(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014049855
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】角形二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/30 20060101AFI20160725BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20160725BHJP
【FI】
   !H01M2/30 D
   !H01M2/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】2013509389
(21)【国際出願番号】JP2012075177
(22)【国際出願日】20120928
(11)【特許番号】5368660
(45)【特許公報発行日】20131218
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】日立ビークルエナジー株式会社
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市稲田1410番地
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(72)【発明者】
【氏名】綱木 拓郎
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 正明
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】浦野 和昭
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】西丸 翔
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB04
5H011EE04
5H011FF04
5H043AA03
5H043AA13
5H043AA19
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5H043BA17
5H043BA18
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA21
5H043DA01
5H043DA09
5H043EA35
5H043FA04
5H043JA02D
5H043JA02F
5H043JA04D
5H043JA04E
5H043JA13D
5H043JA13F
5H043JA26D
5H043JA26F
5H043KA09D
5H043LA02D
5H043LA02E
5H043LA02F
5H043LA21D
5H043LA21E
5H043LA21F
(57)【要約】
角形二次電池は、電極を有する発電要素と、発電要素を収容する電池缶と、電池缶の開口を封止する電池蓋と、電池蓋に配置される外部端子と、発電要素の電極と外部端子とを接続する集電体とを備える。外部端子は、バスバーが接続されるバスバー接続部と、集電体が接続される集電体接続部とを有する。バスバー接続部と集電体接続部とは電池蓋上で一体に並設される。集電体接続部は、電池蓋の貫通孔に挿通される筒状の挿通部と、挿通部の外周に設けられ、貫通孔と挿通部との間を封止するシール部材を押圧するシール部とを有する。筒状の挿通部の内側には、電池蓋の貫通孔を封止する底部が設けられ、挿通部の先端は、集電体にかしめられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角形二次電池であって、
電極を有する発電要素と、
前記発電要素を収容する電池缶と、
前記電池缶の開口を封止する電池蓋と、
前記電池蓋に配置される外部端子と、
前記発電要素の電極と前記外部端子とを接続する集電体とを備え、
前記外部端子は、バスバーが接続されるバスバー接続部と、前記集電体が接続される集電体接続部とを有し、
前記バスバー接続部と前記集電体接続部とは前記電池蓋上で一体に並設され、
前記集電体接続部は、
前記電池蓋の貫通孔に挿通される筒状の挿通部と、
前記挿通部の外周に設けられ、前記貫通孔と前記挿通部との間を封止するシール部材を押圧するシール部とを有し、
前記筒状の挿通部の内側には、前記電池蓋の貫通孔を封止する底部が設けられ、
前記挿通部の先端は、前記集電体にかしめられている角形二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の角形二次電池において、
前記底部の厚さは、前記シール部の厚さよりも薄い角形二次電池。
【請求項3】
請求項1または2に記載の角形二次電池において、
前記バスバー接続部の厚さは、前記シール部の厚さよりも薄い角形二次電池。
【請求項4】
請求項1または2に記載の角形二次電池において、
前記バスバー接続部には、前記バスバーを締結するためのボルトを挿通する貫通孔が設けられている角形二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角形二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド型の電気自動車や純粋な電気自動車等の動力源として大容量(Wh)の二次電池が開発されており、その中でもエネルギー密度(Wh/kg)の高い角形のリチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】
角形のリチウムイオン二次電池においては、正極箔に正極活物質を塗工した正極電極、負極箔に負極活物質を塗工した負極電極およびそれぞれを絶縁するためのセパレータを重ね合わせて捲回することで扁平形状の捲回電極群が発電要素として形成される。捲回電極群は、電池容器の電池蓋に設けられた正極外部端子および負極外部端子に電気的に接続される。捲回電極群は、電池容器の電池缶に収容され、電池缶の開口部は電池蓋で封止溶接される。角形二次電池は、捲回電極群を収容した電池容器の注液孔から電解液が注液された後、注液栓が挿入されてレーザ溶接により封止溶接されることで形成される。
【0004】
複数の角形二次電池の正極外部端子と負極外部端子とをバスバーなどの導電部材で電気的に接続することで組電池が形成される。バスバーは、ボルト、ナットにより外部端子にねじ締結されることで、あるいは、外部端子に溶接されることで角形二次電池に接続される。
