(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013108689
(43)【国際公開日】20130725
【発行日】20150511
(54)【発明の名称】画像処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/52 20140101AFI20150414BHJP
   H04N 19/436 20140101ALI20150414BHJP
【FI】
   !H04N19/52
   !H04N19/436
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】73
【出願番号】2013554274
(21)【国際出願番号】JP2013050212
(22)【国際出願日】20130109
(31)【優先権主張番号】2012009328
(32)【優先日】20120119
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 数史
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159KK13
5C159LC09
5C159MA00
5C159MA04
5C159MA05
5C159NN12
5C159NN13
5C159RC12
5C159RC16
5C159RC38
5C159TA62
5C159TB08
5C159TC12
5C159TC42
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
本開示は、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができるようにする画像処理装置および方法に関する。
当該PUの場合、当該PUに対して以下の位置関係で隣接するPUであるB、C、およびEと、CUにおいて当該PUの上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するAおよびDの動きベクトル情報が用いられる。すなわち、当該PUについては、Aに相当するPUは、PUということになるので、当該PUの隣接領域として、Aの代わりに、Aが設定される。本開示は、例えば、画像処理装置に適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定する隣接領域設定部と、
前記隣接領域設定部により設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成する予測動きベクトル生成部と、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを復号する動きベクトル復号部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左または上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記第1の隣接領域に隣接する第2の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第2の隣接領域を設定する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記符号化領域が2N×Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における上に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域である
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記符号化領域がN×2Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における右に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域である
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記隣接領域設定部は、前記第1の予測領域が前記符号化領域における右および下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左上に接する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記符号化領域が4×4の予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右上に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における左下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左上に隣接する隣接領域である
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記符号化領域は、Asymmetric Motion Partitionにより複数の予測領域に分割されている
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項9】
符号化ストリームと、前記空間隣接領域の設定を行うか否かを示すフラグを受け取る受け取り部と、
前記受け取り部により受け取られた符号化ストリームを復号し、前記画像を生成する復号部と
をさらに備え、
前記隣接領域設定部は、前記受け取り部により受け取られたフラグに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記フラグは、前記符号化領域または前記予測領域毎に設定されている
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記空間隣接領域の設定を行うか否かは、シーケンスプロファイルまたはレベルに応じて設定されており、
前記隣接領域設定部は、前記シーケンスプロファイルまたはレベルに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像処理装置が、
画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定し、
設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成し、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを復号する
画像処理方法。
【請求項13】
画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定する隣接領域設定部と、
前記隣接領域設定部により設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成する予測動きベクトル生成部と、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを符号化する動きベクトル符号化部と
を備える画像処理装置。
【請求項14】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左または上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記第1の隣接領域に隣接する第2の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第2の隣接領域を設定する
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記符号化領域が2N×Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における上に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域である
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記符号化領域がN×2Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における右に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域である
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記符号化領域が4×4の予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右上に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における左下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左上に隣接する隣接領域である
請求項18に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記符号化領域は、Asymmetric Motion Partitionにより複数の予測領域に分割されている
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記空間隣接領域の設定を行うか否かを示すフラグを設定する設定部と、
前記画像を符号化し、符号化ストリームを生成する符号化部と、
前記動きベクトル符号化部により符号化された動きベクトル、前記符号化部により生成された符号化ストリーム、および前記設定部により設定されたフラグを伝送する伝送部と
をさらに備え、
前記隣接領域設定部は、前記設定部により設定されたフラグに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記設定部は、前記符号化領域または前記予測領域毎に前記フラグを設定する
請求項21に記載の画像処理装置。
【請求項23】
前記空間隣接領域の設定を行うか否かは、シーケンスプロファイルまたはレベルに応じて設定されており、
前記隣接領域設定部は、前記シーケンスプロファイルまたはレベルに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項24】
画像処理装置が、
画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定し、
設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成し、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記対象領域の動きベクトルを符号化する
画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は画像処理装置および方法に関し、特に、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができるようにした画像処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像情報をデジタルとして取り扱い、その際、効率の高い情報の伝送、蓄積を目的とし、画像情報特有の冗長性を利用して、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償により圧縮する符号化方式を採用して画像を圧縮符号する装置が普及しつつある。この符号化方式には、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)などがある。
【0003】
特に、MPEG2(ISO/IEC 13818-2)は、汎用画像符号化方式として定義されており、飛び越し走査画像及び順次走査画像の双方、並びに標準解像度画像及び高精細画像を網羅する標準である。例えば、MPEG2は、プロフェッショナル用途及びコンシューマ用途の広範なアプリケーションに現在広く用いられている。MPEG2圧縮方式を用いることにより、例えば720×480画素を持つ標準解像度の飛び越し走査画像であれば4乃至8Mbpsの符号量(ビットレート)が割り当てられる。また、MPEG2圧縮方式を用いることにより、例えば1920×1088画素を持つ高解像度の飛び越し走査画像であれば18乃至22 Mbpsの符号量(ビットレート)が割り当てられる。これにより、高い圧縮率と良好な画質の実現が可能である。
【0004】
MPEG2は主として放送用に適合する高画質符号化を対象としていたが、MPEG1より低い符号量(ビットレート)、つまりより高い圧縮率の符号化方式には対応していなかった。携帯端末の普及により、今後そのような符号化方式のニーズは高まると思われ、これに対応してMPEG4符号化方式の標準化が行われた。画像符号化方式に関しては、1998年12月にISO/IEC 14496-2としてその規格が国際標準に承認された。
【0005】
標準化のスケジュールとしては、2003年3月にはH.264及びMPEG-4 Part10 (Advanced Video Coding、以下AVC方式と称する)という国際標準となっている。
【0006】
さらに、このAVC方式の拡張として、RGBや4:2:2、4:4:4といった、業務用に必要な符号化ツールや、MPEG-2で規定されていた8x8DCTや量子化マトリクスをも含んだFRExt (Fidelity Range Extension) の標準化が2005年2月に完了した。これにより、AVC方式を用いて、映画に含まれるフィルムノイズをも良好に表現することが可能な符号化方式となって、Blu-Ray Disc(商標)等の幅広いアプリケーションに用いられる運びとなった。
【0007】
しかしながら、昨今、ハイビジョン画像の4倍の、4000×2000画素程度の画像を圧縮したい、あるいは、インターネットのような、限られた伝送容量の環境において、ハイビジョン画像を配信したいといった、更なる高圧縮率符号化に対するニーズが高まっている。このため、先述の、ITU-T傘下のVCEG (=Video Coding Expert Group) において、符号化効率の改善に関する検討が継続され行なわれている。
【0008】
かかる符号化効率改善の1つとして、AVC方式におけるメディアン予測を用いた動きベクトルの符号化を改善するため、AVC方式において定義されている、メディアン予測により求められる”Spatial Predictor”に加え、”Temporal Predictor”及び”Spatio-Temporal Predictor”のどれかを、予測動きベクトル情報として、適応的に用いること(以下、MVコンペティション(MVCompetition)とも称する)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0009】
なお、AVC方式において、予測動きベクトル情報を選択する際には、JM(Joint Model)と呼ばれるAVC方式の参照ソフトウエアに実装されているHigh Complexity ModeまたはLow Complexity Modeによるコスト関数値が用いられている。
【0010】
すなわち、予測動きベクトル情報を用いた場合のコスト関数値が算出され、最適な予測動きベクトル情報の選択が行われる。画像圧縮情報においては、それぞれのブロックに対し、どの予測動きベクトル情報が用いられたかに関する情報を示すフラグ情報が伝送される。
【0011】
ところで、マクロブロックサイズを16画素×16画素とするのは、次世代符号化方式の対象となるような、UHD(Ultra High Definition;4000画素×2000画素)といった大きな画枠に対しては、最適ではない恐れがあった。
【0012】
そこで、現在、AVCより更なる符号化効率の向上を目的として、ITU-Tと、ISO/IECの共同の標準化団体であるJCTVC(Joint Collaboration Team - Video Coding)により、HEVC(High Efficiency Video Coding)と呼ばれる符号化方式の標準化が進められている(例えば、非特許文献2参照)。
【0013】
このHEVC方式においては、AVC方式におけるマクロブロックと同様の処理単位としてコーディングユニット(CU(Coding Unit))が定義されている。このCUは、AVC方式のマクロブロックのようにサイズが16×16画素に固定されず、それぞれのシーケンスにおいて、画像圧縮情報中において指定される。また、それぞれのシーケンスにおいては、CUの最大サイズ(LCU=Largest Coding Unit)と最小サイズ(SCU=Smallest Coding Unit)も規定されている。
【0014】
また、動き情報の符号化方式の1つとして、Motion Partition Mergingと呼ばれる手法(以下、マージモード(Merge mode)とも称する)が提案されている(例えば、非特許文献3参照)。この手法においては、当該ブロックの動き情報が周辺のブロックの動き情報と同一である場合、フラグ情報のみが伝送され、復号の際には、その周辺ブロックの動き情報を用いて当該ブロックの動き情報が再構築される。
【0015】
すなわち、Merge modeにおいても、周辺のブロックから、Spatial Predictor(空間予測動きベクトル)と、Temporal Predictor(時間予測動きベクトル)が求められ、それらの中から最適な予測動きベクトルが決定される。そして、Merge modeにおいては、決定された予測動きベクトルと当該ブロックの動き情報とが同一である場合にフラグ情報のみが伝送される。
【0016】
ところで、上述のMVCompetitionもしくはMerge modeによる動きベクトル符号化または復号処理において、処理対象である当該PU のSpatial predicorが求められる。このとき、当該PUに隣接するPUのうち、所定の位置関係で隣接するPUの動きベクトルを、当該PU のSpatial predicorの候補とすることが提案されている。
【0017】
具体的には、当該PUの左下に隣接するPUであるAの動きベクトルと、当該PUの左に隣接するPUのうち、Aの上に位置するPUであるAの動きベクトルとが候補とされている。また、当該PUの左上に隣接するPUであるBの動きベクトルと、当該PUの右上に隣接するPUであるBの動きベクトルと、当該PUの上に隣接するPUのうち、Bの左隣に位置するPUであるBの動きベクトルとが候補とされている。
【0018】
そして、A、Aの順、並びに、B、B、Bの順にスキャンが行われ、当該PUの動きベクトル情報と、同等の参照フレームを持つ動きベクトル情報を検出した時点でスキャンが終了される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Joel Jung,Guillaume Laroche,"Competition-Based Scheme for Motion Vector Selection and Coding", VCEG-AC06,ITU - Telecommunications Standardization SectorSTUDY GROUP 16 Question 6Video Coding Experts Group (VCEG)29th Meeting: Klagenfurt, Austria, 17-18 July, 2006
【非特許文献2】Thomas Wiegand, Woo-Jin Han, Benjamin Bross, Jens-Rainer Ohm, Gary J. Sullivan, "Working Draft 4 of High-Efficiency Video Coding ", JCTVC-F803, Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC)of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 6th Meeting: Torino, IT, 14-22 July, 2011
【非特許文献3】Martin Winken, Sebastian Bosse, Benjamin Bross, Philipp Helle, Tobias Hinz, Heiner Kirchhoffer, Haricharan Lakshman, Detlev Marpe, Simon Oudin, Matthias Preiss, Heiko Schwarz, Mischa Siekmann, Karsten Suehring, and Thomas Wiegand,”Description of video coding technology proposed by Fraunhofer HHI”,JCTVC-A116,April,2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、単一のCUが、例えば、2N×Nに分割されている場合、CUの上部に位置するPU0に関する動きベクトル情報が確定しないと、CUの下部に位置するPU1に関する、上述した動きベクトルの符号化または復号を行うことができない。このため、PU0とPU1に関する動きベクトル情報を並列に処理できなかった。
【0021】
なお、これは、単一のCUが、N×2Nに分割されている場合のPUについても言えることである。
【0022】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本開示の一側面の画像処理装置は、画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定する隣接領域設定部と、前記隣接領域設定部により設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成する予測動きベクトル生成部と、前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを復号する動きベクトル復号部とを備える。
【0024】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左または上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定することができる。
【0025】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記第1の隣接領域に隣接する第2の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第2の隣接領域を設定することができる。
【0026】
前記符号化領域が2N×Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における上に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域である。
【0027】
前記符号化領域がN×2Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における右に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域である。
【0028】
前記隣接領域設定部は、前記第1の予測領域が前記符号化領域における右および下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左上に接する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定することができる。
【0029】
前記符号化領域が4×4の予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右上に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域であり、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における左下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域であり、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左上に隣接する隣接領域である。
【0030】
前記符号化領域は、Asymmetric Motion Partitionにより複数の予測領域に分割されている。
【0031】
符号化ストリームと、前記空間隣接領域の設定を行うか否かを示すフラグを受け取る受け取り部と、前記受け取り部により受け取られた符号化ストリームを復号し、前記画像を生成する復号部とをさらに備え、前記隣接領域設定部は、前記受け取り部により受け取られたフラグに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行うことができる。
【0032】
前記フラグは、前記符号化領域または前記予測領域毎に設定されている。
【0033】
前記空間隣接領域の設定を行うか否かは、シーケンスプロファイルまたはレベルに応じて設定されており、前記隣接領域設定部は、前記シーケンスプロファイルまたはレベルに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行うことができる。
【0034】
本開示の一側面の画像処理方法は、画像処理装置が、画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定し、設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成し、前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを復号する。
【0035】
本開示の他の側面の画像処理装置は、画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定する隣接領域設定部と、前記隣接領域設定部により設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成する予測動きベクトル生成部と、前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを符号化する動きベクトル符号化部とを備える。
【0036】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左または上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定することができる。
【0037】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記第1の隣接領域に隣接する第2の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第2の隣接領域を設定することができる。
【0038】
前記符号化領域が2N×Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における上に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域である。
【0039】
前記符号化領域がN×2Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における右に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域である。
【0040】
前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定することができる。
【0041】
前記符号化領域が4×4の予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右上に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域であり、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における左下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域であり、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左上に隣接する隣接領域である。
【0042】
前記符号化領域は、Asymmetric Motion Partitionにより複数の予測領域に分割されている。
【0043】
前記空間隣接領域の設定を行うか否かを示すフラグを設定する設定部と、前記画像を符号化し、符号化ストリームを生成する符号化部と、前記動きベクトル符号化部により符号化された動きベクトル、前記符号化部により生成された符号化ストリーム、および前記設定部により設定されたフラグを伝送する伝送部とをさらに備え、前記隣接領域設定部は、前記設定部により設定されたフラグに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行うことができる。
【0044】
前記設定部は、前記符号化領域または前記予測領域毎に前記フラグを設定することができる。
【0045】
前記空間隣接領域の設定を行うか否かは、シーケンスプロファイルまたはレベルに応じて設定されており、前記隣接領域設定部は、前記シーケンスプロファイルまたはレベルに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行うことができる。
【0046】
本開示の他の側面の画像処理方法は、画像処理装置が、画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定し、設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成し、前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記対象領域の動きベクトルを符号化する。
【0047】
本開示の一側面においては、画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域が設定される。そして、設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルが生成され、前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルが復号される。
【0048】
本開示の他の側面においては、画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域が設定される。そして、設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルが生成され、前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記対象領域の動きベクトルが符号化される。
【0049】
なお、上述の画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの画像符号化装置または画像復号装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【発明の効果】
【0050】
本開示の一側面によれば、画像を復号することができる。特に、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【0051】
本開示の他の側面によれば、画像を符号化することができる。特に、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】画像符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。
【図2】小数点画素精度の動き予測・補償処理の例を示す図である。
【図3】マクロブロックの例を示す図である。
【図4】メディアンオペレーションについて説明する図である。
【図5】マルチ参照フレームについて説明する図である。
【図6】テンポラルダイレクトモードについて説明する図である。
【図7】動きベクトル符号化方法について説明する図である。
【図8】コーディングユニットの構成例を説明する図である。
【図9】Motion Partition Mergingについて説明する図である。
【図10】HEVC方式の空間予測動きベクトルの生成方法について説明する図である。
【図11】HEVC方式の空間予測動きベクトルの生成方法について説明する図である。
【図12】2N×N PUにおける本技術の空間予測動きベクトルの生成方法について説明する図である。
【図13】N×2N PUにおける本技術の空間予測動きベクトルの生成方法について説明する図である。
【図14】2N×2N PUにおける本技術の空間予測動きベクトルの生成方法について説明する図である。
【図15】HEVC方式のAsymmetric Motion Partitionを説明する図である。
【図16】動きベクトル符号化部の主な構成例を示すブロック図である。
【図17】符号化処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図18】インター動き予測処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図19】予測動きベクトル生成処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図20】画像復号装置の主な構成例を示すブロック図である。
【図21】動きベクトル復号部の主な構成例を示すブロック図である。
【図22】復号処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図23】動きベクトル再構築処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図24】多視点画像符号化方式の例を示す図である。
【図25】本技術を適用した多視点画像符号化装置の主な構成例を示す図である。
【図26】本技術を適用した多視点画像復号装置の主な構成例を示す図である。
【図27】階層画像符号化方式の例を示す図である。
【図28】本技術を適用した階層画像符号化装置の主な構成例を示す図である。
【図29】本技術を適用した階層画像復号装置の主な構成例を示す図である。
【図30】コンピュータの主な構成例を示すブロック図である。
【図31】テレビジョン装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【図32】携帯電話機の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【図33】記録再生装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【図34】撮像装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【図35】スケーラブル符号化利用の一例を示すブロック図である。
【図36】スケーラブル符号化利用の他の例を示すブロック図である。
【図37】スケーラブル符号化利用のさらに他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(画像符号化装置)
2.第2の実施の形態(画像復号装置)
3.第3の実施の形態(多視点画像符号化・多視点画像復号装置)
4.第4の実施の形態(階層画像符号化・階層画像復号装置)
5.第5の実施の形態(コンピュータ)
6.応用例
7.スケーラブル符号化の応用例
【0054】
<1.第1の実施の形態>
[画像符号化装置]
図1は、画像符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。
【0055】
図1に示される画像符号化装置100は、例えば、HEVC(High Efficiency Video Coding)に準ずる方式の予測処理を用いて画像データを符号化する。画像符号化装置100においては、CU(符号化領域と称する)を処理単位として符号化が行われる。
【0056】
図1に示されるように画像符号化装置100は、A/D変換部101、画面並べ替えバッファ102、演算部103、直交変換部104、量子化部105、可逆符号化部106、蓄積バッファ107、逆量子化部108、および逆直交変換部109を有する。また、画像符号化装置100は、演算部110、デブロックフィルタ111、フレームメモリ112、選択部113、イントラ予測部114、動き予測・補償部115、予測画像選択部116、およびレート制御部117を有する。
【0057】
画像符号化装置100は、さらに、動きベクトル符号化部121および並列処理制御部122を有する。
【0058】
A/D変換部101は、入力された画像データをA/D変換し、変換後の画像データ(デジタルデータ)を、画面並べ替えバッファ102に供給し、記憶させる。画面並べ替えバッファ102は、記憶した表示の順番のフレームの画像を、GOP(Group Of Picture)に応じて、符号化のためのフレームの順番に並べ替え、フレームの順番を並び替えた画像を、演算部103に供給する。また、画面並べ替えバッファ102は、フレームの順番を並び替えた画像を、イントラ予測部114および動き予測・補償部115にも供給する。
【0059】
演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、予測画像選択部116を介してイントラ予測部114若しくは動き予測・補償部115から供給される予測画像を減算し、その差分情報を直交変換部104に出力する。
【0060】
例えば、インター符号化が行われる画像の場合、演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、動き予測・補償部115から供給される予測画像を減算する。
【0061】
直交変換部104は、演算部103から供給される差分情報に対して、離散コサイン変換やカルーネン・レーベ変換等の直交変換を施す。なお、この直交変換の方法は任意である。直交変換部104は、その変換係数を量子化部105に供給する。
【0062】
量子化部105は、直交変換部104から供給される変換係数を量子化する。量子化部105は、レート制御部117から供給される符号量の目標値に関する情報に基づいて量子化パラメータを設定し、その量子化を行う。なお、この量子化の方法は任意である。量子化部105は、量子化された変換係数を可逆符号化部106に供給する。
【0063】
可逆符号化部106は、量子化部105において量子化された変換係数を任意の符号化方式で符号化する。係数データは、レート制御部117の制御の下で量子化されているので、この符号量は、レート制御部117が設定した目標値となる(若しくは目標値に近似する)。
【0064】
また、可逆符号化部106は、イントラ予測のモードを示す情報などをイントラ予測部114から取得し、インター予測のモードを示す情報や差分動きベクトル情報などを動き予測・補償部115から取得する。
【0065】
可逆符号化部106は、これらの各種情報を任意の符号化方式で符号化し、符号化データ(符号化ストリームとも称する)のヘッダ情報の一部とする(多重化する)。可逆符号化部106は、符号化して得られた符号化データを蓄積バッファ107に供給して蓄積させる。
【0066】
可逆符号化部106の符号化方式としては、例えば、可変長符号化または算術符号化等が挙げられる。可変長符号化としては、例えば、AVC方式で定められているCAVLC(Context-Adaptive Variable Length Coding)などが挙げられる。算術符号化としては、例えば、CABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding)などが挙げられる。
【0067】
蓄積バッファ107は、可逆符号化部106から供給された符号化データを、一時的に保持する。蓄積バッファ107は、所定のタイミングにおいて、保持している符号化データを、例えば、後段の図示せぬ記録装置(記録媒体)や伝送路などに出力する。すなわち、蓄積バッファ107は、符号化データを伝送する伝送部でもある。
【0068】
また、量子化部105において量子化された変換係数は、逆量子化部108にも供給される。逆量子化部108は、その量子化された変換係数を、量子化部105による量子化に対応する方法で逆量子化する。この逆量子化の方法は、量子化部105による量子化処理に対応する方法であればどのような方法であってもよい。逆量子化部108は、得られた変換係数を、逆直交変換部109に供給する。
【0069】
逆直交変換部109は、逆量子化部108から供給された変換係数を、直交変換部104による直交変換処理に対応する方法で逆直交変換する。この逆直交変換の方法は、直交変換部104による直交変換処理に対応する方法であればどのようなものであってもよい。逆直交変換された出力(復元された差分情報)は、演算部110に供給される。
【0070】
演算部110は、逆直交変換部109から供給された逆直交変換結果である、復元された差分情報に、予測画像選択部116を介してイントラ予測部114若しくは動き予測・補償部115からの予測画像を加算し、局部的に復号された画像(復号画像)を得る。その復号画像は、デブロックフィルタ111またはフレームメモリ112に供給される。
【0071】
デブロックフィルタ111は、演算部110から供給される復号画像に対して適宜デブロックフィルタ処理を行う。例えば、デブロックフィルタ111は、復号画像に対してデブロックフィルタ処理を行うことにより復号画像のブロック歪を除去する。
【0072】
デブロックフィルタ111は、フィルタ処理結果(フィルタ処理後の復号画像)をフレームメモリ112に供給する。なお、上述したように、演算部110から出力される復号画像は、デブロックフィルタ111を介さずにフレームメモリ112に供給することができる。つまり、デブロックフィルタ111によるフィルタ処理は省略することができる。
【0073】
フレームメモリ112は、供給される復号画像を記憶し、所定のタイミングにおいて、記憶している復号画像を参照画像として、選択部113に供給する。
【0074】
選択部113は、フレームメモリ112から供給される参照画像の供給先を選択する。例えば、インター予測の場合、選択部113は、フレームメモリ112から供給される参照画像を動き予測・補償部115に供給する。
【0075】
イントラ予測部114は、選択部113を介してフレームメモリ112から供給される参照画像である処理対象ピクチャ内の画素値を用いて、基本的にプレディクションユニット(PU)を処理単位として予測画像を生成するイントラ予測(画面内予測)を行う。イントラ予測部114は、予め用意された複数のイントラ予測モードでこのイントラ予測を行う。
【0076】
イントラ予測部114は、候補となる全てのイントラ予測モードで予測画像を生成し、画面並べ替えバッファ102から供給される入力画像を用いて各予測画像のコスト関数値を評価し、最適なモードを選択する。イントラ予測部114は、最適なイントラ予測モードを選択すると、その最適なモードで生成された予測画像を、予測画像選択部116に供給する。
【0077】
また、上述したように、イントラ予測部114は、採用されたイントラ予測モードを示すイントラ予測モード情報等を、適宜可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
【0078】
動き予測・補償部115は、画面並べ替えバッファ102から供給される入力画像と、選択部113を介してフレームメモリ112から供給される参照画像とを用いて、基本的にPUを処理単位として、動き予測(インター予測)を行う。以下、PU(プレディクションユニット:Prediction Unit)を予測領域とも称する。動き予測・補償部115は、検出された動きベクトルを動きベクトル符号化部121に供給するとともに、検出された動きベクトルに応じて動き補償処理を行い、予測画像(インター予測画像情報)を生成する。動き予測・補償部115は、予め用意された複数のインター予測モードでこのようなインター予測を行う。
【0079】
動き予測・補償部115は、インター予測により求められた対象予測領域の動きベクトル情報を、動きベクトル符号化部121に供給する。また、動き予測・補償部115は、PU(予測領域)のサイズ情報を、並列処理制御部122に供給する。PUのサイズ情報とは、例えば、CUをどのように構成しているPUであるかを示す情報、すなわち、PUのパーティションサイズを示す情報である。
【0080】
動き予測・補償部115は、対象予測領域の動きベクトルと、動きベクトル符号化部121からの対象予測領域の予測動きベクトルとの差分である差分動きベクトルを生成する。また、動き予測・補償部115は、画面並べ替えバッファ102から供給される入力画像と、生成した差分動きベクトルの情報などを用いて、各予測画像のコスト関数値を評価し、最適なモードを選択する。動き予測・補償部115は、最適なインター予測モードを選択すると、その最適なモードで生成された予測画像を、予測画像選択部116に供給する。
【0081】
動き予測・補償部115は、採用されたインター予測モードを示す情報や、符号化データを復号する際に、そのインター予測モードで処理を行うために必要な情報等を可逆符号化部106に供給し、符号化させる。必要な情報としては、例えば、生成された差分動きベクトルの情報や予測動きベクトルのインデックスを示すフラグを含む予測動きベクトル情報などがある。
【0082】
予測画像選択部116は、演算部103や演算部110に供給する予測画像の供給元を選択する。例えば、インター符号化の場合、予測画像選択部116は、予測画像の供給元として動き予測・補償部115を選択し、その動き予測・補償部115から供給される予測画像を演算部103や演算部110に供給する。
【0083】
レート制御部117は、蓄積バッファ107に蓄積された符号化データの符号量に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部105の量子化動作のレートを制御する。
【0084】
動きベクトル符号化部121は、動き予測・補償部115により求められた動きベクトルを記憶している。動きベクトル符号化部121は、対象予測領域の動きベクトルを予測する。すなわち、動きベクトル符号化部121は、動きベクトルの符号化または復号のために用いられる予測動きベクトル(predictor)を生成する。
【0085】
ここで、予測動きベクトルの種類としては、時間予測動きベクトル(temporal predictor)と、空間予測動きベクトル(spacial predictor)とがある。時間予測動きベクトルは、対象予測領域に時間的に隣接する時間隣接領域の動きベクトルを用いて生成される予測動きベクトルである。空間予測動きベクトルは、対象予測領域に空間的に隣接する空間隣接領域の動きベクトルを用いて生成される予測動きベクトルである。
【0086】
具体的には、動きベクトル符号化部121は、対象予測領域に時間的に隣接する時間隣接領域の動きベクトルを用いて、時間予測動きベクトルを生成する。また、動きベクトル符号化部121は、対象予測領域に空間的に隣接する空間隣接領域の動きベクトルを用いて、空間予測動きベクトルを生成する。その際、並列処理制御部122からの制御信号が指定する隣接領域が用いられて、空間予測動きベクトルが生成される。動きベクトル符号化部121は、生成した予測動きベクトルのうち最適とされる最適予測動きベクトルを、動き予測・補償部115に供給する。
【0087】
並列処理制御部122は、対象PUの空間隣接PUを設定する。並列処理制御部122は、特に、符号化領域(CU)が複数の予測領域(PU)で構成される場合、対象予測領域の予測動きベクトル生成処理を並列で行うように、対象PUの空間隣接PUを設定する。なお、対象PUの空間隣接PUを設定することは、予測動きベクトルの生成に用いられる、対象PUの空間隣接PUの動きベクトルを設定することと同義である。
【0088】
具体的には、並列処理制御部122は、動き予測・補償部115からのPUサイズの情報を参照し、符号化領域における予測領域の位置に応じて、対象PUの空間隣接PUを設定する制御信号(アドレスなど)を、動きベクトル符号化部121に供給する。
【0089】
なお、本実施の形態において、動きベクトルの予測とは、予測動きベクトルを生成する処理を表し、動きベクトルの符号化とは、予測動きベクトルを生成して、生成した予測動きベクトルを用いて、差分動きベクトルを求める処理を表すものとして説明する。すなわち、動きベクトルの符号化処理に、動きベクトルの予測処理が含まれている。同様に、動きベクトルの復号とは、予測動きベクトルを生成して、生成した予測動きベクトルを用いて、動きベクトルを再構築する処理を表すものとして説明する。すなわち、動きベクトルの復号処理に、動きベクトルの予測処理が含まれている。
【0090】
また、上述した対象予測領域に隣接する隣接領域は、対象領域の周辺に位置する周辺領域でもあり、以下、両者の文言は、同じ領域を意味するものとして説明していく。
【0091】
[1/4画素精度動き予測]
図2は、AVC方式において規定されている、1/4画素精度の動き予測・補償処理の様子の例を説明する図である。図2において、各四角は、画素を示している。その内、Aはフレームメモリ112に格納されている整数精度画素の位置を示し、b,c,dは、1/2画素精度の位置を示し、e1,e2,e3は1/4画素精度の位置を示している。
【0092】
以下においては、関数Clip1()を以下の式(1)のように定義する。
【0093】
【数1】

