(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013099894
(43)【国際公開日】20130704
【発行日】20150507
(54)【発明の名称】基板処理装置及びそれを用いた基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20150410BHJP
   H01L 21/365 20060101ALI20150410BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20150410BHJP
   H01L 31/0747 20120101ALN20150410BHJP
   H01L 31/18 20060101ALN20150410BHJP
【FI】
   !H01L21/31 E
   !H01L21/365
   !H01L21/205
   !H01L31/06 455
   !H01L31/04 420
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】2013551717
(21)【国際出願番号】JP2012083559
(22)【国際出願日】20121226
(31)【優先権主張番号】2011288734
(32)【優先日】20111228
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
【住所又は居所】東京都千代田区外神田四丁目14番1号
(72)【発明者】
【氏名】吉田 秀成
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】国井 泰夫
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】西谷 英輔
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】平野 光浩
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
(72)【発明者】
【氏名】谷山 智志
【住所又は居所】富山県富山市八尾町保内二丁目1番地 株式会社日立国際電気内
【テーマコード(参考)】
5F045
5F151
【Fターム(参考)】
5F045AA20
5F045AB28
5F045AD08
5F045AF07
5F045BB08
5F045CA13
5F045DP20
5F045DQ06
5F045EC02
5F045EE20
5F045EF15
5F045EK06
5F151AA10
5F151CB24
(57)【要約】
【課題】基板の加熱効率を高めて基板の昇温時間の短縮化を図る。
【解決手段】筒状の反応管100とシールキャップ110とで気密に構成される処理室30と、反応管100の周囲に設けられたヒータである炉体加熱部200と、処理室30内に配置され、かつ複数のガラス基板20が収容されたカセット410と、反応管100の内部の閉塞された一方の側部に設けられた電動ファン500と、処理室30内においてカセット410上で立てて配置される複数のガラス基板20のうちの最外部の位置に配置されるガラス基板20の表面を覆い、かつ電動ファン500の羽部510に向かう気流Qが反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御する円筒形の整流板430と、を備えた基板処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成され、内部で複数の基板に対して成膜処理が行われる反応管と、
前記反応管の内部に前記成膜処理のための処理ガスを導入するガス供給管と、
前記反応管の内部の雰囲気を排気する排気管と、
前記反応管を加熱する加熱部と、
前記反応管の内部の雰囲気を前記基板の表面に沿って強制対流させるファンと、
前記強制対流により生じた前記基板の表面上の前記処理ガスの流れ方向に沿って延在し、前記複数の基板のうちの最外部の位置に配置される前記基板の表面を覆う整流板と、
を有し、
前記複数の基板の外側で前記ファンに向かって流れる前記処理ガスを前記反応管の内周面に沿って流れるように制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記強制対流による前記処理ガスの流れ方向が、前記基板の短辺方向に沿っている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記整流板は円筒形である請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
筒状に形成され、内部で複数の基板に対して成膜処理が行われる反応管と、
前記反応管の内部に前記成膜処理のための処理ガスを導入するガス供給管と、
前記反応管の内部の雰囲気を排気する排気管と、
前記反応管を加熱する加熱部と、
前記反応管の内部の雰囲気を前記基板の表面に沿って強制対流させるファンと、
を有し、
前記反応管の内周面に複数の凹凸が形成されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
内部にファンが設けられた筒状の反応管を備える基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
(a)前記反応管の内部に複数の基板を間隔をあけて配置する工程と、
(b)前記反応管を加熱した状態で前記反応管の内部に処理ガスを導入し、前記ファンにより前記反応管の内部の雰囲気を前記基板の表面に沿って強制対流させて前記複数の基板に成膜処理を行う工程と、
を有し、
前記(b)工程において、前記強制対流により生じた前記基板の表面上の前記処理ガスの流れ方向に沿って延在し、かつ前記複数の基板のうちの最外部の位置に配置される前記基板の表面を覆う整流板によって、前記複数の基板の外側で前記ファンに向かって流れる前記処理ガスを前記反応管の内周面に沿って流れるように制御することを特徴とする基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及びそれを用いた基板処理方法に関し、特に、基板の処理時間の短縮化に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
セレン化物系CIS(カルコパイライト)太陽電池は、ガラス基板、金属裏面電極層、CIS系光吸収層、高抵抗バッファ層、窓層が順に積層される構造を有する。ここでCIS系光吸収層は、銅(Cu)/ガリウム(Ga)、Cu/インジウム(In)、若しくは、Cu−Ga/Inのいずれか一つの積層構造をセレン化することにより形成される。このように、セレン化物系CIS太陽電池は、シリコン(Si)を用いずに形成できるため、基板を薄くできると共に製造コストを下げることができるという特徴を有している。
【0003】
ここで、セレン化を行う装置の一例として、特許文献1(特開2006−186114号公報)がある。特許文献1に記載されるセレン化装置(成膜装置)は、ホルダーにより複数の平板状の対象物(基板)を一定の間隔を設けて、円筒状の石英チャンバー(反応管)の長軸方向(長手方向)に平行に、かつその板面を垂直に配置し、セレン源を導入することにより、対象物のセレン化を行っている。また、ファンを円筒状の石英チャンバーの軸方向の端部に取り付けることにより、石英チャンバー内のセレン化源を含むガスを強制的に対流させ、ガラス基板上の温度分布の均一化を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−186114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるようにファンを円筒状の石英チャンバー(反応管、反応室)の軸方向(長手方向)の端部に配置した場合、石英チャンバー内の雰囲気の対流は、石英チャンバー内を横方向、すなわち、ガラス基板の長辺方向に流れることになる。
