(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013108731
(43)【国際公開日】20130725
【発行日】20150511
(54)【発明の名称】封止用樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 53/00 20060101AFI20150414BHJP
   C08L 25/08 20060101ALI20150414BHJP
   C08L 57/02 20060101ALI20150414BHJP
   C08L 45/00 20060101ALI20150414BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20150414BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20150414BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20150414BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20150414BHJP
【FI】
   !C08L53/00
   !C08L25/08
   !C08L57/02
   !C08L45/00
   !C08L63/00 A
   !C09K3/10 Z
   !C09K3/10 L
   !H05B33/04
   !H05B33/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】2013554284
(21)【国際出願番号】JP2013050509
(22)【国際出願日】20130115
(31)【優先権主張番号】2012006463
(32)【優先日】20120116
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目15番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100122688
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】影山 裕一
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−2 味の素ファインテクノ株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K107
4H017
4J002
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC23
3K107CC24
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3K107FF02
3K107FF06
3K107FF14
4H017AA04
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4H017AC01
4H017AC04
4H017AC07
4H017AC17
4H017AD06
4H017AE05
4J002BA013
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4J002BN212
4J002BP031
4J002CD022
4J002EN106
4J002FD146
4J002FD343
4J002FD344
4J002GJ00
4J002GJ01
4J002GQ01
4J002HA08
(57)【要約】
良好な透明性、耐透湿性、接着湿熱耐性を併せ持った封止用樹脂組成物及びそれから得られる封止用樹脂組成物シートの提供。
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂及び(B)粘着付与樹脂を含有する樹脂組成物を封止用樹脂組成物とし、支持体上に該樹脂組成物による樹脂組成物層を形成して封止用樹脂組成物シートとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂及び(B)粘着付与樹脂を含有することを特徴とする封止用樹脂組成物。
【請求項2】
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂が、スチレン-イソブチレン-スチレン変性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項3】
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂が、ポリスチレン骨格及びポリイソブチレン骨格を含有するブロック共重合体であって、官能基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項4】
該官能基が、酸無水物基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、オキセタン基、シアネート基、フェノール基、ヒドラジド基及びアミド基からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項5】
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項6】
(B)粘着付与樹脂が、脂環族系石油樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項7】
(B)粘着付与樹脂が、脂環族飽和炭化水素樹脂及び/又は脂環族不飽和炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項8】
(B)粘着付与樹脂が、シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂及び/又はジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項9】
(B)粘着付与樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項10】
(C)エポキシ樹脂を更に含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項11】
(D)硬化剤を更に含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項12】
樹脂組成物の硬化物の450nmにおける平行線透過率が80〜100%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項13】
樹脂組成物の硬化物の透湿度が1〜40g/mであり、環境試験後の接着強度が10〜50N/25mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物を含むことを特徴とする封止用樹脂組成物シート。
【請求項15】
有機EL素子の封止用である請求項14記載の封止用樹脂組成物シート。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物を含むことを特徴とする有機ELデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封止用樹脂組成物に関し、特に有機EL素子の封止等に好適に使用できる、封止用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electroluminescence)素子は発光材料に有機物質を使用した発光素子であり、低電圧で高輝度の発光を得ることができる近年脚光を浴びている素材である。しかしながら、有機EL素子は水分に極めて弱く、有機材料自体が水分によって変質して、輝度が低下したり、発光しなくなったり、電極と有機EL層との界面が水分の影響で剥離したり、金属が酸化して高抵抗化してしまったりする問題があった。
