(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014049886
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】穿刺装置及び薬液投与装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/145 20060101AFI20160725BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20160725BHJP
   A61M 5/158 20060101ALI20160725BHJP
【FI】
   !A61M5/145 500
   !A61M5/142 522
   !A61M5/158 500N
   !A61M5/158 500F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】63
【出願番号】2014538077
(21)【国際出願番号】JP2012075871
(22)【国際出願日】20120928
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷二丁目44番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】内山 城司
【住所又は居所】日本国神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066FF04
4C066JJ06
4C066KK04
4C066LL28
(57)【要約】
本発明は、使い勝手を向上し得る穿刺装置及び薬液投与装置を実現する。
外針(50)を有する中心部(4D)がスライドするときのガイドとなるベース(4C)を有し、使用者によりダイヤル(5A)が回転させられると、固定部(4B)に対してベース(4C)を回転させることによって、穿刺角度を調節できるようにした。これにより、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、穿刺角度を自由に調節することができるので、投与する薬液の効果を十分に発揮させることができ、かくして使い勝手を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、
外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、
前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、
前記貼付面に対する前記穿刺針の角度である穿刺角度を調節する穿刺角度調節機構と
を有する
ことを特徴とする穿刺装置。
【請求項2】
前記穿刺機構は、
前記外針をスライドさせるときのガイドとなるベースを有し、前記外針を当該ベースに沿ってスライドさせることによって、前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させる
請求項1に記載の穿刺装置。
【請求項3】
前記穿刺角度調節機構は、
前記筐体部に固定され、前記ベースを傾動自在に支持する固定部を有し、
前記固定部に対する前記ベースの傾きを変更することによって前記穿刺角度を調節する
請求項2に記載の穿刺装置。
【請求項4】
前記穿刺角度調節機構は、
前記固定部に対して回転操作可能な操作部を有し、
前記操作部が回転操作されることに応じて前記ベースの傾きを変更することによって前記穿刺角度を調節する
請求項3に記載の穿刺装置。
【請求項5】
前記穿刺機構は、
前記筐体部に対して押込可能な押込部と、
前記外針が設けられ、前記ベースに沿ってスライドする中心部と、
当該中心部と前記押込部とを連結する連結部と
を有し、
前記筐体部に対して前記押込部が押し込まれると、前記連結部によって、前記押込部が押し込まれる力が前記中心部をスライドさせる力として前記中心部に伝達されて前記中心部がスライドすることによって、前記穿刺針を前記貼付面から突出させる
請求項2に記載の穿刺装置。
【請求項6】
前記中心部は、
スライド前の初期位置として前記ベースの一端側に保持され、前記穿刺角度を変更するときに前記ベースが傾けられることにともなって当該初期位置が移動し、
前記連結部は、
前記中心部の一部が嵌合する孔を有し、当該孔に前記中心部の一部が嵌合することによって前記中心部と連結し、
前記連結部の孔は、前記中心部の初期位置の移動経路に沿って設けられており、前記中心部の初期位置が移動すると共に、前記中心部の一部が当該孔に沿って移動することによって、前記連結部による前記押込部と前記中心部との連結が常に維持される
請求項5に記載の穿刺装置。
【請求項7】
前記連結部は、
前記固定部に対して回転自在に取り付けられ、
前記連結部は、
前記押込部が押し込まれることにともなって回転することによって、前記中心部の一部が前記孔に沿って移動しながら、前記中心部を前記ベースに沿ってスライドさせる
請求項6に記載の穿刺装置。
【請求項8】
使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、
外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、
前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、
薬液が貯蔵される薬液貯蔵部と、
前記薬液貯蔵部に貯蔵された薬液を前記穿刺針を介して体内に送出する送出部と、
前記貼付面に対する前記穿刺針の角度である穿刺角度を調節する穿刺角度調節機構と
を有する
ことを特徴とする薬液投与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺装置及び薬液投与装置に関し、例えばインスリンを体内に投与する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液(インスリン)を投与する装置として、使用者の体表に貼り付けて使用される携帯型の装置であって、外筒内に充填された薬液をプランジャーを介して押し出すことにより体内に投与する、所謂シリンジポンプ型の薬液投与装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また薬液投与装置では、使用者の体内に穿刺した穿刺針を介して薬液を投与するようになっており、この穿刺針の構造として、従来、金属製の内針とプラスチック製の外針とでなる二重構造の穿刺針が提案されている(例えば特許文献2参照)。
この二重構造でなる穿刺針は、金属製の内針をプラスチック製の外針の先端から突出させた状態で使用者の体内に穿刺された後、金属製の内針がプラスチック製の外針から抜き取られ、外針のみを使用者の体内に留置させた状態で、この外針を介して薬液を投与するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−501283号公報
【特許文献2】特開2002−58747号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、使用者の体型には個人差があるため、使用者の体表に貼り付けられて使用される薬液投与装置の場合、薬液の効果を十分に発揮させるには、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、貼り付け面に対する穿刺針の角度、すなわち穿刺角度を調節できることが望ましい。
しかしながら、上述したような二重構造の穿刺針を有する従来の薬液投与装置では、穿刺角度が例えば30度というように固定されていて、穿刺角度を調節することができない。ゆえに、使用者の体型によっては、例えば、薬液の効果を十分に発揮させることができず、必ずしも使い勝手が良いとはいえなかった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、使い勝手を向上し得る穿刺装置及び薬液投与装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の穿刺装置においては、使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、前記貼付面に対する前記穿刺針の角度を調節する穿刺角度調節機構とを有する。
また本発明の薬液投与装置においては、使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、薬液が貯蔵される薬液貯蔵部と、前記薬液貯蔵部に貯蔵された薬液を前記穿刺針を介して体内に送出する送出部と、前記貼付面に対する前記穿刺針の角度を調節する穿刺角度調節機構とを有する。
こうすることで、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、貼付面に対する穿刺針の角度、すなわち穿刺角度を自由に調節することができる。
本発明によれば、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、貼付面に対する穿刺針の角度、すなわち穿刺角度を自由に調節することができ、かくして使い勝手を向上し得る穿刺装置及び薬液投与装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1は、薬液投与装置の構成を示す略線図である。
図2は、薬液投与装置の分解斜視図である。
図3は、薬液貯蔵部の構成を示す略線図である。
図4は、送出部の構成を示す略線図である。
図5は、押切位置に移動されたピストンの様子を示す略線図である。
図6は、駆動部の構成(1)を示す略線図である。
図7は、駆動部の構成(2)を示す略線図である。
図8は、フィルムを含む送出部及び駆動部の構成を示す略線図である。
図9は、穿刺機構の構成を示す略線図である。
図10は、穿刺機構の分解斜視図を示す略線図である。
図11は、固定部の構成を示す略線図である。
図12は、ベースの構成を示す略線図である。
図13は、内針ガイド部の構成を示す略線図である。
図14は、中心部の構成示す略線図である。
図15は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
図16は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
図17は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
図18は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
図19は、穿刺針(外針+内針)の構成を示す略線図である。
図20は、穿刺角度調節機構の構成を示す略線図である。
図21は、穿刺角度調節機構の分解斜視図を示す略線図である。
図22は、穿刺角度調節機構の動作の説明にともなう略線図である。
図23は、穿刺角度調節機構の動作の説明にともなう略線図である。
図24は、薬液投与装置の電気的構成を示す略線図である。
図25は、他の実施の形態におけるセンサ装置の構成を示す略線図である。
図26は、他の実施の形態における穿刺針の構成を示す略線図である。
図27は、他の実施の形態における穿刺角度調節機構の構成を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
〔1.薬液投与装置の全体構成〕
図1及び図2に示すように、薬液投与装置1は、使用者の皮膚に貼り付けることにより保持されて使用される携帯型の装置であり、上側が開口し内部に空間が設けられた下筐体部2と該下筐体部2の開口に嵌合する上筐体部3とにより扁平な略直方体形状に形成される。
薬液投与装置1の大きさは、使用者の皮膚に貼り付けることができる程度にまで小型化されていればよいが、例えば横32mm、縦44mm、高さ11mmの略直方体形状が挙げられる。
下筐体部2には、その底面2Aに、両面テープ等でなる貼付部2Bが設けられている。薬液投与装置1は、この貼付部2Bが使用者の皮膚に貼り付けられることにより該使用者に保持される。つまり、この貼付部2Bが薬液投与装置1を使用者の皮膚に貼り付けるときの貼付面となっている。
また薬液投与装置1は、下筐体部2の底面2Aの前端に、内部に充填されたインスリンを使用者の体内へ投与するために該使用者の体内に穿刺される穿刺針(図示せず)を薬液投与装置1内部から突出させるための穿刺針孔2Cが設けられる。
尚、この穿刺針は、詳しくは後述するが、例えば、金属製の外針と樹脂製の内針との二重構造でなり、図2に示す薬液投与装置1の内部に設けられた穿刺機構4によって、穿刺針孔2Cから突出して使用者の体内に穿刺された後、内針は体内に留置させたまま外針のみが薬液投与装置1内部に引き戻されるようになっている。
またこの穿刺機構4には、押込操作が可能な押込部4Aが設けられていて、この押込部4Aが、上筐体部3の前端に設けられた円形の押込部用開口3Aから薬液投与装置1の外部に突出するようになっている。
薬液投与装置1は、この押込部4Aが使用者に押し込まれることにより穿刺機構4が動作して、穿刺針孔2Cから穿刺針を突出させるようになっている。
さらに薬液投与装置1の内部には、貼付面と穿刺針との角度、すなわち穿刺角度を所定の範囲内(例えば90度〜30度)で調節可能な穿刺角度調節機構5が設けられている。
この穿刺角度調節機構5には、回転操作可能なダイヤル5Aが設けられていて、このダイヤル5Aの上部が、押込部用開口3Aの後方右寄りの位置に設けられた長方形のダイヤル用開口3Bから、薬液投与装置1の外部に突出するようになっている。
薬液投与装置1は、このダイヤル5Aが使用者により回転させられることにより穿刺角度調節機構5が動作して、穿刺角度を調節できるようになっている。
さらに薬液投与装置1の内部には、図2に示すように薬液貯蔵部6、流路部7、送出部8、駆動部9、基板部10等が設けられる。
薬液貯蔵部6は、詳しくは後述するように、円筒形状をした外筒11内に、薬液が外部から充填される。
流路部7は、吸込管7A、送出管7B、送出部8に形成される流路22B、23A、24A及び穿刺機構4の穿刺針の内針を含み、薬液貯蔵部6から体内までの薬液が流れる流路を形成する。吸込管7Aは、薬液貯蔵部6と送出部8に形成される流路23Aとを連通させる。送出管7Bは、送出部8に形成される流路24Aと穿刺機構4の穿刺針の内針とを連通させる。
送出部8は、詳しくは後述するように、シリンダ部22(図4)の内部空間22A内をピストン21が摺動することにより、薬液貯蔵部6に貯蔵された薬液を流路部7を介して体内に送出する。
駆動部9は、CPU131(図24)の制御に基づいてピストン21を駆動し、該ピストン21をシリンダ部22の内部空間22A内で摺動させる。
基板部10は、電源電力を供給する電源部134(図24)やCPU131等の回路などが配される。
〔2.薬液貯蔵部の構成〕
薬液貯蔵部6は、図3に示すように、円筒形状に形成される外筒11に、開口した端側からピストン12が挿入される。薬液貯蔵部6は、外筒11とピストン12とにより形成される薬液貯蔵空間13に薬液を貯蔵する。
外筒11は、円筒形状の本体部11Aの先端に、該先端を塞ぐ先端部11Bが設けられ、本体部11Aと先端部11Bとが一体成形される。
先端部11Bは、本体部11Aの軸に沿った方向(以下、これを筒軸方向とも呼ぶ)に対して直交する方向に沿って薬液貯蔵空間13側に接する面(以下、これを内接面とも呼ぶ)11Cの中央に、外部まで貫通された開口を有する中空の突出部11Dが突設される。
また先端部11Bは、突出部11Dと連通して該突出部11Dとは反対の方向に接続ポート11Eが突設され、該接続ポート11Eに吸込管7Aが接続される。
本体部11Aは、薬液貯蔵空間13と接する内周面における内接面11Cから突出部11Dの長さよりも長い部分が内側に突出した規制部11Fが設けられる。すなわち本体部11Aは、規制部11Fの内径が本体部11Aにおける規制部11F以外の部分の内径より短くなるように形成される。
ピストン12は、先端部11Bとは反対側の末端から外筒11に挿入され、本体部11Aの内側面に周方向に沿って当接し、該本体部11Aの筒軸方向に沿って液密に摺動可能に配される。ピストン12は、直径が規制部11Fの内径よりも大きく形成される。
薬液貯蔵部6は、ピストン12が最も先端部11B側に位置して規制部11Fに当接した状態で、所定の注入口(図示せず)からバイアルに貯蔵された薬液が薬液貯蔵空間13に注入される。このとき薬液貯蔵部6では、外筒11の内接面11Cとピストン12との間に規制部11Fにより若干の空間が開けられる。
薬液貯蔵部6は、薬液が注入されるに連れてピストン12が末端側に移動され、所定量(例えば2ml)だけ薬液が注入される。このとき薬液貯蔵空間13には、予め存在していた気泡がそのまま残ることになる。
薬液貯蔵部6は、送出部8により薬液が体内に送出される際、該送出部8による薬液吸引圧力によりピストン12が先端部11B側に移動しながら突出部11D及び接続ポート11Eを介して吸込管7Aに薬液を送出させる。そして薬液貯蔵部6は、ピストン12が突出部11Dに当接するまで薬液を送出させる。
ところで薬液貯蔵部6では、薬液貯蔵空間13内に気泡が存在している場合、該気泡の殆どは壁面に付着される。従って薬液貯蔵部6では、ピストン12が移動して薬液が送出される際に、本体部11Aの側面に付着した気泡がピストン12により押されながら移動し、ピストン12が規制部11Fに当接した際に、該ピストン12と内接面11Cとの間に設けられた空間に気泡が溜まるので、外部に気泡が送出されることを防止できる。
また薬液貯蔵部6は、突出部11Dが内接面11Cに対して薬液貯蔵空間13側に突設して設けられているので、薬液が送出される際に本体部11Aの側面に付着した気泡が突出部11Dの開口を通して外部に送出されることを防止できる。
〔3.送出部の構成〕
送出部8は、図4(A)に示すように、ピストン21、シリンダ部22、蓋部23、24、一方向弁25、26、Xリング27、Xリング固定部28及び固定部材29を含む構成とされる。
ピストン21は、例えば直径が1.03mmでなり、駆動部9により駆動されてシリンダ部22に形成された中空の円柱形状に形成された内部空間22A内で所定のストロークで摺動する。ピストン21の材質としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金、アルミ合金、チタン材、ポリプロピレンやポリカーボネートなどの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
シリンダ部22は、一端からピストン21が挿入されて摺動する内部空間22Aが設けられる。またシリンダ部22は、内部空間22Aの他端に接して該内部空間22Aと直交した流路22Bがシリンダ部22の対向する側面間を貫通するようにして設けられる。
シリンダ部22は、内部空間22Aにおけるピストン21が挿入される一端に該ピストン21との間で薬液の漏洩を防止するXリング27及び該Xリング27を固定するXリング固定部28が設けられる。
Xリング27は、シリンダ部22における内部空間22Aが設けられた面側からシリンダ部22内に挿入され、Xリング固定部28により押え付けられて固定される。Xリング固定部28は、一部がシリンダ部22内に嵌合され、残りの部分が外部に露出するようにしてXリング27を固定する。
流路22Bは、図4(B)に示すように、横幅が内部空間22Aの径と同じ長さで、高さが横幅よりも短い長方形の断面に形成される。内部空間22A及び流路22Bの表面には親水性加工が施される。親水性加工として、例えばプラズマ処理や界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)の塗布等が適応される。なお、ピストン21の先端面(上面)にも親水性加工が施されていてもよい。
シリンダ部22では、内部空間22Aの径と流路22Bの横幅が同一長さに形成され、内部空間22Aの軸の中心位置と流路22Bの横幅の中心位置が一致するように形成される。
シリンダ部22は、流路22Bが形成された側面にそれぞれ蓋部23及び24が固定部材29を介して接続される。蓋部23及び24は、シリンダ部22の流路22Bと対向する位置に、該流路22Bに沿って貫通した流路23A及び24Aが設けられる。
蓋部23は、流路23Aの一端がシリンダ部22の流路22Bに接続され、流路23Aの他端が吸込管7Aに接続され、吸込管7Aと流路22Bとを連通させる。
蓋部24は、流路24Aの一端がシリンダ部22の流路22Bに接続され、流路24Aの他端が送出管7Bに接続され、流路22Bと送出管7Bとを連通させる。
送出部8は、蓋部23の流路23Aとシリンダ部22の流路22Bとの間に一方向弁25が設けられ、シリンダ部22の流路22Bと蓋部24の流路24Aとの間に一方向弁26が設けられる。
一方向弁25は、蓋部23の流路23Aからシリンダ部22の流路22Bへ流れる薬液を通過させ、シリンダ部22の流路22Bから蓋部23の流路23Aへは薬液を通過させないものであり、例えばアンブレラ弁が適応される。
一方向弁26は、シリンダ部22の流路22Bから蓋部24の流路24ABへ流れる薬液を通過させ、シリンダ部22の流路22Bから蓋部24の流路24Aへは薬液を通過させないものであり、例えばアンブレラ弁が適応される。
送出部8は、薬液貯蔵部6から生体内に薬液を送出する際、ピストン21が最も押し込まれる位置(以下、押切位置とも呼ぶ)から最も引き戻される位置(以下、これを引戻位置とも呼ぶ)まで内部空間22A内で駆動部9により移動され、薬液貯蔵部6に貯蔵された薬液を内部空間22A内に吸い出す。
そして送出部8は、ピストン21が引戻位置から押切位置に駆動部9により移動されことにより、内部空間22Aに吸い出された薬液を生体内へ送出する。
送出部8は、ピストン21を一往復させる動作で約1〜2μLの薬液を使用者の体内に投与でき、この動作を設定された周期及び間隔で繰り返し行うことにより、所望の投与速度及び投与量で薬液を使用者に投与できる。
