(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014050606
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160822
(54)【発明の名称】医用画像管理システム並びに医用画像管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20160725BHJP
【FI】
   !A61B6/00 320Z
   !A61B6/00 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
【出願番号】2014538393
(21)【国際出願番号】JP2013074802
(22)【国際出願日】20130913
(11)【特許番号】5759079
(45)【特許公報発行日】20150805
(31)【優先権主張番号】2012212592
(32)【優先日】20120926
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【住所又は居所】東京都港区西麻布2丁目26番30号
(74)【代理人】
【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 雄介
【住所又は居所】東京都港区赤坂9丁目7番3号 富士フイルム株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA26
4C093CA15
4C093FA13
4C093FA43
4C093FA52
4C093FF08
4C093FH06
(57)【要約】
クライアント端末で濃度変換済み医用画像を迅速に表示することができる医用画像管理システム並びに医用画像管理方法及びプログラムを提供する。
医用画像管理システムは、画像サーバーで医用画像を濃度変換処理してクライアント端末に濃度変換済み医用画像を送信する第1濃度変換モードと、画像サーバーからクライアント端末に医用画像を送信して、クライアント端末で医用画像を濃度変換処理する第2濃度変換モードとを有する。濃度変換モード判定部は、画像サーバーとクライアント端末との間の通信速度と、クライアント端末の処理速度と、画像サーバーの処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間を比較し、処理時間の短い濃度変換モードを選択する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医用画像を管理する画像サーバーと、この画像サーバーにネットワークを介して接続され、前記医用画像を濃度変換処理した濃度変換済み医用画像をモニターに表示するクライアント端末とを備える医用画像管理システムにおいて、
前記画像サーバーと前記クライアント端末との間の通信速度を測定する通信速度測定部と、
前記クライアント端末による濃度変換処理の処理速度を特定する処理速度特定部と、
前記通信速度測定部で測定された通信速度と、前記処理速度特定部で特定された前記クライアント端末の処理速度と、前記画像サーバーの既知の処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間とを比較し、処理時間が短い方を選択する濃度変換モード判定部と、
前記第1濃度変換モードが選択されたときに、前記画像サーバーで前記医用画像を濃度変換処理してから、前記クライアント端末に前記濃度変換済み医用画像を送信し、前記第2濃度変換モードが選択されたときに、前記クライアント端末で前記医用画像を濃度変換処理するように、前記医用画像を前記クライアント端末に送信する画像処理部と、
を備えている医用画像管理システム。
【請求項2】
前記濃度変換モード判定部は、
前記画像サーバーで、前記医用画像を濃度変換処理するのに必要な第1濃度変換処理時間と、
前記画像サーバーで濃度変換処理された前記濃度変換済み医用画像を、前記画像サーバーから前記クライアント端末に送信するのに必要な第1通信時間と、
前記画像サーバーから前記クライアント端末に前記医用画像を送信するのに必要な第2通信時間と、
前記クライアント端末で前記医用画像を濃度変換処理するのに必要な第2濃度変換処理時間とをそれぞれ算出し、
前記第1濃度変換処理時間と前記第1通信時間とを加算した前記第1濃度変換モード処理時間と、前記第2濃度変換処理時間と前記第2通信時間とを加算した前記第2濃度変換モード処理時間とを比較する請求項1に記載の医用画像管理システム。
【請求項3】
前記処理速度特定部は、前記クライアント端末の濃度変換処理の処理速度を測定する請求項1または2に記載の医用画像管理システム。
【請求項4】
前記処理速度特定部は、前記クライアント端末に測定用画像の濃度変換処理を行わせ、前記濃度変換処理にかかった時間と、前記測定用画像のデータ量とに基づいて前記処理速度を測定する請求項3に記載の医用画像管理システム。
【請求項5】
前記処理速度特定部は、前記クライアント端末から前記画像サーバーに送信された前記クライアント端末の識別情報に基づいて、前記クライアント端末の濃度変換処理の処理速度を特定する請求項1または2に記載の医用画像管理システム。
【請求項6】
前記通信速度測定部は、前記画像サーバーと前記クライアント端末との間で測定用データを通信させて、前記測定用データの通信にかかった時間と、前記測定用データのデータ量とに基づいて前記通信速度を測定する請求項1または2項に記載の医用画像管理システム。
【請求項7】
前記画像サーバーは、前記医用画像を、少なくとも、前記医用画像の階調数の上位数ビットの上位ビット画像と、前記階調数の下位数ビットの下位ビット画像とに分割する画像分割処理部を備え、前記第2濃度変換モードでは、前記画像分割処理部で分割された前記上位ビット画像と前記下位ビット画像とを前記クライアント端末に送信する請求項1又は2に記載の医用画像管理システム。
【請求項8】
前記上位ビット画像及び前記下位ビット画像のビット数は、前記クライアント端末で画像として取り扱うことができるビット数の上限以下である請求項7に記載の医用画像管理システム。
【請求項9】
前記画像サーバーは、前記上位ビット画像と前記下位ビット画像とを前記クライアント端末に送信する際に、前記上位ビット画像と前記下位ビット画像とのうち、前記医用画像の視認性に対する影響が大きい一方を可逆圧縮し、他方を非可逆圧縮することを特徴とする請求項7に記載の医用画像管理システム。
【請求項10】
前記クライアント端末は、前記上位ビット画像と、前記下位ビット画像とを合成して前記医用画像に復元し、復元された前記医用画像を濃度変換処理することを特徴とする請求項7に記載の医用画像管理システム。
【請求項11】
前記画像サーバーは、前記上位ビット画像と前記下位ビット画像とを前記クライアント端末に送信する際に、前記下位ビット画像を前記上位ビット画像よりも先に送信し、
前記クライアント端末は、前記下位ビット画像と前記上位ビット画像との順序を並び替えてから、前記上位ビット画像及び前記下位ビット画像を合成することを特徴とする請求項10に記載の医用画像管理システム。
【請求項12】
複数の医用画像を管理する画像サーバーと、前記画像サーバーにネットワークを介して接続され、前記医用画像を濃度変換処理した濃度変換済み医用画像をモニターに表示するクライアント端末とを備える医用画像管理システムのための医用画像管理方法において、
前記画像サーバーと前記クライアント端末との間の通信速度を測定する通信速度測定ステップと、
前記クライアント端末による濃度変換処理の処理速度を特定する処理速度特定ステップと、
前記通信速度と、前記クライアント端末の処理速度と、前記画像サーバーの既知の処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間とを比較し、処理時間が短い方を選択する濃度変換モード判定ステップと、
前記第1濃度変換モードが選択されたときに、前記画像サーバーで前記医用画像を濃度変換処理してから、前記クライアント端末に前記濃度変換済み医用画像を送信し、前記第2濃度変換モードが選択されたときに、前記クライアント端末で前記医用画像を濃度変換処理するように、前記医用画像を前記クライアント端末に送信する送信ステップと、
を備えている医用画像管理方法。
【請求項13】
濃度変換された医用画像を前記クライアント端末のモニタに表示させるために、ネットワークを介してクライアント端末に接続された画像サーバに、
前記画像サーバーと前記クライアント端末との間の通信速度を測定する通信速度測定ステップと、
前記クライアント端末による濃度変換処理の処理速度を特定する処理速度特定ステップと、
前記通信速度と、前記クライアント端末の処理速度と、前記画像サーバーの既知の処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間とを比較し、処理時間が短い方を選択する濃度変換モード判定ステップと、
前記第1濃度変換モードが選択されたときに、前記画像サーバーで前記医用画像を濃度変換処理してから、前記クライアント端末に前記濃度変換済み医用画像を送信し、前記第2濃度変換モードが選択されたときに、前記クライアント端末で前記医用画像を濃度変換処理するように、前記医用画像を前記クライアント端末に送信する送信ステップと、
を実行させるための医用画像管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像サーバーに保存された医用画像をクライアント端末で観察するための医用画像管理システム並びに医用画像管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療機関において、CR(Computed Radiography)装置、DR(Digital Radiography)装置、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置等のモダリティ装置で撮影された医用画像を電子データとして管理する医用画像管理システムが普及している。医用画像管理システムは、モダリティ装置で撮影された医用画像を保存する画像サーバーと、医師等によって操作されるクライアント端末とから構成されている。画像サーバー及びクライアント端末は、病院内に設けられた院内ネットワークに接続されている。クライアント端末は、院内ネットワークを介して画像サーバーと通信を行い、画像サーバーに管理されている医用画像を読み出してモニターに表示する。
