(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013108399
(43)【国際公開日】20130725
【発行日】20150511
(54)【発明の名称】記録媒体の製造装置を動作させる信号生成装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/0045 20060101AFI20150414BHJP
   G11B 7/09 20060101ALI20150414BHJP
   G11B 7/007 20060101ALI20150414BHJP
   G11B 7/26 20060101ALI20150414BHJP
   G11B 7/24038 20130101ALI20150414BHJP
   G11B 7/24097 20130101ALI20150414BHJP
【FI】
   !G11B7/0045 A
   !G11B7/09 C
   !G11B7/007
   !G11B7/26 501
   !G11B7/24 522P
   !G11B7/24 571B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】59
【出願番号】2013554164
(21)【国際出願番号】JP2012051238
(22)【国際出願日】20120120
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1番1号
(71)【出願人】
【識別番号】510130675
【氏名又は名称】パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌義
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1−1 パイオニア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】白戸 琢也
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1−1 パイオニア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 昌和
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1−1 パイオニア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀樹
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1−1 パイオニア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】田切 孝夫
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区新小倉1−1 パイオニア株式会社内
【テーマコード(参考)】
5D029
5D090
5D118
5D121
【Fターム(参考)】
5D029JB05
5D029JB13
5D029JB42
5D029JB45
5D029JB46
5D029PA03
5D090AA01
5D090BB01
5D090BB12
5D090CC01
5D090CC14
5D090DD01
5D090FF02
5D090FF07
5D090FF11
5D090FF33
5D090GG09
5D090GG21
5D090GG26
5D090KK05
5D118AA14
5D118BA01
5D118BB08
5D118BB09
5D118BC02
5D118BC11
5D118BC17
5D118CA13
5D118CD03
5D118DA35
5D121AA06
5D121BB38
(57)【要約】
トラッキング制御に及ぼす影響を抑えながら好適にデータを記録することが可能な記録媒体を製造する製造装置を動作させる。
信号生成装置(400)は、ガイドトラック(TR、GT、LT)が形成されているガイド層(12)と複数の記録層(13)とを備える記録媒体(11)であって、ガイドレーザ光(LB1)のビームスポットに包含される複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、トラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マーク(ML、MR)が組み合わせられた同一のマーク群(MG)が形成されている記録媒体の製造装置(300)を動作させるための制御信号を生成する信号生成装置であって、マーク群を形成するタイミングを決定する決定手段(430)と、決定手段が決定したタイミングでマーク群を形成するように製造装置を動作させるための制御信号を生成する生成手段(460)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i-1)トラッキング用のガイドトラックが形成されているガイド層と、(i-2)前記ガイド層上に積層されている複数の記録層とを備える記録媒体であって、(ii)前記ガイド層に照射されるガイドレーザ光が前記ガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、当該夫々のガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている記録媒体の製造装置を動作させるための制御信号を生成する信号生成装置であって、
前記マーク群を形成するタイミングを決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記タイミングで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする信号生成装置。
【請求項2】
前記製造装置は、回転する原盤に対して前記制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、前記記録媒体を製造するためのスタンパを製造し、
前記決定手段は、前記マーク群を形成するタイミングとして、前記トラック中心を基準として前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトするタイミングを決定し、
前記生成手段は、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項3】
前記製造装置は、回転する原盤に対して前記制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、前記記録媒体を製造するためのスタンパを製造し、
前記決定手段は、前記マーク群を形成するタイミングとして、(i)前記ガイドトラックを形成するために前記カッティングレーザ光を照射する第1タイミング、及び(ii)前記マーク群を形成するために前記カッティングレーザ光を前記ガイドトラックの形成中に左右にシフトする第2タイミングを決定し、
前記生成手段は、(i)前記決定手段が決定した前記第1タイミングで前記カッティングレーザ光を照射することで前記ガイドトラックを形成すると共に、(ii)前記ガイドトラックの形成中に、前記決定手段が決定した前記第2タイミングで前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項4】
前記製造装置は、回転する原盤に対して前記制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、前記記録媒体を製造するためのスタンパを製造し、
前記製造装置から出力される前記原盤の回転位相を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得する前記回転位相の精度よりも高精度な周期でカウント値を出力するカウント手段と、
前記マーク群が形成される回転位相位置に対応する前記回転位相及び前記カウント値の組み合わせを記憶する記憶手段と
を更に備え、
前記決定手段は、前記取得手段が取得する前記回転位相及び前記カウント手段が出力するカウント値の組み合わせが、前記記憶手段が記憶した前記回転位相及び前記カウント値との組み合わせと一致するタイミングを、前記マーク群を形成する前記タイミングとして決定することを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記製造装置が備えるロータリエンコーダから前記原盤の回転位相に応じて間欠的に出力される回転パルスを取得し、
前記カウント手段は、前記回転パルスのパルス周期よりも高精度な周期で前記カウント値を出力し、
前記記憶手段は、前記マーク群が形成される回転位相位置に対応する前記回転パルス及び前記カウント値の組み合わせを記憶し、
前記決定手段は、前記取得手段が取得する前記回転パルス及び前記カウント手段が出力するカウント値の組み合わせが、前記記憶手段が記憶した前記回転パルス及び前記カウント値との組み合わせと一致するタイミングを、前記マーク群を形成する前記タイミングとして決定することを特徴とする請求項4に記載の信号生成装置
【請求項6】
前記一対の記録マークの深さは、λ/6n(但し、λは前記ガイドレーザ光の波長であり、nは当該記録媒体の基板屈折率)未満であることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項7】
前記一対の記録マークの深さは、λ/8n(但し、λは前記ガイドレーザ光の波長であり、nは当該記録媒体の基板屈折率)であることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項8】
前記複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、同一の前記マーク群が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項9】
前記複数のガイドトラックのうち中心付近に位置する少なくとも一つのガイドトラックを除く他のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、同一の前記マーク群が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項10】
前記複数のガイドトラックのうち最も外側に位置する少なくとも一つのガイドトラックを除く他のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、前記一対の記録マークが組み合わせられた同一の前記マーク群が形成されており、
前記最も外側に位置する少なくとも一つのガイドトラックの同一回転位相位置に、前記一対の記録マークに代えて、前記少なくとも一つのガイドトラックのトラック中心を基準として前記ビームスポットの中心方向に前記所定距離シフトしている単一の記録マークが組み合わせられたマーク群が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項11】
前記マーク群は、(i)前記一対の記録マークが組み合わせられたマーク群と、(ii)前記一対の記録マーク及び前記夫々のガイドトラックのトラック中心上に位置する他の記録マークが組み合わせられたマーク群とを含むことを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項12】
前記一対の記録マークが組み合わせられたマーク群は、前記ガイド層に記録されるべき所定のビットデータを示すマーク群であり、
前記一対の記録マーク及び前記トラック中心上に位置する他の記録マークが組み合わせられたマーク群は、前記ビットデータを読み取るときの同期をとるために用いられる同期データを示すマーク群であることを特徴とする請求項11に記載の信号生成装置。
【請求項13】
前記マーク群は、当該マーク群に前記ガイドレーザ光を照射することで得られるプッシュプル信号の信号レベルの平均値がゼロになるように前記一対の記録マークが組み合わせられることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項14】
前記マーク群は、前記トラック中心を基準として左側にシフトしている記録マークの数と前記トラック中心を基準として右側にシフトしている記録マークの数とが等しくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項15】
複数の異なる前記マーク群が、前記ガイド層に離散的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項16】
一のガイドトラックを中心に含む複数のガイドトラックの夫々の同一位相位置に形成される一のマーク群は、前記一のガイドトラックとは異なる他のガイドトラックを中心に含む複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に形成される他のマーク群とは異なる回転位相位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項17】
前記ガイドトラックは、交互に形成されたグルーブトラック及びランドトラックを含み、
前記ビームスポットに包含される複数のグルーブトラックの夫々の同一位相位置に、当該夫々のグルーブトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群が形成されており、
前記ビームスポットに包含される複数のランドトラックの夫々の同一位相位置に、当該夫々のランドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項18】
前記ランドトラックに形成されるマーク群は、当該ランドトラックに隣接する2つのグルーブトラックを形成するときに同時に形成されるマーク群として形成され、
前記決定手段は、前記ランドトラックに前記マーク群を形成するタイミングとして、前記マーク群を形成するために前記カッティングレーザ光を前記隣接する2つのグルーブトラックの形成中に左右にシフトするタイミングを決定し、
前記生成手段は、前記隣接する少なくとも2つのグルーブトラックの形成中に、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることで前記ランドトラックに前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成することを特徴とする請求項17に記載の信号生成装置。
【請求項19】
(i-1)トラッキング用のガイドトラックが形成されているガイド層と、(i-2)前記ガイド層上に積層されている複数の記録層とを備える記録媒体であって、(ii)前記ガイド層に照射されるガイドレーザ光が前記ガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、当該夫々のガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている記録媒体の製造装置を動作させるための制御信号を生成する信号生成方法であって、
前記マーク群を形成するタイミングを決定する決定工程と、
前記決定手段が決定した前記タイミングで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する生成工程と
を備えることを特徴とする信号生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば多数の記録層を備える光ディスク等の記録媒体の製造装置を動作させる信号生成装置及び方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の記録層を備える記録媒体として、例えば記録動作及び再生動作の少なくとも一方の実際の対象となる複数の記録層と、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層とを有する記録媒体(例えば、いわゆるガイド層分離型光ディスク)が知られている(特許文献1等参照)。このような記録媒体に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイド層のガイドトラックを読み取るためのガイドレーザ光と、記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うための記録再生レーザ光とを照射する。記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光から得られるプッシュプル信号に基づいてトラッキング制御を行いながら、記録再生用レーザ光を記録層に照射することで記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う。
【0003】
尚、ガイド層分離型光ディスクを開示する先行技術文献ではないものの、後述する本発明に関連する先行技術文献として、特許文献2から特許文献8があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4037034公報
【特許文献2】特許第3729467公報
【特許文献3】特開2003−323725号公報
【特許文献4】特開2004−178781号公報
【特許文献5】特開平8−279160号公報
【特許文献6】特開平8−45080号公報
【特許文献7】特許第3205154号公報
【特許文献8】特許第3693813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような記録媒体では、何らかのデータ(例えば、アドレス情報やクロック情報や記録開始タイミング情報等の制御情報を示すデータ)をガイド層に予め記録しておきたいという要請がある。この場合、記録層に記録される記録マーク及び記録スペースの組み合わせと同様に、記録マーク及び記録スペースの組み合わせをガイド層にも形成することで、データをガイド層に記録する方法が一例として想定される。
【0006】
しかしながら、当該記録マーク及び記録スペースの組み合わせをガイド層に形成することでデータがガイド層に記録される場合には、記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光から、トラッキング用のプッシュプル信号のみならず、制御情報を読み取るためのRF信号(いわゆる、総和信号)を取得する必要がある。しかしながら、プッシュプル信号の特性とRF信号の特性とが異なることに起因して、プッシュプル信号及びRF信号の双方を同時に取得することは、プッシュプル信号の取得の精度に何らかの影響を与えかねないという技術的な問題点が生ずる。つまり、プッシュプル信号及びRF信号の双方を同時に取得することは、ガイド層の本来の目的であるトラッキング制御に何らかの影響を与えかねないという技術的な問題点が生ずる。
【0007】
本発明は、上述した多数の記録層を備える光ディスクにおいて、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層に対して、トラッキング制御に及ぼす影響を抑えながら好適にデータを記録することが可能な記録媒体を製造する製造装置を動作させる信号生成装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、信号生成装置は、(i-1)トラッキング用のガイドトラックが形成されているガイド層と、(i-2)前記ガイド層上に積層されている複数の記録層とを備える記録媒体であって、(ii)前記ガイド層に照射されるガイドレーザ光が前記ガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、当該夫々のガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている記録媒体の製造装置を動作させるための制御信号を生成する信号生成装置であって、前記マーク群を形成するタイミングを決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する生成手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、信号生成方法は、(i-1)トラッキング用のガイドトラックが形成されているガイド層と、(i-2)前記ガイド層上に積層されている複数の記録層とを備える記録媒体であって、(ii)前記ガイド層に照射されるガイドレーザ光が前記ガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、当該夫々のガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている記録媒体の製造装置を動作させるための制御信号を生成する信号生成方法であって、前記マーク群を形成するタイミングを決定する決定工程と、前記決定工程が決定した前記タイミングで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する生成工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一枚の光ディスクを構成する複数の層を、その積層方向(図1中、上下方向)について相互に間隔をあけて分解することで、各層を見易くしてなる模式的な斜視図である。
【図2】光ディスクの断面を、ガイドレーザ光及び記録再生レーザ光の照射態様と共に示す断面図である。
【図3】グルーブトラックに形成されるマーク群を構成する一対の記録マークの構成を示す平面図である。
【図4】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータ(具体的には、ビットデータ及び同期データ)が記録される態様を示す平面図である。
【図5】ランドトラックに形成されるマーク群を構成する一対の記録マークの構成を示す平面図である。
【図6】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータ(具体的には、ビットデータ及び同期データ)が記録される態様を示す平面図である。
【図7】ガイド層(更には、記録層)のデータ構造を示すデータ構造図である。
【図8】特定のスロットに形成されるマーク群の一例を示す平面図である。
【図9】複数のマーク群が複数のスロットに分散して記録される態様を示す平面図である。
【図10】グルーブトラックの凹部の深さ(つまり、ランドトラックに対するグルーブトラックの相対的な深さ)とプッシュプル信号及びRF信号の信号レベルとの関係を示すグラフである。
【図11】単一のグルーブトラックにマーク群が形成される比較例を示す平面図である。