ところで押切位置は、ピストン21の先端が流路22Bの底面(内部空間22Aが接続される面)と同一平面上となる位置又は該位置よりも流路22B内の位置に設定される。すなわち駆動部9は、図5に示すように、ピストン21を押切位置に移動させる際、該ピストン21の先端が流路22Bの底面と同一平面上となる位置又は該位置よりも流路22B内の位置まで移動させる。
これにより送出部8は、内部空間22Aに気泡が存在した場合、ピストン21が押切位置に移動する際に内部空間22Aに存在する気泡を該ピストン21の先端面(上面)で流路22B内に押し出すことができるので、その後にピストン21が引戻位置に移動される際に気泡を再び内部空間22A内に引戻す可能性を大幅に減少させることができる。
これに対してピストンの先端を流路内まで移動させない装置では、例えば内部空間に接するシリンダ部の側面やピストンの先端面に気泡が付着して内部空間内に存在する気泡がピストンの摺動の際に流路に押し出されないことが起こり得る。
この場合、ピストンの移動に応じて変化する内部圧力の変化により気泡が膨張及び収縮を繰り返し、これにより、内部空間に吸い込まれる薬液量が変化してしまい、設定された薬液量を生体内に送出することができなくなる。従ってこのような装置では、精度よく薬液を投与できなくなる恐れがある。
これに対して薬液投与装置1は、送出部8においてピストン21が押切位置に移動する際に内部空間22Aに存在する気泡を流路22B内に押し出すので、その後にピストン21が引戻位置に移動される際には内部空間22A内に薬液だけを吸い込むことができる。かくして薬液投与装置1は、精度よく薬液を投与することができる。
また薬液投与装置1では、ピストン21の先端面、内部空間22A及び流路22Bの表面に親水性加工が施されているので、より内部空間22A及び流路22Bに気泡が残ってしまうことを防止することができる。
〔4.駆動部の構成〕
駆動部9は、図6に示すように、土台部31、モータ32、モータ支持部34、モータ固定板35、固定板支持部36、軸受部37、カップリング38、軸受支持部39を含む構成とされる。
駆動部9は、土台部31の上に各部が配される。モータ32は、モータ支持部34と固定板支持部36に支持されるモータ固定板35とにより挟持されて土台部31に固定される。
モータ32は、モータ固定板35側の側面から突出するモータ軸33が設けられる。モータ軸33の側面にはネジ溝33Aが形成される。
軸受部37は、モータ32の軸方向に沿って細長い略直方体状で内部が中空に形成される。軸受部37は、略直方体状の短辺に相当する側面中央に、モータ32のモータ軸33が貫通して配されてネジ溝33Aと螺合するネジ孔37Aが設けられる。
軸受部37は、略直方体状の短辺に相当してネジ孔37Aが設けられた側面と対向する側面にカップリング38を介してピストン21がモータ軸33と同軸上に接続される。また、軸受部37は、軸受支持部39に支持される。なお、カップリング38は、例えば、モータ軸33とピストン21との軸方向のずれを緩衝するものが適応される。
駆動部9は、図6及び図7に示すように、モータ32が駆動されることによりモータ軸33が回転し、該回転に応じてモータ軸33に螺合された軸受部37が軸方向に移動してピストン21を軸方向に往復動させる。これにより駆動部9は、ピストン21をシリンダ部22の内部空間22A内で摺動させる。なお図6(A)及び(B)においてはピストン21が引戻位置にあり、図7においてはピストン21が押切位置にある。
このように駆動部9は、モータ32のモータ軸33がピストン21と同軸上に配されているので、モータ軸33が回転することにより軸受部37に加えられる力と、該力によりピストン21に加えられる力とが同一方向となり、ピストン21の推力の損失がなくなる。
従って駆動部9は、ピストン21をシリンダ部22の内部空間22A内で安定したストローク距離で摺動させることができる。また駆動部9は、ピストン21の推力の損失がなくなることにより、より小さい力でピストン21を駆動することができるので、モータ32やバッテリ等を小さくすることができ、装置全体を小型化することができる。なお、ピストン21の側面には摺動抵抗を減らすためにダイヤモンドライクカーボンがコーティングされていてもよい。
一方、ピストンとモータの軸部とが同軸上に配されていない装置では、軸部が回転することにより軸受部に加えられる力と、該力によりピストンに加えられる力とがオフセットすることにより、ピストンの推力の損失が増大すると共に、力のオフセットにより軸受部やピストンの摺動抵抗が増加することになり、ピストンのストロークが安定しないだけでなく、装置全体が大型化してしまう。
ところで薬液投与装置1では、図8に示すように、Xリング固定部28とカップリング38との間がチューブ状の柔軟性を有するフィルム40で覆われる。フィルム40の材質としては、例えばポリエチレン等が適応される。
フィルム40は、両端が例えばOリングでなるフィルム固定部41及び42によりXリング固定部28及びカップリング38に対してそれぞれ周方向にわたって隙間なく固定される。
フィルム40は、柔軟性を有しているので、図8(A)に示すピストン21が引戻位置にある状態から、図8(B)に示すピストン21が押切位置にある状態にわたって常にピストン21を覆った状態を維持することができる。
従って薬液投与装置1では、ピストン21をフィルム40外の空気に触れることなくシリンダ部22の内部空間22A内で摺動させることができる。これにより薬液投与装置1は、内部空間22A内に入り込むピストン21の清潔性をより保持することができる。
〔5.穿刺機構の構成〕
次に、穿刺機構4の構成について詳しく説明する。穿刺機構4は、図9及び図10に示すように、主として、押込部4Aと、下筐体部2の底面2Aの前端側内部に固定される固定部4Bと、固定部4Bに対して傾動自在に取り付けられるベース4Cと、押込部4Aの押込操作に応じてベース4Cの内側をスライド可能で外針50を有する中心部4Dと、押込部4Aと中心部4Dとを連結して押込部4Aが押し込まれる力を中心部4Dに伝達してスライドさせる連結部4Eと、ベース4Cの後方からベース4Cの内側へと内針51をガイドする内針ガイド部4Fとを有している。
尚、詳しくは後述するが、穿刺機構4は、穿刺角度調節機構5によってベース4Cが固定部4Bに対して傾くことで、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺角度を例えば90度〜30度の範囲で調節できるようになっている。
この穿刺機構4自体は、穿刺角度が何度であろうと同様の動作をするので、ここでは、穿刺角度が90度の場合、すなわち下筐体部2の貼付面に対して穿刺針(外針50及び内針51)の角度が直角の場合を例に、穿刺機構4について詳しく説明することとする。
固定部4Bは、図10及び図11に示すように、下筐体部2の底面2Aと平行で左右方向に長い長方形板状の底部52と、下筐体部2の底面2Aと直交するようにして底部52の左右両端に設けられた、略L字型板状の一対のベース支持部53A及び53Bとで構成される。
ベース支持部53A及び53Bは、その側面に、上端から中央に架けて曲線状に延びる孔(これを第1の回転用孔とも呼ぶ)54A及び54Bが設けられている。またベース支持部53A及び53Bの側面には、第1の回転用孔54A及び54Bより前方に、下端から中央に架けて直線状に延びる孔(これを第2の回転用孔とも呼ぶ)55A及び55Bが設けられている。
このうち第1の回転用孔54A及び54Bは、後方に膨らんだカーブ形状となっていて、第2の回転用孔55A及び55Bは、第1の回転用孔54A及び54Bより細く、下端より上端の方が後方に位置するよう傾斜した直線形状となっている。
さらにベース支持部53A及び53Bの側面には、下端のほぼ中央(第1の溝53の下方)に、円形の孔(これをシャフト用孔とも呼ぶ)56A及び56Bが設けられていて、このシャフト用孔56A及び56Bに、シャフト57が嵌入されている。
尚、このシャフト57は、詳しくは後述するが連結部4Eの一部であり、シャフト用孔56A及び56Bに嵌入されたときに、左右の先端部がシャフト用孔56A及び56Bより外側に突出するように、その長さが選定されている。
そしてこれらベース支持部53A及び53Bは、それぞれの内側面の下端後部を、底部52が繋ぐようにして底部52と一体成型されている。
尚、ベース支持部53A及び53Bの間隔は、ベース4Cの左右の幅とほぼ等しくなっている。
ベース4Cは、図10及び図12に示すように、左右と後側の3つの壁部58A、58B、58Cを有している。左側壁部58A及び右側壁部58Bは、後側壁部58Cよりも下方に長く、下端の前部が前後方向に平行な直線状であるのに対して、後部は角を丸めたような曲線状となっている(図15(A)参照)。
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bには、それぞれの下端の前部(直線状の部分)を繋ぐようにして板状の底部59が設けられている。
ここで、ベース4Cの下端後部には、底部59の後端と、左側壁部58A及び右側壁部58Bの下端の後部(曲線状の部分)と、後側壁部58Cの下端とで、開口60が形成される。
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bの側面には、上端中央から下端中央に架けて上下方向に直線状に延びる孔(これをスライド用孔とも呼ぶ)61A及び61Bが設けられている。これらスライド用孔61A及び61Bの役割については後述する。
また左側壁部58A及び右側壁部58Bの外側面には、スライド用孔61A及び61Bより後方で、中央やや上方の位置に、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bに嵌合する円柱状の突起部(これを第1の回転用突起部とも呼ぶ)62A及び62Bが突設されている。
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bの外側面には、第1の回転用突起部62A及び62Bより下方で、後側壁部58Cの下端よりやや上方の位置に、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bに嵌合する円柱状の突起部(これを第2の回転用突起部とも呼ぶ)63A及び63Bが突設されている。
このベース4Cは、固定部4Bのベース支持部53A及び53Bの間に挟まれ、第1の回転用突起部62A及び62Bが固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bに嵌合されると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bに嵌合されることで、固定部4Bに対して傾動自在に取り付けられる。
尚、詳しくは後述するが、このベース4Cの第1の回転用突起部62A及び62Bが、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの上端に位置すると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの上端に位置するときに、穿刺角度が最大の90度となるようになっている。
また、ベース4Cの第1の回転用突起部62A及び62Bが、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの下端側に移動すると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの下端側に移動するようにして、ベース4Cが後方に倒れるように傾いていくことで、穿刺角度が小さくなっていく。
そして、このベース4Cの第1の回転用突起部62A及び62Bが、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの下端に達すると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの下端に達したときに、穿刺角度が最小の30度となるようになっている。
さらにベース4Cの左側壁部58Aの外側面には、上端中央に、穿刺角度調節機構5のダイヤル5Aの孔(後述する)に嵌合する円柱状の突起部(これを第3の回転用突起部とも呼ぶ)64が突設されている。
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bのそれぞれの内側面には、後方寄りの位置に、下端から上端まで延在する溝65A及び溝65Bが設けられている。この溝65A及び65Bは、中心部4Dがベース4Cの内壁に沿ってスライドするときのガイドとなる溝であり、以下、これらをガイド溝65A及び65Bと呼ぶ。
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bのそれぞれの内側面には、ガイド溝65A及び65Bより前方の下端に凹部66A及び66Bが設けられている。これら凹部66A及び66Bの役割については、後述する。
さらに後側壁部58Cの上端中央には、内針ガイド部4Fが嵌合するコの字型の切り欠き67が設けられている。
さらに後側壁部58Cの内側面には、下端左寄りの位置に、コイルバネ(後述する)の一端を固定するためのバネ固定部68が突設されている。
さらに後側壁部58Cの内側面には、下端中央から切り欠き67のすぐ下の位置(中央上端寄りの位置)まで延在するバネ折返部69(図12)が突設されている。このバネ折返部69は、バネ固定部68に一端が固定されたコイルバネ(図示せず)の他端側を折り返すためのものである。尚、コイルバネについては、詳しくは後述するが、金属製の外針と樹脂製の内針とでなる穿刺針を使用者の体内に穿刺した後、外針のみを薬液投与装置1内に引き戻すためのものである。
さらに底部59には、中央やや後方の位置に、下筐体部2の底面2Aに設けられる穿刺針孔2Cと連通する連通孔70が設けられ、さらにこの連通孔70の左右に所定の間隔を隔てて2つの突起部71A及び71Bが突設されている。尚、連通孔70は、後端側が開口したCの字型でなり、開口60と繋がっている。
中心部4Dについては詳しくは後述するが、図10に示すように、左右両側面部分に、外側に突する円柱状の突起部72A及び72Bが設けられている。この突起部72A及ぶ72Bを押込用突起部72A及び72Bと呼ぶ。
中心部4Dは、この押込用突起部72A及び72Bがベース4Cのスライド用孔61A及び61Bに嵌合されるようにしてベース4Cの内側に嵌入され、ベース4Cの内側を、このスライド用孔61A及び61Bと、ガイド溝65A及び65Bとに沿って上下方向にスライド可能となっている。
尚、中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bは、スライド用孔61A及び61Bに嵌合されたときに、左右の先端部が、スライド用孔61A及び61Bから外側に突出するように、その長さが選定されている。この押込用突起部72A及び72Bの役割については後述する。
押込部4Aは、図10に示すように、下筐体部2の底面2Aと平行な板状の台座部73と、この台座部73の上面中央に垂設された軸74と、この軸74の上端に設けられたボタン75とで構成される。
台座部73は、後端部の左右両端に、後方に突出する突出部73A及び73Bが設けられていて、詳しくは後述するが、この突出部73A及び73Bが連結部4Eに当接するようになっている。
尚、この押込部4Aは、図中省略しているが、下筐体部2の底面2Aの前端側内部に突設されたガイド部に沿って、薬液投与装置1の内部を上下方向に移動できるようになっている。
連結部4Eは、左右方向に長い長方形板状の基部76と、この基部76の左右両端から基部76に対して直行する方向に延びる一対のアーム77A及び77Bとで構成される。
尚、アーム77A及び77Bの間隔は、固定部4Bの左右の幅とほぼ等しくなっている。
アーム77A及び77Bは、その先端に、円形の孔78A及び78Bが設けられている。またアーム77A及び77Bは、その付け根部分から中央に架けて直線状に延びる孔79A及び79Bが設けられている。ここで、孔78A及び78Bをシャフト用孔78A及び78Bと呼び、孔79A及び79Bを押込用孔79A及び79Bと呼ぶ。
連結部4Eは、アーム77A及び77Bのシャフト用孔78A及び78Bに、固定部4Bのシャフト用孔56A及び56Bに嵌入されているシャフト57の先端部(シャフト用孔56A及び56Bから外側に突出している部分)が固定されることで、固定部4Bに回転自在に取り付けられる。
また連結部4Eは、アーム77A及び77Bの押込用孔79A及び79Bに、ベース4Cの内側に嵌入された中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bの先端部(ベース4Cのスライド用孔61A及び61Bから外側に突出している部分)が嵌合される。
さらにこのとき連結部4Eは、押込部4Aの台座部73の下に、基部76が位置するようになっていて、基部76の上面の左右両端部分に押込部4Aの突出部73A及び73Bが当接する。
このように、連結部4Eは、ベース4Cに嵌入されている中心部4Dと、押込部4Aとの両方に接続されるようになっていて、この連結部4Eを介して、中心部4Dと押込部4Aとが連結される。
そして実際、連結部4Eは、押込部4Aが押し込まれて下方にスライドすると、基部76が下方に押されることで、シャフト57を回転軸として、基部76を下げるように回転する。
このときベース4Cのスライド用孔61A及び61Bと、アーム77A及び77Bの押込用孔79A及び79Bとの両方に嵌合されている中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bは、連結部4Eが回転することにともなって、押込用孔79A及び79B内を先端側にスライドしながらスライド用孔61A及び61B内を下方にスライドする。この結果、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドすることになる。
このように、連結部4Eは、押込部4Aが押し込まれる力により回転することで、この力を中心部4Dに伝達して中心部4Dをスライドさせるようになっている。
内針ガイド部4Fは、図10及び図13に示すように、前後方向に延材する略柱状のガイド部80と、このガイド部80下面の中央より前方寄りの位置に突設された板状の支持部81とで構成される。
ガイド部80は、その内部に、前後方向に延在する通路82が設けられている。またこのガイド部80は、下面の前端部が下方に折り曲げられた形状であり、この折り曲げられた部分の前方に、通路82と繋がる下向きの開口83が設けられている。さらにガイド部80は、後面に、通路82と繋がる後ろ向きの開口84が設けられている。
ここで、前側の開口83を前側開口83と呼び、後側の開口84を後側開口84と呼ぶ。
この内針ガイド部4Fは、ガイド部80の前端部分がベース4Cの後側壁部58Cより前方に突出した状態で、ガイド部80がベース4Cの切り欠き67に嵌合されることで、ベース4Cに取り付けられる。
このとき、内針ガイド部4Fの支持部81は、ベース4Cの後側壁部58Cの外側面に当接するようになっていて、これによりガイド部80を、後側壁部58Cと直交するように支持する。
また、内針ガイド部4Fは、このようにベース4Cに取り付けられたときに、前側開口83が、後側壁部58Cより前方に位置すると共にベース4Cに取り付けられた中心部4Dの外針50の真上に位置するようになっている。
内針ガイド部4Fの通路82は、後側開口84から前端近傍までの部分が直線状で、それより先の前側開口83までの部分が滑らかなカーブを描いて下方に曲がる曲線状となっている。
またこの通路82は、中央より前側の部分となる前側通路85と、中央より後側の部分となる後側通路86とでなり、後側通路86が1つの通路であるのに対して、前側通路85は、上下2つの通路85A及び85Bに分かれている。
ここで、前側通路85の上側の通路85Aを上側通路85Aと呼び、下側の通路85Bを下側通路85Bと呼ぶこととする。これら、上側通路85A及び下側通路85Bは、先端が前側開口83と繋がっていて、後端が後側通路86と繋がっている。
このうち上側通路85Aは、内針51が通る通路であり、下側通路85Bより太い通路となっている。
内針51は、後側通路86及び上側通路85A内を通り、上側通路85Aの前端で下方に折り曲げられて前側開口83から下方に延び、中心部4Dの外針50内に挿入されるようになっている。
さらにこの通路82内には、後側通路86内をスライド可能で、内針51の後端と、薬液貯蔵部6に接続される送出管7Bの前端とを繋げて固定するスライド部87が設けられている。
実際、このスライド部87が内針ガイド部4Fの後側通路86内を前方にスライドすると、内針51は、これにともなって通路82内を前方に移動し、前側開口83から下方に押し出されるようになっている。
尚、このスライド部87は、その前端が、上側通路85Aと下側通路85Bとの間の境界部88の後端に当接すると、それ以上前方にスライドできないようになっている。
さらにこのスライド部87は、その下端に、金属製又は樹脂製のベルトでなるベルト部89の後端が固定されている。
このベルト部89は、後側通路86及び下側通路85B内を通り、下側通路85Bの前端で下方に折り曲げられて前側開口83から下方に延び、その先端が中心部4Dに固定されている。
中心部4Dとスライド部87は、このベルト部89により連結されていて、これにより、スライド部87が、中心部4Dのスライドに連動してスライドするようになっている。
実際、押込部4Aに対する押し込み操作により中心部4Dが下方にスライドすると、ベルト部89によりスライド部87が前方にスライドさせられ、内針51も移動する。
このように、ベルト部89とスライド部87は、押込部4Aに対する押し込み操作による中心部4Dのスライドにともなって、内針51を牽引する内針牽引部90として機能する。
