(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013099635
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150507
(54)【発明の名称】吸水シート構成体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20150410BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20150410BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20150410BHJP
【FI】
   !A41B13/02 D
   !A61F13/18 307E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】2013551605
(21)【国際出願番号】JP2012082382
(22)【国際出願日】20121213
(31)【優先権主張番号】2011285642
(32)【優先日】20111227
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
【住所又は居所】兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】松下 英樹
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精化株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 潤一
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精化株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】圓尾 淳一
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精化株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】工藤 加奈
【住所又は居所】兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精化株式会社内
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA03
3B200BB04
3B200BB17
3B200BB20
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB18
3B200EA05
(57)【要約】
吸水性樹脂(12)及び接着剤(11)を含有してなる吸収層(13)が、不織布により該吸収層の上方及び下方から挟持された構造を有する吸水シート構成体(10)であって、(1)上方の不織布(14)が、透水速度が10秒以下である透水性不織布であり、(2)下方の不織布(15)が、吸水量が250g/m以上である保水性不織布である吸水シート構成体(10)、並びに該吸水シート構成体(10)が、液体透過性シートと液体不透過性シートの間に挟持されている吸収性物品。本発明の吸水シート構成体(10)は、薄型であり、かつ速い液体浸透性、少ない液体逆戻り量や少ない液漏れ量等の吸収能力を十分に発揮することができるという優れた効果を奏するので、本発明の吸水シート構成体(10)を吸収体として使用することにより、薄くて体へのフィット性等に優れた衛生材料を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性樹脂及び接着剤を含有してなる吸収層が、不織布により該吸収層の上方及び下方から挟持された構造を有する吸水シート構成体であって、
(1) 上方の不織布が、透水速度が10秒以下である透水性不織布であり、
(2) 下方の不織布が、吸水量が250g/m2以上である保水性不織布
である吸水シート構成体。
【請求項2】
透水性不織布が、ポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維により製造される不織布である、請求項1に記載の吸水シート構成体。
【請求項3】
保水性不織布が、ポリアミド繊維のスパンボンド不織布又はレーヨン繊維を主成分とするスパンレース不織布である、請求項1又は2に記載の吸水シート構成体。
【請求項4】
接着剤が、エチレン−酢酸ビニル共重合体接着剤、スチレン系エラストマー接着剤、ポリオレフィン系接着剤及びポリエステル系接着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水シート構成体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水シート構成体が、液体透過性シートと液体不透過性シートの間に挟持されている吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生材料分野、農業分野、建材分野等に使用し得る吸水シート構成体に関する。詳しくは、薄型で軽失禁パッド等の吸収性物品に好適に使用し得る吸水シート構成体に関する。さらに本発明は、かかる吸水シート構成体を用いた軽失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
軽失禁パッド等に代表される吸収性物品は、体液等の液体を吸収する吸収体が、体に接する側に配された柔軟な液体透過性の表面シート(トップシート)と、体と接する反対側に配された液体不透過性の背面シート(バックシート)とにより挟持された構造を有する。
【0003】