【0003】
熱硬化樹脂組成物を全面封止材料として使用する場合、硬化前の材料粘度が低いことから積層作業が容易であることや、熱硬化後の硬化物の耐透湿性が高いことが利点として挙げられる。しかし、その一方で、熱硬化時の加熱温度によって有機EL素子が劣化するという問題がある。また、従来の缶封止構造では脱水を目的として封止空間内に組み込まれるゲッター剤層によって光が遮断されるため、封止面側からの光取出しの効率が悪い欠点があるが、樹脂組成物で全面封止する構造では封止面側からの発光が効率よく取り出せる利点が挙げられる。この場合、高い取り出し効率を得るためには封止材料の透明性が求められている。
【0004】
有機EL素子の熱劣化を回避する方法として、特許文献1にはポリイソブチレン樹脂、エポキシ基と反応し得る官能基を持つポリイソプレン樹脂及び/又はポリイソブチレン樹脂、粘着付与樹脂、及びエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物が開示されている。しかし、透明性については言及されておらず、十分な検討がなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2011−62167号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、良好な透明性、耐透湿性、接着湿熱耐性を併せ持った封止用樹脂組成物及びそれから得られる封止用樹脂組成物シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討した結果、(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂及び(B)粘着付与樹脂を含有する樹脂組成物を用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち本発明は以下の態様を含む。
〔1〕(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂及び(B)粘着付与樹脂を含有することを特徴とする封止用樹脂組成物。
〔2〕(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂が、スチレン-イソブチレン-スチレン変性樹脂であることを特徴とする上記〔1〕に記載の封止用樹脂組成物。
〔3〕(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂が、ポリスチレン骨格及びポリイソブチレン骨格を含有するブロック共重合体であって、官能基を有するものであることを特徴とする上記〔1〕に記載の封止用樹脂組成物。
〔4〕該官能基が、酸無水物基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、オキセタン基、シアネート基、フェノール基、ヒドラジド基、アミド基からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする上記〔3〕に記載の封止用樹脂組成物。
〔5〕(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35〜80質量%であることを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔6〕(B)粘着付与樹脂が、脂環族系石油樹脂であることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔7〕(B)粘着付与樹脂が、脂環族飽和炭化水素樹脂及び/又は脂環族不飽和炭化水素樹脂であることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔8〕(B)粘着付与樹脂が、シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂及び/又はジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂であることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔9〕(B)粘着付与樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5〜60質量%であることを特徴とする上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔10〕(C)エポキシ樹脂を更に含有することを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔11〕(D)硬化剤を更に含有することを特徴とする上記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔12〕樹脂組成物の硬化物の450nmにおける平行線透過率が80〜100%であることを特徴とする上記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔13〕樹脂組成物の硬化物の透湿度が1〜40g/mであり、環境試験後の接着強度が10〜50N/25mmであることを特徴とする上記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
〔14〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物を含むことを特徴とする封止用樹脂組成物シート(すなわち、支持体上に上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物による樹脂組成物層を形成してなる封止用樹脂組成物シート)
〔15〕有機EL素子の封止用である上記[14]記載の封止用樹脂組成物シート。
〔16〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物を含むことを特徴とする有機ELデバイス(すなわち、上記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の封止用樹脂組成物にて有機EL素子が封止されてなる有機ELデバイス)。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、良好な透明性、耐透湿性、接着湿熱耐性を併せ持った封止用樹脂組成物を提供できるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の封止用樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」とも略称する)は、(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂及び(B)粘着付与樹脂を含有することを特徴とする。
【0011】
<(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂>
本発明において使用される(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂(以下、「(A)成分」とも略称する。)は、スチレン骨格及びイソブチレン骨格を含有する共重合体であり、官能基を有するものであれば、特に限定されない。共重合体の形態は、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。当該(A)成分は、好ましくは室温(25℃)での状態が固体状である。
