(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】2021108056
(43)【公開日】20210729
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法および提案プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/00 20120101AFI20210702BHJP
   A61F 13/84 20060101ALI20210702BHJP
【FI】
   !G06Q30/00 330
   !A61F13/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】32
(21)【出願番号】2019239662
(22)【出願日】20191227
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【住所又は居所】愛媛県四国中央市金生町下分182番地
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 嘉幸
【住所又は居所】香川県観音寺市豊浜町和田浜1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニカルセンター内
(72)【発明者】
【氏名】中村 友亮
【住所又は居所】香川県観音寺市豊浜町和田浜1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニカルセンター内
(72)【発明者】
【氏名】島津 健
【住所又は居所】香川県観音寺市豊浜町和田浜1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニカルセンター内
(72)【発明者】
【氏名】川端 訓功
【住所又は居所】香川県観音寺市豊浜町和田浜1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニカルセンター内
(72)【発明者】
【氏名】森 和隆
【住所又は居所】香川県観音寺市豊浜町和田浜1531−7 ユニ・チャーム株式会社テクニカルセンター内
【テーマコード(参考)】
3B200
5L049
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200DF20
5L049BB00
(57)【要約】
【課題】利用者の生活の質を改善すること。
【解決手段】本願に係る提案装置は、利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する取得部と、身体情報が示す身体的な状態に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する選択部と、選択部により選択された装着方法を利用者に提案する提案部とを有することを特徴とする。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する取得部と、
前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて、前記利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する選択部と、
前記選択部により選択された装着方法を前記利用者に提案する提案部と
を有することを特徴とする提案装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記身体情報として、前記利用者の身体における可動域を示す情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の提案装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記利用者の下肢の関節もしくは体幹に関する可動域を示す情報を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の提案装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記利用者が有する複数の部位の可動域を示す情報を取得し、
前記選択部は、各部位の可動域の組み合わせに応じて、前記装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の提案装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記身体情報に基づいて、前記吸収性物品の装着時における危険度合を推定し、推定した危険度合に応じて、前記利用者に対して提案する装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項6】
前記選択部は、前記身体情報または前記危険度合に応じて、前記利用者に提案するリハビリ方法を選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の提案装置。
【請求項7】
身体を動かしている利用者を撮影した動画像から、当該利用者の身体的な状態を示す身体情報を生成する生成部
を有し、
前記取得部は、前記生成部が生成した身体情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項8】
前記利用者が所有する端末装置が検知した当該端末装置の物理的な状態を示す状態情報に基づいて、前記利用者の身体的な状態を推定する推定部
を有し、
前記取得部は、前記推定部により推定された状態を示す身体情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項9】
前記選択部は、前記装着方法のうち、前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される困難性が所定の閾値を超える装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記装着方法のうち、前記身体情報が示す身体的な状態から推定される筋力よりも高い筋力を要すると推定される装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項11】
前記選択部は、前記装着方法のうち、前記利用者の身体における可動域よりも広い可動域を要すると推定される装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項12】
前記選択部は、前記装着方法のうち、前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される安全性が所定の閾値を超える装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記身体情報として、前記利用者の腹囲を示す情報を取得し、
前記選択部は、前記利用者の腹囲に応じて、装着時の危険度合が異なる装着方法の組を選択し、選択した組に含まれる装着方法から、前記利用者に提案する装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項14】
前記取得部は、前記身体情報として、前記利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報を取得し、
前記選択部は、前記利用者の静的もしくは動的な姿勢に基づいて、前記利用者に提案する装着方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項15】
前記選択部は、座った状態で前記吸収性物品を装着する方法、もしくは、起立した状態で前記吸収性物品を装着する方法を選択する
ことを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項16】
前記選択部は、前記座った状態で前記吸収性物品を装着する方法とともに、当該吸収性物品を装着する際に座る物品をさらに選択する
ことを特徴とする請求項15に記載の提案装置。
【請求項17】
前記取得部は、前記身体情報として、前記利用者の身長とひざ下の長さとを示す情報を取得し、
前記選択部は、前記利用者の身長とひざ下の長さとに基づいて、前記吸収性物品を装着する際に座る物品を選択する
ことを特徴とする請求項16に記載の提案装置。
【請求項18】
前記選択部は、前記身体情報に基づいて、前記利用者が装着する吸収性物品の種別をさらに選択する
ことを特徴とする請求項1〜16のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項19】
提案装置が実行する提案方法であって、
利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する取得工程と、
前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて、前記利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する選択工程と、
前記選択工程により選択された装着方法を前記利用者に提案する提案工程と
を含むことを特徴とする提案方法。
【請求項20】
利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する取得手順と、
前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて、前記利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する選択手順と、
前記選択手順により選択された装着方法を前記利用者に提案する提案手順と
をコンピュータに実行させるための提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提案装置、提案方法および提案プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性物品に関する各種の情報を利用者に提供する技術が知られている。このような技術の一例として、吸収性物品に取付けられたセンサの測定結果に基づいて、尿漏れが発生した際の姿勢から、吸収性物品の当て方を提案する技術が知られている。また、吸収性物品の尿吸収量に基づいて、適切な吸収性物品や交換タイミングを提案する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−202154号公報
【特許文献2】特開2018−206381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、利用者の生活の質を改善する余地がある。
【0005】
例えば、吸収性物品を被介護者等の利用者が自力で装着する場合、普段から行っている装着方法で吸収性物品を装着すると考えられる。しかしながら、普段から行っている装着方法で吸収性物品を装着できない場合、利用者が自力での装着をあきらめてしまう場合がある。このように、利用者が自力での装着をあきらめた場合、被介護者の自立的な排泄行為を支援できず、利用者の生活の質(QOL:Quality Of Life)を低下させる恐れがあるが、上述した従来技術では、利用する吸収性物品の提案を行っているに過ぎないため、利用者の生活の質を改善することができない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の生活の質を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提案装置は、利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する取得部と、前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて、前記利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する選択部と、前記選択部により選択された装着方法を前記利用者に提案する提案部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者の生活の質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態に係る提案処理の一例を示す図である。
