(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013099396
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150430
(54)【発明の名称】車両診断システム、車両診断方法及び外部診断装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20150403BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20150403BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20150403BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20150403BHJP
【FI】
   !G01M17/00 H
   !F02D29/02 321A
   !B60K35/00 Z
   !B60R16/02 650J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
【出願番号】2013551512
(21)【国際出願番号】JP2012076109
(22)【国際出願日】20121009
(31)【優先権主張番号】2011289426
(32)【優先日】20111228
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】八木 謙輔
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号 本田技研工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】土居 克尚
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号 本田技研工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】河原 直樹
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号 本田技研工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 亘
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号 本田技研工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
3D344
3G093
【Fターム(参考)】
3D344AA20
3D344AB00
3G093AA07
3G093AA16
3G093AB01
3G093BA21
3G093BA22
3G093BA24
3G093DA05
3G093DA06
3G093DB00
3G093DB05
3G093DB10
3G093DB11
3G093DB15
3G093DB19
3G093FA11
(57)【要約】
車両診断システム(10)及び車両診断方法において、車両(12)の各ECUに記録される故障コードには、アイドル停止を不可とするアイドル停止故障コードと、アイドル停止を不可としない非アイドル停止故障コードとが含まれる。アイドル停止故障コードには、特定のECUに対応して設けられた警告灯を作動させる第1アイドル停止故障コードと、当該警告灯を作動させない第2アイドル停止故障コードとが含まれる。外部診断装置(14)は、アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、第1アイドル停止故障コードと第2アイドル停止故障コードのうち第2アイドル停止故障コードのみを複数のECUから抽出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(12)内の複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)と外部診断装置(14)との間で通信し、前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれに記録された故障コードを前記外部診断装置(14)で読み出して前記車両(12)の故障診断を行う車両診断システム(10)であって、
前記車両(12)は、
前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)のうち特定の電子制御装置に対応して設けられ、前記車両(12)内で異常が発生したことに伴い、当該異常の点検又は修理を要求する複数の警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)と、
所定条件が成立した時にアイドリングを自動的に停止するアイドル停止制御部(20)と
を備え、
前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)は、自己の制御対象範囲における故障を検出すると前記故障コードを記録し、
前記故障コードには、前記車両(12)の駆動源(16)のアイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードと、前記アイドル停止を不可とするように定義付けられていない非アイドル停止故障コードとが含まれ、
前記アイドル停止故障コードには、前記警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)を作動させるように定義付けられた第1アイドル停止故障コードと、前記警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)を作動させるように定義付けられていない第2アイドル停止故障コードとが含まれ、
前記外部診断装置(14)は、前記アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、前記第1アイドル停止故障コードと前記第2アイドル停止故障コードのうち前記第2アイドル停止故障コードのみを前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)から抽出する
ことを特徴とする車両診断システム(10)。
【請求項2】
請求項1記載の車両診断システム(10)において、
前記外部診断装置(14)は、
前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれに対して、記録されている前記第2アイドル停止故障コードを問い合わせ、
前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれからの回答結果を、前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれに対応させて前記外部診断装置(14)の表示部(210)に表示する
ことを特徴とする車両診断システム(10)。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両診断システム(10)において、
前記外部診断装置(14)は、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれに対応させて前記第2アイドル停止故障コードが登録されたデータベースを備え、
さらに、前記外部診断装置(14)は、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)から前記第2アイドル停止故障コード及びそれ以外の故障コードを読み出し、読み出した各故障コードと、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)に対応させて前記データベースに登録されている故障コードとを比較して、前記第2アイドル停止故障コードを抽出する
ことを特徴とする車両診断システム(10)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両診断システム(10)において、
前記車両(12)は、前記第2アイドル停止故障コードを記録する故障が前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)のいずれかに発生したとき、当該第2アイドル停止故障コードに対応する故障であるアイドル停止故障が発生したことを表示するアイドル停止異常表示部(112)を、前記複数の警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)とは別に備える
ことを特徴とする車両診断システム(10)。
【請求項5】
車両(12)内の複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)と外部診断装置(14)との間で通信し、前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれに記録された故障コードを前記外部診断装置(14)で読み出して前記車両(12)の故障診断を行う車両診断方法であって、
前記車両(12)は、
前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)のうち特定の電子制御装置に対応して設けられ、前記車両(12)内で異常が発生したことに伴い、当該異常の点検又は修理を要求する複数の警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)と、
所定条件が成立した時にアイドリングを自動的に停止するアイドル停止制御部(20)と
を備え、
前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)は、自己の制御対象範囲における故障を検出すると前記故障コードを記録し、
前記故障コードには、前記車両(12)の駆動源(16)のアイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードと、前記アイドル停止を不可とするように定義付けられていない非アイドル停止故障コードとが含まれ、
前記アイドル停止故障コードには、前記警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)を作動させるように定義付けられた第1アイドル停止故障コードと、前記警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)を作動させるように定義付けられていない第2アイドル停止故障コードとが含まれ、
