(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2013108771
(43)【国際公開日】20130725
【発行日】20150511
(54)【発明の名称】卵殻膜からのリジルオキシダーゼ抽出方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 9/06 20060101AFI20150414BHJP
   C12N 9/00 20060101ALI20150414BHJP
   A23L 1/30 20060101ALI20150414BHJP
   A61K 35/54 20150101ALI20150414BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20150414BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20150414BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20150414BHJP
   A61K 38/44 20060101ALI20150414BHJP
【FI】
   !C12N9/06 B
   !C12N9/00 101
   !A23L1/30 A
   !A61K35/54
   !A61P17/02
   !A61K8/98
   !A61Q19/00
   !A61K37/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】2013554300
(21)【国際出願番号】JP2013050628
(22)【国際出願日】20130116
(31)【優先権主張番号】2012007499
(32)【優先日】20120117
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000216162
【氏名又は名称】天野エンザイム株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区錦1丁目2番7号
(74)【代理人】
【識別番号】100114362
【弁理士】
【氏名又は名称】萩野 幹治
(72)【発明者】
【氏名】小山 貴史
【住所又は居所】岐阜県各務原市テクノプラザ一丁目6番 天野エンザイム株式会社 岐阜研究所内
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊一
【住所又は居所】岐阜県各務原市テクノプラザ一丁目6番 天野エンザイム株式会社 岐阜研究所内
【テーマコード(参考)】
4B018
4B050
4C083
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B018MD72
4B018MD90
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4C087CA06
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4C087MA55
4C087MA63
4C087NA10
4C087NA14
4C087ZA89
(57)【要約】
卵殻膜中の有用成分であるリジルオキシダーゼを高収率で抽出する方法を提供することを課題とする。タンパク質分解酵素を卵殻膜に作用させて可溶性リジルオキシダーゼを抽出し、回収する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物由来のタンパク質分解酵素を卵殻膜に作用させることを特徴とする、卵殻膜から可溶性リジルオキシダーゼを抽出する方法。
【請求項2】
前記微生物が、カビである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カビがアスペルギルス属のカビである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アスペルギルス属のカビがアスペルギルス・メレウスである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記微生物が、バチルス属由来の微生物である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バチルス属由来の微生物がバチルス・ズブチリスである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法で抽出された、卵殻膜由来の可溶性リジルオキシダーゼを含有する、卵殻膜抽出物。
