(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014049847
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】コイル、回転電機、及びリニアモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/18 20060101AFI20160725BHJP
【FI】
   !H02K3/18 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
【出願番号】2014538044
(21)【国際出願番号】JP2012075156
(22)【国際出願日】20120928
(11)【特許番号】5928602
(45)【特許公報発行日】20160601
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【住所又は居所】福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100191112
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】牧野 省吾
【住所又は居所】福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内
(72)【発明者】
【氏名】野中 剛
【住所又は居所】福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内
(72)【発明者】
【氏名】加茂 光則
【住所又は居所】福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA11
5H603BB01
5H603BB15
5H603CA02
5H603CB01
5H603CC11
5H603CC17
5H603CD02
5H603CD21
5H603CD31
5H603CD33
5H603CE02
(57)【要約】
【課題】コイルの発生する熱を効率よく放熱する。
【解決手段】コイル10は、導体15を一周巻回した1つの巻回部15Aを、周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしつつ順次生成し、得られた複数の巻回部15Aからなる1つの導体筒部16を、第1方向に直交する第2方向に隣接させて順次形成して、複数の導体筒部16A〜16Dを配列している。各巻回部15Aは、第1方向における位置が、上記始点15sと同一ピッチ若しくは半ピッチだけずれるように、周回方向に延設される、平行部15A1,15A2と、半ピッチだけずれた平行部15A1,15A2を接続する接続部15B1と、半ピッチだけずれる平行部15A2の末端の上記終点15eと別の巻回部15Aの上記始点15dとを接続する接続部15B2と、を備え、接続部15B1,15B2が、コイル外形状の円弧部19に対応するいずれかの隅部領域R1〜R4に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、
1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列した、コイルであって、
前記導体は、
前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、
前記1つの巻回部は、
前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるか若しくは前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、少なくとも1つの平行部と、
前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記平行部どうしを接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる1つの前記平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、
を備えるとともに、
前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項2】
請求項1記載のコイルにおいて、
各導体筒部の前記導体は、
前記コイルの前記外形状における前記略長方形又は前記略正方形のうち前記四隅部を除く2組の対向する2辺となる部位が、加圧成形されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコイルにおいて、
前記第2方向に沿って最内周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き始めの前記巻回部の前記始点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第1突出部と、
前記第2方向に沿って最外周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き終わりの前記巻回部の前記終点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、
前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項4】
請求項3記載のコイルにおいて、
前記コイルの前記外形状は、
互いに対向する2つの長辺と互いに対向する2つの短辺とを備える前記略長方形であり、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、
前記四隅部のうち、特定の1つの短辺の両端に位置する2つの隅部に対応する部位に、それぞれ振り分け配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項5】
請求項3記載のコイルにおいて、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、
前記四隅部のうち、共通の1つの隅部に対応する部位に配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項6】
回転軸を備えた回転子と、前記回転軸を負荷側及び反負荷側でそれぞれ回転可能に支持する負荷側ブラケット及び反負荷側ブラケットと、前記回転子の外周側を囲むように設けられ、前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットにそれぞれ固定された略円筒状の固定子と、を有し、
前記固定子は、前記略円筒状の周方向に複数のスロットを配列した固定子コアと、前記複数のスロットに挿入される複数のコイルと、を備える回転電機であって、
前記複数のコイルのそれぞれは、
導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、
前記導体は、
前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、
前記1つの巻回部は、
前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるか若しくは前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、少なくとも1つの平行部と、
前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記平行部どうしを接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる1つの前記平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、
を備えるとともに、
前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項6記載の回転電機において、
前記複数のコイルそれぞれの各導体筒部の前記導体は、
外形状が対応する前記スロットの形状に合致するように、前記略長方形又は前記略正方形のうち前記四隅部を除く2組の対向する2辺となる部位が加圧成形されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の回転電機において、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記回転軸の軸方向にそれぞれ対向する前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットに対し略密着するようにして配置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項9】
請求項8記載の回転電機において、
前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットは、
前記コイルに対し軸方向に対向する部位に、冷媒を流通させる流路を備えている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の回転電機において、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記第2方向に沿って最内周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き始めの前記巻回部の前記始点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第1突出部と、
前記第2方向に沿って最外周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き終わりの前記巻回部の前記終点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されており、
かつ、
前記回転電機は、さらに、
前記複数のコイルの前記第1突出部及び前記第2突出部を結線する結線部を、前記複数のコイルよりも前記略円筒状の外周側の領域に有している
ことを特徴とする回転電機。
【請求項11】
複数の永久磁石を直線状に配列した界磁と、
前記複数の永久磁石と磁気的空隙を介して平行に対向配置され、電機子ベース、及び、前記電機子ベースに取り付けられた複数のコイル、を備えた電機子と、
を有し、
前記界磁と前記電機子のいずれか一方を固定子に、他方を可動子として、前記可動子を所定の進行方向に沿って走行させるリニアモータであって、
前記複数のコイルのそれぞれは、
導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、
