(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014054155
(43)【国際公開日】20140410
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】駆動制御装置一体型回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/04 20060101AFI20160729BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20160729BHJP
【FI】
   !H02K5/04
   !H02K11/00 X
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】2014539542
(21)【国際出願番号】JP2012075816
(22)【国際出願日】20121004
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 悟
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】園田 功
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】浅尾 淑人
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC03
5H605CC08
5H605DD09
5H605EC20
5H605GG16
5H611BB01
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
この発明に係る駆動制御装置一体型回転電機は、モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた出力軸を有する回転子と、固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、出力軸の一端部側に設けられモータハウジングの開口部を塞ぐとともに出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、鋳造部材で構成された取付ハウジングに接合されたモータハウジングは、鋼鉄材料で構成されているので、外径が小さく、かつ高温環境下でも固定子鉄心の保持強度が十分確保された制御装置一体型回転電機を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、
前記モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた前記出力軸を有する回転子と、前記固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、前記出力軸の前記一端部側に設けられ前記モータハウジングの開口部を塞ぐとともに前記出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、
前記モータハウジングは、鋼鉄材料で構成され、前記取付ハウジングは、鋳造部材で構成されていることを特徴とする駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項2】
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合手段は、前記開口部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項3】
前記接合手段は、前記モータハウジングの端部に径方向に突出して形成された取付フランジに設けられた取付ネジであることを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項4】
前記接合手段は、前記モータハウジングの端部に内側方向に折曲されて形成された折曲部に設けられた取付ネジであることを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項5】
前記接合手段は、前記モータハウジングの端部または前記取付ハウジングの一方を他方にかしめる、かしめ接合であることを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項6】
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合部位には、軸線方向に沿って延びて互いに密接した嵌着部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項7】
前記モータハウジングは、前記開口部の外周縁部にリブが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項8】
前記モータと前記駆動制御装置との間には、前記出力機構と反対側の前記出力軸の他端部を支持するリア側ハウジングが設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項9】
前記駆動制御装置一体型回転電機は、電動パワーステアリング装置であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モータと、このモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化された駆動制御装置一体型回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の駆動制御装置一体型回転電機として、モータの固定子鉄心を収納するモータハウジング(特許文献1ではハウジング12)がアルミニウムダイキャストで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2012−515524号公報(8頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示した、モータと、このモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機では、モータの固定子鉄心を収納するモータハウジングがアルミニウムダイキャストで構成されている。
