(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013098971
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150430
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20150403BHJP
【FI】
   !G05B19/05 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】2012517027
(21)【国際出願番号】JP2011080319
(22)【国際出願日】20111227
(11)【特許番号】5079168
(45)【特許公報発行日】20121121
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山中 孝彦
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220BB15
5H220CC03
5H220CX10
5H220JJ12
5H220JJ21
5H220JJ60
(57)【要約】
電源装置を二重化してPLCを構成した際に2つの電源装置の交換時期の差をできるだけ小さくするために、電源装置3aは、自電源装置3aの内部温度を検出する温度検出部34と、自電源装置3aの温度検出部34による温度検出値と、自電源装置3aと同一のPLCに装着される他電源装置3bが具備する温度検出部34による温度検出値と、の差分がより小さくなるように自電源装置3aの内部電源の出力を調整する出力調整回路35と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載され、交流の商用電源から前記PLCの内部電源を夫々生成して出力する電源装置であって、
自電源装置の内部温度を検出する温度検出部と、
自電源装置の温度検出部による温度検出値と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置が具備する温度検出部による温度検出値と、の差分がより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する出力調整回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記出力調整回路は、自電源装置にかかる温度検出値が他電源装置にかかる温度検出値よりも大きい場合、自電源装置の内部電源の出力を小さくし、自電源装置にかかる温度検出値が他電源装置にかかる温度検出値よりも小さい場合、自電源装置の内部電源の出力を大きくする、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
自電源装置による内部電源の出力電流を測定する出力電流測定部をさらに備え、
前記出力調整回路は、自電源装置の温度検出値と自電源装置の出力電流測定値との合計値が他電源装置の温度検出値と他電源装置の出力電流測定値との合計値よりも大きい場合、自電源装置の内部電源の出力を小さくし、自電源装置の温度検出値と自電源装置の出力電流測定値との合計値が他電源装置の温度検出値と他電源装置の出力電流測定値との合計値よりも小さい場合、自電源装置の内部電源の出力を大きくする、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載され、交流の商用電源から前記PLCの内部電源を夫々生成して出力する電源装置であって、
自電源装置が具備する有寿命部品の劣化状態情報を算出する劣化状態算出部と、
自電源装置の劣化状態算出部が算出した劣化状態情報と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置の劣化状態算出部が算出した劣化状態情報と、に基づいて、自電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期と前記他電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期とのズレがより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する出力調整回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
前記劣化状態情報は、前記有寿命部品の稼動可能時間の推定値であり、
自電源装置の内部温度を検出する温度検出部をさらに備え、
前記劣化状態算出部は、前記温度検出部による温度検出値に基づいて前記有寿命部品の稼働可能時間を推定し、
前記出力調整回路は、自電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値が他電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値よりも大きい場合、自電源装置の内部電源の出力を大きくし、自電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値が他電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値よりも小さい場合、自電源装置の内部電源の出力を小さくする、
ことを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
前記出力調整回路は、自他の電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値の差分と所定のしきい値とを比較して、前記差分が前記しきい値よりも大きい場合には、自電源装置の温度検出部による温度検出値と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置が具備する温度検出部による温度検出値と、の差分がより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整し、前記稼動可能時間の推定値の差分が前記しきい値よりも小さい場合には、自電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期と前記他電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期とのズレがより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する、
ことを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記有寿命部品は、平滑コンデンサであり、