従来、デザイン性、体へのフィット性や携帯時における利便性等の観点から、吸収性物品の薄型化、軽量化に対する要求が高まっていた。さらに近年、環境保全の観点から、資源を有効に利用し、樹木のような成長に長期間を要する天然素材の使用を極力回避する、いわゆるエコ・フレンドリーな志向にニーズが集まりつつある。
【0004】
そこで、木材の解砕パルプ繊維等の含有量が極めて少なく、基本的な性能(速い液体浸透速度、十分な液体吸収能、少ない液体逆戻り量、少ない液漏れ量、形態保持性等)に優れ、薄型化を達成した吸水シート構成体として、所定量の吸水性樹脂及び所定量のホットメルト接着剤が、2枚以上の所定の目付量を有する親水性不織布により挟持された構造を有する吸水シート構成体(例えば、特許文献1、2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2010/004894号
【特許文献2】国際公開2010/004895号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に開示されている吸水シート構成体は、前記基本的な性能に十分優れているが、さらなる性能の向上した吸水シート構成体が引き続き求められている。特に吸水シート構成体を軽失禁パッド等の吸収性物品に用いた場合、使用時における濡れた感触を忌避し、さらっとした感触に対する要求が強く、前記吸水シート構成体には、速い液体浸透速度、少ない液体逆戻り量や少ない液漏れ量のさらなる性能改良が求められている。
【0007】
本発明の課題は、薄型であり、かつ優れた液体浸透性、少ない液体逆戻り量等の吸収能力を有する吸水シート構成体及び該構成体を用いた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
〔1〕 吸水性樹脂及び接着剤を含有してなる吸収層が、不織布により該吸収層の上方及び下方から挟持された構造を有する吸水シート構成体であって、
(1) 上方の不織布が、透水速度が10秒以下である透水性不織布であり、
(2) 下方の不織布が、吸水量が250g/m2以上である保水性不織布
である吸水シート構成体、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の吸水シート構成体が、液体透過性シートと液体不透過性シートの間に挟持されている吸収性物品
に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸水シート構成体は、薄型であり、かつ速い液体浸透性、少ない液体逆戻り量や少ない液漏れ量等の吸収能力を十分に発揮することができるという優れた効果を奏する。従って、本発明の吸水シート構成体を軽失禁パッド等の吸収体として使用することにより、薄くて体へのフィット性等に優れた衛生材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の吸水シート構成体の一例の断面模式図である。
【図2】図2は、本発明の吸水シート構成体の別の一例の断面模式図である。
【図3】図3は、本発明の吸水シート構成体の別の一例の断面模式図である。
【図4】図4は、不織布の透水速度を測定するための機具の概略構成を示す模式図である。
【図5】図5は、不織布の透水速度を測定するための機具の一部である、ストライクスループレートの概略構成を示す模式図である。
【図6】図6は、吸水シート構成体の傾斜における漏れ試験を測定するための器具の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の吸水シート構成体は、吸水性樹脂及び接着剤を含有した吸収層が不織布により当該吸収層の上方及び下方から挟持された構造を有する吸水シート構成体であり、上方の不織布が透水性に優れた透水性不織布であり、下方の不織布が保水性に優れた保水性不織布から形成されていることを特徴とする吸水シート構成体である。かかる構造とすることにより、薄型であり、かつ速い液体浸透性、少ない液体逆戻り量や少ない液漏れ量等の液体吸収性能に優れた吸水シート構成体を実現することができるものである。
【0012】
本発明の吸水シート構成体は、上方の不織布に、透水性に優れた透水性不織布を用いる。これは、吸収対象の液体が、吸水シート構成体の表面に留まることを防ぎ、速やかに吸水性樹脂を有する吸収層に移動することによって、表面の濡れた感触を防止し、さらっとした感触を実現するためである。本明細書における吸収層の上方とは、得られる吸水シート構成体を用いて吸収性物品を作製した時に、吸収対象の液体が供給される側をいい、吸収層の下方とは、その反対側をいう。
【0013】
本発明における透水性不織布の透水速度は、吸水シート構成体の液体浸透速度を速くし、液体が吸水シート構成体の表面に留まることを防ぐ観点から、10秒以下であり、好ましくは5〜9秒である。不織布の透水速度は、後述の実施例に記載の測定方法により得られる値である。
【0014】
本発明に用いられる透水性不織布としては、上記の透水速度を満たす不織布であれば特に限定されないが、液体浸透性、柔軟性及びシート構成体とした際の強度の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル繊維等の合成繊維及びそれらの混合体からなる群より選択される繊維より製造される不織布が挙げられ、ポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維により製造される不織布がさらに好ましい。また、不織布は、透水速度を速める観点から、スパンボンド不織布やエアスルー不織布が好ましい。さらに、吸水シート構成体の液体浸透性をより高める観点から、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維のような疎水性の合成繊維を、公知の方法で親水化処理した繊維により製造される不織布がより好ましい。
【0015】