従って、強度確保のためにモータハウジングの板厚を厚くする必要があり、駆動制御装置一体型回転電機の外径が大きくなるという問題点があった。
また、鉄系材料で構成された固定子鉄心と、アルミニウムダイキャストで構成されたモータハウジングの線膨張係数の差により、固定子鉄心とモータハウジングとの間に隙間が生じてしまい高温環境下における固定子鉄心の保持強度が低下するという問題点もあった。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、外径が小さく、また高温環境下でも固定子鉄心の保持強度が十分確保された駆動制御装置一体型回転電機を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる駆動制御装置一体型回転電機は、モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、
前記モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた前記出力軸を有する回転子と、前記固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、前記出力軸の前記一端部側に設けられ前記モータハウジングの開口部を塞ぐとともに前記出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、
前記モータハウジングは、鋼鉄材料で構成され、前記取付ハウジングは、鋳造部材で構成されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る駆動制御装置一体型回転電機によれば、鋳造部材で構成された取付ハウジングに接合されたモータハウジングは、鋼鉄材料で構成されているので、外径が小さく、かつ高温環境下でも固定子鉄心の保持強度が十分確保された駆動制御装置一体型回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1である電動パワーステアリング装置を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の電動パワーステアリング装置を駆動制御装置側から視たときの平面図である。
【図4】この発明の実施の形態である電動パワーステアリング装置を取付ハウジング側から視た平面図である。
【図5】この発明の実施の形態2である電動パワーステアリング装置を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3である電動パワーステアリング装置を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
【図7】この発明の実施の形態4である電動パワーステアリング装置を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態の電動パワーステアリング装置を図に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である電動パワーステアリング装置1を示す、軸線方向に沿った切断断面図、図2は図1の側面図、図3は図1の電動パワーステアリング装置1を駆動制御装置8側から視たときの平面図、図4はこの発明の実施の形態1である電動パワーステアリング装置1を取付ハウジング9A側から視た平面図である。
この駆動制御装置一体型回転電機である電動パワーステアリング装置1は、モータ2と、このモータ2の駆動を制御する駆動制御装置8とが一体化されている。駆動制御装置8は、出力軸16の一端部側に設けられる出力機構である減速機構(図示せず)と反対側の他端部側に設けられている。
モータ2は、永久磁石同期モータであって、固定子11と、この固定子11の内径側に隙間をあけて回転自在に設けられた回転子12と、を備えている。
固定子11は、電磁鋼板を積層して形成された固定子鉄心3と、この固定子鉄心3に形成された軸線方向に延びたスロット(図示せず)に樹脂製のインシュレータ4を介して2組巻装された3相の固定子巻線5と、固定子鉄心3の駆動制御装置8側の端面に設けられた樹脂製のターミナルホルダ6と、このターミナルホルダ6に収められそれぞれの組の固定子巻線5をYまたはΔ結線するための巻線ターミナル7と、一端部がこの巻線ターミナル7に接続され他端部が駆動制御装置8と電気的に接続されたモータターミナル32a、32bと、を備えている。
【0011】
回転子12は、中間部が膨大の出力軸16と、この出力軸16の中間部の外周面に取付けられた界磁を発生させる磁石17と、出力軸16の一端部に取付けられ、減速機構と連結するためのカップリングであるボス18と、を備えている。
【0012】
固定子鉄心3には、鉄鋼材料からなる冷間圧延鋼板で構成されたモータハウジング10Aが圧入されている。このモータハウジング10Aは、減速機構側に開口部を有し駆動制御装置8側が有底の円筒形状である。モータハウジング10Aの底部の中央部には、出力軸16の他端部を回転支持するためのリアベアリング21を収納するリアベアリングボックス部22が形成されている。
【0013】
モータハウジング10Aの開口部は、外周縁部の全周に沿って径方向に突出したリブ46が形成されており、また外周縁部の四箇所に径方向に突出した取付フランジ47aが形成されている。
【0014】
