(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021107668
(43)【公開日】20210729
(54)【発明の名称】作業機の通信システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20210702BHJP
   A01B 71/02 20060101ALI20210702BHJP
   B62D 49/00 20060101ALI20210702BHJP
   G06F 8/65 20180101ALI20210702BHJP
   G06F 8/60 20180101ALI20210702BHJP
【FI】
   !E02F9/20 C
   !A01B71/02 Z
   !B62D49/00 K
   !G06F8/65
   !G06F8/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】2019239973
(22)【出願日】20191228
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 亮
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
(72)【発明者】
【氏名】三浦 敬典
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
(72)【発明者】
【氏名】林 信二
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
(72)【発明者】
【氏名】衣川 亮祐
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
(72)【発明者】
【氏名】藤本 光一
【住所又は居所】大阪府堺市堺区石津北町64番地 株式会社クボタ 堺製造所内
【テーマコード(参考)】
2B041
2D003
5B376
【Fターム(参考)】
2B041AA20
2B041AB05
2B041AC00
2B041CA16
2B041CG10
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2B041HA13
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2B041HA29
2B041HA30
2D003AA01
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2D003DA04
2D003DB08
2D003FA02
5B376AA38
5B376AB01
5B376CA13
5B376CA75
5B376GA07
(57)【要約】
【課題】機体に連結された作業装置への設定情報の更新を簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】作業機の通信システムは、作業装置を連結可能な機体と、機体に設けられ且つ、作業装置を制御する制御プログラムを記憶する記憶装置と、作業装置が機体に連結された場合に、連結された作業装置に対応する制御プログラムを記憶装置から抽出して、作業装置に送信する更新制御装置と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置を連結可能な機体と、
前記機体に設けられ且つ、前記作業装置を制御する制御プログラムを記憶する記憶装置と、
前記作業装置が前記機体に連結された場合に、前記連結された作業装置に対応する前記制御プログラムを前記記憶装置から抽出して、前記作業装置に送信する更新制御装置と、
を備えている作業機の通信システム。
【請求項2】
前記制御プログラムを送信するサーバと、
前記サーバから送信された前記制御プログラムを受信する通信装置と、
を備え、
前記記憶装置は、前記制御プログラムを前記サーバから送信される毎に記憶する請求項1に記載の作業機の通信システム。
【請求項3】
前記更新制御装置は、前記作業装置が前記機体に連結された際に、前記記憶装置を参照し前記機体に接続された前記作業装置の前記制御プログラムが記憶されていない場合に前記通信装置に対して前記制御プログラムが無いことを通知する請求項2に記載の作業機の通信システム。
【請求項4】
前記更新制御装置は、前記作業装置が前記機体に連結された際に、前記連結された作業装置に対応する制御プログラムのバージョンを参照し、前記バージョンを前記通信装置に通知する請求項3に記載の作業機の通信システム。
【請求項5】
前記通信装置は、前記バージョンを前記サーバに送信し、前記サーバは前記バージョンが最新でない場合に、前記最新の前記制御プログラムを前記通信装置する請求項4に記載の作業機の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、農業機械、建設機械等の作業機の通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機の設定情報を書き込むシステムとして、特許文献1が知られている。
特許文献1の車両用通信ネットワークに接続された作業機用制御装置に設定情報を書き込む作業機用制御装置のプログラム更新方法において、作業機用制御装置のプログラムのチェックに用いるデータを予め設定しておき、当該設定情報を作業機用制御装置に書き込む前に、予め作業機用制御装置に格納されている既存プログラムのチェックに用いるデータを消去しておき、その後に、設定情報を作業機用制御装置に書き込むと共に、当該設定情報のチェックに用いるデータを最後に作業機用制御装置に書き込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−176372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、作業機に備えた作業機用制御装置に設定情報を適正に書き込むことができ、非常に有用である。しかしながら、特許文献1では、作業機、即ち、車体に連結された別の作業装置の設定情報を更新することについて考慮されていないのが実情である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、機体に連結された作業装置への設定情報の更新を簡単に行うことができる作業機の通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
作業機の通信システムは、作業装置を連結可能な機体と、前記機体に設けられ且つ、前記作業装置を制御する制御プログラムを記憶する記憶装置と、前記作業装置が前記機体に連結された場合に、前記連結された作業装置に対応する前記制御プログラムを前記記憶装置から抽出して、前記作業装置に送信する更新制御装置と、を備えている。