【請求項8】
請求項7に記載の卵殻膜抽出物を含有する医薬組成物。
【請求項9】
経口製剤である請求項8の医薬組成物。
【請求項10】
非経口製剤である請求項8の医薬組成物。
【請求項11】
請求項7に記載の卵殻膜抽出物を含有する食品組成物。
【請求項12】
請求項7に記載の卵殻膜抽出物を含有する化粧料組成物。
【請求項13】
請求項7に記載の卵殻膜抽出物を含有する創傷治療組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卵殻膜有用成分の抽出方法に関する。詳しくは、卵殻膜から可溶性リジルオキシダーゼを抽出する方法及び抽出された可溶性リジルオキシダーゼの用途等に関する。本発明の抽出方法で得られる可溶性リジルオキシダーゼは、例えば食品の物性改良、再生医療等の分野において有用である。本出願は、2012年1月17日に出願された日本国特許出願第2012−007499号に基づく優先権を主張するものであり、当該特許出願の全内容は参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
鶏肉および鶏卵の国内消費量は多く、それぞれ年間220万トン、250万トンにものぼるといわれている。世界全体の消費量では鶏肉が約8300万トン、鶏卵が約5600万トンである。一方で、不食部の羽毛および卵殻膜も大量に排出される。羽毛および卵殻膜の90%以上は蛋白質から構成されており、羽毛はケラチン蛋白質、卵殻膜はコラーゲン様タンパク質が主成分となっている。いずれもシステインを多く含み(約10%)、その分解物は抗酸化作用等の多くの生理機能を持つことが知られている。
【0003】
卵殻膜は、鶏卵において卵細胞(卵黄)や卵白を包み、卵殻とともに物理的に外界から隔離し、有害な紫外線や酸素および乾燥から鶏卵を守っている。また病原菌やウイルスなどの外来生物の感染から防御する重要な働きがある。また卵殻膜には抗菌物質およびリゾチームやβ−N−アセチルグルコサミニダーゼなどの抗菌酵素が含まれている。さらに卵殻膜には、その他特殊なタンパク質が含まれているといわれており、その機能性に注目が集まっている。
【0004】
ただし、これら卵殻膜の大部分は利用されることなく廃棄処分されているのが現状である。その理由として、難分解性であるが故に扱いづらく、効率的な可溶化方法が無いことがあげられる。現在主流の卵殻膜処理技術は、酸およびアルカリ処理によるものであるが、茶褐色の着色やアミノ酸分解による異臭発生の問題を伴う。また、過剰反応による有用成分の低収率化の問題もある。尚、卵殻膜の処理方法に関する報告を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−7419号公報
【特許文献2】特開2008−61514号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Akagawa M, Wako Y, Suyama K. Biochim Biophys Acta. 1999 Sep 14;1434(1):151-60.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
卵殻膜にはリジルオキシダーゼ(EC 1.4.3.13)が存在する(非特許文献1)。当酵素はタンパク質中のリジン残基のε-アミノ基を酸化することでアルデヒド(アリシン残基)を生成し、コラーゲンやエラスチン等のタンパク質の架橋化反応に関与する。リジルオキシダーゼには、物質加工や創傷治癒など、様々な分野での利用・応用が期待される。リジルオキシダーゼは卵殻膜に豊富に含まれているが、卵殻膜における強固な繊維構造のためにその抽出は極めて困難である。実際、可溶性リジルオキシダーゼの抽出に成功したという報告はなく、しかも、上掲の非特許文献1によれば、卵殻膜中のリジルオキシダーゼは不溶性であり、卵殻膜から可溶性リジルオキシダーゼを抽出できる可能性すら不明といえる。