【図2】図2は、実施形態に係る選択処理の一例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態に係る必要条件記憶部の一例を示す図である。
【図4】図4は、実施形態に係るリスク回避フローの一例を示す図である。
【図5】図5は、実施形態に係る分類フローの一例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態に係る立位判定フローの一例を示す図である。
【図7】図7は、実施形態に係る場所選択フローの一例を示す図である。
【図8】図8は、実施形態に係る製品情報記憶部の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施形態に係る提案システムの構成例を示す図である。
【図10】図10は、実施形態に係る提案装置の構成例を示す図である。
【図11】図11は、実施形態に係る利用者情報記憶部の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施形態に係る提案処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
(クレーム1)
利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する取得部と、前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて、前記利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する選択部と、前記選択部により選択された装着方法を前記利用者に提案する提案部とを有することを特徴とする提案装置。
【0012】
このような提案装置によれば、利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得し、身体情報が示す身体的な状態に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択し、選択した装着方法を利用者に提案するため、利用者に対して自身の力でも実行可能な装着方法があることを気付かせることでそれを実行するための意欲を高めることができる。この結果、提案装置100は、利用者の生活意欲が低下することを防止することにつなげることができるため、利用者の生活の質を改善することができる。
【0013】
(クレーム2)
また、提案装置は、前記身体情報として、前記利用者の身体における可動域を示す情報を取得する。
【0014】
このような提案装置によれば、身体情報として、利用者の身体における可動域を示す情報を取得するため、利用者が実行可能な装着方法を精度よく選択することができる。
【0015】
(クレーム3)
また、提案装置は、前記利用者の下肢の関節もしくは体幹に関する可動域を示す情報を取得する。
【0016】
このような提案装置によれば、利用者の下肢の関節もしくは体幹に関する可動域を示す情報を取得するため、利用者が実行可能な装着方法を精度よく選択することができる。
【0017】
(クレーム4)
また、提案装置は、前記利用者が有する複数の部位の可動域を示す情報を取得し、各部位の可動域の組み合わせに応じて、前記装着方法を選択する。
【0018】
このような提案装置によれば、利用者が有する複数の部位の可動域を示す情報を取得し、各部位の可動域の組み合わせに応じて、装着方法を選択するため、利用者が実行可能な装着方法を精度よく選択することができる。
【0019】
(クレーム5)
また、提案装置は、前記身体情報に基づいて、前記吸収性物品の装着時における危険度合を推定し、推定した危険度合に応じて、前記利用者に対して提案する装着方法を選択する。
【0020】
このような提案装置によれば、身体情報に基づいて、吸収性物品の装着時における危険度合を推定し、推定した危険度合に応じて、利用者に対して提案する装着方法を選択するため、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを効果的に回避(軽減)することができるため、利用者が生活意欲のある状態をより長い間保つことができる。
【0021】
(クレーム6)
また、提案装置は、前記身体情報または危険度合いに応じて、前記利用者に提案するリハビリ方法を選択する。
【0022】
このような提案装置によれば、身体情報または危険度合いに応じて、利用者に提案するリハビリ方法を選択するため、自身の力で行動できるという状況をより長い間保ったり、不自由だった部位の動きが改善するよう効果的にサポートすることができる。
【0023】
(クレーム7)
また、提案装置は、身体を動かしている利用者を撮影した動画像から、当該利用者の身体的な状態を示す身体情報を生成する生成部を有し、前記取得部は、前記生成部が生成した身体情報を取得する。
【0024】
このような提案装置によれば、身体を動かしている利用者を撮影した動画像から、当該利用者の身体的な状態を示す身体情報を生成し、生成した身体情報を取得するため、体の不自由な利用者に負担をかけることなく身体情報を取得することができる。
【0025】
(クレーム8)
また、提案装置は、前記利用者が所有する端末装置が検知した当該端末装置の物理的な状態を示す状態情報に基づいて、前記利用者の身体的な状態を推定する推定部を有し、前記取得部は、前記推定部により推定された状態を示す身体情報を取得する。
【0026】
このような提案装置によれば、利用者が所有する端末装置が検知した当該端末装置の物理的な状態を示す状態情報に基づいて、利用者の身体的な状態を推定し、推定した状態を示す身体情報を取得するため、体の不自由な利用者に負担をかけることなく身体情報を取得することができる。
【0027】
(クレーム9)
また、提案装置は、前記装着方法のうち、前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される困難性が所定の閾値を超える装着方法を選択する。
【0028】
このような提案装置によれば、装着方法のうち、身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される困難性が所定の閾値を超える装着方法を選択するため、リハビリにより将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを効果的に回避(軽減)することができる。
【0029】
(クレーム10)
また、提案装置は、前記装着方法のうち、前記身体情報が示す身体的な状態から推定される筋力よりも高い筋力を要すると推定される装着方法を選択する。
【0030】
このような提案装置によれば、装着方法のうち、身体情報が示す身体的な状態から推定される筋力よりも高い筋力を要すると推定される装着方法を選択するため、リハビリにより将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを効果的に回避(軽減)することができる。
【0031】
(クレーム11)
また、提案装置は、前記装着方法のうち、前記利用者の身体における可動域よりも広い可動域を要すると推定される装着方法を選択する。
【0032】
このような提案装置によれば、装着方法のうち、利用者の身体における可動域よりも広い可動域を要すると推定される装着方法を選択するため、リハビリにより将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを効果的に回避(軽減)することができる。
【0033】
(クレーム12)
また、提案装置は、前記装着方法のうち、前記身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される安全性が所定の閾値を超える装着方法を選択する。
【0034】
このような提案装置によれば、装着方法のうち、身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される安全性が所定の閾値を超える装着方法を選択するため、利用者の身体にとって安全性の高い装着方法を提案することができる。
【0035】
(クレーム13)
また、提案装置は、前記身体情報として、前記利用者の腹囲を示す情報を取得し、前記利用者の腹囲に応じて、装着時の危険度合が異なる装着方法の組を選択し、選択した組に含まれる装着方法から、前記利用者に提案する装着方法を選択する。
【0036】
このような提案装置によれば、身体情報として、利用者の腹囲を示す情報を取得し、利用者の腹囲に応じて、装着時の危険度合が異なる装着方法の組を選択し、選択した組に含まれる装着方法から、利用者に提案する装着方法を選択するため、吸収性物品を自力で装着するうえでの体系のデメリットを軽減することができる。
【0037】
(クレーム14)
また、提案装置は、前記身体情報として、前記利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報を取得し、前記利用者の静的もしくは動的な姿勢に基づいて、前記利用者に提案する装着方法を選択する。
【0038】
このような提案装置によれば、身体情報として、利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報を取得し、利用者の静的もしくは動的な姿勢に基づいて、利用者に提案する装着方法を選択するため、吸収性物品を自力で装着するうえでのバランス低下のデメリットを軽減することができる。
【0039】
(クレーム15)
また、提案装置は、座った状態で前記吸収性物品を装着する方法、もしくは、起立した状態で前記吸収性物品を装着する方法を選択する。
【0040】
このような提案装置によれば、座った状態で吸収性物品を装着する方法、もしくは、起立した状態で吸収性物品を装着する方法を選択するため、利用者の身体情報により適した安全な装着方法を提案することができる。
【0041】
(クレーム16)
また、提案装置は、前記座った状態で前記吸収性物品を装着する方法とともに、当該吸収性物品を装着する際に座る物品をさらに選択する。
【0042】
このような提案装置によれば、座った状態で吸収性物品を装着する方法とともに、当該吸収性物品を装着する際に座る物品をさらに選択するため、利用者が安全に吸収性物品を装着できるようサポートすることができる。
【0043】
(クレーム17)
また、提案装置は、前記身体情報として、前記利用者の身長とひざ下の長さとを示す情報を取得し、前記利用者の身長とひざ下の長さとに基づいて、前記吸収性物品を装着する際に座る物品を選択する。
【0044】
このような提案装置によれば、身体情報として、利用者の身長とひざ下の長さとを示す情報を取得し、利用者の身長とひざ下の長さとに基づいて、吸収性物品を装着する際に座る物品を選択するため、利用者が安全に吸収性物品を装着できるようサポートすることができる。
【0045】
(クレーム18)
また、提案装置は、前記身体情報に基づいて、前記利用者が装着する吸収性物品の種別をさらに選択する。
【0046】
