(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013099178
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150430
(54)【発明の名称】ロードロック装置及びそれを備えた真空処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20150403BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20150403BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20150403BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20150403BHJP
   C23C 14/56 20060101ALI20150403BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20150403BHJP
【FI】
   !H01L21/68 A
   !H01L21/302 101G
   !H01L21/31 C
   !H01L21/205
   !C23C14/56 G
   !C23C16/44 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】2013551222
(21)【国際出願番号】JP2012008175
(22)【国際出願日】20121220
(31)【優先権主張番号】2011286512
(32)【優先日】20111227
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 直樹
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 重光
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 株式会社アルバック内
(72)【発明者】
【氏名】大空 弘樹
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 株式会社アルバック内
(72)【発明者】
【氏名】金子 俊則
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 株式会社アルバック内
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA09
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4K029DA02
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5F131JA09
5F131JA16
5F131JA34
5F131JA40
(57)【要約】
ロードロック装置(1)は、内部を真空排気可能に構成され、処理対象物(S)が収納されるロードロック室(4)と、ロードロック室(4)の内部に収納され、処理対処物(S)を支持する支持台(13)と、ロードロック室(4)に設けられ、真空状態にあるロードロック室(4)の内部にベントガスを供給して、大気圧状態に切り替えるスローベント手段(15)とを備える。スローベント手段(15)は、支持台(13)に対して左右対称に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を真空排気可能に構成され、処理対象物が収納されるロードロック室と、
前記ロードロック室の内部に収納され、前記処理対処物を支持する支持台と、
前記ロードロック室に設けられ、真空状態にある前記ロードロック室の内部にベントガスを供給して、大気圧状態に切り替えるスローベント手段と
を備えるロードロック装置において、
前記スローベント手段が、前記支持台に対して左右対称に配置されていることを特徴とするロードロック装置。
【請求項2】
前記スローベント手段は、前記ロードロック室に接続され、該ロードロック室の内部にベントガスを供給するスローベント管と、該スローベント管に設けられ、該スローベント管から前記ロードロック室へのベントガスの流入量を調節するスローベント弁とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロードロック装置。
【請求項3】
前記ロードロック室に形成され、該ロードロック室の内部のガスを該ロードロック室の外部へと排気するための排気口と、
前記排気口に接続された排気ポンプと
を更に備え、
前記排気口がメッシュ形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロードロック装置。
【請求項4】
前記支持台は、前記処理対象物を縦置きの状態で支持することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のロードロック装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の前記ロードロック装置と、
前記ロードロック室から搬入されてくる前記処理対象物に対して、真空雰囲気下で所定の処理を施す真空処理室と
を備えることを特徴とする真空処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードロック室内における処理対象物への異物(パーティクル)の付着を抑制することができるロードロック装置及びそれを備えた真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置用のガラス基板の製造プロセスや、半導体ウェハの製造プロセスにおいては、スパッタリング、エッチング、及びプラズマCVD等の真空処理が行なわれる。
【0003】