【0012】
当該(A)成分の好ましい態様として、ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)及びポリイソブチレンブロック(ポリイソブチレン骨格)を含むブロック共重合体であって、官能基を有するもの、すなわち、ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)と、ポリイソブチレンブロック(ポリイソブチレン骨格)とを含むブロック共重合体の少なくとも一方の重合体ブロックに官能基を有する変性ブロック共重合体が挙げられる。
【0013】
かかる変性ブロック共重合体におけるブロック共重合体の形態は特に限定はされないが、ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)−ポリイソブチレンブロック(ポリイソブチレン骨格)からなるジブロック共重合体、ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)−ポリイソブチレンブロック(ポリイソブチレン骨格)−ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)からなるトリブロック共重合体等を挙げることができ、好ましくは、ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)−ポリイソブチレンブロック(ポリイソブチレン骨格)−ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)からなるトリブロック共重合体(スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体)である。すなわち、当該(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂は、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体を変性したもの(スチレン-イソブチレン-スチレン変性樹脂)が好ましい。
【0014】
ポリイソブチレン骨格は、イソブチレンのホモポリマーであっても、イソブチレンに適宜量の1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系化合物が共重合したものでもよい。また、ポリスチレン骨格は、スチレンのホモポリマーであっても、p−メチルスチレン、瘁|メチルスチレン及びインデンからなる群から選択される少なくとも1種の適宜量が共重合したものでもよい。
【0015】
ポリイソブチレン骨格の占める割合は、樹脂組成物が十分な接着性と耐透湿性が得られるという観点から、(A)成分全体(すなわち、変性ブロック共重合体)を100質量%とした場合、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。また、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。
【0016】
官能基としては、特に限定されないが、酸無水物基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、オキサゾリン基、オキセタン基、シアネート基、フェノール基、ヒドラジド基、アミド基からなる群より選択される1種以上が好ましく、樹脂組成物の接着強度向上という観点から、酸無水物基、エポキシ基がより好ましい。これらの官能基はいずれか1種であっても、2種以上であってもよい。なお、スチレン-イソブチレン変性樹脂中の官能基濃度は0.05〜10mmol/gが好ましい。
【0017】
酸無水物基を有するスチレン-イソブチレン変性樹脂を用いる場合は、酸無水物基濃度が0.05〜10mmol/gのものが好ましく、0.2〜5mmol/gのものがより好ましい。なお、ここでいう酸無水物基濃度はJIS K 2501の記載に従い、樹脂1g中に存在する酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数として定義される酸価の値より得られる。
【0018】
エポキシ基を有するスチレン-イソブチレン変性樹脂を用いる場合は、エポキシ基濃度が0.05〜10mmol/gのものが好ましく、0.2〜5mmol/gのものがより好ましい。なお、ここでいうエポキシ基濃度はJIS K 7236−1995に基づいて得られるエポキシ当量から求められる。
【0019】
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂は、例えば、スチレン-イソブチレン樹脂(例えば、ポリスチレンブロック(ポリスチレン骨格)とポリイソブチレンブロック(ポリイソブチレン骨格)とからなるブロック共重合体)を、ラジカル反応条件下にて、官能基を含有する不飽和化合物でグラフト変性することで得られる。
【0020】
(A)成分の数平均分子量は特に限定はされないが、樹脂組成物の良好な塗工性他の成分との良好な相溶性をもたらすという観点から、500000以下が好ましく、300000以下がより好ましく、150000以下が更に好ましい。一方、樹脂組成物の塗工時のハジキを防止し、樹脂組成物シートの耐透湿性を発現させ、機械強度を向上させるという観点から、10000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、60000以上が更に好ましい。なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてトルエン等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
【0021】
(A)成分は1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。好適態様として、例えば、酸無水物基を有する変性樹脂とエポキシ基を有する変性樹脂とを併用する態様が挙げられる。
【0022】
(A)成分の好適な具体例としては、酸無水物基を有する変性ブロック共重合体であるT−YP757B(星光PMC(株)製)、エポキシ基を有する変性ブロック共重合体であるT−YP766(星光PMC(株)製)等が挙げられる。
【0023】
本発明の樹脂組成物中の(A)成分の含有量は特に制限はないが、良好な塗工性と相溶性をもたらし、良好な湿熱耐性と取り扱い性(タック抑制)を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。一方、耐透湿性を向上させ、透明性も向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましい。
【0024】
<(B)粘着付与樹脂>