このような提案装置によれば、身体情報に基づいて、利用者が装着する吸収性物品の種別をさらに選択するため、利用者が製品選びに困ることがないようサポートすることができる。
【0047】
[実施形態]
以下に、提案装置、提案方法および提案プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により提案装置、提案方法および提案プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0048】
〔1.実施形態に係る提案処理の概要〕
まず、前提に沿って実施形態に係る提案処理の概要について説明する。例えば、要介護度が中程度の被介護者(排泄をしばしば認知できず漏らしてしまう不安がある、尿意等を感じてもトイレまで移動するのに時間がかかり漏れてしまう不安がある等)は、急な事態に備えて吸収性物品(例えば、大人用おむつ)を装着している場合がある。このような被介護者は、自身の力で吸収性物品を使用するには十分な程には身体を動かせるにも拘わらず、例えば、自身の力で吸収性物品を装着することなく周囲への支援に頼り切っていると、自身の力で吸収性物品を装着することへの意欲を無くしてしまう場合がある。そして、このような意欲の低下は、要介護度が重度化することへつながる傾向にある。
【0049】
一方で、自立排泄を維持しつつ、急な事態に備えて自身の力で吸収性物品を装着しておくように訓練している被介護者は、生活意欲を保てたり要介護度が重度化することを防止することができる。このようなことから、実施形態に係る提案処理は、被介護者に対して、自力で吸収性物品を装着することを意識付けることにより生活の質(QOL)が低下してしまうことを防止しつつ、必要な際には自立排泄に向けてトイレに向かわせるということを前提(目的)としてなされるものである。
【0050】
すなわち、実施形態に係る提案処理は、被介護者等のように身体に不自由を抱える利用に対して、不自由であっても不自由な動作の範囲内でも可能な装着方法はまだまだ存在するということを提示することで、自力で吸収性物品を装着しようという意欲を維持するものである。このような提案処理により、生活意欲が低下することを防止することができるため、利用者の生活の質を改善することができると考えられる。
【0051】
以下の実施形態では、このような提案処理は提案装置100(提案装置の一例)によって行われるものとする。そして、提案装置100は、実施形態に係る提案処理として次のような処理を行う。具体的には、実施形態に係る提案装置100は、利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得し、取得した身体情報が示す身体的な状態に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する。そして、提案装置100は、選択した装着方法を利用者に提案する。提案装置100は、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0052】
また、以下の実施形態では、提案装置100により吸収性物品の装着方法が提案される処理対象の利用者は、吸収性物品(大人用おむつ)を使用しているものとする。また、提案装置100により吸収性物品の装着方法が提案される係る利用者は、高齢や病気等により体の少なくとも一部が不自由であるため施設や自宅等で介護を受けている被介護者としての立場の利用者であるものとする。
【0053】
〔2.提案システムについて〕
以下、図1〜図8を用いて、実施形態に係る提案処理の一例について説明するが、これに先立って、図9を用いて、実施形態に係る提案システムについて説明する。図9は、実施形態に係る提案システム1の構成例を示す図である。実施形態に係る提案システム1は、図9に示すように、端末装置10と、提案装置100とを含む。端末装置10、提案装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。
【0054】
端末装置10は、利用者によって利用される情報処理端末である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。ここで、被介護者としての立場にある利用者は、自身の端末装置10を用いて提案装置100からの提案を受けることが困難な場合がある。したがって、実施形態に係る端末装置10は、介護施設の職員、あるいは、被介護者の家族等、介護する側(介護者)の立場にある利用者によって利用される情報処理端末を指す場合もあれば、端末装置10は、被介護者としての立場にある利用者によって利用される情報処理端末を指す場合もある。
【0055】
また、端末装置10には、提案装置100との情報の送受信を実現する所定のアプリケーション(以下、「アプリAP」とする)が予めインストールされているものとする。したがって、端末装置10は、アプリAPの制御に従って、利用者による入力情報を提案装置100に送信したり、提案装置100から送信された情報を受信しそれを表示画面D1に表示したりする。なお、本実施形態では、利用者が提案装置100によるサービスを受ける媒体はアプリAPであるものとするが、媒体は端末装置10に搭載されるブラウザであってもよい。
【0056】
〔3.装着方法について〕
本実施形態では、装着方法として、装着方法A、装着方法B、装着方法C、装着方法Dといった4つの装着方法を例に挙げることにする。例えば、吸収性物品を装着する際の最も一般的な装着動作は、「吸収性物品を持つ」、「吸収性物品に足を入れる」、「吸収性物品をひざ下まで上げる」、「立ち上がる」、「吸収性物品をお尻下まで上げる」、「吸収性物品をお尻上まで上げる」という6つの動作要素がこの順で行われる動作であると考えられる。したがって、上記4つの装着方法は、6つの動作要素のいずれかが異なる組合せで組み合わされたものであるとする。
【0057】
また、上記4つの装着方法は、利用者の身体の可動域と、利用者が行っている装着方法との傾向に基づく関係性に基づいて設定されているものとする。例えば、装着方法Aは、身体の可動域が最も広く比較的身体の自由度が高いとされる利用者が行う傾向にある装着方法である。また、身体の可動域が狭くなり身体の自由度が低くなることに応じて、装着方法B、装着方法C、装着方法Dの順にとられる傾向が高くなるものとする。したがって、4つの装着方法のうち、装着方法Aは、被介護者としての立場にある利用者にとっては最も難易度の高い装着方法であり、装着方法B、装着方法C、装着方法Dの順に装着の難易度は低下する。
【0058】
また、4つの装着方法には、装着する際の状態として、「座った状態」もしくは「起立した状態」がさらに組み合わされる場合があるが、この点については後述する。また、4つの装着方法には、安全性を考慮して「周囲のサポートを受けながら」といったようにサポートの必要性が組み合わされる場合もある。
【0059】
〔4.提案処理の一例について〕
ここからは、図1を用いて、実施形態に係る提案処理の全体的な流れの一例について説明する。図1は、実施形態に係る提案処理の一例を示す図である。図1の例では、介護の現場(例えば、介護施設)において、被介護者の立場にある利用者U1がなるべく自力で吸収性物品を装着できるよう、介護者の立場にある利用者T1が利用者U1に代わって利用者U1の身体に合った装着方法の提案を受けようとしている状況が想定されている。
【0060】
提案装置100から吸収性物品の装着方法の提案を受けようとする場合、提案装置100は、処理対象の利用者すなわち被介護者の立場にある利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得させる必要がある。図1の例では、このような身体情報が取得される元となる元データは、身体を動かしている処理対象の利用者が撮影された動画像であるとする。係る場合、利用者T1は、処理対象の利用者である利用者U1が身体を動かしている様子を動画撮影し、撮影によって得られた動画像を提案装置100に送信することになる。
【0061】
図1の例では、利用者U1は、所定のセンサであるセンサSNを用いて利用者U1が身体を動かしている様子を動画撮影している。より詳細な具体例を挙げると、図1の例では、利用者T1は、キネクト(登録商標)であるセンサSNを用いて利用者U1が身体を動かしている様子を動画撮影するとともに、センサSNにより撮影動画から利用者U1の動作が特定された動画像VD1を端末装置10に取り込んでいる。
【0062】
なお、センサSNは、利用者U1の動作を高精度に特定可能なセンサであることが望ましく、このようなセンサとしては上記のようにキネクトが挙げられる。一方で、センサSNは、必ずしもキネクトである必要はなく、例えば、撮影機能を有するスマートフォンであってもよいし、最近介護の現場で普及してきているような専用の設備であってもよい。すなわち、動画像VD1は、イメージセンサなどで撮影された動画像であってもよいし、赤外線やマーカの位置情報の軌道などから生成された動画像といった非可視光による動画像であってもよい。一方で、動画像VD1は、可視光による動画像であってもよいため、センサSNは、非可視光を利用したキネクトに限らず、可視光を利用した一般的なカメラであってもよい。
【0063】
また、利用者T1は、アプリAPを介して動画像VD1を入力し、入力した動画像VD1を提案装置100に送信することができる。図1(a)には、アプリAPの制御によって表示される入力画面の一例が示されている。係る入力画面には、入力欄ARが含まれており、利用者T1は入力欄ARに利用者U1のパーソナル情報(例えば、年齢、性別等)を入力したり、動画像VD1をアップロードすることができる。なお、利用者U1のパーソナル情報は、アプリAPを介して提案装置100に対して事前に登録しておくこともできる。図1の例では、利用者T1は、入力欄ARに動画像VD1をアップロードし、下部の「送信ボタン」を押下したものとする。
【0064】
そうすると、端末装置10は、動画像VD1を提案装置100に送信する(ステップS1)。例えば、端末装置10は、処理対象の利用者である利用者U1を識別する利用者ID「U1」と、動画像VD1とを提案装置100に送信する。
【0065】
提案装置100は、動画像VD1を受け付けると、動画像VD1に基づいて、利用者U1の主要関節(例えば、股関節、膝関節、股関節、足首関節等の下肢関節、腰から背中にかけての胸腰部の関節等の体幹の関節、腕、肩、肘等の上肢関節)の可動域を推定する(ステップS2)。なお、本実施形態では、提案装置100は、股関節の可動域、体幹前屈の可動域(体幹に関する可動域の一例)、体幹旋回の可動域を推定するものとする。一方で、ここに挙げる部位(関節)は一例であり、どのような部位を可動域が推定される推定対象の部位としてもよいが、吸収性物品を装着する動作に関与する部位が推定対象とされることが望ましい。また、可動域は、可動範囲、あるいは、可動角度と言い換えることができる。
【0066】
次に、提案装置100は、ステップS2で推定した可動域を示す情報を、利用者U1の身体的な状態を示す身体情報として生成することにより、利用者U1の身体的な状態を示す身体情報を取得する(ステップS3)。このようなことから、提案装置100は、図1の例では、身体を動かしている利用者U1を撮影した動画像VD1から、利用者U1の身体的な状態を示す身体情報を生成しているといえる。また、図1の例では、提案装置100は、利用者U1の身体情報として、利用者U1が有する複数の部位の可動域を示す情報を取得している。より具体的には、提案装置100は、利用者U1の身体情報として、利用者U1の下肢の関節もしくは体幹に関する可動域を示す情報を取得している。
【0067】