前記外部診断装置(14)は、前記アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、前記第1アイドル停止故障コードと前記第2アイドル停止故障コードのうち前記第2アイドル停止故障コードのみを前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)から抽出する
ことを特徴とする車両診断方法。
【請求項6】
車両(12)内の複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)との間で通信し、前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)それぞれに記録された故障コードを読み出して前記車両(12)の故障診断を行う外部診断装置(14)であって、
前記故障コードは、前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)が自己の制御対象範囲における故障を検出すると記録されるものであり、
前記故障コードには、前記車両(12)の駆動源(16)のアイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードと、前記アイドル停止を不可とするように定義付けられていない非アイドル停止故障コードとが含まれ、
前記アイドル停止故障コードには、
前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)のうち特定の電子制御装置に対応して設けられ、前記車両(12)内で異常が発生したことに伴い、当該異常の点検又は修理を要求する前記車両(12)の警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)を作動させるように定義付けられた第1アイドル停止故障コードと、
前記警告灯(104、106、120、122、124、126、150、152、154、156、158、160、162)を作動させるように定義付けられていない第2アイドル停止故障コードと
が含まれ、
前記外部診断装置(14)は、前記アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、前記第1アイドル停止故障コードと前記第2アイドル停止故障コードのうち前記第2アイドル停止故障コードのみを前記複数の電子制御装置(20、22、24、26、28、30、32、34、36)から抽出する
ことを特徴とする外部診断装置(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アイドル停止制御システムを備える車両における駆動源(エンジン等)のアイドル停止制御の不実行について故障診断を行う車両診断システム、車両診断方法及び外部診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転中の車両に対して何らかの異常が発生した場合、異常部分に関係する電子制御装置(以下「ECU」という。)に故障コード等の不具合情報を記録させると共に、エンジンの燃焼及び排気に関係する異常等、特定の重大な異常が発生した場合、インストルメントパネルに設けた警告灯を点灯させることで当該異常が発生したことを運転者に報知することが行われている。
【0003】
例えば、エンジン冷却水の温度検出センサが故障した場合は、エンジンECUに故障コード「PXXXX」を記録すると共に、PGM−FI警告灯を点灯させて運転者に報知する。
【0004】
そして、修理作業に当たっては、外部診断装置を車両のデータリンクコネクタに接続して、エンジン冷却水の温度異常に関係するECUであるエンジンECUに蓄積された故障コードを読み出すことにより、異常の内容を確認又は把握することが可能であり、比較的容易に故障箇所及び原因を検討することができる。
【0005】
車両状態の運転者への報知について、燃費削減の観点等から総合判断して停車時にエンジンのアイドリングを自動的に停止させる制御システム(いわゆるアイドル停止制御システム)については、エンジンを停止させるメリット及びデメリットを種々のECUが協調して判断することで、アイドル停止の実行の可否を決定している。このため、アイドル停止制御が作動したことによるエンジン停止であることをインストルメントパネルに表示することで、運転者に停車時の安心感を与えるように配慮されている{例えば、特開2004−224269号公報の要約参照}。
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、アイドル停止制御機能を有する車両で停車時にアイドリングが自動的に停止しない場合、運転者は、異常が発生したのか又は単に停止させない条件に該当するため停止しないのかを判断できない。このため、停車時にアイドル停止しない現象が多発すると、運転者は故障ではないかという不信感等を抱く場合があり、正常動作であるにもかかわらず故障発生でないかというディーラーへの問合せの多発に繁がり易いという問題がある。
【0007】
また、アイドル停止しないという異常が発生したか否かを診断するために、車両内のECUに外部診断機を接続し、ECUに記録されている故障コード等の不具合情報を読み出す場合には、対象となる車両内の全てのECUに個別にアクセスする必要がある。この場合、データ抽出に大変時間がかかるという問題が生じる。加えて、各ECUの不具合情報(故障コード)を全て抽出することになるため、アイドル停止に関係のない不具合情報も混在していて、抽出した不具合情報の検証に大変時間がかかるという問題がある。
【0008】
この発明は、上記のような事情を考慮したものであり、アイドル停止制御システムを有する車両におけるアイドル停止の不実行についての故障発生の有無の確認又は診断を簡易又は迅速に行うことが可能な車両診断システム、車両診断方法及び外部診断装置を提供することを目的とする。
【0009】
この発明に係る車両診断システムは、車両内の複数の電子制御装置と外部診断装置との間で通信し、前記複数の電子制御装置それぞれに記録された故障コードを前記外部診断装置で読み出して前記車両の故障診断を行うものであって、前記車両は、前記複数の電子制御装置のうち特定の電子制御装置に対応して設けられ、前記車両内で異常が発生したことに伴い、当該異常の点検又は修理を要求する複数の警告灯と、所定条件が成立した時にアイドリングを自動的に停止するアイドル停止制御部とを備え、前記複数の電子制御装置は、自己の制御対象範囲における故障を検出すると故障コードを記録し、前記故障コードには、前記車両の駆動源のアイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードと、前記アイドル停止を不可とするように定義付けられていない非アイドル停止故障コードとが含まれ、前記アイドル停止故障コードには、前記警告灯を作動させるように定義付けられた第1アイドル停止故障コードと、前記警告灯を作動させるように定義付けられていない第2アイドル停止故障コードとが含まれ、前記外部診断装置は、前記アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、前記第1アイドル停止故障コードと前記第2アイドル停止故障コードのうち前記第2アイドル停止故障コードのみを前記複数の電子制御装置から抽出することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、複数の電子制御装置から第2アイドル停止故障コードを抽出し、第1アイドル停止故障コードを抽出しない。このため、アイドル停止の不実行についての故障診断における点検項目を絞り込むことが可能になる。加えて、第2アイドル停止故障コードの送信のみを複数の電子制御装置に要求する場合、車両内の電子制御装置と外部診断装置との間の通信量を低減することが可能となる。従って、アイドル停止の不実行についての故障診断を簡易且つ迅速に行うことが可能となる。
【0011】
特に、アイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードを記録する可能性がある電子制御装置の数が非常に多い場合(例えば、数百個である場合)、その効果は顕著なものとなる。
【0012】
前記外部診断装置は、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置それぞれに対して、記録されている前記第2アイドル停止故障コードを問い合わせ、前記複数の電子制御装置それぞれからの回答結果を、前記複数の電子制御装置それぞれに対応させて前記外部診断装置の表示部に表示してもよい。これにより、第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある複数の電子制御装置それぞれに対応させて、記録されている第2アイドル停止故障コード又はその内容を表示することが可能となる。従って、作業者にとって問合せ結果の判別及び検証が容易となる。
【0013】
前記外部診断装置は、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置それぞれに対応させて前記第2アイドル停止故障コードが登録されたデータベースを備え、さらに、前記外部診断装置は、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置から前記第2アイドル停止故障コード及びそれ以外の故障コードを読み出し、読み出した各故障コードと、前記第2アイドル停止故障コードを記録している可能性がある前記複数の電子制御装置に対応させて前記データベースに登録されている故障コードとを比較して、前記第2アイドル停止故障コードを抽出してもよい。
【0014】
これにより、外部診断装置が読み出す故障コードに、第2アイドル停止故障コード以外の故障コードが含まれている場合であっても、第2アイドル停止故障コードを簡易に抽出することが可能となる。
【0015】
前記車両は、前記第2アイドル停止故障コードを記録する故障が前記複数の電子制御装置のいずれかに発生したとき、当該第2アイドル停止故障コードに対応する故障であるアイドル停止故障が発生したことを表示するアイドル停止異常表示部を、前記複数の警告灯とは別に備えてもよい。これにより、警告灯を作動させるほどではないが、アイドル停止が不可となる故障が発生した場合、運転者は、アイドル停止異常表示部の表示に基づいて当該故障が発生していることを認識可能となる。
【0016】
