(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014049988
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】生体溶解性無機繊維及びその組成物
(51)【国際特許分類】
   D01F 9/08 20060101AFI20160725BHJP
   C04B 35/80 20060101ALI20160725BHJP
【FI】
   !D01F9/08 A
   !C04B35/80 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】2014538134
(21)【国際出願番号】JP2013005369
(22)【国際出願日】20130911
(31)【優先権主張番号】2012213887
(32)【優先日】20120927
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(72)【発明者】
【氏名】岩田 耕治
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号 ニチアス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】北原 英樹
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号 ニチアス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】持田 貴仁
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号 ニチアス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】米内山 賢
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号 ニチアス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】石川 洋一
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号 ニチアス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】三木 達郎
【住所又は居所】東京都中央区八丁堀一丁目6番1号 ニチアス株式会社内
【テーマコード(参考)】
4L037
【Fターム(参考)】
4L037CS22
4L037PF07
4L037UA01
4L037UA06
(57)【要約】
Al及びCaOから選択される1成分又は2成分と、TiOを、主成分として含む無機繊維用組成物。上記無機繊維用組成物から得られる無機繊維。溶融した上記無機繊維用組成物を繊維化する無機繊維の製造方法。上記無機繊維を用いて得られる定形物又は不定形物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al及びCaOから選択される1成分又は2成分と、TiOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
【請求項2】
以下の組成を有する請求項1記載の無機繊維用組成物。
Al 0.0〜97.0重量%
CaO 0.0〜65.0重量%
TiO 2.8〜60.0重量%
【請求項3】
以下の組成を有する請求項1又は2記載の無機繊維用組成物。
Al 20.0〜87.0重量%
CaO 3.0〜60.0重量%
TiO 5.0重量%超47.0重量%以下
【請求項4】
以下の組成を有する請求項1〜3のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al 23.0〜80.0重量%
CaO 10.0〜58.0重量%
TiO 10.0重量%超40.0重量%以下
【請求項5】
以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al 30.0〜70.0重量%
CaO 15.0〜40.0重量%
TiO 11.0〜30.0重量%
【請求項6】
Al、CaO及びTiOの合計は90.0重量%以上である請求項1〜5のいずれか記載の無機繊維用組成物。
【請求項7】
Al、CaO及びTiOの合計は98.0重量%以上である請求項1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか記載の無機繊維用組成物から得られる無機繊維。
【請求項9】
溶融した請求項1〜7のいずれか記載の無機繊維用組成物を繊維化する請求項7記載の無機繊維の製造方法。
【請求項10】