・・・(1)
【0094】
例えば、入力画像が8ビット精度である場合、式(1)のmax_pixの値は255となる。
【0095】
b及びdの位置における画素値は、6tapのFIRフィルタを用いて、以下の式(2)および式(3)のように生成される。
【0096】
【数2】

・・・(2)
【数3】

・・・(3)
【0097】
cの位置における画素値は、水平方向及び垂直方向に6tapのFIRフィルタを適用し、以下の式(4)乃至式(6)のように生成される。
【0098】
【数4】

・・・(4)
もしくは、
【数5】

・・・(5)
【数6】

・・・(6)
【0099】
なお、Clip処理は、水平方向及び垂直方向の積和処理の両方を行った後、最後に1度のみ行われる。
【0100】
e1乃至e3は、以下の式(7)乃至式(9)のように、線形内挿により生成される。
【0101】
【数7】

・・・(7)
【数8】

・・・(8)
【数9】

・・・(9)
【0102】
[マクロブロック]
図3は、AVC方式におけるマクロブロックの例を示す図である。
【0103】
MPEG2においては、動き予測・補償処理の単位は、フレーム動き補償モードの場合には16×16画素を単位として動き予測・補償処理が行なわれる。また、フィールド動き補償モードの場合には第1フィールド、第2フィールドのそれぞれに対し、16×8画素を単位として動き予測・補償処理が行なわれる。
【0104】
これに対し、AVC方式においては、図3に示されるように、16×16画素により構成される1つのマクロブロックを、16×16、16×8、8×16若しくは8×8のいずれかのパーティションに分割することが可能である。また、サブマクロブロック毎に、互いに独立した動きベクトル情報を持つことが可能である。更に、8×8パーティションに関しては、図3に示されるとおり、8×8、8×4、4×8、4×4のいずれかのサブマクロブロックに分割し、それぞれ独立した動きベクトル情報を持つことが可能である。
【0105】
しかしながら、AVC方式において、MPEG2の場合と同様に、かかるような動き予測・補償処理が行なわれるようにすると、膨大な動きベクトル情報が生成されてしまう恐れがあった。そして、その生成された動きベクトル情報をこのまま符号化することは、符号化効率の低下を招く恐れがあった。
【0106】
[動きベクトルのメディアン予測]
かかる問題を解決する手法として、AVC方式においては、以下のような手法により、動きベクトルの符号化情報の低減が実現されている。
【0107】
図4に示される各直線は、動き補償ブロックの境界を示している。また、図4において、Eはこれから符号化されようとしている当該動き補償ブロックを示し、A乃至Dは、それぞれ、既に符号化済の、Eに隣接する動き補償ブロックを示す。
【0108】
今、X=A,B,C,D,Eとして、Xに対する動きベクトル情報を、mvxとする。
【0109】
まず、動き補償ブロックA,B、およびCに関する動きベクトル情報を用い、動き補償ブロックEに対する予測動きベクトル情報pmvEを、メディアンオペレーションにより、以下の式(10)のように生成する。
【0110】
【数10】

・・・(10)
【0111】
動き補償ブロックCに関する情報が、画枠の端である等の理由により利用不可能(unavailable)である場合、動き補償ブロックDに関する情報で代用される。
【0112】
画像圧縮情報に、動き補償ブロックEに対する動きベクトル情報として符号化されるデータmvdEは、pmvEを用いて、以下の式(11)のように生成される。
【0113】
【数11】

・・・(11)
【0114】
なお、実際の処理は、動きベクトル情報の水平方向および垂直方向のそれぞれの成分に対して、独立に処理が行なわれる。
【0115】
[マルチ参照フレーム]
AVC方式においては、Multi-Reference Frame(マルチ(複数)参照フレーム)という、MPEG2やH.263等、従来の画像符号化方式では規定されていなかった方式が規定されている。
【0116】
図5を用いて、AVC方式において規定されている、マルチ参照フレーム(Multi-Reference Frame)を説明する。
【0117】
すなわち、MPEG-2やH.263においては、Pピクチャの場合、フレームメモリに格納された参照フレーム1枚のみを参照することにより動き予測・補償処理が行われていた。これに対して、AVC方式においては、図5に示されるように、複数の参照フレームがメモリに格納され、マクロブロック毎に、異なるメモリを参照することが可能である。
【0118】
[ダイレクトモード]
次に、ダイレクトモードについて説明する。Bピクチャにおける動きベクトル情報における情報量は膨大であるが、AVC方式においては、Direct Mode(ダイレクトモード)と称されるモードが用意されている。
【0119】
このダイレクトモードにおいて、動きベクトル情報は、画像圧縮情報中には格納されない。画像復号装置においては、周辺ブロックの動きベクトル情報、若しくは、参照フレームにおける処理対象ブロックと同じ位置のブロックであるCo-Locatedブロックの動きベクトル情報から、当該ブロックの動きベクトル情報が算出される。
【0120】
ダイレクトモード(Direct Mode)には、Spatial Direct Mode(空間ダイレクトモード)と、Temporal Direct Mode(時間ダイレクトモード)の2種類が存在し、スライス毎に切り替えることが可能である。
【0121】
空間ダイレクトモード(Spatial Direct Mode)においては、以下の式(12)に示されるように、処理対象の動き補償ブロックEの動きベクトル情報mvEが算出される。
【0122】
mvE = pmvE ・・・(12)
【0123】
すなわち、Median(メディアン)予測により生成された動きベクトル情報が、当該ブロックに適用される。
【0124】
以下においては、図6を用いて、時間ダイレクトモード(Temporal Direct Mode)を説明する。
【0125】
図6において、L0参照ピクチャにおける、当該ブロックと同じ空間上のアドレスにあるブロックを、Co-Locatedブロックとし、Co-Locatedブロックにおける動きベクトル情報を、mvcolとする。また、当該ピクチャとL0参照ピクチャの時間軸上の距離をTDBとし、L0参照ピクチャとL1参照ピクチャの時間軸上の距離をTDDとする。
【0126】
この時、当該ピクチャにおける、L0の動きベクトル情報mvL0及びL1の動きベクトル情報mvL1は、以下の式(13)および式(14)のように算出される。
【0127】
【数12】

