(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014051088
(43)【国際公開日】20140403
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】窒化珪素質焼結体および加熱装置ならびに吸着装置
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/591 20060101AFI20160729BHJP
   C04B 35/584 20060101ALI20160729BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20160729BHJP
   F27D 11/02 20060101ALI20160729BHJP
【FI】
   !C04B35/58 102V
   !C04B35/58 102C
   !H05B3/10 Z
   !F27D11/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】2014538647
(21)【国際出願番号】JP2013076359
(22)【国際出願日】20130927
(11)【特許番号】5894288
(45)【特許公報発行日】20160323
(31)【優先権主張番号】2012218929
(32)【優先日】20120929
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
(72)【発明者】
【氏名】大田 瑞穂
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】石川 和洋
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】織田 武廣
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K092
4G001
4K063
【Fターム(参考)】
3K092PP10
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4G001BA01
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4G001BD37
4G001BD38
4G001BE15
4K063FA14
(57)【要約】
【課題】 熱伝導率の高い窒化珪素質焼結体および加熱装置ならびに吸着装置を提供する。
【解決手段】
本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有することから、高い熱伝導率を有する。また、このような窒化珪素質焼結体からなる保護管を備える加熱装置は、ヒーターの熱を効率よく伝達することができる。さらに、このような窒化珪素質焼結体からなる吸着部材を備える吸着装置は、被吸着体が有する熱を効率よく放熱することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有することを特徴とする窒化珪素質焼結体。
【請求項2】
前記窒化珪素を80質量%以上含有してなり、X線回折法によって求められる回折角27°〜28°における前記窒化珪素の結晶のピーク強度Iに対し、回折角31°〜34°における前記MgRESi13の結晶のピーク強度Iの比率(I/I×100)が2%以上9%以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化珪素質焼結体。
【請求項3】
表層において、鉄および珪素を含む第1の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の前記第1の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化珪素質焼結体。
【請求項4】
表層において、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の前記第2の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体。
【請求項5】
ヒーターと、該ヒーターを内包して保護する保護管とを備えてなり、前記保護管が請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする加熱装置。
【請求項6】
吸着孔を有する吸着部材と、該吸着部材を支持する支持部材とを備えてなり、前記吸着部材が請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする吸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化珪素質焼結体および加熱装置ならびに吸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化珪素質焼結体は、熱伝導率が高く、耐熱衝撃性や耐摩耗性にも優れているため、例えば、アルミニウム,亜鉛,銅,マグネシウムまたはこれらの金属の合金の溶湯に浸漬される溶湯金属用部材(ヒーター用保護管,ラドル,ストーク,脱ガス用ロータ等),半導体ウエハを固定するための吸着装置に用いられる吸着部材等、様々な部材として用いられている。