請求項7記載の無機繊維を用いて得られる定形物又は不定形物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アスベストは、軽量で扱いやすく且つ耐熱性に優れるため、例えば、耐熱性のシール材として使用されていた。しかしアスベストは人体に吸入されて肺に疾患を引き起こすため使用が禁止され、これに代わりにセラミック繊維等が使用されている。セラミック繊維等は、耐熱性がアスベストに匹敵する程高いが、生体溶解性が十分でないためやはり人体に吸入されて肺に侵入することによる問題が指摘されている。そこで、人体に吸入されても問題を起こさない又は起こしにくい生体溶解性無機繊維を目指して、様々な生体溶解性繊維が開発されている(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
従来の生体溶解性繊維の研究では、pH7.4の生理食塩水に対し溶解性の高い繊維を求めていた。しかしながら、繊維が吸入されるのは肺であり、肺のマクロファージのpHは4.5である。従って、pH4.5の生理食塩水に対する溶解性の高い繊維が、より効果的に肺内で溶解、分解されることが期待される。
【0004】
また、従来の無機繊維は、アスベストと同様に、様々なバインダーや添加物とともに、定形物、不定形物に二次加工されて、熱処理装置、工業窯炉や焼却炉等の炉における目地材、耐火タイル、断熱レンガ、鉄皮、モルタル耐火物等の隙間を埋める目地材、シール材、パッキング材、断熱材等として用いられている。従って、使用の際は高温に晒されることが多く、耐熱性を有することが好ましい。また、炉においては壁面にアルミナが使用されていることが多く、二次加工品に含まれる繊維が、このアルミナと反応し二次加工品や壁面が付着したり溶融しないことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公報第3753416号
【特許文献2】特表2005−514318
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物を提供することである。
【0007】
本発明によれば、以下の無機繊維用組成物及び無機繊維等が提供される。
1.Al及びCaOから選択される1成分又は2成分と、TiOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
2.以下の組成を有する1記載の無機繊維用組成物。
Al 0.0〜97.0重量%
CaO 0.0〜65.0重量%
TiO 2.8〜60.0重量%
3.以下の組成を有する1又は2記載の無機繊維用組成物。
Al 20.0〜87.0重量%
CaO 3.0〜60.0重量%
TiO 5.0重量%超47.0重量%以下
4.以下の組成を有する1〜3のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al 23.0〜80.0重量%
CaO 10.0〜58.0重量%
TiO 10.0重量%超40.0重量%以下
5.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al 30.0〜70.0重量%
CaO 15.0〜40.0重量%
TiO 11.0〜30.0重量%
6.Al、CaO及びTiOの合計は90.0重量%以上である1〜5のいずれか記載の無機繊維用組成物。
7.Al、CaO及びTiOの合計は98.0重量%以上である1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
8.1〜7のいずれか記載の無機繊維用組成物から得られる無機繊維。
9.溶融した1〜7のいずれか記載の無機繊維用組成物を繊維化する7記載の無機繊維の製造方法。
10.7記載の無機繊維を用いて得られる定形物又は不定形物。
【0008】
本発明によれば、新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の繊維用組成物は、Al及びCaOから選択される1成分又は2成分と、TiOを、主成分として含む。
主成分とは、組成物が含む全ての成分のうち最も含有量(重量%)の高い2成分又は3成分が、Al及びCaOから選択される1成分又は2成分と、TiOであることを意味する。
好ましくは、Al、CaO及びTiOを、主成分として含む。
【0010】
本発明の繊維用組成物は、生体溶解性と耐熱性の観点から、好ましくは以下の組成を有する。
Al 0.0〜97.0重量%
CaO 0.0〜65.0重量%
TiO 2.8〜60.0重量%
【0011】
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al 20.0〜87.0重量%
CaO 3.0〜60.0重量%
TiO 5.0重量%超47.0重量%以下
【0012】
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al 23.0〜80.0重量%
CaO 10.0〜58.0重量%
TiO 10.0重量%超40.0重量%以下
【0013】
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al 30.0〜70.0重量%
CaO 15.0〜40.0重量%
TiO 11.0〜30.0重量%
【0014】