【0006】
ここで、セレン化には長時間を要することから、セレン化装置の処理能力を上げるためには、反応室に載置するガラス基板の枚数を可能な限り多くする必要があり、したがって、ホルダーに挿入する複数のガラス基板の隣り合った基板との間隔を小さくして詰め込むことになる。
【0007】
なお、ガラス基板は、熱伝導率が小さいため、ホルダー内の複数のガラス基板の外側から熱伝導あるいは輻射でガラス基板の温度を均一に保持しながら短時間で加熱することが難しい。
【0008】
また、ヒータに大きな電力を投入して急速に加熱すると、ガラス基板内の温度差が大きくなり、ガラス基板が破損してしまう。このため、ホルダー内の複数のガラス基板を加熱する場合、一般的に反応室の内部の処理ガスをファン等で攪拌して処理ガスの熱をガラス基板に伝達する方法が採用されている。
【0009】
ところが、円筒形の反応室の内部にガラス基板を載置すると、ガラス基板の表面、すなわちガラス基板と反応室の内周面との間に空間が形成され、隣り合ったガラス基板との間を通過しないガス循環が生じたり、あるいは反応室の内周面に沿わないガス循環が生じたりして、反応室内のガスの流れが不安定になる。
【0010】
その結果、効率的にガラス基板を加熱できないという課題が発生する。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板処理における基板の加熱効率を高めることができる技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
本発明に係る基板処理装置は、反応管と、反応管の内部の雰囲気を基板の表面に沿って強制対流させるファンと、複数の基板のうちの最外部の位置に配置される基板の表面を覆い、前記複数の基板の外側で前記ファンに向かって流れる処理ガスを前記反応管の内周面に沿って流れるように制御する整流板と、を有するものである。
【0015】
また、本発明に係る基板処理方法は、反応管の内部で、複数の基板のうちの最外部の位置に配置される基板の表面を覆う整流板によって、前記複数の基板の外側でファンに向かって流れる処理ガスを反応管の内周面に沿って流れるように制御して成膜処理を行うものである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0017】
基板の昇温時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1の基板処理装置の主要部の構造の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す基板処理装置の円周方向の構造の一例を示す断面図である。
【図3】図2のA部の構造を示す拡大部分断面図である。
【図4】図1に示す基板処理装置の反応管のコーティング膜の構造の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の基板処理装置の主要部の構造の一例を示す断面図である。
【図6】図5に示す基板処理装置の円周方向の構造の一例を示す断面図である。
【図7】図6のB部の構造を示す拡大部分断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2の基板処理装置による効果の一例を示すシミュレーション結果図である。
【図9】本発明の実施の形態2における変形例の基板処理装置の主要部の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として
繰り返さない。
【0020】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは
実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0021】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0022】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0023】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の基板処理装置の主要部の構造の一例を示す断面図、図2は図1に示す基板処理装置の円周方向の構造の一例を示す断面図、図3は図2のA部の構造を示す拡大部分断面図、図4は図1に示す基板処理装置の反応管のコーティング膜の構造の一例を示す断面図である。
【0026】
本実施の形態1の基板処理装置は、ガラス基板等の基板に加熱処理を行うものであり、図1に示す主要部である処理炉10を備えている。
【0027】
まず、図1に示す処理炉10の基本構造について説明する。
【0028】
基板に対して成膜処理等の加熱処理が行われる処理室(反応室ともいう)30は、反応管100とシールキャップ(蓋)110とで気密に構成され、内部には複数のガラス基板20がカセット(ボートともいう)410に収納された状態で設置台420上に配置されている。
【0029】
また、反応管100は、周囲に設けた炉体加熱部200やキャップ加熱部210等の加熱部(ヒータ)により加熱される構造となっており、さらに、反応管100の材質には腐食性のガスにも耐えられるような耐腐食性が高い金属あるいはその表面に耐腐食コーティングを施した金属が用いられている。
【0030】
本実施の形態1の処理炉10では、反応管100の内部の閉塞された一方の側部に電動ファン500が設けられており、処理室30の外部に設けた動力部(ファン駆動部)530によって羽部(ファン)510を回転させることで処理室30内のガスを攪拌可能な構造となっている。
【0031】
なお、反応管100には、ガラス基板20を処理するためのガス導入部、処理室30の内部のガスを置換するための排気口、排気口からガスを排気するための排気装置に連結された排気管、窒素等の不活性ガスの導入部等が設けられている。
【0032】
次に、処理炉10の構造について詳しく説明する。
【0033】
処理炉10は、ステンレス等の金属材料で形成される炉体としての反応管100を有している。反応管100は、中空の円筒形状(筒状)をしており、その一端が閉塞し、他端が開口する構造を有している。反応管100の中空部分により、処理室30が形成される。反応管100の開口側には、反応管100と同心円上に、その両端が開口した円筒形状のマニホールド120が設けられている。反応管100とマニホールド120との間には、シール部材としてのOリング(図示せず)が設けられている。
【0034】
また、マニホールド120の反応管100が設けられない開口部には、可動性のシールキャップ110が設けられている。シールキャップ110は、ステンレス等の金属材料で形成され、マニホールド120の開口部に、その一部が挿入される凸型形状をしている。可動性のシールキャップ110とマニホールド120との間には、シール部材としてのOリング(図示せず)が設けられ、処理を行う際には、シールキャップ110が反応管100の開口側を気密に閉塞する。
【0035】
また、反応管100の内部には、一例として、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)を含有する積層膜が形成された複数のガラス基板(例えば、30〜60枚)20を保持するカセット410を載置するための設置台420が設けられている。
【0036】
設置台420は、その一端が反応管100の内周面100aに固定されると共に、反応管100の中心部にカセット410が設置台420を介して載置されるように構成されている。
【0037】
