(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014049688
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】部品装着機および部品保持デバイス昇降制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20160725BHJP
【FI】
   !H05K13/04 A
   !H05K13/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】2014537870
(21)【国際出願番号】JP2012074572
(22)【国際出願日】20120925
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】特許業務法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 文隆
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械製造株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀俊
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械製造株式会社内
【テーマコード(参考)】
5E313
【Fターム(参考)】
5E313AA11
5E313AA15
5E313CC03
5E313CC04
5E313DD12
5E313DD31
5E313EE01
5E313EE02
5E313EE03
5E313EE24
5E313EE25
5E313EE33
5E313FF21
5E313FF31
5E313FF40
5E313FG01
(57)【要約】
(a)ヘッド移動装置および高さセンサを制御することで、ベース(20)上に設けられた複数の測点(90)の高さを測定させる複測点測定部と、(b)それら複数の測点(90)の高さに基づいて、ヘッド移動装置(32)によって移動させられた部品装着ヘッド(30)の、当該部品装着機の稼動に伴う発熱に起因して生じる基準高H0 に対する高さ方向のズレΔhを推定するヘッドズレ推定部と、(c)保持デバイス昇降装置によって部品保持デバイス(70)の上下方向の位置を制御する際に、推定された部品装着ヘッド(30)のズレΔhに基づいて、部品保持デバイス(70)の上下方向の移動量を補正する保持デバイス移動量補正部とを含んで構成する。そのような構成により、部品保持デバイス(70)の高さを適切な位置に制御することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に装着する部品装着機であって
ベースと、
そのベースに固定されたフレームと、
部品を保持・離脱させる部品保持デバイスを有し、その部品を基板に装着させるための部品装着ヘッドと、
前記フレームに配設され、前記部品装着ヘッドを水平面に沿って移動させるヘッド移動装置と、
前記部品保持デバイスを上下方向に移動させる保持デバイス昇降装置と、
前記ヘッド移動装置によって、前記部品装着ヘッドとともに移動させられ、測点の高さを測定するための高さセンサと、
当該部品装着機の制御を司る制御装置と
を備え、
前記制御装置が、
前記ヘッド移動装置および前記高さセンサを制御することで、それぞれが前記測点であって前記ベース上に設けられた複数の測点の高さを測定させる複測点測定部と、
その複測点測定部によって測定された前記複数の測点の高さに基づいて、前記ヘッド移動装置によって移動させられた前記部品装着ヘッドの、当該部品装着機の稼動に伴う発熱に起因して生じる基準高に対する高さ方向のズレを推定するヘッドズレ推定部と、
前記保持デバイス昇降装置によって前記部品保持デバイスの上下方向の位置を制御する際に、前記ヘッドズレ推定部によって推定された前記部品装着ヘッドのズレに基づいて、その部品保持デバイスの上下方向の移動量を補正する保持デバイス移動量補正部と
を含んで構成された部品装着機。
【請求項2】
前記ヘッドズレ推定部が、
前記ヘッド移動装置によって移動させられた前記部品装着ヘッドの位置に応じて、その部品装着ヘッドのズレを推定するように構成された請求項1に記載の部品装着機。