この発明に係る車両診断方法は、車両内の複数の電子制御装置と外部診断装置との間で通信し、前記複数の電子制御装置それぞれに記録された故障コードを前記外部診断装置で読み出して前記車両の故障診断を行うものであって、前記車両は、前記複数の電子制御装置のうち特定の電子制御装置に対応して設けられ、前記車両内で異常が発生したことに伴い、当該異常の点検又は修理を要求する複数の警告灯と、所定条件が成立した時にアイドリングを自動的に停止するアイドル停止制御部とを備え、前記複数の電子制御装置は、自己の制御対象範囲における故障を検出すると故障コードを記録し、前記故障コードには、前記車両の駆動源のアイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードと、前記アイドル停止を不可とするように定義付けられていない非アイドル停止故障コードとが含まれ、前記アイドル停止故障コードには、前記警告灯を作動させるように定義付けられた第1アイドル停止故障コードと、前記警告灯を作動させるように定義付けられていない第2アイドル停止故障コードとが含まれ、前記外部診断装置は、前記アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、前記第1アイドル停止故障コードと前記第2アイドル停止故障コードのうち前記第2アイドル停止故障コードのみを前記複数の電子制御装置から抽出することを特徴とする。
【0017】
この発明に係る外部診断装置は、車両内の複数の電子制御装置との間で通信し、前記複数の電子制御装置それぞれに記録された故障コードを読み出して前記車両の故障診断を行うものであって、前記故障コードは、前記複数の電子制御装置が自己の制御対象範囲における故障を検出すると記録されるものであり、前記故障コードには、前記車両の駆動源のアイドル停止を不可とするように定義付けられたアイドル停止故障コードと、前記アイドル停止を不可とするように定義付けられていない非アイドル停止故障コードとが含まれ、前記アイドル停止故障コードには、前記複数の電子制御装置のうち特定の電子制御装置に対応して設けられ、前記車両内で異常が発生したことに伴い、当該異常の点検又は修理を要求する前記車両の警告灯を作動させるように定義付けられた第1アイドル停止故障コードと、前記警告灯を作動させるように定義付けられていない第2アイドル停止故障コードとが含まれ、前記外部診断装置は、前記アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、前記第1アイドル停止故障コードと前記第2アイドル停止故障コードのうち前記第2アイドル停止故障コードのみを前記複数の電子制御装置から抽出することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態に係る故障診断システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】メータ表示装置の外観図である。
【図3】車両が停車時に自動的にアイドル停止をする際の通常処理の概要の一例を示すフローチャートである。
【図4】エンジン電子制御装置(以下「エンジンECU」という。)がアイドル停止制御を実行するフローチャートである。
【図5】前記エンジンECUがアイドル停止前提条件(以下「IS前提条件」という。)を判定するフローチャート(図4のS21の詳細)である。
【図6】前記IS前提条件及びアイドル停止許可条件(以下「IS許可条件」という。)を判定する際において前記エンジンECUに入力される情報を説明するための図である。
【図7】前記エンジンECUが前記IS許可条件を判定するフローチャート(図4のS22の詳細)である。
【図8】第1IS故障コード、第2IS故障コード及び非IS故障コードに対応する故障の例を示す図である。
【図9】前記エンジンECUがアイドル停止関連表示制御を実行する第1フローチャートである。
【図10】前記エンジンECUが前記アイドル停止関連表示制御を実行する第2フローチャートである。
【図11】外部診断装置を用いた前記車両の故障診断時の作業を示すフローチャートである。
【図12】アイドル停止表示灯(以下「IS表示灯」という。)が赤色で点灯している場合において前記外部診断装置により前記車両の各部の状況を確認した際の表示画面の一例を示す図である。
【図13】前記IS表示灯が赤色で点灯していない場合において前記外部診断装置により前記車両の各部の状況を確認した際の表示画面の一例を示す図である。
【図14】前記IS表示灯が赤色で点灯している場合において前記外部診断装置により前記車両各部の状況を確認するフローチャートである。
【図15】前記IS表示灯が赤色で点灯していない場合において前記外部診断装置により前記車両各部の状況を確認するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
A.一実施形態
[1.構成]
(1−1.全体構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る車両診断システム10(以下「システム10」ともいう。)の概略的な構成を示すブロック図である。システム10は、診断対象としての車両12と、車両12外部から車両12の故障診断を行う外部診断装置14とを有する。なお、車両12は、自己診断を行うことが可能である。
【0020】
(1−2.車両12)
(1−2−1.車両12の全体)
車両12は、エンジン16を備えるディーゼル車であり且つマニュアルトランスミッション車(MT車)である。後述するように、車両12は、ガソリン車(ハイブリッド車を含む。)又は電気自動車(燃料電池車を含む。)等の車両であってもよい。また、車両12は、MT車以外のもの{例えば、オートマチックトランスミッション車(AT車)}であってもよい。なお、本実施形態における車両12は、四輪車であるが、二輪車、三輪車又は六輪車等であってもよい。
【0021】
車両12は、車両12を制御するための複数の電子制御装置(以下「ECU」ともいう。)を有する。具体的には、車両12は、エンジン電子制御装置(以下「エンジンECU20」又は「ENG ECU20」という。)と、車両挙動安定電子制御装置(以下「VSA ECU22」という。)と、アンチロックブレーキシステム電子制御装置(以下「ABS ECU24」という。)と、ブレーキ負圧電子制御装置(以下「ブレーキ負圧ECU26」という。)と、電動パワーステアリング電子制御装置(以下「EPS ECU28」という。)と、バッテリ電子制御装置(以下「バッテリECU30」という。)と、メータ電子制御装置(以下「メータECU32」という。)と、エアコンディショナ電子制御装置(以下「エアコンECU34」という。)と、補助拘束システム電子制御装置(以下「SRS ECU36」という。)と、イモビライザ電子制御装置(以下「イモビライザECU38」という。)とを有する。
【0022】
(1−2−2.エンジンECU20及びその周辺)
エンジンECU20(アイドル停止制御部)は、エンジン16の出力を制御するものであり、本来のエンジン制御機能に加えて、各ECUがその制御対象の状態に応じてアイドリングの停止可否を個別に判断した結果を統合判断してエンジン16のアイドル停止(以下「IS」ともいう。)を制御する(詳細は後述する。)。エンジンECU20は、エンジン16に加え、オルタネータ40及びスタータモータ42を制御する。オルタネータ40は、エンジン16の駆動に伴って発電し、後述する12Vバッテリ86等に電力を供給する。スタータモータ42は、エンジン16の始動に際し、図示しないクランクシャフトを回転させてエンジン16の始動を補助する。
【0023】
また、エンジンECU20には、水温センサ44、アクセルペダルセンサ46、ブレーキペダルセンサ48、クラッチペダルセンサ50、シフト位置センサ52、車速センサ54及びアイドル停止制御オフスイッチ56(以下「ISオフSW56」という。)からの出力信号が入力される。
【0024】
水温センサ44は、エンジン16の冷却水の温度(以下「エンジン水温Tw」という。)を検出する。アクセルペダルセンサ46は、アクセルペダル58の操作量(以下「アクセル操作量θap」という。)を検出する。ブレーキペダルセンサ48は、ブレーキペダル60の操作量(以下「ブレーキ操作量θbp」という。)を検出する。クラッチペダルセンサ50は、クラッチペダル62の操作量(以下「クラッチ操作量θcp」という。)を検出する。シフト位置センサ52は、シフトレバー64の操作位置(以下「シフト位置Ps」という。)を検出する。車速センサ54は、車両12の車速Vを検出する。
【0025】
ISオフSW56は、自動制御によるアイドル停止制御機能を作動させるか否かを切替え設定するためのスイッチであり、運転者が操作可能な位置に配置されている。ISオフSW56がオフに設定されているとき、エンジンECU20は、自動制御によってアイドル停止を行うことが可能であり、ISオフSW56がオンのときは自動制御が非作動に設定され、エンジンECU20は、アイドル停止を行うことが禁止される。
【0026】
図6に示すように、エンジンECU20は、入出力部70、演算部72及び記憶部74を有する。図示していないが、その他のECUも同様に、入出力部、演算部及び記憶部を有する。
【0027】
(1−2−3.VSA ECU22及びABS ECU24)
VSA ECU22は、車両挙動安定化(Vehicle Stability Assist)制御を実行するものであり、図示しないブレーキシステム等の制御を介してカーブ路の旋回時等における車両12の挙動を安定化させる。
【0028】
ABS ECU24は、アンチロックブレーキ制御を実行するものであり、前記ブレーキシステム等の制御を介して車両12の制動時における車輪(図示せず)のロックを防止する。
【0029】
(1−2−4.ブレーキ負圧ECU26)
ブレーキ負圧ECU26は、負圧センサ80が検出したブレーキ負圧Pnに基づいて図示しないブレーキの負圧を制御する。以下では、ブレーキ負圧Pnを正の値として用いる。
【0030】
(1−2−5.EPS ECU28及びその周辺)
EPS ECU28は、操舵アシスト制御を実行するものであり、電動パワーステアリング装置の構成要素{電動モータ、トルクセンサ(いずれも図示せず)及び舵角センサ82等}の制御を介して運転者による操舵をアシストする。舵角センサ82は、ステアリングホイール84の舵角θstを検出する。
【0031】
(1−2−6.バッテリECU30周辺)
バッテリECU30は、12Vバッテリ86(以下「バッテリ86」又は「12V BAT86」ともいう。)の充放電等を制御する。12Vバッテリ86は、図示しない電力線を介して車両12の各電動部品(各ECU、各センサ、エアコンディショナ180等)に電力を供給する。
【0032】
(1−2−7.メータECU32及びその周辺)
メータECU32は、インストルメントパネル90(図2)に設けられたメータ表示装置92を制御する。
【0033】