カセット410は、図1に示されるように、ガラス基板20の両端に、複数のガラス基板20を立てた状態で横方向に並んで保持可能な保持部材である。なお、ガラス基板20がカセット410に収容される際には、図2に示すように、隣のガラス基板20と干渉しないように(接触しないように)間隔をあけて収容される。さらに、図1に示すように気流Pのガス流れを妨げないように、側面部Cの板は極力フレーム410aのみ(側面部Cの板は、例えば枠状)となっており、円筒形の整流板430内を流れるガスが流れ易い構造となっている。また、それぞれのガラス基板20は、例えばカセット410の図2に示す底板の溝と図1のフレーム410aによって支持されている。
【0038】
また、反応管100の周囲には、一端が閉塞し、かつ他端が開口する中空の円筒形状をした加熱部である炉体加熱部200が設けられている。さらに、シールキャップ110の反応管100と反対側(外側)の側面には、キャップ加熱部210が設けられている。この炉体加熱部200とキャップ加熱部210により反応管100を介してその内部、すなわち処理室30内が加熱される。なお、炉体加熱部200は、図示しない固定部により反応管100に固定され、キャップ加熱部210は、図示しない固定部によりシールキャップ110に固定されている。また、シールキャップ110やマニホールド120には、耐熱性の低いOリングを保護するため図示しない水冷との冷却手段が設けられる。
【0039】
なお、マニホールド120には、セレン元素含有ガス(セレン化源、処理ガス600)としての水素化セレン(以下、「H2Se」と呼ぶ)を供給するためのガス供給管300が設けられており、ガス供給管300から供給されたH2Seは、ガス供給管300からマニホールド120とシールキャップ110との間の間隙を介して処理室30へ供給される(導入される)。
【0040】
一方、ガス供給管300の反対側のマニホールド120には、排気管310が設けられており、処理室30内の雰囲気は、マニホールド120とシールキャップ110との間の間隙を介して排気管310より排気される。なお、上述の冷却手段により冷却される箇所は、150℃以下まで冷却すると、その部分に未反応のセレンが凝縮してしまうため、150℃から170℃程度に温度制御すると良い。
【0041】
また、本実施の形態1の反応管100の内部には、電動ファン500が設けられている。すなわち、反応管100の閉塞された一端側に電動ファン500が設けられ、電動ファン500の駆動により、反応管100の内部の雰囲気をガラス基板20の表面に沿って強制対流させることができる。電動ファン500は、回転することにより処理室30内の対流を形成する羽部510と、円筒状の反応管100の側壁及び炉体加熱部200の側壁を貫通するように設けられた回転軸部520と、炉体加熱部200の外部に設けられ、かつ回転軸部520を回転させる動力部530とを有している。さらに、回転軸部520と反応管100及び炉体加熱部200との間には、保護部材540が設けられており、保護部材540と回転軸部520との間の狭い間隙に窒素パージを行うことにより、回転軸部520から動力部530に反応ガス(処理ガス600)が浸入するのを極力抑えるようにしている。
【0042】
電動ファン500の回転により、処理室30内はガラス基板20の長辺方向(筒状の反応管100の長手方向)に沿って流れる処理ガス600の気流Pが形成される。このように、電動ファン500を動作させ、強制対流をガラス基板20の長辺方向に向かうようにしている。
【0043】
また、本実施の形態1の処理炉10では、図1及び図2に示すように、処理室30に円筒形の整流板430が設けられている。整流板430は、反応管100の内部においてカセット410上で立てて配置される複数のガラス基板20のうちの最外部の位置に配置されるガラス基板20の表面を覆っており、両端が開口した形状となっている。すなわち、カセット410上に立てて配置された複数のガラス基板20を覆うように円筒形の整流板430が設けられており、円筒形の整流板430の両側の端部はガスが通過可能なように開口している。
【0044】
したがって、反応管100の内周面100aの長手方向の閉塞された側の壁に取り付けられた電動ファン500の羽部510から円筒形の整流板430の一方の開口部を介して整流板430の内部に気流を送り込むことができるとともに、他方の反対側の開口部から整流板430の外側に気流を送り出すことができる。
【0045】
なお、整流板430は、反応管100の内周面100aに取り付けられている。
【0046】
さらに、整流板430は、図1に示すように、電動ファン500の駆動で羽部510の回転によって形成された強制対流によるガラス基板20に沿って流れる気流Pと、この気流Pがシールキャップ110の内壁に衝突した後、複数のガラス基板20の外側で電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の気流Qとを区分けしている。すなわち、整流板430は、羽部510の回転によって形成されたガラス基板20に沿って流れる気流Pと、この気流Pがシールキャップ110の内壁に衝突した後、電動ファン500の羽部510に向かって流れる気流Qとを区分けする機能を有しており、羽部510に向かう気流Qが反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御している。
【0047】
これにより、電動ファン500の駆動によって形成された強制対流により、ガラス基板20の表面に沿って流れる処理ガス600の気流P(処理ガス600の流れ方向)は、整流板430から出た後、シールキャップ110の内壁に到達し、その後、羽部510に向かう気流Qが整流板430の外側の領域で反応管100の内周面100aに沿って流れるように処理ガス600の流れを整流板430が制御している。
【0048】
その結果、処理室30でのガラス基板20の処理中の処理ガス600の流れを安定して循環させることができる。
【0049】
つまり、反応管100の内部(処理室30内)に円筒形の整流板430を設けたことで、電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の流路を、反応管100の内周面100aに沿うように狭くすることができ、したがって、羽部510に向かって流れる処理ガス600を加熱された反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御することができる。その結果、反応管100の内部の処理ガス600の流れの安定化を図ることができる。
【0050】
これにより、処理ガス600の加熱効率を高めることができ、ガラス基板20の加熱効率を高めて昇温時間の短縮化を図ることができる。
【0051】
また、処理炉10には、図3に示すように反応管100の内周面100aに複数の凹凸103が形成されている。この凹凸103は、反応管100の内周面100aの略全面(例えば、処理ガス600が通過する内周面100a)に亘って形成されている。
【0052】
これにより、反応管100の内周面100aの表面積を大きくすることができ、加熱された反応管100の内周面100aに対して処理ガス600が通過する際に接触する面積を増やすことができる。
【0053】
その結果、処理ガス600の加熱効率をさらに高めることができ、ガラス基板20の加熱効率をさらに高めて昇温時間の短縮化をさらに図ることができる。
【0054】
次に、反応管100の内部の表面(内周面100a)のコーティング材について説明する。
【0055】
本実施の形態1の処理炉10の反応管100は、ステンレス等の金属材料によって形成されている。ステンレス等の金属材料は、石英と比較して加工が容易である。よって、CIS系(カルコパイライト系)太陽電池のセレン化処理を行う基板処理装置に用いられるような大型の反応管100を容易に製造することが可能となる。したがって、反応管100内に収容できるガラス基板20の枚数を多くすることができ、CIS系太陽電池の製造コストを下げることができる。
【0056】