そして、このような真空処理を行う真空処理装置においては、真空処理を行う処理室にガラス基板等の処理対象物を搬入または搬出する際に、真空処理室の内部を、一旦、大気圧に戻してしまうと、真空処理室の内壁にガスが吸着する等の現象が生じる。従って、真空処理室の内部を、次の処理が開始可能な状態にするまでに、非常に長時間を要することになり、結果として、装置の処理能力が大幅に低下してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、このような不都合を回避すべく、ロードロック装置を設け、このロードロック装置の内部のみを大気圧に戻すことにより、ロードロック装置を介して、処理対象物を真空処理室に搬入及び搬出することが行われている。そして、このようなロードロック装置を設けて、真空処理室の内部を高真空にした状態で真空処理を行うことにより、装置の処理能力の低下を防止することが可能になる。
【0005】
ここで、ロードロック装置の内部においては、真空処理室内における反応生成物や処理対象物の搬送機構等からの発塵により、多数の異物が存在する。そして、ロードロック装置の真空排気やベントを行う際に、この異物が、急激な気体の流れによって、ロードロック装置の内部で舞い上がって、処理対象物に付着し、結果として、不良品が発生して、処理対象物の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、このような異物に起因する歩留まりの低下を抑制するためのロードロック装置が提案されている。より具体的には、例えば、ロードロック室内に導入されるベントガスを拡散させるガス拡散板を備えたロードロック装置が提案されている。そして、このようなガス拡散板を設けることにより、導入ガスの流速を低減して、異物の巻き上げを抑制することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、ウェハ支持部とロードロック排気口との間に、ウェハ支持部を包括するように配置され、多数の孔を有する干渉板を備えたロードロック装置が提案されている。そして、このような干渉板を設けることにより、ウェハ周辺部の気流の乱れを抑制して、ウェハ周辺において、ガスを等方的に排気することが可能になるため、異物の巻き上げを抑制することができると記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−124993号公報
【特許文献2】特開平6−318536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1,2に記載のロードロック装置においては、処理対象物上における気流を抑制することにより、異物の巻き上げを、ある程度は抑制することはできるものの、ロードロック装置の内部の全体におけるベントガスの気流の乱れに起因する異物の巻き上げを十分に抑制することが困難であった。従って、処理対象物における異物の付着を十分に抑制することができず、結果として、処理対象物の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
【0010】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制することができるロードロック装置及びそれを備えた真空処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のロードロック装置は、内部を真空排気可能に構成され、処理対象物が収納されるロードロック室と、ロードロック室の内部に収納され、処理対処物を支持する支持台と、ロードロック室に設けられ、真空状態にあるロードロック室の内部にベントガスを供給して、大気圧状態に切り替えるスローベント手段とを備え、スローベント手段が、支持台に対して左右対称に配置されていることを特徴とする。
【0012】
同構成によれば、ロードロック室のスローベントを行う際に、ロードロック室内の全体において、ベントガスの気流を一定方向(例えば、支持台に支持された処理対象物に対する上方から下方への方向)に生じさせることが可能になる。従って、ロードロック室の内部の全体におけるベントガスの気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になるため、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0013】
本発明のロードロック装置においては、スローベント手段は、ロードロック室に接続され、ロードロック室の内部にベントガスを供給するスローベント管と、スローベント管に設けられ、スローベント管からロードロック室へのベントガスの流入量を調節するスローベント弁とにより構成されていてもよい。
【0014】
本発明のロードロック装置においては、ロードロック室に形成され、ロードロック室の内部のガスをロードロック室の外部へと排気するための排気口と、排気口に接続された排気ポンプとを更に備え、排気口がメッシュ形状を有していてもよい。
【0015】
同構成によれば、ロードロック室から排気ポンプへの異物の侵入を防止することができるとともに、ロードロック室の真空排気を行う際に、ロードロック室の内部における排気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になる。従って、ロードロック室の真空排気を行う際に、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0016】
本発明のロードロック装置においては、支持台が、処理対象物を縦置きの状態で支持する構成としてもよい。
【0017】
同構成によれば、本ベント処理を行う前のスローベント処理の段階で、既に処理対象物に付着している異物を除去することが可能になるため、処理対象物への異物の付着をより一層効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物の歩留まりの低下をより一層抑制することが可能になる。
【0018】