モータハウジング10Aの開口部は、減速機構を収納する出力機構ハウジング(図示せず)が取付けられる取付ハウジング9Aで塞がれている。アルミニウム合金のダイキャスト成形品である取付ハウジング9Aは、軸線方向に延びた嵌着部45aが形成されている。モータハウジング10Aは、取付フランジ47aで接合手段である取付ネジ33により取付ハウジング9Aと接合されている。また、モータハウジング10Aと、取付フランジ47aとを接合する接合部位では、嵌着部45aがモータハウジング10Aの開口部の内周壁面に密接している。
この取付ハウジング9Aは、中央部にフロントベアリングボックス部14が形成されている。このフロントベアリングボックス部14には、回転子12の出力軸16の一端部を回転支持するためのフロントベアリング13が収納されている。
また、取付ハウジング9Aには、対向して二箇所に径方向に突出した取付フランジ44、及び出力機構ハウジングを取り付けるための嵌着部15が形成されている。
なお、この実施の形態では、取付ネジ33は、取付ハウジング9Aに形成された雌ネジ部に対し、駆動制御装置8側から螺着しているが、雌ネジ部をバーリング加工等によってモータハウジング10Aの取付フランジ47a部に形成し、取付ネジ33を取付ハウジング9A側から螺着するようにしてもよい。
【0015】
駆動制御装置8は、モータハウジング10Aの開口部と反対側の底面36に接着、固定され、アルミニウム合金のダイキャスト成形品によって形成されたヒートシンク部19Aと、マイクロコンピュータ24及びFET駆動回路25が搭載されたガラスエポキシ製の制御基板26と、パワーMOSFET等のパワー素子が搭載され3相分を1組とした2組のインバータ部27a、27bと、を備えている。
また、駆動制御装置8は、制御基板26とインバータ部27a、27bとの間に設けられインバータ部27a、27bに電力を供給する銅製のターミナル(図示せず)、及びインバータ部27a、27bとコンデンサ(図示せず)、コイル(図示せず)をそれぞれ接続する銅製のターミナル(図示せず)、信号コネクタ43と制御基板26、電源コネクタ42とインバータ部27a、27bを接続する銅製のターミナル(図示せず)を樹脂にインサート成形して一体的に形成されたリードフレーム28と、ヒートシンク部19Aのモータ2と反対側の周縁部に端面が接合され、制御基板26,インバータ部27a、27b、リードフレーム28等を覆ったカバー23と、を備えている。
【0016】
インバータ部27a、27bは、ヒートシンク部19Aの軸線方向に突出した突起部29a、29bに密着しており、インバータ部27a、27bのパワー素子の発熱は、ヒートシンク部19Aに伝熱される。インバータ部27a、27bには、インバータ部信号ターミナル30a、30b及びインバータ部モータターミナル31a、31bが設けられている。インバータ部信号ターミナル30a、30bは、制御基板26に、インバータ部モータターミナル31a、31bは、それぞれモータターミナル32a、32bにそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
上記構成の電動パワーステアリング装置1によれば、モータハウジング10Aは、鋼鉄で構成されているので、従来のアルミニウムで構成されたモータハウジングと比較して、物理的強度が高くなり、モータハウジング10Aの肉厚を薄くすることができて、電動パワーステアリング装置1の外径を小さくすることができるとともに軽量化を図ることができる。
従って、車両に取り付けられ、運転者の操舵力を補助する、この実施の形態の電動パワーステアリング装置を用いることで、車両の燃費が向上し、二酸化炭素の排出量を削減できる効果がある。
また、モータハウジング10Aは、鋼鉄で構成されているので、モータハウジング10Aに収納された電磁鋼板で構成された固定子鉄心3との線膨張係数の差が少ないため、温度変化が生じても線膨張係数の差によってモータハウジング10Aと固定子鉄心3との間に隙間が殆ど生じることがなく、高温環境下でもモータハウジング10Aに固定子鉄心3を確実に保持固定することができる。
【0018】
また、取付ハウジング9Aを鋳造部材で構成したので、形状自由度が高く減速機構を収納する出力機構ハウジングの形状に応じて容易に設計を変更することができ、電動パワーステアリング装置1の製造コストを安価にできる。
【0019】
また、取付ハウジング9Aは、モータハウジング10Aの開口部で接合手段である取付ネジ33を用いて接合したので、電動パワーステアリング装置1の径方向の余分な突出がなく、電動パワーステアリング装置1の外形を小さくすることができる。
【0020】
また、取付ネジ33が螺着される取付フランジ47aは、モータハウジング10Aの開口部に形成されているので、モータハウジング10Aと一体的にプレス加工等で容易に形成される。
【0021】
また、取付ハウジング9Aに、モータハウジング10Aの内壁面に密着する軸線方向に延びた嵌着部45aが形成されているので、モータハウジング10Aとの同軸度確保が容易になるとともに、モータハウジング10Aとの接触面積が大きくなり、接合強度及び気密性の確保が容易になる。
【0022】
また、モータハウジング10Aの開口部の外周縁部には、径外側方向に突出したリブ46が形成されているので、モータハウジング10Aの強度をより向上させることができるとともに、取付ハウジング9Aとの接触面積が大きくなり、気密性の確保が容易になる。
【0023】
また、モータハウジング10Aの開口部と反対側の底面36に、モータハウジング10Aと同径の駆動制御装置8のヒートシンク部19Aを接合したので、駆動制御装置8は、モータハウジング10Aから径方向に突出することはなく、電動パワーステアリング装置1の外形を小さくできる。
【0024】