【請求項3】
前記複測点測定部が、
当該部品装着機の稼働中において、設定された時間が経過するごとに、前記複数の測点の高さを測定するように構成された請求項1または請求項2に記載の部品装着機。
【請求項4】
当該部品装着機が、前記ベース上に配設されて前記基板を搬送する搬送装置を備え、
前記複数の測点の一部が、前記搬送装置に設けられ、
前記制御装置が、
前記搬送装置によって搬送された基板への部品の装着位置の高さを推定する基板高推定部を有し、その基板高推定部が、部品の装着位置の高さを推定する際に、前記搬送装置に設けられた前記複数の測点の一部を用いるように構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の部品装着機。
【請求項5】
前記搬送装置が、
基板の端が載せられてその基板を搬送する1対のコンベアと、それら1対のコンベアの各々との間で基板を挟み込んで固定するための基板固定装置とを含んで構成され、
前記複数の測点の一部が、前記1対のコンベアの各々に設けられた請求項4に記載の部品装着機。
【請求項6】
(A)ベースと、(B)そのベースに固定されたフレームと、(C)部品を保持・離脱させる部品保持デバイスを有し、その部品を基板に装着させるための部品装着ヘッドと、(D)前記フレームに配設され、前記部品装着ヘッドを水平面に沿って移動させるヘッド移動装置と、(E)前記部品保持デバイスを上下方向に移動させる保持デバイス昇降装置と、(F)前記ヘッド移動装置によって、前記部品装着ヘッドとともに移動させられ、測点の高さを測定するための高さセンサとを備えた部品装着機において、前記部品保持デバイスの上下方向の移動を制御する方法であって、
それぞれが前記測点であって前記ベース上に設けられた複数の測点の高さを、前記高さセンサによって測定する複測点測定工程と、
その複測点測定工程において測定された前記複数の測点の高さに基づいて、前記ヘッド移動装置によって移動させれた前記部品装着ヘッドの、前記部品装着機の稼動に伴う発熱に起因して生じる基準高に対する高さ方向のズレを推定するヘッドズレ推定工程と、
前記保持デバイス昇降装置によって前記部品保持デバイスの上下方向の位置を制御する際に、前記ヘッドズレ推定部によって推定された前記部品装着ヘッドのズレに基づいて、その部品保持デバイスの上下方向の移動量を補正する保持デバイス移動量補正工程と
を含む部品保持デバイス昇降制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して部品を装着する部品装着機に関し、また、部品装着機において部品を保持・離脱させる部品保持デバイスの上下方向の移動を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品装着機における基板に対して部品を装着する作業においては、部品の破損や位置ズレ等が生じないように、精度の高い作業が望まれる。例えば、下記の特許文献に記載の部品装着機は、基板の反り・歪みを推定して、部品を装着する高さを補正するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−145682号公報
【特許文献2】特開2000−299597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品装着機においては、当該装着機の骨格をなすフレーム等の変形が、当該部品装着機の稼動に伴って発生する場合がある。このようなフレームの変形が発生する場合、それに依拠して部品保持デバイスと基板を保持する装置あるいは部品を供給する装置との高さ方向における相対位置が変化してしまうという問題がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、部品装着ヘッドに基準位置に対するズレが生じた場合であっても、適切な部品装着作業を行うことが可能な部品装着機、および、適切な部品装着作業を行わせるための部品保持デバイスの上下方向の移動を制御する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の部品装着機は、(A)ベースと、(B)そのベースに固定されたフレームと、(C)部品を保持・離脱させる部品保持デバイスを有し、その部品を基板に装着させるための部品装着ヘッドと、(D)フレームに配設され