(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014054160
(43)【国際公開日】20140410
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】制御システム管理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20160729BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20160729BHJP
【FI】
   !H04L12/28 200M
   !G05B19/05 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】2014539547
(21)【国際出願番号】JP2012075863
(22)【国際出願日】20121004
(11)【特許番号】5701462
(45)【特許公報発行日】20150415
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】長島 勝
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H220
5K033
【Fターム(参考)】
5H220BB07
5H220CC07
5H220HH04
5H220JJ12
5H220JJ26
5H220JJ29
5K033AA03
5K033AA09
5K033BA03
5K033CB01
5K033DA01
5K033DB20
5K033DB23
5K033EA03
5K033EA07
5K033EC01
5K033EC02
(57)【要約】
実施の形態の制御システム管理装置は、複数のネットワークと、複数のネットワークを中継する1つ以上の中継局と、中継局により制御される1つ以上の被制御機器と、を含む制御システムのネットワーク構成をユーザが設計する表示部を有するシステム構成エディタ部と、中継局から、装着されている通信ユニットに関するネットワーク設定情報、および接続されているネットワークに関するルーチング情報を収集する情報収集部と、任意の中継局を起点となる接続局とし、情報収集部を介して接続局から取得したネットワーク設定情報およびルーチング情報に基づいて制御システムのネットワーク構成を解析するネットワーク構成解析部と、を備え、ネットワーク構成解析部の解析結果に基づき、システム構成エディタ部で設計されたネットワーク構成図上において、その時点での接続局から中継局および被制御機器への通信可否を表示部に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークと、前記複数のネットワークを中継する1つ以上の中継局と、前記中継局により制御される1つ以上の被制御機器と、を含む制御システムのネットワーク構成をユーザが設計する表示部を有するシステム構成エディタ部と、
前記中継局から、装着されている通信ユニットに関するネットワーク設定情報、および接続されている前記ネットワークに関するルーチング情報を収集する情報収集部と、
任意の前記中継局を起点となる接続局とし、前記情報収集部を介して前記接続局から取得した前記ネットワーク設定情報および前記ルーチング情報に基づいて前記制御システムのネットワーク構成を解析するネットワーク構成解析部と、
を備え、
前記ネットワーク構成解析部の解析結果に基づき、前記システム構成エディタ部で設計されたネットワーク構成図上において、その時点での前記接続局から前記中継局および前記被制御機器への通信可否を前記表示部に表示する
ことを特徴とする制御システム管理装置。
【請求項2】
前記ネットワーク構成解析部は、前記接続局以外の前記中継局からの前記ネットワーク設定情報および前記ルーチング情報にも基づいて前記制御システムのネットワーク構成を解析する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム管理装置。
【請求項3】
前記ネットワーク設定情報は、前記通信ユニットに接続された前記ネットワークの識別番号を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム管理装置。
【請求項4】
前記ルーチング情報は、前記ネットワークの識別番号および前記中継局の識別番号を含む
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の制御システム管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム内の機器が保有しているネットワーク設定情報やルーチング情報を収集して、それらの情報をもとにネットワーク構成を解析することで、その制御システム管理装置がその時点で通信可能な機器を特定して、各機器への通信可否を表示する制御システム管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、制御システムが大規模化するに伴い、ネットワークの構成も複雑になってきている。制御システムを構成するプログラマブルコントローラ(PLC:Programable Logic Controller、以下PLCと略す)や表示器(HMI:Human Machine Interface)などネットワークと接続可能なFA機器が提供する各種通信ユニットは、それぞれの通信形態に依存した様々なパラメータを設定しなければ正常に動作しない。
【0003】