前記劣化状態算出部は、前記平滑コンデンサの放電時間を計測し、前記放電時間の計測値と前記温度検出部による温度検出値とに基づいて前記平滑コンデンサの稼働可能時間を推定する、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載される電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PLCの信頼性を向上させる手法として、PLCの構成ユニットを二重化することが挙げられる。構成ユニットを二重化することによって、片方の構成ユニットが故障しても他方の構成ユニットにより制御を継続できるようになる。二重化対象の構成ユニットの代表例としては、有寿命部品を多く搭載している電源ユニット(電源装置)がある。
【0003】
電源ユニットを二重化する場合には、夫々の電源ユニットの出力の割合を如何にすべきかが問題となる。例えば特許文献1には、2つの電源ユニットの出力の割合を均等化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−148513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビルディングブロックタイプのPLCには、ベースユニットの一端から当該ベースユニットの中央側に向かって2個の電源ユニットとその他の構成ユニット(例えばCPUユニット)とが隙間無く装着されて構成されるものがある。このようなPLCにおいて、上記特許文献1の技術のように2つの電源ユニットの出力を均等化すると、中央側の電源ユニットは、両方の側面に他の構成ユニットが隣接して装着されているため、排熱効率に差が生じ、端側に装着された電源ユニットよりも内部温度が高くなってしまう。そして、中央側の電源ユニットの寿命が端側の電源ユニットよりも寿命が短くなってしまい、電源ユニットの交換サイクルに差が生じてしまうという問題があった。これは、平滑コンデンサなど、温度が高くなるほど劣化スピードが加速する部品が電源ユニットに使用されていることによる。2つの電源ユニットの交換サイクルに差が生じると、PLC全体の保守費用の増加を招く。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電源装置を二重化してPLCを構成した際に2つの電源装置の交換時期のズレをできるだけ小さくする電源装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載され、交流の商用電源から前記PLCの内部電源を夫々生成して出力する電源装置であって、自電源装置の内部温度を検出する温度検出部と、自電源装置の温度検出部による温度検出値と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置が具備する温度検出部による温度検出値と、の差分がより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する出力調整回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる電源装置は、同一のPLCに二重化されて搭載されている他の電源装置との間で内部温度の差を小さくすることにより当該他の電源装置との間で有寿命部品の劣化スピードの差を小さくすることができるので、2つの電源装置の交換時期のズレを小さくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態1の電源ユニットを用いて構成されるPLCの構成図である。
【図2】図2は、実施の形態1の電源ユニットの構成図である。
【図3】図3は、実施の形態1の電源ユニットの動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、実施の形態2の電源ユニットの構成図である。
【図5】図5は、実施の形態2の電源ユニットの動作を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、平滑コンデンサの劣化特性を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態3の電源ユニットの構成図である。
【図8】図8は、AC/DC変換回路図の構成図である。
【図9】図9は、実施の形態3の電源ユニットの動作を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、実施の形態4の電源ユニットの構成図である。
【図11】図11は、実施の形態4の電源ユニットの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる電源装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の電源装置を適用した電源ユニットを用いて構成されるPLCの構成図である。図示するように、PLC1は、ベースユニット2に、紙面左側から、2個の電源ユニット3a、3bと、CPUユニット4と、4つの一般ユニット5とが順番に装着されて構成されている。一般ユニット5は、電源ユニット3a、3bとCPUユニット4とを除く構成ユニットを総称するものであり、例えば、入力ユニット、出力ユニット、モーションCPUユニット、温度調整ユニット、通信ユニットなどが含まれる。ユーザは、PLC1の使用目的に合わせて所望の一般ユニット5を選択してPLC1を構成することができる。
【0012】
ベースユニット2は、電源供給線21を備えている。電源ユニット3a、3bは、夫々内部電源を生成し、生成した内部電源を電源供給線21を介してCPUユニット4および複数の一般ユニット5に供給する。また、ベースユニット2は、電源ユニット3aと電源ユニット3bとの間で出力の割合を調整するために用いられる信号線22a、22bを備えている。信号線22aは、電源ユニット3aが電源ユニット3bに向けて発行する信号の伝送経路であり、以降、当該信号を調整用信号22aと呼ぶ。また、信号線22bは、電源ユニット3bが電源ユニット3aに向けて発行する信号の伝送経路であり、以降、当該信号を調整用信号22bと呼ぶ。
【0013】
図2は、実施の形態1の電源ユニット3a、3bの構成図である。電源ユニット3aと電源ユニット3bとは同一の構成を備えているので、ここでは代表として電源ユニット3aの構成について説明する。
【0014】
電源ユニット3aは、フィルタ・整流回路30、スイッチング制御回路31、AC/DC変換回路32、二重化突合せ回路33、温度検出部34、および出力調整回路35を備えている。
【0015】
