(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014049881
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】検査部材、検査装置、検査方法、及び取付装置
(51)【国際特許分類】
   A41H 37/10 20060101AFI20160725BHJP
【FI】
   !A41H37/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】2014538074
(21)【国際出願番号】JP2012075264
(22)【国際出願日】20120928
(11)【特許番号】5847954
(45)【特許公報発行日】20160127
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田和泉町1番地
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金沢 広明
【住所又は居所】東京都千代田区三番町5番地7 精糖会館 YKKスナップファスナー株式会社内
(57)【要約】
検査部材(42)は、基部(261)から起立した複数の脚部(262)を備える取付体(260)の各脚部(262)の姿勢を検査するための検査部材である。検査部材(42)は、取付体(260)に対して対向するべき主面(41)を備える本体(43)と、本体(43)の主面(41)に設けられ、取付体(260)の脚部(262)が挿入されるべき少なくとも1つの溝部(45)と、を備える。好ましくは、検査部材(42)が往復運動可能な検査ロッドである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部(261)から起立した複数の脚部(262)を備える取付体(260)の各脚部(262)の姿勢を検査するための検査部材(42)であって、
前記取付体(260)に対して対向するべき主面(41)を備える本体(43)と、
前記本体(43)の前記主面(41)に設けられ、前記取付体(260)の前記脚部(262)が挿入されるべき少なくとも1つの溝部(45)と、を備える、検査部材。
【請求項2】
前記検査部材(42)が前記取付体(260)に近接または離間する方向に往復運動可能な検査ロッドである、請求項1に記載の検査部材。
【請求項3】
前記主面(41)において前記溝部(45)が環状に設けられている、請求項1又は2に記載の検査部材。
【請求項4】
前記主面(41)が、前記溝部(45)よりも内側にある中央面(46)と前記溝部(45)よりも外側にあり前記中央面(46)を囲む環状外周面(47)とを備え、前記中央面(46)が前記環状外周面(47)よりも突出している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査部材。
【請求項5】
前記主面(41)には前記溝部(45)の挿入口周りに傾斜状のガイド面(41q)が設けられ、これにより、前記溝部(45)へ前記脚部(262)が案内可能である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検査部材。
【請求項6】
前記溝部(45)の深さ方向を規定する少なくとも1つの前記溝部(45)の側面(45a、45b)が少なくとも部分的に傾斜し、前記溝部(45)に挿入されるべき前記脚部(262)の姿勢を修正可能である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査部材。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査部材(42)であって、当該検査部材(42)が往復運動可能な検査ロッドである、検査部材(42)と、
前記検査部材(42)の位置若しくは変位量を検出するための検出手段(151)と、
前記検出手段(151)の出力に基づいて前記取付体(260)の前記脚部(262)の姿勢が許容範囲内か否かを判定する判定手段(152)と、
を備える、検査装置。
【請求項8】
前記判定手段(152)には、前記検査部材(42)の位置若しくは変位量に応じた前記検出手段(151)の前記出力を評価するための判定条件が設定されており、
前記判定手段(152)は、前記検出手段(151)の前記出力が前記判定条件を満足するか否かを判定する、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査部材(42)を前記取付体(260)に対して近接させるステップと、
前記検査部材(42)の位置若しくは変位量を検出するための検出手段(151)の出力に基づいて前記取付体(260)の前記脚部(262)の姿勢が許容範囲内か否かを判定するステップと、
を含む、検査方法。
【請求項10】
基部(261)から起立した複数の脚部(262)を備える取付体(260)によりシートに対して被取付体(260)を取り付けるための取付装置(100)であって、
前記取付体(260)により前記被取付体(260)が前記シートに対して取り付けられる取付位置へ前記取付体(260)を搬送する搬送手段(10)と、
前記搬送手段(10)により前記取付体(260)が搬送される過程において前記取付体(260)の各脚部(262)の姿勢を検査するための検査機構(40)と、を備え、
前記検査機構(40)が、前記取付体(260)の搬送路上に設けられた検査部材(42)を備え、
前記検査部材(42)は、前記取付体(260)の前記脚部(262)が挿入されるべき少なくとも1つの溝部(45)を備える、取付装置。
【請求項11】