【0003】
このような窒化珪素質焼結体としては、例えば、特許文献1には、粒界相がYbMgSiNの結晶を含み、X線回析チャートにおいてYbMgSiNに基づくピークのうち最大強度を示すピークの強度(IYb)が、窒化珪素に基づくピークのうち最大強度を示すピークの強度(Is)に対して、0%超10%以下とする窒化珪素質質焼結体が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、MgYSi13の結晶を有する窒化珪素質焼結体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/114752号
【特許文献2】特許第28552682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、様々な部材として用いられる窒化珪素質焼結体には、さらなる高熱伝導化が求められている。
【0007】
本発明は、上述した要求を満たすべく案出されたものであり、熱伝導率の高い窒化珪素質焼結体およびこれを用いた加熱装置ならびに吸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の加熱装置は、ヒーターと、該ヒーターを内包して保護する保護管とを備えてなり、前記保護管が上記構成の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする。
【0010】
本発明の吸着装置は、吸着孔を有する吸着部材と、該吸着部材を支持する支持部材とを備えてなり、前記吸着部材が上記構成の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の窒化珪素質焼結体によれば、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有することから、熱伝導率の高い窒化珪素質焼結体となる。
【0012】
また、本発明の加熱装置によれば、ヒーターと、ヒーターを内包して保護する保護管とを備えてなり、保護管が上記構成の窒化珪素質焼結体からなることから、ヒーターの熱を保護管外部に効率よく伝達することができる。
【0013】
また、本発明の吸着装置によれば、吸着孔を有する吸着部材と、吸着部材を支持する支持部材とを備えてなり、吸着部材が上記構成の窒化珪素質焼結体からなることから、被吸着体が有する熱を効率よく放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態の加熱装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本実施形態の吸着装置の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態の窒化珪素質焼結体について詳述する。
【0016】
本実施形態の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶と、REMgSiNの結晶とを有する。ここで、REは希土類元素であり、スカンジウム(SC),イットリウム(Y)およびランタノイド系元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)がある。そして、本実施形態の窒化珪素質焼結体は、主相として窒化珪素の結晶が存在し、窒化珪素の結晶の間には、粒界相として、MgRESi13の結晶,REMgSiNの結晶および非晶質相が少なくとも存在する。
【0017】
窒化珪素質焼結体が上記構成を満たすものであることにより、粒界相において熱伝導率の低い非晶質相の存在割合が相対的に少なくなるため、高い熱伝導率を有するものとなる。さらに、本実施形態の窒化珪素質焼結体が高い熱伝導率を有するのは、理由は明らかではないが、粒界相にMgRESi13の結晶およびREMgSiNの結晶が存在していることにより、MgRESi13の結晶またはREMgSiNの結晶が単独で存在しているときよりも、結晶化が促進されていることも寄与しているものと推察される。
【0018】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素を80質量%以上含有してなり、X線回折法によって求められる回折角27°〜28°における窒化珪素の結晶のピーク強度Iに対し、回折角31°〜34°におけるMgRESi13の結晶のピーク強度Iの比率(I/I×100)が2%以上9%以下であることが好適である。このような構成を満たすときには、高い熱伝導率とともに、高い機械的特性を有する窒化珪素質焼結体とすることができる。さらに、比率(I/I×100)が4%以上8%以下であるときには、さらに高い機械的特性を有する窒化珪素質焼結体とすることができる。
【0019】