また、本発明のロードロック装置は、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制して、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することができるという優れた特性を備えている。従って、本発明は、ロードロック装置と、ロードロック室から搬入されてくる処理対象物に対して、真空雰囲気下で所定の処理を施す真空処理室とを備える真空処理装置に好適に使用される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制して、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る真空処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る真空処理装置におけるロードロック装置を示す図である。
【図3】本発明の本実施形態に係る真空処理装置による処理対象物の処理フローを説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る真空処理装置におけるロードロック装置の真空排気口の形状を示す図である。
【図5】本発明の変形例に係るロードロック装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る真空処理装置の全体構成を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係る真空処理装置におけるロードロック装置を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の真空処理装置1は、真空処理室2とロードロック装置3と大気搬送室24とを備えている。
【0024】
真空処理室2は、例えば、液晶表示装置用のガラス基板等の処理対象物Sに対して、真空雰囲気下で所定の処理(例えば、スパッタリング、エッチング、及びプラズマCVD等)を施すためのものである。
【0025】
大気搬送室24は、未処理の処理対象物Sをロードロック装置3へ搬送するとともに、ロードロック装置3を介して、真空処理室2にて所定の処理が施された処理対象物Sが搬入されるものである。
【0026】
ロードロック装置3は、ロードロック装置3の内部を真空状態から大気圧に戻すことにより、ロードロック装置3を介して、真空処理室2により処理された処理対象物Sを真空処理室2から大気搬送室24へと搬出するとともに、ロードロック装置3の内部を大気圧から真空状態に戻すことにより、ロードロック装置3を介して、処理対象物Sを大気搬送室24から真空処理室2へと搬出するためのものである。
【0027】
このロードロック装置3は、図1、図2に示すように、内部を真空排気可能に構成され、処理対象物Sが収納されるロードロック室4と、ロードロック室4に接続され、ロードロック室4の内部にベントガスを供給するベントガス供給管7と、ベントガス供給管7に設けられ、ベントガス供給管7からロードロック室4へのベントガスの流入量を調節するベントバルブ8とを備えている。
【0028】
ロードロック室4は、例えば、アルミニウム等の材質により、容器状に形成されている。また、ベントガス供給管7は、ガス供給源(図示せず)に接続されている。
【0029】
また、ロードロック装置3は、ロードロック室4へのガス供給を徐々に行う(即ち、ロードロック室4へのガス供給量を徐々に変化させる)、いわゆる「スローベント」を行うためのスローベント手段15を備えている。このスローベント手段15は、ロードロック室4に設けられており、真空状態にあるロードロック室4の内部にベントガスを徐々に供給して、大気圧状態に切り替えるものである。
【0030】
また、スローベント手段15は、ベントガス供給管7及びロードロック室4に接続され、ロードロック室4の内部にベントガスを供給するスローベント管9と、スローベント管9に設けられ、スローベント管9からロードロック室4へのベントガスの流入量を調節するスローベント弁10とにより構成されている。
【0031】
また、ロードロック装置3は、ロードロック室4の内部のガスを排気することにより、ロードロック室4の内部の真空排気を行うための排気手段20を備えている。
【0032】
この排気手段20は、ロードロック室4に形成され、ロードロック室4の内部のガスをロードロック室4の外部へと排気するための排気口14と、排気口14に接続され、排気されたガスが供給される排気管34と、排気管34に設けられた排気弁5と、排気弁5を介して、排気管34及び排気口14に接続された排気ポンプ6により構成されている。
【0033】
そして、排気ポンプ6が駆動状態であって、排気弁5が開いている状態の時に、ロードロック室4の内部の真空排気が行われる構成となっている。
【0034】
また、ロードロック装置3は、ロードロック室4の内部に収納され、処理対象物Sを支持する支持台13を備えている。この支持台13は、図2に示すように、処理対象物Sを縦置き(垂直置き)の状態で支持するように構成されており、支持台13に設けられた支持片18により、処理対象物Sが略垂直に支持されるように構成されている。
【0035】
また、ロードロック装置3は、支持台13に取り付けられるとともに、処理対象物Sを搬送する(即ち、支持台13を搬送する)ための搬送手段30を備えている。
【0036】
また、図1に示すように、真空処理室2とロードロック装置3との間には、開閉可能なゲートバルブ21が設けられるととともに、ロードロック装置3と大気搬送室24との間には、開閉可能なゲートバルブ22が設けられている。
【0037】
そして、ゲートバルブ21が開いた状態において、上述の搬送手段30が、処理対象物Sを、真空処理室2とロードロック装置3との間で搬送する構成となっている。また、同様に、ゲートバルブ22が開いた状態において、上述の搬送手段30が、処理対象物Sを、ロードロック装置3と大気搬送室24との間で搬送する構成となっている。
【0038】
この際、本実施形態においては、図1、図2に示すように、処理対象物Sは、横置き(水平置き)ではなく、縦置き(垂直置き)の状態で搬送される構成となっている。即ち、真空処理装置1は、処理対象物Sを支持台13に設置した状態で、装置設置床に対して垂直に立てて搬送及び処理する装置である。
【0039】
また、搬送手段30としては、例えば、搬送コロが使用され、支持台13に支持された処理対象部Sが、搬送手段30により、図1に示す矢印Xの方向に搬送される構成となっている。なお、搬送手段30は、処理対象物Sを搬送できるものであれば、特に限定されず、搬送コロの代わりに、搬送ベルト等を使用する構成としても良い。