さらに、本実施の形態1では、反応管100の少なくとも処理室30内の雰囲気に曝される表面(内周面100a)は、図4に示すように、図1の反応管100の基材101となるステンレス等の金属材料の上に、ステンレス等の金属材料と比較してセレン化耐性の高いコーティング膜102が形成されている。一般的に広く用いられているステンレス等の金属材料は、H2Se等のガスが200℃以上に加熱されると、非常に高い反応性により腐食してしまうが、本実施の形態1のようにセレン化耐性の高いコーティング膜102を形成することにより、H2Se等のガスによる腐食を抑制できる。
【0057】
その結果、一般的に広く用いられているステンレス等の金属材料を用いることができ、基板処理装置の製造コストを下げることが可能となる。なお、このセレン化耐性の高いコーティング膜102としては、セラミックを主成分とするコーティング膜102、例えば、酸化クロム(Crxy:x,yは1以上の任意数)、アルミナ(Alxy:x,yは1以上の任意数)、シリカ(Sixy:x,yは1以上の任意数)のそれぞれ単独あるいは混合物、または、炭素を主成分とするコーティング膜102、例えば、炭化珪素(SiC)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)が挙げられる。
【0058】
また、本実施の形態1のコーティング膜102は、ポーラス状の膜で形成されている。これにより、反応管100のステンレス等の金属材料で形成される基材101とコーティング膜102との線膨張係数の違いによる熱膨張・収縮に柔軟に追従することが可能となる。その結果、熱処理を繰り返し行ったとしても、コーティング膜102への亀裂の発生を最小限に抑えることができる。なお、コーティング膜102は、2〜200μm、望ましくは50〜120μmの厚さで形成するのが望ましい。また、基材101とコーティング膜102との線膨張係数の偏差が20%以下、望ましくは、5%以下とするのが望ましい。
【0059】
また、シールキャップ110、マニホールド120、ガス供給管300、及び排気管310も同様にセレン化源に曝される部分に上述のコーティング膜102を形成しても良い。ただし、Oリング等を保護するために冷却手段により200℃以下に冷却されている部分は、ステンレス等の金属材料がセレン化源と接触しても反応しないため、コーティング膜102を形成しなくても良い。
【0060】
次に、本実施の形態1の処理炉10を備える基板処理装置を用いた基板処理方法について説明する。
【0061】
ここでは、図1及び図2に示すような、内部の閉塞された一方の側部に電動ファン500が設けられた筒状の反応管100を有した処理炉10を備える基板処理装置において、一例として、CIGS(C:Cu(Copper)、I:ln(lndium)、G:Ga(Gallium)、S:Se(Selenium))系の太陽電池の製造プロセスでセレン化処理を行う場合を説明する。
【0062】
まず、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)を含有する積層膜が形成された30枚から60枚のガラス基板20をカセット(ボート)410内に配置し、可動性のシールキャップ110をマニホールド120から外した状態で、カセット410を反応管100の内部である処理室30内に搬入し、設置台420上にセットする(搬入工程)。
【0063】
なお、カセット410内においてそれぞれのガラス基板20は、隣り合った基板と接触しない程度に間隔をあけて立てて配置されている。
【0064】
また、カセット410の処理室30内への搬入は、例えば、図示しない搬入出装置のアームによりカセット410の下部を支持して持ち上げた状態で、カセット410を処理室30内に移動し、所定の位置に到達させた後、当該アームを下方に移動させカセット410を設置台420に載置することにより行われる。
【0065】
その後、シールキャップ110を閉めて処理室30を密閉状態とし、処理室30の内部の大気を窒素ガス等の不活性ガス(処理ガス600)で置換する(置換工程)。前記不活性ガスで処理室30内の雰囲気を置換した後、炉体加熱部200等のヒータに電力を投入し、所定の昇温速度で反応管100を加熱する。例えば、400〜550℃、望ましくは450℃〜550℃まで、毎分3〜15℃で昇温する。
【0066】
さらに昇温と同時に、電動ファン500の羽部510を動力部530により回転させ、反応管100の内周面100a付近で加熱された処理ガス(不活性ガス)600をカセット410に収容された複数のガラス基板20それぞれの長辺方向(長手方向)に沿って、かつガラス基板20間を通過させ、処理ガス600の熱をガラス基板20に伝達することによりガラス基板20を加熱する。
【0067】
なお、ガラス基板20は基板内の温度差が大きくなると破損するため、温度差が大きくならないように反応管100の昇温速度や、隣り合ったガラス基板20の間を通過させる処理ガス(不活性ガス)600の流速を適切な値に調節して加熱する。
【0068】
ここで、本実施の形態1の処理炉10には、その反応管100の内部に、円筒形の整流板430が設けられており、この円筒形の整流板430の内部に複数のガラス基板20が配置されている。本実施の形態1の円筒形の整流板430は、電動ファン500の羽部510による強制対流で生じたガラス基板20の表面上の処理ガス600の流れ方向に沿って延在し、かつ複数のガラス基板20のうちの最外部の位置に配置される基板の表面を覆うように設けられている。
【0069】
すなわち、円筒形の整流板430は、羽部510の回転によって形成されたガラス基板20の長辺方向に沿って流れる処理ガス600の気流P(処理ガス600の流れ方向)と、この気流Pがシールキャップ110の内壁で反転して電動ファン500の羽部510に向かって流れる気流Qとを区分けする機能を有しており、羽部510に向かう気流Qが反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御している。
【0070】
つまり、シールキャップ110で反転して複数のガラス基板20の外側において羽部510に向かう気流Qの流路を狭くし、これによって、気流Qが反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御している。
【0071】
したがって、電動ファン500の駆動によって形成された強制対流により、ガラス基板20の表面に沿って流れる処理ガス(不活性ガス)600の気流Pは、整流板430から出た後、シールキャップ110の内壁に衝突して反転し、その後、羽部510に向かう気流Qが整流板430の外側の領域で反応管100の内周面100aに沿って流れるように処理ガス600の流れを整流板430が制御する。
【0072】
これにより、処理室30でのガラス基板20の昇温時の処理ガス600の流れを安定して循環させることができる。
【0073】
すなわち、反応管100の内部(処理室30内)に円筒形の整流板430が設けられたことで、電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の流路を、反応管100の内周面100aに沿うように狭くすることができ、したがって、この処理ガス600を加熱された反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御することができる。これにより、反応管100の内部の処理ガス600の流れの安定化を図ることができる。
【0074】
その結果、処理ガス600の加熱効率を高めることができ、ガラス基板20の加熱効率を高めて昇温時間の短縮化を図ることができる。
【0075】
また、処理炉10には、図3に示すように反応管100の内周面100aに複数の凹凸103が形成されており、これにより、反応管100の内周面100aの表面積を大きくすることができるため、加熱された反応管100の内周面100aに対して処理ガス600が通過する際に接触する面積を増やすことができる。
