(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013108544
(43)【国際公開日】20130725
【発行日】20150511
(54)【発明の名称】弁開閉時期制御装置
(51)【国際特許分類】
   F01L 1/356 20060101AFI20150414BHJP
【FI】
   !F01L1/356 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】2013554218
(21)【国際出願番号】JP2012083205
(22)【国際出願日】20121221
(31)【優先権主張番号】2012006458
(32)【優先日】20120116
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】野口 祐司
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町二丁目一番地 アイシン精機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】安達 一成
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町二丁目一番地 アイシン精機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 秀行
【住所又は居所】愛知県刈谷市相生町一丁目1番地1 アイシン・エンジニアリング株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】大江 伸二
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町二丁目一番地 アイシン精機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】朝日 丈雄
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町二丁目一番地 アイシン精機株式会社内
【テーマコード(参考)】
3G018
【Fターム(参考)】
3G018AB02
3G018BA33
3G018CA20
3G018DA18
3G018DA71
3G018DA81
3G018DA82
3G018DA83
3G018DA85
3G018FA01
3G018FA07
3G018GA02
3G018GA03
3G018GA23
3G018GA27
(57)【要約】
耐摩耗性が高くリンキング力を低減させることができる出退機構を備えた弁開閉時期制御装置を提供する。弁開閉時期制御装置は、駆動側回転部材または従動側回転部材の何れか一方の回転部材に形成された孔部と、孔部に収容されたスリーブと、スリーブに収容されかつ何れか他方の回転部材に対して出退可能なロック部材と、ロック部材が突出したときに嵌合可能となるように他方の回転部材に形成されたロック孔とを有し、ロック部材がロック孔に嵌合されたときに駆動側回転部材に対する従動側回転部材の相対回転位相を所定位相に拘束するロック機構を備えている。スリーブのロック孔と対向する側と反対側の端部の内周側の角部に、周方向に沿って第1面取り加工面が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と同軸上に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと同期回転する従動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材とで形成された流体圧室と、
前記流体圧室を進角室と遅角室とに仕切るよう前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の少なくとも一方に設けられた仕切部と、
前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の何れか一方の回転部材に形成された孔部と、前記孔部に収容された円筒形状のスリーブと、前記スリーブに収容されかつ前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の何れか他方の回転部材に対して出退可能な出退部材と、前記出退部材が突出したときに嵌合可能となるように前記他方の回転部材に形成された嵌合孔とを有し、前記出退部材が前記嵌合孔に嵌合されたときに前記駆動側回転部材に対する前記従動側回転部材の相対回転位相を所定位相に拘束する出退機構とを備え、
前記出退部材が前記嵌合孔から引退したときに、前記出退部材の前記嵌合孔と対向する側と反対側の端面は前記孔部の底面と面接触し、
前記スリーブの前記嵌合孔と対向する側と反対側の端部の内周側の角部に、周方向に沿って第1面取り加工面が形成されている弁開閉時期制御装置。
【請求項2】
前記第1面取り加工面は複数個が前記周方向に沿って分散して形成されている請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
【請求項3】