【0040】
次に、本実施形態における真空処理装置1による処理対象物の処理フローを説明する。まず、真空処理室2において、例えば、液晶表示装置用のガラス基板等の処理対象物Sに対して、真空雰囲気下で所定の処理(例えば、スパッタリング、エッチング、及びプラズマCVD等)が行われる(ステップS1)。
【0041】
次いで、ロードロック装置3のロードロック室4の内部を真空にした状態で、ゲートバルブ21を開き、支持台13に支持された真空処理後の処理対象物Sが、搬送手段30により、真空処理室2からロードロック装置3へと搬送されて、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入され、処理対象物Sが、ロードロック室4の内部にて、図1に示す位置に固定される(ステップS2)。なお、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入されると、ゲートバルブ21が閉じられる。
【0042】
次いで、ロードロック室4のベントを行う(ステップS3)。即ち、真空処理後の処理対象物Sが搬入されたロードロック室4は真空状態であるため、処理処理物Sを大気搬送室24へと搬送するために、ベントガスを使用して、ロードロック室4を大気圧までベントする。
【0043】
ロードロック室4のベントは、まず、スローベント弁10を開いて、ロードロック室4へのベントガスの流入量を調節しながら、スローベントを、所定時間(例えば、3〜5秒間)行う。次いで、ベントバルブ8を開いて、ロードロック室4の本ベントを行う。なお、ロードロック室4のベントを行う際には、排気弁5は閉じられた状態となっている。
【0044】
ここで、本実施形態においては、図1に示すように、ロードロック室4のスローベントを行うためのスローベント手段15が、支持台13(即ち、処理対象物S)に対して左右対称に配置されている点に特徴がある。
【0045】
そして、このような構成により、ロードロック室4のスローベントを行う際に、ロードロック室4内の全体において、ベントガスの気流を一定方向(即ち、処理対象物Sに対する上方から下方への方向であって、図1に示す矢印Yの方向)に生じさせることが可能になる。
【0046】
従って、ロードロック室4の内部の全体におけるベントガスの気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になるため、ロードロック室4内における処理対象物Sへの異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物Sの歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0047】
また、上述のごとく、本実施形態においては、支持台13により、処理対象物Sを縦置き(垂直置き)の状態で支持するため、図1に示すように、処理対象物Sの全体に対して、ベントガスの気流を当てることが可能になる。従って、本ベント処理を行う前のスローベント処理の段階で、既に処理対象物Sに付着している異物を除去することが可能になるため、処理対象物Sへの異物の付着をより一層効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物Sの歩留まりの低下をより一層抑制することが可能になる。
【0048】
次いで、ロードロック室4のベントが終了後、ゲートバルブ22が開き、支持台13に支持された真空処理後の処理対象物Sが、搬送手段30により、ロードロック室4から大気搬送室24へと搬送され、処理対象物Sが大気搬送室24の内部へと搬入される(ステップS4)。
【0049】
次いで、支持台13に支持された別の処理対象物Sが、搬送手段30により、大気搬送室24からロードロック室4へと搬送され、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入される(ステップS5)。なお、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入されると、ゲートバルブ22が閉じられる。
【0050】
次いで、ロードロック室4の真空排気を行う(ステップS6)。即ち、真空処理前の処理対象物Sが搬入されたロードロック室4は大気圧状態であるため、処理対象物Sを真空処理室2へと搬送する為に、ロードロック室4を真空排気する。
【0051】
より具体的には、まず、排気ポンプ6を駆動し、次いで、排気ポンプ6が駆動されている状態で、排気弁5を開き、排気口14を介して、ロードロック室4の真空排気を行う。
【0052】
ここで、本実施形態においては、図4に示すように、排気口14がメッシュ形状を有する点に特徴がある。
【0053】
従来のロードロック装置においては、ロードロック室の内部で発生した異物が排気ポンプへ侵入することを防止するために、真空排気口の上部に異物混入防止用のカバーを設けていた。しかし、このカバーを設けると、ロードロック室の真空排気を行う際に、排気流の乱れが生じて、ロードロック室の内部において、排気流の乱れに起因する異物の巻き上げが生じていた。
【0054】
一方、本実施形態においては、異物混入防止用のカバーを設ける代わりに、排気口14の形状をメッシュ形状にしているため、ロードロック室4から排気ポンプ6への異物の侵入を防止することができるとともに、ロードロック室4の真空排気を行う際に、ロードロック室4の内部における排気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になる。
【0055】
従って、ロードロック室4の真空排気を行う際に、ロードロック室4内における処理対象物Sへの異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物Sの歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0056】