【0005】
特許文献1には、ボルト、ナットによりバスバーを外部端子に接続できる二次電池が開示されている。特許文献1に記載の二次電池は、発電要素に接合される集電接続体と、電池蓋上に配置される端子台と集電接続体とを電気的に接続するリベット端子と、リベット端子が挿通されるカシメ孔およびボルトが挿通される貫通孔が形成された端子台とを備えている。特許文献1に記載の二次電池では、端子台とリベット端子とがかしめにより接続固定され、リベット端子と集電接続体とがかしめおよび溶接により接続固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特開2004−14173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の二次電池では、バスバーと発電要素とを電気的に接続する部材が、端子台とリベット端子と集電接続体とにより構成されていた。特許文献1に記載の二次電池では、端子台および集電接続体のそれぞれにリベット端子を接続し、端子台と集電接続体とがリベット端子を介して電気的に接続されているため、製造工程が複雑になっていた。また、特許文献1に記載の二次電池では、端子台と集電接続体との間の導通経路に2カ所の接続部が設けられているため、接触抵抗が大きいという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によると、角形二次電池は、電極を有する発電要素と、発電要素を収容する電池缶と、電池缶の開口を封止する電池蓋と、電池蓋に配置される外部端子と、発電要素の電極と外部端子とを接続する集電体とを備え、外部端子は、バスバーが接続されるバスバー接続部と、集電体が接続される集電体接続部とを有し、バスバー接続部と集電体接続部とは電池蓋上で一体に並設され、集電体接続部は、電池蓋の貫通孔に挿通される筒状の挿通部と、挿通部の外周に設けられ、貫通孔と挿通部との間を封止するシール部材を押圧するシール部とを有し、筒状の挿通部の内側には、電池蓋の貫通孔を封止する底部が設けられ、挿通部の先端は、集電体にかしめられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バスバーに接続されるバスバー接続部と、集電体に接続される集電体接続部とを一体に設けているため、接触抵抗を低減することができるとともに、角形二次電池の組立工数を節減し、歩留りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る角形二次電池の外観斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係る角形二次電池の構成を示す分解斜視図。
【図3】捲回電極群を示す斜視図。
【図4】蓋組立体を示す分解斜視図。
【図5】蓋組立体の構成を示す断面図。
【図6】(a)は外部端子の外観斜視図、(b)は(a)のD方向から見た外部端子の平面図、(c)は(b)のC−C線で切断した外部端子の断面図。
【図7】外部端子の集電体接続部の先端を集電体にかしめる工程を示す図。
【図8】(a)は素材の平面図、(b)は素材の側面図、(c)は第1プレス工程後の素材の平面図、(d)は第1プレス工程後の素材の側面断面図。
【図9】第1プレス工程を示す図。
【図10】第2プレス工程を示す図。
【図11】(a)および(b)は第2プレス工程を終了した素材の平面図および側面断面図、(c)および(d)は鍛造工程を終了した素材の平面図および側面断面図。
【図12】鍛造工程を示す図。
【図13】抜き加工工程を示す図。
【図14】(a)および(b)は抜き加工工程を終了した素材の平面図および側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による角形二次電池の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は角形二次電池100の外観斜視図であり、図2は角形二次電池100の構成を示す分解斜視図である。
【0012】
図1に示すように、角形二次電池100は、電池缶101と電池蓋102とからなる電池容器を備えている。電池缶101および電池蓋102の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などである。電池缶101は、深絞り加工することによって、一端が開口された扁平な矩形箱状に形成されている。電池缶101は、矩形平板状の底板101cと、底板101cの一対の長辺部のそれぞれから立ち上がる一対の幅広側板101aと、底板101cの一対の短辺部のそれぞれから立ち上がる一対の幅狭側板101bとを有している。
【0013】
図2に示すように、電池缶101には蓋組立体107(図4参照)に保持された捲回電極群170(図3参照)が収容されている。捲回電極群170の正極電極174に接合される正極集電体180および捲回電極群170の負極電極175に接合される負極集電体190ならびに捲回電極群170は、絶縁ケース108に覆われた状態で電池缶101に収容されている。絶縁ケース108の材質は、ポリプロピレン等の絶縁性を有する樹脂であり、電池缶101と、捲回電極群170とは電気的に絶縁されている。
【0014】
図1および図2に示すように、電池蓋102は、矩形平板状であって、電池缶101の開口を塞ぐようにレーザ溶接されている。つまり、電池蓋102は、電池缶101の開口を封止している。図1に示すように、電池蓋102には、捲回電極群170の正極電極174および負極電極175(図3参照)と電気的に接続された正極外部端子104および負極外部端子105が配置されている。
【0015】
正極外部端子104は正極集電体180を介して捲回電極群170の正極電極174に電気的に接続され、負極外部端子105は負極集電体190を介して捲回電極群170の負極電極175に電気的に接続されている。このため、正極外部端子104および負極外部端子105を介して外部機器に電力が供給され、あるいは、正極外部端子104および負極外部端子105を介して外部発電電力が捲回電極群170に供給されて充電される。
【0016】