【0006】
作業機の通信システムは、前記制御プログラムを送信するサーバと、前記サーバから送信された前記制御プログラムを受信する通信装置と、を備え、前記記憶装置は、前記制御プログラムを前記サーバから送信される毎に記憶する。
前記更新制御装置は、前記作業装置が前記機体に連結された際に、前記記憶装置を参照し前記機体に接続された前記作業装置の前記制御プログラムが記憶されていない場合に前記通信装置に対して前記制御プログラムが無いことを通知する。
【0007】
前記更新制御装置は、前記作業装置が前記機体に連結された際に、前記連結された作業装置に対応する制御プログラムのバージョンを参照し、前記バージョンを前記通信装置に通知する。
前記通信装置は、前記バージョンを前記サーバに送信し、前記サーバは前記バージョンが最新でない場合に、前記最新の前記制御プログラムを前記通信装置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機体に連結された作業装置への設定情報の更新を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】変速装置の構成図である。
【図2】昇降装置の斜視図である。
【図3】制御ブロック及び作業機の通信システムを示す図である。
【図4】第1コネクタ及び通信ケーブルを示す図である。
【図5】自動走行を説明する説明図である。
【図6】設定情報の一例である。
【図7A】設定情報の送受信の動作を示すフローである。
【図7B】図7Aとは異なる設定情報の送受信の動作を示すフローである。
【図8】記憶装置に記憶された設定情報のうち制御プログラムを示した図である。
【図9】図8に作業装置Fの制御プログラムが追加された図である。
【図10】制御プログラムの更新を示すフローである。
【図11】トラクタの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は、作業機1の制御ブロック及び作業機1の通信システムを示している。作業機1は、トラクタ、コンバイン、田植機等の農業機械、ローダ、バックホーなどの建設機械等である。
以下、トラクタを例にあげて作業機について説明する。なお、上述したように、作業機1はトラクタに限定されないため、コンバイン、田植機等の農業機械、ローダ、バックホーなどの建設機械と共通する構成は置き換えが可能である。即ち、トラクタの説明を他の農業機械、建設機械に読み替えればよい。
【0011】
図11に示すように、トラクタは、走行装置7を有する機体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機4は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関、電動モータ等である。この実施形態では、原動機4は、ディーゼルエンジンである。
【0012】
変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。機体3にはキャビン9が設けられ、当該キャビン9内には運転席10が設けられている。
また、機体3の後部には、連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置2が着脱可能である。この実施形態では、連結部8は、装着された作業装置2を昇降する昇降装置である。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
【0013】
作業装置2は、作業制御装置(制御装置)2aを備えている。作業制御装置2aは、作業装置2の様々な制御を行う装置であり、CPU、電気電子回路等である。作業制御装置2aは、様々な情報、例えば、制御プログラム、識別情報等を記憶する記憶装置2bを有している。記憶装置2bは、不揮発性のメモリ等から構成されている。
図1に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、シャトル部5bと、主変速部5cと、副変速部5dと、PTO動力伝達部5eと、前変速部5fと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケースに回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。
【0014】
シャトル部5bは、シャトル軸5b1と、前後進切換部5b2とを有している。シャトル軸5b1には、推進軸5aからの動力が伝達される。前後進切換部5b2は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸5b1の回転方向、即ち、トラクタの前進及び後進を切り換える。
主変速部5cは、入力された動力を無段に変更する無段変速機構である。無段変速機構は、油圧ポンプ5c1と、油圧モータ5c2と、遊星歯車機構5c3とを有している。油圧ポンプ5c1は、シャトル部5bの出力軸5b3からの動力により回転する。油圧ポンプ5c1は、例えば、斜板12を有する可変容量ポンプであって、斜板12の角度(斜板角)を変更することにより、当該油圧ポンプ5c1から吐出する作動油の流量を変更することができる。油圧モータ5c2は、配管等の油路回路を介して油圧ポンプ5c1から吐出された作動油によって回転するモータである。油圧ポンプ5c1の斜板角を変更したり、油圧ポンプ5c1へ入力する動力を変更することによって、油圧モータ5c2の回転数を変更することができる。
【0015】
遊星歯車機構5c3は、複数のギア(歯車)と、入力軸及び出力軸等の動力伝達軸とで構成された機構であって、油圧ポンプ5c1の動力が入力される入力軸13と、油圧モータ5c2の動力が入力される入力軸14と、動力を出力する出力軸15とを含んでいる。遊星歯車機構5c3は、油圧ポンプ5c1の動力と、油圧モータ5c2の動力とを合成して合成した動力を出力軸15に伝達する。
【0016】
したがって、主変速部5cによれば、油圧ポンプ5c1の斜板12の斜板角、原動機4の回転数等を変更することによって、副変速部5dに出力する動力を変更することができる。なお、主変速部5cは、無段変速機構で構成しているが、ギアによって変速を行う有段変速機構であってもよい。
副変速部5dは、動力を変速する有段の複数のギア(歯車)を有する変速機構であって、複数のギアの接続(噛合)を適宜変更することによって、遊星歯車機構5c3の出力軸15から当該副変速部5dに入力された動力を変更して出力する(変速する)。副変速部5dは、入力軸5d1と、第1変速クラッチ5d2と、第2変速クラッチ5d3と、出力軸5d4とを含んでいる。入力軸5d1は、遊星歯車機構5c3の出力軸15の動力が入力される軸であり、入力された動力を、ギア等を介して第1変速クラッチ5d2及び第2変速クラッチ5d3に入力する。第1変速クラッチ5d2及び第2変速クラッチ5d3のそれぞれの接合及び切断を切り換えることにより、入力された動力は変更され、出力軸5d4に出力される。出力軸5d4に出力された動力は、後輪デフ装置20Rに伝達される。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