次いで、ロードロック室4の真空排気が終了後、ゲートバルブ21が開き、支持台13に支持された真空処理前の処理対象物Sが、搬送手段30により、ロードロック室4から真空処理室2へと搬送され、処理対象物Sが真空処理室2の内部へと搬入される(ステップS7)。なお、処理対象物Sが真空処理室2の内部へと搬入されると、ゲートバルブ21が閉じられる。
【0057】
そして、上述のステップS1〜S7の処理が繰り返し行われ、複数の処理対象物Sの真空処理が行われる構成となっている。
【0058】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
【0059】
上述の実施形態においては、処理対象物Sを縦置き(垂直置き)の状態で搬送する構成としたが、図5に示すように、処理対象物Sを横置き(水平置き)の状態にして搬送する構成としてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の活用例としては、ロードロック装置を備える真空処理装置が挙げられる。
【符号の説明】
【0061】
1 真空処理装置
2 真空処理室
3 ロードロック装置
4 ロードロック室
5 排気弁
6 排気ポンプ
7 ベントガス供給管
8 ベントバルブ
9 スローベント管
10 スローベント弁
13 支持台
14 排気口
15 スローベント手段
18 支持片
20 排気手段
21 ゲートバルブ
22 ゲートバルブ
24 大気搬送室
30 搬送手段
34 排気管
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

【手続補正書】
【提出日】20140611
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードロック室内における処理対象物への異物(パーティクル)の付着を抑制することができるロードロック装置及びそれを備えた真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置用のガラス基板の製造プロセスや、半導体ウェハの製造プロセスにおいては、スパッタリング、エッチング、及びプラズマCVD等の真空処理が行なわれる。
【0003】
そして、このような真空処理を行う真空処理装置においては、真空処理を行う処理室にガラス基板等の処理対象物を搬入または搬出する際に、真空処理室の内部を、一旦、大気圧に戻してしまうと、真空処理室の内壁にガスが吸着する等の現象が生じる。従って、真空処理室の内部を、次の処理が開始可能な状態にするまでに、非常に長時間を要することになり、結果として、装置の処理能力が大幅に低下してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、このような不都合を回避すべく、ロードロック装置を設け、このロードロック装置の内部のみを大気圧に戻すことにより、ロードロック装置を介して、処理対象物を真空処理室に搬入及び搬出することが行われている。そして、このようなロードロック装置を設けて、真空処理室の内部を高真空にした状態で真空処理を行うことにより、装置の処理能力の低下を防止することが可能になる。
【0005】
ここで、ロードロック装置の内部においては、真空処理室内における反応生成物や処理対象物の搬送機構等からの発塵により、多数の異物が存在する。そして、ロードロック装置の真空排気やベントを行う際に、この異物が、急激な気体の流れによって、ロードロック装置の内部で舞い上がって、処理対象物に付着し、結果として、不良品が発生して、処理対象物の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、このような異物に起因する歩留まりの低下を抑制するためのロードロック装置が提案されている。より具体的には、例えば、ロードロック室内に導入されるベントガスを拡散させるガス拡散板を備えたロードロック装置が提案されている。そして、このようなガス拡散板を設けることにより、導入ガスの流速を低減して、異物の巻き上げを抑制することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、ウェハ支持部とロードロック排気口との間に、ウェハ支持部を包括するように配置され、多数の孔を有する干渉板を備えたロードロック装置が提案されている。そして、このような干渉板を設けることにより、ウェハ周辺部の気流の乱れを抑制して、ウェハ周辺において、ガスを等方的に排気することが可能になるため、異物の巻き上げを抑制することができると記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−124993号公報
【特許文献2】特開平6−318536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1,2に記載のロードロック装置においては、処理対象物上における気流を抑制することにより、異物の巻き上げを、ある程度は抑制することはできるものの、ロードロック装置の内部の全体におけるベントガスの気流の乱れに起因する異物の巻き上げを十分に抑制することが困難であった。従って、処理対象物における異物の付着を十分に抑制することができず、結果として、処理対象物の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
【0010】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制することができるロードロック装置及びそれを備えた真空処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のロードロック装置は、内部を真空排気可能に構成され、処理対象物が収納されるロードロック室と、ロードロック室の内部に収納され、処理対処物を支持する支持台と、ロードロック室に設けられ、真空状態にあるロードロック室の内部にベントガスを供給して、大気圧状態に切り替えるスローベント手段と、ロードロック室に接続され、ロードロック室の内部にベントガスを供給するベントガス供給管とを備え、支持台は、処理対象物を縦置きの状態で支持し、スローベント手段は、ロードロック室に接続され、ロードロック室の内部にベントガスを供給するスローベント管を有し、スローベント管とベントガス供給管とが接続され、接続された一対のスローベント管とベントガス供給管が、支持台に沿った方向に対して左右対称に配置されていることを特徴とする。