【0003】
PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン(高機能携帯電話)、タブレット型端末等の携帯端末装置の普及に伴い、医用画像管理システムのクライアント端末として携帯端末装置を使用する医療機関が増えている。携帯端末装置は、院内ネットワークの無線ローカルエリアネットワーク(LAN:Local area network)や、携帯電話回線に接続することにより、様々な場所で医用画像を閲覧することができる。
【0004】
医用画像に基づく診断では、撮影部位や、医用画像を撮影したモダリティ装置の種類等に応じて医用画像を診断しやすくするために、医用画像の高濃度部や低濃度部が強調されるように、医用画像の濃度を変換する濃度変換処理が行われる。医用画像は、1画素当たりの階調数が9〜16ビットの多階調画像や、画像劣化の無いLossLess Jpeg画像の形式で画像サーバーに保存されている。医用画像の濃度変換処理は、この多階調の医用画像に対し、階調の中心値と、この中心値を基準とする階調の幅とを設定して、医用画像の階調変換を行うものである。なお、濃度変換処理は、一般的にウィンドウレベル変換とも呼ばれている。
【0005】
例えば、特許文献1記載の医用画像管理システムは、医用画像を濃度変換処理する画像サーバーと、画像サーバーで濃度変換処理された濃度変換済み医用画像をモニターに表示するクライアント端末とを備えている。この医用画像管理システムでは、クライアント端末は、画像サーバーから読み出した濃度変換済み医用画像をすぐにモニターに表示することができる。
【0006】
また、特許文献2記載の医用画像管理システムは、医用画像をクライアント端末に送信する画像サーバーと、画像サーバーから受信した医用画像を濃度変換処理し、モニターに濃度変換済み医用画像を表示するクライアント端末とを備えている。この医用画像管理システムでは、濃度変換はクライアント端末で行われるので、最初の濃度変換が不十分なために再度濃度変換をする場合に、変換処理時間は増えるが、画像サーバーから濃度変換した医用画像の送信が不要であるので、全体の処理時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−100899号公報
【特許文献2】特開2000−293528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、医療診断に用いられる医用画像管理システムでは、クライアント端末で濃度変換済み医用画像が迅速に表示されることが必要であるが、システムの使用条件によっては表示が遅くなることがある。例えば、特許文献1の医用画像管理システムでは、画像サーバーとクライアント端末との間の通信速度が遅い場合には、画像サーバーからクライアント端末に医用画像を送信する時間が長くなるため、クライアント端末での濃度変換済み医用画像の表示が遅くなる。特に、携帯端末装置を無線LANや携帯電話回線で画像サーバーに接続した場合に、通信場所によって通信速度が変動するため、医用画像の通信時間が変わる。また、データ量に依存して通信時間が変動する。
【0009】
また、特許文献2の医用画像管理システムでは、濃度変換済み医用画像の表示の早さは、使用中のクライアント端末の性能やソフトウェアの種類等に基づいたシステム構成によって変わる。例えば、古いタイプの携帯端末装置を使用している場合には、通信速度やデータ処理時間が遅いので、表示に時間がかかることになる。他方、新しいタイプの携帯端末装置を使用している場合は、高性能化のために迅速な表示が可能である。
【0010】
変換済み医用画像の表示の早さは、医用画像管理システムの構成や通信条件等の影響を受けるために、画像サーバーで濃度変換をする方式と、クライアント端末で濃度変換する式とを比較した場合に、一方が常に早く濃度変換済み医用画像を表示するとは限らない。したがって、2種類の濃度変換方式のうちどちらを採用すべきかを決めることは困難である。
【0011】
本発明は、現在の使用条件を考慮して、最も迅速に濃度変換済み医用画像をクライアント端末に表示することができる医用画像管理システム並びに医用画像管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の医用画像管理システムは、画像サーバーにネットワークを介して接続され、クライアント端末のモニターに濃度変換済み医用画像を表示するものであり、通信速度測定部と、処理速度特定部と、濃度変換モード判定部と、画像処理部とを備えている。通信速度測定部は、画像サーバーとクライアント端末との間の通信速度を測定する。処理速度特定部は、クライアント端末による濃度変換処理の処理速度を特定する。濃度変換モード判定部は、通信速度測定部で測定された通信速度と、処理速度特定部で特定されたクライアント端末の処理速度と、画像サーバーの既知の処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間とを比較し、処理時間が短い方を選択する。画像処理部は、第1濃度変換モードが選択されたときに、画像サーバーで医用画像を濃度変換処理してから、クライアント端末に濃度変換済み医用画像を送信し、第2濃度変換モードが選択されたときに、クライアント端末で医用画像を濃度変換処理するように、医用画像を前記クライアント端末に送信する。
【0013】
濃度変換モード判定部は、画像サーバーで医用画像を濃度変換処理するのに必要な第1濃度変換処理時間と、画像サーバーで濃度変換処理された濃度変換済み医用画像を画像サーバーからクライアント端末に送信するのに必要な第1通信時間と、画像サーバーからクライアント端末に医用画像を送信するのに必要な第2通信時間と、クライアント端末で医用画像を濃度変換処理するのに必要な第2濃度変換処理時間とをそれぞれ算出することが好ましい。第1濃度変換処理時間に第1通信時間を加算して第1濃度変換モード処理時間が求められ、第2濃度変換処理時間に第2通信時間を加算して第2濃度変換モード処理時間が求められる。第1濃度変換モード処理時間と、第2濃度変換モード処理時間とが比較され、処理時間の短いものが選択される。
【0014】
処理速度特定部は、クライアント端末の濃度変換処理の処理速度を測定することが好ましい。処理速度特定部は、クライアント端末に測定用画像の濃度変換処理を行わせ、濃度変換処理にかかった時間と、測定用画像のデータ量とに基づいて処理速度を測定することが好ましい。処理速度特定部は、クライアント端末から画像サーバーに送信されたクライアント端末の識別情報に基づいて、クライアント端末の濃度変換処理の処理速度を特定してもよい。
【0015】
通信速度測定部は、画像サーバーとクライアント端末との間で測定用データを通信させて、測定用データの通信にかかった時間と、測定用データのデータ量とに基づいて通信速度を測定することが好ましい。
【0016】
前記画像サーバーは、前記医用画像を、少なくとも、前記医用画像の階調数の上位数ビットの上位ビット画像と、前記階調数の下位数ビットの下位ビット画像とに分割する画像分割処理部を備えていることが好ましい。前記第2濃度変換モードでは、前記画像分割処理部で分割された前記上位ビット画像と前記下位ビット画像とを前記クライアント端末に送信する。上位ビット画像及び下位ビット画像のビット数は、クライアント端末で画像として取り扱うことができるビット数の上限以下であることが好ましい。
【0017】
画像サーバーは、上位ビット画像と下位ビット画像とをクライアント端末に送信する際に、上位ビット画像と下位ビット画像とのうち、医用画像の視認性に対する影響が大きい一方を可逆圧縮し、他方を非可逆圧縮することが好ましい。
【0018】
クライアント端末は、上位ビット画像と下位ビット画像とを合成して医用画像に復元し、復元された医用画像を濃度変換処理することが好ましい。画像サーバーは、上位ビット画像と下位ビット画像とをクライアント端末に送信する際に、下位ビット画像を上位ビット画像よりも先に送信し、クライアント端末は、下位ビット画像と上位ビット画像との順序を並び替えてから、上位ビット画像及び下位ビット画像を合成することが好ましい。
【0019】
本発明の医用画像管理方法は、複数の医用画像を管理する画像サーバーと、画像サーバーにネットワークを介して接続され、医用画像を濃度変換処理した濃度変換済み医用画像をモニターに表示するクライアント端末とを備える医用画像管理システムに用いられる。医用画像管理方法は、通信速度測定ステップと、処理速度特定ステップと、濃度変換モード判定ステップと、送信ステップとを有する。通信速度測定ステップは、画像サーバーとクライアント端末との間の通信速度を測定する。処理速度特定ステップは、クライアント端末による濃度変換処理の処理速度を特定する。濃度変換モード判定ステップは、通信速度と、クライアント端末の処理速度と、画像サーバーの既知の処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間とを比較し、処理時間が短い方を選択する。送信ステップは、第1濃度変換モードが選択されたときに、画像サーバーで医用画像を濃度変換処理してから、クライアント端末に濃度変換済み医用画像を送信し、第2濃度変換モードが選択されたときに、クライアント端末で医用画像を濃度変換処理するように、医用画像を前記クライアント端末に送信する。
【0020】
