(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021106313
(43)【公開日】20210726
(54)【発明の名称】画像読取システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20210625BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210625BHJP
【FI】
   !H04N1/00 350
   !H04N1/00 127B
   !G03G21/00 388
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】35
(21)【出願番号】2019236014
(22)【出願日】20191226
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
【住所又は居所】埼玉県秩父市下影森1248番地
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】田所 茂
【住所又は居所】埼玉県秩父市下影森1248番地 キヤノン電子株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2H270KA55
2H270KA58
2H270KA59
2H270KA61
2H270KA62
2H270LA60
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2H270NC28
2H270ND05
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2H270PA61
2H270PA80
2H270QA02
2H270QA44
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC35
(57)【要約】
【課題】ユーザーにとって更に使い勝手の良い画像読取システムを提供する。
【解決手段】画像読取装置にて読み取った画像データを画像読取装置に対する操作に基づいて送信先に送信するプッシュスキャンモードにおいて、画像読取装置にて操作が行われた場合に情報処理装置からの第1ジョブに従って画像データを読み取って送信先に送信する第1プッシュスキャン動作と、画像読取装置にて操作が行われた場合に第2ジョブに従って画像データを読み取って送信先である任意の宛先に直接送信する第2プッシュスキャン動作と、画像読取装置にて操作が行われた場合に画像読取装置に接続された情報処理装置から指定された第3ジョブに従って画像データを読み取って送信先に送信する第3プッシュスキャン動作とのうち2つを、選択可能な識別情報によって同時に登録可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置と複数の情報処理装置とがネットワークを介して接続され、設定された画像読取条件に従って前記画像読取装置が読み取った画像データを前記複数の情報処理装置のうちの1つに送信する画像読取システムであって、
前記複数の情報処理装置のうち第1の情報処理装置に関連づけて設定された第1ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記第1の情報処理装置に送信する第1プッシュスキャン動作と、
前記画像読取装置にて読み取られた画像データを送信先である任意の宛先に直接送信することが設定された第2ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記送信先となる第2の情報処理装置に送信する第2プッシュスキャン動作とを、
選択可能な識別情報によって同時に登録可能とする登録手段を有することを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記第1ジョブの設定データは、前記第1の情報処理装置に保存され、
前記第2ジョブの設定データは、前記画像読取装置に保存されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
画像読取装置と複数の情報処理装置とがネットワークを介して接続され、設定された画像読取条件に従って前記画像読取装置が読み取った画像データを前記複数の情報処理装置のうちの1つに送信する画像読取システムであって、
前記複数の情報処理装置のうち第1の情報処理装置に関連づけて設定された第1ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記第1の情報処理装置に送信する第1プッシュスキャン動作と、
前記複数の情報処理装置のうち前記画像読取装置に接続された第3の情報処理装置に設定データが保存された第3ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記複数の情報処理装置のうちの送信先となる第4の情報処理装置に送信する第3プッシュスキャン動作とを、
選択可能な識別情報によって同時に登録可能とする登録手段を有することを特徴とする画像読取システム。
【請求項4】
前記第1ジョブの設定データは、前記第1の情報処理装置に保存されていることを特徴とする請求項3に記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記第3プッシュスキャン動作において、
前記第3ジョブを選択するための操作は、前記画像読取装置に接続された第5の情報処理装置または前記画像読取装置に設けられた操作部を介して行われることを特徴とする請求項3または4に記載の画像読取システム。
【請求項6】
前記複数の情報処理装置のうちの第6の情報処理装置に対して指定された画像読取条件に従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記第6の情報処理装置に送信するプルスキャン動作が可能であり、
前記登録手段は、前記第1プッシュスキャン動作、第2プッシュスキャン動作及び前記プルスキャン動作のうちの少なくとも2つのスキャン動作を、選択可能な識別情報によって同時に登録可能とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取システム。
【請求項7】
前記登録手段は、前記複数の情報処理装置のうち前記画像読取装置に接続された第3の情報処理装置に設定データが保存された第3ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記複数の情報処理装置のうちの送信先となる第4の情報処理装置に送信する第3プッシュスキャン動作と、前記第1プッシュスキャン動作と、第2プッシュスキャン動作と、前記プルスキャン動作とのうちの少なくとも2つのスキャン動作を、選択可能な識別情報によって同時に登録可能とすることを特徴とする請求項6に記載の画像読取システム。
【請求項8】
前記登録手段は、前記第1プッシュスキャン動作と前記第2プッシュスキャン動作とを前記識別情報によって特定可能に1つのリストとして登録することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記登録手段は、前記第1プッシュスキャン動作と前記第3プッシュスキャン動作とを前記識別情報によって特定可能に1つのリストとして登録することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記登録手段で登録されたスキャン動作を、
前記情報処理装置、前記画像読取装置またはモバイル端末のいずれかの表示部に表示し、
前記表示部に表示された前記スキャン動作から、実行するジョブを選択可能とするジョブ選択手段を有することを特徴とする請求項1乃至9に記載の画像読取システム。
【請求項11】
前記画像読取装置は、
前記ジョブ選択手段で選択されたジョブが、いずれのスキャン動作のジョブかを判別するスキャン動作判別手段を有することを特徴とする請求項10に記載の画像読取システム。
【請求項12】
前記スキャン動作判別手段によって判別されたスキャン動作に応じて、前記画像読取装置の表示部の表示態様を変更することを特徴とする請求項11に記載の画像読取システム。
【請求項13】
前記画像読取装置は、
接続された情報処理装置からスキャン動作に対応するジョブを受信可能であり、
前記登録手段によって前記スキャン動作が登録されている場合、前記登録されたスキャン動作に対応するジョブと前記情報処理装置から受信したジョブと比較し、両者が一致する場合はその旨を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を読み取るスキャン指示や読み取った画像を情報処理装置に送信する画像送信処理が様々な端末で行われるプッシュスキャンをサポートする画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿の画像を読み取るスキャナ装置とパソコンとを接続し、パソコンで受け付けるユーザー操作に基づいてスキャナ装置で読み取った画像データをパソコンに送信して保存するプルスキャン機能と、スキャナ装置で受け付けたユーザー操作に基づいてスキャナ装置で読み取った画像データを所望の保存先に送信して保存するプッシュスキャン機能とを実施する画像読取システムが知られている(特許文献1、2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−91531号公報
【特許文献2】特許第03595752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像読取システムのプッシュスキャン機能は、操作もスキャン指示も送信処理も画像読取装置が単独で行うことが前提となっていた。しかし、プッシュスキャン機能には、画像読取装置に対する操作をきっかけとしてスキャンを開始するものの、リソースやパフォーマンスの観点から、実際のスキャン指示と送信処理とを画像読取装置とは異なる装置で行うものも含まれている。スキャンと送信の処理を画像読取装置とは異なる装置で行うので、従来の画像読取システムのプッシュスキャン機能とは異なる処理が必要だった。
【0005】
つまり、従来の画像読取システムにおいては、プルスキャン機能と、画像読取装置が単独で行うプッシュスキャン機能と、他の端末装置が処理の一部を行うプッシュスキャン機能とを使い分け、それぞれ機能に応じた処理に切り替える必要があった。その場合、切り替え動作にひと手間必要であり、ユーザーにとって使い勝手が良いものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取システムは、
画像読取装置と複数の情報処理装置とがネットワークを介して接続され、設定された画像読取条件に従って前記画像読取装置が読み取った画像データを前記複数の情報処理装置のうちの1つに送信する画像読取システムであって、
前記複数の情報処理装置のうち第1の情報処理装置に関連づけて設定された第1ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記第1の情報処理装置に送信する第1プッシュスキャン動作と、
前記画像読取装置にて読み取られた画像データを送信先である宛先に直接送信することが設定された第2ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記送信先となる第2の情報処理装置に送信する第2プッシュスキャン動作とを、
選択可能な識別情報によって同時に登録可能とする登録手段を有することを特徴とする。
【0007】
また、画像読取装置と複数の情報処理装置とがネットワークを介して接続され、設定された画像読取条件に従って前記画像読取装置が読み取った画像データを前記複数の情報処理装置のうちの1つに送信する画像読取システムであって、
前記複数の情報処理装置のうち第1の情報処理装置に関連づけて設定された第1ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記第1の情報処理装置に送信する第1プッシュスキャン動作と、
前記複数の情報処理装置のうち前記画像読取装置に接続された第3の情報処理装置に設定データが保存された第3ジョブに従って前記画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記複数の情報処理装置のうちの送信先となる第4の情報処理装置に送信する第3プッシュスキャン動作とを、