そこで本発明は、卵殻膜の有用成分の一つであるリジルオキシダーゼを高収率で抽出できる方法、及び当該方法で抽出された可溶性リジルオキシダーゼの用途等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その中で本発明者らは、酵素を用いた卵殻膜の処理方法に注目した。これまでにもタンパク質分解酵素を用いた卵殻膜の可溶化に関して報告はあるが、可溶性の有用成分を高収率で抽出できる実用的な技術は確立されていない。本発明者らは、検討の末、タンパク質分解酵素を用いて卵殻膜中のリジルオキシダーゼを高収率で回収する方法を見出した。数あるタンパク質分解酵素の中でも、とりわけ、カビ由来のプロテアーゼ、バチルス属由来のプロテアーゼの使用が当該方法に極めて有効であることも見出した。主として以上の成果に基づき、以下の本発明が完成された。
[1]微生物由来のタンパク質分解酵素を卵殻膜に作用させることを特徴とする、卵殻膜から可溶性リジルオキシダーゼを抽出する方法。
[2]前記微生物が、カビである、[1]に記載の方法。
[3]前記カビがアスペルギルス属のカビである、[2]に記載の方法。
[4]前記アスペルギルス属のカビがアスペルギルス・メレウスである、[3]に記載の方法。
[5]前記微生物が、バチルス属由来の微生物である、[1]に記載の方法。
[6]前記バチルス属由来の微生物がバチルス・ズブチリスである、[5]に記載の方法。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の方法で抽出された、卵殻膜由来の可溶性リジルオキシダーゼを含有する、卵殻膜抽出物。
[8][7]に記載の卵殻膜抽出物を含有する医薬組成物。
[9]経口製剤である[8]の医薬組成物。
[10]非経口製剤である[8]の医薬組成物。
[11][7]に記載の卵殻膜抽出物を含有する食品組成物。
[12][7]に記載の卵殻膜抽出物を含有する化粧料組成物。
[13][7]に記載の卵殻膜抽出物を含有する創傷治療組成物。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】リジルオキシダーゼ活性の測定結果。卵殻膜に化学的処理を行ったサンプルについて、500nmでの吸光度を測定した。
【図2】リジルオキシダーゼ活性の測定結果。卵殻膜に還元剤処理を行ったサンプルについて、500nmでの吸光度を測定した。
【図3】リジルオキシダーゼ活性の測定結果。卵殻膜に酵素的処理を行ったサンプルについて、500nmでの吸光度を測定した。
【図4】リジルオキシダーゼ活性の測定結果。卵殻膜に各酵素濃度(1%, 0.1%)、各pH毎に調製した酵素溶液を作用させたサンプルについて、500nmでの吸光度を測定した。
【図5】リジルオキシダーゼ活性の測定結果。各反応温度(4℃, 30℃, 40℃, 50℃, 60℃)で卵殻膜に酵素溶液を作用させたサンプルについて、500nmでの吸光度を測定した。
【図6】リジルオキシダーゼ活性の測定結果。各反応時間(0時間, 1時間, 2時間, 4時間, 6時間, 24時間)で卵殻膜に酵素溶液を作用させたサンプルについて500nmでの吸光度を測定した。各pH毎に結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.卵殻膜からの可溶性リジルオキシダーゼ抽出方法
本発明の第1の局面は卵殻膜からの可溶性リジルオキシダーゼ抽出方法に関する。本発明の方法によれば、卵殻膜の可溶性リジルオキシダーゼを効率的に抽出・回収できる。また、前処理を行わなくとも高い回収率を達成できる。
【0011】
本明細書において「卵殻膜」とは鶏、ウズラ、烏骨鶏、アヒル、ガチョウ、ダチョウ等の鳥類の卵の外殻の内側に存在する膜である。処理に供する卵殻膜の状態は特に限定されない。例えば、外殻から分離した後、乾燥処理(真空乾燥、吸引乾燥、凍結乾燥など)を施したもの(乾燥状態)、乾燥処理を施す前のもの(湿潤状態)、乾燥処理後に膨潤させたもの(湿潤状態)を用いることができる。また、裁断や粉砕などの処理が施されたもの(例えば粉末状)であってもよい。更には、殻から分離していない状態の卵殻膜を用いることにしてもよい。
【0012】
本発明の抽出方法は、「微生物由来のタンパク質分解酵素を卵殻膜に作用させる」点に特徴を有する。換言すれば、本発明の抽出方法では、微生物由来のタンパク質分解酵素を卵殻膜に作用させる工程を行う。本発明の抽出方法における効果(即ち可溶性リジルオキシダーゼを高収率で抽出できること)が発揮される限りにおいて、卵殻膜にタンパク質分解酵素を作用させるタイミング(時期)は特に限定されない。例えば、次の工程(1)及び(2)が実施される。工程(1)に使用する溶媒は酵素反応が生ずる限り特に限定されないが、好ましくは、pH調整及び所望のpHの維持を容易にすべく緩衝液を用いるとよい。
(1)溶媒中に卵殻膜を用意する工程
(2)前記溶媒にタンパク質分解酵素を添加し、反応させる工程