なお、提案装置100は、利用者T1が利用する端末装置10ではなく、処理対象の利用者である利用者U1が所有する端末装置10が検知した自装置の物理的な状態を示す状態情報に基づいて、利用者U1の身体的な状態を推定し、推定した状態を示す情報を利用者U1の身体情報として取得してもよい。例えば、端末装置10が種々のセンサ(例えば、加速度センサ、磁気センサ、ジャイロセンサ等)を有しているとすると、提案装置100は、このセンサにより検知された検知情報を端末装置10から取得し、取得した検知情報に基づいて、利用者U1の身体情報を推定する。
【0068】
また、利用者側で例えば主要関節(例えば、股関節、体幹前屈、体幹旋回)の可動域を測定可能であれば、測定によって得られた可動域を示す情報を利用者側が提案装置100に送信してもよい。図1の例では、利用者T1が、任意の装置を用いて利用者U1の主要関節の可動域を測定可能であれば、測定によって得られた身体情報を端末装置10を用いて提案装置100に送信してもよい。係る場合、提案装置100は、自装置側で身体情報を生成したり推定しなくてもよいし、自装置側で生成(あるいは推定)することにより取得した身体情報と、利用者側から直接取得した身体情報とを併用してもよい。
【0069】
また、図1では不図示であるが、提案装置100は、利用者U1から取得した身体情報を利用者情報記憶部121に登録する。例えば、提案装置100は、利用者U1を識別する利用者ID「U1」と、利用者U1から取得した身体情報とを対応付けて利用者情報記憶部121に登録する。
【0070】
次に、提案装置100は、取得した身体情報が示す身体的な状態に基づいて、利用者U1に対して提案する装着方法(吸収性物品の装着方法)を選択する選択処理を実行する(ステップS4)。ここで、図2を用いて、装着方法を選択する選択処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る選択処理の一例を示す図である。提案装置100は、図2に示すような選択フローFL1に対して、利用者U1の身体情報を適用することにより、利用者U1に対して提案する装着方法を選択することができる。選択フローFL1では、動作を条件付ける条件情報を満たす(Yes)が満たさないか(No)に応じて、選択すべき装着方法がフローチャート形式で規定されている。
【0071】
図2に示すような選択フローFL1によると、まず、提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域に基づいて、利用者U1がN1度以上股関節を屈曲可能という条件1を満たしているか否かを判定する。提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域に基づいて、利用者U1がN1度以上股関節を屈曲可能と判定した場合には(条件1を満たす;Yes)、利用者U1に対して提案する装着方法として装着方法Aを選択する。
【0072】
一方、提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域に基づいて、利用者U1がN1度以上股関節を屈曲させることができないと判定した場合には(条件1を満たす;No)、次に、利用者U1の体幹前屈の可動域に基づいて、利用者U1がN2度以上前屈可能という条件2を満たしているか否かを判定する。提案装置100は、利用者U1の体幹前屈の可動域に基づいて、利用者U1がN2度以上前屈可能と判定した場合には(条件2を満たす;Yes)、利用者U1に対して提案する装着方法として装着方法Bを選択する。
【0073】
一方、提案装置100は、利用者U1の体幹前屈の可動域に基づいて、利用者U1がN2度以上前屈できないと判定した場合には(条件2を満たす;No)、次に、利用者U1の体幹旋回の可動域に基づいて、利用者U1がN3度以上体幹回旋可能という条件3を満たしているか否かを判定する。提案装置100は、利用者U1の体幹旋回の可動域に基づいて、利用者U1がN3度以上体幹回旋可能と判定した場合には(条件3を満たす;Yes)、利用者U1に対して提案する装着方法として装着方法Cを選択する。
【0074】
一方、提案装置100は、利用者U1の体幹旋回の可動域に基づいて、利用者U1がN3度以上体幹回旋させることができないと判定した場合には(条件3を満たす;No)、利用者U1に対して提案する装着方法として装着方法Dを選択する。
【0075】
図1の説明に戻り、提案装置100は、選択した装着方法で吸収性物品を装着してみるよう利用者U1に提案する(ステップS5)。例えば、提案装置100は、選択した装着方法で吸収性物品を装着することが提案される提案情報を生成し、生成した提案情報を利用者T1の端末装置10に送信する。図1(b)では、提案装置100が、このような提案情報として提案コンテンツC1を端末装置10に送信したことにより、端末装置10は、表示画面D1に提案コンテンツC1を表示させている。
【0076】
例えば、提案装置100は、利用者U1に対して提案する装着方法として装着方法Bを選択し、また、装着方法Bは、「ベッドに座り、床に置いたパンツに足を入れて、パンツをひざまで上げる」といった方法であったとする。係る場合、提案装置100は、図1(b)に示されるように、例えば、装着方法Bの手順を示すテキストと、装着方法Bの手順が示される動画像とが表示されるような提案コンテンツC1を生成する。
【0077】
さて、これまで、図1を用いて説明してきたように、実施形態に係る提案装置100は、利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得し、取得した身体情報が示す身体的な状態に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する。そして、提案装置100は、選択した装着方法を利用者に提案する。これにより、提案装置100は、利用者に対して自身の力でも実行可能な装着方法があることを気付かせることでそれを実行するための意欲を高めることができるため、利用者の生活意欲が低下することを防止することにつなげることができる。この結果、提案装置100は、利用者の生活の質を改善することができる。
【0078】
なお、提案装置100は、選択フローFL1に従って、利用者U1は条件1および条件3は満たす一方で、条件2は満たさないと判定したとする。係る場合、提案装置100は、装着方法AおよびCを選択してもよい。また、提案装置100は、このように装着時の危険度合が異なる装着方法の組を選択した場合、装着方法AおよびCの双方を利用者U1に提案する装着方法として選択してもよいし、装着方法AおよびCのうちより安全な方の装着方法を利用者U1に提案する装着方法として選択してもよい。また、提案装置100は、装着方法AおよびCのうちよりリハビリ効果のある装着方法を利用者U1に提案する装着方法として選択してもよい。
【0079】
〔5.情報処理のバリエーションについて〕
上記実施形態に係る提案装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、提案装置100の他の実施形態について説明する。
【0080】
〔5−1.リハビリ効果のある装着方法を提案(1)〕
図1の例で示した提案処理は、利用者の身体情報に基づいて、いわば利用者にとって無理の無い範囲で実行可能な装着方法を選択し、選択した装着方法を提案するというものである。また、利用者が普段とっている装着方法は、利用者にとって無理の無い(例えば筋力をあまり必要せずに実行可能な、あるいは、関節をあまり動かさずに実行可能な)装着方法であることが多い。そして、このような装着方法が継続して採用されてゆくと、筋力を使うこと、関節を動かすことがなくなっていき、現在は可能な動作がいずれ不可能となるリスクがある。また、現在は可能な動作が不可能となると、将来的には吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクもある。したがって、現在の身体情報が示すような状態にある利用者にとっては多少負担になる(筋力を適切に使う、関節を適切に動かす)装着方法を提案した方が、リハビリ効果につながり上記のようなリスクを回避できる可能性を高めることができるようになると考えられる。したがって、本バリエーションでは、身体情報に基づき、あえてリハビリ効果のあると考えられる装着方法を選択し、選択した装着方法を提案するという提案処理について説明する。
【0081】
例えば、提案装置100は、リハビリ効果のあると考えられる装着方法を選択する選択処理として、以下に示す4つのパターンの選択処理を適宜組み合わせることで、装着方法を選択し、選択した装着方法を提案することができる。もちろん、提案装置100は、以下に示す4つのパターンの選択処理を組み合わせることなく単独で実行してもよい。
【0082】
例えば、提案装置100は、装着方法A〜Dのうち、処理対象の利用者の身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される困難性が所定の閾値を超える装着方法を選択する。このような選択処理を「選択処理パターン1」とする。また、例えば、提案装置100は、装着方法A〜Dのうち、処理対象の利用者の身体情報が示す身体的な状態から推定される筋力よりも高い筋力を要すると推定される装着方法を選択する。このような選択処理を「選択処理パターン2」とする。また、例えば、提案装置100は、装着方法A〜Dのうち、処理対象の利用者の身体における可動域よりも広い可動域を要すると推定される装着方法を選択する。このような選択処理を「選択処理パターン3」とする。
【0083】
また、例えば、提案装置100は、装着方法A〜Dのうち、処理対象の利用者の身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される安全性が所定の閾値を超える装着方法を選択する。このような選択処理を「選択処理パターン4」とする。
【0084】
以下、各パターンについて説明するが、説明に先立って、図3を用いて、提案装置100が有する必要条件記憶部122について説明する。図3は、実施形態に係る必要条件記憶部122の一例を示す図である。図3の例では、必要条件記憶部122は、横軸に「装着方法A」と、「装着方法B」と、「装着方法C」、「装着方法D」といった項目を有する。また、図3の例では、必要条件記憶部122は、縦軸に「可動域情報」と、「筋力情報」といった項目を有する。
【0085】
例えば、「装着方法A」に対応する「可動域情報」は、装着方法Aで難なく装着するのに必要な各関節(例えば、股関節、体幹前屈、体幹旋回)の可動域を示す情報である。図3の例では、「装着方法A」および「可動域情報」で識別される入力欄に可動域情報「RM♯11」が入力されている。係る例は、「装着方法A」で難なく装着するのに必要な各関節(例えば、股関節、体幹前屈、体幹旋回)の可動域を示す可動域情報が「RM♯11」であることを示している。なお、図3の例では、説明を簡単にするために可動域情報として「RM♯11」といった概念的記号が用いられているが、実際には、股関節「100度以上」、体幹前屈「90度以上」、体幹旋回「8度以上」といったように、必要な可動域(角度)が規定される。
【0086】
また、例えば、「装着方法A」に対応する「筋力情報」は、装着方法Aで難なく装着するのに必要な筋力であって、関連部位の筋力を示す情報である。図3の例では、「装着方法A」および「可動域情報」で識別される入力欄に可動域情報「MS♯11」が入力されている。係る例は、「装着方法A」で難なく装着するのに必要な筋力を示す筋力情報が「MS♯11」であることを示している。なお、図3の例では、説明を簡単にするために可動域情報として「MS♯11」といった概念的記号が用いられているが、実際には、筋力(例えば、脚伸展力)を示す指標値が規定される。
【0087】