図2に示すように、電池蓋102には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔106aが穿設されている。注液孔106aは、電解液注入後に注液栓106bによって封止される。電解液としては、たとえば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を用いることができる。
【0017】
電池蓋102には、ガス排出弁103が設けられている。ガス排出弁103は、プレス加工によって電池蓋102を部分的に薄肉化することで形成されている。なお、薄膜部材を電池蓋102の開口にレーザ溶接等により取り付けて、薄肉部分をガス排出弁としてもよい。ガス排出弁103は、角形二次電池100が過充電等の異常により発熱してガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇して所定圧力に達したときに開裂して、内部からガスを排出することで電池容器内の圧力を低減させる。
【0018】
図3を参照して、捲回電極群170について説明する。図3は捲回電極群170を示す斜視図であり、捲回電極群170の巻き終り側を展開した状態を示している。発電要素である捲回電極群170は、長尺状の正極電極174および負極電極175をセパレータ173a,173bを介在させて捲回中心軸W周りに扁平形状に捲回することで積層構造とされている。
【0019】
正極電極174は、正極箔171の両面に正極活物質合剤の層176が形成されてなる。正極活物質合剤は、正極活物質に結着材(バインダ)が配合されたものである。負極電極175は、負極箔172の両面に負極活物質合剤の層177が形成されてなる。負極活物質合剤は、負極活物質に結着材(バインダ)が配合されたものである。
【0020】
正極箔171は、厚さ20〜30μm程度のアルミニウム箔であり、負極箔172は、厚さ15〜20μm程度の銅箔である。セパレータ173a,173bの素材はリチウムイオンが通過可能な微多孔質のポリエチレン樹脂である。正極活物質はマンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複酸化物であり、負極活物質はリチウムイオンを可逆に吸蔵、放出可能な黒鉛等の炭素材である。
【0021】
捲回電極群170の幅方向、すなわち捲回方向に直交する捲回中心軸Wの方向の両端部は、一方が正極電極174の積層部とされ、他方が負極電極175の積層部とされている。一端に設けられる正極電極174の積層部は、正極活物質合剤層176が形成されていない正極未塗工部、すなわち正極箔171の露出部が積層されたものである。他端に設けられる負極電極175の積層部は、負極活物質合剤層177が形成されていない負極未塗工部、すなわち負極箔172の露出部が積層されたものである。正極未塗工部の積層部および負極未塗工部の積層部は、それぞれ予め押し潰され、それぞれ後述の蓋組立体107(図4参照)の正極集電体180および負極集電体190に超音波接合により接続され、電極群組立体109(図2参照)が形成される。
【0022】
図4〜図6を参照して蓋組立体107の構成を詳しく説明する。図4は蓋組立体107を示す分解斜視図であり、図5は蓋組立体107の構成を示す断面図である。図5(a)は、図4のB−B線切断面図である。図5(b)は、蓋組立体107の構成部材を組み立てた状態を示す断面図であり、正極挿通部141bおよび負極挿通部151bの先端がかしめられる前の状態を示している。図5(c)は、図1のA−A線切断断面図であり、正極挿通部141bおよび負極挿通部151bの先端がかしめられた後の状態を示している。図5では負極側の構成を示しているが、正極側も同様の形状、構成であるため、便宜上、かっこ書きで正極側の構成要素の参照番号を付している。
【0023】
図4および図5(a)に示すように、蓋組立体107は、電池蓋102と、電池蓋102の一端に設けられた正極外部端子104と、電池蓋102の他端に設けられた負極外部端子105と、一対の外部絶縁体160と、一対の内部絶縁体165と、一対のガスケット169と、正極集電体180および負極集電体190とを含んで構成されている。
【0024】
正極外部端子104および正極集電体180の材質はアルミニウムである。正極外部端子104は、後述するように正極挿通部141bの先端が正極集電体180の座面部181にかしめられることで正極集電体180に電気的に接続される(図7参照)。負極外部端子105および負極集電体190の材質は銅合金である。負極外部端子105は、後述するように負極挿通部151bが負極集電体190の座面部191にかしめられることで負極集電体190に電気的に接続される(図7参照)。
【0025】
正極外部端子104、負極外部端子105、正極集電体180および負極集電体190は、外部絶縁体160、内部絶縁体165およびガスケット169を介して電池蓋102に取り付けられている。外部絶縁体160および内部絶縁体165の材質は、ポリプロピレン(PP)等の絶縁性を有する樹脂である。ガスケット169の材質は、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の絶縁性を有する樹脂である。
【0026】
角形二次電池100は、図示しない他の角形二次電池とバスバーによって接続されて、組電池を構成する。本実施の形態では、図5(c)において二点鎖線で示すバスバー123が、ボルト131、ナット132により角形二次電池100の外部端子104,105に接続される。角形二次電池100は、バスバー123をねじ締結するための一対のボルト131を備えている。図5(a)に示すように、ボルト131は、矩形平板状の頭部131bと、頭部131bから突設される軸部131aとを有している。軸部131aにはおねじが形成されている。ボルト131の材質は、ステンレス鋼やクロムモリブデン鋼等の合金鋼である。
【0027】
図6は、外部端子の部品図であって、図6(a)は外部端子の外観斜視図、図6(b)は図6(a)のD方向から見た外部端子の平面図、図6(c)は図6(b)のC−C線で切断した外部端子の断面図である。
【0028】
図4、図5(a)および図6に示すように、正極外部端子104は、バスバー123が電気的に接続されるバスバー接続部142と、正極集電体180が電気的に接続される集電体接続部141とを有している。バスバー接続部142と集電体接続部141とは電池蓋102上で一体に並設されている。
【0029】