前記検査部材(42)が前記取付体(260)に近接または離間する方向に往復運動可能な検査ロッドである、請求項10に記載の取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査部材、検査装置、検査方法、及び取付装置に関し、特に複数の脚部を備える取付体の各脚部の姿勢を検査することに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の脚部を有する取付体を用いて生地等に対してボタン等の被取付体を取り付ける装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上述の取付装置に関連してボタンの位置出しを実行する装置が開示されている。概略的に述べれば、特許文献1には、同文献の図4bに示すように、ボタン1にタブ7を設け、このタブ7からの戻り光強度に応じてボタン1を適切に配置することが開示されている。光学的機構に関しては、同文献の図8に示すように、レーザー光源44と光センサー48とによりボタン配向検出器43が構成される。ボタン1の回転機構については、同文献の図8に示すように、ボタン1を保持する下型35に軸42が接続され、ピニオン45、ラックベルト49、及び出力ピニオン51の機構により電動モータ53の動力が軸42へ伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−100086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の脚部を有する取付体を用いて生地等のシートに対してボタン等の被取付体を取り付ける際、取付体の各脚部が意図した姿勢にないと、シートに対して被取付体を意図したように取り付けることができない、若しくは十分な取付力を確保することができないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る検査部材は、基部から起立した複数の脚部を備える取付体の各脚部の姿勢を検査するための検査部材であって、前記取付体に対して対向するべき主面を備える本体と、前記本体の前記主面に設けられ、前記取付体の前記脚部が挿入されるべき少なくとも1つの溝部と、を備える。本構成によれば、取付体の脚部の姿勢を事前に検出し、その姿勢に起因する取付不具合が生じることを抑制することができる。
【0007】
前記検査部材が前記取付体に近接又は離間する方向に往復運動可能な検査ロッドである、と良い。本構成によれば、効率的な検査が実現可能になる。
【0008】
前記主面において前記溝部が環状に設けられている、と良い。本構成によれば、取付体の配向の事前調整が不要になる。
【0009】
前記主面が、前記溝部よりも内側にある中央面と前記溝部よりも外側にあり前記中央面を囲む環状外周面とを備え、前記中央面が前記環状外周面よりも突出している、と良い。
【0010】
前記主面には前記溝部の挿入口周りに傾斜状のガイド面が設けられ、これにより、前記溝部へ前記脚部が案内可能である、と良い。本構成によれば、取付体の脚部の姿勢を好適に修正可能になる。
【0011】
前記溝部の深さ方向を規定する少なくとも1つの前記溝部の側面が少なくとも部分的に傾斜し、前記溝部に挿入されるべき前記脚部の姿勢を修正可能である、と良い。本構成によれば、取付体の脚部の姿勢を好適に修正可能になる。
【0012】
本発明の他の態様に係る検査装置は、上述のいずれかの検査部材であって、当該検査部材が往復運動可能な検査ロッドである、検査部材と、前記検査部材の位置若しくは変位量を検出するための検出手段と、前記検出手段の出力に基づいて前記取付体の前記脚部の姿勢が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、を備える。検出手段としては、実施形態に説明のように各種の機能素子を活用することができる。検出手段と判定手段が協働して、電気的、光学的、磁気的等の任意の方法で脚部の姿勢が許容範囲内か否かを検知できる。
【0013】
前記判定手段には、前記検査部材の位置若しくは変位量に応じた前記検出手段の前記出力を評価するための判定条件が設定されており、前記判定手段は、前記検出手段の前記出力が前記判定条件を満足するか否かを判定する、と良い。
【0014】
本発明の更なる他の態様に係る検査方法は、上述のいずれかの検査部材を前記取付体に対して近接させるステップと、前記検査部材の位置若しくは変位量を検出するための検出手段の出力に基づいて前記取付体の前記脚部の姿勢が許容範囲内か否かを判定するステップと、を含む。
【0015】
本発明の更なる他の態様に係る取付装置は、基部から起立した複数の脚部を備える取付体によりシートに対して被取付体を取り付けるための装置であって、前記取付体により前記被取付体が前記シートに対して取り付けられる取付位置へ前記取付体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により前記取付体が搬送される過程において前記取付体の各脚部の姿勢を検査するための検査機構と、を備え、前記検査機構が、前記取付体の搬送路上に設けられた検査部材を備え、前記検査部材は、前記取付体の前記脚部が挿入されるべき少なくとも1つの溝部を備える。
【0016】
前記検査部材が前記取付体に近接または離間する方向に往復運動可能な検査ロッドである、と良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、取付体の脚部の姿勢を事前に検出し、その姿勢に起因する取付不具合が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るボタン付き生地の概略的な断面模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るボタンの概略的な分解断面模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る取付体の概略的な上面模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る取付装置の概略的な断面模式図であり、取付体の搬送過程において取付体の脚部の姿勢を検査する検査ユニットが設けられている。
【図5】本発明の第1実施形態に係る取付装置の取付体の供給機構の概略的な側面模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図であり、図4のVI−VI間の概略的な断面構成を示す。