前記出退部材の前記嵌合孔と対向する側と反対側の端部の外周側の角部に、周方向に沿って第2面取り加工面が形成されている請求項1または2に記載の弁開閉時期制御装置。
【請求項4】
前記スリーブは、内周側で第1孔と前記第1孔より小径の第2孔とを同芯となるように積み重ねた形状で構成され、
前記出退部材は、外周側で前記第1孔の内径より小さい外径の第1軸部と前記第2孔の内径より小さい外径の第2軸部とを有し、
前記出退部材が前記スリーブに収容された状態で、前記第1孔の内周と前記第1軸部の外周とが対向し且つ前記第2孔の内周と前記第2軸部の外周とが対向しており、
前記第1孔と前記第1軸部との隙間は、前記第2孔と前記第2軸部との隙間より小さい請求項1〜3のいずれか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のクランクシャフトと同期して回転する駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相を制御する弁開閉時期制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と弁開閉用のカムシャフトに同期回転する従動側回転体との相対回転位相を制御して、あらゆる回転数において内燃機関の運転状態を良好にする弁開閉時期制御装置が知られている。弁開閉時期制御装置においては、駆動側回転体と従動側回転体とで形成される流体圧室が従動側回転体に設けられた仕切部によって遅角室と進角室とに仕切られている。そして、遅角室および進角室に対して作動流体を給排することにより、駆動側回転体と従動側回転体の相対回転位相が制御される。
【0003】
このような弁開閉時期制御装置では、駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回転位相を所定の位相にロック可能なロック機構を備えている。相対回転位相をロックすることにより、内燃機関の始動時に最適な弁開閉時期が得られると共に、仕切部の揺動による打音の発生を抑制している。
【0004】
ロック機構の一例として、駆動側回転部材と従動側回転部材の何れか一方にロック孔を備え、他方にロック部材およびロック部材に付勢力を与えるコイルスプリングとを備えたものがある。このロック機構では、付勢力によってロック部材をロック孔に挿入させてロック状態とし、付勢力より大きい作動流体の圧力によりロック部材をロック孔から退出させてロック解除状態としている。
【0005】
特許文献1においては、ロックピンが嵌合穴との嵌合動作時に生じるリンキング力を低減することの可能なバルブタイミング調整装置が開示されている。リンキング力とは、2つの物体が流体を挟んで接触している状態から物体が離れようとするときに、接触面間の流体の体積が増大して隙間の圧力が低下するために物体の乖離方向とは逆方向に発生する力のことである。
【0006】
通常、ロックピンの嵌合穴と反対側の端部は平面状になっており、ロック解除状態で、ロックピンの端部の平面はフロントプレートと面接触する。このとき、ロックピンの端部とフロントプレートとの間には進角室や遅角室から漏れた作動流体が流体膜として存在する。この状態からロックピンがロック動作により嵌合方向に移動を始めると、この流体膜が原因で、ロックピンに作用するコイルスプリングの付勢力の方向とは反対方向へリンキング力が発生する場合がある。
【0007】
リンキング力が大きいと、ロックピンの初期動作が遅れてしまい、ロックピンが嵌合穴に嵌合されない場合がある。その結果、駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回転位相を所定の位相にロックすることができず、内燃機関が始動できなくなるおそれがある。リンキング力を低減するには、流体膜の面積を減らすこと、およびロックピンの嵌合方向への移動時に端部とフロントプレートとの隙間に積極的に作動流体が入り込んで隙間の拡大に伴う圧力低下を防ぐこと、が有効である。
【0008】
特許文献1のバルブタイミング調整装置においては、ロックピンの嵌合穴と反対側の端面がテーパ状に加工され、フロントプレートとは線接触するように構成されている。ロックピンの端面とフロントプレートは線接触しているので流体膜の面積が小さくなる。さらに、線接触している箇所以外のロックピン端面とフロントプレートの間には作動流体が充満しており、ロックピンが嵌合方向に動き始めて隙間が拡大するとその隙間に周辺の作動流体が入り込んで隙間の圧力低下を防止する。この結果、ロックピンが嵌合方向に移動を始めたときのリンキング力を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−214563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ロックピンが嵌合穴から退出してロック解除状態となるときには、ロックピンの端面とフロントプレートが当接する。特許文献1のバルブタイミング調整装置では、ロックピンの端面とフロントプレートが線接触しているので、ロックピンの端面とフロントプレートの当接が繰り返されると、線接触しているロックピン端面のテーパ状の先端につぶれや摩耗が発生する場合がある。つぶれや摩耗が不均一に発生した場合にはロック解除状態でロックピンが片当たりして傾いてしまい、ロックピンの出退動作時に周囲の壁面を擦るなどして滑らかに動作できなくなるおそれがある。