同様に、負極外部端子105は、バスバー123が電気的に接続されるバスバー接続部152と、負極集電体190が電気的に接続される集電体接続部151とを有している。バスバー接続部152と集電体接続部151とは電池蓋102上で一体に並設されている。
【0030】
正極外部端子104および負極外部端子105は、それぞれ板状部材からプレス加工や鍛造により成形される。正極外部端子104および負極外部端子105のそれぞれの製造方法の詳細については後述する。
【0031】
正極外部端子104のバスバー接続部142は、矩形平板状とされ、ボルト131の軸部131aが挿通される貫通孔142aが設けられており、電池容器の外部側に配置されている。バスバー接続部142は、バスバー123が当接される平坦な当接面を有しており、バスバー123がボルト131、ナット132により、ねじ締結されることで、バスバー123が当接面に当接した状態で固定される(図5(c)参照)。
【0032】
同様に、負極外部端子105のバスバー接続部152は、矩形平板状とされ、ボルト131の軸部131aが挿通される貫通孔152aが設けられており、電池容器の外部側に配置されている。バスバー接続部152は、バスバー123が当接される平坦な当接面を有しており、バスバー123がボルト131、ナット132により、ねじ締結されることで、バスバー123が当接面に当接した状態で固定される(図5(c)参照)。
【0033】
図5(a)および図6に示すように、正極外部端子104の集電体接続部141は、バスバー接続部142から電池蓋102に沿って延在するベース部141aと、ベース部141aから電池容器の内側に向かって突設された正極挿通部141bと、正極挿通部141bの外周に設けられたシール部141cとを有している。バスバー接続部142と、ベース部141aとの間にはくびれ部が設けられており、バスバー接続部142と集電体接続部141とはくびれ部を介して接続されている。
【0034】
同様に、負極外部端子105の集電体接続部151は、バスバー接続部152から電池蓋102に沿って延在するベース部151aと、ベース部151aから電池容器の内側に向かって突設された負極挿通部151bと、負極挿通部151bの外周に設けられたシール部151cとを有している。バスバー接続部152と、ベース部151aとの間にはくびれ部が設けられており、バスバー接続部152と集電体接続部151とはくびれ部を介して接続されている。
【0035】
正極挿通部141bは、ベース部141aから電池容器の内側に向かって突出し、電池蓋102の貫通孔102hを貫通するように設けられている。正極挿通部141bは、ベース部141aから電池容器の内側に向かって突設された基端側挿通部141b1と、基端側挿通部141b1から電池容器の内側に向かって突設された先端側挿通部141b2とを有している。先端側挿通部141b2の外径は、基端側挿通部141b1の外径よりも小さく形成されている。先端側挿通部141b2は、後述するように正極集電体180の座面部181にかしめられる部分である(図7参照)。
【0036】
同様に、負極挿通部151bは、ベース部151aから電池容器の内側に向かって突出し、電池蓋102の貫通孔102hを貫通するように設けられている。負極挿通部151bは、ベース部151aから電池容器の内側に向かって突設された基端側挿通部151b1と、基端側挿通部151b1から電池容器の内側に向かって突設された先端側挿通部151b2とを有している。先端側挿通部151b2の外径は、基端側挿通部151b1の外径よりも小さく形成されている。先端側挿通部151b2は、後述するように負極集電体190の座面部191にかしめられる部分である(図7参照)。
【0037】
図5(a)に示すように、正極挿通部141bは円筒状に形成され、正極挿通部141bの内側における基端側挿通部141b1と先端側挿通部141b2との間には底部141dが設けられている。このため、電池蓋102の貫通孔102hが底部141dによって封止されている。換言すれば、図5(b)に示すように、正極挿通部141bの外側には、電池容器の内側に向かって窪むように形成された円形状の凹部141gが設けられ、正極挿通部141bの内側には、電池容器の外側に向かって窪むように形成された円形状の凹部141hが設けられている。円形状の凹部141g,141hのそれぞれの底部141dは共通とされ、外側の凹部141gおよび内側の凹部141hのそれぞれの中心軸は一致している。
【0038】
同様に、図5(a)に示すように、負極挿通部151bは円筒状に形成され、負極挿通部151bの内側における基端側挿通部151b1と先端側挿通部151b2との間には底部151dが設けられている。このため、電池蓋102の貫通孔102hが底部151dによって封止されている。換言すれば、図5(b)に示すように、負極挿通部151bの外側には、電池容器の内側に向かって窪むように形成された円形状の凹部151gが設けられ、負極挿通部151bの内側には、電池容器の外側に向かって窪むように形成された円形状の凹部151hが設けられている。円形状の凹部151g,151hのそれぞれの底部151dは共通とされ、外側の凹部151gおよび内側の凹部151hのそれぞれの中心軸は一致している。
【0039】
図5(a)および図6に示すように、正極外部端子104のシール部141cは、基端側挿通部141b1の外周において、ベース部141aから電池容器の内側に向かって突出している。シール部141cの円環状端面は、後述するガスケット169の鍔部169bを押圧する面であり、この円環状端面には、円環状の第1突起141c1および第2突起141c2が設けられている。
【0040】
同様に、負極外部端子105のシール部151cは、基端側挿通部151b1の外周において、ベース部151aから電池容器の内側に向かって突出している。シール部151cの円環状端面は、後述するガスケット169の鍔部169bを押圧する面であり、この円環状端面には、円環状の第1突起151c1および第2突起151c2が設けられている。
【0041】
図4および図5(a)に示すように、電池蓋102には、電池容器の内側に向かって窪むように形成された一対の嵌合凹部102aと、正極挿通部141bの基端側挿通部141b1および負極挿通部151bの基端側挿通部151b1が挿通される一対の貫通孔102hが設けられている。嵌合凹部102aは、ボルト131の頭部131bが外部絶縁体160を介して嵌合される部分であって、ボルト131の頭部131bの形状に対応して、平面視矩形状に形成されている。
