(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021106535
(43)【公開日】20210729
(54)【発明の名称】圃場の水管理装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/00 20060101AFI20210702BHJP
   E02B 13/02 20060101ALI20210702BHJP
【FI】
   !A01G25/00 501Z
   !A01G25/00 501D
   !A01G25/00 501E
   !A01G25/00 501F
   !E02B13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】49
(21)【出願番号】2019239240
(22)【出願日】20191227
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 仁
【住所又は居所】兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社クボタ 本社阪神事務所内
(72)【発明者】
【氏名】藤本 好宏
【住所又は居所】兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社クボタ 本社阪神事務所内
(72)【発明者】
【氏名】武内 利樹
【住所又は居所】兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社クボタ 本社阪神事務所内
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 雅司
【住所又は居所】兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社クボタ 本社阪神事務所内
(72)【発明者】
【氏名】陳 巨壹
【住所又は居所】兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社クボタ 本社阪神事務所内
(72)【発明者】
【氏名】山森 直毅
【住所又は居所】兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社クボタ 本社阪神事務所内
(57)【要約】
【課題】収容体の高さを変更可能とし、機器などを簡単に追加することができるようにする。
【解決手段】圃場の水管理装置は、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構の開閉動作を行うアクチュエータと、アクチュエータを作動する電力を発生する太陽光パネルと、アクチュエータを収容する収容体と、を備え、収容体は、垂直方向に長さが異なる筒体を着脱自在に支持する支持部を有している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に供給する給水及び前記圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構の前記開閉動作を行うアクチュエータと、
前記アクチュエータを作動する電力を発生する太陽光パネルと、
前記アクチュエータを収容する収容体と、
を備え、
前記収容体は、垂直方向に長さが異なる筒体を着脱自在に支持する支持部を有している圃場の水管理装置。
【請求項2】
前記収容体は、
前記アクチュエータを収容する第1筒体と、
前記アクチュエータとは異なる機器を収容し且つ前記支持部に支持される第2筒体と、
を含んでいる請求項1に記載の圃場の水管理装置。
【請求項3】
前記機器は、前記圃場を撮像可能な観測カメラであり、
前記第2筒体は、前記観測カメラに対向する窓部を有している請求項2に記載の圃場の水管理装置。
【請求項4】
前記窓部は、前記垂直方向であって、前記第2筒体の軸芯方向に延びている請求項3に記載の圃場の水管理装置。
【請求項5】
前記窓部は、前記第2筒体の周方向に延びている請求項3又は4に記載の圃場の水管理装置。
【請求項6】
前記第2筒体は、前記第1筒体に対して垂直方向に移動自在である請求項2〜5のいずれかに記載の圃場の水管理装置。
【請求項7】
前記機器の垂直方向の高さを変更する位置変更機構を備えている請求項2〜5のいずれかに記載の圃場の水管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の水管理を行う圃場の水管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場に用水を供給する技術として、特許文献1が知られている。
特許文献1の給水装置は、圃場に用水を供給する用水パイプラインに設けられて圃場への給水を制御する開閉部と、開閉部を開閉する電動アクチュエータとを含み、電動アクチュエータの本体ケースが開閉部上に設けられる給水装置の設置構造において、開閉部の周辺の地面に立設され、本体ケースを支持する支持部材を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−165661号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の給水装置では、圃場内に効率よく給水を行うことができるものの、他の機器などを追加することが困難である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、収容体の高さを変更可能とし、機器などを簡単に追加することができる圃場の水管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
圃場の水管理装置は、圃場に供給する給水及び前記圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構の前記開閉動作を行うアクチュエータと、前記アクチュエータを作動する電力を発生する太陽光パネルと、前記アクチュエータを収容する収容体と、を備え、前記収容体は、垂直方向に長さが異なる筒体を着脱自在に支持する支持部を有している。
【0006】
前記収容体は、前記アクチュエータを収容する第1筒体と、前記アクチュエータとは異なる機器を収容し且つ前記支持部に支持される第2筒体と、を含んでいる。
前記機器は、前記圃場を撮像可能な観測カメラであり、前記第2筒体は、前記観測カメラに対向する窓部を有している。
前記窓部は、前記垂直方向であって、前記第2筒体の軸芯方向に延びている。
【0007】
前記窓部は、前記第2筒体の周方向に延びている。
前記第2筒体は、前記第1筒体に対して垂直方向に移動自在である。
前記機器の垂直方向の高さを変更する位置変更機構を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収容体の高さを変更可能とし、機器などを簡単に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】圃場の水管理システムの概略図である。
【図2A】複数の圃場の一例を示す図である。
【図2B】複数の圃場の一例を示す図である。
【図2C】圃場に複数の水管理装置を設置した一例を示す図である。
【図2D】水管理装置の装置識別情報と、圃場の圃場識別情報との関係を示す図である。
【図3】水管理装置を給水側及び排水側に取り付けた側面図である。
【図4】給水側の水管理装置の内部を示す図である。
【図5】排水側の水管理装置の内部を示す図である。
【図6】第1実施形態における圃場の水管理システムの詳細図である。
【図7A】観測カメラを外部に取り付けた平面図である。
【図7B】観測カメラを外部に取り付けた垂直断面図である。
【図7C】観測カメラを内部に取り付けた内部の平面図である。
【図7D】観測カメラを内部に取り付けた垂直断面図である。
【図7E】観測カメラ用の窓部を設けた水平断面図である。
【図7F】観測カメラ用の窓部を設けた垂直断面図である。
【図7G】観測カメラ用の窓部を設けた外観図である。
【図7H】図7B、図7Cの管理装置に観測カメラを水平に移動させる移動機構を設けた水平断面図である。
【図7I】図7B、図7Cの管理装置に観測カメラを水平に移動させる移動機構を設けた垂直断面図である。
【図7J】観測カメラの撮像範囲を傾斜させる位置変更機構を示す図である。
【図7K】観測カメラを垂直方向に移動させる位置変更機構を示す図である。
【図7L】第2筒体を着脱した場合の垂直断面図を示す図である。
【図7M】複数の観測カメラを装着する説明図である。
【図8A】設定画面M1の一例を示す図である。
【図8B】設定画面M2の一例を示す図である。
【図9】制御幅F1及び水位の変化を示す図である。
【図10】水管理時期と制御幅との関係を示す図である。
【図11】作物を側方から撮像している状態を示す図である。
【図12A】観測データの一例を示す図である。
【図12B】図12Aとは異なる観測データを示す図である。
【図13A】圃場毎に植生指数を表示した図である。
【図13B】圃場毎にサーモグラフィを表示した図である。
【図13C】圃場毎に草丈を表示した図である。
【図13D】圃場毎にしおれを表示した図である。
【図14】圃場の水面の状況を示す図である。
【図15A】水面等を観測した場合の観測データを示す図である。
【図15B】水面等を観測した場合の図15Aとは異なる観測データを示す図である。
【図16】トラクタの側面図である。
【図17】トラクタの制御ブロック図である。
【図18A】盗難設定画面M3の一例を示す図である。
【図18B】機械登録画面M4の一例を示す図である。
【図19】監視画面M5の一例を示す図である。
【図20】侵入物の一例を示す図である。
【図21】監視画面M6の一例を示す図である。
【図22A】圃場Bが監視対象圃場に選択された状態を示す図である。
【図22B】圃場Bに設置された水管理装置の観測カメラの撮像方向を示す図である。
【図23】第2実施形態における圃場の水管理システムの詳細図である。
【図24】第2実施形態における水管理装置の垂直断面図である。
【図25】第3実施形態における圃場の水管理システムの詳細図である。
【図26】第3実施形態における水管理装置の正面図である。
【図27】第3実施形態における水管理装置の平面図である。
【図28A】ドローンステーションの第1の変形例を示す図である。
【図28B】ドローンステーションの第2の変形例を示す図である。
【図29A】カメラ設定画面M8の一例を示す図である。
【図29B】図29Aとは異なるカメラ設定画面M8を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、圃場の水管理システムを示している。圃場の水管理システムは、圃場の水管理装置1を有している。なお、説明の便宜上、圃場の水管理装置1のことを「水管理装置1」という。
<パイプラインの概要>
図2A及び図3に示すように、作物を作付する圃場H1の周囲には、用水が流れるパイプライン100が設置されていて、水管理装置1は、パイプライン100に接続されている。
【0011】
具体的には、パイプライン100は、供給管100aと、供給管100aから分岐して圃場H1に向けて延びる分岐管100bと、分岐管100bに装着された開閉弁100cとを含んでいる。供給管100aは、用水路に至っていて用水路の用水が流れる。分岐管101bは、供給管100aから所定の間隔で配置されていて、複数の圃場H1がある場合には、例えば、圃場H1毎に供給管100aに接続されている。
【0012】
図3及び図4に示すように、開閉弁100cは、用水が通過可能な筒状の本体101と、本体101の内部に設けられた弁体102と、弁体102に連結された弁軸103と、本体101に設けられた軸受部104とを含んでいる。弁軸103は、軸受部104に対して回転自在に支持され弁軸103が回転することによって、弁体102が垂直方向に移動することで、開閉する構造となっている。詳しくは、弁軸103には雌ねじが形成され、軸受部104の内周には雄ねじが形成されていて、弁軸103の回転に伴って、弁軸103が垂直方向に移動して弁体102が移動する。本体101の周方向には、当該本体101を厚み方向に貫通する貫通孔105が形成されていて、貫通孔105は、用水が圃場H1に向けて出る供給口である。つまり、弁体102は、用水の給水を調整する機構(調整機構)である。なお、開閉弁100cは、一例であり、限定されない。
<水管理装置の概要:給水側>
図4に示すように、水管理装置1は、アクチュエータ10を備えている。アクチュエータ10は、圃場H1に供給する給水(用水の給水)及び圃場H1から排出する排水のいずれかを行う弁体102の開閉動作を行う。アクチュエータ10は、電動モータ10aと、電動モータ10aの駆動により回転する回転軸10bとを有している。
【0013】
電動モータ10aのモータ軸12には、モータ軸12の回転に伴って回転するギア14が取付けられている。ギア14には、収容体11の内部に設けられた軸受16に回転自在に支持され且つ回転軸10bを垂直方向に移動自在に支持するギア15が噛み合っている。詳しくは、ギア15の内面側にはキー溝15aが形成され、キー溝15aに回転軸10bに設けた凸状の摺動部17が嵌め込まれている。なお、ギア15と回転軸10bとはスプラインによって連結してもよく、上述した構成に限定されない。
【0014】
回転軸10bの下端部は、弁軸103の上端部と連結している。例えば、回転軸10bの下端部にはカップリング部18が形成され、カップリング部18に弁軸103の上端部に形成されたカップリング部19が連結されている。
以上、アクチュエータ10によれば、電動モータ10aを回転させることで、ギア14、15及び回転軸10bが回転させることができる。したがって、回転軸10bに連結した弁軸103が回転しながら垂直方向に移動することで、弁体102を開閉動作させることができる。
【0015】
また、水管理装置1は、収容体11を備えている。収容体11は、垂直方向に長く内部にアクチュエータ10等の機器を収容する収容空間を形成した立体構造である。収容体11は、複数の筒体11a、11b、11cを含んでいる。筒体11a、11b、11cのそれぞれは垂直方向に並べられていて互いに連結されている。
具体的には、筒体11aの下端は、開閉弁100cの本体101に取付けられた取付台115にボルト等の締結具によって取付けられている。筒体11aは、取付台115に取付けられた状態で上方に延びるように起立している。
【0016】
筒体11aの上端と、筒体11bの下端との間には、筒状の連結部材25が設けられている。連結部材25は、周壁部25aと、周壁部25aから径外方向に突出したフランジ部25bと、周壁部25aの上端側に設けられた支持壁25cとを有している。筒体11aの上端をフランジ部25bに近接させ、筒体11bの下端をフランジ部25bに近接させ、筒体11aの上端及び周壁部25aをボルト等の締結具で締結し且つ、筒体11bの下端及び周壁部25aをボルト等の締結具で締結することにより、筒体11aの上端と筒体11bとが一体化される。
【0017】
支持壁25cには、回転軸10bが貫通する貫通孔が形成されている。軸受16等が取り付けられた構造体27を支持壁25cに取付けることにより、電動モータ10a、回転軸10b及びギア15が支持壁25cにより支持されている。即ち、筒体11a及び11bによって、アクチュエータ10を収容する第1筒体が構成されている。
筒体11bは、下壁部31と、上壁部32と、下壁部31と上壁部32との間に設けられた中間壁33を有するT形に構成されている。中間壁33は、径外方向に突出した突出壁34を有している。突出壁34は、円形であって、当該突出壁34には、操作盤43が取り付けられている。また、筒体11bの上壁部32の内径は、中間壁33の内径よりも小さく段部35が形成されている。言い換えれば、筒体11bの段部35は径内方向に突出して、筒体(第2筒体)11cの下部を取り付ける支持部、即ち、筒体(第2筒体)11cの下部を差し込む差し込み部となっている。
【0018】
筒体(第2筒体)11cは、第1筒体(筒体11a、筒体11b)に支持されていて、アクチュエータ10とは別の機器を収容可能である。筒体(第2筒体)11cの外径は、筒体11bの内径よりも小さく、筒体(第2筒体)11cをはめ込むことができる構成となっている。筒体11cの下端部には、載置板37が取り付けられている。筒体11bの上壁部32に差し込まれて、載置板37の下面が段部35に当接することにより、筒体11cが筒体11bに取付けられている。筒体11cの上端には、天板39が取り付けられ、筒体11cの上端は天板39によって閉鎖されている。
<水管理装置の概要:排水(落水)側>
上述した実施形態では、水管理装置1は、パイプライン100の給水側に設けられていたが、図3に示すように、給水した水(用水)を排出する排水側(落水側)に設けられていてもよい。
【0019】
排水路120に排水管121の一端が接続され、排水管121の他端は排水桝122に接続されている。排水桝122には、落水部123が設けられ、落水部123の上部に水管理装置1が接続されている。