これにより、中心部4Dが下方にスライドすると、中心部4Dの一部である外針50と、先端がこの外針50内に挿入されている内針51とが共に移動する。
また、内針ガイド部4Fは、図10に示すように、その左側面の所定位置に円柱状の突起部(これを回転用突起部とも呼ぶ)91が突設されている。この回転用突起部91の役割については後述する。さらに、内針ガイド部4Fは、その右側面の前側が取り外し可能となっていて、この部分を取り外すことで内部を容易に確認できるようにもなっている。
また、この内針ガイド部4Fによりガイドされる内針51は、中心部4Dの外針50に挿入されている部分より後端側の部分が、上側通路85A内に挿入可能で且つ内針51の外径より大きい内径を有する管状の内針屈曲防止部92内に挿入されるようにもなっている。
この内針屈曲防止部92は、詳しくは後述するが、中心部4Dと内針ガイド部4Fの前側開口83との間で、内針51が屈曲してしまうことを防止する樹脂製の部材となっている。
ここで、中心部4Dについてより詳しく説明する。図14に示すように、中心部4Dは、主として、穿刺針の外針50を有する外針スライド部100と、外針スライド部100を固定又は解除するスライド固定・解除部101とを有している。
外針スライド部100は、スライド固定・解除部101の上に重ねられるようになっていて、前部が四角形板状、後部が後方に開口する略コの字型でなり、後部の左右両側面部分がそれぞれ上方に延びた形状となっている。
また外針スライド部100は、後端面の下部が、角を切り取ったように傾斜した傾斜面となっている。
さらにこの外針スライド部100は、後側の左右両側面部分に凸部102A及び102Bが形成されている。
凸部102A及び102Bのそれぞれは、ベース4Cのガイド溝65A及び65Bに嵌合される部分であり、これにより外針スライド部100は、ベース4Cのガイド溝65A及び65Bに沿って上下方向にスライドできるようになっている。
また外針スライド部100には、底面中央に、外針50より太くベース4Cの底部59に設けられた連通孔70とほぼ同径の筒状の突起部103が下方に向かって突設されている。
そしてこの突起部103の下端から、金属製の外針50が下方に向かって延びている。この外針50は中空の管状針となっていて、例えば、長さ8mm、外径0.4mm、内径0.2mmのサイズである。
さらにこの外針スライド部100の上面中央部分には凹部104が設けられ、この凹部104の中央に、外針50と連通する連通孔105が設けられている。
この連通孔105を介して、内針ガイド部4Fの前側開口83から下方に延びる内針51が、外針50内に挿入されるようになっている。
さらにこの凹部104に、上述の内針屈曲防止部92の先端が取り付けられている。これにより、内針51は、外針50内に挿入されている部分より後端側の部分が、この内針屈曲防止部92内に挿入されることになる。
このような構成でなる外針スライド部100は、ベース4Cの内側を、ベース4Cの上端に取り付けられた内針ガイド部4Fと、底部59との間で、上下方向にスライド可能となっている。
実際、この外針スライド部100は、最も上方に位置するときには、図15(A)に示すように、内針ガイド部4Fの前側開口83の直下に、連通孔105が位置する。
このとき内針屈曲防止部92は、ほぼ半分が内針ガイド部4Fの上側通路85A内に収まった状態となる。
さらに、この外針スライド部100は、最も下方に位置するときには、図16(A)に示すように、突起部103が、ベース4Cの底部59の連通孔70に嵌入する。
このとき、突起部103は、その先端部がわずかに連通孔70から下方に突出するようになっている。
またこのとき、内針屈曲防止部92は、その後端部が、内針ガイド部4Fの上側通路85A内の前端部に残され、残りの部分が、上側通路85A外に露出した状態となる。
一方、スライド固定・解除部101は、図14に示すように、前側が略T字型、後側が後方に開口する略コの字型の板状となっている。
このスライド固定・解除部101は、後部の所定位置に、上述した内針牽引部90のベルト部89の先端が固定されている。すなわち、スライド固定・解除部101は、内針牽引部90と固定されている。
またこのスライド固定・解除部101には、中央部分に、外針スライド部100の底面に設けられた突起部103及び外針50を通すための上下方向に貫通する貫通孔106が設けられている。
さらにこのスライド固定・解除部101は、左右両側面の前方寄りの位置に凹部107A及び107Bが形成され、左右両側面の中央部分に上述した押込用突起部72A及び72Bが形成されている。
さらに左右の凹部107A及び107Bのそれぞれには、断面コの字型のストッパレバー108A及び108Bが内部開口を対向させるようにして回転自在に取り付けられている。
具体的に、ストッパレバー108A及び108Bのそれぞれは、下側爪部109A及び109Bが、シャフト(図示せず)を介して凹部107A及び107Bのそれぞれに枢支されている。
これにより、ストッパレバー108A及び108Bは、シャフト(図示せず)を軸に、上側爪部110A及び110Bを近づける方向及び遠ざける方向に回転することができる。
尚、ここでは、上側爪部110A及び110Bを近づける方向に回転することを、ストッパレバー108A及び108Bが閉じるとし、遠ざける方向に回転することを、ストッパレバー108A及び108Bが開くとする。
ストッパレバー108A及び108Bは、閉じたときに、上側爪部110A及び110Bが、スライド固定・解除部101の上面より所定長だけ上方に位置するようになっている。
またストッパレバー108A及び108Bは、閉じたときに、スライド固定・解除部101の左右両側面と段差無く収まるようになっている。
さらにスライド固定・解除部101の厚さは、外針スライド部100の突起部103の突出量より薄く形成されていて、これにより、重ねられたときに、この突起部103の先端部が外針50と共に、スライド固定・解除部101の貫通孔106より下方に突出するようになっている。
この下方に突出した突起部103の先端部が、ベース4Cの底部59の連通孔70に嵌入される部分となる。
さらに、このように、スライド固定・解除部101の上に外針スライド部100を重ねた状態で、左右のストッパレバー108A及び108Bを閉じると、図15(B)に示すように、左右のストッパレバー108A及び108Bの上側爪部110A及び110Bとスライド固定・解除部101の上面との間に、外針スライド部100が挟み込まれることで、スライド固定・解除部101に外針スライド部100が固定される。
さらにこの状態から、図16(B)に示すように、左右のストッパレバー108A及び108Bが開くと、スライド固定・解除部101と外針スライド部100との固定が解除されるようになっている。
さらにこのスライド固定・解除部101も、後端面が、下側の角を切り取ったように傾斜した傾斜面となっている。
このような構成でなる中心部4Dは、スライド固定・解除部101の上に外針スライド部100を重ね、外針スライド部100の外針50内に内針51を挿入した状態で、ベース4Cの内側のガイド溝65A及び65Bに、外針スライド部100の凸部102A及び102Bを嵌合させると共に、ベース4Cのスライド用孔61A及び61Bにスライド固定・解除部101の押込用突起部72A及び72Bを嵌合させることで、ベース4Cの内側に嵌入される。
この中心部4Dは、図15(A)に示したように、初期位置としてベース4Cの内側上端に配置される。
このとき、中心部4Dは、外針スライド部100の連通孔105が、内針ガイド部4Fの前側開口83の直下に位置していて、内針ガイド部4Fにより下方に折り曲げられた内針51の先端部が、この連通孔105を介して外針50内に挿入されている。
またこのとき、外針50の全体が薬液投与装置1内に収納されている一方で、押込部4Aの薬液投与装置1からの突出量は最大となっている。
さらにこのとき中心部4Dは、ベース4Cの左側壁部58A及び右側壁部58Bによって左右のストッパレバー108A及び108Bが内側に押圧されることにより、図15(B)に示すように、ストッパレバー108A及び108Bが閉じた状態となっている。
すなわち、このとき中心部4Dは、スライド固定・解除部101に外針スライド部100を固定している。
さらにこの初期位置に在るとき、中心部4Dは、図17(A)に示すように、ベース4Cの後側壁部58Cに設けられたバネ折返部69の上端前方に位置するようになっている。
ここで、ベース4Cの後側壁部58Cの左寄りの下端に設けられたバネ固定部68に一端を固定されたコイルバネ111は、他端側がバネ折返部69により下方に折り曲げられJ字型となった状態で、他端を外針スライド部100の後部右寄りの所定位置に固定されるようになっている。
このときのコイルバネ111は、伸縮していない自然長の状態である。そして、この状態から、使用者が押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいくとする。
すると、図17(B)に示すように、押込部4Aを押し込む力が、連結部4Eを介して中心部4Dに伝えられることで、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドしていく。またこのとき中心部4Dの外針スライド部100が下方にスライドしていくことにともなって、J字型からU字型へと変形するようにしてコイルバネ111全体が伸びていくようになっている。
〔6.穿刺機構の動作〕
ここで、実際に、穿刺針である外針50と内針51を使用者の体内に穿刺するときの穿刺機構4の動作について詳しく説明する。尚、ここでも、穿刺角度が90度の場合を例に説明する。
穿刺機構4は、まず図15(A)に示したように、中心部4Dが初期位置にセットされていて、外針50の全体が薬液投与装置1内に収納されていると共に、押込部4Aの薬液投与装置1からの突出量が最大となっている。
このとき、中心部4Dは、図15(B)に示したように、左右のストッパレバー108A及び108Bが閉じていて、スライド固定・解除部101に外針スライド部100を固定した状態となっている。
またこのとき、内針51は、図19(A)に示すように、その先端が外針50の先端とほぼ同位置で且つ外針50の先端から突出しない位置を保つようにして外針50の内側に保持される。
ここで、使用者が薬液投与装置1を身体の所定位置に貼り付けた後、押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいく。
すると、押込部4Aを下方に押す力が連結部4Eを介して、中心部4Dを下方にスライドさせる力として中心部4Dに伝えられることで、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドすることになる。
このように中心部4Dが下方にスライドすると、これにともなって、この中心部4Dのスライド固定・解除部101に固定されたベルト部89が、内針ガイド部4F内のスライド部87を前方にスライドさせることで、内針51を牽引する。
これにより、内針51は、その先端が外針50の先端とほぼ同位置で且つ外針50の先端から突出しない位置を保ったまま、確実に、外針50と共に移動する。
また、このようにして中心部4Dが下方にスライドすると、内針ガイド部4Fと中心部4Dとの間隔が広がり、この範囲で内針51が内針ガイド部4Fの外に露出することになる。
ここで、内針51全体のうち、内針ガイド部4Fと中心部4Dとの間に位置する部分は、ガイドするものがなければ、中心部4Dのスライドにともなって屈曲してしまう恐れがある。
そこで、本実施の形態の穿刺機構4では、この部分が内針屈曲防止部92内に挿入されることで保護されるようになっている。
換言すれば、この内針屈曲防止部92は、内針51全体のうち、内針ガイド部4Fと中心部4Dとの間に位置する部分をガイドするようになっていて、これにより、この部分が屈曲してしまうことを防ぐようになっている。
さらに、このようにして中心部4Dが下方にスライドする間、図17(B)に示すように、中心部4Dの外針スライド部100に他端が固定されたコイルバネ111が伸びていく。
ここで、中心部4Dの外針50は、内針51を内側に保持したまま、下方にスライドして、ベース4Cの底部59の連通孔70を通り穿刺針孔2Cから突出することで、内針51と共に使用者の体内に穿刺される。
さらに押込部4Aが押し込まれて、図16(A)及び図17(C)に示すように、押込部4Aの軸74全体が薬液投与装置1内に収納されると、このとき押込部4Aは、薬液投与装置1から突出している部分がボタン75のみとなり突出量が最小となる。
このようにして押込部4Aが最後まで押し込まれると、このとき中心部4Dは、ベース4Cの下端に到達する。このとき、穿刺針である外針50と内針51は、図19(B)に示すように、使用者の体内に最も深く穿刺される。尚、薬液投与装置1では、使用者の体内に穿刺される部分の長さが例えば7mmとなるように設計されている。
またこのとき、中心部4Dのストッパレバー108A及び108Bの外側に、左側壁部58A及び58Bの下端に設けられた凹部66A及び66Bが位置する。これにより、ストッパレバー108A及び108Bは、内側に押圧されなくなり、開くことができる状態となる。
そしてこのとき、ベース4Cの底部59に設けられた2つの突起部71A及び71Bが、ストッパレバー108A及び108Bのそれぞれの下側爪部109A及び109Bの先端部に当接して下側爪部109A及び109Bの先端部を押し上げることにより、ストッパレバー108A及び108Bが外側に回転して開く。
この結果、図16(B)に示すように、中心部4Dのスライド固定・解除部101と外針スライド部100の固定が解除される。
つまり、ベース4Cの底部59に設けられた2つの突起部71A及び71Bは、ストッパレバー108A及び108Bと当接することで、ストッパレバー108A及び108Bによるスライド固定・解除部101と外針スライド部100の固定を解除する解除部として機能する。
このようにして固定が解除されると、外針スライド部100は、コイルバネ111の復元力により、図17(D)及び図18(A)、(B)に示すように、上方にスライドして元の位置に戻る。
これにより、外針50の全体が使用者の体内から引き抜かれて薬液投与装置1内に収納される。このとき、内針51については、スライド固定・解除部101と固定されている内針牽引部90により位置が保持されることで、図19(C)に示すように、そのまま使用者の体内に留置する。
また、このようにして、外針スライド部100が上方にスライドする場合も、内針51全体のうち、少なくとも、内針ガイド部4Fと外針スライド部100の間に位置する部分は、内針屈曲防止部92に覆われ、ガイドされる。
これにより、この部分が、外針スライド部100のスライドにともなって、屈曲してしまうことを防ぐようになっている。
また、このように、内針51が内針ガイド部4Fと外針スライド部100との間で屈曲してしまうことを防ぐことにより、内針51が使用者の体内から抜けてしまったり、使用者の体内に留置する部分が短くなってしまったりすることを防ぐこともできる。つまり、より確実に内針51を使用者の体内に穿刺することができると言える。
このように穿刺機構4は、押込部4Aの押し込み操作に応じて、使用者の体内に外針50と共に内針51を穿刺し、中心部4Dがベース4Cの下端に到達するまで押込部4Aが押し込まれると、すなわち押込部4Aが最後まで押し込まれると、内針51を体内に留置させたまま、外針50のみを引き戻すようになっている。
ここまで説明したように、薬液投与装置1は、使用者により押込部4Aが押し込まれると、外針50を有する中心部4Dが下方にスライドすると共に、中心部4Dに固定された内針牽引部90が内針51を牽引することで、外針50と、この外針50内に挿入された内針51とを、薬液投与装置1から突出させて、使用者の体内に穿刺する。
そして、薬液投与装置1は、押込部4Aが最後まで押し込まれると、中心部4Dのストッパレバー108A及び108Bが開き、中心部4Dの外針スライド部100のみをコイルバネ111の復元力により元の位置に戻すことで、内針51を使用者の体内に留置させたまま、外針50のみを薬液投与装置1内に引き戻す。
その後、薬液投与装置1は、薬液貯蔵部6に貯蔵されている薬液を、送出部8により、内針51を介して使用者の体内に投与する。
このように、薬液投与装置1は、二重構造でなる穿刺針の内針51を留置針とすることで、外針50を留置針とする従来の穿刺針と比して、留置針の径を容易に小さくすることができる。
すなわち、薬液投与装置1は、使用者の体内に留置する部分である留置針としての内針51を細くでき、これにより使用者に対する負担を軽減することができる。
因みに、樹脂材料でなる内針51は、肉薄管での製造が可能であり、同じ外径の金属針と比較して内径を大きくすることができる。
また薬液投与装置1は、押込部4Aに対する押し込み操作のみで、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺から外針50の引き戻しまでを一度に行うことができる。
またこのように薬液投与装置1の穿刺機構4は、使用者の押し込み操作のみで動作するので、モータなどの駆動部を必要とせず、構成を簡易化でき、容易に小型化することができる。
さらに薬液投与装置1は、穿刺時に、押込部4Aの押し込みによる外針スライド部100のスライドにともなって、外針スライド部100に固定された内針牽引部90により内針51を牽引するようにしたことで、内針51を外針50と共に確実に移動させることができる。
これにより、例えば、外針50のみが移動して、外針50のみが使用者の体内に穿刺されるような状況を防ぎ、外針50と共に内針51を確実に使用者の体内に穿刺することができる。
さらに薬液投与装置1は、押込部4Aが最後まで押し込まれると、全体として突起部分の少ないコンパクトなサイズとなり、携帯時の利便性を向上させるようにもなっている。
〔7.穿刺角度調節機構の構成〕
次に、穿刺角度調節機構5の構成について詳しく説明する。穿刺角度調節機構5は、上述したように、穿刺機構4のベース4Cを固定部4Bに対して傾動させる(傾きを変えるように動かす)ことで、ベース4Cから突出する穿刺針の外針50の穿刺角度を90度〜30度の範囲で調節可能とする機構である。
この穿刺角度調節機構5は、図20及び図21に示すように、主として、穿刺機構4(押込部4A、固定部4Bと、ベース4Cと、中心部4D、連結部4Eと、内針ガイド部4F)と、ダイヤル5Aと、ベース4Cと共に内針ガイド部4Fが傾動するときのガイドとなる回転ガイド部120とを有している。尚、穿刺機構4の構成については上述したので、ここでは説明を省略する。
ダイヤル5Aは、図21に示すように、略円盤状でなり、円形の一側面の中心と、その反対側の他側面の中心とに、ダイヤル5Aの回転軸となる円柱状の突起部121A及び121Bが突設されている。またダイヤル5Aの側面には、中心近傍から周側面近傍に架けて半径方向に延びる孔(これを回転用孔とも呼ぶ)122が設けられている。
さらにダイヤル5Aの周側面には、ダイヤル5Aの厚さ方向と平行な溝123が所定間隔ごとに刻まれている。
下筐体部2の底面2Aの前端側内部には、固定部4Bの左側近傍に左右に所定の間隔を隔てて一対の板状のダイヤル支持台124A及び124Bが突設されている。このダイヤル支持台124A及び124Bの上端部には軸孔125A及び125Bが設けられている。
ダイヤル5Aは、このダイヤル支持台124A及び124Bの間に挟みこまれると共に、軸孔125A及び125Bに突起部121A及び121Bが嵌合することで、ダイヤル支持台124A及び124Bに対して回転自在に支持される。
またこのときダイヤル5Aは、固定部4Bに回転自在に支持されているベース4Cの左側壁部58Aに設けられた第3の回転用突起部64が、回転用孔122に嵌合するようになっている。
このように、ダイヤル5Aの回転用孔122に、ベース4Cの第3の回転用突起部64が嵌合していることで、ダイヤル5Aを回転させると、これにともなってベース4Cも回転する。
さらに下筐体部2の底面2Aの前端側内部には、ダイヤル支持台124A及び124Bの後方に、柱状の弾性部材でなる回転保持部126が突設されている。この回転保持部126は、その上端部に、前方(ダイヤル5A側)に突する爪部126Aが設けられていて、この爪部126Aの先端が、ダイヤル支持台124A及び124Bに支持されているダイヤル5Aの周側面に設けられた溝123に嵌合するようになっている。
このように、ダイヤル5Aの溝123に、回転保持部126の爪部126Aが嵌合することで、ダイヤル5Aの回転位置が保持されるようになっている。
さらに、このダイヤル5Aを回転させると、弾性部材でなる爪部126Aが、ダイヤル5Aの溝123から外れ、次の溝123に嵌合するという一連の動作が繰り返される。
これにより、ダイヤル5Aを回転させている使用者に対して、ダイヤル5Aを所定角度回転させるごとに「カチッ」というクリック感を与えることができる。
尚、ダイヤル5Aの周側面に例えば5度刻みで溝123を設けるようにすると、回転保持部126は、ダイヤル5Aを5度単位で保持することができ、また5度刻みでクリック感を使用者に与えることができる。
回転ガイド部120は、前後方向に平行な板状でなり、下筐体部2の底面2Aの前端側内部の、固定部4Bの後方左寄りの位置に突設されている。
この回転ガイド部120は、その側面に、上端から中央に架けて曲線状に延びる孔(これを回転用孔とも呼ぶ)127が設けられている。この回転用孔127は、後方に膨らんだカーブ形状となっている。
回転ガイド部120は、この回転用孔127に、内針ガイド部4Fの左側面に突設された回転用突起部91が嵌合されるようになっていて、この回転用孔127内を回転用突起部91がスライドすることで、内針ガイド部4Fの回転がガイドされるようになっている。