前記導体は、
前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、
前記1つの巻回部は、
前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるか若しくは前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、少なくとも1つの平行部と、
前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記平行部どうしを接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる1つの前記平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、
を備えるとともに、
前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項12】
請求項11記載のリニアモータにおいて、
前記複数のコイルそれぞれの各導体筒部の前記導体は、
前記略長方形又は前記略正方形のうち前記四隅部を除く2組の対向する2辺となる部位が加圧成形されている
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項13】
請求項11又は請求項12記載のリニアモータにおいて、
前記電機子は、
前記電機子ベースに取り付けられ、前記複数のコイルを収納配置するためのブラケットをさらに備え、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記ブラケットに対し略密着するようにして配置されている
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項14】
請求項11乃至請求項13のいずれか1項記載のリニアモータにおいて、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記第2方向に沿って最内周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き始めの前記巻回部の前記始点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第1突出部と、
前記第2方向に沿って最外周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き終わりの前記巻回部の前記終点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されており、
かつ、
前記リニアモータは、さらに、
前記複数のコイルの前記第1突出部及び前記第2突出部を結線する結線部を、前記複数のコイルと前記電機子ベースとの間の領域に有している
ことを特徴とするリニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、コイル、回転電機、及びリニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、横断面が長方形状の導体(平角線材)を曲折しつつ巻回した、四辺が直線状の矩形状コイルが記載されている。このコイルは、例えば回転電機の固定子のスロットに装着されて用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−288025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、順次巻回される導体が他の導体に対し乗り上がる等により、コイルの表面が平滑にならない場合がある。この場合、コイルを回転電機等に装着して使用するときに、その装着部に対しコイルを十分に密着させることが難しい。この結果、コイルから発生する熱を、当該密着部分から装着部へと放熱し効率よく冷却するのが困難となる。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、発生する熱を効率よく放熱し冷却できるコイル、及び、これを用いた回転電機並びにリニアモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列した、コイルであって、前記導体は、前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、前記1つの巻回部は、前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるか若しくは前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、少なくとも1つの平行部と、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記平行部どうしを接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる1つの前記平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、を備えるとともに、前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されているコイルが適用される。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の他の観点によれば、回転軸を備えた回転子と、前記回転軸を負荷側及び反負荷側でそれぞれ回転可能に支持する負荷側ブラケット及び反負荷側ブラケットと、前記回転子の外周側を囲むように設けられ、前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットにそれぞれ固定された略円筒状の固定子と、を有し、前記固定子は、前記略円筒状の周方向に複数のスロットを配列した固定子コアと、前記複数のスロットに挿入される複数のコイルと、を備える回転電機であって、前記複数のコイルのそれぞれは、導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、前記導体は、前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、前記1つの巻回部は、前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるか若しくは前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、少なくとも1つの平行部と、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記平行部どうしを接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる1つの前記平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、を備えるとともに、前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されていることを特徴とする回転電機が適用される。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のさらに他の観点によれば、複数の永久磁石を直線状に配列した界磁と、前記複数の永久磁石と磁気的空隙を介して平行に対向配置され、電機子ベース、及び、前記電機子ベースに取り付けられた複数のコイル、を備えた電機子と、を有し、前記界磁と前記電機子のいずれか一方を固定子に、他方を可動子として、前記可動子を所定の進行方向に沿って走行させるリニアモータであって、前記複数のコイルのそれぞれは、導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、前記導体は、前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、前記1つの巻回部は、前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるか若しくは前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、少なくとも1つの平行部と、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記平行部どうしを接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる1つの前記平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、を備えるとともに、前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されていることを特徴とするリニアモータが適用される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコイルによれば、発生する熱を効率よく放熱し冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態のリニアモータの概略構成を表す横断面図である。
【図2】図1中のX−X断面による縦断面図である。
【図3】リニアモータに備えられたコイルの巻線工程を説明するための説明図、Y−Y断面による横断面図、及び巻線用治具の平面図である。
【図4】巻線用治具の上スペーサ部の上方から見た、概念的透視図である。
【図5】コイルの外形状の成形工程を説明するための側断面図、及びZ−Z断面による水平断面図である。
【図6】平角線を用いた変形例における、コイルの巻線工程を説明するための説明図、及びS−S断面による横断面図である。
【図7】第2実施形態の回転電機の概略構成を表す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
<第1実施形態>
まず、図1及び図2を用いて、第1実施形態のリニアモータについて説明する。
【0013】
<リニアモータの構成>
図1及び図2に示すように、本実施形態のリニアモータ1は、固定子を構成する界磁2と、可動子を構成する電機子3と、を備えている。界磁2は、ヨーク取付部4に設置された界磁ヨーク5と、界磁ヨーク5上に配置された複数個の永久磁石6と、を備えている。複数個の永久磁石6は、界磁ヨーク5の長手方向(電機子3の移動方向)に沿って等ピッチで隣接しつつ、かつ交互に極性が異なるように、配置されている。
【0014】
電機子3は、界磁2の永久磁石6と磁気的ギャップを介して平行に対向配置されている。この電機子3は、電機子ベース7と、コア8と、コア8を囲むように電機子ベース7に取り付けられるブラケット9と、3個1組の複数個(この例では3個)のコイル10と、を備えている。