【図7】本発明の第1実施形態に係る取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図であり、検査ロッドが最下点に位置する状態を示す。
【図8】本発明の第1実施形態に係る検査ロッドの概略的な長手断面及び下面を示す模式図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る脚部姿勢が異常の取付体の概略的な断面模式図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る取付装置の概略的なブロック図であり、そこに組み込まれた検査ユニットのブロック図に着目してものである。
【図12】本発明の第1実施形態に係る取付装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る取付体の概略的な上面及び断面構成を示す模式図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図であり、検査ロッドの下降運動を図示する。
【図16】本発明の第4実施形態に係る取付装置の概略的な模式図であり、回転式の搬送機構が用いられる場合を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。各実施形態は、個々に独立したものではなく、過剰説明をするまでもなく、当業者をすれば、適宜、組み合わせることが可能であり、この組み合わせによる相乗効果も把握可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明説明を主目的とするものであり、適宜、簡略化されている。
【0020】
<第1実施形態>
図1乃至図12を参照して第1実施形態について説明する。図1は、ボタン付き生地の概略的な断面模式図である。図2は、ボタンの概略的な分解断面模式図である。図3は、取付体の概略的な上面模式図である。図4は、取付装置の概略的な断面模式図であり、取付体の搬送過程において取付体の脚部の姿勢を検査する検査機構を示す。図5は、取付装置の取付体供給機構の概略的な側面模式図である。図6は、取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図であり、図4のVI−VI間の概略的な断面構成を示す。図7は、取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図であり、検査ロッドが最下点に位置する状態を示す。図8は、検査ロッドの概略的な長手断面及び下面を示す模式図である。図9は、脚部姿勢が異常の取付体の概略的な断面模式図である。図10は、取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図である。図11は、取付装置の概略的なブロック図であり、そこに組み込まれた検査ユニットのブロック図に着目してものである。図12は、取付装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【0021】
図1乃至図3を参照して後述の取付装置により取付処理されるボタン200の構成について説明する。なお、図1乃至図3に示すボタン200は、後述の取付装置により取付処理されるボタンの一例に過ぎず、本構成に限定されるべきものではない。図1に示すように、ボタン200が生地300に対して取付固定され、詳細には、取付体260により生地300に対してボタン本体(被取付体)240が取付固定される。ボタン200は、生地300の上面側に配される雌型のボタン本体240と生地300の下面側に配される雄型の取付体260から成り、生地300を貫通した取付体260の脚部262がボタン本体240内で塑性変形してボタン本体240と取付体260が係合一体化して生地300がボタン本体240と取付体260の間に挟み込まれる。なお、生地300は、典型的には織物であるが、これに限らず、不織布、天然/合成皮、フェルト、プラスチックシート等であっても構わない。ボタン本体240及び取付体260は、典型的には金属製であるが樹脂製であっても構わない。本例では、両方とも金属製であるものとして説明する。
【0022】
図2に示すように、取付体260は、一枚の金属板から成り、母材の金属板に対する打ち抜き加工、曲げ加工等を経て製造される。取付体260は、略正円の開口OP260が中央に開口した環状基部(基部)261と、環状基部261の開口周りの内周部から略垂直に起立した複数の脚部262を有する。環状基部261の厚みと脚部262の厚みは略等しいが、曲げ加工等の影響に応じて両者の厚みに若干の相違があっても構わない。なお、取付体260は、脚部262の個数に応じて軸線AXに関して回転対称に構成される。
【0023】
環状基部261は、ボタン本体240と取付体260の間に配されるべき不図示の生地300側、つまり図2を正面視して上側に凹みがある弧状部が周方向に連続して成る金属環であり、生地300を下側から押圧する部分であり、ボタン本体240と協調して生地300を上下から挟み込む。環状基部261は、弧状凹面の上面267、及び弧状凸面の下面268を有し、上面267が生地300を下側から押圧する押圧面として機能する。なお、ここで述べる周方向は、図2に示す軸線AXに対して垂直な任意の平面において軸AXを囲む方向に一致する。
【0024】
複数の脚部262は、環状基部261の周方向に所定間隔で配置されており、本例においては、図3に示すように5つの脚部262が72°間隔にて配置されている。各脚部262は、環状基部261が配された平面に対して直交する方向、換言すれば環状基部261の開口OP260の開口方向に沿って環状基部261の開口周りの内周部から起立する。各脚部262は、周方向の幅に関して、環状基部261から離間するに応じて徐々に幅狭になり、最終的に鋭利な先端266を有する程度にまで幅が減じられ、つまり鋭利端を有するテーパー状に構成される。各脚部262は、生地300を下側から貫通して最終的にボタン本体240内で湾曲して塑性変形する塑性変形部でもある。
【0025】