ここから、処理対象の利用者を、図1で挙げた利用者U1として、また、適宜図3の例も用いて、各パターンの一例について説明する。まず、選択処理パターン1について説明する。例えば、提案装置100は、装着方法A〜D毎に、利用者U1の身体における可動域では、当該装着方法で吸収性物品を装着することがどれだけ困難であるかを指標する困難性スコア(例えば、スコアが高い程困難)を算出する。
【0088】
ここで、装着方法Aを例に挙げると、提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報「RM♯11」で規定される股関節の可動域とを比較し、双方の可動域が乖離している程高い困難性スコアを算出する。また、提案装置100は、利用者U1の体幹前屈の可動域と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報「RM♯11」で規定される体幹前屈の可動域とを比較し、双方の可動域が乖離している程高い困難性スコアを算出する。また、提案装置100は、利用者U1の体幹旋回の可動域と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報「RM♯11」で規定される体幹旋回の可動域とを比較し、双方の可動域が乖離している程高い困難性スコアを算出する。
【0089】
このように、提案装置100は、対象の装着方法(係る例では、装着方法A)について、関節毎に困難性スコアを算出すると、算出した各困難性スコアを足し合わせる(あるいは、掛け合わせる)等して総合的な困難性スコアを算出する。そして、提案装置100は、装着方法A〜Dのうち、所定値以上の困難性スコア(総合的な困難性スコア)が算出された装着方法をリハビリ効果のある装着方法として選択する。
【0090】
次に、選択処理パターン2について説明する。例えば、提案装置100は、利用者U1の身体情報に基づいて、股関節に関与する筋肉の筋力を示す筋力スコア、体幹前屈に関与する筋肉の筋力を示す筋力スコア、体幹に関与する筋肉の筋力を示す筋力スコアを算出する。なお、例えば、提案装置100は、例えば、利用者U1の体力測定結果を取得できる場合には、体力測定結果に基づいて各筋力スコアを算出してもよい。そして、提案装置100は、各関節に関与する筋肉毎に算出した筋力スコアを足し合わせる(あるいは、掛け合わせる)等して総合的な困難性スコアを算出する。そして、提案装置100は、必要条件記憶部122を参照し、総合的な筋力スコアと、各装着方法に対応する「筋力情報」とを比較することにより、総合的な筋力スコアが示す筋力より高い筋力が必要とされる装着方法をリハビリ効果のある装着方法として選択する。
【0091】
次に、選択処理パターン3について説明する。例えば、提案装置100は、必要条件記憶部122を参照し、利用者U1の股関節の可動域、体幹前屈の可動域、体幹旋回の可動域それぞれと、各装着方法に対応する「可動域情報」とを比較する。そして、提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域、体幹前屈の可動域、または、体幹旋回の可動域うち、少なくともいずれか1つの関節の可動域よりも広い可動域が必要な装着方法をリハビリ効果のある装着方法として選択する。
【0092】
次に、選択処理パターン4について説明する。例えば、提案装置100は、装着方法A〜D毎に、利用者U1の身体における可動域では、当該装着方法で吸収性物品を装着することがどれほど安全であるかを指標する安全性スコア(例えば、スコアが高い程安全)を算出する。
【0093】
ここで、装着方法Aを例に挙げると、提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報「RM♯11」で規定される股関節の可動域とを比較し、双方の可動域が乖離している程低い安全性スコアを算出する。また、提案装置100は、利用者U1の体幹前屈の可動域と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報「RM♯11」で規定される体幹前屈の可動域とを比較し、双方の可動域が乖離している程低い安全性スコアを算出する。また、提案装置100は、利用者U1の体幹旋回の可動域と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報「RM♯11」で規定される体幹旋回の可動域とを比較し、双方の可動域が乖離している程低い安全性スコアを算出する。
【0094】
このように、提案装置100は、対象の装着方法(係る例では、装着方法A)について、各関節毎に安全性スコアを算出すると、算出した各安全性スコアを足し合わせる(あるいは、掛け合わせる)等して総合的な安全性スコアを算出する。そして、提案装置100は、装着方法A〜Dのうち、所定値以上の安全性スコア(総合的な安全性スコア)が算出された装着方法を選択する。
【0095】
ここで、リハビリ効果のある装着方法は、利用者U1にとっては負担のかかる(多少危険を伴う)装着方法である可能性が高いため、単純にリハビリ効果のある装着方法を選択するのではなく、ある程度の安全性が確保された装着方法の中から、リハビリ効果のある装着方法を選択することが望ましい。したがって、例えば、提案装置100は、選択処理パターン4により装着方法A〜Dのうち、所定値以上の安全性スコア(総合的な安全性スコア)を有すると判明した装着方法を対象にさらに選択処理パターン1〜3の少なくともいずれか1つを実行することで、安全性が確保され、かつ、リハビリ効果のある装着方法を選択する。
【0096】
これまで説明してきたように、実施形態に係る提案装置100は、利用者の身体情報に基づき利用者にとってリハビリ効果のあると推定される装着方法を選択し、選択した装着方法を提案する。これにより、提案装置100は、吸収性物品を自力で装着できたり、自立排泄できる期間を効果的に伸ばすことができるため、利用者が生活意欲のある状態をより長い間保つことができる。
【0097】
〔5−2.リハビリ効果のある装着方法を提案(2)〕
また、提案装置100は、処理対象の利用者の身体情報に基づいて、当該利用者が優先的にリハビリすべき部位(関節)を特定し、特定した部位(関節)についてリハビリ効果のある装着方法を選択してもよい。利用者が優先的にリハビリすべき部位(関節)を特定することができれば、例えば、その部位(関節)を中心にリハビリ効果のある装着方法を提案することで、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを効果的に回避することができるため、利用者が生活意欲のある状態をより長い間保つことができると考えられる。
【0098】
そして、利用者が優先的にリハビリすべき部位(関節)を特定する特定処理には、図2で説明した条件情報(条件1〜条件3)をどのような組み合わせで満たす利用者が、どのような装着方法で吸収性物品を装着しているかが調査された調査結果を示すリスク回避フローFL2を利用することができる。
【0099】
ここで、図4を用いて、まず、リスク回避フローFL2について説明する。図4は、実施形態に係るリスク回避フローFL2の一例を示す図である。例えば、装着方法Aを例に挙げると、装着方法Aで装着している利用者は、みな可能な動作が共通している(身体における可動域が共通している)訳ではなく、可能な動作(身体における可動域)が異なる場合がある。
【0100】
例えば、動作を条件付ける条件情報である条件1〜条件3を満たした(全てYes)うえで装着方法A(F1)で装着することができる利用者(F1に分類される利用者)もいれば、条件1および条件2は満たす(Yes)が条件3は満たさない(No)うえで装着方法A(F2)で装着することができる利用者もいる。また、条件1および条件3は満たす(Yes)が条件2は満たさない(No)うえで装着方法A(F3)で装着することができる利用者もいる。このようなことから、リスク回避フローFL2は、これら条件をどのような組み合わせで満たすかでどのような装着方法がなされているかを調査した調査結果が示されたフローチャートである。
【0101】
そして、このようなリスク回避フローFL2を用いると、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクがどれくらいの程度であるかを推定することができる。図4に示すリスク回避フローFL2によると、条件1〜3の全てを満たさない利用者は、吸収性物品を自力では装着できないことがわかる。このため、条件1〜3の全てを満たさないことに対して、条件1〜3のうち現在どの条件が満たされているかに応じて、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクがどれくらいの程度であるかを推定することができる。
【0102】
例えば、処理対処の利用者が、F1に分類される利用者である場合、条件3が満たされなくなっても、引き続き装着方法A(F2)で装着することが可能であるため、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクは「低い」と推定される。
【0103】
また、例えば、処理対処の利用者が、F3に分類される利用者である場合、条件3が満たされなくなっても引き続き装着方法A(F5)で装着することは可能ではあるし、また、条件1が満たされなくなっても別の装着方法B(F4)で装着することが可能(回避策がある)という意味で、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクは「中」と推定される。
【0104】
一方、処理対処の利用者が、F5に分類される利用者である場合、条件2を満たさなくなった時点で、回避策もなく吸収性物品を自力では装着できなくなってしまう(F8)という意味で、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクは「高い」と推定される。
【0105】
このようなことから、以上説明してきたようなリスク回避フローFL2に対して、処理対象のユーザの身体情報を当て嵌めることで、処理対象の利用者が優先的にリハビリすべき部位(関節)を特定することができる。ここからは、処理対象の利用者を、図1で挙げた利用者U1として、リハビリすべき関節を特定する特定処理の一例について説明する。
【0106】
図2での説明と同様に、提案装置100は、リスク回避フローFL2に沿って、利用者U1が条件情報をどのように満たすかをたどってゆく。具体的には、提案装置100は、利用者U1の股関節の可動域に基づいて、利用者U1がN1度以上股関節を屈曲可能という条件1を満たしているか否かを判定する。また、提案装置100は、利用者U1の体幹前屈の可動域に基づいて、利用者U1がN2度以上前屈可能という条件2を満たしているか否かを判定する。また、提案装置100は、利用者U1の体幹旋回の可動域に基づいて、利用者U1がN3度以上体幹旋回可能という条件3を満たしているか否かを判定する。
【0107】
このように、提案装置100は、リスク回避フローFL2に沿って判定してゆくことで、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクがどの程度であるかを推定するとともに、推定結果に基づいて、優先的にリハビリすべき関節を特定する。例えば、提案装置100は、リスク回避フローFL2に沿って判定することにより利用者U1はF5に分類される利用者であることを特定したとする。ここで、リスク回避フローFL2によると、F5に分類される利用者は、現在は装着方法Aで装着することが可能であるが、N3度以上体幹を回旋させることができなくなった時点(条件2を満たさなくなった時点)で、回避策もなく吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうことが示されている(F8)。
【0108】