本発明の医用画像管理プログラムは、濃度変換された医用画像を前記クライアント端末のモニターに表示させるために、ネットワークを介してクライアント端末に接続された画像サーバーに、通信速度測定ステップと、処理速度特定ステップと、濃度変換モード判定ステップと、送信ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1濃度変換モードを用いた場合の処理時間と、第2濃度変換モードを用いた場合の処理時間とを比較し、処理時間の短い濃度変換モードを選択して医用画像の濃度変換処理を行うことができるので、現在の使用条件のもとで、濃度変換済み医用画像の表示を最も迅速に行うことができる。
【0022】
また、画像サーバーとクライアント端末との間の通信速度は、通信トラフィックの増大やネットワーク機器の不調等によって変動しやすく、特に無線LANや携帯電話回線では、その通信場所の電波状況によって通信状態に影響を受けやすい。本発明では、通信速度と処理速度とを測定し、その測定値に基づいて濃度変換モードを選択するので、通信状況の変化に対応した濃度変換処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】医用画像管理システムの一例を示す概略図である。
【図2】画像サーバーの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】クライアント端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図4】携帯端末装置の医用画像の表示例を示す説明図である。
【図5】濃度変換モードの判定及び各濃度変換モードの手順を示すフローチャートである。
【図6】濃度変換モードの詳細な判定手順を示すフローチャートである。
【図7】測定用データの構成を示す説明図である。
【図8】濃度変換モードの判定に用いる通信速度及び処理速度の一例を示す表である。
【図9】濃度変換処理の手順を示す概念図である。
【図10】画像分割処理の手順を示す概念図である。
【図11】分割された画像の濃度変換処理の手順を示す概念図である。
【図12】医用画像の読影手順を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態の画像サーバーの機能的な構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施形態のクライアント端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態の測定用データの構成を示す説明図である。
【図16】第2実施形態の処理速度データベースの一例を示す表である。
【図17】第3実施形態の画像サーバーの機能的な構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態のクライアント端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図19】第3実施形態の画像分割処理の手順を示す概念図である。
【図20】第3実施形態の分割された画像の濃度変換処理の手順を示す概念図である。
【図21】第4実施形態の濃度変換モードの判定及び各濃度変換モードの手順を示すフローチャートである。
【図22】第4実施形態の分割された画像の送信手順を示す概念図である。
【図23】第4実施形態の分割された画像の濃度変換処理の手順を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
図1に示すように、医用画像管理システム10は、モダリティ装置11と、モダリティ装置11で撮影された医用画像を管理する画像サーバー12と、画像サーバー12から医用画像を読み出して閲覧するための複数台のクライアント端末13と、これらを通信可能に接続する院内ネットワーク14及び院外ネットワーク15とから構成されている。クライアント端末13としては、院内ネットワーク14に有線接続された複数台の据え置き型読影装置17と、院内ネットワーク14に無線で接続された複数台の携帯端末装置18と、院外ネットワーク15に携帯電話回線で接続された複数台の携帯端末装置19とが設けられている。医用画像管理システム10は、病院や診療所等の医療機関内に構築されている。
【0025】
院内ネットワーク14は、医療機関内に設けられたネットワークであり、有線LAN21と、無線LAN22とで構成されている。有線LAN21には、モダリティ装置11、画像サーバー12、据え置き型読影装置17がLANケーブル(図示せず)によって接続されている。無線LAN22は、有線LAN21に接続された無線LANアクセスポイント23により構築されている。無線LAN22には、複数台の携帯端末装置18がワイヤレスで接続されている。なお、図1では、無線LANアクセスポイント23を一つしか描いていないが、無線LANアクセスポイント23は、医療機関の建物内の所定エリア内での通信をカバーできるように複数台が設置される。これにより、病院内の様々な場所で、携帯端末装置18により医用画像を閲覧することができる。
【0026】
院外ネットワーク15は、医療機関外に設けられたネットワークであり、院内ネットワーク14と接続されたIP(インターネット・プロトコル)ネットワーク25と、IPネットワーク25に接続された携帯電話会社の基地局26とで構成されている。基地局26には、携帯電話回線を利用して複数台の携帯端末装置19が接続されている。なお、図1では、基地局26を一つしか描いていないが、基地局26は、所定エリア内での携帯端末装置19の通信をカバーできるように複数台が設置される。これにより、医療機関外の様々な場所で、携帯端末装置19により医用画像を閲覧することができる。
【0027】
モダリティ装置11は、例えば、CR装置やDR装置等である。CR装置は、輝尽性蛍光体が塗布されたイメージングプレートを用いてX線画像を撮影し、撮影後のイメージングプレートをレーザービームで走査して、イメージングプレートに記録されたX線画像を電子データとして読み取る装置である。DR装置は、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する画素がマトリクス状に配列されたフラットパネルディテクタ(FPD;flat panel detector)を利用してX線画像を撮影する装置であり、画素毎に蓄積した信号電荷を信号処理回路で電圧信号に変換することでX線画像を電子データとして検出する。モダリティ装置11で撮影された医用画像は、有線LAN21を介して画像サーバー12に送信される。この際、モダリティ装置11は、患者ID等をメタデータとして医用画像に書き込むので、画像サーバー12では医用画像を検索することができる。
【0028】
画像サーバー12は、例えばPACS(Picture Archiving and Communication System)のサーバーである。画像サーバー12は、パーソナルコンピュータ(PC)を用いて構成されており、周知のように、CPU、制御プログラム及びアプリケーションプログラムが記憶されたストレージ、CPUの処理領域として用いられるメモリ、マウスやキーボード等の入力装置、及びモニターを備えている。
【0029】
据え置き型読影装置17は、医用画像閲覧用のプログラムである画像ビューアがインストールされたデスクトップ型、あるいはノート型のPCである。据え置き型読影装置17には、モニター17aと、マウスやキーボードからなる入力機器17bとが設けられている。据え置き型読影装置17は、例えば、診療室毎、あるいは診療科毎に複数台が設置されており、医師や看護師によって操作される。据え置き型読影装置17は、画像サーバー12にログインして、画像サーバー12から医用画像を読み出し、濃度変換済み医用画像をモニター17aに表示する。
【0030】
携帯端末装置18、19は、据え置き型読影装置17と同じ画像ビューアがインストールされたPDA、スマートフォン、タブレット型端末である。携帯端末装置18、19には、医用画像の表示と、携帯端末装置18、19の操作とに用いられるタッチパネル41が設けられている。携帯端末装置18、19は、例えば、診療室毎、あるいは診療科毎に複数台が配備される。また、各医師や看護師毎に携帯端末装置18、19が1台ずつ配備される場合もある。携帯端末装置18、19は、院内ネットワーク14または院外ネットワーク15を介して画像サーバー12にログインして、画像サーバー12から医用画像を読み出し、濃度変換済み医用画像をタッチパネル41に表示する。
【0031】
画像サーバー12のストレージには、アプリケーションプログラムとして、PCを画像サーバーとして機能させる画像サーバプログラムが記憶されている。画像サーバー12は、画像サーバプログラムが起動されると、図2に示すように、画像サーバー12のCPUは、医用画像データベース29、画像格納処理部30、画像検索処理部31、ユーザー情報データベース32、認証部33、濃度変換モード切り替え部34、表示速度判定部35、画像処理部36として機能する。
【0032】
医用画像データベース29には、モダリティ装置11で撮影された医用画像が記憶されている。医用画像は、例えば、1画素当たりの階調数が9〜16ビットの多階調画像や、画像劣化の無いLossLess Jpeg画像であり、DICOMに準拠したファイル形式で医用画像データベース29に記憶されている。医用画像データベース29に対する医用画像の格納は、画像格納処理部30によって行われる。画像検索処理部31は、クライアント端末13から送信された医用画像リクエストに基づいて、医用画像データベース29から医用画像の検索及び読み出しを行う。
【0033】
ユーザー情報データベース32には、クライアント端末13によって画像サーバー12にログインするユーザーに関する情報が記憶されている。本実施形態におけるユーザーとは、医療機関に勤務する医師や看護師等の医療関係者である。ユーザー情報は、例えば、ユーザーの属性情報と、ログイン用のユーザーID及びパスワード等である。属性情報としては、ユーザーの氏名、医師や看護師などの医療資格、所属先等である。