ネットワーク設定情報やルーチング情報は、制御システムや各機器を正しく動作させるためのパラメータであり、各機器が内部データとして格納している。そのため、ユーザは、各機器のパラメータを一つずつ確認することは可能である。しかし、一般的に、FA(Factory Automation)機器を利用するユーザは、制御システムの専門家であることは多いが、必ずしもネットワークの専門家ではない。ネットワークの専門家でないユーザが、各機器のパラメータを見て、その内容から制御システム全体としての動作を理解するのは困難である。
【0004】
そのため、本来ネットワークの専門家でないエンジニアに余計な負荷をかけると同時に、設定ミスによる立上げ時間の増加など生産ライン構築に余分なコストがかかっている。
【0005】
さらに、制御システムでは、ネットワーク設定情報やルーチング情報によって、機器間で通信できる範囲が変わる。また、制御システム管理装置を制御システムのどの機器とつなぐかによって、その制御システム管理装置から通信できる機器が変わるため、制御システム管理装置が、常に、制御システム内のすべての機器にアクセスできるとは限らない。
【0006】
しかし、ネットワークの専門家でないユーザが、制御システム管理装置がその時点でどの機器と通信できるかを判断することは難しい。ユーザの中には、ネットワークで物理的に接続されていれば、そのネットワーク上のどの機器にも通信できると誤解しているケースもある。そのため、制御システム管理装置のユーザの誤認識による、機器にアクセスできない、制御システムのすべての機器から一括読み書きできていなかったといったトラブルが発生する可能性がある。
【0007】
従来の制御システムエンジニアリング装置は、制御システムの中の1つの制御装置と接続し、制御装置が接続するネットワークを含むネットワーク構成情報を収集するオンラインネットワーク構成情報収集手段を備え、オンラインネットワーク構成情報で得られた各制御装置の構成とネットワークとの接続関係を、表示手段上に表示できる。
【0008】
また、ネットワーク構成情報収集手段が制御システム中の各制御装置までのオフライン接続経路を収集してオンライン接続経路に重ねて表示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】再表2008/146380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の制御システムエンジニアリング装置では、各制御装置の構成とネットワークとの接続関係、すなわち、ネットワーク構成図を生成するために、各PLCから、PLCに接続するネットワークを示す接続ネットワーク情報やPLCのシステム構成(ベースに装着されているユニットの構成)を示すベース情報を含むネットワーク構成情報と、各PLCへの接続経路である接続経路情報とを収集している。そして、収集したシステム構成情報から、ネットワークの構成、すなわち、ネットワークに接続するPLCを示すネットワーク情報を生成している。
【0011】
この発明では、各PLCから情報を収集していること、また、収集する情報が接続ネットワーク情報/ネットワーク構成情報/接続経路情報が多いため、ネットワーク構成の解析に時間がかかるという問題点があった。さらに、一つのネットワークに接続される機器が増えるたびに、機器への問い合わせ回数が比例的に増加するという問題点もあった。
【0012】
また、従来の制御システムエンジニアリング装置では、その時点の各装置の構成とネットワークとの接続関係を構成図として表示するため、構成図にはその時点で物理的に接続されている制御装置しか表示されない。ユーザが既に作成した構成図上の各機器について、その時点で通信可否を表示できないため、前述した制御システム管理装置のユーザの誤認識を防止できないという問題点もある。
【0013】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、ユーザに通信できる装置と通信できない装置を明示的に知らせることが可能な制御システム管理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のネットワークと、前記複数のネットワークを中継する1つ以上の中継局と、前記中継局により制御される1つ以上の被制御機器と、を含む制御システムのネットワーク構成をユーザが設計する表示部を有するシステム構成エディタ部と、前記中継局から、装着されている通信ユニットに関するネットワーク設定情報、および接続されている前記ネットワークに関するルーチング情報を収集する情報収集部と、任意の前記中継局を起点となる接続局とし、前記情報収集部を介して前記接続局から取得した前記ネットワーク設定情報および前記ルーチング情報に基づいて前記制御システムのネットワーク構成を解析するネットワーク構成解析部と、を備え、前記ネットワーク構成解析部の解析結果に基づき、前記システム構成エディタ部で設計されたネットワーク構成図上において、その時点での前記接続局から前記中継局および前記被制御機器への通信可否を前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる制御システム管理装置は、複数のネットワーク階層で構成される制御システムにおいて通信可能な機器と通信不可の機器をユーザに知らせることができるという効果を奏する。それにより、制御システム管理装置を接続した機器によって変わる通信可能な機器をユーザに示すことで誤認識を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施の形態に係る制御システム管理装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、制御システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、ユーザが設計したネットワーク構成図が表示部に表示された様子を示す図である。