【0042】
図4および図5を参照して、外部絶縁体160について説明する。正極側の外部絶縁体160と負極側の外部絶縁体160とは同様の形状であるため、負極側の外部絶縁体160について代表して説明する。外部絶縁体160は、端子絶縁部160aと、覆い壁160bと、ボルト絶縁部160cと、ガスケット169が挿着される貫通孔160hとを有している。
【0043】
端子絶縁部160aは、負極外部端子105のバスバー接続部152と電池蓋102との間に介在して負極外部端子105と電池蓋102とを絶縁している。覆い壁160bは、外部絶縁体160の外縁を構成し、負極外部端子105のうち電池容器の外部に露出するバスバー接続部152とベース部151aの側面を覆っている。
【0044】
ボルト絶縁部160cは、端子絶縁部160aから電池蓋102に向かって窪んだ凹面160fと、凹面160fに対応して端子絶縁部160aから電池蓋102側に突出した凸面160gとを有している。凹面160fは、ボルト131の頭部131bの外形形状に対応して形成され、凸面160gは電池蓋102の嵌合凹部102aに対応して形成されている。
【0045】
電池蓋102の嵌合凹部102aには、ボルト絶縁部160cを介してボルト131の頭部131bが嵌合される。つまり、ボルト絶縁部160cは、電池蓋102の嵌合凹部102aとボルト131の頭部131bとの間に介在してボルト131と電池蓋102とを絶縁している。なお、正極側についても同様に、絶縁性を有する外部絶縁体160が電池蓋102と正極外部端子104との間に配置され、正極外部端子104と電池蓋102との絶縁性が確保されている。
【0046】
図5を参照して、ガスケット169について説明する。正極側のガスケット169と負極側のガスケット169とは同様の形状であるため、負極側のガスケット169について代表して説明する。ガスケット169は、円筒状の筒部169aと、筒部169aの一端に設けられた鍔部169bとを備えている。ガスケット169は、負極挿通部151bの基端側挿通部151b1に装着される。
【0047】
ガスケット169の筒部169aは、電池蓋102の貫通孔102hと、負極挿通部151bの基端側挿通部151b1との間に介在するように配置されている。ガスケット169の鍔部169bは、シール部151cに押圧され、所定量圧縮された状態で電池蓋102の外表面とシール部151cの円環状端面との間に介在するように配置されている。これにより、負極外部端子105の基端側挿通部151b1と電池蓋102の貫通孔102hとの間が封止されている。ガスケット169は上記したように絶縁性を有しているため、負極外部端子105と電池蓋102とは電気的に絶縁されている。なお、正極側についても同様に、絶縁性を有するガスケット169が配置されることで、正極外部端子104の基端側挿通部141b1と電池蓋102の貫通孔102hとの間が封止されている。
【0048】
図6(a)に示す円環状の第1突起141c1,151c1および第2突起141c2,151c2により、ガスケット169の鍔部169bの全周に亘って、鍔部169bを圧縮しているため、圧縮量に偏りがあっても、ガスケット169の鍔部169bと第1突起141c1,151c1および第2突起141c2,151c2との接触を全周に亘って維持して、電池容器の気密性の安定度を確保できる。
【0049】
図4を参照して、正極外部端子104と捲回電極群170の正極電極174とを電気的に接続する正極集電体180、ならびに、負極外部端子105と捲回電極群170の負極電極175とを電気的に接続する負極集電体190について説明する。
【0050】
図4に示すように、正極集電体180は、電池蓋102の内面に沿う座面部181と、座面部181の側部から略直角に曲がって、電池缶101の幅広側板101aに沿いながら電池缶101の底板101cに向かって延在する一対の平面板182と、一対の平面板182のそれぞれの下端に設けた傾斜部185により接続される接合平面部183とを備えている。座面部181には、正極挿通部141bの先端側挿通部141b2が挿通される貫通孔が設けられている。
【0051】
同様に、負極集電体190は、電池蓋102の内面に沿う座面部191と、座面部191の側部から略直角に曲がって、電池缶101の幅広側板101aに沿いながら電池缶101の底板101cに向かって延在する一対の平面板192と、一対の平面板192のそれぞれの下端に設けた傾斜部195により接続される接合平面部193とを備えている。座面部191には、負極挿通部151bの先端側挿通部151b2が挿通される貫通孔が設けられている。
【0052】
正極集電体180の座面部181と電池蓋102との間、ならびに、負極集電体190の座面部191と電池蓋102との間のそれぞれには、矩形平板状の内部絶縁体165が配置されている。このため、正極集電体180と電池蓋102、ならびに、負極集電体190と電池蓋102とがそれぞれ内部絶縁体165によって絶縁されている。正極側の内部絶縁体165と負極側の内部絶縁体165とは同様の形状であり、正極側の内部絶縁体165には正極挿通部141bの基端側挿通部141b1が貫通する貫通孔が設けられ、負極側の内部絶縁体165には負極挿通部151bの基端側挿通部151b1が貫通する貫通孔が設けられている。
【0053】
図5(b)に示すように、正極挿通部141bは、基端側挿通部141b1にガスケット169が装着された状態で、電池蓋102の貫通孔102hおよび内部絶縁体165の貫通孔に挿通される。正極挿通部141bの先端側挿通部141b2は、正極集電体180の座面部181に形成された貫通孔に挿通されている。図示するように、基端側挿通部141b1と先端側挿通部141b2との間に形成される段差部141fは、座面部181に当接される。シール部141cと電池蓋102の外表面とでガスケット169の鍔部169bが挟まれた状態で、先端側挿通部141b2の先端が座面部181にかしめられると、図5(c)に示すように、正極カシメ部141eが形成される。
【0054】
その結果、座面部181は正極カシメ部141eと基端側挿通部141b1とによって挟持され、正極集電体180と正極外部端子104とが電気的に接続される。なお、正極カシメ部141eと正極集電体180の座面部181とは、かしめ固定された後、レーザによりスポット溶接してもよい。