選択可能な識別情報によって同時に登録可能とする登録手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数種あるスキャン動作の中から所望のスキャン動作によるスキャン処理を実行できるようになり、それにより、ユーザーにとって使い勝手の良い画像読取システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取システムの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるスキャナ装置としてのシートフィード型スキャナの概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の制御部のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の排出トレイを展開した状態の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るネットワークアダプタNW/ADについて説明するための図であり、(a)は機能別の構成を示す図、(b)はその制御例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係るPCの機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるPC側のアプリケーションの処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aにおけるスキャン送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるジョブ設定の一例を示す概念図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるPCによるジョブ設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおいてPCに表示されるジョブ設定用のダイアログボックスの一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおいてPCに表示されるジョブ設定用のダイアログボックスの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプルスキャンモードを示す概略図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプッシュスキャンモードのうち第1プッシュスキャン動作を示す概略図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプッシュスキャンモードのうち第2プッシュスキャン動作を示す概略図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプッシュスキャンモードのうち第3プッシュスキャン動作を示す概略図である。
【図17】第1プッシュスキャンモードにおけるユーザー操作端末側の処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】第2プッシュスキャンモードにおけるユーザー操作端末側の処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】第2プッシュスキャンモードにおける画像読取装置側の処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】第3プッシュスキャンモードにおけるユーザー操作端末側の処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおける画像読取装置側のジョブ登録処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<画像読取システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムの概略構成図である。
【0011】
本実施形態の画像読取システムは図1に示すように、情報処理装置となる複数のPC500と、スキャナ装置DR1,DR2と、スキャナ装置DR2がUSB等によって個別に接続されたネットワークアダプタNW/ADと、ユーザー操作端末の一例であるスマートフォンまたはタブレット等のモバイル端末Mと、管理装置となるサーバSとが、所定のネットワーク(ここではローカルネットワーク)NWを介在して接続された構成である。すなわち、ネットワークアダプタNW/ADは、詳細は後述するが、スキャナ装置DR2との関係において、スキャナ装置DR2を直接的に制御するためのスキャナ制御装置としての役割がある。
【0012】
なお、モバイル端末Mは、無線ルーターRに対して無線接続され、ネットワークNWを経由して各ネットワークアダプタNW/ADに接続される。また、複数のPC500及び各ネットワークアダプタNW/ADの間は、さまざまなネットワークプロトコル(例えば、SMB(Server Message Block)を通じて通信する。
【0013】
さらに、複数のPC500及びモバイル端末Mは、ネットワークアダプタNW/ADと通信し、あるいはスキャナ装置DR1,DR2を遠隔制御できる専用のアプリケーションがインストールされている。
【0014】
また、図1に示す画像読取システムに組み込まれるスキャナ装置DR1,DR2としては、フラットベット型スキャナでも、搬送媒体を搬送して画像を読み取るシートフィード型スキャナでもよい。スキャナ装置DR1はネットワークNWに直接接続され、スキャナ装置DR2はネットワークアダプタNW/ADを介してネットワークNWに直接接続される。
<画像読取装置の構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるスキャナ装置DR1,DR2としてのシートフィード型スキャナの概略図である。
【0015】
本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるスキャナ装置DR1,DR2としては、図2に示すようなシートフィード型スキャナ(画像読取装置A)が挙げられる。
【0016】
図2に示す画像読取装置Aは、載置台1に積載された一または複数の搬送媒体Sを1つずつ装置内に経路RTにて搬送してその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。画像が読み取られる搬送媒体Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類としては、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等が挙げられる。
【0017】
なお、搬送媒体Sには、上述した様々なシート類だけでなく、パスポート(旅券)等の冊子も含まれる。冊子を対象とする場合、ホルダを用いることができる。透明なホルダに見開き状態の冊子を収容して載置台1に載置することで、冊子がホルダと共に搬送され、その画像を読み取ることができる。
<給紙>
図2に示す画像読取装置Aには、搬送路である経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構(給送手段)としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。
【0018】
送りローラ11は、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向)に回転駆動される。伝達部5は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの駆動力を送りローラ11へ断続して伝達する。
【0019】
なお、図示しないが、本実施形態の給送機構では、例えば、複数の搬送媒体Sに対して分離ローラ12の分離負荷を作用させて搬送媒体Sを1枚ずつ分離する分離給送と、搬送媒体Sに対して分離ローラ12の分離負荷を作用させずに給送する非分離給送とを切り替え可能としてもよい。上述したようにパスポートを袋状のホルダに収容して搬送する場合には、非分離給送へ切り替えておくことが好ましい。
<駆動部>
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sを逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
<分離構造>
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向)に回転駆動される。
【0020】
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0021】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は、必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
<搬送構造>
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構(搬送手段)としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。
【0022】
従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0023】
このような第2搬送部20よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを、排出口92を経由して排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
【0024】
駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れ回る。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0025】
排出トレイ2は、画像読取装置Aに対して回動可能なように、画像読取装置Aの下方に設けられた第1ヒンジ101を介して軸支されている。また、排出トレイ2は、第1ヒンジ101側の第1排出トレイ2aと、第1排出トレイ2aの先端側に接続された第1延長トレイ2b、第2延長トレイ2c及び第3延長トレイ2dとから構成されている。
【0026】
第1延長トレイ2bは第1排出トレイ2aに対して摺動可能に支持されており、第2延長トレイ2cは第1延長トレイ2bに対して摺動可能に支持されており、第3延長トレイ2dは第2延長トレイ2cに対して摺動可能に支持されている。
<画像読取構造、制御>
ここで、本実施形態の画像読取装置Aでは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70によって画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30は搬送媒体Sを定速搬送する。搬送速度は第1搬送部10の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Sに後続搬送媒体Sが追いついてしまう事態を回避できる。
【0027】
例えば、本実施形態では、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度を、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにした。
【0028】
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度と、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部3を制御して後続する搬送媒体Sの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行する搬送媒体Sと後続する搬送媒体Sとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。
<重送検出>