【0034】
認証部33は、クライアント端末13が医用画像を読み出すために画像サーバー12にログインしてきたときに、医用画像の読み出しを認めるか否かを判定する認証処理を行う。この認証処理は、クライアント端末13から送信されてきたユーザーID及びパスワードと、ユーザー情報データベース32に記憶されているユーザーID及びパスワードとの比較によって行われる。認証部33は、ユーザー情報データベース32に、送信されてきたものと一致するユーザーID及びパスワードがある場合には、そのクライアント端末13を認証する。一方、ユーザー情報データベース32に、送信されてきたものと一致するユーザーID及びパスワードが無い場合には、そのクライアント端末13は認証されない。
【0035】
濃度変換モード切り替え部34は、医用画像を濃度変換処理するための濃度変換モードを切り替える。医用画像に基づく診断では、撮影部位や、医用画像を撮影したモダリティ装置の種類等に応じて医用画像を診断しやすくするために、医用画像の高濃度部や低濃度部が強調されるように医用画像の濃度を変換する濃度変換処理が行われる。本実施形態の医用画像管理システム10は、濃度変換モードとして、第1濃度変換モード、及び第2濃度変換モードを備えている。
【0036】
第1濃度変換モードでは、画像サーバー12の画像処理部36で医用画像を濃度変換処理して濃度変換済み医用画像を生成し、画像サーバー12からクライアント端末13に濃度変換済み医用画像を送信する。第2濃度変換モードでは、画像処理部36が医用画像をクライアント端末13に送信し、クライアント端末13の画像処理部48(図3参照)で医用画像を濃度変換処理して、濃度変換済み医用画像を生成する。
【0037】
濃度変換モード判定部35は、第1濃度変換モードと第2濃度変換モードとのどちらを用いて医用画像の濃度変換処理を行うかを判定する。具体的には、濃度変換モード判定部35は、第1濃度変換モードを用いた場合の処理時間と、第2濃度変換モードを用いた場合の処理時間とを算出して比較し、処理時間の短い濃度変換モード、すなわち、クライアント端末13での濃度変換済み医用画像の表示が速く行える濃度変換モードを決定する。濃度変換モード切り替え部34は、濃度変換モード判定部35の判定結果に基づいて、濃度変換モードを切り替える。
【0038】
画像処理部36は、濃度変換処理部38及び画像分割処理部39を備えている。濃度変換処理部38は、濃度変換モードが第1濃度変換モードに切り替えられた際に、医用画像データベース31から読み出した医用画像を濃度変換処理する。画像分割処理部39は、濃度変換モードが第2濃度変換モードに切り替えられた際に、クライアント端末13で医用画像を取り扱えるようにするために、医用画像データベース31から読み出した医用画像を少なくとも上位ビット画像及び下位ビット画像に分割して、クライアント端末13に送信する。
【0039】
次にクライアント端末13の画像ビューアについて説明する。図3に示すように、クライアント端末13で画像ビューアを起動させると、ブラウザ43が起動する。ブラウザ43は、インターネットに接続するための周知のウェブブラウザである。画像ビューアは、ブラウザ43上で動作するウェブアプリケーションである。ブラウザ43は、画像ビューアを構成する認証部46、画像取得部47、画像処理部48、画像表示制御部49、通信速度測定部50、処理速度測定部51として機能する。
【0040】
認証部46は、クライアント端末13により画像サーバー12から医用画像を読み出す際に、画像サーバー12への認証処理を行う。この認証処理では、認証部46は、据え置き型読影装置17のモニター17a、または携帯端末装置18、19のタッチパネル41に、ログイン用のユーザーID及びパスワードの入力画面を表示する。認証部46は、ユーザーによってユーザーID及びパスワードが入力されると、画像サーバー12にログイン通知とともに、ユーザーID及びパスワードを送信する。画像サーバー12の認証部33では、上述したように、ユーザーID及びパスワードを用いて認証処理が行われる。画像サーバー12でクライアント端末13が認証されると、クライアント端末13では、画像サーバー12からの医用画像の読み出しが可能となる。
【0041】
画像取得部47は、画像サーバー12から医用画像の読み出しを行う。画像取得部47は、ブラウザ43で医用画像を読み出す操作が行われた場合に、画像サーバー12に、医用画像の読み出しを求める医用画像リクエストを送信する。医用画像リクエストには、例えばユーザーが指定した患者ID等のリクエスト情報が含まれている。また、画像取得部47は、画像サーバー12から送信された医用画像、または濃度変換済み医用画像を受信する。
【0042】
画像処理部48は、画像合成処理部53及び濃度変換処理部54を備えている。画像合成処理部53は、濃度変換モードが第2濃度変換モードに切り替えられた際に、画像サーバー12から送信された上位ビット画像と下位ビット画像とを合成して、元の医用画像に復元する。濃度変換処理部54は、画像合成処理部53で合成された医用画像を濃度変換処理する。
【0043】
画像表示制御部49は、画像サーバー12から送信された濃度変換済み医用画像、または画像処理部48で濃度変換処理された濃度変換済み医用画像を、据え置き型読影装置17のモニター17a、または携帯端末装置18、19のタッチパネル41に表示する。
【0044】
通信速度測定部50は、画像サーバー12とクライアント端末13との間の通信速度を測定する。通信速度としては、例えば、1秒当たりの通信ビット数(bps)が測定される。通信速度測定部50で測定された通信速度は、画像サーバー12の濃度変換モード判定部35で濃度変換モードの判定に用いられる。
【0045】
処理速度測定部51は、画像処理部36による医用画像の濃度変換処理の処理速度を測定する。濃度変換処理の処理速度としては、例えば、1秒当たりの処理ビット数(bps)が測定される。処理速度測定部51で測定された処理速度は、通信速度測定部50で測定された通信速度と同様に、濃度変換モード判定部35で濃度変換モードの判定に用いられる。
【0046】
図4に示すように、情報表示制御部49は、例えば携帯端末装置18のタッチパネル41に表示されたブラウザ43のブラウザ画面56内に、医用画像表示画面57を表示させる。医用画像表示画面57の上方には、患者ID表示部59、患者氏名表示部60、カナ氏名表示部61、性別表示部62、生年月日表示部63からなる患者情報表示部64が設けられている。患者情報表示部64の下方には、患者の医用画像が表示される医用画像表示部65が設けられている。なお、据え置き型読影置17及び携帯端末装置19にも、ブラウザ画面43及び医用画像表示画面57が表示されるが、携帯端末装置18と同様であるので説明は省略する。
【0047】
次に、濃度変換モードの判定、濃度変換モードの切り替え、及び濃度変換処理について、図5及び図6を参照しながら説明する。画像サーバー12は、クライアント端末13(例えば、携帯端末装置18)の画像取得部47から医用画像リクエストが送信された場合に(S1)、クライアント端末13に対して測定用データを送信する(S2)。図7に示すように、測定用データ68は、画像サーバー12からクライアント端末13に測定用データ68の送信を開始した送信時刻BTと、小データ量の測定用画像68aとで構成されており、通信速度測定部50及び処理速度測定部51による通信速度及び処理速度の測定に用いられる。
【0048】
通信速度測定部50は、測定用データ68を受信した受信時刻RTを測定し、受信時刻RTから測定用データ68の送信開始時刻BTを減算して、測定用データ68の通信にかかった通信時間CTを算出する。次いで、通信速度測定部50は、測定用データ68のデータ量Mdを測定用データ68の通信時間CTで除算(Md/CT)することにより、画像サーバー12とクライアント端末13との間の通信速度CSを算出する(S3)。
【0049】
処理速度測定部51は、画像処理部48の濃度変換処理部54に、測定用データ68の測定用画像68bの濃度変換処理を行わせ、濃度変換処理にかかった処理時間PTを測定する。そして、処理速度測定部51は、測定用画像のデータ量Mpを処理時間PTで除算(Mp/PT)することにより、濃度変換処理部54の処理速度PSを算出する(S4)。
【0050】
通信速度測定部50及び処理速度測定部51で測定された通信速度CS及び処理速度PSは、クライアント端末13から画像サーバー12に送信される(S5)。これらの測定速度と、画像サーバー12の処理速度とに基づいて、第1濃度変換モードと第2濃度変換モードの処理時間を求めてから、これらを比較して処理時間が短いものを選択する(S6)。ここで、画像サーバー12の処理速度は予め測定され、既知データとしてメモリに保存されている。
【0051】
第1濃度変換モードと第2濃度変換モードの処理時間の算出は、画像サーバー12の濃度変換モード判定部35において、図6に示す手順で行われる。第1濃度変換モードに対しては、まずクライアント端末13からリクエストされたリクエスト画像を画像サーバー12の濃度変換処理部39で濃度変換処理する場合の第1濃度変換処理時間PT1を算出する(S20)。第1濃度変換処理時間PT1は、リクエスト画像のデータ量M1を濃度変換処理部39の処理速度PS3で除算(M1/PS3)することにより求められる。次いで、濃度変換モード判定部35は、通信速度CSに基づいて、画像サーバー12で濃度変換処理した濃度変換済み医用画像をクライアント端末13に送信する場合の第1通信時間CT1を算出する(21)。第1通信時間CT1は、濃度変換済み医用画像のデータ量M2を通信速度CSで除算(M2/CS)することにより求められる。そして、濃度変換モード判定部35は、第1濃度変換処理時間PT1と、第1通信時間CT1とを加算して、第1濃度変換モード処理時間MT1を算出する(22)。
