(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013098996
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150430
(54)【発明の名称】車両の運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/09 20120101AFI20150403BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20150403BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20150403BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20150403BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20150403BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20150403BHJP
   B62D 111/00 20060101ALN20150403BHJP
   B62D 113/00 20060101ALN20150403BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20150403BHJP
   B62D 137/00 20060101ALN20150403BHJP
【FI】
   !B60W30/09
   !B60T7/12 C
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   !B62D137:00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】2013551132
(21)【国際出願番号】JP2011080410
(22)【国際出願日】20111228
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100143797
【弁理士】
【氏名又は名称】宮下 文徳
(72)【発明者】
【氏名】秋山 知範
【住所又は居所】日本国愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【テーマコード(参考)】
3D232
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【Fターム(参考)】
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5H181LL01
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5H181LL09
(57)【要約】
本発明は、自車両の進路上に立体物が存在する場合に自車両の進路を変更させる車両の運転支援装置において、自車両の後側方を走行する後続車両を検出する装置に依存することなく、自車両の進路変更によって自車両が後続車両の進路上に進入する事態を回避することができる技術の提供を課題とする。この課題を解決するために、本発明は、自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出されない場合は、自車両の進路変更を禁止するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の進路上に立体物が存在する場合に、自車両の進路を変更させる車両の運転支援装置において、
車線の境界を示す道路上の区画線を検出する検出手段と、
自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出されない場合は、自車両の進路変更を禁止する禁止手段と、
を備える車両の運転支援装置。
【請求項2】
請求項1において、前記禁止手段により自車両の進路変更が禁止された場合に、自車両を減速させる減速手段を更に備える車両の運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出された場合は、自車両が車線の境界から逸脱しないように、自車両の進路を変更させる変更手段を更に備える車両の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の進路上に存在する障害物を回避するための運転支援を実施する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両が障害物と接触することなく減速を完了することができないと判定された場合に、自車両の進路を変更させる技術が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。このような技術によれば、自車両と障害物の接触を回避することができるが、自車両の後側方(斜め後)に後続車両が存在する場合は自車両の進路変更によって自車両が後続車両の進路上に進入する可能性がある。
【0003】