本発明において使用される(B)粘着付与樹脂(以下、「(B)成分」とも略称する)は、タッキファイヤーとも呼ばれ、可塑性高分子に配合して粘着性を付与させる樹脂である。(B)成分としては、特に限定されるものではなく、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂(水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノール共重合樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等)、クマロン樹脂、インデン樹脂、石油樹脂(脂肪族系石油樹脂、水添脂環式石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物等)が好ましく使用される。なかでも、樹脂組成物の接着性、耐透湿性、相溶性等の観点から、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール共重合樹脂、水添脂環式石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂がより好ましく、脂環族系石油樹脂が更に好ましく、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂環族不飽和炭化水素樹脂が更に好ましく、シクロヘキシル環(すなわち、シクロヘキサン環)含有飽和炭化水素樹脂、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂が更に一層好ましい。(B)成分は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
(B)成分の軟化点は、樹脂組成物シートの積層工程でシートが軟化し、かつ所望の耐熱性を持つという観点から、50〜200℃が好ましく、90〜180℃がより好ましく、100〜150℃が更に好ましい。なお、軟化点の測定は、JIS K2207に従い環球法により測定される。
【0026】
樹脂組成物中の(B)成分の含有量は特に制限はないが、良好な耐透湿性を維持するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。一方、十分な接着性を有するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。
【0027】
(B)成分として使用できる市販品としては、テルペン樹脂として、YSレジンPX、YSレジンPXN(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、芳香族変性テルペン樹脂として、YSレジンTO、TRシリーズ(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、水素添加テルペン樹脂として、クリアロンP、クリアロンM、クリアロンKシリーズ(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、テルペンフェノール共重合樹脂として、YSポリスター2000、ポリスターU、ポリスターT、ポリスターS、マイティエースG(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、水添脂環式石油樹脂として、Escorez5300シリーズ、5600シリーズ(いずれもエクソンモービル社製)等が挙げられ、芳香族系石油樹脂としてENDEX155(イーストマン社製)等が挙げられ、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂としてQuintoneD100(日本ゼオン社製)等が挙げられ、脂環族系石油樹脂としてQuintone1325、Quintone1345(いずれも日本ゼオン社製)等が挙げられ、アルコンP100,アルコンP125、アルコンP140(いずれも荒川化学社製)などが挙げられる。
【0028】
<(C)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物に更に(C)エポキシ樹脂(以下、「(C)成分」とも略称する)を含有させることにより、樹脂組成物のタックを抑制させながら、他の諸物性を安定的に保つことができる。(C)成分としては、特に限定されるものではなく、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。(C)成分は1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0029】
(C)成分は、これらの中でも、本発明の樹脂組成物の耐熱性向上、優れた耐透湿性を保つという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂等が好ましい。
【0030】
(C)成分は、液状であっても、固体状であってもよく、液状物と固体状物の両方を用いてもよい。ここで、「液状」及び「固体状」とは、室温(25℃)でのエポキシ樹脂の状態である。樹脂組成物のタックを抑制せしめる効果が保たれる限り、液状エポキシ樹脂と固形状エポキシ樹脂とはいかなる比率で使用してもよい。また、(C)成分は、良好な耐透湿性を維持し、タックを抑えるという点から、エポキシ当量が100〜1500g/eqの範囲が好ましく、150〜1000g/eqの範囲がより好ましく、200〜800g/eqの範囲が更に好ましい。なお、「エポキシ当量」とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K 7236に規定された方法に従って測定される。
【0031】
樹脂組成物中の(C)成分の含有量は特に制限はないが、良好な耐透湿性を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、8質量%以下が更に一層好ましく、6質量%以下が殊更好ましい。一方、良好な取り扱い性(タック抑制)を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、0.1質量以上%が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が更に一層好ましい。
【0032】
(C)成分として使用できる市販品としては、ジャパンエポキシレジン社製「828EL」(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、DIC社製「HP4032」、「HP4032D](ナフタレン型2官能エポキシ樹脂)、DIC社製「HP4700」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、DIC社製「HP7200シリーズ」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、東都化成社製「ESN−475V」「ESN−185V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、ダイセル化学工業社製「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)、日本化薬社製「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」、「NC3000」、「NC3000FH−75M」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製「YX4000」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製「YX8800」(アントラセン骨格含有型エポキシ樹脂)などが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0033】
<(D)硬化剤>
本発明は更に(D)硬化剤(以下、「(D)成分」とも略称する)を含有させることにより、樹脂組成物の硬化性能を向上させることができる。(D)成分としては、特に限定はされないが、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスホニウム系硬化剤、フェノール系硬化剤などが挙げられる。(D)成分は1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0034】