・・・(13)
【数13】

・・・(14)
【0128】
なお、AVC画像圧縮情報においては、時間軸上の距離を表す情報TDが存在しないため、POC(Picture Order Count)を用いて、上述した式(12)および式(13)の演算が行われるものとする。
【0129】
また、AVC画像圧縮情報においては、ダイレクトモード(Direct Mode)は、16×16画素マクロブロック単位、若しくは、8×8画素ブロック単位で定義することが可能である。
【0130】
[予測モードの選択]
次に、AVC方式における予測モードの選択について説明する。AVC方式において、より高い符号化効率を達成するには、適切な予測モードの選択が重要である。
【0131】
かかる選択方式の例として、JM(Joint Model)と呼ばれるAVC方式の参照ソフトウエア(http://iphome.hhi.de/suehring/tml/index.htm において公開されている)に実装されている方法を挙げることが出来る。
【0132】
JMにおいては、以下に述べる、High Complexity Modeと、Low Complexity Modeの2通りのモード判定方法を選択することができる。どちらも、それぞれの予測モードに関するコスト関数値を算出し、これを最小にする予測モードを当該サブマクロブロック、または、当該マクロブロックに対する最適モードとして選択する。
【0133】
High Complexity Modeにおけるコスト関数は、以下の式(15)のように示される。
【0134】
Cost(Mode∈Ω) = D + λ*R ・・・(15)
【0135】
ここで、Ωは、当該ブロック乃至マクロブロックを符号化するための候補モードの全体集合、Dは、当該予測モードで符号化した場合の、復号画像と入力画像の差分エネルギーである。λは、量子化パラメータの関数として与えられるLagrange未定乗数である。Rは、直交変換係数を含んだ、当該モードで符号化した場合の総符号量である。
【0136】
つまり、High Complexity Modeでの符号化を行うには、上記パラメータD及びRを算出するため、全ての候補モードにより、一度、仮エンコード処理を行う必要があり、より高い演算量を要する。
【0137】
Low Complexity Modeにおけるコスト関数は、以下の式(16)のように示される。
【0138】
Cost(Mode∈Ω) = D + QP2Quant(QP) * HeaderBit ・・・(16)
【0139】
ここで、Dは、High Complexity Modeの場合と異なり、予測画像と入力画像の差分エネルギーとなる。QP2Quant(QP)は、量子化パラメータQPの関数として与えられ、HeaderBitは、直交変換係数を含まない、動きベクトルや、モードといった、Headerに属する情報に関する符号量である。
【0140】
すなわち、Low Complexity Modeにおいては、それぞれの候補モードに関して、予測処理を行う必要があるが、復号画像までは必要ないため、符号化処理まで行う必要はない。このため、High Complexity Modeより低い演算量での実現が可能である。
【0141】
[動きベクトルのMVコンペティション]
次に、動きベクトルの符号化について説明する。図4を参照して上述したような、メディアン予測を用いた動きベクトルの符号化を改善するため、非特許文献1では、以下に述べるような方法が提案されている。
【0142】
すなわち、AVC方式において定義されている、メディアン予測により求められる”Spatial Predictor(空間予測動きベクトル)”に加え、以下に述べる”Temporal Predictor(時間予測動きベクトル)”及び”Spatio-Temporal Predictor(時間と空間の予測動きベクトル)”のどれかを、予測動きベクトル情報として、適応的に用いることが可能にするものである。この提案の方法は、AVC方式においてMVコンペティション(MVCompetition)と呼ばれている。これに対して、HEVC方式においては、Advanced Motion Vector Prediction(AMVP)と呼ばれており、以下、この提案の方法を、AMVPと称して説明する。
【0143】
図7において、”mvcol”を、当該ブロックに対するCo-Locatedブロックに対する動きベクトル情報とする。また、mvtk(k=0乃至8)をその周辺ブロックの動きベクトル情報であるとして、それぞれの予測動きベクトル情報(Predictor)は、以下の式(17)乃至(19)により定義される。なお、当該ブロックに対するCo-Locatedブロックとは、当該ピクチャが参照する参照ピクチャにおいて、xy座標が、当該ブロックと同じであるブロックのことである。
【0144】
Temporal Predictor:
【数14】

・・・(17)
【数15】

・・・(18)