これに対し、自車両と先行車両との接触を回避するために、自車両の走行車線を変更させる操舵制御装置において、変更先の車線を走行している後続車両が検出され、且つ該後続車両と自車両が接触する可能性がある場合は、走行車線の変更を禁止する技術も提案されている(たとえば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−247023号公報
【特許文献2】特開2009−280015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した特許文献2に記載された技術によれば、自車両の後側方に存在する後続車両を検出するための装置が必要となるため、部品点数の増加や製造コストの増加を招くという問題がある。
【0006】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自車両の進路上に存在する立体物と自車両の接触を回避するために、自車両の進路を変更させる運転支援装置において、自車両の後側方に存在する後続車両を検出する装置に依存することなく、自車両の進路変更によって自車両が後続車両の進路上に進入する事態を回避することができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するために、自車両の進路上に存在する立体物と自車両との接触を回避するために自車両の進路を変更させる運転支援装置において、自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在しない場合は、自車両の進路変更を禁止するようにした。
【0008】
詳細には、本発明に係わる車両の運転支援装置は、
自車両の進路上に立体物が存在する場合に、自車両の進路を変更させる車両の運転支援装置において、
車線の境界を示す道路上の区画線を検出する検出手段と、
自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出されない場合は、自車両の進路変更を禁止する禁止手段と、
を備えるようにした。
【0009】
自車両の進路上に存在する立体物と自車両との間の道路上に車線の境界を示す区画線(たとえば、白線や黄色線など)が存在しない場合は、立体物は、自車両の走行車線に存在する可能性がある。そのため、自車両と立体物の接触を回避するために、自車両の進路変更が為されると、自車両が走行車線から逸脱するとともに他の車線へ進入する可能性がある。他の車線に走行車両が存在する場合、特に自車両の後側方(斜め後ろ)において後続車両が他の車線を走行している場合に、自車両が他の車線へ進入させられると、自車両と後続車両の接触を招く可能性がある。
【0010】
これに対し、本発明に係わる車両の運転支援装置は、自車両の進路上に存在する立体物と自車両との間の道路上に、車線の境界を示す区画線が検出されない場合(立体物が自車両の走行車線に存在する可能性がある場合)は、自車両の進路変更を禁止する。その場合、自車両が走行車線を逸脱して他の車線へ進入すること(所謂、車線変更)が禁止される。その結果、自車両の進路変更によって自車両が後続車両の進路上に進入する事態を回避することができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、自車両の後側方に存在する後続車両を検出するための装置に依存することなく、自車両の進路変更に起因する後続車両と自車両の接触を回避することができる。
【0012】
本発明に係わる車両の運転支援装置は、禁止手段により自車両の進路変更が禁止された場合に、自車両を減速させる減速手段を更に備えるようにしてもよい。このような構成によれば、自車両の進路変更が禁止された場合に、自車両を減速させることにより立体物との接触を防止、若しくは自車両と立体物が接触した場合の衝撃を緩和することができる。
【0013】
ここで、減速手段が自車両を減速させる方法としては、たとえば、車輪の回転エネルギを熱エネルギに変換するための摩擦ブレーキを作動させる方法、車輪の回転エネルギを電気エネルギに変換(回生)させる方法、或いは変速機の変速比を変更させることによりエンジンブレーキを増大させる方法、等を用いることができる。
【0014】
また、本発明に係わる車両の運転支援装置は、自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出された場合は、自車両が車線の境界から逸脱しないように、自車両の進路を変更させる変更手段を更に備えてもよい。
【0015】
自車両の進路上に存在する立体物と自車両との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出された場合は、立体物は、自車両の走行車線外に存在することになる。そのような場合に、自車両が車線の境界から逸脱しないように進路変更が為されると、自車両が走行車線内に留まるため、他の車線を走行する後続車両の進路上に自車両が進入する事態を回避しつつ、立体物との接触も回避することができる。
【0016】