窒化珪素の含有量は、X線回折装置(XRD)により含有量を求めることができる。具体的には、窒化珪素質焼結体をXRDで測定し、得られた結果をリートベルト解析することによって含有量を求めることができる。また、窒化珪素の結晶,MgRESi13の結晶およびREMgSiNの結晶の同定は、XRDまたは透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて確認することができる。なお、本実施形態の窒化珪素質焼結体に不可避不純物が含まれていても何ら差し支えない。
【0020】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体は、表層において、鉄および珪素を含む第1の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の第1の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることが好適である。なお、本実施形態における表層とは、窒化珪素質焼結体の表面から深さ1mmまでの範囲にある部分をいう。上記構成を満たしているときには、鉄および珪素を含む第1の化合物は熱力学的に安定したものであることから、窒化珪素質焼結体の耐熱衝撃性を向上させることができるとともに、第1の化合物が酸化して変色したとしても、窒化珪素質焼結体そのものの変色を抑制できる。
【0021】
ここで、鉄および珪素を含む第1の化合物とは、鉄および珪素からなる化合物(例えば、FeSi,FeSi等)、または、鉄および珪素と、酸素,アルミニウム,マグネシウム,カルシウム,ナトリウムおよびカリウムの少なくともいずれかの元素とからなる化合物である。
【0022】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体は、表層において、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の第2の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることが好適である。上記構成を満たしているときには、窒化珪素質焼結体の表面の黒色化傾向が強くなるため、表面に色ムラが生じにくく、さらに、タングステンおよび珪素を含む第1の化合物は、強度等の機械的特性を高めるものであることから、機械的な応力がかかってもクラックの発生を抑制することができる。
【0023】
ここで、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物とは、タングステンおよび珪素からなる化合物(例えば、WSi,WSi等)、または、タングステンおよび珪素と、酸素,アルミニウム,マグネシウム,カルシウム,ナトリウムおよびカリウムの少なくともいずれかの元素とからなる化合物である。
【0024】
また、表層において、鉄および珪素を含む第1の化合物や、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在しているか否かについては、EPMAを用いたマッピングの確認により、Feの存在位置とSiの存在位置とが重なっている箇所や、Wの存在位置とSiの存在位置とが重なっている箇所が複数存在するか否かで確認することができる。なお、それぞれの化合物の同定は、XRDで測定して同定すればよい。
【0025】
また、円相当径が0.05μm以上5μm以下の鉄および珪素を含む第1の化合物ならびにタングステンおよび珪素を含む第2の化合物との1mm当たりの個数は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率を1000倍として、例えば、面積が10.8×10μm(横方向の長さが127μm、縦方向の長さが85.3μm)となるように範囲を設定し、CCDカメラでこの範囲の反射電子像を取り込み、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて、粒子解析という手法で解析すればよい。
【0026】
ここで、この手法の設定条件としては、明度を明、2値化の方法を手動、反射電子像の明暗を示す指標であるしきい値を、反射電子像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の例えば、1.5倍〜1.8倍に設定すればよい。また、鉄および珪素を含む第1の化合物と、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物とが両方とも存在する場合、それぞれの化合物が色調により識別ができるしきい値に適宜設定すればよい。なお、走査型電子顕微鏡の代わりに光学顕微鏡を用いても構わない。
【0027】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体は、緻密体のみならず、用途に合わせて、例えば、気孔率が20体積%以上60体積%以下の多孔体であってもよい。
【0028】
本実施形態の窒化珪素質焼結体が多孔体である場合には、気孔径の累積分布曲線における累積25体積%の気孔径(p25)に対する累積75体積%の気孔径(p75)の比(以下、比(p75/p25)という。)が1.1以上1.5以下であることが好適である。
【0029】