【0011】
上記問題に鑑み、本発明は、耐摩耗性が高くリンキング力を低減させることができる出退機構を備えた弁開閉時期制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る開閉時期制御装置の特徴構成は、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、前記駆動側回転部材と同軸上に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと同期回転する従動側回転部材と、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材とで形成された流体圧室と、前記流体圧室を進角室と遅角室とに仕切るよう前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の少なくとも一方に設けられた仕切部と、前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の何れか一方の回転部材に形成された孔部と、前記孔部に収容された円筒形状のスリーブと、前記スリーブに収容されかつ前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の何れか他方の回転部材に対して出退可能な出退部材と、前記出退部材が突出したときに嵌合可能となるように前記他方の回転部材に形成された嵌合孔とを有し、前記出退部材が前記嵌合孔に嵌合されたときに前記駆動側回転部材に対する前記従動側回転部材の相対回転位相を所定位相に拘束する出退機構とを備え、前記出退部材が前記嵌合孔から引退したときに前記出退部材の前記嵌合孔と対向する側と反対側の端面は前記孔部の底面と面接触し、前記スリーブの前記嵌合孔と対向する側と反対側の端部の内周側の角部に周方向に沿って第1面取り加工面が形成されている点にある。
【0013】
このような特徴構成とすれば、ロックまたは規制解除状態で出退部材の嵌合孔と対向する側と反対側の端面は孔部の底面と面接触するので、出退部材の端面と孔部の底面の当接が繰り返されてもつぶれや摩耗が発生することなく、弁開閉時期制御装置は長期間に亘り良好な性能を維持することができる。
【0014】
さらに、スリーブの嵌合孔と対向する側と反対側の端部の内周側の角部に周方向に沿って第1面取り加工面が形成されているので、ロックまたは規制解除状態では第1面取り加工面と孔部の底面と出退部材の外周面とで構成される環状空間が作動流体で満たされる。このような構成とすることにより、出退部材がロックまたは規制解除状態からロックまたは規制状態に向けて動き始めたときに、出退部材の嵌合孔と対向する側と反対側の端面と孔部の底面の隙間が大きくなっても、環状空間に残存している作動流体がその隙間に流れ込む。その結果、出退部材の嵌合孔と対向する側と反対側の端面と孔部の底面との間にある作動流体の流体膜の圧力が低下しないので、リンキング力の発生を低減させることができる。
【0015】
本発明に係る弁開閉時期制御装置においては、前記第1面取り加工面は複数個が前記周方向に沿って分散して形成されていると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、第1面取り加工面が形成されている空間には作動流体を貯留することができ、第1面取り加工面でないところは出退部材を保持できる。よって、リンキング力を低減させるのに必要最小限の作動流体を貯留するだけの第1面取り加工面を形成することにより、リンキング力の低減と出退部材の安定動作とを両立させることができる。
【0017】
本発明に係る弁開閉時期制御装置においては、前記出退部材の前記嵌合孔と対向する側と反対側の端部の外周側の角部に、周方向に沿って第2面取り加工面が形成されていると好適である。
【0018】
このような構成とすれば、ロックまたは規制解除状態では第1面取り加工面と孔部の底面と第2面取り加工面とで環状空間が構成されるので、より容積の大きな環状空間を得ることができ、より多くの作動流体を環状空間に貯留することができる。これにより、さらにリンキング力の発生を低減させることができる。
【0019】
本発明に係る弁開閉時期制御装置においては、前記スリーブは内周側で第1孔と前記第1孔より小径の第2孔とを同芯となるように積み重ねた形状で構成され、前記出退部材は外周側で前記第1孔の内径より小さい外径の第1軸部と前記第2孔の内径より小さい外径の第2軸部とを有し、前記出退部材が前記スリーブに収容された状態で前記第1孔の内周と前記第1軸部の外周とが対向し且つ前記第2孔の内周と前記第2軸部の外周とが対向しており、前記第1孔と前記第1軸部との隙間は前記第2孔と前記第2軸部との隙間より小さいと好適である。
【0020】
このような構成とすれば、出退部材が嵌合孔から引退するときに第1孔と第2軸部により形成される空間に溜められた作動流体は、出退部材が嵌合孔に向けて突出するときに第2孔と第2軸部との隙間に流れ込むので、出退部材とスリーブの摺動面の一部を潤滑することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】は、弁開閉時期制御装置の全体構成を表す側断面図である。