【図12】フォーカス偏差とプッシュプル信号の振幅との間の関係を示すグラフである。
【図13】ガイド層でのガイドレーザ光のビームスポットとグルーブトラック並びに一対の記録マークとの位置関係を示す平面図である。
【図14】一対の記録マーク並びにトラック中心上に位置する記録マークが含まれる同期データを構成するマーク群から得られるプッシュプル信号を示すグラフである。
【図15】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第1変形例を示す平面図である。
【図16】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第1変形例を示す平面図である。
【図17】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第2変形例を示す平面図である。
【図18】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第3変形例を示す平面図である。
【図19】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第4変形例を示す平面図である。
【図20】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第4変形例を示す平面図である。
【図21】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第5変形例を示す平面図である。
【図22】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第5変形例を示す平面図である。
【図23】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第6変形例を示す平面図である。
【図24】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第7変形例を示す平面図である。
【図25】グルーブトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第8変形例を示す平面図である。
【図26】ランドトラックに形成されるマーク群によって多種類のデータが記録される態様の第9変形例を示す平面図である。
【図27】光ディスクを製造するために用いられる露光装置及び制御信号生成装置の構成を示すブロック図である。
【図28】タイミング信号生成部が生成するマーク群形成タイミング等を示すタイミングチャートである。
【図29】光ディスクの製造過程の全体の流れを示すフローチャートである。
【図30】グルーブトラックに形成されるマーク群に対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)の流れを示すフローチャートである。
【図31】グルーブトラックに形成されるマーク群に対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)が行われる時に生成されるレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号を、マーク群MGと対応付けて示すタイミングチャートである。
【図32】パルスカウンタの第1カウンタ値及び周期カウンタの第2カウンタ値とマーク群との対応付けを示すタイミングチャートである。
【図33】ランドトラックに形成されるマーク群に対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)の流れを示すフローチャートである。
【図34】ランドトラックに形成されるマーク群に対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)が行われる時に生成されるレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号を、マーク群MGと対応付けて示すタイミングチャートである。
【図35】パルスカウンタの第1カウンタ値及び周期カウンタの第2カウンタ値とマーク群との対応付けを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、信号生成装置及び方法の実施形態について順に説明する。
【0012】
(信号生成装置の実施形態)
<1>
本実施形態の信号生成装置は、(i-1)トラッキング用のガイドトラックが形成されているガイド層と、(i-2)前記ガイド層上に積層されている複数の記録層とを備える記録媒体であって、(ii)前記ガイド層に照射されるガイドレーザ光が前記ガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、当該夫々のガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている記録媒体の製造装置を動作させるための制御信号を生成する信号生成装置であって、前記マーク群を形成するタイミングを決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する生成手段とを備える。
【0013】
本実施形態の信号生成装置によれば、記録媒体の製造装置を制御するための制御信号を生成することができる。信号生成装置が生成した制御信号が製造装置に入力されることで、製造装置は、製造装置が備える各種構成要素(例えば、後述する半導体レーザ光源や当該半導体レーザ光源のアクチュエータ等)を制御信号に応じた態様で動作させることで、記録媒体を製造することができる。
【0014】
尚、本実施形態における「製造装置」とは、記録媒体そのものを直接的に製造する製造装置に加えて、記録媒体を製造するために必要な中間部材(例えば、原盤やスタンパ等)を製造することで記録媒体をいわば間接的に製造する製造装置をも含む広い趣旨である。
【0015】
また、本実施形態における「制御信号」とは、製造装置に入力されることで製造装置が備える各種構成要素(例えば、後述する半導体レーザ光源や当該半導体レーザ光源のアクチュエータ等)を駆動させることができる信号を示す趣旨である。このような制御信号は、製造装置が備える各種構成要素に直接的に入力されることで当該各種構成要素を動作させることができる制御信号であってもよいし、製造装置が備える各種構成要素に間接的に入力される(例えば、間に何らかの信号フォーマット変換部を介在させて入力される)ことで当該各種構成要素を動作させることができる制御信号であってもよい。要は、製造装置の動作を何らかの態様で規定することができる信号であれば、本実施形態の制御信号として取り扱われてもよい。
【0016】
ここで、本実施形態の信号生成装置が生成する制御信号に応じて動作する製造装置が製造する記録媒体について、以下に説明を進める。記録媒体は、ガイド層と複数の記録層とを備えている。ガイド層には、トラッキング用のガイドトラックが形成されている。このため、当該記録媒体に対して(より具体的には、当該記録媒体が備える複数の記録層に対して)記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイド層に照射されるガイドレーザ光の戻り光(つまり、ガイド層によって反射されたガイドレーザ光)に基づいて、ガイドトラックとガイドレーザ光のビームスポットとの位置関係に応じたプッシュプル信号を取得することができる。その結果、記録再生装置は、当該プッシュプル信号に基づいて、トラッキング制御を行うことができる。
【0017】
本実施形態では、ガイド層には、マーク群が形成されている。具体的には、マーク群は、ガイドレーザ光がガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に形成される。つまり、同一のビットデータ(例えば、1ビットから数ビットないしは十数ビットのビットデータ)を示す同一のマーク群が、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々に、ガイドトラックの進行方向に対して直交する方向に沿って隣接するように形成されている。このとき、マーク群は、ガイドレーザ光がガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々に形成される。つまり、同一のマーク群が形成されるガイドトラックの数は、ガイドレーザ光のビームスポットに包含されるガイドトラックの数以下となり且つ2以上となる。
【0018】
更に、少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に形成されるマーク群は、ガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群である。つまり、マーク群は、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとを含む一対の記録マークが、任意の態様で組み合わせられたマーク群となる。このような一対の記録マークとして、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークや、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークが一例としてあげられる。従って、マーク群は、このような一対の記録マークが1つだけ組み合わせられたマーク群(つまり、一対の記録マークそのものと一致するマーク群)であってもよいし、このような一対の記録マークが任意の態様で組み合わせられたマーク群であってもよい。或いは、マーク群は、後述するように、このような一対の記録マークとその他の記録マーク(例えば、トラック中心上に位置する記録マーク)とが任意の態様で組み合わせられたマーク群であってもよい。
【0019】
より具体的な構成を例示して説明する。例えば、ガイドレーザ光のビームスポットに3本のガイドトラックが包含されるとする。この場合、第k(但し、kは1以上の整数)番目のガイドトラック、第k+1番目のガイドトラック及び第k+2番目のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの同一回転位相位置に、同一のマーク群が形成される。例えば、第k番目のガイドトラックの回転位相位置がx(但し、xは0≦x≦360を満たす実数)°となる位置及び第k+2番目のガイドトラックの回転位相位置がx°となる位置に、同一のマーク群が形成される。より具体的には、例えば、第1番目のガイドトラックの回転位相位置が10°となる位置及び第3番目のガイドトラックの回転位相位置が10°となる位置に、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークそのものとなるマーク群が形成されてもよい。他方で、例えば、第4番目のガイドトラックの回転位相位置が60°となる位置及び第6番目のガイドトラックの回転位相位置が60°となる位置に、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークそのものとなるマーク群が形成されてもよい。
【0020】
尚、ガイド層に形成されるマーク群の全てが、上述した一対の記録マークが組み合わせられたマーク群でなくともよい。例えば、ガイド層に形成されるマーク群の一部が上述した一対の記録マークそのもの(或いは、上述した一対の記録マークの組み合わせ)となるマーク群である一方で、ガイド層に形成されるマーク群の他の一部が上述した一対の記録マークを含まない任意の記録マーク(例えば、トラック中心上に位置する記録マーク)であってもよい。
【0021】
このようなマーク群が形成される本実施形態の記録媒体によれば、以下に示す利点がある。
【0022】
まず、本実施形態によれば、ガイド層に形成されるマーク群は、ガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群である。このため、このようなマーク群をガイド層に形成したとしても、当該マーク群がプッシュプル信号に及ぼし得る信号レベルの変動の平均値はゼロ(但し、実質的にゼロと同視し得る程度のマージンを含む)となる。従って、マーク群の存在がプッシュプル信号に基づくトラッキング制御に悪影響を及ぼすことは殆ど或いは全くなくなる。従って、記録再生装置は、好適なトラッキング制御を行いながら、複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うことができる。
【0023】
その一方で、マーク群を構成する一対の記録マークの組み合わせの違いに応じて、マーク群に異なるビットデータを割り当てることで、当該マーク群を用いてビットデータをガイド層に記録することができる。このようなビットデータ(つまり、一対の記録マークの組み合わせの違い)は、プッシュプル信号の信号レベルの変動の瞬時値の変化を監視することで容易に読み取ることができる。従って、本実施形態によれば、プッシュプル信号を用いて読み取ることができるビットデータを、ガイド層に記録することができる。言い換えれば、本実施形態によれば、RF信号(言い換えれば、総和信号)を用いて読み取らなくともよいビットデータを、ガイド層に記録することができる。従って、記録再生装置は、プッシュプル信号に基づいて、ガイド層に予め形成されたマーク群に応じたビットデータを好適に読み取りながら、複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うことができる。
【0024】
加えて、本実施形態によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群が形成される。従って、後に図面を用いて詳述するように、記録再生装置は、ガイドレーザ光のフォーカスオフセットの偏差(いわゆる、デフォーカス)に影響を受けることなく、マーク群に応じたビットデータを読み取ることができる。
【0025】
このように、本実施形態の記録媒体によれば、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層に対して、トラッキング制御に及ぼす影響を抑えながら好適にデータ(例えば、上述のビットデータ等)を記録することができる。
【0026】
本実施形態の信号生成装置は、上述した記録媒体を製造するように製造装置を動作させるための制御信号を生成する。このような制御信号を生成するために、信号生成装置は、決定手段と、生成手段とを備えている。
【0027】
決定手段は、上述したマーク群を形成するタイミングを決定する。具体的には、例えば、決定手段は、マーク群を形成する(つまり、トラック中心を基準として左右に等距離シフトしているマーク群を少なくとも二つのガイドトラックの同一回転位相位置に形成する)ように製造装置が備えている各種構成要素を所望の態様で動作させるタイミングを、マーク群を形成するタイミングとして決定する。
【0028】
生成手段は、決定手段が決定したタイミングでマーク群を形成するように製造装置を動作させるための制御信号を生成する。尚、制御信号のフォーマットは、当該制御信号が入力される製造装置の仕様に応じて適宜設定されてもよい。従って、生成手段は、製造装置の仕様等を考慮した上で、適切なフォーマットの制御信号を生成してもよい。
【0029】
このような制御信号が製造装置に入力されることで、製造装置は、製造装置が備える各種構成要素(例えば、後述する半導体レーザ光源や当該半導体レーザ光源のアクチュエータ等)を制御信号に応じた態様で動作させる。その結果、製造装置は、上述したマーク群がガイド層のガイドトラックに形成されている記録媒体を適切に製造することができる。
【0030】
<2>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記製造装置は、回転する原盤に対して前記制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、前記記録媒体を製造するためのスタンパを製造し、前記決定手段は、前記マーク群を形成するタイミングとして、前記トラック中心を基準として前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトするタイミングを決定し、前記生成手段は、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する。
【0031】
この態様によれば、製造装置は、回転する原盤(例えば、ガラス原盤)に対してカッティングレーザ光を照射することで、記録媒体を製造するためのスタンパを製造する。より具体的には、製造装置は、カッティングレーザ光の照射により、原盤上に塗布されたレジストを除去する。このとき、製造装置は、制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、ガイドトラックやマーク群のパターンに応じてレジストを除去する。レジストが除去された原盤を鋳型として用いることで、スタンパが製造される。
【0032】
この場合、決定手段は、トラック中心を基準としてカッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトするタイミングを、マーク群を形成するタイミングとして決定する。また、生成手段は、決定手段が決定したタイミングでカッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることでマーク群を形成するように製造装置を動作させるための制御信号を生成する。
【0033】
このような制御信号が製造装置に入力されることで、製造装置は、製造装置が備える各種構成要素(例えば、後述する半導体レーザ光源や当該半導体レーザ光源のアクチュエータ等)を制御信号に応じた態様で動作させる。つまり、製造装置は、制御信号に応じて、カッティングレーザ光の照射位置を、トラック中心を基準として左右にシフトする。このため、製造装置は、マーク群のパターンに応じてレジストを除去することができる。その結果、マーク群が形成されている記録媒体を製造することができるスタンパが製造される。その結果、当該スタンパを用いて、マーク群が形成されている記録媒体が製造される。
【0034】
<3>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記製造装置は、回転する原盤に対して前記制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、前記記録媒体を製造するためのスタンパを製造し、前記決定手段は、前記マーク群を形成するタイミングとして、(i)前記ガイドトラックを形成するために前記カッティングレーザ光を照射する第1タイミング、及び(ii)前記マーク群を形成するために前記カッティングレーザ光を前記ガイドトラックの形成中に左右にシフトする第2タイミングを決定し、前記生成手段は、(i)前記決定手段が決定した前記第1タイミングで前記カッティングレーザ光を照射することで前記ガイドトラックを形成すると共に、(ii)前記ガイドトラックの形成中に、前記決定手段が決定した前記第2タイミングで前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する。
【0035】
この態様によれば、上述したように、製造装置は、回転する原盤(例えば、ガラス原盤)に対してカッティングレーザ光を照射することで、記録媒体を製造するためのスタンパを製造する。
【0036】
この場合、決定手段は、ガイドトラックを形成するためにカッティングレーザ光を照射する第1タイミングを、マーク群を形成するタイミングとして決定する。加えて、決定手段は、トラック中心を基準としてカッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトする第2タイミングを、マーク群を形成するタイミングとして決定する。また、生成手段は、決定手段が決定した第1タイミングでカッティングレーザ光を照射することでガイドトラックを形成するように製造装置を動作させるための制御信号を生成する。加えて、生成手段は、ガイドトラックの形成中に(つまり、第1タイミングでカッティングレーザ光が照射されている間に)決定手段が決定した第2タイミングでカッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることでマーク群を形成するように製造装置を動作させるための制御信号を生成する。このとき、生成手段は、ガイドトラックを形成するように製造装置を動作させるための制御信号と、マーク群を形成するように製造装置を動作させるための制御信号とを、別個独立に生成してもよい。或いは、生成手段は、ガイドトラックを形成するように製造装置を動作させるための制御信号と、マーク群を形成するように製造装置を動作させるための制御信号とを包含する1つの制御信号を生成してもよい。
【0037】
このような制御信号が製造装置に入力されることで、製造装置は、製造装置が備える各種構成要素(例えば、後述する半導体レーザ光源や当該半導体レーザ光源のアクチュエータ等)を制御信号に応じた態様で動作させる。つまり、製造装置は、制御信号に応じて、第1タイミングで、カッティングレーザ光を照射する。このため、製造装置は、ガイドトラックのパターンに応じてレジストを除去することができる。加えて、製造装置は、制御信号に応じて、第2タイミングで、カッティングレーザ光の照射位置を、トラック中心を基準として左右にシフトする。言い換えれば、製造装置は、ガイドトラックを形成するためにカッティングレーザ光が照射されているタイミングであって且つ第2タイミングで、カッティングレーザ光の照射位置を、トラック中心を基準として左右にシフトする。このため、製造装置は、マーク群のパターンに応じてレジストを除去することができる。その結果、ガイドトラック及びマーク群が形成されている記録媒体を製造することができるスタンパが製造される。その結果、当該スタンパを用いて、ガイドトラック及びマーク群が形成されている記録媒体が製造される。
【0038】
<4>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記製造装置は、回転する原盤に対して前記制御信号に応じてカッティングレーザ光を照射することで、前記記録媒体を製造するためのスタンパを製造し、前記製造装置から出力される前記原盤の回転位相を取得する取得手段と、前記取得手段が取得する前記回転位相の精度よりも高精度な周期でカウント値を出力するカウント手段と、前記マーク群が形成される回転位相位置に対応する前記回転位相及び前記カウント値の組み合わせを記憶する記憶手段とを更に備え、前記決定手段は、前記取得手段が取得する前記回転位相及び前記カウント手段が出力するカウント値の組み合わせが、前記記憶手段が記憶した前記回転位相及び前記カウント値との組み合わせと一致するタイミングを、前記マーク群を形成する前記タイミングとして決定する。