図2は、メータ表示装置92の外観図である。図2に示すように、メータ表示装置92は、第1〜第5表示部94、96、98、100、102を有する。第1表示部94は、車速Vをデジタル表示する。第2表示部96は、エンジン回転数[rpm]を表示すると共に、複数の警告灯104、106及び複数の表示灯108、110、112を有する。
【0034】
警告灯104は、VSA警告灯であり、VSA機能が作動しているときに点滅すると共に、VSA機能に異常が発生した場合(換言すると、VSA ECU22の制御対象範囲内において異常が発生した場合)に点灯する。警告灯106は、VSAオフ警告灯であり、図示しない操作スイッチによりVSA機能がオフにされているときに点灯する。
【0035】
表示灯108は、シフトアップ表示灯であり、シフトアップ推奨時に点灯する。表示灯110は、シフトダウン表示灯であり、シフトダウン推奨時に点灯する。
【0036】
表示灯112は、アイドル停止表示灯(以下「IS表示灯112」という。)であり、アイドル停止(IS)を実行中であるか否かを表示する。本実施形態のIS表示灯112は、アイドル停止の実行状態に応じて点灯又は点滅すると共に発光色を変化させる(詳細は、図9、図10等を参照して後述する。)。
【0037】
なお、本実施形態において「警告灯」は、一般に、車両12内で異常が発生したことに伴い、警告目的(例えば、当該異常の点検若しくは修理を要求する目的又は特定の操作を要求する目的)で設けられるものであり、特定の1つのECU、センサ又はスイッチと対応付けられている。また、「警告灯」は、各ECUの制御対象領域の全体が機能しなくなるような故障(システム故障)に直接関連する重大な異常発生を警告する際にも用いられる。従って、点灯している警告灯を見れば、いずれのECU、センサ又はスイッチに関連した警告(故障に伴う点検若しくは修理の要求又は特定の操作の要求)であるのかを理解することが可能である。
【0038】
また、「警告灯」が車両12における故障又は異常に関連付けられている場合、一旦、当該故障又は異常が発生すると、当該故障又は異常が解消するまで作動(点灯、点滅等)し続ける{車両12のイグニションスイッチ(図示せず)がオフにされると消灯するが、イグニションスイッチがオンにされると再度作動を継続する。}。
【0039】
一方、本実施形態において「表示灯」は、警告灯のような警告目的なしに、特定の内容を通知する目的で設けられるものである。例えば、「表示灯」は、上記のようなシステム故障に直接関連する重大な異常発生を警告する目的以外の目的(例えば、システム故障に直接関連しない比較的軽微な異常発生を通知する目的)で用いられる。
【0040】
第3表示部98は、エンジン水温Twを表示すると共に、複数の警告灯120、122、124、126及び複数の表示灯128、130、132、134、136、138、140、142を有する。
【0041】
警告灯120は、PGM−FI警告灯(エンジン警告灯)であり、エンジン16に関連して(換言すると、エンジンECU20の制御対象範囲において)異常が発生しているときに点灯又は点滅する。警告灯122は、充電警告灯であり、12Vバッテリ86の充電が不十分であるとき及び12Vバッテリ86に関連して(換言すると、バッテリECU30の制御対象範囲において)異常が発生しているときに点灯する。
【0042】
警告灯124は、油圧警告灯であり、エンジン16の回転中、エンジンオイルの圧力が低下すると点灯すると共に、エンジンオイルの油圧に関連して(換言すると、図示しない油圧制御ECUの制御対象範囲において)異常が発生しているときに点灯する。
【0043】
警告灯126は、ブレーキ警告灯であり、図示しないパーキングブレーキを作動させているときに点灯すると共に、ブレーキに関連して(換言すると、図示しないブレーキECUの制御対象範囲において)異常が発生しているときに点灯する。
【0044】
表示灯128は、ハイビーム表示灯であり、図示しないヘッドライトを上向きにしたときに点灯する。表示灯132は、ライト点灯表示灯であり、図示しないライトスイッチがオフ以外のときに点灯する。表示灯134は、フォグライト点灯表示灯であり、図示しないフォグライトを点灯させているときに点灯する。
【0045】
第4表示部100は、燃料の残量を示すと共に、複数の警告灯150、152、154、156、158、160、162及び複数の表示灯164、166、168、170、172、174を有する。
【0046】
警告灯150は、ABS警告灯であり、ABS機能に異常が発生しているときに(換言すると、ABS ECU24の制御対象範囲内において異常が発生した場合に)点灯する。警告灯152は、EPS警告灯であり、図示しない前記電動パワーステアリング装置に異常が発生しているときに(換言すると、EPS ECU28の制御対象範囲内において異常が発生した場合に)点灯する。警告灯154は、スマートキーシステム警告灯であり、図示しないスマートキーシステムに異常が発生しているときに(換言すると、イモビライザECU38の制御対象範囲の一部において異常が発生した場合に)点灯する。警告灯156は、ドア開閉警告灯であり、ドア192(図1)が完全に閉まっていないときに点灯する。
【0047】
警告灯158は、燃料残量警告灯であり、燃料の残量が少ないとき及び燃料計に異常が発生しているときに点灯する。警告灯160は、エアバックシステム警告灯であり、図示しないエアバックシステム又はプリテンショナシステムに異常が発生しているときに(換言すると、SRS ECU36の制御対象範囲の一部において異常が発生した場合に)点灯する。警告灯162は、シートベルト非着用警告灯であり、運転者がシートベルト190を着用していないとき及びシートベルト190に関連して異常が発生しているときに(換言すると、SRS ECU36の制御対象範囲の一部において異常が発生した場合に)点灯する。
【0048】
表示灯164は、エコノミーモード表示灯であり、図示しないスイッチにより車両12の運転モードとしてエコノミーモードが選択されているときに点灯する。表示灯172は、イモビライザシステム表示灯であり、イモビライザECU38がキーの情報を認識できないときに点滅する。
【0049】
表示灯174は、サイドエアバッグ自動停止表示灯であり、助手席のサイドエアバッグシステムのセンサ(図示せず)が作動し、サイドエアバッグシステムが自動的に停止したときに点灯する。
【0050】
第5表示部102は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネル等の表示パネルを有するいわゆるマルチ・インフォメーション・ディスプレイ(MID)であり、メータECU32からの指令に応じて種々の表示(メッセージ等)をすることが可能である。
【0051】
(1−2−8.エアコンECU34及びその周辺)
エアコンECU34(図1)は、エアコンディショナ180を制御する。
【0052】
(1−2−9.SRS ECU36周辺)
SRS ECU36は、図示しないエアバッグシステムの制御を行う。SRS ECU36には、ボンネットセンサ182、シートベルトセンサ184及びドアセンサ186からの出力信号が入力される。ボンネットセンサ182は、ボンネット188の開閉状態を検出する。シートベルトセンサ184は、シートベルト190の着用状態を検出する。ドアセンサ186は、ドア192の開閉状態を検出する。
【0053】
(1−2−10.イモビライザECU38周辺)
イモビライザECU38は、図示しないイモビライザ装置及びスマートキーシステムの制御を行う。
【0054】
(1−3.外部診断装置14)
外部診断装置14は、車両12の各種診断(故障診断を含む。)を行うことができる。図1に示すように、外部診断装置14は、通信ケーブル200と、入出力部202と、操作部204、演算部206と、記憶部208と、表示部210とを有する。
【0055】
通信ケーブル200は、車両12との通信に際し、車両12のデータリンクコネクタ194に接続される。通信ケーブル200は、無線通信機能で代替しても良い。入出力部202は、車両12との通信に限らず、その他の外部機器(例えば、外部サーバ)との入出力に用いられる。操作部204は、図示しないキーボードやマウス、タッチパッド等からなる。
【0056】
演算部206は、車両12の診断に関する各種制御を実行する。記憶部208は、演算部206が実行するためのプログラム及びデータを記憶するものであり、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを備える。表示部210は、外部診断装置14の操作画面や診断結果を表示する。
【0057】
外部診断装置14は、例えば、市販のノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ又はスマートフォンから構成することができる。外部診断装置14は、単一の筐体から構成される必要はなく、例えば、本体としてのパーソナルコンピュータと、車両12とのインタフェースとしての子機(テスタ)とから構成してもよい。
【0058】
[2.車両12におけるアイドル停止に伴う制御]
(2−1.通常時の流れの概要)
図3は、車両12が停車時に自動的にアイドル停止をする際の通常処理の概要の一例を示すフローチャートである。まず信号機の点灯表示が赤信号になったことにより車両12が停止した状態で(ステップS1)、運転者は、クラッチペダル62を踏み込んだ後、シフト位置Psをニュートラル(「N」)にする(ステップS2)。その後、運転者は、クラッチペダル62を離す(ステップS3)。これに伴い、エンジン16は自動的にアイドル停止すると共に(ステップS4)、メータ表示装置92のIS表示灯112が緑色に点灯し、アイドル停止中であることを表示する(ステップS5)。
【0059】
信号機の点灯表示が赤信号から青信号に変わり(ステップS6)、運転者がクラッチペダル62を踏む(ステップS7)。これに伴い、エンジン16はアイドル停止を終了し、スタータモータ42が自動的に起動してエンジン16が再始動すると共に(ステップS8)、IS表示灯112が消灯し、アイドル停止が終了したことを表示する(ステップS9)。運転者がシフトレバー64を操作してシフト位置Psを走行位置(例えば1速)にすると車両12が走行を開始する(ステップS10)。
【0060】
(2−2.エンジンECU20によるアイドル停止制御)
(2−2−1.全体的な流れ)
次に、図3のような流れの際にエンジンECU20が行う制御(アイドル停止制御)について説明する。
【0061】
図4は、エンジンECU20がアイドル停止制御を実行するフローチャートである。ステップS21において、エンジンECU20は、アイドル停止を実行する前提条件(以下「IS前提条件」という。)を満たすか否かを判定する。
【0062】