【図2】は、図1のII−II線断面図である。
【図3】は、ロック状態における図2のIII−III線断面図である。
【図4】は、ロック解除状態における図2のIII−III線断面図である。
【図5】は、スリーブとロック部材の構造を表す斜視図である。
【図6】は、スリーブの別の構造を表す斜視図である。
【図7】は、第1面取り加工面を有するスリーブを用いたときのロック部材の受圧面に作用する作動流体の流体圧とロック部材のストロークとの関係を表すグラフである。
【図8】は、第1面取り加工面を有しないスリーブを用いたときのロック部材の受圧面に作用する作動流体の流体圧とロック部材のストロークとの関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の弁開閉時期制御装置を、吸気弁側の弁開閉時期制御装置1として自動車用エンジン100に適用した実施形態について図1から図8に基づいて説明する。なお、「エンジン」は特許請求の範囲の「内燃機関」と同義である。
【0023】
(全体構成)
図1に本実施形態に係る弁開閉時期制御装置1の全体構成を表す側断面図を示す。図1に示すように、弁開閉時期制御装置1は、エンジン100のクランクシャフト101に対して同期回転する駆動側回転体としてのハウジング2と、ハウジング2に対して同軸上に配置され、カムシャフト104と同期回転する従動側回転体としての内部ロータ3とを備えている。ハウジング2と内部ロータ3は、アルミ合金等の金属製である。カムシャフト104は、エンジンの排気弁の開閉を制御するカム(不図示)の回転軸である。弁開閉時期制御装置1は、ハウジング2に対する内部ロータ3の相対回転位相を所定位相に拘束可能なロック機構5を備えている。なお、「ロック機構」は特許請求の範囲の「出退機構」の一例である。
【0024】
(内部ロータおよびハウジング)
内部ロータ3は、カムシャフト104の先端部に一体的に組付けられている。カムシャフト104は、エンジン100のシリンダヘッド(不図示)に回転自在に組み付けられている。
【0025】
ハウジング2は、カムシャフト104接続される側とは反対側に配置されているフロントプレート21と、タイミングスプロケット23aを一体的に備えかつカムシャフト104が接続される側に配置されているリアプレート23と、外部ロータ22とを備えている。外部ロータ22は内部ロータ3に外装され、フロントプレート21とリアプレート23に挟み込まれている。そして、ボルトによってフロントプレート21と外部ロータ22とリアプレート23とを締結してハウジング2が構成される。内部ロータ3はハウジング2に対して一定の範囲内で相対回転移動が可能である。
【0026】
クランクシャフト101が回転駆動すると、動力伝達部材102を介してタイミングスプロケット23aにその回転駆動力が伝達され、ハウジング2が図2に示す相対回転方向Sに回転駆動する。ハウジング2の回転駆動に伴い、内部ロータ3が相対回転方向Sに回転駆動してカムシャフト104が回転し、カムシャフト104に設けられたカムがエンジンの排気弁を開閉させる。
【0027】
図2に図1のII−II断面図を示す。図2に示すように、外部ロータ22には、径方向内側に突出する複数個の突出部24が相対回転方向Sに沿って互いに離間して形成されている。突出部24と内部ロータ3とにより流体圧室4が形成されている。本実施形態においては、流体圧室4が4箇所となるよう構成されているが、これに限られるものではない。
【0028】
それぞれの流体圧室4に面する内部ロータ3の外周部分には、本発明における仕切部としての突出部31が径方向外側に向けて形成されている。突出部31によって、流体圧室4は相対回転方向Sに沿って進角室41と遅角室42とに仕切られている。
【0029】
進角通路43は内部ロータ3に形成されており、進角通路43は進角室41に連通している。遅角通路44は内部ロータ3に形成されており、遅角通路44は遅角室42に連通している。図1に示すように、進角通路43および遅角通路44は、後述する流体給排機構6に接続されている。
【0030】
流体給排機構6は、進角室41および遅角室42に作動流体を供給または排出して、突出部31にその作動流体の流体圧を作用させる。作動流体の流体圧により突出部31が回転し、ハウジング2に対する内部ロータ3の相対回転位相を、図2に示す進角方向S1もしくは遅角方向S2へ変位させ、または任意の位相に保持する。進角方向S1とは、突出部31がハウジング2に対して相対回転移動して進角室41の容積が大きくなる方向であり、図2中に矢印S1で示されている。遅角方向S2とは、遅角室42の容積が大きくなる方向であり、図2中に矢印S2で示されている。
【0031】
ハウジング2と内部ロータ3とが相対回転移動可能な一定の範囲、すなわち最進角位相と最遅角位相との位相差は、流体圧室4の内部で突出部31が回転可能な範囲に対応する。遅角室42の容積が最大となるのが最遅角位相であり、進角室41の容積が最大となるのが最進角位相である。すなわち、相対回転位相は最進角位相と最遅角位相との間で変化する。