【0076】
その結果、処理ガス600の加熱効率をさらに高めることができ、ガラス基板20の加熱効率をさらに高めて昇温時間の短縮化をさらに図ることができる。
【0077】
以上の方法により、ガラス基板20を加熱し、ガラス基板20が所定の温度(例えば、後述する400〜500℃)に昇温した時点で処理室30内に処理ガス(セレン元素含有ガス(セレン化源))600を導入してガラス基板20に成膜処理を行う。
【0078】
すなわち、反応管100を加熱した状態で反応管100の内部に処理ガス(セレン化源)600を導入し、その際も、電動ファン500の羽部510により反応管100の内部の雰囲気をガラス基板20の表面に沿って強制対流させて、さらに円筒形の整流板430によって安定化した気流P及び気流Qを形成し、この状態で複数のガラス基板20に成膜処理を行う。このセレン化処理によって、それぞれのガラス基板20にCIS系太陽電池の光吸収層が形成される(形成工程)。
【0079】
成膜処理の終了後、反応管100の温度を一定速度で降温するとともに、処理室30内の処理ガス600を窒素等の不活性ガスで置換する。すなわち、成膜処理の終了後、ガス供給管300から窒素ガス等の不活性ガスを導入して処理室30内の雰囲気を置換するとともに、所定温度まで降温する(降温工程)。
【0080】
さらに、ガラス基板20の温度が所定の温度に降温し、かつ処理室30内の処理ガス600の窒素ガス等による置換が終了した時点で、シールキャップ110を移動させることにより、処理室30を開口し、その後、図示しない搬入出装置のアームにてカセット410を搬出する(搬出工程)ことにより一連の成膜処理が終了する。
【0081】
なお、一例として、CIGS系の太陽電池の製造プロセスにおいて、ガラス基板20上に形成したCu(銅)、In(インジウム)、Ga(ガリウム)からなる金属プリカーサ膜(積層膜)をH2Se(セレン化水素)ガスでSe(セレン)化処理するプロセスでは、処理室30内に配置されたガラス基板20の温度を400〜500℃に保持した状態で20分から2時間程度で成膜処理を行う。
【0082】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2の基板処理装置の主要部の構造の一例を示す断面図、図6は図5に示す基板処理装置の円周方向の構造の一例を示す断面図、図7は図6のB部の構造を示す拡大部分断面図、図8は本発明の実施の形態2の基板処理装置による効果の一例を示すシミュレーション結果図である。
【0083】
本実施の形態2の基板処理装置は、実施の形態1の基板処理装置と同様の処理炉10を備えたものであるが、本実施の形態2の処理炉10は、図5及び図6に示すように、反応管100の上部に複数の電動ファン500が設けられているものであり、したがって、電動ファン500の羽部510の回転によって生じる強制対流は、反応管100の上部から下部に向かうものであり、したがって、羽部510の回転によって生じる気流Rは、ガラス基板20の短辺方向に沿って流れるものである。
【0084】
本実施の形態2の処理炉10では、反応管100とシールキャップ110とで気密に構成可能であり、その反応管100の上部に複数の電動ファン500が並んで設けられており、処理室30の外部に設けた動力部(ファン駆動部)530によって羽部(ファン)510を回転させることで処理室30内のガスを攪拌可能な構造となっている。
【0085】
処理炉10の構造について詳しく説明すると、処理炉10は、ステンレス等の金属材料で形成される炉体としての反応管100を有している。反応管100は、中空の円筒形状(筒状)をしており、その一端が閉塞し、他端が開口する構造を有している。反応管100の中空部分により、処理室30が形成される。反応管100の開口側には、反応管100と同心円上に、その両端が開口した円筒形状のマニホールド120が設けられている。反応管100とマニホールド120との間には、シール部材としてのOリング(図示せず)が設けられている。
【0086】
また、マニホールド120の反応管100が設けられない開口部には、可動性のシールキャップ110が設けられている。シールキャップ110は、ステンレス等の金属材料で形成され、マニホールド120の開口部に、その一部が挿入される凸型形状をしている。可動性のシールキャップ110とマニホールド120との間には、シール部材としてのOリング(図示せず)が設けられ、処理を行う際には、シールキャップ110が反応管100の開口側を気密に閉塞する。
【0087】
また、反応管100の内部には、一例として、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)を含有する積層膜が形成された複数のガラス基板(例えば、30〜40枚)20を保持するカセット410を載置するための設置台420が設けられている。
【0088】
設置台420は、その一端が反応管100の内周面100aに固定されると共に、反応管100の中心部にカセット410が設置台420を介して載置されるように構成されている。
【0089】
カセット410は、図5に示されるように、ガラス基板20の両端に、複数のガラス基板20を立てた状態で横方向に並んで保持可能な保持部材である。なお、ガラス基板20がカセット410に収容される際には、図6に示すように、隣のガラス基板20と干渉しないように(接触しないように)間隔をあけて収容される。さらに、図5に示すようにカセット410の底の板は、気流Rのガスを通り易くするために空洞となっており、D部に示すようにガラス基板20をそのエッジ部のみで支える構造となっている。
【0090】
また、反応管100の周囲には、一端が閉塞し、かつ他端が開口する中空の円筒形状をした加熱部である炉体加熱部200が設けられている。さらに、シールキャップ110の反応管100と反対側(外側)の側面には、キャップ加熱部210が設けられている。この炉体加熱部200とキャップ加熱部210により反応管100を介してその内部、すなわち処理室30内が加熱される。なお、炉体加熱部200は、図示しない固定部により反応管100に固定され、キャップ加熱部210は、図示しない固定部によりシールキャップ110に固定されている。また、シールキャップ110やマニホールド120には、耐熱性の低いOリングを保護するため図示しない水冷との冷却手段が設けられる。
【0091】
なお、マニホールド120には、セレン元素含有ガス(セレン化源、処理ガス600)としての水素化セレン(以下、「H2Se」と呼ぶ)を供給するためのガス供給管300が設けられており、ガス供給管300から供給されたH2Seは、ガス供給管300からマニホールド120とシールキャップ110との間の間隙を介して処理室30へ供給される(導入される)。
【0092】
一方、ガス供給管300の反対側のマニホールド120には、排気管310が設けられており、処理室30内の雰囲気は、マニホールド120とシールキャップ110との間の間隙を介して排気管310より排気される。なお、上述の冷却手段により冷却される箇所は、150℃以下まで冷却すると、その部分に未反応のセレンが凝縮してしまうため、150℃から170℃程度に温度制御すると良い。
【0093】
また、本実施の形態2の反応管100には、複数の電動ファン500が設けられている。すなわち、図5に示すように反応管100の上部に複数の電動ファン500が設けられ、これら電動ファン500の駆動により、反応管100の内部の雰囲気をガラス基板20の表面に沿って強制対流させることができる。複数の電動ファン500のそれぞれは、回転することにより処理室30内の対流を形成する羽部510と、円筒状の反応管100の側壁及び炉体加熱部200の側壁を貫通するように設けられた回転軸部520と、炉体加熱部200の外部に設けられ、かつ回転軸部520を回転させる動力部530とを有している。さらに、回転軸部520と反応管100及び炉体加熱部200との間には、保護部材540が設けられており、保護部材540と回転軸部520との間の狭い間隙に窒素パージを行うことにより、回転軸部520から動力部530に反応ガス(処理ガス600)が浸入するのを極力抑えるようにしている。