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙等の搬送媒体S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。
【0029】
重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は、第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された搬送路RT上流側の検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達または通過したか否かを検出する。
【0030】
媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達または通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0031】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出された時点で、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。
【0032】
なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0033】
また、媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60が画像読取ユニット70よりも上流側に配置されている。媒体検出センサ60は、第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。
【0034】
媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達または通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50,60を配置したが、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側の何れか一方のみに媒体検出センサを配置した構成としてもよい。
<CISの配置>
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るコンタクトイメージセンサであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。
【0035】
例えば、本実施形態の場合、画像読取ユニット70は経路RTの両側に一つずつ配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70を経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
<画像読取装置の制御部の説明>
図3は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの制御部のブロック図である。
【0036】
本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの制御部80は図3に示すように、CPU81と、記憶部82と、操作部83と、通信部84と、インターフェース部85とを備える。CPU81は、記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は、例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0037】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(パソコン)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェース、ネットワークインターフェースを挙げることができる。
【0038】
また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。本実施形態では、通信部84として、画像読取装置AとネットワークアダプタNW/ADとを接続するUSBインターフェースを備えている。
【0039】
インターフェース部85はアクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、駆動部3,4及び伝達部5等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50,60、画像読取ユニット70等が含まれる。
<PCからの開始指示受信による駆動(プルスキャン動作)>
画像読取装置Aの基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば画像読取装置Aに接続されたPC500(外部パソコン)、モバイル端末M、あるいは自装置の操作部83等から画像読み取りの開始が指示されると、第1搬送部10、第2搬送部20及び第3搬送部30の駆動を開始し、画像の読み取り処理を行う。
【0040】
すなわち、制御部80は、第1搬送部10、第2搬送部20及び第3搬送部30の駆動、画像読取ユニット70の駆動を開始または停止する制御手段として機能する。これにより、載置台1に積載された搬送媒体Sがその最も下に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送されると、制御部80は、画像読取ユニット70を制御し、原稿の画像を読み取る、一連の画像読取処理(スキャン処理)を制御する。詳しくは後述する。
<表示パネルの構成>
図4は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの排出トレイ2を展開した状態の正面図である。より正確には、図2に示した画像読取装置Aの正面側に傾斜して設けられた正面パネルに対して垂直な方向から見た図であり、装置を載置した状態における正面よりもやや上方から見た状態の図である。
【0041】
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの装置正面上部に設けられた正面パネル90には、画像読取装置Aの操作部83として表示パネル93が設けられ、その内部には操作部83の一例としての操作キー群122が設けられている。操作キー群122には、例えば、本実施形態では、画像読取装置Aの動作を開始するためのスタートキー122aと、ストップキー122bと、OKキー122cと、メニューキー122dと、上下キー122eとが設けられている。
【0042】
また、操作キー群122に隣接するようにしてLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部94が設けられ、画像読取装置Aの本体上部中央には電源ボタン122fが設けられている。表示部94は、0〜9までの数字で識別情報となるJOB番号を表すことができ、アルファベッドや一部の記号はエラー状態の通知やJOB番号の拡張番号として用いることが可能である。このような表示部94としては、7SEGのLEDから構成されたものを用いることが考えられる。
<ネットワークアダプタNW/ADの構成>
ここで、図1に示したネットワークアダプタNW/ADの機能別の構成とその制御例について詳細に説明する。なお、図1に示したネットワークアダプタNW/ADは、上述した画像読取装置Aが有する通信部84(USBインターフェース)とUSBケーブルを通じて接続される。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態に係るワークアダプタNW/ADについて説明するための図であり、(a)は機能別の構成を示す図、(b)はその制御例を説明するためのフローチャートである。
【0044】
本発明の一実施形態に係るネットワークアダプタNW/ADは図5(a)に示すように、本実施形態の画像読取装置AがUSBケーブルで接続されるUSBインターフェース部(USB I/F)801と、ネットワークNWに接続されるネットワークインターフェース(NW I/F)有線LAN802と、ネットワークNWに接続されるネットワークインターフェース(NW I/F)無線LAN803とを有する。
【0045】
また、ネットワークアダプタNW/ADは、各種インターフェースに加えて、状態表示を行うLED部804と、外部から電力が供給される電源コネクタ部805と、電源供給部806とを有し、これら全ての各機能部(各インターフェース、表示、電源等)を制御部807が制御するようになっている。
【0046】
ここで、有線LAN802と無線LAN803とは、切り替え可能である。有線LAN802にネットワークケーブルが接続されているときは、有線LAN802が有効になり、無線LAN803は無効になる。また、有線LAN802にネットワークケーブルが接続されていないときは、有線LAN802が無効になり、無線LAN803が有効になる。
【0047】
なお、ネットワークアダプタNW/ADに有線LAN802と無線LAN803の切り替えスイッチを本体に設け、ユーザーが任意に切り替えるようにしてもよい。また、本実施形態のネットワークアダプタNW/ADでは、電源コネクタ部805に対して電源ケーブルからの給電が行われ、ネットワークアダプタNW/ADの電源が取られている。
【0048】
また、本実施形態では、図5(a)に示すように、電源コネクタ部805は、電源供給部806に接続されており、画像読取装置A(DR)への給電が、電源供給ケーブルを用いて、電源供給部806(ネットワークアダプタNW/AD)経由で行われる。
【0049】
さらに、画像読取装置Aには、主電源ボタン(不図示)が設けられている。この主電源ボタンをONにすると、ネットワークアダプタNW/ADに突入電流が流れ、これをネットワークアダプタNW/ADがハード的に検知することで、ネットワークアダプタNW/ADが起動する。
【0050】
上記のように構成されたネットワークアダプタNW/ADは、図5(b)に示すように、画像読取装置Aが起動すると(ステップS801)、まず、ボタン情報送信命令をPC500等から受信したかどうかを確認する(ステップS802)。このボタン情報送信命令には、ジョブを特定可能なジョブ番号とジョブタイトルの情報が付加されている。
【0051】
ボタン情報送信命令をPC500等から受信した場合、画像読取装置Aは、画像読取装置A上の操作パネル93に対する操作に基づくボタン情報を取得し、ネットワークNWに接続されているPC500に、ボタン情報を送信する(ステップS803)。
【0052】
その後、ネットワークアダプタNW/ADは、ボタン情報送信命令を出したPC500のIPアドレスと、PC500から受信したジョブ情報(ジョブ番号とジョブタイトル)とを関連付けてリストとして記憶する(ステップS804)。
<PCの構成>
図6は、本発明の一実施形態に係るPC500の機能構成例を示すブロック図である。
【0053】
本発明の一実施形態に係るPC500は、ネットワークNWに接続可能なものであって、そのハード構成としては、様々な演算処理を行う中央演算処理部となるCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)と、操作部と、表示部と、インターフェースとを備えている。
【0054】
HDDには、画像読取装置Aを制御するための各種の制御プログラムがインストールされている。例えば、制御プログラムとしては、図6に示すように、ジョブアプリケーション523や汎用アプリケーション525、スキャナドライバ524等が挙げられ、ユーザーの操作、または他のプログラムからの呼び出しによって、RAMに読み込まれ、これをCPUが実行することにより、所定の機能が実現される。
【0055】
PC500に電源が投入されると、オペレーティングシステム(OS)521が起動する。OS521が起動すると、ジョブモニタ522が呼び出される。ジョブモニタ522は、RAM上に常駐し、画像読取装置A上の操作パネル93のスタートボタン122a等が押下されたか否かを監視する。
【0056】
例えば、スタートボタン122aの押下は、画像の読み取りを開始するためのユーザー操作の一例である。また、例えば、ボタンの代わりに、タッチパネルや静電スイッチ等を画像読取装置に設けてユーザー操作を行ってもよい。
【0057】