【0015】
コア8は、電機子ベース7の界磁2と対向する面に取り付けられており、電磁鋼板を櫛歯形状に打ち抜いて積層した積層体により構成されている。またコア8は、界磁2の方向に突出した複数(この例では3つ)のティース8aを有している。各ティース8aは、電機子3の長手方向(図2中の左右方向)に等間隔を空けて設けられている。
【0016】
コイル10は、コア8に装着されつつ、ブラケット9に略密着するようにして収納配置される。具体的には、コイル10の内周側の穴部18(後述の図5(c)参照)がティース8aに嵌合されつつ、各コイル10は隣り合うティース8aの間に形成されたスロット8bに収容される。このとき、コイル10のうちコア8から露出した部分の外周部(詳細には後述の直線部17a又は17b)は、ブラケット9の凹部11の内面11aに接触した状態でブラケット9に取り付けられている。なお、ブラケット9は、外周面に冷却フィン12が形成されている。
【0017】
電機子3の幅方向一端部(図1中の左側)には、コイル10と電機子ベース7との間に結線部14が設けられている。各コイル10には、後述するように、導体15(後述の図3参照)の巻き始め側及び巻き終わり側に、コイル10から突出した、導体15の第1突出部15a及び第2突出部15bが形成されている。結線部14は、各コイル10の第1突出部15a及び第2突出部15bを接続して、図示しない外部電源に接続する。リニアモータ1では、各コイル10に外部電源から結線部14及び第1及び第2突出部15a,15bを介してU相、V相、W相の対応する相の3相交流電流が給電され、これによってコイル10に磁界が生じる。この結果、コイル10と界磁2の永久磁石6との間で反発力と吸引力が作用し、電機子3に推力が発生する。これにより、電機子3が図中白抜き矢印で示す進行方向に沿って走行する。
【0018】
<本実施形態の特徴>
上記構成のリニアモータ1において、本実施形態の特徴は、コイル10の表面を平滑とするための導体15(後述の図3等参照)の巻回手法にある。以下、その詳細を順を追って説明する。コイル10は、概略的に、導体15を周回方向に巻回する第1工程と、第1工程により得られた未成形コイル17(後述の図4等参照)の所定部位を加圧成形する第2工程と、により製造される。
【0019】
<第1工程の概略>
次に、図3(a)〜(k)及び図4(a)〜(d)を用いて、上記第1工程を説明する。なお、以下の説明において、上下方向(高さ方向)、前後方向、左右方向は、図3(a)〜(j)、図3(k)、図4(a)〜(d)等の各図中に適宜示す矢印方向に対応している。第1工程では、導体15を略水平方向に沿う周回方向に巻回することを繰り返し、径方向に積層した複数の導体筒部16(後述)が形成される。導体15は、絶縁性能及び熱融着性能を有する樹脂で被覆したボンド線の丸銅線である。
<巻回用治具>
導体15を巻回する際には、所定の姿勢で配置された巻回用治具30が用いられる。この巻回用治具30は、この例では略長方形状の水平断面を有する略直方体状のコアピン部31を備えている。このコアピン部31は、図示しない適宜の嵌合構造によって高さ方向略半分の位置(図3(a)(j)中の点線h参照)で上下に2分割可能になっている。この分割されたコアピン部31の上側半分の上端部に上スペーサ部32aが一体的に設けられ、コアピン部31の下側半分の下端部に下スペーサ部32bが一体的に設けられている。なお、上スペーサ部32aには、図3(k)に示すように、導体15を通す貫通孔33a,33bが設けられている。貫通孔33a,33bは、コアピン部31の4つの隅部31a,31b,31c,31dのうちの1つの隅部(この例では右前側の第1隅部31a)に近接した位置と、その径方向外側位置とに、それぞれ設けられている。
【0020】
<1番目の巻回部の形成>
まず、図3(a)に示すように、導体15を上スペーサ部32aの貫通孔33aから上方に所定量延出し、第1突出部15aとする。その後、上スペーサ部32aの下面の近傍で、導体15のうち上記第1突出部15aに続く部分を、コアピン部31の右前側の第1隅部31aを周回の始点15sとして、当該第1隅部31a→右後側の第2隅部31b→左後側の第3隅部31c→左前側の第4隅部31d→右前側の第1隅部31aのようにコアピン部31の周囲に一周巻回する。
【0021】
すなわち、詳細には、図4(a)及び上記図3(a)に示すように、導体15を右前側の上記第1隅部31aに位置する上記始点15sから右後側の上記第2隅部31bに向けて水平方向(周回方向に相当)に延設し(延設部15A1−1)、次に導体15を上記第2隅部31bから左後側の上記第3隅部31cに向けて水平方向に延設し(延設部15A1−2)、次に導体15を上記第3隅部31cから左前側の上記第4隅部31dに向けて水平方向に延設する(延設部15A1−3)。これにより、始点15sに対し同一ピッチにある(すなわち始点sと同じ上下方向位置にある)3つの延設部15A1−1,15A−2,15A−3からなる、第1平行部15A1が形成される。
【0022】
その後、上記第4隅部31dにおいて、第1平行部15A1に対し、導体15の巻回ピッチの半ピッチ(以下適宜、単に「半ピッチ」という。導体15の線径の半分の値に略等しい)だけ上下方向(=いわゆる軸方向。第1方向に相当)に沿って下方にずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、第1平行部15A1と後述の第2平行部15A2とを接続する、第1接続部15B1(いわゆる段上がり部)が形成される。その後、導体15を上記第1隅部31aに位置する終点15eに向けて水平方向に延設することで、始点15sに対し下方に半ピッチずれて位置する、第2平行部15A2が形成される。
【0023】
その後、上記第1隅部31aにおいて、上記第1隅部31aに到達した導体15を、第2平行部15A2に対し下方に半ピッチずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する終点15eを、上記同様に第1隅部31aから巻回が始まる次の2番目の巻回部15Aの始点15sに対して接続する、第2接続部15B2(いわゆる段上がり部)が形成される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2からなる1番目の巻回部15Aが完成する(図4(a)参照)。
【0024】
<2番目以降の巻回部の形成>
その後、上記同様にして、上記2番目の巻回部15Aを形成する。すなわち、上記第1隅部31aにおいて1番目の巻回部15Aの始点15sから1ピッチ下方にずれて位置している始点15sから、第2隅部31b→第3隅部31c→第4隅部31dと水平方向に導体15を延設して上記延設部15A1−1,15A1−2,15A1−3からなる第1平行部15A1を形成する。その後、前述と同様、上記第4隅部31dにおいて斜めとなる方向に延びる第1接続部15B1を介し、上記第1隅部31aに位置する終点15eに向けて水平方向に延びる第2平行部15A2が形成される。その後、上記第1隅部31aにおいて、斜めとなる方向に伸びる第2接続部15B2により、上記第2平行部15A2と次の3番目の巻回部15Aとが接続される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2からなる2番目の巻回部15Aが完成する。このとき、上記2番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2は、上記1番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2から、それぞれ1ピッチ下方にずれて位置している。
【0025】
以下同様に、導体15を上下方向に沿って下方に1ピッチずつずらしつつ、周回方向に略沿って一周させて、3番目の巻回部15A、4番目の巻回部15A、・・のようにして下方に隣接する別の巻回部15Aを順次生成していく(図3(b)参照)。このようして、コアピン部31の上スペーサ部32aと下スペーサ部32bとの間に、下スペーサ部32bに達する最下段の巻回部15Aまで、順次巻回部15Aが生成される。
【0026】
<最下段の巻回部の形成による第1導体筒部の完成>
最下段の巻回部15Aでは、延設部15A1−1,15A1−2,15A1−3からなる第1平行部15A1は上述した他の段の巻回部15Aと同様であるが、第1接続部15B1′、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′、は他の段の巻回部15Aと巻回態様が異なる。
【0027】
すなわち、上記第4隅部31dにおいて、第1平行部15A1と上下方向における位置が同一(同一ピッチ)で、かつ上記上下方向と直交する径方向(第2方向に相当)に沿った外側に1ピッチ弱(導体15の線径の値よりやや小さい値)だけずらすように、水平方向に拡げつつ導体15を延設する。これにより、上記第1平行部15A1と後述の第2平行部15A2とを接続する、第1接続部15B1′(いわゆる段上がり部)が形成される。その後、上記のように径方向外側にずれた周回位置において、導体15を上記第1隅部31aの近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延設することで、この最下段の巻回部15Aの始点15sと上下方向における位置が同一(同一ピッチ)の、第2平行部15A2が形成される(図3(c)参照)。
【0028】
その後、上記第1隅部31aにおいて、上記第1隅部31aに到達した導体15を、第2平行部15A2に対し上方に半ピッチずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、最下段の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する上記終点15eを、上記同様に第1隅部31aから巻回が始まる、次の巻回部15A(後述する第2導体筒部16Bの一番目である最下段の巻回部15A)の始点15sに対し接続する、第2接続部15B2′(いわゆる段上がり部)が形成される。これにより、第1平行部15A1、第1接続部15B1′、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′からなる最下段の巻回部15Aが完成する。
【0029】
以上の結果、最上段から最下段まで上下方向に沿って配列された、複数の巻回部15Aからなる第1導体筒部16A(最内周側に位置する導体筒部に相当)が形成される(図3(c)参照)。
【0030】
<第2導体筒部の1番目の巻回部の形成>
