(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013099564
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150430
(54)【発明の名称】赤外遮蔽フィルム、これを用いた熱線反射合わせガラス、および熱線反射合わせガラスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/28 20060101AFI20150403BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20150403BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20150403BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20150403BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20150403BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20150403BHJP
   B60J 1/00 20060101ALN20150403BHJP
【FI】
   !G02B5/28
   !G02B5/26
   !C03C27/12 L
   !B32B7/02 105
   !B32B27/36
   !B32B27/36 102
   !B32B27/30 A
   !B60J1/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】2013551570
(21)【国際出願番号】JP2012081828
(22)【国際出願日】20121207
(31)【優先権主張番号】2011289191
(32)【優先日】20111228
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番2号
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】當間 恭雄
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 コニカミノルタ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H148
4F100
4G061
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】太陽光のどの入射角度に対しても赤外遮蔽効果が高い赤外遮蔽フィルムおよびこれを用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
【解決手段】高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む赤外遮蔽フィルムであって、前記高屈折率層が、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種ならびに金属酸化物粒子を含むことを特徴とする赤外遮蔽フィルム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む赤外遮蔽フィルムであって、
前記高屈折率層が、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種ならびに金属酸化物粒子を含むことを特徴とする赤外遮蔽フィルム。
【請求項2】
前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子である、請求項1に記載の赤外遮蔽フィルム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の赤外遮蔽フィルムと、
前記赤外遮蔽フィルムを挟持する一対の中間膜と、
前記赤外遮蔽フィルムおよび前記中間膜を挟持する一対の板ガラスと、を有する、熱線反射合わせガラス。
【請求項4】
前記板ガラスが曲面形状である、請求項3に記載の熱線反射合わせガラス。
【請求項5】
前記中間膜が、平均粒径が0.2μm以下の熱線遮蔽性微粒子を含有する、請求項3または4に記載の熱線反射合わせガラス。
【請求項6】
ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種および金属酸化物粒子を含む高屈折率層形成用組成物と、低屈折率層形成用組成物と、を用いて同時押し出しにより高屈折率層および低屈折率層を形成して赤外遮蔽フィルムを得る工程と、
前記赤外遮蔽フィルムを一対の中間膜で挟持させ、さらに前記赤外遮蔽フィルムおよび前記中間膜を一対の板ガラスで挟持させる工程と、を含むことを特徴とする、熱線反射合わせガラスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤外遮蔽フィルム、これを用いた熱線反射合わせガラス、および熱線反射合わせガラスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築用ガラスや車両用ガラスにおいて、室内または車内に入る太陽輻射エネルギーを遮蔽し、温度上昇、冷房負荷を低減する目的で、赤外遮蔽フィルムを有する断熱ガラスが採用されている。
【0003】
フィルム薄膜形成方法には、真空蒸着やスパッタリングなどのドライプロセスがよく知られているが、その原理及び装置構成から、大面積に対して均一に成膜するのは困難と言われている。また成膜レートが非常に遅いため、製造コストがかかり、量産に向かない製法である。さらに被成膜基材には耐熱性が必要となる場合が多い。たとえば樹脂基材は熱膨張、収縮係数が大きいので、蒸着温度から室温へと温度が低下する間の、基板と蒸着した膜との収縮率の差に起因する応力により、膜が剥がれたり、凹凸が発生することがあった。
【0004】
また、一般的に蒸着やスパッタで形成した膜は硬い性質を有しているため、柔軟な基板上に形成する場合、曲げ部分などに割れやキズなどが発生することがある。
【0005】
かような理由に鑑み、屈折率の異なるポリマーを積層して形成した赤外遮蔽フィルムが従来より知られており、また、2枚のガラス間にこれを挟持させた熱線反射合わせガラスも開示されている。特許文献1では、フィルムを延伸することによって、屈折率の制御が容易なフィルムを形成する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第99/36808号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された赤外遮蔽フィルムは、屈折率の制御は容易であるものの、フィルムの延伸による屈折率制御を利用しているため、フィルムに垂直に入射する光に対する赤外線反射率は高いが、斜めからの入射光に対しては屈折率差が小さくなるため、赤外線反射率が低下してしまう。さらに、車両用等の曲面形状ガラスにフィルムを用いた場合には、さらに可視光線の反射による色ムラが生じる場合があった。