一方で、このことは、N3度以上体幹を回旋させることができる状態をなるべく長く保てるよう、体幹旋回に関する関節をリハビリしておけば、装着方法Aにより自力で装着できる状態をより長く保てることが示唆されているといえる。すなわち、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを軽減することができる。このようなことから、提案装置100は、利用者U1が優先的にリハビリすべき関節として、体幹を支える関節を特定する。
【0109】
上記例では、提案装置100は、条件を満たすと判定される対象となった関節を優先的にリハビリすべき関節として特定している。これは、現状機能している関節が今後も長く機能し続けるようリハビリするという観点に基づくものであるが、現状機能しにくい関節をリハビリにより機能回復させるという観点に基づき、提案装置100は、条件を満たさないと判定される対象となった関節(F5に分類された上記例では、股関節および体幹前屈)を優先的にリハビリすべき関節として特定してもよい。このようなリハビリにより、関節の機能が少しでも回復すれば、採用可能な装着方法の幅が増え、結果的に、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを軽減させることができる。
【0110】
また、提案装置100は、これまで説明してきた特定処理によりリハビリすべき関節を特定すると、例えば、特定した関節と、必要条件記憶部122に記憶される可動域情報とに基づいて、特定した関節に対してリハビリ効果があると推定される装着方法を選択する。例えば、提案装置100は、利用者U1が優先的にリハビリすべき関節として、体幹旋回に関する関節を特定したとする。係る場合、提案装置100は、例えば、選択処理パターン3により、装着方法A〜Dのうち、体幹旋回に関する関節に対してリハビリ効果があると推定される装着方法を選択する。例えば、提案装置100は、体幹旋回の可動域と、各装着方法に対応する「可動域情報」とを比較し、装着方法A〜Dのうち、体幹旋回の可動域よりも広い可動域が必要な装着方法をリハビリ効果のある装着方法として選択する。そして、提案装置100は、選択した装着方法を利用者U1に提案する。
【0111】
もちろん、提案装置100は、選択処理パターン1または2により、装着方法A〜Dのうち、体幹旋回に関する関節に対してリハビリ効果があると推定される装着方法を選択してもよい。また、提案装置100は、選択処理パターン1〜3を適宜組み合わせることにより、体幹旋回に関する関節に対してリハビリ効果があると推定される装着方法を選択してもよい。また、提案装置100は、選択処理パターン4により利用者U1にとって一定以上の安全性が確保されていると判明した装着方法に対して、選択処理パターン1〜3の少なくともいずれか1つを適用することにより、体幹旋回に関する関節に対してリハビリ効果があると推定される装着方法を選択してもよい。
【0112】
このように、実施形態に係る提案装置100は、身体情報に基づいて、吸収性物品の装着時における危険度合(将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクの度合い)を推定し、推定した危険度合に応じて、利用者に対して提案する装着方法を選択する。これにより、提案装置100は、将来的に吸収性物品を自力では装着できなくなってしまうというリスクを効果的に回避(軽減)することができるため、利用者が生活意欲のある状態をより長い間保つことができる。
【0113】
〔5−3.リハビリ効果のある装着方法を提案(3)〕
上記例では、提案装置100が、リハビリ効果のある装着方法を選択する例を示した。例えば、提案装置100が、処理対象の利用者の身体情報に基づいて、当該利用者が優先的にリハビリすべき部位(関節)を特定し、特定した部位(関節)についてリハビリ効果のある装着方法を選択する例を示した。しかしながら、提案装置100は、身体情報または危険度合い(リスク)の程度に応じて、利用者に提案するリハビリ方法を選択してもよい。この場合、必要条件記憶部122(図3)の例を用いると、提案装置100は、各「装着方法」が「リハビリ方法」に置き換えられたような記憶部を有しておけばよい。
【0114】
〔5−4.腹囲を考慮した装着方法〕
例えば、腹囲が大きいと前屈が困難になり吸収性物品の装着が困難になる。したがって、提案装置100は、利用者の腹囲に基づいて、現在の腹囲でも実行可能と推定される装着方法を選択してもよい。例えば、提案装置100は、身体情報として、利用者の腹囲を示す情報を取得し、取得した腹囲に応じて、装着時の危険度合が異なる装着方法の組を選択し、選択した組に含まれる装着方法から、利用者に提案する装着方法を選択する。例えば、提案装置100は、処理対象の利用者が、腹囲の大きさに問題はなく装着方法に工夫を必要としない分類(分類1)に属させることのできる利用者であるのか、あるいは、腹囲が大きいことにより前屈が困難であるため装着方法に工夫を必要とする分類(分類2)に属させるべき利用者であるのかを判定する。例えば、提案装置100は、図5に示す分類フローFL3を用いて、処理対象の利用者が分類1または分類2のいずれに属するのかを判定し、判定結果に応じて、装着方法を選択する。
【0115】
なお、腹囲の大きさに問題があるか否かの判定基準には、生活習慣病として知られているメタボリックシンドロームの判定基準を用いることができる。また、メタボリックシンドロームは男女で判定基準が異なるため、性別、腹囲を条件として設定することで、処理対象の利用者が分類1または分類2のいずれに属するのかを判定することができる。
【0116】
ここで、図5に実施形態に係る分類フローFL3の一例を示す。また、図5の説明では、処理対象の利用者の一例として利用者U2を挙げる。また、提案装置100は、利用者U2の身体情報を取得済みであるものとする。具体的には、提案装置100は、利用者U2の身体情報として、利用者U2の身体における可動域を示す情報や、腹囲を示す情報を取得済みであるものとする。
【0117】
このような状態において、提案装置100は、分類フローFL3を用いて、利用者U2が分類1または分類2のいずれに属するのかを判定する。なお、係る例では、利用者U2の性別は「男性」であるものとする。
【0118】
そうすると、提案装置100は、分類フローFL3において、まず、利用者U2は男性であるか否かを判定する。提案装置100は、利用者U2は男性であると判定すると(Yes)、次に、利用者U2の腹囲を示す情報に基づいて、利用者U2の腹囲はX1未満であるか否かを判定する。提案装置100は、利用者U2の腹囲はX1未満であると判定した場合には(Yes)、利用者U2は腹囲の大きさに問題はなく装着方法に工夫を必要としない分類1に属すると判定する。一方、提案装置100は、利用者U2の腹囲はX1未満でないと判定した場合には(No)、利用者U2は腹囲が大きいことにより前屈が困難であるため装着方法に工夫を必要とする分類2に属すると判定する。
【0119】
例えば、提案装置100は、利用者U2は分類1に属すると判定したとする。係る例では、提案装置100は、図2に示す選択フローFL1に対して、利用者U2の身体情報を適用することにより、利用者U2に対して提案する装着方法を選択する。また、提案装置100は、図4に示すリスク回避フローFL2に対して、利用者U2の身体情報を適用することにより利用者U2が優先的にリハビリすべき関節を特定することで、特定した関節にリハビリ効果のある装着方法を選択する。
【0120】
ここで、選択フローFL1を用いて選択された装着方法と、リスク回避フローFL2を用いて選択された装着方法とでは、装着時の危険度合が異なる場合がある。したがって、提案装置100は、この2つの装着方法の双方を利用者U2に提案してもよいし、この2つの装着方法のうちいずれか一方の装着方法を提案してもよい。
【0121】
次に、提案装置100が、利用者U2は分類2に属すると判定した場合について説明する。係る例では、提案装置100は、図2に示す選択フローFL1に対して、利用者U2の身体情報を適用することにより、利用者U2に対して提案する装着方法を選択する。ただし、係る例では、利用者U2はメタボリックシンドロームの傾向にあると判定されており、メタボリックシンドロームの傾向にある利用者はN1度以上股関節を屈曲させることは不可能であるとの前提のもとに、提案装置100は、条件1を満たすか否かの判定は行わず、条件2を満たすか否かの判定から開始してもよい。このようにして、提案装置100は、図2に示す選択フローFL1に対して、利用者U2の身体情報を適用することにより、利用者U2に対して提案する装着方法を選択する。
【0122】
また、提案装置100は、選択した装着方法において、吸収性物品の持ち方や足の上げ方が規定されている場合には、利用者U2が分類2に属することに応じて、規定されている持ち方や上げ方を調整する。例えば、提案装置100は、規定されている持ち方や上げ方から、より難易度の低い持ち方や上げ方に変更する。また、提案装置100は、選択した装着方法において、吸収性物品の持ち方や足の上げ方が規定されていない場合には、分類2に属する利用者にとって難なく実行可能と推定される持ち方や上げ方を追加してもよい。
【0123】
また、提案装置100は、図4に示すリスク回避フローFL2に対して、利用者U2の身体情報を適用することにより利用者U2が優先的にリハビリすべき関節を特定することで、特定した関節にリハビリ効果のある装着方法も選択する。また、提案装置100は、リハビリ効果のある装着方法についても上記例と同様に、吸収性物品の持ち方や足の上げ方について調整を行う。
【0124】
ここで、選択フローFL1を用いて選択された装着方法(調整後の装着方法)と、リスク回避フローFL2を用いて選択された装着方法(調整後の装着方法)とでは、装着時の危険度合が異なる場合がある。したがって、提案装置100は、この2つの装着方法の双方を利用者U2に提案してもよいし、この2つの装着方法のうちいずれか一方の装着方法を提案してもよい。
【0125】
このように、実施形態に係る提案装置100は、利用者の腹囲に基づいて、装着方法を選択し、選択した装着方法を提案する。これにより、提案装置100は、吸収性物品を装着するうえで不利な体型にある利用者でも自力で行えるような装着方法を提案することができるため、吸収性物品を自力で装着するうえでの体系のデメリットを軽減することができる。
【0126】
〔5−5.姿勢を考慮した装着方法〕
例えば、高齢者は姿勢の変化や下肢筋力の低下によって、身体のバランス能力が低下する傾向にある。そして、バランス能力が低下した状態での吸収性物品の立位交換は転倒のリスクが高く危険と考えられる。したがって、提案装置100は、身体情報として、処理対象の利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報を取得する。そして、提案装置100は、取得した情報に基づいて、利用者が吸収性物品を立位交換することが可能か否かを判定する。すなわち、提案装置100は、処理対象の利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報に基づいて、利用者が起立した状態で吸収性物品を装着することができるか否かを判定する。そして、提案装置100は、判定結果に応じた装着方法を提案する。
【0127】
例えば、提案装置100は、図6に示す立位判定フローFL4を用いて、利用者が起立した状態で吸収性物品を装着することができるか否かを判定し、判定結果に応じて、装着方法を選択することができる。また、立位判定フローFL4では、バランス能力の指標として、姿勢安定度評価指標(IPS)を用いるものとする。また、姿勢安定度評価指標(IPS)の中でも特に重心動揺面積および円背指数を用いるものとする。
【0128】