上記第1導体筒部16Aが形成された後は、その径方向外周側に、次の第2の導体筒部16Bが、上記と同様の導体の巻回手法(但し巻回部15Aを上方へ順次ずらしながら形成する)により形成される。すなわち、上記第1導体筒部16Aの最下段の巻回部15Aに備えられた第2接続部15B2′が、上記第2の導体筒部16Bの最下段(下から1番目)の巻回部15Aの始点15sに接続される。この1番目の巻回部15Aにおいては、第1隅部31a近傍に位置する上記始点15sから、上記同様、第2隅部31b近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−1)、さらに第3隅部31c近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−2)、さらに第4隅部31d近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−3)、これによって、上記始点15sに対し同一ピッチにある第1平行部15A1が形成される。
【0031】
その後、上記第4隅部31d近傍において、第1平行部15A1に対し、半ピッチだけ上方にずらすように斜め方向に導体15を延設する。これにより、第1平行部15A1と後述の第2平行部15A2とを接続する、第1接続部15B1″(いわゆる段上がり部)が形成される。その後、導体15を上記第1隅部31a近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延設する。これにより、上記1番目の巻回部15Aの前述の始点15s(図3(c)参照)に対し上方に半ピッチずれて位置する、第2導体筒部16Aの1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2が形成される(図3(d)参照)。
【0032】
その後、上記第1隅部31a近傍において、到達した導体15を、上記第2平行部15A2に対し上方に半ピッチずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、上記1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する終点15eを、上記同様に第1隅部31a近傍から巻回が始まる次の2番目(下から2番目)の巻回部15Aの始点15sに対して接続する、第2接続部15B2′(いわゆる段上がり部)が形成される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′からなる、第2導体筒部16Bの1番目の巻回部15Aが完成する(図4(b)参照)。
【0033】
<2番目以降の巻回部の形成>
その後、上記同様にして、第2導体筒部16Bの上記2番目の巻回部15Aを形成する。すなわち、上記第1隅部31a近傍において1番目の巻回部15Aの始点15sから1ピッチ上方にずれて位置している始点15sから、第2隅部31b近傍→第3隅部31c近傍→第4隅部31d近傍と水平方向に導体15を延設して上記延設部15A1−1,15A1−2,15A1−3からなる第1平行部15A1を形成する。その後、前述と同様、上記第4隅部31d近傍において斜めとなる方向に延びる第1接続部15B1″を介し、上記第1隅部31a近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延びる第2平行部15A2が形成される。その後、上記第1隅部31a近傍において、斜めとなる方向に伸びる第2接続部15B2′により、上記第2平行部15A2と次の3番目(下から3番目)の巻回部15Aとが接続される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′からなる2番目の巻回部15Aが完成する。このとき、上記2番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′は、上記1番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′から、それぞれ1ピッチ上方にずれて位置している。
【0034】
以下同様に、導体15を上下方向に沿って上方に1ピッチずつずらしつつ、周回方向に略沿って一周させて、下から3番目の巻回部15A、下から4番目の巻回部15A、・・のようにして上方に隣接する別の巻回部15Aを順次生成していく(図3(e)参照)。このようして、コアピン部31の下スペーサ部32bと上スペーサ部32aとの間に、上スペーサ部32aに達する最上段の巻回部15Aまで、順次巻回部15Aが生成される。
【0035】
<最上段の巻回部の形成による第2導体筒部の完成>
最上段の巻回部15Aでは、第1平行部15A1、第1接続部15B1″、及び第2平行部15A2は上述した他の段の巻回部15Aと同様であるが、第2接続部15B2″の巻回態様が他の段の巻回部15Aと異なる。
【0036】
すなわち、上記第1隅部31a近傍において、第2平行部15A2と上下方向における位置が同一(同一ピッチ)で、かつ上記径方向に沿った外側に1ピッチ弱(導体15の線径の値よりやや小さい値)だけずらすように、水平方向に拡げつつ導体15を延設する。これにより、上記第2平行部15A2と後述の第1平行部15A1とを接続する、第2接続部15B2″(いわゆる段上がり部)が形成される。これにより、最上段の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する終点15eが、第2接続部15B″を介し、上記同様に第1隅部31aから巻回が始まる、次の巻回部15A(後述する第3導体筒部16Cの一番目である最上段の巻回部15A)の始点15sに対し接続される。この結果、第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2″からなる最上段の巻回部15Aが完成する。
【0037】
以上の結果、最下段から最上段まで上下方向に沿って配列された、複数の巻回部15Aからなる第2導体筒部16Bが形成される(図3(e)参照)。
【0038】
<第3導体筒部の1番目の巻回部の形成>
上記第2導体筒部16Bが形成された後は、その径方向外周側に、次の第3の導体筒部16Cが、上記と同様の導体の巻回手法(巻回部15Aを下方へ順次ずらしながら形成する)により形成される。すなわち、上記第2導体筒部16Bの最上段の巻回部15Aに備えられた第2接続部15B2″が、上記第3の導体筒部16Cの最上段(上から1番目)の巻回部15Aの始点15sに接続される。この1番目の巻回部15Aにおいては、第1隅部31a近傍に位置する上記始点15sから、上記同様、第2隅部31b近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−1)、さらに第3隅部31c近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−2)、さらに第4隅部31d近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−3)、これによって、上記始点15sに対し同一ピッチにある第1平行部15A1が形成される。
【0039】
その後、上記第4隅部31d近傍において、第1平行部15A1に対し半ピッチだけ下方にずらすように斜め方向に導体15を延設する。これにより、第1平行部15A1と後述の第2平行部15A2とを接続する、第1接続部15B1(いわゆる段上がり部)が形成される。その後、導体15を上記第1隅部31a近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延設する。これにより、上記1番目の巻回部15Aの前述の始点15s(図3(e)参照)に対し下方に半ピッチずれて位置する、第3導体筒部16Cの1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2が形成される(図3(f)参照)。
【0040】
その後、上記第1隅部31a近傍において、到達した導体15を、上記第2平行部15A2に対し下方に半ピッチずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、上記1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する終点15eを、上記同様に第1隅部31a近傍から巻回が始まる次の2番目(上から2番目)の巻回部15Aの始点15sに対して接続する、第2接続部15B2(いわゆる段上がり部)が形成される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2からなる、第3導体筒部16Cの1番目の巻回部15Aが完成する(図4(c)参照)。
【0041】
<2番目以降の巻回部の形成>
その後、上記同様にして、第3導体筒部16Cの上記2番目の巻回部15Aを形成する。すなわち、上記第1隅部31a近傍において1番目の巻回部15Aの始点15sから1ピッチ下方にずれて位置している始点15sから、第2隅部31b近傍→第3隅部31c近傍→第4隅部31d近傍と水平方向に導体15を延設して上記延設部15A1−1,15A1−2,15A1−3からなる第1平行部15A1を形成する。その後、前述と同様、上記第4隅部31d近傍において斜めとなる方向に延びる第1接続部15B1を介し、上記第1隅部31a近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延びる第2平行部15A2が形成される。その後、上記第1隅部31a近傍において、斜めとなる方向に伸びる第2接続部15B2により、上記第2平行部15A2と次の3番目(上から3番目)の巻回部15Aとが接続される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2からなる2番目の巻回部15Aが完成する。このとき、上記2番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2は、上記1番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2から、それぞれ1ピッチ下方にずれて位置している。
【0042】
以下同様に、導体15を上下方向に沿って下方に1ピッチずつずらしつつ、周回方向に略沿って一周させて、上から3番目の巻回部15A、上から4番目の巻回部15A、・・のようにして下方に隣接する別の巻回部15Aを順次生成していく(図3(f)参照)。このようして、コアピン部31の上スペーサ部32aと下スペーサ部32bとの間に、下スペーサ部32bに達する最下段の巻回部15Aまで、順次巻回部15Aが生成される。
【0043】
<最下段の巻回部の形成による第3導体筒部の完成>
最下段の巻回部15Aでは、第1平行部15A1は上述した他の段の巻回部15Aと同様であるが、第1接続部15B1′、第2平行部15A2、第2接続部15B2′の巻回態様が他の段の巻回部15Aと異なる。