【0008】
そこで本発明は、太陽光のどの入射角度に対しても赤外遮蔽効果が高い赤外遮蔽フィルムおよびこれを用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の他の目的は、赤外遮蔽フィルムを曲面形状のガラスに用いた際にも十分な赤外遮蔽効果が得られ、また、可視光の反射による色ムラの小さい赤外遮蔽フィルムおよびこれを用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した赤外遮蔽フィルム、これを含む熱線反射合わせガラスおよび熱線反射合わせガラスの製造方法は以下の構成である。
【0011】
1.高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む赤外遮蔽フィルムであって、前記高屈折率層が、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種ならびに金属酸化物粒子を含むことを特徴とする赤外遮蔽フィルム。
【0012】
2.前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子である、1.に記載の赤外遮蔽フィルム。
【0013】
3.1.または2.に記載の赤外遮蔽フィルムと、前記赤外遮蔽フィルムを挟持する一対の中間膜と、前記赤外遮蔽フィルムおよび前記中間膜を挟持する一対の板ガラスと、を有する、熱線反射合わせガラス。
【0014】
4.前記板ガラスが曲面形状である、3.に記載の熱線反射合わせガラス。
【0015】
5.前記中間膜が、平均粒径が0.2μm以下の熱線遮蔽性微粒子を含有する、3.または4.に記載の熱線反射合わせガラス。
【0016】
6.ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種および金属酸化物粒子を含む高屈折率層形成用組成物と、低屈折率層形成用組成物と、を用いて同時押し出しにより高屈折率層および低屈折率層を形成して赤外遮蔽フィルムを得る工程と、前記赤外遮蔽フィルムを一対の中間膜で挟持させ、さらに前記赤外遮蔽フィルムおよび前記中間膜を一対の板ガラスで挟持させる工程と、を含むことを特徴とする、熱線反射合わせガラスの製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】熱線合わせガラスの構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の赤外遮蔽フィルムは、基本的な構成として、高屈折率層、および低屈折率層から構成されるユニットを含む。そして、高屈折率層に金属酸化物粒子およびポリマーを用いることに特徴を有する。
【0019】
従来の高屈折率層、特にフィルムを延伸することにより屈折率を制御していた高屈折率層は、分子配向に由来する複屈折が大きいために、高屈折率層の屈折率において入射光の角度依存性が大きかった。
【0020】
これに対し、本発明の赤外遮蔽フィルムは、入射光の角度に依存せずに赤外遮蔽効果を発揮することができる。これは、高屈折率層が金属酸化物粒子を含有しているため、該金属酸化物粒子によりポリマーの分子配向が抑制されるために、複屈折が小さくなるためと考えられる。
【0021】
また、従来のポリマーのみを積層させて得られた赤外遮蔽フィルムとは異なり、高屈折率層に金属酸化物粒子を含有するため、高屈折率層の屈折率を高くすることができ、高低屈折率層を積層したユニット数を減らして薄膜にしても高い赤外反射率を得ることが可能となる。
【0022】
以下、本発明の赤外遮蔽フィルムの構成について説明する。
【0023】
[高屈折率層]
高屈折率層は、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートの少なくとも1種のポリマーならびに金属酸化物粒子を含む。
【0024】
(金属酸化物粒子)
金属酸化物粒子としては、金属酸化物を構成する金属が、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類金属からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属である金属酸化物を用いることができ、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、アルミニウム・マグネシウム酸化物(MgAl)等の粒子および複合粒子の中で、屈折率が1.6を満たす(屈折率が1.6以上である)ものが挙げられる。
【0025】
また、金属酸化物粒子として、希土類酸化物を用いることもでき、具体的には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等も挙げられる。
【0026】
高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、屈折率が1.90以上、より好ましくは2.0以上の金属酸化物粒子が好ましく、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。屈折率が高いことから、金属酸化物粒子としては、酸化チタンが好ましく、特に、ルチル型酸化チタン粒子を用いることが好ましい。高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子は、1種単独であってもよいし、2種以上併用してもよい。
【0027】
また、金属酸化物粒子は、膜の透明性の観点から平均一次粒径が100nm以下であることが好ましく、4〜50nmであることがより好ましい。
【0028】
金属酸化物粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0029】
〈酸化チタン粒子〉
一般的に、酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、表面処理としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ジルコニア等、1種またその2種類以上で処理されているものが好ましい。より具体的には、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られている。
【0030】
さらに、酸化チタン粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
【0031】
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
高屈折率層における金属酸化物粒子の含有量としては、高屈折率層の固形分100質量%に対して、赤外遮蔽の観点および曲面形状のガラスにフィルムを適用した場合の色ムラ低減の観点から、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。