【0039】
この態様によれば、上述したように、製造装置は、回転する原盤(例えば、ガラス原盤)に対してカッティングレーザ光を照射することで、記録媒体を製造するためのスタンパを製造する。
【0040】
この態様では、信号生成装置は、上述した決定手段及び生成手段に加えて、取得手段と、カウント手段と、記憶手段とを備えている。
【0041】
取得手段は、製造装置から出力される回転位相を取得する。このため、製造装置は、原盤の回転位相(例えば、現在の回転位相がx°からy°の範囲にあることを示す情報)を検出すると共に、当該検出した回転位相を信号生成装置に対して出力することが好ましい。
【0042】
カウント手段は、取得手段が取得する原盤の回転位相(つまり、製造装置が検出及び出力する)原盤の回転位相の精度よりも高精度な周期でカウント値を出力する。例えば、取得手段が取得する原盤の回転位相の精度(或いは、分解能)が、1°単位である場合には、カウント手段は、当該1°単位の回転位相が製造装置から出力される頻度よりも高い周期でカウント値を出力する。つまり、カウント手段は、製造装置からある回転位相が出力されてから次に回転位相が出力されるまでの間に、複数回のカウントを行うことができる。例えば、カウント手段は、製造装置から10ミリ秒毎に1回回転位相が出力される場合には、10ミリ秒の間に複数回(例えば、数回、数十回、数百回ないし数千回)のカウントを行うことができる。
【0043】
記憶手段は、マーク群が形成される回転位相位置に対応する回転位相(つまり、取得手段が取得する回転位相)及びカウント値(つまり、カウント手段が出力するカウント値)を記憶する。つまり、記憶手段は、マーク群が形成される時点で取得される回転位相及びマーク群が形成される時点で出力されるカウント値を記憶する。特に、記憶手段は、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群のうち、最初に形成されるマーク群の回転位相位置に対応する回転位相及びカウント値を記憶することが好ましい。つまり、記憶手段は、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群のうち最初のマーク群が形成される時点で取得される回転位相及びマーク群が形成される時点で出力されるカウント値を記憶することが好ましい。
【0044】
この態様では、決定手段は、取得手段が取得する回転位相及びカウント手段が出力するカウント値の組み合わせが、記憶手段が記憶した回転位相及びカウント値との組み合わせと一致するタイミングを、マーク群を形成するタイミングとして決定する。特に、決定手段は、取得手段が取得する回転位相及びカウント手段が出力するカウント値の組み合わせが、記憶手段が記憶した回転位相及びカウント値との組み合わせと一致するタイミングを、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群のうち最初に形成されるマーク群以外のマーク群(つまり、2番目以降に形成されるマーク群)を形成するタイミングとして決定することが好ましい。
【0045】
ここで、仮に取得手段が取得する回転位相のみに基づいてタイミングが決定されるとすると、そのタイミングの精度は、製造装置が検出する回転位相の精度に大きく依存してしまう。その結果、タイミングの精度を維持することができずに、同一のマーク群を同一回転位相位置に適切に形成するためのタイミングを好適に且つ高精度に決定することができないおそれもある。しかるに、本実施形態では、取得手段が取得する回転位相のみならず、信号生成装置が独自に備えるカウント手段(つまり、高精度な周期でカウント値を出力することができるカウント手段)が出力するカウント値にも基づいてタイミングが決定される。このため、決定手段は、同一のマーク群を同一回転位相位置に適切に形成するためのタイミングを好適に且つ高精度に決定することができる。
【0046】
<5>
上述の如く記憶手段が記憶した回転位相及びカウント値との組み合わせと、取得手段が取得する回転位相及びカウント手段が出力するカウント値の組み合わせが一致するタイミングを、マーク群を形成するタイミングとして決定する信号生成装置の態様では、前記取得手段は、前記製造装置が備えるロータリエンコーダから前記原盤の回転位相に応じて間欠的に出力される回転パルスを取得し、前記カウント手段は、前記回転パルスのパルス周期よりも高精度な周期で前記カウント値を出力し、前記記憶手段は、前記マーク群が形成される回転位相位置に対応する前記回転パルス及び前記カウント値の組み合わせを記憶し、前記決定手段は、前記取得手段が取得する前記回転パルス及び前記カウント手段が出力するカウント値の組み合わせが、前記記憶手段が記憶した前記回転パルス及び前記カウント値との組み合わせと一致するタイミンググを、前記マーク群を形成する前記タイミングとして決定するように構成してもよい。
【0047】
このように構成すれば、取得手段は、製造装置が備えているロータリエンコーダが出力する回転パルスを、上述した回転位相として取得することができる。従って、決定手段は、このような回転パルス及びカウント値に基づいて、同一のマーク群を同一回転位相位置に適切に形成するためのタイミングを好適に且つ高精度に決定することができる。
【0048】
<6>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記一対の記録マークの深さは、λ/6n(但し、λは前記ガイドレーザ光の波長であり、nは当該記録媒体の基板屈折率)未満である。
【0049】
この態様によれば、上述したようにプッシュプル信号を用いてトラッキング制御及びマーク群の読取(つまり、マーク群が示すビットデータの読取)の双方が行われるため、記録マークの深さを、プッシュプル信号の信号レベルの特性に合わせて設定することができる。つまり、記録マークの深さを、RF信号の信号レベルの特性を考慮することなく、プッシュプル信号の信号レベルの特性に合わせて設定することができる。
【0050】
<7>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記一対の記録マークの深さは、λ/8n(但し、λは前記ガイドレーザ光の波長であり、nは当該記録媒体の基板屈折率)である。
【0051】
この態様によれば、上述したようにプッシュプル信号を用いてトラッキング制御及びマーク群の読取(つまり、マーク群が示すビットデータの読取)の双方が行われるため、記録マークの深さを、プッシュプル信号の信号レベルの特性が最良となる深さに設定することができる。つまり、記録マークの深さを、RF信号の信号レベルの特性を考慮することなく、プッシュプル信号の信号レベルの特性が最良となる深さに設定することができる。
【0052】
<8>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、同一の前記マーク群が形成されている。
【0053】
この態様によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群が形成される。つまり、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックの全ての同一回転位相位置に同一のマーク群が形成される。つまり、同一のマーク群が形成されるガイドトラックの数は、ガイドレーザ光のビームスポットに包含されるガイドトラックの数とほぼ等しい。尚、ここで言う「ほぼ等しい」とは、フォーカスオフセットの状態(例えば、フォーカスオフセットの量)によって変動し得るビームスポットの大きさのマージンを考慮した上で概ね等しいと同視し得る状態を含む趣旨である。従って、後に図面を用いて詳述するように、記録再生装置は、ガイドレーザ光のフォーカスオフセットの偏差(いわゆる、デフォーカス)に影響をより一層受けることなく、マーク群に応じたビットデータを読み取ることができる。
【0054】
<9>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記複数のガイドトラックのうち中心付近に位置する少なくとも一つのガイドトラックを除く他のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、同一の前記マーク群が形成されている。
【0055】
この態様によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの中心付近に位置する少なくとも一つ(好ましくは、一つ)のガイドトラックには、マーク群を形成しなくともよくなる。このため、マーク群の形成(言い換えれば、このようなマーク群が形成された記録媒体の製造)が相対的には簡略化される。
【0056】
<10>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記複数のガイドトラックのうち最も外側に位置する少なくとも一つのガイドトラックを除く他のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、前記一対の記録マークが組み合わせられた同一の前記マーク群が形成されており、前記最も外側に位置する少なくとも一つのガイドトラックの同一回転位相位置に、前記一対の記録マークに代えて、前記少なくとも一つのガイドトラックのトラック中心を基準として前記ビームスポットの中心方向に前記所定距離シフトしている単一の記録マークが組み合わせられたマーク群が形成されている。
【0057】
この態様によれば、最も外側のガイドトラックに形成されるマーク群を構成する一対の記録マークは、その一部がガイドレーザ光のビームスポットに包含されなくなる可能性がある。このため、この態様によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含されなくなる可能性がある一対の記録マークのうちの一方を、トラック中心を基準としてシフトさせなくともよくなる。このため、マーク群の形成(言い換えれば、このようなマーク群が形成された記録媒体の製造)が相対的には簡略化される。
【0058】
<11>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記マーク群は、(i)前記一対の記録マークが組み合わせられたマーク群と、(ii)前記一対の記録マーク及び前記夫々のガイドトラックのトラック中心上に位置する他の記録マークが組み合わせられたマーク群とを含む。
【0059】
この態様によれば、一対の記録マークが組み合わせられたマーク群に加えて、一対の記録マークとトラック中心上に位置する他の記録マークとが組み合わせられたマーク群が、ガイド層に形成される。このため、記録再生装置は、一対の記録マークとトラック中心上に位置する他の記録マークとが組み合わせられたマーク群を読み取ることで、一対の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動に加えて、トラック中心上に位置する他の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動(つまり、信号レベルの基準値となるいわゆるゼロレベルの変動)をも認識することができる。従って、記録再生装置は、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう(例えば、DC成分のオフセットが生じてしまう)場合であっても、トラック中心上に位置する他の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルを基準として、一対の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる。従って、記録再生装置は、当該マーク群を用いてガイド層に記録されたビットデータを、好適に読み取ることができる。
【0060】
<12>
上述の如く一対の記録マークとトラック中心上に位置する他の記録マークとが組み合わせられたマーク群が形成される信号生成装置の態様では、前記一対の記録マークが組み合わせられたマーク群は、前記ガイド層に記録されるべき所定のビットデータを示すマーク群であり、前記一対の記録マーク及び前記トラック中心上に位置する他の記録マークが組み合わせられたマーク群は、前記ビットデータを読み取るときの同期をとるために用いられる同期データを示すマーク群であるように構成してもよい。
【0061】
このように構成すれば、記録再生装置は、ビットデータを読み取る前に同期データを読み取るため、当該同期データの読取結果に基づいて、プッシュプル信号の信号レベルの基準値の変動を認識することができる。従って、記録再生装置は、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう場合であっても、当該マーク群を用いてガイド層に記録されたビットデータを好適に読み取ることができる。
【0062】
<13>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記マーク群は、当該マーク群に前記ガイドレーザ光を照射することで得られるプッシュプル信号の信号レベルの平均値がゼロになるように前記一対の記録マークが組み合わせられることで形成されている。
【0063】
この態様によれば、このようなマーク群がガイド層に形成されたとしても、当該マーク群がプッシュプル信号に及ぼし得る信号レベルの変動の平均値はゼロ(但し、実質的にゼロと同視し得る程度のマージンを含む)となる。従って、マーク群の存在がプッシュプル信号に基づくトラッキング制御に悪影響を及ぼすことは殆ど或いは全くなくなる。
【0064】
<14>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記マーク群は、前記トラック中心を基準として左側にシフトしている記録マークの数と前記トラック中心を基準として右側にシフトしている記録マークの数とが等しくなるように形成されている。
【0065】
この態様によれば、このようなマーク群がガイド層に形成されたとしても、当該マーク群がプッシュプル信号に及ぼし得る信号レベルの変動の平均値はゼロ(但し、実質的にゼロと同視し得る程度のマージンを含む)となる。従って、マーク群の存在がプッシュプル信号に基づくトラッキング制御に悪影響を及ぼすことは殆ど或いは全くなくなる。
【0066】
<15>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、複数の異なる前記マーク群が、前記ガイド層に離散的に形成されている。
【0067】
この態様によれば、離散的に形成された複数の異なるマーク群に応じた複数の異なるビットデータを組み合わせることで、ビットデータと比較して相対的にサイズが大きくなる制御情報(例えば、アドレス情報やクロック情報や記録開始タイミング情報等)をガイド層に記録することができる。このため、記録再生装置は、離散的に形成された複数の異なるマーク群に応じた複数の異なるビットデータを組み合わせることで、ビットデータと比較して相対的にサイズが大きくなる制御情報を読み取ることができる。従って、記録再生装置は、このような制御情報に基づいて、複数の記録層に対する記録動作及び前記再生動作の少なくとも一方を行うことができる。
【0068】
<16>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、一のガイドトラックを中心に含む複数のガイドトラックの夫々の同一位相位置に形成される一のマーク群は、前記一のガイドトラックとは異なる他のガイドトラックを中心に含む複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に形成される他のマーク群とは異なる回転位相位置に形成される。
【0069】
この態様によれば、一のマーク群の少なくとも一部と当該一のマーク群とは異なる他のマーク群の少なくとも一部とが、同一のガイドトラックの同一回転位相位置に重複的に形成されることがなくなる。従って、同一のマーク群が複数のガイドトラックの夫々に形成される場合であっても、一のマーク群は、他のマーク群の影響(言い換えれば、干渉)を受けることなく、好適に形成される。このため、同一のマーク群が複数のガイドトラックの夫々に形成される場合であっても、記録再生装置は、他のマーク群の影響(言い換えれば、干渉)を受けることなく、一のマーク群を好適に読み取ることができる。
【0070】
<17>
本実施形態の信号生成装置の他の態様では、前記ガイドトラックは、交互に形成されたグルーブトラック及びランドトラックを含み、前記ビームスポットに包含される複数のグルーブトラックの夫々の同一位相位置に、当該夫々のグルーブトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群が形成されており、前記ビームスポットに包含される複数のランドトラックの夫々の同一位相位置に、当該夫々のランドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群が形成されている。
【0071】
この態様によれば、グルーブトラック及びランドトラックの双方にマーク群が形成される。従って、記録再生装置は、グルーブトラック及びランドトラックのいずれかにガイドレーザ光を照射すれば、マーク群に応じたビットデータを読み取ることができる。
【0072】
<18>
上述の如くランドトラックにマーク群が形成される信号生成装置の態様では、前記ランドトラックに形成されるマーク群は、当該ランドトラックに隣接する2つのグルーブトラックを形成するときに同時に形成されるマーク群として形成され、前記決定手段は、前記マーク群を形成するタイミングとして、前記ランドトラックに形成されるマーク群を形成するために前記カッティングレーザ光を前記隣接する2つのグルーブトラックの形成中に左右にシフトするタイミングを決定し、前記生成手段は、前記隣接する少なくとも2つのグルーブトラックの形成中に、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記カッティングレーザ光の照射位置を左右にシフトすることで前記ランドトラックに前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成するように構成してもよい。
【0073】
このように構成すれば、ランドトラック上に形成されるマーク群が、比較的容易に形成される。
【0074】
(信号生成方法の実施形態)
<19>
本実施形態の信号生成方法は、(i-1)トラッキング用のガイドトラックが形成されているガイド層と、(i-2)前記ガイド層上に積層されている複数の記録層とを備える記録媒体であって、(ii)前記ガイド層に照射されるガイドレーザ光が前記ガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、当該夫々のガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている記録媒体の製造装置を動作させるための制御信号を生成する信号生成方法であって、前記マーク群を形成するタイミングを決定する決定工程と、前記決定手段が決定した前記タイミングで前記マーク群を形成するように前記製造装置を動作させるための前記制御信号を生成する生成工程とを備える。
【0075】
本実施形態の信号生成方法によれば、上述した本実施形態の信号生成装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
【0076】
尚、上述した本実施形態の信号生成装置が取り得る各種態様に対応して、本実施形態の信号生成方法もまた各種態様をとってもよい。
【0077】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態の信号生成装置は、決定手段と、生成手段とを備える。本実施形態の信号生成方法は、決定工程と、生成工程とを備える。従って、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層に対してトラッキング制御に及ぼす影響を抑えながら好適にデータを記録することができる記録媒体を製造するように製造装置を動作させるための制御信号を好適に生成することができる。
【実施例】
【0079】
以下、図面を参照しながら、実施例について説明する。
【0080】
(1)光ディスクの構成
はじめに、図1及び図2を参照して、光ディスク11の構成について説明する。図1は、一枚の光ディスク11を構成する複数の層を、その積層方向(図1中、上下方向)について相互に間隔をあけて分解することで、各層を見易くしてなる模式的な斜視図である。図2は、光ディスク11の断面を、ガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2の照射態様と共に示す断面図である。
【0081】
図1に示すように、光ディスク11は、単一のガイド層12と複数の(つまり、2層以上の)記録層13とを備える。つまり、光ディスク11は、いわゆるガイド層分離型光ディスクである。
【0082】
光ディスク11に対する記録動作(特に、所望の記録層13に対する記録動作)が行われる場合には、ガイド層12に集光されるトラッキング用のガイドレーザ光LB1と、複数の記録層13の夫々に集光される記録再生レーザ光LB2とが、記録再生装置100から同時に照射される。一方で、光ディスク11に対する再生動作(特に、所望の記録層13に対する再生動作)が行われる場合にもまた、ガイドレーザ光LB1と記録再生レーザ光LB2とが、記録再生装置100から同時に照射される。但し、光ディスク11に対する再生動作が行われる場合には、記録再生レーザ光LB2が、トラッキング用に用いられてもよい(つまり、ガイドレーザ光LB1が用いられなくともよい)。
【0083】
光ディスク11はCLV方式を採用することが好ましい。同心円状又は螺旋状のガイドトラックTR(具体的には、後述するグルーブトラックGT及びランドトラックLT)にには、CLV方式に準拠して、制御情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)が予め記録されている。本実施例では、このような制御情報は、トラック中心を基準として左右に等距離シフトしている一対の記録マークML及びMR(図3及び図5参照)が組み合わせられたマーク群MG(図4(a)から図4(c)及び図6(a)から図6(c)参照)を用いて記録されている。このようなマーク群MGは、光ディスク11の製造時に予めガイド層12(言い換えれば、ガイド層12が備えるガイドトラックTR)に形成されることが好ましい。尚、一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGについては、図3以降の図面を参照しながら、後に詳述する。