さらに、モータハウジング10Aの開口部と反対側の底部にリアベアリング21保持のためのリアベアリングボックス部22を形成したので、リアベアリングボックス部22用の新たな部材が不要となり、電動パワーステアリング装置1の製造コストを安価にできる。
【0025】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2である電動パワーステアリング装置1を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
この実施の形態では、モータハウジング10Bは、取付ハウジング9B側の開口部の端部に内側に折曲された折曲部38が形成されている。
モータハウジング10Bは、折曲部38でアルミニウム合金のダイキャスト成形品である取付ハウジング9Bと接合手段である取付ネジ37によって固定されている。
【0026】
取付ハウジング9Bの外周縁部には、モータハウジング10Bの出力軸側の外周壁面に密接した軸線方向に延びた嵌着部45bが形成されている。
この取付ハウジング9Bの中央部には、フロントベアリングボックス部14が形成されている。このフロントベアリングボックス部14には、回転子12の出力軸16の一端部を回転支持するためのフロントベアリング13が収納されている。
また、取付ハウジング9Bには、対向して二箇所に径方向に突出した取付フランジ44、及び出力機構ハウジング(図示せず)を取り付けるための嵌着部15が形成されている。
【0027】
なお、図5では取付ネジ37は、取付ハウジング9Bに形成された雌ネジ部に対し、モータ2側から螺着しているが、雌ネジ部をバーリング加工等によってモータハウジング10Bの折曲部38に形成し、取付ネジ37を取付ハウジング9B側から螺着するようにしてもよい。
【0028】
モータハウジング10Bは、折曲部38と反対側の開口部には、径外側方向に折曲された取付フランジ47bが形成されている。この取付フランジ47bには、アルミニウム合金のダイキャスト成形品であるリア側ハウジング20の端面が面接触している。モータハウジング10Bは、取付フランジ47bで接合手段である取付ネジ34を用いてリア側ハウジング20に接合されている。凹形状のリア側ハウジング20の中央部には、回転子12の出力軸16の他端部を回転支持するためのリアベアリング21を収納したリアベアリングボックス部22が形成されている。
【0029】
リア側ハウジング20は、駆動制御装置8のヒートシンク部19Bと取付ネジ35により接合されている。ヒートシンク部19Bは、アルミニウム合金のダイキャスト成形品によって形成されている。このヒートシンク部19Bには、カバー23の端面が接合されている。
【0030】
なお、図5では、リア側ハウジング20とヒートシンク部19Bとを取付ネジ35によって連結しているが、接着、かしめ等により連結する構成としてもよい。
また、図5では、リア側ハウジング20とヒートシンク部19Bが別部材で構成されているが、これを一体に構成してもよい。
他の構成は、実施の形態1の電動パワーステアリング装置1と同じである。
【0031】
この実施の形態による電動パワーステアリング装置1によれば、実施の形態1の電動パワーステアリング装置1と同様な効果が得ることができるとともに、次のような効果も得ることができる。
モータハウジング10Bと取付ハウジング9Bとは、内径側に折曲された折曲部38で取付ネジ37を用いて接合されているので、モータハウジング10Bの径方向外側に余分な突出がなく、電動パワーステアリング装置1の外形を小さくできる。
【0032】
また、リア側ハウジング20は、一方の開口部には折曲部38が形成され、また他方の開口部には取付フランジ47bで形成されているが、これらの折曲部38及び取付フランジ47bは、モータハウジング10Bと一体的にプレス加工などによって容易に形成できる。
【0033】
また、取付ハウジング9Bに、モータハウジング10Bの外周面に密接した軸線方向に延びた嵌着部45bを形成したので、モータハウジング10Bとの同軸度確保が容易になるとともに、モータハウジング10Bとの接触面積が大きくなり、接合強度及び気密性の確保が容易になる。
【0034】
また、モータ2と駆動制御装置8との間には、出力軸16の一端部を支持するリア側ハウジング20が設けられているので、出力軸16の一端部をモータハウジング10Aで支持した実施の形態1のものと比較して、モータハウジング10Bの肉厚を小さくすることができる。
【0035】
また、ヒートシンク部19Bは、リア側ハウジング20に取付ネジ35で接合されているので、ヒートシンク部19Aがモータハウジング10Aの底面36に接着剤で接合された実施の形態1のものと比較して、ヒートシンク部19Bはより確実に接合される。
【0036】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3である電動パワーステアリング装置1を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
この実施の形態では、モータハウジング10Cは、減速機構側に開口部を有し駆動制御装置8側が有底の円筒形状である。モータハウジング10Cの底部の中央部には、出力軸16の他端部を回転支持するためのリアベアリング21を収納するリアベアリングボックス部22が形成されている。
モータハウジング10Cの底面36には、バネ性を有する係合部材39が溶接等によって取り付けられている。この係合部材39は、駆動制御装置8のヒートシンク部19Cに設けられた被係合部40に係合し、モータハウジング10Cとヒートシンク部19Cとを接合固定している。ヒートシンク部19Cは、アルミニウム合金のダイキャスト成形品によって形成されている。このヒートシンク部19Cには、カバー23の端面が接合されている。
【0037】
モータハウジング10Cの取付ハウジング9C側は、実施の形態1のモータハウジング10Aと同様に、開口している。