【0094】
複数の電動ファン500の回転により、処理室30内はガラス基板20の短辺方向(筒状の反応管100の縦方向(円周断面方向))に沿って流れる処理ガス600の気流Rが形成される。このように、複数の電動ファン500を動作させ、強制対流をガラス基板20の短辺方向に沿うようにすることで、ガラス基板20の面内の温度を均一化するために必要なガスの流速を下げることができる。
【0095】
また、本実施の形態2の処理炉10では、図5及び図6に示すように、処理室30にカセット410の周囲を覆う第1整流板440が設けられ、さらに、第1整流板440の外側の領域に第2整流板450が設けられている。
【0096】
ここで、第1整流板440は、反応管100の内部においてカセット410上で立てて配置される複数のガラス基板20のうちの最外部の位置に配置されるガラス基板20の表面を覆うとともに、電動ファン500の強制対流により生じたガラス基板20の表面上の処理ガス600の流れ方向(気流R)に沿って延在し、かつ複数のガラス基板20の一方の側部も覆っているが、ただし、第1整流板440の上部及び下部は、図6に示すようにガスが通過可能なように開口している。
【0097】
一方、第2整流板450は、図6に示すように、第1整流板440と反応管100の内周面100aとの間の領域で、上部の羽部510に向かう気流Sの流路を狭くして気流Sが反応管100の内周面100aに沿って流れるように湾曲状に設けられている。
【0098】
なお、第1整流板440は、反応管100の内周面100aに取り付けられ、第2整流板450は、第1整流板440に取り付けられている。
【0099】
このように第1整流板440と第2整流板450は、上部に設けられた複数の電動ファン500の駆動で羽部510の回転によって形成された強制対流によるガラス基板20の短辺方向に沿って流れる気流Rと、この気流Rが反応管100の下部の内壁に衝突した後、複数のガラス基板20の外側(第2整流板450と反応管100の内周面100aとの間の領域)で複数の電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の気流Sとを区分けしている。
【0100】
すなわち、第1整流板440と第2整流板450は、複数の羽部510の回転によって形成されたガラス基板20の短辺方向に沿って流れる気流Rと、この気流Rが反応管100の下部の内周面100aに到達した後、複数の電動ファン500の羽部510に向かって流れる気流Sとを区分けする機能を有しており、羽部510に向かう気流Sが反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御している。
【0101】
これにより、複数の電動ファン500の駆動によって形成された強制対流により、ガラス基板20の短辺方向の表面に沿って流れる処理ガス600の気流R(処理ガス600の流れ方向)は、第1整流板440の下部から出た後、反応管100の下部の内周面100aに衝突し、その後、羽部510に向かう気流Sが第2整流板450の外側の領域で反応管100の内周面100aに沿って流れるように処理ガス600の流れを第1整流板440と第2整流板450が制御している。
【0102】
その結果、処理室30でのガラス基板20の処理中の処理ガス600の流れを安定して循環させることができる。
【0103】
つまり、反応管100の内部(処理室30内)に第1整流板440と第2整流板450を設けたことで、複数の電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の流路を、反応管100の内周面100aに沿うように狭くすることができ、したがって、複数の羽部510に向かって流れる処理ガス600を、加熱された反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御することができる。その結果、反応管100の内部の処理ガス600の流れの安定化を図ることができる。
【0104】
これにより、処理ガス600の加熱効率を高めることができ、ガラス基板20の加熱効率を高めて昇温時間の短縮化を図ることができる。
【0105】
また、処理炉10には、実施の形態1と同様に、図7に示すように反応管100の内周面100aに複数の凹凸103が形成されている。この凹凸103は、反応管100の内周面100aの略全面(例えば、処理ガス600が通過する内周面100a)に亘って形成されている。
【0106】
これにより、反応管100の内周面100aの表面積を大きくすることができ、加熱された反応管100の内周面100aに対して処理ガス600が通過する際に接触する面積を増やすことができる。
【0107】
その結果、処理ガス600の加熱効率をさらに高めることができ、ガラス基板20の加熱効率をさらに高めて昇温時間の短縮化をさらに図ることができる。
【0108】
本実施の形態2の基板処理装置のその他の構成については、実施の形態1の基板処理装置と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0109】
次に、本実施の形態2の処理炉10を備える基板処理装置を用いた基板処理方法について説明する。
【0110】
ここでは、図5及び図6に示すような、上部に複数の電動ファン500が設けられた筒状の反応管100を有した処理炉10を備える基板処理装置において、一例として、CIGS系の太陽電池の製造プロセスでセレン化処理を行う場合を説明する。
【0111】
まず、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)を含有する積層膜が形成された30枚から60枚のガラス基板20をカセット(ボート)410内に配置し、可動性のシールキャップ110をマニホールド120から外した状態で、カセット410を反応管100の内部である処理室30内に搬入し、設置台420上にセットする(搬入工程)。
【0112】
なお、カセット410内においてそれぞれのガラス基板20は、図6に示すように隣り合った基板と接触しない程度に間隔をあけて立てて配置されている。
【0113】
また、カセット410の処理室30内への搬入は、例えば、図示しない搬入出装置のアームによりカセット410の下部を支持して持ち上げた状態で、カセット410を処理室30内に移動し、所定の位置に到達させた後、当該アームを下方に移動させカセット410を設置台420に載置することにより行われる。
【0114】
その後、シールキャップ110を閉めて処理室30を密閉状態とし、処理室30の内部の大気を窒素ガス等の不活性ガス(処理ガス600)で置換する(置換工程)。前記不活性ガスで処理室30内の雰囲気を置換した後、炉体加熱部200等のヒータに電力を投入し、所定の昇温速度で反応管100を加熱する。例えば、400〜550℃、望ましくは450℃〜550℃まで、毎分3〜15℃で昇温する。
【0115】
さらに昇温と同時に、電動ファン500の羽部510を動力部530により回転させ、反応管100の内周面100a付近で加熱された処理ガス(不活性ガス)600をカセット410に収容された複数のガラス基板20それぞれの短辺方向に沿って、かつガラス基板20間を通過させ、処理ガス600の熱をガラス基板20に伝達することによりガラス基板20を加熱する。
【0116】
なお、ガラス基板20は基板内の温度差が大きくなると破損するため、温度差が大きくならないように反応管100の昇温速度や、隣り合ったガラス基板20の間を通過させる処理ガス(不活性ガス)600の流速を適切な値に調節して加熱する。
【0117】