上記の比(p75/p25)が1.1以上1.5以下であるときには、気孔径のばらつきが少なくなり、耐熱衝撃性および機械的特性をともに高くすることができるため、加熱,冷却が繰り返し行われる用途に用いたとしても、クラックの発生を抑制することができる。
【0030】
なお、窒化珪素質焼結体の気孔径(p25)および気孔径(p75)は、窒化珪素質焼結体における気孔径の累積分布曲線において累積25体積%および75体積%に相当する気孔径のことである。また、気孔径の累積分布曲線とは、2次元のグラフにおける横軸を気孔径、縦軸を気孔径の累積気孔体積の百分率とした場合、気孔径の累積分布を示す曲線をいい、気孔径の分布範囲を示すものである。
【0031】
ここで、窒化珪素質焼結体の気孔径については、水銀圧入法に準拠して求めればよい。具体的には、まず、窒化珪素質焼結体から質量が2g以上3g以下となるように試料を切り出す。次に、水銀圧入型ポロシメータを用いて、試料の気孔に水銀を圧入し、水銀に加えられた圧力と、気孔内に浸入した水銀の体積とを測定する。
【0032】
この水銀の体積は気孔の体積に等しく、水銀に加えられた圧力と気孔径とには以下の式(1)(Washburnの関係式)が成り立つ。
p=−4σcosθ/P・・・(1)
但し、p:気孔径(m)
P:水銀に加えられた圧力(Pa)
σ:水銀の表面張力(0.485N/m)
θ:水銀と気孔の表面との接触角(130°)
式(1)から各圧力Pに対する各気孔径pが求められ、各気孔径pの分布および累積気孔体積から累積分布曲線を作成し、累積気孔体積の百分率が25体積%および75体積%に相当する気孔径が、気孔径(p25),気孔径(p75)である。
【0033】
このような、本実施形態の窒化珪素質焼結体は、溶湯金属に浸漬したり、内部に溶湯金属を流したりするような、例えば、ヒーター用保護管等の溶湯金属用部材に好適に用いられるほか、半導体ウエハを固定するための吸着装置に用いられる吸着部材等に用いることが好適である。以下にこれらについて図を用いて説明する。
【0034】
図1は、本実施形態の加熱装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0035】
図1に示す加熱装置4は、ヒーター1と、ヒーター1を内包して保護する保護管2と、ヒーター1に電力を供給するための電源3とを備えており、保護管2が、本実施形態の窒化珪素質焼結体からなる。以下、例えば、アルミニウム,亜鉛,銅,マグネシウムおよびこれらの金属の合金等の溶湯金属に用いる場合について説明する。
【0036】
ヒーター1を内包した保護管2を溶湯金属(図示せず)中に浸漬して用い、電源3から電力が供給されて発熱したヒーター1の熱を、本実施形態の窒化珪素質焼結体からなる保護管2を介して溶湯金属に伝達することにより、ヒーター1の熱を効率よく溶湯金属に伝達することができ、溶湯金属の溶融状態を維持することができる。
【0037】
なお、本実施形態の加熱装置4は溶湯金属以外に、例えば、温泉の再加熱用途等にも用いることもできる。
【0038】
図2は、本実施形態の吸着装置の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【0039】
本実施形態の吸着装置10は、吸着孔5を有する板状の吸着部材6と、中央に吸着部材6を載置するための段差7を有する支持部材8とを備え、吸着部材6が、本実施形態の窒化珪素質焼結体からなる。そして、支持部材8は、外部と接続するための貫通孔9を有しており、貫通孔9は配管(図示せず)を介して真空ポンプ(図示せず)と接続されるものである。なお、支持部材8は、例えば、セラミックスまたは金属からなれば良く、吸着部材6と支持部材8とは接着剤(図示せず)を用いて隙間がないように封止されている。
【0040】
ここで、図2において、吸着部材6の吸着孔5として、吸着面6aから対向する面に向かって貫通する貫通孔の例を示しているが、吸着部材6を多孔体として、多孔体の気孔を吸着孔として用いてもかまわない。
【0041】
本実施形態の吸着装置10は、吸着部材6が本実施形態の窒化珪素質焼結体からなることから、被吸着体が有する熱を効率よく放熱することができる。それ故、信頼性の高い吸着装置10とすることができる。
【0042】
次に、本実施形態の窒化珪素質焼結体の製造方法について説明する。まず、金属シリコン粉末と、窒化珪素粉末とを準備して、金属シリコン粉末/窒化珪素粉末の質量比が1〜10となるように混合した混合粉末を準備する。ここで、金属シリコン粉末の粒径の大きさによっては、窒化不足および焼結不足の原因となるおそれがあるため、金属シリコン粉末は、粒度分布曲線の累積体積の総和を100%としたときの累積体積が90%となる粒径(D90)が10μm以下、好ましくは6μm以下のものを用いる。
【0043】
また、粒界相を形成するために、希土類元素の酸化物の粉末と、水酸化マグネシウム,酸化マグネシウムおよび炭酸マグネシウムの少なくともいずれか1種のマグネシウム化合物の粉末とを準備する。
【0044】
ここで、混合粉末と、希土類元素の酸化物の粉末と、マグネシウム化合物の粉末(以下、混合粉末、希土類元素の酸化物の粉末およびマグネシウム化合物の粉末を、単に、出発原料という。)との合計100質量%のうち、希土類元素の酸化物の粉末は10質量%以上14質量%以下、マグネシウム化合物の粉末は2質量%以上4質量%以下であることが好適である。