図2等に示すボタン本体240は、飾りボタン若しくはスナップボタン等の衣類等に対して取り付けられるボタンであり、取付体260と同様、一枚の金属板から成り、母材の金属板に対する打ち抜き加工、曲げ加工等を経て製造される。ボタン本体240は、図2を正面視して下側の図2では不図示の生地300側に凹が向いた凹状の断面視形状を有する中央部241と、生地300側に凹が向いた断面視U字状のU字部が周方向に連続した外周部242を有し、中央部241の外周端部に対して外周部242の内周端部が連結している。
【0026】
中央部241は、上面視円形の平板部241aと平板部241aの外周から下方に垂直に延びる円筒部241bを有し、平板部241aの中央にて開口OP240が開口する。外周部242は、上述のように断面視してU字状のU字部が周方向に連続して成り、詳細には、円筒部241bの下端から半径方向外側へ延びる環状の上板部242a、上板部242aに対向する環状の下板部242b、及びボタン本体240の厚み方向に延びて上板部242aの外周端部と下板部242bの外周端部間を接続する接続部242cを有する。上板部242aは、半径方向外側へ延在するに応じて緩慢に不図示の生地300から離間する側の上側へ推移する。接続部242cは、上板部242aの外周端部から不図示の生地300に接近する側の下側へ弧状に延在し、接続部242cの弧状の凹が半径方向内側を向く。下板部242bは、接続部242cから半径方向内側へ延びて上板部242aに対向するが、半径方向における円筒部241bの下端位置の直下に到達するまで延びない。なお、下板部242bの下面242dは、生地300を上側から押圧する押圧面として機能し、環状基部261の上面267と共同で生地300を上下から挟み込む。
【0027】
外周部242の上述の構成により、上板部242a、下板部242b、及び接続部242cにより囲まれることで構成された収容部242kが外周部242に設けられる。また、図2の点線で示す挿入口242rが外周部242に周方向に連続して設けられる。収容部242kには挿入口242rを介して取付体260の脚部262が挿入される。
【0028】
図1乃至図3の開示から明らかなように、取付体260がボタン本体240に係合する過程で、取付体260の脚部262が、まずボタン本体240の外周部242の上板部242aの内面に当接する。続いて、脚部262が上板部242aの内面の半径方向外側への上方傾斜に案内され、脚部262の先端側部分が半径方向外側へ倒れる。続いて、脚部262が上板部242aの内面から接続部242cの内面に亘る半径方向内側に凹が向いた弧状面に案内され、脚部262の先端側が収容部242k内において環状基部261側に凹が向いたU字状に湾曲する。脚部262の内側側面が、外周部242の上板部242aの内面と接続部242cの内面に亘る範囲で少なくとも部分的に面一に合致し、取付体260とボタン本体240間の十分な係合が確保される。
【0029】
取付体260の各脚部262は、ボタン本体240自体により塑性変形可能な程度の厚みと高さに設定される。他方、このような脚部262の構成に起因して、取付体260の取り扱い時に各脚部262の起立姿勢が本来あるべき直立姿勢よりも寝た姿勢等に姿勢変形してしまうおそれがある。このような脚部262の姿勢変化が、取付体260による生地300に対するボタン本体240の取付に影響するおそれがある。なお、ボタン本体240の外周部242内で脚部262がまず半径方向外側へ傾くが、これとは逆側へ脚部262を傾斜させてボタン本体240と取付体260の係合を確保しても構わない。
【0030】
本実施形態においては、以下に説明する取付装置に対して検査ユニット(検査装置)を実装し、これにより、取付体260の脚部262の姿勢を取付前に検査する。これにより上述の問題が発生することを極力抑制することができる。
【0031】
以下、図4乃至図8を参照して取付装置の構成について説明する。図4乃至図6に示すように、取付装置100は、図4の紙面を正面視して左右方向に往復運動可能なプッシャー(搬送手段、搬送機構)10を含む。プッシャー10は、図4及び図6に示すようにベース20のスリット25内に配置される。図5に示すホッパー81からシュート82を介して搬送路83に取付体260が供給され、図4及び図6に示すようにベース20のスリット25上の搬送路83内をプッシャー10により取付体260が個別搬送される。
【0032】
プッシャー10は、上述の左右方向に一致する取付体260の搬送方向に長尺な平板部材であり、不図示のモータ等の駆動源からの伝達力に応じて往復運動可能である。プッシャー10は、図4及び図6に示すようにベース20の上面21から突出した一組の突出部11を有し、一組の突出部11は、後述の検査ユニットU21と取付ユニットU22間の間隔に応じた間隔だけあけて配置される。ベース20の上面21上を載置された取付体260が突出部11により押され、搬送路83内においてベース20の上面21を摺動する。
【0033】
取付装置100の搬送路83の上流側から下流側へ、供給ユニットU20、検査ユニット(検査装置)U21、及び取付ユニットU22が配される。供給ユニットU20は、図5に示したホッパ―81及びシュート82を含む。供給ユニットU20は、ホッパー81にて多数の取付体260を蓄え、シュート82によりホッパー81から取付体260を1個ずつ取出して搬送路83へ供給する。検査ユニット(検査装置)U21は、図4に示した機械的要素である検査機構40を含む。好ましくは、検査ユニットU21は、検出系及び判定系として図11に例示的に示す検出部151及び判定部152を含む。検査ユニットU21の機械的要素の検査機構40は、上下に往復運動可能な検査ロッド42、及び検査ロッド42の往復運動を案内する固定状態のロッドガイド部44を含む。本願においては、検査ロッド42は検査部材とも言う。
【0034】