ジョブモニタ522は、スタートボタン122aが押下されたか否かを示す情報を含むボタン情報の送信命令を、スキャナドライバ524を介して画像読取装置Aに対して所定の時間間隔で送信する。
【0058】
また、ジョブモニタ522は、ボタン情報送信命令に対する画像読取装置Aからの応答を確認することにより、監視処理を実現する。操作パネル93上のスタートボタン122aが押下されたことが検知されると、ジョブモニタ522によってジョブアプリケーション523が起動する。
【0059】
ジョブアプリケーション523は、スキャナドライバ524を介して画像読取装置Aから画像データを取得できる。なお、本実施形態では、ジョブアプリケーション523と、ジョブモニタ522とを分けて説明しているが、これらを1つのアプリケーション(キャプチャーアプリケーション)としてもよい。また、画像読取装置に対するジョブの作成、設定を行うこともでき、不図示の通信手段を介して画像読取装置に送信できる。
【0060】
ここで、図6に示したPC500にインストールされたジョブアプリケーション523とジョブモニタ522を通じて画像読取装置Aを制御するまでの手順について詳細に説明する。
【0061】
図7は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるPC500側のアプリケーションの処理を説明するためのフローチャートである。
【0062】
本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおいて、PC500が起動すると(ステップS1001)、まず、ジョブモニタ522は、ネットワークアダプタNW/AD経由でネットワークNWに接続された画像読取装置Aを検知する(ステップS1002)。なお、ステップS1002においては、ネットワークインターフェースを有する画像読取装置のことをネットワークスキャナと呼称している。
【0063】
ジョブモニタ522は、画像読取装置Aを検知した場合(ステップS1002におけるYes)、画像読取装置Aに対してボタン情報送信命令を送信することによって、画像読取装置Aが有する操作パネル93におけるユーザー操作(ここではスタートボタンの押下)を監視する(ステップS1003)。
【0064】
一方、ジョブモニタ522は、画像読取装置Aを検知していない場合は(ステップS1002におけるNo)、画像読取装置Aを検知するまでステップS1002における監視を継続して行う。
【0065】
ボタン情報送信命令に対する画像読取装置Aからの応答を受信することによって、ジョブモニタ522がスタートボタンの押下を検知した場合(ステップS1003におけるYes)、PC500は、画像読取装置Aでのジョブ操作の番号(ジョブ番号)をネットワークアダプタNW/AD経由で取得する(ステップS1004)。なお、ジョブ番号は、画像読取装置A上の操作パネル93に対する操作で指定されるものであり、上述したように、ボタン情報送信命令に対する画像読取装置Aからの応答に含まれている。
【0066】
一方、ジョブモニタ522は、スタートボタンの押下を検知していない場合は(ステップS1003におけるNo)、スタートボタンの押下を検知するまでステップS1003における監視を継続して行う。
【0067】
なお、以降のフロー処理でも共通するが、ジョブモニタ522がネットワークアダプタNW/ADと通信できない場合や、画像読取装置Aの電源がOFFになる等の不慮の状態に陥ってしまった場合、スタートボタンの監視や以降のジョブの実行が継続できなくなるので、ステップS1002やステップS1003に代表される監視処理はタイムアウトするものとする。その場合は、図7に示した処理はユーザーにタイムアウトエラーを通知して終了する。タイムアウトの処理については本発明において本論とは関係ないのでフロー上記載はしていないが、実際には動作するものとして考えて良い。監視も含めた各処理がタイムアウトで終了しても本発明の効果には影響がない。
【0068】
ジョブアプリケーション523は、ステップS1004にて取得したジョブ番号に対応するジョブ設定(画像読取条件)が存在するか確認する(ステップS1005)。なお、PC500内には、画像読取装置Aにて画像を読み取る際の画像読取条件が、予め設定されたジョブ毎にジョブ設定としてジョブ番号に対応づけて登録されているため、PC500は、画像読取装置Aからジョブ番号を取得すると、取得したジョブ番号に対応するジョブ設定が存在するかを確認することができる。
【0069】
ステップS1004にて取得したジョブ番号に対応するジョブ設定が存在する場合は(ステップS1005におけるYes)、PC500は、画像読取装置Aに対してネットワークNW及びネットワークアダプタNW/AD経由でスキャン指示を送信する。
【0070】
これにより、画像読取装置Aでの画像読取処理及び画像データの送信が開始され(ステップ1006)、画像読取装置Aが取得した画像データをPC500が取得した時点で、図7に示した処理に戻り、一連の画像読取処理が終了する(ステップ1007)。
【0071】
なお、上述した動作は、画像読取装置Aに対する操作に基づくスキャン動作であるが、PC500に対する操作においても同様に行われることになる。その場合は、画像読取装置Aにおいてジョブが登録されているかどうかを確認すればよい。
【0072】
ここで、上述したジョブ設定に対応する画像読取条件を画像読取装置Aに対してネットワークNW及びネットワークアダプタNW/AD経由で通知する場合の画像読取装置A側のスキャン送信処理について説明する。
【0073】
図8は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aにおけるスキャン送信処理を説明するためのフローチャートである。
【0074】
本発明の一実施形態に係る画像読取装置AがネットワークNW及びネットワークアダプタNW/AD経由でジョブ情報を受け取ると、画像読取装置Aはまず、受け取ったジョブ情報の中からジョブ番号を抽出し、画像読取装置A内に格納されている登録済みジョブ番号と比較して、ジョブが登録済みかどうか、すなわち、実行可能なジョブ番号であるかどうかを判断する(ステップS2901)。
【0075】
一致するジョブ番号が存在する(登録済み)場合は(ステップS2901におけるYes)、ジョブ情報内に含まれるスキャン指示デバイスが画像読取装置Aと同一であるかどうかを判別する(ステップS2902)。一方、一致するジョブ番号が存在しない(空き番号である)場合は(ステップS2902におけるNo)、ジョブを実行できないのでそのまま処理を終了する。
【0076】
ジョブ情報内に含まれるスキャン指示デバイスが画像読取装置Aと同一である場合は(ステップS2902におけるYes)、デバイスによる第2プッシュスキャン動作と判断し、画像読取装置A内に登録、格納されているジョブのうち、ネットワークNW及びネットワークアダプタNW/AD経由で受け取ったジョブ情報から抽出されたジョブ番号によって特定されるジョブに従って第2プッシュスキャン動作のためのスキャン動作を開始する(ステップS2904)。
【0077】
その後、そのジョブによって特定される送信先へ画像データを実際に送信し(ステップS2905)、送信が完了後スキャン送信処理は終了する。
【0078】
一方、ジョブ情報内に含まれるスキャン指示デバイスが画像読取装置Aと異なる場合は(ステップS2902におけるNo)、第2プッシュスキャン動作では無いため、画像読取装置Aはまず、スキャン指示デバイスと通信を確立する(ステップS2903)。
【0079】
画像読取装置Aは、スキャン指示デバイスと通信が確立したら、スキャン指示デバイスから送信されてくるスキャン指示を受信し、指示通り第1プッシュスキャンを実施する(ステップS2906)。
【0080】
その後、スキャン指示デバイスに対して画像データを送信すると(ステップS2907)、スキャン指示デバイスが画像データを最終の送信先に送信することでスキャン送信処理は終了する。
【0081】
一方、ステップS1004にて取得したジョブ番号に対応するジョブ設定が存在しない場合は(ステップS1005におけるNo)、ステップS1003における処理に戻り、スタートボタンの押下の監視を続ける。
【0082】
なお、汎用アプリケーション525は、上述したジョブアプリケーション523が起動していない場合に、ユーザーの操作によって任意のタイミングで起動する。汎用アプリケーション525もまた、ジョブアプリケーション523と同様に、スキャナドライバ524を介して画像読取装置Aから画像データを取得することができる。
【0083】
ここで、PC500は、画像読取装置Aにおいて原稿の読取処理を実行する読取ジョブに関するジョブ設定を、ハードディスクに保持し、これを画像読取装置Aやモバイル端末Mに対してネットワークアダプタNW/AD経由で提供する。
【0084】
ジョブ設定は、PC500においてあらかじめマウスやキーボード等を用いた操作によってユーザーが任意に設定するものであり、PC500に記憶(保持)される。ジョブ設定は、PC500内ではなく、予め画像読取装置Aへ転送されて、画像読取装置Aに保持されていてもよい。
【0085】
なお、ジョブ設定とは、例えば、カラーまたはグレー、白黒を設定するための「カラーモード」、自動またはA4、レター等を設定するための「サイズ」、150/200/240/300dpi等を設定するための「解像度」、片面または両面を設定するための「読み取り面」、PDFまたはJPEG等の「ファイル形式」、画像を保存する先となる「送信先設定」などの画像読取条件の設定である。
【0086】
また、ジョブ設定では、1つまたは複数の画像読取条件を組み合わせたものを1つのジョブとして複数個(例えば99個)設定でき、その際、各ジョブには、識別情報となる番号等のジョブ名(タイトル)をユーザーが任意に付与できる。そして、PC500上のアプリケーションやモバイル端末Mは、番号やタイトルを表示した各ジョブへのショートカットボタンを表示部に表示し、ユーザーは画面操作によって任意のジョブを選択することができる。このように、ジョブは識別情報となる番号等によって特定可能に登録されている。
【0087】
なお、ジョブ設定は、PC500の表示部に設定画面を表示してユーザーが行うようにすればよいが、例えば、本実施形態では、PC500以外のユーザー操作端末(具体的にはスマートフォンやモバイル端末等)Mの画面で設定するようにしてもよい。
【0088】
図9は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるジョブ設定の一例を示す概念図である。
【0089】
本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおいては、ジョブのタイトル602と、読取条件等のスキャン設定値603と、スキャン指示デバイス604とが、識別情報となるジョブ番号601によって特定可能に対応づけられたジョブ設定600が登録されている。ジョブ設定処理は、例えば、PC500の表示部に表示されるダイアログボックスを用いて、以下のような手順により行われる。
<ジョブ設定処理>
図10は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるPC500によるジョブ設定処理を説明するためのフローチャートである。
【0090】
本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるジョブを設定する場合は、ユーザーの所定の操作によってジョブ設定用のアプリケーションが起動されると、PC500は、ジョブ設定用のダイアログボックスを表示部に表示する(ステップS301)。
【0091】
図11及び図12は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおいてPC500に表示されるジョブ設定用のダイアログボックスの一例を示す図である。
【0092】
PC500の表示部には、図11に示すようなダイアログボックス700が表示される。ダイアログボックス700は、ジョブ設定の一覧を含み、各ジョブ番号に対してタイトル名の表示されていないものは未設定のジョブであり、タイトル名の表示されているものは既に設定済みのジョブである。
【0093】
ユーザーは、ダイアログボックス700における何れかのジョブ番号を選択することにより、当該ジョブ番号に対応するジョブを設定できる。また、ユーザーは、既にタイトル名の表示されたジョブ番号を選択することにより、設定値を変更することができる。