【0084】
尚、ガイド層12に形成されているガイドトラックTRは、シングルスパイラルであってもよい。この場合、グルーブトラックGTは、ガイド層12の所定の領域でランドトラックLTに切り替わることが好ましい。同様に、ランドトラックLTは、ガイド層12の所定の領域でグルーブトラックGTに切り替わることが好ましい。但し、ガイドトラックTRは、グルーブトラックGTとランドトラックLTとが分離しているダブルスパイラルであってもよい。
【0085】
図2に示すように、記録再生レーザ光LB2は、ガイド層12上に積層された複数の記録層13のうち記録対象又は再生対象たる一つの所望の記録層13に集光される。記録再生レーザ光LB2は、例えばBD(Blu−ray Disc:ブルーレイディスク)と同じく比較的短波長の青色レーザビームである。一方で、ガイドレーザ光LB1は、例えばDVDと同じく比較的長波長の赤色レーザビームである。ガイドレーザ光LB1によりガイド層12上に形成されるビームスポットの直径は、記録再生レーザ光LB2により記録層13上に形成されるビームスポットの直径と比べて、例えば数倍程度となる。
【0086】
複数の記録層13の夫々は、独立して記録情報を光学的に記録及び再生可能な記録層である。より具体的には、複数の記録層13は夫々、例えば、2光子吸収材料を含む半透明の薄膜から構成される。例えば、2光子吸収材料としては、2光子吸収が起こった領域の蛍光強度が変化する蛍光物質を用いる蛍光タイプ、電子の局在化によって屈折率が変化するフォトリフラクティブ物質を用いる屈折率変化タイプなどが、採用可能である。屈折率変化タイプの2光子吸収材料としては、フォトクロミック化合物やビス(アラルキリデン)シクロアルカノン化合物などの利用が有望視されている。
【0087】
2光子吸収材料を利用した光ディスク構造としては、(i)光ディスク11の全体が2光子吸収材料からなるバルク型と、(ii)2光子吸収材料の記録層及び別の透明材料のスペーサ層を交互に積層した層構造型とが存在する。層構造型は、記録層13とスペーサ層との間の界面で反射される光を利用してフォーカス制御が可能となる利点がある。バルク型は、多層成膜工程が少なく、製造コストを抑えられる利点がある。
【0088】
複数の記録層13は夫々、上述の2光子吸収材料、相変化材料以外にも、例えば色素材料等であってもよい。複数の記録層13には夫々、未記録状態では、ガイドトラックTRは予め形成されておらず、例えば全域が鏡面或いは凹凸のない平面である。
【0089】
尚、以下の説明では、説明の便宜上、グルーブトラックGT及びランドトラックLTがストレート構造を有する例を示す。しかしながら、グルーブトラックGT及びランドトラックLTには、ウォブリングが適宜に施されていてよい。例えば、グルーブトラックGT又はランドトラックLTは夫々、例えば光反射性の材料からなる反射膜が、凹凸溝が形成された基材としての透明膜上に成膜され、更に保護膜としての透明又は不透明な膜で埋められることで形成されてよい。このようなグルーブトラックGTやランドトラックLTの側壁に、ウォブリングが施されていてよい。
【0090】
(2)ガイド層に形成されるマーク群の構成
続いて、図3から図6を参照して、ガイド層12に形成されるマーク群MG(つまり、トラック中心を基準として左右に等距離シフトしている一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MG)の構成について説明する。
【0091】
(2−1)グルーブトラックに形成されるマーク群の構成
はじめに、図3及び図4(a)から図4(c)を参照して、ガイド層12に形成されるマーク群MGのうちグルーブトラックGTに形成されるマーク群MGの構成について説明する。図3は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークML及びMRの構成を示す平面図である。図4(a)から図4(c)は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGによって多種類のデータ(具体的には、ビットデータ及び同期データ)が記録される態様を示す平面図である。
【0092】
図3に示すように、グルーブトラックGTには、当該グルーブトラックGTのトラック中心を基準として左右に等距離シフトした一対の記録マークML及びMRが形成されている。より具体的には、グルーブトラックGTには、(i)グルーブトラックGTのトラック中心を基準として左側(例えば、グルーブトラックGTの進行方向に対して左側)に所定距離だけシフトした記録マークMLと、(ii)グルーブトラックGTのトラック中心を基準として右側(例えば、グルーブトラックGTの進行方向に対して右側)に所定距離だけシフトした記録マークMRが形成されている。
【0093】
グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGは、このような一対の記録マークML及びMRから構成される。例えば、図3は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGが、一対の記録マークML及びMRそのものである(つまり、ただ一つの一対の記録マークML及びMRが組み合わせられた)マーク群MGである例を示している。但し、後の図4(a)から図4(c)等を参照して説明するように、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGは、一対の記録マークML及びMRが複数組み合わせられたマーク群MGであってもよいし、一又は複数の一対の記録マークML及びMRと一又は複数のその他の記録マーク(例えば、記録マークの中心がトラック中心上に位置する他の記録マークMC(図4(a)から図4(c)参照)若しくは記録マークが形成されない領域(図6(a)から図6(c)参照)とが組み合わせられたマーク群MGであってもよい。
【0094】
本実施例では、同一のマーク群MGは、複数のグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置(言い換えれば、同一回転角度位置)に形成される。つまり、同一のマーク群MGは、グルーブトラックGTの進行方向(図3中の左側から右側に向かう方向)に対して直交する方向(つまり、図3の上下方向)に沿って相隣接する又は配列するように、複数のグルーブトラックGTの夫々に形成される。図3は、3つのグルーブトラックGT(つまり、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT)の夫々の同一回転位相位置に、記録マークMLと記録マークMRとがグルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが形成される例を示している。
【0095】
特に、同一のマーク群MGは、ガイドレーザ光LB1のビームスポット(つまり、ガイド層12上でのビームスポット)に包含されることになる複数のグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置に形成される。言い換えれば、同一のマーク群MGが同一回転位相位置に形成されることになる複数のグルーブトラックGTの数は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されるグルーブトラックGTの数と同一になる。図3は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されることになる複数のグルーブトラックGTの数が「3本」である例を示している。従って、図3は、3つのグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置に、同一のマーク群MG(つまり、記録マークMLと記録マークMRとがグルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MG)が形成される例を示している。
【0096】
尚、図3は、グルーブトラックGTの進行方向に沿って、記録マークMLと記録マークMRとがこの順に配列されているマーク群MGの例を示している。しかしながら、グルーブトラックGTの進行方向に沿って、記録マークMRと記録マークMLとがこの順に配列されているマーク群MGが用いられてもよい。
【0097】
また、図3では、周囲と比較して凹部となっている箇所がハッチングで示されている。一方で、周囲と比較して凸部となっている箇所が空白(白色)で示されている。従って、本実施例の光ディスク11では、グルーブトラックGTが凹部となり且つランドトラックLTが凸部となると共に、記録マークML及びMRが凹部となる例を示している。但し、グルーブトラックGTが凸部となり且つランドトラックLTが凹部となると共に、記録マークML及びMRが凸部となっていてもよい。
【0098】
本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)がガイド層12に(特に、グルーブトラックGTに)予め記録されている。より具体的には、本実施例では、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群MGを用いて、制御情報の一部を構成するビットデータがガイド層12に予め記録されている。従って、ガイド層12の複数箇所に形成された複数の異なるマーク群MGから得られるビットデータを組み合わせる(言い換えれば、統合する)ことで、一つの制御情報が得られる。更に、本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータを読み取るときの同期をとるための同期データがガイド層12に記録される。但し、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータや同期データに限らず、マーク群MGを用いて、任意のデータがガイド層12に予め記録されていてもよい。
【0099】
具体的には、図4(a)に示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGTに形成されてもよい。尚、図4(a)は、記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、グルーブトラックGTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
【0100】
この場合、図4(a)に示すマーク群MGが形成されたグルーブトラックGTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークMC、記録マークML、記録マークMC及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「0」、「+(ハイ)」、「0」及び「−(ロー)」と変化する(但し、ガイドレーザ光LB1のビームスポットの中心がグルーブトラックGTのトラック中心から左側にずれた状態が、プッシュプル信号の極性がマイナスになる状態に相当すると仮定している)。従って、信号レベルが「0」、「+」、「0」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、同期データが読み取られる。
【0101】
図4(b)に示すように、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGTに形成されてもよい。尚、図4(b)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、グルーブトラックGTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
【0102】
この場合、図4(b)に示すマーク群MGが形成されたグルーブトラックGTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークMR及び記録マークMLをこの順に読み取ることに起因して、「−」及び「+」、と変化する。従って、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号から、ビットデータ(ビット0)が読み取られる。
【0103】
図4(c)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGTに形成されてもよい。尚、図4(c)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、グルーブトラックGTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
【0104】
この場合、図4(c)に示すマーク群MGが形成されたグルーブトラックGTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークML及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「+」及び「−」、と変化する。従って、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、ビットデータ(ビット1)が読み取られる。
【0105】
尚、図4に示すマーク群MG(つまり、同期データを構成するマーク群MG、並びにビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MG及びビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MG)の態様はあくまで一例である。従って、図4に示す態様以外の態様を示す3種類のマーク群MGを用いて、同期データ並びにビットデータ(ビット0)及びビットデータ(ビット1)が構成されてもよい。
【0106】
(2−2)ランドトラックに形成されるマーク群の構成
続いて、図5及び図6(a)から図6(c)を参照して、ガイド層12に形成されるマーク群MGのうちランドトラックLTに形成されるマーク群MGの構成について説明する。図5は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークML及びMRの構成を示す平面図である。図6(a)から図6(c)は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGによって多種類のデータ(具体的には、ビットデータ及び同期データ)が記録される態様を示す平面図である。
【0107】
図5に示すように、ランドトラックLTには、当該ランドトラックLTのトラック中心を基準として左右に等距離シフトした一対の記録マークML及びMRが形成されている。より具体的には、ランドトラックLTには、(i)ランドトラックLTのトラック中心を基準として左側(例えば、ランドトラックGTの進行方向に対して左側)のに所定距離だけシフトした記録マークMLと、(ii)ランドトラックLTのトラック中心を基準として右側(例えば、ランドトラックLTの進行方向に対して右側)に所定距離だけシフトした記録マークMRが形成されている。
【0108】
ランドトラックLTに形成されるマーク群MGは、このような一対の記録マークML及びMRから構成される。例えば、図5は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGが、一対の記録マークML及びMRそのものである(つまり、ただ一つの一対の記録マークML及びMRが組み合わせられた)マーク群MGである例を示している。但し、後の図6等を参照して説明するように、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGは、一対の記録マークML及びMRが複数組み合わせられたマーク群であってもよいし、一又は複数の一対の記録マークML及びMRと一又は複数のその他の記録マーク(例えば、記録マークの中心がトラック中心上に位置する他の記録マークMC(図4(a)から図4(c)参照)若しくは記録マークが形成されない領域(図6(a)から図6(c)参照)とが組み合わせられたマーク群MGであってもよい。
【0109】
本実施例では、同一のマーク群MGは、複数のランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置(言い換えれば、同一回転角度位置)に形成される。つまり、同一のマーク群MGは、ランドトラックLTの進行方向(図5中の左側から右側に向かう方向)に対して直交する方向(つまり、図5の上下方向)に沿って相隣接する又は配列するように、複数のランドトラックLTの夫々に形成される。図5は、3つのランドトラックLT(つまり、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLT)の夫々の同一回転位相位置に、記録マークMLと記録マークMRとがランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが形成される例を示している。
【0110】
特に、同一のマーク群MGは、ガイドレーザ光LB1のビームスポット(つまり、ガイド層12上でのビームスポット)に包含されることになる複数のランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置に形成される。言い換えれば、同一のマーク群MGが同一回転位相位置に形成されることになる複数のランドトラックLTの数は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されるランドトラックLTの数と同一になる。図5は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されることになる複数のランドトラックLTの数が「3本」である例を示している。従って、図5は、3つのランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置に、同一のマーク群MG(つまり、記録マークMLと記録マークMRとがランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MG)が形成される例を示している。
【0111】
尚、図5は、ランドトラックLTの進行方向に沿って、記録マークMLと記録マークMRとがこの順に配列されているマーク群MGの例を示している。しかしながら、ランドトラックLTの進行方向に沿って、記録マークMRと記録マークMLとがこの順に配列されているマーク群MGが用いられてもよい。
【0112】
本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)がガイド層12に(特に、ランドトラックLTに)記録される。より具体的には、本実施例では、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群MGを用いて、制御情報の一部を構成するビットデータがガイド層12に予め記録されている。従って、ガイド層12の複数箇所に形成された複数の異なるマーク群MGから得られるビットデータを組み合わせる(言い換えれば、統合する)ことで、一つの制御情報が得られる。更に、本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータを読み取るときの同期をとるための同期データがガイド層12に記録される。但し、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータや同期データに限らず、マーク群MGを用いて、任意のデータがガイド層12に記録されてもよい。
【0113】
具体的には、図6(a)に示すように、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLTに形成されてもよい。尚、図6(a)は、記録マークが形成されない領域、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、ランドトラックLTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
【0114】
この場合、図6(a)に示すマーク群MGが形成されたランドトラックLTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークが形成されていない領域、記録マークML、記録マークが形成されていない領域及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「0」、「+」、「0」及び「−」と変化する。従って、信号レベルが「0」、「+」、「0」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、同期データが読み取られる。
【0115】
図6(b)に示すように、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MGとして、ランドトラックLTに形成されてもよい。尚、図6(b)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、ランドトラックLTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
【0116】
この場合、図6(b)に示すマーク群MGが形成されたランドトラックLTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークMR及び記録マークMLをこの順に読み取ることに起因して、「−」及び「+」、と変化する。従って、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号から、ビットデータ(ビット0)が読み取られる。
【0117】
図6(c)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MGとして、ランドトラックLTに形成されてもよい。尚、図6(c)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、ランドトラックLTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
【0118】