上記の組成において、耐熱性の観点から、CaOを9.0〜42.0重量%、10.0〜40.0重量%、又は11.0〜35.0重量%とすることができる。
上記の組成において、TiOを30重量%以下、又は22重量%以下とすることができる。
また、TiOを3.0重量%又は3重量%超とすることができる。
【0015】
上記の組成の各成分の量を任意に組み合わせてもよい。
上記の各組成において、特定する成分の合計を、90.0重量%以上、95.0重量%以上、97.0重量%以上、98.0重量%以上、99.0重量%以上又は100.0重量%としてもよい。
特定する成分以外の残りは他の元素の酸化物又は不純物等である。
【0016】
本発明の組成物は、Sc,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y又はこれらの混合物から選択されるそれぞれの酸化物を含んでも含まなくてもよい。これらの酸化物の量を、それぞれ10.0重量%以下、5.0重量%以下、3.0重量%以下、2.0重量%以下、1.0重量%以下、0.5重量%以下、0.2重量%以下又は0.1重量%以下としてもよい。
【0017】
アルカリ金属酸化物(KO、NaO、LiO等)の各々は含まれても含まれなくてもよく、アルカリ金属酸化物はそれぞれ又は合計で10.0重量%以下、5.0重量%以下、3.0重量%以下、2.0重量%以下、1.0重量%以下、0.5重量%以下、0.2重量%以下又は0.1重量%以下とすることができる。
【0018】
ZrO、ZnO、B、P、SrO、BaO、Cr、SiO、Fe、MgO、Nbの各々は含まれても含まれなくてもよく、それぞれ10.0重量%以下、5.0重量%以下、3.0重量%以下、2.0重量%以下、1.0重量%以下、0.5重量%以下、0.2重量%以下又は0.1重量%以下とすることができる。
【0019】
本発明の組成物は通常以下の物質を含まない、又は含んでもそれぞれ0.2重量%以下又は0.1重量%以下である。
フッ素、硫酸カルシウム、酸化ヒ素、酸化ゲルマニウム、酸化テルル、酸化バナジウム、酸化イオウ、フッ素分子、リン化合物、スズ、コバルト、酸化マンガン、フッ化物、酸化銅。
【0020】
本発明の組成物から無機繊維を得ることができる。
本発明の繊維は溶融法、ゾルゲル法等公知の方法で製造できるが、低コストのため溶融法が好ましい。溶融法では、通常の方法により、原料の溶融物を作製し、この溶融物を繊維化して製造する。例えば、高速回転しているホイール上に熔解した原料を流し当てることで繊維化するスピニング法及び熔解した原料に圧縮空気を当てることで繊維化するブロー法等により製造できる。
【0021】
本発明の繊維は公知の被覆材により被覆されていてもいなくてもよい。被覆により保存や使用時の溶解性を調整できる。
【0022】
本発明の繊維は、原料の組成物の組成と同じであり、上記の組成を有することにより、pH4.5の生理食塩水に対する溶解性(生体溶解性)を有する。
pH4.5の生理食塩水に対する溶解性は、実施例の測定方法で、好ましくは1.0mg/g以上、より好ましくは1.5mg/g以上、さらに好ましくは3.0mg/g以上である。
【0023】
溶解速度定数は、実施例の測定方法で、好ましくは10ng/cm・h以上、より好ましくは50ng/cm・h以上、さらに好ましくは100ng/cm・h以上、特に好ましくは200ng/cm・h以上である。
【0024】
本発明の繊維は、好ましくはアルミナ反応性が低い。アルミナ反応性は、実施例の測定方法で、好ましくは付着しないか、反応しない。
【0025】
本発明の繊維は、好ましくは800℃以上、1000℃以上、1100℃以上、1200℃以上、1300℃以上、1400℃以上で耐熱性を有する。具体的には、実施例の測定方法で、体積収縮率(%)が、1400℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下である。1300℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。1200℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。1100℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。1000℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。800℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。
【0026】
本発明の繊維は、好ましくは、実施例の測定方法で、線収縮率は、各温度(600℃、800℃、1000℃、1100℃、1200℃、1300℃、1400℃、1500℃、1600℃)において、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
【0027】
繊維の加熱収縮率は、繊維からブランケットを製造して1100℃,1260℃で24時間焼成した前後で測定することができる。また、引張強度は万能試験機により測定できる。
【0028】