一方、本発明の吸水シート構成体は、下方の不織布に、保水性に優れた保水性不織布を用いる。吸収対象の液体が供給される側の不織布に透水性の高い透水性不織布を使用することで、吸収層の吸水性樹脂が液体を吸収する前に、吸水シート構成体から液体が流れ出す、いわゆる液漏れが生じやすい傾向になる。そこで、吸収対象の液体が供給される側の反対側の不織布に、保水性に優れた保水性不織布を用いることで、吸水シート構成体からの液漏れを防ぐことができる。
【0016】
本発明における保水性不織布の吸水量は、吸水シート構成体の液漏れを防ぐ観点から、250g/m2以上であり、好ましくは300〜750g/m2である。不織布の吸水量は、後述の実施例に記載の測定方法により得られる値である。
【0017】
本発明における保水性不織布としては、上記の吸水量を満たす不織布であれば特に限定されないが、ナイロン等のポリアミド繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、その他の合成繊維製の不織布や、綿、絹、麻、パルプ(セルロース)繊維等が混合されて製造された不織布等が好ましい。詳細には、ナイロン等のポリアミド繊維のスパンボンド不織布及びレーヨン繊維を主成分とするスパンレース不織布がより好ましい。前記スパンレース不織布としては、主成分のレーヨン繊維にポリオレフィン繊維及び/又はポリエステル繊維を適宜配合したものが好ましく使用され、なかでもレーヨン/PET不織布、レーヨン/PP/PE不織布が好ましく用いられる。前記不織布には、吸水シート構成体の厚みを増大させない程度に少量のパルプ繊維が含まれていてもよい。
【0018】
本発明の吸水シート構成体は、パルプ繊維等の親水性繊維が本発明の効果を損なわない範囲の量で、不織布間の吸収層に吸水性樹脂とともに混在している態様であってもよいが、薄型化の観点からは、実質的に親水性繊維を含まない態様であることが好ましい。
【0019】
本発明の吸水シート構成体における吸水性樹脂の種類としては、市販の吸水性樹脂が使用でき、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリル酸部分中和物重合体の架橋物、ポリアクリル酸部分中和物等の吸水性樹脂が挙げられる。これらのうち、供給能力やコストなどの工業的な観点から、アクリル酸部分中和物重合体の架橋物が好ましい。アクリル酸部分中和物重合体の架橋物を合成する方法としては、逆相懸濁重合法、及び水溶液重合法が挙げられる。
【0020】
吸水シート構成体における吸水性樹脂の含有量は、本発明の吸水シート構成体が吸収性物品に使用された際にも十分な液体吸収性能を得る観点から、吸水シート構成体の1平方メートルあたり100〜1000g(即ち100〜1000g/m2)が好ましく、150〜900g/m2がより好ましく、200〜700g/m2がさらに好ましい。吸水シート構成体としての十分な液体吸収性能を発揮させ、特に液体逆戻り量を抑制する観点から、当該含有量は100g/m2以上が好ましく、液体の浸透速度を改善する観点から、含有量は1000g/m2以下が好ましい。
【0021】
本発明の吸水シート構成体に用いられる接着剤としては、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム系、ポリイソプレン等のゴム系接着剤;スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系エラストマー接着剤;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)接着剤;エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)等のエチレン−アクリル酸誘導体共重合系接着剤;エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)接着剤;共重合ナイロン、ダイマー酸ベースポリアミド等のポリアミド系接着剤;ポリエチレン、ポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、共重合ポリオレフィン等のポリオレフィン系接着剤;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、共重合ポリエステル等のポリエステル系接着剤;アクリル系接着剤等が挙げられる。本発明においては、接着力が強く、吸水シート構成体における不織布の剥離や吸水性樹脂の散逸を防ぐことができるという観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体接着剤、スチレン系エラストマー接着剤、ポリオレフィン系接着剤及びポリエステル系接着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。これらの接着剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
熱溶融型の接着剤を使用する場合、接着剤の溶融温度又は軟化点は、吸水性樹脂を不織布に十分に固定するとともに、不織布の熱劣化や変形を防止する観点から、好ましくは50〜180℃であり、より好ましくは70〜150℃である。
【0023】
吸水シート構成体における接着剤の含有量(倍数)は、吸水性樹脂の含有量(質量基準)に対して、好ましくは0.05〜2.0倍の範囲であり、より好ましくは0.08〜1.5倍の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜1.0倍の範囲である。十分な接着によって不織布の剥離や吸水性樹脂の散逸を防止し、吸水シート構成体の形態保持性を高める観点から、接着剤の含有量は0.05倍以上が好ましく、接着が強くなり過ぎることによる吸水性樹脂の膨潤阻害を回避し、吸水シート構成体の液体浸透速度や液漏れを改善する観点から、接着剤の含有量は2.0倍以下が好ましい。