、部品装着ヘッドを水平面に沿って移動させるヘッド移動装置と、(E)部品保持デバイスを上下方向に移動させる保持デバイス昇降装置と、(F)ヘッド移動装置によって、部品装着ヘッドとともに移動させられ、測点の高さを測定するための高さセンサと、(G)当該部品装着機の制御を司る制御装置とを備え、その制御装置が、(a)ヘッド移動装置および高さセンサを制御することで、ベース上に設けられた複数の測点の高さを測定させる複測点測定部と、(b)それら複数の測点の高さに基づいて、ヘッド移動装置によって移動させられた部品装着ヘッドの、当該部品装着機の稼動に伴う発熱に起因して生じる基準高に対する高さ方向のズレを推定するヘッドズレ推定部と、(c)保持デバイス昇降装置によって部品保持デバイスの上下方向の位置を制御する際に、推定された部品装着ヘッドのズレに基づいて、部品保持デバイスの上下方向の移動量を補正する保持デバイス移動量補正部とを含んで構成される。
【0006】
また、本発明の保持デバイス昇降制御方法は、上記のように構成された部品装着機において、部品保持デバイスの上下方向の移動を制御する方法であって、(i)ベース上に設けられた複数の測点の高さを、高さセンサによって測定する複測点測定工程と、(ii)それら測定された複数の測点の高さに基づいて、ヘッド移動装置によって移動させれた部品装着ヘッドの、部品装着機の稼動に伴う発熱に起因して生じる基準高に対する高さ方向のズレを推定するヘッドズレ推定工程と、(iii)保持デバイス昇降装置によって部品保持デバイスの上下方向の位置を制御する際に、推定された部品装着ヘッドのズレに基づいて、部品保持デバイスの上下方向の移動量を補正する保持デバイス移動量補正工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の部品装着機および保持デバイス昇降制御方法によれば、発熱に起因して生じる部品装着機の変形等によって部品装着ヘッドの高さにズレが生じた場合であっても、部品保持デバイスの高さを適切な位置に制御することが可能である。それにより、例えば、部品吸着時や部品の基板への装着時に、部品や基板に大きな負荷が掛からないようにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例である部品装着機の斜視図である。
【図2】本発明の実施例である部品装着機の側面図である。
【図3】図1に示す搬送装置を拡大して示す斜視図である。
【図4】図1に示すフレームを省略し、ベース上に設けられた複数の測点の位置を示す平面図である。
【図5】基板の形状を推定するための測点の位置を示す平面図である。
【図6】本実施例の部品装着機における部品装着ヘッドの高さ方向のズレと、保持デバイスの上下方向の移動量の補正量との関係を示す図である。
【図7】本実施例の部品装着機の制御を司る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【実施例】
【0009】
<部品装着機の構成>
本発明の実施例である部品装着機10を、図1および図2に示す。図1は、部品装着機10の斜視図であり、図2は、部品装着機10の側面図である。なお、基板に部品を装着する作業は、複数の種類の部品を基板に装着するために、複数の部品装着機10が配置される。図1には、それら複数の部品装着機10のうちの2つのものを示し、そのうちの1つのものは、外装パネルを外した状態のものを示している。部品装着機10は、ベース20と、ベース20に固定的に設けられたフレームとしてのビーム22と、ベースに配設された搬送装置である基板コンベア装置24と、当該部品装着機10の正面側においてベース20に交換可能に取り付けられた複数の部品フィーダ26と、基板コンベア装置24と複数の部品フィーダ26との間においてベース20に固定された部品カメラ28と、複数の部品フィーダ26のいずれかから供給される部品を保持してその部品を基板Sに装着するために離脱させる部品装着ヘッド30と、ビーム22に配設されて部品装着ヘッド30を移動させるヘッド移動装置32とを含んで構成されている。なお、以下の説明において、基板コンベア装置24によって基材が搬送される方向を左右方向(X方向)と、水平面上においてその左右方向に直角な方向を前後方向(Y方向)と、それら左右方向および前後方向に直角な方向を上下方向(Z方向)と称することとする。
【0010】