このような構成でなる穿刺角度調節機構5は、ダイヤル5Aの回転にともなって、固定部4Bに傾動自在に支持されているベース4Cを傾けることで、穿刺角度を調節する。
具体的には、ベース4Cの上下方向(すなわち中心部4Dのスライド方向)と下筐体部2の底面2Aとの角度が90度のときの穿刺角度を90度とし、またベース4Cの上下方向(中心部4Dのスライド方向)と下筐体部2の底面2Aとの角度が30度のときの穿刺角度30度として、この範囲内でベース4Cを傾けることで、穿刺角度を90度〜30度の範囲で自由に調節できるようになっている。
〔8.穿刺角度調節機構の動作〕
ここで、実際に穿刺角度を調節するときの穿刺角度調節機構5の動作について、穿刺機構4の動作も交えながら詳しく説明する。
穿刺角度調節機構5は、図22(A)に示すように、例えば、初期角度として穿刺角度が90度にセットされている。
ここで、使用者が、このまま薬液投与装置1を身体の所定位置に貼り付けた後、押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいくとする。
すると、図22(A)及び(B)に示すように穿刺機構4が動作することで、穿刺角度90度で穿刺針(外針50及び内針51)が使用者の体内に穿刺される。そして、押込部4Aが最後まで押し込まれると、穿刺機構4により内針51を使用者の体内に留置させたまま外針50が薬液投与装置1内へ引き戻される。尚、このときの穿刺機構4の動作の詳細については、上述したので説明を省略する。
一方で、使用者が、例えば、穿刺角度が45度となるまで、ダイヤル5Aを回転操作するとする。
すると、図23(A)に示すように、ダイヤル5Aの回転にともなって、ベース4Cが固定部4Bに対して傾く。
具体的に、ベース4Cは、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bに嵌合されている第2の回転用突起部63A及び63Bを回転軸として後方に倒れるように傾いていく。
このとき、ベース4Cは、第2の回転用突起部63A及び63Bを固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの上端から下端に向かってスライドさせながら、つまり回転軸を第2の回転用孔55A及び55Bに沿って前方ななめ下に移動させながら回転することで傾いていく。
またこのとき、ベース4Cは、第1の回転用突起部62A及び62Bを固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの上端から下端に向かってスライドさせながら、つまり第1の回転用孔54A及び54Bに傾き方向をガイドされるようにして傾いていく。
このように、ベース4Cは、回転軸を前方ななめ下に移動させながら、すなわち下筐体部2の底面2Aに近づけながら、後方に倒れるようにして傾いていく。
尚、ダイヤル5Aの回転にともなって、ベース4Cの第3の回転用突起部64がダイヤル5Aの回転用孔122の周側面側から中心に向かってスライドする。これにより、回転軸固定で回転するダイヤル5Aの回転を、回転軸を移動させながら回転して傾いていくベース4Cにスムーズに伝達できるようになっている。
また、ベース4Cは、下端後部が角を丸めたような曲線状となっていることで、後方に倒れるように傾いていくときに、この下端後部が下筐体部2の底面2Aに引っ掛かることなくスムーズに傾くことができるようにもなっている。
またこのようにベース4Cが傾くことにともなって、内針ガイド部4Fも傾いていく。すなわち内針ガイド部4Fは、ベース4Cが後方に倒れるように傾くことにともなって、後方に倒れるように傾いていく。
実際、内針ガイド部4Fは、スライド部87が内針牽引部90のベルト部89を介して、ベース4Cの内側に嵌入されている中心部4Dと固定されていることにより、ベース4Cの傾きにともなって傾いていく。
またこのとき、内針ガイド部4Fは、回転用突起部91を回転ガイド部120の回転用孔127の上端から下端に向かってスライドさせながら、つまり回転用孔127に傾き方向をガイドされるようにして傾いていく。
このように、内針ガイド部4Fは、常にベース4Cとの位置関係を保った状態で傾いていくようになっている。
このようにしてベース4C及び内針ガイド部4Fが傾いていき、ベース4C及び内針ガイド部4Fが、中心部4Dのスライド方向と下筐体部2の底面2Aとの角度が45度となるまで傾く。
この結果、下筐体部2の底面2Aと中心部4Dのスライド方向、すなわち貼付面と穿刺針(外針50及び内針51)の角度である穿刺角度が45度となる。
このようにして穿刺角度が45度となるまでダイヤル5Aを回転させた後、使用者がダイヤル5Aの回転操作を終了すると、回転保持部126によりダイヤル5Aがこの回転位置で保持されることによりベース4Cの傾きが保持され、これにより、穿刺角度が45度で保持される。
また、このようにしてベース4Cが傾いている間、ベース4Cの内側に嵌入されている中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが、ベース4Cの傾きにともなって後方ななめ下に移動することになる。
ここで、中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが嵌合する連結部4Eには、この押込用突起部72A及び72Bの移動経路に沿うようにして押込用孔79A及び79Bが設けられている。
これにより、ベース4Cの傾きにともなって中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが移動しても、このとき、中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが連結部4Eの押込用孔79A及び79B内を移動するだけであり、連結部4E自体は回転しない。
このように、穿刺角度調節機構5では、穿刺角度が変更されても、連結部4Eの位置は変わらないようになっていて、これにより、穿刺角度によらず、常に連結部4Eが押込部4Aの台座部73と当接するようになっている。
ここで、穿刺角度を45度に調節した薬液投与装置1を使用者が身体の所定位置に貼り付けた後、押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいくとする。
すると、図23(B)に示すように、押込部4Aを下方に押す力が連結部4Eを介して、中心部4Dを前方ななめ下にスライド(下筐体部2の底面2Aに対して45度の角度でスライド)させる力として中心部4Dに伝えられることで、中心部4Dが前方ななめ下にスライドすることになる。
ここで、中心部4Dの外針50は、内針51を内側に保持したまま、下筐体部2の底面2Aに対して45度の角度でスライドして、ベース4Cの底部59の連通孔70を通り穿刺針孔2Cから突出することで、内針51と共に使用者の体内に穿刺角度45度で穿刺される。
尚、この穿刺角度調節機構5では、穿刺角度が小さくなるほど、穿刺針の底面2Aからの突出位置が、底面2Aの前方寄りとなるため、これに合わせて穿刺針孔2Cが前後方向に長く形成されている。
そして、押込部4Aが最後まで押し込まれると、このとき中心部4Dは、ベース4Cの下端に到達する。このとき、穿刺針である外針50と内針51は、使用者の体内に最も深く穿刺される。
尚、中心部4Dは、図16(A)に示したように後端部が角を切り取ったように傾斜していることで、ベース4Cが後方に倒れている状態でも、ベース4Cの下端まで確実にスライドできるようになっている。
このようにして押込部4Aが最後まで押し込まれると、穿刺機構4により、内針51が使用者の体内に留置させたまま外針50が薬液投与装置1内へ引き戻される。
また、ここでは、穿刺角度が45度になるまでダイヤル5Aを回転させたが、穿刺角度調節機構5では、さらに同方向にダイヤル5Aを回転させることで、穿刺角度を30度まで小さくできるようにもなっている。
このように、薬液投与装置1は、穿刺角度調節機構5により穿刺角度を90度〜30度の範囲で自由に調節でき、また穿刺角度が変わっても、押込部4Aの押し込み方向を変えることなく、常に同じ操作で、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺から外針50の引き戻しまでを行うことができる。
ここまで説明したように、薬液投与装置1は、使用者によりダイヤル5Aが回転させられると、固定部4Bに対してベース4Cを傾動させることで、穿刺角度を調節できるようになっている。
これにより、薬液投与装置1は、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、穿刺角度を調節することができるので、投与する薬液の効果を十分に発揮させることができ、かくして使い勝手を向上させることができる。
またこのように穿刺角度を調節するときに、ベース4Cの傾動にともなって、ベース4Cの内側をスライド可能な中心部4Dの位置が変わることになるが、押込部4Aと中心部4Dとを連結する連結部4Eについては、ベース4Cの回転によらず、常に押込部4Aと中心部4Dとを連結し続けるようになっている。
すなわち、連結部4Eは、ベース4Cの回転によらず、常に押込部4Aが押し込まれる力を中心部4Dをスライドさせる力として中心部4Dに伝達できるようになっている。
これにより、薬液投与装置1は、穿刺角度によらず、押込部4Aの下方への押し込みという常に同じ操作で、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺から外針50の引き戻しまでを行うことができる。
換言すれば、薬液投与装置1は、押込部4Aの押し込み方向は変えることなく、穿刺角度を変えることができるとも言える。
またこの薬液投与装置1では、ダイヤル5Aを一方向に回転すれば穿刺角度が小さくなるよう調節でき、他方向に回転すれば穿刺角度が大きくなるよう調節できるようになっていることで、穿刺角度の調節を何度でもやり直すことができ、また微妙な調節も容易に行うことができる。
さらにこの薬液投与装置1では、ベース4C自体を傾動させることで、穿刺角度を調節するようにしたことにより、例えば、外針50自体を曲げたりすることなく穿刺角度を調節できる。
さらに薬液投与装置1の穿刺角度調節機構5は、使用者のダイヤル操作のみで動作するので、モータなどの駆動部を必要とせず、構成を簡易化でき、容易に小型化することができる。
〔9.薬液投与装置の電気的構成〕
薬液投与装置1は、図24に示すように、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、電源部134、インターフェース部(I/F部)135、報知部136及び駆動部9がバス137を介して接続される。
CPU131、ROM132、RAM133、電源部134及び報知部136は、基板部10上に配される。電源部134は電池が適応される。報知部136はスピーカが適応される。
インターフェース部135は、上筐体部3又は下筐体部2に配されユーザの入力命令を受け付けるボタン(図示せず)が適応される。
CPU131は、ROM132に格納された基本プログラムをRAM133に読み出して実行することより全体を統括制御すると共に、ROM132に記憶された各種アプリケーションプログラムをRAM133に読み出して実行することにより各種処理を実行する。
CPU131は、薬液を使用者に投与する際、薬液投与プログラムをRAM133に読み出して薬液投与処理を実行し、薬液が外部から薬液貯蔵部6に充填され、貼付部2Bが使用者の皮膚に貼り付けられると共に穿刺機構4により穿刺針が使用者の皮膚に穿刺された後、インターフェース部135を介して入力された投与量、投与速度などのパラメータを設定する。
そしてCPU131は、設定されたパラメータに基づいて駆動部9を制御して薬液の投与を開始する。
〔10.他の実施の形態〕
〔10−1.他の実施の形態1〕
上述した実施の形態では、使用者の体内に薬液を投与する薬液投与装置1に本発明を適用する場合について説明した。これに限らず、外針と内針とでなる二重構造の穿刺針を穿刺する穿刺装置であれば、薬液投与装置1以外の装置に適用するようにしてもよい。
例えば、使用者の体内に各種センサを挿入して生体情報を取得するセンサ装置に適用するようにしてもよい。
図25に、このセンサ装置200を示す。このセンサ装置200は、薬液投与装置1と同様の穿刺機構4及び穿刺角度調節機構5を有している一方で、薬液貯蔵部6や、送出部8、駆動部9が無く、代わりにセンサからの生体情報を取得する制御部201と、この生体情報を外部に無線送信する送信部202とを有している。
また図26に示すように、このセンサ装置200の内針51の先端にはセンサ203が取り付けられていて、さらにこの内針51内には、センサ203と制御部201とを電気的に接続する信号線204が挿入されている。
そしてこのセンサ装置200では、穿刺機構4により、先端部にセンサ203が取り付けられた内針51が挿入された外針50を、使用者の体内に穿刺する。
そして、このセンサ装置200は、センサ203を使用者の体内に留置させたまま、外針50のみをセンサ装置200内に引き戻す。
その後、センサ装置200の制御部201は、センサ203から得られる生体情報を取得し、送信部202を介して外部に無線送信する。
〔10−2.他の実施の形態2〕
上述した実施の形態では、上述した穿刺機構4により、穿刺針(外針50及び内針51)を使用者の体内に穿刺して、外針50のみを引き戻すようにしたが、上述した穿刺機構4とは異なる構成の穿刺機構により、穿刺針の穿刺と外針の引き戻しを行うようにしてもよい。
〔10−3.他の実施の形態3〕
また、上述した実施の形態では、押込部4Aが使用者により押し込まれると、この力により連結部4Eが回転することで、この連結部4Eに接続された中心部4Dがベース4Cの内側をスライドするようにした。
これに限らず、例えば、押込部4Aの代わりに、薬液投与装置1にボタンなどの操作部と、連結部4Eを自動で回転させる駆動部とを設け、使用者によりこのボタンが押下されたら、駆動部を駆動させて連結部4Eを回転させることにより、中心部4Dをスライドさせるようにしてもよい。
この場合の穿刺角度調節機構300の構成例を図27(A)に示す。この穿刺角度調節機構300は、穿刺角度調節機構5と比して、押込部4Aが削除され、代わりにコイルバネ301が設けられ、また連結部4Eに代えて、新たな連結部302が設けられている。
これら以外の部分については、上述した穿刺角度調節機構5と同様であるので説明を省略する。
ここで、連結部302は、図27(B)に示すように、左右一対のL字型のアーム303A及び303Bと、このアーム303Aの一端とアーム303Bの一端とを繋ぐ、左右方向に長い長方形板状の基部304とで構成される。
アーム303A及び303Bは、L字の角に相当する部分(これを角部とも呼ぶ)に、円形の回転用孔305A及び305Bが設けられている。またアーム303A及び303Bは、その先端から角部に向かって直線状に延びる押込用孔306A及び306Bが設けられている。
これら、回転用孔305A及び305Bと、押込用孔306A及び306Bの役割は、連結部4Eのものと同様である。
すなわち、連結部302は、アーム303A及び303Bの回転用孔305A及び305Bに、固定部4Bのシャフト用孔56A及び56Bに嵌入されているシャフト57の先端部が固定されることで、固定部4Bに回転自在に取り付けられる。
また連結部302は、アーム303A及び303Bの押込用孔306A及び306Bに、ベース4Cの内側に嵌入された中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bの先端部が嵌合される。
さらにこのとき連結部302は、基部304が、ベース4Cの後方に位置するようになっていて、さらにこの基部304の後端部に、コイルバネ301の先端部が当接するようになっている。
すなわち、この連結部302は、中心部4Dとコイルバネ301とを連結するようになっている。
コイルバネ301は、さらにその後方に位置する駆動部(図示せず)により、前方に押し出されるようになっている。
そして、実際、このコイルバネ301が、駆動部により前方に押し出されると、基部304が上方に押されることで、連結部302は、シャフト57を回転軸として、基部304を持ち上げるように回転する。
このときベース4Cのスライド用孔61A及び61Bと、アーム303A及び303Bの押込用孔306A及び306Bとの両方に嵌合されている中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bは、連結部302が回転することにともなって、押込用孔306A及び306B内を角部側にスライドしながらスライド用孔61A及び61B内を下方にスライドする。この結果、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドすることになる。
このように、連結部302は、コイルバネ301が押し込まれる力を中心部4Dに伝達して中心部4Dをスライドさせるようになっている。
またこの連結部302は、上述した連結部4Eと同様、ベース4Cの回転によらず、常にコイルバネ301と中心部4Dとを連結し続ける構成となっている。
すなわち、この穿刺角度調節機構300でも、コイルバネ301の押し込み方向を変えることなく、穿刺角度を調節できる。
〔10−4.他の実施の形態4〕
さらに、上述した実施の形態では、金属製の外針50と樹脂製の内針51とでなる穿刺針を使用者の体内に穿刺した後、外針50のみを薬液投与装置1内に引き戻すための弾性部材としてコイルバネ111を用いるようにしたが、これに限らず、コイルバネ111と同様に機能する弾性部材であれば、コイルバネ111以外の弾性部材を用いようにしてもよい。
〔10−5.他の実施の形態5〕
さらに、上述した実施の形態では、穿刺機構4に、中心部4Dと、内針ガイド部4Fの前側開口83との間で、内針51を覆う内針屈曲防止部92を設けるようにしたが、これに限らず、穿刺機構4を、この内針屈曲防止部92を省略した構成としてもよい。
〔10−6.他の実施の形態6〕
さらに、上述した実施の形態では、内針ガイド部4Fが、ベース4Cの傾きにともなって、回転ガイド部120にガイドされながら傾くようにした。
これに限らず、内針ガイド部4Fを、ベース4Cに対して完全に固定するようにして、回転ガイド部120がなくても、ベース4Cの傾きにともなって傾くようにしてもよい。
このようにすれば、回転ガイド部120を省略することができ、一段と構成を簡易化することができる。
〔10−7.他の実施の形態7〕
さらに、上述した実施の形態では、使用者が操作部としてのダイヤル5Aを回転操作することで、穿刺角度を調節できるようにしたが、これに限らず、例えば、ダイヤル5Aの代わりに、薬液投与装置1に穿刺角度を指定するボタンなどの操作部と、ベース4Cを自動で傾動させる駆動部とを設け、使用者により操作部を介して穿刺角度が指定されると、駆動部を駆動させてベース4Cを傾けることで、穿刺角度を調節できるようにしてもよい。
〔10−8.他の実施の形態8〕
さらに、上述した実施の形態では、穿刺機構4の内針牽引部90を、ベルト状のベルト部89とスライド部87とで構成するようにした。
これに限らず、ベルト部89の変わりに、例えば、金属製又は樹脂製のワイヤでなるワイヤ部を用い、このワイヤ部とスライド部87とで内針牽引部90を構成するようにしてもよい。
この場合、ワイヤ部の先端をスライド固定・解除部101に固定すると共に、後端をスライド部87に固定するようにすればよい。
また、これに限らず、ベルトやワイヤのように自由に折り曲げることが可能で、且つスライド固定・解除部101と、スライド部87とを連結可能なものであれば、ベルトやワイヤ以外の部材を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0007】
本発明は、例えば医療分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0008】
1……薬液投与装置、2……下筐体部、2B……貼付部、3……上筐体部、4……穿刺機構、4A……押込部、4B……固定部、4C……ベース、4D……中心部、4E、302……連結部、4F……内針ガイド部、5、300……穿刺角度調節機構、5A……ダイヤル、6……薬液貯蔵部、7……流路部、8……送出部、9……駆動部、10……基板部、50……外針、51……内針、72A、72B……押込用突起部、79A、79B……押込用孔、100……外針スライド部、101……スライド固定・解除部、111、301……コイルバネ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】

【手続補正書】
【提出日】20150401
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、
外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、
前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、
前記貼付面に対する前記穿刺針の角度である穿刺角度を調節する穿刺角度調節機構と
を有する
ことを特徴とする穿刺装置。
【請求項2】
前記穿刺機構は、
前記外針をスライドさせるときのガイドとなるベースを有し、前記外針を当該ベースに沿ってスライドさせることによって、前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させる
請求項1に記載の穿刺装置。
【請求項3】
前記穿刺角度調節機構は、
前記筐体部に固定され、前記ベースを傾動自在に支持する固定部を有し、
前記固定部に対する前記ベースの傾きを変更することによって前記穿刺角度を調節する
請求項2に記載の穿刺装置。
【請求項4】
前記穿刺角度調節機構は、
前記固定部に対して回転操作可能な操作部を有し、
