(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021107520
(43)【公開日】20210729
(54)【発明の名称】汎用混合水
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/14 20060101AFI20210702BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20210702BHJP
   C02F 1/68 20060101ALI20210702BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20210702BHJP
【FI】
   !C11D7/14
   !C11D17/08
   !C02F1/68 510A
   !C02F1/68 520A
   !C02F1/68 520D
   !C02F1/68 520N
   !C02F1/68 530A
   !C02F1/68 540D
   !C02F1/44 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】2019240027
(22)【出願日】20191229
(71)【出願人】
【識別番号】520003310
【氏名又は名称】株式会社ゴトウ自動車ガラス
【住所又は居所】岐阜県多治見市池田町2丁目48番地
(74)【代理人】
【識別番号】100098741
【弁理士】
【氏名又は名称】武蔵 武
(72)【発明者】
【氏名】五藤 秀人
【住所又は居所】岐阜県多治見市池田町2丁目48番地 株式会社ゴトウ自動車ガラス内
【テーマコード(参考)】
4D006
4H003
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006PA01
4D006PB02
4D006PB06
4H003DA20
4H003EA15
4H003ED02
(57)【要約】
【課題】洗浄剤はもちろん、それ以外の用途にも幅広く利用可能な汎用混合水を提供する。
【解決手段】汎用混合水は、逆浸透膜法により逆浸透処理してなる水に長石の溶出成分を含有させてなる原料水と、珪酸ナトリウムと、を混合してなる。かかる汎用混合水は、長石の溶出成分を有し且つその溶出成分が珪酸ナトリウムと一緒に対象物に付着して乾燥後も残存するため、赤外線放射による温熱作用、界面活性作用、抗酸化作用、脱脂効果等を長期間得ることができる。したがって、食品の洗浄も可能な多用途の洗浄剤としたり、抗酸化作用により例えば、化粧水、農作物などの鮮度保持剤、さらには金属製品などへの防錆剤としての利用が可能であり、また、遠赤外線効果により例えば、温熱機能を有する被服(繊維への染み込み)やTVOCなど空気中有害物質の抑制剤としての利用が可能である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆浸透膜法により逆浸透処理してなる水に長石の溶出成分を含有させてなる原料水と、珪酸ナトリウムと、を混合してなることを特徴とする汎用混合水。
【請求項2】
原水を逆浸透膜法により逆浸透処理する逆浸透処理工程と、
前記逆浸透処理工程により得られた水に長石の成分を溶出させる溶出工程と、
前記溶出工程により長石の溶出成分を含有させてなる原料水に珪酸ナトリウムを混合する混合工程と、からなることを特徴とする汎用混合水の製造方法。
【請求項3】
前記混合工程により得られたものを加熱して冷却する加熱・冷却工程を行うようにしたことを特徴とする請求項2記載の汎用混合水の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温熱、界面活性、抗酸化、脱脂等の作用を備えた汎用混合水に関する。
【背景技術】
【0002】
原水を逆浸透膜法により逆浸透処理して得られる逆浸透膜水と、珪酸ナトリウムとを混合してなる洗浄剤が、特許文献1に記載されている。
同文献にも記載されているように、逆浸透膜法による逆浸透処理とは、例えば、四角い水槽の中央に半透膜の間仕切りを設けて槽内を二区画に分け、一方の区画に食塩水を注入し、他方の区画に純水を注入すると、純水側の水位が自然に減少し、逆に、食塩水側の水位が増加して食塩水が希釈されることとなるが、これは半透膜が極微小の細孔を有し、食塩水中のナトリウムイオンや塩素イオンと水分子が会合してなる集合体がその細孔を透過することが出来ず、クラスター(複数の水分子が会合してなる集合体)の小さな水分子だけが半透膜を透過するためであり、この半透膜を利用し、一方の区画のみに原水(水道水等でミネラルイオン等を微量含有する。)を注入し、該原水に加圧することで、半透膜にて小さな水分子だけを透過させると共に原水含有の不純物を除去して他方側の区画に貯溜させるようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−270213号公報(段落0017<試験体2>、段落0022)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に<試験体2>として記載されているように、原水を逆浸透膜法により逆浸透処理して得られる逆浸透膜水と、珪酸ナトリウムとを混合してなる洗浄剤は、優れた洗浄力を有し、また、珪酸ナトリウムにより形成された被膜により優れた防汚性を発揮する。
しかしながら、その用途が洗浄剤に限定されるため需要に限界があり、また、その需要も季節的な要因により大きく変動する、等の問題があった。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、洗浄剤はもちろん、それ以外の用途にも幅広く利用可能な汎用混合水を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明は、請求項1に記載したように、逆浸透膜法により逆浸透処理してなる水に長石の溶出成分を含有させてなる原料水と、珪酸ナトリウムと、を混合してなる汎用混合水を提供する。