【0017】
PTO動力伝達部5eは、PTOクラッチ5e1と、PTO推進軸5e2と、PTO変速部5e3とを有している。PTOクラッチ5e1は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸5e2に伝達する状態(接続状態)と、推進軸5aの動力をPTO推進軸5e2に伝達しない状態(切断状態)とに切り換わる。PTO変速部5e3は、変速クラッチと複数のギア等を含んでいて、PTO推進軸5e2からPTO変速部5e3へ入力された動力(回転数)を変更して出力する。
PTO変速部5e3の動力は、ギア等を介してPTO軸16に伝達される。
【0018】
前変速部5fは、第1前変速クラッチ5f1と、第2前変速クラッチ5f2とを有している。第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2は、副変速部5dからの動力が伝達可能であって、例えば、出力軸5d4の動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2からの動力は、前伝動軸22を介して前車軸21Fに伝達可能である。具体的には、前伝動軸22は、前輪デフ装置20Fに接続され、前輪デフ装置20Fは、前輪7Fが取り付けられた前車軸21Fを回転自在に支持している。
【0019】
第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2は、油圧クラッチ等で構成されている。第1前変速クラッチ5f1には油路が接続され、当該油路には油圧ポンプから吐出した作動油が供給される制御弁23に接続されている。第1前変速クラッチ5f1は、制御弁23の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第2前変速クラッチ5f2には油路が接続され、当該油路には制御弁24に接続されている。第2前変速クラッチ5f2は、制御弁24の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。制御弁23及び制御弁24は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
【0020】
第1前変速クラッチ5f1が切断状態で且つ第2前変速クラッチ5f2が接続状態である場合、第2前変速クラッチ5f2を通じて副変速部5dの動力が前輪7Fに伝達される。これにより、前輪及び後輪が動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪と後輪との回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。一方、第1前変速クラッチ5f1が接続状態で且つ第2前変速クラッチ5f2が切断状態である場合、四輪駆動になり且つ前輪の回転速度が後輪の回転速度に比べて速くなる(4WD倍速状態)。また、第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2が接続状態である場合、副変速部5dの動力が前輪7Fに伝達されないため、後輪が動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
【0021】
図2に示すように、昇降装置(連結部)8は、リフトアーム8a、ロアリンク8b、トップリンク8c、リフトロッド8d、リフトシリンダ8eを有している。リフトアーム8aの前端部は、変速装置5を収容するケース(ミッションケース)の後上部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトアーム8aは、リフトシリンダ8eの駆動によって揺動(昇降)する。リフトシリンダ8eは、油圧シリンダから構成されている。リフトシリンダ8eは、制御弁34を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁34は、電磁弁等であって、リフトシリンダ8eを伸縮させる。
【0022】
ロアリンク8bの前端部は、変速装置5の後下部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。トップリンク8cの前端部は、ロアリンク8bよりも上方において、変速装置5の後部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトロッド8dは、リフトアーム8aとロアリンク8bとを連結している。ロアリンク8bの後部及びトップリンク8cの後部には、作業装置2が連結される。リフトシリンダ8eが駆動(伸縮)すると、リフトアーム8aが昇降するとともに、リフトロッド8dを介してリフトアーム8aと連結されたロアリンク8bが昇降する。これにより、作業装置2がロアリンク8bの前部を支点として、上方又は下方に揺動(昇降)する。
【0023】
昇降装置8には、姿勢変更装置25が設けられている。姿勢変更装置25は、機体3に装着された作業装置2の姿勢を変更する装置である。姿勢変更装置25は、油圧シリンダから構成された変更シリンダ25aと、制御弁25bとを有している。変更シリンダ25aは、制御弁25bを介して油圧ポンプと接続されている。制御弁25bは、電磁弁等であって、変更シリンダ25aを伸縮させる。変更シリンダ25aは、リフトアーム8aとロアリンク8bとを連結している。
【0024】
図3に示すように、トラクタは、複数の油圧制御弁27を有している。複数の油圧制御弁27は、油圧ポンプ28から作動油が供給される油圧切換弁である。複数の油圧制御弁27は、出力ポートを有しており、任意の出力ポートに油圧ホース等が接続可能である。油圧制御弁27の任意の出力ポートに接続した油圧ホースを、作業装置2の油圧アタッチメントに接続することにより、作業装置2に装着された様々な油圧アタッチメントを作動させることができる。
【0025】