【0052】
また、第2濃度変換モードに対しては、濃度変換モード判定部35は、通信速度CSに基づいて、画像サーバー12からクライアント端末13にリクエスト画像を送信する場合の第2通信時間CT2を算出する(S23)。第2通信時間CT2は、リクエスト画像のデータ量M1を通信速度CSで除算(M1/CS)することにより求められる。次いで、濃度変換モード判定部35は、クライアント端末13の処理速度PSに基づいて、リクエスト画像をクライアント端末13の濃度変換処理部54で濃度変換処理する場合の第2濃度変換処理時間PT2を算出する(S24)。第2濃度変換処理時間PT2は、リクエスト画像のデータ量M1を濃度変換処理部54の処理速度PSで除算(M1/PS)することにより求められる。そして、濃度変換モード判定部35は、第2濃度変換処理時間PT2と、第2通信時間CT2とを加算して、第2濃度変換モード処理時間MT2を算出する(S25)。
【0053】
濃度変換モード判定部35は、第1濃度変換モード処理時間MT1と、第2濃度変換モード処理時間MT2とを比較する(S26)。濃度変換モード判定部35は、第1濃度変換モード処理時間MT1が第2濃度変換モード処理時間MT2よりも短い場合(S26でYES)には、第1濃度変換モードを選択する(S27)。また、濃度変換モード判定部35は、第2濃度変換モード処理時間MT2が第1濃度変換モード処理時間MT1よりも短い場合(S26でNO)には、第2濃度変換モードを選択する(S28)。
【0054】
ここで、各機器の通信速度及び処理速度を表す記号は、図8の表70に示されている。この表70には、画像サーバー12と据え置き型読影装置17との間の通信速度CS1、画像サーバー12と無線LAN22に接続された携帯端末装置18との間の通信速度CS2、画像サーバー12と携帯電話回線に接続された携帯端末装置19との間の通信速度CS3、据え置き型読影装置17の処理速度PS1、携帯端末装置18、19の処理速度PS2、画像サーバー12の処理速度PS3が記載されている。なお,画像サーバー12の処理速度PS3既知であるので、濃度変換モードの選択に際しては測定をしない。
【0055】
据え置き型読影装置17で医用画像の読影をする場合、画像サーバー12と据え置き型読影装置17との間の通信速度CS1、据え置き型読影装置17の処理速度PS1、画像サーバー12の処理速度PS3に基づいて、第1濃度変換モード処理時間MT1及び第2濃度変換モード処理時間MT2が求められる。
【0056】
画像サーバー12と据え置き型読影装置17との間は、有線LAN21で接続されているため、通信速度CS1は高速であり、通信状態も安定している。また、画像サーバー12と据え置き型読影装置17は、ともにデスクトップ型のPCであるため、処理速度PS1、PS3に大きな差はない。この場合に、データ量の少ない濃度変換済み医用画像を画像サーバー12からクライアント端末13に送信する第1濃度変換モードの方が、データ量の大きな医用画像を画像サーバー12からクライアント端末13に送信する第2濃度変換モードよりも処理時間が短くなるため、第1濃度変換モードが選択される場合が多くなる。なお、何らかの事情で画像サーバー12の処理能力が低下している場合、有線LAN21の通信速度が低下している場合、又はクライアント端末が高性能な場合には、クライアント端末13で濃度変換処理を行った方が速くなることがあるため、このような場合には、第2濃度変換モードが選択される。
【0057】
また、無線LAN22に接続された携帯端末装置18で医用画像の読影をする場合には、画像サーバー12と携帯端末装置18との間の通信速度CS2、携帯端末装置18の処理速度PS2、画像サーバー12の処理速度PS3に基づいて、第1濃度変換モード処理時間MT1及び第2濃度変換モード処理時間MT2が求められる。
【0058】
画像サーバー12と携帯端末装置18との間は、無線LAN22で接続されているため、通信速度CS2は比較的高速であるが、有線LAN21に比べて通信状態は不安定となる。また、携帯端末装置18の処理速度PS2は、デスクトップ型のPCである画像サーバー12と比べて若干遅くなることが多い。この場合に、無線LAN22の通信状態が安定しているときには、有線LAN21の場合と同様に、第1濃度変換モードが選択される。なお、無線LAN22の通信状態が不安定になり、通信速度が低下した場合には、第2濃度変換モードが選択される。
【0059】
携帯電話回線に接続された携帯端末装置19で医用画像の読影をする場合には、画像サーバー12と携帯端末装置19との間の通信速度CS3、携帯端末装置19の処理速度PS2、画像サーバー12の処理速度PS3に基づいて、第1濃度変換モード処理時間MT1及び第2濃度変換モード処理時間MT2が求められる。画像サーバー12と携帯端末装置19との間は、携帯電話回線で接続されているため、通信速度CS3は有線LAN21や無線LAN22に比べて格段に遅くなり、通信状態は、有線LAN21に比べて不安定となる。このような場合には、クライアント端末13で濃度変換処理を行う第1濃度変換モードのほうが、第2濃度変換モードよりも処理時間が短くなるため、第2濃度変換モードが選択される場合が多くなる。
【0060】
モード判定部35で第1濃度変換モードが選択された場合には、濃度変換モード切り替え部34は、濃度変換モードを第1濃度変換モードに切り替える(S6)。第1濃度変換モードでは、画像サーバー12の濃度変換処理部38は、医用画像の濃度変換処理を行う(S7)。この濃度変換処理は、医用画像データベース29から読み出した例えば階調数が16ビットの医用画像から、濃度変換後の階調の中心値と、この中心値を基準とする階調の幅(例えば8ビット)とを設定し、医用画像が設定した中心値に対する階調幅を有する画像となるように画像処理を行う。これにより、図9に示すように、階調数が16ビットの医用画像72から、階調数が8ビットの濃度変換済み医用画像73が生成される。なお、濃度変換後の中心値及び階調幅は、ユーザーが任意に設定してもよいし、撮影部位やモダリティ装置の種類に応じて予め設定しておいてもよい。
【0061】
濃度変換処理部38からの濃度変換済み医用画像は、画像サーバー12からクライアント端末13に送信される(S8)。クライアント端末13に送信された濃度変換済み医用画像は、画像表示制御部49により、図4に示す医用画像表示画面57の医用画像表示部65に表示される(S9)。
【0062】
濃度変換モード判定部35で第2濃度変換モードが選択された場合には、濃度変換モード切り替え部34は、濃度変換モードを第2濃度変換モードに切り替える(S6)。この場合、画像サーバー12の画像分割処理部39は、医用画像を少なくとも2つに分割する分割処理(S10)を行ってからクラインアント端末13に送信する(S11)。医用画像は、1画素当たりの階調数が9〜16ビットの多階調画像である。これに対し、クライアント端末13では、HTML言語を用いたブラウザ43上で動作する画像ビューアを用いているため、1画素当たりの階調数が8ビットまでの画像しか取り扱うことができず、階調数が8ビット以上の画像は、画像として認識できない。そのため、第2濃度変換モードでは、医用画像をブラウザ43で取り扱うことができるように分割処理してから、クライアント端末13に送信する。
【0063】
なお、医用画像のビット数が8ビット以内の場合には、画像サーバー12は、医用画像をクライアント端末13に一回で通信することができる。
【0064】
図10に示すように、画像分割処理部39は、医用画像データベース29から読み出した例えば階調数が16ビットの医用画像72を、クライアント端末13のブラウザ43で取り扱うことができるビット素の上限以下、例えば、階調数の上位8ビットの上位ビット画像G1と、階調数の下位8ビットの下位ビット画像G2とに分割する。画像サーバー12は、上位ビット画像G1をクライアント端末13に送信し(S11)、その後に下位ビット画像G2をクライアント端末13に送信する(S12)。
【0065】
図11に示すように、画像サーバー12から上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を受信したクライアント端末13は、画像処理部48の画像合成処理部53により、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を合成して元の医用画像72に復元する(S13)。次いで、クライアント端末13は、濃度変換処理部54で医用画像の濃度変換処理を行い、濃度変換済み医用画像を生成する(S14)。この濃度変換処理は、画像サーバー12の濃度変換処理と同じ処理である。クライアント端末13の画像表示制御部49は、濃度変換処理部54からの濃度変換済み医用画像を、図4に示す医用画像表示画面57の医用画像表示部65に表示する(S9)。
【0066】
次に、医用画像管理システムの作用について、図5、6、12に示すフローチャートを参照しながら説明する。図12に示すように、医師が医用画像の読影を行う際に、据え置き型読影装置17、携帯端末装置18、19等のクライアント端末13を使用して、画像サーバー12にログインするための操作を行う(S30)。ユーザーによるログイン操作が行われると、図3に示す認証部46は、据え置き型読影装置17のモニター17a、または携帯端末装置18、19のタッチパネル41に、ログイン用のユーザーID及びパスワードの入力を促す画面を表示する。認証部46は、ユーザーによってユーザーID及びパスワードが入力されると、画像サーバー12にログイン通知とともに、ユーザーID及びパスワードを送信する。
【0067】