Spatio-Temporal Predictor:
【数16】

・・・(19)
【0145】
画像符号化装置100においては、それぞれのブロックに関して、それぞれの予測動きベクトル情報を用いた場合のコスト関数値が算出され、最適な予測動きベクトル情報の選択が行われる。画像圧縮情報においては、それぞれのブロックに対し、どの予測動きベクトル情報が用いられたかに関する情報(インデックス)を示すフラグが伝送される。
【0146】
[コーディングユニット]
次に、HEVC方式で規定されているコーディングユニットについて説明する。マクロブロックサイズを16画素×16画素とするのは、次世代符号化方式の対象となるような、UHD(Ultra High Definition;4000画素×2000画素)といった大きな画枠に対しては、最適ではない。
【0147】
そこで、AVC方式においては、図3で上述したようにマクロブロックとサブマクロブロックによる階層構造が規定されているが、例えば、HEVC方式においては、図8に示されるように、コーディングユニット(CU(Coding Unit))が規定されている。
【0148】
CUは、Coding Tree Block(CTB)とも呼ばれ、AVC方式におけるマクロブロックと同様の役割を果たす、ピクチャ単位の画像の部分領域である。後者は、16×16画素の大きさに固定されているのに対し、前者の大きさは固定されておらず、それぞれのシーケンスにおいて、画像圧縮情報中において指定されることになる。
【0149】
例えば、出力となる符号化データに含まれるシーケンスパラメータセット(SPS(Sequence Parameter Set))において、CUの最大サイズ(LCU(Largest Coding Unit))と最小サイズ((SCU(Smallest Coding Unit))が規定される。
【0150】
それぞれのLCU内においては、SCUのサイズを下回らない範囲で、split-flag=1とすることにより、より小さなサイズのCUに分割することができる。図8の例では、LCUの大きさが128であり、最大階層深度が5となる。2N×2Nの大きさのCUは、split_flagの値が「1」である時、1つ下の階層となる、N×Nの大きさのCUに分割される。
【0151】
更に、CUは、イントラ若しくはインター予測の処理単位となる領域(ピクチャ単位の画像の部分領域)であるプレディクションユニット(Prediction Unit(PU))に分割される。また、PUは、直交変換の処理単位となる領域(ピクチャ単位の画像の部分領域)である、トランスフォームユニット(Transform Unit(TU))に分割される。現在、HEVC方式においては、4×4及び8×8に加え、16×16及び32×32直交変換を用いることが可能である。
【0152】
インターPUにおいては、1つのCUの大きさが2N×2Nである場合、2N×2N、2N×N、N×2N、およびN×Nのいずれかの大きさに分割することが可能である。なお、上述したシーケンスパラメータセットにおいては、inter _4×4_enable_flagが定義されており、この値が0に設定されることで、4×4ブロックサイズのインターCUの使用を禁止することが可能である。
【0153】
以上のHEVC方式のように、CUを定義し、そのCUを単位として各種処理を行うような符号化方式の場合、AVC方式におけるマクロブロックはLCUに相当し、ブロック(サブブロック)はCUに相当すると考えることができる。また、AVC方式における動き補償ブロックは、PUに相当すると考えることができる。ただし、CUは、階層構造を有するので、その最上位階層のLCUのサイズは、例えば128×128画素のように、AVC方式のマクロブロックより大きく設定されることが一般的である。
【0154】
よって、以下、LCUは、AVC方式におけるマクロブロックをも含むものとし、CUは、AVC方式におけるブロック(サブブロック)をも含むものとする。
【0155】
[動きパーティションのマージ]
次に、HEVC方式におけるマージモードについて説明する。図7を参照して上述した動きベクトルの符号化方式の1つとして、さらに、図9に示されるような、Motion Partition Mergingと呼ばれる手法(マージモード)が提案されている。この手法においては、MergeFlagと、MergeLeftFlagという、2つのflagが、マージモードに関する情報であるマージ情報として伝送される。
【0156】
MergeFlag=1は、当該領域Xの動き情報が、当該領域の上に隣接する周辺領域T、若しくは、当該領域の左に隣接する周辺領域Lの動き情報と同一であることを示す。この時、マージ情報には、MergeLeftFlagが含められ、伝送される。MergeFlag=0は、当該領域Xの動き情報が、周辺領域Tおよび周辺領域Lのいずれの動き情報とも異なることを示す。この場合、当該領域Xの動き情報が伝送される。
【0157】
当該領域Xの動き情報が、周辺領域Lの動き情報と同一である場合、MergeFlag=1、かつ、MergeLeftFlag=1となる。当該領域Xの動き情報が、周辺領域Tの動き情報と同一である場合、MergeFlag=1、かつ、MergeLeftFlag=0となる。
【0158】
すなわち、マージモードにおいても、周辺のブロックから、空間予測動きベクトルと、時間予測動きベクトルが求められ、それらの中から最適な予測動きベクトルが決定される。そして、マージモードにおいては、決定された予測動きベクトルと当該ブロックの動き情報とが同一である場合にフラグ情報のみが伝送される。
【0159】
[空間予測動きベクトル(spatial predictor)]
次に、図7を参照して上述したAMVPまたは図9を参照して上述したマージモードにおいて、予測動きベクトル(predictor)の候補として、空間予測動きベクトル(spacial predictor)と時間予測動きベクトル(temporal predictor)とが生成される。そのうちの空間予測動きベクトルの生成処理について、図10を参照して説明する。
【0160】
図10の例においては、処理の対象領域であるCurrent PU(当該PU)と、当該PUに対して、所定の位置関係で隣接するPUであるA乃至Eが示されている。
【0161】
Aは、当該PUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0162】
HEVCにおいては、当該PUの空間予測動きベクトルの候補として、A乃至Eの隣接PUについて、C、D、A、B、Eの順に、以下のスキャン処理を行って、当該PUに対する空間予測動きベクトルの決定が行われる。
【0163】
スキャンの手順について説明する。まず、第1に、当該PUの動きベクトル情報と、Listも、参照フレーム情報も同じであるものが存在するか否かの探索のためのスキャンが行われる。第2に、当該PUの動きベクトル情報と、Listは異なるが、参照フレーム情報が同じであるものが存在するか否かの探索のためのスキャンが行われる。
【0164】
第3に、当該PUの動きベクトル情報と、Listは同じであるが、参照フレーム情報が異なるものが存在するか否かの探索のためのスキャンが行われる。第4に、当該PUの動きベクトル情報と、Listも、参照フレーム情報も異なるものが存在するか否かの探索のためのスキャンが行われる。
【0165】
以上の第1乃至第4のスキャンは、当該PUの動きベクトル情報と同等のものが2つ検出された時点で終了となる。すなわち、第1のスキャンで2つ検出されれば、第2以降のスキャンは行われない。このようにして検出された2つのうち最適なものが、当該PUに対する空間予測動きベクトルとして決定される。
【0166】
ところで、単一の符号化領域であるCUが、例えば、図11に示されるように、2つの予測領域であるPUで構成される場合、すなわち、CUが2N×Nに分割されている場合がある。以下、図11に示されるようなPUを、2N×N PUと称する。
【0167】
この場合においても、上述したように空間予測動きベクトルの決定が行われる。したがって、CU内において上に位置するPUに関する動きベクトル情報が確定しないと、CU内において下に位置するPUに関する動きベクトルの符号化/復号処理(すなわち、予測動きベクトルの生成)を行うことができなかった。このため、PUとPUに関する動きベクトル情報を、並列に処理できなかった。なお、CUがN×2Nに分割されている場合(すなわち、N×2N PUの場合)も同様なことがいえた。
【0168】
[本技術の空間予測動きベクトルの生成方法]
そこで、動きベクトル符号化部121においては、2N×2N PUに関しては、図10を参照して上述した空間予測動きベクトルの生成方法が適用される。
【0169】
これに対して、2N×N PUまたはN×2N PUに関しては、図12および図13に示されるように、CU内において上または左に位置する第1のPUと、CU内において下または右に位置する第2のPUで処理が異なる。
【0170】
図12のAは、PUが2N×Nの場合に、CU内において上に位置する第1のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。PUにおいては、図10を参照して上述した空間予測動きベクトルの生成方法が適用される。すなわち、当該PUに対して、以下の位置関係で隣接するPUであるA乃至Eの動きベクトル情報が候補とされて、当該PUの予測動きベクトルが決定される。
【0171】
は、当該PUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0172】
図12のBは、PUが2N×Nの場合に、CU内において下に位置する第2のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。当該PUの場合、当該PUに対して以下の位置関係で隣接するPUであるA、D、およびEと、CUにおいて当該PUの上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するBおよびCの動きベクトル情報が用いられる。
【0173】
は、当該PUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に位置するPUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの上に位置する当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0174】
すなわち、当該PUについては、Bに相当するPUは、PUということになるので、当該PUの処理を行うとき、PUの処理が終了するのを待たなければならず、並列処理を行う妨げとなる。そこで、当該PUの隣接領域として、Bの代わりに、Bが設定される。なお、さらに、当該PUの隣接領域として、Bに隣接するCの代わりに、Bに隣接するCを設定するようにしてもよい。
【0175】
図13のAは、PUがN×2Nの場合に、CU内において左に位置する第1のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。PUにおいては、図10を参照して上述した空間予測動きベクトルの生成方法が適用される。すなわち、当該PUに対して、以下の位置関係で隣接するPUであるA乃至Eの動きベクトル情報が候補とされて、当該PUの予測動きベクトルが決定される。
【0176】
は、当該PUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0177】
図13のBは、PUが2N×Nの場合に、CU内において右に位置する第2のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。当該PUの場合、当該PUに対して以下の位置関係で隣接するPUであるB、C、およびEと、CUにおいて当該PUの上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するAおよびDの動きベクトル情報が用いられる。
【0178】
は、当該PUの上に位置するPUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの上に位置するPUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0179】
すなわち、当該PUについては、Aに相当するPUは、PUということになるので、当該PUの処理を行うとき、PUの処理が終了するのを待たなければならず、並列処理を行う妨げとなる。そこで、当該PUの隣接領域として、Aの代わりに、Aが設定される。なお、さらに、当該PUの隣接領域として、Aに隣接するDの代わりに、Aに隣接するDを設定するようにしてもよい。
【0180】
以上のように、PUのサイズ(2N×N,N×2N,2N×2N)に応じて、隣接領域を設定することにより、CU内における複数のPUでの動きベクトルを用いた並列処理を行うことができるようになり、処理効率を向上することができる。
【0181】
なお、HEVCにおいては、CUサイズが4×4の場合のみ、N×N PUによる予測が可能である。ただし、これは、シーケンスパラメータセットにおけるinter_4×4_enable_flagの値が1であるときに限る。
【0182】
この場合の空間予測動きベクトルの生成は、CU内における位置に応じて、図14に示されるように行われる。
【0183】
図14のAは、PUがN×Nの場合に、CU内において左上に位置する第1のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。PUにおいては、図10を参照して上述した空間予測動きベクトルの生成方法が適用される。すなわち、当該PUに対して、以下の位置関係で隣接するPUであるA乃至Eの動きベクトル情報が候補とされて、当該PUの予測動きベクトルが決定される。
【0184】
は、当該PUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0185】
図14のBは、PUがN×Nの場合に、CU内において右上に位置する第2のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。当該PUの場合、当該PUに対して以下の位置関係で隣接するPUであるB、C、およびEと、CUにおいて当該PUの上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するAおよびDの動きベクトル情報が用いられる。
【0186】
は、当該PUの上に位置するPUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの上に位置するPUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0187】
すなわち、図14のBの例は、図13のBの例と同じであり、当該PUについては、Aに相当するPUは、PUということになるので、当該PUの処理を行うとき、PUの処理が終了するのを待たなければならず、並列処理を行う妨げとなる。そこで、当該PUの隣接領域として、Aの代わりに、Aが設定される。なお、さらに、当該PUの隣接領域として、Aに隣接するDの代わりに、Aに隣接するDを設定するようにしてもよい。
【0188】
図14のCは、PUがN×Nの場合に、CU内において左下に位置する第2のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。当該PUの場合、当該PUに対して以下の位置関係で隣接するPUであるA、D、およびEと、CUにおいて当該PUの上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するBおよびCの動きベクトル情報が用いられる。
【0189】
は、当該PUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に位置するPUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの上に位置する当該PUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に隣接するPUである。
【0190】
すなわち、図14のCの例は、図12のBの例と同じであり、当該PUについては、Bに相当するPUは、PUということになるので、当該PUの処理を行うとき、PUの処理が終了するのを待たなければならず、並列処理を行う妨げとなる。そこで、当該PUの隣接領域として、Bの代わりに、Bが設定される。なお、さらに、当該PUの隣接領域として、Bに隣接するCの代わりに、Bに隣接するCを設定するようにしてもよい。
【0191】
図14のDは、PUがN×Nの場合に、CU内において右下に位置する第2のPUであるPUの空間予測ベクトルの生成で参照される隣接領域を示す図である。当該PUの場合、CUにおいて当該PUの左に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するPUであるA、およびDが用いられる。また、CUにおいて当該PUの上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するBおよびCの動きベクトル情報が用いられる。さらに、CUにおいて当該PUの左上に位置するPUに対して以下の位置関係で隣接するEの動きベクトル情報が用いられる。
【0192】
は、当該PUの左に位置するPUの左に隣接するPUのうち、1番下に位置するPUである。Bは、当該PUの上に位置するPUの上に隣接するPUのうち、1番左に位置するPUである。Cは、当該PUの上に位置するPUの右上に隣接するPUであり、Bの左に隣接するPUである。Dは、当該PUの左に位置するPUの左下に隣接するPUであり、Aの下に隣接するPUである。Eは、当該PUの左上に位置するPUの左上に隣接するPUである。
【0193】
すなわち、図14のDの例は、図12のBの例と図13のBの例を含む例であり、当該PUについては、Bに相当するPUは、PUということになり、Aに相当するPUは、PUということになり、Eに相当するPUは、PUということになる。このため、当該PUの処理を行うとき、PU、PU、およびPUの処理が終了するのを待たなければならず、並列処理を行う妨げとなる。
【0194】
そこで、当該PUの隣接領域として、Bの代わりにBが設定され、Aの代わりにAが設定され、Eの代わりにEが設定される。なお、さらに、当該PUの隣接領域として、Bに隣接するCの代わりに、Bに隣接するCを設定し、Aに隣接するDの代わりに、Aに隣接するDを設定するようにしてもよい。
【0195】
以上のように、PUがN×Nの場合にも、本技術は適用することができる。
【0196】
さらに、HEVCにおいては、図15に示されるように、CUを構成する複数のPUのサイズがそれぞれ異なるAMP(Asymmetric Motion Partition)が定められている。本技術は、このAMPの場合にも適用することが可能である。
【0197】
[動きベクトル符号化部の構成例]
図16は、動きベクトル符号化部121の主な構成例を示すブロック図である。
【0198】
図16の例の動きベクトル符号化部121は、空間隣接動きベクトルバッファ151、時間隣接動きベクトルバッファ152、候補予測動きベクトル生成部153、コスト関数値算出部154、および最適予測動きベクトル決定部155を含むように構成される。
【0199】
動き予測・補償部115から、決定された最適予測モードの動きベクトルの情報が、空間隣接動きベクトルバッファ151、および時間隣接動きベクトルバッファ152に供給される。また、動き予測・補償部115により探索された各予測モードの動きベクトルの情報は、コスト関数値算出部154に供給される。
【0200】
ここで、並列処理制御部122は、動き予測・補償部115からのPUサイズの情報を参照し、符号化領域における予測領域の位置に応じて、対象PUの空間隣接PUを設定する制御信号(アドレスなど)を、空間隣接動きベクトルバッファ151に供給する。これにより、動きベクトル符号化部121を構成する各部は、符号化領域(CU)が複数の予測領域(PU)で構成される場合、対象予測領域の予測動きベクトル生成処理を並列で行う。
【0201】
空間隣接動きベクトルバッファ151は、ラインバッファで構成される。空間隣接動きベクトルバッファ151は、動き予測・補償部115からの動きベクトル情報を、空間的に隣接する空間隣接領域の動きベクトルの情報として蓄積する。空間隣接動きベクトルバッファ151は、当該PUに空間的に隣接する空間隣接PUに対して求められた動きベクトルを示す情報を読み出す。このとき、空間隣接動きベクトルバッファ151は、並列処理制御部122からの制御信号(アドレス)が示すPUの動きベクトルを示す情報を読み出す。空間隣接動きベクトルバッファ151は、読み出した情報(空間隣接動きベクトル情報)を、候補予測動きベクトル生成部153に供給する。
【0202】
時間隣接動きベクトルバッファ152は、メモリで構成される。時間隣接動きベクトルバッファ152は、動き予測・補償部115からの動きベクトル情報を、時間的に隣接する時間隣接領域の動きベクトルの情報として蓄積する。なお、時間的に隣接する領域とは、時間軸上異なるピクチャにおいて、当該領域(当該PU)と同じ空間上のアドレスにある領域(すなわち、Co-located PU)のことである。
【0203】
時間隣接動きベクトルバッファ152は、当該PUに時間的に隣接する時間隣接PUに対して求められた動きベクトルを示す情報を読み出し、読み出した情報(時間隣接動きベクトル情報)を、候補予測動きベクトル生成部153に供給する。
【0204】
候補予測動きベクトル生成部153は、図7または図9を参照して上述したAMVPまたはマージモードによる方法に基づき、空間隣接動きベクトルバッファ151からの空間隣接動きベクトル情報を参照して、当該PUの候補となる空間予測動きベクトルを生成する。候補予測動きベクトル生成部153は、生成した空間予測動きベクトルを示す情報を、候補予測動きベクトル情報として、コスト関数値算出部154に供給する。
【0205】
候補予測動きベクトル生成部153は、AMVPまたはマージモードによる方法に基づいて、時間隣接動きベクトルバッファ152からの時間隣接動きベクトル情報を参照して、当該PUの候補となる時間予測動きベクトルを生成する。候補予測動きベクトル生成部153は、生成した時間予測動きベクトルの情報を、候補予測動きベクトル情報として、コスト関数値算出部154に供給する。
【0206】
コスト関数値算出部154は、各候補予測動きベクトルに関するコスト関数値を算出し、算出したコスト関数値を、候補予測動きベクトル情報とともに最適予測動きベクトル決定部155に供給する。
【0207】
最適予測動きベクトル決定部155は、コスト関数値算出部154からのコスト関数値を最小とする候補予測動きベクトルを、当該PUに対する最適予測動きベクトルであるとして、その情報を、動き予測・補償部115に供給する。
【0208】
なお、動き予測・補償部115は、最適予測動きベクトル決定部155からの最適予測動きベクトルの情報を用い、動きベクトルとの差分である差分動きベクトルを生成して、各予測モードについてコスト関数値を算出する。動き予測・補償部115は、そのうち、コスト関数値を最小とする予測モードを、インター最適予測モードに決定する。
【0209】
動き予測・補償部115は、インター最適予測モードの予測画像を、予測画像選択部116に供給する。動き予測・補償部115は、インター最適予測モードの動きベクトルを、空間隣接動きベクトルバッファ151、および時間隣接動きベクトルバッファ152に供給する。また、動き予測・補償部115は、生成した差分動きベクトル情報を、可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
【0210】
[符号化処理の流れ]
次に、以上のような画像符号化装置100により実行される各処理の流れについて説明する。最初に、図17のフローチャートを参照して、符号化処理の流れの例を説明する。
【0211】
ステップS101において、A/D変換部101は入力された画像をA/D変換する。ステップS102において、画面並べ替えバッファ102は、A/D変換された画像を記憶し、各ピクチャの表示する順番から符号化する順番への並べ替えを行う。ステップS103において、イントラ予測部114は、イントラ予測モードのイントラ予測処理を行う。
【0212】
ステップS104において、動き予測・補償部115、動きベクトル符号化部121、および並列処理制御部122は、インター予測モードでの動き予測や動き補償を行うインター動き予測処理を行う。このインター動き予測処理についての詳細は、図18を参照して後述する。
【0213】
ステップS104の処理により、当該PUの動きベクトルが探索され、当該PUの各予測動きベクトルが生成される。予測動きベクトルのうち、空間予測動きベクトルについては、CUが複数のPUで構成される場合、CUにおけるPUの位置に応じて設定された空間隣接PUの動きベクトル情報が候補とされて、空間予測動きベクトルが生成される。そして、生成された時間予測動きベクトルおよび空間予測動きベクトルから、当該PUに最適な予測動きベクトルが決定され、最適インター予測モードが決定され、最適インター予測モードの予測画像が生成される。
【0214】
決定された最適インター予測モードの予測画像とコスト関数値は、動き予測・補償部115から予測画像選択部116に供給される。また、決定された最適インター予測モードの情報や最適とされた予測動きベクトルに関する情報、予測動きベクトルと動きベクトルの差分を示す情報も、可逆符号化部106に供給され、後述するステップS114において、可逆符号化される。
【0215】
ステップS105において、予測画像選択部116は、イントラ予測部114および動き予測・補償部115から出力された各コスト関数値に基づいて、最適なモードを決定する。つまり、予測画像選択部116は、イントラ予測部114により生成された予測画像と、動き予測・補償部115により生成された予測画像のいずれか一方を選択する。