さらに、本発明の繊維は、必須成分の種類を少なくできるので、配合過程の工数が減り、コスト減となる。また微妙な配合量を調整する成分の種類が少ないことは製造の困難性を低減する。
【0029】
本発明の繊維から、バルク、ブランケット、ブロック、ロープ、ヤーン、紡織品、界面活性剤を塗布した繊維、ショット(未繊維化物)を低減または取り除いたショットレスバルクや、水等の溶媒を使用し製造するボード、モールド、ペーパー、フェルト、コロイダルシリカを含浸したウェットフェルト、等の定形品が得られる。また、それら定形品をコロイドなどで処理した定形品が得られる。また、水等の溶媒を使用し製造する不定形材料(マスチック、キャスター、コーティング材等)も得られる。
また、上記定形品、不定形品と各種発熱体を組み合わせた構造体も得られる。
【0030】
本発明の繊維の具体的な用途として、熱処理装置、工業窯炉や焼却炉等の炉における目地材、耐火タイル、断熱レンガ、鉄皮、モルタル耐火物等の隙間を埋める目地材、シール材、パッキング材、クッション材、断熱材、耐火材、防火材、保温材、保護材、被覆材、ろ過材、フィルター材、絶縁材、目地材、充填材、補修材、耐熱材、不燃材、防音材、吸音材、摩擦材(例えばブレーキパット用添加材)、ガラス板・鋼板搬送用ロール、自動車触媒担体保持材、各種繊維強化複合材料(例えば繊維強化セメント、繊維強化プラスチックなどの補強用繊維、耐熱材、耐火材の補強繊維、接着剤、コート材等の補強繊維)等が例示される。
【実施例】
【0031】
実施例1〜18
表1に示す繊維組成について以下のように検討した。
まず、表1に示す組成となるように原料を混合し、プレス加工して成形体を得た。この成形体を加熱溶融し、急冷して得られた物を粉砕しサンプルを得た。このサンプルを用いて以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0032】
(1)生体溶解性
サンプル1gを、pH4.5の生理食塩水150mLが入った三角フラスコ(容積300mL)に入れた。このフラスコを、37℃のインキュベーター内に設置して、毎分120回転の水平振動を2.5時間継続した。その後、ろ過により得られた濾液に含有されている各元素の量(mg)をICP発光分析装置により測定し、その合計を溶出量とした(mg/サンプル1g)。
【0033】
(2)体積収縮率
サンプルを成形して、直径約7mm、高さ約15mmの円柱状サンプルを得た。この円柱状サンプルを1400℃8時間加熱して、体積収縮率(%)を求めた。
【0034】
(3)アルミナ反応性
サンプルを成形して、直径約7mm、厚み約5mmの円柱状サンプルを得た。この円柱状サンプルをアルミナ板に載せて、1400℃8時間加熱して、付着や溶融の有無を観察した。円柱状サンプルが溶融したときは4、付着したときは3、付着しないが痕が残ったときは2、付着もせず痕も残らないときは1とした。
【0035】
比較例1
SiOを47質量%、Alを53質量%含むセラミック繊維(従来の耐熱性無機繊維)(比較例1)について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例19〜27
表2に示す組成の繊維を溶融法で製造した。
得られた繊維を以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。
【0038】
(1)線収縮率
加熱収縮率は、繊維からフリース又はブランケットを製造して、1000℃、1400℃で、8時間焼成した前後で測定した。製造した各サンプル表面に白金ピンを2点以上打ち込み、その白金ピン間の距離を加熱前後で測定し、その寸法変化率を線収縮率(%)とした。
【0039】
(2)アルミナ耐反応性
純度99%以上のアルミナ粉末約1gを、直径17mmの金型でプレス成形しペレットとした。このペレットを、繊維から製造したフリース状またはブランケット(縦横50mm、厚み5〜50mm)のサンプル上に置いて、この状態で加熱し、加熱後の反応性を確認した。ペレットと全く反応していない場合を○、サンプルと軽い付着(簡単に手でペレットがはがせ、外観でペレットとサンプルが溶融していない状態)を△、反応有り(ペレットとサンプルが溶融し付着している状態)を×とした。
【0040】
(3)溶解速度定数
繊維を、メンブレンフィルター上に置き、繊維上にマイクロポンプによりpH4.5の生理食塩水を滴下させ、繊維、フィルターを通った濾液を容器内に貯めた。貯めた濾液を24時間経過後に取り出し、溶出成分をICP発光分析装置により定量した。測定元素は主要元素であるTi、Al、Caの3元素とした。繊維径を測定して単位表面積・単位時間当たりの溶出量である溶解速度定数k(単位:ng/cm・h)に換算した。
【0041】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の無機繊維は、断熱材、またアスベストの代替品として、様々な用途に用いることができる。
【0043】
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。
【国際調査報告】