前記操作部が回転操作されることに応じて前記ベースの傾きを変更することによって前記穿刺角度を調節する
請求項3に記載の穿刺装置。
【請求項5】
前記穿刺機構は、
前記筐体部に対して押込可能な押込部と、
前記外針が設けられ、前記ベースに沿ってスライドする中心部と、
当該中心部と前記押込部とを連結する連結部と
を有し、
前記筐体部に対して前記押込部が押し込まれると、前記連結部によって、前記押込部が押し込まれる力が前記中心部をスライドさせる力として前記中心部に伝達されて前記中心部がスライドすることによって、前記穿刺針を前記貼付面から突出させる
請求項2に記載の穿刺装置。
【請求項6】
前記中心部は、
スライド前の初期位置として前記ベースの一端側に保持され、前記穿刺角度を変更するときに前記ベースが傾けられることにともなって当該初期位置が移動し、
前記連結部は、
前記中心部の一部が嵌合する孔を有し、当該孔に前記中心部の一部が嵌合することによって前記中心部と連結し、
前記連結部の孔は、前記中心部の初期位置の移動経路に沿って設けられており、前記中心部の初期位置が移動すると共に、前記中心部の一部が当該孔に沿って移動することによって、前記連結部による前記押込部と前記中心部との連結が常に維持される
請求項5に記載の穿刺装置。
【請求項7】
前記連結部は、
前記固定部に対して回転自在に取り付けられ、
前記連結部は、
前記押込部が押し込まれることにともなって回転することによって、前記中心部の一部が前記孔に沿って移動しながら、前記中心部を前記ベースに沿ってスライドさせる
請求項6に記載の穿刺装置。
【請求項8】
使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、
外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、
前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、
薬液が貯蔵される薬液貯蔵部と、
前記薬液貯蔵部に貯蔵された薬液を前記穿刺針を介して体内に送出する送出部と、
前記貼付面に対する前記穿刺針の角度である穿刺角度を調節する穿刺角度調節機構と
を有する
ことを特徴とする薬液投与装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺装置及び薬液投与装置に関し、例えばインスリンを体内に投与する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液(インスリン)を投与する装置として、使用者の体表に貼り付けて使用される携帯型の装置であって、外筒内に充填された薬液をプランジャーを介して押し出すことにより体内に投与する、所謂シリンジポンプ型の薬液投与装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また薬液投与装置では、使用者の体内に穿刺した穿刺針を介して薬液を投与するようになっており、この穿刺針の構造として、従来、金属製の内針とプラスチック製の外針とでなる二重構造の穿刺針が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
この二重構造でなる穿刺針は、金属製の内針をプラスチック製の外針の先端から突出させた状態で使用者の体内に穿刺された後、金属製の内針がプラスチック製の外針から抜き取られ、外針のみを使用者の体内に留置させた状態で、この外針を介して薬液を投与するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−501283号公報
【特許文献2】特開2002−58747号公報
【発明の概要】
【0006】
ところで、使用者の体型には個人差があるため、使用者の体表に貼り付けられて使用される薬液投与装置の場合、薬液の効果を十分に発揮させるには、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、貼り付け面に対する穿刺針の角度、すなわち穿刺角度を調節できることが望ましい。
【0007】
しかしながら、上述したような二重構造の穿刺針を有する従来の薬液投与装置では、穿刺角度が例えば30度というように固定されていて、穿刺角度を調節することができない。ゆえに、使用者の体型によっては、例えば、薬液の効果を十分に発揮させることができず、必ずしも使い勝手が良いとはいえなかった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、使い勝手を向上し得る穿刺装置及び薬液投与装置を提案しようとするものである。
【0009】
かかる課題を解決するため本発明の穿刺装置においては、使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、前記貼付面に対する前記穿刺針の角度を調節する穿刺角度調節機構とを有する。
【0010】
また本発明の薬液投与装置においては、使用者の体表に貼り付けられる貼付面を有する筐体部と、外針と当該外針内に挿入される内針との二重構造でなり、前記貼付面から突出することにより使用者に穿刺される穿刺針と、前記外針内に前記内針の先端部が挿入されている状態の前記穿刺針を前記貼付面から突出させて使用者の体内に穿刺した後、当該穿刺針の内針は体内に留置させたまま、当該穿刺針の外針のみを前記筐体部内に引き戻す穿刺機構と、薬液が貯蔵される薬液貯蔵部と、前記薬液貯蔵部に貯蔵された薬液を前記穿刺針を介して体内に送出する送出部と、前記貼付面に対する前記穿刺針の角度を調節する穿刺角度調節機構とを有する。
【0011】
こうすることで、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、貼付面に対する穿刺針の角度、すなわち穿刺角度を自由に調節することができる。
【0012】
本発明によれば、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、貼付面に対する穿刺針の角度、すなわち穿刺角度を自由に調節することができ、かくして使い勝手を向上し得る穿刺装置及び薬液投与装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、薬液投与装置の構成を示す略線図である。
【図2】図2は、薬液投与装置の分解斜視図である。
【図3】図3は、薬液貯蔵部の構成を示す略線図である。
【図4】図4は、送出部の構成を示す略線図である。
【図5】図5は、押切位置に移動されたピストンの様子を示す略線図である。
【図6】図6は、駆動部の構成(1)を示す略線図である。
【図7】図7は、駆動部の構成(2)を示す略線図である。
【図8】図8は、フィルムを含む送出部及び駆動部の構成を示す略線図である。
【図9】図9は、穿刺機構の構成を示す略線図である。
【図10】図10は、穿刺機構の分解斜視図を示す略線図である。
【図11】図11は、固定部の構成を示す略線図である。
【図12】図12は、ベースの構成を示す略線図である。
【図13】図13は、内針ガイド部の構成を示す略線図である。
【図14】図14は、中心部の構成示す略線図である。
【図15】図15は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
【図16】図16は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
【図17】図17は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
【図18】図18は、穿刺機構の動作の説明にともなう略線図である。
【図19】図19は、穿刺針(外針+内針)の構成を示す略線図である。
【図20】図20は、穿刺角度調節機構の構成を示す略線図である。
【図21】図21は、穿刺角度調節機構の分解斜視図を示す略線図である。
【図22】図22は、穿刺角度調節機構の動作の説明にともなう略線図である。
【図23】図23は、穿刺角度調節機構の動作の説明にともなう略線図である。
【図24】図24は、薬液投与装置の電気的構成を示す略線図である。
【図25】図25は、他の実施の形態におけるセンサ装置の構成を示す略線図である。
【図26】図26は、他の実施の形態における穿刺針の構成を示す略線図である。
【図27】図27は、他の実施の形態における穿刺角度調節機構の構成を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
〔1.薬液投与装置の全体構成〕
図1及び図2に示すように、薬液投与装置1は、使用者の皮膚に貼り付けることにより保持されて使用される携帯型の装置であり、上側が開口し内部に空間が設けられた下筐体部2と該下筐体部2の開口に嵌合する上筐体部3とにより扁平な略直方体形状に形成される。
【0016】
薬液投与装置1の大きさは、使用者の皮膚に貼り付けることができる程度にまで小型化されていればよいが、例えば横32mm、縦44mm、高さ11mmの略直方体形状が挙げられる。
【0017】
下筐体部2には、その底面2Aに、両面テープ等でなる貼付部2Bが設けられている。薬液投与装置1は、この貼付部2Bが使用者の皮膚に貼り付けられることにより該使用者に保持される。つまり、この貼付部2Bが薬液投与装置1を使用者の皮膚に貼り付けるときの貼付面となっている。
【0018】
また薬液投与装置1は、下筐体部2の底面2Aの前端に、内部に充填されたインスリンを使用者の体内へ投与するために該使用者の体内に穿刺される穿刺針(図示せず)を薬液投与装置1内部から突出させるための穿刺針孔2Cが設けられる。
【0019】
尚、この穿刺針は、詳しくは後述するが、例えば、金属製の外針と樹脂製の内針との二重構造でなり、図2に示す薬液投与装置1の内部に設けられた穿刺機構4によって、穿刺針孔2Cから突出して使用者の体内に穿刺された後、内針は体内に留置させたまま外針のみが薬液投与装置1内部に引き戻されるようになっている。
【0020】
またこの穿刺機構4には、押込操作が可能な押込部4Aが設けられていて、この押込部4Aが、上筐体部3の前端に設けられた円形の押込部用開口3Aから薬液投与装置1の外部に突出するようになっている。
【0021】
薬液投与装置1は、この押込部4Aが使用者に押し込まれることにより穿刺機構4が動作して、穿刺針孔2Cから穿刺針を突出させるようになっている。
【0022】
さらに薬液投与装置1の内部には、貼付面と穿刺針との角度、すなわち穿刺角度を所定の範囲内(例えば90度〜30度)で調節可能な穿刺角度調節機構5が設けられている。
【0023】
この穿刺角度調節機構5には、回転操作可能なダイヤル5Aが設けられていて、このダイヤル5Aの上部が、押込部用開口3Aの後方右寄りの位置に設けられた長方形のダイヤル用開口3Bから、薬液投与装置1の外部に突出するようになっている。
【0024】
薬液投与装置1は、このダイヤル5Aが使用者により回転させられることにより穿刺角度調節機構5が動作して、穿刺角度を調節できるようになっている。
【0025】
さらに薬液投与装置1の内部には、図2に示すように薬液貯蔵部6、流路部7、送出部8、駆動部9、基板部10等が設けられる。
【0026】
薬液貯蔵部6は、詳しくは後述するように、円筒形状をした外筒11内に、薬液が外部から充填される。
【0027】
流路部7は、吸込管7A、送出管7B、送出部8に形成される流路22B、23A、24A及び穿刺機構4の穿刺針の内針を含み、薬液貯蔵部6から体内までの薬液が流れる流路を形成する。吸込管7Aは、薬液貯蔵部6と送出部8に形成される流路23Aとを連通させる。送出管7Bは、送出部8に形成される流路24Aと穿刺機構4の穿刺針の内針とを連通させる。
【0028】
送出部8は、詳しくは後述するように、シリンダ部22(図4)の内部空間22A内をピストン21が摺動することにより、薬液貯蔵部6に貯蔵された薬液を流路部7を介して体内に送出する。
【0029】
駆動部9は、CPU131(図24)の制御に基づいてピストン21を駆動し、該ピストン21をシリンダ部22の内部空間22A内で摺動させる。
【0030】
基板部10は、電源電力を供給する電源部134(図24)やCPU131等の回路などが配される。
【0031】
〔2.薬液貯蔵部の構成〕
薬液貯蔵部6は、図3に示すように、円筒形状に形成される外筒11に、開口した端側からピストン12が挿入される。薬液貯蔵部6は、外筒11とピストン12とにより形成される薬液貯蔵空間13に薬液を貯蔵する。
【0032】
外筒11は、円筒形状の本体部11Aの先端に、該先端を塞ぐ先端部11Bが設けられ、本体部11Aと先端部11Bとが一体成形される。
【0033】
先端部11Bは、本体部11Aの軸に沿った方向(以下、これを筒軸方向とも呼ぶ)に対して直交する方向に沿って薬液貯蔵空間13側に接する面(以下、これを内接面とも呼ぶ)11Cの中央に、外部まで貫通された開口を有する中空の突出部11Dが突設される。
【0034】
また先端部11Bは、突出部11Dと連通して該突出部11Dとは反対の方向に接続ポート11Eが突設され、該接続ポート11Eに吸込管7Aが接続される。
【0035】
本体部11Aは、薬液貯蔵空間13と接する内周面における内接面11Cから突出部11Dの長さよりも長い部分が内側に突出した規制部11Fが設けられる。すなわち本体部11Aは、規制部11Fの内径が本体部11Aにおける規制部11F以外の部分の内径より短くなるように形成される。
【0036】
ピストン12は、先端部11Bとは反対側の末端から外筒11に挿入され、本体部11Aの内側面に周方向に沿って当接し、該本体部11Aの筒軸方向に沿って液密に摺動可能に配される。ピストン12は、直径が規制部11Fの内径よりも大きく形成される。
【0037】
薬液貯蔵部6は、ピストン12が最も先端部11B側に位置して規制部11Fに当接した状態で、所定の注入口(図示せず)からバイアルに貯蔵された薬液が薬液貯蔵空間13に注入される。このとき薬液貯蔵部6では、外筒11の内接面11Cとピストン12との間に規制部11Fにより若干の空間が開けられる。
【0038】
薬液貯蔵部6は、薬液が注入されるに連れてピストン12が末端側に移動され、所定量(例えば2ml)だけ薬液が注入される。このとき薬液貯蔵空間13には、予め存在していた気泡がそのまま残ることになる。
【0039】
薬液貯蔵部6は、送出部8により薬液が体内に送出される際、該送出部8による薬液吸引圧力によりピストン12が先端部11B側に移動しながら突出部11D及び接続ポート11Eを介して吸込管7Aに薬液を送出させる。そして薬液貯蔵部6は、ピストン12が突出部11Dに当接するまで薬液を送出させる。
【0040】
ところで薬液貯蔵部6では、薬液貯蔵空間13内に気泡が存在している場合、該気泡の殆どは壁面に付着される。従って薬液貯蔵部6では、ピストン12が移動して薬液が送出される際に、本体部11Aの側面に付着した気泡がピストン12により押されながら移動し、ピストン12が規制部11Fに当接した際に、該ピストン12と内接面11Cとの間に設けられた空間に気泡が溜まるので、外部に気泡が送出されることを防止できる。
【0041】
また薬液貯蔵部6は、突出部11Dが内接面11Cに対して薬液貯蔵空間13側に突設して設けられているので、薬液が送出される際に本体部11Aの側面に付着した気泡が突出部11Dの開口を通して外部に送出されることを防止できる。
【0042】
〔3.送出部の構成〕
送出部8は、図4(A)に示すように、ピストン21、シリンダ部22、蓋部23、24、一方向弁25、26、Xリング27、Xリング固定部28及び固定部材29を含む構成とされる。
【0043】
ピストン21は、例えば直径が1.03mmでなり、駆動部9により駆動されてシリンダ部22に形成された中空の円柱形状に形成された内部空間22A内で所定のストロークで摺動する。ピストン21の材質としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金、アルミ合金、チタン材、ポリプロピレンやポリカーボネートなどの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0044】
シリンダ部22は、一端からピストン21が挿入されて摺動する内部空間22Aが設けられる。またシリンダ部22は、内部空間22Aの他端に接して該内部空間22Aと直交した流路22Bがシリンダ部22の対向する側面間を貫通するようにして設けられる。
【0045】
シリンダ部22は、内部空間22Aにおけるピストン21が挿入される一端に該ピストン21との間で薬液の漏洩を防止するXリング27及び該Xリング27を固定するXリング固定部28が設けられる。
【0046】
Xリング27は、シリンダ部22における内部空間22Aが設けられた面側からシリンダ部22内に挿入され、Xリング固定部28により押え付けられて固定される。Xリング固定部28は、一部がシリンダ部22内に嵌合され、残りの部分が外部に露出するようにしてXリング27を固定する。
【0047】
流路22Bは、図4(B)に示すように、横幅が内部空間22Aの径と同じ長さで、高さが横幅よりも短い長方形の断面に形成される。内部空間22A及び流路22Bの表面には親水性加工が施される。親水性加工として、例えばプラズマ処理や界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)の塗布等が適応される。なお、ピストン21の先端面(上面)にも親水性加工が施されていてもよい。
【0048】
シリンダ部22では、内部空間22Aの径と流路22Bの横幅が同一長さに形成され、内部空間22Aの軸の中心位置と流路22Bの横幅の中心位置が一致するように形成される。
【0049】
シリンダ部22は、流路22Bが形成された側面にそれぞれ蓋部23及び24が固定部材29を介して接続される。蓋部23及び24は、シリンダ部22の流路22Bと対向する位置に、該流路22Bに沿って貫通した流路23A及び24Aが設けられる。
【0050】
蓋部23は、流路23Aの一端がシリンダ部22の流路22Bに接続され、流路23Aの他端が吸込管7Aに接続され、吸込管7Aと流路22Bとを連通させる。
【0051】
蓋部24は、流路24Aの一端がシリンダ部22の流路22Bに接続され、流路24Aの他端が送出管7Bに接続され、流路22Bと送出管7Bとを連通させる。
【0052】
送出部8は、蓋部23の流路23Aとシリンダ部22の流路22Bとの間に一方向弁25が設けられ、シリンダ部22の流路22Bと蓋部24の流路24Aとの間に一方向弁26が設けられる。
【0053】
一方向弁25は、蓋部23の流路23Aからシリンダ部22の流路22Bへ流れる薬液を通過させ、シリンダ部22の流路22Bから蓋部23の流路23Aへは薬液を通過させないものであり、例えばアンブレラ弁が適応される。
【0054】
一方向弁26は、シリンダ部22の流路22Bから蓋部24の流路24ABへ流れる薬液を通過させ、シリンダ部22の流路22Bから蓋部24の流路24Aへは薬液を通過させないものであり、例えばアンブレラ弁が適応される。
【0055】
送出部8は、薬液貯蔵部6から生体内に薬液を送出する際、ピストン21が最も押し込まれる位置(以下、押切位置とも呼ぶ)から最も引き戻される位置(以下、これを引戻位置とも呼ぶ)まで内部空間22A内で駆動部9により移動され、薬液貯蔵部6に貯蔵された薬液を内部空間22A内に吸い出す。
【0056】
そして送出部8は、ピストン21が引戻位置から押切位置に駆動部9により移動されことにより、内部空間22Aに吸い出された薬液を生体内へ送出する。
【0057】
送出部8は、ピストン21を一往復させる動作で約1〜2μLの薬液を使用者の体内に投与でき、この動作を設定された周期及び間隔で繰り返し行うことにより、所望の投与速度及び投与量で薬液を使用者に投与できる。
【0058】
ところで押切位置は、ピストン21の先端が流路22Bの底面(内部空間22Aが接続される面)と同一平面上となる位置又は該位置よりも流路22B内の位置に設定される。すなわち駆動部9は、図5に示すように、ピストン21を押切位置に移動させる際、該ピストン21の先端が流路22Bの底面と同一平面上となる位置又は該位置よりも流路22B内の位置まで移動させる。
【0059】
これにより送出部8は、内部空間22Aに気泡が存在した場合、ピストン21が押切位置に移動する際に内部空間22Aに存在する気泡を該ピストン21の先端面(上面)で流路22B内に押し出すことができるので、その後にピストン21が引戻位置に移動される際に気泡を再び内部空間22A内に引戻す可能性を大幅に減少させることができる。
【0060】
これに対してピストンの先端を流路内まで移動させない装置では、例えば内部空間に接するシリンダ部の側面やピストンの先端面に気泡が付着して内部空間内に存在する気泡がピストンの摺動の際に流路に押し出されないことが起こり得る。
【0061】
この場合、ピストンの移動に応じて変化する内部圧力の変化により気泡が膨張及び収縮を繰り返し、これにより、内部空間に吸い込まれる薬液量が変化してしまい、設定された薬液量を生体内に送出することができなくなる。従ってこのような装置では、精度よく薬液を投与できなくなる恐れがある。
【0062】
これに対して薬液投与装置1は、送出部8においてピストン21が押切位置に移動する際に内部空間22Aに存在する気泡を流路22B内に押し出すので、その後にピストン21が引戻位置に移動される際には内部空間22A内に薬液だけを吸い込むことができる。かくして薬液投与装置1は、精度よく薬液を投与することができる。
【0063】
また薬液投与装置1では、ピストン21の先端面、内部空間22A及び流路22Bの表面に親水性加工が施されているので、より内部空間22A及び流路22Bに気泡が残ってしまうことを防止することができる。
【0064】
〔4.駆動部の構成〕
駆動部9は、図6に示すように、土台部31、モータ32、モータ支持部34、モータ固定板35、固定板支持部36、軸受部37、カップリング38、軸受支持部39を含む構成とされる。