図5に示すように、落水部123は、垂直方向に移動することで落水をさせない状態(閉鎖状態)と落水をさせる状態(開放状態)とに位置変更可能な仕切部125と、仕切部125を垂直方向に移動させる移動機構126とを備えている。移動機構126は、台座127と、台座127に上端が固定され下方に延びる案内棒128と、案内棒128が挿通され且つ案内棒128に沿って移動可能な移動体130と、台座127の貫通孔に挿入される第1軸129と、第1軸129の回転に伴って回転する第2軸132とを有している。第1軸129の上端は、カップリング等により回転軸10bに連結されている。第2軸132は、移動体130に挿入されていて、第2軸132の回転によって移動体130が移動するように構成されている。例えば、第2軸132には雄ネジが形成され、移動体130の内部には雌ネジが形成されていて、第2軸132が回転すると移動体130が垂直方向に移動する。
【0020】
仕切部125は、移動体130に取付けられたブラケット131等に装着され、移動体130の垂直方向の移動によって高さが変更する。仕切部125は、筒状であって、圃場H1の水面よりも仕切部125の上端が高い場合には、落水をさせない閉鎖状態であり、水面よりも上端が低い場合は落水をさせる開放状態になる。
以上のように、水管理装置1を排水側に取付けた場合も、アクチュエータ10を作動させることによって、移動体130(仕切部125)の開閉動作を行わせることができる。即ち、仕切部123は、排水を調整する機構(調整機構)である。
【0021】
つまり、水管理装置1は、圃場H1に供給する給水及び圃場H1から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102又は仕切部125)を有している。
<水管理装置>
図4、図5、図6に示すように、水管理装置1は、太陽光パネル40と、蓄電装置41とを備えている。太陽光パネル40は、少なくともアクチュエータ10を作動する電力を発生するパネルである。太陽光パネル40は、収容体11の上部、即ち、筒体11cの上部に取付けられている。詳しくは、筒体11cの天板39には、ブラケット38が取り付けられ、ブラケット38に太陽光パネル40が取り付けられている。蓄電装置41は、収容体11に収容され、太陽光パネル40が発電した電力を蓄電する。蓄電装置41は、筒体(第2筒体)11cに収容されている。
【0022】
図6に示すように、水管理装置1は、検出装置50と、制御装置60と、通信装置70とを備えている。検出装置50は、圃場H1の状態(環境)を検出するセンサであって、水位を検出する水位検出装置(水位センサ)50a、水温を検出する水温検出装置(水温センサ)50b、気温を検出する気温センサ50c、湿度を検出する湿度センサ50d、土壌の温度を検出する土壌温度センサ50e等である。なお、水管理装置1は、水位センサ50a、水温センサ50b、気温センサ50c、湿度センサ50d及び土壌温度センサ50eの全てを備えている必要はなく、適宜、組み合わせが可能である。
【0023】
通信装置70は、水管理装置1と外部とを通信する通信モジュールであって、様々な情報を外部に出力可能である。通信装置70は、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、LPWA(Low Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置70は、例えば、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うことができる。
【0024】
制御装置60は、水管理装置1の様々な制御を行う装置である。制御装置60は、電気、電子回路、CPU等から構成されている。制御装置60は、外部からの指令又は、検出装置50が検出した検出値(水位、水温、気温、湿度、土壌温度等)に基づいて、アクチュエータ10(電動モータ10a)の作動を指令することで、弁体102、125の開閉を制御する。なお、アクチュエータ10と異なる機器の1つである制御装置60及び通信装置70は、筒体(第2筒体)11cに収容されている。
<観測カメラ>
図6に示すように、水管理装置1は、観測カメラ80を備えている。観測カメラ80は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラである。観測カメラ80には、電力供給ラインL1を介して蓄電装置41の電力が供給され、当該観測カメラ80は、蓄電装置41の電力、即ち、太陽光パネル40が発電した電力によって作動する。なお、観測カメラ80は、直接、電力供給ラインL1を介して太陽光パネル40に接続されていてもよい。
【0025】
図2A及び図2Bは、観測カメラ80を有する水管理装置1を、圃場H1に設置した場合の、水管理装置1の配置を示している。
なお、観測カメラ80は、水管理装置1の内部及び/又は外部に設けられる場合があるため、図2A及び図2Bにおいて、観測カメラ80の図示を省略している。また、図2Aは、圃場H1に対して、給水側の水管理装置1を配置した状態を示しており、図2Bは、圃場H1に対して、給水側及び排水側の水管理装置1を配置した状態を示している。なお、圃場H1に設置された水管理装置1と、圃場H1とは対応づけられていて、図2Dに示すように、水管理装置1の装置識別情報(名称、型式番号、製造番号、シリアルコードなど)と、圃場H1の圃場識別情報(名称、管理番号など)とが関連付けられて、後述する支援装置201Aに記憶されている。また、水管理装置1の設置位置(緯度、経度)と、圃場H1の識別情報又は圃場H1の設置位置(緯度、経度)とも関連付けられていて、後述する支援装置201Aに記憶されている。
【0026】
図2A、図2Bに示すように、各圃場H1に設置された水管理装置1において、観測カメラ80の撮像方向X1は、給水及び/又は排水の対象とする圃場H1側に向けられている。観測カメラ80は、水管理装置1に設けられた出力部に接続されていて、観測カメラ80で撮像した観測データを出力部から外部へ出力が可能である。出力部は、外部に観測データを出力する装置である。
【0027】
図7Aに及び7B示すように、観測カメラ80は、収容体11の外部に取付けられている。例えば、観測カメラ80は、太陽光パネル40と収容体11との間に設けられている。より詳しくは、収容体11の上部に位置する筒体11cの天板39にカメラ取付金具(取付部)150が固定され、カメラ取付金具150に観測カメラ80が取り付けられている。カメラ取付金具(取付部)150は、観測カメラ80を着脱可能な金具であって、天板39に固定されたブラケット150aと、ブラケット150aを貫通する雄ねじ150bと、雄ねじ150bに取り付けられた摘み部150cとを含んでいる。雄ねじ150bを、観測カメラ80の筐体に形成された雌ねじにねじ込むことによって、観測カメラ80をブラケット150aに固定することができる。また、摘み部150cを雄ねじ150bを緩める方向に回転させることによって、観測カメラ80を取り外すことができる。
【0028】
観測カメラ80は、太陽光パネル40の直下に位置していて、観測カメラ80と太陽光パネル40とは垂直方向及び幅方向にオーバラップしている。言い換えれば、観測カメラ80は、平面視で、太陽光パネル40が設置されているエリア内に設置されている。したがって、太陽光パネル40によって上部からの雨水が観測カメラ80に掛かるのを抑制することができる。
【0029】
図7C、図7Dに示すように、観測カメラ80は、収容体11の外部ではなく、内部に取付けられていてもよい。例えば、観測カメラ80は、複数の筒体11a、11b、11cのうち、蓄電装置41を収容する筒体(第2筒体)11cに収容されている。即ち、観測カメラ80は、複数の筒体11a、11b、11cのうち、アクチュエータ10を収容しない筒体(第2筒体)11cに収容されている。観測カメラ80を収容する筒体(第2筒体)11cの全体は、例えば、透明の樹脂(アクリルパイプ)から構成されていて、筒体11cの内部から撮像が可能となっている。
【0030】
より詳しくは、筒体(第2筒体)11cの載置板37には、カメラ取付金具(取付部)151が設けられ、カメラ取付金具151に観測カメラ80が固定されている。カメラ取付金具151は、カメラ取付金具150と同様の構成であって、ブラケット151aと、ブラケット150aを貫通する雄ねじ151bと、雄ねじ151bに取り付けられた摘み部151cとを含んでいる。図7C、図7Dの場合、ブラケット151aは、載置板37の上面に固定されている。雄ねじ151bを、観測カメラ80の筐体に形成された雌ねじにねじ込むことによって、観測カメラ80をブラケット151aに固定することができる。また、摘み部151cを、雄ねじ151bを緩める方向に回転させることによって、観測カメラ80を取り外すことができる。
【0031】
観測カメラ80の垂直方向における画角(垂直画角)θにより設定される撮像境界L2aが筒体11bの上端よりも上方で且つL2bが天板39よりも下方となる位置に、観測カメラ80の垂直位置が設定されている。
上述した実施形態では、筒体(第2筒体)11cを透明にしていたが、これに変えて、図7E〜図7Gに示すように、筒体(第2筒体)11cの一部に窓部153を設け、観測カメラ80が窓部153を通して監視を行ってもよい。
【0032】
筒体(第2筒体)11cには、観測カメラ80の撮像方向X1に対向する窓部153が設けられている。窓部153は、透明の部材で形成されていて、光を透過可能である。
具体的には、筒体(第2筒体)11cには、当該筒体(第2筒体)11cの軸方向(垂直方向)に延び且つ当該筒体(第2筒体)11cの周方向に延びる貫通孔154が形成されている。筒体(第2筒体)11cの内面又は外面には、貫通孔152を塞ぐように窓部153が取り付けられている。窓部153も、貫通孔154同様に筒体(第2筒体)11cの軸方向(垂直方向)に延び且つ当該筒体(第2筒体)11cの周方向に延びている。なお、窓部153の軸方向の長さL10、窓部153の周方向の幅W10は、観測カメラ80の画角に応じて設定して、画角よりも大きくする。
【0033】
上述した実施形態では、観測カメラ80は、カメラ取付金具151によって移動不能に固定されていたが、これに変えて、観測カメラ80は、移動自在であってもよい。
図7H、図7Iに示すように、水管理装置1は、位置変更機構159Aを備えている。位置変更機構159Aは、例えば、観測カメラ80を水平方向に変更することが可能である。位置変更機構159Aは、ターンテーブル160と、電動モータ162とを有している。ターンテーブル160には、カメラ取付金具151が固定されている。図7H、図7Iの場合、カメラ取付金具151のブラケット151aは、ターンテーブル160の上面に固定されている。なお、図7H、図7Iのカメラ取付金具151において、ブラケット151a以外の構成は同じである。
【0034】
ターンテーブル160には、当該ターンテーブル160を回転させる電動モータ162の回転軸が取り付けられている。電動モータ162は、支持台157に固定されている。この場合、筒体(第2筒体)11cは、全周が透明、或いは、周方向に所定の間隔で図7E〜図7Gに示した窓部153が複数設けられている。ターンテーブル160を回動させることによって、観測カメラ80は水平方向に回転し、図7Hに示すように、撮像方向X1、即ち、水平方向の撮像範囲G1を変更することができる。
【0035】
図7Jに示すように、位置変更機構159Bは、観測カメラ80の撮像範囲G1を垂直方向に傾斜させる機構、即ち、撮像方向X1を垂直方向に傾斜させる機構であってもよい。位置変更機構159Bは、ターンテーブル160と、観測カメラ80を横軸166周りに揺動自在に支持するブラケット165と、観測カメラ80に固定された円弧部を有する揺動板167と、電動モータ168とを含んでいる。揺動板167に歯車状の凹凸が形成され、電動モータ168の回転軸に設けられたギア169が揺動板167の凹凸にかみ合っている。図7Jに示すように、電動モータ168を回転させることで、撮像範囲G1(撮像方向X1)を上方向又は下方向に傾斜することができる。なお、図7Jにおいて、ターンテーブル160に設けた部材(ブラケット165、揺動板167及び電動モータ168)をカメラ取付金具(取付部)151に取り付けることで、観測カメラ80を着脱自在にしてもよい。
【0036】
図7Kに示すように、位置変更機構159Cは、観測カメラ80の撮像範囲G1を垂直方向に移動させる機構、即ち、撮像方向X1を垂直方向に移動させる機構であってもよい。なお、図7Kでは、説明の便宜上、制御装置60の図示を省略している。
位置変更機構159Cは、筒体(第2筒体)11cに固定されたブラケット170、171と、ブラケット170、171を貫通する移動部材172、電動モータ173を含んでいる。ブラケット170、171には、貫通孔が形成され、貫通孔には雌ねじが形成されている。移動部材172は、棒状の部材であって外周面に雄ねじが形成され、ブラケット170、171の雌ねじに嵌め込まれている。移動部材172には、カメラ取付金具(取付部)151等を介して観測カメラ80が取り付けられている。電動モータ173の回転軸に設けられたギアは、移動部材172に嵌まり込んでいて、電動モータ173を回転させることにより、観測カメラ80は、移動部材172の移動に応じて垂直方向に移動する。即ち、電動モータ173を回転させることで、撮像範囲G1(撮像方向X1)を垂直方向に移動させることができる。
【0037】
位置変更機構は、観測カメラ80を水平方向と上下方向及び/又は下方向を移動させる構成、即ち、水平方向と上下方向及び/又は下方向を組み合わせてもよく、また、垂直方向に移動させる構成と組み合わせてもよい。
<第2筒体(高さ変更)>
さて、上述した実施形態では、第1筒体(筒体11a、筒体11b)に筒体(第2筒体)11cを取り付けていたが、第1筒体(筒体11a、筒体11b)には、図7Lに示すように、筒体(第2筒体)11cの軸方向の長さ(高さが異なる)H10を着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。図7Lについては、説明の便宜上、筒体(第2筒体)11cに収容する機器(蓄電装置41、観測カメラ80、制御装置60、通信装置70)を省略している。
【0038】
図7Lに示すように、収容体11は、支持部180を備えている。支持部180は、筒体(第2筒体)11cの軸方向の長さ(高さが異なる)H10を着脱自在に支持する部分である。支持部180は、段部(差し込み部)35と、筒体(第2筒体)11cの下部に設けられた第1貫通孔181と、第1筒体(筒体11b)の上部に設けられた第2貫通孔182と、第1貫通孔181及び第2貫通孔182を介して筒体(第2筒体)11cと第1筒体(筒体11b)とを締結する締結具183とを有している。第1貫通孔181及び第2貫通孔182を構成する周壁には、雌ねじが形成されていて、ボルト等の締結具183が締結できるようになっている。
【0039】
ここで、長さL10が短い筒体(第2筒体)11cを「短筒体11c1」とし、長さL10が長い筒体(第2筒体)11cを「長筒体11c2」とした場合、支持部180によって、短筒体11c1と長筒体11c2とを入れ替え自在となっている。短筒体11c1と長筒体11c2のそれぞれは、図7A〜図7Kに示したような形状であり、内部に収容する機器として、蓄電装置41、観測カメラ80、制御装置60、通信装置70、位置変更機構159A、159B、159C、カメラ取付金具(取付部)151が収容可能である。特に、長筒体11c2に、観測カメラ80及び位置変更機構159を設けた場合、観測カメラ80で観測する高さを高くすることができる。
【0040】
なお、第1筒体(筒体11a、筒体11b)に筒体(第2筒体)11cとの取付に関して、ボルトでの固定を例にして説明しているが、筒体同士を係合又は嵌合させる構成であってもよいし、筒体にねじ穴を形成してボルト止めを行うようにしてもよく、取付方法は限定されない。
なお、支持部180を設けた場合において、短筒体11c1及び長筒体11c2のそれぞれを透明にする場合は、短筒体11c1及び長筒体11c2のそれぞれにおいて、筒体11bの上壁部32と重なる部分を透明にしなくてもよいし、透明にしてもよい。
【0041】
図7Mに示すように、カメラ取付金具(取付部)150、151は、複数の観測カメラ80を着脱可能に取り付ける構造であってもよい。つまり、上述した図7A〜図7Lにおいて、カメラ取付金具(取付部)150、151を複数の観測カメラ80を装着可能な構成にしてもよい。この場合、カメラ取付金具(取付部)150は、ブラケット150aの上面に複数の雄ねじ150bと、複数の雄ねじ150bのそれぞれに取り付けられた摘み部150cとを含んでいる。
【0042】
カメラ取付金具(取付部)151も、ブラケット151aの上面に複数の雄ねじ151bと、複数の雄ねじ151bのそれぞれに取り付けられた摘み部150cとを含んでいる。