フィルタ・整流回路30は、交流の商用電源を整流化および平滑化して直流電源を生成する。スイッチング制御回路31はフィルタ・整流回路30が生成した直流電源を、出力調整回路35から供給される制御信号に応じた電力の交流電源に変換する。制御信号は、自電源ユニット3aの出力電力の大きさを指定するものであり、ここでは一例としてデューティー比が採用されるものとする。スイッチング制御回路31は、フィルタ・整流回路30が生成した直流電源を、オン状態の期間とオフ状態の期間との比が制御信号により指定されたデューティー比となるようにスイッチングすることによって、交流電源を生成する。
【0016】
AC/DC変換回路32は、スイッチング制御回路31が生成した交流電源を整流化および平滑化して、PLC1内で使用される内部電源を生成する。
【0017】
二重化突合せ回路33は、AC/DC変換回路32が内部電源を供給するラインのうちの高電位側の負荷接続ラインに接続されている。二重化突合せ回路33は、生成された内部電源が電源ユニット3a側に逆流することを防止する回路であって、例えばダイオードやFETにより構成される。なお、低電位側の負荷接続ラインはシグナルグランドに接続されている。
【0018】
AC/DC変換回路32によって生成され、二重化突合せ回路33を介して出力される内部電源の電圧は、スイッチング制御回路31が出力した交流電源のデューティー比に応じた値となる。また、電源ユニット3aが生成する内部電源の電圧と電源ユニット3bが生成する内部電源の電圧との間の大小関係により、2つの電源ユニット3a、3bの出力比率が決まる。電源ユニット3aが生成した内部電源の電圧が電源ユニット3bに比べて大きいほど電源ユニット3aの出力の割合が大きくなる。即ち、出力調整回路35は、制御信号を操作することによって、自電源ユニット3aが負担する出力の割合を操作することができる。
【0019】
ここで、電源ユニット3a、3bは、有寿命部品を多く含んで構成される。有寿命部品とは、稼働時間に応じて劣化が進み、一定の期間を過ぎると故障や目的の機能が得られなくなるなどにより使用不可となる部品である。例えば、フィルタ・整流回路30、AC/DC変換回路32などに備えられる平滑コンデンサは、代表的な有寿命部品である。これらの有寿命部品は、温度が高くなるほど劣化スピードが加速する特性を有する。例えば一般的に平滑コンデンサとして用いられる電解コンデンサは、10度(摂氏)上昇する毎に寿命が半分になるといわれている。一方、電源ユニット3a、3bは、発熱部品を備えている。例えば、二重化突合せ回路33を構成するダイオードやFETは発熱部品である。電源ユニット3bは、両側に別の構成ユニットが隣接して装着されていることから、片側のみ別の構成ユニットが隣接する電源ユニット3aよりも熱が内部に篭り易い。したがって、電源ユニット3a、3bの出力割合を均等化すると、内部で発生する熱量が等しくなり、電源ユニット3aよりも電源ユニット3bのほうが内部温度が高くなる。その結果、有寿命部品の寿命に差に起因して、電源ユニット3bの交換サイクルが電源ユニット3aの交換サイクルよりも短くなる。実施の形態1によれば、電源ユニット3a、3bは、双方の内部温度が等しくなるように夫々負荷を調整する。
【0020】
温度検出部34は、電源ユニット3aの装置内温度を検出する温度センサを備えて構成され、温度検出値に応じた温度情報を出力する。温度検出部34が出力した温度情報は、自電源ユニット3aの出力調整回路35に入力されるとともに、調整用信号22aとして電源ユニット3bに入力される。温度検出部34の温度センサとしては、例えば、サーミスタや熱電対などの温度センサを採用することができる。温度センサとしてサーミスタが採用される場合には、当該サーミスタの電気抵抗値を計測する回路や、計測した電気抵抗値を温度情報に変換する回路を含めて温度検出部34を構成することができる。また、熱電対が採用される場合には、当該熱電対の起電力を計測する回路や、計測した起電力を温度情報に変換する回路を含めて温度検出部34を構成することができる。また、温度センサの出力値を温度情報とするようにしてもよい。
【0021】
温度センサの設置位置は、発熱部品の温度と正の相関関係を有する温度を検出することができるのであれば、どの位置であっても構わない。例えば、温度センサは、電源ユニット3a内の発熱部品の近傍に設置される。また、例えば、温度センサは、電源ユニット3a内の複数の位置に設置され、温度検出部34は、複数の温度センサの出力値に対して平均処理など所定の演算を行って温度情報を生成するようにしてもよい。
【0022】
なお、電源ユニット3bが具備する温度検出部34が出力した温度情報は、調整用信号22bとして電源ユニット3aに入力される。
【0023】
出力調整回路35は、電源ユニット3aの温度情報(調整用信号22a)と電源ユニット3bの温度情報(調整用信号22b)とを比較し、比較結果に基づいてスイッチング制御回路31に供給する制御信号を生成する。具体的には、出力調整回路35は、電源ユニット3aの内部温度が電源ユニット3bの内部温度よりも高い場合には、電源ユニット3aのスイッチング制御回路31の出力電力を増加せしめ、電源ユニット3aの内部温度が電源ユニット3bの内部温度よりも低い場合には、出力電力を減少せしめる。
【0024】
図3は、実施の形態1の電源ユニット3aの動作を説明するフローチャートである。まず、出力調整回路35は、調整用信号22a、22bの値を取り込む(ステップS1)。そして、出力調整回路35は、調整用信号22aの値と調整用信号22bの値とを比較することによって、電源ユニット3a(自電源ユニット)の内部温度が電源ユニット3b(他電源ユニット)の内部温度よりも高いか否かを判定する(ステップS2)。電源ユニット3aの内部温度が電源ユニット3bの内部温度よりも高い場合(ステップS2、Yes)、出力調整回路35は、スイッチング制御回路31に供給する制御信号を操作して、自電源ユニット3aの出力電力を減少せしめる(ステップS3)。電源ユニット3aの内部温度が電源ユニット3bの内部温度よりも低い場合(ステップS2、No)、出力調整回路35は、スイッチング制御回路31に供給する制御信号を操作して、自電源ユニット3aの出力電力を増加せしめる(ステップS4)。ステップS3またはステップS4の処理の後、ステップS1の処理に移行する。
【0025】
このように、ステップS1〜ステップS4またはステップS5のループ処理が繰り返されるうちに、電源ユニット3aの内部温度と電源ユニット3bの内部温度とが等しい値となり、結果として、電源ユニット3aの有寿命部品の劣化スピードと電源ユニット3bの有寿命部品の劣化スピードが等しくなる。つまり、電源ユニット3a、3bは、同じ時期に使用を開始された場合には、電源ユニット3a、3bの交換時期が等しくなる。電源ユニット3a、3bの使用開始の時期が異なる場合には、夫々の交換サイクルが等しくなる。
【0026】
なお、ステップS3またはステップS4の処理における出力電力の増減幅は特定の値に限定されない。所定の刻み幅で増減せしめられるようにしてもよいし、増減幅を自他の電源ユニットの内部温度の差分に応じた値とするようにしてもよい。