【0024】
本発明の吸水シート構成体において、不織布間に形成される吸収層は、少なくとも吸水性樹脂及び接着剤を含有するものであり、例えば、不織布上で吸水性樹脂と接着剤の混合粉末を均一に散布し、さらに不織布を重ねて、接着剤の溶融温度付近で加熱すること、要すれば圧力下で加熱することにより形成される。また、接着剤を塗布した不織布上に、吸水性樹脂を均一に散布した後、接着剤を塗布した不織布をさらに重ねて、要すれば圧力下で加熱すること、又は不織布間に吸水性樹脂を挟みこんだ後、熱エンボス等を施すことによっても、本発明の吸水シート構成体が形成される。
【0025】
具体的には、例えば、以下のような方法で、本発明の吸水シート構成体を製造することができる。
【0026】
(a) 不織布の上に、吸水性樹脂と接着剤の混合粉末を均一に散布し、さらに不織布を重ねて、接着剤の溶融温度付近で加熱圧着する。
(b) 不織布の上に、吸水性樹脂と接着剤の混合粉末を均一に散布し、加熱炉を通過させて粉末が散逸しない程度に固定する。これに不織布を重ねて、加熱圧着する。
(c) 不織布の上に、接着剤を溶融塗布した直後、吸水性樹脂を均一に散布して層を形成させ、さらに、上部から接着剤を溶融塗布した不織布を、接着剤の塗布面が散布した吸水性樹脂層の側に向くように上部から重ね、ロールプレス等を用いて加圧して、要すれば加熱して、圧着する。
(d) 不織布の上に、吸水性樹脂と接着剤の混合粉末を均一に散布し、さらに不織布を重ねて、加熱エンボスを施すことにより、親水性不織布同士を加熱圧着する。
【0027】
例えば、これら(a)〜(d)に示された方法によって吸水シート構成体を製造することで、吸水性樹脂を含有した吸収層が、不織布により上方及び下方から挟持された構造を有する吸水シート構成体を得ることができる。これらの方法のなかでも、製造方法の簡便さと製造効率の高さの観点から、(a)、(c)及び(d)の方法がより好ましい。なお、(a)〜(d)に例示された方法を組み合わせて、吸水シート構成体を製造することもできる。
【0028】
また、本発明の吸水シート構成体には、消臭剤、抗菌剤やゲル安定剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0029】
本発明においては、前記吸水シート構成体の吸収層の全面又は一部を、適切な通気性分画層を用いて、垂直方向(シート構成体の厚み方向)に対して、吸収対象の液体が供給される側の1次吸収層と、それと反対側の2次吸収層に分画した構造とすることもできる。かかる構造とすることで、吸水シート構成体の液体吸収性能、なかでも液漏れ性が改善される。
【0030】
前記通気性分画層は、適度な通気性と通液性を有するが、吸水性樹脂のような粒子状物が実質的に通過しない層であればよい。具体的には、PE、PP繊維からなる細孔を有するネット等の網状物;パフォーレイティッドフィルム等の多孔質フィルム;ティッシュペーパー等の衛生用紙;パルプ/PE/PPからなるエアレイド型不織布等のセルロース含有合成繊維不織布;レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維及びポリエステル繊維等の合成繊維製の不織布等が挙げられる。
【0031】
前記1次吸収層の吸水性樹脂と2次吸収層の吸水性樹脂との質量比(1次吸収層/2次吸収層)は、98/2〜20/80が好ましく、95/5〜25/75がより好ましく、90/10〜30/70がさらに好ましい。2次吸収層の液体吸収性を十分に発揮し、液漏れを防止する観点から、1次吸収層/2次吸収層は98/2以下であることが好ましく、液体浸透性を高め、かつ吸収後の体(肌)に接する側の濡れた感触を防ぐ観点から、20/80以上であることが好ましい。
【0032】
本発明の吸水シート構成体の液体吸収性能は、使用される吸水性樹脂の吸水性能に影響をうける。吸水性樹脂には、吸水シート構成体の各成分の構成等を考慮して、吸水性能が好適なものを選択することが好ましい。また、例えば、吸収層を2層構造とする場合、1次吸収層と2次吸収層の吸水性樹脂は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0033】
本発明の吸水シート構成体は、薄型化が可能である点に一つの特長を有しており、吸収性物品への使用を考慮すると、吸水シート構成体の厚みは、乾燥状態で、好ましくは4mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは1.0〜2.5mmである。乾燥状態とは、吸水シート構成体が液体を吸収する前の状態のことをいう。本明細書において、吸水シート構成体の乾燥状態の厚みは、後述の実施例に記載の測定方法により得られる値である。
【0034】
また本発明の吸水シート構成体は、液体浸透速度が速い点に一つの特長を有しており、吸収性物品への使用を考慮すると、吸水シート構成体の合計液体浸透速度は、好ましくは600秒以下であり、より好ましくは550秒以下である。本明細書において、吸水シート構成体の合計液体浸透速度は、後述の実施例に記載の測定方法により得られる値である。
【0035】
さらに本発明の吸水シート構成体は、液体逆戻り量が少ない点に一つの特長を有しており、吸収性物品への使用を考慮すると、吸水シート構成体の液体逆戻り量は、好ましくは10g以下であり、より好ましくは8g以下である。本明細書において、吸水シート構成体の液体逆戻り量は、後述の実施例に記載の測定方法により得られる値である。
【0036】
さらに、本発明の吸水シート構成体は、液体の傾斜における漏れが少ない点に一つの特長を有しており、吸収性物品への使用を考慮すると、吸水シート構成体の傾斜による合計漏れ量が1.0g以下であることが好ましく、0.8g以下であることがより好ましい。本明細書において、吸水シート構成体の傾斜による合計漏れ量は、後述の実施例に記載の測定方法により得られる値である。