【0013】
本発明で用いるタンパク質分解酵素は、卵殻膜から効率的にリジルオキシダーゼを抽出できる限り特に限定されない。タンパク質分解酵素として市販の酵素剤を用いてもよい。酵素剤の例を挙げると、ビオソーク、ニューラーゼF3−G、ニューラーゼA、プロテアーゼN「アマノ」G、プロテアーゼS「アマノ」G、プロメラインF、サモアーゼPC10F、プロレザーFG−F、プロテアーゼP「アマノ」3G、プロテアーゼP「アマノ」3DS(以上、天野エンザイム)、モルシンF(キッコーマン食品)、スミチームAP、スミチームLP、スミチームLP500、スミチームFP、スミチームLPL、スミチームMP(以上、新日本化学工業)、デナプシン2P、デナチームAP、ビオプラーゼOP、ビオプラーゼAL−15FG、ビオプラーゼ30G、ビオプラーゼAPL−30、ビオプラーゼOR−10G、ビオプラーゼ30L、ビオプラーゼXL−416F、ビオプラーゼSP−20FG、ビオプラーゼSP−4FG、プロテアーゼCL−15(以上、ナガセケムテックス)、テトラーゼS、ヌクレイシン、オリエンターゼ10NL、オリエンターゼ90N、オリエンターゼONS、オリエンターゼ22BF(以上、エイチビィアイ)、ブリューワーズクラレックス、バリダーゼAFP、バリダーゼFP60、ブリューワーズプロテアーゼ、アクセラザイムNP50.000、デルボラーゼ、バリダーゼTSP200、ベイクザイムPPU95.000、ベイクザイムB500、コルプリン、バリダーゼブロメライン(以上、ディーエスエム(DSM)ジャパン)、プロテアーゼYP−SS、パンチダーゼNP−2、パンチダーゼP、アロアーゼAP−10、アロアーゼNP−10、アロアーゼNS、アロアーゼXA−10、プロテアーゼAL(以上、ヤクルト薬品工業)、プロモッド223LP、プロテックス7L、プロテックス14L、アルカリプロテアーゼGL、プロテックス6L、プロテックス89L、ピュラフェクト、ピュラフェクトOX、プロペラーゼ、プロテックスOXG、プロテックス40L(以上、ジェネンコア(Genencor)協和)、PTN、エスペラーゼ、サビナーゼ、アルカラーゼ、クリアーレンズプロ、エバラーゼ、カンナーゼ、ポーラザイム、フレーバーザイム、プロタメックス、ノボラン(以上、ノボザイムス(Novozymes)ジャパン)、、コロラーゼ(COROLASE)N、ヴェロン(VERON)L10、コロラーゼ(COROLASE)L10、コロラーゼ(COROLASE)7089、ヴェロン(VERON)W(以上、樋口商会)、エンチロンNBS、エンチロンSA、マグナックスMT(以上、洛東化成工業)、コクラーゼ・P(三菱化学フーズ)、アクチナーゼAS、アクチナーゼAF(以上、科研ファルマ)、グリンドアミルPR59、グリンドアミルPR43(以上、ダニスコ(Danisco)ジャパン)、ソフターゲン・M2(タイショーテクノス)、プロテイナーゼK(Proteinase K)(和光純薬工業)、デスキンC(大和化成)等を用いることができる。
【0014】
本発明で用いる酵素には、例えばアスペルギルス属またはバチルス属微生物由来の酵素を用いることができる。好ましくは、アスペルギルス・メレウス及びバチルス・ズブチリスからなる群より選択される1種以上の酵素を用いることができる。より好ましくはアスペルギルス・メレウス由来の酵素を用いることができる。アスペルギルス・メレウス由来の酵素剤としては例えばプロテアーゼP「アマノ」3SD(天野エンザイム)、バチルス・ズブチリス由来の酵素剤としては例えばプロレザー FG-F(天野エンザイム)を用いることができる。
【0015】
本発明で使用するタンパク質分解酵素は精製品でなくともよい。微生物による培養抽出物、或いはこれらの部分精製物なども、卵殻膜中のリジルオキシダーゼの効率的な抽出が達成できる限り、タンパク質分解酵素として用いることが可能である。
【0016】
工程(2)の反応の時間は例えば1時間〜24時間の範囲内で任意に設定可能である。反応効率を高めるために、攪拌や振盪などを加えることにしてもよい。
【0017】
温度条件についても特段の制約はなく、使用するタンパク質分解酵素の作用に支障のない範囲で設定すればよい。温度条件の例を挙げると30℃〜80℃である。好ましい温度条件は40℃〜70℃である。
【0018】
タンパク質分解酵素の使用量(添加濃度)は、卵殻膜から効率的なリジルオキシダーゼの抽出を可能にする限りにおいて特に限定されない。使用する酵素の種類によって最適な使用量は一般に異なるものの、例えば、反応液中のタンパク質分解酵素の濃度が、0.01%(W/W)〜20%(W/W)となる量の酵素を使用する。反応液中のタンパク質分解酵素の濃度は好ましくは0.1%(W/W)〜20%(W/W)、より好ましくは0.1%(W/W)〜10%(W/W)である。