ここで、変更手段が自車両の進路を変更させる方法としては、車輪の舵角を変更する方法、自車両の前後左右の車輪に相異する制動力を作用させる方法(たとえば、前後左右の車輪のそれぞれに取り付けられた摩擦ブレーキに対して相異する作動油圧(ブレーキ油圧)を印加させる方法)、等を用いることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、自車両の進路上に存在する立体物と自車両の接触を回避するために、自車両の進路を変更させる運転支援装置において、自車両の後側方に存在する後続車両を検出する装置に依存することなく、自車両の進路変更によって自車両が後続車両の進路上に進入する事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係わる車両の運転支援システムの構成を示す図である。
【図2】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在しない第1の例を示す図である。
【図3】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在しない第2の例を示す図である。
【図4】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在しない場合に進路変更を伴う運転支援が実施される第1の例を示す図である。
【図5】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在しない場合に進路変更を伴う運転支援が実施される第2の例を示す図である。
【図6】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在する第1の例を示す図である。
【図7】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在する第2の例を示す図である。
【図8】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在する場合に進路変更を伴う運転支援が実施される第1の例を示す図である。
【図9】自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在する場合に進路変更を伴う運転支援が実施される第2の例を示す図である。
【図10】ECUが運転支援を実施する際に実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。ここでは、自車両の走路や障害物を判定し、判定された走路からの逸脱や障害物との接触を回避するための支援を行うシステムに本発明を適用する例について説明する。なお、ここでいう「支援」は、自車両が障害物たる立体物を回避可能なタイミングで実行される処理であり、車両と障害物との接触が不可避な場合に実行される接触被害軽減処理より早い時期に実行される。また、以下の実施例において説明する構成は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。
【0020】
図1は、本発明を適用する車両の運転支援システムの構成を機能別に示すブロック図である。図1に示すように、車両には、運転支援用の制御ユニット(ECU)1が搭載されている。ECU1は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/Oインターフェイスなどを備えた電子制御ユニットである。ECU1には、外界認識装置2、ヨーレートセンサ3、車輪速センサ4、加速度センサ5、ブレーキセンサ6、アクセルセンサ7、舵角センサ8、操舵トルクセンサ9などの各種センサが電気的に接続され、それらセンサの出力信号がECU1へ入力されるようになっている。
【0021】
外界認識装置2は、LIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)、LRF(Laser Range Finder)、ミリ波レーダ、ステレオカメラなどの測定装置のうち、少なくともステレオカメラを含み、車両の前方に存在する立体物と自車両との相対位置に関する情報(たとえば、相対距離や相対角度)や、車両前方の道路上に存在する道路標示の画像情報などを出力する。
【0022】
ヨーレートセンサ3は、たとえば、自車両の車体に取り付けられ、自車両に作用しているヨーレートと相関する電気信号を出力する。車輪速センサ4は、自車両の車輪に取り付けられ、車両の走行速度(車速)に相関する電気信号を出力するセンサである。加速度センサ5は、自車両の前後方向に作用している加速度(前後加速度)、並びに自車両の左右方向に作用している加速度(横加速度)に相関する電気信号を出力する。
【0023】
ブレーキセンサ6は、たとえば、車室内のブレーキペダルに取り付けられ、ブレーキペダルの操作トルク(踏力)に相関する電気信号を出力する。アクセルセンサ7は、たとえば、車室内のアクセルペダルに取り付けられ、アクセルペダルの操作トルク(踏力)に相関する電気信号を出力する。舵角センサ8は、たとえば、車室内のステアリングホイールに接続されたステアリングロッドに取り付けられ、ステアリングホイールの中立位置からの回転角度(操舵角)に相関する電気信号を出力する。操舵トルクセンサ9は、ステアリングロッドに取り付けられ、ステアリングホイールに入力されるトルク(操舵トルク)に相関する電気信号を出力する。
【0024】
また、ECU1には、ブザー10、表示装置11、電動パワーステアリング(EPS)12、電子制御式ブレーキ(ECB)13などの各種機器が接続され、それら各種機器がECU1によって電気的に制御されるようになっている。