【0094】
その後、PC500は、ジョブ設定処理を終了するか否かを判定する(ステップS302)。当該判定処理は、例えば、ダイアログボックス700の「閉じる」ボタン701が押下されたか否かを判定することにより実行される。
【0095】
PC500は、ジョブ設定処理を終了すると判定した場合には(ステップS302におけるYes)、ジョブ設定用のダイアログボックスを閉じて処理を終了する(ステップS306)。一方、ジョブ設定処理を終了しないと判定した場合には(ステップS302におけるNo)、ジョブ設定処理を実行する。
【0096】
ジョブ設定処理を実行する場合は、PC500はまず、ユーザーの操作によって選択されたジョブ番号を検知する(ステップS303)。さらに、PC500は、検知したジョブ番号に対応するダイアログボックスを表示部に新たに表示する(ステップS304)。例えば、PC500は、図12に示すダイアログボックス710を表示部に表示する。
【0097】
ユーザーは、図12に示したダイアログボックス710を使用して、ジョブのタイトル、各種の画像の読取条件、ファイル名及び実際にジョブを実行するスキャン指示デバイスを設定できる。なお、当該ファイル名は、読取処理により生成された画像データをPC500が保存する際に使用される。ユーザーは、設定値の入力後、ダイアログボックス710の「保存」ボタン711を押下することにより、実際にスキャン指示デバイスに応じてPC500のハードディスク(不図示)と画像読取装置A内にある記憶部82、ネットワークアダプタNW/AD内にあるフラッシュメディア(不図示)、モバイル端末Mのフラッシュメディア(不図示)などのいずれかに設定値を保存できる。
【0098】
その後、PC500は、上述したユーザーの操作に応じて設定値をスキャン指示デバイスに保存し(ステップS305)、ステップS302の判定処理へ戻る。
【0099】
なお、ユーザーは、上述したジョブ設定処理をダイアログボックス700に表示されたジョブ番号毎に設定することができる。ただし、ユーザーは、必ずしも全てのジョブ番号についてジョブ設定処理を行う必要はない。
<ジョブ表示処理>
PC500は、ジョブのジョブ番号とタイトルを示すテキストデータとを含む表示コマンドをネットワークアダプタNW/ADに送信し、画像読取装置Aが、この表示コマンドをネットワークアダプタNW/ADを経由して受信する。画像読取装置Aでは、受信した表示コマンドに含まれるタイトルが表示部94に表示される。
【0100】
ユーザーは、表示部94にジョブのタイトルが表示されているときに、操作パネル93を操作することにより、表示するジョブのジョブ番号及びタイトルを更新可能である。当該処理は、例えば、操作キー群122を用いた操作により実現される。
【0101】
例えば、本実施形態では、後述する図14に示すように、画像読取装置Aが有する操作パネル93において「スキャン可能画面」(「ジョブ選択画面」)を表示し、その表示部94で登録ジョブの内容を表示しながら、登録ジョブの選択を可能にしている。
【0102】
表示部94において表示されるジョブ項目の最大数は、例えば、99まで設定される。「△」「▽」キー122eにより、列挙されたジョブを選択できる。OKキー122cが押下されたとき、選択中のジョブが実行される。
【0103】
一方、PC500(ジョブモニタ522)からは、ボタンの押下を確認するためにボタン情報送信命令が送信される。このボタン情報送信命令を受信した画像読取装置Aからは、その応答としてボタン情報がPC500に対して送信される。これに対して、PC500は、例えば、以下の手順に従って新たに表示コマンドを送信する。
【0104】
画像読取装置Aから上述の情報を受信すると、PC500は、当該情報に基づいて、「▽」下ボタン122eが押下されたか否かを判定する。
【0105】
ここで、下ボタン122eが押下されたと判定した場合、PC500は、表示部94に現在表示中のタイトルに関連付けられたジョブ番号を1増加(+1)させたジョブ番号を選択する。
【0106】
一方で、PC500は、下ボタン122eが押下されたと判定できずに上ボタン122e(「△」ボタン)が押下されたと判定した場合、PC500は、表示部94に現在表示中のタイトルに関連付けられたジョブ番号を1減少(−1)させたジョブ番号を選択する。
【0107】
PC500は、選択したジョブ番号に関連付けられたタイトルを、表示コマンドを用いて画像読取装置Aへ送信する。画像読取装置Aは、受信した表示コマンドに含まれるジョブ番号及びタイトルを表示部94に新たに表示する。当該処理により、表示部94の表示が更新される。
【0108】
ユーザーは、表示部94に表示される情報に基づいて、画像読取装置Aで実行するジョブを選択し、スタートボタン122aを押下することにより、当該ジョブを実行させることができる。このように、画像読取装置Aは、ジョブ設定に関して予め設定値等を保持しておく必要がない。
【0109】
なお、本実施形態の画像読取装置Aにおける操作パネル93では、上述したジョブ操作以外にも、様々な操作を行うことができる。例えば、原稿が重送した場合の次処理について、操作パネル93から一時的な選択が可能となる。
【0110】
例えば、後述する図14に示すように、画像読取装置Aの操作パネル93から「2:カタログ(カラー)」を選択し、OKボタン122cを押すと、画像読取装置Aでジョブが実行される。
【0111】
この画像読取装置Aの動作は、CPU81において各機能部の制御により実現されるため、PC500との連携は発生しないように設定されている。すなわち、画像読取装置Aがユーザーの操作パネル93の操作に基づいて自装置内で制御を行うことになる。
【0112】
一方、「1:文書(白黒)」や「3:免許証」はPC500との連携が発生するように設定されている。「2:カタログ(カラー)」のみが画像読取装置Aのみでスキャンと送信処理を行う第2プッシュスキャン動作とする。第2プッシュスキャン動作かどうかの判別方法として、本実施形態では、「2:カタログ(カラー)」の横に「★」印を表示している。第2プッシュスキャン動作かそれ以外のプッシュスキャン動作、プルスキャン動作では画像読取装置A内で完結するかどうかが異なるため、区別できるようにしている。本実施形態では「★」印を表示しているが、もちろん違う文字を区別の印としてもよい。また、上述したように7SEGでジョブ番号を表現する場合は、表示領域が限られているため、電源スイッチ122fのLEDの点等状態や7SEGの表示を数字とアルファベッドの交互表示などで表しても良い。
【0113】
このように、スキャン動作に係るジョブを、PC500や画像読取装置A、モバイル端末Mのいずれかの表示部に表示することで、ジョブ選択手段によって、表示部に表示されたスキャン動作から、実行するジョブを選択することができる。そして、画像読取装置Aは、スキャン動作判別手段によって、選択されたジョブが、いずれのスキャン動作のジョブかを判別することになる。
【0114】
これにより、ユーザーは、上述した操作部83や表示部94等のユーザー操作部を持たない画像読取装置を利用する場合でも、モバイル端末Mを使って、上述したジョブスキャンを同様に行うことができる。また、操作パネル93上にジョブ番号を表示するLCDユニットや7SEGなどが無く、ジョブ番号を選択することをユーザーが出来ない場合、スタートボタン押下と共にPC500やモバイル端末Mにて予め指定したジョブ番号のスキャン動作を実行するようにしても良い。
【0115】
以下に、上述した本実施形態の画像読取システムを用いてユーザーが画像を読み取って所定の保存先に保存するまでの様々な画像読取モード、すなわち、プルスキャンモードとプッシュスキャンモードについて詳細に説明する。
【0116】
図13は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプルスキャンモードを示す概略図であり、図14は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプッシュスキャンモードのうち第1プッシュスキャン動作を示す概略図である。図15は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプッシュスキャンモードのうち第2プッシュスキャン動作を示す概略図である。図16は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおけるプッシュスキャンモードのうち第3プッシュスキャン動作を示す概略図である。図17は、第1プッシュスキャンモードにおけるユーザー操作端末側の処理を説明するためのフローチャートである。図18は、第2プッシュスキャンモードにおけるユーザー操作端末側の処理を説明するためのフローチャートである。図19は、第2プッシュスキャンモードにおける画像読取装置側の処理を説明するためのフローチャートである。図20は、第3プッシュスキャンモードにおけるユーザー操作端末側の処理を説明するためのフローチャートである。
<プルスキャンモード>
プルスキャンモードは、図13に示すように、複数のPC500のうちの1つのPC(PC500aとする)において、ユーザーが操作するモードである。ユーザーは、PC500aを操作し、利用したい画像読取装置A(ここではスキャナ装置DR1)を選択する。
【0117】
次に、ユーザーは、PC500aを操作し、例えば、解像度等の画像読取条件を設定し、スキャンを実行指示することにより、その設定された読取条件をネットワークNW及びネットワークアダプタNW/AD経由で画像読取装置A(DR1)に送信する。
【0118】
読取条件を受信した画像読取装置A(DR1)は、読取条件に従って画像データを読み取り、PC500aに送信する。これにより、ユーザーが操作するPC500aに画像データを保存させることができる。なお、同様の画像読取処理は、別のユーザーが他のPC500でも個別に行うことができる。
【0119】
上述したプルスキャンモードは、ネットワークNWに接続された複数のPC500の何れかでユーザー操作を受け付け、そのユーザー操作を受け付けたPC500で画像データの取得を行うモードである。
【0120】
このため、ユーザーは、最寄りの画像読取装置A(DR1)のところまで移動し、画像読取装置A(DR1)に原稿をセットして、画像を保存したいPC500まで移動し、そのPC500で画像読取指示を行った後、再び、画像読取装置A(DR1)から画像読取済みの原稿を回収することになる。
【0121】
すなわち、このようなプルスキャンモードでは、画像読取装置Aと、画像を保存させたいPC500との間の距離が比較的近い場合はユーザーにとって便利であるが、遠い場合には、ユーザーにとって使い難い。そのため、本実施形態では、ユーザーの使いやすい画像読取システムを提供すべく、以下のプッシュスキャンモードを搭載している。
<プッシュスキャンモード>
プッシュスキャンモードは、ユーザーが指定する宛先(ネットワークNWに接続されたPC500やその他、ハードディスク装置等のデータ保存先)に対して、画像を読み取り、送信するために画像読取装置Aに原稿をセットしたユーザーがその場で(すなわちユーザーがPC500の設置場所に移動することなく)画像読取指示を出せるようにし、画像読取後はそのまま直ぐに原稿を回収できるモードであり、次の3つの動作を挙げることができる。なお、プッシュスキャンモードでは、モバイル端末にインストールされたアプリケーションを通じてもユーザー操作を受け付け可能である。
【0122】
本実施形態においては、上述したプルスキャンモードに対して、下記3つのプッシュスキャン動作のうち少なくとも1つ、より好ましくは2つの動作、更に好ましくは3つ全ての動作を組み合わせることで、ユーザーがその使用環境にあわせて各モードを選べる選択肢が増え、ユーザーが効率良く画像データを取得し易くすることができる。
<(1)第1プッシュスキャン動作>
第1プッシュスキャン動作は、図14に示すように、ユーザーが情報処理装置であるモバイル端末Mを操作しつつジョブ実行操作を画像読取装置の操作パネル93で行うモードである。このとき、ネットワークアダプタNW/ADは、ジョブ番号とタイトル情報を取得している。
【0123】