アミン系硬化剤としては、特に制限はないが、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩;DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5)、DBU−フェノール塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、DBU−フェノールノボラック樹脂塩等のジアザビシクロ化合物;ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミンおよびそれらの塩、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、芳香族ジメチルウレア等のジメチルウレア化合物;等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0035】
グアニジン系硬化剤としては、特に制限はないが、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1\-n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0036】
イミダゾール系硬化剤としては、特に制限はないが、1H−イミダゾール、2−メチル\-イミダゾール、2−フェニル−4−メチルーイミダゾール、1−シアノエチルー2−エチル−4−メチル−イミダゾール、2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−イミダゾール、2−ドデシル−イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチル−イミダゾール等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0037】
ホスホニウム系硬化剤としては、特に制限はないが、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0038】
フェノール系硬化剤の種類は、特に制限はないが、MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成社製)、NHN、CBN、GPH(日本化薬社製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(東都化成社製)、TD2090(DIC社製)等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤の具体例としては、LA3018(DIC社製)等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤の具体例としては、LA7052、LA7054、LA1356(DIC社製)等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0039】
樹脂組成物中の(D)成分の含有量は特に制限はないが、耐透湿性の低下を防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。一方、タックを抑制させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
【0040】
<樹脂添加剤>
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない程度に、上述した成分以外の各種樹脂添加剤を任意で含有させても良い。このような樹脂添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等の無機充填材;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、焼成ドロマイト(酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含む混合物)、焼成ハイドロタルサイト(アルミニウムなどとマグネシウムなどとの複酸化物)等の吸湿性金属酸化物;ゴム粒子、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤;トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤;等を挙げることができる。
【0041】
無機充填材又は吸湿性金属酸化物は、表面処理剤で表面処理してその耐湿性を向上させることができる。表面処理剤としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、イミダゾールシラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0042】
無機充填材又は吸湿性金属酸化物の平均粒径は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の透明性を確保するという観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。一方、耐透湿性を向上させるという観点から、0.05μm以上が好ましい。(E)成分の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−500等を使用することができる。
【0043】
無機充填材又は吸湿性金属酸化物の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の透明性を確保するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、27質量%以下が好ましく、22質量%以下がより好ましく、17質量%以下が更に好ましく、12質量%以下が更に一層好ましく、7質量%以下が殊更好ましい。一方、無機充填材又は吸湿性金属酸化物は0質量%以上でよいが、耐透湿性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。
【0044】
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合する方法などが挙げられる。
【0045】
本発明の樹脂組成物の硬化物の透明性は、分光光度計により測定することができる。透明性はEL素子の発光効率を向上させるという点で高いほど良い。具体的には、450nmにおける平行線透過率が80%以上が好ましく、82%以上がより好ましく、84%以上が更に好ましく、86%以上が更に一層好ましく、88%以上が殊更好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0046】
本発明の樹脂組成物の硬化物の接着湿熱耐性は、高度加速寿命(プレッシャークッカー)試験により測定することができる。接着湿熱耐性は環境試験後の接着強度で判断することができる。つまり、環境試験後の接着強度が優れるほど水蒸気バリア性が高く、環境劣化耐性が優れており、EL素子発光の長期寿命をもたらすことができる。環境試験後の接着強度は10N/25mm以上が好ましく、11N/25mm以上がより好ましく、12N/25mm以上が更に好ましく、13N/25mm以上が更に一層好ましく、14N/25mm以上が殊更好ましく、15N/25mm以上が特に好ましい。一方、環境試験後の接着強度は高いほどよいが、実用的には50N/25mm以下が好ましく、45N/25mm以下がより好ましい。
【0047】