取付ユニットU22は、取付体260が載置される下型91、及び下型91の上下移動を案内する下型ガイド部92を含み、更に、上述の生地300を供給する手段(不図示)、上述のボタン本体240を供給する手段(不図示)、生地300を挟んだ態様で取付体260に対してボタン本体240を押し込んでボタン本体240の収容部242k内で取付体260の脚部262を塑性変形させるプレス手段(不図示)を含む。なお、下型91上の取付体260上に生地300やボタン本体240を供給することやボタン本体240を取付体260に対して押し込むことは人手によっても実行することができる。従って、これらの作業を自動化する機構を取付装置100に設けることは必須ではない。これらの作業が自動化されていない装置も取付装置の範疇内にある。なお、プレス手段は、好適には、所定の態様でボタン本体240を把持する往復運動可能なプレスロッドを含む。
【0035】
プッシャー10の稼働、供給ユニットU20の稼働、検査ユニットU21の稼働、及び取付ユニットU22の稼働は好適には互いに連動して制御され、より好適には単一の制御装置により各動作のシーケンス制御が実行される。例えば、図4に示すとき、プッシャー10の稼働により、シュート82の直下にあった取付体260が検査ロッド42の直下まで搬送され、検査ユニットU21により検査済みの取付体260が取付ユニットU22の下型91上まで搬送される。このプッシャー10の搬送動作の終了タイミングに同期して検査ユニットU21の稼働が開始し、かつ取付ユニットU22の稼働が開始する。タイミング検出の態様は任意であるが、各種センサーを活用しても構わない。例えば、プッシャー10が所定位置にあることを検出する信号に応じて制御装置が検査ユニットU21及び取付ユニットU22に稼働開始を指示するスタート信号を発信する。なお、センサーを活用せずに予め定めたタイムスケジュールに基づいて各動作の連動を図っても構わない。
【0036】
図6に示すように、取付装置100の搬送路83上に検査機構40が配置される。検査機構40は、ベース20の上面21上に配置された位置規制部52、位置規制部52上に配置された上述のロッドガイド部44、ロッドガイド部44内に往復運動可能に配置された上述の検査ロッド42、及び検査ロッド42に連結固定された位置指標部50を有する。位置規制部52は、ベース20のスリット25を間に挟む態様でベース20の上面21上に配置された一組の位置規制部52m、52nを有する。位置規制部52mをスリット25側へ付勢した状態とし、位置規制部52nも同様に構成しても良い。この場合、ベース20の上面21上にある取付体260が位置規制部52m、52nにより適当な力で保持され、搬送路83内で取付体260の位置ズレが生じにくい。
【0037】
検査ロッド42には位置指標部50が一体的に設けられ、これにより検査ロッド42の長手方向/移動方向に一致する軸線AX5上での検査ロッド42の位置検出を簡便化することができる。位置指標部50は、図6の軸線AX5に対して垂直な水平方向に検査ロッド42から延出し、これに対応して、筒状のロッドガイド部44の周壁部には位置指標部50が挿通されるスリットSL44が設けられ、スリットSL44が軸線AX5に沿って長尺に構成される。位置指標部50の位置を光学的、磁気的、電気的、機械的等の任意の態様にて検出し、これにより、軸線AX5上での検査ロッド42の位置を簡便に検出することができる。なお、検査ロッド42の位置を指標する位置指標部50の具体的な構成は任意であり、凸状に限らず凹状でも良い。
【0038】
検査ロッド42は、図6に示す軸線AX5に沿って図6の矢印D40に示すように上下に往復運動可能である。なお、図6に示す状態にて、検査ロッド42が矢印D40の下方向に移動する方向を、取付体260に近接する方向と言う。また、検査ロッド42が取付体260に近接した状態から矢印D40の上方向に移動する方向を、取付体260から離間する方向と言う。図6に示すように取付体260が検査ロッド42の直下にある時、制御装置から発信されたスタート信号に応じて駆動源が稼働して検査ロッド42の下降が開始する。取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲内にあれば、図7に示す位置まで検査ロッド42が下降し、同様に位置指標部50も下降する。取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲外ならば、図7に示す位置まで検査ロッド42が下降せず、図7に示す位置よりも元の位置側で検査ロッド42が停止する。このように取付体260の脚部262の姿勢に応じて検査ロッド42及び位置指標部50の下降位置、つまり最下点が異なる。従って、位置指標部50の下降位置若しくは下降変位量を測定することにより、取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲内か否かを判定することができる。なお、判定に用いられる判定閾値は、実機を活用した試験により算出されるだろう。検査ロッド42の下降後には検査ロッド42が初期位置へ上昇し、これと並行して検査済みの取付体260が取付位置へ搬送され、別の取付体260が検査位置に供給される。
【0039】
上述のように取付体260の脚部262の姿勢に応じて検査ロッド42の下降位置が変動するが、これは検査ロッド42の下面41に溝部45が設けられ、取付体260の許容範囲内の姿勢の脚部262が溝部45に挿入可能であるが、取付体260の許容範囲外の姿勢の脚部262が溝部45に挿入不能であるためである。脚部262の許容範囲外の姿勢は、検査ロッド42の一部に脚部262が接触し、脚部262が検査ロッド42の溝部45に挿入不能であり、この結果、検査ロッド42が所定位置まで下降することが妨げられる場合を包含し、典型的には、検査ロッド42の溝部45よりも脚部262の先端が、図6に示す軸線AX5側の半径方向内側、若しくはこの反対側の半径方向外側に過度に傾いた又は倒れた状態である。脚部262の許容範囲内の姿勢は、検査ロッド42に脚部262が接触することなく、脚部262が溝部45に入り込む場合を包含することはもちろん、後述のように検査ロッド42に対する脚部262の接触に応じて脚部262の姿勢が変化して脚部262が溝部45内に入り込む場合も包含し、典型的には、検査ロッド42の溝部45よりも脚部262の先端が、図6に示す軸線AX5側の半径方向内側、若しくはこの反対側の半径方向外側に過度に傾いた又は倒れていない状態である。
【0040】