【0032】
図1に示すように、内部ロータ3とフロントプレート21とに亘ってトーションスプリング103が設けられている。ハウジング2および内部ロータ3は、トーションスプリング103の付勢力により、相対回転位相が遅角方向S2の方向に付勢されている。
【0033】
(流体給排機構)
流体給排機構6の構成について簡単に説明する。図1に示すように、流体給排機構6は、エンジン100により駆動されて作動流体の供給を行うポンプ61と、進角通路43および遅角通路44に対する作動流体の供給および排出を制御する流路切換弁62と、作動流体を貯留するオイルパン63とを備えている。
【0034】
ポンプ61は、クランクシャフト101の回転駆動力が伝達されることにより駆動する機械式の流体圧ポンプである。ポンプ61は、オイルパン63に貯留された作動流体を吸入し、その作動流体を下流側へ吐出する。
【0035】
流路切換弁62は、ECU(エンジンコントロールユニット)7による作動流体の給電量の制御に基づいて動作する。流路切換弁62は、内部のスプール弁を切換える制御によって、進角室41への作動流体供給と遅角室42からの作動流体排出、進角室41からの作動流体排出と遅角室42への作動流体供給、および進角室41および遅角室42への作動流体給排遮断の3種類の動作を実行する。
【0036】
進角室41への作動流体供給と遅角室42からの作動流体排出を実行させる制御が「進角制御」である。進角制御により、突出部31は外部ロータ22に対して進角方向S1に相対回転移動し、相対回転位相は進角側へ変化する。進角室41からの作動流体排出と遅角室42への作動流体供給を実行させる制御が「遅角制御」である。遅角制御により、突出部31は外部ロータ22に対して遅角方向S2に相対回転移動し、相対回転位相は遅角側へ変化する。進角室41および遅角室42への作動流体の給排を遮断する制御によって、突出部31に相対回転移動させず相対回転位相を保持させることができる。
【0037】
本実施形態においては、流路切換弁62への給電が「ON」となったとき、流路切換弁62内のスプール弁が図1の左方向へ移動し、遅角制御が可能な作動流体経路が形成される。流路切換弁62への給電が「OFF」となったとき、流路切換弁62内のスプール弁が図1の右方向へ移動し、進角制御が可能な作動流体経路が形成される。
【0038】
(ロック機構)
次に、ロック機構5について説明する。図3に、ロック状態における図2のIII−III線断面図を示し、図4に、ロック解除状態における図2のIII−III線断面図を示す。図5に、スリーブ51とロック部材52の構造を表す斜視図を示す。図6にスリーブ51の別の構造を表す斜視図を示す。ロック機構5は、スリーブ51、ロック部材52、コイルスプリング53、ロック孔25から構成される。スリーブ51、ロック部材52、コイルスプリング53は内部ロータ3の突出部31に形成された孔部32に組付けられる。なお、「ロック部材」は特許請求の範囲の「出退部材」の一例であり、「ロック孔」は特許請求の範囲の「嵌合孔」の一例である。
【0039】
孔部32は断面が円形かつロック部材52の出退方向(以下、単に「出退方向」と称する)に沿った有底孔であって、内部ロータ3のリアプレート23の側からフロントプレート21の側に向かって形成されている。孔部32の底面であるスリーブ受け面32aからフロントプレート21側に向って断面が円形の貫通孔である第1排圧孔33が開孔されている。第1排圧孔33は、孔部32の軸芯と同芯かつ孔部32の内径より小径である。孔部32と第1排圧孔33は、その軸芯がフロントプレート21およびリアプレート23に対して直角になるように開孔されている。
【0040】
スリーブ51は、孔部32に圧入されて保持される円筒形状の鉄製の部品である。よって、スリーブ51の外周の最大径は、孔部32の内径に対してしまりばめとなっている。スリーブ51の内周側は第1孔51dと第1孔51dの内径より若干小径の第2孔51eとを同芯となるように積み重ねた形状で構成されている。
【0041】
スリーブ51のスリーブ当接面51cと第1内周面51aとが交差する角部は通常の面取り加工より大きなC面取り加工やR面取り加工が施され、第1面取り加工面51fが形成されている。第1面取り加工面51fの大きさは、例えば、C0.3〜1.0、R0.5〜2.0程度である。なお、C面取り加工には45度の加工のみならず、それ以外の角度、例えば30度や60度の加工も含まれる。第1面取り加工面51fには、図5に示すように角部の周囲全体に連続して形成されるものに限らず、図6に示すように複数個の第1面取り加工面51fが周方向に沿って分散して形成されたものも含まれる。
【0042】