本発明の樹脂組成物の硬化物の耐透湿性は、JIS Z 0208のカップ法により測定することができる。透湿度が低いほど外界からEL素子への水分の浸入を遅延させることができるという点で、厚み40μmの樹脂組成物層を60℃90%RH、24時間の条件で測定したときの値が、40g/m以下が好ましく、39g/m以下がより好ましく、38g/m以下が更に好ましく、37g/m以下が更に一層好ましく、36g/m以下が殊更好ましく、35g/m以下が特に好ましい。一方、透湿度は低いほどよいが、実用的には1g/m以上が好ましく、5g/m以上がより好ましい。
【0048】
本発明の樹脂組成物は、半導体、太陽電池、高輝度LED、LCD、EL素子等の封止に好適に使用され、有機EL素子の封止に特に好適に使用される。
【0049】
<封止用樹脂組成物シート>
本発明の封止用樹脂組成物シート(以下、「本発明の樹脂組成物シート」とも略称する)は、支持体上に本発明の樹脂組成物による樹脂組成物層が形成されたものである。樹脂組成物層は、当業者に公知の方法ですればよく、例えば、有機溶剤に本発明の樹脂組成物を溶解したワニスを調製し、支持体上に、ワニスを塗布、乾燥することで形成される。なお、樹脂組成物層はさらに加熱して硬化物としてもよい。有機溶剤の乾燥は熱風吹きつけ等によって行うことができる。
【0050】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」とも略称する)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等;ソルベントナフサ等の芳香族系混合溶剤を挙げることができる。芳香族系混合溶剤として「スワゾール」(丸善石油社製、商品名)、「イプゾール」(出光興産社製、商品名)が挙げられる。有機溶剤は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0051】
乾燥条件は特に制限はないが、50〜100℃で1〜60分が好ましい。50℃以上とすることで、樹脂組成物層中に残存する溶剤量を低下させ易くなる。
【0052】
本発明の樹脂組成物シートを用いて、素子(例えば、有機EL素子)の封止を行う場合、封止工程前に樹脂組成物層を予め熱硬化しても良いし、封止工程後に樹脂組成物層を熱硬化してもよい。素子(例えば、有機EL素子)の熱劣化を低減させるという観点から、封止工程前に予め熱硬化することが好ましい。
【0053】
封止工程前に樹脂組成物層を熱硬化する場合は、硬化条件は特に制限はないが、硬化温度は、50〜200℃が好ましく、100〜180℃がより好ましく、120〜160℃が更に好ましい。硬化時間は、15〜120分が好ましく、30〜100分がより好ましい。
【0054】
封止工程後に樹脂組成物層を熱硬化する場合は、素子(例えば、有機EL素子)の熱劣化を防止する観点から、硬化温度は、50〜150℃が好ましく、60〜100℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。
【0055】
樹脂組成物シートにおける樹脂組成物層の厚みは、3μm〜200μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、5μm〜50μmが更に好ましい。
【0056】
なお、後述のように、目的とする最終的な封止構造が、樹脂組成物シートの樹脂組成物層に封止基材が積層された構造の場合、水分が浸入し得る部分は樹脂組成物層の側部のみになるため、樹脂組成物層の層厚を薄くすることで、側部の外気と接触する面積が小さくなる。従って、樹脂組成物層の層厚を薄くすることが、水分を遮断する上で望ましい。しかし、樹脂組成物層の層厚が小さすぎると、封止基材を貼り合わせる際に素子にダメージを与える虞があり、また、封止基材を貼り合わせる際の作業性が低下する傾向にある。また、樹脂組成物層の厚みを上記の好適範囲とすることは、封止対象(例えば、有機EL素子等の素子が形成された基板)に樹脂組成物層を転写した後の樹脂組成物層の厚みの均一性を保つ上でも有効である。
【0057】
樹脂組成物シートに使用する支持体としては、防湿性を有する支持体が好ましい。防湿性を有する支持体としては、防湿性を有するプラスチックフィルムや、銅箔、アルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。防湿性を有するプラスチックフィルムとしては、酸化ケイ素(シリカ)、窒化ケイ素、SiCN、アモルファスシリコン等の無機物を表面に蒸着させたプラスチックフィルム等が挙げられる。ここで、表面に無機物が蒸着されるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルムが好適であり、PETフィルムが特に好ましい。市販されている防湿性を有するプラスチックフィルムの例としては、テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズ(三菱樹脂社製)や、該テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズよりも更に防湿効果を高めたX−BARRIER(三菱樹脂社製)等が挙げられる。また、防湿性を有する支持体として、2層以上の複層構造を有するもの、例えば、上記のプラスチックフィルムと上記の金属箔とを接着剤を介して張り合わせたものも使用できる。このものは安価であり、ハンドリング性の観点からも有利である。なお、樹脂組成物シートの支持体には、防湿性を有しない支持体(例えば、上記の表面に無機物が蒸着されていないプラスチックフィルムの単体)も使用できる。
【0058】
支持体の厚さは特に限定されないが、樹脂組成物シートの取り扱い性等の観点から、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
【0059】
また、本発明の樹脂組成物シートは実際に封止構造の形成に使用する前までは、樹脂組成物シート表面へのゴミ等の付着やキズを防止するために保護フィルムで保護されているのが好ましく、保護フィルムとしては、支持体で例示したプラスチックフィルムを用いることができる。保護フィルムは予めマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。離型剤としては、具体的には、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤等が挙げられる。離型剤は異なる種類のものを混合して用いてもよい。保護フィルムの厚さも特に制限されないが、1〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0060】
本発明の樹脂組成物シートは封止対象にラミネートして使用される。ここでいう、「ラミネート」は支持体を備えたままの樹脂組成物シートで封止対象が被覆された状態の他、封止対象が樹脂組成物シートから転写された樹脂組成物層で被覆された状態を含む。支持体が防湿性を有しない支持体(例えば、上記の表面に無機物が蒸着されていないプラスチックフィルムの単体)である樹脂組成物シートを使用する場合、封止対象に樹脂組成物シートをラミネートした後、支持体を剥離し(すなわち、樹脂組成物層を転写し)、その後、樹脂組成物層上に、別途、封止基材を積層するのが好ましい。特に、封止対象が有機EL素子が形成された基板(以下、「有機EL素子形成基板」ともいう)である場合、かかる封止基材を積層する態様が好ましい。なお、本発明でいう「封止基材」は、樹脂組成物シートに用いた防湿性を有する支持体を、それに樹脂組成物層を形成せずに、それ単体で使用するものである。また、樹脂組成物シートの支持体として使用するには不向きな、ガラス板、金属板、鋼板等の可とう性を有しないが、防湿性の高い板も「封止基材」に含まれる。
【0061】
<有機ELデバイス>