【0037】
本発明の吸水シート構成体としては、乾燥状態の厚み、合計液体浸透速度、液体逆戻り量及び傾斜による合計漏れ量が所定の特性を有するものが好ましい。
【0038】
さらに、本発明の吸水シート構成体は、天然由来の素材の使用量が極めて少ないため、前記した厚み、液体浸透速度及び液体逆戻り量において高性能でありながら、環境への配慮もなされたものである。天然素材の使用比率は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。天然素材の使用比率は、吸水シート構成体の各構成成分に微量ながら含まれるパルプ、綿、麻、絹等の合計含有量を、吸水シート構成体の質量にて除することで算出される。
【0039】
次に、本発明の吸水シート構成体の構造について、図1を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の吸水シート構成体の構造を模式的に示す拡大断面図である。
【0040】
図1に示される吸水シート構成体10は、吸水性樹脂12と接着剤11を含有してなる吸収層13が、透水性不織布14及び保水性不織布15により、当該吸収層の上方及び下方から挟持された構造である。
【0041】
また、図2に示される吸水シート構成体も、本発明の吸水シート構成体の別の形態の例示である。図2においては、接着剤16を透水性不織布14と保水性不織布15に溶融塗布した例である。
【0042】
さらに、図3に示される吸水シート構成体も、本発明の吸水シート構成体の別の形態の例示である。図3においては、吸収層が通気性分画層17により1次吸収層18と2次吸収層19に分画され、透水性不織布14及び保水性不織布15により、当該吸収層の上方及び下方から挟持された構造である。
【0043】
本発明の吸水シート構成体を液体透過性シートと液体不透過性シートの間に挟持することにより、本発明にかかる吸収性物品を得ることができる。前記液体透過性シート及び液体不透過性シートとしては、吸収性物品の技術分野で公知のものを、特に制限なく用いることができ、液体透過性シートが上方に、液体不透過性シートが下方に、それぞれ配置される形態で使用される。また、かかる吸収性物品は、公知の方法によって製造することができる。
【0044】
前記吸収性物品としては、例えば、紙おむつ、軽失禁パッド、生理用ナプキン、ペットシート、食品用ドリップシート、電力ケーブルの止水剤等が挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これによって何ら限定されるものではない。
【0046】
不織布の性能は、以下の方法により測定した。
【0047】
<不織布の透水速度>
不織布の透水速度を、通液度測定機(インテック株式会社製、形式:Lister)を用いて測定した。図4、図5を用いて説明する。
【0048】
図4に示すように、概略としては、ベースプレート26上に置かれた不織布サンプル24に、ストライクスループレート23を通して、試験液としての生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)を供給し、試験液が不織布サンプルを通過する時間(秒)を測定する機構である。以下に詳細な仕様を示す。
【0049】
125×125mmのプレキシグラス(アクリル樹脂製)のベースプレート26上に、100×100mmの濾紙(ERT FF3 Filter Paper:Hollingsworth&Vose Company Ltd.製)を5枚置いて濾紙層25とし、その上に(125±1)×(125±1)mmの不織布サンプル24を置いた。さらにその上に、ストライクスループレート23の内径25mmの中央孔27が、磁気バルブ22の真下にくるように、ストライクスループレート23を置いた。
【0050】
容器21に生理食塩水15mlを入れ、磁気バルブ22により、生理食塩水をストライクスループレート23の中央孔27を通して、不織布サンプル24に供給した。
【0051】
図5に示すストライクスループレート23において、電気伝導性のある生理食塩水が、中央孔27の底面にある2個の電極28間を通過することで、電流が流れ、タイマーがスタートする。また不織布サンプル24を浸透し、生理食塩水が濾紙層25に吸収し終わると、電流が遮断され、タイマーが停止する。この間の時間(秒)を測定し、さらにこの操作を5回繰り返し、その平均値を、不織布の透水速度とした。
【0052】
<不織布の吸水量>
不織布を(100±1)×(100±1)mmの大きさに切断し、1個の試験片の質量が、1g以上になるまで不織布をn枚重ねた。この試験片の質量Wa(g)を測定した後、ステンレス金網に試験片の縁をクリップで止めた。次に試験片と金網を、20±2℃の純水を入れた水槽中に、水面下20mmに斜めに入れて気泡の出ないようにした後、60±1秒間放置した。その後、試験片と金網を取り出し、試験片の一端のクリップを残して他のクリップを外し、垂直に120±3秒間つるし、水分を切った後金網から試験片を外し、吸水後の試験片の質量Wbを測定した。試験片の吸水量を、次式により求めた。
試験片の吸水量(g/m2)=[Wb−Wa](g)/(n×0.01)(m2)
【0053】
この操作を5回繰り返し、その平均値を、不織布の吸水量とした。
【0054】
(実施例1)
ローラー型散布機(株式会社ハシマ製:シンターエースM/C)の投入口に、接着剤としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;溶融温度95℃)54質量部と、吸水性樹脂としてのアクリル酸部分中和物重合体の架橋物(住友精化株式会社製:アクアキープSA55SX-II)270質量部とを均一混合させたものを仕込んだ。一方、ローラー型散布機下部のコンベアーに、保水性不織布として幅15cmのスパンボンド不織布(繊維:ナイロン、目付量:53g/m2;「不織布C」とする)を敷いた。次いで、散布ローラーと下部コンベアーを稼動させることにより、前記混合物を目付量324g/m2で前記不織布上に均一に積層した。