【図4】図4は、ネットワークリストの例を示す図である。
【図5】図5は、設定されているルーチング情報の例を示す図である。
【図6】図6は、ネットワーク構成解析方法のフローを示す図である。
【図7】図7は、ネットワーク構成解析の結果が表示部に表示された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる制御システム管理装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる制御システム管理装置1の構成例を示す図である。
【0019】
図1において、制御システム管理装置1は、システム構成エディタ部2、オブジェクト情報管理部3、オブジェクト情報記憶部4、ネットワーク構成解析部5、情報収集部6、およびネットワーク情報記憶部7を備える。
【0020】
システム構成エディタ部2は、机上で制御システムのレイアウト図をビジュアルに作成し、制御システムのネットワーク構成を定義できるグラフィカルユーザインタフェース部分である。前述した機器は、制御システムの構成要素であるプログラマブルコントローラ(PLC)、表示器、数値演算装置(NC:Numerical Control)、フィールド機器(センサ、バルブ、モータ、サーボアンプ、インバータ、ロボットなど)を指す。
【0021】
なお、システム構成エディタ部2は、各種情報をユーザに対して表示する表示部8、ユーザからの指示の入力を受け付ける入力部を含む。
【0022】
ユーザが作成した制御システムのネットワーク構成に関する情報は、オブジェクト情報管理部3により、オブジェクト情報記憶部4に格納される。オブジェクト情報管理部3は、システム構成エディタ部2において、ネットワーク構成図にオブジェクト(機器、ユニットおよびネットワーク)を配置、移動または削除する操作と同期して、オブジェクト情報記憶部4を更新する。そのため、オブジェクト情報記憶部4は、常に、システム構成エディタ部2に配置されているオブジェクトと整合性を保たれる。
【0023】
ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6によって制御システムの各機器から収集したネットワーク設定情報やルーチング情報をもとに、ネットワーク構成を解析する。情報収集部6によって収集された各種情報は、ネットワーク情報記憶部7に一時的に格納される。
【0024】
ネットワーク構成解析部5は、システム構成エディタ部2からネットワーク構成解析の指示を受けると、ネットワーク情報記憶部7の内容を見ながら、情報収集部6に対して制御システム内のどの機器から何の情報を取得するのかを指示する。情報収集部6は、機器から取得した情報をネットワーク情報記憶部7に格納する。ネットワーク構成解析部5は、ネットワーク構成の解析結果を、システム構成エディタ部2に報告する。
【0025】
システム構成エディタ部2は、ネットワーク構成解析部5から受けたネットワーク構成の解析結果をもとに、通信可能な機器について、ネットワーク構成図上の該当機器をハイライト表示する。
【0026】
図2は、制御システム100の構成例を示す図である。なお、以降の説明では、制御システム管理装置1と直結された機器を接続局、各ネットワークを管理する機器をマスタ局、複数のネットワークに接続された機器を中継局と呼称する。中継局は、複数のネットワークに接続される機器で、あるネットワークから他のネットワークへ通信データを中継することができる機器を指す。制御システム100では、例えば、PLCと表示器が中継局に該当する。
【0027】
図2の構成例では、制御システム100は、4台のPLC21〜24、7台の被制御機器31〜37から構成される。また、それぞれの機器は、2本のコントローラネットワーク41〜42、3本のフィールドネットワーク43〜45により接続される。PLC21〜24は、複数のネットワークを中継できるため、中継局である。
【0028】
なお、本実施の形態の説明では、コントローラネットワーク41〜42、フィールドネットワーク43〜45を総称してネットワークともいう。
【0029】
本実施の形態におけるコントローラネットワーク41〜42、フィールドネットワーク43〜45は、ネットワークの初期化時に、マスタ局がすべてのスレーブ局の情報を収集して一括管理することを特徴とする。ネットワークの初期化は、ネットワークに接続されたすべての機器ONした時に行われる。また、ネットワークに接続されたマスタ局以外の任意の機器が故障あるいは電源OFFした場合や、再び電源ONした時にも、ネットワークが初期化される。また、スレーブ局とは、ネットワークに接続された機器のうち、マスタ局以外の機器を指す。
【0030】
また、本実施の形態におけるコントローラネットワーク41〜42、フィールドネットワーク43〜45は、マスタ局を示す局番が用意されており、ネットワークの識別番号であるネットワーク番号とこのマスタ局を示す局番を指定することで、マスタ局から情報を収集できることを特徴とする。
【0031】
この発明のおけるコントローラネットワーク41〜42の具体例として、CC-Link IEコントロールネットワークがある。また、フィールドネットワーク43〜45の具体例として、CC-Link IEフィールドネットワークがある。
【0032】