【0032】
(ポリマー)
高屈折率層は必須にポリマー材料を含む。屈折率層を形成するのがポリマー材料であれば、塗布やスピンコートなどの成膜方法が選択可能となる。これらの方法は簡便であり、基材の耐熱性を問わないので選択肢が広く、特に樹脂基材に対して有効な成膜方法といえる。たとえば塗布型ならばロール・ツー・ロール法などの大量生産方式が採用できて、コスト面でもプロセス時間面でも有利になる。また、ポリマー材料を含む膜はフレキシブル性が高いため、生産時や運搬時に巻き取りを行っても、これらの欠陥が発生しづらく、取扱性に優れているという長所がある。
【0033】
高屈折率層に含まれるポリマーは、金属酸化物粒子との混合性に優れ、かつ成膜性が良好であるため、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む。高屈折率層を構成するポリマーは1種であってもよいし、2種以上であってもよい。ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートのポリマー中の含有率は、上記効果を鑑みると、ポリマー全質量に対して60〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。
【0034】
ポリエステルは、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有する。ポリエステルは共重合体であっても良い。ポリエステルとして用いうるものとしては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびその異性体(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および2,3−PEN)等のポリアルキレンナフタレート、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンジフェニルレートなどが挙げられる。中でも、赤外遮蔽効果が高く、また安価であり、非常に多岐にわたる用途に用いることができるので、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートであることが好ましく、ポリアルキレンテレフタレートであることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートであることがさらに好ましい。
【0035】
ポリ(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体であり、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルアクリレートなどが挙げられる。中でも、赤外遮蔽効果が高く、また安価であり、非常に多岐にわたる用途に用いることができるので、ポリメチルメタクリレートが好ましい。
【0036】
高屈折率層に含まれるポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、10,000〜1,000,000程度であり、50,000〜800,000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を採用する。
【0037】
高屈折率層には、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレート以外のその他のポリマーを含んでいてもよい。その他のポリマーとしては、下記低屈折率層に用いられるポリマーとして列挙したポリマーが挙げられる。
【0038】
また、高屈折率層中、ポリマーの含有量は、高屈折率の全固形分に対して、20〜80質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
【0039】
[低屈折率層]
低屈折率層は、上記ポリマーの欄で記載したように、好適にはポリマーを含む。
【0040】
低屈折率層に含まれるポリマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびその異性体(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および2,3−PEN)、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリイミド(例えば、ポリアクリル酸イミド)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート(例えば、ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、およびポリメチルメタクリレート)、ポリアクリレート(例えば、ポリブチルアクリレートおよびポリメチルアクリレート)、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、および硝酸セルロース)、ポリアルキレンポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、およびポリ(4−メチル)ペンテン)、フッ素化ポリマー(例えば、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、およびポリクロロトリフルオロエチレン)、塩素化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニリデンおよびポリ塩化ビニル)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、およびネオプレン)、ならびにポリウレタンが挙げられる。コポリマー、例えば、PENのコポリマー(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および/または2,3−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらのエステルと、(a)テレフタル酸もしくはそのエステル、(b)イソフタル酸もしくはそのエステル、(c)フタル酸もしくはそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、および/または(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)とのコポリマー)、ポリアルキレンテレフタレートのコポリマー(例えば、テレフタル酸もしくはそのエステルと、(a)ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル、(b)イソフタル酸もしくはそのエステル、(c)フタル酸もしくはそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、および/または(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)とのコポリマー)、スチレンコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエンコポリマーおよびスチレン−アクリロニトリルコポリマー)、ならびに4,4’−二安息香酸およびエチレングリコールのコポリマーなども利用できる。更に、個々の層にはそれぞれ、2つ以上の上記のポリマーまたはコポリマーのブレンド(例えば、sPSとアタクチックポリスチレンとのブレンド)が含まれていてもよい。