【0025】
ブザー10は、たとえば、車室内に取り付けられ、警告音などを出力する装置である。表示装置11は、たとえば、車室内に取り付けられ、各種メッセージや警告灯を表示する装置である。電動パワーステアリング(EPS)12は、電動モータが発生するトルクを利用して、ステアリングホイールの操舵トルクを助勢する装置である。電子制御式ブレーキ(ECB)13は、各車輪に設けられた摩擦ブレーキの作動油圧(ブレーキ油圧)を電気的に調整する装置である。
【0026】
ECU1は、上記した各種センサの出力信号を利用して各種機器を制御するために、以下のような機能を有している。すなわち、ECU1は、走路認識部100、進路予測部101、支援判定部102、警報判定部103、制御判定部104、及び制御量演算部105を備えている。
【0027】
走路認識部100は、前記外界認識装置2から出力される情報に基づいて、自車両がこれから走行する道路(走路)に関する情報を生成する。たとえば、走路認識部100は、自車両を原点とする座標系において、自車両の障害物となり得る立体物や、自車両が走行している車線の境界を示す区画線(たとえば、白線や黄色線など)の位置や、それら立体物や区画線に対する自車両の姿勢(距離やヨー角など)に関する情報を生成する。ここでいう「立体物」は、静止物に限られず、移動体であってもよい。なお、走路認識部100は、本発明に係わる検出手段に相当する。
【0028】
進路予測部101は、前記走路認識部100により生成された座標系において、自車両がこれから通ると予測される経路(進路)を特定する。具体的には、進路予測部101は、加速度センサ5の出力信号から自車両の現在の横加速度を取得し、自車両が現在の横加速度を維持したまま走行した場合に通ると予測される進路を特定する。
【0029】
支援判定部102は、走路認識部100により生成された情報と進路予測部101により予測された進路とに基づいて、運転支援を実施するか否かを判別する。具体的には、支援判定部102は、自車両の進路上に障害物になり得る立体物が存在する場合に、運転支援の実施を許可する。
【0030】
警報判定部103は、前記支援判定部102により運転支援の実施が許可された場合に、ブザー10の鳴動や、表示装置11による警告メッセージ若しくは警告灯の表示などを行うことにより、運転者に警告を促す。
【0031】
たとえば、警報判定部103は、前記支援判定部102により運転支援の実施が許可されたときに直ちにブザー10を鳴動させ、又は表示装置11に警告メッセージ若しくは警告灯を表示させてもよい。
【0032】
警報判定部103は、自車両と立体物との距離が所定距離以下になった時点でブザー10を鳴動させ、又は表示装置11に警告メッセージ若しくは警告灯を表示させてもよい。
【0033】
警報判定部103は、自車両が立体物に到達するまでの時間を演算し、その演算結果が所定時間以下となった時点でブザー10を鳴動させ、又は表示装置11に警告メッセージ若しくは警告灯を表示させるようにしてもよい。
【0034】
前記した所定距離や所定時間は、ヨーレートセンサ3の出力信号や車輪速センサ4の出力信号に応じて変更されてもよい。たとえば、車速が高いときは低いときに比べ、所定距離や所定時間が長く設定されてもよい。また、ヨーレートが大きいときは小さいときに比べ、所定距離や所定時間が長く設定されてもよい。
【0035】
なお、運転者に対する警告の方法は、ブザー10を鳴動させる方法や、表示装置11に警告メッセージ若しくは警告灯を表示させる方法に限られず、たとえば、シートベルトの締め付けトルクを断続的に変化させる方法を採用してもよい。
【0036】
制御判定部104は、前記支援判定部102により運転支援の実行が許可された場合に、自車両と立体物との接触を回避するために、電動パワーステアリング(EPS)12や電子制御式ブレーキ(ECB)13を作動させるタイミングを決定する。
【0037】
具体的には、制御判定部104は、自車両と立体物との距離が所定距離以下になった時点で電動パワーステアリング(EPS)12や電子制御式ブレーキ(ECB)13を作動させてもよい。また、制御判定部104は、自車両が立体物に到達する時間を演算し、その演算結果が所定時間以下となった時点で電動パワーステアリング(EPS)12や電子制御式ブレーキ(ECB)13を作動させてもよい。
【0038】
制御判定部104が使用する所定距離や所定時間は、前記警報判定部103が使用する所定距離や所定時間と同様に車速やヨーレートに応じて変更されてもよいが、前記警報判定部103が使用する所定距離や所定時間と同等以下に設定されるものとする。
【0039】
制御量演算部105は、前記制御判定部104により電動パワーステアリング(EPS)12や電子制御式ブレーキ(ECB)13の作動タイミングが決定されたときに、電動パワーステアリング(EPS)12や電子制御式ブレーキ(ECB)13の制御量を演算するとともに、算出された制御量と前記制御判定部104により判定されたタイミングに応じて電動パワーステアリング(EPS)12や電子制御式ブレーキ(ECB)13を作動させる。
【0040】