また、図3は、図2の制御システム100の構成に関して、制御システム管理装置1のシステム構成エディタ部2でユーザが設計したネットワーク構成図が表示部8に表示された様子を示す図である。図3の例では、4台のPLC21〜24、7台の被制御機器31〜37を配置している。
【0033】
各PLC21〜24は、それぞれベースユニットに対して、各種ユニットを装着することで構成される。
【0034】
具体的には、PLC21は、ベースユニット51に対して、電源ユニット61、CPUユニット71、コントローラネットワーク用通信ユニット81、フィールドネットワーク用通信ユニット82を装着する。
【0035】
PLC22〜24も同様に、各種ユニットが組み合わされて構成される。
【0036】
PLC22は、ベースユニット52に対して、電源ユニット62、CPUユニット72、コントローラネットワーク用通信ユニット83〜84を装着する。
【0037】
PLC23は、ベースユニット53に対して、電源ユニット63、CPUユニット73、フィールドネットワーク用通信ユニット85、コントローラネットワーク用通信ユニット86を装着する。
【0038】
PLC24は、ベースユニット54に対して、電源ユニット64、CPUユニット74、コントローラネットワーク用通信ユニット87、フィールドネットワーク用通信ユニット88を装着する。
【0039】
電源ユニット61〜64は、それぞれの電源ユニットが装着されているベースユニット51〜54に装着されたCPUユニット71〜74、通信ユニット81〜88に対して電源を供給する。
【0040】
CPUユニット71〜74は、各種ユニットを制御するプログラムや、同一PLC上の各種ユニットのパラメータ情報を格納するとともに、格納されたパラメータ情報に従い同一PLC上の各種ユニットの条件を定め、格納されたプログラムを動作させることで各種ユニットを制御する。
【0041】
通信ユニット81〜88は、該当するネットワークと接続し、他の機器と通信を行うためのユニットである。
【0042】
コントローラネットワーク用通信ユニット81、83、84、86、87は、コントローラネットワーク41、42により接続され、PLC21〜24間でそれぞれの持つ制御情報を共有する。
【0043】
フィールドネットワーク用通信ユニット82、85、88は、フィールドネットワークにより被制御機器31〜37と接続され、PLCが被制御機器31〜37を制御するためのものである。具体的には、フィールドネットワーク用通信ユニット82は、被制御機器A31と被制御機器B32と、フィールドネットワーク43で接続される。また、フィールドネットワーク用通信ユニット85は、被制御機器C33と被制御機器D34と被制御機器E35と、フィールドネットワーク44で接続される。また、フィールドネットワーク用通信ユニット88は、被制御機器F36と被制御機器G37と、フィールドネットワーク45で接続される。
【0044】
本実施の形態では、ネットワーク構成図に配置されたオブジェクト(機器、ユニットおよびネットワーク)を識別するために、それぞれに制御システム100内でユニークな識別番号としてオブジェクトIDを割り当てる。図3における丸印の中の数値がオブジェクトIDを示す。
【0045】
図4は、ネットワーク情報記憶部7に記憶されているネットワークリスト101を示すものである。
【0046】
ネットワークリスト101は、ネットワーク番号102、局ID103、チェックフラグ104、完了フラグ105から構成される。
【0047】
ネットワーク番号102は、制御システム100の各ネットワークに一意に割り当てられた識別番号である。
【0048】
局ID103は、接続局、または、ルーチング情報で設定されている中継局の識別番号を示す。この局ID103は、システム構成エディタ部2で記述されたネットワーク構成図において、各機器に一意に割り当てられた識別番号である。
【0049】
チェックフラグ104は、ネットワーク構成解析部5がネットワーク構成を解析するか否かを判定するためのフラグである。OKの場合は、ネットワーク構成を解析する対象であることを示す。NGの場合は、ネットワーク構成を解析する対象でないことを示し、これによりルーチング情報に誤りがあるネットワーク番号が分かる。
【0050】
完了フラグ105は、ネットワーク構成の解析が完了したことを示す。
【0051】
以降、本実施の形態に係る制御システム管理装置1のネットワーク構成解析方法について、図5と図6を用いて説明する。ここでは、制御システム管理装置1をPLC21に接続した場合を例にする。この場合、PLC21が接続局になる。
【0052】
図5は、図3で示したPLC21〜24に設定されているルーチング情報の例を示す図である。
【0053】
この制御システム100は、PLC21が、コントローラネットワーク41,42、フィールドネットワーク43,45に通信可能な設計がされているとする。しかし、ルーチング情報の設定誤りがあり、PLC21がフィールドネットワーク45に通信不可の状態になっているものとする。
【0054】
具体的には、PLC21は、コントローラネットワーク42とフィールドネットワーク45に通信可能なようにルーチング情報201が正しく設定されている。なお、PLC21が直結するコントローラネットワーク41とフィールドネットワーク43は、ルーチング情報がなくても通信可能な状態にある。
【0055】
また、PLC22は、ルーチング情報202が設定されていないものとする。PLC21がフィールドネットワーク45に通信可能にするためには、ネットワーク番号=フィールドネットワーク45のネットワーク番号、中継ネットワーク=コントローラネットワーク42のネットワーク番号、中継局=コントローラネットワーク用通信ユニット87の局番が、ルーチング情報と設定されていなくてはいけない。