本発明の有機ELデバイスは、本発明の樹脂組成物にて有機EL素子が封止されてなる。
たとえば、有機EL素子形成基板に本発明の樹脂組成物シートをラミネートすることで、本発明の有機ELデバイスが得られる。樹脂組成物シートが保護フィルムで保護されている場合はこれを剥離した後、樹脂組成物層が該基板に直接接するように、樹脂組成物シートを該基板上にラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。
【0062】
樹脂組成物シートの支持体が防湿性を有する支持体である場合は、樹脂組成物シートを有機EL素子の形成された基板上にラミネートした後、支持体を剥離せず、そのまま有機EL素子の封止工程が完了する。封止工程後に熱硬化が必要な場合は、熱硬化を行う。
【0063】
一般的に、有機EL素子の封止用材料は、封止作業の前に乾燥させて、吸水した水分を除去することが必要であり、その作業が煩雑であるが、防湿性を有する支持体を使用した本発明の樹脂組成物シートは耐透湿性が高いため、保存時やデバイス製造作業時における吸水率も低い。また、封止作業時の有機EL素子に与えるダメージも著しく軽減される。
【0064】
防湿性を有しない支持体を使用した樹脂組成物シートする場合、有機EL素子形成基板に樹脂組成物シートをラミネート後、支持体を剥離し、露出した樹脂組成物層に封止基材を圧着することで、有機EL素子の封止工程が完了する。封止基材は、防湿効果が上がるという観点から、2枚またはそれ以上を貼り合わせて使用してもよい。また、封止基材の厚みは有機ELデバイス自体を薄くかつ軽くするという観点から5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましくい。また、水分透過を防ぐ観点から、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。封止基材の圧着時の圧力は0.3〜10kgf/cm程度が好適であり、加熱下に圧着する場合、25℃〜130℃が好適である。
【0065】
有機EL素子形成基板が透明基板上に有機EL素子が形成されたものである場合、透明基板側をディスプレイの表示面や照明器具の発光面にすれば、樹脂組成物シートの支持体には必ずしも透明材料を使用する必要はなく、金属板、金属箔、不透明のプラスチックフィルムまたは板等を使用してもよい。逆に有機EL素子形成基板が有機EL素子が不透明または透明性の低い材料からなる基板上に形成されたものである場合、封止基材側をディスプレイの表示面や照明器具の発光面にする必要から、封止基材には、透明プラスチックフィルム、ガラス板、透明プラスチック板等が使用される。
【0066】
本発明の樹脂組成物シートの樹脂組成物層を熱硬化させた後に、当該樹脂組成物シートを有機EL素子形成基板にラミネートして封止工程を行うことにより、封止工程の後、加熱工程を経ずに有機ELデバイスを製造することができる。従って、有機EL素子の熱劣化を大幅に抑制することが可能となる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、特に断りがない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
【0068】
実施例及び比較例に用いた使用材料について説明する。
(A)スチレン-イソブチレン変性樹脂
・T−YP757B(星光PMC(株)製):無水マレイン酸変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g、数平均分子量100000
・T−YP766(星光PMC(株)製):グリシジルメタクリレート変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、グリシジル基(エポキシ基)濃度0.638mmol/g、数平均分子量100000
(B)粘着付与樹脂
・アルコンP125(荒川化学(株)製):シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂、軟化点125℃
・quintone1345(日本ゼオン(株)製):ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂、軟化点140℃
(C)エポキシ樹脂
・HP7200H(DIC(株)製):ジシクロペンタジエン型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量278g/eq(D)硬化剤
・アニオン重合型硬化剤(2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、以下TAPと略記)(その他の材料)
・無機充填材:タルク(日本タルク社製「D−600」)
・吸湿性金属酸化物:焼成ハイドロタルサイト(戸田工業社製「ハイドロタルサイト」)
・SIBSTAR−102T(カネカ(株)製):スチレン-イソブチレン−スチレンブロック共重合体、数平均分子量100000、スチレン含有率15%
・SIS5200(JSR社製);スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン含有率15%
・HV−300M(JX日鉱日石エネルギー(株)製):無水マレイン酸変性液状ポリイソブチレン、数平均分子量1400の変性品、官能基数:3.2個/1分子、酸価:43.4mgKOH/g
・スワゾール#1000(丸善石油(株)製):芳香族系混合溶剤
・トルエン
【0069】
[測定方法・評価方法]
各種測定方法・評価方法について説明する。
【0070】
<接着湿熱耐性の評価>
支持体にPETフィルムを使用した樹脂組成物シート(長さ50mm、幅20mm)をバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、Morton−724)を用いて、アルミニウム箔(長さ100mm、幅20mm、厚さ50μm、住軽アルミ箔社製、品番SA50)にラミネートした。ラミネートは、温度80℃、時間20秒、圧力1kgf/cm(9.8×10Pa)の条件で行った。そしてPETフィルムを剥離し、露出した樹脂組成物層上に、さらにガラス板(長さ76mm、幅26mm、厚さ1.2mm、マイクロスライドガラス)を上記と同じ条件でラミネートした。得られた積層体について、アルミニウム箔の長さ方向に対して、90度方向に、引張り速度を50mm/分として剥離したときの接着強度を測定した(初期接着強度)。サンプルは2つ用いて、その平均値を測定した。また、上記と同様にして作製した試験片を121℃、100%RHの条件下で24時間保持した後に、上記の方法で接着強度を測定した(環境試験後の接着強度)。環境試験後の接着強度が0N/25mm以上10N/25mm未満を「不可(×)」とし、10N/25mm以上20N/25mm未満を「良好(○)」とし、20N/25mm以上30N/25mm未満を「優秀(◎)」とした。なお、環境試験後にアルミニウム箔が膨れて剥がれてしまったサンプルは「-」と表記した。
【0071】
<耐透湿性の測定及び評価>
厚み40μmの樹脂組成物シートを用い、カップ法により、JIS Z0204に準じて測定した。測定条件は温度60℃、相対湿度90%、24時間であった。透湿度が10g/m以上25g/m未満を「優秀(◎)」とし、25g/m以上40g/m未満を「良好(○)」とし、40g/m以上を「不可(×)」とした。
【0072】
<透明性の測定及び評価>
厚み40μmの樹脂組成物シートを用い、島津社製分光光度UV−mini1000によって、300nmから1000nmまでの分光スペクトルを測定した。450nmにおける平行線透過率を透明度とした。透明度が70%以上80%未満を「不可(×)」とし、80%以上90%未満を「良好(○)」とし、90%以上を「優秀(◎)」とした。