【0216】
ステップS106において、演算部103は、ステップS102の処理により並び替えられた画像と、ステップS105の処理により選択された予測画像との差分を演算する。差分データは元の画像データに較べてデータ量が低減される。したがって、画像をそのまま符号化する場合に較べて、データ量を圧縮することができる。
【0217】
ステップS107において、直交変換部104は、ステップS106の処理により生成された差分情報を直交変換する。具体的には、離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換が行われ、変換係数が出力される。
【0218】
ステップS108において、量子化部105は、レート制御部117からの量子化パラメータを用いて、ステップS107の処理により得られた直交変換係数を量子化する。
【0219】
ステップS108の処理により量子化された差分情報は、次のようにして局部的に復号される。すなわち、ステップS109において、逆量子化部108は、ステップS108の処理により生成された量子化された直交変換係数(量子化係数とも称する)を量子化部105の特性に対応する特性で逆量子化する。ステップS110において、逆直交変換部109は、ステップS109の処理により得られた直交変換係数を、直交変換部104の特性に対応する特性で逆直交変換する。
【0220】
ステップS111において、演算部110は、予測画像を局部的に復号された差分情報に加算し、局部的に復号された画像(演算部103への入力に対応する画像)を生成する。ステップS112においてデブロックフィルタ111は、ステップS111の処理により得られた局部的な復号画像に対して、デブロックフィルタ処理を適宜行う。
【0221】
ステップS113において、フレームメモリ112は、ステップS112の処理によりデブロックフィルタ処理が施された復号画像を記憶する。なお、フレームメモリ112にはデブロックフィルタ111によりフィルタ処理されていない画像も演算部110から供給され、記憶される。
【0222】
ステップS114において、可逆符号化部106は、ステップS108の処理により量子化された変換係数を符号化する。すなわち、差分画像に対して、可変長符号化や算術符号化等の可逆符号化が行われる。
【0223】
また、このとき、可逆符号化部106は、ステップS105の処理により選択された予測画像の予測モードに関する情報を符号化し、差分画像を符号化して得られる符号化データに付加する。つまり、可逆符号化部106は、イントラ予測部114から供給される最適イントラ予測モード情報、または、動き予測・補償部115から供給される最適インター予測モードに応じた情報なども符号化し、符号化データに付加する。
【0224】
なお、ステップS106の処理によりインター予測モードの予測画像が選択された場合には、ステップS105において算出された差分動きベクトルの情報や予測動きベクトルのインデックスを示すフラグも符号化される。
【0225】
ステップS115において蓄積バッファ107は、ステップS114の処理により得られた符号化データを蓄積する。蓄積バッファ107に蓄積された符号化データは、適宜読み出され、伝送路や記録媒体を介して復号側に伝送される。
【0226】
ステップS116においてレート制御部117は、ステップS115の処理により蓄積バッファ107に蓄積された符号化データの符号量(発生符号量)に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部105の量子化動作のレートを制御する。
【0227】
ステップS116の処理が終了すると、符号化処理が終了される。
【0228】
[インター動き予測処理の流れ]
次に、図18のフローチャートを参照して、図17のステップS104において実行されるインター動き予測処理の流れの例を説明する。
【0229】
ステップS151において、動き予測・補償部115は、各インター予測モードについて動き探索を行う。動き予測・補償部115により探索された動きベクトル情報は、コスト関数値算出部154に供給される。
【0230】
ステップS152において、候補予測動きベクトル生成部153は、図7または図9を参照して上述したAMVPまたはマージモードによる方法に基づいて、当該PUの候補となる予測動きベクトルを生成する。予測動きベクトル生成処理の詳細な説明は、図19を参照して後述される。
【0231】
ステップS152の処理により、空間隣接動きベクトルバッファ151からの空間隣接動きベクトル情報を参照して、当該PUの候補となる空間予測動きベクトルが生成される。このとき、CUが複数のPUで構成される場合、CUにおけるPUの位置に応じて設定された空間隣接PUの動きベクトル情報が候補とされて、空間予測動きベクトルが生成される。また、時間隣接動きベクトルバッファ152からの時間隣接動きベクトル情報を参照して、当該PUの候補となる時間予測動きベクトルが生成される。
【0232】
生成された空間予測動きベクトルおよび調整された時間予測動きベクトルのうち、最適なものが、最適予測動きベクトルとして決定されて、動き予測・補償部115に供給される。
【0233】
動き予測・補償部115は、ステップS153において、各インター予測モードに関するコスト関数値を算出する。
【0234】
すなわち、動き予測・補償部115は、最適予測動きベクトル決定部155からの最適予測動きベクトルと、動きベクトルとの差分である差分動きベクトルを生成する。そして、動き予測・補償部115は、生成した差分動きベクトル情報や、画面並べ替えバッファ102からの入力画像などを用いて、上述した式(15)または式(16)により、各インター予測モードに関するコスト関数値を算出する。なお、マージモードの場合には差分動きベクトルは生成されない。
【0235】
ステップS154において、動き予測・補償部115は、各予測モードのうち、コスト関数値を最小とする予測モードを、最適インター予測モードに決定する。動き予測・補償部115は、ステップS155において、最適インター予測モードの予測画像を生成し、予測画像選択部116に供給する。
【0236】
ステップS156において、動き予測・補償部115は、最適インター予測モードに関する情報を、可逆符号化部106に供給し、最適インター予測モードに関する情報を符号化させる。
【0237】
なお、最適インター予測モードに関する情報は、例えば、最適インター予測モードの情報、最適インター予測モードの差分動きベクトル情報、最適インター予測モードの参照ピクチャ情報、および予測動きベクトルに関する情報などである。予測動きベクトルに関する情報には、例えば、予測動きベクトルのインデックスを示すフラグなどが含まれる。
【0238】
ステップS156の処理に対応して、供給されたこれらの情報は、図17のステップS114において、符号化される。
【0239】
[予測動きベクトル生成処理の流れ]
次に、図19のフローチャートを参照して、図18のステップS152の予測動きベクトル生成処理について説明する。なお、図19の例においては、空間予測動きベクトルの生成処理についてのみ記載されるが、実際には、時間予測動きベクトル情報も生成され、コスト関数値が算出されて、その中から、最適予測動きベクトルが決定される。また、図19の例においては、N×N PUについての記載は省略されている。
【0240】
動き予測・補償部115から、処理対象のPUのパーティションサイズ(2N×2N PU)を示す情報が並列処理制御部122に供給される。
【0241】
ステップS171において、並列処理制御部122は、2N×2N PUに対して、動きベクトル情報が参照される隣接領域を設定する。並列処理制御部122は、例えば、図10に示されるA,B,C,D,Eを隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ151に供給する。
【0242】
空間隣接動きベクトルバッファ151は、並列処理制御部122からの制御信号(アドレス)が示すPUの動きベクトルを示す情報を読み出し、読み出した動きベクトルを示す情報を、候補予測動きベクトル生成部153に供給する。
【0243】
ステップS172において、候補予測動きベクトル生成部153は、2N×2N PUに対する空間予測動きベクトルを生成し、決定する。
【0244】
すなわち、候補予測動きベクトル生成部153は、図10のA,B,C,D,Eの空間隣接動きベクトル情報を参照して、スキャン処理を行い、2N×2N PUの候補となる空間予測動きベクトルを生成して、決定する。候補予測動きベクトル生成部153は、決定した空間予測動きベクトルの情報を、候補予測動きベクトル情報として、コスト関数値算出部154に供給する。
【0245】
ステップS173において、コスト関数値算出部154は、2N×2N PUの候補予測動きベクトルに関するコスト関数値を算出し、算出したコスト関数値を、候補予測動きベクトルの情報とともに最適予測動きベクトル決定部155に供給する。
【0246】
動き予測・補償部115から、処理対象のPUのパーティションサイズ(2N×N/N×2N PU)を示す情報が並列処理制御部122に供給される。
【0247】
ステップS174において、並列処理制御部122は、並列処理で、2N×N/N×2N PUに対して、動きベクトル情報が参照される隣接領域を設定する。
【0248】
2N×N PUの場合、第1のPUであるPUに対して、並列処理制御部122は、例えば、図12のAに示されるA,B,C,D,Eを隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ151に供給する。これと並列して、第2のPUであるPU1に対して、並列処理制御部122は、例えば、図12のBに示されるA1,B,C,D1,E1を隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ151に供給する。
【0249】
N×2N PUの場合、第1のPUであるPUに対して、並列処理制御部122は、例えば、図13のAに示されるA,B,C,D,Eを隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ151に供給する。これと並列して、第2のPUであるPU1に対して、並列処理制御部122は、例えば、図13のBに示されるA,B,C,D,E1を隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ151に供給する。
【0250】
空間隣接動きベクトルバッファ151は、並列処理制御部122からの制御信号(アドレス)が示すPUの動きベクトルを示す情報を読み出し、読み出した動きベクトルを示す情報を、候補予測動きベクトル生成部153に供給する。
【0251】
ステップS175において、候補予測動きベクトル生成部153は、並列処理で、2N×N/N×2N PUに対する空間予測動きベクトルを生成し、決定する。
【0252】
すなわち、2N×N PUの場合、候補予測動きベクトル生成部153は、図12のAのA,B,C,D,Eの空間隣接動きベクトル情報を参照して、スキャン処理を行い、2N×N PUの候補となる空間予測動きベクトルを生成して、決定する。これと並列して、候補予測動きベクトル生成部153は、図12のBのA,B,C,D,Eの空間隣接動きベクトル情報を参照して、スキャン処理を行い、2N×N PUの候補となる空間予測動きベクトルを生成して、決定する。
【0253】
N×2N PUの場合、候補予測動きベクトル生成部153は、図13のAのA,B,C,D,Eの空間隣接動きベクトル情報を参照して、スキャン処理を行い、N×2N PUの候補となる空間予測動きベクトルを生成して、決定する。これと並列して、候補予測動きベクトル生成部153は、図13のBのA,B,C,D,Eの空間隣接動きベクトル情報を参照して、スキャン処理を行い、N×2N PUの候補となる空間予測動きベクトルを生成して、決定する。
【0254】
候補予測動きベクトル生成部153は、決定した空間予測動きベクトルの情報を、候補予測動きベクトル情報として、コスト関数値算出部154に供給する。
【0255】
ステップS176において、コスト関数値算出部154は、2N×N/N×2N PUの候補予測動きベクトルに関するコスト関数値を算出し、算出したコスト関数値を、候補予測動きベクトルの情報とともに最適予測動きベクトル決定部155に供給する。
【0256】
ステップS177において、最適予測動きベクトル決定部155は、候補予測動きベクトルの中から、最適予測動きベクトルを決定する。すなわち、最適予測動きベクトル決定部155は、コスト関数値算出部154からのコスト関数値を最小とする候補予測動きベクトルを、当該PUに対する最適予測動きベクトルに決定し、その情報を、動き予測・補償部115に供給する。
【0257】
以上のように、画像符号化装置100においては、符号化領域(CU)が複数の予測領域(PU)で構成される場合、符号化領域における予測領域の位置に応じて、動きベクトルを参照する隣接領域が設定される。これにより、PUの予測動きベクトル生成処理を並列で行うことができ、処理効率を向上させることができる。
【0258】
<2.第2の実施の形態>
[画像復号装置]
次に、以上のように符号化された符号化データ(符号化ストリーム)の復号について説明する。図20は、図1の画像符号化装置100に対応する画像復号装置の主な構成例を示すブロック図である。
【0259】
図20に示される画像復号装置200は、画像符号化装置100が生成した符号化データを、その符号化方法に対応する復号方法で復号する。なお、画像復号装置200は、画像符号化装置100と同様に、プレディクションユニット(PU)毎にインター予測を行うものとする。
【0260】
図20に示されるように画像復号装置200は、蓄積バッファ201、可逆復号部202、逆量子化部203、逆直交変換部204、演算部205、デブロックフィルタ206、画面並べ替えバッファ207、およびD/A変換部208を有する。また、画像復号装置200は、フレームメモリ209、選択部210、イントラ予測部211、動き予測・補償部212、および選択部213を有する。
【0261】
さらに、画像復号装置200は、動きベクトル復号部221、および並列処理制御部222を有する。
【0262】
蓄積バッファ201は、伝送されてきた符号化データを受け取る受け取り部でもある。蓄積バッファ201は、伝送されてきた符号化データを受け取って、蓄積し、所定のタイミングにおいてその符号化データを可逆復号部202に供給する。符号化データには、予測モード情報、動きベクトル差分情報、および予測動きベクトル情報などの復号に必要な情報が付加されている。可逆復号部202は、蓄積バッファ201より供給された、図1の可逆符号化部106により符号化された情報を、可逆符号化部106の符号化方式に対応する方式で復号する。可逆復号部202は、復号して得られた差分画像の量子化された係数データを、逆量子化部203に供給する。
【0263】
また、可逆復号部202は、最適な予測モードにイントラ予測モードが選択されたかインター予測モードが選択されたかを判定する。可逆復号部202は、その最適な予測モードに関する情報を、イントラ予測部211および動き予測・補償部212の内、選択されたと判定したモードの方に供給する。つまり、例えば、画像符号化装置100において最適な予測モードとしてインター予測モードが選択された場合、その最適な予測モードに関する情報が動き予測・補償部212に供給される。
【0264】
さらに、可逆復号部202は、動きベクトル差分情報、および予測動きベクトル情報などの動きベクトルの復号に必要な情報を、動きベクトル復号部221に供給する。なお、図20においては図示されていないが、可逆復号部202からのPUのパーティションサイズ情報は、並列処理制御部222に供給される。
【0265】
逆量子化部203は、可逆復号部202により復号されて得られた量子化された係数データを、図1の量子化部105の量子化方式に対応する方式で逆量子化し、得られた係数データを逆直交変換部204に供給する。
【0266】
逆直交変換部204は、図1の直交変換部104の直交変換方式に対応する方式で逆量子化部203から供給される係数データを逆直交変換する。逆直交変換部204は、この逆直交変換処理により、画像符号化装置100において直交変換される前の残差データに対応する復号残差データを得る。逆直交変換されて得られた復号残差データは、演算部205に供給される。また、演算部205には、選択部213を介して、イントラ予測部211若しくは動き予測・補償部212から予測画像が供給される。
【0267】
演算部205は、その復号残差データと予測画像とを加算し、画像符号化装置100の演算部103により予測画像が減算される前の画像データに対応する復号画像データを得る。演算部205は、その復号画像データをデブロックフィルタ206に供給する。
【0268】
デブロックフィルタ206は、供給された復号画像に対して、デブロックフィルタ処理を適宜施し、それを画面並べ替えバッファ207に供給する。デブロックフィルタ206は、ループフィルタ206は、復号画像に対してデブロックフィルタ処理を行うことにより復号画像のブロック歪を除去する。
【0269】
デブロックフィルタ206は、フィルタ処理結果(フィルタ処理後の復号画像)を画面並べ替えバッファ207およびフレームメモリ209に供給する。なお、演算部205から出力される復号画像は、デブロックフィルタ206を介さずに画面並べ替えバッファ207やフレームメモリ209に供給することができる。つまり、デブロックフィルタ206によるフィルタ処理は省略することができる。
【0270】
画面並べ替えバッファ207は、画像の並べ替えを行う。すなわち、図1の画面並べ替えバッファ102により符号化の順番のために並べ替えられたフレームの順番が、元の表示の順番に並べ替えられる。D/A変換部208は、画面並べ替えバッファ207から供給された画像をD/A変換し、図示せぬディスプレイに出力し、表示させる。
【0271】
フレームメモリ209は、供給される復号画像を記憶し、所定のタイミングにおいて、若しくは、イントラ予測部211や動き予測・補償部212等の外部の要求に基づいて、記憶している復号画像を参照画像として、選択部210に供給する。
【0272】
選択部210は、フレームメモリ209から供給される参照画像の供給先を選択する。選択部210は、イントラ符号化された画像を復号する場合、フレームメモリ209から供給される参照画像をイントラ予測部211に供給する。また、選択部210は、インター符号化された画像を復号する場合、フレームメモリ209から供給される参照画像を動き予測・補償部212に供給する。
【0273】
イントラ予測部211には、ヘッダ情報を復号して得られたイントラ予測モードを示す情報等が可逆復号部202から適宜供給される。イントラ予測部211は、図1のイントラ予測部114において用いられたイントラ予測モードで、フレームメモリ209から取得した参照画像を用いてイントラ予測を行い、予測画像を生成する。イントラ予測部211は、生成した予測画像を選択部213に供給する。
【0274】
動き予測・補償部212は、ヘッダ情報を復号して得られた情報(最適予測モード情報、参照画像情報等)を可逆復号部202から取得する。
【0275】
動き予測・補償部212は、可逆復号部202から取得された最適予測モード情報が示すインター予測モードで、フレームメモリ209から取得した参照画像を用いてインター予測を行い、予測画像を生成する。なお、このとき、動き予測・補償部212は、動きベクトル復号部221により再構築された動きベクトル情報を用いて、インター予測を行う。
【0276】
選択部213は、イントラ予測部211からの予測画像または動き予測・補償部212からの予測画像を、演算部205に供給する。そして、演算部205においては、動きベクトルが用いられて生成された予測画像と逆直交変換部204からの復号残差データ(差分画像情報)とが加算されて元の画像が復号される。すなわち、動き予測・補償部212、可逆復号部202、逆量子化部203、逆直交変換部204、演算部205は、動きベクトルを用いて、符号化データを復号し、元の画像を生成する復号部でもある。
【0277】
動きベクトル復号部221は、ヘッダ情報を復号して得られた情報のうち、予測動きベクトルのインデックスの情報と差分動きベクトルの情報を可逆復号部202から取得する。ここで、予測動きベクトルのインデックスとは、それぞれのPUに対して、時空間に隣接する隣接領域のうち、どの隣接領域の動きベクトルにより動きベクトルの予測処理(予測動きベクトルの生成)が行われているかを示す情報である。差分動きベクトルに関する情報は、差分動きベクトルの値を示す情報である。
【0278】
動きベクトル復号部221は、予測動きベクトルが時間予測動きベクトルである場合、予測動きベクトルのインデックスが示す隣接PUの動きベクトルを用いて、予測動きベクトルを再構築する。予測動きベクトルが空間予測動きベクトルである場合、動きベクトル復号部221は、並列処理制御部122からの制御信号が指定する隣接PUのうち、予測動きベクトルのインデックスが示す隣接PUの動きベクトルを用いて、予測動きベクトルを再構築する。
【0279】
動きベクトル復号部221は、再構築した予測動きベクトルと、可逆復号部202からの差分動きベクトルを加算することで、動きベクトルを再構築する。
【0280】
並列処理制御部222は、図1の並列処理制御部122と基本的に同様に構成され、対象PUの空間隣接PUを設定する。並列処理制御部222は、特に、符号化領域(CU)が複数の予測領域(PU)で構成される場合、対象予測領域の予測動きベクトル生成処理を並列で行うように、対象PUの空間隣接PUを設定する。なお、対象PUの空間隣接PUを設定することは、予測動きベクトルの生成に用いられる、対象PUの空間隣接PUの動きベクトルを設定することと同義である。
【0281】
具体的には、並列処理制御部222は、動き予測・補償部212からのPUサイズの情報を参照し、符号化領域における予測領域の位置に応じて、対象PUの空間隣接PUを設定する制御信号(アドレスなど)を、動きベクトル復号部221に供給する。
【0282】
なお、動きベクトル復号部221および並列処理制御部222における、本技術に関連する基本的な動作原理は、図1の動きベクトル符号化部121および並列処理制御部122と同様である。ただし、図1の画像符号化装置100においては、候補となるPUとして、2N×NおよびN×2Nがあり、その空間予測動きベクトルの生成を行う場合、本技術による方法が適用される。
【0283】
一方、図20の画像復号装置200においては、当該PUに対して、どのような予測動きベクトルが決定されたかに関する情報が、符号化側から伝送されている。その符号化の際に、CUが、2N×N/N×2N PUにより符号化されており、空間予測動きベクトルが適用されている場合、本技術による方法が適用される。
【0284】
[動きベクトル復号部の構成例]
図21は、動きベクトル復号部221の主な構成例を示すブロック図である。
【0285】
図21の例において、動きベクトル復号部221は、予測動きベクトル情報バッファ251、差分動きベクトル情報バッファ252、予測動きベクトル再構築部253、および動きベクトル再構築部254を含むように構成される。動きベクトル復号部221は、さらに、空間隣接動きベクトルバッファ255、および時間隣接動きベクトルバッファ256も含むように構成される。
【0286】
予測動きベクトル情報バッファ251は、可逆復号部202により復号された対象領域(PU)の予測動きベクトルのインデックスなどを含む情報(以下、予測動きベクトルの情報と称する)を蓄積する。予測動きベクトル情報バッファ251は、当該PUの予測動きベクトル情報を読み出し、読み出した情報を、予測動きベクトル再構築部253に供給する。
【0287】
差分動きベクトル情報バッファ252は、可逆復号部202により復号された対象領域(PU)の差分動きベクトルの情報を蓄積する。差分動きベクトル情報バッファ252は、対象PUの差分動きベクトルの情報を読み出し、読み出した情報を、動きベクトル再構築部254に供給する。
【0288】
予測動きベクトル再構築部253は、予測動きベクトル情報バッファ251からの情報が示す当該PUの予測動きベクトルが、空間予測動きベクトルであるか、時間予測動きベクトルであるかを判定する。
【0289】
当該PUの予測動きベクトルが、時間予測動きベクトルである場合、予測動きベクトル再構築部253は、時間隣接動きベクトルバッファ256に、予測動きベクトル情報バッファ251からの情報が示す当該PUの動きベクトル情報を読み出させる。そして、予測動きベクトル再構築部253は、読み出された動きベクトル情報を用い、AMVPまたはマージモードによる方法に基づいて、当該PUの予測動きベクトルを生成して、再構築する。予測動きベクトル再構築部253は、再構築した予測動きベクトルの情報を、動きベクトル再構築部254に供給する。
【0290】
当該PUの予測動きベクトルが、空間予測動きベクトルである場合、予測動きベクトル再構築部253は、空間隣接動きベクトルバッファ255に、予測動きベクトル情報バッファ251からのインデックスが示す当該PUの動きベクトル情報を読み出させる。そして、予測動きベクトル再構築部253は、読み出された動きベクトル情報を用い、AMVPまたはマージモードによる方法に基づいて、当該PUの予測動きベクトルを生成して、再構築する。予測動きベクトル再構築部253は、再構築した予測動きベクトルの情報を、動きベクトル再構築部254に供給する。
【0291】
動きベクトル再構築部254は、差分動きベクトル情報バッファ252からの情報が示す当該PUの差分動きベクトルと、予測動きベクトル再構築部253からの当該PUの予測動きベクトルとを加算することで、動きベクトルを再構築する。動きベクトル再構築部254は、再構築された動きベクトルの情報を、動き予測・補償部212、空間隣接動きベクトルバッファ255、および時間隣接動きベクトルバッファ256に供給する。
【0292】
なお、動き予測・補償部212は、この動きベクトル再構築部254により再構築された動きベクトルを用いて、可逆復号部202から取得された最適予測モード情報が示すインター予測モードで、参照画像を用いてインター予測を行い、予測画像を生成する。