【0019】
最適な条件(pH、反応時間、温度、酵素使用量など)は、本明細書の教示事項を参考にすれば、予備実験を通して容易に決定することができる。
【0020】
後述の実施例に示す通り、本発明の方法によれば、簡便な操作にも拘わらず、卵殻膜中の可溶性リジルオキシダーゼを効率的に抽出することが可能となる。
【0021】
本発明の一態様では、抽出工程の後、精製を行う。即ち、抽出工程で得られた卵殻膜由来のリジルオキシダーゼを精製する工程を行う。この工程では、ろ過、遠心処理、脱塩、硫安沈殿等の塩析、透析、各種クロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなど)などを適宜組み合わせて卵殻膜抽出物を精製する。
【0022】
本発明の抽出方法で得られる卵殻膜抽出物は必要に応じて乾燥(スプレードライなど)、凍結、凍結乾燥等の処理に供される。
【0023】
2.可溶性リジルオキシダーゼを含有する卵殻膜抽出物
本発明の第2の局面は本発明の卵殻膜抽出方法で抽出した可溶性リジルオキシダーゼを含有する卵殻膜抽出物を提供する。本発明の卵殻膜抽出方法によれば、温和な条件で可溶性リジルオキシダーゼを抽出することができる。従って、活性の高い可溶性リジルオキシダーゼを得ることが可能である。一方、本発明の抽出方法によれば、卵殻膜に含まれる他の有用成分(タンパク質(リゾチーム、β−N−アセチルグルコサミニダーゼ等の酵素、コラーゲンタンパク質を含む)、糖タンパク質、ペプチド(コラーゲンペプチドを含む)、糖ペプチド、アミノ酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸等の酸性ムコ多糖等)を含むように抽出することも可能である。従って、一態様では、本発明の抽出方法により得られる卵殻膜抽出物は、リゾチーム、β−N−アセチルグルコサミニダーゼ、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びデルマタン硫酸からなる群より選択される一以上の成分を含む。
【0024】
本発明はまた、可溶性リジルオキシダーゼを含有する卵殻膜抽出物を含有する組成物を提供する。本発明の抽出物の用途は特に限定されないが、好ましくは医薬、医薬部外品、食品又は化粧料である。即ち、本発明は好ましい態様として卵殻膜抽出物を含有する医薬組成物、医薬部外品組成物、食品組成物及び化粧料組成物を提供する。本発明の医薬組成物及び医薬部外品組成物の用途ないし効果の例として、抗酸化、抗菌、抗炎症、創傷治療、血圧低下、育毛、栄養補助を挙げることができる。
【0025】
本発明の医薬組成物及び医薬部外品組成物の製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合には、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を含有させることができる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等と用いることができる。
【0026】
製剤化する場合の剤型も特に限定されず、例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、外用剤、及び座剤などとして本発明の医薬組成物又は医薬部外品組成物を提供できる。
【0027】
本発明の医薬組成物には、期待される治療効果や予防効果を得るために必要な量(即ち治療上有効量)の有効成分が含有される。同様に本発明の医薬部外品組成物には、期待される改善効果や予防効果等を得るために必要な量の有効成分が含有される。本発明の医薬組成物又は医薬部外品組成物に含まれる有効成分量は一般に剤型や形態によって異なるが、所望の投与量を達成できるように有効成分量を例えば約0.1重量%〜約95重量%の範囲内で設定する。
【0028】
本発明の医薬組成物及び医薬部外品組成物はその剤型・形態に応じて経口又は非経口(静脈内、動脈内、皮下、筋肉、又は腹腔内注射、経皮、経鼻、経粘膜、塗布など)で対象に適用される。ここでの「対象」は特に限定されず、ヒト及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ニワトリ、ウズラ等である)を含む。好ましい一態様では、適用対象はヒトである。