また、通信装置70は、筐体70aと、筐体70aに設けられた複数のコネクタ70bとを含んでいる。複数のコネクタ70bには、複数の観測カメラ80のそれぞれに設けられたケーブル(通信ライン)が接続可能である。したがって、カメラ取付金具(取付部)150、151に複数の観測カメラ80を取り付けた場合は、通信装置70は、複数の観測カメラ80が観測した観測データを送信可能である。この実施形態では、カメラ取付金具(取付部)150、151は、撮像する周波数帯が異なる複数の観測カメラ80が取り付けられている。具体的には、カメラ取付金具(取付部)150、151のそれぞれの場合において、観測カメラ80として、可視光の周波数帯により撮像を行う可視光カメラ80aと、赤外線の周波数帯により撮像を行う赤外線カメラ80bとが接続される。
【0043】
図7Mには、複数の観測カメラ80が同じ方向で取付されているが、異なる方向で固定されていてもよい。この場合、圃場側とその反対側に可視光カメラ80aを取付することで、圃場を含む周辺部を観測することができる。また、可視光カメラ80aを圃場側とし赤外線を圃場と異なる方向、例えば、夜に野生動物の侵入が多い山側に向けて取付するなど、目的に応じて取付を行うことができる。
【0044】
観測カメラ80は、水管理装置1に設けた機器に連携して作動させることが可能である。観測カメラ80は、例えば、アクチュエータ10を作動させることで調整機構を作動させた場合、太陽光パネル40によって発電を行っているときに作動させたり、蓄電装置41の蓄電量(充電量)が所定以上である場合に作動させることもできる。水管理装置1が稼働する時間帯で作動させることもできる。なお、観測カメラ80と機器(アクチュエータ10の作動、太陽光パネル40の発電、蓄電装置41の充電/放電、調整機構)と独立して作動させることもできる。
【0045】
また、観測カメラ80及び位置変更機構の作動は、圃場の水管理システム(灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モード)に応じて実行されてもよいし、外部機器201(支援装置201A、外部端末201B)の操作によって遠隔で行ってもよい。
<圃場の水管理システム>
図6に示すように、圃場の水管理システムは、中継局200と、外部機器201とを備えている。外部機器201は、支援装置201Aと、支援装置201Aに接続可能な外部端末201Bとを備えている。支援装置201Aは、サーバであり、外部端末201Bは、固定型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、PDA等の携帯端末である。
【0046】
中継局200は、水管理装置1の通信装置70と支援装置201Aとの通信、又は、水管理装置1の通信装置70と外部端末201Bとの通信を中継する通信ユニットである。中継局200は、水管理装置1からの様々な情報を支援装置201Aに送信したり、支援装置201Aからの様々な情報を通信装置70に送信する。或いは、中継局200は、水管理装置1からの様々な情報を外部端末201Bに送信したり、外部端末201Bからの様々な情報を通信装置70に送信する。なお、この実施形態では、圃場の水管理システムは、中継局200を備えることで間接通信を行っているが、水管理装置1の通信装置70と支援装置201Aとが直接通信を行ってもよいし、水管理装置1の通信装置70と外部端末201Bとが直接通信を行ってもよいし、通信方式は、限定されない。
【0047】
圃場の水管理システムは、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードと、を有している。なお、圃場の水管理システムは、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードの全てを有していなくてもよく、全ての組み合わせが可能である。
外部端末201Bが支援装置201Aに接続して所定の操作を行うと、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードのいずれかに設定することができる。なお、圃場の水管理システムにおいて、2以上のモードを同時に設定することも可能である。灌漑モードと水監視モードとの両方を同時に設定したり、盗難監視モードと侵入物監視モードとを同時に設定することも可能である。
<灌漑モード>
外部端末201Bを操作することによって灌漑モードに設定すると、支援装置201Aは、図8Aに示すように、当該外部端末201Bに設定画面M1を表示する。設定画面M1では、灌漑単位(制御単位)を入力する単位選択部210と、灌漑選択部211と、水位設定部212と、詳細設定ボタン213と、時間設定部214とが表示される。
【0048】
単位選択部210では、圃場単位(圃場H1の1つ1つ)で設定を行うか、予め定められた複数の圃場H1のグループで設定を行うかを入力する部分である。圃場単位を選択した場合は、圃場H1単位で灌漑を行うことができ、グループを設定した場合は、複数の圃場H1群で灌漑を行うことができる。灌漑選択部211は、一定湛水と、かけ流し、停止等が選択可能である。一定湛水では、設定水位から制御幅を下回った場合に灌水(給水)を行い、設定水位以上となった場合に灌水(給水)を停止する設定である。かけ流しは、設定に関係なく灌水(給水)を行う設定である。停止は、設定に関係なく灌水(給水)を停止する設定である。水位設定部212は、水位の上限値(上限水位)を設定する部分である。
【0049】
詳細設定ボタン213を選択すると、図8Bに示すように、支援装置201Aは、外部端末201Bに設定画面M2を表示する。設定画面M2では、制御幅入力部215と、バルブ開度入力部216が表示される。制御幅入力部215は、制御幅F1を入力する部分であり、図9に示すように、上限水位からの幅を示す数値である。制御幅F1を設定することにより、水位の下限値(下限水位)が決定される。制御幅入力部215において、入力された制御幅F1が1cm未満など非常に小さい値が入力された場合は、設定画面M2に警告を表示して、制御幅入力部215に非常に小さい値が入力しないことを促す。バルブ開度入力部216は、開閉弁100c(弁体102)の開度C1を入力する部分である。
【0050】
時間設定部214は、時刻に応じて灌漑を行うか否かを設定する部分であり、「ON」を選択すると、灌漑開始時刻と、灌漑終了時刻を設定することが可能である。「OFF」を選択した場合は、時間に関係なく灌漑設定情報に基づいて灌漑を行う。
以上のように、設定画面M1、M2によって設定された灌漑設定情報(圃場単位、グループ単位、一定湛水と、かけ流し、停止、上限水位、制御幅F1、灌漑開始時刻、灌漑終了時刻)は、支援装置201Aに設けられた記憶装置203に記憶される。支援装置201Aは、水管理装置1の通信装置70に灌漑設定情報(圃場単位、グループ単位、一定湛水と、かけ流し、停止、上限水位、制御幅F1、開度C1、灌漑開始時刻、灌漑終了時刻)を送信する。
【0051】
また、支援装置201Aは、灌漑モードに設定されていると水管理装置1に灌漑モードに設定されていることを送信する。水管理装置1の通信装置70が灌漑モードであることを受信すると、制御装置60は、灌漑モードに対応した動作を行う。制御装置60は、灌漑モードでは、圃場H1に給水を行う制御を行う。
図6に示すように、水管理装置1の制御装置60は、水位制御部60Aと、水位幅変更部60Bとを備えている。
【0052】
図9に示すように、水位制御部60Aは、水位検出装置50aが検出した水位(検出水位)F2が制御幅F1内に入るようにアクチュエータ10を制御する。水位制御部60Aは、一定湛水が設定されている場合は、検出水位F2が下がり、下限水位に近づいた場合に、アクチュエータ10を灌漑設定情報によって設定された開度C1に設定して、圃場H1内に用水を供給する灌水を行う。一方、水位制御部60Aは、検出水位F2が上がり、上限水位に近づいた場合に、弁体102が全閉するようにアクチュエータ10を作動させ、灌水(給水)を停止する。なお、水位制御部60Aは、水面が安定するまで水位検出装置50aが検出した水位を用いない、例えば、給水を行ってから所定時間(水位停止時間)だけ水位(検出水位)をアクチュエータ10の制御に用いないようにしてもよいし、弁体102の開の直後は、水位検出装置50aが水位を測定しないようにしてもよい。なお、水位停止時間は、季節に応じて設定してもよい。例えば、稲穂が大きい場合は、給水開始後から水位検出装置50aの測定は行うが、一定時間経過(水位停止時間経過)後の検出値を実際の水位として検知してもよい。
【0053】
また、水位制御部60Aは、一定湛水が設定され且つ灌漑開始時刻、灌漑終了時刻が設定されている場合(時間帯付き一定湛水)においては、灌漑開始時刻と灌漑終了時刻との時間帯において、検出水位F2が下がり、下限水位に近づいた場合に、アクチュエータ10を灌漑設定情報によって設定された開度C1に設定して、圃場H1内に用水を供給する灌水を行う。一方、水位制御部60Aは、検出水位F2が上がり、上限水位に近づいた場合に、弁体102が全閉するようにアクチュエータ10を作動させ、灌水(給水)を停止する。つまり、時間帯付き一定湛水の場合は、時間帯の中で弁体102の開閉が繰り返される。
【0054】
なお、所定時間内(例えば、1日)において、弁体102の開閉動作が所定回数以上になった場合には、水位制御部60Aは、通信装置70から支援装置201Aに「開閉動作が所定回数以上」になった旨を通知する。支援装置201Aは、所定時間内に「開閉動作が所定回数以上」になったことを通知する。
水位幅変更部60Bは、灌漑設定情報の制御幅F1を変更(補正)する。制御装置60は、図10に示すように、圃場の水管理として、苗の移植から順番に、深水、浅水、間断、中干し、間断、低温時灌水、浅水、間断、落水に対応する時期(水管理時期)が記憶されている。また、制御装置60は、水管理時期に対応した制御幅F1の数値A1、A2、A3を記憶している。制御装置60は、水管理時期に対応した開度A4、A5、A6を記憶している。
【0055】
水位幅変更部60Bは、例えば、苗の移植後、深水、浅水、間断の期間T1の場合において、灌漑設定情報によって示された制御幅(設定制御幅)F1が数値A1と一致している場合、設定制御幅F1の変更を行わない。一方、水位幅変更部60Bは、期間T1の場合において、設定制御幅F1と数値A1とが一致していない場合、期間T1における制御幅F1を数値A1に変更(補正)する。
【0056】
また、水位幅変更部60Bは、例えば、期間T1の場合において、灌漑設定情報によって示された開度(設定開度)C1が数値A4と一致している場合、設定開度C1を変更しない。一方、水位幅変更部60Bは、期間T1の場合において、設定開度C1と数値A4とが一致していない場合、期間T1における開度C1を数値A4に変更(補正)する。
水位幅変更部60Bは、中干し、間断、低温時灌水の期間T2の場合において、設定制御幅F1が数値A2と一致している場合、設定制御幅F1の変更を行わない。一方、水位幅変更部60Bは、期間T2の場合において、設定制御幅F1と数値A2とが一致していない場合、期間T2における制御幅F1を数値A2に変更(補正)する。
【0057】
また、水位幅変更部60Bは、例えば、期間T2の場合において、設定開度C1が数値A5と一致している場合、設定開度C1を変更しない。一方、水位幅変更部60Bは、期間T2の場合において、設定開度C1と数値A5とが一致していない場合、期間T2における開度C1を数値A5に変更(補正)する。
水位幅変更部60Bは、浅水、間断、落水の期間T3の場合において、設定制御幅F1が数値A3と一致している場合、設定制御幅F1の変更を行わない。一方、水位幅変更部60Bは、期間T3の場合において、設定制御幅F1と数値A3とが一致していない場合、期間T2における制御幅F1を数値A3に変更(補正)する。
【0058】
また、水位幅変更部60Bは、例えば、期間T3の場合において、設定開度C1が数値A6と一致している場合、設定開度C1を変更しない。一方、水位幅変更部60Bは、期間T3の場合において、設定開度C1と数値A6とが一致していない場合、期間T2における開度C1を数値A6に変更(補正)する。
つまり、水位幅変更部60Bは、期間T1、T2、T3のそれぞれの場合において、設定制御幅F1>A1、設定制御幅F1>A2、設定制御幅F1>A3の場合は、設定制御幅F1の下限値を制限している。また、水位幅変更部60Bは、期間T1、T2、T3のそれぞれの場合において、設定開度C1>A5、設定開度C1>A6、設定開度C1>A6の場合は、設定開度C1を制限している。また、水位幅変更部60Bは、制御幅A1、A2、A3に応じて開度C1の変更を行っているため、制御幅A1、A2、A3に応じて、開閉動作の時間、即ち、開度A4、A5、A6を可変にしている。
【0059】
さて、図2Cに示すように、1つの圃場H1に対して給水を行う複数の水管理装置1(1A、1B、1C)が設置される場合がある。このような場合において、水管理装置1(1A、1B、1C)を行う灌漑開始時刻、灌漑終了時刻が異なる場合、即ち、弁体102の開閉のタイミングが異なる場合がある。このような場合は、複数の水管理装置1(1A、1B、1C)において、複数の水管理装置1(1A、1B、1C)のうち、所定の水管理装置1の検出水位F2が下限水位に近づいた場合に、複数の水管理装置1(1A、1B、1C)が同時に灌水を行うように支援装置201Aが指令し、所定の水管理装置1の検出水位F2が上限水位に近づいた場合に、複数の水管理装置1(1A、1B、1C)が同時に灌水を終了するように支援装置201Aが指令する。即ち、圃場H1に対して給水を行う複数の水管理装置1(1A、1B、1C)が設置された場合は、支援装置201Aによって灌水の動作を同期させる。
【0060】
さて、上述した実施形態では、制御装置60に期間T1,T2,T3と、制御幅A1、A2、A3、開度A4、A5、A6との関係を記憶しておき、期間T1,T2,T3に基づいて制御幅A1、A2、A3、開度A4、A5、A6を変更していたが、水位幅変更部60Bは、圃場H1の作物U1の生育に基づいて、制御幅A1、A2、A3、又は、開度A4、A5、A6を変更してもよい。
【0061】
図11に示すように、観測カメラ80によって、稲などの作物U1を側方から撮像し、作物U1の成長を撮像する。水位幅変更部60Bは、例えば、観測カメラ80から撮像した観測データ(撮像画像)から、作物U1の大きさ(草丈(背丈))X1を推定し、深水、浅水、間断、中干し、間断、低温時灌水、浅水、間断、落水のいずれかの時期に該当するかを判断して、制御幅A1、A2、A3、開度A4、A5、A6を変更する。言い換えれば、水位幅変更部60Bは、撮像画像の作物U1の状態から活着期、分げつ期、穂首分化期、穂ばらみ期、開花期、登熟期等の生育ステージを判断して、制御幅A1、A2、A3、開度A4、A5、A6を変更する。
【0062】
水位幅変更部60Bは、作物U1が成長する(生育ステージが進む)につれて制御幅A1、A2、A3を大きくする。水位幅変更部60Bは、例えば、作物U1が成長する(生育ステージが進む)につれて開度A4、A5、A6を小さくする。なお、上述した制御幅A1、A2、A3、開度A4、A5、A6は一例であり、圃場H1の地質、地域制、作物U1の種類(銘柄)等によって自在に変更してもよく、制御幅A1、A2、A3、開度A4、A5、A6の数値は、過去の実績、シミュレーション等により求めてもよい。
<生育監視モード>
外部端末201Bを操作することによって生育監視モードに設定すると、支援装置201Aは、水管理装置1に生育監視モードに設定されていることを送信する。水管理装置1の通信装置70が生育監視モードであることを受信すると、制御装置60は、生育監視モードに対応した動作を行う。制御装置60は、生育監視モードでは、圃場H1の作物U1の監視を行う。
【0063】
図11に示すように、生育監視モードでは、観測カメラ80は、作物U1を横(側方)から撮像し、撮像した観測データを通信装置70によって支援装置201Aに送信する。
観測カメラ80は、作物U1の根側から先端までの範囲を撮像する。なお、観測カメラ80によって、作物U1を撮像する場合、制御装置60は、位置変更機構159A、159B、159Cのいずれかの電動モータ162、168、173によって、観測カメラ80の位置を調整することで、作物U1の根側から先端までの範囲を撮像する。なお、図6及び図11等に示すように、水管理装置1は、光源を照射するライト(照明装置)230を備えていることが好ましい。ライト(照明装置)230では、作物を撮像する際に点灯させる。
【0064】
例えば、観測カメラ80が可視光カメラ80aである場合、水管理装置1は、装置識別情報、撮像時間、可視光カメラ80aで撮像した作物U1の撮像画像(作物画像)を観測データとして、支援装置201Aに送信する。
図12Aに示すように、観測カメラ80が赤外線カメラ80bである場合、水管理装置1は、装置識別情報、撮像時間、赤外線カメラ80bで撮像した作物画像を観測データとして、支援装置201Aに送信する。
【0065】