【0055】
同様に、図5(b)に示すように、負極挿通部151bは、基端側挿通部151b1にガスケット169が装着された状態で、電池蓋102の貫通孔102hおよび内部絶縁体165の貫通孔に挿通される。負極挿通部151bの先端側挿通部151b2は、負極集電体190の座面部191に形成された貫通孔に挿通されている。図示するように、基端側挿通部151b1と先端側挿通部151b2との間に形成される段差部151fは、座面部191に当接される。シール部151cと電池蓋102の外表面とでガスケット169の鍔部169bが挟まれた状態で、先端側挿通部151b2の先端が座面部191にかしめられると、図5(c)に示すように、負極カシメ部151eが形成される。
【0056】
その結果、座面部191は負極カシメ部151eと基端側挿通部151b1とによって挟持され、負極集電体190と負極外部端子105とが電気的に接続される。なお、負極カシメ部151eと負極集電体190の座面部191とは、かしめ固定された後、レーザによりスポット溶接してもよい。
【0057】
図7を参照してかしめ工程について説明する。正極集電体180の座面部181に対する正極挿通部141bのかしめ工程と、負極集電体190の座面部191に対する負極挿通部151bのかしめ工程とは同様の工程であるため、代表して負極側のかしめ工程について説明する。なお、説明の便宜上、図示するように上下方向を規定する。
【0058】
図7(a)に示すように、蓋組立体107の上方に、カシメ機の上型20を配置し、蓋組立体107の下方にカシメ機の下型22を配置する。カシメ機の上型20は、集電体接続部151のベース部151aに当接する当接面と、当接面から下方に突設された円柱状の凸部21とを備えている。カシメ機の下型22は、上端面が平面視円形状の平面とされた円錐台形状とされている。
【0059】
ベース部151aの外側表面に、上型20の当接面を当接させる。ここで、カシメ機の上型20の凸部21を外側凹部151gに嵌合させることで、カシメ機に対する負極外部端子105の位置決めを容易かつ精度よく行うことができる。
【0060】
上型21をベース部151aに当接させた状態で、下型22を負極挿通部151bの内側凹部151hに圧入する。これにより、円筒状の先端側挿通部151b2の先端が外側に押し広げられる。先端側挿通部151b2の先端が拡径されることで、負極集電体190、負極外部端子105、ガスケット169、外部絶縁体160および内部絶縁体165が電池蓋102に対して仮止めされる。
【0061】
円錐台形状の下型22の種類を、順次に先端角度の大きいものに交換して負極挿通部151bの内側凹部151hに圧入し、徐々に負極挿通部151bの先端を外側に押し広げ、拡径する。なお、各工程において、上型20の凸部21が外側凹部151gに嵌合されているため、円錐台形状の下型22を精度よく負極挿通部151bの内側凹部151hに圧入することができる。
【0062】
図7(b)に示すように、電池蓋102と平行な平面視円形状の平面部23aと、平面部23aから電池蓋102に向かって傾斜する平面視円環状の傾斜部23bとを有する下型23を準備する。下型23を負極挿通部151bの先端に押し付けることで、平面視円環状の負極カシメ部151eが形成される。これによって、負極集電体190、負極外部端子105、ガスケット169、外部絶縁体160および内部絶縁体165が電池蓋102に対して締め付け固定され、一体化される。なお、正極挿通部141bも同様に正極集電体180の座面部181にかしめられることで、正極集電体180、正極外部端子104、ガスケット169、外部絶縁体160および内部絶縁体165が電池蓋102に対して締め付け固定され、一体化される。
【0063】
正極外部端子104が電池蓋102に組み付けられると、バスバー接続部142と電池蓋102の嵌合凹部102aとにより直方体形状の正極側空間が画成される。図5(c)に示すように、正極側空間は、電池蓋102とバスバー接続部142との間でボルト131の頭部131bを収容する空間として形成される。
【0064】
正極側空間は、バスバー123をボルト131、ナット132によりバスバー接続部142にねじ締結するために利用される空間である。正極側空間を構成する電池蓋102の嵌合凹部102aの側面は、ナット132をボルト131の軸部131aに締め付ける際、外部絶縁体160を介してボルト131の頭部131bの側面と係合して、ボルト131の回転を規制する。正極側空間を構成するバスバー接続部142の電池蓋102側の面は、ボルト131の頭部131bと係合して、ボルト131が抜けることを防止している。このように、正極側空間にボルト131の頭部131bを収容することにより、ボルト131、ナット132により、容易にバスバー123を正極外部端子104に接続することができる。
【0065】
同様に、負極外部端子105が電池蓋102に組み付けられると、バスバー接続部152と電池蓋102の嵌合凹部102aとにより直方体形状の負極側空間が画成される。図5(c)に示すように、負極側空間は、電池蓋102とバスバー接続部152との間でボルト131の頭部131bを収容する空間として形成される。
【0066】
負極側空間は、バスバー123をボルト131、ナット132によりバスバー接続部152にねじ締結するために利用される空間である。負極側空間を構成する電池蓋102の嵌合凹部102aの側面は、ナット132をボルト131の軸部131aに締め付ける際、外部絶縁体160を介してボルト131の頭部131bの側面と係合して、ボルト131の回転を規制する。負極側空間を構成するバスバー接続部152の電池蓋102側の面は、ボルト131の頭部131bと係合して、ボルト131が抜けることを防止している。このように、負極側空間にボルト131の頭部131bを収容することにより、ボルト131、ナット132により、容易にバスバー123を負極外部端子105に接続することができる。
【0067】
図8〜図14を参照して、外部端子の製造工程について説明する。正極外部端子104と負極外部端子105とは材質が異なっているが、製造工程は同様の工程であるため、代表して負極側の製造工程について説明する。なお、説明の便宜上、図9、図10、図12、図13に示すように上下方向を規定する。