【0293】
ここで、並列処理制御部222は、可逆復号部202からのPUのパーティションサイズの情報を参照し、符号化領域における予測領域の位置に応じて、対象PUの空間隣接PUを設定する制御信号(アドレスなど)を、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。これにより、動きベクトル復号部221を構成する各部は、符号化領域(CU)が複数の予測領域(PU)で構成される場合、対象予測領域の予測動きベクトル生成処理を並列で行う。
【0294】
空間隣接動きベクトルバッファ255は、図16の空間隣接動きベクトルバッファ151と同様に、ラインバッファで構成されている。空間隣接動きベクトルバッファ255は、動きベクトル再構築部254により再構築された動きベクトル情報を、同じピクチャ内の以降のPUの予測動きベクトル情報のための空間隣接動きベクトル情報として蓄積する。空間隣接動きベクトルバッファ255は、並列処理制御部122からの制御信号(アドレス)が示すPUのうち、予測動きベクトル再構築部253からのインデックスが対応するPUの動きベクトル情報を読み出す。
【0295】
時間隣接動きベクトルバッファ256は、図16の時間隣接動きベクトルバッファ152と同様に、メモリで構成されている。時間隣接動きベクトルバッファ256は、動きベクトル再構築部254により再構築された動きベクトル情報を、異なるピクチャのPUの予測動きベクトル情報のための時間隣接動きベクトル情報として蓄積する。時間隣接動きベクトルバッファ256は、予測動きベクトル再構築部253からのインデックスが対応するPUの動きベクトル情報を読み出す。
【0296】
[復号処理の流れ]
次に、以上のような画像復号装置200により実行される各処理の流れについて説明する。最初に、図22のフローチャートを参照して、復号処理の流れの例を説明する。
【0297】
復号処理が開始されると、ステップS201において、蓄積バッファ201は、伝送されてきた符号化ストリームを蓄積する。ステップS202において、可逆復号部202は、蓄積バッファ201から供給される符号化ストリーム(符号化された差分画像情報)を復号する。すなわち、図1の可逆符号化部106により符号化されたIピクチャ、Pピクチャ、並びにBピクチャが復号される。
【0298】
このとき、ヘッダ情報などの符号化ストリームに含められた差分画像情報以外の各種情報も復号される。可逆復号部202は、例えば、予測モード情報、差分動きベクトルの情報、および予測動きベクトルのインデックスを含む情報などを取得する。可逆復号部202は、取得した情報を、対応する部に供給する。
【0299】
ステップS203において、逆量子化部203は、ステップS202の処理により得られた、量子化された直交変換係数を逆量子化する。なお、この逆量子化処理には、後述するステップS208の処理により得られる量子化パラメータが用いられる。ステップS204において逆直交変換部204は、ステップS203において逆量子化された直交変換係数を逆直交変換する。
【0300】
ステップS205において、可逆復号部202は、ステップS202において復号した最適な予測モードに関する情報に基づいて、処理対象の符号化データがイントラ符号化されているか否かを判定する。イントラ符号化されていると判定された場合、処理は、ステップS206に進む。
【0301】
ステップS206において、イントラ予測部211は、イントラ予測モード情報を取得する。ステップS207において、イントラ予測部211は、ステップS206において取得したイントラ予測モード情報を用いてイントラ予測を行い、予測画像を生成する。
【0302】
また、ステップS206において、処理対象の符号化データがイントラ符号化されていない、すなわち、インター符号化されていると判定された場合、処理は、ステップS208に進む。
【0303】
ステップS208において、動きベクトル復号部2212は、動きベクトル再構築処理を行う。この動きベクトル再構築処理についての詳細は、図23を参照して後述する。
【0304】
ステップS208の処理により、復号された予測動きベクトルに関する情報が参照されて、当該PUの予測動きベクトルが再構築される。その際、当該PUの予測動きベクトルが空間予測動きベクトルである場合に、CUが複数のPUで構成されるとき、CUにおけるPUの位置に応じて設定された空間隣接PUの動きベクトル情報が用いられて予測動きベクトルが再構築される。そして、再構築された当該PUの予測動きベクトルが用いられて、動きベクトルが再構築され、再構築された動きベクトルは、動き予測・補償部212に供給される。
【0305】
ステップS209において、動き予測・補償部212は、ステップS208の処理により再構築された動きベクトルを用いて、インター動き予測処理を行い、予測画像を生成する。生成した予測画像は、選択部213に供給される。
【0306】
ステップS210において、選択部213は、ステップS207またはステップS209において生成された予測画像を選択する。ステップS211において、演算部205は、ステップS204において逆直交変換されて得られた差分画像情報に、ステップS210において選択された予測画像を加算する。これにより元の画像が復号される。すなわち、動きベクトルが用いられて、予測画像が生成され、生成された予測画像と逆直交変換部204からの差分画像情報とが加算されて元の画像が復号される。
【0307】
ステップS212において、デブロックフィルタ206は、ステップS211において得られた復号画像に対して、デブロックフィルタ処理を適宜行う。
【0308】
ステップS213において、画面並べ替えバッファ207は、ステップS212においてフィルタ処理された画像の並べ替えを行う。すなわち画像符号化装置100の画面並べ替えバッファ102により符号化のために並べ替えられたフレームの順序が、元の表示の順序に並べ替えられる。
【0309】
ステップS214において、D/A変換部208は、ステップS213においてフレームの順序が並べ替えられた画像をD/A変換する。この画像が図示せぬディスプレイに出力され、画像が表示される。
【0310】
ステップS215において、フレームメモリ209は、ステップS212においてフィルタ処理された画像を記憶する。
【0311】
ステップS215の処理が終了すると、復号処理が終了される。
【0312】
[動きベクトル再構築処理の流れ]
次に、図23のフローチャートを参照して、図22のステップS208において実行される動きベクトル再構築処理の流れの例を説明する。なお、この動きベクトル再構築処理は、符号化側から送信されて可逆復号部202により復号された情報を用いて、動きベクトルを復号する処理である。
【0313】
図22のステップS202において、可逆復号部202は、復号されたパラメータの情報などを取得し、取得した情報を、対応する部に供給してくる。
【0314】
ステップS251において、差分動きベクトル情報バッファ252は、可逆復号部202からの差分動きベクトル情報を取得し、取得した情報を、動きベクトル再構築部254に供給する。
【0315】
ステップS252において、予測動きベクトル情報バッファ251は、可逆復号部202から予測動きベクトル情報を取得し、取得した情報を、予測動きベクトル再構築部253に供給する。このとき、並列処理制御部222は、可逆復号部202からPUサイズ(パーティションサイズ)を示す情報を取得する。
【0316】
ステップS253において、並列処理制御部222は、取得したPUサイズを参照して、当該PUが2N×2N PUであるか否かを判定する。ステップS253において、2N×2N PUであると判定された場合、処理は、ステップS254に進む。
【0317】
ステップS254において、並列処理制御部222は、2N×2N PUに対して、動きベクトル情報が参照される隣接領域を設定する。並列処理制御部222は、例えば、図10に示されるA,B,C,D,Eを隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。
【0318】
ステップS255において、予測動きベクトル再構築部253は、予測動きベクトルを再構築する。
【0319】
すなわち、予測動きベクトル再構築部253は、予測動きベクトル情報バッファ251からの予測動きベクトル情報(インデックス)を、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。空間隣接動きベクトルバッファ255は、並列処理制御部222から設定された隣接領域のうち、予測動きベクトル再構築部253からのインデックスが示す隣接領域の動きベクトル情報を読み出し、予測動きベクトル再構築部253に供給する。予測動きベクトル再構築部253は、空間隣接動きベクトルバッファ255から読み出された動きベクトル情報を用い、AMVPまたはマージモードによる方法に基づいて、当該PUの空間予測動きベクトルを生成して、再構築する。再構築された予測動きベクトル情報は、動きベクトル再構築部254に供給される。
【0320】
一方、ステップS253において、2N×2N PUではない、すなわち、2N×NまたはN×2N PUであると判定された場合、処理は、ステップS256に進む。
【0321】
ステップS256において、並列処理制御部222は、2N×NまたはN×2N PUに対して、第1のPUおよび第2のPUの並列処理で、動きベクトル情報が参照される隣接領域を設定する。
【0322】
2N×N PUの場合、第1のPUであるPUに対して、並列処理制御部222は、例えば、図12のAに示されるA,B,C,D,Eを隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。これと並列して、第2のPUであるPU1に対して、並列処理制御部222は、例えば、図12のBに示されるA1,B,C,D1,E1を隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。
【0323】
N×2N PUの場合、第1のPUであるPUに対して、並列処理制御部222は、例えば、図13のAに示されるA,B,C,D,Eを隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。これと並列して、第2のPUであるPU1に対して、並列処理制御部222は、例えば、図13のBに示されるA,B,C,D,E1を隣接領域として設定し、そのアドレスを制御信号として、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。
【0324】
ステップS255において、予測動きベクトル再構築部253は、第1のPUおよび第2のPUの並列処理で、予測動きベクトルを再構築する。
【0325】
すなわち、予測動きベクトル再構築部253は、予測動きベクトル情報バッファ251からの予測動きベクトル情報(インデックス)を、空間隣接動きベクトルバッファ255に供給する。空間隣接動きベクトルバッファ255は、並列処理制御部222から設定された隣接領域のうち、予測動きベクトル再構築部253からのインデックスが示す隣接領域の動きベクトル情報を読み出し、予測動きベクトル再構築部253に供給する。予測動きベクトル再構築部253は、空間隣接動きベクトルバッファ255から読み出された動きベクトル情報を用い、AMVPまたはマージモードによる方法に基づいて、当該PUの空間予測動きベクトルを生成して、再構築する。再構築された予測動きベクトル情報は、動きベクトル再構築部254に供給される。この処理は、第1のPUおよび第2のPUに対して並列処理で行われるので、第1のPUおよび第2のPUの予測動きベクトル情報が一度に動きベクトル再構築部253に供給される。
【0326】
ステップS257において、動きベクトル再構築部254は、当該PUの動きベクトルを再構築する。
【0327】
すなわち、動きベクトル再構築部254は、差分動きベクトル情報バッファ252からの情報が示す当該PUの差分動きベクトルと、予測動きベクトル再構築部253からの当該PUの予測動きベクトルとを加算することで、動きベクトルを再構築する。動きベクトル再構築部254は、再構築された動きベクトルを示す情報を、動き予測・補償部212、空間隣接動きベクトルバッファ255、および時間隣接動きベクトルバッファ256に供給する。
【0328】
なお、図23においては、AMVPによる方法の場合が示されている。マージモードの場合には、差分動きベクトル情報は符号化側から送られてこないので、ステップS251はスキップされる。また、マージモードの場合、ステップS257においては、予測動きベクトル再構築部253からの当該PUの予測動きベクトルが、当該PUの動きベクトルとなる。
【0329】
また、図23の例においては、空間予測動きベクトルの生成処理についてのみ記載されるが、実際には、予測動きベクトル情報が時間予測動きベクトルを示すか、空間予測動きベクトルを示すかが判定される。そして、予測動きベクトル情報が時間予測動きベクトルを示す場合には、時間予測動きベクトル情報が再構築されて、動きベクトルが再構築される。さらに、図23の例においては、N×N PUについての記載は省略されている。
【0330】
以上のように各処理を行うことにより、画像復号装置200は、画像符号化装置100が符号化した符号化データを正しく復号することができ、処理効率の向上を実現させることができる。
【0331】
すなわち、画像復号装置200においても、符号化領域(CU)が複数の予測領域(PU)で構成される場合、符号化領域における予測領域の位置に応じて、動きベクトルを参照する隣接領域が設定される。これにより、PUの予測動きベクトル再構築処理を並列で行うことができ、処理効率を向上させることができる。
【0332】
なお、上記説明においては、並列処理制御部122および並列処理制御部222が常に動作する例を説明したが、例えば、符号化側の並列処理制御部122において、並列処理制御(隣接領域設定)のオン、オフを設定し、オンの場合のみ、並列処理制御(隣接領域設定)が動作するようにしてもよい。
【0333】
この符号化側での設定は、例えば、可逆符号化部106により、符号化ストリームのシーケンスパラメータセットなどのシンタクス要素において、オン/オフフラグとして設定され、蓄積バッファ107より、復号側に伝送される。そして、このオン/オフフラグは、復号側において、蓄積バッファ201により受け取られ、可逆復号部202により取得されて、各並列処理制御部222に供給される。並列処理制御部222において、供給されたフラグに基づいてオン、オフが設定され、オンの場合のみ、並列処理制御(隣接領域設定)が動作される。
【0334】
また、このオン/オフフラグは、CUまたはPUのサイズに応じて設定されるようにしてもよい。すなわち、CUおよびPUがより小さく分割される場合、より多くのブロックに対する動きベクトル情報を処理する必要があり、これを並列処理により実現することは、実時間処理可能である回路を構築するのに大きな恩恵がある。
【0335】
一方、より大きなCUまたはPUについては、図12および図13に示したように、離れた箇所の動きベクトル情報を隣接情報として用いることとなり、当該PUに対する動き情報との相関が低くなる恐れがあり、符号化効率の低下につながる恐れがある。
【0336】
また、並列処理の必要性は、より大きなサイズのシーケンスに対してより高い。このため、上述したようにフラグを伝送するのではなく、符号化ストリームのシーケンスのプロファイルまたはレベルに応じて設定するようにしてもよい。
【0337】
なお、上記説明においては、HEVCに準ずる場合を例に説明してきたが、本技術は、AMVPやマージモードによる動きベクトル情報の符号化処理および復号処理を行う装置であれば、他の符号化方式を用いる装置でも適用することができる。
【0338】
また、本技術は、例えば、MPEG、H.26x等の様に、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償によって圧縮された画像情報(ビットストリーム)を、衛星放送、ケーブルテレビジョン、インターネット、または携帯電話機などのネットワークメディアを介して受信する際に用いられる画像符号化装置および画像復号装置に適用することができる。また、本技術は、光、磁気ディスク、およびフラッシュメモリのような記憶メディア上で処理する際に用いられる画像符号化装置および画像復号装置に適用することができる。さらに、本技術は、それらの画像符号化装置および画像復号装置などに含まれる動き予測補償装置にも適用することができる。
【0339】
<3.第3の実施の形態>
[多視点画像符号化・多視点画像復号への適用]
上述した一連の処理は、多視点画像符号化・多視点画像復号に適用することができる。図24は、多視点画像符号化方式の一例を示す。
【0340】
図24に示されるように、多視点画像は、複数の視点の画像を含み、その複数の視点のうちの所定の1つの視点の画像が、ベースビューの画像に指定されている。ベースビューの画像以外の各視点の画像は、ノンベースビューの画像として扱われる。
【0341】
図24のような多視点画像符号化を行う場合、各ビュー(同一ビュー)において、上述した並列処理制御(隣接領域設定)のオン/オフフラグを設定することができる。また、各ビュー(異なるビュー)において、他のビューで設定された並列処理制御のオン/オフフラグを共有することもできる。
【0342】
この場合、ベースビューにおいて設定された並列処理制御のオン/オフフラグが、少なくとも1つのノンベースビューで用いられる。あるいは、例えば、ノンベースビュー(view_id=i)において設定された並列処理制御のオン/オフフラグが、ベースビューおよびノンベースビュー(view_id=j)の少なくともどちらか一方で用いられる。
【0343】
これにより、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【0344】
[多視点画像符号化装置]
図25は、上述した多視点画像符号化を行う多視点画像符号化装置を示す図である。図25に示されるように、多視点画像符号化装置600は、符号化部601、符号化部602、および多重化部603を有する。
【0345】
符号化部601は、ベースビュー画像を符号化し、ベースビュー画像符号化ストリームを生成する。符号化部602は、ノンベースビュー画像を符号化し、ノンベースビュー画像符号化ストリームを生成する。多重化部603は、符号化部601において生成されたベースビュー画像符号化ストリームと、符号化部602において生成されたノンベースビュー画像符号化ストリームとを多重化し、多視点画像符号化ストリームを生成する。
【0346】
この多視点画像符号化装置600の符号化部601および符号化部602に対して、画像符号化装置100(図1)を適用することができる。この場合、多視点画像符号化装置600は、符号化部601が設定した並列処理制御のオン/オフフラグと、符号化部602が設定した並列処理制御のオン/オフフラグとを設定して伝送させる。
【0347】
なお、上述したように符号化部601が設定した並列処理制御のオン/オフフラグを、符号化部601および符号化部602で共有して用いるように設定して伝送させるようにしてもよい。逆に、符号化部602がまとめて設定した並列処理制御のオン/オフフラグを、符号化部601および符号化部602で共有して用いるように設定して伝送させるようにしてもよい。
【0348】
[多視点画像復号装置]
図26は、上述した多視点画像復号を行う多視点画像復号装置を示す図である。図26に示されるように、多視点画像復号装置610は、逆多重化部611、復号部612、および復号部613を有する。
【0349】
逆多重化部611は、ベースビュー画像符号化ストリームとノンベースビュー画像符号化ストリームとが多重化された多視点画像符号化ストリームを逆多重化し、ベースビュー画像符号化ストリームと、ノンベースビュー画像符号化ストリームとを抽出する。復号部612は、逆多重化部611により抽出されたベースビュー画像符号化ストリームを復号し、ベースビュー画像を得る。復号部613は、逆多重化部611により抽出されたノンベースビュー画像符号化ストリームを復号し、ノンベースビュー画像を得る。
【0350】
この多視点画像復号装置610の復号部612および復号部613に対して、画像復号装置200(図20)を適用することができる。この場合、多視点画像復号装置610は、符号化部601が設定し、復号部612が復号した並列処理制御のオン/オフフラグと、符号化部602が設定し、復号部613が復号した並列処理制御のオン/オフフラグを用いて処理を行う。
【0351】
なお、上述したように符号化部601(または、符号化部602)が設定した並列処理制御のオン/オフフラグを、符号化部601および符号化部602で共有して用いるように設定して伝送されている場合がある。この場合、多視点画像復号装置610においては、符号化部601(または、符号化部602)が設定し、復号部612(または復号部613)が復号した並列処理制御のオン/オフフラグを用いて処理が行われる。
【0352】
<4.第4の実施の形態>
[階層画像符号化・階層画像復号への適用]
上述した一連の処理は、階層画像符号化・階層画像復号に適用することができる。図27は、多視点画像符号化方式の一例を示す。
【0353】
図27に示されるように、階層画像は、複数の階層(解像度)の画像を含み、その複数の解像度のうちの所定の1つの階層の画像が、ベースレイヤの画像に指定されている。ベースレイヤの画像以外の各階層の画像は、ノンベースレイヤの画像として扱われる。
【0354】
図27のような階層画像符号化(空間スケーラビリティ)を行う場合、各レイヤ(同一レイヤ)において、上述した並列処理制御(隣接領域設定)のオン/オフフラグを設定することができる。また、各レイヤ(異なるレイヤ)において、他のレイヤで設定された並列処理制御のオン/オフフラグを共有することができる。
【0355】
この場合、ベースレイヤにおいて設定された並列処理制御のオン/オフフラグが、少なくとも1つのノンベースレイヤで用いられる。あるいは、例えば、ノンベースレイヤ(layer _id=i)において設定された並列処理制御のオン/オフフラグが、ベースレイヤおよびノンベースレイヤ(layer_id=j)の少なくともどちらか一方で用いられる。
【0356】
これにより、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【0357】
[階層画像符号化装置]
図28は、上述した階層画像符号化を行う階層画像符号化装置を示す図である。図28に示されるように、階層画像符号化装置620は、符号化部621、符号化部622、および多重化部623を有する。
【0358】
符号化部621は、ベースレイヤ画像を符号化し、ベースレイヤ画像符号化ストリームを生成する。符号化部622は、ノンベースレイヤ画像を符号化し、ノンベースレイヤ画像符号化ストリームを生成する。多重化部623は、符号化部621において生成されたベースレイヤ画像符号化ストリームと、符号化部622において生成されたノンベースレイヤ画像符号化ストリームとを多重化し、階層画像符号化ストリームを生成する。
【0359】
この階層画像符号化装置620の符号化部621および符号化部622に対して、画像符号化装置100(図1)を適用することができる。この場合、階層画像符号化装置620は、符号化部621が設定した並列処理制御のオン/オフフラグと、符号化部602が設定した並列処理制御のオン/オフフラグとを設定して伝送させる。
【0360】
なお、上述したように符号化部621が設定した並列処理制御のオン/オフフラグを、符号化部621および符号化部622で共有して用いるように設定して伝送させるようにしてもよい。逆に、符号化部622が設定した並列処理制御のオン/オフフラグを、符号化部621および符号化部622で共有して用いるように設定して伝送させるようにしてもよい。
【0361】
[階層画像復号装置]
図29は、上述した階層画像復号を行う階層画像復号装置を示す図である。図29に示されるように、階層画像復号装置630は、逆多重化部631、復号部632、および復号部633を有する。
【0362】
逆多重化部631は、ベースレイヤ画像符号化ストリームとノンベースレイヤ画像符号化ストリームとが多重化された階層画像符号化ストリームを逆多重化し、ベースレイヤ画像符号化ストリームと、ノンベースレイヤ画像符号化ストリームとを抽出する。復号部632は、逆多重化部631により抽出されたベースレイヤ画像符号化ストリームを復号し、ベースレイヤ画像を得る。復号部633は、逆多重化部631により抽出されたノンベースレイヤ画像符号化ストリームを復号し、ノンベースレイヤ画像を得る。
【0363】
この階層画像復号装置630の復号部632および復号部633に対して、画像復号装置200(図20)を適用することができる。この場合、階層画像復号装置630は、符号化部621が設定し、復号部632が復号した並列処理制御のオン/オフフラグと、符号化部622が設定し、復号部633が復号した並列処理制御のオン/オフフラグを用いて処理を行う。
【0364】
なお、上述したように符号化部621(または、符号化部622)が設定した並列処理制御のオン/オフフラグを、符号化部621および符号化部622で共有して用いるように設定して伝送されている場合がある。この場合、階層画像復号装置630においては、符号化部621(または、符号化部622)が設定し、復号部632(または、復号部633)が復号した並列処理制御のオン/オフフラグを用いて処理が行われる。
【0365】
<5.第5の実施の形態>
[コンピュータ]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0366】
図30において、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0367】
コンピュータ800において、CPU(Central Processing Unit)801,ROM(Read Only Memory)802,RAM(Random Access Memory)803は、バス804により相互に接続されている。