【0027】
以上述べたように、実施の形態1によれば、電源ユニット3aは、自電源ユニット3aの内部温度を検出する温度検出部34と、自電源ユニット3aの温度検出部34による温度検出値と、他電源ユニット3bが具備する温度検出部34による温度検出値と、を比較して、自電源ユニット3aの内部温度が他電源ユニット3bの内部温度よりも高い場合には自電源ユニット3aの内部電源の出力を小さくし、自電源ユニット3aの内部温度が他電源ユニット3bの内部温度よりも低い場合には自電源ユニット3aの内部電源の出力を大きくする出力調整回路35と、を備えるように構成したので、電源ユニット3a、3bの内部温度が等しくなることにより電源ユニット3a、3bの有寿命部品の劣化スピードを等しくすることができ、結果として、2つの電源ユニット3a、3bの交換時期を等しくすることができるようになる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態1によれば、電源ユニットは、同じPLCに装着された他の電源ユニットとの間で内部温度が等しくなるように自電源ユニットの出力を調整するものとしたが、電源ユニットは、温度そのものではなく、温度に応じて増減する要素を一部に含む値が自他の電源ユニットの間で等しくなるように自電源ユニットの出力を調整するようにしてもよい。実施の形態2では、一例として、内部温度と出力電流との合計値の差が無くなるように出力を調整する電源ユニットについて説明する。なお、内部温度と出力電流との合計値とは、正確には、温度検出値を電圧換算して得られる値と出力電流の電流検出値との合計値である。
【0029】
図4は、実施の形態2の電源ユニットの構成図である。なお、ここでは、実施の形態2の電源ユニットに6a、6bの符号を付して実施の形態1の電源ユニット3a、3bと区別する。また、実施の形態1と同等の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、電源ユニット6aおよび電源ユニット6bは、同一の構成を備えているので、代表として電源ユニット6aについて説明する。
【0030】
図4に示すように、電源ユニット6aは、フィルタ・整流回路30、スイッチング制御回路31、AC/DC変換回路32、二重化突合せ回路33、出力電流測定部41、温度検出部34、調整用信号生成部42、および出力調整回路35を備えている。
【0031】
出力電流測定部41は、電源供給線21に出力される電流を計測し、計測により得られた電流値を示す電流情報を出力する。出力電流測定部41は、例えば小さな負荷抵抗を電流が出力される配線上に介挿して当該負荷抵抗の両端にかかる電圧を測定するなど、簡易な方法で電流を測定することができる。図4の例によれば、出力電流測定部41は、シグナルグランド側に流れる電流を測定するように構成されている。
【0032】
調整用信号生成部42は、電流情報と温度情報とに基づき、調整用信号22aを生成する。ここでは、調整用信号生成部42は、内部温度の測定値と出力電流の測定値とを合算した値を調整用信号22aとするものとする。
【0033】
出力調整回路35は、調整用信号22aと調整用信号22bとの比較に基づいてスイッチング制御回路31の出力を調整する。
【0034】
図5は、実施の形態2の電源ユニット6aの動作を説明するフローチャートである。図示するように、まず、調整用信号生成部42は、温度情報および電流情報を取り込み(ステップS11)、取り込んだ夫々の情報に基づいて調整用信号22aを生成する(ステップS12)。そして、出力調整回路35は、調整用信号22a、22bを夫々取り込んで(ステップS13)、自電源ユニット6aの内部温度と出力電流との合計値が他電源ユニット6bの内部温度と出力電流との合計値よりも大きいか否かを判定する(ステップS14)。自電源ユニット6aの内部温度と出力電流との合計値が他電源ユニット6bの内部温度と出力電流との合計値よりも大きい場合には(ステップS14、Yes)、出力調整回路35は、自電源ユニット6aの出力電力を減少せしめる(ステップS15)。一方、自電源ユニット6aの内部温度と出力電流との合計値が他電源ユニット6bの内部温度と出力電流との合計値よりも小さい場合には(ステップS14、No)、出力調整回路35は、自電源ユニット6aの出力電力を増加せしめる(ステップS16)。ステップS15またはステップS16の処理の後、ステップS11の処理に移行する。
【0035】
このように、出力調整回路35は、内部温度と出力電流との合計が電源ユニット6a、6b間で等しくなるように出力を調整するようにした。出力が均等化されている場合、即ち電源ユニット6a、6bの出力電流が等しい場合、前述のように、電源ユニット6bの内部温度のほうが電源ユニット6aの内部温度が高くなり、内部温度と出力電流との合計値は電源ユニット6aよりも電源ユニット6bのほうが高くなる。したがって、電源ユニット6aでは、ステップS14、Noと判定されて出力が増加するように出力が調整され、電源ユニット6bでは、ステップS14、Yesと判定されて出力が減少するように出力が調整される。これにより、電源ユニット6a、6b間で内部温度が等しくならないものの、出力電流が均等化される場合に比べて内部温度の差を小さくできる。つまり、電源ユニット6a、6bは、同じ時期に使用を開始された場合には、2つの電源ユニット6a、6bの交換時期のズレがより小さくなる。電源ユニット6a、6bの使用開始の時期が異なる場合には、夫々の交換サイクルの差がより小さくなる。
【0036】
このように、実施の形態2によれば、電源ユニット6aは、自電源ユニット6aによる出力電流を測定する出力電流測定部41をさらに備え、出力調整回路43は、自電源ユニット6aの温度検出値と自電源ユニット6aの出力電流測定値との合計値が他電源ユニット6bの温度検出値と他電源ユニット6bの出力電流測定値との合計値よりも大きい場合、自電源ユニット6aの内部電源の出力を小さくし、自電源ユニット6aの温度検出値と自電源ユニット6aの出力電流測定値との合計値が他電源ユニット6bの温度検出値と他電源ユニット6bの出力電流測定値との合計値よりも小さい場合、自電源ユニット6aの内部電源の出力を大きくする、ように構成したので、電源ユニット6a、6b間で出力を均等化する場合に比べて電源ユニット6a、6bの交換時期のズレを小さくすることができる。
【0037】
なお、実施の形態2の説明においては、出力調整回路35は、内部温度と出力電流との合計値を互いに比較するとして説明したが、内部温度の増減に応じて増減する要素を一部に含んでいれば、どのような値を比較のために用いる値として採用するようにしてもよい。比較のための値として内部温度の増減に応じて増減する要素を一部に含んでいれば、互いの内部温度の差が小さくなるように出力を調整することが可能になるからである。
【0038】
実施の形態3.