ロック部材52はスリーブ51の内部に収容され、軸芯方向に移動する鉄製の部品である。ロック部材52は、スリーブ51の第1内周面51aの内径よりわずかに小さい外径の第1軸部52aと第2内周面51bの内径よりわずかに小さい外径の第2軸部52bを同芯となるように積み重ねた形状を有している。第1軸部52a側の端面であるロック当接面52cから、軸芯方向に向かって第1軸部52aと同芯のコイルスプリング保持孔52eが形成されている。また、ロック当接面52cには、コイルスプリング保持孔52eから径方向外側に向かって2つ本の連通溝52fが軸芯に対して点対称の位置に形成されている。本実施形態においては連通溝52fは2つであるが、必ずしも2つに限られることはなく、3つでも4つでもよい。ただし、周方向に等間隔で形成されるのが望ましい。第1軸部52aの外周面とロック当接面52cとが交差する外周角部には通常の面取り加工より大きなC面取り加工やR面取り加工が施され、第2面取り加工面52gが形成されている。第2軸部52bは、ロック状態においては後述するロック孔25と嵌合し、その端面は作動流体の圧力を受ける受圧面52dとなっている。なお、図3,図4に示すように、ロック部材52がスリーブ51に収容された状態で、第1孔51dと第1軸部52aとは対向し、且つ第2孔51eと第2軸部52bとは対向している。このとき、第1孔51dと第1軸部52aとの隙間は、第2孔51eと第2軸部52bとの隙間よりも小さくなっている。このような構成とすることにより、ロック部材52がロック孔25から引退するときに第1孔51dと第2軸部52bにより形成される空間54に溜められた作動流体は、ロック部材52がロック孔25に向けて突出するときに第2孔51eと第2軸部52bとの隙間に流れ込むので、ロック部材52とスリーブ51の摺動面の一部を潤滑することができる。
【0043】
ロック孔25は、リアプレート23の内部ロータ3の側に形成された円形状の有底孔である。ロック孔25は、側部25aと底部25bとを備えている。底部25bの中心付近は、ロック状態においてもロック部材52の受圧面52dに作動油の流体圧を作用させるために周辺より突出している。ロック孔25の内径は、ロック部材52が突入して嵌合可能となるよう、第2軸部52bの外径よりもわずかに大きい。ロック部材52がロック孔25と嵌合したときにロック状態となり、内部ロータ3のハウジング2に対する相対回転移動が拘束される。ロック部材52がロック孔25から退出したときにロック解除状態となり、内部ロータ3のハウジング2に対する相対回転移動の拘束が解かれる。本実施形態においては、ロック機構5による相対回転位相が最遅角位相でロック状態となる位置にロック孔25が形成されている。また、ロック孔25と進角室41とを連通するロック解除通路26がリアプレート23の内部ロータ3側に形成されている。
【0044】
(ロック機構の組付け)
上述のように構成したロック機構5は、図3、図4に示すように、内部ロータ3の孔部32に組付けられている。組付けの順序は次の通りである。まず、スリーブ51のスリーブ当接面51cの側から、ロック部材52を挿入する。その後、コイルスプリング保持孔52eにコイルスプリング53を挿入し、その状態を保ったままスリーブ当接面51cがスリーブ受け面32aに当接するまでスリーブ51を孔部32に圧入して組付け完了となる。このときコイルスプリング53は自然長から圧縮された状態でコイルスプリング保持孔52eの底面とスリーブ受け面32aとで保持されるため、ロック部材52に対して内部ロータ3から突出させる方向に力を付勢する。
【0045】
(弁開閉時期制御装置の動作)
次に相対回転位相が最遅角位相である状態でエンジンを始動させた場合における弁開閉時期制御装置1の動作について説明する。エンジン100が停止している状態では、ポンプ61は停止している。また、流路切換弁62への給電は「OFF」であり、進角制御が可能な作動流体経路が形成された状態である。従って、ロック機構5に作動流体が供給されていない。このとき、図3に示すように、ロック部材52はコイルスプリング53の付勢力により突出し、ロック孔25に嵌合しており、相対回転位相はロック機構5により最遅角位相に拘束された状態である。
【0046】
エンジン100が始動すると、ポンプ61が稼働する。流路切換弁62への給電は「OFF」のままであって、進角制御可能な作動流体経路が形成された状態である。このため進角制御により流体給排機構6から進角通路43を経由して進角室41に作動流体が供給される。このときロック解除通路26を介してロック孔25にも作動流体が供給され、ロック部材52の受圧面52dに作動流体の流体圧が作用する。コイルスプリング53の付勢力は受圧面52dに作用する流体圧よりも小さく設定されている。このため、受圧面52dに作用する流体圧により、ロック部材52がロック孔25から引退し始め、ロック当接面52cがスリーブ受け面32aに当接するまでロック部材52はロック孔25から引退する。これにより、ロック機構5による拘束が解除され、図4に示すようなロック解除状態になる。ロック解除状態では、ロック部材52のロック当接面52cは内部ロータ3のスリーブ受け面32aと面接触している。このように、両者は比較的広い面で当接しているため、当接の際にロック当接面52cやスリーブ受け面32aに作用する応力が小さい。このため、ロック部材52の引退よるロック当接面52cとスリーブ受け面32aの当接が繰り返されてもロック当接面52cやスリーブ受け面32aの表面につぶれや摩耗が発生することなく、弁開閉時期制御装置1は長期間に亘り良好な性能を維持することができる。
【0047】