【0368】
バス804には、さらに、入出力インタフェース805が接続されている。入出力インタフェース805には、入力部806、出力部807、記憶部508、通信部509、及びドライブ810が接続されている。
【0369】
入力部806は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部807は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部808は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部809は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ810は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア811を駆動する。
【0370】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU801が、例えば、記憶部808に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース805及びバス804を介して、RAM803にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0371】
コンピュータ800(CPU801)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア811に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0372】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア811をドライブ810に装着することにより、入出力インタフェース805を介して、記憶部808にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部809で受信し、記憶部808にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM802や記憶部808に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0373】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0374】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0375】
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
【0376】
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本技術は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0377】
上述した実施形態に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、衛星放送、ケーブルTVなどの有線放送、インターネット上での配信、及びセルラー通信による端末への配信などにおける送信機若しくは受信機、光ディスク、磁気ディスク及びフラッシュメモリなどの媒体に画像を記録する記録装置、又は、これら記憶媒体から画像を再生する再生装置などの様々な電子機器に応用され得る。以下、4つの応用例について説明する。
【0378】
<6.応用例>
[第1の応用例:テレビジョン受像機]
図31は、上述した実施形態を適用したテレビジョン装置の概略的な構成の一例を示している。テレビジョン装置900は、アンテナ901、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、表示部906、音声信号処理部907、スピーカ908、外部インタフェース909、制御部910、ユーザインタフェース911、及びバス912を備える。
【0379】
チューナ902は、アンテナ901を介して受信される放送信号から所望のチャンネルの信号を抽出し、抽出した信号を復調する。そして、チューナ902は、復調により得られた符号化ビットストリームをデマルチプレクサ903へ出力する。即ち、チューナ902は、画像が符号化されている符号化ストリームを受信する、テレビジョン装置900における伝送手段としての役割を有する。
【0380】
デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームから視聴対象の番組の映像ストリーム及び音声ストリームを分離し、分離した各ストリームをデコーダ904へ出力する。また、デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームからEPG(Electronic Program Guide)などの補助的なデータを抽出し、抽出したデータを制御部910に供給する。なお、デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームがスクランブルされている場合には、デスクランブルを行ってもよい。
【0381】
デコーダ904は、デマルチプレクサ903から入力される映像ストリーム及び音声ストリームを復号する。そして、デコーダ904は、復号処理により生成される映像データを映像信号処理部905へ出力する。また、デコーダ904は、復号処理により生成される音声データを音声信号処理部907へ出力する。
【0382】
映像信号処理部905は、デコーダ904から入力される映像データを再生し、表示部906に映像を表示させる。また、映像信号処理部905は、ネットワークを介して供給されるアプリケーション画面を表示部906に表示させてもよい。また、映像信号処理部905は、映像データについて、設定に応じて、例えばノイズ除去などの追加的な処理を行ってもよい。さらに、映像信号処理部905は、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUI(Graphical User Interface)の画像を生成し、生成した画像を出力画像に重畳してもよい。
【0383】
表示部906は、映像信号処理部905から供給される駆動信号により駆動され、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又はOELD(Organic ElectroLuminescence Display)(有機ELディスプレイ)など)の映像面上に映像又は画像を表示する。
【0384】
音声信号処理部907は、デコーダ904から入力される音声データについてD/A変換及び増幅などの再生処理を行い、スピーカ908から音声を出力させる。また、音声信号処理部907は、音声データについてノイズ除去などの追加的な処理を行ってもよい。
【0385】
外部インタフェース909は、テレビジョン装置900と外部機器又はネットワークとを接続するためのインタフェースである。例えば、外部インタフェース909を介して受信される映像ストリーム又は音声ストリームが、デコーダ904により復号されてもよい。即ち、外部インタフェース909もまた、画像が符号化されている符号化ストリームを受信する、テレビジョン装置900における伝送手段としての役割を有する。
【0386】
制御部910は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、プログラムデータ、EPGデータ、及びネットワークを介して取得されるデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、テレビジョン装置900の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース911から入力される操作信号に応じて、テレビジョン装置900の動作を制御する。
【0387】
ユーザインタフェース911は、制御部910と接続される。ユーザインタフェース911は、例えば、ユーザがテレビジョン装置900を操作するためのボタン及びスイッチ、並びに遠隔制御信号の受信部などを有する。ユーザインタフェース911は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部910へ出力する。
【0388】
バス912は、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、音声信号処理部907、外部インタフェース909及び制御部910を相互に接続する。
【0389】
このように構成されたテレビジョン装置900において、デコーダ904は、上述した実施形態に係る画像復号装置の機能を有する。それにより、テレビジョン装置900での画像の復号に際して、動きベクトルの復号において、並列処理により処理効率を向上させることができることができる。
【0390】
[第2の応用例:携帯電話機]
図32は、上述した実施形態を適用した携帯電話機の概略的な構成の一例を示している。携帯電話機920は、アンテナ921、通信部922、音声コーデック923、スピーカ924、マイクロホン925、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、制御部931、操作部932、及びバス933を備える。
【0391】
アンテナ921は、通信部922に接続される。スピーカ924及びマイクロホン925は、音声コーデック923に接続される。操作部932は、制御部931に接続される。バス933は、通信部922、音声コーデック923、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、及び制御部931を相互に接続する。
【0392】
携帯電話機920は、音声通話モード、データ通信モード、撮影モード及びテレビ電話モードを含む様々な動作モードで、音声信号の送受信、電子メール又は画像データの送受信、画像の撮像、及びデータの記録などの動作を行う。
【0393】
音声通話モードにおいて、マイクロホン925により生成されるアナログ音声信号は、音声コーデック923に供給される。音声コーデック923は、アナログ音声信号を音声データへ変換し、変換された音声データをA/D変換し圧縮する。そして、音声コーデック923は、圧縮後の音声データを通信部922へ出力する。通信部922は、音声データを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号を、アンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号して音声データを生成し、生成した音声データを音声コーデック923へ出力する。音声コーデック923は、音声データを伸張し及びD/A変換し、アナログ音声信号を生成する。そして、音声コーデック923は、生成した音声信号をスピーカ924に供給して音声を出力させる。
【0394】
また、データ通信モードにおいて、例えば、制御部931は、操作部932を介するユーザによる操作に応じて、電子メールを構成する文字データを生成する。また、制御部931は、文字を表示部930に表示させる。また、制御部931は、操作部932を介するユーザからの送信指示に応じて電子メールデータを生成し、生成した電子メールデータを通信部922へ出力する。通信部922は、電子メールデータを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号を、アンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号して電子メールデータを復元し、復元した電子メールデータを制御部931へ出力する。制御部931は、表示部930に電子メールの内容を表示させると共に、電子メールデータを記録再生部929の記憶媒体に記憶させる。
【0395】
記録再生部929は、読み書き可能な任意の記憶媒体を有する。例えば、記憶媒体は、RAM又はフラッシュメモリなどの内蔵型の記憶媒体であってもよく、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、USB(Unallocated Space Bitmap)メモリ、又はメモリカードなどの外部装着型の記憶媒体であってもよい。
【0396】
また、撮影モードにおいて、例えば、カメラ部926は、被写体を撮像して画像データを生成し、生成した画像データを画像処理部927へ出力する。画像処理部927は、カメラ部926から入力される画像データを符号化し、符号化ストリームを記憶再生部929の記憶媒体に記憶させる。
【0397】
また、テレビ電話モードにおいて、例えば、多重分離部928は、画像処理部927により符号化された映像ストリームと、音声コーデック923から入力される音声ストリームとを多重化し、多重化したストリームを通信部922へ出力する。通信部922は、ストリームを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号を、アンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。これら送信信号及び受信信号には、符号化ビットストリームが含まれ得る。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号してストリームを復元し、復元したストリームを多重分離部928へ出力する。多重分離部928は、入力されるストリームから映像ストリーム及び音声ストリームを分離し、映像ストリームを画像処理部927、音声ストリームを音声コーデック923へ出力する。画像処理部927は、映像ストリームを復号し、映像データを生成する。映像データは、表示部930に供給され、表示部930により一連の画像が表示される。音声コーデック923は、音声ストリームを伸張し及びD/A変換し、アナログ音声信号を生成する。そして、音声コーデック923は、生成した音声信号をスピーカ924に供給して音声を出力させる。
【0398】
このように構成された携帯電話機920において、画像処理部927は、上述した実施形態に係る画像符号化装置及び画像復号装置の機能を有する。それにより、携帯電話機920での画像の符号化及び復号に際して、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【0399】
[第3の応用例:記録再生装置]
図33は、上述した実施形態を適用した記録再生装置の概略的な構成の一例を示している。記録再生装置940は、例えば、受信した放送番組の音声データ及び映像データを符号化して記録媒体に記録する。また、記録再生装置940は、例えば、他の装置から取得される音声データ及び映像データを符号化して記録媒体に記録してもよい。また、記録再生装置940は、例えば、ユーザの指示に応じて、記録媒体に記録されているデータをモニタ及びスピーカ上で再生する。このとき、記録再生装置940は、音声データ及び映像データを復号する。
【0400】
記録再生装置940は、チューナ941、外部インタフェース942、エンコーダ943、HDD(Hard Disk Drive)944、ディスクドライブ945、セレクタ946、デコーダ947、OSD(On-Screen Display)948、制御部949、及びユーザインタフェース950を備える。
【0401】
チューナ941は、アンテナ(図示せず)を介して受信される放送信号から所望のチャンネルの信号を抽出し、抽出した信号を復調する。そして、チューナ941は、復調により得られた符号化ビットストリームをセレクタ946へ出力する。即ち、チューナ941は、記録再生装置940における伝送手段としての役割を有する。
【0402】
外部インタフェース942は、記録再生装置940と外部機器又はネットワークとを接続するためのインタフェースである。外部インタフェース942は、例えば、IEEE1394インタフェース、ネットワークインタフェース、USBインタフェース、又はフラッシュメモリインタフェースなどであってよい。例えば、外部インタフェース942を介して受信される映像データ及び音声データは、エンコーダ943へ入力される。即ち、外部インタフェース942は、記録再生装置940における伝送手段としての役割を有する。
【0403】
エンコーダ943は、外部インタフェース942から入力される映像データ及び音声データが符号化されていない場合に、映像データ及び音声データを符号化する。そして、エンコーダ943は、符号化ビットストリームをセレクタ946へ出力する。
【0404】
HDD944は、映像及び音声などのコンテンツデータが圧縮された符号化ビットストリーム、各種プログラムおよびその他のデータを内部のハードディスクに記録する。また、HDD944は、映像及び音声の再生時に、これらデータをハードディスクから読み出す。
【0405】
ディスクドライブ945は、装着されている記録媒体へのデータの記録及び読み出しを行う。ディスクドライブ945に装着される記録媒体は、例えばDVDディスク(DVD-Video、DVD-RAM、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW等)又はBlu-ray(登録商標)ディスクなどであってよい。
【0406】
セレクタ946は、映像及び音声の記録時には、チューナ941又はエンコーダ943から入力される符号化ビットストリームを選択し、選択した符号化ビットストリームをHDD944又はディスクドライブ945へ出力する。また、セレクタ946は、映像及び音声の再生時には、HDD944又はディスクドライブ945から入力される符号化ビットストリームをデコーダ947へ出力する。
【0407】
デコーダ947は、符号化ビットストリームを復号し、映像データ及び音声データを生成する。そして、デコーダ947は、生成した映像データをOSD948へ出力する。また、デコーダ904は、生成した音声データを外部のスピーカへ出力する。
【0408】
OSD948は、デコーダ947から入力される映像データを再生し、映像を表示する。また、OSD948は、表示する映像に、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUIの画像を重畳してもよい。
【0409】
制御部949は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、及びプログラムデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、記録再生装置940の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース950から入力される操作信号に応じて、記録再生装置940の動作を制御する。
【0410】
ユーザインタフェース950は、制御部949と接続される。ユーザインタフェース950は、例えば、ユーザが記録再生装置940を操作するためのボタン及びスイッチ、並びに遠隔制御信号の受信部などを有する。ユーザインタフェース950は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部949へ出力する。
【0411】
このように構成された記録再生装置940において、エンコーダ943は、上述した実施形態に係る画像符号化装置の機能を有する。また、デコーダ947は、上述した実施形態に係る画像復号装置の機能を有する。それにより、記録再生装置940での画像の符号化及び復号に際して、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【0412】
[第4の応用例:撮像装置]
図34は、上述した実施形態を適用した撮像装置の概略的な構成の一例を示している。撮像装置960は、被写体を撮像して画像を生成し、画像データを符号化して記録媒体に記録する。
【0413】
撮像装置960は、光学ブロック961、撮像部962、信号処理部963、画像処理部964、表示部965、外部インタフェース966、メモリ967、メディアドライブ968、OSD969、制御部970、ユーザインタフェース971、及びバス972を備える。
【0414】
光学ブロック961は、撮像部962に接続される。撮像部962は、信号処理部963に接続される。表示部965は、画像処理部964に接続される。ユーザインタフェース971は、制御部970に接続される。バス972は、画像処理部964、外部インタフェース966、メモリ967、メディアドライブ968、OSD969、及び制御部970を相互に接続する。
【0415】
光学ブロック961は、フォーカスレンズ及び絞り機構などを有する。光学ブロック961は、被写体の光学像を撮像部962の撮像面に結像させる。撮像部962は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを有し、撮像面に結像した光学像を光電変換によって電気信号としての画像信号に変換する。そして、撮像部962は、画像信号を信号処理部963へ出力する。
【0416】
信号処理部963は、撮像部962から入力される画像信号に対してニー補正、ガンマ補正、色補正などの種々のカメラ信号処理を行う。信号処理部963は、カメラ信号処理後の画像データを画像処理部964へ出力する。
【0417】
画像処理部964は、信号処理部963から入力される画像データを符号化し、符号化データを生成する。そして、画像処理部964は、生成した符号化データを外部インタフェース966又はメディアドライブ968へ出力する。また、画像処理部964は、外部インタフェース966又はメディアドライブ968から入力される符号化データを復号し、画像データを生成する。そして、画像処理部964は、生成した画像データを表示部965へ出力する。また、画像処理部964は、信号処理部963から入力される画像データを表示部965へ出力して画像を表示させてもよい。また、画像処理部964は、OSD969から取得される表示用データを、表示部965へ出力する画像に重畳してもよい。
【0418】
OSD969は、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUIの画像を生成して、生成した画像を画像処理部964へ出力する。
【0419】
外部インタフェース966は、例えばUSB入出力端子として構成される。外部インタフェース966は、例えば、画像の印刷時に、撮像装置960とプリンタとを接続する。また、外部インタフェース966には、必要に応じてドライブが接続される。ドライブには、例えば、磁気ディスク又は光ディスクなどのリムーバブルメディアが装着され、リムーバブルメディアから読み出されるプログラムが、撮像装置960にインストールされ得る。さらに、外部インタフェース966は、LAN又はインターネットなどのネットワークに接続されるネットワークインタフェースとして構成されてもよい。即ち、外部インタフェース966は、撮像装置960における伝送手段としての役割を有する。
【0420】
メディアドライブ968に装着される記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、又は半導体メモリなどの、読み書き可能な任意のリムーバブルメディアであってよい。また、メディアドライブ968に記録媒体が固定的に装着され、例えば、内蔵型ハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)のような非可搬性の記憶部が構成されてもよい。
【0421】
制御部970は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、及びプログラムデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、撮像装置960の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース971から入力される操作信号に応じて、撮像装置960の動作を制御する。
【0422】
ユーザインタフェース971は、制御部970と接続される。ユーザインタフェース971は、例えば、ユーザが撮像装置960を操作するためのボタン及びスイッチなどを有する。ユーザインタフェース971は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部970へ出力する。
【0423】
このように構成された撮像装置960において、画像処理部964は、上述した実施形態に係る画像符号化装置及び画像復号装置の機能を有する。それにより、撮像装置960での画像の符号化及び復号に際して、動きベクトルの符号化または復号において、並列処理により処理効率を向上させることができる。
【0424】
<7.スケーラブル符号化の応用例>
[第1のシステム]
次に、図35を参照して、図27乃至図29を参照して上述したスケーラブル符号化(階層符号化)されたスケーラブル符号化データの具体的な利用例について説明する。スケーラブル符号化は、例えば、図35に示される例のように、伝送するデータの選択のために利用される。
【0425】
図35に示されるデータ伝送システム1000において、配信サーバ1002は、スケーラブル符号化データ記憶部1001に記憶されているスケーラブル符号化データを読み出し、ネットワーク1003を介して、パーソナルコンピュータ1004、AV機器1005、タブレットデバイス1006、および携帯電話機1007等の端末装置に配信する。
【0426】
その際、配信サーバ1002は、端末装置の能力や通信環境等に応じて、適切な品質の符号化データを選択して伝送する。配信サーバ1002が不要に高品質なデータを伝送しても、端末装置において高画質な画像を得られるとは限らず、遅延やオーバフローの発生要因となる恐れがある。また、不要に通信帯域を占有したり、端末装置の負荷を不要に増大させたりしてしまう恐れもある。逆に、配信サーバ1002が不要に低品質なデータを伝送しても、端末装置において十分な画質の画像を得ることができない恐れがある。そのため、配信サーバ1002は、スケーラブル符号化データ記憶部1001に記憶されているスケーラブル符号化データを、適宜、端末装置の能力や通信環境等に対して適切な品質の符号化データとして読み出し、伝送する。