観測カメラ80が可視光カメラ80a及び赤外線カメラ80bである場合、水管理装置1は、装置識別情報、撮像時間、可視光カメラ80a及び赤外線カメラ80bで撮像した作物画像を観測データとして、支援装置201Aに送信する。
なお、支援装置201A及び外部端末201Bを操作することによって、生育監視モードにおいて、観測カメラ80(可視光カメラ80a、赤外線カメラ80b)で撮像する撮像時間を設定することが可能である。例えば、支援装置201Aは、外部端末201Bに撮像時間を設定する時間画面を表示し、支援装置201Aは、外部端末201Bの時間画面に入力された撮像時間を、水管理装置1に送信する。観測カメラ80(可視光カメラ80a、赤外線カメラ80b)は、設定された撮像時間に観測(撮像)を行う。
【0066】
水管理装置1において、灌漑モードと生育監視モードとを同時に行ってもよい。例えば、灌漑モードで圃場H1内に灌漑(給水)しているときに、観測カメラ80(可視光カメラ80a、赤外線カメラ80b)によって作物U1の撮像を行い、観測データとして、支援装置201Aに送信してもよい。
<生育監視モード>
図12Aに示すように、支援装置201Aは、水管理装置1から送信された観測データ(装置識別情報、撮像時間(日付、時刻)及び作物画像)を生育データベース220に記憶する。なお、上述した実施形態では、作物U1の側方から観測データを撮像し、観測データを支援装置201Aに送信していたが、これに加えて、水位検出装置(水位センサ)50aで検出した水位、水温検出装置(水温センサ)50bで検出した水温を観測データとして送信し、図12Bに示すように、生育データベース220に記憶してもよい。
【0067】
図6に示すように、支援装置201Aは、解析部221と、生育比較部222とを備えている。解析部221及び生育比較部222は、支援装置201Aに設けられた電気・電子回路、プログラム等から構成されている。解析部221は、可視光カメラ80aで撮像した作物画像を用いて、圃場毎の植生指数(DVI、RVI、NDVI、GNDVI、SAVI、TSAVI、CAI、MTCI、REP、PRI、RSIなど)による解析を行う。
【0068】
また、解析部221は、赤外線カメラ80bで撮像した作物画像を解析して、作物U1の温度が高い箇所と高い箇所のサーモグラフィを作成する。また、解析部221は、可視光カメラ80a及び赤外線カメラ80bのいずれかで撮像した作物画像を解析して、作物U1の草丈を演算する。また、解析部221は、可視光カメラ80a及び赤外線カメラ80bのいずれかで撮像した作物画像を解析して、作物U1のしおれ(しおれ度合い)を演算する。
【0069】
図13A〜図13Dに示すように、生育比較部222は、圃場毎の生育の比較を行う。
図13Aに示すように、生育比較部222は、解析部221が解析した作物U1の植生指数を圃場H1毎にグラフ化して、グラフ化した植生指数を外部端末201Bに送信し、外部端末201Bに表示する。外部端末201Bに表示する圃場H1毎の植生指数は、作物画像に移った作物U1のうち、代表の作物U1の植生指数であってもよいし、複数の作物U1の植生指数の平均値、最大値、最小値などを表示してもよい。
【0070】
図13Bに示すように、生育比較部222は、解析部221が作成した作物U1の圃場毎H1のサーモグラフィを外部端末201Bに送信し、外部端末201Bに表示させる。外部端末201Bに表示する圃場H1毎のサーモグラフィは、作物画像に移った作物U1のうち、代表の作物U1のサーモグラフィであってもよいし、複数の作物U1のサーモグラフィとして表示してもよい。
【0071】
図13Cに示すように、生育比較部222は、指定された指定時期における圃場毎H1の作物U1の草丈を外部端末201Bに送信し、外部端末201Bに表示させる。外部端末201Bに表示する草丈は、作物画像に移った作物U1のうち、代表の作物U1の草丈であってもよいし、複数の作物U1の草丈の平均値、最大値、最小値などを表示してもよい。
【0072】
図13Dに示すように、生育比較部222は、指定された指定時期における圃場毎H1の作物U1のしおれ(しおれ度合い)を外部端末201Bに送信し、外部端末201Bに表示させる。外部端末201Bに表示するしおれは、作物画像に移った作物U1のうち、代表の作物U1のしおれであってもよいし、複数の作物U1の草丈の平均値、最大値、最小値などを表示してもよい。
<水監視モード>
外部端末201Bを操作することによって水監視モードに設定すると、支援装置201Aは、水管理装置1に水監視モードに設定されていることを送信する。水管理装置1の通信装置70が水監視モードであることを受信すると、制御装置60は、水監視モードに対応した動作を行う。
【0073】
図14に示すように、水監視モードでは、観測カメラ80は、給水の状況、即ち、圃場H1の水面W10及び波紋W11のいずれかを撮像する。水管理装置1が位置変更機構159Bを有する場合、制御装置60は、電動モータ168を作動させ、観測カメラ80の撮像範囲G1を弁体102側、即ち、観測カメラ80の垂直方向の撮像方向X1を下向きにする。即ち、水管理装置1が設置されている周辺の水面W10と、水管理装置1に近い側の作物U1の根元U1aとが観測カメラ80の撮像範囲G1に入るようにする。より詳しくは、制御装置60は、開閉弁100cの貫通孔105の付近の水面W10と、開閉弁100cに最も近い作物U1の根元U1aとが撮像できる状態にする。
【0074】
なお、水管理装置1に設けた観測カメラ80において、撮像範囲G1が水管理装置1の周辺の水面W10及び作物U1の根元U1aが入っている場合は、位置変更機構159Bを有さない水管理装置1であってもよい。つまり、水監視モードでは、観測カメラ80は、用水が供給される付近の撮像した観測データを通信装置70によって支援装置201Aに送信する。
【0075】
具体的には、観測カメラ80は、アクチュエータ10を作動させたときの水面W10、波紋W11及び作物U1の根元U1aを撮像する。言い換えれば、制御装置60の制御によって弁体102の開動作を行ったときの水面W10、波紋W11及び作物U1の根元U1aを撮像する。
図15Aに示すように、観測カメラ80が可視光カメラ80a、赤外線カメラ80bのいずれであっても、水管理装置1は、装置識別情報、撮像時間、撮像した水面W10及び波紋W11の撮像画像(水面画像)、水位、水温、開閉弁の開度)を観測データとして、支援装置201Aに送信する。
【0076】
なお、上述した実施形態では、水管理装置1において、弁体102が開動作(開度がゼロ以上)を行っているときの水面W10及び波紋W11を水面画像として取得していたが、これに変えて、水監視モードにおいて、弁体102が閉鎖(開度がゼロで停止している)ときの水面W10の様子を撮像し、水面W10を含む水面画像を支援装置201Aに送信してもよい。
【0077】
また、水管理装置1のライト(照明装置)230は、圃場H1の地面に向けて光源を照射することも可能である。これにより、水面W10及び波紋W11をより鮮明に撮像することができる。例えば、照明装置230によって光を当てながら撮像することにより、水面W10等の浮き沈みや水の流れを把握しやすい。
図15A、図15Bに示すように、支援装置201Aは、水管理装置1から送信された観測データ(装置識別情報、撮像時間、撮像画像(水面画像)、水位、水温、開閉弁の開度)を水面データベース225に記憶する。
【0078】
支援装置201Aは、水管理部228を備えている。水管理部228は、支援装置201Aに設けられた電気・電子回路、プログラム等から構成されている。
図14に示すように、水管理部228は、水面W10、波紋W11及び作物U1の根元U1aを含む水面画像を外部端末201Bに送信し、外部端末201Bに表示させる。或いは、水管理部228は、水面W10を含む水面画像を外部端末201Bに送信し、外部端末201Bに表示させる。ここで、外部端末201Bに水面画像を表示する場合、アクチュエータ10(弁体102)が作動しているか否かの稼働情報を、水面画像とともに表示することが好ましい。これにより、管理者は、アクチュエータ10(弁体102)が作動しているときの水面画像であるか否かを簡単に把握することができる。
【0079】
或いは、水管理部228は、波紋W11及び水面W10のいずれかの観測データに基づいて、圃場H1の水位を推定する。水管理部228は、アクチュエータ10(弁体102)が作動している状況において、波紋W11が少ない場合は、水位が深いと推定し、波紋W11が多い場合は、水位が浅いと推定する。
図14に示すように、水管理部228は、水面画像に示された作物U1の根元U1aの面積S1と、根元U1aの配置と、アクチュエータ10(弁体102)の開度と、水面画像の示された波紋W11とを入力値として、深層学習(人工知能)によって、圃場H1の水位を推定する。
【0080】
例えば、アクチュエータ10(弁体102)の所定の開度が一定である場合において、水面画像に示された作物U1の根元U1aの面積S1が小さく、水管理装置1の正面(排出側)から給水された用水(水)が根元U1aに当たりにくい場合は、波紋W11の多さと、水位との間には相関関係が成立する。一方、アクチュエータ10(弁体102)の所定の開度が一定である場合において、水面画像に示された作物U1の根元U1aの面積S1が大きく、水管理装置1の正面(排出側)から給水された用水(水)が根元U1aに当たりやすい場合は、波紋W11の多さは、根元U1aの面積S、根元U1aの配置とで相関関係が成立する。したがって、根元U1aの面積S1と根元U1aの配置とアクチュエータ10(弁体102)の開度と、水面画像の示された波紋W11とに基づいて、圃場H1の水位を推定することが可能である。
【0081】
なお、水位検出装置50aで検出した水位を予めデータ化しておき、水位を実績値とし、作物U1の根元U1aの面積S1、根元U1aの配置、アクチュエータ10(弁体102)の開度及び波紋W1を入力値として、深層学習によって、水位を推定してもよい。
水管理部228は、推定した圃場H1の水位(推定水位)が、圃場H1の目標水位、即ち、上限水位と下限水位との間に入っているか否かを判断する。圃場H1の目標水位(上限水位〜下限水位)に入っていない場合は、水管理部228は、水管理装置1に、推定水位が目標水位に入っていないことを通知する。水管理装置1は、推定水位が目標水位に入っていない場合、アクチュエータ10(弁体102)を作動させ、給水を行う。
【0082】
なお、図6に示すように、水管理装置1は、音検知装置229を備えていてもよい。音検知装置229は、収容体11の周囲の音を検知する集音機(マイク)等である。音検知装置229は、例えば、アクチュエータ10(弁体102)を開動作したときの音を検出して、通信装置70を介して検出した音のデータ(音データ)を支援装置201Aに送信する。支援装置201Aは、音データを、装置識別情報、撮像時間、撮像画像(水面画像)、水位、水温、開閉弁の開度とともに、水面データベース225に記憶する。
【0083】
水管理部228は、音データと、アクチュエータ10(弁体102)の開度と、水面画像の示された波紋W11とを入力値として、深層学習(人工知能)によって、圃場H1の水位を推定する。水管理装置1から圃場H1内に給水した場合、給水した用水が作物U1の根元U1aに当たると音が変化し、数多くの作物U1の根元U1aに用水が当たると音が変化する。即ち、水面画像に示された作物U1の根元U1aの面積S1及び根元U1aの配置と、給水時の音データには相関関係があり、音データが、水面画像に示された作物U1の根元U1aの面積S1及び根元U1aの配置を表したパラメータとすることができる。したがって、水管理部228は、上述したように、深層学習(人工知能)を行うことにより、水位を推定することができる。
【0084】
なお、上述した実施形態の水監視モードでは、給水側について説明を行っているが、排水側にも適用が可能である。即ち、水監視モードにおける説明において、給水を排水に読み替える。即ち、排水するときに、水面W10、波紋W11及び作物U1の根元U1aを含む水面画像を取得することによって、排水時の水面画像、排水時の水位を確認したり推定することができる。つまり、水監視モードにおいて、排水側の水管理装置1に設けた観測カメラ80を用いて水面画像を取得したうえで、上述した給水時の動作を、アクチュエータ10によって弁体(仕切部)125を作動させている内容に置き換えれば、排水側の説明となるため、説明を省略する。
<盗難監視モード>
図6に示すように、支援装置201Aは、監視装置231Aを備えている。監視装置231Aは、支援装置201Aに設けられた電気・電子回路、プログラム等から構成されている。監視装置231Aは、農業機械300を監視する。外部端末201Bを操作することによって盗難監視モードに設定すると、支援装置201Aは、水管理装置1に盗難監視モードに設定されていることを送信する。水管理装置1の通信装置70が盗難監視モードであることを受信すると、監視装置231A及び水管理装置1は、盗難監視モードに対応した動作を行う。即ち、盗難監視モードでは、監視装置231A及び水管理装置1によって圃場H1等に位置する農業機械300を監視することが可能である。農業機械300は、トラクタ、コンバイン、田植機、作業装置等である。
<農業機械>
まず、トラクタを例にあげて、農業機械300について説明する。
【0085】
図16に示すように、トラクタは、走行装置301を有する走行車体303と、原動機304と、変速装置305とを備えている。走行装置301は、前輪及び後輪を有する装置である。前輪は、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪も、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機304は、ディーゼルエンジン、電動モータ等である。変速装置305は、変速によって走行装置301の推進力を切換可能であると共に、走行装置301の前進、後進の切換が可能である。走行車体303にはキャビン309が設けられ、当該キャビン309内には運転席310が設けられている。
【0086】
また、走行車体303の後部には、連結装置が設けられている。連結装置は、作業装置302と走行車体303とを連結し且つ昇降を行わないスイングドローバ、3点リンク機構等で構成されて昇降を行う昇降装置308等である。連結装置には、農業装置である作業装置302が着脱可能である。作業装置302を連結装置に連結することによって、走行車体303によって作業装置302を牽引することができる。作業装置302は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、苗を植え付ける移植装置、灌水を行う灌水装置、農薬を散布する農薬散布装置、種を散布する播種散布装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置、複数の作業を行う複合装置等である。
【0087】
図17に示すように、昇降装置308は、リフトアーム308a、ロアリンク308b、トップリンク308c、リフトロッド308d、リフトシリンダ308eを有している。リフトアーム308aの前端部は、変速装置305を収容するケース(ミッションケース)の後上部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトアーム308aは、リフトシリンダ308eの駆動によって揺動(昇降)する。リフトシリンダ308eは、油圧シリンダから構成されている。リフトシリンダ308eは、制御弁337を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁337は、電磁弁等であって、リフトシリンダ308eを伸縮させる。
【0088】
ロアリンク308bの前端部は、変速装置305の後下部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。トップリンク308cの前端部は、ロアリンク308bよりも上方において、変速装置305の後部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトロッド308dは、リフトアーム308aとロアリンク308bとを連結している。ロアリンク308bの後部及びトップリンク308cの後部には、作業装置302が連結される。リフトシリンダ308eが駆動(伸縮)すると、リフトアーム308aが昇降するとともに、リフトロッド308dを介してリフトアーム308aと連結されたロアリンク308bが昇降する。これにより、作業装置302がロアリンク308bの前部を支点として、上方又は下方に揺動(昇降)する。
【0089】
トラクタは、操舵装置330を備えている。操舵装置330は、ハンドル(ステアリングホイール)331と、ハンドル331の回転に伴って回転する回転軸(操舵軸)332と、ハンドル331の操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)333と、を有している。補助機構333は、油圧ポンプ334と、油圧ポンプ334から吐出した作動油が供給される制御弁335と、制御弁335により作動するステアリングシリンダ336とを含んでいる。制御弁335は、制御信号に基づいて作動する電磁弁である。制御弁335は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁335は、操舵軸332の操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ336は、前輪の向きを変えるアーム(ナックルアーム)に接続されている。