ここで、本実施の形態2の処理炉10には、その反応管100の内部に、カセット410の周囲を覆う第1整流板440が設けられ、さらに、第1整流板440の外側の領域に第2整流板450が設けられている。
【0118】
ここで、第1整流板440は、反応管100の内部においてカセット410上で立てて配置される複数のガラス基板20のうちの最外部の位置に配置されるガラス基板20の表面を覆うとともに、電動ファン500の強制対流により生じたガラス基板20の表面上の処理ガス600の流れ方向(気流R)に沿って延在し、かつ複数のガラス基板20の一方の側部も覆っているが、ただし、第1整流板440の上部及び下部は、図6に示すようにガスが通過可能なように開口している。
【0119】
一方、第2整流板450は、図6に示すように、第1整流板440と反応管100の内周面100aとの間の領域で、上部の羽部510に向かう気流Sの流路を狭くして気流Sが反応管100の内周面100aに沿って流れるように湾曲状に設けられている。
【0120】
このように第1整流板440と第2整流板450は、上部に設けられた複数の電動ファン500の駆動で羽部510の回転によって形成された強制対流によるガラス基板20の短辺方向に沿って流れる気流Rと、この気流Rが反応管100の下部の内壁に衝突した後、複数のガラス基板20の外側(第2整流板450と反応管100の内周面100aとの間の領域)で複数の電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の気流Sとを区分けしている。
【0121】
すなわち、第1整流板440と第2整流板450は、複数の羽部510の回転によって形成されたガラス基板20の短辺方向に沿って流れる気流Rと、この気流Rが反応管100の下部の内周面100aに到達した後、複数の電動ファン500の羽部510に向かって流れる気流Sとを区分けする機能を有しており、羽部510に向かう気流Sが反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御している。したがって、羽部510の回転で送風された処理ガス600は第1整流板440によりそのほとんどがガラス基板20の間を短辺方向に沿って気流Rとして通過し、さらにガラス基板20を抜けて反応管100の下部の内周面100aに到達した後は、気流Sとして第2整流板450により反応管100の内周面100aに沿って流れ、ガラス基板20を加熱するための効果的な流れを形成する。
【0122】
これにより、処理室30でのガラス基板20の昇温時の処理ガス600の流れを安定して循環させることができる。
【0123】
つまり、反応管100の内部(処理室30内)に第1整流板440と第2整流板450が設けられたことで、複数の電動ファン500の羽部510に向かって流れる処理ガス600の流路を、反応管100の内周面100aに沿うように狭くすることができ、したがって、この処理ガス600を加熱された反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御することができる。これにより、反応管100の内部の処理ガス600の流れの安定化を図ることができる。
【0124】
その結果、処理ガス600の加熱効率を高めることができ、ガラス基板20の加熱効率を高めて昇温時間の短縮化を図ることができる。
【0125】
また、処理炉10には、図7に示すように反応管100の内周面100aに複数の凹凸103が形成されており、これにより、反応管100の内周面100aの表面積を大きくすることができるため、加熱された反応管100の内周面100aに対して処理ガス600が通過する際に接触する面積を増やすことができる。
【0126】
その結果、処理ガス600の加熱効率をさらに高めることができ、ガラス基板20の加熱効率をさらに高めて昇温時間の短縮化をさらに図ることができる。
【0127】
なお、ガラス基板20は基板内の温度差が大きくなると破損するため、温度差が大きくならないように反応管100の昇温速度や、ガラス基板20間に送風する処理ガス600の速度を適切な値に調節して加熱する。すなわち、ガラス基板20の昇温速度および電動ファン500の送風速度(電動ファン500の回転数)は、ガラス基板20の温度分布が悪化しないように適宜調節する。
【0128】
以上の方法により、ガラス基板20を加熱し、ガラス基板20が所定の温度(例えば、後述する400〜500℃)に昇温した時点で処理室30内に処理ガス(セレン元素含有ガス(セレン化源))600を導入してガラス基板20に成膜処理を行う。
【0129】
すなわち、反応管100を加熱した状態で反応管100の内部に処理ガス(セレン化源)600を導入し、その際も、電動ファン500の羽部510により反応管100の内部の雰囲気をガラス基板20の表面に沿って強制対流させて、さらに円筒形の整流板430によって安定化した気流R及び気流Sを形成し、この状態で複数のガラス基板20に成膜処理を行う。このセレン化処理によって、それぞれのガラス基板20にCIS系太陽電池の光吸収層が形成される(形成工程)。
【0130】
成膜処理の終了後、処理ガス(セレン化源、セレン化水素ガス))600の供給を停止させ、反応管100の温度を一定速度で降温するとともに、処理室30内の処理ガス600を窒素等の不活性ガスで置換する。すなわち、成膜処理の終了後、ガス供給管300から窒素ガス等の不活性ガスを導入して処理室30内の雰囲気を置換するとともに、所定温度まで降温する(降温工程)。
【0131】
さらに、ガラス基板20の温度が所定の温度に降温し、かつ処理室30内の処理ガス600の窒素ガス等による置換が終了した時点で、シールキャップ110を移動させることにより、処理室30を開口し、その後、図示しない搬入出装置のアームにてカセット410を搬出する(搬出工程)ことにより一連の成膜処理が終了する。
【0132】
なお、基板降温時、基板内における温度差が大きくならないように窒素ガスの導入量等の降温条件を調節する。
【0133】
また、本実施の形態2では、電動ファン500をガラス基板20の上部に設けた場合を説明したが、複数の電動ファン500は、ガラス基板20の下部に設置してもよい。
【0134】
次に、図8を用いて、ガラス基板20の長辺方向(実施の形態1)と短辺方向(実施の形態2)とで、処理ガス600の流す方向による有意差について説明する。
【0135】
図8は、電動ファン500の位置以外は、同じ構造を有する処理炉10において、5℃/分の速度で昇温した場合のガラス基板20間の流速を変化させ、ガラス基板20の面内の温度差を約30℃に抑えるために必要な流速をシュミレーションした結果である。
【0136】
図8(a)は、実施の形態1のように電動ファン500を処理炉10の側部に配置し、ガラス基板20の表面の処理ガス600の流れをガラス基板20の長辺方向とした場合の結果である。図8(a−1)は加熱開始後20分経過した状態であり、図8(a−2)は加熱開始後60分経過した状態を表示している。図中の濃淡の度合いからガラス基板20の面内の温度差が約30℃に抑えられているのがわかる。さらに、シュミレーションにより、ガラス基板20の面内の温度差を約30℃に抑えるために必要なガスの流速は、10m/秒であるという結果が得られた。
【0137】
一方、図8(b)は、本実施の形態2のように電動ファン500を処理炉10の上部に配置し、ガラス基板20の表面の処理ガス600の流れをガラス基板20の短辺方向にした場合の結果である。図8(b−1)は加熱開始後20分経過した状態であり、図8(b−2)は加熱開始後60分経過した状態を表示している。図中の濃淡の度合いからガラス基板20の面内の温度差が約30℃に抑えられているのがわかる。さらに、シュミレーションにより、ガラス基板20の面内の温度差を約30℃に抑えるために必要なガスの流速は、2m/秒であるという結果が得られた。
【0138】
なお、図8(a)及び(b)それぞれの左側の図は、加熱20分後(400K=123℃)の状態を示し、右側の図は、加熱60分後(600K=323℃)の状態を示している。