【0045】
また、酸化鉄,酸化クロム,酸化ニッケル,酸化モリブデンおよび酸化タングステンの少なくとも1種の粉末を、出発原料の合計100質量部に対して0.02質量部以上4質量部以下添加してもよい。これら酸化鉄,酸化クロム,酸化ニッケル,酸化モリブデンおよび酸化タングステンは、焼成時に珪素と反応して酸素を離脱することで、熱力学的に安定した珪化物として生成し、この珪化物が粒界相内に存在することにより、高温における機械的特性や耐熱衝撃性を向上させることができる。
【0046】
ここで、表層に、鉄および珪素を含む第1の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の第1の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下である窒化珪素質焼結体を得るには、比表面積が0.5m/g以上50m/g以下である酸化鉄の粉末を準備すればよい。なお、準備する酸化鉄の粉末の量は、出発原料の合計100質量部に対して、酸化鉄の粉末が1質量部以上1.7質量部以下となるようにする。
【0047】
また、表層に、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の第2の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下である窒化珪素質焼結体を得るには、比表面積が0.5m/g以上50m/g以下である酸化タングステンの粉末を準備する。なお、準備する酸化タングステンの粉末の量は、出発原料の合計100質量部に対して、酸化タングステンの粉末が0.6質量部以上0.9質量部以下となるようにする。
【0048】
次に、所定量秤量した各粉末を溶媒とともに、バレルミル,回転ミル,振動ミル、ビーズミル等によって湿式で混合・粉砕してスラリーとする。また、パラフィンワックス,PVA(ポリビニルアルコール),PEG(ポリエチレングリコール)等の有機バインダを、出発原料の合計100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下でスラリーに混合することで成形性を向上させることができる。さらに、分散性を高めるために分散剤を添加してもよい。
【0049】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体を多孔体とする場合には、樹脂ビーズからなる気孔形成剤をスラリーに混合すればよい。気孔率が20体積%以上60体積%以下の多孔体を得るには、平均粒径が0.015μm以上0.14μm以下である気孔形成剤を用いて、出発原料の合計100質量部に対して、気孔形成剤の添加量を2質量部以上6質量部以下とすればよい。
【0050】
気孔形成剤としては、例えば、シリコーンビーズ,ポリスチレンおよびポリアクリル−スチレンの少なくとも1種からなる懸濁重合された非架橋性の樹脂ビーズを用いればよい。ここで、比(p75/p25)が1.1以上1.5以下である窒化珪素質焼結体を得るには、粒径の累積分布曲線における累積25体積%の粒径(d25)に対する累積75体積%の粒径(d75)の比(d75/d25)が1.05以上1.45以下である樹脂ビーズを用いればよい。
【0051】
次に、粒径(D90)が3μm以下となるまで粉砕したスラリーを篩いに通した後に、噴霧乾燥装置を用いて顆粒を得る。
【0052】
次に、得られた顆粒を、プレス成形,CIP成形(Cold Isostatic Pressing)等によって所望の形状を有する成形体とする。成形圧力は50〜100MPaの範囲であれば、成形体の密度の向上や顆粒の潰れ性の観点から好適である。
【0053】
また、鋳込み成形,射出成形,テープ成形,押出成形等の成形方法を用いてもよい。また、それぞれの成形方法で成形した後に、成形体を切削したり、積層したり、接合したりすることによって所望の形状としてもよい。
【0054】
次に、脱脂炉内に得られた成形体を載置して、窒素または真空雰囲気中等で脱脂して、脱脂体を得る。脱脂温度は添加した有機バインダの種類によって異なるが900℃以下であることが好適である。特に好適には500〜800℃である。
【0055】
次に、窒化処理炉内に脱脂体を載置して窒素雰囲気中で、脱脂温度からさらに温度を上げて窒化する。なお、上述した窒化は、以下のように進行させるのがよい。金属シリコンを含む脱脂体は、窒化工程において脱脂体の表面に存在する金属シリコンから窒化が始まり、時間の経過とともに脱脂体のより内部に存在する金属シリコンの窒化が進行する。そのため、特に脱脂体の内部における窒化不足を生じさせないためには、低温での窒化(第1の窒化工程)の後、高温での窒化(第2の窒化工程)を行なうことが好ましい。
【0056】