図6は、平滑コンデンサの劣化特性を示す図である。縦軸は平滑コンデンサの容量の低下率、横軸は運用が開始されてからの経過時間を示す。特性曲線101、102、103は、低温、中温、高温で運用された場合の劣化特性を夫々示す。図示するように、高い温度で使用されるほど容量が早く低下する傾向がある。容量が所定の値を下回ると、電源ユニットは使用不可(即ち故障)となる。実施の形態3においては、電源ユニットは、他の電源ユニットとの間の有寿命部品が寿命を迎えるまでの稼動時間の差が小さくなるように自電源装置の出力を調整する。ここでは、推定稼働可能時間の算出対象となる有寿命部品の一例として、AC/DC変換回路に内蔵される平滑コンデンサを取り上げる。
【0039】
図7は、実施の形態3の電源ユニットの構成図である。ここでは、実施の形態3の電源ユニットに7a、7bの符号を付して実施の形態1の電源ユニット3a、3bと区別する。また、実施の形態1と同等の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、電源ユニット7aおよび電源ユニット7bは、同一の構成を備えているので、代表として電源ユニット7aについて説明する。
【0040】
図7に示すように、電源ユニット7aは、フィルタ・整流回路30、スイッチング制御回路31、AC/DC変換回路51、二重化突合せ回路33、温度検出部34、調整用信号生成部52および出力調整回路35を備えている。
【0041】
図8は、AC/DC変換回路51の構成図である。図示するように、AC/DC変換回路51は、スイッチング制御回路31が生成した交流電源のエネルギーを取り込むトランス510を備えている。トランス510の一端と二重化突合せ回路33とを接続される高電位側の活線である負荷接続ライン512上に、整流のためのダイオード511が挿入されている。また、ダイオード511よりも二重化突合せ回路33側において、高電位側の負荷接続ライン512と、低電位側(シグナルグランド側)の活線である負荷接続ライン513との間には、3つの平滑コンデンサ514a〜514cが並列に接続されている。
【0042】
そして、平滑コンデンサ514aを負荷接続ライン512と負荷接続ライン513とを接続するラインの負荷接続ライン512側には、調整用信号生成部52からの診断制御信号に基づいてオン/オフされるスイッチング素子515aが挿入されている。また、平滑コンデンサ514aの両端には、当該平滑コンデンサ514aの診断を行うための放電用抵抗516aが接続される。また、平滑コンデンサ514aの近傍には、温度検出部34aが配設されており、温度検出部34aは、平滑コンデンサ514aの近傍の温度を検出する。
【0043】
同様に、平滑コンデンサ514bを負荷接続ライン512と負荷接続ライン513とを接続するラインの負荷接続ライン512側には、調整用信号生成部52からの診断制御信号に基づいてオン/オフされるスイッチング素子515bが挿入されている。また、平滑コンデンサ514bの両端には、当該平滑コンデンサ514bの蓄えた電荷を放電するための放電用抵抗516bが接続される。また、平滑コンデンサ514bの近傍には、温度検出部34bが配設されており、温度検出部34bは、平滑コンデンサ514bの近傍の温度を検出する。
【0044】
なお、温度検出部34a、34bは、図7の温度検出部34に対応する。
【0045】
通常時においては、スイッチング素子515a、515bはともにオン状態の状態が維持され、高電位側の負荷接続ライン512(Vcc)と低電位側の負荷接続ライン513(0V)との間に、平滑コンデンサ514a〜514cが電気的に接続された状態となる。即ち、平滑コンデンサ514a〜514cは、ともに、AC/DC変換回路51の平滑機能を実現する。
【0046】
診断時においては、調整用信号生成部52からの診断制御信号によりスイッチング素子515a、515bがオンからオフに順次切り替えられ、平滑コンデンサ514a、514bは負荷接続ライン512から電気的に順次切り離される。スイッチング素子515a、515bがオフになると、平滑コンデンサ514a、514bに蓄積されていた電荷が放電用抵抗516a、516bを通じて放電される。なお、調整用信号生成部52は、スイッチング素子514aをオフする制御信号を出力するとき、スイッチング素子514bをオフする制御信号を出力することはない。即ち、平滑コンデンサ515aと平滑コンデンサ515bの双方が同時に負荷接続ラインから電気的に切り離されることはない。これにより、電源ユニット7aの稼動中に平滑コンデンサ515aおよび平滑コンデンサ515bの診断を行うことが可能となっている。
【0047】
ここで、スイッチング素子515aの導通時の抵抗を“0Ω”と見なし、平滑コンデンサ514aの電圧がVcc(活線電圧)からVref(例えば0〜Vccまでの間の所定の規定電圧)まで低下する時間を放電基準時間T1とすると、この放電基準時間T1は次式で表すことができる。
【0048】
T1=C1・R1・ln(Vcc/Vref) …(1)
C1:平滑コンデンサ514aの容量値
R1:放電用抵抗516aの抵抗値
【0049】
調整用信号生成部52は、放電が開始され平滑コンデンサ514aの電圧がVccからVrefになるまでの時間T2を計測し、計測した時間T2と温度検出部34aからの温度情報とに基づいて平滑コンデンサ514aが使用不可となるまでの稼働可能時間(稼働可能時間推定値)を算出する。なお、調整用信号生成部52は、稼働可能時間推定値を、例えば、温度、経過時間、および放電時間の3つの要素間の関係が保持された参照テーブルを用いることにより、算出することが可能である。
【0050】
また、調整用信号生成部52は、平滑コンデンサ514aの場合と同様に、平滑コンデンサ514bについても時間T2を計測し、計測した時間T2と温度検出部34bからの温度情報とに基づいて稼動可能時間推定値を算出する。調整用信号生成部52は、算出した2つの稼働可能時間推定値のうちの小さいほうの値を調整用信号22aとして出力する。なお、調整用信号生成部52は、算出した2つの稼働可能時間推定値の平均値など、当該2つの稼働可能時間推定値に対して所定の演算を行って得られる値を調整用信号22aとするようにしてもよい。
【0051】
出力調整回路35は、調整用信号22a、22bとして入力される自電源ユニット7aにかかる稼働可能時間推定値と他電源ユニット7bにかかる稼働可能時間推定値とを比較して、自電源ユニット7aにかかる稼働可能時間推定値が他電源ユニット7bにかかる稼働可能時間推定値よりも小さい場合には、自電源ユニット7aの出力電力を減少せしめ、自電源ユニット7aにかかる稼働可能時間推定値が他電源ユニット7bにかかる稼働可能時間推定値よりも大きい場合には、自電源ユニット7aの出力電力を増加せしめる。