エンジン100の運転中は、最進角位相から最遅角位相の範囲で、エンジン100の回転数や負荷に応じた適切な相対回転位相にするために、ECU7により進角制御と遅角制御がなされる。進角制御では、進角室41に作動流体が供給され、遅角室42にある作動流体は排出される。逆に遅角制御では、遅角室42に作動流体が供給され、進角室41にある作動流体は排出される。こうして、ハウジング2と内部ロータ3の相対回転位相は変化する。
【0048】
進角制御の時は、受圧面52dに作用する流体圧によりロック部材52はロック当接面52cがスリーブ受け面32aに当接している。しかし、遅角制御の時は、進角室41から作動流体が排出され遅角室42に作動流体が供給されるため、受圧面52dに流体圧が作用しない。このため、ロック部材52はコイルスプリング53の付勢力によりリアプレート23の内部ロータ3の側の面に接触した状態となる。ただし、受圧面52dとリアプレート23には作動流体が付着しているので、このままの状態で回転移動しても受圧面52dやリアプレート23が摩耗することはない。
【0049】
エンジン100が停止したら、流体給排機構6も停止し、作動流体は進角室41からも遅角室42からも排出される。そして、トーションスプリング103の付勢力により、相対回転位相は最遅角位相となり、ロック部材52がコイルスプリング53の付勢力によりロック孔25に突入し、ロック孔25と嵌合し、図3に示すロック状態になる。このようにして、次のエンジン始動時に備えて、相対回転位相を最遅角位相に拘束する。
【0050】
(ロック部材の出退動作)
上述したように、エンジン100を運転中は進角制御や遅角制御がなされ、進角室41と遅角室42に作動流体が給排される。供給された作動流体は、フロントプレート21やリアプレート23と内部ロータの隙間、ロック解除通路26等を通ってロック機構5の内部に浸入する。よって、エンジン100が停止しているロック状態では、スリーブ受け面32a、第1内周面51a、ロック当接面52c、コイルスプリング保持孔52e等で構成される空間には作動流体が充満している。受圧面52dとロック孔25とで構成される空間にも作動流体が充満している。
【0051】
エンジン100が始動して進角制御がなされると、ロック部材52はロック孔25から引退し、ロック当接面52cとスリーブ受け面32aが当接する。このとき、スリーブ受け面32a、第1内周面51a、ロック当接面52c、コイルスプリング保持孔52e等で構成される空間に充満した作動流体は、第1排圧孔33やフロントプレートに形成され第1排圧孔33と連通している第2排圧孔27を通って弁開閉時期制御装置1の外部に排出され、オイルパン63に貯留される。しかし、作動流体のすべてが排出されるわけではない。ロック当接面52cとスリーブ受け面32aの間には作動流体の流体膜が存在し、第1面取り加工面51f、第2面取り加工面52g、スリーブ受け面32aとで構成される環状の空間(以下、環状空間と言う)には作動流体が残存している。さらに、連通溝52fやコイルスプリング保持孔52eにも作動流体が残存している。
【0052】
上述したようにエンジン100が停止すると、相対回転位相は最遅角位相となり、ロック部材52はコイルスプリング53の付勢力によりロック孔25に突入し、ロック孔25と嵌合する。ロック部材52の突入開始で、ロック当接面52cとスリーブ受け面32aの隙間が大きくなるが、環状空間、連通溝52f、コイルスプリング保持孔52eに残存している作動流体が大きくなった隙間に浸入し、流体膜の圧力が低下するのを抑制し、延いてはリンキング力を低減させる。これは、広がった隙間に対してあらゆる方向から作動流体が浸入して短時間でロック当接面52c全体に作動流体が広がるためである。具体的には、ロック部材52の外側からは環状空間の作動流体が浸入し、内側からはコイルスプリング保持孔52eの作動流体が浸入する。そしてその中間からは連通溝52fの作動流体が浸入する。また、連通溝52fはコイルスプリング保持孔52eに残存する作動流体と環状空間に残存する作動流体とを連通させているので、ロック当接面52cとスリーブ受け面32aの隙間への環状空間の作動油の浸入により環状空間の作動流体が減少しても、連通溝52fを通してコイルスプリング保持孔52eの作動流体を環状空間に補給することができる。
【0053】
従って、エンジン100が停止したときに、ロック部材52がコイルスプリング53の付勢力によりロック孔25に突入すべく始動するときの時間の遅れが発生せず、弁開閉時期制御装置1に設計通りの性能、動作を実現させることができる。
【0054】
図7に、第1面取り加工面51fを有するスリーブ51を用いたときの、すなわち環状空間に残存する作動流体の量が多いときの、進角室41に供給した作動流体の流体圧とロック部材52のストロークとの関係を表したグラフを示す。図8に、第1面取り加工面51fを有しないスリーブを用いたときの、すなわち環状空間に作動流体がほとんどないときの、進角室41に供給した作動流体の流体圧とロック部材52のストロークとの関係を表したグラフを示す。図7と図8とでは、一点鎖線で囲まれた箇所が示すように、ロック動作初期におけるロック部材52の動き方が異なっている。
【0055】