図2に示す画像サーバー12の認証部33は、クライアント端末13(例えば、特定の携帯端末装置18)から送信されてきたユーザーID及びパスワードと、ユーザー情報データベース32に記憶されているユーザーID及びパスワードとを比較する。画像サーバー12は、ユーザー情報データベース33に、送信されてきたものと一致するユーザーID及びパスワードがある場合には、そのクライアント端末13を認証する。一方、ユーザー情報データベース32に、送信されてきたものと一致するユーザーID及びパスワードが無い場合には、そのクライアント端末13を認証しない。
【0068】
クライアント端末13の認証部46は、画像サーバー12で認証されなかった場合には、据え置き型読影装置17のモニター17a、または携帯端末装置18、19のタッチパネル41に、ログイン用のユーザーID及びパスワードの入力画面を表示して、再ログインを促す。
【0069】
クライアント端末13で、医用画像を読影するための操作がされると(S31でYES)、画像サーバー12からクライアント端末13に医用画像を読み出して表示するために、医用画像読み出し処理が開始される(S32)。図5に示すように、医用画像読み出し処理では、クライアント端末13の画像取得部47から、画像サーバー12に医用画像リクエストが送信される(S1)。医用画像リクエストには、ユーザーが指定した患者ID等のリクエスト情報が含まれている。クライアント端末13から送信された医用画像リクエストが受信した画像サーバー12は、クライアント端末13に、図7に示す測定用データ68を送信する(S2)。
【0070】
通信速度測定部50は、測定用データ68を受信した受信時刻Ta2と、測定用データ68の送信開始時刻Ta1とに基づいて、画像サーバー12とクライアント端末13との間の通信速度S1を算出する(S3)。また、処理速度測定部51は、画像処理部48の濃度変換処理部54に、測定用データ68の測定用画像68bの濃度変換処理を行わせて濃度変換処理部54の処理速度S2を算出する(S4)。
【0071】
通信速度S1及び処理速度S2は、クライアント端末13から画像サーバー12に送信される(S5)。画像サーバー12の濃度変換モード判定部35は、クライアント端末13から受信した通信速度S1及び処理速度S2と、メモリから読み出した画像サーバー12の濃度変換処理部39の処理速度S3とに基づいて、第1濃度変換モードと第2濃度変換モードとのどちらを用いて医用画像の濃度変換処理を行った場合に、クライアント端末13での濃度変換済み医用画像の表示が速くなるかを判定する(S6)。
【0072】
濃度変換モード判定部35で第1濃度変換モードが選択された場合には、画像サーバー12の濃度変換処理部38は、医用画像の濃度変換処理を行う(S7)。濃度変換処理部38で濃度変換処理された濃度変換済み医用画像は、画像サーバー12からクライアント端末13に送信される(S8)。クライアント端末13に送信された濃度変換済み医用画像は、画像表示制御部49により、図4に示す医用画像表示画面57の医用画像表示部65に表示される(S9)。
【0073】
濃度変換モード判定部35で第2濃度変換モードが選択された場合には、画像サーバー12の画像分割処理部39は、医用画像を上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2に分割する分割処理(S10)を行う。画像サーバー12は、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を順にクラインアント端末13に送信する(S11、S12)。画像サーバー12から上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を受信したクライアント端末13は、画像処理部48の画像合成処理部53により、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を合成して元の医用画像72に復元する(S13)。次いで、クライアント端末13は、濃度変換処理部54で医用画像の濃度変換処理を行い、濃度変換済み医用画像を生成する(S14)。クライアント端末13の画像表示制御部49は、濃度変換処理部54で濃度変換された濃度変換済み医用画像を、図4に示す医用画像表示画面57の医用画像表示部65に表示する(S9)。
【0074】
図12に示すように、クライアント端末13には医用画像が表示されるので(S33)、医師はクライアント装置13で医用画像の読影を行うことができる。クライアント端末13での医用画像の読影を終了する場合(S34でYES)には、クライアント端末13で動作している画像ビューアを終了させる。また、別の医用画像の読影を行う場合には、画像ビューアで医用画像の読み出し操作が行われる(S34でNO)。
【0075】
このように、第1濃度変換モードを用いた場合の処理時間と、第2濃度変換モードを用いた場合の処理時間とを比較し、処理時間の短い濃度変換モードを選択して医用画像の濃度変換処理を行うことができるので、クライアント端末13での濃度変換済み医用画像の表示を迅速に行うことができる。
【0076】
また、画像サーバー12とクライアント端末13との間の通信速度は、通信トラフィックの増大やネットワーク機器の不調等によって変動しやすく、特に無線LAN22や携帯電話回線は、その通信場所の電波状況によって通信状態に影響を受けやすい。しかし、本実施形態によれば、クライアント端末13で通信速度と処理速度とを測定し、その測定値に基づいて濃度変換モードを選択するので、通信状況の変化に柔軟に対応して、クライアント端末13での濃度変換済み医用画像の表示を迅速に行うことができる。
【0077】
また、濃度変換モードが、クライアント端末13で濃度変換処理を行う第2濃度変換モードに切り替えられた場合には、医用画像を上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2に分割してからクライアント端末13に送信するから、ブラウザベースの画像ビューアでも医用画像の表示を行うことができる。
【0078】
なお、第1実施形態では、クライアント端末13で通信速度を測定しているが、第2実施形態に示すように画像サーバー12で通信速度を測定してもよい。画像サーバー12で通信速度を測定する場合には、例えば、クライアント端末13から画像サーバー12に送信する医用画像リクエストに、測定用データ68と同様に送信時刻の情報を含めておけばよい。画像サーバー12は、医用画像リクエストの受信時刻と、医用画像リクエストに含まれる送信時刻とに基づいて医用画像リクエストの通信時間を算出し、この通信時間と医用画像リクエストのデータ量とに基づいて通信速度を測定することができる。
【0079】
[第2実施形態]
第1実施形態では、画像サーバー12からクライアント端末13に送信した測定用データ68の測定用画像68aを、クライアント端末13の濃度変換処理部54で実際に濃度変換処理することにより、クライアント端末13の処理速度を測定している。これに対して、第2実施形態では、クライアント端末13から画像サーバー12に送信された識別情報に基づいて、画像サーバー12がクライアント端末13の処理速度を特定している。なお、第1実施形態との共通部分については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0080】
図13に示すように、画像サーバー12には、クライアント端末13から画像サーバー12に送信された識別情報に基づいて、クライアント端末13の処理速度を特定する処理速度特定部75が設けられている。これに対応して、図14に示すように、クライアント端末13からは、処理速度測定部が省略されている。また、第2実施形態では、クライアント端末13で処理速度の測定を行わないため、図15に示すように、測定用データ68には、測定用画像は含まれていない。
【0081】
クライアント端末13のブラウザ43を含む一般的なウェブブラウザは、サーバーに対してデータの読み出しを要請する際にデータリクエストを送信するが、このデータリクエストには、ユーザーエージェントの識別名が含まれている。ユーザーエージェントとは、リクエストしたデータを利用する際に用いるソフトウェアまたはハードウェアのことであり、例えば、ブラウザ名や、クライアント端末の機種名等が含まれる。第2実施形態のブラウザ43も、画像サーバー12に対してデータリクエストである医用画像リクエストを送信する際に、同時にユーザーエージェントの識別名を送信している。
【0082】
画像サーバー12の処理速度特定部75は、ユーザーエージェント取得部77と、処理速度データベース78とを備えている。ユーザーエージェント取得部77は、クライアント端末13のブラウザ43から送信された医用画像リクエストから、クライアント端末13の識別情報であるユーザーエージェントを取得する。このユーザーエージェントには、例えば、ブラウザ43のブラウザ名と、クライアント端末13の機種名等の識別名が含まれている。
【0083】
図16の表80に示すように、処理速度データベース78には、ブラウザ名及び機種名の組み合わせによって得られる濃度変換処理の処理速度が記憶されている。処理速度特定部75は、ユーザーエージェント取得部77で取得されたブラウザ名とクライアント端末の機種名とに基づいて処理速度データベース78を検索し、該当する処理速度を特定する。処理速度特定部75により特定された処理速度は、第1実施形態と同様に、濃度変換モード判定部35で濃度変換モードの判定に用いられる。
【0084】
第2実施形態では、画像サーバー12がクライアント端末13での処理速度を特定しているため、クライアント端末13の処理速度の測定が不要になる。この結果、測定用データ68から測定用画像も省略できるので、クライアント端末13で医用画像を表示するために必要な処理時間を短縮することができる。
【0085】
[第3の実施形態]