図3に示すように、操舵装置11は、ハンドル(ステアリングホイール)11aと、ハンドル11aの回転に伴って回転する回転軸(操舵軸)11bと、ハンドル11aの操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)11cと、を有している。補助機構11cは、制御弁35と、ステアリングシリンダ32とを含んでいる。制御弁35は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁35は、操舵軸11bの操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ32は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)36に接続されている。したがって、ハンドル11aを操作すれば、当該ハンドル11aに応じて制御弁35の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁35の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ32が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵装置11は一例であり、上述した構成に限定されない。
【0026】
図3に示すように、トラクタは、複数の検出装置41を備えている。複数の検出装置41は、トラクタの状態を検出する装置であり、例えば、水温を検出する水温センサ41a、燃料の残量を検出する燃料センサ41b、原動機4の回転数を検出する原動機回転センサ(回転センサ)41c、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダルセンサ41d、操舵装置11の操舵角を検出する操舵角センサ41e、リフトアーム8aの角度を検出する角度センサ41f、機体3の幅方向(右方向又は左方向)の傾きを検出する傾き検出センサ41g、機体3の車速(速度)を検出する速度センサ41h、PTO軸の回転数を検出するPTO回転センサ(回転センサ)41i、バッテリー等の蓄電池の電圧を検出するバッテリセンサ41j、測位衛星等の信号に基づいて機体3の位置を検出する測位センサ(測位装置)41k等である。
【0027】
測位装置41kは、D−GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置41kは、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて、トラクタ1の位置(例えば、緯度、経度)、即ち、車体位置を検出する。測位装置41kは、受信装置と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)とを有している。受信装置は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置とは別に機体3に取付けられている。この実施形態では、受信装置は、機体3に取付けられている。なお、受信装置の取付箇所は、実施形態に限定されない。
【0028】
慣性計測装置は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。機体3、例えば、運転席10の下方に設けられ、慣性計測装置によって、機体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
なお、速度センサ41hは、例えば、前車軸21Fの回転数、後車軸21Rの回転数、前輪7Fの回転数、後輪7Rの回転数等を車速に変換することにより車速を検出する。また、速度センサ41hは、前車軸21F、後車軸21R、前輪7F及び後輪7Rのいずれかの回転方向も検出することができ、トラクタ(機体3)が前進しているか、後進しているかも検出することができる。上述した検出装置41は一例であり、上述したセンサに限定されない。
【0029】
また、トラクタは、複数の操作部材(操作装置)42を備えている。複数の操作部材42は、機体3の前進又は後進を切り換えるシャトルレバー42a、原動機4の始動等を行うイグニッションスイッチ42b、PTO軸の回転数を設定するPTO変速レバー42c、自動変速及び手動変速のいずれかを切り換える変速切換スイッチ42d、変速装置5の変速段(変速レベル)を手動で切り換える変速レバー42e、車速を増減させるアクセル42f、昇降装置8の昇降を操作するポンパスイッチ42g、昇降装置8の上限を設定する高さ設定ダイヤル42h、車速を設定する車速レバー42i、油圧操作具42j、原動機回転数の上限を設定する回転設定具42k等である。
【0030】
変速切換スイッチ42d、高さ設定ダイヤル42h、回転設定具42kなどの設定具は、運転席10の側方に設けたコンソールボックスに設けられている。設定具(変速切換スイッチ42d、高さ設定ダイヤル42h、回転設定具42k)を運転者が操作することによって、機体3の動作を設定することができる。なお、上述した操作部材42は一例であり、上述したものに限定されない。
【0031】
図3に示すように、トラクタは、複数の機体制御装置40を有している。機体制御装置40は、トラクタ(機体3)の様々な制御を行う装置であり、CPU、電気電子回路等である。機体制御装置40は、様々な情報、例えば、制御プログラム、識別情報等を記憶する記憶装置43を有している。記憶装置43は、不揮発性のメモリ等から構成されている。即ち、複数の機体制御装置40は、記憶装置43を備えた電装品である。
【0032】
複数の機体制御装置40は、変速制御装置40Aと、エンジン制御装置40Bと、PTO制御装置40Cと、昇降制御装置40Dと、姿勢制御装置40F、補助油圧制御装置40G、自動走行制御部40Hとを含んでいる。なお、制御装置40は、変速制御装置40A、エンジン制御装置40B、PTO制御装置40C、昇降制御装置40D、自動操舵制御装置40E、姿勢制御装置40F、補助油圧制御装置40Gの全てを含んでいる必要はなく、トラクタの仕様に応じて設けられればよい。
【0033】
また、変速制御装置40A、エンジン制御装置40B、PTO制御装置40C、昇降制御装置40D、自動操舵制御装置40E、姿勢制御装置40F及び補助油圧制御装置40Gは、統合した統合制御装置に設けられていてもよい。
変速制御装置40Aは、変速制御を行う。変速制御では、自動変速機能が有効である場合、トラクタの状態に応じて主変速部5c及び副変速部5dのいずれかを自動的に切り換え、変速装置5の変速段(変速レベル)を予め定められた変速段(変速レベル)に自動的に変更する。変速制御では、変速切換スイッチ42dを手動変速に切り換えた場合、変速レバー42eで設定された変速段(変速レベル)に応じて主変速部5c及び副変速部5dのいずれかを自動的に切り換え、変速装置5の変速段を変更する。
【0034】
変速制御装置40Aは、走行装置7の走行駆動状態(走行装置7の動作)における制御(走行切換制御)を行う。走行切換制御では、シャトルレバー42aが前進に操作された場合、シャトル部5bの前後進切換部5b2を前進に切り換えることで、機体3を前進させる。また、進行切換制御は、シャトルレバー42aが後進に操作された場合、シャトル部5bの前後進切換部5b2を後進に切り換えることで、機体3を後進させる。