【0139】
以上、シュミレーションの結果に示されるように、本実施の形態2のように処理ガス600の流れをガラス基板20の短辺方向とすることにより、実施の形態1の処理ガス600の流れをガラス基板20の長辺方向とすることに比べて、処理ガス600の流速の大きさを抑える(小さくする)ことが可能となり、ガラス基板20を大型化することが可能となる。
【0140】
次に、本実施の形態2の変形例について説明する。図9は本発明の実施の形態2における変形例の基板処理装置の主要部の構造を示す断面図である。
【0141】
図9に示す変形例の処理炉10は、複数のガラス基板20を保持するカセット410を一つのみ載置した構造とは異なり、複数のカセット410(ここでは、3つ)を複数のガラス基板20の表面の長辺方向と平行な方向に並べて配置している構造を示している。
【0142】
このように、ガラス基板20を収容するカセット410を一列に3つ配置した構造では、反応管100がさらに横長な形状となり、処理ガス600の流れが不安定になるが、図9に示すように、複数の電動ファン500が上部に設けられ、かつ整流板460も設けられていることで、各ガラス基板20の短辺方向に沿って処理ガス600を流すことができ、その結果、処理ガス600の流れを安定化させることができる。
【0143】
ここで、実施の形態1及び2で説明した処理炉10では、従来の石英製の反応管を用いるのではなく、ステンレス等の金属材料を反応管100の基材として用いている。したがって、実施の形態2の処理炉10のように、処理ガス600をガラス基板20の短辺方向に沿って流す構造とすることで、図9に示すように、反応管100を大型化したとしても、石英製と比較してその成型が容易であり、また、そのコストの増加も石英製と比較して小さい。その結果、一度に処理できるガラス基板20の数を多くすることができ、CIS系太陽電池の製造コストを下げることができる。
【0144】
また、ステンレス等の金属材料を反応管100の基材として使用することにより、石英製の反応管と比較して、その取り扱いも容易であり、反応管100を大型化することができる。
【0145】
前記実施の形態1及び実施の形態2における本発明では、以下に記す効果のうち少なくとも1つを実現することができる。
【0146】
(1)反応管100の内部に、複数のガラス基板20のうちの最外部の位置に配置されるガラス基板20の表面を覆う整流板430、もしくは第1整流板440と第2整流板450が設けられたことにより、電動ファン500に向かって流れる処理ガス600の流路を反応管100の内周面100aに沿うように狭くすることができ、したがって、この処理ガス600を加熱された反応管100の内周面100aに沿って流れるように制御することができる。その結果、反応管100の内部の処理ガス600の流れの安定化を図ることができる。
【0147】
(2)反応管100の内部の処理ガス600の流れの安定化を図ることができるため、処理ガス600の加熱効率を高めることができ、ガラス基板20の加熱効率を高めて昇温時間の短縮化を図ることができる。
【0148】
(3)反応管100の内周面100aに複数の凹凸103が形成されていることにより、反応管100の内周面100aの表面積を大きくすることができ、加熱された反応管100の内周面100aに対して処理ガス600が通過する際に接触する面積を増やすことができる。その結果、処理ガス600の加熱効率をさらに高めることができ、ガラス基板20の加熱効率をさらに高めて昇温時間の短縮化をさらに図ることができる。
【0149】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0150】
例えば、前記実施の形態1,2では、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)が形成された複数のガラス基板をセレン化処理することで説明したが、これに限らず、銅(Cu)/インジウム(In)や銅(Cu)/ガリウム(Ga)等が形成された複数のガラス基板をセレン化処理するようにしてもよい。
【0151】
また、前記実施の形態1,2では、金属材料との反応性の高いセレン化について言及したが、CIS系太陽電池では、セレン化処理に変えて、もしくはセレン化処理の後に硫黄元素含有ガスを供給して硫化処理を行う場合もある。その際も、前記実施の形態2の大型反応炉を用いることにより、一度に硫化処理をできる枚数を増やすことができるため、製造コストの低下を実現できる。
【0152】
また、前記実施の形態1,2では、反応管100の内周面100aに複数の凹凸103が全面に亘って設けられている場合を説明したが、内周面100aの全面ではなく、一部、例えば、内周面100aに対して所定の間隔を設けた状態で複数の凹凸103が設けられていてもよい。
【0153】
最後に本発明の好ましい主な態様を以下に付記する。
【0154】
(1)筒状に形成され、かつ内部で複数の基板に対して成膜処理が行われる反応管と、前記反応管の内部に前記成膜処理のための処理ガスを導入するガス供給管と、前記反応管の内部の雰囲気を排気する排気管と、前記反応管を加熱する加熱部と、前記反応管の内部の雰囲気を前記基板の表面に沿って強制対流させるファンと、前記強制対流により生じた前記基板の表面上の前記処理ガスの流れ方向に沿って延在し、かつ前記複数の基板のうちの最外部の位置に配置される前記基板の表面を覆う整流板と、を有し、前記複数の基板の外側で前記ファンに向かって流れる前記処理ガスを前記反応管の内周面に沿って流れるように制御する基板処理装置。
【0155】
(2)前記(1)において、前記強制対流による前記処理ガスの流れ方向が、前記基板の短辺方向に沿っている基板処理装置。
【0156】
(3)前記(1)において、前記整流板は円筒形である基板処理装置。
【0157】
(4)筒状に形成され、かつ内部で複数の基板に対して成膜処理が行われる反応管と、前記反応管の内部に前記成膜処理のための処理ガスを導入するガス供給管と、前記反応管の内部の雰囲気を排気する排気管と、前記反応管を加熱する加熱部と、前記反応管の内部の雰囲気を前記基板の表面に沿って強制対流させるファンと、を有し、前記反応管の内周面に複数の凹凸が形成されている基板処理装置。
【0158】
(5)内部にファンが設けられた筒状の反応管を備える基板処理装置を用いた基板処理方法であって、(a)前記反応管の内部に複数の基板を間隔をあけて配置する工程と、(b)前記反応管を加熱した状態で前記反応管の内部に処理ガスを導入し、前記ファンにより前記反応管の内部の雰囲気を前記基板の表面に沿って強制対流させて前記複数の基板に成膜処理を行う工程と、を有し、前記(b)工程において、前記強制対流により生じた前記基板の表面上の前記処理ガスの流れ方向に沿って延在し、かつ前記複数の基板のうちの最外部の位置に配置される前記基板の表面を覆う整流板によって、前記複数の基板の外側で前記ファンに向かって流れる前記処理ガスを前記反応管の内周面に沿って流れるように制御する基板処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、加熱して基板処理を行う技術に好適である。
【符号の説明】
【0160】
10 処理炉
20 ガラス基板
30 処理室
100 反応管
100a 内周面
101 基材
102 コーティング膜
103 凹凸
110 シールキャップ
120 マニホールド
200 炉体加熱部
210 キャップ加熱部
300 ガス供給管
310 排気管
410 カセット
410a フレーム
420 設置台
430 整流板
440 第1整流板
450 第2整流板
460 整流板
500 電動ファン
510 羽部
520 回転軸部
530 動力部
540 保護部材
600 処理ガス
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【国際調査報告】