IS前提条件としては、例えば、シフトレバー64がニュートラルの位置に入れられたこと(図3のS2)及びクラッチペダル62が離されたこと(換言すると、クラッチ操作量θcpが所定値以下となったこと)(図3のS3)を用いる。これに加えて又はこれとは別に、運転者によるその他の操作、例えば、アクセルペダル58が離されていること(換言すると、アクセル操作量θapが所定値以下であること)及びブレーキペダル60が踏まれていること(換言すると、ブレーキ操作量θbpが所定値以上であること)の少なくとも一方、並びに車両12の走行状態(例えば、車速Vが所定値以下であること)のいずれかをIS前提条件としてもよい。
【0063】
すなわち、IS前提条件には、運転者が運転操作に際して認識可能なものを含みアイドル停止の前提となる条件(アイドル停止が期待される場面又はアイドル停止に適した場面を判定する条件)が少なくとも1つ含まれていればよい。
【0064】
本実施形態におけるステップS21の詳細については、図5を参照して後述する。
【0065】
ステップS22において、エンジンECU20は、アイドル停止を許可する条件(以下「IS許可条件」という。)を満たすか否かを判定する。上記IS前提条件が、アイドル停止をするための前提条件(例えば、運転者の操作及び車両12の走行状態の少なくとも一方)であるのに対し、IS許可条件は、アイドル停止をするための前提条件が整っているとしても、アイドル停止を許可できない条件{例えば、アイドル停止に関連する部位(以下「アイドル停止関連部位」という。)のいずれかにおける異常又は過度の劣化の発生に関する条件}である。ステップS22の詳細については、図7を参照して後述する。
【0066】
ステップS23において、エンジンECU20は、ステップS21、S22の判定結果を受けてアイドル停止を許可するか否かを判定する。すなわち、IS前提条件及びIS許可条件が満たされる場合、アイドル停止を許可すると判定する。一方、IS前提条件又はIS許可条件が満たされない場合、アイドル停止を許可しないと判定する。
【0067】
アイドル停止を開始しない場合(S23:NO)、エンジンECU20は、今回の演算周期における処理を終え、次の演算周期においてステップS21から処理を開始する。
【0068】
アイドル停止を許可する場合(S23:YES)、ステップS24において、エンジンECU20は、アイドル停止を実行してエンジン16を停止させる。
【0069】
ステップS25において、エンジンECU20は、アイドル停止を終了して再始動する条件(以下「IS終了条件」という。)を判定する。IS終了条件としては、例えば、クラッチペダル62が踏まれたこと(換言すると、クラッチ操作量θcpが所定値以上となったこと)(図3のS7)を用いる。これに加えて又はこれとは別に、運転者によるその他の操作、例えば、ブレーキペダル60が離されていること(換言すると、ブレーキ操作量θbpが所定値以下であること)及びアクセルペダル58が踏まれていること(換言すると、アクセル操作量θapが所定値以上であること)の少なくとも1つをIS終了条件としてもよい。
【0070】
ステップS26において、エンジンECU20は、ステップS25の判定結果を受けてアイドル停止を終了するか否かを判定する。すなわち、IS終了条件が満たされた場合、アイドル停止を終了すると判定する。一方、IS終了条件が満たされない場合、アイドル停止を終了しないと判定する。
【0071】
アイドル停止を終了しない場合(S26:NO)、ステップS24に戻り、アイドル停止を継続する。アイドル停止を終了する場合(S26:YES)、ステップS27において、エンジンECU20は、前述のように、スタータモータ42を始動させてエンジン16を再始動させる。
【0072】
(2−2−2.IS前提条件の判定)
図5は、エンジンECU20がIS前提条件を判定するフローチャート(図4のS21の詳細)である。図6は、IS前提条件及びIS許可条件を判定する際においてエンジンECU20に入力される情報を説明するための図である。
【0073】
図5のステップS31において、エンジンECU20は、シフト位置Psが「N」(ニュートラル)であるか否かを判定する。当該判定は、シフト位置センサ52からの出力を用いて行う。
【0074】
シフト位置Psが「N」である場合(S31:YES)、ステップS32において、エンジンECU20は、クラッチペダル62の操作量(クラッチ操作量θcp)がゼロであるか否か、換言すると、クラッチペダル62が離されているか否かを判定する。当該判定は、クラッチペダルセンサ50からの出力を用いて行う。また、クラッチペダル62が離されていることを判定することができるものであれば、ゼロ以外の閾値を用いてもよい。
【0075】
クラッチ操作量θcpがゼロである場合(S32:YES)、ステップS33において、エンジンECU20は、アクセルペダル58の操作量(アクセル操作量θap)がゼロであるか、換言すると、アクセルペダル58が離されているか否かを判定する。当該判定は、アクセルペダルセンサ46からの出力を用いて行う。また、アクセルペダル58が離されていることを判定することができるものであれば、ゼロ以外の閾値を用いてもよい。
【0076】
アクセル操作量θapがゼロである場合(S33:YES)、ステップS34において、エンジンECU20は、車速Vが2km/h以下であるか否か、換言すると、車速Vがアイドル停止を実行するのに適した値であるか否かを判定する。当該判定は、車速センサ54からの出力を用いて行う。また、車速Vがアイドル停止を実行するのに適した値であるか否かを判定することができるものであれば、2km/h以外の閾値を用いてもよい。
【0077】
車速Vが2km/h以下である場合(S34:YES)、ステップS35において、エンジンECU20は、IS前提条件を満たすと判定する。なお、上記のように、本実施形態では、アイドル停止を開始するためには、IS前提条件を全て満たすのみでなく、IS許可条件を全て満たすことを要する。
【0078】
一方、ステップS31〜S34のいずれか1つでもNOである場合、ステップS36において、エンジンECU20は、IS前提条件を満たさない(IS開始不可)と判定する。
【0079】
(2−2−3.IS許可条件の判定)
図7は、エンジンECU20がIS許可条件を判定するフローチャート(図4のS22の詳細)である。ステップS41において、エンジンECU20は、ボンネット188が閉であるか否かを判定する。当該判定は、ボンネットセンサ182又はSRS ECU36からの出力を用いて行う。
【0080】
ボンネット188が閉である場合(S41:YES)、ステップS42において、エンジンECU20は、運転席側のシートベルト190が着用されているか否かを判定する。当該判定は、シートベルトセンサ184又はSRS ECU36からの出力を用いて行う。
【0081】
シートベルト190が着用されている場合(S42:YES)、ステップS43において、エンジンECU20は、運転席側のドア192が閉であるか否かを判定する。当該判定は、ドアセンサ186又はSRS ECU36からの出力を用いて行う。
【0082】
ドア192が閉である場合(S43:YES)、ステップS44において、エンジンECU20は、エンジン16の暖機が終了したか否かを判定する。具体的には、エンジンECU20は、エンジン水温Twが所定値(水温閾値THtw)以上であり且つ車両12の始動後の走行距離Mが所定値(距離閾値THm)以上であるか否かを判定する。エンジン水温Twは、水温センサ44からの出力を用い、走行距離Mは、メータECU32から取得する。
【0083】
エンジン16の暖機が終了している場合(S44:YES)、ステップS45において、エンジンECU20は、ブレーキ負圧Pnが十分であるか否かを判定する。具体的には、エンジンECU20は、ブレーキ負圧Pnが所定値(負圧閾値THpn)以上であるか否かを判定する。当該判定は、負圧センサ80からの出力を用いて行う。また、上記のように、ブレーキ負圧Pnは、正の値として処理されるため、値が大きい方がブレーキの効きが良いことを示す。
【0084】
ブレーキ負圧Pnが十分である場合(S45:YES)、ステップS46において、エンジンECU20は、VSA機能及びABS機能が停止中であるか否かを判定する。これにより、車両12の姿勢制御中でないか否かを判定することができる。当該判定は、VSA ECU22及びABS ECU24からの出力を用いて行う。
【0085】
VSA機能及びABS機能が停止中である場合(S46:YES)、ステップS47において、エンジンECU20は、エアコンディショナ180の必要電力が過大でないか否かを判定する。具体的には、エアコンディショナ180が作動中である場合、外気温Toutが所定範囲内であるか否かを判定する。
【0086】
ここでの所定範囲は、例えば、極端に寒い又は極端に暑い温度でないことを判定するための値である。換言すると、外気温Toutが所定範囲内にない場合とは、寒さ又は暑さのためエアコンディショナ180の負荷が必然的に大きくなり、エンジン16の作動によりオルタネータ40を作動させる必要がある場合である。外気温Toutは、外気温センサ196(図1)からの出力を用いて行う。
【0087】
エアコンディショナ180の必要電力が過大でない場合(S47:YES)、ステップS48において、エンジンECU20は、操舵中でないか否かを判定する。これにより、車両12が交差点等で停止した場合において、直ちに発進する意思のあるハンドル切り姿勢でないことを確認することが可能となる。当該判定は、舵角センサ82からの出力(舵角θst)を用いて行う。
【0088】
操舵中でない場合(S48:YES)、ステップS49において、エンジンECU20は、ISオフSW56がオフであるか否かを判定する。上記の通り、ISオフSW56がオンの場合、エンジンECU20におけるアイドル停止制御が禁止される。
【0089】
ISオフSW56がオフである場合(S49:YES)、ステップS50において、エンジンECU20は、12Vバッテリ86の残容量(SOC:State of Charge)が十分であるか否かを判定する。具体的には、エンジンECU20は、バッテリECU30から取得したSOCが、所定の閾値(以下「第1バッテリ閾値THsoc」又は「閾値THsoc」という。)以上であるか否かを判定する。
【0090】
SOCは、例えば、現時点における残容量を満充電容量で除したものに100を掛けたものである{SOC=(現時点における残容量/満充電容量)×100}。従って、ステップS50の判定により、12Vバッテリ86がスタータモータ42を起動する時の電圧降下量が所定値を下回っていないか否かを判断することが可能となる。SOCが閾値THsoc以上であれば(S50:YES)、エンジン16によりオルタネータ40を作動させて12Vバッテリ86を充電する必要性が低い。
【0091】