図8に示すように、検査ロッド42は、長尺な円柱状のロッド本体(本体)43を含み、取付体260に対向するべきロッド本体43の下面(主面)41には、取付体260の許容範囲内の姿勢の脚部262が挿入可能な溝部45が設けられる。下面41における溝部45の具体的態様は、取付体260の脚部262の構成や配置態様に応じて適宜設定されるべきものである。しかしながら、取付体260の配向や回転位置の事前調整が手間である点を考慮すれば、図8の下部分においてハッチングで模式的に示すように溝部45を環状に周方向に連続に構成することが好ましい。5つの脚部262に対応付けて5つの非連続の溝部を設けても良いが、この場合、検査前に取付体260の回転位置又は検査ロッド42の回転位置を調整することが要求される。なお、ここで述べる周方向は、検査ロッド42の周方向であり、図6に示す軸線AX5に対して垂直な任意の平面において軸AXを囲む方向に一致する。
【0041】
検査ロッド42の下面41は、下面41を正面視して正円の外形を有する。下面41は、溝部45よりも内側にあり下面41の中央を占める中央面46、及び溝部45よりも外側にあり下面41の外周部を占める環状外周面47を有し、環状外周面47が中央面46よりも後退し、中央面46が環状外周面47よりも突出している。環状外周面47と中央面46間に段差が設けられ、中央面46から見て環状外周面47が上方の段差面であり、環状外周面47から見て中央面46が下方の段差面である。これにより、検査ロッド42の下面41が取付体260の環状基部261に当接することを回避することができる。中央面46が開口OP260に入り込むことができるため、脚部262が軸線AX5側に完全に倒れこんでいるような場合も検知することができる。
【0042】
中央面46は、軸線AX5に対して直交する平面にある円形状の中央平坦面41p、及び中央平坦面41pの外周にあって半径方向外側へ中央平坦面41pから徐々に後退するように傾斜する傾斜状のガイド面41qを有する。ガイド面41qは、中央平坦面41pの外周に沿って環状に形成される。環状外周面47は、軸線AX5に対して直交する平面にある環状の外周平坦面41m、及び外周平坦面41mの外周にあって半径方向外側へ外周平坦面41mから徐々に後退する環状の位置出し面41nを有する。溝部45は、溝部45の深さを規定し、半径方向において互いに対向する垂直な側面45a、45bを有し、かつ側面45a、45b間の底端を接続する底面45cを有する。
【0043】
ボタン本体240の収容部242kの挿入口242rに対して取付体260の脚部262の先端266が挿入するためには取付体260の脚部262が環状基部261から略垂直に起立し、端的には理想角度に対して所定の角度範囲内にあることが要求される。溝部45の溝幅W45は、許容される脚部262の角度範囲に応じて設定されるが、溝部45の溝幅W45を極端に狭くするとより高い確率で取付体260が一時的若しくは最終的に不良品として扱われるため生産効率又は歩留まりが低下するおそれがある。様々な条件により変動するが、溝部45の溝幅W45は、取付体260の脚部262の最大厚の1.5〜4.0倍である。中央平坦面41p基準の溝部45の溝深さD45は、取付体260の脚部262の最大高さよりも長く設定され、好ましくはその1.0〜1.2倍である。
【0044】
図9を参照して取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲外にある場合について説明する。検査機構40の検査ロッド42により検査される取付体260は、図9に示すように脚部262aの姿勢が点線で示す理想姿勢よりも半径方向内側へ寝た状態にある。この場合、検査対称の取付体260側へ検査ロッド42を下降すると、脚部262の先端266が検査ロッド42の中央面46に衝突し、これにより、検査ロッド42の更なる下降が困難となり、検査ロッド42がその場で停止する。この場合、脚部262が溝部45に挿入されず、図7に示す位置まで検査ロッド42が下降しない。検査ユニットU21は、検査ロッド42の下降位置若しくは変位量が判定条件を満足しないと判定し、検査された取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲外にあることが決定づけられる。なお、脚部262の姿勢が許容範囲外と判定された取付体260は任意の手段及び任意のタイミングにより搬送路83から除去され、必要に応じて他の手段により姿勢修正されて再利用される。なお、検査ロッド42は、シリンダー等の動力源(不図示)によって往復運動可能に設けられている。検査ロッド42は、動力源により所定の荷重で取付体206に近接する方向へ運動する。
【0045】
図10を参照して検査ロッド42により脚部262の姿勢が修正可能であることについて説明する。脚部262の姿勢が僅かに半径方向内側に向かって倒伏し、検査ロッド42が下降すると検査ロッド42の中央面46に脚部262が接触する場合にも、図10(a)及び(b)に示すように、検査ロッド42の下降に応じて脚部262が溝部45に案内され、脚部262が許容範囲内の姿勢に修正される。本例では、溝部45の挿入口の内周側で、中央面46のガイド面41qに脚部262の先端が接触し、そのガイド面41qに案内されて脚部262が溝部45へ好適に案内され、この過程で脚部262が環状基部261側の基端を回転中心として半径方向外側へ起立する。ガイド面41qは、検査ロッド42の下降に応じて脚部262を倒伏状態から起立状態へ姿勢変化させる機能面である。なお、ガイド面41qを溝部45の挿入口の内周側ではなく外周側に設けても構わない。ここで説明する挿入口の外周側とは、環状外周面47の溝部45側である。典型的には、半径方向内側へ外周平坦面41mから徐々に後退する環状のガイド面が設けられる。環状外周面47の溝部45側のガイド面は、脚部262の姿勢が僅かに半径方向外側に向かって倒伏している際に、その脚部262を倒伏状態から起立状態へ姿勢変化させる機能面である。位置出し面41nは、図10に示すように、位置規制部52の傾斜面52kに合致可能な面であり、これにより検査ロッド42の下端位置での安定性を確保できる。なお、動力源による下降させる荷重を調整することで、脚部262の姿勢の修正が可能な範囲を変化させることができる。つまり、脚部262の姿勢をより修正したい場合には、通常状態で設定される動力源の荷重よりも大きくし、より修正しないようにする場合には、通常状態で設定される動力源の荷重よりも小さくする。