【0044】
すなわち、上記第4隅部31dにおいて、第1平行部15A1と上下方向における位置が同一(同一ピッチ)で、かつ上記上下方向と直交する径方向に沿った外側に1ピッチ弱だけずらすように、水平方向に拡げつつ導体15を延設する。これにより、上記第1平行部15A1と後述の第2平行部15A2とを接続する、第1接続部15B1′(いわゆる段上がり部)が形成される。その後、上記のように径方向外側にずれた周回位置において、導体15を上記第1隅部31aの近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延設することで、この最下段の巻回部15Aの始点15sと上下方向における位置が同一(同一ピッチ)の、第2平行部15A2が形成される(図3(g)参照)。
【0045】
その後、上記第1隅部31aにおいて、上記第1隅部31aに到達した導体15を、第2平行部15A2に対し上方に半ピッチずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、最下段の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する上記終点15eを、上記同様に第1隅部31aから巻回が始まる、次の巻回部15A(後述する第4導体筒部16Dの一番目である最下段の巻回部15A)の始点15sに対し接続する、第2接続部15B2′(いわゆる段上がり部)が形成される。これにより、第1平行部15A1、第1接続部15B1′、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′からなる最下段の巻回部15Aが完成する。
【0046】
以上の結果、最上段から最下段まで上下方向に沿って配列された、複数の巻回部15Aからなる第3導体筒部16Cが形成される(図3(g)参照)。
【0047】
<第4導体筒部の1番目の巻回部の形成>
上記第3導体筒部16Cが形成された後は、その径方向外周側に、次の第4の導体筒部16Dが、上記と同様の導体の巻回手法(巻回部15Aを上方へ順次ずらしながら形成する)により形成される。すなわち、上記第3導体筒部16Cの最下段の巻回部15Aに備えられた第2接続部15B2′が、上記第4の導体筒部16Dの最下段(下から1番目)の巻回部15Aの始点15sに接続される。この1番目の巻回部15Aにおいては、第1隅部31a近傍に位置する上記始点15sから、上記同様、第2隅部31b近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−1)、さらに第3隅部31c近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−2)、さらに第4隅部31d近傍に向けて導体15が延設され(延設部15A1−3)、これによって、上記始点15sに対し同一ピッチにある第1平行部15A1が形成される。
【0048】
その後、上記第4隅部31d近傍において、第1平行部15A1に対し、半ピッチだけ上方にずらすように斜め方向に導体15を延設する。これにより、第1平行部15A1と後述の第2平行部15A2とを接続する、第1接続部15B1″(いわゆる段上がり部)が形成される。その後、導体15を上記第1隅部31a近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延設する。これにより、上記1番目の巻回部15Aの前述の始点15s(図3(g)参照)に対し上方に半ピッチずれて位置する、第2導体筒部16Aの1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2が形成される(図3(h)参照)。
【0049】
その後、上記第1隅部31a近傍において、到達した導体15を、上記第2平行部15A2に対し上方に半ピッチずらすように、水平方向に対し斜めとなる方向に導体15を延設する。これにより、上記1番目の巻回部15Aの第2平行部15A2の末端に位置する終点15eを、上記同様に第1隅部31a近傍から巻回が始まる次の2番目(下から2番目)の巻回部15Aの始点15sに対して接続する、第2接続部15B2′(いわゆる段上がり部)が形成される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′からなる、第4導体筒部16Dの1番目の巻回部15Aが完成する(図4(d)参照)。
【0050】
<2番目以降の巻回部の形成>
その後、上記同様にして、第4導体筒部16Dの上記2番目の巻回部15Aを形成する。すなわち、上記第1隅部31a近傍において1番目の巻回部15Aの始点15sから1ピッチ上方にずれて位置している始点15sから、第2隅部31b近傍→第3隅部31c近傍→第4隅部31d近傍と水平方向に導体15を延設して上記延設部15A1−1,15A1−2,15A1−3からなる第1平行部15A1を形成する。その後、前述と同様、上記第4隅部31d近傍において斜めとなる方向に延びる第1接続部15B1″を介し、上記第1隅部31a近傍に位置する終点15eに向けて水平方向に延びる第2平行部15A2が形成される。その後、上記第1隅部31a近傍において、斜めとなる方向に伸びる第2接続部15B2′により、上記第2平行部15A2と次の3番目(下から3番目)の巻回部15Aとが接続される。以上により、第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′からなる2番目の巻回部15Aが完成する。このとき、上記2番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′は、上記1番目の巻回部15Aの第1平行部15A1、第1接続部15B1″、第2平行部15A2、及び第2接続部15B2′から、それぞれ1ピッチ上方にずれて位置している。
【0051】
以下同様に、導体15を上下方向に沿って上方に1ピッチずつずらしつつ、周回方向に略沿って一周させて、下から3番目の巻回部15A、下から4番目の巻回部15A、・・のようにして上方に隣接する別の巻回部15Aを順次生成していく(図3(i)参照)。このようして、コアピン部31の下スペーサ部32bと上スペーサ部32aとの間に、上スペーサ部32aに達する最上段の巻回部15Aまで、順次巻回部15Aが生成される。
【0052】
<最上段の巻回部の形成による第4導体筒部の完成>
最上段の巻回部15Aでは、上述した他の段の巻回部15Aと同様の第1平行部15A1、第1接続部15B1″、及び第2平行部15A2を備える。なお、第2接続部15B2″は省略される。以上の結果、最下段から最上段まで上下方向に沿って配列された、複数の巻回部15Aからなる第4導体筒部16D(最外周側に位置する導体筒部に相当)が形成される(図3(i)参照)。そして、上記第4導体筒部16Dの最上段の第2平行部15A2の末端にさらに連続する導体15を、コアピン31の第1隅部31a近傍において上スペーサ32aの上記貫通孔33bから上方に延出する。貫通孔33bから延出した導体15は、所定位置で切断して、残存した導体15が他方の結線部15bとされる。
【0053】
その後、コアピン部31を上記高さ方向略半分の位置(図3(a)(j)中の点線h参照)で上下に分離する。その後、分割されたコアピン部31の上側半分・下側半分をそれぞれ上記複数の導体筒部16A〜16Dから抜き出すことで、複数の導体筒部16A〜16Dからなる成形前の未成形コイル17を得る。この未成形コイル17に対し、次の第2工程において外形状の加圧成形が行われ、コイル10が得られる。
【0054】
<第2工程の概略>
図5(a)〜(c)を用いて、上記第2工程を説明する。なお、以下の説明において、上下方向(高さ方向)、前後方向、左右方向は、図5(a)〜(c)等の各図中に適宜示す矢印方向に対応している。
【0055】
<加圧成形機>
未成形コイル17を加圧成形する際には、加圧成形機40が用いられる。加圧成形機40は、図5(a)〜(c)に示すように、治具41と、1対の支持プレート42,42と、前後1対のパンチ43,43と、上下1対の前パンチ44,44と、上下一対の後パンチ45,45と、を備えている。
【0056】
治具41は、未成形コイル17の穴部18を嵌装しつつ、未成形コイル17を、上記径方向を水平方向に一致させた水平姿勢に保持する。治具41に保持された未成形コイル17は、その外形状が、略長方形又は略正方形(この例では略長方形)となっている(図5(c)参照)。その際、未成形コイル17の上記略長方形の外形状は、四隅部が略円弧形状となっている。すなわち、上記未成形コイル17の外形状は、上記長方形のうち対向する2つの長辺となる左・右の直線部17a,17aと、長方形のうち対向する2つの短辺となる前・後の直線部17b,17bと、4つの上記円弧部19(四隅部に相当)と、を備えている。
【0057】
そして、上記1対の支持プレート42,42は、上記直線部17a,17a(図5(c)参照)の外面をそれぞれ支持する。前後1対のパンチ43,43は、上記直線部17b,17bの外面を加圧成形する。上記上下1対の前パンチ44,44及び後パンチ45,45は、それぞれ上記直線部17b,17bの上下の外面を加圧成形する。なお、上側の前パンチ44は、未成形コイル17から上下方向外方に突出した上記第1突出部15a及び第2突出部15bを挿通可能な、図示しない貫通孔を有している。これにより、上側の前パンチ44は、加圧成形時に上記第1及び第2突出部15a,15bに干渉することなく、下方に移動することができる。
【0058】
<加圧成形手順>
上記加圧成形機40を用いた未成形コイルの加圧成形時には、まず、図5(a)に示すように、前後のパンチ43,43、上下の前パンチ44,44、上下の後パンチ45,45が、矢印方向に未成形コイル17へ近接する。その後、図5(b)及び図5(c)に示すように、前後のパンチ43,43が上記直線部17b,17bの外面に接触して加圧を行う。また、上下の前パンチ44,44が前側の直線部17bの上下の外面に接触し加圧を行い、上下の後パンチ45,45が後側の直線部17bの上下の外面に接触して加圧を行う。これらの加圧により、未成形コイル17は、上記円弧部19を除く上記直線部17a,17a及び直線部17b,17bが平滑に成形される。これにより、円弧部19が略円弧状で、円弧部19を除く直線部17a,17a、17b,17bが平滑に成形された断面略長方形のコイル10が得られる。
【0059】