【0090】
したがって、ハンドル331を操作すれば、当該ハンドル331に応じて制御弁335の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁335の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ336が左又は右に伸縮することによって、前輪の操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵装置330は一例であり、上述した構成に限定されない。
【0091】
トラクタは、測位装置(第2測位装置)340を備えている。RTK−GNSS等で位置を求める場合は、測位装置(第2測位装置)340は、移動局側である。測位装置340は、D−GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置340は、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて、トラクタの位置(例えば、緯度、経度)、即ち、車体位置を検出する。測位装置(第2測位装置)340は、移動局側である。
【0092】
測位装置340は、受信装置341と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)342とを有している。受信装置341は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置342とは別に走行車体303に取付けられている。この実施形態では、受信装置341は、走行車体303、即ち、キャビン309に取付けられている。なお、受信装置341の取付箇所は、実施形態に限定されない。慣性計測装置342は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。走行車体303、例えば、運転席310の下方に設けられ、慣性計測装置342によって、走行車体303のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
【0093】
図17に示すように、トラクタは、制御装置360を備えている。制御装置360は、トラクタの様々な制御を行う。制御装置360は、前後進部材361aの操作に基づいて、走行車体303を前進、後進させる。制御装置360は、イグニッションスイッチ361bの操作に基づいて、原動機304の始動、停止を行う。制御装置360は、変速切換部材361cの操作に基づいて、変速装置305の変速段(変速レベル)を変更する。制御装置360は、アクセル361dの操作に基づいて、原動機304の回転数(原動機回転数)を変更する。制御装置360は、昇降操作部材361eが操作された場合、制御弁337を制御することでリフトシリンダ308eを伸縮させ、リフトアーム308aを介して作業装置302を昇降させる。
【0094】
なお、制御装置360は、自動走行の制御(自動走行制御)を行ってもよい。制御装置360における自動走行では、走行車体303を予め設定された走行ルートに沿って自動走行させる。制御装置360は、少なくとも走行車体303の走行位置(測位装置340で検出された位置)と、予め設定された走行ルート(走行経路)が一致するように、即ち、走行車体303と走行ルートとが一致するように、制御弁335の切換位置及び開度を設定する。言い換えれば、自動走行モードである場合、制御装置360は、トラクタの走行位置と走行ルートとが一致するように、ステアリングシリンダ336の移動方向及び移動量(前輪の操舵方向及び操舵角)を設定する。
【0095】
詳しくは、自動走行モードである場合、制御装置360は、走行車体303の走行位置と、走行ルートで示された位置(走行予定位置)とを比較し、走行位置と走行予定位置とが一致している場合は、操舵装置330におけるハンドル331の操舵角及び操舵方向(前輪の操舵角及び操舵方向)を変更せずに保持する(制御弁335の開度及び切換位置を変更せずに維持する)。制御装置360は、走行位置と走行予定位置とが一致していない場合、当該走行位置と走行予定位置との偏差(ズレ量)が零となるように、操舵装置330におけるハンドル331の操舵角及び/又は操舵方向を変更する(制御弁335の開度及び/又は切換位置を変更する)。
【0096】
なお、上述した実施形態では、制御装置360は、自動走行制御において、走行位置と走行予定位置との偏差に基づいて操舵装置330の操舵角を変更するものであるが、走行ルートの方位とトラクタ(走行車体303)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)とが異なる場合、制御装置360は、車体方位が走行ルートの方位に一致するように操舵角を設定してもよい。また、制御装置360は、自動走行制御において、偏差(位置偏差)に基づいて求めた操舵角と、方位偏差に基づいて求めた操舵角とに基づいて、自動走行制御における最終の操舵角を設定してもよい。また、上記した自動走行制御における操舵角の設定方法とは異なる方法で操舵角を設定してもよい。また、制御装置360は、自動走行制御において、トラクタ(走行車体303)の実際の車速が、予め設定された走行ルートに対応する車速に一致するように、走行装置301(即ち、前輪及び/又は後輪)の回転数を制御してもよい。また、制御装置360は、走行車体303の操舵と車速とを制御することで自動走行を行っているが、車速は運転者に調整させるオートステア制御(自動操舵制御)を行ってもよく自動走行制御に限定されない。また、当然の如く、運転者がトラクタを手動操作する手動運転を行うことが可能である。
【0097】
図17に示すように、トラクタは、機械識別情報を記憶する記憶装置362と、通信装置363とを備えている。通信装置363は、通信装置70と同様であるため説明を省略する。
以上のように、トラクタによれば、作業装置302を連結した状態で、圃場H1を走行させることにより、作業装置302による作業を行うことができる。
【0098】
さて、図18Aに示すように、盗難監視モードになると、監視装置231Aは、外部端末201Bに盗難設定画面M3を表示する。盗難設定画面M3は、画像表示部240と、圃場選択部241とを含んでいる。画像表示部240は、観測カメラ80が撮像した画像を表示する部分である。圃場選択部241は、複数の圃場H1の中から所定の圃場(監視対象圃場)を選択する部分であり、複数の圃場H1を示す圃場リストの中から監視対象圃場の選択が可能である。なお、圃場選択部241は、圃場マップを表示して、圃場マップのうち、監視対象圃場H1を選択できる部分であってもよく、圃場選択部241は、限定されない。
【0099】
圃場選択部241において監視対象圃場H1が選択されると、選択された監視対象圃場H1に設置された水管理装置1の観測カメラ80が撮像した撮像画像が、画像表示部240に表示される。
具体的には、監視対象圃場H1が選択されると、監視装置231Aは、選択された監視対象圃場H1の圃場識別情報から、監視対象圃場H1に設置された水管理装置(監視用水管理装置1)を抽出し、監視用水管理装置1に対して画像の送信を要求する。監視用水管理装置1の通信装置70は、観測カメラ80が撮像した撮像画像G10を支援装置201Aに送信し、支援装置201Aは、外部端末201Bに撮像画像G10を送信する。或いは、監視用水管理装置1の通信装置70は、観測カメラ80が撮像した撮像画像G10を直接、外部端末201Bに送信する。したがって、監視対象圃場H1の撮像画像G10を盗難設定画面M3に表示することができる。
【0100】
盗難設定画面M3において、画像表示部240に表示された撮像画像G10に農業機械300が含まれている場合に、監視開始ボタン243が選択されると、監視装置231Aは、監視用水管理装置1の観測カメラ80の撮像画像G10に基づく、監視を開始する。なお、画像表示部240に表示された撮像画像G10に農業機械300が移っていない(撮像画像G10に農業機械300が含まれていない)場合、監視装置231Aは、監視する農業機械300が無い旨を盗難設定画面M3などに表示する。
【0101】
一方、監視終了ボタン244が選択されると、監視装置231Aは、監視を終了する。なお、盗難設定画面M3において、監視を行う時間帯(監視時間帯)を入力してもよい。この場合は、監視時間帯の間に、監視装置231Aは、監視用水管理装置1の観測カメラ80の撮像画像G10に基づく、監視を行う。
具体的には、監視装置231Aは、監視を開始すると、撮像画像G10内の農業機械300が同じ位置に留まり、移動していないか否かを監視する(所定の位置に停止しているか否かを判断する)。例えば、監視装置231Aは、監視している状況下において、撮像画像G10内の農業機械300が移動し、撮像画像G10内に映らなくなった場合、警告を発生させる。
【0102】
例えば、監視装置231Aは、外部端末201Bに監視中に農業機械300が移動したという警告を表示する。或いは、監視装置231Aは、監視用水管理装置1に警告信号を出力し、監視用水管理装置1の制御装置60は、照明装置230が設けられている場合は、照明装置230を点灯したり、点滅させることで警告を発生する。即ち、照明装置230は、警告装置としても動作する。
【0103】
なお、監視装置231Aは、撮像画像G10のパターンマッチング等により農業機械300であるか否かを判断することができる。また、監視装置231Aにおいて、様々な農業機械300の画像データを入力して深層学習(人工知能)によって農業機械300であるか否かを判断させてもよく限定されない。
また、盗難監視モードによって、撮像画像G10内の農業機械300を監視している状況下において、監視装置231Aは、走行車体303から作業装置302のみが撮像画像G10内から映らなくなった場合、走行車体303から作業装置302が取り外されたと判断する。この場合にも、上述したように、監視装置231Aは警告を発生する。
【0104】
また、上述した実施形態では、盗難設定画面M3に圃場選択部241を表示して、圃場選択部241により監視対象圃場H1を選択していたが、盗難防止モードである場合に、水管理装置1に設置した操作盤43を操作することにより、監視対象圃場H1を設定してもよい。即ち、水管理装置1の操作盤43を操作した場合、監視装置231Aは、操作盤43を操作した監視用水管理装置1として設定し、監視用水管理装置1に対応する圃場H1を監視対象圃場H1に設定する。このような場合、盗難設定画面M3に表示された圃場選択部241から所定の圃場H1を選択しなくても、監視対象圃場H1を設定することができる。
【0105】
また、上述した実施形態では、監視装置231Aは、撮像画像G10内に農業機械300がいるか否かで監視を行っていたが、これに代えて、監視装置231Aは、撮像画像G10内にある農業機械300が正当な農業機械300であるか否かを判断し、正当な農業機械300である場合に農業機械300に駆動の許可信号を送信し、正当な農業機械300でない場合に農業機械300に駆動の許可信号を送信しないという監視を行ってもよい。
【0106】
具体的には、支援装置201Aは、機械登録部236を備えている。機械登録部236は、支援装置201Aに設けられた電気・電子回路、プログラム等から構成されている。
機械登録部236は、水管理装置1及び圃場H1のいずれかと、農業機械300を対応付ける処理を行う。図18Bに示すように、外部端末201Bが支援装置201Aに接続して所定の操作を行うと、機械登録部236は、外部端末201Bに機械登録画面M4を表示する。
【0107】
機械登録画面M4は、圃場選択部241と、装置入力部245と、機械入力部246とを含んでいる。圃場選択部241は、上述した実施形態と同様である。装置入力部245は、水管理装置1の装置識別情報を入力する部分である。農業機械300の機械識別情報(名称、型式番号、製造番号、シリアルコードなど)を入力する部分である。
機械登録部236は、機械登録画面M4において、圃場H1が選択され、装置識別情報及び機械識別情報が入力されると、関連情報(圃場識別情報、装置識別情報及び機械識別情報)を支援装置201Aに設けられた機械データベース226に記憶する。なお、機械登録画面M4において、支援装置201Aでは、圃場識別情報から装置識別情報を抽出したり、装置識別情報から圃場識別情報を抽出することができるため、機械登録画面M4では、圃場選択部241及び装置入力部245のいずれか1つはなくてもよい。
【0108】
上述したように、機械登録部236によって、水管理装置1及び圃場H1のいずれかと、農業機械300との関連付けを行うことができる。即ち、管理者等は、所有している水管理装置1及び圃場H1のいずれかと、農業機械300との関係を機械登録部236によって登録することができる。
さて、上述したような登録が行われている状況下において、盗難監視モードである場合、少なくとも支援装置201A、外部端末201B及び水管理装置1のいずれかは、農業機械300に盗難監視モードであることを送信する。農業機械300の通信装置363は、盗難監視モードであることを受信すると、記憶装置362に記憶された機械識別情報を、少なくとも支援装置201A、外部端末201B及び水管理装置1に送信する。外部端末201B及び水管理装置1が機械識別情報を受信した場合は、受信した機械識別情報を、監視装置231Aに送信する。支援装置201Aが機械識別情報を受信すると、監視装置231Aは、機械データベース226から機械識別情報に対応する圃場識別情報及び装置識別情報のいずれかを抽出し、装置識別情報の水管理装置1に対して、観測カメラ80が撮像した撮像画像G10を要求する。監視装置231Aは、撮像画像G10を受信すると、外部端末201Bに撮像画像G10を表示する。
【0109】
外部端末201Bは、管理者等が盗難監視モードである場合において所定の操作を行うと、農業機械300を確認したことを支援装置201Aに通知(確認通知)する。支援装置201Aが確認通知を所定時間内に受信すると、監視装置231Aは、撮像画像G10の農業機械300が正当な農業機械であると判断する。一方、支援装置201Aが確認通知を所定時間内に受信しない場合、撮像画像G10の農業機械300が正当な農業機械であると判断しない。監視装置231Aが、農業機械300が正当な農業機械で判断した場合、当該監視装置231Aは農業機械300に駆動の許可信号を送信する。一方、監視装置231Aが、農業機械300が正当な農業機械であると判断しなかった場合、当該監視装置231Aは農業機械300に駆動の許可信号を送信しない。より詳しくは、農業機械300が正当な農業機械である場合、監視装置231Aは、正当な農業機械を映している観測カメラ80を有する水管理装置1に許可信号を送信し、水管理装置1は許可信号を通信装置70を介して農業機械300に送信する。なお、監視装置231Aは、外部端末201Bに許可信号を送信し、外部端末201Bが農業機械300に許可信号を送信してもよい。
【0110】
農業機械300の通信装置363が許可信号を受信した後、イグニッションスイッチ361bが操作されると、原動機304が駆動する。一方、農業機械300の通信装置363が許可信号を受信しなかった場合、イグニッションスイッチ361bが操作されても、原動機304は駆動しない。つまり、監視装置231Aによって正当な農業機械300であると判断された農業機械300のみを駆動することができる。
<侵入物監視モード>
図6に示すように、支援装置201Aは、監視装置231Bを備えている。監視装置231Bは、支援装置201Aに設けられた電気・電子回路、プログラム等から構成されている。監視装置231Bは、圃場H1に侵入した侵入物270を監視可能である。侵入物270は、例えば、鳥、犬、猫、タツキ、キツネ、イノシシ等の動物である。外部端末201Bを操作することによって侵入物監視モードに設定すると、支援装置201Aは、水管理装置1に侵入物監視モードに設定されていることを送信する。水管理装置1の通信装置70が侵入物監視モードであることを受信すると、監視装置231B及び水管理装置1は、侵入物監視モードに対応した動作を行う。
【0111】
支援装置201Aは、時間を計時する計時部248を備えている。計時部248は、タイマー等であって、月、日、時刻(時、分)を計時する。