【0012】
同構成によれば、ロードロック室のスローベントを行う際に、ロードロック室内の全体において、ベントガスの気流を一定方向(例えば、支持台に支持された処理対象物に対する上方から下方への方向)に生じさせることが可能になる。従って、ロードロック室の内部の全体におけるベントガスの気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になるため、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0013】
また、支持台は、処理対象物を縦置きの状態で支持するため、本ベント処理を行う前のスローベント処理の段階で、既に処理対象物に付着している異物を除去することが可能になるため、処理対象物への異物の付着をより一層効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物の歩留まりの低下をより一層抑制することが可能になる。
【0014】
本発明のロードロック装置においては、スローベント手段は、スローベント管に設けられ、スローベント管からロードロック室へのベントガスの流入量を調節するスローベント弁を有する構成としてもよい。
【0015】
本発明のロードロック装置においては、ロードロック室に形成され、ロードロック室の内部のガスをロードロック室の外部へと排気するための排気口と、排気口に接続された排気ポンプとを更に備え、排気口がメッシュ形状を有していてもよい。
【0016】
同構成によれば、ロードロック室から排気ポンプへの異物の侵入を防止することができるとともに、ロードロック室の真空排気を行う際に、ロードロック室の内部における排気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になる。従って、ロードロック室の真空排気を行う際に、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0017】
本発明のロードロック装置においては、一対のベントガス供給管を有し、スローベント管は、一対のベントガス供給管の間に配置されていてもよい。
【0018】
また、本発明のロードロック装置は、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制して、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することができるという優れた特性を備えている。従って、本発明は、ロードロック装置と、ロードロック室から搬入されてくる処理対象物に対して、真空雰囲気下で所定の処理を施す真空処理室とを備える真空処理装置に好適に使用される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ロードロック室内における処理対象物への異物の付着を効果的に抑制して、処理対象物の歩留まりの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る真空処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る真空処理装置におけるロードロック装置を示す図である。
【図3】本発明の本実施形態に係る真空処理装置による処理対象物の処理フローを説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る真空処理装置におけるロードロック装置の真空排気口の形状を示す図である。
【図5】本発明の変形例に係るロードロック装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る真空処理装置の全体構成を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係る真空処理装置におけるロードロック装置を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の真空処理装置1は、真空処理室2とロードロック装置3と大気搬送室24とを備えている。
【0024】
真空処理室2は、例えば、液晶表示装置用のガラス基板等の処理対象物Sに対して、真空雰囲気下で所定の処理(例えば、スパッタリング、エッチング、及びプラズマCVD等)を施すためのものである。
【0025】
大気搬送室24は、未処理の処理対象物Sをロードロック装置3へ搬送するとともに、ロードロック装置3を介して、真空処理室2にて所定の処理が施された処理対象物Sが搬入されるものである。
【0026】
ロードロック装置3は、ロードロック装置3の内部を真空状態から大気圧に戻すことにより、ロードロック装置3を介して、真空処理室2により処理された処理対象物Sを真空処理室2から大気搬送室24へと搬出するとともに、ロードロック装置3の内部を大気圧から真空状態に戻すことにより、ロードロック装置3を介して、処理対象物Sを大気搬送室24から真空処理室2へと搬出するためのものである。
【0027】
このロードロック装置3は、図1、図2に示すように、内部を真空排気可能に構成され、処理対象物Sが収納されるロードロック室4と、ロードロック室4に接続され、ロードロック室4の内部にベントガスを供給するベントガス供給管7と、ベントガス供給管7に設けられ、ベントガス供給管7からロードロック室4へのベントガスの流入量を調節するベントバルブ8とを備えている。
【0028】
ロードロック室4は、例えば、アルミニウム等の材質により、容器状に形成されている。また、ベントガス供給管7は、ガス供給源(図示せず)に接続されている。
【0029】
また、ロードロック装置3は、ロードロック室4へのガス供給を徐々に行う(即ち、ロードロック室4へのガス供給量を徐々に変化させる)、いわゆる「スローベント」を行うためのスローベント手段15を備えている。このスローベント手段15は、ロードロック室4に設けられており、真空状態にあるロードロック室4の内部にベントガスを徐々に供給して、大気圧状態に切り替えるものである。