図3に、基板コンベア装置24の斜視図を示す。図3(a),(b)は、互いに反対の方向からの視点における斜視図である。基板コンベア装置24は、1対のコンベア40を有しており、1対のコンベア40の各々のコンベアベルト42を搬送モータ44によって周回させることで、1対のコンベアベルト42上に載せられる基板Sを左右方向に搬送する構造とされている。なお、詳しい説明は省略するが、1対のコンベア40の一方は、電磁モータ46によって前後方向に移動させられるようになっており、種々の幅の基板Sに対応できるようになっている。また、基板コンベア装置24は、支持テーブル48を上昇させることで、その支持テーブル48と1対のコンベア40の各々の上方に設けられた鍔部50との間に、基板Sを挟み込んで固定することが可能とされている。つまり、上記の基板コンベア装置24は、支持テーブル48と鍔部50とを含んで構成される基板固定装置52を有するものとなっている。
【0011】
ヘッド移動装置32は、いわゆるXY型移動装置であり、部品装着ヘッド30が脱着可能に取り付けられるヘッド取付体60と、そのヘッド取付体60をX方向に移動させるX方向移動機構と、ビーム22に支持され、そのX方向移動機構を、装着ヘッド30を部品フィーダ26と基板Sとにわたって移動させるY方向移動機構とを含んで構成されている。なお、図2に示すように、ヘッド取付体60の下部には、基板Sの表面を撮像するための基板カメラ62、および、高さを測定するための高さセンサとしてのレーザーセンサ64が固定されている。
【0012】
部品装着ヘッド30は、いわゆるインデックス型の装着ヘッドである。つまり、部品装着ヘッド30は、それぞれが、部品保持デバイスとして機能して負圧の供給によって部品を下端部において吸着保持する8つの吸着ノズル70を有しており、それらが、リボルバ72に保持されている。そのリボルバ72は、間欠回転し、特定位置に位置する1の吸着ノズル70が保持デバイス昇降装置としてのノズル昇降機構によって昇降可能、つまり、上下方向に移動可能とされている。特定位置に位置する吸着ノズル70は、下降した際に、負圧が供給されることによって、部品を保持し、また、負圧の供給が断たれることで、吸着保持している部品を離脱させる。ちなみに、8つの吸着ノズル70の各々は、ノズル回転機構によって、自身の軸線回りに、つまり、その軸線を中心に回転させられるようになっており、当該部品装着ヘッド30は、各吸着ノズル70によって保持されている部品の回転位置を、変更・調整することが可能とされている。
【0013】
なお、上述のように、本実施例の部品装着機10において、保持デバイス昇降装置は、部品装着ヘッド30に設けられていたが、その部品装着ヘッド30に設けられた保持デバイス昇降装置に代えて、あるいは、その部品装着ヘッド30に設けられた保持デバイス昇降装置に加えて、ヘッド移動装置32に設けられてもよい。具体的に言えば、保持デバイス昇降装置として、部品装着ヘッド30が取り付けられたヘッド取付体60を上下方向に移動させるような構成のものを採用することも可能である。
【0014】
複数の部品フィーダ26の各々には、部品保持テープ(複数の部品がテープに保持されたものであり、「部品テーピング」とも呼ばれる)が捲回されたリールが、セットされており、複数の部品フィーダ26の各々は、その部品保持テープを間欠的に送り出すことによって、所定の部品供給部位において、順次、部品を1つずつ供給する。部品の補給は、リールを交換しつつ、部品テーピングを繋ぎ合わせるようにして行ってもよく(スプライシング)また、部品フィーダ26ごとリールを交換して行ってもよい。なお、当該部品装着機10は、複数の部品フィーダ26に代えて、いわゆるトレイ型の部品供給装置をも取付可能とされている。
【0015】
<部品装着機による部品装着作業の概要>
本実施例の部品装着機10による部品装着作業について説明すれば、まず、基板コンベア装置24によって、作業に供される基板Sが、上流側から搬入され、所定の作業位置にて固定される。次いで、基板カメラ62がヘッド移動装置32によって移動させられ、基板Sの上面に付された基準マークが撮像される。その撮像によって得られた撮像データに基づき、装着位置の基準となる座標系が決定される。次に、レーザーセンサ64がヘッド移動装置32によって移動させられ、基板S上に設定された複数の測点の高さの計測が行われる。後に詳しく説明するが、それらの測定結果に基づいて、基板Sにおける部品装着位置の高さが求められる。