【0055】
得られた積層体を、上部から透水性不織布としてのエアスルー不織布(繊維:PP/PE=1/1、目付量:22g/m2;「不織布A」とする)で挟みつけた後、加熱温度を130℃に設定したラミネート機(株式会社ハシマ製:直線式接着プレスHP-600LF)にて熱融着させることでこれらを一体化し、吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート組成物の構造の断面を模式的に示せば、図1のような構造であった。
【0056】
得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、透水性不織布である不織布Aが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0057】
(実施例2)
加熱温度を150℃に設定したホットメルト塗工機(株式会社ハリーズ製:マーシャル150)上に、保水性不織布として幅15cmのスパンレース不織布(繊維:レーヨン/PP/PE=8/1/1、目付量:39g/m2;「不織布D」とする)を敷いた後、接着剤としてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS;軟化点85℃)を目付量20g/m2で当該不織布上に塗布した。
【0058】
次に、ローラー型散布機(株式会社ハシマ製:シンターエースM/C)の投入口に、吸水性樹脂としてのアクリル酸部分中和物重合体の架橋物(住友精化株式会社製:アクアキープSA55SX-II)を仕込んだ。一方、散布機下部のコンベアーに、前記接着剤塗布不織布Dを接着剤塗布面が上面になるように敷いた。次いで、散布ローラーと下部コンベアーを稼動させることにより、吸水性樹脂を目付量270g/m2で不織布上に均一に積層した。
【0059】
得られた積層体を、上部から目付量20g/m2で接着剤としての前記SBSを前記と同様の方法で塗布した透水性不織布としてエアスルー不織布(繊維:PP/PE=1/1、目付量:25g/m2;「不織布B」とする)で挟みつけた後、加熱温度を100℃に設定したラミネート機(株式会社ハシマ製:直線式接着プレスHP-600LF)にて熱融着させることでこれらを一体化し、吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート組成物の構造の断面を模式的に示せば、図2のような構造であった。
【0060】
得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、透水性不織布である不織布Bが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0061】
(実施例3)
実施例1において、透水性不織布として不織布Bを使用し、接着剤120質量部と吸水性樹脂600質量部を均一混合したものを、目付量720g/m2で散布した以外は、実施例1と同様の方法によって吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、透水性不織布である不織布Bが上方となるようにして、後述の前記各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0062】
(実施例4)
加熱温度を150℃に設定したホットメルト塗工機(株式会社ハリーズ製:マーシャル150)上に、保水性不織布として幅15cmの前記不織布Dを敷いた後、接着剤としてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS;軟化点85℃)を目付量11g/m2で当該不織布上に塗布した。
【0063】
次に、ローラー型散布機(株式会社ハシマ製:シンターエースM/C)の投入口に、吸水性樹脂としてのアクリル酸部分中和物重合体の架橋物(住友精化株式会社製:アクアキープSA55SX-II)を仕込んだ。一方、散布機下部のコンベアーに、前記接着剤塗布不織布Dを接着剤塗布面が上面になるように敷いた。次いで、散布ローラーと下部コンベアーを稼動させることにより、吸水性樹脂を目付量150g/m2で不織布上に均一に積層した。
【0064】
得られた積層体を、上部から目付量11g/m2で接着剤としての前記SBSを前記と同様の方法で塗布した通気性分画層として前記不織布Aで挟みつけた後、加熱温度を100℃に設定したラミネート機(株式会社ハシマ製:直線式接着プレスHP-600LF)にて熱融着させることでこれらを一体化し、吸水シート構成体中間物を得た。
【0065】
前記と同様に、加熱温度を150℃に設定したホットメルト塗工機上に、接着剤として前記SBSを目付量9g/m2で吸水シート構成体中間物の不織布A上に塗布した。
【0066】
次に、ローラー型散布機の投入口に、吸水性樹脂を仕込んだ。一方、散布機下部のコンベアーに、吸水シート構成体中間物を接着剤塗布面が上面になるように敷いた。次いで、散布ローラーと下部コンベアーを稼動させることにより、吸水性樹脂を目付量120g/m2で、前記吸水シート構成体中間物上に均一に積層した。
【0067】
得られた積層体を、上部から目付量9g/m2で前記SBSを前記と同様の方法で塗布した透水性不織布として不織布Aで挟みつけた後、加熱温度を100℃に設定したラミネート機(株式会社ハシマ製:直線式接着プレスHP-600LF)にて熱融着させることでこれらを一体化し、吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート組成物の構造の断面を模式的に示せば、図3のような構造であった。
【0068】