まず、第1の窒化工程として、窒素の圧力を10〜200kPaとし、1000〜1200℃の温度で15〜25時間保持することで、脱脂体中の金属シリコンの10〜70質量%を窒化する。次に、第2の窒化工程として、第1の窒化工程の温度から1400℃の間の温度で5〜15時間保持することで脱脂体中の金属シリコンの残部を窒化させて窒化体を得る。ここで、第2の窒化工程の温度は第1の窒化工程の温度よりも高く、第1の窒化工程と第2の窒化工程とは連続して実施した方が経済的であるため好適である。
【0057】
そして、窒化体を焼成炉内に設置された匣鉢の内部に配置し、窒素の圧力を400〜800Paに維持して昇温を続け、温度を1760℃以上1860℃以下として8〜12時間保持した後、降温速度を120℃/時間以上195℃/時間以下として降温する。このように、窒化反応焼結を行なうとともに降温速度を上記範囲とすることにより、本実施形態の窒化珪素質焼結体を得ることができる。
【0058】
また、比率(I/I×100)が2%以上9%以下である窒化珪素質焼結体を得るには、上記温度で8〜12時間保持した後、降温速度を120℃/時間以上190℃/時間以下として降温すればよい。さらに、比率(I/I×100)を4%以上8%以下とするためには、上記温度で8〜12時間保持した後、降温速度を145℃/時間以上175℃/時間以下として降温すればよい。
【0059】
また、窒化体を匣鉢の内部に配置するとき、その内部の雰囲気を制御するために、金属シリコンと二酸化珪素とからなる脱脂体も併せて匣鉢内に配置することが好適である。なお、脱脂体における、金属シリコンと二酸化珪素とのモル比は、Si:SiO=0.6〜1.4:1とする。
【0060】
さらに、相対密度が99質量%以上である窒化珪素質焼結体を得る場合には、熱間静水圧加圧(HIP)処理を施してもよく、この処理を施すことにより、さらに熱伝導率および機械的特性を高くすることができる。
【0061】
以下、本実施形態の実施例を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0062】
まず、平均粒径が3μmの金属シリコン粉末と、平均粒径が1μmの窒化珪素粉末とを準備して、金属シリコン粉末/窒化珪素粉末の質量比が5.5となる混合粉末を得た。また、粒界相を形成するために、表1に示す希土類元素の酸化物の粉末と、水酸化マグネシウムの粉末とを準備した。
【0063】
ここで、出発原料の合計100質量%のうち、各試料につき表1に示す希土類元素の酸化物の粉末を12質量部,水酸化マグネシウムの粉末を3質量部となるよう秤量して準備した。
【0064】
そして、秤量した各粉末と、エタノールと、窒化珪素質焼結体からなる粉砕用メディアとをバレルミルに入れて湿式で混合・粉砕した。その後、出発原料の合計100質量部に対して、有機バインダであるポリビニルアルコール(PVA)を5質量部添加して混合することによりスラリーを得た。次に、噴霧乾燥装置を用いて顆粒を得た後、得られた顆粒を用いてCIP成形して、さらに切削加工を施して、外径,内径および長さがそれぞれ180mm,157mm,1205mmの保護管2の成形体を得た。
【0065】
次に、脱脂炉内に成形体を載置し、窒素雰囲気中500℃で5時間保持することにより脱脂した。次に、窒化処理炉内に脱脂体を載置して窒素の圧力を150kPaとして、昇温し、1050℃で20時間,1250℃で10時間順次保持して窒化し、窒化体を成形した。次に、窒化体を焼成炉内に設置された匣鉢の内部に配置し、その内部の雰囲気を制御するために、金属シリコンと二酸化珪素とからなる脱脂体も併せて匣鉢内に配置した。脱脂体を構成する金属シリコンと二酸化珪素とのモル比は1:1とした。そして、窒素の圧力を600Paとして昇温し、1830℃で10時間保持し、表1に示す降温速度で降温することにより、外径,内径および長さがそれぞれ150mm,130mm,1000mmの、図1に示す保護管2の形状をした試料No.1〜9,11〜19,21〜29を得た。
【0066】
また、原料粉末として窒化珪素粉末を用いて窒化工程を経ず液相焼結させたこと以外は、試料No.1〜9と同じ作製方法により試料No.10を得た。また、同様に、原料粉末として窒化珪素粉末を用いて窒化工程を経ず液相焼結させたこと以外は試料No.11〜19と同じ作製方法により試料No.20を、また、原料粉末として窒化珪素粉末を用いて窒化工程を経ず液相焼結させたこと以外は試料No.21〜29と同じ作製方法により試料No.30を得た。なお、試料No.10,20および30の液相焼結の焼成条件は、得られた成形体を匣鉢に入れて、10気圧の窒素ガス圧中1850℃で15時間保持し、表1に示す降温速度で降温するものとした。
【0067】
また、試料No.31,32,33として、試料No.4,14,24と同じ作製方法によって得られた焼結体にHIP処理を施した試料を作製した。なお、HIP処理は、窒素雰囲気中、温度および圧力をそれぞれ1700℃,100MPaとして、1時間加熱する処理とした。
【0068】
そして、粒界相に含まれる結晶をXRDにより同定し、同定された結晶の組成式を表1に示した。また、XRDでの測定により、いずれの試料も窒化珪素の結晶を有していることが確認された。そして、回折角27°〜28°における窒化珪素の結晶のピーク強度Iに対する回折角31°〜34°におけるMgRESi13の結晶のピーク強度Iの比率(I/I×100)、回折角29°〜32°におけるREMgSiNの結晶のピーク強度Iの比率(I/I×100)を算出し表1にそれぞれA,Bで示した。