【0035】
走行切換制御では、4WDである場合、第1前変速クラッチ5f1を切断状態且つ第2前変速クラッチ5f2を接続状態にする。走行切換制御では、4WD倍速である場合、第1前変速クラッチ5f1を接続状態且つ第2前変速クラッチ5f2を切断状態にする。走行切換制御では、2WDである場合、第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2を接続状態にする。
【0036】
エンジン制御装置40Bは、エンジン制御を行う。エンジン制御では、イグニッションスイッチ42bがONに操作された場合、所定の処理を経て原動機4の始動を行い、イグニッションスイッチ42bがOFFに操作された場合、原動機4の駆動を停止させる。エンジン制御では、アクセル42fが操作された場合、当該アクセル42fの操作量に応じて原動機4の回転数(原動機回転数という)を変更することで、機体3の車速(速度)を変更する。
【0037】
PTO制御装置40Cは、PTO制御を行う。PTO制御では、PTO変速レバー42cが操作された場合、変速装置5に内蔵されたPTO変速ギアを切り換えることでPTO軸の回転数(PTO回転数という)を変更する。
昇降制御装置40Dは、昇降制御を行う。昇降制御では、手動昇降機能が有効である場合、ポンパスイッチ42gが上昇させる方向(上昇側)に操作された場合、制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを伸長させ、リフトアーム8aの後端部(作業装置2側の端部)を上昇させる。昇降制御では、手動昇降機能が有効である場合、ポンパスイッチ42gが下降させる方向(下降側)に操作された場合、制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを収縮させ、リフトアーム8aの後端部(作業装置2側の端部)を下降させる。昇降装置8によって作業装置2を上昇させている場合に、当該作業装置2の位置、即ち、リフトアーム8aの角度が高さ設定ダイヤル42hで設定された上限(高さ上限値)に達すると、昇降装置8における上昇動作を停止する。
【0038】
昇降制御では、バックアップ機能が有効である場合、機体3が後進した場合に自動的に制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを伸長させ、リフトアーム8aの後端部(作業装置2側の端部)を上昇させる。昇降制御では、オートアップ機能が有効である場合、操舵装置11の操舵角が所定以上になると、自動的に制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを伸長させ、リフトアーム8aの後端部(作業装置2側の端部)を上昇させる。
【0039】
姿勢制御装置40Fは、姿勢制御を行う。姿勢制御では、位置機能(固定機能)である場合、制御弁25bに制御信号を出力することで、変更シリンダ25aの長さを予め定められた長さに固定する。即ち、姿勢変更装置25で設定される作業装置2の幅方向の角度(水平に対するロアリンク8b、8bとを結ぶ直線の角度)を固定する。姿勢制御では、水平機能である場合、制御弁25bに制御信号を出力することで、変更シリンダ25aを伸縮させ、姿勢変更装置25で設定される作業装置2を水平に維持する。姿勢制御では、傾斜機能である場合、制御弁25bに制御信号を出力することで、変更シリンダ25aを伸縮させ、姿勢変更装置25で設定される作業装置2を圃場(地面)に平行に維持する。
【0040】
補助油圧制御装置40Gは、複数の油圧制御弁27のうち、油圧ホース等が接続された補助弁(作動制御弁)27を制御する。例えば、補助油圧制御装置40Gは、揺動自在なレバー等の油圧操作具42jが操作された場合に所定の油圧制御弁27から出力される作動油の流れを切り換える制御を行う。例えば、油圧操作具42jが左方向に操作されると、補助油圧制御装置40Gは、所定の油圧制御弁27のソレノイドを励磁して、所定の油圧制御弁27のスプールを移動させることで作動油の流れる方向を一方向にする。また、油圧操作具42jが右方向に操作されると、補助油圧制御装置40Gは、所定の油圧制御弁27のソレノイドを励磁して、所定の油圧制御弁27のスプールを移動させることで作動油の流れる方向を他方向にする。これにより、油圧制御弁27によって、作業装置2の油圧アタッチメントを操作することができる。
【0041】
トラクタには、運転切換スイッチ65が接続されている。運転切換スイッチ65は、ON/OFFに切り換え可能なスイッチであって、ONである場合に自動走行制御部40Hを自動運転モードに設定することができ、OFFである場合に自動走行制御部40Hを手動運転モードに設定することができる。
自動走行制御部40Hは、機体3の自動運転を制御する。自動走行制御部40Hは、自動運転モードになっている場合に自動運転を開始する。図5に示すように、トラクタが自動運転を行っている状況下において、車体位置G1と走行予定ルートL1との偏差が閾値未満である場合、自動走行制御部40Hは、操舵軸(回転軸)31の回転角を維持する。車体位置G1と走行予定ルートL1との偏差が閾値以上であって、トラクタが走行予定ルートL1に対して左側に位置している場合は、自動走行制御部40Hは、トラクタの操舵方向が右方向となるように操舵軸31を回転する。車体位置G1と走行予定ルートL1との偏差が閾値以上であって、トラクタが走行予定ルートL1に対して右側に位置している場合は、自動走行制御部40Hは、トラクタの操舵方向が左方向となるように操舵軸31を回転する。なお、上述した実施形態では、車体位置G1と走行予定ルートL1との偏差に基づいて操舵装置29の操舵角を変更していたが、走行予定ルートL1の方位とトラクタ(機体3)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)とが異なる場合、即ち、走行予定ルートL1に対する車体方位の角度が閾値以上である場合、自動走行制御部40Hは、角度が零(車体方位F1が走行予定ルートL1の方位に一致)するように操舵角を設定してもよい。また、自動走行制御部40Hは、偏差(位置偏差)に基づいて求めた操舵角と、方位(方位偏差)に基づいて求めた操舵角とに基づいて、自動運転における最終の操舵角を設定してもよい。上述した実施形態における自動運転における操舵角の設定は一例であり、限定されない。
【0042】
なお、自動走行制御部40Hは、走行予定ルートL1と車速とが対応付けられている場合、現在のトラクタの車速が走行予定ルートL1に対応した車速に一致するように変速装置の変速段、原動機の回転数等を自動的に変更する。