アルミニウム合金のダイキャスト成形品である取付ハウジング9Cは、モータハウジング10Cの開口部の端部41をかしめてモータハウジング10Cと連結されている。
取付ハウジング9Cには、モータハウジング10Cの開口部の内周面と密接した軸線方向に延びた嵌着部45cが形成されている。
なお、図6ではモータハウジング10Cを取付ハウジング9Cにかしめ結合しているが、取付ハウジング9Cをモータハウジング10Cにかしめるようにしてもよい。
他の構成は、実施の形態1の電動パワーステアリング装置1と同じである。
【0038】
この実施の形態による電動パワーステアリング装置1によれば、実施の形態1の電動パワーステアリング装置1と同様な効果が得ることができるとともに、次のような効果も得ることができる。
モータハウジング10Cと取付ハウジング9Cとは、取付ネジを用いることなく、モータハウジング10Cの端部41を内側にかしめることで簡単に接合されており、径方向の余分な突出がなく、電動パワーステアリング装置1の外形を小さくできる。
【0039】
また、取付ハウジング9Cに嵌着部45cを設けたので、モータハウジング10Cとの同軸度確保が容易になるとともに、モータハウジング10Cとの接触面積が大きくなり、接合強度及び気密性の確保が容易になる。
【0040】
また、ヒートシンク部19Cは、係合部材39が被係合部40に係合することで、モータハウジング10Cの底面36に接合固定されているので、ヒートシンク部19Aがモータハウジング10Aの底面36に接着剤で接合された実施の形態1のものと比較して、ヒートシンク部19Cはより確実に接合される。
【0041】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4である電動パワーステアリング装置1を示す、軸線方向に沿った切断断面図である。
この実施の形態では、モータハウジング10Dは、取付ハウジング9A側及び駆動制御装置8側の両方とも開口部を有する円筒形状である。
【0042】
モータハウジング10Dの取付ハウジング9A側に設けられた取付ハウジング9Aは、実施の形態1のものと同じである。この取付ハウジング9Aは、取付フランジ47aで螺着した取付ネジ33によりモータハウジング10Dに固定されている。
【0043】
また、モータハウジング10Dの取付ハウジング9A側の開口部は、外周縁部の全周に沿って径方向に突出したリブ46が形成されており、また外周縁部の四箇所に径方向に突出した取付フランジ47aが形成されている。
【0044】
モータハウジング10Dの駆動制御装置8側の開口部に設けられたリア側ハウジング20は、実施の形態2と同じリア側ハウジング20である。
他の構成は、実施の形態1の電動パワーステアリング装置1と同じである。
【0045】
この実施の形態による電動パワーステアリング装置1によれば、実施の形態1及び2の電動パワーステアリング装置1と同様な効果が得ることができるとともに、次のような効果も得ることができる。
モータハウジング10Dの取付ハウジング9A側の開口部には取付フランジ47aが形成され、また駆動制御装置8側の開口部には取付フランジ47bが形成されており、取付フランジ47a、47bは、モータハウジング10Dと一体的にプレス加工等によって容易に形成できる。
【0046】
なお、上記各実施の形態では、駆動制御装置一体型回転電機として電動パワーステアリング装置1について説明したが、この発明は、勿論このものに限定されるものではなく、エアコン用コンプレッサ、油圧ポンプ等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 電動パワーステアリング装置1、2 回転電機、3 固定子鉄心、4 インシュレータ、5 固定子巻線、6 ターミナルホルダ、7 巻線ターミナル、8 駆動制御装置、9A、9B、9C 取付ハウジング、10A、10B、10C、10D モータハウジング、11 固定子、12 回転子、13 フロントベアリング、14 フロントベアリングボックス部、15 嵌着部、16 出力軸、17 磁石、18 ボス、19A、19B、19C ヒートシンク部、20 リア側ハウジング、21 リアベアリング、22 リアベアリングボックス部、23 カバー、24 マイクロコンピュータ、25 FET駆動回路、26 制御基板、27a、27b インバータ部、28 リードフレーム、
29a、29b 突起部、30a、30b インバータ部信号ターミナル、31a、31b インバータ部モータターミナル、32a、32b モータターミナル、33,34,35,37 取付ネジ(接合手段)、36 底面、38 折曲部、39 係合部材、40 被係合部、41 端部、42 電源コネクタ、43 信号コネクタ、44 取付フランジ、45a、45b、45c 嵌着部、46 リブ、47a、47b 取付フランジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

【手続補正書】
【提出日】20150803
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明に係わる駆動制御装置一体型回転電機は、モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、
前記モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた前記出力軸を有する回転子と、前記固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、前記出力軸の前記一端部側に設けられ前記モータハウジングの開口部を塞ぐとともに前記出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、
前記モータハウジングは、鋼鉄材料で構成されているとともに前記開口部に内側方向に折曲された端部を有し、