【0052】
図9は、実施の形態3の電源ユニット7aの動作を説明するフローチャートである。図示するように、まず、調整用信号生成部52は、平滑コンデンサ514a、514bの夫々について、放電にかかる時間T2の計測を実行する(ステップS21)。具体的には、調整用信号生成部52は、診断制御信号を操作して、計測完了までに十分な時間だけスイッチング素子515aをオフし、平滑コンデンサ514aの電圧がVrefになるまでの時間T2を計測する。そして、調整用信号生成部52は、平滑コンデンサ514aにかかる時間T2を計測後、スイッチング素子515aをオンするとともにスイッチング素子515bをオフし、平滑コンデンサ514aの電圧がVrefになるまでの時間T2を計測する。そして、調整用信号生成部52は、平滑コンデンサ514bにかかる時間T2を計測後、スイッチング素子515bをオンする。
【0053】
そして、調整用信号生成部52は、温度検出部34a、34bから温度情報を夫々取り込む(ステップS22)。そして、調整用信号生成部52は、時間T2の計測値と温度情報とに基づいて平滑コンデンサ514a、514bの夫々について稼働可能時間推定値を算出し、算出した2つの稼動可能時間推定値のうちの小さい方を調整用信号22aとして出力する(ステップS23)。
【0054】
すると、出力調整回路35は、調整用信号22a、22bを夫々取り込んで(ステップS24)、自電源ユニット7aの稼働可能時間推定値が他電源ユニット7bの稼働可能時間推定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS25)。自電源ユニット7aの稼働可能時間推定値が他電源ユニット7bの稼働可能時間推定値よりも大きい場合には(ステップS25、Yes)、出力調整回路35は、自電源ユニット7aの出力電力を増加せしめる(ステップS26)。一方、自電源ユニット7aの稼働可能時間推定値が他電源ユニット7bの稼働可能時間推定値よりも小さい場合には(ステップS25、No)、出力調整回路35は、自電源ユニット7aの出力電力を低減せしめる(ステップS27)。ステップS26またはステップS27の処理の後、ステップS21の処理に移行する。
【0055】
なお、以上の説明においては、時間T2の計測値と温度情報とに基づいて算出した稼働可能時間推定値を調整用信号22a、22bとするように説明したが、稼働可能時間推定値ではなく、平滑コンデンサ514a、514bの劣化を示す情報(劣化状態情報)であればどのような情報であっても調整用信号22a、22bとして採用することが可能である。出力調整回路35は、劣化を示す情報に基づいて、自他の電源ユニット7a、7bの有寿命部品が使用不可となる時期を近づけるように出力を調整するようにするとよい。例えば時間T2の計測値(即ち平滑コンデンサ514a、514bにかかる時間T2の計測値の最小値または平均値)を調整用信号22a、22bとすると、自電源ユニット7aにかかる時間T2の計測値が他の電源ユニット7bよりも小さい場合には自電源ユニット7aの出力調整回路35は自電源ユニット7aの出力を小さくし、時間T2の計測値が他の電源ユニット7aよりも大きい場合には出力を大きくするようにしてよい。また、容量C1の計測値(即ち平滑コンデンサ514a、514bにかかる容量C1の計測値の最小値または平均値)を調整用信号22a、22bとすると、容量C1が他の電源ユニット7bよりも小さい場合には自電源ユニット7aの出力調整回路35は自電源ユニット7aの出力を小さくし、容量C1が他の電源ユニット7bよりも大きい場合には自電源ユニット7aの出力調整回路35は自電源ユニット7aの出力を大きくするようにするとよい。また、平滑コンデンサ514a、514bの劣化を示す情報を、時間T2の計測値ではなく、温度情報から求めるようにしてもよい。例えば、平滑コンデンサ514a、514bの劣化を示す情報として、温度検出部34a、34bが検出した温度情報を経過時間で積算した値を採用することができる。
【0056】
また、電源ユニット7aは、平滑コンデンサ514a、514bの稼働可能時間推定値の比較に基づいて出力を調整するものとして説明したが、電源ユニット7aは、他の構成要素に含まれる有寿命部品(例えばフィルタ・整流回路30が具備する平滑コンデンサ)や二重化突合せ回路33の稼働可能時間推定値の比較に基づいて出力を調整するようにしてもよいし、複数の有寿命部品の稼働可能時間推定値に基づいて出力を調整するようにしてもよい。
【0057】
また、ここでは、電源ユニット7aは2つの温度検出部34a、34bを備え、夫々平滑コンデンサ514a、514bの近傍の温度を検出するとして説明したが、電源ユニット7aが備える温度検出部の数はこれに限定されない。温度検出値と平滑コンデンサ514a、514bの近傍の温度との間に相関関係が存在すれば、この相関関係を利用して温度検出値を補正することによって平滑コンデンサ514a、514bの温度を算出することが可能だからである。
【0058】
このように、実施の形態3によれば、電源ユニット7aは、自電源ユニット7aが具備する有寿命部品の劣化状態情報を算出する劣化状態算出部としての調整用信号生成部52と、自他の電源ユニット7a、7bにかかる劣化状態情報に基づいて、前記有寿命部品が使用不可となる時期をより近づけるように自電源ユニット7aの内部電源の出力を調整する出力調整回路35と、を備えるように構成したので、自他の電源ユニット7a、7bの出力を均等化する場合に比べて自他の電源ユニット7a、7bの交換時期のズレを小さくすることができるようになる。
【0059】
電源ユニット7aは、自電源ユニット7aの内部温度を検出する温度検出部34a、34bをさらに備え、調整用信号生成部52は、温度検出値に基づいて前記有寿命部品の稼働可能時間を推定し、出力調整回路35は、自電源ユニット7aの有寿命部品の稼動可能時間の推定値が他電源ユニット7bの有寿命部品の稼動可能時間の推定値よりも大きい場合、自電源ユニット7aの内部電源の出力を大きくし、自電源ユニット7aの有寿命部品の稼動可能時間の推定値が他電源ユニット7bの有寿命部品の稼動可能時間の推定値よりも小さい場合、自電源ユニット7aの内部電源の出力を小さくする、ように構成したので、自他の電源ユニット7a、7bの交換時期を等しくすることができるようになる。
【0060】
実施の形態4.