【0016】
続いて、ヘッド移動装置32によって、部品装着ヘッド30が複数の部品フィーダ26の上方に位置させられ、8つの吸着ノズル70の各々において部品が順次保持される。部品装着ヘッド30が基板Sの上方に移動させられる際中に、部品カメラ28の上方を通過し、吸着ノズル70の各々に保持された部品が、部品カメラ28によって撮像される。その撮像データに基づき、各部品のノズル軸線に対する位置ズレ量(回転位置ズレをも含む概念である)が把握される。続いて、部品装着ヘッド30、基板Sの上方に移動させられ、上記位置ズレ量に基づく補正を行いつつ、各部品が、順次、装着プログラムによって定められた設定位置に装着される。装着プログラムによって定められた回数、部品フィーダ26と基板Sとの間を部品装着ヘッド30が往復させられ、部品装着ヘッド30による部品の保持・装着が、上記のように繰り返されて、1つの部品装着機10による部品装着作業が完了する。1つの基板Sが、複数の部品装着機10を通過する際、1つの基板Sに対する各部品装着機10による上述の部品装着作業が順次行われ、部品装着機10による1つの基板Sに対する装着作業が完了する。
【0017】
<部品装着機における上下方向の制御方法>
本実施例の部品装着機10は、部品保持デバイスである吸着ノズル70の上下方向の移動を制御する方法に特徴を有するものである。簡単に言えば、本実施例の部品装着機10においては、稼動に伴う発熱に起因して、部品装着ヘッド30とベース20との上下方向の相対距離が変化してしまうことがあるため、それにに対処するように、吸着ノズル70の昇降が制御されるようになっている。以下に、本部品装着機10における吸着ノズル70の昇降制御方法について詳しく説明する。
【0018】
i)基準高測定工程
本実施例の部品装着機10は、稼動を開始した際に、高さセンサとしてのレーザーセンサ64の初期化が行われる。図2に示すように、1対のコンベア40のうちのベース20に固定されたものに隣接して、基準ブロック80が設けられている。レーザーセンサ64は、その基準ブロック80の高さを基準高H0として、その基準ブロック80と測点との上下方向の差に基づいて、測点の高さを求めるようになっている。なお、基準ブロック80は、基板コンベア装置24の基板固定装置52によって、基板Sが固定された時のその基板Sの高さと同じ高さとされている。
【0019】
ii)複測点測定工程
次いで、レーザーセンサ64によって、ベース20上に配置された12個の測点90のの各々の測定が行われる。これら12個の測点90は、基準ブロック80と同じ高さで、図4に示すように、ベース20の全体に拡がるように配置されている。詳しく言えば、測点90は、ベース20の部品フィーダ26が取り付けられる正面側に、左右方向に並んで3つが配置されるとともに、当該部品装着機10の後端側に、左右方向に並んで3つが配置されている。また、1対のコンベア40の各々の鍔部50の上面側に、それぞれ、左右方向に並んで3つずつ配置されている。なお、この12個の測点90を測定する工程である複測点測定工程は、前回測定が行われた時から設定時間Tを経過すると、その時点での作業中の基板に対する作業が完了した後に行われ、本部品装着機10が稼動している間、繰り返し行われるようになっている。
【0020】
iii)基板高測定行程
本部品装着機10においては、基板コンベア装置24によって基板Sが搬入されて所定の作業位置に固定されると、レーザーセンサ64がヘッド移動装置32によって移動させられ、基板S上に設定された3つの測点100の高さの計測が行われる。それら3つの測点100は、図5に示すように、基板Sの前後方向(Y方向)の中央に並び、基板Sの左端,右端,それら左右の端の中央とされている。なお、この基板高測定行程は、後に説明する、基板Sにおける部品装着位置の高さを求めるためのものである。
【0021】
iv)目標昇降量決定行程
先にも述べたように、本部品装着機10においては、ヘッド移動装置32によって部品フィーダ26と基板Sとの間を部品装着ヘッド30が往復させられ、部品装着ヘッド30による部品の保持・装着が繰り返し行われる。本部品装着機10においては、そのヘッド移動装置32により部品装着ヘッド30を移動させる目標位置が決定される。また、部品フィーダ26により供給される部品を吸着する際、および、基板Sに部品を装着する際に、吸着ノズル70は下降させられる。それらの際には、ノズル昇降機構によって吸着ノズル70の目標となる下降量h*が決定される。ちなみに、その目標下降量h*は、基準高H0を基準として算出された部品装着ヘッド30の高さからの下降量として算出されるものである。