【0041】
上記のうち、低屈折率層に含まれるポリマー材料としては、赤外遮蔽効果の点からポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンポリマー、セルロース誘導体などが好ましく、ポリ(メタ)アクリレートがより好ましく、ポリメチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0042】
低屈折率層に含まれるポリマーの重量平均分子量は、10,000〜1,000,000程度であり、50,000〜800,000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を採用する。
【0043】
また、低屈折率層中、ポリマーの含有量は、低屈折率の全固形分に対して、50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%である。
【0044】
低屈折率層は、金属酸化物粒子を含んでいてもよく、金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を用いることが好ましく、コロイダルシリカを用いることが特に好ましい。低屈折率層に含まれる金属酸化物粒子(好ましくは二酸化ケイ素)は、その平均粒径が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmであるのがより好ましく、3〜40nmであるのがさらに好ましく、3〜20nmであるのが特に好ましく、4〜10nmであるのがもっとも好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。低屈折率層中の金属酸化物の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0045】
コロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、たとえば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号パンフレットなどに記載されているものである。この様なコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
【0046】
低屈折率層における金属酸化物粒子の含有量としては、低屈折率層の固形分100質量%に対して、赤外遮蔽の観点から、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましい。
【0047】
また、本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
【0048】
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
【0049】
[基材]
赤外遮蔽フィルムには必要により基材を用いてもよい。
【0050】
赤外遮蔽フィルムの基材としては、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。
【0051】
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
【0052】
本発明に用いられるフィルム支持体の厚みは、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
【0053】
[赤外遮蔽フィルム]
本発明の赤外遮蔽フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とからなるユニットを少なくとも1つ積層した構成(積層膜)であればよいが、高屈折率層および低屈折率層の総数の上限としては、100層以下、すなわち50ユニット以下であることが好ましい。より好ましくは40層(20ユニット)以下であり、さらに好ましくは20層(10ユニット)以下である。総層数の範囲の下限は特に限定されるものではないが、5層以上であることが好ましい。上述したように、本願のフィルムは高屈折率層に金属酸化物粒子を含むため、従来のポリマー積層形態のフィルムと比較して、積層数が低減され、薄膜とすることができる。層数を減らすことで、生産性が向上し、積層界面での散乱による透明性の減少を抑制することができる。
【0054】
また、本発明の赤外遮蔽フィルムは、上記ユニットを少なくとも1つ積層した構成であればよく、たとえば、積層膜の最表層や最下層のどちらも高屈折率層または低屈折率層となる積層膜であってもよい。
【0055】
本発明の赤外遮蔽フィルムにおいて、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.70〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20であり、さらに好ましくは1.90〜2.20である。また、本発明の低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60であることが好ましく、1.30〜1.55であるのがより好ましく、1.30〜1.50がさらに好ましい。
【0056】
赤外遮蔽フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で赤外反射率を高くすることができる観点で好ましいが、本発明では、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットの少なくとも1つにおいて、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.4以上である。
【0057】
また、本発明の赤外遮蔽フィルムにおいては、隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることが好ましいが、高屈折率層と低屈折率層を上記のようにそれぞれ複数層有する場合には、全ての屈折率層が本発明で規定する要件を満たすことが好ましい。ただし、最表層や最下層に関しては、本発明で規定する要件外の構成であってもよい。
【0058】