トラクタは、通信装置46を備えている。通信装置46は、外部機器47に直接通信及び間接通信のいずれかを行う通信装置(通信モジュール)であって、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、LPWA(Low Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置46は、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行う通信装置(通信モジュール)であってもよい。
【0043】
外部機器47は、例えば、タブレット、スマートフォン、PDA等の携帯型の端末(携帯端末)47a、パーソナルコンピュータ、サーバ等の固定型のコンピュータ等の固定型の端末(固定端末)47bである。
トラクタは、表示装置45を備えている。表示装置45は、トラクタに関する様々な情報を表示する装置である。表示装置45は、運転席10の周囲に設置されて、運転者が表示された内容を確認することができる。表示装置45は、運転情報を表示するメータパネル装置、様々な作業機に関する設定等を行う補助パネル装置等である。
【0044】
トラクタ(機体3)は、車載ネットワークN1を有している。車載ネットワークN1は、CAN (Controller Area Network)、LIN (Local Interconnect Network)、MOST (Media Oriented System Transport)、FlexRay、ISO11783(ISOBUS)等のネットワークである。車載ネットワークN1には、様々な電装品等で構築されていて、複数の機体制御装置40、複数の検出装置41、複数の機体制御装置40、通信装置46、表示装置45が接続されている。
【0045】
図3、4に示すように、トラクタ(機体3)において、外部から車載ネットワークN1に接続する第1コネクタ50Aを備えている。第1コネクタ50Aは、機体3の後部に設けられている。例えば、第1コネクタ50Aは、例えば、後輪7Rの上方を覆うフェンダの周囲、キャビン9の下部の後部に取付けられている。
第1コネクタ50Aには、作業装置2に接続可能な通信ケーブル51が接続可能である。通信ケーブル51は、ケーブル51Aと、ケーブル51Aの先端に取付けられ且つ第1コネクタ50Aに接続可能な第2コネクタ51Bとを含んでいる。
【0046】
第1コネクタ50Aに第2コネクタ50Bを接続することにより、通信ケーブル51を第1コネクタ50Aに接続することができる。第1コネクタ50Aに通信ケーブル51を接続した場合、トラクタ(機体3)と作業装置2とが相互に通信が可能となる。なお、第1コネクタ50A及び第2コネクタ50Bの形状は限定されず、第1コネクタ50A側が雄ピンを有し且つ第2コネクタ50Bが雌スピンを有する形状であってもよいし、第1コネクタ50A側が雌ピン、第2コネクタ50Bが雄ピンを有する構成であってもよいし、第1コネクタ50Aに第2コネクタ50Bを介して、通信ケーブル51が接続できる構造であれば何でもよい。
【0047】
さて、外部機器(携帯端末47a、固定端末47b)は、作業機1に対して様々な設定情報を送信可能である。図6に示すように、設定情報とは、変速制御装置40A、エンジン制御装置40B、PTO制御装置40C、昇降制御装置40D、姿勢制御装置40F、補助油圧制御装置40G及び自動走行制御部40Hのそれぞれが制御を行うにあたって必要な制御プログラム、制御パラメータの設定値、制御で用いる閾値、コマンド等である。また、設定情報においては、設定情報に対応する作業装置の型式、種別などの装置識別情報が含まれている。
【0048】
例えば、自走走行の場合、車体位置G1と走行予定ルートL1との偏差がある場合に偏差が小さくなるように制御が行われるが、偏差の大きさと、偏差を解消するための操舵角との関係などが設定情報である。設定情報は、あくまでも一例であって、限定されない。
以下、サーバ47bを例にとり説明する。
図3に示すように、サーバ47bは、設定情報を記憶するデータベース80を備えている。サーバ47bは、データベース80の設定情報を送信するにあたって、定期的又は不定期に、所定の作業機1へ設定情報を送信する。
【0049】
サーバ47bは、設定情報を送信する際、送信先の作業機1の通信装置46にコネクション処理を行い、通信装置46に接続する。即ち、サーバ47bは、当該サーバ47bと通信装置46とが通信して設定情報を送信するに際して、サーバ47bは通信装置46の応答結果に基づいて送信先の作業機1への送信の動作を決定し、通信装置46は、作業機1の状態によって設定情報の受付の動作を決定する。
【0050】
具体的には、サーバ47bが通信装置46に接続後、設定情報の送信を行うこと(送信予告)を通知する。通信装置46は、作業機1の複数の機体制御装置40(変速制御装置40A、エンジン制御装置40B、PTO制御装置40C、昇降制御装置40D、姿勢制御装置40F、補助油圧制御装置40G、自動走行制御部40H)に、サーバ47bから設定情報の送信予告があったことを出力する。複数の機体制御装置40のそれぞれは、制御のステータスを参照し、制御中である場合は、設定情報の受付ができないことを応答結果として通信装置46に出力する。
【0051】
例えば、自動走行制御部40Hによって、自動走行の制御が行われている場合、自動走行制御部40Hは、設定情報の受付ができないこと(受付不可)を応答結果として通信装置46に出力する。一方、自動走行制御部40Hによって、自動走行の制御が行われていない場合、自動走行制御部40Hは、設定情報の受付ができること(受付可)を応答結果として通信装置46に出力する。
【0052】
通信装置46は、応答結果として、受付不可、受付可、即ち、自動走行を行っているか否かを応答結果として、サーバ47bに送信する。サーバ47bは、応答結果として作業機1が自動走行を行っていることを示す情報を受信した場合に、作業機1への設定情報の送信を行わない。
なお、上述した実施形態では、自動走行制御部40Hによって、全ての機体制御装置40に、送信予告があったことを出力していたが、これに代えて、自動走行制御部40Hのみに、自動走行を行っているか否かを問い合わせ、自動走行を行っている場合は、受付不可をサーバ47bに送信し、自動走行を行っていない場合は、受付可をサーバ47bに送信する。つまり、サーバ47bは、送付先の作業機1が自動走行中であるか否かを問い合わせ、設定情報を送信する時間であっても、自動走行中の場合は設定情報を送信せず、自動走行中でない場合は設定情報を送信する。
【0053】
なお、上述した実施形態では、通信装置46は、作業機1の状態として自動走行を行っている場合に、サーバ47bに設定情報の受付を行えないことを応答結果として通知し、サーバ47bは、通信装置46が受付不可の場合に、通信装置46への設定情報の送信を停止していたが、これに代えて、自動走行中であっても通信装置46が一旦、サーバ47bからの設定情報を受け付けてもよい。