ここで、図6に実施形態に係る立位判定フローFL4の一例を示す。また、図6の説明では、処理対象の利用者の一例として利用者U3を挙げる。また、提案装置100は、利用者U3の身体情報を取得済みであるものとする。具体的には、提案装置100は、利用者U3の身体情報として、利用者U3の身体における可動域を示す情報や、静的もしくは動的な姿勢を示す情報を取得済みであるものとする。
【0129】
このような状態において、提案装置100は、立位判定フローFL4に対して、利用者U3の静的もしくは動的な姿勢を示す情報を適用することにより、利用者U3が起立した状態で吸収性物品を装着することができるか否かを判定する。
【0130】
図6に示す立位判定フローFL4の例によると、まず、提案装置100は、利用者U3の静的な姿勢を示す情報に基づいて、静止時における重心動揺面積がY1以下か否かを判定する。提案装置100は、静止時における重心動揺面積がY1以下であると判定した場合には(Yes)、次に、利用者U3の静的な姿勢を示す情報に基づいて、円背指数がY2以下であるか否かを判定する。提案装置100は、円背指数がY2以下であると判定した場合には(Yes)、利用者U3は起立した状態で吸収性物品を装着することができると判定する。
【0131】
そして、提案装置100は、利用者U3は起立した状態で吸収性物品を装着することができると判定した場合には、起立した状態で吸収性物品を装着する装着方法を選択する。例えば、提案装置100は、選択フローFL1やリスク回避フローFL2に対して、利用者U3の身体情報を適用することにより装着方法を選択する。
【0132】
一方、提案装置100は、静止時における重心動揺面積がY1以下でないと判定した場合には(No)、あるいは、円背指数がY2以下でないと判定した場合(No)には、選択フローFL1やリスク回避フローFL2に対して、利用者U3の身体情報を適用することにより装着方法を選択する。そして、提案装置100は、選択した装着方法が例えば起立した状態で吸収性物品を装着することが前提での装着方法であれば、この装着方法を座った状態で装着する装着方法に調整する。そして、提案装置100は、調整後の装着方法を、利用者U3に提案する装着方法として選択する。
【0133】
このように、実施形態に係る提案装置100は、利用者の静的もしくは動的な姿勢に基づいて、利用者に提案する装着方法を選択する。これにより、提案装置100は、体のバランスが低下している利用者でも実行可能な装着方法を提案することができるため、吸収性物品を自力で装着するうえでのバランス低下のデメリットを軽減することができる。
【0134】
〔5−6.装着場所をさらに選択〕
上記実施形態では、提案装置100が吸収性物品の装着方法を提案する例を示した。しかし、提案装置100は、座った状態で吸収性物品を装着する装着方法とともに、当該吸収性物品を装着する際に座る物品(装着場所)をさらに選択してもよい。例えば、提案装置100は、身体情報として、処理対象の利用者の身長とひざ下の長さとを示す情報を取得し、利用者の身長とひざ下の長さとに基づいて、吸収性物品を装着する際に座る物品(装着場所)を選択する。
【0135】
例えば、提案装置100は、図7に示す場所選択フローFL5を用いて、吸収性物品を装着する際に座る物品(装着場所)として、利用者の身長とひざ下の長さに合った最適な座る物品を選択することができる。ここで、図7に実施形態に係る場所選択フローFL5の一例を示す。また、図7の説明では、処理対象の利用者の一例として利用者U4を挙げる。また、提案装置100は、利用者U4の身体情報を取得済みであるものとする。具体的には、提案装置100は、利用者U4の身体情報として、利用者U4の身体における可動域を示す情報、および、利用者U4の身長とひざ下の長さとを示す情報を取得済みであるものとする。
【0136】
このような状態において、提案装置100は、場所選択フローFL5に対して、利用者U4の身長とひざ下の長さとを示す情報を適用することにより、利用者U4の身長とひざ下の長さに合った最適な座る物品を選択する。
【0137】
図7に示す場所選択フローFL5の例によると、まず、提案装置100は、利用者U4の身長に基づいて、身長がZ1以上か否かを判定する。提案装置100は、利用者U4の身長がZ1以上であると判定した場合には(Yes)、利用者U4の身長とひざ下の長さに合った最適な座る物品として、様式トイレまたは椅子(一般的な様式トイレと同等の座面高を有するイス)を選択する。また、提案装置100は、身体における可動域を示す情報に基づいて、利用者U4に提案する装着方法も選択すると、選択した装着方法とともに、選択した座る物品を利用者U4に提案する。
【0138】
一方、提案装置100は、利用者U4の身長がZ1以上でないと判定した場合には(No)、利用者U4のひざ下の長さに基づいて、ひざ下の長さがZ2以上であるか否かを判定する。提案装置100は、利用者U4のひざ下の長さがZ2以上であると判定した場合には(Yes)、利用者U4の身長とひざ下の長さに合った最適な座る物品として、ポータブルトイレまたは椅子(一般的なポータブルトイレと同等の座面高を有するイス)を選択する。また、提案装置100は、身体における可動域を示す情報に基づいて、利用者U4に提案する装着方法も選択すると、選択した装着方法とともに、選択した座る物品を利用者U4に提案する。
【0139】
また、提案装置100は、利用者U4のひざ下の長さがZ2以上でないと判定した場合には(No)、利用者U4の身長とひざ下の長さに合った最適な座る物品として、低いベッド(例えば、高さ〇〇cm以下のベッド)を選択する。また、提案装置100は、身体における可動域を示す情報に基づいて、利用者U4に提案する装着方法も選択すると、選択した装着方法とともに、選択した座る物品を利用者U4に提案する。
【0140】
例えば、足が短めの利用者は、一般的な座面高の椅子やトイレに座って吸収性物品を装着しようとした場合、両足がしっかり床に着かないことがある。このような場合、利用者は、例えば、身体機能上は問題なくとも、足で踏ん張ることができないので、床面での装着が困難となる。また、このような状況で無理に装着しようとすると危険である。したがって、このような利用者に向けて、実施形態に係る提案装置100は、上述したように、座った状態で吸収性物品を装着する装着方法とともに、当該吸収性物品を装着する際に座る物品をさらに選択する。そして、提案装置100は、選択した座る物品に座った状態で、選択した吸収性物品を装着してみるよう提案する。これにより、提案装置100は、利用者の身長やひざ下の長さに合った最適な座り場所も提案することができるため、利用者が安全に吸収性物品を装着できるようサポートすることができる。
【0141】
なお、上述した実施形態では、提案装置100が、最適な座り場所として、椅子、トイレ、低いベッド等を選択し、これを提案する例を示した。しかし、提案装置100は、例えば高さ○○cm以下、高さ○○cm以上〜高さ××cm以下といった具体的な数値をさらに表示してもよい。これにより、提案装置100は、例えばトイレごとで高さが異なる場合や、提案された物が無い場合であっても、高さを規定することで最適な座り場所を用意しやすくすることができる。
【0142】
〔5−7.製品も提案〕
上記実施形態では、提案装置100が吸収性物品の装着方法を提案する例を示した。しかし、提案装置100は、身体情報に基づいて、利用者が装着する吸収性物品の種別をさらに選択してもよい。すなわち、提案装置100は、身体情報に基づいて、製品として発売されている吸収性物品のうち、利用者の身体情報に合った種別(タイプ)の吸収性物品を選択する。そして、提案装置100は、選択した種別の吸収性物品を使用してみるよう利用者に提案する。
【0143】
例えば、提案装置100は、特定の部位(関節)に不自由がある利用者には、どのような種別の収性物品が合っているかが規定された製品情報記憶部123を参照することで、処理対象の利用者の身体情報に種別の吸収性物品を選択することができる。
【0144】
ここで、図8を用いて、提案装置100が有する製品情報記憶部123について説明する。図8は、実施形態に係る製品情報記憶部123の一例を示す図である。図8の例では、製品情報記憶部123は、横軸に「股関節」と、「前屈」と、「体幹回旋」といった項目を有する。また、図8の例では、製品情報記憶部123は、縦軸に「軽失禁系」と、「加圧サポーター系」と、「一般おむつ系」と、「ローライズ系」と、「アウターインナー分離系」と、「脇取り外し系」と、「テープ系」といった項目を有する。
【0145】
「軽失禁系」、「加圧サポーター系」、「一般おむつ系」、「ローライズ系」、「アウターインナー分離系」、「脇取り外し系」、「テープ系」は、吸収性物品の種別(タイプ)の一例である。例えば、「軽失禁系」の吸収性物品とは、薄型で生理用品に近いタイプの製品である。
【0146】
ここで、提案装置100は、図2に示す選択フローFL1に対して、利用者U5の身体情報を適用することで、利用者U5は条件1を満たさないが条件2は満たすと判定したとする。係る場合、提案装置100は、利用者U5に対して提案する装着方法として装着方法Bを選択する。また、係る例によると、利用者U5は、N1度以上股関節を屈曲させることができず股関節が不自由であるといえる。そうすると、提案装置100は、製品情報記憶部123を参照し、「軽失禁系」、「加圧サポーター系」、「一般おむつ系」、「ローライズ系」、「アウターインナー分離系」、「脇取り外し系」、「テープ系」の製品のうち、「股関節」に対して「〇」が対応付けられる製品(股関節が不自由な利用者でも使いやすい製品)、すなわち「軽失禁系」の製品、または、「加圧サポーター系」の製品を選択する。
【0147】
また、提案装置100は、「軽失禁系」の製品を選択したとすると、「あなたには軽失禁系の製品が合っています。以下の製品がおすすめです。」といったテキストともに、例えば、「軽失禁系」の製品のうち、代表的な製品がおすすめ製品として広告されるコンテンツを生成する。そして、提案装置100は、生成したコンテンツを利用者U5に配信する。
【0148】
このように、実施形態に係る提案装置100は、身体情報に基づいて、利用者が装着する吸収性物品の種別をさらに選択する。これにより、提案装置100は、利用者の身体情報に最適な吸収性物品を提案することができるため、利用者が製品選びに困ることがないようサポートすることができる。
【0149】
〔5−8.フローについて〕
これまで、選択フローFL1、リスク回避フローFL2、分類フローFL3、立位判定フローFL4、場所選択フローFL5といった処理を規定するフローを示してきたが、提案装置100は、これらフローを示すフロー情報が記憶された所定の記憶部(不図示)を有する。
【0150】
〔6.提案装置の構成〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る提案装置100について説明する。図10は、実施形態に係る提案装置100の構成例を示す図である。図10に示すように、提案装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0151】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0152】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、利用者情報記憶部121と、必要条件記憶部122と、製品情報記憶部123とを有する。
【0153】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、被介護者としての立場にある処理対象の利用者の身体情報や、当該利用者について選択された装着方法を示す情報を記憶する。ここで、図11に実施形態に係る利用者情報記憶部121の一例を示す。図11の例では、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」と、「身体情報」と、「装着方法」といった項目を有する。