【0069】
また、各試料からJIS R 1611−1997に準ずる試験片を切り出し、熱伝導率を測定した。さらに、各試料からJIS R 1601−2008に準ずる試験片を10本切り出し、室温における4点曲げ強度を測定し、測定値の平均を表1に示した。
【0070】
なお、試料No.1〜33における窒化珪素の含有量を、XRDにより含有量を求めたところ、全て、80%質量以上であることを確認した。
【0071】
【表1】
【0072】
表1に示すとおり、試料No.2〜8,12〜18,22〜28,31〜33は、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶と、REMgSiNの結晶とを有することから、MgRESi13の結晶のみを含む試料No.1,11,21、REMgSiNの結晶のみを含む試料No.10,20,30、REMgSiNの結晶およびREMgSiNの結晶を両方含まない試料No.9,19,29に比べてより高い熱伝導率を有することがわかる。
【0073】
また、試料No.2〜7,12〜17,22〜27は、比率(I/I×100)が2%以上9%以下であることにより、高い熱伝導率とともに、高い機械的特性を有する窒化珪素質焼結体であることがわかった。また、比率(I/I×100)が4%以上8%以下であることにより、さらに高い機械的特性を有する窒化珪素質焼結体であることがわかった。
【0074】
また、試料No.31〜33は、試料No.4,14,24に比べて熱伝導率および4点曲げ強度の値が大きくなっており、HIP処理によって、熱伝導率および機械的特性を高くできることがわかった。
【実施例2】
【0075】
比表面積が表2に示す値の酸化第2鉄の粉末を、出発原料の合計100質量部に対して1.4質量部となるように秤量してスラリーに添加したこと以外は、実施例1の試料No.4を作製した方法と同じ方法により試料No.34〜43を作製した。
【0076】
そして、各試料について、XRDで測定したところ、すべての試料において鉄および珪素を含む第1の化合物である珪化鉄(FeSi)の結晶が存在することが確認された。また、実施例1と同様にして、試料No.34〜43の比率(I/I×100),比率(I/I×100)を確認したところ、比率(I/I×100)が4%,比率(I/I×100)が3%であった。
【0077】
また、EPMAを用いたマッピングの確認により、Feの存在位置とSiの存在位置とが重なっている箇所が複数存在し、珪化鉄が点在していることを確認した。
【0078】
さらに、SEMを用いて倍率を1000倍として、面積が10.8×10μm(横方向の長さが127μm、縦方向の長さが85.3μm)となるように範囲を設定した。そして、CCDカメラでこの範囲の反射電子像を取り込み、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて、表層における円相当径が0.05μm以上5μm以下の珪化鉄の個数を粒子解析することにより、1mm当たりの個数を求め表2に示した。ここで、この手法の設定条件としては、明度を明、2値化の方法を手動、反射電子像の明暗を示す指標であるしきい値を、反射電子像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の1.6倍に設定した。
【0079】
次に、試料の熱衝撃試験を行なった。具体的には、各試料から厚みが3mm,幅が4mm,長さが40mmの試験片を切り出し、この試験片を800℃となるまで加熱した後、20℃の水中に投下し、投下後の試験片の表層におけるクラックの有無を目視で観察した。また、同じ大きさの試験片を切り出し、加熱温度を900℃として同様の試験を行なった。その結果を表2に示した。
【0080】
次に、試料の酸化試験を行なった。具体的には、大気雰囲気中、温度を900℃として200時間保持してから、空冷した後、表層を目視で観察した。表2に表層が赤色に変色している試料には赤色と記入し、表層において変色が確認されていない試料は棒線で示す。
【0081】
【表2】
【0082】
表2に示すように、試料No.35〜42は、表層において、鉄および珪素を含む第1の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることにより、800℃における耐熱衝撃試験においてクラックが生じておらず、耐熱衝撃性に優れていることがわかった。また、酸化試験の結果から、試料No.35〜42は、変色は確認されておらず、変色を抑制できるとともに、体熱衝撃性に優れた窒化珪素質焼結体であることがわかった。
【0083】
また、1mm当たりの個数が、5.1×10個以上であることにより、さらに耐熱衝撃特性を高められることがわかった。
【実施例3】
【0084】
比表面積が表3に示す値の酸化タングステンの粉末を、出発原料の合計100質量部に対して0.8質量部となるように秤量してスラリーに添加したこと以外は、実施例1の試料No.4を作製した方法と同じ方法により試料No.44〜52を作製した。