−第1プレス工程−
図8(a)および図8(b)に示す矩形平板状の素材11aを準備する。
図9(a)に示すように、第1下型41に素材11aを載置し、素材11aの上方に第1上型31を配置する。第1下型41には、第1上型31に突設された円形状の凸部31aよりも径大の円形状の凹部41aが凹設されている。
【0068】
図9(b)に示すように、第1上型31を押し下げ、素材11aを加圧することで、図8(c)および図8(d)に示すように、第1プレス工程を終了した素材11bの上面には凹部11b1が形成され、下面には凸部11b2が形成される。
【0069】
−第2プレス工程−
図10(a)に示すように、第1プレス工程を終了した素材11bを第2下型42に載置し、素材11bの上方に第2上型32を配置する。第2上型32には、素材11bの凹部11b1に嵌入可能な凸部32aが形成され、第2下型42には、素材11bの凸部11b2が嵌入可能な開口42bが形成されている。
【0070】
素材11bは、凸部11b2が開口42bに嵌め込まれた状態で、第2下型42に載置される。第2下型42の開口42bの上縁部近傍には、上記したシール部151cの形状に対応した窪み部42aが設けられている。窪み部42aの底面には、上記した第1突起151c1および第2突起151c2のそれぞれの形状に対応した円環状の溝42a1,42a2が平面視で二重円を呈するように設けられている。
【0071】
図10(b)に示すように、第2上型32を押し下げ、素材11bを加圧することで、図11(a)および図11(b)に示すように、第2プレス工程を終了した素材11cには、凸部11b2の外周にシール部151cが形成される。シール部151cの第1突起151c1および第2突起151c2の厚さ、すなわち上下方向の寸法は、プレス工程前の素材11aの厚さt0と同一である。第1突起151c1と第2突起151c2との間の環状平面部や、凸部11b2の外周面と第2突起151c2との間の環状平面部の厚さは、プレス工程前の素材11aの厚さt0からわずかに薄くなるように上下方向に圧縮されている。
【0072】
凸部11b2およびシール部151cを除く部分は、全体に押し広げられるようにして上下方向に圧縮され、この部分の厚さは、プレス工程前の素材11aの厚さt0に比べて薄い厚さt1となる(t1<t0)。
【0073】
−鍛造工程−
図12(a)に示すように、第2プレス工程を終了した素材11cを第3下型43に載置し、素材11cの上面に第3上型33を当接させ、素材11cの上方に第4上型34を配置する。第4上型34には円柱形状の押圧部34aが設けられ、第3上型33には第4上型34の押圧部34aが挿通される開口33aが設けられている。素材11cは、第3上型33と第3下型43とで挟み込まれている。第3下型43には、上記した円筒状の先端側挿通部151b2の形状に対応した平面視円環状の溝43aが設けられている。
【0074】
図12(b)に示すように、第4上型34を押し下げ、押圧部34aで素材11cの凹部11b1を加圧する工程で、素材11cを変形させる。これにより、図11(c)および図11(d)に示すように、鍛造工程を終了した素材11dには、先端側挿通部151b2が形成されるとともに、内側凹部151hと外側凹部151gとが形成される。
【0075】
図12に示すように、素材11cの凹部11b1は、押圧部34aにより押圧されて圧縮される。また、先端側挿通部151b2は、主に凹部11b1の底部の材料が溝43aに押し出されることにより形成される。このため、図11(d)に示すように、鍛造工程を終了した素材11dの底部151dの厚さt2や先端側挿通部151b2の厚さt3は、先端側挿通部151b2、基端側挿通部151b1およびシール部151cを除く部分の厚さt1よりも薄く形成される(t2<t1,t3<t1)。
【0076】
−抜き加工工程−
図13(a)に示すように、鍛造工程を終了した素材11dを第4下型44に載置し、素材11dの上方に第5上型35を配置する。第5上型35には、上記したボルト131が挿通される貫通孔152aの形状に対応した円柱状の穴抜きパンチ部35aと、負極外部端子105の外形の形状に対応した開口部を有する外形抜きダイ部35bとが設けられている。第4下型44には、第5上型35の穴抜きパンチ部35aが挿通される開口を有する穴抜きダイ部44aと、負極外部端子105の外形の形状に対応した外形抜きパンチ部44bとが設けられている。
【0077】
図13(b)に示すように、第5上型35を押し下げ、打ち抜くことによって、素材11eが形成される。抜き加工を終了した素材11eは、図14(a)および図14(b)に示すように、貫通孔152aが形成されるとともに、負極外部端子105の外形形状が形作られる。
【0078】
−仕上げ加工工程−
抜き加工工程を終了した素材11eのバリや角部を除去すると、図6に示す負極外部端子105が形成される。
このようにして形成された負極外部端子105は、バスバー接続部152の厚さt1や底部151dの厚さt2が、シール部151cの厚さt0よりも薄くなる構成とされる(図14(b)参照)。
なお、上記したように、正極外部端子104についても同様に、第1プレス工程、第2プレス工程、鍛造工程、抜き加工工程、仕上げ加工工程を経て形成される。
【0079】
このように、本実施の形態では、1枚の矩形平板状の素材を、プレス加工や鍛造加工、抜き加工によって、外部端子104,105のそれぞれを形成することができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0080】
上述した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)外部端子104,105は、それぞれバスバー123が接続されるバスバー接続部142,152と、集電体180,190が接続される集電体接続部141,151とを有している。バスバー接続部142と集電体接続部141とは電池蓋上で一体に並設され、バスバー接続部152と集電体接続部151とは電池蓋上で一体に並設されている。集電体接続部141,151は、それぞれ電池蓋102の貫通孔102hに挿通される筒状の挿通部141b,151bと、挿通部141b,151bの外周に設けられ、貫通孔102hと挿通部141b,151bとの間を封止するガスケット169の鍔部169bを押圧するシール部141c,151cとを有している。筒状の挿通部141b,151bのそれぞれの内側には、電池蓋102の貫通孔102hを封止する底部141d,151dが設けられている。挿通部141b,151bのそれぞれの先端は、集電体180,190にかしめられ、外部端子104,105が集電体180,190を介して捲回電極群170の電極174,175に電気的に接続されている。