この場合、図6(c)に示すマーク群MGが形成されたランドトラックLTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークML及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「+」及び「−」、と変化する。従って、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、ビット1を示すビットデータが読み取られる。
【0119】
尚、図6に示すマーク群MG(つまり、同期データを構成するマーク群MG、並びにビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MG及びビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MG)の態様はあくまで一例である。従って、図6に示す態様以外の態様を示す3種類のマーク群MGを用いて、同期データ並びにビットデータ(ビット0)及びビットデータ(ビット1)が構成されてもよい。
【0120】
このようなランドグルーブLTに形成されるマーク群MGは、光ディスク11の製造時には、グルーブトラックGTの形成と同時に形成されることが好ましい。というのも、グルーブトラックGT並びに記録マークMR及びMLが凹部となるため、光ディスク11の製造時には、グルーブトラックGT及びマーク群MGに相当する位置に対してカッティングレーザ光を用いたカッティングが行われる。つまり、グルーブトラックGTに相当する位置並びに記録マークMRに相当する位置及び記録マークMLに相当する位置に対して、カッティングレーザ光が照射される。一方で、ランドトラックLTが凸部となるため、光ディスク11の製造時には、ランドトラックLTに相当する位置に対してカッティングレーザ光を用いたカッティングが行われなくともよい。つまり、ランドトラックLTに相当する位置に対して、カッティングレーザ光が照射されなくともよい。このため、ランドグルーブLT上に形成されるマーク群MGをグルーブトラックGTの形成と同時に形成すれば、ランドトラックLTの形成時にカッティングレーザ光を全く照射しなくともよくなる(言い換えれば、グルーブトラックGTの形成時にカッティングレーザ光のオンオフを切り替えればよくなる)。従って、光ディスク11の製造工程の簡略化が図られる。
【0121】
(2−3)マーク群の分布の態様
続いて、図7から図9を参照して、ガイド層12に形成されているマーク群MGの分布の態様について説明する。図7は、ガイド層12(更には、記録層13)のデータ構造を示すデータ構造図である。図8は、特定のスロットに形成されるマーク群MGの一例を示す平面図である。図9は、複数のマーク群MGが複数のスロットに分散して記録される態様を示す平面図である。
【0122】
図7に示すように、記録層13は、ECCブロックという単位で区分される。つまり、記録層13上に記録される記録情報は、ECCブロックという単位で記録される。このため、記録層13と同様に、ガイド層12もまた、ECCブロックという単位で区分される。つまり、ガイド層12上に記録される制御情報(例えば、アドレス情報やクロック情報や記録開始タイミング情報等)は、ECCブロックという単位で記録される。
【0123】
1個のECCブロックは、83個のグループという単位に細分化される。1個のグループは、8個のスロットという単位に細分化される。1個のスロットは、21ウォブルに相当するサイズを有している。21ウォブルのうちヘッダに相当する3ウォブル及びフッタに相当3ウォブルは、夫々、隣接するスロットとの間の干渉を防ぐための緩衝領域に相当する。従って、1個のスロットには、実質的には、最大で15ウォブルに相当するサイズの情報を記録することができる。
【0124】
図8に示すように、2つの同期データ及び4つのビットデータを示すマーク群MGは、15ウォブルのうちの8ウォブルを用いて形成される。つまり、図8に示す例では、1個のスロットには、4ビットのビットデータを記録することができる。尚、15ウォブルの全てをビットデータの記録に使用することが許容されるとすれば、1個のスロットには、2つの同期データ及び11つのビットデータを示すマーク群MGを形成することができる。
【0125】
図9に示すように、本実施例では、このようなスロットの単位を利用して、異なるデータ群MGが同一のグルーブトラックGT又は同一のランドトラックLTの同一回転位相位置に重複して形成されないように構成される。以下、トラック番号が「k」となるガイドトラックTRを中心とする複数のガイドトラックTRの夫々の同一回転位相位置に形成されるマーク群MGを、マーク群MG(k)と称して説明を進める。
【0126】
図9に示すように、マーク群MG(k)がスロット#1に形成されているとする。この場合、マーク群MG(k)は、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGTのみならず、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTにも同様に形成されている。従って、マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGは、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTからトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTに至るまでのガイドトラックTR上のスロット#1の位置には形成されない。これにより、マーク群MG(k)と当該マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGとが、同一のガイドトラックTR上の同一回転位相位置に重複的に形成されることはなくなる。
【0127】
一方で、マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGは、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTからトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTに至るまでのガイドトラックTR上であっても、スロット#1以外のスロットには形成されてもよい。つまり、本実施例では、あるマーク群MG(k)と、当該マーク群MG(k)が形成されるガイドトラックTRと同一のガイドトラックTR上に形成される他のマーク群MG(例えば、マーク群MG(k−4)からマーク群MG(k−1)及びマーク群MG(k+1)からマーク群MG(k+4))とは、別々のスロットに形成されることが好ましい。これにより、マーク群MG(k)と当該マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGとが、同一のガイドトラックTR上の同一回転位相位置に重複的に形成されることはなくなる。
【0128】
例えば、図9は、MG(k−1)が、トラック番号が「k−3」となるランドトラックLT、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+1」となるランドトラックLTのスロット#8の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+1)が、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTのスロット#2の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+2)が、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+4」となるグルーブトラックGTのスロット#3の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+3)が、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+3」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+5」となるランドトラックLTのスロット#4の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+4)が、トラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k+4」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+6」となるグルーブトラックGTのスロット#5の位置に形成される例を示している。このように、マーク群MGが形成される回転半径位置をスロットの単位で区別することで、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTからトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTに至るまでのガイドトラックTRに一部の記録マークが形成されることになるマーク群MG(k−1)からマーク群MG(k+4)は、互いに重複する位置(つまり、同一回転半径位置)に形成されなくなる。
【0129】
尚、記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、全てのマーク群MGにおいて統一されていてもよいし、マーク群MG毎に異なっていてもよい。例えば、図9に示す例で言えば、マーク群MG(k)を構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGを構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量と同一であってもよいし、異なっていてもよい。要は、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、少なくとも同一のマーク群MG内において統一されていれば足りる。例えば、マーク群MG(k)を構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、少なくともマーク群MG(k)内において統一されていれば足りる。
【0130】
(2−4)マーク群の特性
続いて、本実施例のマーク群MGの特性について説明する。
【0131】
まず、上述したように、マーク群MGの形成の有無に関わらず、ガイドトラックTR上をサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光からは、ガイドレーザ光LB1のビームスポットの中心とガイドトラックTRのトラック中心との間の位置関係に応じたプッシュプル信号が得られる。その結果、当該プッシュプル信号に基づくトラッキング制御が行われる。
【0132】
一方で、マーク群MGが形成されたガイドトラックTR上をサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から得られるプッシュプル信号の信号レベルは、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRのパターンに応じて変動する(例えば、図4(a)から図4(c)及び図6(a)から図6(c)参照)。つまり、本実施例では、プッシュプル信号の信号レベルは、ガイドレーザ光LB1のビームスポットの中心とマーク群MGを構成する記録マークとの間の位置関係に応じて変動する。しかしながら、マーク群MGが、トラック中心から左右に等距離シフトした一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGであるため、プッシュプル信号の信号レベルの変動の平均値(言い換えれば、積分値)は、ゼロになる。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、当該マーク群MGが、プッシュプル信号に基づくトラッキング制御に大きな悪影響(例えば、正常なトラッキング制御を行うことができない程度の悪影響)を及ぼすことは殆ど又は全くない。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されていない場合と概ね同様に、好適なトラッキング制御が行われる。
【0133】
それでいて、上述したように、プッシュプル信号の信号レベルの変動から、各種データ(例えば、上述した同期データやビットデータ)が読み取られる。つまり、本実施例では、一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGをガイド層12上に形成することで、プッシュプル信号を用いて読み取られる各種データを記録することができる。言い換えれば、本実施例では、一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGをガイド層12に形成することで、RF信号を用いて読み取らなくともよい各種データをガイド層12に記録することができる。
【0134】
ここで、図10を参照して、ガイド層12に形成されたマーク群MGが示す情報を、トラッキング制御に用いられるプッシュプル信号から読み取ることで実現される利点について説明する。図10は、グルーブトラックGTの凹部の深さ(つまり、ランドトラックLTに対するグルーブトラックGTの相対的な深さ)とプッシュプル信号及びRF信号の信号レベルとの関係を示すグラフである。
【0135】
図10に示すように、トラッキング制御に用いられるプッシュプル信号の信号レベルは、グルーブトラックGTの深さがλ/8n(つまり、λ÷(8×n))となる場合に最良となる。一方で、トラッキング制御に用いられないRF信号の信号レベルは、グルーブトラックGTの深さがλ/4n(つまり、λ÷(4×n))となる場合に最良となる。仮に、ガイド層12上に、RF信号を用いて読み取る必要がある制御情報を記録した場合には、プッシュプル信号の信号レベル(言い換えれば、信号特性)のみならず、RF信号の信号レベル(信号特性)をも考慮する必要がある。
【0136】
しかるに、本実施例では、ガイド層12上には、元々トラッキング制御に用いられるプッシュプル信号を用いて読み取ることができる制御情報が記録される。従って、プッシュプル信号の信号レベル(言い換えれば、信号特性)が考慮されれば足りる。言い換えれば、RF信号の信号レベル(信号特性)が考慮されなくともよくなる。
【0137】
このため、本実施例では、グルーブトラックGTの深さ(更には、記録マークML、MR及びMCの深さ)は、λ/6n未満に設定されてもよい。これにより、プッシュプル信号の信号特性が好適な特性となるため、トラッキング制御が好適に行われると共にマーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報が好適に読み取られる。
【0138】
或いは、グルーブトラックGTの深さ(更には、記録マークML、MR及びMCの深さ)は、λ/8n未満に設定されてもよい。これにより、プッシュプル信号の信号特性が最良となるため、トラッキング制御がより一層好適に行われると共にマーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報がより一層好適に読み取られる。
【0139】
加えて、本実施例では、複数のグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群MGが形成される。同様に、本実施例では、複数のランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群MGが形成される。このため、ガイドレーザ光LB1のフォーカス偏差(フォーカスオフセット)に対する依存性を弱める(具体的には、フォーカス偏差が大きくなった場合であっても、マーク群MGが示す制御情報を好適に読み取る)ことができる。以下、図11から図13(a)及び図13(b)を参照して、フォーカス偏差に対する依存性を弱める効果を説明する。図11は、単一のグルーブトラックGT上にマーク群MGが形成される比較例を示す平面図である。図12は、フォーカス偏差とプッシュプル信号の振幅との間の関係を示すグラフである。図13(a)及び図13(b)は、ガイド層12でのガイドレーザ光LB1のビームスポットとグルーブトラックGT並びに一対の記録マークML及びMRとの位置関係を示す平面図である。
【0140】
図11に示すように、単一のグルーブトラックGT上にマーク群MGが形成されるとする。このとき、マーク群を構成する一対の記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量を、100nm、220nm、320nm及び640nmの4種類に設定したときのプッシュプル信号の振幅は、図12に示すようになる。図12に示すように、単一のグルーブトラックGT上にマーク群MGが形成される比較例では、フォーカス偏差が大きくなる(例えば、図12では、負の方向に大きくなる)につれて、プッシュプル信号の振幅が小さくなっているのが分かる。その結果、トラッキング制御が好適に行われないばかりか、マーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報が好適に読み取られなくなってしまうおそれがある。これは、フォーカス変化が大きくなるにつれてデフォーカスの度合いが強くなると、ただ一つのマーク群MGを好適に読み取ることができないことが理由であると想定される。
【0141】
一方で、本実施例によれば、複数のグルーブトラックGT(或いは、複数のランドトラックLT)の夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群MGが形成されるため、プッシュプル信号の振幅は、トラッキングサーボをオープンにした状態で得られるプッシュプル信号の振幅と概ね同様になる。つまり、本実施例のプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性は、トラッキングサーボをオープンにした状態で得られるプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性と概ね同様になる。トラッキング制御が好適に行われると共に、マーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報が好適に読み取られる。
【0142】
というのも、トラック中心に対して右側にシフトした記録マークMRをサーチしている時のガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(a)の状態A1参照)は、トラッキングサーボをオープンにした状態でトラック中心から左側にずれている(位相にして、約270°ずれている)ガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(b)の状態B1参照)と概ね同様である。同様に、トラック中心に対して左側にシフトした記録マークMRをサーチしているときのガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(a)の状態A2参照)は、トラッキングサーボをオープンにした状態でトラック中心から右側にずれている(位相にして、約90°ずれている)ガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(b)の状態B2参照)と概ね同様である。従って、図13(a)に示す状態のガイドレーザ光LB1から得られるプッシュプル信号の波形は、図13(b)に示す状態のガイドレーザ光LB1から得られるプッシュプル信号の波形と概ね同様になる(図13(c)参照)。このため、上述したように、本実施例のプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性は、トラッキングサーボをオープンにした状態で得られるプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性と概ね同様になる。
【0143】
尚、上述した先行技術2から6に開示された技術は、いずれも図11に示すような単一の記録トラック上に単一のデータを記録するために単一の記録トラック上に形成される記録ピットないしはウォブルを左右にシフトさせているに過ぎない。つまり、上述した先行技術2から6に開示された技術は、複数の記録トラックの同一回転位相位置に同一のデータを記録していない(言い換えれば、同一のデータを示すピットないしはウォブルを形成していない)という点で本実施例とは異なっている。
【0144】
加えて、本実施例によれば、グルーブトラックGT及びランドトラックLTの双方にマーク群MGが形成される。このため、グルーブトラックGT及びランドトラックLTの一方のみにマーク群MGが形成される光ディスクと比較して、ガイド層12に記録可能な制御情報のサイズを増大させることができる。更に、このため、グルーブトラックGT及びランドトラックLTの一方のみにマーク群MGが形成される光ディスクと比較して、ガイド層12に記録された制御情報が読み取りやすくなる。
【0145】
加えて、本実施例によれば、同期データを構成するマーク群MGには、一対の記録マークML及びMRに加えて、トラック中心上に位置する記録マークMCが含まれる。プッシュプル信号の信号レベルの基準値(例えば、ゼロレベル)が変動してしまう場合であっても、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる。以下、図14(a)及び図14(b)を参照しながら、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう場合であっても、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる利点について説明する。図14(a)及び図14(b)は、一対の記録マークML及びMR並びにトラック中心上に位置する記録マークMCが含まれる同期データを構成するマーク群MGから得られるプッシュプル信号を示すグラフである。
【0146】
図14(a)に示すように、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動しない場合には、いわゆるデフォールトのゼロレベルを用いて、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動が好適に認識される。
【0147】