詳細には、ネットワークアダプタNW/ADは、画像読取装置Aの主電源ボタンが押されたことで電源供給が開始されて起動すると、ネットワークNWへの接続を行う。そして、ネットワークアダプタNW/ADとネットワークNWとの接続が確立した後、ネットワークアダプタNW/ADは、ネットワークNWに接続されたPC500(図14ではPC500a〜500cの3台)の各PC識別情報(例えばIPアドレス等)と、各PC500で予め設定されたジョブ番号とタイトルの情報(図12に示したダイアログボックスの情報)とが関連付けられたジョブ関連情報をPC500のジョブアプリケーション523から取得している。
【0124】
すなわち、ネットワークアダプタNW/ADは、画像読取装置Aの主電源ONにより起動し、これに連動する形で、ネットワークNWに接続されたPC500のジョブ関連情報を取得することになる。
【0125】
図17に示すように、第1プッシュスキャン動作においては、まず、ユーザー操作端末であるモバイル端末Mを起動すると(ステップS2201)、ユーザーの操作によってモバイル端末MがネットワークNWに接続され、ネットワークNWに接続された画像読取装置A(DR1〜DR3)の一覧がモバイル端末Mの画面に表示される(ステップS2202)。
【0126】
なお、ネットワークアダプタNW/ADがネットワークNWに接続されたとき、モバイル端末Mは、当該ネットワークアダプタNW/ADに接続された画像読取装置A(DR1〜DR3)の固体識別番号(IPアドレスと機種番号等)を取得する。また、ここでは、画像読取装置A(DR1〜DR3)は起動状態として説明している。
【0127】
次に、モバイル端末Mは、ユーザーがモバイル端末Mを操作して1つの画像読取装置Aを選択するかどうかを確認する(ステップS2203)。ここでは、モバイル端末Mには、ネットワークに接続された画像読取装置Aの一覧が表示され、ユーザーは、その中から1つの画像読取装置Aを選択可能となる。
【0128】
ユーザーがモバイル端末Mを操作し、例えば、画像読取装置A(DR1)を選択した場合(ステップS2203におけるYes)、モバイル端末Mは、ネットワークアダプタNW/ADからネットワークNWに接続されている各PC500のPC識別情報(IPアドレス等)を取得する(ステップS2204)。これにより、ユーザーは、モバイル端末Mの操作により、画像読取装置A(DR1)で読み取った画像データの送り先となるPC500を選択することができる。
【0129】
次いで、ユーザーは、モバイル端末Mに表示された各PC500の一覧から、画像データを保存したいPC500(ここではPC500a)を選択する(ステップS2205)。このとき、ネットワークアダプタNW/ADからは、選択されたPC500aに対応づけられたジョブ番号とタイトルの情報が画像読取装置Aに送信され、モバイル端末Mは画像読取装置AからPC500aのIPアドレスとジョブ一覧を取得する(ステップS2206)。
【0130】
これにより、画像読取装置Aでは、操作パネル93の表示部94において、ジョブ番号とタイトルの画面表示(「スキャン可能画面」表示)を行う。なお、本発明においては取得されたジョブ一覧情報にはジョブひとつひとつに図9に示したように、ジョブ番号、タイトル、スキャン設定値、スキャン指示デバイスが対応づけられて画像読取装置Aの記憶部82に保存されている。ただし、保存されているデバイスは分かりやすく画像読取装置Aとしたが、PC1やモバイル端末Mであっても良い。
【0131】
画像読取装置Aのスタートボタンが押下されると、ネットワークアダプタNW/ADもしくは画像読取装置Aは、モバイル端末MやPC1等から、スキャン開始の操作がされたかどうかを示すスキャン開始情報となるボタン情報送信命令の受信の有無を確認する。
【0132】
ネットワークアダプタNW/ADは、スキャン開始情報を受信済みと判断した場合、ユーザーが選択したPC500aに対し、画像読取装置Aに対するユーザーによる操作に応じたスタートボタン押下とジョブ番号とからなるスキャン開始情報を通知する。
【0133】
ネットワークアダプタNA/ADや画像読取装置Aは、画像読取装置Aに対する操作によって上述したスキャン開始情報を取得、受信するため、ネットワークアダプタNA/ADや画像読取装置Aがスキャン開始情報をまだ受信していない場合は、ユーザーは、図14に示した画像読取装置Aの操作パネル93の操作キー群122を操作し、ジョブを選択し、実行することになる。このような操作パネル93の操作は、PC500aのジョブモニタ522がネットワークアダプタNW/ADを介して監視しており、具体的には、図17に示すように、スタートボタンとなるスタートキー122aの押下である(ステップS2207)。なお、画像読取装置Aのスタートボタンだけでなく、モバイル端末M上にスタートボタンを設けてもよい。この場合、モバイル端末M上のスタートボタン押下の情報をモバイル端末Mから画像読取装置Aに送り、画像読取装置Aが図17のステップS2207と同じ処理を行い、スタートキー122a押下として動作する。
【0134】
画像読取装置Aのスタートキー122aが押下された場合(ステップS2207におけるYes)、画像読取装置Aに対する操作によって選択されたジョブ番号に対応するジョブ設定(画像読取条件)がPC500aから画像読取装置A(DR1)に通知される(ステップS2208)。そして、画像読取装置Aは、PC500aから通知された画像読取条件に従って原稿の画像を読み取る。ここで読み取った画像データは、画像読取装置A(DR1)からネットワークアダプタNW/AD経由でPC500aに送信され、PC500aに保存される。
【0135】
このように、上述した第1プッシュスキャン動作は、ネットワークNWに接続された複数の情報処理装置のうち第1の情報処理装置に関連づけて設定された第1ジョブに従って画像読取装置Aにて画像データを読み取り、読み取ったデータを第1の情報処理装置に送信するものである。具体的には、モバイル端末Mから複数のPC500のうちで指定したPC500aが画像読取装置Aの操作パネル93におけるユーザー操作を監視し、その監視する画像読取装置Aの操作パネル93においてユーザーによる操作(ジョブ選択操作等の第1操作)が行われた場合に、その第1操作に関連付けて設定されたジョブ(第1ジョブ)に従って画像読取装置Aが読み取った画像データを、ユーザーが指定したPC500aに保存させるものである。
【0136】
すなわち、この第1プッシュスキャン動作を使用するユーザーは、画像データを保存したいPC500aをモバイル端末Mで選択した後、原稿をセットした画像読取装置Aの操作パネル93でジョブを選択するだけで、ユーザーが指定したPC500aに所望の画像データを保存することができる。また、ユーザーは、モバイル端末Mを通じて、画像のデータ送信先を設定できるため非常に便利である。
<(2)第2プッシュスキャン動作>
第2プッシュスキャン動作は、図15に示すように、ユーザーがモバイル端末Mを操作してジョブ設定を行いつつジョブ実行操作を画像読取装置Aの操作パネル93で行うことは第1プッシュスキャン動作と同様であるが、ジョブ設定の保存先及び送信元とデータ送信先の設定が異なるプッシュスキャンモードである。
【0137】
ネットワークアダプタNW/ADは、ネットワークNWに接続されたPC500に関連付けて、各PC500で予め設定されているジョブ設定のうち、ジョブ番号とタイトルの情報(図12に示したダイアログボックス710の情報)をPC500のジョブアプリケーション523から取得している。ただし、このジョブ番号とタイトルの情報は、この第2プッシュスキャン動作では使わず、上述した第1プッシュスキャン動作を利用するときに使うものである。
【0138】
図18に示すように、第2プッシュスキャン動作においては、まず、ユーザー操作端末であるモバイル端末Mを起動すると(ステップS2401)、ユーザーの操作によってモバイル端末MがネットワークNWに接続され、ネットワークNWに接続された画像読取装置A(DR1〜DR3)の一覧がモバイル端末Mの画面に表示される(ステップS2402)。
【0139】
また、モバイル端末Mは、当該ネットワークアダプタNW/ADに接続された画像読取装置A(DR1〜DR3)の固体識別番号(IPアドレスと機種番号等)を取得するとともに、各PC500及びファイルサーバ550の識別情報をそれぞれ取得する。また、ここでは、画像読取装置A(DR1〜DR3)とファイルサーバ550はそれぞれ起動状態として説明している。
【0140】
次に、モバイル端末Mは、ユーザーがモバイル端末Mを操作して1つの画像読取装置Aを選択するかどうかを確認する(ステップS2403)。ユーザーがモバイル端末Mを操作し、例えば、画像読取装置A(DR1)を選択した場合(ステップS2403におけるYes)、モバイル端末Mは、ネットワークアダプタNW/ADからネットワークNWに接続されている各PC500とファイルサーバ550の一覧を取得する。これにより、ユーザーは、モバイル端末Mの操作により、画像読取装置A(DR1)で読み取った画像データの送り先を選択することができる。
【0141】
次いで、ユーザーは、モバイル端末Mに表示された各PC500とファイルサーバ550の中から、ファイルサーバ550を画像データの保存先として設定する。続いて、ユーザーは、ファイルサーバ550(実際には共有フォルダ)へ保存する画像の読み取り設定(ジョブ設定)をモバイル端末Mの操作によって行う。
【0142】
具体的には、モバイル端末Mのジョブ設定画面(例えば、図12に示したようなダイアログボックス710によるレイアウト画面)において、ファイルサーバ550を画像データの保存先として指定し、さらに、これに対応づけて、ジョブのタイトル、カラーモード、サイズ、解像度、読み取り面(片面/両面)、ファイル形式、ファイル名によってユーザーが望む画像読取条件を設定する。
【0143】
次いで、ユーザーがモバイル端末Mで設定したジョブ設定が、ネットワークアダプタNW/ADに保存される。ネットワークアダプタNW/ADからは、モバイル端末Mから取得したジョブ設定のうちジョブ番号とタイトルの情報が画像読取装置Aに送信される。これにより、画像読取装置Aでは、操作パネル93の表示部94において、ジョブ番号とタイトルの画面表示(「スキャン可能画面画面」表示)を行う。
【0144】
次に、ユーザーは、図15に示した画像読取装置Aの操作パネル93の操作キー群122を操作し、ジョブを選択し、実行する。このような操作パネル93の操作については、図18に示すようにネットワークアダプタNW/ADが監視しており(ステップS2404)、スタートキー122a(ジョブ実行ボタン)の押下に伴って、操作パネル93の操作に応じたジョブ番号に対応するジョブ設定(画像読取条件)がネットワークアダプタNW/ADから画像読取装置A(DR1)に通知される。
【0145】
そして、画像読取装置Aは、ネットワークアダプタNW/ADから通知された画像読取条件に従って原稿の画像を読み取る。ここで読み取った画像データは、画像読取装置A(DR1)からネットワークアダプタNW/AD経由でファイルサーバ550に送信され、ファイルサーバ550に保存される。
【0146】
なお、第2プッシュスキャン動作は、モバイル端末MでネットワークアダプタNW/ADにジョブ設定を行っておけば、モバイル端末Mの操作を行うことなく、ユーザーが画像読取装置Aの操作パネル93を操作するだけで所望の画像データをファイルサーバ550にプッシュ送信することができる。
【0147】
なお、モバイル端末Mは、画像読取装置Aにおいてジョブに従った画像読取動作の実行中にエラーが発生したかどうかを確認する(ステップS2406)。画像読取装置Aにおける画像読取動作中にエラーが発生していた場合には(ステップS2406におけるYes)、モバイル端末Mは自装置の画面にエラー表示を行う(ステップS2407)。
【0148】
一方、モバイル端末Mは、エラーが発生していなければ、ジョブが終了したかどうかを確認し(ステップS2408)、ジョブが終了したと判断した場合(ステップS2408におけるYes)、ステップS2403における処理に遷移する。
【0149】
ここで、図19を参照し、上述した第2プッシュスキャン動作における画像読取装置A側の処理フローについて詳細に説明する。
【0150】
画像読取装置Aが起動すると(ステップS2501)、画像読取装置Aはまず、ジョブ命令を受信したかどうかを確認する(ステップS2502)。画像読取装置Aはジョブ命令を受信した場合(ステップS2502におけるYes)、ジョブに従って原稿から画像を読み取る(ステップS2503)。
【0151】