侵入物監視モードにおいて、外部端末201Bに対して所定の操作を行うと、図19に示すように、監視装置231Bは、外部端末201Bに監視画面M5を表示する。監視画面M5は、画像表示部240と、時間入力部250とを含んでいる。画像表示部240は、上述した実施形態と同様である。時間入力部250は、月、日、時刻(時間帯)等の時間を入力可能である。侵入物監視モードにおいて、計時部248が計時した時間が、時間入力部250に入力された時間に達すると、監視装置231Bは、水管理装置1に侵入物の監視を指令し、水管理装置1の観測カメラ80は、撮像した撮像画像G10を、支援装置201Aに送信する。侵入物監視モードにおいて、支援装置201Aが水管理装置1から送信された撮像画像G10を受信すると、監視装置231Bは、管理者、作業者等の外部端末201Bに撮像画像G10を送信する。外部端末201Bは、監視画面M5によって撮像画像G10(監視画像)を表示する。
【0112】
図20に示すように、侵入物監視モードにおいて、撮像画像G10を監視して、鳥、犬、猫、タツキ、キツネ、イノシシ等の動物に対応する侵入物270であるか否かを判断する。例えば、監視装置231Bは、侵入物270が動物であるか否かは、侵入物270の大きさ(高さH20、幅W20)、形状、動き等により判断する。なお、鳥、犬、猫、タツキ、キツネ、イノシシ等の動物の高さH20、幅W20、形状、動き等を入力値として、予め監視装置231Bに入力しておき、深層学習(人工知能)によって、監視装置231Bが、侵入物270が鳥、犬、猫、タツキ、キツネ、イノシシ等の動物であるか否かを判断してもよい。
【0113】
監視装置231Bが、侵入物270が動物であると判断した場合、警告装置を介して警告を発生させる。警告装置は、超音波発生装置190、音発生装置191、光源192いずれかを含んでいる。水管理装置1には、警告装置として、少なくとも超音波を発生する超音波発生装置190、音を発生する音発生装置191、光を照射する光源192いずれかが設けられている。監視装置231Bは、侵入物270が動物である場合、動物の種類を特定して、当該動物が嫌がる周波数を示す信号を制御信号として水管理装置1に送信する。水管理装置1の超音波発生装置190は、制御信号に基づいて、超音波を発生させることで警告する。
【0114】
或いは、監視装置231Bは、動物の種類を特定し、当該動物が嫌がる音を制御信号として水管理装置1に送信する。水管理装置1の音発生装置191は、制御信号に基づいて、音を発生させることで警告する。
或いは、監視装置231Bは、動物の種類を特定し、当該動物が嫌がる光を制御信号として水管理装置1に送信する。水管理装置1の光源192は、制御信号に基づいて、光を発行することで警告する。
【0115】
なお、観測カメラ80が可視光カメラ80aと赤外線カメラ80bとである場合、監視装置231Bは、計時部248が計時した時刻に基づいて、可視光カメラ80a及び赤外線カメラ80bのいずれかに切り換えてもよい。例えば、計時部248が計時した時刻が、太陽が出ている時間帯(朝、昼間、夕)である場合は、監視装置231Bは、水管理装置1に可視光カメラ80aにて撮像する制御信号を出力することで、可視光カメラ80aの観測データ(撮像画像G10)で侵入物270の監視を行う。計時部248が計時した時刻が、太陽が沈んで出ていない時間帯(夜、深夜)である場合は、監視装置231Bは、水管理装置1に赤外線カメラ80bにて撮像する制御信号を出力することで、赤外線カメラ80bの観測データで侵入物270の監視を行う。なお、季節によって太陽の出ている間は異なることから、監視装置231Bの太陽の日出時刻、日没時刻を気象庁、気象情報を提供する提供会社から取得して、日出時刻、日没時刻に基づいて、可視光カメラ80aと赤外線カメラ80bとの切り換える時間を決定してもよい。
【0116】
また、侵入物監視モードにおいて、侵入物270を監視した結果、侵入物270が動物である場合に侵入した時刻や種類等を、支援装置201A等のサーバ、外部端末201Bに送信してもよい。
圃場で作物を生育させていない時期や、休田で使用されない時期がある場合には、圃場と異なる方向にカメラを固定し、防犯装置として利用することもできる。
<圃場監視モード>
図6に示すように、支援装置201Aは、監視装置231Cを備えている。監視装置231Cは、支援装置201Aに設けられた電気・電子回路、プログラム等から構成されている。監視装置231Cは、農業機械300を監視する。外部端末201Bを操作することによって圃場監視モードに設定すると、支援装置201Aは、水管理装置1に圃場監視モードに設定されていることを送信する。水管理装置1の通信装置70が圃場監視モードであることを受信すると、監視装置231C及び水管理装置1は、圃場監視モードに対応した動作を行う。即ち、圃場監視モードでは、監視装置231C及び水管理装置1によって圃場H1の周囲を監視することが可能である。
【0117】
さて、図21に示すように、圃場監視モードになると、監視装置231Cは、外部端末201Bに監視画面M6を表示する。監視画面M6は、画像表示部240と、圃場選択部241とを含んでいる。画像表示部240は、複数の観測カメラ80が撮像した画像を表示する部分である。圃場選択部241は、上述した実施形態と同様である。
圃場選択部241において監視対象圃場H1が選択されると、監視対象圃場H1に設置された水管理装置1の観測カメラ80が撮像した撮像画像G10だけでなく、監視対象圃場H1の周囲に設置された水管理装置1の観測カメラ80が撮像した撮像画像G10が、画像表示部240に表示される。
【0118】
具体的には、監視対象圃場H1が選択されると、監視装置231Cは、監視対象圃場H1の圃場識別情報から、監視対象圃場H1の周囲に設置された水管理装置(監視用水管理装置1)を抽出する。例えば、図22Aに示すように、圃場Bが監視対象圃場H1として選択された場合、圃場Bに設置された水管理装置1bに加えて、圃場Bの周囲に設置された複数の水管理装置1(圃場Aに設置された水管理装置1a、圃場Bに設置された水管理装置1c、圃場Dに設置された水管理装置1d、圃場Eに設置された水管理装置1e、圃場Fに設置された水管理装置1f)も、監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fとして設定する。
【0119】
監視装置231Cは、監視用水管理装置1a、1c、1d、1e、1fに対して、観測カメラ80に対して、図22Bに示すように、撮像方向X1を圃場Bに向ける指令を出力する。監視装置231Cは、例えば、撮像方向X1を圃場Bに向ける指令を行う場合、監視用水管理装置1a、1c、1d、1e、1fのそれぞれの観測カメラ80で圃場Bの全体を撮像できるように撮像方向X1の角度を設定する。
【0120】
例えば、監視装置231Cは、撮像方向X1を圃場Bに向ける場合、監視用水管理装置1a、1c、1d、1e、1fのそれぞれの観測カメラ80で圃場Bの全体を撮像できるように設定する。監視装置231Cは、監視用水管理装置1aの観測カメラ80の撮像方向X1を315deg、監視用水管理装置1cの観測カメラ80の撮像方向X1を45deg、監視用水管理装置1dの観測カメラ80の撮像方向X1を225deg、監視用水管理装置1eの観測カメラ80の撮像方向X1を180deg、監視用水管理装置1fの観測カメラ80の撮像方向X1を135degに設定する。そして、監視装置231Cは、設定した撮像方向X1の角度を監視用水管理装置1a、1c、1d、1e、1fに送信する。
【0121】
監視用水管理装置1a、1c、1d、1e、1fが監視装置231Cによって設定された撮像方向X1の角度(設定角度)を受信すると、監視用水管理装置1a、1c、1d、1e、1fのそれぞれの制御装置60は、設定角度に応じて電動モータ162を作動させてターンテーブル160を回転させることで、撮像方向X1を圃場Bに向ける。
そして、撮像方向X1の設定が完了すると、監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fのそれぞれの観測カメラ80は、通信装置70を介して支援装置201Aに撮像画像G10を送信する。
【0122】
監視装置231Cは、監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fの撮像画像G10を画像表示部240に表示する。監視装置231Cは、画像生成部233を備えていてもよい。画像生成部233は、撮像画像から圃場H1の周囲の画像を生成する。画像生成部233は、監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fのそれぞれの撮像画像G10を、アラウンドビュー画像として合成して、合成画像を作成し、合成画像を外部端末201Bに送信することで、監視画面M6の画像表示部240に表示する。なお、監視装置231Cは、監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fのそれぞれの撮像画像G10を外部端末201Bに送信して、監視画面M6の画像表示部240に表示させてもよい。なお、監視装置231Cは、監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fのそれぞれの観測カメラ80で圃場Bを撮像するにあたって、撮像する高さを一定(固定)にしてもよい。
【0123】
また、 監視用水管理装置1a、1b、1c、1d、1e、1fが複数のカメラを有する場合、監視装置231Cは複数の撮像画像G10を合成することで、アラウンドビュー画像を生成してもよい。或いは、監視装置231Cは、ターンテーブル160の回転する前と後の撮像画像G10をアラウンドビュー画像として合成し、圃場全体(図22A、Bより圃場A、B、C、D、E、F)の画像を生成することもできる。
【0124】
また、支援装置201Aは、計時部248が計時した時刻に応じて、侵入物監視モードと、圃場監視モードとを自動的に切り換えてもよい。言い換えれば、観測カメラ80は、計時部248が計時した時刻に基づいて、圃場H1を監視する圃場監視モードと、圃場H1の周囲に侵入した侵入物270を監視する侵入物監視モードとを切り換えられる。圃場監視モードにおいて、侵入物監視モードと同様に、観測カメラ80を時刻に応じて切り換えてもよい。即ち、朝、昼間、夕である場合は、監視装置231Cは、可視光カメラ80aで圃場Bの監視を行い、夜、深夜である場合は、監視装置231Cは、水管理装置1に赤外線カメラ80bで監視を行う。
<カメラ切換モード>
支援装置201Aは、上述したモードとは別に、観測カメラ80のうち、作動させる所定の観測カメラ80を選択するカメラ切換モード(カメラ切換部)を有していてもよい。支援装置201Aに外部端末201Bを接続し、所定の操作を行うと、カメラ切換モードになる。図29Aに示すように、カメラ切換モードにおいては、カメラ設定画面M8が外部端末201Bに表示される。図29Aに示すように、カメラ設定画面M8は、圃場選択部241と、カメラ設定部260とを含んでいる。圃場選択部241は、上述した実施形態と同様である。
【0125】
圃場選択部241によって圃場が選択されると、選択された圃場に対応する水管理装置1に設けられている観測カメラ80の種類がカメラ設定部260に表示される。カメラ設定部260では、カメラの作動を許可/不許可に設定する作動設定部260aと、カメラの作動の条件を設定する条件設定部260bとを含んでいる。作動設定部260aにおいて、カメラの作動が許可に設定された場合は、観測カメラ80は撮像等の動作をすることができる。カメラの作動が不許可に設定された場合は、観測カメラ80は撮像等の動作を停止することができる。なお、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードにおいて、観測カメラ80を作動させる必要がある場合は、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードがカメラ切換モードよりも優先され、観測カメラ80は、カメラ切換モードにおいて、カメラの作動が不許可にされていても撮像等の動作を行う。
【0126】
条件設定部260bは、農作業の時期に応じて作動させる所定の観測カメラ80を選択したり、作物の生育に応じて所定の観測カメラ80を選択する部分である。カメラ切換モードでは、例えば、条件設定部260bに農作業の時期と、使用するカメラの種類とが選択された場合、条件設定部260bで設定された農作業の時期になった場合に使用するカメラが切り替わる。また、作物の生育として植生指数が入力された場合、植生指数以上になった場合に、使用するカメラが切り換わる。
【0127】
なお、上述した実施形態では、カメラ切換モード(カメラ切換部)では、農作業の時期、作物の生育に応じてカメラを切り換えていたが、これに代えて、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードにおいて、観測カメラ80を作動させる必要がある場合は、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードでカメラを使用する場合に、所定のカメラを設定できるようにしてもよい。
【0128】
図29Bに示すように、カメラ切換モードになると、灌漑モード、生育監視モード、水監視モード、盗難監視モード、侵入物監視モード、圃場監視モードと、カメラの種類とが、カメラ設定画面M8のカメラ設定部260に表示される。カメラ設定画面M8において、各モードと、カメラの種類との関係が設定されると、各モードで使用するカメラを設定することができる。
[第2実施形態]
図23、図24は、第2実施形態における水管理装置1及び水管理システムを示している。図23に示すように、水管理装置1は、水管理装置1の収容体11には、第1測位装置(基地局測位装置)370が設けられている。基地局測位装置370は、蓄電装置41に接続されていて蓄電装置41の電力によって作動可能である。
【0129】
基地局測位装置370は、アンテナ371a、アンテナ371b、信号処理部371c、補正情報演算部371d、通信装置371eと、筐体371fを備えている。筐体371fは、アンテナ371a、アンテナ371b、信号処理部371c、補正情報演算部371d及び通信装置371eを収容している。信号処理部371c、補正情報演算部371d及び通信装置371eは、MPU、CPU等の電子・電子部品、又は、MPU、CPU等に格納されたプログラム等で構成されている。
【0130】
アンテナ371aは、GNSS衛星の第1衛星信号を受信するアンテナであり、L1信号及びL2信号を受信する。アンテナ371bは、みちびき等の準天頂衛星(QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)衛星)の衛星信号(第2衛星信号)を受信するアンテナである。アンテナ371bは、第2衛星信号として、少なくともQZSS衛星から送信されたL6信号(中心周波数1278.75MHz)を受信する。L6信号には、補正情報(センチメータ級測位補強情報)が含まれている。補正情報には、衛星時計誤差情報、衛星信号バイアス誤差情報、衛星軌道誤差情報、対流圏伝播誤差情報、電離層伝播誤差情報等が含まれている。なお、アンテナ371bは、第2衛星信号として、GNSS衛星から送信されたL1信号及びL2信号を受信してもよい。
【0131】
信号処理部371cは、アンテナ371a及びアンテナ371bによって受信した衛星信号(第1衛星信号、第2衛星信号)の処理を行う部分であって、例えば、アンテナ371aが受信したL1信号及び信号L2の増幅及び復調、アンテナ371bが受信したL6信号の増幅及び復調を行うことで、測位データを生成する。
補正情報演算部371dは、水管理装置1の設置位置を基準点BP1として補正情報を演算する。水管理装置1の設置位置は、当該水管理装置1を圃場H1に設置(施工)する際に設定された緯度、経度であって、水管理装置1に設けられた記憶装置44に記憶されている。記憶装置44は不揮発性等のメモリである。なお、水管理装置1の設置位置は、収容体11、アクチュエータ10及び弁体102のいずれかの位置である。
【0132】
具体的には、補正情報演算部371dは、記憶装置44に記憶された水管理装置1の設置位置(基準点BP1)を抽出し、少なくともGNSS衛星から送信された第2衛星信号に含まれるL6信号から基準点BP1における衛星時計誤差、衛星信号バイアス誤差、衛星軌道誤差、対流圏伝播誤差、電離層伝播誤差を求め、求めた誤差を含む情報を補正情報に設定する。
【0133】
通信装置371eは、補正情報などの測位した位置に関する情報を、圃場H1を移動する移動局、即ち、農業機械300に送信する。通信装置371eは、補正情報演算部371dで演算した補正情報、即ち。基準点BP1に対応した補正情報を農業機械300に送信する。より詳しくは、通信装置371eは、補正情報演算部371dの補正情報の演算が完了すると、演算した補正情報を所定の農業機械300に送信する。
【0134】
以下、説明の便宜上、農業機械300の第2測位装置340のことを「移動局測位装置340」という。
移動局測位装置340は、基地局測位装置370から送信された補正情報を用いて測位を行う。移動局測位装置340は、基地局測位装置370から送信された補正情報(基準点BP1に対応した補正情報)を受信する。移動局測位装置340は、通信装置363に含まれていて、基地局測位装置370から送信された補正情報が、自己宛の場合に補正情報を受信する。