特定波長領域の反射率は、隣接する2層(高屈折率層と低屈折率層)の屈折率差と積層数で決まり、屈折率差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。たとえば、赤外遮蔽率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、100層を超える積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下する。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.40程度が限界である。
【0059】
上記屈折率差は、高屈折率層、低屈折率層の屈折率を下記の方法に従って求め、両者の差分を屈折率差とする。
【0060】
(必要により基材を用いて)各屈折率層を単層で作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
【0061】
従来のポリマーのみを積層させて得られた赤外遮蔽フィルムと比較して、高屈折率層に金属酸化物粒子を含有するため、高屈折率層の屈折率を高くすることができ、高低屈折率層を積層したユニット数を減らして薄膜にしても高い赤外反射率を得ることが可能となる。
【0062】
本発明の赤外遮蔽フィルムの全体の厚みは、好ましくは12μm〜315μm、より好ましくは15μm〜200μm、さらに好ましくは20μm〜100μmである。
【0063】
なお、本明細書において、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い方の屈折率層を高屈折率層とし、低い方の屈折率層を低屈折率層とすることを意味する。したがって、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、光学反射フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する2つの屈折率層に着目した場合に、各屈折率層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。
【0064】
さらには、本発明の赤外遮蔽フィルムの光学特性として、JIS R3106−1998により測定される可視光領域の透過率が50%以上であり、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
【0065】
屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましい。
【0066】
赤外遮蔽フィルムは、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、本発明の高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
【0067】
〔合わせガラス〕
本発明の赤外遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備(基体)に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。特に、本発明に係る赤外遮蔽フィルムが中間膜を介してガラスの基体に貼合されている部材には好適である。
【0068】
また、従来のポリマーの積層により形成した赤外遮蔽フィルムを曲面形状のガラスに適用すると、屈折率差の不均一性によって様々な可視光の反射が生じていた。本発明の赤外遮蔽フィルムは、屈折率の角度依存性が小さいため、曲面形状のガラスに適用すると、十分な赤外遮蔽効果が得られるとともに、可視光の反射による色ムラを低減することができる。
【0069】
合わせガラスは、建築用途、住居用途、自動車用途などに用いることができる。
【0070】
合わせガラスの一実施形態を図1に示す。図1の合わせガラスは、2枚の板ガラス1の間に、2枚の中間膜2を用いて赤外遮蔽フィルム3が挟持されてなる構造をとる。赤外遮蔽フィルム3は、上記で説明した本発明の赤外遮蔽フィルムである。その他の合わせガラスの構成部材について以下説明する。
【0071】
(中間膜)
中間膜は、赤外遮蔽フィルムとガラスとを張り合わせる接着性能を有する膜であればいずれの膜も用いることができる。
【0072】
中間膜は好適には、ポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などの樹脂材料を含む。具体的には可塑性ポリビニルブチラール〔積水化学工業社製、三菱モンサント社製等〕、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン〕、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体〔東ソー社製、メルセンG〕等を含有する。これらの樹脂材料は、中間膜100質量%に対して80〜100質量%であることが好ましい。
【0073】
中間膜は上記樹脂膜の単層で構成されてもよいし、2層以上を積層された状態で用いられてもよい。また、2枚の中間膜とは同一種類の樹脂から構成されていてもよいし、異なる種類の樹脂から構成されていてもよい。
【0074】
また、中間膜は、熱線遮蔽効果の点から、熱線遮蔽吸収能を有する平均粒径が0.2μm以下の熱線遮蔽性微粒子を含有することが好ましい。熱線遮蔽性微粒子を含有した中間膜を用いると、フィルムを曲面形状のガラスに適用した場合の可視光の反射による色ムラが低減される効果もある。これは熱線遮蔽性微粒子による散乱および吸収により可視光の反射が目立たなくなるためであると考えられる。
【0075】
前記熱線遮蔽性微粒子としては、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物あるいはこれらのSb、Sn、もしくはFのドープ物の各単独物またはこれらの中から少なくとも2種以上を選択してなる複合物が挙げられ、熱線遮蔽効果の点からはアンチモンドープ酸化スズ(ATO)または酸化インジウムスズ(ITO)であることが好ましい。
【0076】
熱線遮蔽性微粒子の平均粒径は、可視光の反射を抑制しつつ、熱線遮蔽効果を確保できること、また散乱によるヘイズの劣化が生じず、透明性を確保できることから、0.2μm以下であるが、好ましくは0.15μm以下である。なお、平均粒径の下限は特に限定されるものではないが、0.10μm以上であることが好ましい。上記平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0077】
熱線遮蔽性微粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、熱線遮蔽効果の点から、中間膜の全質量に対し、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
【0078】
なお、中間層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
【0079】
中間層の膜厚は、通常0.1〜2mm程度である。
【0080】
(板ガラス)