一方で、図14(b)の左側の実線で示すように、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう(例えば、正方向にシフトしてしまう)場合には、いわゆるデフォールトのゼロレベルを用いると、記録マークMLに応じたプッシュプル信号の信号レベルと記録マークMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルとが互いに異なるものとなってしまう。その結果、プッシュプル信号に基づく記録マークML及びMRの読み取りの信頼性が悪化してしまいかねない。
【0148】
しかるに、本実施例では、図14(b)の右側の点線で示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCに応じたプッシュプル信号の信号レベルを用いて、プッシュプル信号の信号レベルの基準値を調整することができる。従って、プッシュプル信号の信号レベルの基準値(例えば、ゼロレベル)が変動してしまう場合であっても、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる。
【0149】
(3)変形例
続いて、図15(a)から図15(c)から図26(a)から図26(c)を参照して、本実施例の光ディスク11の変形例について説明する。尚、以下は、いずれも、マーク群MGの変形例に相当する。
【0150】
(3−1)第1変形例
はじめに、図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)を参照して、第1変形例について説明する。図15(a)から図15(c)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第1変形例を示す平面図である。図16(a)から図16(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第1変形例を示す平面図である。
【0151】
図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)に示すように、第1変形例では、同期データを構成する記録マークML及びMRの長さと、ビットデータを構成する記録マークML及びMRの長さとが互いに異なる。より具体的には、図15(a)及び図16(a)に示すように、同期データを構成する記録マークML及びMRの長さが「a」となる。一方で、図15(b)及び図15(c)並びに図16(b)及び図16(c)に示すように、ビットデータを構成する記録マークML及びMRの長さが「2a」となる。
【0152】
或いは、図15(a)及び図16(a)に示すように、同期データを構成するマーク群MGにおいても、記録マークML及びMRの長さと、記録マークMC(特に、同期データのミドル部分に位置する記録マークMC)及び記録マークが形成されない領域(特に、同期データのミドル部分に位置する記録マークが形成されない領域)の長さとが異なっていてもよい。より具体的には、記録マークML及びMRの夫々の長さが「a」となる一方と、記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さが「2a」とが異なっていてもよい。尚、図15(a)及び図16(a)に示すマーク群MGは、同期データのトップ部分に位置する記録マークMCの長さ及びテール部分に位置する記録マークMRの長さと、同期データのミドル部分に位置する記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さとを異ならしめている例であるとも言える。
【0153】
このように構成すれば、記録マークMR及びML並びに記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さによっても同期データやビットデータを示すことができる。言い換えれば、記録マークMR及びML並びに記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さからも、同期データやビットデータを読み取ることができる。従って、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
【0154】
尚、図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)に示す態様以外の態様で、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さが異なる状態やランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さが異なる状態を実現してもよい。
【0155】
(3−2)第2変形例
続いて、図17(a)から図17(c)を参照して、第2変形例について説明する。図17(a)から図17(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第2変形例を示す平面図である。
【0156】
図17(a)から図17(c)に示すように、第2変形例では、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGが示す同期データ及びビットデータを構成する一対の記録マークMR及びMLのパターンと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGが示す同期データ及びビットデータを構成する一対の記録マークMR及びMLのパターンとが異なる。
【0157】
具体的には、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGは、図4(a)から図4(c)と同様の態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、記録マークMC、記録マークML、記録マークMC及び記録マークMRがこの順に配列したマーク群MGが、同期データを示している。つまり、信号レベルが「0」、「+」、「0」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号が、同期データに相当する。記録マークMR及び記録マークMLがこの順に配列したマーク群MGが、ビット0のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット0のビットデータに相当する。記録マークML及び記録マークMRがこの順に配列したマーク群MGが、ビット1のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット1のビットデータに相当する。
【0158】
他方で、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGは、図17(a)から図17(c)に示す態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、記録マークが形成されない領域、記録マークMR、記録マークが形成されない領域及び記録マークMLがこの順に配列したマーク群MGが、同期データを示している。つまり、信号レベルが「0」、「−」、「0」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号が、同期データに相当する。記録マークML及び記録マークMRがこの順に配列したマーク群MGが、ビット0のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット0のビットデータに相当する。記録マークMR及び記録マークMLがこの順に配列したマーク群MGが、ビット1のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット1のビットデータに相当する。
【0159】
このように構成すれば、記録マークMR及びML並びに記録マークMC及び記録マークが形成されない領域のパターンによって、グルーブトラックGT上に形成されたマーク群MGであるのか又はランドトラックLT上に形成されたマーク群MGであるのかが識別できる。従って、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
【0160】
尚、図17(a)から図17(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図17(a)から図17(c)に示す態様以外の態様で、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGのパターンと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGのパターンとが異なる状態を実現してもよい。
【0161】
(3−3)第3変形例
続いて、図18(a)から図18(c)を参照して、第3変形例について説明する。図18(a)から図18(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第3変形例を示す平面図である。
【0162】
図18(a)から図18(c)に示すように、第3変形例では、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークMR及びMLの長さと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークMR及びMLの長さとが異なる。
【0163】
具体的には、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGは、図4と同様の態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さは、いずれも「a」となる。
【0164】
他方で、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGは、図18に示す態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークMR及び記録マークMLの夫々の長さは、いずれも「2a」となる。
【0165】
このように構成すれば、記録マークMR及びMLの長さによって、グルーブトラックGT上に形成されたマーク群MGであるのか又はランドトラックLT上に形成されたマーク群MGであるのかが識別できる。従って、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
【0166】
尚、図18(a)から図18(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図18(a)から図18(c)に示す態様以外の態様で、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さとが異なる状態を実現してもよい。
【0167】
(3−4)第4変形例
続いて、図19(a)から図19(c)及び図20(a)から図20(c)を参照して、第4変形例について説明する。図19(a)から図19(c)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第4変形例を示す平面図である。図20(a)から図20(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第4変形例を示す平面図である。
【0168】
図19(a)から図19(c)に示すように、第4変形例では、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGのパターンが、上述の図4(a)から図4(c)を用いて説明したマーク群MGのパターンとは異なっている。例えば、第4変形例では、トラック中心上に位置する記録マークMCが同期データを示すことに代えて、ビットデータを示すために用いられている。更に、第4変形例では、例えば、第1変形例と同様に、同期データを構成する一対の記録マークML及びMRの長さと、ビットデータを構成する一対の記録マークML及びMRの長さとが異なっている。
【0169】
具体的には、図19(a)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGT上に記録されてもよい。尚、図19(a)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「2a」となる例を示している。
【0170】
図19(b)に示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット0を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGT上に記録されてもよい。尚、図19(b)は、記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図19(b)は、記録マークMCが記録マークMRの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークMCは、記録マークMRと記録マークMLとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMLの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
【0171】
図19(c)に示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット1を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGT上に記録されてもよい。尚、図19(c)は、記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図19(c)は、記録マークMCが記録マークMLの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークMCは、記録マークMLと記録マークMRとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMRの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
【0172】
図20(a)から図20(c)に示すように、第4変形例では、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGのパターンが、上述の図6(a)から図6(c)を用いて説明したマーク群MGのパターンとは異なっている。例えば、第4変形例では、記録マークが形成されない領域が同期データを示すことに代えて、ビットデータを示すために用いられている。更に、第4変形例では、例えば、第1変形例と同様に、同期データを構成する一対の記録マークML及びMRの長さと、ビットデータを構成する一対の記録マークML及びMRの長さとが異なっている。
【0173】
具体的には、図20(a)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLT上に記録されてもよい。尚、図20(a)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「2a」となる例を示している。
【0174】
図20(b)に示すように、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット0を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLT上に記録されてもよい。尚、図20(b)は、記録マークが形成されない領域並びに記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図20(b)は、記録マークが形成されない領域が記録マークMRの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークが形成されない領域は、記録マークMRと記録マークMLとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMLの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
【0175】
図20(c)に示すように、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット1を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLT上に記録されてもよい。尚、図20(c)は、記録マークが形成されない領域並びに記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図20(c)は、記録マークが形成されない領域が記録マークMLの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークが形成されない領域は、記録マークMLと記録マークMRとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMRの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
【0176】
このように構成しても、第1変形例と同様に、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。加えて、データビットのトップ部分に記録マークMC又は記録マークが形成されない領域が配置される(つまり、データビットのトップ部分に相当するプッシュプル信号の信号レベルがゼロになる)ため、ビットデータの区切りが明確になる。
【0177】
尚、図19(a)から図19(c)及び図20(a)から図20(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図19(a)から図19(c)及び図20(a)から図20(c)に示す態様以外の態様で、マーク群MGが形成されてもよい。
【0178】
(3−5)第5変形例
続いて、図21(a)から図21(c)及び図22(a)から図22(c)を参照して、第5変形例について説明する。図21(a)から図21(c)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第5変形例を示す平面図である。図22(a)から図22(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第5変形例を示す平面図である。
【0179】
図21(a)から図21(c)に示すように、第5変形例では、マーク群MGが形成されるべき複数のグルーブトラックGTのうち最も中心に位置するグルーブトラックGT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。言い換えれば、図4(a)から図4(c)に示す態様によればマーク群MGが形成されるべき複数のグルーブトラックGTのうち当該マーク群MGをサーチする時にガイドレーザ光LB1の集光位置に指定されるグルーブトラックGT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。例えば、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTの夫々に、マーク群MG(k)を形成する状態を想定する。この場合、第5変形例によれば、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTの夫々にはマーク群MG(k)が形成される一方で、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGTにはマーク群MG(k)は形成されない。
【0180】
同様に、図22(a)から図22(c)に示すように、第5変形例では、マーク群MGが形成されるべき複数のランドトラックLTのうち最も中心に位置するランドトラックLT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。言い換えれば、図6(a)から図6(c)に示す態様によればマーク群MGが形成されるべき複数のランドトラックGTのうち当該マーク群MGをサーチする時にガイドレーザ光LB1の集光位置に指定されるランドトラックLT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。例えば、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTの夫々に、マーク群MG(k+1)を形成する状態を想定する。この場合、第5変形例によれば、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTの夫々にはマーク群MG(k+1)が形成される一方で、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLTにはマーク群MG(k+1)は形成されない。
【0181】
このように構成すれば、ガイド層12上に形成するべき記録マークMR及びMLの数が相対的に減少するため、光ディスク11の製造工程の簡略化が図られる。
【0182】
(3−6)第6変形例
続いて、図23(a)から図23(g)を参照して、第6変形例について説明する。図23(a)から図23(g)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第6変形例を示す平面図である。
【0183】
図23(a)から図23(g)に示すように、第6変形例では、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRの夫々の数が同一となる。尚、図23(a)から図23(g)は、記録マークML及びMRの夫々の数が同一となるという条件を満たしながら7通りのビットデータを示すマーク群MGの例を示している。
【0184】
尚、図23(a)から図23(g)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様を示している。しかしながら、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される場合であっても、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRの夫々の数が同一となるように構成されることが好ましい。
【0185】