【0029】
本発明の医薬組成物及び医薬部外品組成物の投与量・使用量は、期待される効果が得られるように設定される。有効な投与量の設定においては一般に適用対象の症状、年齢、性別、体重などが考慮される。尚、当業者であればこれらの事項を考慮して適当な投与量を設定することが可能である。投与スケジュールとしては例えば一日一回〜数回、二日に一回、或いは三日に一回などを採用できる。投与スケジュールの作成においては、適用対象の症状や有効成分の効果持続時間などを考慮することができる。
【0030】
上記の通り本発明の一態様は、本発明の卵殻膜抽出方法で得られる卵殻膜抽出物を含有する食品組成物である。本発明での「食品組成物」の例として一般食品(穀類、野菜、食肉、各種加工食品、菓子類、牛乳、清涼飲料水、アルコール飲料等)、栄養補助食品(抗酸化、抗菌、抗炎症、創傷治療、血圧低下、老化防止等を目的としたサプリメントや栄養ドリンク等)、食品添加物を挙げることができる。栄養補助食品又は食品添加物の場合、粉末、顆粒末、タブレット、ペースト、液体等の形状で提供することができる。本発明の卵殻膜抽出方法で得られる卵殻膜抽出物を食品組成物の形態で提供することによって、卵殻膜抽出物を日常的に摂取したり、継続的に摂取したりすることが可能となる。
【0031】
卵殻膜抽出物の添加量は目的に応じて任意に設定可能である。例えば、健康の維持又は増進或いは特定の疾病や病態の治療ないし予防に寄与する効果が本発明の食品組成物に期待される場合には、当該効果を発揮するために十分な量の卵殻膜抽出物を含有させることが好ましい。添加量は、食品の種類、食品の消費者(性別、年齢、体重など)、食品に期待される効果などを考慮して定めることができる。
【0032】
上記の通り本発明の一態様は、本発明の卵殻膜抽出方法で得られる卵殻膜抽出物を含有する化粧料組成物である。本発明の化粧料組成物は卵殻膜抽出物と、化粧料に通常使用される成分・基材(例えば、各種油脂、ミネラルオイル、ワセリン、スクワラン、ラノリン、ミツロウ、変性アルコール、パルミチン酸デキストリン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール、パラベン、カンフル、メントール、各種ビタミン、酸化亜鉛、酸化チタン、安息香酸、エデト酸、カミツレ油、カラギーナン、キチン末、キトサン、香料、着色料など)を配合することによって得ることができる。化粧料組成物の形態として、フェイス又はボディー用の乳液、化粧水、クリーム、ローション、エッセンス、オイル、パック、シート、洗浄料などを例示できる。化粧料組成物における卵殻膜抽出物の添加量は特に限定されない。例えば0.1重量%〜60重量%となるように卵殻膜抽出物を添加するとよい。本発明の化粧料組成物の用途ないし効果の例として、保湿、浸潤、肌荒れ防止、美肌、しわ防止、たるみ防止、老化防止が挙げられる。
【0033】
本発明の卵殻膜抽出物はその他、金属イオンの回収、保湿剤、吸水剤、抗菌剤等においてもその利用が期待される。
【実施例】
【0034】
(1)リジルオキシダーゼ活性測定法(プレートアッセイ法)
基質であるn-ブチルアミンに卵殻膜抽出物を作用させる。この反応で生ずる過酸化水素をペルオキシダーゼの共存下、4-アミノアンチピリン、フェノールと反応させる。この反応で得られる赤色キノン色素の吸収波長500nmの吸光度を分光光度計で求め、この吸光度から卵殻膜抽出物中のリジルオキシダーゼ活性を求める。リン酸カリウムバッファー(pH7.0)に4-アミノアンチピリン0.013重量%、フェノール0.175重量%を加え、発色液とする。発色液890μLに、1M n-ブチルアミン 10μL、70u/mLペルオキシダーゼ100μLを加え、これに1mLになるまで精製水を加えたものを反応液とする。各抽出方法で得られる測定サンプル20μLに反応液200μLを加えて37℃で120分間反応し、0分〜120分までの吸収波長500nmの吸光値の増加を測定する。
【0035】
(2)卵殻膜の物理的抽出方法
卵殻膜を粉砕・破砕することでリジルオキシダーゼ(以下「LOX」)が抽出されるか検討した。卵殻から剥がしとった卵殻膜をブレンダーにかけて細かく粉砕し、粉砕卵殻膜とした。得られた粉砕卵殻膜10gを200mLの20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)に懸濁し、5重量%卵殻膜溶液を調製した。さらにこの粉砕卵殻膜溶液を圧力式ホモジナイザーにより、高圧条件でさらに細かく破砕した。破砕した後、遠心分離により上清と破砕卵殻膜を分離した。上清を測定サンプルとして、LOXが抽出されているか活性を検出した。破砕卵殻膜については以降の抽出に利用した。