【0046】
図11を参照して取付装置100の例示的なシステム構成について説明する。図11に示すように取付装置100は、中央制御部190と駆動源191の群を有し、駆動源191としてはプッシャー10の駆動源、検査ロッド42の駆動源、ホッパ―81の駆動源、及び下型91の駆動源等が例示され、これらを含むものを駆動源(群)と表す。中央制御部190は、ソフトウェア制御された汎用プロセッサを含み、汎用プロセッサによるプログラムの実行に応じて所定の制御信号を生成し所定の動作が実行される。駆動源191は、任意の個別回路と動力源を含み、中央制御部190から伝達される制御信号に応じて動作する。
【0047】
検査ユニットU21は、上述のように検査機構40に加えて、検出部(検出手段)151、及び判定部(判定手段)152を有する。検出部151は、検査ロッド42の下降位置若しくは変位量を検出するための機能部分であり、この機能を達成するべく検査ロッド42に関連付けされている。典型的には、検出部151は、1以上の圧力センサー、受光センサー又は受光センサーアレイ、1以上の受光センサーと1以上の発光センサーの組み合わせ、1以上の磁気センサー、1以上のカメラ等の任意の機能素子又はこれらの組み合わせを含む。判定部152は、ロジック回路やソフトウェア制御のマイコン等であり、検出部151の入力に基づいて所定の判定の動作を実行する。例えば、図7に示した位置まで下降した位置指標部50により押圧される位置に歪ゲージを設け、歪ゲージの電気抵抗の変化量に基づいて検査ロッド42が最下点にあるか否かを判定しても良い。この場合、上述の検出部151が歪ゲージそのものであり、上述の判定部152は、電流源、及びコンパレータ―等を含むアナログ回路で構成できる。
【0048】
検出部151の出力は、検査ロッド42の位置若しくは変位量に応じたものである。従って、この点を踏まえて、判定部152には、検出部151の出力を評価するための判定条件が設定され、判定部152は、検出部151の出力が判定条件を満足するか否かを判定する。典型的には、判定部152は、事前設定した判定閾値との関係において検出部151の出力値を評価し、例えば、検出部151の出力値が判定閾値を超える時、取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲内と判断する。判定部152を上述のアナログ回路で構成する時、判定閾値は、コンパレータ―の一組の入力端子の一方に接続される抵抗の抵抗値により調整することができるだろう。
【0049】
図12を参照して取付装置100の検査動作に特に着目して説明する。図12に示すように、まず、取付装置100は、取付体を検査位置に配置する(S11)。具体的には、中央制御部190は、所定の駆動源191を活性化し、これにより、プッシャー10が稼働し、搬送路83上の取付体260がプッシャー10の突出部11により押され、これにより、検査ロッド42の直下に取付体260が配される。なお、所定の駆動源191が所定時間だけ稼働するように事前設定されているものとする。検査ロッド42の直下に取付体260が配置されたことを任意のセンサーで検出し、センサーの出力信号に応じて中央制御部190が所定の駆動源191を非活性にしても構わない。
【0050】
次に、取付装置100は、検査ロッドの下降を開始する(S12)。具体的には、中央制御部190は、別の駆動源191を活性化し、これにより、検査ロッド42の下降が開始する。搬送路83上の取付体260の脚部262の姿勢が許容範囲内であれば検査ロッド42が最下点まで下降するが、脚部262の姿勢が許容範囲外であれば検査ロッド42が最下点よりも元位置側の位置で停止する。
【0051】
次に、取付装置100は、条件満足するか判定する(S13)。例示的には、検査ユニットU21の判定部152が検出部151の出力に基づいて検査ロッド42が最下点に到達したか否かを判定する。上述のように検出部151に歪ゲージが採用された場合、歪ゲージの抵抗変化がアナログ回路により検出される。歪ゲージの抵抗変化か検出されなければ脚部262の姿勢が許容範囲外にあると判定される。判定部152による判定結果を示す信号は判定信号として判定部152から中央制御部190へ伝送されるが、これに代えて若しくはこれと共に、判定部152の判定結果をヒトに報知するべく判定部152の出力を光、音、振動等でヒトに報知する報知装置に接続しても構わない。なお、判定条件には様々なものが考えられ、例えば、位置指標部50の変位量を基準として判定しても構わない。
【0052】
取付装置100が条件満足すると判定する場合、取付装置100は、取付体を取付位置に配置する(S14)。具体的には、中央制御部190は、所定の駆動源191を活性化し、これにより、プッシャー10が稼働し、検査ロッド42の直下の取付体260を取付ユニットU22の下型91上まで搬送する。その後、任意の態様にて取付装置100若しくはヒトが取付処理を実行する(S15)。
【0053】
取付装置100が条件満足しないと判定する場合、取付装置100は、任意の態様にて取付体の除去を実行する(S16)。なお、この作業は人手により為されても構わない。
【0054】
上述の説明から明らかなように、本実施形態においては、溝部45が下面41に設けられた検査ロッド42の往復運動により、検査ロッド42の直下に搬送される取付体260の脚部262の姿勢を順次検査する。検査ロッド42が連続的な往復運動に適するようにロッド状、つまり棒状に構成されるため、時間効率高く取付体260を検査可能である。なお、ロッドの外形は、円柱状に限らず、角柱状であっても構わない。また、検査ロッド42の下降位置若しくは変位量に応じて取付体260の脚部262の姿勢を判別することができ、取付体260の脚部262の姿勢を極めて簡便に判別することができる。溝部45を環状に構成することにより取付体260の回転位置を事前調整することを回避することができる。
【0055】