たとえば、制御量演算部105は、自車両と立体物との接触を回避するために必要な目標ヨーレートを演算する。次いで、制御量演算部105は、自車両の実際のヨーレート(ヨーレートセンサ3の出力信号)が目標ヨーレートと一致するように、電動パワーステアリング(EPS)12の制御量(操舵トルク)と電子制御式ブレーキ(ECB)13の制御量(ブレーキ油圧)を決定する。その際、目標ヨーレートと操舵トルクとの関係、及び目標ヨーレートとブレーキ油圧との関係は、予めマップ化されていてもよい。
【0041】
なお、車両を減速させる方法は、電子制御式ブレーキ(ECB)13により摩擦ブレーキを作動させる方法に限られず、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換(回生)させる方法や、変速機の変速比を変更させてエンジンブレーキを増大させる方法を用いてもよい。また、車両のヨーレートを変更する方法は、電動パワーステアリング(EPS)12により舵角を変化させる方法に限られず、自車両の左右輪に対して異なるブレーキ油圧を印加する方法を用いてもよい。
【0042】
ところで、電動パワーステアリング(EPS)12を利用した運転支援が実施されると、自車両の進路が変更されることになる。その際、自車両の進路変更が車線変更を伴うものであると、変更先の車線を走行している後続車両の進路上に自車両が進入する可能性がある。
【0043】
たとえば、図2,3に示すように、自車両Aが第1車線DL1を走行し、後続車両Bが第1車線DL1に隣接する第2車線DL2において自車両Aの斜め後を走行している場合に、自車両Aの進路a上に障害物Cが検出されると、制御量演算部105は、自車両Aの進路を変更すべく、電動パワーステアリング(EPS)12及び電子制御式ブレーキ(ECB)13を制御する。
【0044】
その際、自車両Aの進路は、図4,5に示すように、第1車線DL1と第2車線DL2の境界を示す区画線CLを跨ぐ進路、言い換えると、車線変更を伴う進路a1に変更される可能性がある。このように図4,5に示すように自車両Aの進路が変更されると、変更後の進路a1が後続車両Bの進路bと交差する虞がある。すなわち、運転支援の実施により、自車両Aが後続車両Bの進路b上に進入する虞がある。
【0045】
そこで、制御量演算部105は、自車両Aと障害物Cとの間の道路上に車線DLの境界を示す区画線CLが検出されない場合は、自車両Aの進路変更を禁止しつつ、自車両Aと障害物Cの接触を回避可能な運転支援を実施するようにした。
【0046】
詳細には、制御量演算部105は、自車両Aが障害物Cより手前で停止するように、電子制御式ブレーキ(ECB)13を制御する。このような方法により運転支援が実施されると、自車両Aの走行車線DL1に障害物Cが存在する場合に、進路変更(車線変更)を伴う運転支援が実施されなくなる。その結果、運転支援の実施により自車両Aが後続車両Bの進路上に進入する事態を回避することができる。また、自車両Aの側方や後方に存在する後続車両を検出する装置は必要ないため、部品点数の増加や製造コストの増加を抑えることもできる。
【0047】
一方、図6,7に示すように、自車両Aと障害物Cとの間の道路上に車線DLの境界を示す区画線CLが存在する場合は、制御量演算部105は、自車両Aの進路変更を許容しつつ、自車両Aと障害物Cとの接触を回避可能な運転支援を実施する。つまり、制御量演算部105は、自車両Aと障害物Cとの接触を回避するために必要な目標ヨーレートを演算し、実際のヨーレートが目標ヨーレートと一致するように電動パワーステアリング(EPS)12及び電子制御式ブレーキ(ECB)13を制御する。
【0048】
自車両Aと障害物Cとの間の道路上に区画線CLが存在する場合は、自車両Aが走行している車線DLの外に障害物Cが存在し、且つ、自車両Aが走行車線DLから逸脱しようとしている状態にあるとみなすことができる。そのため、図8,9に示すように、自車両Aの進路が走行車線DLに沿って走行するような進路a1に変更されれば、他の車両との接触を回避しつつ障害物Cとの接触も回避することができる。
【0049】
そこで、制御量演算部105は、目標ヨーレートを演算する際に、自車両Aの実際の進路を前記進路a1に変更するために必要な目標ヨーレートを演算し、実際のヨーレートが目標ヨーレートと一致するように電動パワーステアリング(EPS)12及び電子制御式ブレーキ(ECB)13を制御するようにした。
【0050】
以下、本実施例における運転支援の実行手順について図10に沿って説明する。図10は、ECU1によって繰り返し実行される処理ルーチンであり、ECU1のROMなどに予め記憶されている。
【0051】
図10の処理ルーチンでは、ECU1は、先ずS101において、外界認識装置2の出力信号に基づいて、自車両がこれから走行する走路に関する情報(走路情報)を生成する。詳細には、ECU1は、自車両を原点とする座標系において、自車両の障害物となり得る立体物や、自車両が走行している車線の境界を示す区画線の位置や、それら立体物や区画線に対する自車両の姿勢に関する情報を生成する。
【0052】
S102では、ECU1は、前記S101において生成された座標系において、自車両がこれから通ると予測される経路(進路)を特定する。詳細には、ECU1は、加速度センサ5の出力信号から自車両の現在の横加速度を取得し、自車両が現在の横加速度を維持したまま走行した場合に通ると予測される進路を特定する。
【0053】