12Vバッテリ86のSOCが十分である場合(S50:YES)、ステップS51において、エンジンECU20は、スタータモータ42の起動回数Nsが所定値以下であるか否かを判定する。具体的には、スタータモータ42の起動回数Nsが所定の閾値(以下「起動回数閾値THns」又は「閾値THns」という。)以下であるか否かを判定する。閾値THnsは、スタータモータ42の起動回数Nsが過度であり、スタータモータ42の交換を要するか否かを判定するための値である。起動回数Nsが閾値THns以下であれば(S51:YES)、スタータモータ42の劣化を考慮してアイドル停止を回避する必要がない。なお、スタータモータ42の起動回数Nsは、エンジンECU20がカウントし、記憶部74(図6)に記憶しておく。
【0092】
スタータモータ42の起動回数Nsが所定値(すなわち、閾値THns)以下の場合(S51:YES)、ステップS52において、エンジンECU20は、アイドル停止を不可とする故障が発生していないか否かを判定する。具体的には、エンジンECU20は、アイドル停止を不可とする故障(以下「IS不可故障」という。)が発生する可能性のある部位を対象制御範囲に含むECUそれぞれと通信し、いずれかのECUの対象制御範囲においてIS不可故障が発生しているか否かを確認する。
【0093】
なお、各ECUは、自己の対象制御範囲において故障(IS不可故障及びそれ以外の故障を含む。)が発生した場合、自己の記憶部(例えば、エンジンECU20であれば記憶部74)に故障コードを記憶する。この故障コードは、外部診断装置14による故障診断等の際に用いられる(詳細は後述する。)。
【0094】
本実施形態における故障コードには、IS故障コードに加え、アイドル停止を不可とするように定義付けられていない故障コード(以下「非IS故障コード」)が存在する。また、IS故障コードには、個別のECUに割り当てられた警告灯(図2のPGM−FI警告灯120、充電警告灯122等)の点灯を伴う比較的重大な故障に対応するもの(以下「第1IS故障コード」という。)と、個別のECUに割り当てられた警告灯の点灯を伴わない比較的軽微な故障で、共通の表示灯112のみ点灯させるに対応するもの(以下「第2IS故障コード」という。)とがある。
【0095】
また、非IS故障コードは、警告灯及び表示灯の点灯を伴わない比較的軽微な故障であり、外部診断装置14を接続して読み出すことにより、故障診断に使用する。
【0096】
図8には、第1IS故障コード、第2IS故障コード及び非IS故障コードに対応する故障の例が示されている。図8に示すように、故障部位(例えば、12Vバッテリ86)が同じであっても、第1IS故障コード(例えば、図8の故障コードCCCC:オルタネータ40の故障)では、充電警告灯122(図2)が点灯するが、第2IS故障コードに対応する故障(例えば、図8の故障コードFFFFの故障:バッテリ電圧センサの故障)では、IS表示灯112が点灯する。また、他の例として、故障部位がエンジン16の場合、第1IS故障コード(例えば、図8の故障コードAAAA:エンジン水温Twが高い)では、PGM−FI警告灯120が点灯するが、第2IS故障コードに対応する故障(例えば、図8の故障コードEEEEの故障:センサの検出電圧が高い)では、IS表示灯112が点灯する。
【0097】
非IS故障コードに対応する故障では、警告灯及び表示灯のいずれも点灯しない。
【0098】
本実施形態において、各ECUは、自己の制御対象範囲に故障を検出すると故障コードを自己の記憶部(例えば、エンジンECU20であれば記憶部74)に記録する。
【0099】
また、本実施形態において、IS故障コードを記録している可能性があるECUとしては、エンジンECU20、VSA ECU22、ABS ECU24、ブレーキ負圧ECU26、EPS ECU28、バッテリECU30、メータECU32、エアコンECU34及びSRS ECU36が設定されている。一方、イモビライザECU38は、IS故障コードを記録している可能性があるECUとしては設定されていない。
【0100】
図7のステップS52に戻り、アイドル停止を不可とする故障が発生していない場合(S52:YES)、ステップS53において、エンジンECU20は、IS許可条件を満たすと判定する。なお、上記のように、本実施形態では、アイドル停止を開始するためには、IS許可条件を全て満たすのみでなく、IS前提条件を全て満たすことを要する。
【0101】
一方、ステップS41〜S52のいずれか1つでもNOである場合、ステップS54において、エンジンECU20は、IS許可条件を満たさない(IS開始不可)と判定する。
【0102】
(2−3.エンジンECU20によるアイドル停止関連表示制御)
(2−3−1.全体的な流れ)
次に、図3のような流れの際にエンジンECU20がメータECU32を介してメータ表示装置92の表示を切り替える制御(アイドル停止関連表示制御)について説明する。
【0103】
図9及び図10は、エンジンECU20がアイドル停止関連表示制御を実行する第1及び第2フローチャートである。図9のステップS61において、エンジンECU20は、上述したアイドル停止(IS)前提条件(図5参照)が満たされるか否かを判定する。IS前提条件が満たされる場合(S61:YES)、ステップS62において、エンジンECU20は、上述したアイドル停止(IS)許可条件(図7参照)が満たされるか否かを判定する。
【0104】
IS許可条件が満たされる場合(S62:YES)、アイドル停止が正常に行われることとなる。このため、ステップS63において、エンジンECU20は、アイドル停止が行われていることを運転者に通知するため、メータECU32を介してIS表示灯112(図2)を緑色で点灯させる。アイドル停止が行われていることを運転者に通知する表示であれば、その他の表示方法であってもよい。
【0105】
ステップS62に戻り、IS許可条件が満たされない場合(S62:NO)、ステップS64において、エンジンECU20は、VSA機能及びABS機能が停止中であるか否かを判定する。これにより、車両12の姿勢制御中でないか否かを判定することができる。
【0106】
VSA機能及びABS機能が停止中である場合(S64:YES)、ステップS65において、エンジンECU20は、操舵中でないか否かを判定する。これにより、車両12が交差点等で停止した場合において、直ちに発進する意思のあるハンドル切り姿勢でないことを確認することが可能となる。
【0107】
操舵中でない場合(S65:YES)、ステップS66において、エンジンECU20は、ISオフSW56がオフであるか否かを判定する。
【0108】
IS前提条件を満たさない場合(S61:NO)、VSA機能及びABS機能が停止中でない場合(S64:NO)、操舵中である場合(S65:NO)、又はISオフSW56がオフでない場合(S66:NO)、ステップS67において、エンジンECU20は、メータECU32を介してIS表示灯112を消灯する。ISオフSW56がオフである場合(S66:YES)、図10のステップS68に進む。
【0109】
図10のステップS68において、エンジンECU20は、12Vバッテリ86の劣化状態(SOH:State of Health)が良好か否かを判定する。具体的には、エンジンECU20は、バッテリECU30から取得したSOHが、所定の閾値(以下「第2バッテリ閾値THsoh」又は「閾値THsoh」という。)以上であるか否かを判定する。
【0110】
SOHは、例えば、現時点における満充電容量を初期の満充電容量で除したものに100を掛けたものである{SOH=(現時点における満充電容量/初期の満充電容量)×100}。従って、ステップS68の判定により、12Vバッテリ86がスタータモータ42を起動する時の電圧降下量が所定値を下回っていないか否かを判断することが可能となる。
【0111】
図10のステップS69、S70、S72は、図7のステップS51、S52、S47の判定結果をそのまま用いることができる。
【0112】
ステップS68において、エンジンECU20は、バッテリ86のSOHが良好である場合(S68:YES)、ステップS69において、スタータモータ42の起動回数Nsが所定値(閾値THns)以下であるか否かを判定する。スタータモータ42の起動回数Nsが所定値以下である場合(S69:YES)、ステップS70において、アイドル停止を不可とする故障が発生していないか否かを判定する。
【0113】
バッテリ86のSOHが良好でない場合(S68:NO)、スタータモータ42の起動回数Nsが所定値以下でない場合(S69:NO)又はアイドル停止を不可とする故障が発生している場合(S70:NO)、ステップS71において、エンジンECU20は、アイドル停止が行われていないことを通知するため、メータECU32を介してIS表示灯112を赤色で点灯させる。
【0114】
本実施形態では、IS表示灯112を赤色で点灯させた後は、その原因が解消するまで(記憶された故障コードが修理によって解消されるまで)赤色での点灯を継続する。このため、IS前提条件が満たされなくなった場合でも、IS表示灯112は、赤色での点灯を継続する。
【0115】
なお、このアイドル停止を不可とする故障が発生している場合(S70:NO)は、特定のECUに対応する警告灯(例えば、PGM−FI警告灯120、充電警告灯122等)を表示させないIS故障コード(第2IS故障コード)を記録する故障が発生した場合のみIS表示灯112を赤色で点灯させ、特定のECUに対応する警告灯を表示させるIS故障コード(第1IS故障コード)を記録する故障が発生した場合はIS表示灯112を消灯させる。しかしながら、他の方法として、第1IS故障コードを記録する故障が発生した場合にもIS表示灯112を同時に点灯させることも考えられる。
【0116】
ステップS70において、アイドル停止を不可とする故障が発生していない場合(S70:YES)、ステップS72において、エアコンディショナ180の必要電力が過大でないか否かを判定する。エアコンディショナ180の必要電力が過大でない場合(S72:YES)、ステップS73において、メータECU32を介してIS表示灯112を消灯させる。エアコンディショナ180の必要電力が過大である場合(S72:NO)、ステップS74において、エアコンディショナ180の必要電力が過大であることを示すため、メータECU32を介してIS表示灯112を緑色で点滅させる。エアコンディショナ180の必要電力が過大であることを通知する表示であれば、その他の表示方法であってもよい。
【0117】
なお、ここでは、理解の容易化のため、エンジンECU20によるアイドル停止制御(図4)とアイドル停止関連表示制御(図9及び図10)とを分けて説明しているが、図4と図9及び図10とでは、共通する処理{例えば、IS前提条件を満たすか否かの判定(図4のS21及び図9のS61)}が多く存在する。このため、アイドル停止制御とアイドル停止関連表示制御とを組み合わせた制御としてもよい。