このとき、図4(a)〜(d)や図3(a)〜(k)と図5(c)とを対比させると分かるように、上記第1〜第4導体筒部16A〜16Dそれぞれに含まれる、第1接続部15B1,15B1′,15B1″及び第2接続部15B2,15B2′,15B2″は、上記円弧部19にそれぞれに対応した4つの隅部領域R1〜R4(四隅部に対応する部位に相当)に位置している。上記のように円弧部19を除いて成形が行われる結果、上記、第1接続部15B1,15B1′,15B1″及び第2接続部15B2,15B2′,15B2″に対しては成形が行われない。なお、コイル10から上下方向に突出した前述の第1突出部15a及び第2突出部15bは、この例では、コイル10の4つの円弧部19それぞれに対応した4つの隅部領域R1〜R4のうち、いずれか1つ(この例では右前方側の隅部R1)に位置している。なお、隅部領域R1〜R4のいずれか1つを特定しない場合には、以下適宜、単に「隅部領域R」と称する。
【0060】
上記のような成形により得られたコイル10は、第1突出部15a及び第2突出部15bを介して導体15に電流が供給され、導体15の発熱による絶縁被覆の融着により導体15同士が絶縁固化されて、使用に供される。なお、導体15の絶縁皮膜に熱融着性がない非ボンド線を用いる場合は、コイル10の外側から熱硬化性接着剤を塗布し、接着剤を加熱硬化して導体15同士を接着固化してもよい。
【0061】
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のリニアモータ1においては、電機子3の電機子ベース7に複数のコイル10がそれぞれ取り付けられる。各コイル10では、導体15を所定の周回方向に周回させつつ、周回方向に直交する上下方向に1ピッチずつずらしながら巻回することで、導体筒部16A〜16Dが構成されている。
【0062】
各導体筒部16においては、軸方向に沿って複数備えられる巻回部15Aのそれぞれが、上記平行部15A1,15A2と、上記第1接続部15B1と、上記第2接続部15B2と、を備えている。そして、本実施形態では、コイル10の外形状を略長方形としつつ、その四隅が円弧部19となっている。そして、いわゆる段上がり部となりうる上記第1接続部15B1及び第2接続部15B2が、上記円弧部19に対応した隅部領域R(図5(c)参照)に配置されている。
【0063】
このように、接続部15B1,15B2が隅部領域Rに設けられることで、それ以外の領域には上記段上がり部が存在しなくなる。これにより、上記直線部17a,17a,17b,17bに対応した上記隅部領域R以外の領域を十分に加圧して、上記直線部17a,17a,17b,17bの表面を平滑にすることができる。この結果、上記のようにコイル10をリニアモータ1の電機子ベース7に取り付けて使用するとき、コイル10の上記直線部17a又は17bを、ブラケット9の凹部11の内面11aに十分に密着させることができる。したがって、コイル10から発生する熱を当該密着部分から電機子ベース7側へと放熱し効率よく冷却することができる。
【0064】
また、本実施形態では特に、コイル10の導体15をコイル外部と接続し結線するための巻き始め側の第1突出部15aと巻き終わり側の第2突出部15bとが、上記隅部領域Rに設けられる。これにより、これら突出部15a,15bの存在に関わらず、上記長方形の直線部17a,17a,17b,17bでの表面の平滑さが確保される。また、各突出部15a,15bは、径方向ではなく上下方向に突出するように設けられている。この結果、コイル10全体の径方向における寸法の大型化を防止するとともに、コイル10を装着するのに必要なスペースを低減することができる。したがって、リニアモータ1の、走行方向(図2中左右方向)やこれと直交する幅方向(図1中左右方向)への大型化を防止することができる。
【0065】
また、本実施形態では特に、第1突出部15a及び第2突出部15bは、隅部領域R1〜R4のうち、共通の1つの隅部領域R(上記の例では隅部領域R1)に配置されている。このように第1突出部15a及び第2突出部15bを同一の隅部領域Rに配置することにより、それら2つの突出部15a,15bどうしの距離を近接させ、リニアモータ1側との結線構造を確実に小型化することができる。
【0066】
なお、上記のように、第1突出部15a及び第2突出部15bを共通の1つの隅部領域Rに配置するのに限られず、別々の隅部領域Rに配置しても良い。この場合、上記長方形のうち、特定の1つの短辺の両端、すなわち上記前側の直線部17bの両端に対応する隅部領域R1,R4若しくは上記後側の直線部17bの両端に対応する隅部領域R2,R3にそれぞれ振り分け配置することが好ましい。これには以下のような意義がある。
【0067】
すなわち、コイル10全体の外形状が上記のように長方形である場合に、長辺に相当する上記直線部17aに沿ってその両端に対応する隅部領域R1と隅部領域R2(あるいは隅部領域R3と隅部領域R4)に、第1突出部15a及び第2突出部15bがそれぞれ振り分け配置されると、それら2つの突出部15a,15bどうしの距離が大きく離間し、リニアモータ1側との結線構造の大型化を招く。したがって、隅部領域R1と隅部領域R4(若しくは隅部領域R2と隅部領域R3)に第1突出部15a及び第2突出部15bを振り分け配置することで、それら2つの突出部15a,15bどうしの距離を比較的小さくし、上記結線構造を小型化することができる。
【0068】
なお、以上においては、段上がり部となりうる2つの接続部のうち、一方(上記の例では第1接続部15B1)が左前側の隅部領域R4に設けられ、他方(上記の例では第2接続部15B2)が右前側の隅部領域R1に設けられたが、これに限られない。すなわち、前述の略長方形形状の対角線上に対向する2つの隅部Rへの配置となるように、例えば2つの接続部のうち一方を左後側の隅部領域R3に設け、他方を右前側の隅部領域R1に設けても良い。あるいは、2つの接続部のうち一方を右後側の隅部領域R2に設け、他方を左前側の隅部領域R4に設けても良い。このような対角線上の対向配置の場合、隣接する複数のコイル10どうしにおいて、互いに接続部B1,B2が近接しないようにすることができる。この結果、複数のコイル10をコア8へ装着するときの、組み付け性を向上することができる。
【0069】
なお、以上においては、リニアモータ1は、界磁2を固定子とし、電機子3を可動子として構成する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、電機子3を固定子とし、界磁2を可動子として回転電機を構成してもよい。
【0070】
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0071】
すなわち、上記第1実施形態では、コイル10の導体15を丸銅線としたが、導体15として、例えば扁平な四角断面の平角線(平角銅線)を用いてもよい。そのような変形例における、上記図3と同様の巻回工程の例を、図6(a)〜(f)に示す。図6(a)に示す状態は図3(b)に対応しており、図6(b)に示す状態は図3(d)に対応しており、図6(c)に示す状態は図3(f)に対応しており、図6(d)に示す状態は図3(i)に対応しており、図6(e)に示す状態は図3(i)に対応しており、図6(f)に示す状態は図3(j)に対応している。これら図6(a)〜図6(f)に示されるように、本変形例における導体15の巻回は、導体15として平角線を用いる点を除き、上記第1実施形態と同様である。
【0072】
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得る。
【0073】
<第2実施形態>
次に、図7を用いて、第2実施形態の回転電機について説明する。
【0074】
<回転電機の構成>
図7に示すように、本実施形態の回転電機50は、回転自在に支持された界磁である回転子52と、電機子である略円筒状の固定子53と、円筒状のフレーム55と、負荷側ブラケット56と、負荷側軸受57と、反負荷側ブラケット58と、反負荷側軸59と、シャフト60(回転軸に相当)と、を有する。回転電機50は、この例では、固定子53の内側に回転子52を備えた、埋込磁石同期モータである。
【0075】
フレーム55は、固定子53の外周側に設けられている。負荷側ブラケット56は、フレーム55の負荷側(図7中右側)に設けられている。反負荷側ブラケット58は、フレーム55の反負荷側(図7中左側)に設けられている。負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58は、図示しないボルトによりフレーム55に締結されている。
【0076】
負荷側軸受57は、負荷側ブラケット56に外輪が嵌合されている。反負荷側軸受59は、反負荷側ブラケット58に外輪が嵌合されている。シャフト60は、負荷側軸受57及び反負荷側軸受59を介して負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58に回転自在に支持されている。シャフト60の反負荷側(図7中左側)には、回転子52の回転位置を検出するエンコーダ62が設けられている。負荷側ブラケット56には、回転子52の内部への異物の侵入を防ぐために、負荷側軸受57よりも軸方向外方側(図7中右側)にダストシール61が設けられている。
【0077】
回転子52は、軸方向の穴部63を有する略円筒状の回転子コア64と、回転子コア64に1極毎に埋設した軸方向の図示しない複数の永久磁石と、を有している。これにより、回転子52は、複数極の埋込磁石型構造の界磁部として構成されている。回転子コア64の穴部63には、上記シャフト60が嵌合されている。
【0078】
<固定子の詳細構造>
固定子53は、回転子52の径方向外周側を、磁気的空隙を空けて囲むように設けられ、上記負荷側ブラケット56及び上記反負荷側ブラケット58に固定されている。固定子53は、略円筒状の固定子コア66(固定子鉄心)と、固定子コア66に装着された複数の上記コイル10と、を有している。固定子コア66は、周方向に配列した径方向の図示しない複数のティースを備え、隣り合う2つのティース間に図示しないスロットが形成されている。各コイル10は、内周側の穴部18を上記ティースに嵌合しつつ、上記スロットに収容されている。また各コイル10は、固定子コア66から露出したコイル10の負荷側及び反負荷側が、それぞれ負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58の凹部67に収納されている。詳細には、各コイル10の上記直線部17b,17b(又は17a,17a)が、上記負荷側ブラケット56及び上記反負荷側ブラケット58の上記凹部67の内面67aに密着した状態で、各コイル10は配置されている。
【0079】
各コイル10の詳細構成及び導体15の巻回及び加圧成形の手法は、図3〜図6を用いて説明した上記第1実施形態及びその変形例と同様である。すなわち、各コイル10では、導体15を所定の周回方向に周回させつつ、周回方向に直交する前述の第1方向に1ピッチずつずらしながら巻回することで、導体筒部16A〜16Dが構成されている。
【0080】