図7では、ロック動作初期において、所定の供給流体圧より流体圧が低下するとロック部材52が動き始め、流体圧の低下量に比例してロック部材52のストロークが小さくなっている。これは受圧面52dに作用する流体圧とコイルスプリング53の付勢力とがバランスがとれた状態でロック部材52が動いていることを示しており、すなわちリンキング力の影響を受けていないことを示している。しかし、図8では、所定の供給流体圧より流体圧が低下してもロック部材52は直ちに動かず、動いても流体圧の低下量に比例した動きとはなっていない。図7と比べるとロック部材52の初期動作は緩慢であることがわかる。さらに流体圧を低下させてロック当接面52cとスリーブ受け面32aの隙間が大きくなると(ストロークが小さくなると)、図7と同様に流体圧の低下量に比例してロック部材52が動く。これは、図8におけるロック部材52は、動作初期においてロック当接面52cとスリーブ受け面32aとの間で発生したリンキング力の影響を受けて、隙間が大きくなるとリンキング力の影響を受けなくなったことを示している。従って、スリーブ51に第1面取り加工面51fを形成し環状空間に作動流体を多く残存させることにより、リンキング力の影響を受けることなくロック部材52を動作させることが可能になる。
【0056】
本実施形態においてはロック機構への適用についてのみ説明したが、本発明に係る弁開閉時期制御装置は、駆動側回転部材に対する従動側回転部材の相対回転位相を所定範囲内に規制する規制機構に対しても適用可能である。
【0057】
本発明に係る弁開閉時期制御装置を排気側の弁開閉時期制御装置に適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、内燃機関のクランクシャフトと同期して回転する駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相を制御する弁開閉時期制御装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 弁開閉時期制御装置
2 ハウジング(駆動側回転部材)
3 内部ロータ(従動側回転部材)
4 流体圧室
5 ロック機構(出退機構)
25 ロック孔(嵌合孔)
31 突出部(仕切部)
32 孔部
51 スリーブ
51d 第1孔
51e 第2孔
51f 第1面取り加工面
52 ロック部材(出退部材)
52a 第1軸部
52b 第2軸部
52g 第2面取り加工面
100 エンジン(内燃機関)
101 クランクシャフト
104 カムシャフト
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】

【手続補正書】
【提出日】20130516
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と同軸上に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトと同期回転する従動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材とで形成された流体圧室と、
前記流体圧室を進角室と遅角室とに仕切るよう前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の少なくとも一方に設けられた仕切部と、
前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の何れか一方の回転部材に形成された孔部と、前記孔部に収容された円筒形状のスリーブと、前記スリーブに収容されかつ前記駆動側回転部材および前記従動側回転部材の何れか他方の回転部材に対して出退可能な出退部材と、前記出退部材が突出したときに嵌合可能となるように前記他方の回転部材に形成された嵌合孔とを有し、前記出退部材が前記嵌合孔に嵌合されたときに前記駆動側回転部材に対する前記従動側回転部材の相対回転位相を所定位相に拘束する出退機構とを備え、
前記出退部材が前記嵌合孔から引退したときに、前記出退部材の前記嵌合孔と対向する側と反対側の端面は前記孔部の底面と面接触し、
前記スリーブの前記嵌合孔と対向する側と反対側の端部の内周側の角部に、周方向に沿って第1面取り加工面が形成され、
前記第1面取り加工面は複数個が前記周方向に沿って分散して形成されている弁開閉時期制御装置。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記出退部材の前記嵌合孔と対向する側と反対側の端部の外周側の角部に、周方向に沿って第2面取り加工面が形成されている請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
【請求項4】
前記スリーブは、内周側で第1孔と前記第1孔より小径の第2孔とを同芯となるように積み重ねた形状で構成され、
前記出退部材は、外周側で前記第1孔の内径より小さい外径の第1軸部と前記第2孔の内径より小さい外径の第2軸部とを有し、
前記出退部材が前記スリーブに収容された状態で、前記第1孔の内周と前記第1軸部の外周とが対向し且つ前記第2孔の内周と前記第2軸部の外周とが対向しており、
前記第1孔と前記第1軸部との隙間は、前記第2孔と前記第2軸部との隙間より小さい請求項1又は3に記載の弁開閉時期制御装置。
【国際調査報告】