【0022】
なお、部品を基板Sに装着する際には、基板S上の3つの測点100の測定値と、1対のコンベア40の各々に設けられた測点90の測定値との合計9つの測点の測定値を用い、基板Sの反り等を考慮した基板Sの高さが推定され、その基板Sの高さに基づいて装着高が決定される、つまり、目標下降量h*が決定されるようになっている。
【0023】
v)ヘッドズレ推定工程
本実施例の部品装着機10においては、稼動に伴う発熱に起因して、ビーム22に撓みが生じる場合があり、そのビーム22の撓みによって、部品装着ヘッド30は、基準高H0に対して高さ方向のズレが生じる場合がある。ビーム22に撓みが生じていない場合には、レーザーセンサ64によって計測される12個の測点90の高さは、基準ブロック80の高さ、つまり、基準高H0と一致するはずである。つまり、図6に示すように、測点90の測定値と、基準ブロック80との間に差が生じた場合、その差分が、その測点90の位置でのビーム22の撓み量であると考えることができるのである。そして、本実施例の部品装着機10においては、部品装着ヘッド30がヘッド移動装置32によって移動させられて、XY平面上のどの位置に位置させられている場合であっても、12個の測点90の各々の測定値に基づいて、その部品装着ヘッド30の位置に対応する撓み量を推定することが可能である。換言すれば、本実施例の部品装着機10は、部品装着ヘッド30のXY平面上の位置に応じて、その部品装着ヘッド30の基準高H0に対する高さ方向のズレ量Δhを、推定することが可能とされているのである。
【0024】
vi)昇降量補正工程〔保持デバイス移動量補正工程〕
本部品装着機10においては、上述のように決定された吸着ノズル70の目標下降量h*が、部品装着ヘッド30の基準高H0に対する高さ方向のズレ量Δhに基づいて、補正下降量h’が決定される。具体的に言えば、下記の式のように補正され、補正下降量h’が決定される。
h’=h*−Δh
そして、その補正下降量h’に基づいて、ノズル昇降機構が制御されるようになっているのである。
【0025】
<部品装着機の機能構成>
本実施例の部品装着機10は、制御装置120によって制御される。詳しく言えば、制御装置120によって、本部品装着機10が有する基板コンベア装置24,部品フィーダ26,部品カメラ28,部品装着ヘッド30,ヘッド移動装置32等が統括して制御される。そして、その制御装置120は、吸着ノズル70の昇降を上記のように制御するために、種々の機能部を有していると考えることができる。具体的には、図7に示すような機能構成を有していると考えることができる。詳しく説明すれば、制御装置120は、上述の基準高測定工程,複測点測定工程,基板高測定工程,目標昇降量決定工程,ヘッドズレ推定工程,昇降量補正工程の各々の処理を行う機能部として、それぞれ、基準高測定部130,複測点測定部132,基板高測定部134,ヘッドズレ推定部138,保持デバイス移動量補正部としての昇降量補正部140を有しているのである。
【0026】
基準高測定部130は、ヘッド移動装置32および高さセンサ64を制御することで、その高さセンサ64による高さを算出するのに用いる基準高を測定させる機能部である。複測点測定部132は、ヘッド移動装置32および高さセンサ64を制御することで、ベース20上に設けられた複数の測点90の高さを測定させる機能部である。基板高測定部134は、ヘッド移動装置32および高さセンサ64を制御することで、基板Sの形状を推定するための必要な測点の高さを測定させる機能部である。目標昇降量決定部136は、基準高に基づいて部品吸着時の吸着ノズル70の下降量を決定するとともに、基準高と基板高測定部134の測定結果とに基づいて部品装着時の吸着ノズル70の下降量を決定する機能部である。ヘッドズレ推定部138は、複測点測定部132によって測定された複数の測点90の高さに基づいて、ヘッド移動装置32によって移動させられた部品装着ヘッド30の、当該部品装着機10の稼動に伴う発熱に起因して生じる基準高に対する高さ方向のズレを推定する機能部である。昇降量補正部140は、保持デバイス昇降装置によって吸着ノズル70の上下方向の位置を制御する際に、ヘッドズレ推定部138によって推定された部品装着ヘッド30のズレに基づいて、吸着ノズル70の上下方向の移動量を補正する機能部である。