また、負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58内には、上記凹部67に収納されたコイル10に近接するように、冷媒流路68が設置されている。冷媒流路68は、外部配管69から供給される所定の冷媒(例えば冷却水)を循環して、コイル10の発熱を冷却する。固定子コア66の反負荷側には、コイル10とフレーム55との間に、結線部14が設けられている。このとき、コイル10から突出した前述の第1突出部15a、第2突出部15bには、図示しない結線部を介し外部電源が接続され、当該外部電源から結線部及び突出部15a,15b及び結線部14bを介してコイル10への給電が行われる。
【0081】
<第2実施形態の効果>
以上のように構成した本実施形態の回転電機50においても、上記第1実施形態と同様の効果を得る。すなわち、固定子コア66の上記複数のスロットに複数のコイル10がそれぞれ挿入配置されている。各コイル10では、導体15を所定の周回方向に周回させつつ、周回方向に直交する前述の第1方向に1ピッチずつずらしながら巻回することで、導体筒部16A〜16Dが構成されている。各導体筒部16においては、軸方向に沿って複数備えられる巻回部15Aのそれぞれが、上記平行部15A1,15A2と、上記第1接続部15B1と、上記第2接続部15B2と、を備えている。コイル10の外形状を略長方形としつつ、その四隅が円弧部19となっている。そして、いわゆる段上がり部となりうる上記第1接続部15B1及び第2接続部15B2が、上記円弧部19に対応した隅部領域R(図5(c)参照)に配置されている。接続部15B1,15B2が隅部領域Rに設けられることで、それ以外の領域には上記段上がり部が存在しなくなる。これにより、上記直線部17a,17a,17b,17bに対応した上記隅部領域R以外の領域を十分に加圧して、上記直線部17a,17a,17b,17bの表面を平滑にすることができる。これにより、上記のようにコイル10を回転電機50のスロットの凹部67に装着して使用するとき、コイル10の上記直線部17b,17b(又は17a,17a)を、上記凹部67の内面67aに十分に密着させることができる。この結果、コイル10から発生する熱を当該密着部分からブラケット56,58や固定子コア66等へと放熱し効率よく冷却することができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、複数のコイル10のそれぞれは、シャフト60の軸方向にそれぞれ対向する負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58の凹部67に対し略密着するようにして配置されている。このように、コイル10を負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58の両方に対し十分に密着させることで、コイル10から発生する熱を当該密着部分から負荷側と反負荷側の両方のブラケット56,58へと放熱し、確実に効率よく冷却することができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58の、コイル10に対しシャフト66の軸線方向に対向する部位に、冷媒を流通させる冷媒流路68を備えている。これにより、コイル10からの熱が伝達される負荷側ブラケット56及び反負荷側ブラケット58の両方に水冷機能を設けることで、さらに確実に効率のよい冷却を行うことができる。
【0084】
また、本実施形態では特に、コイル10の各突出部15a,15bは、上記第2方向(いわゆる径方向)ではなく、上記第1方向(コイルの軸方向)に突出するように設けられる。この結果、コイル10全体の上記第2方向(コイルの径方向)における寸法の大型化を防止できるので、図7に示すようにコイル10の上記第2方向をシャフト60の軸線方向に沿って配置する場合に、回転電機50の上記シャフト60に沿った軸線方向への大型化を防止することができる。
【0085】
以上においては、回転電機50は、界磁を回転子52とし、電機子を固定子53として構成する場合を例にとって説明したが、電機子を回転子とし、界磁を固定子として回転電機を構成してもよい。
【0086】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0087】
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0088】
1 リニアモータ
2 界磁
3 電機子
6 永久磁石
7 電機子ベース
8 コア
9 ブラケット
10 コイル
11 凹部
14 結線部
15 導体
15a 第1突出部
15b 第2突出部
15A 巻回部
15A1 第1平行部(平行部)
15A2 第2平行部(平行部)
15B1 第1接続部(接続部)
15B1′ 第1接続部(接続部)
15B1″ 第1接続部(接続部)
15B2 第2接続部(接続部)
15B2′ 第2接続部(接続部)
15B2″ 第2接続部(接続部)
15e 終点
15s 始点
16A〜16D 導体筒部
17 未成形コイル
19 円弧部(四隅部)
50 回転電機
52 回転子
53 固定子
56,58 ブラケット
60 シャフト(回転軸)
66 固定子コア(固定子鉄心)
67 凹部
68 冷媒流路
R1〜4 隅部領域(四隅部に対応する部位)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

【手続補正書】
【提出日】20151116
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、
1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列した、コイルであって、
前記導体は、
前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、
前記1つの巻回部は、
前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるように、前記周回方向に延設される、第1平行部と、
前記第1方向における位置が、前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、第2平行部と、
前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記第1平行部及び第2平行部を接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる前第2平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、
を備えるとともに、
前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項2】
請求項1記載のコイルにおいて、
各導体筒部の前記導体は、
前記コイルの前記外形状における前記略長方形又は前記略正方形のうち前記四隅部を除く2組の対向する2辺となる部位が、加圧成形されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコイルにおいて、
前記第2方向に沿って最内周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き始めの前記巻回部の前記始点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第1突出部と、
前記第2方向に沿って最外周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き終わりの前記巻回部の前記終点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、
前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項4】
請求項3記載のコイルにおいて、
前記コイルの前記外形状は、
互いに対向する2つの長辺と互いに対向する2つの短辺とを備える前記略長方形であり、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、
前記四隅部のうち、特定の1つの短辺の両端に位置する2つの隅部に対応する部位に、それぞれ振り分け配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項5】
請求項3記載のコイルにおいて、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、
前記四隅部のうち、共通の1つの隅部に対応する部位に配置されている
ことを特徴とするコイル。
【請求項6】
回転軸を備えた回転子と、前記回転軸を負荷側及び反負荷側でそれぞれ回転可能に支持する負荷側ブラケット及び反負荷側ブラケットと、前記回転子の外周側を囲むように設けられ、前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットにそれぞれ固定された略円筒状の固定子と、を有し、
前記固定子は、前記略円筒状の周方向に複数のスロットを配列した固定子コアと、前記複数のスロットに挿入される複数のコイルと、を備える回転電機であって、
前記複数のコイルのそれぞれは、
導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、
前記導体は、
前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、
前記1つの巻回部は、
前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるように、前記周回方向に延設される、第1平行部と、
前記第1方向における位置が、前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、第2平行部と、
前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記第1平行部及び第2平行部を接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる前第2平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、
を備えるとともに、
前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項6記載の回転電機において、
前記複数のコイルそれぞれの各導体筒部の前記導体は、