前記取付ハウジングは、鋳造部材で構成され、
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合手段は、前記開口部の前記端部に設けられていることを特徴とする駆動制御装置一体型回転電機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、
前記モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた前記出力軸を有する回転子と、前記固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、前記出力軸の前記一端部側に設けられ前記モータハウジングの開口部を塞ぐとともに前記出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、
前記モータハウジングは、鋼鉄材料で構成されているとともに前記開口部に内側方向に折曲された端部を有し、
前記取付ハウジングは、鋳造部材で構成され、
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合手段は、前記開口部の前記端部に設けられていることを特徴とする駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項2】
前記接合手段は、前記端部に設けられた取付ネジであることを特徴とする請求項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項3】
前記接合手段は、前記モータハウジングの前記端部または前記取付ハウジングの一方を他方にかしめる、かしめ接合であることを特徴とする請求項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項4】
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合部位には、軸線方向に沿って延びて互いに密接した嵌着部が形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項5】
前記モータと前記駆動制御装置との間には、前記出力機構と反対側の前記出力軸の他端部を支持するリア側ハウジングが設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項6】
前記駆動制御装置一体型回転電機は、電動パワーステアリング装置であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。

【手続補正書】
【提出日】20160222
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明に係わる駆動制御装置一体型回転電機は、モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、
前記モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた前記出力軸を有する回転子と、前記固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、前記出力軸の前記一端部側に設けられ前記モータハウジングの開口部を塞ぐとともに前記出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、
前記モータハウジングは、鋼鉄材料で構成されているとともに前記開口部に内側方向に折曲された端部を有し、
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合手段は、前記開口部の前記端部に設けられており、
また、前記接合手段は、前記端部に設けられた取付ネジである
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、このモータの出力軸の一端部側に設けられる出力機構と反対側の他端部側に設けられモータの駆動を制御する駆動制御装置とが一体化されて設けられた駆動制御装置一体型回転電機であって、
前記モータは、薄板鋼板が積層された固定子鉄心に固定子巻線が巻装された固定子と、この固定子の内径側に回転自在に設けられ中心軸線に沿って延びた前記出力軸を有する回転子と、前記固定子鉄心を収納した筒状のモータハウジングと、前記出力軸の前記一端部側に設けられ前記モータハウジングの開口部を塞ぐとともに前記出力機構を収納する出力機構ハウジングが取付けられる取付ハウジングと、を備え、
前記モータハウジングは、鋼鉄材料で構成されているとともに前記開口部に内側方向に折曲された端部を有し、
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合手段は、前記開口部の前記端部に設けられており、
また、前記接合手段は、前記端部に設けられた取付ネジであることを特徴とする駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項2】
前記モータハウジングと前記取付ハウジングとを接合する接合部位には、軸線方向に沿って延びて互いに密接した嵌着部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項3】
前記モータと前記駆動制御装置との間には、前記出力機構と反対側の前記出力軸の他端部を支持するリア側ハウジングが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【請求項4】
前記駆動制御装置一体型回転電機は、電動パワーステアリング装置であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の駆動制御装置一体型回転電機。
【国際調査報告】