【0118】
また、ここでは、アイドル停止関連表示制御(図9及び図10)をエンジンECU20が主体となる制御として説明したが、図9及び図10の判定は、メータECU32がエンジンECU20からの出力を用いて行う又はメータECU32が独自に行うのいずれであってもよい。さらに、エンジンECU20からの出力を用いる場合、ステップS61、S62の代わりに、エンジンECU20からアイドル停止中である旨を通知する信号を受信したか否かを判定してもよい。
【0119】
[3.車両診断時の処理]
(3−1.作業者による作業)
図11は、外部診断装置14を用いた車両12の故障診断時の作業を示すフローチャートである。図11のフローチャートは、IS表示灯112が赤色で点灯している旨の連絡、又はアイドリングストップが作動しないことが多いという連絡がユーザからあった場合における作業者の診断作業を示している。なお、上記のように、特定のECUに対応して点灯する警告灯(図2のPGM−FI警告灯120、充電警告灯122等)が点灯するような故障である場合(図8参照)、当該警告灯の点灯を契機としてECUを特定して故障原因の診断を進めることができる。
【0120】
ステップS101において、作業者は、図示しないイグニションスイッチをオンにした上で、メータ表示装置92においてIS表示灯112が赤色で点灯するか否かを判定する{この時点では、車両12(エンジン16)は停止した状態である。}。
【0121】
IS表示灯112が赤色で点灯している場合(S101:YES)、作業者は、ステップS102において、外部診断装置14を車両12のデータリンクコネクタ194に接続して複数のECUそれぞれに記録された故障コードを外部診断装置14で読み出して、外部診断装置14を用いてトラブルシューティングを行う。
【0122】
図12には、IS表示灯112が赤色で点灯している場合において外部診断装置14により車両12のECUそれぞれに記録された故障コードを読み出して、各部の状況を確認した際の表示画面の一例が示されている(図12の詳細は図14を参照して後述する。)。作業者は、図12の表示画面を見ながら点検又は修理を進めることが可能である。
【0123】
図11のステップS101に戻り、IS表示灯112が赤色で点灯していない場合(S101:NO)、ステップS103において、作業者は、車両12を運転している状態で(例えば助手席に座りながら)アイドル停止が正常に実行されているかを判定する。具体的には、ユーザにアイドル停止が作動しないことが多いという運転状態を再現してもらいながら、停止時にアイドル停止が作動しない状態を確認する。すなわち、アイドル停止(IS)前提条件が満たされている状態においてエンジン16が自動的に停止すると共に、IS表示灯112が緑色で点灯しているか否かを判定する。
【0124】
アイドル停止が正常に実行されており、不実行が再現しない場合(S103:YES)、ステップS104において、作業者は、車両12においてアイドル停止は正常に実行されていると判定する。但し、念のためユーザの意見を尊重して、アイドル停止に関連する各部の点検等を併せて行うとか、後述するステップS105と同様、必要に応じて外部診断装置14を用いて車両12の各部の状況を確認してもよい。
【0125】
アイドル停止の不実行が発生した場合(S103:NO)、ステップS105において、作業者は、外部診断装置14を用いたトラブルシューティングを実行する。
【0126】
具体的には、作業者は、ステップS102と同様に外部診断装置14と車両12の各ECUとの間で通信を確立させる。次いで、作業者は、外部診断装置14の操作部204を操作して、外部診断装置14において、アイドル停止に関する診断を開始させる。その後、作業者は、車両12を運転してアイドル停止(IS)前提条件が満たされるようにする。
【0127】
具体的には、上記の走行テストと同様に、ユーザにアイドル停止が作動しない運転状態を再現してもらい、停止時にアイドル停止が作動しない状態を再現させる。
【0128】
そうすると、外部診断装置14の表示部210には、例えば、図13のような表示画面が表示される(図13の詳細は図15を参照して後述する。)。作業者は、図13の表示画面を見ながら車両12がアイドル停止しない理由を解析することが可能となる。
【0129】
この際、アイドル停止が不実行の場合の車両12の運転を、作業者は、図13の表示画面を用いてユーザに説明することができる。例えば、暖機中である旨が表示されている場合(図7のS44)、暖機が終了していないと判断してその旨をユーザに伝える。また、ブレーキ負圧Pnが十分でない旨が表示されている場合(図7のS45)、作業者は、ユーザがブレーキポンピングを過度に行っている旨を指摘することが可能となる。
【0130】
(3−2.外部診断装置14による処理)
(3−2−1.IS表示灯112が赤色に点灯している場合)
図14は、IS表示灯112が赤色に点灯している場合において外部診断装置14により車両12各部の状況を確認するフローチャートである。上記のように、特定のECUに対応する警告灯(図2のPGM−FI警告灯120、充電警告灯122等)が点灯するような故障である場合、当該警告灯の点灯を契機としてECUを特定して故障原因の診断を進めることができる。換言すると、外部診断装置14は、当該警告灯が点灯された場合の診断処理(以下「特定警告灯表示時診断処理」という。)と、特定のECUに対応する警告灯が点灯しないにもかかわらず、アイドル停止しない場合の診断処理(以下「IS診断処理」という。)とを別々に実行する。図14に示すフローチャートは、IS診断処理のフローチャートである。
【0131】
ステップS111において、外部診断装置14は、IS表示灯112が赤色に点灯している場合において、作業者が車両12の各部の状況の確認(以下「第1ISシステムテスト」という。)を要求したか否かを判定する。第1ISシステムテストの要求がない場合(S111:NO)、今回の処理を終える。
【0132】
第1ISシステムテストの要求があった場合(S111:YES)、ステップS112において、外部診断装置14は、各ECUと通信し、IS表示灯112を赤色点灯させる原因(例えば、上述した第2IS故障コードを記録していること)の有無を問い合わせると共に、当該原因が存在する場合、当該原因が発生した時のIS前提条件(図5参照)及びIS許可条件(図7参照)に関連するデータを取得する。但し、ここでは、上記原因を記録している可能性があるECU(例えば、第2IS故障コードを記録している可能性があるECU)との通信のみでよい。
【0133】
なお、外部診断装置14が、各ECUを巡回して通信する行為を「巡回アクセス」という。巡回アクセスに代えて、エンジンECU20の判定結果をエンジンECU20等から取得してもよい。
【0134】
また、上記のように、本実施形態の外部診断装置14は、個別のECUに割り当てられた警告灯(図2のPGM−FI警告灯120、充電警告灯122等)が点灯された場合の診断処理(特定警告灯表示時診断処理)と、当該警告灯が点灯しないにもかかわらず、アイドル停止しない場合の診断処理(IS診断処理)とを別々に実行する。このため、ステップS112において外部診断装置14が有無を問い合わせるIS故障コードは、警告灯の点灯を伴わない故障に対応するもの{すなわち、第2IS故障コード(図8参照)}である。換言すると、ステップS112において、外部診断装置14は、各ECUに対し、第1IS故障コードの有無を問い合わせない。これにより、演算負荷を軽減し、演算時間を短縮することが可能となる。
【0135】
ステップS113において、外部診断装置14は、ステップS112の判定結果を表示部210に表示する(図12参照)。
【0136】
図12に示すように、ステップS113の表示画面では、IS表示灯112を赤色点灯させ得る原因それぞれについて、異常が発生しているか否かを表示する。具体的には、図12の表示画面では、バッテリ86のSOHが十分であるか否か(図10のS68)、スタータモータ42の起動回数Nsが所定値以下であるか否か(S69)及び各第2IS故障コードの有無(S70)を表示する。
【0137】
第2IS故障コードに関し、図12では、第2IS故障コードを記録している可能性のあるECU20、22、24、26、28、30、32、34、36に対応させて、第2IS故障コードの有無及び第2IS故障コードが記録されている場合、その内容を表示部210に表示する。
【0138】
これにより、第2IS故障コードを記録している可能性があるECU20、22、24、26、28、30、32、34、36それぞれに対応させて、第2IS故障コードの記録の有無及びその内容を表示することが可能となる。従って、作業者にとって問合せ結果の判別及び検証が容易となる。
【0139】
(3−2−2.IS表示灯112が赤色に点灯していない場合)
図15は、IS表示灯112が赤色に点灯していない場合において外部診断装置14により車両12各部の状況を確認するフローチャートである。
【0140】
ステップS121おいて、外部診断装置14は、IS表示灯112が赤色に点灯していない場合において、作業者が車両12の各部の状況の確認(以下「第2ISシステムテスト」という。)を要求したか否かを判定する。第2ISシステムテストの要求がない場合(S121:NO)、今回の処理を終える。
【0141】
第2ISシステムテストの要求があった場合(S121:YES)、ステップS122において、外部診断装置14は、上述したIS前提条件(図5参照)を満たすか否かを判定する。当該判定は、外部診断装置14が、エンジンECU20と通信することにより行う。但し、ここでは、IS前提条件を満たすか否かを判断するための値を取得するための通信のみでよい。
【0142】
IS前提条件が満たされる場合(S122:YES)、ステップS123において、外部診断装置14は、上述したIS許可条件(図7参照)を満たすか否かを判定する。当該判定は、外部診断装置14が、エンジンECU20と通信することにより行う。但し、ここでは、IS許可条件を満たすか否かを判断するための値及び状態を取得するための通信のみでよい。
【0143】
ステップS124において、外部診断装置14は、ステップS123の判定結果を表示部210に表示する(図13参照)。図13に示す判定結果では、アイドル停止が不実行の理由は、バッテリ86の充電状態について、「SOC40%以上」でないことが原因であることが表示されている。このように、本実施形態では、IS前提条件及びIS許可条件それぞれについて判定結果及び現状を表示すると共に、IS前提条件及びIS許可条件の内容を表示する。
【0144】