板ガラスの種類は特に限定されるものではなく、用途に要求される光透過性能や断熱性能によって選択すればよく、無機ガラスであっても有機ガラスであってもよい。
【0081】
無機ガラス板としては特に限定されるものではなく、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、熱線吸収板ガラス、着色板ガラスなどの各種無機ガラスなどが挙げられる。有機ガラスとしては、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリメチルメタクリレート類等の樹脂からなるガラス板などが挙げられる。これらの有機ガラス板は、上記樹脂からなるシート形状のものを複数積層してなる積層体であってもよい。色についても、透明ガラス板に限らず車両等に用いられる汎用の緑色、茶色、青色等の様々な色のガラス板を用いることができる。板ガラスは同一の種類であってもよく、2種以上併用してもよい。
【0082】
板ガラスの厚さは、強度および可視光域の赤外光の透過性を考慮して、1〜10mm程度であることが好ましい。
【0083】
曲面形状の板ガラスは、板ガラスの曲率半径が0.5〜2.0mであることが好ましい。板ガラスの曲率半径がこの範囲であれば、赤外遮蔽フィルムがガラスの曲面形状に沿うことができる。
【0084】
[赤外遮蔽フィルムの製造方法]
本発明の赤外遮蔽フィルムの製造方法について特に制限はなく、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ形成することができるのであれば、いかなる方法でも用いられうる。
【0085】
本発明の赤外遮蔽フィルムの製造方法では、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを積層して形成される。具体的には、(1)基材上に高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成する方法、(2)同時押し出しにより積層体を形成後、該積層体を延伸してフィルムを形成する方法が挙げられる。本発明では、高屈折率層に金属酸化物を含有するので、上記(1)および(2)の双方の製造方法でフィルムを作製することができる。中でも、膜厚が均一な薄膜積層体を形成でき、入射光の角度に依存することなく赤外遮蔽効果が上がるので、(2)の同時押し出し工程を用いる方法が好ましい。
【0086】
上記(1)の方法における塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
【0087】
上記(1)の方法は、具体的には以下の形態が挙げられる;(1)基材上に、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成し、フィルムを形成する方法;(2)基材上に、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成し、フィルムを形成する方法;(3)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを交互に逐次重層塗布・乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含むフィルムを形成する方法;(4)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを同時重層塗布し、乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含むフィルムを形成する方法;などが挙げられる。
【0088】
各屈折率層塗布液を調整するための有機溶媒としては、用いられるポリマー種に応じて適宜選択される。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。このうち、酢酸エチルが好ましく、酢酸2−メトキシエチルがより好ましい。
【0089】
各屈折率層塗布液中の溶媒の濃度は、80〜100質量%であることが好ましい。
【0090】
上記(2)における同時押出し工程は、米国特許第6049419号に記載の方法を用いることができる。すなわち、高屈折率層材料のポリマー、金属酸化物粒子およびその他の添加剤(高屈折率層形成用組成物)ならびに低屈折層材料のポリマーおよびその他の添加剤(低屈折率層形成用組成物)を同時押出し法を用いて高屈折率層および低屈折率層を形成することができる。
【0091】
一実施形態として、各屈折率層材料を100〜400℃で押出しに適当な粘度になるように溶融させ、必要に応じて各種添加剤を添加し、両方のポリマーを交互に二層になるように押出し機によって押し出すことができる。
【0092】
上記溶融前に、ポリマー、およびその他必要により添加される添加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましい。混合は、混合機等により行なってもよい。また、混合物を押出し機を用いて直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、混合物をペレット化した後、該ペレットを押出し機で溶融して製膜するようにしてもよい。
【0093】
押出し機は、市場で入手可能な種々の押出し機を使用可能であるが、溶融混練押出し機が好ましく、単軸押出し機でも2軸押出し機でもよい。
【0094】
なお、混合物からペレットを作製せずに、直接製膜を行なう場合、適当な混練度が必要であるため2軸押出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリューの形状をマドック型、ユニメルト、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更することにより、適度の混練が得られるので、使用可能である。また、ペレットを使用する場合は、単軸押出し機でも2軸押出し機でも使用可能である。
【0095】
また、混練時には、窒素ガス等の不活性ガスで置換するか、あるいは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
【0096】
次に、押し出された積層膜を、冷却ドラム等により冷却固化し、積層体を得る。
【0097】
その後、この積層体を加熱してから二方向に延伸し、赤外遮蔽フィルムを得ることができる。
【0098】
延伸方法としては、前述の冷却ドラムから剥離され、得られた未延伸フィルムを複数のロール群および/または赤外線ヒーター等の加熱装置を介してガラス転移温度(Tg)−50℃からTg+100℃の範囲内に加熱し、フィルム搬送方向(長手方向ともいう)に、一段または多段縦延伸することが好ましい。次に、上記のようにして得られた延伸されたフィルムを、フィルム搬送方向に直交する方向(幅手方向ともいう)に延伸することも好ましい。フィルムを幅手方向に延伸するには、テンター装置を用いることが好ましい。
【0099】