【0054】
具体的には、サーバ47bが通信装置46に送信予告を通知した場合、通信装置46は、応答結果として、サーバ47bが送信する設定情報の容量を問い合わせする。サーバ47bは、設定情報の送信の前に、設定情報の容量(送信容量)を通信装置46に送信する。通信装置46は、自己が有する記憶装置46aを参照し、記憶装置46aの空き容量が送信容量よりも大きい場合に、サーバ47bに対して、受付可を送信する。通信装置46は、記憶装置46aの空き容量が送信容量が小さい場合は、サーバ47bに対して、受付不可を送信する。サーバ47bは、受付可を受信すると、通信装置46に設定情報を送信する。通信装置46は、設定情報を受信(設定情報を受け付ける)と、記憶装置46aにサーバ47bから送信された設定情報を記憶し、自動走行中は車載ネットワークN1に設定情報を出力しない。通信装置46は、自動走行が終了すると、記憶装置46aに記憶した設定情報を車載ネットワークN1に出力する。
【0055】
上述した実施形態では、通信装置46は、作業機1が自動走行中に設定情報を受信していたが、自動走行中にサーバ47bとの通信を強制的に切断することで設定情報の受付を行わないようにしてもよい。
図7A及び図7Bは、設定情報の送受信の動作を示すフローである。
図7Aに示すように、サーバ47bから設定情報を送信する場合(S1、Yes)、送信先の通信装置に接続する(S2)。サーバ47bは、通信装置46に送信予告を通知する(S3)。通信装置46は、作業機1の複数の機体制御装置40に送信予告があったことを出力する(S4)。複数の機体制御装置40は、応答結果(受付不可、受付可)に出力する(S5)。通信装置46は、サーバ47bに応答結果(受付不可、受付可)を送信する(S6)。サーバ47bは、応答結果として作業機1が自動走行を行っていることを示す情報を受信した場合(S7、Yes)に、作業機1への設定情報の送信を行わない(S8)。サーバ47bは、応答結果として作業機1が自動走行を行っていない情報を受信した場合(S7、No)、設定情報を通信装置46に送信する(S9)。
【0056】
図7Bに示すように、S1〜S2の処理を経て、サーバ47bが通信装置46に送信予告を通知した場合(S3)。通信装置46は、応答結果として、サーバ47bが送信する設定情報の容量を問い合わせする(S20)。サーバ47bは、送信容量を通信装置46に送信する(S21)。通信装置46は、空き容量>送信容量が大きい場合(S22、Yes)、サーバ47bに受付可を送信する(S23)。通信装置46は、空き容量<送信容量が小さい場合(S22、No)、サーバ47bに受付不可を送信する(S24)。サーバ47bは、受付可を受信すると(S25、Yes)、通信装置46に設定情報を送信し(S26)、受付不可を受信すると(S25、No)、通信装置46に設定情報を送信しない(S27)、通信装置46は、設定情報を記憶装置46a記憶する(S28)。
【0057】
上述した実施形態では、通信装置46は、作業機1が自動走行中に設定情報を受信していたが、自動走行中にサーバ47bとの通信を強制的に切断することで設定情報の受付を行わないようにしてもよい。
図3に示すように、トラクタは、更新制御装置53Cを備えている。更新制御装置53Cは、作業装置2への設定情報の書き換えなど、作業装置2の設定情報の更新を制御する装置である。更新制御装置53Cは、車載ネットワークN1に接続されている。更新制御装置53Cは、不揮発性の記憶装置54を有している。
【0058】
更新制御装置53Cは、作業機1が駆動していないとき、即ち、複数の機体制御装置40(変速制御装置40A、エンジン制御装置40B、PTO制御装置40C、昇降制御装置40D、姿勢制御装置40F、補助油圧制御装置40G及び自動走行制御部40H)のそれぞれによって制御が実行されていないとき、通信装置46が受信した設定情報、或いは通信装置46が一時的に記憶装置46aに記憶した設定情報を取得して記憶装置54に順次、記憶をさせる。なお、エンジン制御装置40Bの制御によって、原動機4が駆動している場合など、作業機1が作業状態でなく停止している状況下において、更新制御装置53Cは、通信装置46が受信した設定情報を順次、記憶装置54に記憶させてもよく。記憶装置54への設定情報の記憶方法等については限定されない。つまり、記憶装置54は、サーバ47bから設定情報が送信される毎に、設定情報を蓄積していく。
【0059】
図8は、記憶装置54に記憶された設定情報のうち、制御プログラムを示した図である。
なお、説明の便宜上、制御プログラムと作業装置A〜Eとの対応関係を示している。作業装置A〜Eは、作業装置2の装置識別情報(型番、型式、種別等)が異なることを「A」〜「E」で示している。
【0060】
更新制御装置53Cは、第1コネクタ50Aに作業装置2の通信ケーブル51が接続されると、作業装置2の識別情報(装置識別情報)と、作業装置2の作業制御装置2aに現在格納されている制御プログラムについて問い合わせを行う。作業制御装置2aは、更新制御装置53Cの問い合わせに応答して、装置識別情報及び現在の制御プログラムに関する情報(プログラム名、バージョンVer)を更新制御装置53Cに送信する。例えば、作業装置2が、図8に示す作業装置Aであり、作業制御装置2aが応答した制御プログラムがプログラムA(Ver1)であったとする。更新制御装置53Cは、トラクタ(機体3)に連結された作業装置2(A)においては、プログラムA(Ver1)、プログラムA(Ver3)、プログラムA(Ver5)を記憶装置54に記憶しているため、最新のプログラムA(Ver5)を作業装置2(A)に送信して、制御プログラムを書き換える(更新)する処理を行う。つまり、更新制御装置53Cは、作業装置2が機体3に連結された場合に、連結された作業装置2に対応する制御プログラムを記憶装置54から抽出して、作業装置2に送信する。
【0061】
さて、更新制御装置53Cは、作業装置2が機体3に連結された際において、記憶装置54を参照したときに、機体3に接続された作業装置2の制御プログラムが記憶されていない場合がある。例えば、トラクタ(機体3)に連結された作業装置2が「F」である場合、図8に示すように、作業装置Fに対応する制御プログラムは、記憶装置54に記憶されていない。この場合、更新制御装置53Cは、通信装置46に対して、連結された作業装置(連結作業装置)2に対応する制御プログラムを所有していない(記憶装置54に記憶されていない)ことを無いことを通知する。
【0062】
また、更新制御装置53Cは、連結作業装置(作業装置F)の作業制御装置2aに対して現在の制御プログラムのバージョンを問い合わせ(参照し)、作業制御装置2aから制御プログラムのバージョンを取得する。