S103では、ECU1は、前記S101で生成された座標系と前記S102で予測された進路とに基づいて、自車両の進路上に障害物となる立体物が存在するか否かを判別する。S103において否定判定された場合は、ECU1は、運転支援を実施せずに本ルーチンの実行を終了する。一方、S103において肯定判定された場合は、ECU1は、S104へ進む。
【0054】
S104では、ECU1は、前記S101で生成された座標系において、自車両と障害物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が存在するか否かを判別する。S104において肯定判定された場合は、ECU1は、S105の処理を実行する。一方、S104において否定判定された場合は、ECU1は、S106の処理を実行する。
【0055】
S105では、ECU1は、自車両の進路変更を伴う運転支援の実施を許可する。その場合、ECU1は、先ずブザー10若しくは表示装置11を利用した運転支援を実施する。その後、運転者が障害物を回避するための運転操作を行わなければ、ECU1は、電動パワーステアリング(EPS)12と電子制御式ブレーキ(ECB)13の少なくとも一方を利用した運転支援を実施する。詳細には、ECU1は、自車両が前記区画線から逸脱することなく走行する際に必要な目標ヨーレートを演算し、実際のヨーレートが目標ヨーレートと一致するように電動パワーステアリング(EPS)12と電子制御式ブレーキ(ECB)13の少なくとも一方を制御する。
【0056】
このような方法により運転支援が実施されると、自車両が走行車線から逸脱することを防止しつつ、自車両と障害物との接触を回避することができる。その結果、他の車線を走行している後続車両の進路上に自車両が進入する事態を回避しつつ、障害物との接触も回避することができる。なお、ECU1がS105の処理を実行することにより、本発明に係わる変更手段が実現される。
【0057】
また、S106では、ECU1は、自車両の進路変更を伴う運転支援の実施を禁止する。すなわち、ECU1は、電動パワーステアリング(EPS)12を利用した運転支援を禁止する。その場合、ECU1は、先ずブザー10若しくは表示装置11を利用した運転支援を実施する。その後、運転者が障害物を回避するための運転操作を行わなければ、ECU1は、電子制御式ブレーキ(ECB)13のみを利用した運転支援を実施する。詳細には、ECU1は、自車両が障害物の手前で停止するために必要な減速加速度を演算し、その減速加速度を得るために必要な目標ブレーキ油圧を演算する。ECU1は、実際のブレーキ油圧が目標ブレーキ油圧と一致するように、電子制御式ブレーキ(ECB)13を制御する。
【0058】
このような方法により運転支援が実施されると、自車両の進路変更を禁止しつつ、自車両と障害物との接触を回避することができる。言い換えると、他の車線を走行する後続車両の進路上に自車両が進入する事態を回避しつつ、障害物との接触も回避することができる。その結果、運転支援の実施によって自車両と後続車両との接触が誘発される事態を回避することができる。また、自車両の側方や後方に存在する後続車両を検出する装置は必要ないため、部品点数の増加や製造コストの増加を抑えることもできる。なお、ECU1がS106の処理を実行することにより、本発明に係わる禁止手段及び減速手段が実現される。
【0059】
以上述べた実施例によれば、自車両の進路上に立体物が存在する場合に自車両の進路を変更させる車両の運転支援装置において、自車両の後側方を走行する後続車両を検出する装置に依存することなく、自車両の進路変更によって自車両が後続車両の進路上に進入する事態を回避することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 ECU
2 外界認識装置
3 ヨーレートセンサ
4 車輪速センサ
5 加速度センサ
6 ブレーキセンサ
7 アクセルセンサ
8 舵角センサ
9 操舵トルクセンサ
10 ブザー
11 表示装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】

【手続補正書】
【提出日】20140701
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の進路上に立体物が存在する場合に、自車両の進路を変更させる車両の運転支援装置において、
車線の境界を示す道路上の区画線を検出する検出手段と、
自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出された場合は自車両の進路変更を許容し、自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出されない場合は自車両の進路変更を禁止する禁止手段と、
を備える車両の運転支援装置。
【請求項2】
請求項1において、前記禁止手段により自車両の進路変更が禁止された場合に、自車両を減速させる減速手段を更に備える車両の運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、自車両と立体物との間の道路上に車線の境界を示す区画線が検出された場合は、自車両が車線の境界から逸脱しないように、自車両の進路を変更させる変更手段を更に備える車両の運転支援装置。
【国際調査報告】