上記のような表示を用いることで、作業者は、いずれのIS前提条件又はIS許可条件が満たされていないのかを判断することができると共に、ユーザに対して、アイドル停止の不実行が故障によるものでなく、アイドル停止しない方が良い場面であるという予め設定した内容であることを、当該判断の結果として簡易に知らせることが可能となる。例えば、「エンジン水温」の項目で、エンジン水温Twが「45℃」より低く、暖機が完了していない場合、作業者は、そのことをユーザに指摘することができる。また、「ブレーキ負圧」の項目で、ブレーキ負圧Pnが「39.1kPa」より低い場合、作業者は、ユーザの運転操作について、ブレーキポンピングが過度に行われている旨を指摘することが可能となる。
【0145】
図15のステップS122に戻り、IS前提条件を満たさない場合(S122:NO)、ステップS125において、外部診断装置14は、表示部210にエラーメッセージを表示する。
【0146】
[4.本実施形態の効果]
以上のように、本実施形態によれば、アイドル停止の不実行についての故障診断を行う際、複数のECU20、22、24、26、28、30、32、34、36から第2IS故障コードを抽出し、第1IS故障コードを抽出しない。このため、アイドル停止の不実行についての故障診断における点検項目を絞り込むことが可能になる。加えて、第2IS故障コードの送信のみを複数のECU20、22、24、26、28、30、32、34、36に要求する場合、ECU20、22、24、26、28、30、32、34、36と外部診断装置14との間の通信量を低減することが可能となる。従って、アイドル停止の不実行についての故障診断を簡易且つ迅速に行うことが可能となる。
【0147】
特に、アイドル停止を不可とするように定義付けられたIS故障コードを記録する可能性があるECUの数が非常に多い場合(例えば、数百個である場合)、その効果は顕著なものとなる。
【0148】
B.変形例
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す構成を採ることができる。
【0149】
[1.搭載対象]
上記実施形態では、外部診断装置14を車両12に用いたが、これに限らず、駆動源のアイドル停止を行うその他の装置(例えば、船舶、航空機等の移動体)に用いることもできる。また、ここにいう駆動源は、必ずしも車両12等の移動体を直接的に移動させるための駆動力を生成するものではなく、例えば、車両12においてモータでの発電を行うためのエンジンであってもよい。或いは、車両12等の移動体又は製造装置で用いる冷却用ポンプ、エアコンプレッサ等の駆動力生成装置であってもよい。
【0150】
[2.車両12]
(2−1.構成)
上記実施形態では、車両12をMT車としたが、アイドル停止を行うものであれば、これに限らず、例えば、オートマチックトランスミッション車(AT車)であってもよい。
【0151】
上記実施形態では、車両12をディーゼルエンジン車としたが、駆動源のアイドル停止を行うものであれば、これに限らない。例えば、車両12をガソリンエンジン車、ハイブリッド車又は燃料電池車であってもよい。
【0152】
(2−2.アイドル停止の条件)
上記実施形態では、アイドル停止制御(図4)で用いる条件として、IS前提条件(図5)とIS許可条件(図7)とで分けたが、アイドル停止制御で用いる条件としては、必ずしも両者を分ける必要はない。すなわち、アイドル停止関連表示制御(図9及び図10)と異なり、アイドル停止制御では、アイドル停止を実行するか否かを判断することができれば十分であるから、IS前提条件とIS許可条件をまとめてアイドル停止(IS)条件として用いることも可能である。
【0153】
また、アイドル停止関連表示制御では、IS前提条件が満たされているにもかかわらず、アイドル停止が実行されない状態を運転者に通知することができれば、必ずしも図9及び図10のフローチャートのような処理(IS前提条件の判定ステップとIS許可条件の判定ステップを分けて実行する処理)を行う必要はなく、アイドル停止に関する条件の組合せでIS表示灯112の動作を決定してもよい。
【0154】
さらに、アイドル停止制御及びアイドル停止関連表示制御それぞれで用いるIS前提条件及びIS許可条件の内容は、運転者が運転操作に際して認識可能なものを含みアイドル停止の前提となる条件をIS前提条件が少なくとも1つ含んでいれば、適宜変更することが可能である。
【0155】
換言すると、運転者がアイドル停止の実行を想定する場面をIS前提条件で設定し、IS前提条件が満たされているにもかかわらず、アイドル停止をあえて実行しないことをIS表示灯112等で通知することができればよい。従って、例えば、IS前提条件に運転者が運転操作に際して認識可能なものを含みアイドル停止の前提となる条件をIS前提条件が少なくとも1つ含んでいれば、上記実施形態においてIS許可条件に含めていた条件のいずれかをIS前提条件として設定すること、及び上記実施形態においてIS前提条件に含めていた条件のいずれかをIS許可条件として設定することのいずれも可能である。
【0156】
さらにまた、「IS許可条件」との字句は、「アイドル停止(IS)禁止条件」と置き換えても実質的に同じである。但し、この場合、IS許可条件を満たすことは、IS禁止条件を満たさないことを意味する。
【0157】
(2−3.IS表示灯112の点灯/点滅)
上記実施形態では、IS表示灯112(アイドル停止異常表示部)の点灯色又は点滅色は、アイドル停止が実行されている場合等の緑色(図9のS63及び図10のS74)と、アイドル許可条件の一部が満たされていない場合の赤色(図10のS71)であった。しかしながら、アイドル停止が実行されている場合と、アイドル前提条件が満たされているにもかかわらずアイドル停止が実行されない場合と、アイドル前提条件が満たされない場合とを判断できれば、これに限らない。
【0158】
例えば、アイドル停止が実行されている場合は緑色で点灯し、図10のS71の場合は赤色で点灯し、それ以外のアイドル許可条件が満たされていない場合は黄色で点灯し、アイドル前提条件が満たされない場合、消灯してもよい。
【0159】
上記実施形態では、いずれのECUにおいて第2IS故障コードが記録された場合でも、IS表示灯112を赤色で点灯させたが(図10のS70:NO→S71)、IS表示灯112を複数設けてECU毎に点灯又は点滅させるIS表示灯112を変化させてもよい。
【0160】
上記実施形態では、第2IS故障コードが記録されている場合のアイドル停止の不実行の通知にIS表示灯112を用いたが、それ以外の方法{例えば、第5表示部102(MID)への表示}であってもよい。
【0161】
[3.外部診断装置14]
(3−1.構成)
上記実施形態では、外部診断装置14は、例えば、市販のノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ又はスマートフォンから構成し、単一のものとしたが、これに限らない。例えば、外部診断装置14は、本体としてのパーソナルコンピュータと、車両12とのインタフェースとしての子機(テスタ)とから構成してもよい。
【0162】
上記実施形態において、外部診断装置14は、通信ケーブル200を介して各ECUとの通信を行ったが、これに限らず、無線により通信してもよい。
【0163】
また、外部診断装置14で用いる診断ソフトウェアは、記憶部208に予め記録されていたが、これに限らず、外部(例えば、公衆ネットワークを介して通信可能な外部サーバ)からダウンロードしたもの、又はダウンロードを伴わないいわゆるASP(Application Service Provider)型で実行するものであってもよい。
【0164】
(3−2.制御)
図14のフローチャートにおいて、外部診断装置14は、第2IS故障コードを記録している可能性があるECU20、22、24、26、28、30、32、34、36に対して第2IS故障コードの送信のみを要求したが、第2IS故障コードが含まれる送信形態であれば、これに限らない。例えば、外部診断装置14は、ECU20、22、24、26、28、30、32、34、36に対して第1IS故障コード及び第2IS故障コードの送信を要求し、外部診断装置14側で第2IS故障コードを抽出することも可能である。或いは、外部診断装置14は、ECU20、22、24、26、28、30、32、34、36に対して全ての故障コード(第1IS故障コード、第2IS故障コード及び非IS故障コード)又は第2IS故障コード及び非IS故障コードの送信を要求し、外部診断装置14側で第2IS故障コードを抽出することも可能である。
【0165】
第2IS故障コード以外の故障コードの送信を伴う場合、例えば、次のような処理を行うことができる。外部診断装置14は、第2IS故障コードを記録している可能性があるECU20、22、24、26、28、30、32、34、36それぞれに対応させて第2IS故障コードが登録されたデータベースを記憶部208に備えておく(外部からダウンロードする形態であってもよい。)。
【0166】
さらに、外部診断装置14は、第2IS故障コードを記録している可能性があるECU20、22、24、26、28、30、32、34、36から第2IS故障コード及びそれ以外の故障コードを読み出す。そして、外部診断装置14は、読み出した各故障コードと、第2IS故障コードを記録している可能性があるECU20、22、24、26、28、30、32、34、36に対応させて前記データベースに登録されている故障コードとを比較して、第2IS故障コードを抽出する。
【0167】
これにより、外部診断装置14が読み出す故障コードに、第2IS故障コード以外の故障コードが含まれている場合であっても、第2IS故障コードを簡易に抽出することが可能となる。
【0168】
(3−3.表示画面)
上記実施形態では、外部診断装置14の診断結果を、外部診断装置14の表示部210に表示したが、車両12のナビゲーション装置(図示せず)用に用いるモニタ(図示せず)に表示してもよい。
【0169】
上記実施形態では、表示部210に表示する画面として、図12及び図13に示すものを例として挙げたが、診断結果を表示する画面は、これに限らない。
【0170】
例えば、図12及び図13では、満たされていないIS許可条件の内容に加えて、満たされているIS許可条件の内容を表示したが、満たされていないIS許可条件の内容のみの表示とすることも可能である。
【0171】
また、図15のフローチャートでは、IS前提条件が満たされている場合にのみ表示画面(図13)を表示するようにしたが(図15のS122:YES→S124)、IS前提条件が満たされていない場合であってもIS前提条件及びIS許可条件の少なくとも一方に関する表示画面を表示してもよい。この場合、IS前提条件が満たされているか否かを当該表示画面に表示することが好ましい。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】