このように構成すれば、プッシュプル信号の信号レベルの変動の平均値(言い換えれば、積分値)は、ゼロになる。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、当該マーク群MGが、プッシュプル信号に基づくトラッキング制御に大きな悪影響を及ぼすことは殆ど又は全くない。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されていない場合と概ね同様に、好適なトラッキング制御が行われる。
【0186】
(3−7)第7変形例
続いて、図24(a)及び図24(b)を参照して、第7変形例について説明する。図24(a)及び図24(b)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第7変形例を示す平面図である。
【0187】
図24(a)及び図24(b)に示すように、第7変形例では、ビットデータのトップ部分及びテール部分の夫々に一対の記録マークMR及びMLを配置した上で、当該2つの一対の記録マークMR及びMLに挟まれる領域(つまり、ビットデータのミドル部分)に一対の記録マークMR及びMLが配列されるか否かによって、ビット0のビットデータとビット1のビットデータが区別される。具体的には、図24(a)に示すように、2つの一対の記録マークMR及びMLに挟まれる領域に一対の記録マークMR及びMLが配列されていないマーク群MGがビット0のビットデータを構成する。他方で、図24(b)に示すように、2つの一対の記録マークMR及びMLに挟まれる領域に一対の記録マークMR及びMLが配列されているマーク群MGがビット1のビットデータを構成する。
【0188】
このように構成しても、ビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
【0189】
(3−8)第8変形例
続いて、図25を参照して、第8変形例について説明する。図25は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第8変形例を示す平面図である。
【0190】
図25に示すように、第8変形例では、4ビットのビットデータの前及び後ろの双方に同期データを配置した上で、当該2つの同期データに挟まれる領域における一対の記録マークMR及びMLが配列されるか否かによって、ビット0のビットデータとビット1のビットデータが区別される。具体的には、図25に示すように、2つの同期データに挟まれる領域における一対の記録マークMR及びMLが配列されていない箇所は、ビット0のビットデータを構成する。他方で、図25に示すように、2つの同期データに挟まれる領域における一対の記録マークMR及びMLが配列されている箇所は、ビット1のビットデータを構成する。
【0191】
このように構成しても、ビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。加えて、第8変形例によれば、一対の記録マークML及びMRを用いることなくビット0のビットデータを表すことができる。このため、ビット0のビットデータを示すマーク群MGがプッシュプル信号の信号レベルの変動に影響を与えることはない。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、当該マーク群MGが、プッシュプル信号に基づくトラッキング制御に大きな悪影響を及ぼす可能性をより一層低減することができる。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されていない場合と概ね同様に、より一層好適なトラッキング制御が行われる。
【0192】
(3−9)第9変形例
続いて、図26(a)から図26(c)を参照して、第9変形例について説明する。図26(a)から図26(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第9変形例を示す平面図である。
【0193】
図26(a)から図26(c)に示すように、第9変形例では、ランドマークLT上に形成されるマーク群MGは、ランドマークLTを形成する時に同時に形成される。
【0194】
尚、これまでの説明では、ランドマークLT上に形成されるマーク群MGは、光ディスク11の製造工程の簡略化を図るために、グルーブトラックGTの形成と同時に形成されている。しかしながら、マーク群MGを用いてガイド層12に制御情報を記録するという効果を発揮するためであれば、第9変形例に示すように、ランドマークLT上に形成されるマーク群MGは、ランドマークLTを形成する時に同時に形成されてもよい。
【0195】
(4)光ディスクの製造
続いて、図27から図35を参照して、光ディスク11の製造について説明する。
【0196】
(4−1)露光装置及び制御信号生成装置の構成
はじめに、図27を参照して、光ディスク11を製造するために用いられる露光装置300及び制御信号生成装置400の構成について説明する。図27は、光ディスク11を製造するために用いられる露光装置300及び制御信号生成装置400の構成を示すブロック図である。尚、図27では、光ディスク11を製造するために用いられる製造装置として、光ディスク11を製造するためのスタンパの鋳型となるガラス原盤380に対する露光処理を行う露光装置300を例示している。しかしながら、光ディスク11を製造するために用いられる製造装置として、露光装置300以外の任意の装置(例えば、露光処理が行われたガラス原盤380に対して現像処理を行う装置や、現像処理が行われたガラス原盤380からスタンパを製造する装置や、スタンパを用いて光ディスク11を製造する装置)が用いられてもよいことは言うまでもない。
【0197】
図27に示すように、露光装置300は、半導体レーザ光源310と、光変調器320と、対物レンズ330と、送り機構340と、回転ステージ350と、スピンドルモータ360と、回転制御部370とを備えている。
【0198】
半導体レーザ光源310は、回転ステージ350上に搭載されるガラス原盤380に対するレーザカッティング処理を行うためのカッティングレーザ光LB3を出射する。
【0199】
光変調器320は、半導体レーザ光源310が出射するカッティングレーザ光LB3を変調する。特に、光変調器320は、制御信号生成装置400から出力されるレーザ光強度制御信号に応じて、カッティングレーザ光LB3の出力のオン(つまり、光変調器320からカッティングレーザ光LB3が出力される状態)及びオフ(つまり、光変調器320からカッティングレーザ光LB3が出力されない状態)を適宜切り替える。加えて、光変調器320は、制御信号生成装置400から出力される方向・シフト量制御信号に応じて、カッティングレーザ光LB3の照射位置を、上述したマーク群MGのパターンに合わせてガラス原盤380の半径方向にシフトさせる。
【0200】
対物レンズ330は、半導体レーザ光源310が出射するカッティングレーザ光LB3の焦点を、ガラス原盤380(より具体的には、ガラス原盤380上に塗布されているレジスト390)に合わせる。
【0201】
送り機構340は、半導体レーザ光源310、光変調器320及び対物レンズ330を含む光学系を移動させる。例えば、送り機構340は、光学系を、ガラス原盤380の最内周から最外周に至るまで、ガラス原盤380の半径方向に沿って移動させることができる。このため、送り機構340は、例えば、送りモータやリニアスライダやリニアエンコーダや制御機構等を備えている。
【0202】
回転テーブル350は、スピンドルモータ360の動力によって回転するステージである。回転テーブル350上には、レジスト390が塗布されたガラス原盤380が搭載されている。
【0203】
スピンドルモータ360は、回転テーブル350を回転させるモータである。
【0204】
回転制御部370は、スピンドルモータ360が所望の回転速度で又は所望の回転数で回転テーブル350を回転させるようにスピンドルモータ360の動作を制御する。特に、本実施例では、上述したように光ディスク11がCLV方式を採用しているため、所望の回転速度又は所望の回転数は、カッティングレーザ光LB3が照射されている領域の線速度が一定となるように適宜設定されることが好ましい。回転制御部370は、特にロータリエンコーダ371を備えている。ロータリエンコーダ371は、スピンドルモータ360の回転軸の回転位相に応じて回転パルスを出力する、いわゆる既知のロータリエンコーダであってもよい。例えば、ロータリエンコーダ371は、スピンドルモータ360の回転軸が1回転する間に(つまり、ガラス原盤380が1回転する間に)、所定数の回転パルスを一定周期で出力する。
【0205】
一方で、図27に示すように、制御信号生成装置400は、回転位相発生部410と、回転位相保持部420と、回転位相比較部430と、タイミング信号生成部440と、データパターン生成部450と、制御信号合成部460と、インタフェース部470とを備えている。
【0206】
回転位相発生部410は、露光装置300におけるガラス原盤380の回転位相を認識する。このため、回転位相発生部410は、パルスカウンタ411と、周期カウンタ412とを備えている。
【0207】
パルスカウンタ411は、露光装置300から出力される回転パルス(つまり、ロータリエンコーダ371から出力される回転パルス)をカウントする。このパルスカウンタ411によるカウント値は、ガラス原盤380が1回転する毎にリセットされる。例えば、ガラス原盤380が1回転する間に4096個の回転パルスがロータリエンコーダ371から出力されるとすると、パルスカウンタ411のカウント値は、1から4096の間のいずれかの値となる。
【0208】
周期カウンタ412は、回転パルスのパルス周期よりも短い周期でカウント値をカウントすることが可能なカウンタである。例えば、周期カウンタ412は、ロータリエンコーダ371からある回転パルスが出力されてから次の回転パルスが出力されるまでの間に、少なくとも2回以上のカウントを行うことが可能なカウンタである。
【0209】
尚、以下の説明では、説明の便宜上、パルスカウンタ411のカウンタ値を“第1カウンタ値”と称し、周期カウンタ412のカウンタ値を“第2カウンタ値”と称する。
【0210】
回転位相保持部420は、いわゆるメモリである。回転位相保持部420は、あるマーク群MGのパターンに対応するレーザカッティング処理が行われている時点での周期カウンタ411の第1カウンタ値及びパルスカウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持する。より具体的には、回転位相保持部420は、例えば、同一の回転位相位置に形成されるべき同一のマーク群MGのうち最初の形成されることになるマーク群MGのパターンに対応するレーザカッティング処理が行われている時点での周期カウンタ411の第1カウンタ値及びパルスカウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持する。回転位相保持部420は、典型的には、同一の回転位相位置に形成されるべき同一のマーク群MGのうちの最も内周側のマーク群MGのパターンに対応するレーザカッティング処理が行われている時点での周期カウンタ411の第1カウンタ値及びパルスカウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持する。
【0211】
回転位相比較部430は、回転位相保持部420が保持している第1及び第2カウンタ値の組み合わせと、パルスカウンタ411の現在の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の現在の第2カウンタ値の組み合わせとが一致するか否かを判定する。
【0212】
タイミング信号生成部440は、グルーブトラックGTに対応するレーザカッティング処理を行うGT形成タイミング及びランドトラックLTに対応するレーザカッティング処理を行うLT形成タイミングを生成するランド/グルーブタイミング生成部441と、マーク群MGに対応するレーザカッティング処理を行うマーク群形成タイミングを生成する。尚、タイミング信号生成部440は、ECCタイミングや、グループタイミングや、スロットタイミングや、ウォブルタイミングや、緩衝エリアタイミング等を生成してもよい。
【0213】
ここで、図28を参照して、タイミング信号生成部440が生成するマーク群形成タイミング等について説明する。図28は、タイミング信号生成部440が生成するマーク群形成タイミング等を示すタイミングチャートである。
【0214】
図28は、光ディスク11上でのデータ構造(つまり、ECC−グループ−スロットという階層的なデータ構造であり、図7も参照)に合わせて、タイミング信号生成部440が生成したウォブルタイミングや、緩衝エリアタイミングや、マーク群形成タイミング(トラックk)や、マーク群形成タイミング(トラックk+1)を示している。マーク群形成タイミング(トラックk)がオン(ハイレベル)になるタイミングで、トラック番号が「k」となるガイドトラックTRにマーク群MGが形成される。同様に、マーク群形成タイミング(トラックk+1)がオン(ハイレベル)になるタイミングで、トラック番号が「k+1」となるガイドトラックTRにマーク群MGが形成される。
【0215】
再び図27において、データパターン生成部450は、同期データのパターン(つまり、記録マークMC、ML及びMR並びに記録マークが形成されない領域の組み合わせのパターン)を生成する同期データパターン生成部451と、ビットデータのパターンを生成するビットデータパターン生成部452と、記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量を設定するシフト量設定部453とを備える。
【0216】
制御信号合成部460は、回転位相比較部430における比較結果、タイミング信号生成部440が生成したGT形成タイミング及びLT形成タイミング、タイミング信号生成部440が生成したマーク群形成タイミング、データパターン生成部450が生成した同期データのパターン及びビットデータのパターン、並びにデータパターン生成部450が設定したシフト量に基づいて、レーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号を生成する。
【0217】
具体的には、GT形成タイミングがオン(ハイレベル)になっている場合には、典型的には、レーザ光強度制御信号がオン(ハイレベル)となる。その結果、カッティングレーザ光LB3がガラス原盤380に照射される。一方で、GT形成タイミングがオフ(ローレベル)になっている又はLT形成タイミングがオン(ハイレベル)になっている場合には、典型的には、レーザ光強度制御信号がオフ(ローレベル)となる。その結果、カッティングレーザ光LB3がガラス原盤380に照射されない。
【0218】
また、マーク群形成タイミングがオン(ハイレベル)になっている場合又は回転位相比較部430における比較結果が「一致」と判定された場合には、信号レベルが+レベルと0レベルと−レベルとの間で変動する方向・シフト量制御信号が生成される。このときの方向・シフト量制御信号の信号レベルの変動方向は、データパターン生成部450が生成した同期データのパターン及びビットデータのパターンに応じて設定される。また、このときの方向・シフト量制御信号の信号レベルの変動量は、データパターン生成部450が設定したシフト量に応じて設定される。他方で、マーク群形成タイミングがオフ(ローレベル)になっている場合又は回転位相比較部430における比較結果が「不一致」と判定された場合には、0レベルに固定された方向・シフト量制御信号が生成される。
【0219】
インタフェース部470は、制御信号合成部460が生成したレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号のフォーマットを、露光装置300のインタフェースの仕様に合わせて変換する。その結果、インタフェース部470からは、露光装置300のインタフェースの仕様に合致したレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号が出力される。
【0220】
(4−2)製造過程
続いて、図29から図35を参照して、光ディスク11の製造過程について説明する。
【0221】
(4−2−1)製造過程の全体の流れ
はじめに、図29を参照して、光ディスク11の製造過程の全体の流れについて説明する。図29は、光ディスク11の製造過程の全体の流れを示すフローチャートである。
【0222】
図29に示すように、はじめに、露光装置300の動作によって、制御信号生成部400によって生成される光強度信号及び方向・シフト量制御信号に基づくレーザカッティング処理が行われる(ステップS100)。このレーザカッティング処理により、ガラス原盤380上に塗布されているレジスト390のうち、上述のグルーブトラックGT及びマーク群MGが形成される箇所に塗布されているレジスト390が、カッティングレーザ光LB3によって露光される。
【0223】
その後、レーザカッティング処理が施されたガラス原盤380に対して、現像処理が行われる(ステップS110)。その結果、カッティングレーザ光LB3に露光したレジスト390が除去される。従って、この現像処理により、ガラス原盤380上には、グルーブトラックGT及びマーク群MGに対応する凹部が、レジスト390の除去によって現れる。
【0224】
その後、現像処理が施されたガラス原盤380に対して電鋳処理が行われることで、スタンパ(マスタ−スタンパ)が製造される(ステップS120)。その後、必要に応じて、スタンパ(マスタ−スタンパ)を用いて型付処理及びリプリケーション処理が行われることで、スタンパ(マザースタンパないしはサブスタンパ)が製造されてもよい(ステップS130及びステップS140)。
【0225】
その後、スタンパを用いて、ガイド層12が形成されたガイド基板が成形される(ステップS150)。ガイド基板の成形は、典型的には、射出成型機によって行われる。尚、ガイド基板の材料としては、例えばポリカーボネート樹脂(PC樹脂)やアクリル系樹脂やポリオレフィン系樹脂やその他の樹脂が用いられる。
【0226】
その後、ガイド層12上に、所望の反射率を有する反射膜がスパッタリングによって形成される(ステップS160)。尚、反射膜の材料としては、金属や、金属合金や、誘電体等が用いられる。
【0227】
その後、反射膜上に、所望の厚みを有する中間層が形成される(ステップS170)。中間層の形成は、2層以上の記録層を有するDVD又はBD(Blu-ray Disc)と同様にスタンパを用いて行われてもよいが、どのような方法で行われてもよい。中間層の材料としては、紫外線硬化樹脂や樹脂フィルムが用いられる。その後、中間層上に、記録層13を構成する記録膜がスパッタリングによって形成される(ステップS180)。がこの順に、ガイド層12上に成形される。尚、ステップS170の中間層の形成及びステップS180の記録膜の形成は、光ディスク11が備える記録層13の数だけ繰り返される。
【0228】
その後、最後に形成された記録膜上に、所望の厚みを有するカバー層が形成される(ステップS190)。カバー層の材料としては、紫外線硬化樹脂や樹脂フィルムが用いられる。
【0229】
(4−2−2)グルーブトラックに形成されるマーク群に対応するレーザカッティング
続いて、図30から図32を参照して、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)の流れについて説明する。図30は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)の流れを示すフローチャートである。図31は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)が行われる時に生成されるレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号を、マーク群MGと対応付けて示すタイミングチャートである。図32は、パルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値とマーク群MGとの対応付けを示すタイミングチャートである。尚、図30は、説明の簡略化のため、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTの夫々の同一位相回転位置に同一のマーク群MGを形成するためのレーザカッティング処理の流れについて説明する。しかしながら、その他のグルーブトラックGTにマーク群MGを形成する場合や2本又は4本以上のグルーブトラックGTにマーク群を形成する場合であっても、同様の態様でレーザカッティング処理が行われることは言うまでもない。
【0230】
図30に示すように、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するレーザカッティング処理を行う際には、GT形成タイミングがオンになっているため、制御信号合成部460は、レーザ光強度制御信号の信号レベルをオンに設定し且つ方向・シフト量制御信号の信号レベルを0レベルに設定する(ステップS201)。つまり、図31の期間t1に示すようなレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号が生成される。
【0231】
露光装置300は、このようなレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号に応じて動作する。具体的には、光変調器320は、レーザ光強度制御信号がオンになっているため、カッティングレーザ光LB3の出力をオンに設定する。加えて、光変調器320は、方向・シフト量制御信号が0レベルになっているため、カッティングレーザ光LB3の照射位置をシフトさせない。つまり、光変調器320は、カッティングレーザ光LB3の照射位置を、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTのトラック中心に相当する位置に固定する。その結果、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS202)。
【0232】
その後、制御信号合成部460は、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてレーザカッティングを行っている最中に、マーク群形成タイミングがオンになったか否かを判定する(ステップS203)。尚、ステップS203の動作は、実質的には、現在時刻が図31の期間t2に入ったか否かを判定する動作と同一である。というのも、マーク群形成タイミングが期間t2においてオンとなるからである。
【0233】