フィルム搬送方向またはフィルム搬送方向に直交する方向に延伸する場合は、1.5〜5.0倍の倍率で延伸することが好ましく、より好ましくは2.0〜4.0倍の範囲である。
【0100】
また、延伸に引き続き熱加工することもできる。熱加工は、Tg−100℃〜Tg+50℃の範囲内で通常0.5〜300秒間搬送しながら行うことが好ましい。
【0101】
熱加工手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で、熱風で行うことが好ましい。フィルムの加熱は段階的に高くしていくことが好ましい。
【0102】
熱加工されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。また冷却は、最終熱加工温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。
【0103】
冷却する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。尚、冷却速度は、最終熱加工温度をT1、フィルムが最終熱加工温度からTgに達するまでの時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで求めた値である。
【0104】
[合わせガラスの製造方法]
本発明の合わせガラスの好適な一実施形態は、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種および金属酸化物粒子を含む高屈折率層形成用組成物と、低屈折率層形成用組成物と、を用いて同時押し出しにより高屈折率層および低屈折率層を形成して赤外遮蔽フィルムを得る工程と、前記赤外遮蔽フィルムを一対の中間膜で挟持させ、さらに前記赤外遮蔽フィルムおよび前記中間膜を一対の板ガラスで挟持させる工程と、を含む。赤外遮蔽フィルムを得る工程については、上述のとおりである。
【0105】
合わせガラスの製造方法は、特に制限はなく、従来の合わせガラスの製造方法を用いることができる。例えば、二枚の板ガラスの間に、中間膜、赤外遮蔽フィルム、中間膜の順にこれらを挟み、重ねたものを押圧ロールに通して扱くか、好ましくは、ゴムバッグに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気し、必要により約70〜110℃で予備接着して積層体とし、次いでこの脱気された積層体をオートクレーブに入れるかプレスを行い、約120〜150℃で、約1〜1.5MPaの圧力で本接着を行うことにより製造することができる。
【実施例】
【0106】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
【0107】
(樹脂ペレット1の作製)
混練装置ラボプラストミルC型(東洋精機製作所社製)に、ミキサー:KF70、ロータ:高せん断型を装着し、設定温度150℃、300rpmで混練を行ない、酸化亜鉛微粒子を含有した樹脂ペレット1を作製した。金属酸化物粒子の含有量が50質量%になるように下記の素材を一括でミキサーに添加し、窒素雰囲気下で混練を行なった。
【0108】
樹脂:PMMA樹脂アクリペットVH(三菱レイヨン社製)
金属酸化物粒子:酸化亜鉛(テイカ社製、MZ−500、平均一次粒径25nm、屈折率1.95)
(樹脂ペレット2の作製)
樹脂ペレット1の作製方法と同様にして下記の材料を用いて、酸化チタン微粒子を含有した樹脂ペレット2を作製した。金属酸化物粒子の含有量が50質量%になるように下記の材料を一括でミキサーに添加し、窒素雰囲気下で混練を行なった。
【0109】
樹脂:PMMA樹脂アクリペットVH(三菱レイヨン社製)
金属酸化物粒子:ルチル型酸化チタン(石原産業社製、水酸化アルミニウム表面処理、TTO−55A、粒径30〜50nm、屈折率2.60)
(樹脂ペレット3の作製)
樹脂ペレット1の作製方法と同様にして下記の材料を用いて、酸化チタン微粒子を含有した樹脂ペレット3を作製した。金属酸化物粒子の含有量が50質量%になるように下記の材料を一括でミキサーに添加し、窒素雰囲気下で混練を行なった。
【0110】
樹脂:PET樹脂TRN−8580FC(帝人化成社製)
金属酸化物粒子:ルチル型酸化チタン(石原産業社製、TTO−55A、水酸化アルミニウム表面処理、粒径30〜50nm、屈折率2.60)(樹脂ペレット4の作製)
樹脂ペレット1の作製方法と同様にして下記の材料を用いて、酸化チタン微粒子を含有した樹脂ペレット4を作製した。金属酸化物粒子の含有量が50質量%になるように下記の材料を一括でミキサーに添加し、窒素雰囲気下で混練を行なった。
【0111】
樹脂:ポリカーボネート樹脂ユーピロンHL−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
金属酸化物粒子:ルチル型酸化チタン(石原産業社製、TTO−55A、水酸化アルミニウム表面処理品、粒径30〜50nm、屈折率2.60)(光学フィルムの形成)(赤外遮蔽フィルム1の作製)
米国特許第6049419号に記載の溶融押し出し方法に従い、ポリエチレンナフタレート(PEN)TN8065S(帝人化成社製)とポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂アクリペットVH(三菱レイヨン社製)とを、300℃に溶融し、押出しにより積層し、(PMMA(152nm)/PEN(137nm))64/(PMMA(164nm)/PEN(148nm))64/(PMMA(177nm)/PEN(160nm))64/(PMMA(191m)/PEN(173nm))64となるように縦横約3倍に延伸した後、熱固定、冷却を行って、計256層交互積層した赤外遮蔽フィルム1を得た。ここで、上記層構成において、「(PMMA(152nm)/PEN(137nm))64」とは、膜厚152nmのPMMA、膜厚137nmのPENをこの順に積層したユニットを64個積層させたという意味である。
【0112】
(赤外遮蔽フィルム2の作製)
50μm厚みのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A4300:両面易接着層、東洋紡社製)上に、下記の低屈折率層用塗布液および高屈折率層用塗布液を、乾燥膜厚が高屈折率層(120nm)/低屈折率層(157nm)となるように逐次重層塗布し、計20層交互積層した赤外遮蔽フィルム2を得た。
【0113】
低屈折率層用塗布液:PMMAアクリペットVH(三菱レイヨン社製)10質量部を酢酸2−メトキシエチル90質量部に溶解させた液
高屈折率層用塗布液:樹脂ペレット1 5質量部を酢酸2−メトキシエチル95質量部に溶解させた液
(赤外遮蔽フィルム3の作製)
赤外遮蔽フィルム2と同様の方法で、50μm厚みのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A4300:両面易接着層、東洋紡株式会社製)上に、下記の低屈折率層用塗布液および高屈折率層用塗布液を、乾燥膜厚が、高屈折率層(120nm)/低屈折率層(157nm)で逐次重層塗布し、計20層交互積層した赤外遮蔽フィルム3を得た。