実施の形態3によれば、新品の状態から同時に運用が開始された2つの電源ユニットのうちの1つが故障して、故障した電源ユニットのみを交換すると、交換されていない電源ユニットの劣化状態と新しい電源ユニットの劣化状態との間に大きな差ができ、結果として、新しい電源ユニットのみに負荷が集中する事態となる。実施の形態4によれば、二重化されている2つの電源ユニットの劣化状態に大きな開きがある場合には、温度差が小さくなるように夫々出力を調整し、2つの電源ユニットの劣化状態の差が許容範囲にある場合には、有寿命部品が寿命を迎えるまでの稼動時間の差が小さくなるように夫々出力を調整する。
【0061】
図10は、実施の形態4の電源ユニットの構成図である。ここでは、実施の形態4の電源ユニットに8a、8bの符号を付して実施の形態1の電源ユニット3a、3bと区別する。また、実施の形態1〜3と同等の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、電源ユニット8aおよび電源ユニット8bは、同一の構成を備えているので、代表として電源ユニット8aについて説明する。
【0062】
図10に示すように、電源ユニット8aは、フィルタ・整流回路30、スイッチング制御回路31、AC/DC変換回路51、二重化突合せ回路33、温度検出部34、調整用信号生成部52および出力調整回路61を備えている。
【0063】
温度検出部34による温度情報は、調整用信号生成部52に入力されるとともに、調整用信号23aとして自電源ユニット8aの出力調整回路61および他電源ユニット8bに入力される。なお、温度検出部34は、温度検出部34aおよび温度検出部34bにより構成される。調整用信号生成部52には、温度検出部34aおよび温度検出部34bの夫々による温度検出値が夫々温度情報として入力される。そして、2つの温度検出値のうちの大きい方が調整用信号23aとして出力される。なお、温度検出部34は、2つの温度検出値の平均値など、2つの温度検出値に対して所定の演算を行って得られる値を調整用信号23aとして出力するようにしてもよい。
【0064】
調整用信号生成部52は、AC/DC変換回路51が具備する平滑コンデンサ514a、514bの稼働可能時間推定値を算出し、算出した稼働可能時間推定値に基づいて調整用信号22aを生成する。ここでは、調整用信号生成部52は、実施の形態3と同様に、平滑コンデンサ514aにかかる稼動可能時間推定値と平滑コンデンサ514bにかかる稼動可能時間推定値とのうちの小さい方を調整用信号22aとして出力するものとする。
【0065】
なお、他電源ユニット8bが具備する温度検出部34が出力した温度情報は、調整用信号23bとして電源ユニット8aに入力される。また、他電源ユニット8bが具備する調整用信号生成部52が出力した調整用信号22bも電源ユニット8aに入力される。
【0066】
出力調整回路61は、調整用信号22a、22b、23a、23bが入力される。そして、稼動可能時間推定値にかかる調整用信号(調整用信号22a、調整用信号23a)の比較に基づいて、温度差を小さくするように出力を調整するか、稼働可能時間推定値の差を小さくするように出力を調整するかを決定する。そして、決定した調整方法に基づいて自電源ユニット8aの出力電力の調整を行う。
【0067】
図11は、実施の形態4の電源ユニット8aの動作を説明するフローチャートである。図示するように、まず、調整用信号生成部52は、平滑コンデンサ514a、514bの放電にかかる時間T2の計測を実行する(ステップS31)。そして、調整用信号生成部52は、温度検出部34a、34bから温度情報を取り込む(ステップS32)。そして、調整用信号生成部52は、時間T2の計測値と温度情報とに基づいて夫々稼働可能時間推定値を算出し、算出した2つの稼動可能時間推定値のうちの小さい方を調整用信号22aとして出力する(ステップS33)。
【0068】
すると、出力調整回路61は、調整用信号22a、22b、23a、23bを夫々取り込んで(ステップS34)、調整用信号22a、22bの比較に基づき、自電源ユニット8aの稼働可能時間推定値と他電源ユニット8bの稼働可能時間推定値との差分が所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS35)。
【0069】
自電源ユニット8aの稼働可能時間推定値と他電源ユニット8bの稼働可能時間推定値との差分が所定のしきい値よりも小さい場合(ステップS35、No)、出力調整回路61は、自電源ユニット8aの稼働可能時間推定値が他電源ユニット8bの稼働可能時間推定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS36)。自電源ユニット8aの稼働可能時間推定値が他電源ユニット8bの稼働可能時間推定値よりも大きい場合には(ステップS36、Yes)、出力調整回路61は、自電源ユニット8aの出力電力を増加せしめる(ステップS37)。一方、自電源ユニット8aの稼働可能時間推定値が他電源ユニット8bの稼働可能時間推定値よりも小さい場合には(ステップS36、No)、出力調整回路61は、自電源ユニット8aの出力電力を低減せしめる(ステップS38)。ステップS37またはステップS38の処理の後、ステップS31の処理に移行する。
【0070】
一方、自電源ユニット8aの稼働可能時間推定値と他電源ユニット8bの稼働可能時間推定値との差分が所定のしきい値よりも大きい場合(ステップS35、Yes)、出力調整回路61は、調整用信号23a、23bの比較に基づいて、自電源ユニット8aの内部温度が他電源ユニット8bの内部温度よりも高いか否かを判定する(ステップS39)。電源ユニット8aの内部温度が電源ユニット8bの内部温度よりも高い場合(ステップS39、Yes)、出力調整回路61は、ステップS38の処理を実行し、電源ユニット8aの内部温度が電源ユニット8bの内部温度よりも低い場合(ステップS39、No)、出力調整回路61は、ステップS37の処理を実行する。
【0071】
このように、実施の形態4によれば、出力調整回路61は、自他の電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値の差分と所定のしきい値とを比較して、前記差分が前記しきい値よりも大きい場合には、自他の電源ユニット8a、8bの温度検出値の差分がより小さくなるように自電源ユニット8aの出力を調整し、前記稼動可能時間の推定値の差分が前記しきい値よりも小さい場合には、前記有寿命部品が使用不可となる時期がより近くなるように自電源ユニット8aの出力を調整する、ように構成したので、稼動可能時間推定値に許容範囲を越える差が存在する場合には、電源ユニット8a、8bの交換サイクルの差を小さくすることができ、稼動可能時間推定値の差が許容範囲に収まる場合には、電源ユニット8a、8bの交換時期のズレを小さくすることができる。これにより、2つの電源ユニット8a、8bのうちの片方のみが新品に交換された場合に当該新品の電源ユニットに負荷が集中する事態を防止することが可能となる。
【0072】