【0030】
また、スローベント手段15は、ベントガス供給管7及びロードロック室4に接続され、ロードロック室4の内部にベントガスを供給するスローベント管9と、スローベント管9に設けられ、スローベント管9からロードロック室4へのベントガスの流入量を調節するスローベント弁10とにより構成されている。
【0031】
また、ロードロック装置3は、ロードロック室4の内部のガスを排気することにより、ロードロック室4の内部の真空排気を行うための排気手段20を備えている。
【0032】
この排気手段20は、ロードロック室4に形成され、ロードロック室4の内部のガスをロードロック室4の外部へと排気するための排気口14と、排気口14に接続され、排気されたガスが供給される排気管34と、排気管34に設けられた排気弁5と、排気弁5を介して、排気管34及び排気口14に接続された排気ポンプ6により構成されている。
【0033】
そして、排気ポンプ6が駆動状態であって、排気弁5が開いている状態の時に、ロードロック室4の内部の真空排気が行われる構成となっている。
【0034】
また、ロードロック装置3は、ロードロック室4の内部に収納され、処理対象物Sを支持する支持台13を備えている。この支持台13は、図2に示すように、処理対象物Sを縦置き(垂直置き)の状態で支持するように構成されており、支持台13に設けられた支持片18により、処理対象物Sが略垂直に支持されるように構成されている。
【0035】
また、ロードロック装置3は、支持台13に取り付けられるとともに、処理対象物Sを搬送する(即ち、支持台13を搬送する)ための搬送手段30を備えている。
【0036】
また、図1に示すように、真空処理室2とロードロック装置3との間には、開閉可能なゲートバルブ21が設けられるととともに、ロードロック装置3と大気搬送室24との間には、開閉可能なゲートバルブ22が設けられている。
【0037】
そして、ゲートバルブ21が開いた状態において、上述の搬送手段30が、処理対象物Sを、真空処理室2とロードロック装置3との間で搬送する構成となっている。また、同様に、ゲートバルブ22が開いた状態において、上述の搬送手段30が、処理対象物Sを、ロードロック装置3と大気搬送室24との間で搬送する構成となっている。
【0038】
この際、本実施形態においては、図1、図2に示すように、処理対象物Sは、横置き(水平置き)ではなく、縦置き(垂直置き)の状態で搬送される構成となっている。即ち、真空処理装置1は、処理対象物Sを支持台13に設置した状態で、装置設置床に対して垂直に立てて搬送及び処理する装置である。
【0039】
また、搬送手段30としては、例えば、搬送コロが使用され、支持台13に支持された処理対象部Sが、搬送手段30により、図1に示す矢印Xの方向に搬送される構成となっている。なお、搬送手段30は、処理対象物Sを搬送できるものであれば、特に限定されず、搬送コロの代わりに、搬送ベルト等を使用する構成としても良い。
【0040】
次に、本実施形態における真空処理装置1による処理対象物の処理フローを説明する。まず、真空処理室2において、例えば、液晶表示装置用のガラス基板等の処理対象物Sに対して、真空雰囲気下で所定の処理(例えば、スパッタリング、エッチング、及びプラズマCVD等)が行われる(ステップS1)。
【0041】
次いで、ロードロック装置3のロードロック室4の内部を真空にした状態で、ゲートバルブ21を開き、支持台13に支持された真空処理後の処理対象物Sが、搬送手段30により、真空処理室2からロードロック装置3へと搬送されて、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入され、処理対象物Sが、ロードロック室4の内部にて、図1に示す位置に固定される(ステップS2)。なお、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入されると、ゲートバルブ21が閉じられる。
【0042】
次いで、ロードロック室4のベントを行う(ステップS3)。即ち、真空処理後の処理対象物Sが搬入されたロードロック室4は真空状態であるため、処理処理物Sを大気搬送室24へと搬送するために、ベントガスを使用して、ロードロック室4を大気圧までベントする。
【0043】
ロードロック室4のベントは、まず、スローベント弁10を開いて、ロードロック室4へのベントガスの流入量を調節しながら、スローベントを、所定時間(例えば、3〜5秒間)行う。次いで、ベントバルブ8を開いて、ロードロック室4の本ベントを行う。なお、ロードロック室4のベントを行う際には、排気弁5は閉じられた状態となっている。
【0044】
ここで、本実施形態においては、図1に示すように、ロードロック室4のスローベントを行うためのスローベント手段15が、支持台13(即ち、処理対象物S)に対して左右対称に配置されている点に特徴がある。
【0045】
そして、このような構成により、ロードロック室4のスローベントを行う際に、ロードロック室4内の全体において、ベントガスの気流を一定方向(即ち、処理対象物Sに対する上方から下方への方向であって、図1に示す矢印Yの方向)に生じさせることが可能になる。
【0046】
従って、ロードロック室4の内部の全体におけるベントガスの気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になるため、ロードロック室4内における処理対象物Sへの異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物Sの歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0047】
また、上述のごとく、本実施形態においては、支持台13により、処理対象物Sを縦置き(垂直置き)の状態で支持するため、図1に示すように、処理対象物Sの全体に対して、ベントガスの気流を当てることが可能になる。従って、本ベント処理を行う前のスローベント処理の段階で、既に処理対象物Sに付着している異物を除去することが可能になるため、処理対象物Sへの異物の付着をより一層効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物Sの歩留まりの低下をより一層抑制することが可能になる。