【0114】
低屈折率層用塗布液:PMMAアクリペットVH(三菱レイヨン社製)10質量部を酢酸2−メトキシエチル90質量部に溶解させた液
高屈折率層用塗布液:樹脂ペレット2 5質量部を酢酸2−メトキシエチル95質量部に溶解させた液
(赤外遮蔽フィルム4の作製)
米国特許第6049419号に記載の溶融押し出し方法に従い、低屈折率層に用いるPMMAアクリペットVH(三菱レイヨン社製)と、高屈折率層に用いるペレット2とを、300℃に溶融し、押出しにより積層し、高屈折率層(120nm)/低屈折率層(157nm)となるように、縦3倍、横3倍に延伸した後、熱固定、冷却を行って、計20層交互積層した赤外遮蔽フィルム4を得た。
【0115】
(赤外遮蔽フィルム5の作製)
米国特許第6049419号に記載の溶融押し出し方法に従い、低屈折率層に用いるPMMAアクリペットVH(三菱レイヨン社製)と、高屈折率層に用いるペレット3とを、300℃に溶融し、押出しにより積層し、高屈折率層(120nm)/低屈折率層(157nm)となるように、縦3倍、横3倍に延伸した後、熱固定、冷却を行って、計20層交互積層した赤外遮蔽フィルム5を得た。
【0116】
(赤外遮蔽フィルム6の作製)
米国特許第6049419号に記載の溶融押し出し方法に従い、低屈折率層に用いるPMMAアクリペットVH(三菱レイヨン社製)と、高屈折率層に用いるペレット4とを、300℃に溶融し、押出しにより積層し、高屈折率層(120nm)/低屈折率層(157nm)となるように、縦3倍、横3倍に延伸した後、熱固定、冷却を行って、計20層交互積層した赤外遮蔽フィルム6を得た。
【0117】
(合わせガラスの作製)
作製した赤外遮蔽フィルム1〜4を用いて、下記の方法により合わせガラス1(比較例1)および合わせガラス2〜4(実施例1〜3)を作製した。
【0118】
厚さ2mmの第1ガラス板、ポリビニルブチラール(積水化学社製エスレックB)中間膜(0.4mm)(以下、PVB中間膜とする)、赤外遮蔽フィルム、PVB中間膜、厚さ2mmの第2ガラス板の構成で積層し、重ねたものを真空袋に入れて真空ポンプで減圧した。減圧状態にした真空袋をオートクレーブ内に置き、30分間、90℃に加熱加圧処理した。オートクレーブ内を、大気圧、常温に戻し、真空袋から積層体を取り出し、再度オートクレーブ内で、30分間、130℃に加熱・加圧した後、常温、常圧に戻すことにより、合わせガラスを作製した。
【0119】
(評価)
<遮熱性試験>
作製した合わせガラス1〜4を1つの面に取り付けた縦×横×高さ=30×30×33cmの木製の箱の内部に熱電対を設置した。この箱の開口部(サイズ23×26cm)のガラス面に対し垂直方向、および30度方向に光源として500Wハロゲンランプを設置して点灯し、30分後の温度上昇幅を測定した。結果を表1に示す。
【0120】
(曲面合わせガラスの作製)
(曲面合わせガラス5の作製)
(比較例2)
厚さ2mmの板ガラスを加熱成形した曲率半径0.9mのガラスを用いて、第1ガラス板、PVB中間膜、赤外遮蔽フィルム1、PVB中間膜、第2ガラス板の構成で積層し、実施例1と同様にして曲面合わせガラス5を作製した。
【0121】
(曲面合わせガラス6の作製)
(実施例4)
赤外遮蔽フィルム4を用いた以外は曲面合わせガラス5の作製方法と同様にして、曲面合わせガラス6を作製した。
【0122】
(曲面合わせガラス7の作製)
(実施例5)
赤外遮蔽フィルム5を用いた以外は曲面合わせガラス5の作製方法と同様にして、曲面合わせガラス7を作製した。
【0123】
(曲面合わせガラス8の作製)
(実施例6)
赤外遮蔽フィルム6を用いた以外は曲面合わせガラス5の作製方法と同様にして、曲面合わせガラス8を作製した。
【0124】
(曲面合わせガラス9の作製)
(比較例3)
曲面合わせガラス5の作製において、第2ガラス板側のPVB中間膜に代えてアンチモンドープした平均粒径0.15μmの酸化錫(ATO)微粒子を分散したPVB膜(膜の全質量に対して酸化錫(ATO)微粒子含有量1.0質量%)を用い、それ以外は曲面合わせガラス5と同様の方法で曲面合わせガラス9を作製した。なお、ATO微粒子を分散したPVB膜は、特開平8−259279号の実施例1の記載の方法により製造した。
【0125】
(曲面合わせガラス10の作製)
(実施例7)
曲面合わせガラス6の作製において、第2ガラス側のPVB中間膜に代えてアンチモンドープした平均粒径0.15μmの酸化錫(ATO)微粒子を分散したPVB膜(膜の全質量に対して酸化錫(ATO)微粒子含有量1.0質量%)を用い、それ以外は曲面合わせガラス6と同様の方法で曲面合わせガラス10を作製した。
【0126】
(曲面合わせガラス11の作製)
(実施例8)
曲面合わせガラス8の作製において、第2ガラス側のPVB中間膜に代えてアンチモンドープした平均粒径0.15μmの酸化錫(ATO)微粒子を分散したPVB膜(膜の全質量に対して酸化錫(ATO)微粒子含有量1.0質量%)を用い、それ以外は曲面合わせガラス8と同様の方法で曲面合わせガラス11を作製した。
【0127】
(評価)
<色ムラ>
作製した合わせガラス5〜11を、目視により表面の色ムラを以下の評価にしたがって評価した。結果を表2に示す。
【0128】
5.透明感があり、反射色はなし。
【0129】
4.やや反射色が見えるが色ムラはなし。
【0130】
3.均一な反射色があり、ところどころ色ムラが見える。
【0131】
2.色々な反射色があり、ところどころ色ムラが見える。
【0132】
1.色々な反射色があり、色ムラも大きい。
<遮熱性試験>
作製した合わせガラス5〜11を1つの面に取り付けた縦×横×高さ=30×30×33cmの木製の箱の内部に熱電対を設置した。この箱の開口部(サイズ23×26cm)のガラス面に対し垂直方向、に光源として500Wハロゲンランプを設置して点灯し、30分後の温度上昇幅を測定した。結果を表2に示す。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
実施例1〜3の合わせガラスは、比較例1の合わせガラスと比較して、斜めからの光に対しても温度上昇が少なかった。また、実施例4〜8の曲面合わせガラスは、比較例2および3の曲面合わせガラスと比較して、温度上昇が少なく、また色ムラが少なかった。
【0136】
以上の結果より、本発明の赤外遮蔽フィルムは、入射光の角度非依存的に赤外遮蔽効果が高く、また、本発明の赤外遮蔽フィルムを曲面形状のガラスに用いた際にも十分な赤外遮蔽効果が得られ、また、可視光の反射による色ムラが小さいことがわかる。
【0137】
本出願は、2011年12月28日に出願された日本特許出願番号2011−289191号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
【符号の説明】
【0138】
1 板ガラス、
2 中間膜、
3 赤外遮蔽フィルム、
10 熱線反射合わせガラス。
【図1】
【国際調査報告】