【0065】
駆動部9は、土台部31の上に各部が配される。モータ32は、モータ支持部34と固定板支持部36に支持されるモータ固定板35とにより挟持されて土台部31に固定される。
【0066】
モータ32は、モータ固定板35側の側面から突出するモータ軸33が設けられる。モータ軸33の側面にはネジ溝33Aが形成される。
【0067】
軸受部37は、モータ32の軸方向に沿って細長い略直方体状で内部が中空に形成される。軸受部37は、略直方体状の短辺に相当する側面中央に、モータ32のモータ軸33が貫通して配されてネジ溝33Aと螺合するネジ孔37Aが設けられる。
【0068】
軸受部37は、略直方体状の短辺に相当してネジ孔37Aが設けられた側面と対向する側面にカップリング38を介してピストン21がモータ軸33と同軸上に接続される。また、軸受部37は、軸受支持部39に支持される。なお、カップリング38は、例えば、モータ軸33とピストン21との軸方向のずれを緩衝するものが適応される。
【0069】
駆動部9は、図6及び図7に示すように、モータ32が駆動されることによりモータ軸33が回転し、該回転に応じてモータ軸33に螺合された軸受部37が軸方向に移動してピストン21を軸方向に往復動させる。これにより駆動部9は、ピストン21をシリンダ部22の内部空間22A内で摺動させる。なお図6(A)及び(B)においてはピストン21が引戻位置にあり、図7においてはピストン21が押切位置にある。
【0070】
このように駆動部9は、モータ32のモータ軸33がピストン21と同軸上に配されているので、モータ軸33が回転することにより軸受部37に加えられる力と、該力によりピストン21に加えられる力とが同一方向となり、ピストン21の推力の損失がなくなる。
【0071】
従って駆動部9は、ピストン21をシリンダ部22の内部空間22A内で安定したストローク距離で摺動させることができる。また駆動部9は、ピストン21の推力の損失がなくなることにより、より小さい力でピストン21を駆動することができるので、モータ32やバッテリ等を小さくすることができ、装置全体を小型化することができる。なお、ピストン21の側面には摺動抵抗を減らすためにダイヤモンドライクカーボンがコーティングされていてもよい。
【0072】
一方、ピストンとモータの軸部とが同軸上に配されていない装置では、軸部が回転することにより軸受部に加えられる力と、該力によりピストンに加えられる力とがオフセットすることにより、ピストンの推力の損失が増大すると共に、力のオフセットにより軸受部やピストンの摺動抵抗が増加することになり、ピストンのストロークが安定しないだけでなく、装置全体が大型化してしまう。
【0073】
ところで薬液投与装置1では、図8に示すように、Xリング固定部28とカップリング38との間がチューブ状の柔軟性を有するフィルム40で覆われる。フィルム40の材質としては、例えばポリエチレン等が適応される。
【0074】
フィルム40は、両端が例えばOリングでなるフィルム固定部41及び42によりXリング固定部28及びカップリング38に対してそれぞれ周方向にわたって隙間なく固定される。
【0075】
フィルム40は、柔軟性を有しているので、図8(A)に示すピストン21が引戻位置にある状態から、図8(B)に示すピストン21が押切位置にある状態にわたって常にピストン21を覆った状態を維持することができる。
【0076】
従って薬液投与装置1では、ピストン21をフィルム40外の空気に触れることなくシリンダ部22の内部空間22A内で摺動させることができる。これにより薬液投与装置1は、内部空間22A内に入り込むピストン21の清潔性をより保持することができる。
【0077】
〔5.穿刺機構の構成〕
次に、穿刺機構4の構成について詳しく説明する。穿刺機構4は、図9及び図10に示すように、主として、押込部4Aと、下筐体部2の底面2Aの前端側内部に固定される固定部4Bと、固定部4Bに対して傾動自在に取り付けられるベース4Cと、押込部4Aの押込操作に応じてベース4Cの内側をスライド可能で外針50を有する中心部4Dと、押込部4Aと中心部4Dとを連結して押込部4Aが押し込まれる力を中心部4Dに伝達してスライドさせる連結部4Eと、ベース4Cの後方からベース4Cの内側へと内針51をガイドする内針ガイド部4Fとを有している。
【0078】
尚、詳しくは後述するが、穿刺機構4は、穿刺角度調節機構5によってベース4Cが固定部4Bに対して傾くことで、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺角度を例えば90度〜30度の範囲で調節できるようになっている。
【0079】
この穿刺機構4自体は、穿刺角度が何度であろうと同様の動作をするので、ここでは、穿刺角度が90度の場合、すなわち下筐体部2の貼付面に対して穿刺針(外針50及び内針51)の角度が直角の場合を例に、穿刺機構4について詳しく説明することとする。
【0080】
固定部4Bは、図10及び図11に示すように、下筐体部2の底面2Aと平行で左右方向に長い長方形板状の底部52と、下筐体部2の底面2Aと直交するようにして底部52の左右両端に設けられた、略L字型板状の一対のベース支持部53A及び53Bとで構成される。
【0081】
ベース支持部53A及び53Bは、その側面に、上端から中央に架けて曲線状に延びる孔(これを第1の回転用孔とも呼ぶ)54A及び54Bが設けられている。またベース支持部53A及び53Bの側面には、第1の回転用孔54A及び54Bより前方に、下端から中央に架けて直線状に延びる孔(これを第2の回転用孔とも呼ぶ)55A及び55Bが設けられている。
【0082】
このうち第1の回転用孔54A及び54Bは、後方に膨らんだカーブ形状となっていて、第2の回転用孔55A及び55Bは、第1の回転用孔54A及び54Bより細く、下端より上端の方が後方に位置するよう傾斜した直線形状となっている。
【0083】
さらにベース支持部53A及び53Bの側面には、下端のほぼ中央(第1の溝53の下方)に、円形の孔(これをシャフト用孔とも呼ぶ)56A及び56Bが設けられていて、このシャフト用孔56A及び56Bに、シャフト57が嵌入されている。
【0084】
尚、このシャフト57は、詳しくは後述するが連結部4Eの一部であり、シャフト用孔56A及び56Bに嵌入されたときに、左右の先端部がシャフト用孔56A及び56Bより外側に突出するように、その長さが選定されている。
【0085】
そしてこれらベース支持部53A及び53Bは、それぞれの内側面の下端後部を、底部52が繋ぐようにして底部52と一体成型されている。
【0086】
尚、ベース支持部53A及び53Bの間隔は、ベース4Cの左右の幅とほぼ等しくなっている。
【0087】
ベース4Cは、図10及び図12に示すように、左右と後側の3つの壁部58A、58B、58Cを有している。左側壁部58A及び右側壁部58Bは、後側壁部58Cよりも下方に長く、下端の前部が前後方向に平行な直線状であるのに対して、後部は角を丸めたような曲線状となっている(図15(A)参照)。
【0088】
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bには、それぞれの下端の前部(直線状の部分)を繋ぐようにして板状の底部59が設けられている。
【0089】
ここで、ベース4Cの下端後部には、底部59の後端と、左側壁部58A及び右側壁部58Bの下端の後部(曲線状の部分)と、後側壁部58Cの下端とで、開口60が形成される。
【0090】
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bの側面には、上端中央から下端中央に架けて上下方向に直線状に延びる孔(これをスライド用孔とも呼ぶ)61A及び61Bが設けられている。これらスライド用孔61A及び61Bの役割については後述する。
【0091】
また左側壁部58A及び右側壁部58Bの外側面には、スライド用孔61A及び61Bより後方で、中央やや上方の位置に、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bに嵌合する円柱状の突起部(これを第1の回転用突起部とも呼ぶ)62A及び62Bが突設されている。
【0092】
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bの外側面には、第1の回転用突起部62A及び62Bより下方で、後側壁部58Cの下端よりやや上方の位置に、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bに嵌合する円柱状の突起部(これを第2の回転用突起部とも呼ぶ)63A及び63Bが突設されている。
【0093】
このベース4Cは、固定部4Bのベース支持部53A及び53Bの間に挟まれ、第1の回転用突起部62A及び62Bが固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bに嵌合されると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bに嵌合されることで、固定部4Bに対して傾動自在に取り付けられる。
【0094】
尚、詳しくは後述するが、このベース4Cの第1の回転用突起部62A及び62Bが、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの上端に位置すると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの上端に位置するときに、穿刺角度が最大の90度となるようになっている。
【0095】
また、ベース4Cの第1の回転用突起部62A及び62Bが、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの下端側に移動すると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの下端側に移動するようにして、ベース4Cが後方に倒れるように傾いていくことで、穿刺角度が小さくなっていく。
【0096】
そして、このベース4Cの第1の回転用突起部62A及び62Bが、固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの下端に達すると共に、第2の回転用突起部63A及び63Bが、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの下端に達したときに、穿刺角度が最小の30度となるようになっている。
【0097】
さらにベース4Cの左側壁部58Aの外側面には、上端中央に、穿刺角度調節機構5のダイヤル5Aの孔(後述する)に嵌合する円柱状の突起部(これを第3の回転用突起部とも呼ぶ)64が突設されている。
【0098】
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bのそれぞれの内側面には、後方寄りの位置に、下端から上端まで延在する溝65A及び溝65Bが設けられている。この溝65A及び65Bは、中心部4Dがベース4Cの内壁に沿ってスライドするときのガイドとなる溝であり、以下、これらをガイド溝65A及び65Bと呼ぶ。
【0099】
さらに左側壁部58A及び右側壁部58Bのそれぞれの内側面には、ガイド溝65A及び65Bより前方の下端に凹部66A及び66Bが設けられている。これら凹部66A及び66Bの役割については、後述する。
【0100】
さらに後側壁部58Cの上端中央には、内針ガイド部4Fが嵌合するコの字型の切り欠き67が設けられている。
【0101】
さらに後側壁部58Cの内側面には、下端左寄りの位置に、コイルバネ(後述する)の一端を固定するためのバネ固定部68が突設されている。
【0102】
さらに後側壁部58Cの内側面には、下端中央から切り欠き67のすぐ下の位置(中央上端寄りの位置)まで延在するバネ折返部69(図12)が突設されている。このバネ折返部69は、バネ固定部68に一端が固定されたコイルバネ(図示せず)の他端側を折り返すためのものである。尚、コイルバネについては、詳しくは後述するが、金属製の外針と樹脂製の内針とでなる穿刺針を使用者の体内に穿刺した後、外針のみを薬液投与装置1内に引き戻すためのものである。
【0103】
さらに底部59には、中央やや後方の位置に、下筐体部2の底面2Aに設けられる穿刺針孔2Cと連通する連通孔70が設けられ、さらにこの連通孔70の左右に所定の間隔を隔てて2つの突起部71A及び71Bが突設されている。尚、連通孔70は、後端側が開口したCの字型でなり、開口60と繋がっている。
【0104】
中心部4Dについては詳しくは後述するが、図10に示すように、左右両側面部分に、外側に突する円柱状の突起部72A及び72Bが設けられている。この突起部72A及ぶ72Bを押込用突起部72A及び72Bと呼ぶ。
【0105】
中心部4Dは、この押込用突起部72A及び72Bがベース4Cのスライド用孔61A及び61Bに嵌合されるようにしてベース4Cの内側に嵌入され、ベース4Cの内側を、このスライド用孔61A及び61Bと、ガイド溝65A及び65Bとに沿って上下方向にスライド可能となっている。
【0106】
尚、中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bは、スライド用孔61A及び61Bに嵌合されたときに、左右の先端部が、スライド用孔61A及び61Bから外側に突出するように、その長さが選定されている。この押込用突起部72A及び72Bの役割については後述する。
【0107】
押込部4Aは、図10に示すように、下筐体部2の底面2Aと平行な板状の台座部73と、この台座部73の上面中央に垂設された軸74と、この軸74の上端に設けられたボタン75とで構成される。
【0108】
台座部73は、後端部の左右両端に、後方に突出する突出部73A及び73Bが設けられていて、詳しくは後述するが、この突出部73A及び73Bが連結部4Eに当接するようになっている。
【0109】
尚、この押込部4Aは、図中省略しているが、下筐体部2の底面2Aの前端側内部に突設されたガイド部に沿って、薬液投与装置1の内部を上下方向に移動できるようになっている。
【0110】
連結部4Eは、左右方向に長い長方形板状の基部76と、この基部76の左右両端から基部76に対して直行する方向に延びる一対のアーム77A及び77Bとで構成される。
【0111】
尚、アーム77A及び77Bの間隔は、固定部4Bの左右の幅とほぼ等しくなっている。
【0112】
アーム77A及び77Bは、その先端に、円形の孔78A及び78Bが設けられている。またアーム77A及び77Bは、その付け根部分から中央に架けて直線状に延びる孔79A及び79Bが設けられている。ここで、孔78A及び78Bをシャフト用孔78A及び78Bと呼び、孔79A及び79Bを押込用孔79A及び79Bと呼ぶ。
【0113】
連結部4Eは、アーム77A及び77Bのシャフト用孔78A及び78Bに、固定部4Bのシャフト用孔56A及び56Bに嵌入されているシャフト57の先端部(シャフト用孔56A及び56Bから外側に突出している部分)が固定されることで、固定部4Bに回転自在に取り付けられる。
【0114】
また連結部4Eは、アーム77A及び77Bの押込用孔79A及び79Bに、ベース4Cの内側に嵌入された中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bの先端部(ベース4Cのスライド用孔61A及び61Bから外側に突出している部分)が嵌合される。
【0115】
さらにこのとき連結部4Eは、押込部4Aの台座部73の下に、基部76が位置するようになっていて、基部76の上面の左右両端部分に押込部4Aの突出部73A及び73Bが当接する。
【0116】
このように、連結部4Eは、ベース4Cに嵌入されている中心部4Dと、押込部4Aとの両方に接続されるようになっていて、この連結部4Eを介して、中心部4Dと押込部4Aとが連結される。
【0117】
そして実際、連結部4Eは、押込部4Aが押し込まれて下方にスライドすると、基部76が下方に押されることで、シャフト57を回転軸として、基部76を下げるように回転する。
【0118】
このときベース4Cのスライド用孔61A及び61Bと、アーム77A及び77Bの押込用孔79A及び79Bとの両方に嵌合されている中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bは、連結部4Eが回転することにともなって、押込用孔79A及び79B内を先端側にスライドしながらスライド用孔61A及び61B内を下方にスライドする。この結果、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドすることになる。
【0119】
このように、連結部4Eは、押込部4Aが押し込まれる力により回転することで、この力を中心部4Dに伝達して中心部4Dをスライドさせるようになっている。
【0120】
内針ガイド部4Fは、図10及び図13に示すように、前後方向に延材する略柱状のガイド部80と、このガイド部80下面の中央より前方寄りの位置に突設された板状の支持部81とで構成される。
【0121】
ガイド部80は、その内部に、前後方向に延在する通路82が設けられている。またこのガイド部80は、下面の前端部が下方に折り曲げられた形状であり、この折り曲げられた部分の前方に、通路82と繋がる下向きの開口83が設けられている。さらにガイド部80は、後面に、通路82と繋がる後ろ向きの開口84が設けられている。
【0122】
ここで、前側の開口83を前側開口83と呼び、後側の開口84を後側開口84と呼ぶ。
【0123】
この内針ガイド部4Fは、ガイド部80の前端部分がベース4Cの後側壁部58Cより前方に突出した状態で、ガイド部80がベース4Cの切り欠き67に嵌合されることで、ベース4Cに取り付けられる。
【0124】
このとき、内針ガイド部4Fの支持部81は、ベース4Cの後側壁部58Cの外側面に当接するようになっていて、これによりガイド部80を、後側壁部58Cと直交するように支持する。
【0125】
また、内針ガイド部4Fは、このようにベース4Cに取り付けられたときに、前側開口83が、後側壁部58Cより前方に位置すると共にベース4Cに取り付けられた中心部4Dの外針50の真上に位置するようになっている。
【0126】
内針ガイド部4Fの通路82は、後側開口84から前端近傍までの部分が直線状で、それより先の前側開口83までの部分が滑らかなカーブを描いて下方に曲がる曲線状となっている。
【0127】
またこの通路82は、中央より前側の部分となる前側通路85と、中央より後側の部分となる後側通路86とでなり、後側通路86が1つの通路であるのに対して、前側通路85は、上下2つの通路85A及び85Bに分かれている。
【0128】
ここで、前側通路85の上側の通路85Aを上側通路85Aと呼び、下側の通路85Bを下側通路85Bと呼ぶこととする。これら、上側通路85A及び下側通路85Bは、先端が前側開口83と繋がっていて、後端が後側通路86と繋がっている。
【0129】
このうち上側通路85Aは、内針51が通る通路であり、下側通路85Bより太い通路となっている。
【0130】
内針51は、後側通路86及び上側通路85A内を通り、上側通路85Aの前端で下方に折り曲げられて前側開口83から下方に延び、中心部4Dの外針50内に挿入されるようになっている。
【0131】
さらにこの通路82内には、後側通路86内をスライド可能で、内針51の後端と、薬液貯蔵部6に接続される送出管7Bの前端とを繋げて固定するスライド部87が設けられている。
【0132】
実際、このスライド部87が内針ガイド部4Fの後側通路86内を前方にスライドすると、内針51は、これにともなって通路82内を前方に移動し、前側開口83から下方に押し出されるようになっている。
【0133】
尚、このスライド部87は、その前端が、上側通路85Aと下側通路85Bとの間の境界部88の後端に当接すると、それ以上前方にスライドできないようになっている。
【0134】
さらにこのスライド部87は、その下端に、金属製又は樹脂製のベルトでなるベルト部89の後端が固定されている。
【0135】
このベルト部89は、後側通路86及び下側通路85B内を通り、下側通路85Bの前端で下方に折り曲げられて前側開口83から下方に延び、その先端が中心部4Dに固定されている。
【0136】
中心部4Dとスライド部87は、このベルト部89により連結されていて、これにより、スライド部87が、中心部4Dのスライドに連動してスライドするようになっている。
【0137】
実際、押込部4Aに対する押し込み操作により中心部4Dが下方にスライドすると、ベルト部89によりスライド部87が前方にスライドさせられ、内針51も移動する。
【0138】
このように、ベルト部89とスライド部87は、押込部4Aに対する押し込み操作による中心部4Dのスライドにともなって、内針51を牽引する内針牽引部90として機能する。
【0139】
これにより、中心部4Dが下方にスライドすると、中心部4Dの一部である外針50と、先端がこの外針50内に挿入されている内針51とが共に移動する。
【0140】
また、内針ガイド部4Fは、図10に示すように、その左側面の所定位置に円柱状の突起部(これを回転用突起部とも呼ぶ)91が突設されている。この回転用突起部91の役割については後述する。さらに、内針ガイド部4Fは、その右側面の前側が取り外し可能となっていて、この部分を取り外すことで内部を容易に確認できるようにもなっている。
【0141】
また、この内針ガイド部4Fによりガイドされる内針51は、中心部4Dの外針50に挿入されている部分より後端側の部分が、上側通路85A内に挿入可能で且つ内針51の外径より大きい内径を有する管状の内針屈曲防止部92内に挿入されるようにもなっている。
【0142】