【0085】
そして、各試料について、XRDで測定したところ、すべての試料においてタングステンおよび珪素を含む第2の化合物である珪化タングステン(WSi)の結晶が存在することが確認された。また、実施例1と同様にして、試料No.34〜43の比率(I/I×100),比率(I/I×100)を確認したところ、比率(I/I×100)が4%,比率(I/I×100)が3%であった。
【0086】
また、EPMAを用いたマッピングの確認により、Wの存在位置とSiの存在位置とが重なっている箇所が複数存在し、珪化タングステンが点在していることを確認した。
【0087】
さらに、表層における円相当径が0.05μm以上5μm以下の第2の化合物の1mm当たりの個数を実施例2と同様の方法で求めた。なお、ヒストグラムのピーク値のみ1.7倍に設定した。結果を表3に示す。
【0088】
また、各試料からJIS R 1601−2008に準ずる試験片を10本切り出し、室温における4点曲げ強度を測定し、測定値の平均を表3に示した。また、色彩色差計(コニカミノルタホールディングス社(製)CM−3700A)を用い、光源をCIE標準光源D65に、視野角を10°に、測定範囲を3mm×5mmに設定して、JIS Z 8722−2000に準拠して、各試料の表面の色調を測定し、明度指数L*,クロマティクネス指数a*,b*の測定値を表3に示した。
【0089】
【表3】
【0090】
表3に示すように、試料No.45〜51は、表層において、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の第2の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることにより、明度指数L*の値が小さいため、窒化珪素質焼結体の表面が明度の低い色を呈しており、色ムラが生じにくいとともに、4点曲げ強度の値が大きく、機械的特性に優れているため、機械的な応力がかかってもクラックの発生を抑制できることがわかった。
【符号の説明】
【0091】
1:ヒーター
2:保護管
3:電源
4:加熱装置
5:吸着孔
6:吸着部材
7:段差
8:支持部材
9:貫通孔
10:吸着装置
【図1】
【図2】

【手続補正書】
【提出日】20151226
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有し、表層において、鉄および珪素を含む第1の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の前記第1の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
【請求項2】
窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有し、表層において、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の前記第2の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
【請求項3】
前記窒化珪素を80質量%以上含有してなり、X線回折法によって求められる回折角27°〜28°における前記窒化珪素の結晶のピーク強度Iに対し、回折角31°〜34°における前記MgRESi13の結晶のピーク強度Iの比率(I/I×100)が2%以上9%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化珪素質焼結体。
【請求項4】
ヒーターと、該ヒーターを内包して保護する保護管とを備えてなり、前記保護管が請求項1乃至請求項のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする加熱装置。
【請求項5】
吸着孔を有する吸着部材と、該吸着部材を支持する支持部材とを備えてなり、前記吸着部材が請求項1乃至請求項のいずれかに記載の窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする吸着装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(R
Eは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有し、表層において、鉄および珪素を含む第1の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の前記第1の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることを特徴とする。
また、本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化珪素の結晶と、MgRESi13の結晶(REは希土類元素である)と、REMgSiNの結晶とを有し、表層において、タングステンおよび珪素を含む第2の化合物が点在し、円相当径が0.05μm以上5μm以下の前記第2の化合物の個数が、1mm当たり2.0×10個以上2.0×10個以下であることを特徴とする。
【国際調査報告】