なお、実施の形態1〜4の電源ユニットを構成する構成要素(出力調整回路、調整用信号生成部、温度検出部)の一部もしくは全部は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにより実現される。構成要素をソフトウェアで実現するとは、例えばマイコンで所定のプログラムを実行することにより対応する機能を実現することである。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明にかかる電源装置は、PLCに二重化して搭載される電源装置に適用して好適である。
【符号の説明】
【0074】
1 PLC
2 ベースユニット
3a、3b、6a、6b、7a、7b、8a、8b 電源ユニット
4 CPUユニット
5 一般ユニット
21 電源供給線
22a、22b、23a、23b 調整用信号
30 フィルタ・整流回路
31 スイッチング制御回路
32、51 AC/DC変換回路
33 二重化突合せ回路
34、34a、34b 温度検出部
35、61 出力調整回路
41 出力電流測定部
42、52 調整用信号生成部
101、102、103 特性曲線
510 トランス
511 ダイオード
512 負荷接続ライン
513 負荷接続ライン
514a、514b、514c 平滑コンデンサ
515a、515b スイッチング素子
516a、516b 放電用抵抗
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】

【手続補正書】
【提出日】20120702
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載され、交流の商用電源から前記PLCの内部電源を夫々生成して出力する電源装置であって、自電源装置の内部温度を検出する温度検出部と、自電源装置による内部電源の出力電流を測定する出力電流測定部と、自電源装置の温度検出部による温度検出値および自電源装置の出力電流測定部による出力電流測定値に基づく値と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置温度検出部による温度検出値および当該他電源装置の出力電流測定部による出力電流測定値に基づく値と、の差分がより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する出力調整回路と、を備えることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載され、交流の商用電源から前記PLCの内部電源を夫々生成して出力する電源装置であって、
自電源装置の内部温度を検出する温度検出部と、
自電源装置による内部電源の出力電流を測定する出力電流測定部と、
自電源装置の温度検出部による温度検出値および自電源装置の出力電流測定部による出力電流測定値に基づく値と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置温度検出部による温度検出値および当該他電源装置の出力電流測定部による出力電流測定値に基づく値と、の差分がより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する出力調整回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
記出力調整回路は、自電源装置の温度検出値と自電源装置の出力電流測定値との合計値が他電源装置の温度検出値と他電源装置の出力電流測定値との合計値よりも大きい場合、自電源装置の内部電源の出力を小さくし、自電源装置の温度検出値と自電源装置の出力電流測定値との合計値が他電源装置の温度検出値と他電源装置の出力電流測定値との合計値よりも小さい場合、自電源装置の内部電源の出力を大きくする、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
プログラマブルコントローラ(PLC)に二重化して搭載され、交流の商用電源から前記PLCの内部電源を夫々生成して出力する電源装置であって、
自電源装置が具備する有寿命部品の劣化の程度を表す劣化状態情報を算出する劣化状態算出部と、
自電源装置の劣化状態算出部が算出した劣化状態情報と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置の劣化状態算出部が算出した劣化状態情報と、に基づいて、自電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期と前記他電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期とのズレがより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する出力調整回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
前記劣化状態情報は、前記有寿命部品の稼動可能時間の推定値であり、
自電源装置の内部温度を検出する温度検出部をさらに備え、
前記劣化状態算出部は、前記温度検出部による温度検出値に基づいて前記有寿命部品の稼働可能時間を推定し、
前記出力調整回路は、自電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値が他電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値よりも大きい場合、自電源装置の内部電源の出力を大きくし、自電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値が他電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値よりも小さい場合、自電源装置の内部電源の出力を小さくする、
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記出力調整回路は、自他の電源装置の有寿命部品の稼動可能時間の推定値の差分と所定のしきい値とを比較して、前記差分が前記しきい値よりも大きい場合には、自電源装置の温度検出部による温度検出値と、自電源装置と同一のPLCに装着される他電源装置が具備する温度検出部による温度検出値と、の差分がより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整し、前記稼動可能時間の推定値の差分が前記しきい値よりも小さい場合には、自電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期と前記他電源装置が備える前記有寿命部品が使用不可となる時期とのズレがより小さくなるように自電源装置の内部電源の出力を調整する、
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記有寿命部品は、平滑コンデンサであり、
前記劣化状態算出部は、前記平滑コンデンサの放電時間を計測し、前記放電時間の計測値と前記温度検出部による温度検出値とに基づいて前記平滑コンデンサの稼働可能時間を推定する、
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の電源装置。
【国際調査報告】