本実施形態においては、更に、検査ロッド42の下降に応じて検査ロッド42の下面41のガイド面41qにより脚部262の先端側部分が溝部45内へガイドされ、この過程で取付体260の脚部262の姿勢を直立に近づけることが可能であり、これにより生地300に対するボタン本体240のより良好な取付が確保できる。なお、取付体260の基部261を覆うようにキャップ体を設けた取付体を検査対象としても良く、この場合においても本実施形態と同様に好適に検査可能である。
【0056】
<第2実施形態>
図13及び図14を参照して第2実施形態について説明する。図13は、取付体の概略的な上面及び断面構成を示す模式図である。図14は、取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図である。本実施形態では、図13に示すように第1実施形態の取付体260とは異構成の取付体260を検査する。このような場合であっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
図13に示すように、取付体260は、一組の脚部262が円板部263上で立設した主部材272と、脚部262が設けられていない円板部263の下面側から円板部263を被覆するシェル部材271を含む。シェル部材271が、生地300を下側から押圧する基部として機能する。なお、図13(b)は、図13(a)の点線沿いの断面図である。図13(c)は、図13(b)の点線の断面図であり、矢印で示す方向から見たものである。図13(c)に示すように、脚部262aの幅が円板部263側から離間するに応じて漸減し、脚部262aの胴部262a1の幅変化率と頂部262a2の幅変化率が異なる。脚部262bは、脚部262aと同様に構成されるが、図13(c)に示すように取付体260を側面視したとき脚部262aにより脚部262bが視認不能になることがない。
【0058】
図14に模式的に示すように、検査ロッド42の下面41には脚部262の形状と脚部262a、262b間の間隔に応じて設計された環状の溝部45が設けられる。環状外周面47が中央面46と面一に設けられるが、任意の態様で検査ロッド42の下面41がシェル部材271に衝突することは避けることができる。シェル部材271の強度を確保したり、検査ロッド42を低速で下降したりすれば、シェル部材271に対する環状外周面47の接触は問題にはならないだろう。取付装置に関して図14に図示した要素以外の要素は、上述の第1実施形態と略同様であり、重複説明は省略する。
【0059】
<第3実施形態>
図15を参照して第3実施形態について説明する。図15は、取付装置に組み込まれた検査機構の概略的な断面模式図であり、検査ロッドの移動態様を図示する。本実施形態においては、上述の実施形態とは異なり、溝部45の側面45bの底面45c側を傾斜させて傾斜面45b1とする。これにより、第1の実施形態のガイド面41qと同様に検査ロッド42の下降に応じて脚部262の姿勢を修正可能になる。傾斜面45b1は、好ましくは周方向に連続し、これにより、取付体260の回転位置を事前調整する必要が無くなる。第3実施形態では、第2実施形態に示した取付体260を検査対象としているが、第1実施形態に示した取付体260を検査対象としても構わない。
【0060】
<第4実施形態>
図16を参照して第4実施形態について説明する。図16は、取付装置の概略的な模式図であり、回転式の搬送機構が用いられる場合を模式的に示す。本実施形態においては、第1実施形態のプッシャー10の直線動作に代えて、取付体260を周方向へ搬送可能とする。このように取付体260を直線搬送せずに周方向に搬送しても良い。本例の場合、搬送路83も直線ではなく周状に構成される。
【0061】
図16に示すように、軸受18に対して軸部17を回動自在に接続し、軸部17の上端にプレート16を固定した搬送機構15を用いて取付体260を搬送する。不図示の駆動源から伝達する力に応じて軸部17が回動し、これに同調してプレート16が回動する。プレート16上の凹部16kに載置された取付体260は、検査ロッド42の直下へ搬送され、その後、上述の実施形態で説明したものと同様に検査ロッド42により検査され、その後、検査ロッド42の直下から下型91上へ搬送される。第4実施形態では、第2実施形態に示した取付体260を検査対象としているが、第1実施形態に示した取付体260を検査対象としても構わない。
【0062】
上述の教示を踏まえると、当業者をすれば、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。固定状態の検査ロッド42に対して検査対象の取付体260を近接させても構わず、この場合にはロッドガイドが不要になるだろう。検査ロッド42は下降しているが、取付体が上方側ダイに供給される場合に、検査ロッドが上昇するようにして検査するようにもできる。この場合、検査ロッドの主面は上面となる。検査ロッド42及び取付体260の各構成は任意であり、上述の例に限られるものではない。請求の範囲に盛り込まれた符号は、参考のためであり、請求の範囲を限定解釈する目的で参照されるべきものではない。
【符号の説明】
【0063】
100 :取付装置
U20 :供給ユニット
U21 :検査ユニット
U22 :取付ユニット

10 :プッシャー
11 :突出部
20 :ベース
21 :上面
25 :スリット
40 :検査機構

42 :検査ロッド
43 :ロッド本体
41 :下面
41m :外周平坦面
41n :位置出し面
41p :中央平坦面
41q :ガイド面
44 :ロッドガイド部
45 :溝部
45a :側面
45b :側面
45b1 :傾斜面
45c :底面
46 :中央面
47 :環状外周面

50 :位置指標部
52 :位置規制部
52k :傾斜面

81 :ホッパー
82 :シュート
83 :搬送路

91 :下型
92 :下型ガイド部

200 :ボタン
240 :ボタン本体(被取付体)
260 :取付体
261 :環状基部(基部)
262 :脚部

300 :生地
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【国際調査報告】