第1実施形態では、第2濃度変換モードの際に、医用画像72を分割した上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2をそのまま画像サーバー12からクライアント端末13に送信している。第3実施形態では、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2に圧縮処理を行ってから、画像サーバー12からクライアント端末13に送信する。なお、第1実施形態と共通部分については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0086】
図17に示すように、画像サーバー12の画像処理部36には、画像圧縮処理部82が設けられている。また、図18に示すように、クライアント端末13の画像処理部48には、画像復号処理部84が設けられている。図19に示すように、画像サーバー12の画像圧縮処理部82は、画像分割処理部39で分割された上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2のうち、医用画像の視認性に対する影響が大きい方、例えば上位ビット画像G1を可逆圧縮して上位圧縮画像G1aとし、他方の下位ビット画像G2を非可逆圧縮して下位圧縮画像G2aとする。画像サーバー12は、上位圧縮画像G1a及び下位圧縮画像G2aをクライアント端末13に送信する。
【0087】
図20に示すように、クライアント端末13の画像復号処理部84は、画像圧縮処理部82で圧縮された上位圧縮画像G1a及び下位圧縮画像G2aを、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2に復号する。復号された上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2は、画像合成処理部53で合成され、濃度変換処理部54で濃度変換処理される。
【0088】
第3実施形態によれば、第2濃度変換モードにおいて、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を圧縮した上位圧縮画像G1a及び下位圧縮画像G2aを、画像サーバー12からクライアント端末13に送信するので、通信時間を短縮することができる。また、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2のうち、医用画像の視認性に対する影響が大きい方を可逆圧縮して、他方を非可逆圧縮するので、医用画像の画質を維持しながら、通信時間を最大限まで短縮することができる。
【0089】
なお、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2のうち、上位ビット画像G1を可逆圧縮し、他方の下位ビット画像G2を非可逆圧縮しているが、下位ビット画像G2の方が医用画像の視認性に対する影響が大きい場合には、下位ビット画像G2を可逆圧縮し、他方の上位ビット画像G1を非可逆圧縮してもよい。
【0090】
[第4の実施形態]
第1実施形態では、第2濃度変換モードの際に、医用画像72を分割した上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を、上位ビット画像G1、G2の順に画像サーバー12からクライアント端末13に送信している。第4実施形態では、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2の送信順序を逆にしている。なお、第1実施形態と共通部分については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0091】
図21及び図22に示すように、画像サーバー12は、画像分割処理部39で分割された上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2をクライアント端末13に送信する際に、下位ビット画像G2、上位ビット画像G1の順に送信している(S11a、S12a)。また、図21及び図23に示すように、クライアント端末13の画像合成処理部53は、受信した画像を、上位ビット画像G1、下位ビット画像G2の順に並べ替え処理(S16)してから合成処理(S13)を行っている。こうすると、画像サーバー12からクライアント端末13への送信途中で画像が盗視された場合でも、画像の順番が入れ換えられているので復元することはできない。したがって、医用画像の盗視による個人情報の漏洩を防止することができる。
【0092】
なお、上記各実施形態では、第2濃度変換モードの際に、医用画像を上位ビット画像と下位ビット画像との2つに分割したが、クライアント端末13のブラウザ43で画像として取り扱えるビット数の上限以下であれば、3つ以上の画像に分割してもよい。この3つ以上の画像への分割を第4実施形態に適応すれば、分割された画像から元の画像への復元がより難しくなるので、医用画像の盗視による個人情報の漏洩防止を確実なものとすることができる。
【符号の説明】
【0093】
10 医用画像管理システム
11 モダリティ装置
12 画像サーバー
13 クライアント端末
14 院内ネットワーク
15 院外ネットワーク
17 据え置き型読影装置
18、19 携帯端末装置
41 タッチパネル
43 ブラウザ
57 医用画像表示画面
73 濃度変換済み医用画像
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】

【手続補正書】
【提出日】20150408
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
前記濃度変換モード判定部は、
前記画像サーバーで、前記医用画像を濃度変換処理するのに必要な第1濃度変換処理時間と、
前記画像サーバーで濃度変換処理された前記濃度変換済み医用画像を、前記画像サーバーから前記クライアント端末に送信するのに必要な第1通信時間と、
前記画像サーバーから前記クライアント端末に前記医用画像を送信するのに必要な第2通信時間と、
前記クライアント端末で前記医用画像を濃度変換処理するのに必要な第2濃度変換処理時間とをそれぞれ算出し、
前記第1濃度変換処理時間と前記第1通信時間とを加算した第1濃度変換モード処理時間と、前記第2濃度変換処理時間と前記第2通信時間とを加算した第2濃度変換モード処理時間とを比較する請求項1に記載の医用画像管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項13】
濃度変換された医用画像をクライアント端末のモニタに表示させるために、ネットワークを介して前記クライアント端末に接続された画像サーバに、
前記画像サーバーと前記クライアント端末との間の通信速度を測定する通信速度測定ステップと、
前記クライアント端末による濃度変換処理の処理速度を特定する処理速度特定ステップと、
前記通信速度と、前記クライアント端末の処理速度と、前記画像サーバーの既知の処理速度とに基づいて算出された第1濃度変換モードの処理時間と第2濃度変換モードの処理時間とを比較し、処理時間が短い方を選択する濃度変換モード判定ステップと、
前記第1濃度変換モードが選択されたときに、前記画像サーバーで前記医用画像を濃度変換処理してから、前記クライアント端末に濃度変換済み医用画像を送信し、前記第2濃度変換モードが選択されたときに、前記クライアント端末で前記医用画像を濃度変換処理するように、前記医用画像を前記クライアント端末に送信する送信ステップと、
を実行させるための医用画像管理プログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
変換済み医用画像の表示の早さは、医用画像管理システムの構成や通信条件等の影響を受けるために、画像サーバーで濃度変換をする方式と、クライアント端末で濃度変換する式とを比較した場合に、一方が常に早く濃度変換済み医用画像を表示するとは限らない。したがって、2種類の濃度変換方式のうちどちらを採用すべきかを決めることは困難である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
画像サーバー12のストレージには、アプリケーションプログラムとして、PCを画像サーバーとして機能させる画像サーバプログラムが記憶されている。画像サーバー12は、画像サーバプログラムが起動されると、図2に示すように、画像サーバー12のCPUは、医用画像データベース29、画像格納処理部30、画像検索処理部31、ユーザー情報データベース32、認証部33、濃度変換モード切り替え部34、濃度変換モード部35、画像処理部36として機能する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
画像処理部36は、濃度変換処理部38及び画像分割処理部39を備えている。濃度変換処理部38は、濃度変換モードが第1濃度変換モードに切り替えられた際に、医用画像データベース29から読み出した医用画像を濃度変換処理する。画像分割処理部39は、濃度変換モードが第2濃度変換モードに切り替えられた際に、クライアント端末13で医用画像を取り扱えるようにするために、医用画像データベース29から読み出した医用画像を少なくとも上位ビット画像及び下位ビット画像に分割して、クライアント端末13に送信する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図4に示すように、情報表示制御部49は、例えば携帯端末装置18のタッチパネル41に表示されたブラウザ43のブラウザ画面56内に、医用画像表示画面57を表示させる。医用画像表示画面57の上方には、患者ID表示部59、患者氏名表示部60、カナ氏名表示部61、性別表示部62、生年月日表示部63からなる患者情報表示部64が設けられている。患者情報表示部64の下方には、患者の医用画像が表示される医用画像表示部65が設けられている。なお、据え置き型読影置17及び携帯端末装置19にも、ブラウザ画面56及び医用画像表示画面57が表示されるが、携帯端末装置18と同様であるので説明は省略する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