【0135】
移動局測位装置340は、補正情報を受信すると、受信した補正情報(衛星時計誤差、衛星信号バイアス誤差、衛星軌道誤差、対流圏伝播誤差、電離層伝播誤差)と、アンテナ31bが受信したL1信号及びL2信号(航法メッセージ、C/Aコード、L1搬送波)の観測情報とを用いて、移動局測位装置340の物理的な位置(車体位置)を求める。例えば、移動局測位装置340は、トラクタが走行中、トラクタが作業装置2の駆動中などのトラクタの作動時における車体位置を求める。
【0136】
なお、基地局測位装置370と移動局測位装置340とによって、RTK−GNSSを用いた精度よい測位を行うことができ、上述したように、トラクタを自動走行又は自動操舵する場合の精度を向上させることができる。
図24に示すように、水管理装置1は、第1測位装置(基地局測位装置)370を着脱可能に取り付ける取付部375を備えていることが好ましい。取付部375は、収容体11に設けられ且つ開閉自在な扉部375aと、扉部375aと収容体11とをロックする施錠装置375bと、基地局測位装置370の筐体370aを着脱自在に設置部375cとを含んでいる。設置部375cは、設置位置(基準点BP1)に位置していて、筐体370aをはめ込むことができる構造である。例えば、設置部375cは、筐体370aの外周面と略同じ大きさであって、筐体370aをはめ込むことで取付を行うことができる。設置部375cに筐体370aをはめ込んだ状態から筐体370aを上方側に引くことによって取り外すことが可能である。
【0137】
基地局測位装置370は、水管理装置1に取り付けた状態で、当該水管理装置1の記憶装置44から設置位置を抽出可能である。そのため、基地局測位装置370を水管理装置1から取り外して他の水管理装置1に装着した場合、他の水管理装置1の設置位置を他の水管理装置1に設けられた記憶装置44から設置位置から抽出可能である。つまり、基地局測位装置370を付け替えることで、様々な圃場H1でRTK−GNSSを用いた自動走行や位置測位を行うことができる。
【0138】
なお、基地局測位装置370を水管理装置1から取り外して、他の水管理装置1に装着すると、他の水管理装置1は基地局測位装置370が装着されたことを通知するとともに、他の水管理装置1に対応する装置識別情報を支援装置201Aに送信する。支援装置201Aは、他の水管理装置1の装置識別情報を受信すると、装置識別情報から装着された他の水管理装置1の設置位置(基準点BP1)を抽出して、設置位置(基準点BP1)を他の水管理装置1に送信する。このようにすれば、水管理装置1が設置位置を記憶する記憶装置44を有していなくても、基地局測位装置370は、他の水管理装置1の設置位置(基準点BP1)を用いて測位を行うことができる。
【0139】
なお、第2実施形態における水管理装置1及び水管理システムは、第1実施形態に示した観測カメラ80を必ずしも有していなくてもよいが、第2実施形態に第1実施形態の水管理装置1及び水管理システムを組み合わせてもよい。
[第3実施形態]
図25〜図27は、第3実施形態における水管理装置1及び水管理システムを示している。
【0140】
水管理装置1は、圃場H1の上空を飛行する飛行体400に関する補助を行うステーション500を備えている。
まず、マルチコプターを例にとり飛行体400について説明する。
図25に示すように、マルチコプターは、本体410aと、本体410aに設けられたアーム410bと、アーム410bに設けられた回転翼410cと、本体410aに設けられたスキッド410dとを有している。回転翼410cは、飛行するための揚力を発生させる装置で、回転力を付与するロータとローラの駆動によって回転するブレード(プロペラ)とを含んでいる。マルチコプターは、蓄電装置(バッテリ)410k等を備え、蓄電装置の電力によってロータが回転する。
【0141】
また、マルチコプターは、観測カメラ410eと、測位装置410hとを有している。観測カメラ410eは、CCDカメラ、赤外線カメラ等で構成され、本体410aの下部に着脱自在、或いは、本体410aの内部に組み込まれている。したがって、マルチコプターを圃場上に飛行させながら、観測カメラ410eによって圃場を空撮することができる。例えば、圃場の上空約100mの高さから、マルチコプターの観測カメラ410eによって、圃場の断片画像を数十枚〜数百枚撮像する。空撮した複数枚の画像、即ち、観測カメラ410eで撮像した複数枚の画像(空撮画像)は、マルチコプターに設けられた記憶部410gに記憶される。マルチコプターの記憶部410gに記憶された複数枚の空撮画像は出力端子にケーブル534を接続することによって外部に出力することができる。また、測位装置410hは、第1測位装置370と同様である
なお、マルチコプターは、画像処理部410jを有している。画像処理部410jは、マルチコプターに設けられたCPU等の演算部に格納されたプログラム、演算部等を構成する電気・電子部品等で構成されている。画像処理部410jは、観測カメラ410eで撮像した空撮画像と測位装置410hで検出されたマルチコプターの位置(機械位置)とを対応付ける。画像処理部410jは、例えば、観測カメラ410eにおける撮像動作時の機械位置と空撮画像とを対応付ける。即ち、測位装置410hは、少なくとも1枚の空撮画像毎に機械位置を対応付ける。空撮画像と機械位置とは画像データとして記憶部410gに記憶される。
【0142】
以上のように、圃場上をマルチコプターで飛行しながら空撮することによって、圃場又は圃場に作付けされた作物の空撮画像を取得することができる。また、機械位置が対応付けられた空撮画像を取得することができる。
図25〜図27に示すように、ステーション500は、飛行体400に電力を供給する接続部510を備えている。接続部510は、電力供給ラインを介して蓄電装置41に接続されている。接続部510は、例えば、収容体11の外周に取り付けられていて、飛行体400の充電ケーブル415が接続可能である。これにより、飛行体400の蓄電装置401kに水管理装置1の蓄電装置41からの電力によって充電が可能である。
【0143】
ステーション500は、飛行体400が離着陸する離着陸場所520を有している。離着陸場所520は、収容体11に備えられていて、収容体11の上部に離着陸場所520となる離着陸装置521が装着されている。離着陸装置521は、離着陸のスペースを形成する離着陸板521aと、離着陸板521aを、収容体11に支持する支持体521bとを備えている。支持体521bは、収容体11に揺動自在に取り付けられたアーム523と、離着陸板521aの下面に固定され且つアーム523が係止する係止部524と、離着陸板521aを収容体11に揺動自在に支持するヒンジ525とを備えている。離着陸板521aを水平状態にして、アーム523の上端を係止部524に係止することにより、離着陸板521aを水平に保持することができる。一方、離着陸板521aの係止部524からアーム523の上端を外すことにより、離着陸板521aを垂直に折りたたむことができる。
【0144】
図27に示すように、ステーション500は、ターゲット530を備えている。ターゲット530は、飛行体400が圃場H1を撮像するときにキャリブレーションを行うターゲット530であって、離着陸板521aの上面に形成されている。ターゲット530は、例えば、黒色の四角と白色の四角とが千鳥状に並んだ図形である。
ステーション500は、飛行体400が撮像した画像データ(空撮画像、機械位置)を取得し且つ取得した画像データを外部に送信する中継通信装置(出力部)531を備えている。この実施形態では、収容体11に形成された通信コネクタ532と、通信コネクタ532と、通信コネクタ532と通信装置70とを接続するケーブル533と、通信装置70とを含んでいる。したがって、飛行体400のケーブル534を通信コネクタ532に接続することによって、通信装置70を介して画像データ(空撮画像、機械位置)を支援装置201A、外部端末201Bに送信することができる。
【0145】
図28Aに示すように、ステーション500に、飛行体400の蓄電装置401kを保管する保管場所440を設けてもよい。保管場所440は、筒体(第2筒体)11c内であって、当該筒体11cには、開閉自在な扉部441が設けられている。扉部441を開けて、筒体11cの載置板37に蓄電装置401kを保管することができる。
また、図28Bに示すように、筒体11bの突出壁34を延長してスペースを大きくすすることにより、ステーション500を構成してもよい。即ち、突出壁34を離着陸場所520にしてもよい。この場合、突出壁34の下側が平坦になるように、突出壁34内に離着陸板521aを固定する。図28のステーション500によれば、小型の飛行体400の離着陸を行うことができる。
【0146】
圃場の水管理装置1は、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、圃場を撮像可能な観測カメラ80と、観測カメラ80で撮像した観測データを出力可能な出力部と、を備えている。これによれば、用水等が給水される圃場、用水等が排出される圃場の様々な状況を観測カメラ80によって、把握することができ、圃場における水管理を向上させることができる。例えば、圃場に給水及び排水を行っている最中の状況、或いは、圃場の作物の生育等の状況、圃場での作業での状況、圃場の様子、圃場の作物への病害虫の発生の有無の状況など、水管理を行わなければならない圃場の状況を把握できる。
【0147】
観測カメラ80は、アクチュエータ10の作動と連携して撮像する。これによれば、アクチュエータ10の作動によって機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行っているときの様々な状況を観測カメラ80によって把握することができる。
観測カメラ80は、太陽光パネル40によって発電を行っているときに撮像する。これによれば、水管理装置1が必要な電力を太陽光パネル40によって発電を行っている状況したにおいての様々な状況を観測カメラ80によって把握することができる。
【0148】
観測カメラ80は、機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行っているとき且つ、太陽光パネル40によって発電を行っているときに撮像する。これによれば、機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作及び発電の両方を行っているときの状況を観測カメラ80によって把握することができる。
観測カメラ80は、圃場に作付けした作物を側方から撮像する。これによれば、作物の生育状況などを側方から把握することができる。
【0149】
観測カメラ80は、圃場に作付けした作物の植生指数を算出可能な観測データを撮像する。これによれば、作物の生育の推移などを植生指数によって把握することができる。
出力部は、外部機器201に観測データを送信可能である。これによれば、外部機器201で観測状況を確認することができる。
圃場の水管理システムは、水管理装置1と、複数の圃場の水管理装置1の出力部から観測データを取得し、取得した観測データから圃場の周囲の画像を生成する画像生成部と、
を備えている圃場の水管理システム。これによれば、圃場の周囲の状況を簡単に把握することができる。例えば、所定の圃場に対して、アラウンドビューモニタのように全体の様子を確認することができる。
【0150】
圃場の水管理システムは、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う弁体の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、圃場を撮像可能な観測カメラ80と、観測カメラ80を着脱可能に取り付ける取付部(カメラ取付金具150,151)と、を備えている。これによれば、観測カメラ80によって状況を確認する必要があるときのみ、取付部(カメラ取付金具150,151)に観測カメラ80を装着して観測することができる。
【0151】
取付部(カメラ取付金具150,151)は、撮像する周波数帯が異なる複数の観測カメラ80を取り付け可能である。これによれば、様々なタイプの観測カメラ80を取り付けたり、同じタイプのカメラも取り付けることが、例えば、可視化カメラ、赤外線カメラなど必要に応じて取り付けて、圃場を見ることができる。
取付部(カメラ取付金具150,151)に取り付けられた複数の観測カメラ80に応じて、複数の観測カメラ80の観測データを処理する支援装置201Aを備えている。これによれば、複数の観測カメラ80の観測データを簡単に支援装置201Aによって処理することができ、観測した結果をいち早く把握することができる。
【0152】
複数の観測カメラ80のうち、作動させる所定の観測カメラ80を選択するカメラ切換部を備えている。これによれば、複数の観測カメラ80を取り付けた場合において、観測対象に対して適したカメラで観測することができる。
カメラ切換部は、農作業の時期に応じて所定の観測カメラ80を選択する。これによれば、圃場における農作業に応じた観測を行うことができる。
【0153】
カメラ切換部は、圃場の作物の生育に応じて所定の観測カメラ80を選択する。これによれば、生育の成長の推移などを見ながら、作物に対して様々な観測を行うことができる。
圃場の水管理システムは、太陽光パネル40と、太陽光パネル40によって発電された電力を蓄電する蓄電装置41と、を備え、観測カメラ80は、蓄電装置41に蓄電された電力によって作動する。これによれば、観測カメラ80は、太陽光パネル40によって発電された電力によって作動させることができるため、観測カメラ80を作動させるために新たに電線を引くような工事を行う必要がなく、簡単に観測を行うことができる。
【0154】
支援装置201Aは、飛行体によって撮像した圃場の撮像画像(空撮画像)と、水管理装置1の観測カメラ80で撮像した側方から撮像した撮像画像とを用いて、より正確な生育マップを作成することができる。
圃場の水管理システムは、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、圃場を撮像可能な観測カメラ80と、を備え、観測カメラ80は、圃場と、圃場の周囲に侵入した侵入物とを監視する。これによれば、観測カメラ80によって圃場の周囲に侵入した侵入物の監視を簡単に行うことができる。例えば、水管理システムでは、用水を圃場に供給することから用水と同時に魚、カエル、ドジョウ、メダカ、タニシ等が圃場内に入ることがあり、魚、カエル、ドジョウ、メダカ、タニシ等を捕食する動物や作物を捕食する動物を簡単に監視することができる。
【0155】
圃場の水管理システムは、時刻を計時する計時部248を備え、観測カメラ80は、計時部248が計時した時刻に基づいて、圃場を監視するモードと、圃場の周囲に侵入した侵入物を監視するモードとを切り換えられる。これによれば、動物などの侵入物が圃場に入りやすい時刻に侵入物を監視する一方で、それ以外の時間には圃場の作物等の様子を監視することができる。
【0156】
圃場の水管理システムは、圃場の周囲に侵入した侵入物の状態を監視している状況において、観測カメラ80の観測データに侵入物が含まれる場合に、警告を発生させる警告装置を備えている。これによれば、圃場内に侵入した動物等を圃場から簡単に追い出すことができる。
観測カメラ80は、可視光カメラ80aと、赤外線カメラ80bとを備えている。これによれば、可視光カメラ80aによって侵入物の形状等を把握することができる一方で、赤外線カメラ80によって侵入物の温度から、侵入物がなんであるかを把握することができる。
【0157】
圃場の水管理システムは、時刻を計時する計時部248を備え、計時部248が計時した時刻に基づいて、可視光カメラ80a及び赤外線カメラ80bのいずれかを切り換える。これによれば、例えば、昼の間などは可視光カメラ80aによって監視することで侵入物の把握がしやすく、赤外線カメラ80bによって夜間などに侵入物の把握を行うことができる。
【0158】
警告装置は、超音波を発生する超音波発生装置、音を発生する音発生装置、光を照射する光源のいずれかである。これによれば、様々な侵入物、例えば、様々な動物に対応して警告を行うことができる。
撮像する場合に、観測カメラ80と同じ方向に光を照射するライトを備えている。これによれば、夜間であってもライトを用いて圃場の周囲を撮像することができる。
【0159】
警告装置は、外部機器201Bに侵入物を監視した結果をサーバ又は携帯端末に送信する。これによれば、管理者や作業者にいち早く侵入物を監視した結果をお知らせすることができる。
観測カメラ80は、圃場で作物を生育させていない時期や、休田で使用されない時期がある場合には、圃場と異なる方向にカメラを固定することで、防犯装置として利用することもできる。
【0160】