【0036】
(3)卵殻膜の化学的抽出方法1
上述の破砕卵殻膜10gを100mLの20mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に懸濁し、10重量%破砕卵殻膜溶液を調製した。10重量%破砕卵殻膜溶液5mLに下記試薬を表1の通り添加し、4℃で2.5時間攪拌した。遠心分離により上清を回収し、上清のLOX活性(16時間での吸光値の増加)を測定した。結果を図1に示す。
【表1】
【0037】
図1の結果より、卵殻膜を上記化学的処理した場合、LOXはほとんど抽出されない。
【0038】
(4)卵殻膜の化学的抽出方法2
卵殻膜を還元剤で処理し、LOXが抽出されるか検討した。上記破砕卵殻膜を還元剤で処理した(還元力はpHの影響を受けるので、酸性条件化又はアルカリ性条件化で処理を行った)後、上清にLOXが抽出されているか確認した。還元剤としてL-アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムを用いた。各還元剤0.01gを1mLの20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解し、1重量%還元剤溶液を調製した。これに破砕卵殻膜0.1gを添加し懸濁液を得た。この懸濁液に酸性条件で処理するものについてはpH 2になるまで1M HC溶液を添加し、アルカリ性条件で処理するものについてはpH 10になるまで1M NaOH溶液を添加し、抽出した。30℃で1時間撹拌しながら反応させた。反応液から遠心分離により上清を回収し、LOX活性(16時間での吸光値の増加)を測定した(図2)。図2の結果より、LOXはほとんど抽出されない。
【0039】
(5)卵殻膜の酵素的抽出方法
卵殻膜を種々の酵素で処理し、LOXが抽出されるか検討した。上記破砕卵殻膜を各酵素で処理した後、上清にLOXが抽出されているか確認した。尚、表2の酵素を使用した。
【表2】
【0040】
上記各酵素0.01gを1mLの20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解し、1%酵素溶液を得た。これに破砕卵殻膜0.05gを加え、30℃で2時間反応させた。遠心分離により上清と固形物に分離し、上清のLOX活性を測定した。
【0041】
結果を図3に示す。プロテアーゼP、プロレザーFG-Fを使用した場合、効率的にLOXを抽出できた。特に、プロテアーゼPの抽出効率は高い。
【0042】
(6)卵殻膜酵素的処理の最適化条件(酵素濃度の検討)
上述の試験結果で良好な活性が得られたプロテアーゼP「アマノ」3SDについて、LOXを抽出するための最適条件を検討した。プロテアーゼP「アマノ」3SD 0.01gを1mLの各種pHバッファーに溶解して1%酵素溶液を得た。さらにこの1%酵素溶液を10倍希釈した0.1%酵素溶液を調製した。調製した各酵素溶液を表3に示す。
【表3】
【0043】
こうして得られた各種酵素溶液に破砕卵殻膜0.01gを添加し、60℃で2時間反応させた。これを遠心分離にて上清を回収し、上清のLOX活性を測定した(図4)。図4の結果より、低濃度の酵素溶液で処理して得られる卵殻膜抽出物の方が高濃度の酵素溶液で得られるそれよりも可溶性LOXを多く回収できることがわかる。また、バッファーの種類によってもLOXの回収量は異なることがわかる。酵素濃度が低濃度で、かつバッファーにTris-HClを用いて処理する場合により多くの可溶性LOXを得られることがわかった。
【0044】
(7)卵殻膜酵素的処理の最適化条件(最適温度の検討)
プロテアーゼP「アマノ」3SD 0.01gを20mM Tris-HCl 1mL(pH8.0)に溶解させたものを10倍希釈して0.01%酵素溶液を調製した。この0.01%酵素溶液200μLに、破砕卵殻膜0.01gを添加し、各温度(4℃, 30℃, 40℃, 50℃, 60℃)で撹拌して2時間反応させた。これに遠心分離を行うことで上清を回収し、上清のLOX活性を測定した(図5)。図5の結果より、50℃で最も効率的にLOXを抽出できることがわかった。
【0045】
(8)卵殻膜酵素的処理の最適化条件(最適時間の検討)