【0427】
例えば、スケーラブル符号化データ記憶部1001は、スケーラブルに符号化されたスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011を記憶するとする。このスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011は、ベースレイヤとエンハンスメントレイヤの両方を含む符号化データであり、復号することにより、ベースレイヤの画像およびエンハンスメントレイヤの画像の両方を得ることができるデータである。
【0428】
配信サーバ1002は、データを伝送する端末装置の能力や通信環境等に応じて、適切なレイヤを選択し、そのレイヤのデータを読み出す。例えば、配信サーバ1002は、処理能力の高いパーソナルコンピュータ1004やタブレットデバイス1006に対しては、高品質なスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011をスケーラブル符号化データ記憶部1001から読み出し、そのまま伝送する。これに対して、例えば、配信サーバ1002は、処理能力の低いAV機器1005や携帯電話機1007に対しては、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011からベースレイヤのデータを抽出し、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011と同じコンテンツのデータであるが、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011よりも低品質なスケーラブル符号化データ(BL)1012として伝送する。
【0429】
このようにスケーラブル符号化データを用いることにより、データ量を容易に調整することができるので、遅延やオーバフローの発生を抑制したり、端末装置や通信媒体の負荷の不要な増大を抑制したりすることができる。また、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1011は、レイヤ間の冗長性が低減されているので、各レイヤの符号化データを個別のデータとする場合よりもそのデータ量を低減させることができる。したがって、スケーラブル符号化データ記憶部1001の記憶領域をより効率よく使用することができる。
【0430】
なお、パーソナルコンピュータ1004乃至携帯電話機1007のように、端末装置には様々な装置を適用することができるので、端末装置のハードウエアの性能は、装置によって異なる。また、端末装置が実行するアプリケーションも様々であるので、そのソフトウエアの能力も様々である。さらに、通信媒体となるネットワーク1003も、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等、有線若しくは無線、またはその両方を含むあらゆる通信回線網を適用することができ、そのデータ伝送能力は様々である。さらに、他の通信等によっても変化する恐れがある。
【0431】
そこで、配信サーバ1002は、データ伝送を開始する前に、データの伝送先となる端末装置と通信を行い、端末装置のハードウエア性能や、端末装置が実行するアプリケーション(ソフトウエア)の性能等といった端末装置の能力に関する情報、並びに、ネットワーク1003の利用可能帯域幅等の通信環境に関する情報を得るようにしてもよい。そして、配信サーバ1002が、ここで得た情報を基に、適切なレイヤを選択するようにしてもよい。
【0432】
なお、レイヤの抽出は、端末装置において行うようにしてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ1004が、伝送されたスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011を復号し、ベースレイヤの画像を表示しても良いし、エンハンスメントレイヤの画像を表示しても良い。また、例えば、パーソナルコンピュータ1004が、伝送されたスケーラブル符号化データ(BL+EL)1011から、ベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1012を抽出し、記憶したり、他の装置に転送したり、復号してベースレイヤの画像を表示したりするようにしてもよい。
【0433】
もちろん、スケーラブル符号化データ記憶部1001、配信サーバ1002、ネットワーク1003、および端末装置の数はいずれも任意である。また、以上においては、配信サーバ1002がデータを端末装置に伝送する例について説明したが、利用例はこれに限定されない。データ伝送システム1000は、スケーラブル符号化された符号化データを端末装置に伝送する際、端末装置の能力や通信環境等に応じて、適切なレイヤを選択して伝送するシステムであれば、任意のシステムに適用することができる。
【0434】
そして、以上のような図35のようなデータ伝送システム1000においても、図27乃至図29を参照して上述した階層符号化・階層復号への適用と同様に本技術を適用することにより、図27乃至図29を参照して上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0435】
[第2のシステム]
また、スケーラブル符号化は、例えば、図36に示される例のように、複数の通信媒体を介する伝送のために利用される。
【0436】
図36に示されるデータ伝送システム1100において、放送局1101は、地上波放送1111により、ベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を伝送する。また、放送局1101は、有線若しくは無線またはその両方の通信網よりなる任意のネットワーク1112を介して、エンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を伝送する(例えばパケット化して伝送する)。
【0437】
端末装置1102は、放送局1101が放送する地上波放送1111の受信機能を有し、この地上波放送1111を介して伝送されるベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を受け取る。また、端末装置1102は、ネットワーク1112を介した通信を行う通信機能をさらに有し、このネットワーク1112を介して伝送されるエンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を受け取る。
【0438】
端末装置1102は、例えばユーザ指示等に応じて、地上波放送1111を介して取得したベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を、復号してベースレイヤの画像を得たり、記憶したり、他の装置に伝送したりする。
【0439】
また、端末装置1102は、例えばユーザ指示等に応じて、地上波放送1111を介して取得したベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121と、ネットワーク1112を介して取得したエンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122とを合成して、スケーラブル符号化データ(BL+EL)を得たり、それを復号してエンハンスメントレイヤの画像を得たり、記憶したり、他の装置に伝送したりする。
【0440】
以上のように、スケーラブル符号化データは、例えばレイヤ毎に異なる通信媒体を介して伝送させることができる。したがって、負荷を分散させることができ、遅延やオーバフローの発生を抑制することができる。
【0441】
また、状況に応じて、伝送に使用する通信媒体を、レイヤ毎に選択することができるようにしてもよい。例えば、データ量が比較的多いベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1121を帯域幅の広い通信媒体を介して伝送させ、データ量が比較的少ないエンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を帯域幅の狭い通信媒体を介して伝送させるようにしてもよい。また、例えば、エンハンスメントレイヤのスケーラブル符号化データ(EL)1122を伝送する通信媒体を、ネットワーク1112とするか、地上波放送1111とするかを、ネットワーク1112の利用可能帯域幅に応じて切り替えるようにしてもよい。もちろん、任意のレイヤのデータについて同様である。
【0442】
このように制御することにより、データ伝送における負荷の増大を、より抑制することができる。
【0443】
もちろん、レイヤ数は任意であり、伝送に利用する通信媒体の数も任意である。また、データ配信先となる端末装置1102の数も任意である。さらに、以上においては、放送局1101からの放送を例に説明したが、利用例はこれに限定されない。データ伝送システム1100は、スケーラブル符号化された符号化データを、レイヤを単位として複数に分割し、複数の回線を介して伝送するシステムであれば、任意のシステムに適用することができる。
【0444】
そして、以上のような図36のデータ伝送システム1100においても、図27乃至図29を参照して上述した階層符号化・階層復号への適用と同様に本技術を適用することにより、図27乃至図29を参照して上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0445】
[第3のシステム]
また、スケーラブル符号化は、例えば、図37に示される例のように、符号化データの記憶に利用される。
【0446】
図37に示される撮像システム1200において、撮像装置1201は、被写体1211を撮像して得られた画像データをスケーラブル符号化し、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1221として、スケーラブル符号化データ記憶装置1202に供給する。
【0447】
スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、撮像装置1201から供給されるスケーラブル符号化データ(BL+EL)1221を、状況に応じた品質で記憶する。例えば、通常時の場合、スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、スケーラブル符号化データ(BL+EL)1221からベースレイヤのデータを抽出し、低品質でデータ量の少ないベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1222として記憶する。これに対して、例えば、注目時の場合、スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、高品質でデータ量の多いスケーラブル符号化データ(BL+EL)1221のまま記憶する。
【0448】
このようにすることにより、スケーラブル符号化データ記憶装置1202は、必要な場合のみ、画像を高画質に保存することができるので、画質劣化による画像の価値の低減を抑制しながら、データ量の増大を抑制することができ、記憶領域の利用効率を向上させることができる。
【0449】
例えば、撮像装置1201が監視カメラであるとする。撮像画像に監視対象(例えば侵入者)が写っていない場合(通常時の場合)、撮像画像の内容は重要でない可能性が高いので、データ量の低減が優先され、その画像データ(スケーラブル符号化データ)は、低品質に記憶される。これに対して、撮像画像に監視対象が被写体1211として写っている場合(注目時の場合)、その撮像画像の内容は重要である可能性が高いので、画質が優先され、その画像データ(スケーラブル符号化データ)は、高品質に記憶される。
【0450】
なお、通常時であるか注目時であるかは、例えば、スケーラブル符号化データ記憶装置1202が、画像を解析することにより判定しても良い。また、撮像装置1201が判定し、その判定結果をスケーラブル符号化データ記憶装置1202に伝送するようにしてもよい。
【0451】
なお、通常時であるか注目時であるかの判定基準は任意であり、判定基準とする画像の内容は任意である。もちろん、画像の内容以外の条件を判定基準とすることもできる。例えば、収録した音声の大きさや波形等に応じて切り替えるようにしてもよいし、所定の時間毎に切り替えるようにしてもよいし、ユーザ指示等の外部からの指示によって切り替えるようにしてもよい。
【0452】
また、以上においては、通常時と注目時の2つの状態を切り替える例を説明したが、状態の数は任意であり、例えば、通常時、やや注目時、注目時、非常に注目時等のように、3つ以上の状態を切り替えるようにしてもよい。ただし、この切り替える状態の上限数は、スケーラブル符号化データのレイヤ数に依存する。
【0453】
また、撮像装置1201が、スケーラブル符号化のレイヤ数を、状態に応じて決定するようにしてもよい。例えば、通常時の場合、撮像装置1201が、低品質でデータ量の少ないベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL)1222を生成し、スケーラブル符号化データ記憶装置1202に供給するようにしてもよい。また、例えば、注目時の場合、撮像装置1201が、高品質でデータ量の多いベースレイヤのスケーラブル符号化データ(BL+EL)1221を生成し、スケーラブル符号化データ記憶装置1202に供給するようにしてもよい。
【0454】
以上においては、監視カメラを例に説明したが、この撮像システム1200の用途は任意であり、監視カメラに限定されない。
【0455】
そして、以上のような図37の撮像システム1200においても、図27乃至図29を参照して上述した階層符号化・階層復号への適用と同様に本技術を適用することにより、図27乃至図29を参照して上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0456】
なお、本明細書では、予測動きベクトルのコードナンバ、差分動きベクトル情報、予測動きベクトル情報、および並列処理制御のオン/オフフラグなどの各種情報が、符号化ストリームに多重化されて、符号化側から復号側へ伝送される例について説明した。しかしながら、これら情報を伝送する手法はかかる例に限定されない。例えば、これら情報は、符号化ビットストリームに多重化されることなく、符号化ビットストリームと関連付けられた別個のデータとして伝送され又は記録されてもよい。ここで、「関連付ける」という用語は、ビットストリームに含まれる画像(スライス若しくはブロックなど、画像の一部であってもよい)と当該画像に対応する情報とを復号時にリンクさせ得るようにすることを意味する。即ち、情報は、画像(又はビットストリーム)とは別の伝送路上で伝送されてもよい。また、情報は、画像(又はビットストリーム)とは別の記録媒体(又は同一の記録媒体の別の記録エリア)に記録されてもよい。さらに、情報と画像(又はビットストリーム)とは、例えば、複数フレーム、1フレーム、又はフレーム内の一部分などの任意の単位で互いに関連付けられてよい。
【0457】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0458】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定する隣接領域設定部と、
前記隣接領域設定部により設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成する予測動きベクトル生成部と、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを復号する動きベクトル復号部と
を備える画像処理装置。
(2) 前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左または上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記第1の隣接領域に隣接する第2の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第2の隣接領域を設定する
前記(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記符号化領域が2N×Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における上に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域である
前記(3)に記載の画像処理装置。
(5) 前記符号化領域がN×2Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における右に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域である
前記(3)に記載の画像処理装置。
(6) 前記隣接領域設定部は、前記第1の予測領域が前記符号化領域における右および下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左上に接する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
前記(3)に記載の画像処理装置。
(7) 前記符号化領域が4×4の予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右上に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における左下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左上に隣接する隣接領域である
前記(6)に記載の画像処理装置。
(8) 前記符号化領域は、Asymmetric Motion Partitionにより複数の予測領域に分割されている
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9) 符号化ストリームと、前記空間隣接領域の設定を行うか否かを示すフラグを受け取る受け取り部と、
前記受け取り部により受け取られた符号化ストリームを復号し、前記画像を生成する復号部と
をさらに備え、
前記隣接領域設定部は、前記受け取り部により受け取られたフラグに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の画像処理装置。
(10) 前記フラグは、前記符号化領域または前記予測領域毎に設定されている
前記(9)に記載の画像処理装置。
(11) 前記空間隣接領域の設定を行うか否かは、シーケンスプロファイルまたはレベルに応じて設定されており、
前記隣接領域設定部は、前記シーケンスプロファイルまたはレベルに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の画像処理装置。
(12) 画像処理装置が、
画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの復号に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定し、
設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成し、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを復号する
画像処理方法。
(13) 画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定する隣接領域設定部と、
前記隣接領域設定部により設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成する予測動きベクトル生成部と、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記予測領域の動きベクトルを符号化する動きベクトル符号化部と
を備える画像処理装置。
(14) 前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左または上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
前記(13)に記載の画像処理装置。
(15) 前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右または下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記第1の隣接領域に隣接する第2の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第2の隣接領域を設定する
前記(14)に記載の画像処理装置。
(16) 前記符号化領域が2N×Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における上に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域である
前記(15)に記載の画像処理装置。
(17) 前記符号化領域がN×2Nの予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域は、前記符号化領域における右に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左に位置する予測領域であり、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域である
前記(15)に記載の画像処理装置。
(18) 前記隣接領域設定部は、第1の予測領域が前記符号化領域における右下に位置する場合、前記第1の予測領域の隣接領域のうち、前記符号化領域における左上に位置する第2の予測領域となる第1の隣接領域の代わりに、前記第2の予測領域の前記第1の隣接領域を設定する
前記(15)に記載の画像処理装置。
(19) 前記符号化領域が4×4の予測領域に分割される場合、前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右上に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の左下に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における左下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域が、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の上に隣接する隣接領域であり、前記第2の隣接領域は、予測領域の右上に隣接する隣接領域であり、
前記第1の予測領域が、前記符号化領域における右下に位置する予測領域であり、前記第2の予測領域は、前記符号化領域における左上に位置する予測領域であるとき、前記第1の隣接領域は、予測領域の左上に隣接する隣接領域である
前記(18)に記載の画像処理装置。
(20) 前記符号化領域は、Asymmetric Motion Partitionにより複数の予測領域に分割されている
前記(15)に記載の画像処理装置。
(21) 前記空間隣接領域の設定を行うか否かを示すフラグを設定する設定部と、
前記画像を符号化し、符号化ストリームを生成する符号化部と、
前記動きベクトル符号化部により符号化された動きベクトル、前記符号化部により生成された符号化ストリーム、および前記設定部により設定されたフラグを伝送する伝送部と
をさらに備え、
前記隣接領域設定部は、前記設定部により設定されたフラグに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
前記(13)乃至(20)のいずれかに記載の画像処理装置。
(22) 前記設定部は、前記符号化領域または前記予測領域毎に前記フラグを設定する
前記(21)に記載の画像処理装置。
(23) 前記空間隣接領域の設定を行うか否かは、シーケンスプロファイルまたはレベルに応じて設定されており、
前記隣接領域設定部は、前記シーケンスプロファイルまたはレベルに基づいて、前記空間隣接領域の設定を行う
前記(13)乃至(22)のいずれかに記載の画像処理装置。
(24) 画像処理装置が、
画像の符号化領域を構成する複数の予測領域の動きベクトルの符号化に用いられる予測動きベクトルのうちの空間予測動きベクトルを生成する際に、前記複数の予測領域の空間動きベクトルの生成が並列で行うように、前記符号化領域における予測領域の位置に応じて、空間隣接領域を設定し、
設定された空間隣接領域の動きベクトルを用いて、前記予測領域の空間予測ベクトルを生成し、
前記予測領域の予測動きベクトルを用いて、前記対象領域の動きベクトルを符号化する
画像処理方法。
【符号の説明】
【0459】
100 画像符号化装置, 106 可逆符号化部, 115 動き予測・補償部, 121 動きベクトル符号化部, 122 並列処理制御部, 151 空間隣接動きベクトルバッファ, 152 時間隣接動きベクトルバッファ, 153 候補予測動きベクトル生成部, 154 コスト関数値算出部, 155 最適予測動きベクトル決定部, 200 画像復号装置, 202 可逆復号部, 212 動き予測・補償部, 221 動きベクトル復号部, 222 並列処理制御部, 251 予測動きベクトル情報バッファ, 252 差分動きベクトル情報バッファ, 253 予測動きベクトル再構築部, 254 動きベクトル再構築部, 255 空間隣接動きベクトルバッファ, 256 時間隣接動きベクトルバッファ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【国際調査報告】