外形状が対応する前記スロットの形状に合致するように、前記略長方形又は前記略正方形のうち前記四隅部を除く2組の対向する2辺となる部位が加圧成形されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の回転電機において、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記回転軸の軸方向にそれぞれ対向する前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットに対し略密着するようにして配置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項9】
請求項8記載の回転電機において、
前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットは、
前記コイルに対し軸方向に対向する部位に、冷媒を流通させる流路を備えている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の回転電機において、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記第2方向に沿って最内周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き始めの前記巻回部の前記始点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第1突出部と、
前記第2方向に沿って最外周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き終わりの前記巻回部の前記終点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されており、
かつ、
前記回転電機は、さらに、
前記複数のコイルの前記第1突出部及び前記第2突出部を結線する結線部を、前記複数のコイルよりも前記略円筒状の外周側の領域に有している
ことを特徴とする回転電機。
【請求項11】
複数の永久磁石を直線状に配列した界磁と、
前記複数の永久磁石と磁気的空隙を介して平行に対向配置され、電機子ベース、及び、前記電機子ベースに取り付けられた複数のコイル、を備えた電機子と、
を有し、
前記界磁と前記電機子のいずれか一方を固定子に、他方を可動子として、前記可動子を所定の進行方向に沿って走行させるリニアモータであって、
前記複数のコイルのそれぞれは、
導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、
前記導体は、
前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、
前記1つの巻回部は、
前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるように、前記周回方向に延設される、第1平行部と、
前記第1方向における位置が、前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、第2平行部と、
前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記第1平行部及び第2平行部を接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる前第2平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、
を備えるとともに、
前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されている
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項12】
請求項11記載のリニアモータにおいて、
前記複数のコイルそれぞれの各導体筒部の前記導体は、
前記略長方形又は前記略正方形のうち前記四隅部を除く2組の対向する2辺となる部位が加圧成形されている
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項13】
請求項11又は請求項12記載のリニアモータにおいて、
前記電機子は、
前記電機子ベースに取り付けられ、前記複数のコイルを収納配置するためのブラケットをさらに備え、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記ブラケットに対し略密着するようにして配置されている
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項14】
請求項11乃至請求項13のいずれか1項記載のリニアモータにおいて、
前記複数のコイルのそれぞれは、
前記第2方向に沿って最内周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き始めの前記巻回部の前記始点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第1突出部と、
前記第2方向に沿って最外周側に位置する前記導体筒部の、前記第1方向に沿った端部に位置する巻き終わりの前記巻回部の前記終点から、前記第1方向に沿って当該巻回部の外方へと突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されており、
かつ、
前記リニアモータは、さらに、
前記複数のコイルの前記第1突出部及び前記第2突出部を結線する結線部を、前記複数のコイルと前記電機子ベースとの間の領域に有している
ことを特徴とするリニアモータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列した、コイルであって、前記導体は、前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、前記1つの巻回部は、前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるように、前記周回方向に延設される、第1平行部と、前記第1方向における位置が、前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、第2平行部と、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記第1平行部及び第2平行部を接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる前第2平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、を備えるとともに、前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されているコイルが適用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の他の観点によれば、回転軸を備えた回転子と、前記回転軸を負荷側及び反負荷側でそれぞれ回転可能に支持する負荷側ブラケット及び反負荷側ブラケットと、前記回転子の外周側を囲むように設けられ、前記負荷側ブラケット及び前記反負荷側ブラケットにそれぞれ固定された略円筒状の固定子と、を有し、前記固定子は、前記略円筒状の周方向に複数のスロットを配列した固定子コアと、前記複数のスロットに挿入される複数のコイルと、を備える回転電機であって、前記複数のコイルのそれぞれは、導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、前記導体は、前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、前記1つの巻回部は、前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるように、前記周回方向に延設される、第1平行部と、前記第1方向における位置が、前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、第2平行部と、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記第1平行部及び第2平行部を接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる前第2平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、を備えるとともに、前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されていることを特徴とする回転電機が適用される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のさらに他の観点によれば、複数の永久磁石を直線状に配列した界磁と、前記複数の永久磁石と磁気的空隙を介して平行に対向配置され、電機子ベース、及び、前記電機子ベースに取り付けられた複数のコイル、を備えた電機子と、を有し、前記界磁と前記電機子のいずれか一方を固定子に、他方を可動子として、前記可動子を所定の進行方向に沿って走行させるリニアモータであって、前記複数のコイルのそれぞれは、導体を所定の周回方向に略沿って始点から終点まで一周巻回し1つの巻回部を生成した後に、前記導体を前記周回方向に直交する第1方向に1ピッチずらしてさらに前記周回方向に略沿って一周させ、前記1つの巻回部の前記第1方向に隣接する別の巻回部を順次生成することにより、前記第1方向に沿って配列された複数の巻回部からなる導体筒部を形成し、1つの前記導体筒部を形成した後に、当該1つの導体筒部の、前記第1方向に直交する第2方向に隣接する別の導体筒部を順次形成することにより、前記第2方向に沿って複数の導体筒部を配列しており、かつ、前記導体は、前記第1方向から見た前記コイルの外形状が、四隅部を略円弧形状とした略長方形又は略正方形となるように、巻回されており、前記1つの巻回部は、前記第1方向における位置が、前記始点と同一ピッチとなるように、前記周回方向に延設される、第1平行部と、前記第1方向における位置が、前記1ピッチの半分である半ピッチだけ前記始点とずれるように、前記周回方向に延設される、第2平行部と、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれた2つの前記第1平行部及び第2平行部を接続するか、若しくは、前記第1方向における位置が互いに前記半ピッチだけずれる前第2平行部の末端に位置する前記終点と前記別の巻回部の前記始点とを接続する、少なくとも1つの接続部と、を備えるとともに、前記接続部が、前記四隅部のいずれかに対応する部位に配置されていることを特徴とするリニアモータが適用される。
【国際調査報告】