このとき、画像読取装置Aは、エラーが発生したか確認し(ステップS2504)、エラーが発生した場合は(ステップS2504におけるYes)、画像読取装置Aの操作パネル93の表示部94にエラー表示をする(ステップS2505)。
【0152】
一方、エラーが発生していない場合は(ステップS2504におけるNo)、画像読取装置Aはジョブが終了したかどうかを確認する(ステップS2506)。
【0153】
ジョブが終了していない場合は(ステップS2506におけるNo)、ステップS2504における処理へ戻り、また、ジョブが終了している場合は(ステップS2506におけるYes)、モバイル端末Mに終了通知を行う(ステップS2507)。
【0154】
このように、上述した第2プッシュスキャン動作は、画像読取装置Aにて読み取られた画像データを送信先である任意の宛先に直接送信することが設定された第2ジョブに従って画像読取装置Aにて画像データを読み取り、読み取った画像データを送信先となる第2の情報処理装置に送信するものである。具体的には、画像読取装置Aの操作パネル93におけるユーザー操作(例えばジョブ選択操作等の第2操作)に関連付けてデータ保存先(第2データ保存先)と共にあらかじめモバイル端末M(ユーザ操作端末)に設定されたジョブ(第2ジョブ)に従って画像読取装置Aが読み取った画像データをデータ保存先(第2データ保存先)に保存させるモードとなる。
【0155】
すなわち、この第2プッシュスキャン動作を使用するユーザーは、あらかじめジョブ設定を行っておけば、ジョブ番号、タイトル、スキャン設定値、スキャン指示デバイスが対応づけられて画像読取装置Aに保存されているため、画像データを保存したいデータの保存先をモバイル端末Mで指定した後、原稿をセットした画像読取装置Aの操作パネル93でジョブを選択する操作を行うだけで、ユーザーが指定したデータ保存先に所望の画像データを保存することができる。
【0156】
また、ユーザーは、モバイル端末Mを通じて、画像のデータ送信先を任意に設定できるため、第1プッシュスキャン動作と同様に、その場で原稿セットから画像読取の実行が行えるだけでなく、読み終わった原稿を直ぐに回収できるため、非常に便利である。
<(3)第3プッシュスキャン動作>
第3プッシュスキャンモードは、図16に示すように、ユーザーがモバイル端末Mだけの操作で画像読取装置の読み取りを遠隔制御するモードである。ネットワークアダプタNW/ADは、ネットワークNWに接続されたPC500(図16ではPC500a及び500bの2台)とファイルサーバ550の各識別情報(例えばIPアドレス等)を取得する。
【0157】
なお、同時に、ネットワークアダプタNW/ADは、PC500に関連付けて、各PC500で予め設定されているジョブ設定のうち、ジョブ番号とタイトルの情報(図12に示したダイアログボックス710の情報)をPC500のジョブアプリケーション523から取得している。ただし、このジョブ番号とタイトルの情報は、この第3プッシュスキャン動作では使わず、上述した第1プッシュスキャン動作を使用するときに使うものである。
【0158】
図20に示すように、第3プッシュスキャン動作においては、まず、ユーザー操作端末であるモバイル端末Mを起動すると(ステップS2601)、ユーザーの操作によってモバイル端末MがネットワークNWに接続され、ネットワークNWに接続された画像読取装置A(DR1〜DR3)の一覧がモバイル端末Mの画面に表示される(ステップS2602)。
【0159】
また、モバイル端末Mは、当該ネットワークアダプタNW/ADに接続された画像読取装置A(DR1〜DR3)の固体識別番号(IPアドレスと機種番号等)を取得するとともに、各PC500及びファイルサーバ550の識別情報をそれぞれ取得する。また、ここでは、画像読取装置A(DR1〜DR3)とファイルサーバ550はそれぞれ起動状態として説明している。
【0160】
次に、モバイル端末Mは、ユーザーがモバイル端末Mを操作して1つの画像読取装置Aを選択するかどうかを確認する(ステップS2603)。ユーザーがモバイル端末Mを操作し、例えば、画像読取装置A(DR1)を選択した場合(ステップS2603におけるYes)、モバイル端末Mは、ネットワークアダプタNW/ADからネットワークNWに接続されている各PC500とファイルサーバ550の一覧を取得する。これにより、ユーザーは、モバイル端末Mの操作により、画像読取装置A(DR1)で読み取った画像データの送り先を選択することができる。
【0161】
次いで、ユーザーは、モバイル端末Mの画面に表示されたPC500の一覧とファイルサーバ550の中から、ファイルサーバ550を画像データの保存先として設定する。続いて、ユーザーは、ファイルサーバ550へ保存する画像の読み取り設定(ジョブ設定)をモバイル端末Mの操作によって行う。
【0162】
具体的には、モバイル端末Mのジョブ設定画面(例えば、図12に示したようなダイアログ710によるレイアウト画面)において、ファイルサーバ550を画像データの保存先として指定し、さらに、これに対応づけて、ジョブのタイトル、カラーモード、サイズ、解像度、読み取り面(片面/両面)、ファイル形式、ファイル名によってユーザーが望む画像読取条件を設定する。
【0163】
続いて、ユーザーは、モバイル端末Mの画面に、図16に示すようなジョブ選択画面を表示させ、当該ジョブ選択画面において、ジョブ番号1「写真」、またはジョブ番号2「ドキュメント」の何れかの登録ボタン、または「新規追加」(登録ボタンを作成するためのボタン)を選択する。
【0164】
モバイル端末Mは、モバイル端末Mに表示されたジョブ選択画面において登録ボタンが押されたかどうかを確認する(ステップS2604)。登録ボタンの何れかが押された場合(ステップS2604におけるYes)、モバイル端末Mは、ネットワークアダプタNW/ADを介して画像読取装置A(DR1)に対し、押された登録ボタンに対応するジョブ設定(画像読取条件)とその実行指示に関する情報(ジョブ情報登録命令)を送信する(ステップS2605)。
【0165】
ジョブ情報登録命令を受けた画像読取装置A(DR1)は、ジョブ情報登録処理を実行する。これにより、ジョブ命令を受けた画像読取装置A(DR1)は、ジョブに従って原稿の画像を読み取る。
【0166】
ここで、画像読取装置A側のジョブ登録処理について詳細に説明する。
【0167】
図21は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムにおける画像読取装置A(DR1)側のジョブ登録処理を説明するためのフローチャートである。
【0168】
ジョブ情報登録命令を受け取った画像読取装置A(DR1)はまず、受け取ったジョブ情報登録命令によるジョブ情報の中からジョブ番号を抽出し、画像読取装置A内に格納されている登録済みジョブ番号と比較して、ジョブ情報登録命令によるジョブ情報の中から抽出したジョブ番号が空き番号かどうかを判断する(ステップS3001)。
【0169】
ジョブ情報登録命令によるジョブ情報の中から抽出したジョブ番号と一致するジョブ番号が登録されている(空き番号ではない)場合は(ステップS3001におけるNo)、ジョブ情報登録命令によるジョブ情報内に含まれるスキャン指示デバイスが既に登録されているスキャン指示デバイスと同一であるかどうかを判別する(ステップS3002)。
【0170】
ジョブ情報登録命令によるジョブ情報内に含まれるスキャン指示デバイスが既に登録されているスキャン指示デバイスと同一ではない場合(ステップS3002におけるNo)、別のプッシュスキャンジョブとして扱う必要があるので画像読取装置A内のジョブ番号に空き番号があるかどうかを調べる(ステップS3003)。
【0171】
空き番号が存在する場合(ステップS3003におけるYes)、受け取ったジョブ情報を、空き番号の1つをそのジョブ番号として登録するために、画像読取装置Aは、ユーザーにPC500aの表示部やモバイル端末M、画像読取装置Aの表示装置93等において、受け取ったジョブ情報を登録する際の新たなジョブ番号(空き番号の1つ)を、変更後のジョブ番号として通知する(ステップS3005)。
【0172】
そして、画像読取装置Aは、受け取ったジョブ情報のジョブ番号をステップS3005にて通知したジョブ番号に変更する(ステップS3006)。
【0173】
その後、画像読取装置Aは、受け取ったジョブ情報を、ステップS3006にて変更したジョブ番号で画像読取装置Aのジョブ一覧情報に登録し、ジョブ登録処理を終了する(ステップS3007)。
【0174】
また、ジョブ情報登録命令によるジョブ情報の中から抽出したジョブ番号と一致するジョブ番号が登録されていない(空き番号である)場合は(ステップS3001におけるYes)、ジョブ情報をそのままのジョブ番号で画像読取装置Aのジョブ一覧情報に登録する(ステップS3007)。
【0175】
また、ジョブ情報登録命令によるジョブ情報内に含まれるスキャン指示デバイスが既に登録されているスキャン指示デバイスと同一である場合は(ステップS3002におけるYes)、上書き可能と判断し、ジョブ情報を画像読取装置Aのジョブ一覧情報に上書き登録する(ステップS3007)。
【0176】
また、画像読取装置A内のジョブ番号に空き番号がない場合は(ステップS3003におけるNo)、ジョブを登録することは出来ないのでユーザーにPC500aの表示部やモバイル端末M、画像読取装置A上の表示装置93等においてエラーを通知し(ステップS3004)、処理を終了する。
【0177】
なお、本実施形態では同じスキャン指示デバイスでは上書きを常に許可し、空き番号がない場合はエラー通知をしているが、上書きするかどうかをユーザーに問い合わせ、ユーザーが設定できるようにしてもよい。その際、スキャン指示デバイスの優先順位に合わせて上書き可とするかどうかを判別するようにしても良い。例えば、スキャン指示デバイスの優先順位をDR1、NW/AD、PC1とした時に優先順位の高いDR1のジョブは常に上書きというようにしても良い。
【0178】
図20に示す処理に戻り、モバイル端末Mは、画像読取装置Aにおいてエラーが発生したか確認し(ステップS2606)、エラーが発生した場合(ステップS2606におけるYes)、モバイル端末Mの表示部にエラーを表示する(ステップS2607)。
【0179】
一方、エラーが発生していない場合(ステップS2606におけるNo)、ジョブが終了したか確認する(ステップS2608)。ジョブが終了していない場合は(ステップS2608におけるNo)、ステップS2606における処理に戻り、ジョブが終了している場合は(ステップS2608におけるYes)、ステップS2603における処理に戻る。
【0180】
なお、画像読取装置A側での処理は、上述した第2プッシュスキャン動作における図19の説明と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0181】
ここで、モバイル端末Mの表示部は、タッチパネルになっており、ジョブ選択画面においてジョブ番号を示すアイコンをタップすると、タップされたジョブで画像読取装置A(DR1)がスキャンを開始する。また、ジョブ選択画面においてジョブ番号を示すアイコンを長押しすると、当該ジョブの変更画面に遷移するようにしている。
【0182】
さらに、このジョブ選択画面において、「新規追加」のアイコンをユーザーがタップすると、新しいジョブを追加するための設定画面に遷移する。これにより、ユーザーは、ジョブの設定変更やジョブの追加等を行ってスキャンしたい場合でも、その場で臨機応変に対応することができる。
【0183】
このように、上述した第3プッシュスキャン動作は、複数の情報処理装置のうち画像読取装置に接続された第3の情報処理装置に設定データが保存された第3ジョブに従って画像読取装置にて画像データを読み取り、該画像データを前記複数の情報処理装置のうちの送信先となる第4の情報処理装置に送信するものである。具体的には、モバイル端末M(ユーザ操作端末)で受け付けるユーザー操作(ジョブ選択操作等の第3操作)に関連付けてデータ保存先(第3データ保存先)とともにあらかじめ画像読取装置Aに設定されたジョブ(第3ジョブ)に従って画像読取装置Aが読み取った画像データをデータ保存先(第3データ保存先)に保存させるモードとなる。
【0184】