【0081】
特許文献1に記載の二次電池では、端子台と、集電接続体とを接続するリベット端子が設けられており、端子台がリベット端子を介して集電接続体に接続されている。このため、特許文献1に記載の二次電池では、部品点数ならびに導通経路上の接続箇所が多かった。これに対して、本実施の形態では、外部端子104,105のそれぞれが直接に集電体180,190に接続されており、特許文献1に記載の二次電池に比べて、部品点数が少ない簡素な構成とされている。また、本実施の形態では、特許文献1に記載の二次電池に比べて接触抵抗の低減が図られている。
【0082】
(2)特許文献1に記載の二次電池では、端子台および集電接続体のそれぞれにリベット端子をかしめや溶接により接続しているため、製造工程が複雑になっていた。これに対して、本実施の形態では、外部端子104,105の集電体接続部141,151が正負極集電体180,190に接続される構成とされており、特許文献1に記載の従来技術に比べて、かしめや溶接による接続箇所が少ない。なお、外部端子104,105は、それぞれ1枚の矩形平板状の素材からプレス加工や鍛造加工を施すことで容易に形成することができる。このため、本実施の形態によれば、特許文献1に記載の従来技術に比べて、角形二次電池100の製造工数を削減して歩留まりを向上させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0083】
(3)正極挿通部141bおよび負極挿通部151bのそれぞれの中心軸上に外側凹部141g,151gと、内側凹部141h,151hとを設けた。これにより、カシメ機の金型の位置決めを容易かつ精度よく行うことができる。
【0084】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)上記した実施の形態では、ボルト131の頭部131bを正極側空間および負極側空間のそれぞれに収容した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ボルト131の頭部131bに代えて、ナット132を収容するようにしてもよい。
【0085】
(2)上記実施の形態では、バスバー123をボルト131,ナット132によるねじ締結により、正負極外部端子104,105に取り付ける例(図5(c)参照)について説明したが、本発明はこれに限定されない。バスバー接続部142,152にバスバー123をレーザー溶接により接続してもよい。なお、この場合、バスバー接続部142,152に貫通孔142a,152aを形成する必要はない。
【0086】
(3)外部端子104,105の製造方法は、上記実施の形態に限定されない。なお、底部141d,151dの厚さt2がシール部141c,151cの厚さt0よりも薄くなるように外部端子104,105を成形することが好ましい。また、バスバー接続部142の厚さt1がシール部141c,151cの厚さt0よりも薄くなるように外部端子104,105を成形することが好ましい。
【0087】
(4)正極外部端子104、正極集電体180および正極箔171の材質は、アルミニウムに限定されることなく、アルミニウム合金としてもよい。負極外部端子105および負極集電体190の材質は、銅合金に限定されることなく、銅としてもよい。負極箔172の材質は、銅に限定されることなく、銅合金としてもよい。
【0088】
(5)組電池を構成する角形二次電池として、リチウムイオン二次電池を一例に説明したが本発明はこれに限定されない。ニッケル水素電池などの蓄電要素を容器内に収容する種々の角形二次電池に本発明を適用できる。
【0089】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】

【手続補正書】
【提出日】20130708
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角形二次電池であって、
電極を有する発電要素と、
前記発電要素を収容する電池缶と、
前記電池缶の開口を封止する電池蓋と、
前記電池蓋に配置される外部端子と、
前記発電要素の電極と前記外部端子とを接続する集電体とを備え、
前記外部端子は、バスバーが接続されるバスバー接続部と、前記集電体が接続される集電体接続部とを有し、
前記バスバー接続部と前記集電体接続部とは前記電池蓋上で一体に並設され、
前記集電体接続部は、
前記電池蓋の貫通孔に挿通される筒状の挿通部と、
前記挿通部の外周に設けられ、前記貫通孔と前記挿通部との間を封止するシール部材を押圧するシール部とを有し、
前記筒状の挿通部の内側には、前記電池蓋の貫通孔を封止する底部が設けられ、
前記挿通部の先端は、前記集電体にかしめられ
前記底部の厚さは、前記シール部の厚さよりも薄い角形二次電池。
【請求項2】
請求項に記載の角形二次電池において、
前記バスバー接続部の厚さは、前記シール部の厚さよりも薄い角形二次電池。
【請求項3】
請求項1または2に記載の角形二次電池において、
前記バスバー接続部には、前記バスバーを締結するためのボルトを挿通する貫通孔が設けられている角形二次電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の第1の態様によると、角形二次電池は、電極を有する発電要素と、発電要素を収容する電池缶と、電池缶の開口を封止する電池蓋と、電池蓋に配置される外部端子と、発電要素の電極と外部端子とを接続する集電体とを備え、外部端子は、バスバーが接続されるバスバー接続部と、集電体が接続される集電体接続部とを有し、バスバー接続部と集電体接続部とは電池蓋上で一体に並設され、集電体接続部は、電池蓋の貫通孔に挿通される筒状の挿通部と、挿通部の外周に設けられ、貫通孔と挿通部との間を封止するシール部材を押圧するシール部とを有し、筒状の挿通部の内側には、電池蓋の貫通孔を封止する底部が設けられ、挿通部の先端は、集電体にかしめられ、底部の厚さは、シール部の厚さよりも薄い。
【国際調査報告】