通信速度測定部50は、測定用データ68を受信した受信時刻RTを測定し、受信時刻RTから測定用データ68の送信時刻BTを減算して、測定用データ68の通信にかかった通信時間CTを算出する。次いで、通信速度測定部50は、測定用データ68のデータ量Mdを測定用データ68の通信時間CTで除算(Md/CT)することにより、画像サーバー12とクライアント端末13との間の通信速度CSを算出する(S3)。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
処理速度測定部51は、画像処理部48の濃度変換処理部54に、測定用データ68の測定用画像68の濃度変換処理を行わせ、濃度変換処理にかかった処理時間PTを測定する。そして、処理速度測定部51は、測定用画像のデータ量Mpを処理時間PTで除算(Mp/PT)することにより、濃度変換処理部54の処理速度PSを算出する(S4)。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
第1濃度変換モードと第2濃度変換モードの処理時間の算出は、画像サーバー12の濃度変換モード判定部35において、図6に示す手順で行われる。第1濃度変換モードに対しては、まずクライアント端末13からリクエストされたリクエスト画像を画像サーバー12の濃度変換処理部3で濃度変換処理する場合の第1濃度変換処理時間PT1を算出する(S20)。第1濃度変換処理時間PT1は、リクエスト画像のデータ量M1を濃度変換処理部3の処理速度PS3で除算(M1/PS3)することにより求められる。次いで、濃度変換モード判定部35は、通信速度CSに基づいて、画像サーバー12で濃度変換処理した濃度変換済み医用画像をクライアント端末13に送信する場合の第1通信時間CT1を算出する(21)。第1通信時間CT1は、濃度変換済み医用画像のデータ量M2を通信速度CSで除算(M2/CS)することにより求められる。そして、濃度変換モード判定部35は、第1濃度変換処理時間PT1と、第1通信時間CT1とを加算して、第1濃度変換モード処理時間MT1を算出する(22)。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
ここで、各機器の通信速度及び処理速度を表す記号は、図8の表70に示されている。この表70には、画像サーバー12と据え置き型読影装置17との間の通信速度CS1、画像サーバー12と無線LAN22に接続された携帯端末装置18との間の通信速度CS2、画像サーバー12と携帯電話回線に接続された携帯端末装置19との間の通信速度CS3、据え置き型読影装置17の処理速度PS1、携帯端末装置18、19の処理速度PS2、画像サーバー12の処理速度PS3が記載されている。なお,画像サーバー12の処理速度PS3既知であるので、濃度変換モードの選択に際しては測定をしない。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
携帯電話回線に接続された携帯端末装置19で医用画像の読影をする場合には、画像サーバー12と携帯端末装置19との間の通信速度CS3、携帯端末装置19の処理速度PS2、画像サーバー12の処理速度PS3に基づいて、第1濃度変換モード処理時間MT1及び第2濃度変換モード処理時間MT2が求められる。画像サーバー12と携帯端末装置19との間は、携帯電話回線で接続されているため、通信速度CS3は有線LAN21や無線LAN22に比べて格段に遅くなり、通信状態は、有線LAN21に比べて不安定となる。このような場合には、クライアント端末13で濃度変換処理を行う第2濃度変換モードのほうが、第濃度変換モードよりも処理時間が短くなるため、第濃度変換モードが選択される場合が多くなる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
濃度変換モード判定部35で第2濃度変換モードが選択された場合には、濃度変換モード切り替え部34は、濃度変換モードを第2濃度変換モードに切り替える(S6)。この場合、画像サーバー12の画像分割処理部39は、医用画像を少なくとも2つに分割する分割処理(S10)を行ってからクライアント端末13に送信する(S11)。医用画像は、1画素当たりの階調数が9〜16ビットの多階調画像である。これに対し、クライアント端末13では、HTML言語を用いたブラウザ43上で動作する画像ビューアを用いているため、1画素当たりの階調数が8ビットまでの画像しか取り扱うことができず、階調数が8ビット以上の画像は、画像として認識できない。そのため、第2濃度変換モードでは、医用画像をブラウザ43で取り扱うことができるように分割処理してから、クライアント端末13に送信する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
図10に示すように、画像分割処理部39は、医用画像データベース29から読み出した例えば階調数が16ビットの医用画像72を、クライアント端末13のブラウザ43で取り扱うことができるビットの上限以下、例えば、階調数の上位8ビットの上位ビット画像G1と、階調数の下位8ビットの下位ビット画像G2とに分割する。画像サーバー12は、上位ビット画像G1をクライアント端末13に送信し(S11)、その後に下位ビット画像G2をクライアント端末13に送信する(S12)。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
図2に示す画像サーバー12の認証部33は、クライアント端末13(例えば、特定の携帯端末装置18)から送信されてきたユーザーID及びパスワードと、ユーザー情報データベース32に記憶されているユーザーID及びパスワードとを比較する。画像サーバー12は、ユーザー情報データベース3に、送信されてきたものと一致するユーザーID及びパスワードがある場合には、そのクライアント端末13を認証する。一方、ユーザー情報データベース32に、送信されてきたものと一致するユーザーID及びパスワードが無い場合には、そのクライアント端末13を認証しない。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
クライアント端末13で、医用画像を読影するための操作がされると(S31でYES)、画像サーバー12からクライアント端末13に医用画像を読み出して表示するために、医用画像読み出し処理が開始される(S32)。図5に示すように、医用画像読み出し処理では、クライアント端末13の画像取得部47から、画像サーバー12に医用画像リクエストが送信される(S1)。医用画像リクエストには、ユーザーが指定した患者ID等のリクエスト情報が含まれている。クライアント端末13から送信された医用画像リクエスト受信した画像サーバー12は、クライアント端末13に、図7に示す測定用データ68を送信する(S2)。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
通信速度測定部50は、測定用データ68を受信した受信時刻RTと、測定用データ68の送信時BTとに基づいて、画像サーバー12とクライアント端末13との間の通信速度CSを算出する(S3)。また、処理速度測定部51は、画像処理部48の濃度変換処理部54に、測定用データ68の測定用画像68の濃度変換処理を行わせて濃度変換処理部54の処理速度PSを算出する(S4)。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
通信速度CS及び処理速度PSは、クライアント端末13から画像サーバー12に送信される(S5)。画像サーバー12の濃度変換モード判定部35は、クライアント端末13から受信した通信速度CS及び処理速度PSと、メモリから読み出した画像サーバー12の濃度変換処理部3の処理速度S3とに基づいて、第1濃度変換モードと第2濃度変換モードとのどちらを用いて医用画像の濃度変換処理を行った場合に、クライアント端末13での濃度変換済み医用画像の表示が速くなるかを判定する(S6)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
濃度変換モード判定部35で第2濃度変換モードが選択された場合には、画像サーバー12の画像分割処理部39は、医用画像を上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2に分割する分割処理(S10)を行う。画像サーバー12は、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を順にクライアント端末13に送信する(S11、S12)。画像サーバー12から上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を受信したクライアント端末13は、画像処理部48の画像合成処理部53により、上位ビット画像G1及び下位ビット画像G2を合成して元の医用画像72に復元する(S13)。次いで、クライアント端末13は、濃度変換処理部54で医用画像の濃度変換処理を行い、濃度変換済み医用画像を生成する(S14)。クライアント端末13の画像表示制御部49は、濃度変換処理部54で濃度変換された濃度変換済み医用画像を、図4に示す医用画像表示画面57の医用画像表示部65に表示する(S9)。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
図12に示すように、クライアント端末13には医用画像が表示されるので(S33)、医師はクライアント端末13で医用画像の読影を行うことができる。クライアント端末13での医用画像の読影を終了する場合(S34でYES)には、クライアント端末13で動作している画像ビューアを終了させる。また、別の医用画像の読影を行う場合には、画像ビューアで医用画像の読み出し操作が行われる(S34でNO)。
【国際調査報告】