【0048】
次いで、ロードロック室4のベントが終了後、ゲートバルブ22が開き、支持台13に支持された真空処理後の処理対象物Sが、搬送手段30により、ロードロック室4から大気搬送室24へと搬送され、処理対象物Sが大気搬送室24の内部へと搬入される(ステップS4)。
【0049】
次いで、支持台13に支持された別の処理対象物Sが、搬送手段30により、大気搬送室24からロードロック室4へと搬送され、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入される(ステップS5)。なお、処理対象物Sがロードロック室4の内部へと搬入されると、ゲートバルブ22が閉じられる。
【0050】
次いで、ロードロック室4の真空排気を行う(ステップS6)。即ち、真空処理前の処理対象物Sが搬入されたロードロック室4は大気圧状態であるため、処理対象物Sを真空処理室2へと搬送する為に、ロードロック室4を真空排気する。
【0051】
より具体的には、まず、排気ポンプ6を駆動し、次いで、排気ポンプ6が駆動されている状態で、排気弁5を開き、排気口14を介して、ロードロック室4の真空排気を行う。
【0052】
ここで、本実施形態においては、図4に示すように、排気口14がメッシュ形状を有する点に特徴がある。
【0053】
従来のロードロック装置においては、ロードロック室の内部で発生した異物が排気ポンプへ侵入することを防止するために、真空排気口の上部に異物混入防止用のカバーを設けていた。しかし、このカバーを設けると、ロードロック室の真空排気を行う際に、排気流の乱れが生じて、ロードロック室の内部において、排気流の乱れに起因する異物の巻き上げが生じていた。
【0054】
一方、本実施形態においては、異物混入防止用のカバーを設ける代わりに、排気口14の形状をメッシュ形状にしているため、ロードロック室4から排気ポンプ6への異物の侵入を防止することができるとともに、ロードロック室4の真空排気を行う際に、ロードロック室4の内部における排気流の乱れに起因する異物の巻き上げを抑制することが可能になる。
【0055】
従って、ロードロック室4の真空排気を行う際に、ロードロック室4内における処理対象物Sへの異物の付着を効果的に抑制することが可能になる。その結果、処理対象物Sの歩留まりの低下を抑制することが可能になる。
【0056】
次いで、ロードロック室4の真空排気が終了後、ゲートバルブ21が開き、支持台13に支持された真空処理前の処理対象物Sが、搬送手段30により、ロードロック室4から真空処理室2へと搬送され、処理対象物Sが真空処理室2の内部へと搬入される(ステップS7)。なお、処理対象物Sが真空処理室2の内部へと搬入されると、ゲートバルブ21が閉じられる。
【0057】
そして、上述のステップS1〜S7の処理が繰り返し行われ、複数の処理対象物Sの真空処理が行われる構成となっている。
【0058】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
【0059】
上述の実施形態においては、処理対象物Sを縦置き(垂直置き)の状態で搬送する構成としたが、図5に示すように、処理対象物Sを横置き(水平置き)の状態にして搬送する構成としてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の活用例としては、ロードロック装置を備える真空処理装置が挙げられる。
【符号の説明】
【0061】
1 真空処理装置
2 真空処理室
3 ロードロック装置
4 ロードロック室
5 排気弁
6 排気ポンプ
7 ベントガス供給管
8 ベントバルブ
9 スローベント管
10 スローベント弁
13 支持台
14 排気口
15 スローベント手段
18 支持片
20 排気手段
21 ゲートバルブ
22 ゲートバルブ
24 大気搬送室
30 搬送手段
34 排気管
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を真空排気可能に構成され、処理対象物が収納されるロードロック室と、
前記ロードロック室の内部に収納され、前記処理対処物を支持する支持台と、
前記ロードロック室に設けられ、真空状態にある前記ロードロック室の内部にベントガスを供給して、大気圧状態に切り替えるスローベント手段と
前記ロードロック室に接続され、該ロードロック室の内部に前記ベントガスを供給するベントガス供給管と
を備えるロードロック装置において
前記支持台は、前記処理対象物を縦置きの状態で支持し、
前記スローベント手段は、前記ロードロック室に接続され、該ロードロック室の内部に前記ベントガスを供給するスローベント管を有し、
前記スローベント管と前記ベントガス供給管とが接続され、接続された一対の前記スローベント管と前記ベントガス供給管が、前記支持台に沿った方向に対して左右対称に配置されていることを特徴とするロードロック装置。
【請求項2】
前記スローベント手段は、前記スローベント管に設けられ、該スローベント管から前記ロードロック室へのベントガスの流入量を調節するスローベント弁を有することを特徴とする請求項1に記載のロードロック装置。
【請求項3】
前記ロードロック室に形成され、該ロードロック室の内部のガスを該ロードロック室の外部へと排気するための排気口と、
前記排気口に接続された排気ポンプと
を更に備え、
前記排気口がメッシュ形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロードロック装置。
【請求項4】
一対の前記ベントガス供給管を有し、前記スローベント管は、該一対のベントガス供給管の間に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のロードロック装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の前記ロードロック装置と、
前記ロードロック室から搬入されてくる前記処理対象物に対して、真空雰囲気下で所定の処理を施す真空処理室と
を備えることを特徴とする真空処理装置。
【国際調査報告】