【0027】
<本部品装着機の効果>
本実施例の部品装着機10は、上述したように、稼動に伴う発熱に起因して生じる部品装着ヘッド30の基準高H0に対する高さ方向のズレ量Δhを推定し、そのズレ量Δhに基づいて、吸着ノズル70の上下方向の移動量を補正するように構成される。したがって、本部品装着機10によれば、ベース20上のどの位置においても、吸着ノズル70の高さを適切な位置に制御することが可能であり、部品フィーダ26における部品吸着時や、部品の基板Sへの装着時に、部品や基板Sに大きな負荷が掛からないようにすることが可能である。
【0028】
また、本実施例の部品装着機10において、基板Sの形状を推定するために用いる9つの測点のうちの6つのものは、上記の部品装着ヘッド30のズレ量Δhを推定するために用いる測点90の一部であるため、基板Sごとに測定する必要がない。そのため、本部品装着機10によれば、サイクルタイムの短縮を図ることが可能となっている。
【0029】
<部品装着機の変形例>
上記実施例の部品装着機10は、部品装着ヘッド30が保持デバイス昇降装置としてのノズル昇降機構を備えるものとされていたが、そのノズル昇降機構に代えて、あるいは、そのノズル昇降機構に加えて、ヘッド移動装置32が保持デバイス昇降装置を有していてもよい。例えば、そのヘッド移動装置32が、部品装着ヘッド30を上下方向に移動させる構成のものとされ、その部品装着ヘッド30の上下方向の移動時に、基準高に対するズレを補正するように構成することも可能である。
【0030】
上記実施例の部品装着機10においては、基準高H0を基準として算出された部品装着ヘッド30の高さからの下降量として目標下降量h*を算出し、その目標下降量h*をズレ量Δhに基づいて補正するように構成されていた。しかしながら、例えば、部品保持デバイスを下降させる位置における基準高を補正し、その補正された基準高に基づいて目標下降量を算出することで、保持デバイスの上下方向の移動量を補正するような構成の部品装着機とすることも可能である。つまり、その変形例の部品装着機は、平たく言えば、部品装着ヘッド30と基準高との実際の高低差に基づいて目標下降量を算出することで、保持デバイスの上下方向の移動量を補正する構成と考えることができる。
【0031】
上記実施例の部品装着機10においては、部品装着ヘッド30のズレ量Δhを推定するために用いる複数の測点90が、ベース20上に固定されていたため、それら測点90の上下方向の変位を考慮する必要がなく、上記実施例の部品装着機10においては、部品装着ヘッド30の高さ方向のズレの原因を、フレーム22の撓みのみとして扱った。しかしながら、上記実施例の保持デバイスの昇降制御方法は、部品装着ヘッド30が設けられた箇所の上下方向の変位だけでなく、測点90が設けられた箇所が上下方向に変位した場合であっても、同様に適用することが可能である。つまり、上記実施例の保持デバイス昇降制御方法は、部品装着ヘッド30が設けられたフレーム22と、その部品装着ヘッド30の作業の対象となるものが配置されるベース20とが、上下方向において相対変位するような部品装着機に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
10:部品装着機 20:ベース 22:ビーム〔フレーム〕 24:基板コンベア装置〔搬送装置〕 26:部品フィーダ 30:部品装着ヘッド 32:ヘッド移動装置 40:1対のコンベア 52:基板固定装置 60:ヘッド取付体
64:レーザーセンサ〔高さセンサ〕 70:吸着ノズル〔部品保持デバイス〕 80:基準ブロック 90:測点(ベース上) 100:測点(基板上) 120:制御装置 130:基準高測定部 132:複測点測定部 134:基板高測定部 136:目標昇降量決定部 138:ヘッドズレ推定部 140:昇降量補正部
【0033】
0:基準高 h*:目標下降量 Δh:ズレ量 h’:補正下降量
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】