ステップS203の判定の結果、マーク群形成タイミングがオンになっていないと判定される場合には(ステップS203:No)、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせたカッティングレーザ光LB3の照射が継続される。
【0234】
他方で、ステップS203の判定の結果、マーク群形成タイミングがオンになったと判定される場合には(ステップS203:Yes)、まず、回転位相保持部420は、マーク群形成タイミングがオンになったと判定された時点でのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持する(ステップS204)。尚、マーク群形成タイミングがオンになるとマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3の照射が行われることになるため、回転位相保持部420は、実質的には、あるマーク群MGのパターンに対応するレーザカッティング処理が行われている時点でのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持することになる。
【0235】
このとき、回転位相保持部420は、カッティングレーザ光LB3の照射位置をトラック中心からシフトさせ始める時点でのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持することが好ましい。言い換えれば、回転位相保持部420は、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRの夫々の開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持することが好ましい。
【0236】
具体的には、図32に示すように、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに、記録マークMC、記録マークML、記録マークMC及び記録マークMRからなる同期データ及び記録マークML及び記録マークMRからなるビットデータがこの順に配列されたマーク群MGを形成するためのレーザカッティング処理が行われるとする。この場合、回転位相保持部420は、同期データを構成する記録マークMLの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値h及び周期カウンタ412の第2カウント値q1の組み合わせ(h、q1)を一時的に保持する。同様に、回転位相保持部420は、同期データを構成する記録マークMRの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値h及び周期カウンタ412の第2カウント値q2の組み合わせ(h、q2)を一時的に保持する。同様に、回転位相保持部420は、ビットデータを構成する記録マークMLの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値h及び周期カウンタ412の第2カウント値q3の組み合わせ(h、q3)を一時的に保持する。同様に、回転位相保持部420は、ビットデータを構成する記録マークMRの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値h及び周期カウンタ412の第2カウント値q4の組み合わせ(h、q4)を一時的に保持する。
【0237】
更に、制御信号合成部460は、データパターン生成部450が生成した同期データのパターン及びビットデータのパターン並びにデータパターン生成部450が設定したシフト量に応じて、方向・シフト量制御信号の信号レベルを調整する(ステップS205)。具体的には、制御信号合成部460は、図31の期間t2に示す、同期データのパターン及びビットデータのパターンに応じて信号レベルが+レベルと0レベルと−レベルとの間で変動する方向・シフト量制御信号を生成する。
【0238】
露光装置300は、このようなレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号に応じて動作する。具体的には、光変調器320は、レーザ光強度制御信号がオンになっているため、カッティングレーザ光LB3の出力をオンに設定する。加えて、光変調器320は、方向・シフト量制御信号に応じて、カッティングレーザ光LB3の照射位置をトラック中心からシフトさせる。例えば、光変調器320は、方向・シフト量制御信号の信号レベルが+レベルとなっている場合には、カッティングレーザ光LB3の照射位置をトラック中心から左側へとシフトさせる(つまり、記録マークMLに対応するようにシフトさせる)。例えば、光変調器320は、方向・シフト量制御信号の信号レベルが−レベルとなっている場合には、カッティングレーザ光LB3の照射位置をトラック中心から右側へとシフトさせる(つまり、記録マークMCに対応するようにシフトさせる)。例えば、光変調器320は、方向・シフト量制御信号の信号レベルが0レベルとなっている場合には、カッティングレーザ光LB3の照射位置をシフトさせない(つまり、記録マークMCに対応するために、シフトさせない)。その結果、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS206)。
【0239】
マーク群MGの形成が終わる(つまり、マーク群形成タイミングがオフになる)と、制御信号合成部360は、一旦、方向・シフト量制御信号の信号レベルを0レベルに設定する(ステップS207)。つまり、図31の期間t3に示すようなレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号が生成される。その結果、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS208)。或いは、トラック番号が「k」又は「k+2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS208)。
【0240】
このとき、回転位相比較部430は、回転位相保持部420が保持している第1及び第2カウンタ値の組み合わせと、パルスカウンタ411の現在の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の現在の第2カウンタ値の組み合わせとが一致するか否かを判定する(ステップS209)。尚、「一致」と判定されるのは、図32に示すように、トラック番号が「k」又は「k+2」となるグルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザLB3が照射されるタイミングである。つまり、「一致」と判定されるのは、ガラス原盤380の回転によって、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザLB3が照射された時点での回転位相が、再度現れるタイミングである。従って、「一致」と判定されるタイミングでマーク群MGを形成すれば、隣接する複数のグルーブトラックGTの同一回転位相位置に、同一のマーク群MGを形成することができる。
【0241】
ステップS209の判定の結果、「一致」と判定されない場合には(ステップS209:No)、トラック番号が「k」又は「k+2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせたカッティングレーザ光LB3の照射が継続される(ステップS208)。
【0242】
他方で、ステップS209の判定の結果、「一致」と判定される場合には(ステップS209:Yes)、制御信号合成部460は、データパターン生成部450が生成した同期データのパターン及びビットデータのパターン並びにデータパターン生成部450が設定したシフト量に応じて、方向・シフト量制御信号の信号レベルを調整する(ステップS210)。具体的には、制御信号合成部460は、図31の期間t4に示す、同期データのパターン及びビットデータのパターンに応じて信号レベルが+レベルと0レベルと−レベルとの間で変動する方向・シフト量制御信号を生成する。その結果、トラック番号が「k」又は「k+2」となるグルーブトラックGTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS211)。
【0243】
(4−2−3)ランドトラックに形成されるマーク群に対応するレーザカッティング
続いて、図33から図35を参照して、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)の流れについて説明する。図33は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)の流れを示すフローチャートである。図34は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するレーザカッティング処理(図29のステップS100)が行われる時に生成されるレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号を、マーク群MGと対応付けて示すタイミングチャートである。図35は、パルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値とマーク群MGとの対応付けを示すタイミングチャートである。尚、図33は、説明の簡略化のため、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTの夫々の同一位相回転位置に同一のマーク群MGを形成するためのレーザカッティング処理の流れについて説明する。但し、図33は、このようなマーク群MGをこれら3本のランドトラックLTに形成するために、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+4」となるグルーブトラックGTの夫々の形成に合わせてマーク群MGを形成するレーザカッティング処理を示している。尚、その他のランドトラックLTにマーク群MGを形成する場合や2本又は4本以上のランドトラックLTにマーク群を形成する場合であっても、同様の態様でレーザカッティング処理が行われることは言うまでもない。また、図30に示す動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0244】
また、以下の説明では、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGが、グルーブトラックGTを形成する際に同時に形成される例を用いて説明を進める。例えば、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLTにマーク群MGを形成するタイミングとして、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTにマーク群MGを形成するタイミングを用いている。
【0245】
図33に示すように、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するレーザカッティング処理を行う際には、GT形成タイミングがオンになっているため、制御信号合成部460は、レーザ光強度制御信号の信号レベルをオンに設定し且つ方向・シフト量制御信号の信号レベルを0レベルに設定する(ステップS201)。つまり、図34の期間t1に示すようなレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号が生成される。その結果、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS202)。
【0246】
その後、制御信号合成部460は、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてレーザカッティングを行っている最中に、マーク群形成タイミングがオンになったか否かを判定する(ステップS203)。
【0247】
ステップS203の判定の結果、マーク群形成タイミングがオンになっていないと判定される場合には(ステップS203:No)、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせたカッティングレーザ光LB3の照射が継続される。
【0248】
他方で、ステップS203の判定の結果、マーク群形成タイミングがオンになったと判定される場合には(ステップS203:Yes)、まず、回転位相保持部420は、マーク群形成タイミングがオンになったと判定された時点でのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持する(ステップS204)。尚、マーク群形成タイミングがオンになるとマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3の照射が行われることになるため、回転位相保持部420は、実質的には、あるマーク群MGのパターンに対応するレーザカッティング処理が行われている時点でのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持することになる。
【0249】
このとき、回転位相保持部420は、カッティングレーザ光LB3の照射位置をトラック中心からシフトさせ始める時点でのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持することが好ましい。言い換えれば、回転位相保持部420は、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRの夫々の開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の第2カウンタ値を一時的に保持することが好ましい。
【0250】
具体的には、図35に示すように、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLTに、記録マークが形成されない領域、記録マークML、記録マークが形成されない領域及び記録マークMRからなる同期データ及び記録マークML及び記録マークMRからなるビットデータがこの順に配列されたマーク群MGを形成するためのレーザカッティング処理が行われるとする。この場合、回転位相保持部420は、同期データを構成する記録マークMLの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値m及び周期カウンタ412の第2カウント値u1の組み合わせ(m、u1)を一時的に保持する。同様に、回転位相保持部420は、同期データを構成する記録マークMRの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値m及び周期カウンタ412の第2カウント値u2の組み合わせ(m、u2)を一時的に保持する。同様に、回転位相保持部420は、ビットデータを構成する記録マークMLの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値m及び周期カウンタ412の第2カウント値u3の組み合わせ(m、u3)を一時的に保持する。同様に、回転位相保持部420は、ビットデータを構成する記録マークMRの開始端に対応するタイミングでのパルスカウンタ411の第1カウント値m及び周期カウンタ412の第2カウント値u4の組み合わせ(m、u4)を一時的に保持する。
【0251】
更に、制御信号合成部460は、データパターン生成部450が生成した同期データのパターン及びビットデータのパターン並びにデータパターン生成部450が設定したシフト量に応じて、方向・シフト量制御信号の信号レベルを調整する(ステップS205)。具体的には、制御信号合成部460は、図34の期間t2に示す、同期データのパターン及びビットデータのパターンに応じて信号レベルが+レベルと0レベルと−レベルとの間で変動する方向・シフト量制御信号を生成する。その結果、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS206)。つまり、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせて、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応する領域にカッティングレーザ光LB3が照射される。
【0252】
マーク群MGの形成が終わる(つまり、マーク群形成タイミングがオフになる)と、制御信号合成部360は、一旦、方向・シフト量制御信号の信号レベルを0レベルに設定する(ステップS207)。つまり、図34の期間t3に示すようなレーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号が生成される。その結果、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS308)。或いは、トラック番号が「k」、「k+2」又は「k+4」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS308)。
【0253】
このとき、回転位相比較部430は、回転位相保持部420が保持している第1及び第2カウンタ値の組み合わせと、パルスカウンタ411の現在の第1カウンタ値及び周期カウンタ412の現在の第2カウンタ値の組み合わせとが一致するか否かを判定する(ステップS309)。尚、「一致」と判定されるのは、図35に示すように、トラック番号が「k−1」、「k+1」又は「k+3」となるランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザLB3が照射されるタイミングである。つまり、「一致」と判定されるのは、ガラス原盤380の回転によって、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザLB3が照射された時点での回転位相が、再度現れるタイミングである。従って、「一致」と判定されるタイミングでマーク群MGを形成すれば、隣接する複数のランドトラックLTの同一回転位相位置に、同一のマーク群MGを形成することができる。
【0254】
ステップS309の判定の結果、「一致」と判定されない場合には(ステップS309:No)、トラック番号が「k」、「k+2」又は「k+4」となるグルーブトラックGTに対応するパターンに合わせたカッティングレーザ光LB3の照射が継続される(ステップS308)。
【0255】
他方で、ステップS309の判定の結果、「一致」と判定される場合には(ステップS309:Yes)、制御信号合成部460は、データパターン生成部450が生成した同期データのパターン及びビットデータのパターン並びにデータパターン生成部450が設定したシフト量に応じて、方向・シフト量制御信号の信号レベルを調整する(ステップS210)。具体的には、制御信号合成部460は、図34の期間t4に示す、同期データのパターン及びビットデータのパターンに応じて信号レベルが+レベルと0レベルと−レベルとの間で変動する方向・シフト量制御信号を生成する。その結果、トラック番号が「k−1」、「k+1」又は「k+3」となるランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせてカッティングレーザ光LB3が照射される(ステップS211)。つまり、トラック番号が「k−1」、「k+1」又は「k+3」となるランドトラックLTに形成されるマーク群MGに対応するパターンに合わせて、トラック番号が「k」、「k+2」又は「k+4」となるグルーブトラックGTに対応する領域にカッティングレーザ光LB3が照射される。
【0256】
以上説明したように、本実施例の制御信号生成装置400は、上述した本実施例の光ディスク11を製造するように露光装置300を好適に制御することができる。つまり、本実施例の制御信号生成装置400は、上述した各種効果を好適に享受することができる本実施例の光ディスク11を好適に製造することができる。
【0257】
特に、本実施例の制御信号生成装置400は、露光装置300が備えるロータリエンコーダ371が出力する回転パルスをカウントした第1カウント値のみならず、制御信号生成装置400自身が備える周期カウンタの第2カウント値にも基づいて、マーク群MGを形成するタイミング(つまり、マーク群のパターンに応じてレーザカッティング処理が行われるタイミング)が決定される。仮にロータリエンコーダ371が出力する回転パルスをカウントした第1カウント値のみに基づいてタイミングが決定されるとすると、そのタイミングの精度は、ロータリエンコーダ371が出力する回転パルスの精度に大きく依存してしまう。その結果、タイミングの精度を維持することができずに、同一のマーク群MGを同一回転位相位置に適切に形成するためのタイミングを好適に且つ高精度に決定することができないおそれもある。しかるに、本実施例では、第1カウント値及び第2カウント値の双方に基づいてタイミングが決定される。このため、同一のマーク群MGを同一回転位相位置に適切に形成するためのタイミングを好適に且つ高精度に決定することができる。
【0258】
加えて、本実施例の制御信号生成装置400は、露光装置300とは別個独立の装置として構成される。このため、様々な露光装置300に対して本実施例の制御信号生成装置400を適用することができると共に、様々な露光装置300を用いて光ディスク11を製造することができる。この点において、レーザ光強度制御信号及び方向・シフト量制御信号のフォーマットを、露光装置300のインタフェースの仕様に合わせて変換するインタフェース部470は有効である。但し、制御信号生成装置400は、露光装置300と一体化されていてもよい。この場合であっても、上述した本実施例の光ディスク11を製造することができることに変わりはない。
【0259】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う信号生成装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0260】
11 光ディスク
12 ガイド層
13 記録層
300 露光装置
400 制御信号生成装置
410 回転位相発生部
411 周期カウンタ
412 パルスカウンタ
420 回転位相保持部
430 回転位相比較部
460 制御信号合成部
470 インタフェース部
GT グルーブトラック
LT ランドトラック
MG マーク群
ML、MR、MC 記録マーク
LB1 ガイドレーザ光
LB2 記録再生レーザ光
LB3 カッティングレーザ光
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【国際調査報告】