得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、透水性不織布である不織布Aが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0069】
(実施例5)
加熱温度を150℃に設定したホットメルト塗工機(株式会社ハリーズ製:マーシャル150)上に、保水性不織布として幅15cmの前記不織布Dを敷いた後、接着剤としてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS;軟化点85℃)を目付量6g/m2で当該不織布上に塗布した。
【0070】
次に、ローラー型散布機(株式会社ハシマ製:シンターエースM/C)の投入口に、吸水性樹脂としてのアクリル酸部分中和物重合体の架橋物(住友精化株式会社製:アクアキープSA55SX-II)を仕込んだ。一方、散布機下部のコンベアーに、前記接着剤塗布不織布Dを接着剤塗布面が上面になるように敷いた。次いで、散布ローラーと下部コンベアーを稼動させることにより、吸水性樹脂を目付量50g/m2で不織布上に均一に積層した。
【0071】
得られた積層体を、上部から目付量6g/m2で接着剤としての前記SBSを前記と同様の方法で塗布した通気性分画層としてスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布(繊維:PP、目付量:13g/m2;「不織布E」とする)で挟みつけた後、加熱温度を100℃に設定したラミネート機(株式会社ハシマ製:直線式接着プレスHP-600LF)にて熱融着させることでこれらを一体化し、吸水シート構成体中間物を得た。
【0072】
前記と同様に、加熱温度を150℃に設定したホットメルト塗工機上に、接着剤として前記SBSを目付量25g/m2で吸水シート構成体中間物の不織布E上に塗布した。
【0073】
次に、ローラー型散布機の投入口に、吸水性樹脂を仕込んだ。一方、散布機下部のコンベアーに、吸水シート構成体中間物を接着剤塗布面が上面になるように敷いた。次いで、散布ローラーと下部コンベアーを稼動させることにより、吸水性樹脂を目付量350g/m2で、前記吸水シート構成体中間物上に均一に積層した。
【0074】
得られた積層体を、上部から目付量25g/m2で前記SBSを前記と同様の方法で塗布した透水性不織布として不織布Bで挟みつけた後、加熱温度を100℃に設定したラミネート機(株式会社ハシマ製:直線式接着プレスHP-600LF)にて熱融着させることでこれらを一体化し、吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート組成物の構造の断面を模式的に示せば、図3のような構造であった。
【0075】
得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、透水性不織布である不織布Bが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0076】
(比較例1)
実施例2において、透水性不織布(不織布B)の代わりに不織布D、保水性不織布(不織布D)の代わりに不織布Bを使用した以外は、実施例2と同様の方法によって吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、不織布Dが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0077】
(比較例2)
実施例2において、透水性不織布(不織布B)の代わりにエアスルー不織布(繊維:PP/PE=1/1、目付量:19g/m2;「不織布F」とする)を使用した以外は、実施例2と同様の方法によって吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、不織布Fが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0078】
(比較例3)
実施例2において、透水性不織布(不織布B)の代わりに不織布A、保水性不織布(不織布D)の代わりに不織布Fを使用した以外は、実施例2と同様の方法によって吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、不織布Aが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0079】
(比較例4)
実施例4において、透水性不織布(不織布A)の代わりに不織布Eを使用した以外は、実施例4と同様の方法によって吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、不織布Eが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0080】
(比較例5)
実施例4において、保水性不織布(不織布D)の代わりに不織布Fを使用した以外は、実施例4と同様の方法によって吸水シート構成体を得た。得られた吸水シート構成体を所定の大きさに切断し、不織布Aが上方となるようにして、後述の各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0081】
<吸水シート構成体の厚みの測定>
得られた吸水シート構成体の厚みは、厚み測定器(株式会社尾崎製作所製、型番:J−B)を用いて測定した。測定箇所として、長手方向に左端、中央、右端の3箇所を任意に決め、例えば7.5×20cmの場合、左から5cmを左端、10cmを中央、15cmを右端とした。幅方向は均等な中央部を測定した。
【0082】
厚みの測定値は各箇所で3回測定して平均した。さらに、左端、中央、右端の値を平均して、吸水シート構成体全体の厚みとした。
【0083】
<吸水シート構成体の液体浸透速度及び液体逆戻り量の評価>
吸水シート構成体を7.5×20cmの短冊状で、長手方向が不織布の縦方向(機械方向)となるように切断したものを、サンプルとして使用した。