この内針屈曲防止部92は、詳しくは後述するが、中心部4Dと内針ガイド部4Fの前側開口83との間で、内針51が屈曲してしまうことを防止する樹脂製の部材となっている。
【0143】
ここで、中心部4Dについてより詳しく説明する。図14に示すように、中心部4Dは、主として、穿刺針の外針50を有する外針スライド部100と、外針スライド部100を固定又は解除するスライド固定・解除部101とを有している。
【0144】
外針スライド部100は、スライド固定・解除部101の上に重ねられるようになっていて、前部が四角形板状、後部が後方に開口する略コの字型でなり、後部の左右両側面部分がそれぞれ上方に延びた形状となっている。
【0145】
また外針スライド部100は、後端面の下部が、角を切り取ったように傾斜した傾斜面となっている。
【0146】
さらにこの外針スライド部100は、後側の左右両側面部分に凸部102A及び102Bが形成されている。
【0147】
凸部102A及び102Bのそれぞれは、ベース4Cのガイド溝65A及び65Bに嵌合される部分であり、これにより外針スライド部100は、ベース4Cのガイド溝65A及び65Bに沿って上下方向にスライドできるようになっている。
【0148】
また外針スライド部100には、底面中央に、外針50より太くベース4Cの底部59に設けられた連通孔70とほぼ同径の筒状の突起部103が下方に向かって突設されている。
【0149】
そしてこの突起部103の下端から、金属製の外針50が下方に向かって延びている。この外針50は中空の管状針となっていて、例えば、長さ8mm、外径0.4mm、内径0.2mmのサイズである。
【0150】
さらにこの外針スライド部100の上面中央部分には凹部104が設けられ、この凹部104の中央に、外針50と連通する連通孔105が設けられている。
【0151】
この連通孔105を介して、内針ガイド部4Fの前側開口83から下方に延びる内針51が、外針50内に挿入されるようになっている。
【0152】
さらにこの凹部104に、上述の内針屈曲防止部92の先端が取り付けられている。これにより、内針51は、外針50内に挿入されている部分より後端側の部分が、この内針屈曲防止部92内に挿入されることになる。
【0153】
このような構成でなる外針スライド部100は、ベース4Cの内側を、ベース4Cの上端に取り付けられた内針ガイド部4Fと、底部59との間で、上下方向にスライド可能となっている。
【0154】
実際、この外針スライド部100は、最も上方に位置するときには、図15(A)に示すように、内針ガイド部4Fの前側開口83の直下に、連通孔105が位置する。
【0155】
このとき内針屈曲防止部92は、ほぼ半分が内針ガイド部4Fの上側通路85A内に収まった状態となる。
【0156】
さらに、この外針スライド部100は、最も下方に位置するときには、図16(A)に示すように、突起部103が、ベース4Cの底部59の連通孔70に嵌入する。
【0157】
このとき、突起部103は、その先端部がわずかに連通孔70から下方に突出するようになっている。
【0158】
またこのとき、内針屈曲防止部92は、その後端部が、内針ガイド部4Fの上側通路85A内の前端部に残され、残りの部分が、上側通路85A外に露出した状態となる。
【0159】
一方、スライド固定・解除部101は、図14に示すように、前側が略T字型、後側が後方に開口する略コの字型の板状となっている。
【0160】
このスライド固定・解除部101は、後部の所定位置に、上述した内針牽引部90のベルト部89の先端が固定されている。すなわち、スライド固定・解除部101は、内針牽引部90と固定されている。
【0161】
またこのスライド固定・解除部101には、中央部分に、外針スライド部100の底面に設けられた突起部103及び外針50を通すための上下方向に貫通する貫通孔106が設けられている。
【0162】
さらにこのスライド固定・解除部101は、左右両側面の前方寄りの位置に凹部107A及び107Bが形成され、左右両側面の中央部分に上述した押込用突起部72A及び72Bが形成されている。
【0163】
さらに左右の凹部107A及び107Bのそれぞれには、断面コの字型のストッパレバー108A及び108Bが内部開口を対向させるようにして回転自在に取り付けられている。
【0164】
具体的に、ストッパレバー108A及び108Bのそれぞれは、下側爪部109A及び109Bが、シャフト(図示せず)を介して凹部107A及び107Bのそれぞれに枢支されている。
【0165】
これにより、ストッパレバー108A及び108Bは、シャフト(図示せず)を軸に、上側爪部110A及び110Bを近づける方向及び遠ざける方向に回転することができる。
【0166】
尚、ここでは、上側爪部110A及び110Bを近づける方向に回転することを、ストッパレバー108A及び108Bが閉じるとし、遠ざける方向に回転することを、ストッパレバー108A及び108Bが開くとする。
【0167】
ストッパレバー108A及び108Bは、閉じたときに、上側爪部110A及び110Bが、スライド固定・解除部101の上面より所定長だけ上方に位置するようになっている。
【0168】
またストッパレバー108A及び108Bは、閉じたときに、スライド固定・解除部101の左右両側面と段差無く収まるようになっている。
【0169】
さらにスライド固定・解除部101の厚さは、外針スライド部100の突起部103の突出量より薄く形成されていて、これにより、重ねられたときに、この突起部103の先端部が外針50と共に、スライド固定・解除部101の貫通孔106より下方に突出するようになっている。
【0170】
この下方に突出した突起部103の先端部が、ベース4Cの底部59の連通孔70に嵌入される部分となる。
【0171】
さらに、このように、スライド固定・解除部101の上に外針スライド部100を重ねた状態で、左右のストッパレバー108A及び108Bを閉じると、図15(B)に示すように、左右のストッパレバー108A及び108Bの上側爪部110A及び110Bとスライド固定・解除部101の上面との間に、外針スライド部100が挟み込まれることで、スライド固定・解除部101に外針スライド部100が固定される。
【0172】
さらにこの状態から、図16(B)に示すように、左右のストッパレバー108A及び108Bが開くと、スライド固定・解除部101と外針スライド部100との固定が解除されるようになっている。
【0173】
さらにこのスライド固定・解除部101も、後端面が、下側の角を切り取ったように傾斜した傾斜面となっている。
【0174】
このような構成でなる中心部4Dは、スライド固定・解除部101の上に外針スライド部100を重ね、外針スライド部100の外針50内に内針51を挿入した状態で、ベース4Cの内側のガイド溝65A及び65Bに、外針スライド部100の凸部102A及び102Bを嵌合させると共に、ベース4Cのスライド用孔61A及び61Bにスライド固定・解除部101の押込用突起部72A及び72Bを嵌合させることで、ベース4Cの内側に嵌入される。
【0175】
この中心部4Dは、図15(A)に示したように、初期位置としてベース4Cの内側上端に配置される。
【0176】
このとき、中心部4Dは、外針スライド部100の連通孔105が、内針ガイド部4Fの前側開口83の直下に位置していて、内針ガイド部4Fにより下方に折り曲げられた内針51の先端部が、この連通孔105を介して外針50内に挿入されている。
【0177】
またこのとき、外針50の全体が薬液投与装置1内に収納されている一方で、押込部4Aの薬液投与装置1からの突出量は最大となっている。
【0178】
さらにこのとき中心部4Dは、ベース4Cの左側壁部58A及び右側壁部58Bによって左右のストッパレバー108A及び108Bが内側に押圧されることにより、図15(B)に示すように、ストッパレバー108A及び108Bが閉じた状態となっている。
【0179】
すなわち、このとき中心部4Dは、スライド固定・解除部101に外針スライド部100を固定している。
【0180】
さらにこの初期位置に在るとき、中心部4Dは、図17(A)に示すように、ベース4Cの後側壁部58Cに設けられたバネ折返部69の上端前方に位置するようになっている。
【0181】
ここで、ベース4Cの後側壁部58Cの左寄りの下端に設けられたバネ固定部68に一端を固定されたコイルバネ111は、他端側がバネ折返部69により下方に折り曲げられJ字型となった状態で、他端を外針スライド部100の後部右寄りの所定位置に固定されるようになっている。
【0182】
このときのコイルバネ111は、伸縮していない自然長の状態である。そして、この状態から、使用者が押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいくとする。
【0183】
すると、図17(B)に示すように、押込部4Aを押し込む力が、連結部4Eを介して中心部4Dに伝えられることで、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドしていく。またこのとき中心部4Dの外針スライド部100が下方にスライドしていくことにともなって、J字型からU字型へと変形するようにしてコイルバネ111全体が伸びていくようになっている。
【0184】
〔6.穿刺機構の動作〕
ここで、実際に、穿刺針である外針50と内針51を使用者の体内に穿刺するときの穿刺機構4の動作について詳しく説明する。尚、ここでも、穿刺角度が90度の場合を例に説明する。
【0185】
穿刺機構4は、まず図15(A)に示したように、中心部4Dが初期位置にセットされていて、外針50の全体が薬液投与装置1内に収納されていると共に、押込部4Aの薬液投与装置1からの突出量が最大となっている。
【0186】
このとき、中心部4Dは、図15(B)に示したように、左右のストッパレバー108A及び108Bが閉じていて、スライド固定・解除部101に外針スライド部100を固定した状態となっている。
【0187】
またこのとき、内針51は、図19(A)に示すように、その先端が外針50の先端とほぼ同位置で且つ外針50の先端から突出しない位置を保つようにして外針50の内側に保持される。
【0188】
ここで、使用者が薬液投与装置1を身体の所定位置に貼り付けた後、押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいく。
【0189】
すると、押込部4Aを下方に押す力が連結部4Eを介して、中心部4Dを下方にスライドさせる力として中心部4Dに伝えられることで、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドすることになる。
【0190】
このように中心部4Dが下方にスライドすると、これにともなって、この中心部4Dのスライド固定・解除部101に固定されたベルト部89が、内針ガイド部4F内のスライド部87を前方にスライドさせることで、内針51を牽引する。
【0191】
これにより、内針51は、その先端が外針50の先端とほぼ同位置で且つ外針50の先端から突出しない位置を保ったまま、確実に、外針50と共に移動する。
【0192】
また、このようにして中心部4Dが下方にスライドすると、内針ガイド部4Fと中心部4Dとの間隔が広がり、この範囲で内針51が内針ガイド部4Fの外に露出することになる。
【0193】
ここで、内針51全体のうち、内針ガイド部4Fと中心部4Dとの間に位置する部分は、ガイドするものがなければ、中心部4Dのスライドにともなって屈曲してしまう恐れがある。
【0194】
そこで、本実施の形態の穿刺機構4では、この部分が内針屈曲防止部92内に挿入されることで保護されるようになっている。
【0195】
換言すれば、この内針屈曲防止部92は、内針51全体のうち、内針ガイド部4Fと中心部4Dとの間に位置する部分をガイドするようになっていて、これにより、この部分が屈曲してしまうことを防ぐようになっている。
【0196】
さらに、このようにして中心部4Dが下方にスライドする間、図17(B)に示すように、中心部4Dの外針スライド部100に他端が固定されたコイルバネ111が伸びていく。
【0197】
ここで、中心部4Dの外針50は、内針51を内側に保持したまま、下方にスライドして、ベース4Cの底部59の連通孔70を通り穿刺針孔2Cから突出することで、内針51と共に使用者の体内に穿刺される。
【0198】
さらに押込部4Aが押し込まれて、図16(A)及び図17(C)に示すように、押込部4Aの軸74全体が薬液投与装置1内に収納されると、このとき押込部4Aは、薬液投与装置1から突出している部分がボタン75のみとなり突出量が最小となる。
【0199】
このようにして押込部4Aが最後まで押し込まれると、このとき中心部4Dは、ベース4Cの下端に到達する。このとき、穿刺針である外針50と内針51は、図19(B)に示すように、使用者の体内に最も深く穿刺される。尚、薬液投与装置1では、使用者の体内に穿刺される部分の長さが例えば7mmとなるように設計されている。
【0200】
またこのとき、中心部4Dのストッパレバー108A及び108Bの外側に、左側壁部58A及び58Bの下端に設けられた凹部66A及び66Bが位置する。これにより、ストッパレバー108A及び108Bは、内側に押圧されなくなり、開くことができる状態となる。
【0201】
そしてこのとき、ベース4Cの底部59に設けられた2つの突起部71A及び71Bが、ストッパレバー108A及び108Bのそれぞれの下側爪部109A及び109Bの先端部に当接して下側爪部109A及び109Bの先端部を押し上げることにより、ストッパレバー108A及び108Bが外側に回転して開く。
【0202】
この結果、図16(B)に示すように、中心部4Dのスライド固定・解除部101と外針スライド部100の固定が解除される。
【0203】
つまり、ベース4Cの底部59に設けられた2つの突起部71A及び71Bは、ストッパレバー108A及び108Bと当接することで、ストッパレバー108A及び108Bによるスライド固定・解除部101と外針スライド部100の固定を解除する解除部として機能する。
【0204】
このようにして固定が解除されると、外針スライド部100は、コイルバネ111の復元力により、図17(D)及び図18(A)、(B)に示すように、上方にスライドして元の位置に戻る。
【0205】
これにより、外針50の全体が使用者の体内から引き抜かれて薬液投与装置1内に収納される。このとき、内針51については、スライド固定・解除部101と固定されている内針牽引部90により位置が保持されることで、図19(C)に示すように、そのまま使用者の体内に留置する。
【0206】
また、このようにして、外針スライド部100が上方にスライドする場合も、内針51全体のうち、少なくとも、内針ガイド部4Fと外針スライド部100の間に位置する部分は、内針屈曲防止部92に覆われ、ガイドされる。
【0207】
これにより、この部分が、外針スライド部100のスライドにともなって、屈曲してしまうことを防ぐようになっている。
【0208】
また、このように、内針51が内針ガイド部4Fと外針スライド部100との間で屈曲してしまうことを防ぐことにより、内針51が使用者の体内から抜けてしまったり、使用者の体内に留置する部分が短くなってしまったりすることを防ぐこともできる。つまり、より確実に内針51を使用者の体内に穿刺することができると言える。
【0209】
このように穿刺機構4は、押込部4Aの押し込み操作に応じて、使用者の体内に外針50と共に内針51を穿刺し、中心部4Dがベース4Cの下端に到達するまで押込部4Aが押し込まれると、すなわち押込部4Aが最後まで押し込まれると、内針51を体内に留置させたまま、外針50のみを引き戻すようになっている。
【0210】
ここまで説明したように、薬液投与装置1は、使用者により押込部4Aが押し込まれると、外針50を有する中心部4Dが下方にスライドすると共に、中心部4Dに固定された内針牽引部90が内針51を牽引することで、外針50と、この外針50内に挿入された内針51とを、薬液投与装置1から突出させて、使用者の体内に穿刺する。
【0211】
そして、薬液投与装置1は、押込部4Aが最後まで押し込まれると、中心部4Dのストッパレバー108A及び108Bが開き、中心部4Dの外針スライド部100のみをコイルバネ111の復元力により元の位置に戻すことで、内針51を使用者の体内に留置させたまま、外針50のみを薬液投与装置1内に引き戻す。
【0212】
その後、薬液投与装置1は、薬液貯蔵部6に貯蔵されている薬液を、送出部8により、内針51を介して使用者の体内に投与する。
【0213】
このように、薬液投与装置1は、二重構造でなる穿刺針の内針51を留置針とすることで、外針50を留置針とする従来の穿刺針と比して、留置針の径を容易に小さくすることができる。
【0214】
すなわち、薬液投与装置1は、使用者の体内に留置する部分である留置針としての内針51を細くでき、これにより使用者に対する負担を軽減することができる。
【0215】
因みに、樹脂材料でなる内針51は、肉薄管での製造が可能であり、同じ外径の金属針と比較して内径を大きくすることができる。
【0216】
また薬液投与装置1は、押込部4Aに対する押し込み操作のみで、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺から外針50の引き戻しまでを一度に行うことができる。
【0217】
またこのように薬液投与装置1の穿刺機構4は、使用者の押し込み操作のみで動作するので、モータなどの駆動部を必要とせず、構成を簡易化でき、容易に小型化することができる。
【0218】
さらに薬液投与装置1は、穿刺時に、押込部4Aの押し込みによる外針スライド部100のスライドにともなって、外針スライド部100に固定された内針牽引部90により内針51を牽引するようにしたことで、内針51を外針50と共に確実に移動させることができる。
【0219】
これにより、例えば、外針50のみが移動して、外針50のみが使用者の体内に穿刺されるような状況を防ぎ、外針50と共に内針51を確実に使用者の体内に穿刺することができる。
【0220】
さらに薬液投与装置1は、押込部4Aが最後まで押し込まれると、全体として突起部分の少ないコンパクトなサイズとなり、携帯時の利便性を向上させるようにもなっている。
【0221】
〔7.穿刺角度調節機構の構成〕
次に、穿刺角度調節機構5の構成について詳しく説明する。穿刺角度調節機構5は、上述したように、穿刺機構4のベース4Cを固定部4Bに対して傾動させる(傾きを変えるように動かす)ことで、ベース4Cから突出する穿刺針の外針50の穿刺角度を90度〜30度の範囲で調節可能とする機構である。
【0222】
この穿刺角度調節機構5は、図20及び図21に示すように、主として、穿刺機構4(押込部4A、固定部4Bと、ベース4Cと、中心部4D、連結部4Eと、内針ガイド部4F)と、ダイヤル5Aと、ベース4Cと共に内針ガイド部4Fが傾動するときのガイドとなる回転ガイド部120とを有している。尚、穿刺機構4の構成については上述したので、ここでは説明を省略する。
【0223】
ダイヤル5Aは、図21に示すように、略円盤状でなり、円形の一側面の中心と、その反対側の他側面の中心とに、ダイヤル5Aの回転軸となる円柱状の突起部121A及び121Bが突設されている。またダイヤル5Aの側面には、中心近傍から周側面近傍に架けて半径方向に延びる孔(これを回転用孔とも呼ぶ)122が設けられている。
【0224】
さらにダイヤル5Aの周側面には、ダイヤル5Aの厚さ方向と平行な溝123が所定間隔ごとに刻まれている。
【0225】
下筐体部2の底面2Aの前端側内部には、固定部4Bの左側近傍に左右に所定の間隔を隔てて一対の板状のダイヤル支持台124A及び124Bが突設されている。このダイヤル支持台124A及び124Bの上端部には軸孔125A及び125Bが設けられている。
【0226】
ダイヤル5Aは、このダイヤル支持台124A及び124Bの間に挟みこまれると共に、軸孔125A及び125Bに突起部121A及び121Bが嵌合することで、ダイヤル支持台124A及び124Bに対して回転自在に支持される。
【0227】
またこのときダイヤル5Aは、固定部4Bに回転自在に支持されているベース4Cの左側壁部58Aに設けられた第3の回転用突起部64が、回転用孔122に嵌合するようになっている。
【0228】
このように、ダイヤル5Aの回転用孔122に、ベース4Cの第3の回転用突起部64が嵌合していることで、ダイヤル5Aを回転させると、これにともなってベース4Cも回転する。
【0229】
さらに下筐体部2の底面2Aの前端側内部には、ダイヤル支持台124A及び124Bの後方に、柱状の弾性部材でなる回転保持部126が突設されている。この回転保持部126は、その上端部に、前方(ダイヤル5A側)に突する爪部126Aが設けられていて、この爪部126Aの先端が、ダイヤル支持台124A及び124Bに支持されているダイヤル5Aの周側面に設けられた溝123に嵌合するようになっている。
【0230】
このように、ダイヤル5Aの溝123に、回転保持部126の爪部126Aが嵌合することで、ダイヤル5Aの回転位置が保持されるようになっている。
【0231】
さらに、このダイヤル5Aを回転させると、弾性部材でなる爪部126Aが、ダイヤル5Aの溝123から外れ、次の溝123に嵌合するという一連の動作が繰り返される。
【0232】
これにより、ダイヤル5Aを回転させている使用者に対して、ダイヤル5Aを所定角度回転させるごとに「カチッ」というクリック感を与えることができる。
【0233】
尚、ダイヤル5Aの周側面に例えば5度刻みで溝123を設けるようにすると、回転保持部126は、ダイヤル5Aを5度単位で保持することができ、また5度刻みでクリック感を使用者に与えることができる。
【0234】
回転ガイド部120は、前後方向に平行な板状でなり、下筐体部2の底面2Aの前端側内部の、固定部4Bの後方左寄りの位置に突設されている。