【0073】
<実施例1>
以下に記載する方法で樹脂組成物シートを得た。なお、特に記載のない限り、各成分の質量部(以下、「部」と略称する)の部数は固形分で換算した値である。
無水マレイン酸変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(T−YP757B、40%スワゾール溶液)45部に、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂(quintone1345、60%トルエン溶液)14部と、シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂(アルコンP125、60%トルエン溶液)40部とを混合し、高速回転ミキサーで混合して均一混合溶液を得た。この混合溶液にグリシジル変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(T−YP766、40%スワゾール溶液)55部と、アニオン重合型硬化剤(TAP)1部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃で30分間乾燥し、130で60分間加熱硬化させることにより、樹脂組成物層厚40μmの樹脂組成物シートを得た。
【0074】
<実施例2>
無水マレイン酸変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(T−YP757B、40%スワゾール溶液)80部に、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂(quintone1345、60%トルエン溶液)14部と、シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂(アルコンP−125、60%トルエン溶液)40部とを混合し、高速回転ミキサーで混合して均一混合溶液を得た。この混合溶液にエポキシ樹脂(HP−7200H)20部と、アニオン重合型硬化剤(TAP)1部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法で樹脂組成物シートを得た。
【0075】
<比較例1>
スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBSTAR−102T、50%スワゾール溶液)100部に、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂(quintone1345、60%トルエン溶液)14部と、シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂(アルコンP−125、60%トルエン溶液)40部とを混合し、高速回転ミキサーで混合して均一溶液を得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法で樹脂組成物シートを得た。
【0076】
<比較例2>
スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBSTAR−102T、50%スワゾール溶液)89部に、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂(クイントン1345、60%トルエン溶液)14部と、シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂(アルコンP−125、60%トルエン溶液)40部とを混合し、高速回転ミキサーで混合して均一溶液を得た。この混合溶液にエポキシ樹脂(HP−7200H)4部と、アニオン重合型硬化剤(TAP)1部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法で樹脂組成物シートを得た。
【0077】
<比較例3>
スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS5200、50%スワゾール溶液)89部に、無水マレイン酸変性液状ポリイソブチレン(HV−300M)7部と、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂(クイントン1345、60%トルエン溶液)14部と、シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂(アルコンP−125、60%トルエン溶液)40部とを混合し、高速回転ミキサーで混合して均一溶液を得た。この混合溶液にエポキシ樹脂(HP−7200H)4部と、アニオン重合型硬化剤(TAP)1部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法で樹脂組成物シートを得た。
【0078】
<比較例4>
スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBSTAR−102T、50%スワゾール溶液)89部に、無水マレイン酸変性液状ポリイソブチレン(HV−300M)7部と、タルク(D−600)30部、ハイドロタルサイト30部を混合し3本ロールで混練した後、ジシクロペンタジエン変性炭化水素樹脂(クイントン1345、60%トルエン溶液)14部と、シクロヘキシル環含有飽和炭化水素樹脂(アルコンP−125、60%トルエン溶液)40部と、を混合し、高速回転ミキサーで混合して均一溶液を得た。この混合溶液にエポキシ樹脂(HP−7200H)4部と、アニオン重合型硬化剤(TAP)1部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法で樹脂組成物シートを得た。
【0079】
結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
実施例1及び2から、本発明の封止用樹脂組成物により得られる樹脂組成物シートは、良好な透明性を有することが分かる。また、ラミネート時やラミネート後に加熱硬化を積極的に行う必要がなく、80℃で20秒間という低温短時間の加熱で十分に高い接着強度で接着し、ラミネート後に高温高湿環境下に置かれた後も高い接着強度を維持することができ、しかも、良好な耐透湿性を有する。従って、本発明によれば、水分や熱による劣化を生じやすい有機EL素子に対し、有機EL素子の劣化を生じさせることなく、高信頼性の封止構造を形成できる封止材となる樹脂組成物及び樹脂組成物シートを得ることができ、信頼性の高い有機ELデバイスの提供が可能となる。
一方、比較例1〜3では(A)成分を用いておらず、接着湿熱耐性が劣り、比較例4では透明性も劣ってしまっている。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の樹脂組成物は、スチレン-イソブチレン変性樹脂、粘着付与樹脂を含有させることにより、ワニス塗工が可能であり、良好な透明性、耐透湿性、接着湿熱耐性を併せ持った封止用樹脂組成物シートを提供できるようになった。更にこれらを搭載した、フラットパネル用の封止樹脂、プリント回路板の防湿保護フィルム、リチウムイオン電池の防湿フィルム、包装用ラミネートフィルム等の用途にも適用でき、テレビ、携帯電話、デジタルカメラ等の電気製品や、自動二輪車、自動車、電車、船舶、航空機等の乗物にも提供できるようになった。
【0083】
本出願は日本で出願された特願2012−006463号を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含される。
【国際調査報告】