【0154】
「利用者ID」は、処理対象の利用者を識別する識別情報を示す。なお、図11の例では付図時であるが、処理対象の利用者を識別する「利用者ID」に対して、当該利用者を介護する立場にある利用者を識別する「介護者ID」が対応付けられてもよい。
【0155】
「身体情報」は、処理対象の利用者から取得された、利用者の身体的な状態を示す身体情報である。例えば、「身体情報」は、処理対象の利用者の身体における可動域を示す情報である。より詳細には、「身体情報」は、処理対象の利用者の股関節もしくは体幹に関する可動域を示す情報である。また、「身体情報」には、処理対象の利用者の腹囲を示す情報、処理対象の利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報、処理対象の利用者の身長とひざ下の長さとを示す情報も含まれる。
【0156】
「装着方法」は、処理対象の利用者に対して提案する装着方法であって、当該利用者の「身体情報」に基づき選択された装着方法を示す情報である。
【0157】
すなわち、図11の例では、利用者ID「U1」によって識別される利用者(利用者U1)からは身体情報「Py1」が取得され、また、身体情報「Py1」に基づいて、利用者U1に提案する装着方法として「装着方法A」が選択された例を示す。
【0158】
図10に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、提案装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0159】
図10に示すように、制御部130は、受付部131と、生成部132と、推定部133と、取得部134と、選択部135と、提案部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図10に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0160】
(受付部131)
受付部131は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部131は、端末装置10から処理対象の利用者に関する情報を受け付ける。例えば、受付部131は、利用者の身体的な状態を示す身体情報の元となる元データを端末装置10から受け付ける。例えば、受付部131は、このような元データとして、身体を動かしている処理対象の利用者が撮影された動画像を受け付ける。また、受付部131は、元データとして、処理対象の利用者が所有する端末装置10が検知した当該端末装置10の物理的な状態を示す状態情報を受け付ける。なお、提案装置100は、このような元データを記憶する記憶部をさらに有してもよい。
【0161】
(生成部132について)
生成部132は、身体を動かしている処理対象の利用者を撮影した動画像から、当該利用者の身体的な状態を示す身体情報を生成する。
【0162】
(推定部133について)
推定部133は、処理対象の利用者が所有する端末装置10が検知した当該端末装置10の物理的な状態を示す状態情報に基づいて、当該利用者の身体的な状態を推定する。
【0163】
(取得部134について)
取得部134は、処理対象の利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得する。例えば、取得部134は、身体情報として、利用者の身体における可動域を示す情報を取得する。例えば、取得部134は、利用者の下肢の関節もしくは体幹に関する可動域を示す情報を取得する。例えば、取得部134は、利用者が有する複数の部位の可動域を示す情報を取得する。
【0164】
また、生成部132により、身体を動かしている利用者を撮影した動画像から当該利用者の身体的な状態を示す身体情報が生成された場合には、取得部134は、生成部132が生成したこの身体情報を取得する。また、推定部133により、利用者が所有する端末装置10が検知した当該端末装置10の物理的な状態を示す状態情報に基づき利用者の身体的な状態が推定された場合には、取得部134は、推定部133により推定された状態を示す身体情報を取得する。
【0165】
また、取得部134は、身体情報として、処理対象の利用者の腹囲を示す情報、処理対象の利用者の静的もしくは動的な姿勢を示す情報、処理対象の利用者の身長とひざ下の長さとを示す情報を取得する。このようなことから、取得部134は、処理対象の利用者から、当該処理対象の利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得するものである。
【0166】
(選択部135について)
選択部135は、取得部134により取得された身体情報が示す身体的な状態に基づいて、処理対象の利用者に対して提案する吸収性物品の装着方法を選択する。例えば、選択部135は、各部位の可動域の組み合わせに応じて、装着方法を選択する。
【0167】
また、例えば、選択部135は、身体情報に基づいて、吸収性物品の装着時における危険度合を推定し、推定した危険度合に応じて、処理対象の利用者に対して提案する装着方法を選択する。
【0168】
また、選択部135は、装着方法のうち、身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される困難性が所定の閾値を超える装着方法を選択する。また、選択部135は、装着方法のうち、身体情報が示す身体的な状態から推定される筋力よりも高い筋力を要すると推定される装着方法を選択する。また、選択部135は、装着方法のうち、処理対象の利用者の身体における可動域よりも広い可動域を要すると推定される装着方法を選択する。また、選択部135は、装着方法のうち、身体情報が示す身体的な状態に基づいて推定される安全性が所定の閾値を超える装着方法を選択する。
【0169】
また、選択部135は、処理対象の利用者の腹囲に応じて、装着時の危険度合が異なる装着方法の組を選択し、選択した組に含まれる装着方法から、利用者に提案する装着方法を選択する。
【0170】
また、選択部135は、処理対象の利用者の静的もしくは動的な姿勢に基づいて、当該利用者に提案する装着方法を選択する。
【0171】
また、選択部135は、座った状態で吸収性物品を装着する方法、もしくは、起立した状態で吸収性物品を装着する装着方法を選択する。
【0172】
また、選択部135は、処理対象の利用者の身長とひざ下の長さとに基づいて、吸収性物品を装着する際に座る物品を選択してもよい。また、選択部135は、身体情報に基づいて、処理対象の利用者が装着する吸収性物品の種別をさらに選択してもよい。
【0173】
(提案部136について)
提案部136は、選択部135により選択された装着方法を処理対象の利用者に提案する。例えば、提案部136は、選択部135により選択された装着方法で吸収性物品を装着するよう提案する。例えば、提案部136は、選択部135により選択された装着方法で吸収性物品を装着することが提案される提案情報を生成する。そして、提案部136は、生成した提案情報を、処理対象の利用者の端末装置10、もしくは、処理対象の利用者を介護する利用者の端末装置10に送信する。
【0174】
なお、提案装置100の制御部130の有する各機能、及び、記憶部120に記憶された各種データについては、提案装置100だけでなく、端末装置10が有するように構成されてもよいし、他の情報処理装置が有するように構成されてもよい。したがって、上述の各種機能やデータ及び、後述の各種処理は、提案システム1に含まれるどの装置が有するように構成してもよい。
【0175】
〔7.処理手順〕
次に、図12を用いて、実施形態に係る提案処理の手順について説明する。図12は、実施形態に係る提案処理手順を示すフローチャートである。
【0176】
まず、受付部131は、処理対象の利用者の身体的な状態を示す身体情報の元となる元データの入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。例えば、受付部131は、元データとして、身体を動かしている処理対象の利用者が撮影された動画像を端末装置10から受け付けたか否かを判定する。受付部131は、元データの入力を受け付けていない間は(ステップS101;No)、元データの入力を受け付けるまで待機する。
【0177】
一方、生成部132は、受付部131により元データの入力が受け付けられた場合には(ステップS101;Yes)、受け付けられた元データに基づいて、処理対象の利用者の身体的な状態を推定することで、推定した身体的な状態を示す身体情報を生成する(ステップS102)。例えば、生成部132は、元データに基づいて、処理対象の利用者の主要関節(例えば、股関節、体幹前屈、体幹旋回)の可動域を推定する。また、取得部134は、生成部132により生成された身体情報を取得する(ステップS103)。
【0178】
また、選択部135は、処理対象の利用者に対して提案する装着方法を選択する(ステップS104)。例えば、選択部135は、選択フローFL1に対して、処理対象の利用者の身体情報を適用することにより、当該利用者に対して提案する装着方法を選択する。また、選択部135は、選択フローFL1、リスク回避フローFL2、分類フローFL3、立位判定フローFL4を組み合わせることにより、処理対象の利用者に対して提案する装着方法を選択してもよい。
【0179】
そして、提案部136は、選択部135により選択された装着方法を処理対象の利用者に提案する(ステップS105)。例えば、提案部136は、選択部135により選択された装着方法で吸収性物品を装着することを提案する提案情報を処理対象の利用者に送信する。
【0180】
〔8.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0181】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0182】
〔9.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る提案装置100は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図13は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0183】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0184】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0185】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0186】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0187】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が提案装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
【符号の説明】
【0188】
1 提案システム
10 端末装置
100 提案装置
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 必要条件記憶部
123 製品情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 生成部
133 推定部
134 取得部
135 選択部
136 提案部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】