【0084】
生理食塩水を少量の青色1号で着色して、試験液を調製した。
【0085】
サンプル(吸水シート構成体)の上部に、サンプルと同じ大きさ(7.5×20cm)、目付量22g/m2のポリエチレン製エアスルー型多孔質液体透過性シートを載せた。また、サンプルの下にこのシートと同じ大きさ、目付量のポリエチレン製液体不透過性シートを置き、簡易的な吸収性物品を作製した。この吸収性物品の中心付近に、中央に内径1.9cm、高さ15cmの円筒を持つ底面積16.8cm2のアクリル板を置き、さらにアクリル板上には重りを載せ、総計780gの荷重がサンプルにかかる状態とした。円筒に、40mLの試験液を一度に投入するとともに、ストップウォッチを用いて、試験液が完全に吸収性物品に浸透するまでの時間を測定し、1回目の液体浸透速度(秒)とした。次いで試験液吸収終了から3分後にも同様の操作を行い、2回目の液体浸透速度(秒)を測定した。さらに2回目の試験液吸収終了から3分後にも同様の操作を行い、3回目の液体浸透速度(秒)を測定した。1〜3回目の液体浸透速度の秒数の合計を合計液体浸透速度とした。
【0086】
3回目の試験液吸収終了後から10分後にアクリル板を取り除き、吸収性物品上の液投入位置付近に、あらかじめ質量(Wc(g)、約3g)を測定しておいた直径55mmの濾紙(10枚)を置き、その上に直径50mmの700gの重りを載せた。1分間の荷重後、濾紙の質量(Wd(g))を測定し、増加した質量を液体逆戻り量(g)とした。
液体逆戻り量(g)=Wd−Wc(g)
【0087】
<傾斜における漏れ量の評価>
傾斜における漏れ量は、図6に示す装置を用いて行った。
概略としては、市販の実験設備用の架台31を用いて、アクリル板32を傾斜させて固定した後、板上に載置した吸収性物品33に鉛直上方から滴下ロート34で前記の試験液を投入し、漏れ量を天秤35で計量する機構である。以下に詳細な仕様を示す。
【0088】
アクリル板32は傾斜面方向の長さが45cmで、架台31によって水平に対して成す角45±2°になるよう固定した。アクリル板32は幅100cm、厚み1cmで、複数の吸水シート構成体33を並行して測定することも可能であった。アクリル板32の表面は滑らかなので、板に液体が滞留したり吸収されたりすることはなかった。
【0089】
架台31を用いて、滴下ロート34を傾斜アクリル板32の鉛直上方に固定した。滴下ロート34は、容量100mL、先端部の内径が約4mmであり、10mL/秒で液が投入されるようにコックの絞りを調整した。
【0090】
アクリル板32の下部には、トレイ36を載置した天秤35が設置されており、漏れとして流れ落ちる試験液をすべて受けとめ、その質量を0.1gの精度で記録した。
【0091】
このような装置を用いた傾斜における漏れ試験は、以下の手順で行った。幅7.5cm×長さ20cmの短冊状で、長手方向が不織布の縦方向(機械方向)となるように切断した吸水シート構成体の質量を測定した後、同サイズのエアスルー型ポリエチレン製液体透過性不織布(目付量22g/m2)を上方から付し、さらに、同サイズ、同目付量のポリエチレン製液体不透過性シートを下方から付して作製した簡易的な吸収性物品33を、アクリル板32上に貼り付けた(漏れを作為的に止めないために、吸収性物品33の下端はアクリル板32上には貼り付けなかった)。
【0092】
吸収性物品33の上端から2cm下方向の箇所に目印をつけ、滴下ロート34の投入口を、目印から鉛直上方距離10±1mmになるように固定した。
【0093】
天秤35を起動させ、表示をゼロに補正した後、滴下ロート34に前記試験液20mLを一度に投入した。試験液が吸収性物品33に吸収されずに傾斜したアクリル板32を流れ、トレイ36に入った液量を測定し、1回目の漏れ量(g)とした。
【0094】
1回目の投入開始から10分間隔にて、同様に2回目、3回目の試験液を投入して、2回目、3回目の漏れ量(g)を測定した。1〜3回目の漏れ量の合計(g)を傾斜における合計漏れ量とした。
【0095】
実施例及び比較例において用いた不織布の諸性能を表1に、吸水シート構成体の構成及び性能評価を表2に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
以上の結果より、実施例1〜5の吸水シート構成体は、比較例1〜5のものと対比して、液体浸透速度が速く、液体逆戻り量が少なく、傾斜における漏れ量も少ないことが分かる。
【0099】
一方、比較例について見れば、上側、つまり液体が供給される側である不織布の透水速度が10秒を超える場合(比較例1、2及び4)では、液体浸透速度が遅く、また液体逆戻り量が多くなる傾向がある。また、下側、つまり液体が供給される側の反対側である不織布の吸水量が250g/m2未満の場合(比較例1、3及び5)では、傾斜における漏れ量が多くなる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の吸水シート構成体は、衛生材料分野、農業分野、建材分野等の吸収性物品に使用することができ、なかでも、衛生材料分野の失禁パッド等の吸収性物品に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0101】
10 吸水シート構成体
11 接着剤
12 吸水性樹脂
13 吸収層
14 透水性不織布
15 保水性不織布
16 接着剤
17 通気性分画層
18 1次吸収層
19 2次吸収層
21 容器
22 磁気バルブ
23 ストライクスループレート
24 不織布サンプル
25 濾紙層
26 ベースプレート
27 中央孔
28 電極
31 架台
32 アクリル板
33 吸収性物品
34 滴下ロート
35 天秤
36 トレイ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】