そして、更新制御装置53Cは、連結作業装置(作業装置F)の現在の制御プログラムのバージョンも通信装置46に通知する。
【0063】
通信装置46は、結作業装置(作業装置F)2に対応する制御プログラムを所有していないこと、及び、連結作業装置(作業装置F)2の現在の制御プログラムのバージョン(通知バージョン)の通知を受けると、サーバ47bに、連結作業装置(作業装置F)2の制御プログラムの要求を行う。
サーバ47bは、通知バージョンが最新のバージョンでない場合、連結作業装置(作業装置F)2に対応する制御プログラムを通信装置46に送信する。通信装置46は、サーバ47bから制御プログラムを受信すると、更新制御装置53Cにサーバ47bから受信した制御ブログラムを送信し、当該更新制御装置53Cは、制御ブログラムを記憶装置54に記憶する。これによれば、図9に示すように、連結作業装置(作業装置F)に対応する最新の制御プログラムを記憶装置54に蓄積することができ、連結作業装置(作業装置F)に対して最新の制御プログラムの更新を行うことができる。なお、更新制御装置53Cにおける制御プログラムの更新は、上述したように、自動走行が行われていないときに行う。
【0064】
図10は、制御プログラムの更新を示すフローである。
第1コネクタ50Aに作業装置2の通信ケーブル51が接続されると(S30、Yes)、更新制御装置53Cは、作業装置2の作業制御装置2aに装置識別情報及び制御プログラムのバージョンを問い合わせる(S31)。更新制御装置53Cは、装置識別情報及び制御プログラムのバージョンを受信すると、作業装置2に対応する制御プログラムを所有している否かを判断する(S32)。制御プログラムを所有している場合(S32、Yes)、最新の制御プログラムを作業装置2に送信する(S33)。制御プログラムを所有していない場合(S32、No)、通信装置46を介して、サーバ47bに最新の制御プログラムを要求する(S34)。サーバ47bは、要求に対応して最新の制御プログラムを送信する(S35)。通信装置46は最新の制御プログラムを受信すると、更新制御装置53Cは、記憶装置54に最新の制御プログラムを記憶させる(S36)。更新制御装置53Cは、最新の制御プログラムを作業装置2に送信することで、制御プログラムの更新を行う(S37)。
【0065】
作業機1の通信システムは、機体3と、機体3に設けられて作業を行う作業装置2と、機体3又は作業装置2の設定に関する設定情報を受信可能な通信装置46と、制御装置40と、を備えた作業機1にサーバ47bから設定情報を送信する作業機1の通信システムであって、サーバ47bと通信装置46とが通信して設定情報を送信するに際して、サーバ47bは通信装置46の応答結果に基づいて作業機1への送信の動作を決定し、通信装置46は、作業機1の状態によって設定情報の受付の動作を決定する。
【0066】
これによれば、サーバ47bが作業機1の状態に合わせて設定情報の送信することができる一方で、通信装置46側も設定情報の受付を行うかを作業機1の状態に合わせて行うことができ、作業機1とサーバ47b間での設定情報の受け渡しをスムーズにすることができる。
作業機1の通信システムは、サーバ47bは、応答結果として作業機1が自動走行を行っていることを示す情報を受信した場合に、作業機1への設定情報の送信を行わない。これによれば、作業機1が有人又は無人にかかわらず、自動走行を行っているときに設定情報を積極的に送信しないようにすることで、設定情報の送信による自動走行への様々な影響を無くすことができる。
【0067】
通信装置46は、作業機1の状態として自動走行を行っている場合にサーバ47bから送信された設定情報を受付けた後に制御装置40に出力しない。これによれば、通信装置46がサーバ47bから設定情報を受信した場合であっても、自動走行の完了後に設定情報を送信することになるため、サーバ47bから設定情報を受け取った状態でも自動走行への様々な影響を無くすことができる。
【0068】
通信装置46は、作業機1の状態として自動走行を行っている場合にサーバ47bとの通信を切断することで設定情報の受付を行わない。これによれば、何らかの事情によってサーバ47bから強制的に設定情報を送信する処理が実行されたり、或いは、サーバ47bが作業機1の状態を把握できずに設定情報を送信する処理が実行された場合でも、通信装置46側(機体3)側は、設定情報を受信することはなく、様々なサーバ47bに対応して設定情報の受信をコントロールすることができる。
【0069】
作業機1の通信システムは、作業装置2を連結可能な機体3と、機体3に設けられ且つ、作業装置2を制御する制御プログラムを記憶する記憶装置54と、作業装置2が機体3に連結された場合に、連結された作業装置2に対応する制御プログラムを記憶装置54から抽出して、作業装置2に送信する更新制御装置53Cと、を備えている。これによれば、機体3に作業装置2が連結したときに、作業装置2に適した制御プログラムに書き換えることができる。
【0070】
作業機1の通信システムは、制御プログラムを送信するサーバ47bと、サーバ47bから送信された制御プログラムを受信する通信装置46と、を備え、記憶装置54は、制御プログラムをサーバ47bから送信される毎に記憶する。これによれば、予め機体3(記憶装置54)側が様々な作業装置2に対応した制御プログラムを所持(記憶)しておくことができ、作業装置2が連結された場合には、作業装置2に適した制御プログラムに書き換えることができる。
【0071】
更新制御装置53Cは、作業装置2が機体3に連結された際に、記憶装置54を参照し機体3に接続された作業装置2の制御プログラムが記憶されていない場合に通信装置46に対して制御プログラムが無いことを通知する。これによれば、機体3に初めて作業装置2が連結されたり、長期間にわたって作業装置2で作業することが少なく機体3に連結していないような状況であっても、作業装置2に適した制御プログラムを取得して、作業装置2に書き込むことができる。
【0072】
更新制御装置53Cは、作業装置2が機体3に連結された際に、連結された作業装置2に対応する制御プログラムのバージョンを参照し、バージョンを通信装置46に通知する。
通信装置46は、バージョンをサーバ47bに送信し、サーバ47bはバージョンが最新でない場合に、最新の制御プログラムを通信装置46する。これによれば、最新のバージョンの制御プログラムを作業装置2に書き込むことができる。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
1 :作業機
2 :作業装置
2b :記憶装置
3 :機体
43 :記憶装置
46 :通信装置
47b :サーバ
53C :更新制御装置
54 :記憶装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】