0.01gのプロテアーゼP「アマノ」3SDを、1mLの各種pHバッファーで溶解させ、各種1%酵素溶液を得た。得られた各種1%酵素溶液を各種pHバッファーで10倍希釈し、各種0.1%酵素溶液を得た。こうして得られた各種0.1%酵素溶液600μLに破砕卵殻膜0.03gを加え60℃で反応させた。各反応時間(0, 1, 2, 4, 6, 24時間)で上清100μLを回収し、上清のLOX活性を測定した(図6)。図6の結果は各反応時間(0, 1, 2, 4, 6, 24時間)、各pHで卵殻膜を酵素処理した際の500nmでの吸光度を示したものである。pH 8で処理した場合、他のpHで処理した場合よりも卵殻膜から抽出できるLOX量が多いことがわかる。また、pH 8、pH 9の酵素溶液で処理した場合、2時間以上の酵素処理はLOXの回収量を低下させることがわかった。
【0046】
(9)LOXの精製
プロテアーゼP「アマノ」3SDにより抽出したLOXについて、精製を行なった。0.4gのプロテアーゼP「アマノ」3SDを20mM Tris-HClバッファー(pH8.0)400mLに溶解させ、0.1%酵素溶液を調製した。この0.1%酵素溶液に破砕卵殻膜40gを加えて60℃で2時間反応させ、ろ紙でろ液回収を行った。得られたろ液を限外ろ過(10,000MWCO)により濃縮を行なった(80倍濃縮)。限外ろ過(10,000MWCO)によりバッファーの置換を行なった(4℃)。20mM Tris-HClバッファー(pH8.0)を20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)へ置換した。限外ろ過で濃縮した後、上清を回収し、DEAE-Sepharoseカラムクロマトグラフィーに供した。DEAE-Sepharoseへ吸着させ、20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)で洗浄した後、20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)+0.3M NaClによりLOXを溶出した。0.3M NaClの溶出画分にLOXが多く含まれていることを確認した。LOX溶出画分について、限外ろ過(10,000MWCO)により、20mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)で脱塩した。これを精製LOX溶液とし、以下(9)の方法によりLOX活性を測定した。
【0047】
(9)LOX活性測定方法(セル法)
上述の(8)で得られた精製LOX溶液のLOX活性を測定した。基質であるn-ブチルアミンに精製LOX溶液を作用させ、過酸化水素を得た。この過酸化水素をペルオキシダーゼの共存下、4-アミノアンチピリン、フェノールと反応させた。この反応で得られる赤色キノン色素の吸収波長500nmの吸光度を分光光度計で求め、この吸光度から卵殻膜抽出物中のLOX活性を求めた。リン酸カリウムバッファー(pH7.0)に4-アミノアンチピリン0.013重量%、フェノール0.175重量%を加え、発色液とした。上述で得られた発色液890μLに、1M n-ブチルアミン 10μL、70u/mLペルオキシダーゼ 100μLを加え、これに1mLになるまで精製水を加えたものを反応液とした。測定方法は精製LOX溶液100μLに反応液3mLを加えて37℃で6分間反応し、2分〜5分までの吸収波長500nmの吸光値の増加を1分間毎に測定した。活性値算出方法は下記の通り求めた(数1)。
(数1)
活性u/mL={(A5-A2)-(Ab5-Ab2)-(B5-B2)}/3×3.1×1/12.88×n/0.1×2
={(A5-A2)-(Ab5-Ab2)-(B5-B2)}×1.605×n
但し、A5:反応液5分時の吸光値、A2:反応液2分時の吸光値、Ab5:ブランク(酵素なし) 5分時の吸光値、Ab2:ブランク(酵素なし) 2分時の吸光値、B5:ブランク(基質なし) 5分時の吸光値、B2:ブランク(基質なし) 2分時の吸光値、12.88:キノンイミン色素のミリモル吸光係数、2:換算係数(キノンイミン色素1モルはn-ブチルアミン2モルに相当する)、n:対象サンプル希釈倍数、3.1:総液量(mL)、0.1:対象サンプル液量(mL)
【産業上の利用可能性】
【0048】
卵殻膜を穏やかな条件で処理する本発明の抽出方法によれば、卵殻膜から可溶性リジルオキシダーゼを高収率で回収できる。本発明の抽出方法で抽出された可溶性リジルオキシダーゼは食品分野、医薬分野などの様々な分野に応用できると期待される。
【0049】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】