すなわち、この第3プッシュスキャン動作を使用するユーザーは、第3プッシュスキャン動作を選択する際に、画像読取装置Aに原稿をセットし、その後の操作をモバイル端末Mに対して行うだけで、画像読取装置Aが有する操作パネル93を操作することなく、所定のデータ保存先に画像データを保存させることができる。また、ユーザーは、モバイル端末Mを通じて、画像のデータ送信先やジョブ設定などを行えるため、非常に便利である。
【0185】
なお、上述した3つのプッシュスキャンモードで用いるモバイル端末は、ユーザーが携帯する端末でもよいし、画像読取装置Aの近くに設置された固定型の端末でもよく、いずれにしてもユーザー操作を受け付けるユーザー操作端末であればよい。
【0186】
また、上述したユーザー操作となる「第1操作(第1ジョブ)」、「第2操作(第2ジョブ)」、「第3操作(第3ジョブ)」、あるはデータ保存先となる「第2データ保存先」、「第3データ保存先」については、それぞれが同一の操作や設定でもよいが、異なる操作や設定としてもよい。
【0187】
また、上述した3つのプッシュスキャン動作においては、画像データの送信動作をわかりやすくするために1つの宛先のみに画像データを送信する構成を例に挙げて説明しているが、本発明は、3つのプッシュスキャン動作において、その画像データの送信先として複数の宛先(情報処理装置)が登録されていれば、その複数の宛先に画像データを送信することができる。ここで、複数の宛先とは、複数種であっても良く、例えば電子メールやFTPサーバ、共有フォルダなどを同時に宛先として設定可能であって良い。
<スキャンモード切り替え設定>
上述したプルスキャンモードは、PC1もしくはモバイル端末Mから送信されたスキャン指示が画像読取装置Aにて受信された際に即時にモードが切り替わるものとする。プッシュスキャンモードの第1乃至第3プッシュスキャン動作は、図9に示したように、読取条件等のスキャン設定値603やスキャン指示デバイス604が、第1のプッシュスキャン動作と第2のプッシュスキャン動作と第3のプッシュスキャン動作とのそれぞれにて別個にジョブ番号と対応づけられているのではなく、登録手段によって、識別情報となるジョブ番号601によって特定可能に対応づけられて1つのリストとして登録されているので、ジョブ番号が選択されることで、3つの動作の切り替えを自動的に行うことができる。すなわち、例えば、ジョブ番号601“1”には、第1乃至第3プッシュスキャン動作の全てにおいて1つのジョブ情報しか設定されておらず、それにより、ジョブ番号601として“1”が選択された場合は、それに対応づけられた1つのジョブ情報による動作が行われることになる。この場合、モバイル端末Mのアプリケーションは、プルスキャンモードでモバイル端末Mのアプリケーションを起動するか、プッシュスキャンモードでモバイル端末Mのアプリケーションを起動するかを切り替えるだけで、モード切り替えが機能する。また、プルスキャンモードの動作においても、プッシュスキャンモードの第1乃至第3プッシュスキャン動作と同様に、識別情報となるジョブ番号601によって特定可能に対応づけて1つのリストとして登録してもよい。
【0188】
例えば、モバイル端末Mのアプリケーションの起動画面設定により、ユーザーは、プルスキャンモードと、プッシュスキャンモードの何れかを初期の起動画面として設定できるようにしてもよい。この場合、プッシュスキャンモードについては、上述した第1プッシュスキャン動作と第2のプッシュスキャン動作、または、第1プッシュスキャン動作と第3のプッシュスキャン動作とを選択肢としてユーザーに提供するのがよい。
【0189】
以上説明したように、本実施形態の画像読取システムによれば、プルスキャンモードに加えて、プッシュスキャンモードの3つのプッシュスキャン動作を自動的にシームレスに選択可能にしたことで、例えば、画像読取装置Aにおいてジョブ操作を行いたいユーザー、モバイル端末Mでジョブ操作を行いたいユーザー、画像データの保存先となるPC500で画像読取装置Aの制御を行いたいユーザー等、様々なユーザーの要望や使用環境に対応したユーザーのプッシュスキャン機能の選択肢を増やすことができ、ユーザーが使い易いシステムを提供することができる。
【0190】
特に、プッシュスキャンモードの3つのプッシュスキャン動作は、ユーザーが利用したい画像読取装置Aに対して原稿をセットし、モバイル端末Mの画面を画像読取装置Aの操作パネル93のように有効活用でき、読み取った原稿を画像読取装置Aから直ぐに回収することができるため、使い勝手が良く、非常に便利である。
【0191】
また、本実施形態で例示した画像読取装置Aは、ユーザー操作を受け付ける操作パネル93を有している構成であるが、ユーザー操作を受け付ける操作パネルを有さない構成であっても、本実施形態の画像読取システムを使えば、同様のジョブによる画像読取を行うことができるため、非常に便利である。
【0192】
上述した画像読取システムにおいては、ネットワークNWと画像読取装置Aとの間にネットワークアダプタNW/ADを中継装置として介在させた構成例を説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、ネットワーク接続機能を備えた画像読取装置をネットワークに直接接続した構成としてもよい。
【0193】
この場合、上述した実施形態においてユーザーがネットワーNWに接続された複数のネットワークアダプタNW/ADの中から1つのネットワークアダプタNW/ADを選択する操作については、例えば、ユーザーがモバイル端末M等のユーザー操作端末からネットワークNWに接続された複数の画像読取装置を指定する操作に置き換わることになる。
【0194】
(他の実施形態)
以上、本発明について一実施形態を例に挙げて詳細に説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではない。
【0195】
上述した一実施形態では、画像読取装置Aで読み取った画像データは、そのまま所定の送信先に送信される態様を例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、画像読取装置Aで読み取った画像データをモバイル端末Mでプレビュー表示し、モバイル端末Mに表示された「送信」の操作ボタンを操作することで所定の宛先に送るようにしてもよい。
【0196】
これにより、ユーザーは、保存前の画像データをモバイル端末Mのプレビュー表示によって事前に確認することができる。また、この場合には、モバイル端末Mにて「送信キャンセル」の操作ボタンを設けておけば、ユーザーは「送信キャンセル」の操作ボタンを操作することにより、その場で素早くやり直し等の対応を取ることができる。
【0197】
また、上述した一実施形態では、モバイル端末、画像読取装置、あるいはPCのいずれかの操作に基づいて、プルスキャンモードや複数のプッシュスキャンモードの切り替えを行うようにしたが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、ネットワークアダプタまたは画像読取装置の本体部において、プルスキャンモードとプッシュスキャンモードとを切り替える切り替えスイッチ、あるいは、プッシュスキャンモードの複数のプッシュスキャン動作を切り替えるための切り替えスイッチ等、各種機能モードの切り替え手段を設けてもよい。
【0198】
また、画像読取装置に上述した切り替え手段を設ける場合には、画像読取装置の操作パネルでのボタン操作に基づいて複数のプッシュスキャン動作の切り替え、あるいはプルスキャンモードへの切り替え等を行えるようにしてもよい。
【0199】
あるいは、ネットワークに接続されたPCや、ネットワークアダプタに接続されたモバイル端末、またはネットワーク接続が可能な画像読取装置と直接通信可能となるモバイル端末等において、上述したプルスキャンモード、もしくはプッシュスキャンモードの複数のプッシュスキャン動作の各種モード切り替え操作を受け付けられる設定画面を表示するようにしてもよい。
【0200】
なお、このようなモード切替えが行われた場合、ネットワークアダプタの制御部にてモードの切り替えが行われてもよいし、ネットワークアダプタが接続された画像読取装置の制御部にてモードの切り替えが行われてもよい。
【0201】
また、上述した本発明の一実施形態では、ネットワークアダプタに対して1つの画像読取装置となるスキャナ装置が接続された単一型のシステム形態を例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、以下に説明するように、1つのネットワークアダプタに対して複数のスキャナ装置が接続される複合型のシステム形態としてもよい。
【0202】
このような複合型のシステム形態とする場合には、複数のスキャナ装置として、例えば、シートフィード型スキャナ、フラットベット型スキャナ、ADF(Auto Document Feeder)付きフラットベットスキャナからなる群から選択される2つを組み合わせることが可能である。
【0203】
詳細には、ネットワークアダプタに対してフラットベット型スキャナを中継してシートフィード型スキャナを直列に接続してもよいし、ネットワークアダプタに複数のインターフェースを設けたり、ハブ装置等を使ったりすることで、1つのネットワークアダプタに複数のスキャナ装置を並列に接続してもよい。
【0204】
また、このような複合型のシステム形態においては、上述した一実施形態と同様に、ジョブを実行することができる。例えば、複数のスキャナ装置のうち操作部を有するスキャナ装置をネットワークアダプタが監視、表示制御等を行えるようにすれば、上述した一実施形態と同様に、ジョブを実行することができる。
【0205】
この場合、複数のスキャナ装置では、1つのスキャナ装置がジョブ操作を可能な操作部を有していれば、他のスキャナ装置は操作部を備えていなくてもよいが、上述した一実施形態において説明した第3プッシュスキャン動作の場合には、モバイル端末の操作部を使えるため、全てのスキャナ装置が、ジョブを実行するための操作部を有していなくても、モバイル端末による遠隔操作に基づいてジョブを実行できることは言うまでもない。
【0206】
また、ネットワークアダプタと複数のスキャナ装置との関係については、1つのネットワークアダプタが複数のスキャナ装置を集中管理してもよいし、1つのネットワークアダプタが1つのスキャナ装置を制御し、当該スキャナ装置が他のスキャナ装置を制御するようなスキャナ装置間での連携制御を伴ってもよい。
【0207】
また、スキャナ装置間の連携に関しては、1つのジョブ設定において、各スキャナ装置において所定の順番で読み取った各画像データを、1つのスキャナ装置を通じてネットワークアダプタに送信するようにしてもよい。その場合、例えば、ネットワークアダプタにおいて1つの画像データとして統合し、ジョブ設定に従って、ネットワークアダプタが所定のデータ保存先に画像データを送信するようにしてもよい。
【0208】
また、各スキャナ装置への読取指令は、ネットワークアダプタが各スキャナ装置に対して振り分けるようにしてもよいし、ネットワークアダプタに接続された1つのスキャナ装置がネットワークアダプタからの読取指令の少なくとも一部を他のスキャナ装置に対する読取指令として振り分けてもよい。
【0209】
また、上述したプルスキャンモードやプッシュスキャンモードの3つのプッシュスキャン動作に応じて、スキャナ装置の表示部の表示態様を変更してもよい。それにより、ユーザーは、現在のスキャンモードを確認した上で、スキャン操作を実行することができる。
【0210】
また、上述した実施の形態においては、プッシュスキャンモードの第1乃至第3プッシュスキャン動作が、第1のプッシュスキャン動作と第2のプッシュスキャン動作と第3のプッシュスキャン動作とのそれぞれにて別個にジョブ番号と対応づけられているのではなく、登録手段によって、識別情報となるジョブ番号によって特定可能に対応づけられて1つのリストとして登録されているが、ジョブ番号によって同時に登録可能となっていれば、1つのリストとして登録されているものに限らない。例えば、複数のメモリ等の記憶装置に、互い異なるジョブ番号によって特定可能に登録されていれば、ジョブ番号が選択されることで、3つの動作の切り替えを自動的に行うことができる。
【符号の説明】
【0211】
500 PC
A 画像読取装置
DR1,DR2 スキャナ装置
M モバイル端末
NW ネットワーク
NW/AD ネットワークアダプタ
R ルーター
S サーバ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】