子41,42の面積は、柱状配線31,32の面積よりも大きいので、外部端子41,42の面積を大きくできる。したがって、インダクタアレイ部品1Dを基板6に埋め込む際、インダクタアレイ部品1Dの外部端子と接続する基板ビア部6eを基板6に設けるとき、外部端子41,42に対する基板ビア部6eの形成位置のマージンを大きくとることができて、埋め込み時の歩留まりを向上できる。
【0133】
なお、図8では、インダクタアレイ部品内蔵基板5には、インダクタアレイ部品1Dおよび基板配線6fのみしか記載されていないがインダクタアレイ部品内蔵基板5には、半導体部品、コンデンサ部品、抵抗部品などの別の電子部品が埋め込まれていてもよい。また、基板主面17に別の電子部品を表面実装したり、半導体チップを接合したりしてもよい。また、インダクタアレイ部品1Dに代えて、第2〜第4実施形態のインダクタアレイ部品を第5実施形態のインダクタアレイ部品内蔵基板に埋め込むことができる。
【0134】
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第5実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。また、第1から第6実施形態において、他の実施形態で説明した作用効果であって、該実施形態では特に言及せず、説明を省略しているものであっても、該実施形態で同様の構成を有する場合は、該実施形態においても基本的に同じ作用効果は発揮される。
【0135】
上記実施形態では、インダクタ配線は、スパイラル配線であるが、インダクタ配線は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、ストレート形状、ミアンダ形状およびヘリカル形状のような公知の様々な構造、形状を有することができる。つまり、本開示のインダクタ配線は、電流が流れた場合に磁性層に磁束を発生させることによって、インダクタアレイ部品にインダクタンスを付与させるものであって、その構造、形状、材料などに特に限定はない。
【0136】
上記実施形態では、インダクタ配線は、絶縁層により被覆されているが、絶縁層を設けないで、インダクタ配線の全てが磁性層に接触していてもよい。インダクタ配線の数量の増減は、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
【符号の説明】
【0137】
1,1A〜1D インダクタアレイ部品
5 インダクタアレイ部品内蔵基板
6 基板
6f 基板配線
10 本体
10a 第1主面
10b 第2主面
11 磁性層
13 内磁路
15 絶縁層
21,21C 第1インダクタ配線
21a 第1端
21b 第2端
22,22C 第2インダクタ配線
22a 第1端
22b 第2端
23 第3インダクタ配線
25 ビア導体
28 層間ビア導体
31 第1柱状配線
32 第2柱状配線
41 第1外部端子
42 第2外部端子
50 被覆膜
51 第1垂直配線
52 第2垂直配線
100 樹脂
101 金属磁性粉
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図4K】
【図4L】
【図4M】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】