かかる汎用混合水は、長石の溶出成分を有し且つその溶出成分が珪酸ナトリウムと一緒に対象物に付着して乾燥後も残存するため、洗浄剤としての機能に加えて、赤外線放射による温熱作用、界面活性作用、抗酸化作用、脱脂効果等を長期間得ることができる。したがって、これらの作用・効果を活用して幅広い用途への利用が可能になる。
【0007】
また、請求項2に記載したように、
原水を逆浸透膜法により逆浸透処理する逆浸透処理工程と、
前記逆浸透処理工程により得られた水に長石の成分を溶出させる溶出工程と、
前記溶出工程により長石の溶出成分を含有させてなる原料水に珪酸ナトリウムを混合する混合工程と、からなる汎用混合水の製造方法を提供する。
また、請求項3に記載したように、
前記混合工程により得られたものを加熱して冷却する加熱・冷却工程を行うようにした請求項2記載の汎用混合水の製造方法を提供する。
以上の製造方法により請求項1の汎用混合水が製造できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗浄剤はもちろん、それ以外の用途にも幅広く利用可能な汎用混合水を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】汎用混合水の製造工程を説明するフロー図である。
【図2】汎用混合水の製造工程を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の汎用混合水は、逆浸透膜法により逆浸透処理してなる水に長石の溶出成分を含有させてなる原料水と、珪酸ナトリウムとを混合してなるものであり、その製造方法を図1、図2により説明する。
【0011】
まず、原水を逆浸透膜法により逆浸透処理する(逆浸透処理工程)。ここでの原水は、蒸留水、精製水、水道水等の通常のものである。原水の逆浸透処理は、市販の逆浸透膜装置により行うことができる。
【0012】
次に、逆浸透処理工程により得られた水に長石の成分を溶出させる(溶出工程)。具体的には、逆浸透処理した水約200Lの中に球状の長石約20kgを入れて48時間程度放置する。開発時に使用した長石は、群馬県又は熊本県天草市で採掘されたものをセラミックボールに加工したものである。長石には、赤外線の放射成分の他、カルシウム等のミネラルが含まれており、それらが時間を掛けて水の中に溶出する。このように長石の成分を溶出させた前記水を原料水という。
【0013】
次に、前記溶出工程により長石の溶出成分を含有させた原料水に珪酸ナトリウムを混合する(混合工程)。
珪酸ナトリウムは、珪酸ソーダ又は水ガラスともいい、その種類としてはメタ珪酸ナトリウム(Na SiO )の他、オルト珪酸ナトリウム(Na SiO )、メタ二珪酸ナトリウム(Na Si )、メタ四珪酸ナトリウム(Na Si )などがあり、また無水物と水和物とがあるが、その種類は問わず、通常の市販のものを適宜選択して使用すればよい。
珪酸ナトリウムの配合量は、原料水60〜99重量%、珪酸ナトリウム1〜40重量%の範囲がよい。珪酸ナトリウムが1重量%未満の場合、洗浄物に対する珪酸ナトリウム被膜の形成が困難であり、40重量%超過の場合、原料水に溶解させて安定させることが困難で、珪酸ナトリウムによる白濁や沈殿が生じるためである。
こうして製造された汎用混合水は、pH9.5〜12の強アルカリ性であって菌が生存しにくい環境になっており、また、珪酸ナトリウムにより長期間細かい水分子同士の再結合が防止される。
【0014】
上記の汎用混合水は、ある程度時間を置くことで全体が均等になって性質が安定するが、図2に示したように、加熱して冷却する工程(具体的には、約80℃に加熱し、その後、約10〜15℃まで冷却する。)を追加することにより短時間で性質を安定させることができる。なお、製造後の保存は室温でよい。したがって、短い時間で効率よく製造することができる。
【0015】
以上の製造方法で製造した汎用混合水を5倍に希釈し、それを汚れが付着した壁紙クロスとタイルカーペットに約2.5ミリリットル噴霧して拭き取ったところ、汚れが綺麗に落ちた。これにより汎用混合水の洗浄効果を確認した。
【0016】
次に、植物性の油が分離して水面に浮遊しているコップに製造した汎用混合水を投入して攪拌したところ、瞬時に乳化してコップの水が白濁した。また、製造した汎用混合水の中に鉱物油が付着した金属球を浸けたところ瞬時に白濁した。これらの結果より製造した汎用混合水の脱脂効果を確認した。
【0017】
次に、製造した汎用混合水を入れたコップと、水道水を入れたコップに同じ金属製品を入れて観察したところ、水道水に入れた金属製品に錆が発生した時点で、汎用混合水に入れた金属製品には錆の発生が認められなかった。これにより汎用混合水の抗酸化作用並びに防錆効果を確認した。
【0018】
次に、製造した汎用混合水と水道水にそれぞれプチトマトを浸したところ、水道水には目視で目立った変化がないのに対し、汎用混合水は淡い黄色に変色した。また、5倍に希釈した汎用混合水と、希釈しない汎用混合水(原液)の比較では、希釈しない汎用混合水の方が若干濃く変色した。これはプチトマト表面の薬剤が溶解して変色したものと考えられ、これにより汎用混合水の浸透効果を確認した。
【0019】
次に、製造した汎用混合水を浸透させた樹脂製ボールをサーモグラフィーカメラにて測定した。比較のため、汎用混合水を浸透させない樹脂製ボールも一緒に測定したところ、汎用混合水を浸透させた樹脂製ボールのみサーモグラフィーカメラが赤外線反応を感知した。これにより汎用混合水の赤外線放射による温熱作用を確認した。
【0020】
以上の結果から本発明の汎用混合水は、食品の洗浄も可能な多用途の洗浄剤としたり、抗酸化作用により例えば、化粧水、農作物などの鮮度保持剤、さらには金属製品などへの防錆剤としての利用が可能であり、また、遠赤外線効果により例えば、温熱機能を有する被服(繊維への染み込み)やTVOCなど空気中有害物質の抑制剤としての利用が可能である等、幅広い用途に利用することができる。
【図1】
【図2】