圃場の水管理装置1は、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、圃場の上空を飛行する飛行体400に関する補助を行うステーション500と、を備えている。これによれば、ステーション500によって飛行体400の補助を行うことができ、例えば、飛行体400がドローンなどである場合には、ドローンが圃場の上空で作業を行う場合には作業性を向上させることができる。即ち、圃場の水管理装置1は、飛行体の補助ステーションとしての機能を有することで、圃場に関する様々な状況を簡単に把握することができる
ステーション500は、飛行体400に直接的に接続して電力を供給する接続部510を備えている。これによれば、飛行体400が電力で作動する場合には、接続部510から電力を供給することができる。なお、接続部510は、直接接続して電力を供給するタイプに限定されず、間接的に接続して充電する(ワイヤレスで充電する)ものも含まれる。
【0161】
圃場の水管理装置1は、太陽光パネル40が発電した電力を蓄電する蓄電装置41を備えている。これによれば、蓄電装置41に蓄電した動力を飛行体400に簡単に供給することができる。
収容体11は、飛行体400が離着陸する離着陸場所を備えている。これによれば、飛行体400の離着陸を簡単に行うことができ、離着陸が制限されているような道路、建物以外の地域で簡単に飛行体400を離着陸させることができる。
【0162】
ステーション500は、飛行体400が撮像した画像データを取得し且つ取得した画像データを外部に送信する中継通信装置を備えている。これによれば、飛行体400が撮像した画像データを、中継通信装置を用いて簡単に送信することができる。
ステーション500は、飛行体400が撮像するときにキャリブレーションを行うターゲット530を備えている。例えば、飛行体400が圃場の上空を飛行して圃場を撮像する場合、即ち、圃場の空撮を行う場合に簡単にキャリブレーションを行うことができ、圃場の上空からの画像データの品質を向上させることができる。
【0163】
ステーション500は、飛行体400の蓄電装置401kを保管する保管場所を備えている。これによれば、飛行体400の蓄電装置401kを保管することができるため、蓄電装置401kの圃場への運搬作業を軽減したり、飛行体400の蓄電装置401kの交換作業を行いやすい。
圃場の水管理装置1は、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、測位衛星からの信号に基づいて測位を行う第1測位装置370と、を備えている。これによれば、水管理装置1は圃場に固定であるため、第1測位装置370を設けることで、水管理装置1を固定局として兼用化することができる。例えば、RTK−GNSSなどのように、測位を行う毎に固定局の設定を行わなくても簡単に測位を行うことができる。即ち、測位装置を有する水管理装置1を圃場H1内または圃場H1周辺に設置することで、圃場H1で作業を行うことができる農業機械の補助を簡単に行うことができる。
【0164】
第1測位装置370は、測位した位置に関する情報を、圃場を移動する移動局に送信する通信装置371eを備えている。これによれば、簡単に測位した位置に関する情報を移動局側に送信することができ、RTK−GNSSなどの高精度な測位を圃場内で行うことができる。
通信装置371eは、水管理装置1のいずれかの設置位置と、位置に関する情報を移動局に送信する。これによれば、移動局と水管理装置1(固定局)との相対位置を簡単に把握することができる。
【0165】
通信装置371eは、測位衛星からの信号を受信して求めた補正情報を、測位衛星からの信号に基づいて測位を行う第2測位装置340を備えた移動局に送信する。これによれば、第2測位装置340の測位精度を補正情報によって向上させることができ、圃場内において高精度な測位を実現することができる。
移動局は、圃場で作業を行う農業機械であり、第2測位装置340は、補正情報に基づいて当該第2測位装置340が測位した位置を補正する。これによれば、農業機械で作業を行うときの農業機械の位置を正確に求めることができる。
【0166】
圃場の水管理装置1は、第1測位装置370を着脱可能に取り付ける取付部を備えている。これによれば、測位を行わない場合は簡単に取り外しを行うことができ、第1測位装置370の防犯性を向上させることができる。
圃場の水管理システムは、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、圃場の農業機械を撮像可能な観測カメラ80と、観測カメラ80の観測データに基づいて、農業機械300を監視する監視装置231Aと、を備えている。これによれば、圃場内の農業機械300の状態を簡単に把握することができる。即ち、圃場H1で作業することができる農業機械300の監視等の補助を行うことができる。
【0167】
監視装置231Aは、農業機械300の作業が行われていないときの観測データに基づいて、農業機械300が所定の位置に停止している否かを判断し、所定の位置に停止していない場合に、警告を発生させる。これによれば、農業機械300で作業が行われていないとき、即ち、圃場に農業機械300を保管しているのを簡単に監視することができ、保管している農業機械300が所定の位置に停止していない場合には盗難等が発生したとして即座に警告を発生させることができる。
【0168】
監視装置231Aは、観測データに含まれる農業機械300が正当な農業機械300であるか否かを判断し、正当な農業機械300である場合に農業機械300に駆動の許可信号を送信し、正当な農業機械300でない場合に農業機械300に駆動の許可信号を送信しない。これによれば、正当な農業機秋300のみを駆動させて圃場内で作業を行えるようにすることができ、不当な農業機械300では農作業を行えないようにすることができる。
【0169】
圃場の水管理システムは、水管理装置1及び圃場のいずれかと、農業機械300を対応付ける機械登録部236を備え、監視装置231Aは、観測データに含まれる農業機械300が機械登録部236で登録された農業機械300と一致する場合は、正当な農業機械300と判断し、農業機械300が機械登録部236で登録されていない農業機械300である場合は、正当な農業機械300と判断しない。これによれば、農業機械300を、水管理装置1及び圃場のいずれかに簡単に登録することができ、登録した農業機械300のみで作業を行うことができる。
【0170】
農業機械300は、走行車体303と走行車体303に連結された作業装置302とを含み、監視装置231Aは、観測データに基づいて走行車体303から作業装置302が取り外されたことを判断する。これによれば、走行車体303を停止した状態で作業装置302のみが取り外されたことを検知することができ、作業装置302の盗難防止を向上させることができる。
【0171】
圃場の水管理システムは、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、給水及び排水のいずれかの状況を撮像する観測カメラ80と、を備えている。これによれば、監視カメラ80によって、給水及び排水の状況を簡単に把握することができる。例えば、機構(弁体102,仕切部125)が開放しているにも関わらず、給水及び排水が行われていない状態、機構(弁体102,仕切部125)が閉鎖しているにも関わらず、給水及び排水が行われている状態などを簡単に把握することができる。
【0172】
観測カメラ80は、給水及び排水のいずれかの状況として、圃場内の水の波紋及び水面のいずれかを撮像する。これによれば、波紋及び水面のいずれから、給水及び排水のいずれかの状況を簡単に把握することができる。
圃場の水管理システムは、波紋及び水面のいずれかの観測データに基づいて、圃場の水位を推定する支援装置201Aを備えている。これによれば、給水及び排水の状況だけでなく圃場内の水位を簡単に推定することができる。即ち、水位を測定する水位検出装置が作動していない状態、水位検出装置が備わっていない場合でも水位を把握することができる。
【0173】
観測カメラ80は、給水及び排水のいずれかの状況として、給水及び排水のいずれかと、圃場の作物とを撮像し、波紋及び水面のいずれかと、作物の作物との関係に基づいて、圃場内の水位を推定する支援装置201Aを備えている。これによれば、推定する水位を実際の推移に近づけることができ、精度良い水位の推定をすることができる。
支援装置201Aは、推定した圃場内の水位が、圃場の目標水位に達しているか否かを判断する。これによれば、目標水位に達していないと判断した場合には簡単に給水を行うことができる。
【0174】
圃場の水管理システムは、収容体11の周囲の音を検知する音検知装置229を備え、波紋及び水面のいずれかの観測データと、音とに基づいて、給水及び排水のいずれかの状況を推定する支援装置201Aを備えている。これによれば、観測データだけでなく、給水及び排水のいずれかを行ったときの音から、給水又は排水の状況を簡単に把握することができる。
【0175】
観測カメラ80は、給水及び排水のいずれかの状況として、機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を撮像する。これによれば、機構(弁体102,仕切部125)を直接、撮像することで、給水又は排水の状況を簡単に把握することができる。
圃場の水管理システムは、給水及び排水のいずれかの状況を撮像する場合に、圃場の地面に向けて光源を照射するライトを備えている。これによれば、ライトによって水面の状況を把握しやすくなる。例えば、ライトによって光を照射したときの水面の反射状況によって水面の状況(水の流れ)を把握しやすい。
【0176】
圃場の水管理装置1は、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、を備え、収容体11は、垂直方向に長さが異なる筒体を着脱自在に支持する支持部を有している。これによれば、収容体11の内部空間を大きくしたり、収容体11の高さを変更することができ、収容体11内に収容する機器の大きさ等に応じて収容体11の高さを変えることができる。即ち、収容体の高さを変更可能とし、機器などを簡単に追加することができる。
【0177】
収容体11は、アクチュエータ10を収容する第1筒体11a、11bと、アクチュエータ10とは異なる機器を収容し且つ支持部に支持される第2筒体11cと、を含んでいる。これによれば、アクチュエータ10はそのままで、アクチュエータ10とは異なる機器を収容する部分の内部空間を大きくしたり、収容体11の高さを変更することができる。
【0178】
機器は、圃場を撮像可能な観測カメラ80であり、第2筒体11cは、観測カメラ80に対向する窓部153を有している。これによれば、収容体11の内部から観測カメラ80によって圃場の周囲を撮像することができ、防水性を高めることもできる。
窓部153は、垂直方向であって、第2筒体11cの軸芯方向に延びている。これによれば、垂直方向(高さ方向)の撮像範囲を大きくすることができる。
【0179】
窓部153は、第2筒体11cの周方向に延びている。これによれば、水平方向の撮像範囲を大きくすることができる。
圃場の水管理装置1は、機器の垂直方向の高さを変更する位置変更機構を備えている。これによれば、収容体11に収容した機器の高さを位置変更機構によって簡単に変更することができる。
【0180】
圃場の水管理装置1は、圃場に供給する給水及び圃場から排出する排水のいずれかを開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、収容体11の内部及び外部のいずれかに取付けられ且つ、圃場を撮像可能な観測カメラ80と、を備えている。これによれば、観測カメラ80によって、収容体11の内部又は外部から圃場の周囲を観測することができる。即ち、観測カメラ80を設置することで、圃場H1に関する様々な状況を簡単に把握することができる。
【0181】
収容体11は、複数の筒体を含み、観測カメラ80は、複数の筒体のうち、アクチュエータ10を収容しない筒体内に取付けられている。これによれば、できるだけ大きな観測カメラ80を取り付けることができ、撮像範囲を大きくすることができる。
圃場の水管理装置1は、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40と、太陽光パネル40が発電した電力を蓄電する蓄電装置41と、を備え、収容体11は、複数の筒体を含み、観測カメラ80は、複数の筒体のうち、蓄電装置41を収容する筒体内に取付けられている。これによれば、観測カメラ80を作動させる電力を蓄電装置41から取りやすくすることができ、電力を供給する配線を短くでき配線作業を行いやすくすることができる。
【0182】
圃場の水管理装置1は、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40を備え、観測カメラ80は、太陽光パネル40と収容体11との間に取付けられている。これによれば、観測カメラ80を太陽光パネル40と収容体11とで挟み込む(上下を覆う)ことができ、雨水等ができるだけ観測カメラ80にかからないようにすることができる。
【0183】
圃場の水管理装置1は、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40を備え、観測カメラ80は、太陽光パネル40と機構(弁体102,仕切部125)との間に取付けられている。これによれば、機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作の妨げにならないところに観測カメラ80を設置することができ、観測カメラ80の設置によって、水管理装置1の給水又は排水の能力が低下するのを防止することができる。
【0184】
圃場の水管理システムは、圃場に供給する給水を開閉動作によって行う機構(弁体102,仕切部125)の開閉動作を行うアクチュエータ10と、アクチュエータ10を作動する電力を発生する太陽光パネル40と、アクチュエータ10を収容する収容体11と、圃場の水位を検出する水位検出装置50aと、水位検出装置50aが検出した水位が制御幅F1に入るようにアクチュエータ10を制御する水位制御部60Aと、制御幅F1を変更する水位幅変更部60Bとを有している制御装置60と、を備えている。これによれば、水位幅変更部60Bによって、様々な状況に応じて制御幅F1を変更することができ、より精度よい水位管理を実現することができる。即ち、作物等を考慮して簡単に圃場の水位を制御することができる。なお、制御幅は低いほど緻密な水位管理ができ、稲などの作物の生育において収量や品質を向上させる効果が期待できる。
【0185】
水位幅変更部60Bは、圃場の作物の生育に基づいて、制御幅F1を変更する。これによれば、生育に応じて制御幅F1を変更することで、より生育を推進することができる。
圃場の水管理システムは、圃場の作物を撮像可能な観測カメラ80を備え、水位幅変更部60Bは、観測カメラ80が撮像した観測データに基づいて、制御幅F1を変更する。これによれば、圃場の水面などの状況を観測データで把握したうえで、制御幅F1を変更することができ、制御幅F1によってより品種、地域、土壌に適した水位の制御を実現することができる。
【0186】
水位幅変更部60Bは、手動の操作によって制御幅F1を変更可能であって、制御幅F1の下限値を制限する。これによれば、管理者や作業者が、誤って制御幅F1を低めに設定してしまった場合でも、水位の誤検知を抑制することができ、作物の成長に必要な水位を確保することができる。
水位制御部60Aは、水位幅変更部60Bが変更した制御幅F1に基づいて、開閉動作の時間を可変にする。これによれば、水位のコントロールを頻繁に行うこと(開閉動作の時間)を制限することができ、作物の成長にできるだけ影響を与えないような給水を行うことができる。
【0187】
水位制御部60Aは、アクチュエータ10を制御したときの機構(弁体102,仕切部125)の開度を制限する。これによれば、急激な給水や排水の影響による水位の変動を防止することができる。
上述した実施形態では、観測カメラ80の位置や向きを位置変更機構159(159A、159B、159C)によって変更していたが、位置変更機構159(159A、159B、159C)によって、観測カメラ80以外の水管理装置1に搭載した機器の位置(高さ、向き、角度)等を変更してもよい。
【0188】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0189】
1 :水管理装置
10 :アクチュエータ
11 :収容体
11a :筒体
11a :第1筒体
11b :筒体
11b :第1筒体
11c :筒体
11c :第2筒体
40 :太陽光パネル
80 :観測カメラ
153 :窓部
159 :位置変更機構
159A :位置変更機構
159B :位置変更機構
159C :位置変更機構
H1 :圃場
H20 :高さ
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図7M】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】