【0235】
この回転ガイド部120は、その側面に、上端から中央に架けて曲線状に延びる孔(これを回転用孔とも呼ぶ)127が設けられている。この回転用孔127は、後方に膨らんだカーブ形状となっている。
【0236】
回転ガイド部120は、この回転用孔127に、内針ガイド部4Fの左側面に突設された回転用突起部91が嵌合されるようになっていて、この回転用孔127内を回転用突起部91がスライドすることで、内針ガイド部4Fの回転がガイドされるようになっている。
【0237】
このような構成でなる穿刺角度調節機構5は、ダイヤル5Aの回転にともなって、固定部4Bに傾動自在に支持されているベース4Cを傾けることで、穿刺角度を調節する。
【0238】
具体的には、ベース4Cの上下方向(すなわち中心部4Dのスライド方向)と下筐体部2の底面2Aとの角度が90度のときの穿刺角度を90度とし、またベース4Cの上下方向(中心部4Dのスライド方向)と下筐体部2の底面2Aとの角度が30度のときの穿刺角度30度として、この範囲内でベース4Cを傾けることで、穿刺角度を90度〜30度の範囲で自由に調節できるようになっている。
【0239】
〔8.穿刺角度調節機構の動作〕
ここで、実際に穿刺角度を調節するときの穿刺角度調節機構5の動作について、穿刺機構4の動作も交えながら詳しく説明する。
【0240】
穿刺角度調節機構5は、図22(A)に示すように、例えば、初期角度として穿刺角度が90度にセットされている。
【0241】
ここで、使用者が、このまま薬液投与装置1を身体の所定位置に貼り付けた後、押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいくとする。
【0242】
すると、図22(A)及び(B)に示すように穿刺機構4が動作することで、穿刺角度90度で穿刺針(外針50及び内針51)が使用者の体内に穿刺される。そして、押込部4Aが最後まで押し込まれると、穿刺機構4により内針51を使用者の体内に留置させたまま外針50が薬液投与装置1内へ引き戻される。尚、このときの穿刺機構4の動作の詳細については、上述したので説明を省略する。
【0243】
一方で、使用者が、例えば、穿刺角度が45度となるまで、ダイヤル5Aを回転操作するとする。
【0244】
すると、図23(A)に示すように、ダイヤル5Aの回転にともなって、ベース4Cが固定部4Bに対して傾く。
【0245】
具体的に、ベース4Cは、固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bに嵌合されている第2の回転用突起部63A及び63Bを回転軸として後方に倒れるように傾いていく。
【0246】
このとき、ベース4Cは、第2の回転用突起部63A及び63Bを固定部4Bの第2の回転用孔55A及び55Bの上端から下端に向かってスライドさせながら、つまり回転軸を第2の回転用孔55A及び55Bに沿って前方ななめ下に移動させながら回転することで傾いていく。
【0247】
またこのとき、ベース4Cは、第1の回転用突起部62A及び62Bを固定部4Bの第1の回転用孔54A及び54Bの上端から下端に向かってスライドさせながら、つまり第1の回転用孔54A及び54Bに傾き方向をガイドされるようにして傾いていく。
【0248】
このように、ベース4Cは、回転軸を前方ななめ下に移動させながら、すなわち下筐体部2の底面2Aに近づけながら、後方に倒れるようにして傾いていく。
【0249】
尚、ダイヤル5Aの回転にともなって、ベース4Cの第3の回転用突起部64がダイヤル5Aの回転用孔122の周側面側から中心に向かってスライドする。これにより、回転軸固定で回転するダイヤル5Aの回転を、回転軸を移動させながら回転して傾いていくベース4Cにスムーズに伝達できるようになっている。
【0250】
また、ベース4Cは、下端後部が角を丸めたような曲線状となっていることで、後方に倒れるように傾いていくときに、この下端後部が下筐体部2の底面2Aに引っ掛かることなくスムーズに傾くことができるようにもなっている。
【0251】
またこのようにベース4Cが傾くことにともなって、内針ガイド部4Fも傾いていく。すなわち内針ガイド部4Fは、ベース4Cが後方に倒れるように傾くことにともなって、後方に倒れるように傾いていく。
【0252】
実際、内針ガイド部4Fは、スライド部87が内針牽引部90のベルト部89を介して、ベース4Cの内側に嵌入されている中心部4Dと固定されていることにより、ベース4Cの傾きにともなって傾いていく。
【0253】
またこのとき、内針ガイド部4Fは、回転用突起部91を回転ガイド部120の回転用孔127の上端から下端に向かってスライドさせながら、つまり回転用孔127に傾き方向をガイドされるようにして傾いていく。
【0254】
このように、内針ガイド部4Fは、常にベース4Cとの位置関係を保った状態で傾いていくようになっている。
【0255】
このようにしてベース4C及び内針ガイド部4Fが傾いていき、ベース4C及び内針ガイド部4Fが、中心部4Dのスライド方向と下筐体部2の底面2Aとの角度が45度となるまで傾く。
【0256】
この結果、下筐体部2の底面2Aと中心部4Dのスライド方向、すなわち貼付面と穿刺針(外針50及び内針51)の角度である穿刺角度が45度となる。
【0257】
このようにして穿刺角度が45度となるまでダイヤル5Aを回転させた後、使用者がダイヤル5Aの回転操作を終了すると、回転保持部126によりダイヤル5Aがこの回転位置で保持されることによりベース4Cの傾きが保持され、これにより、穿刺角度が45度で保持される。
【0258】
また、このようにしてベース4Cが傾いている間、ベース4Cの内側に嵌入されている中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが、ベース4Cの傾きにともなって後方ななめ下に移動することになる。
【0259】
ここで、中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが嵌合する連結部4Eには、この押込用突起部72A及び72Bの移動経路に沿うようにして押込用孔79A及び79Bが設けられている。
【0260】
これにより、ベース4Cの傾きにともなって中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが移動しても、このとき、中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bが連結部4Eの押込用孔79A及び79B内を移動するだけであり、連結部4E自体は回転しない。
【0261】
このように、穿刺角度調節機構5では、穿刺角度が変更されても、連結部4Eの位置は変わらないようになっていて、これにより、穿刺角度によらず、常に連結部4Eが押込部4Aの台座部73と当接するようになっている。
【0262】
ここで、穿刺角度を45度に調節した薬液投与装置1を使用者が身体の所定位置に貼り付けた後、押込部4Aを薬液投与装置1内に押し込んでいくとする。
【0263】
すると、図23(B)に示すように、押込部4Aを下方に押す力が連結部4Eを介して、中心部4Dを前方ななめ下にスライド(下筐体部2の底面2Aに対して45度の角度でスライド)させる力として中心部4Dに伝えられることで、中心部4Dが前方ななめ下にスライドすることになる。
【0264】
ここで、中心部4Dの外針50は、内針51を内側に保持したまま、下筐体部2の底面2Aに対して45度の角度でスライドして、ベース4Cの底部59の連通孔70を通り穿刺針孔2Cから突出することで、内針51と共に使用者の体内に穿刺角度45度で穿刺される。
【0265】
尚、この穿刺角度調節機構5では、穿刺角度が小さくなるほど、穿刺針の底面2Aからの突出位置が、底面2Aの前方寄りとなるため、これに合わせて穿刺針孔2Cが前後方向に長く形成されている。
【0266】
そして、押込部4Aが最後まで押し込まれると、このとき中心部4Dは、ベース4Cの下端に到達する。このとき、穿刺針である外針50と内針51は、使用者の体内に最も深く穿刺される。
【0267】
尚、中心部4Dは、図16(A)に示したように後端部が角を切り取ったように傾斜していることで、ベース4Cが後方に倒れている状態でも、ベース4Cの下端まで確実にスライドできるようになっている。
【0268】
このようにして押込部4Aが最後まで押し込まれると、穿刺機構4により、内針51が使用者の体内に留置させたまま外針50が薬液投与装置1内へ引き戻される。
【0269】
また、ここでは、穿刺角度が45度になるまでダイヤル5Aを回転させたが、穿刺角度調節機構5では、さらに同方向にダイヤル5Aを回転させることで、穿刺角度を30度まで小さくできるようにもなっている。
【0270】
このように、薬液投与装置1は、穿刺角度調節機構5により穿刺角度を90度〜30度の範囲で自由に調節でき、また穿刺角度が変わっても、押込部4Aの押し込み方向を変えることなく、常に同じ操作で、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺から外針50の引き戻しまでを行うことができる。
【0271】
ここまで説明したように、薬液投与装置1は、使用者によりダイヤル5Aが回転させられると、固定部4Bに対してベース4Cを傾動させることで、穿刺角度を調節できるようになっている。
【0272】
これにより、薬液投与装置1は、使用者の体格、皮下の厚みなどに応じて、穿刺角度を調節することができるので、投与する薬液の効果を十分に発揮させることができ、かくして使い勝手を向上させることができる。
【0273】
またこのように穿刺角度を調節するときに、ベース4Cの傾動にともなって、ベース4Cの内側をスライド可能な中心部4Dの位置が変わることになるが、押込部4Aと中心部4Dとを連結する連結部4Eについては、ベース4Cの回転によらず、常に押込部4Aと中心部4Dとを連結し続けるようになっている。
【0274】
すなわち、連結部4Eは、ベース4Cの回転によらず、常に押込部4Aが押し込まれる力を中心部4Dをスライドさせる力として中心部4Dに伝達できるようになっている。
【0275】
これにより、薬液投与装置1は、穿刺角度によらず、押込部4Aの下方への押し込みという常に同じ操作で、穿刺針(外針50及び内針51)の穿刺から外針50の引き戻しまでを行うことができる。
【0276】
換言すれば、薬液投与装置1は、押込部4Aの押し込み方向は変えることなく、穿刺角度を変えることができるとも言える。
【0277】
またこの薬液投与装置1では、ダイヤル5Aを一方向に回転すれば穿刺角度が小さくなるよう調節でき、他方向に回転すれば穿刺角度が大きくなるよう調節できるようになっていることで、穿刺角度の調節を何度でもやり直すことができ、また微妙な調節も容易に行うことができる。
【0278】
さらにこの薬液投与装置1では、ベース4C自体を傾動させることで、穿刺角度を調節するようにしたことにより、例えば、外針50自体を曲げたりすることなく穿刺角度を調節できる。
【0279】
さらに薬液投与装置1の穿刺角度調節機構5は、使用者のダイヤル操作のみで動作するので、モータなどの駆動部を必要とせず、構成を簡易化でき、容易に小型化することができる。
【0280】
〔9.薬液投与装置の電気的構成〕
薬液投与装置1は、図24に示すように、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、電源部134、インターフェース部(I/F部)135、報知部136及び駆動部9がバス137を介して接続される。
【0281】
CPU131、ROM132、RAM133、電源部134及び報知部136は、基板部10上に配される。電源部134は電池が適応される。報知部136はスピーカが適応される。
【0282】
インターフェース部135は、上筐体部3又は下筐体部2に配されユーザの入力命令を受け付けるボタン(図示せず)が適応される。
【0283】
CPU131は、ROM132に格納された基本プログラムをRAM133に読み出して実行することより全体を統括制御すると共に、ROM132に記憶された各種アプリケーションプログラムをRAM133に読み出して実行することにより各種処理を実行する。
【0284】
CPU131は、薬液を使用者に投与する際、薬液投与プログラムをRAM133に読み出して薬液投与処理を実行し、薬液が外部から薬液貯蔵部6に充填され、貼付部2Bが使用者の皮膚に貼り付けられると共に穿刺機構4により穿刺針が使用者の皮膚に穿刺された後、インターフェース部135を介して入力された投与量、投与速度などのパラメータを設定する。
【0285】
そしてCPU131は、設定されたパラメータに基づいて駆動部9を制御して薬液の投与を開始する。
【0286】
〔10.他の実施の形態〕
〔10−1.他の実施の形態1〕
上述した実施の形態では、使用者の体内に薬液を投与する薬液投与装置1に本発明を適用する場合について説明した。これに限らず、外針と内針とでなる二重構造の穿刺針を穿刺する穿刺装置であれば、薬液投与装置1以外の装置に適用するようにしてもよい。
【0287】
例えば、使用者の体内に各種センサを挿入して生体情報を取得するセンサ装置に適用するようにしてもよい。
【0288】
図25に、このセンサ装置200を示す。このセンサ装置200は、薬液投与装置1と同様の穿刺機構4及び穿刺角度調節機構5を有している一方で、薬液貯蔵部6や、送出部8、駆動部9が無く、代わりにセンサからの生体情報を取得する制御部201と、この生体情報を外部に無線送信する送信部202とを有している。
【0289】
また図26に示すように、このセンサ装置200の内針51の先端にはセンサ203が取り付けられていて、さらにこの内針51内には、センサ203と制御部201とを電気的に接続する信号線204が挿入されている。
【0290】
そしてこのセンサ装置200では、穿刺機構4により、先端部にセンサ203が取り付けられた内針51が挿入された外針50を、使用者の体内に穿刺する。
【0291】
そして、このセンサ装置200は、センサ203を使用者の体内に留置させたまま、外針50のみをセンサ装置200内に引き戻す。
【0292】
その後、センサ装置200の制御部201は、センサ203から得られる生体情報を取得し、送信部202を介して外部に無線送信する。
【0293】
〔10−2.他の実施の形態2〕
上述した実施の形態では、上述した穿刺機構4により、穿刺針(外針50及び内針51)を使用者の体内に穿刺して、外針50のみを引き戻すようにしたが、上述した穿刺機構4とは異なる構成の穿刺機構により、穿刺針の穿刺と外針の引き戻しを行うようにしてもよい。
【0294】
〔10−3.他の実施の形態3〕
また、上述した実施の形態では、押込部4Aが使用者により押し込まれると、この力により連結部4Eが回転することで、この連結部4Eに接続された中心部4Dがベース4Cの内側をスライドするようにした。
【0295】
これに限らず、例えば、押込部4Aの代わりに、薬液投与装置1にボタンなどの操作部と、連結部4Eを自動で回転させる駆動部とを設け、使用者によりこのボタンが押下されたら、駆動部を駆動させて連結部4Eを回転させることにより、中心部4Dをスライドさせるようにしてもよい。
【0296】
この場合の穿刺角度調節機構300の構成例を図27(A)に示す。この穿刺角度調節機構300は、穿刺角度調節機構5と比して、押込部4Aが削除され、代わりにコイルバネ301が設けられ、また連結部4Eに代えて、新たな連結部302が設けられている。
【0297】
これら以外の部分については、上述した穿刺角度調節機構5と同様であるので説明を省略する。
【0298】
ここで、連結部302は、図27(B)に示すように、左右一対のL字型のアーム303A及び303Bと、このアーム303Aの一端とアーム303Bの一端とを繋ぐ、左右方向に長い長方形板状の基部304とで構成される。
【0299】
アーム303A及び303Bは、L字の角に相当する部分(これを角部とも呼ぶ)に、円形の回転用孔305A及び305Bが設けられている。またアーム303A及び303Bは、その先端から角部に向かって直線状に延びる押込用孔306A及び306Bが設けられている。
【0300】
これら、回転用孔305A及び305Bと、押込用孔306A及び306Bの役割は、連結部4Eのものと同様である。
【0301】
すなわち、連結部302は、アーム303A及び303Bの回転用孔305A及び305Bに、固定部4Bのシャフト用孔56A及び56Bに嵌入されているシャフト57の先端部が固定されることで、固定部4Bに回転自在に取り付けられる。
【0302】
また連結部302は、アーム303A及び303Bの押込用孔306A及び306Bに、ベース4Cの内側に嵌入された中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bの先端部が嵌合される。
【0303】
さらにこのとき連結部302は、基部304が、ベース4Cの後方に位置するようになっていて、さらにこの基部304の後端部に、コイルバネ301の先端部が当接するようになっている。
【0304】
すなわち、この連結部302は、中心部4Dとコイルバネ301とを連結するようになっている。
【0305】
コイルバネ301は、さらにその後方に位置する駆動部(図示せず)により、前方に押し出されるようになっている。
【0306】
そして、実際、このコイルバネ301が、駆動部により前方に押し出されると、基部304が上方に押されることで、連結部302は、シャフト57を回転軸として、基部304を持ち上げるように回転する。
【0307】
このときベース4Cのスライド用孔61A及び61Bと、アーム303A及び303Bの押込用孔306A及び306Bとの両方に嵌合されている中心部4Dの押込用突起部72A及び72Bは、連結部302が回転することにともなって、押込用孔306A及び306B内を角部側にスライドしながらスライド用孔61A及び61B内を下方にスライドする。この結果、中心部4Dがベース4Cの内側を下方にスライドすることになる。
【0308】
このように、連結部302は、コイルバネ301が押し込まれる力を中心部4Dに伝達して中心部4Dをスライドさせるようになっている。
【0309】
またこの連結部302は、上述した連結部4Eと同様、ベース4Cの回転によらず、常にコイルバネ301と中心部4Dとを連結し続ける構成となっている。
【0310】
すなわち、この穿刺角度調節機構300でも、コイルバネ301の押し込み方向を変えることなく、穿刺角度を調節できる。
【0311】
〔10−4.他の実施の形態4〕
さらに、上述した実施の形態では、金属製の外針50と樹脂製の内針51とでなる穿刺針を使用者の体内に穿刺した後、外針50のみを薬液投与装置1内に引き戻すための弾性部材としてコイルバネ111を用いるようにしたが、これに限らず、コイルバネ111と同様に機能する弾性部材であれば、コイルバネ111以外の弾性部材を用いようにしてもよい。
【0312】
〔10−5.他の実施の形態5〕
さらに、上述した実施の形態では、穿刺機構4に、中心部4Dと、内針ガイド部4Fの前側開口83との間で、内針51を覆う内針屈曲防止部92を設けるようにしたが、これに限らず、穿刺機構4を、この内針屈曲防止部92を省略した構成としてもよい。
【0313】
〔10−6.他の実施の形態6〕
さらに、上述した実施の形態では、内針ガイド部4Fが、ベース4Cの傾きにともなって、回転ガイド部120にガイドされながら傾くようにした。
【0314】
これに限らず、内針ガイド部4Fを、ベース4Cに対して完全に固定するようにして、回転ガイド部120がなくても、ベース4Cの傾きにともなって傾くようにしてもよい。
【0315】
このようにすれば、回転ガイド部120を省略することができ、一段と構成を簡易化することができる。
【0316】
〔10−7.他の実施の形態7〕
さらに、上述した実施の形態では、使用者が操作部としてのダイヤル5Aを回転操作することで、穿刺角度を調節できるようにしたが、これに限らず、例えば、ダイヤル5Aの代わりに、薬液投与装置1に穿刺角度を指定するボタンなどの操作部と、ベース4Cを自動で傾動させる駆動部とを設け、使用者により操作部を介して穿刺角度が指定されると、駆動部を駆動させてベース4Cを傾けることで、穿刺角度を調節できるようにしてもよい。
【0317】
〔10−8.他の実施の形態8〕
さらに、上述した実施の形態では、穿刺機構4の内針牽引部90を、ベルト状のベルト部89とスライド部87とで構成するようにした。
【0318】
これに限らず、ベルト部89の変わりに、例えば、金属製又は樹脂製のワイヤでなるワイヤ部を用い、このワイヤ部とスライド部87とで内針牽引部90を構成するようにしてもよい。
【0319】
この場合、ワイヤ部の先端をスライド固定・解除部101に固定すると共に、後端をスライド部87に固定するようにすればよい。
【0320】
また、これに限らず、ベルトやワイヤのように自由に折り曲げることが可能で、且つスライド固定・解除部101と、スライド部87とを連結可能なものであれば、ベルトやワイヤ以外の部材を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0321】
本発明は、例えば医療分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0322】
1……薬液投与装置、2……下筐体部、2B……貼付部、3……上筐体部、4……穿刺機構、4A……押込部、4B……固定部、4C……ベース、4D……中心部、4E、302……連結部、4F……内針ガイド部、5、300……穿刺角度調節機構、5A……ダイヤル、6……薬液貯蔵部、7……流路部、8……送出部、9……駆動部、10……基板部、50……外針、51……内針、72A、72B……押込用突起部、79A、79B……押込用孔、100……外針スライド部、101……スライド固定・解除部、111、301……コイルバネ
【国際調査報告】