【0056】
PLC23は、コントローラネットワーク41とフィールドネットワーク44に通信可能なようにルーチング情報203が正しく設定されている。
【0057】
PLC24は、コントローラネットワーク41とフィールドネットワーク45に通信可能なようにルーチング情報204が正しく設定されている。
【0058】
制御システム管理装置1は、制御システム100内の任意の機器に接続し、その接続された機器(接続局)を起点として、他のすべての機器に対して通信可否を判断する。起点は、制御システム100上の任意の機器がなることができ、システム構成エディタ部2によりユーザが任意に指定することができる。
【0059】
図6は、ネットワーク構成解析方法のフローを示す図である。
【0060】
まず、ネットワーク構成解析部5は、システム構成エディタ部2からネットワーク構成解析の指示を受けると、制御システム装置1がその時点で接続されている接続局=PLC21を起点としてネットワーク構成の解析を始める。
【0061】
ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、接続局=PLC21のネットワーク設定情報を取得する。具体的には、接続局=PLC21に装着されている通信ユニットの数を取得する(ステップS101)。図5の例では、PLC21は、コントローラネットワーク用通信ユニット81とフィールドネットワーク用通信ユニット82の2枚が装着されているので、装着されている通信ユニットの数として2枚が取得できる。
【0062】
この時、ネットワーク構成解析部5は、通信ユニットに設定されているネットワーク番号を取得する(ステップS102)。なお、上記ネットワーク設定情報は、この通信ユニットに設定されている、即ちこの通信ユニットに接続されているネットワーク番号(識別番号)を含んでいてもよい。図5の例では、コントローラネットワーク用通信ユニット81はコントローラネットワーク41のネットワーク番号、フィールドネットワーク用通信ユニット82はフィールドネットワーク43のネットワーク番号を取得する。
【0063】
ネットワーク構成解析部5は、接続局の識別番号、および、ステップS102で取得したコントローラネットワーク41とフィールドネットワーク43のネットワーク番号を、ネットワークリスト101に登録する(ステップS103)。この時、局ID103に接続局の識別番号、チェックフラグ104にOK、完了フラグ105に未完了を設定する。
【0064】
次に、ネットワーク構成解析部5は、ステップS103で取得したネットワーク番号を割り付けられたネットワークのマスタ局に対して、そのマスタ局が保有するすべての機器の情報を取得する(ステップS104)。この時、ネットワーク構成解析部5は、該当する完了フラグ105を完了に設定する。
【0065】
また、ネットワーク構成解析部5は、接続局から、その接続局が保有するルーチング情報を取得する(ステップS105)。ネットワーク構成解析部5は、ルーチング情報の中から、その先にあるネットワークの存在を確認する(ステップS106)。図5の例では、接続局=PLC21は、ルーチング情報201からコントローラネットワーク42とフィールドネットワーク45が存在すると判断する。
【0066】
ネットワーク構成解析部5は、見つかったネットワーク番号をネットワークリスト101に追加登録する。この時、局IDには、ルーチング情報の中継局に設定されている通信ユニットが装着された機器に割り当てられた局IDを設定する。図5の例では、PLC22の局IDとコントローラネットワーク42のネットワーク番号、および、フィールドネットワーク45のネットワーク番号を登録する。この時、局ID103に接続局の識別番号、チェックフラグ104にOK、完了フラグ105に未完了を設定する。
【0067】
図5の例ではネットワーク番号44は物理的には存在するが、ルーチング情報201に設定されていないため、登録されない。
【0068】
ネットワーク構成解析部5は、ネットワークリスト101に登録されているネットワーク番号のうち、局IDが接続局の局番号、かつ、完了フラグが未完了のものがあるか確認する(ステップS107)。
【0069】
ステップS107の確認で該当するものがあれば(ステップS108の[ある場合])、ステップS104に戻りステップS104〜S107の処理を行う。これにより、接続局が直結しているすべてのネットワークについて処理が完了する。
【0070】
ステップS107の確認で該当するものがなければ(ステップS108の[ない場合])、次の処理(ステップS109)を行う。
【0071】
図5の例では、接続局が接続されたネットワークは、他にフィールドネットワーク43があるため、このネットワークに対してステップS104〜S107の処理を行う。処理した後に、完了フラグ105に完了を設定する。
【0072】
ステップS108の[ない場合]は、ネットワーク構成解析部5は、ネットワークリスト101に登録されているすべてのネットワーク番号について処理を行ったか確認する(ステップS109)。すべてのネットワーク番号について処理した場合(ステップS110の[すべて処理した場合])、ネットワーク構成解析を完了する。
【0073】
未処理のものがある場合(ステップS110の[未処理のものがある場合])、ネットワーク構成解析を継続し、ステップS111に進む。
【0074】
まず、ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、中継局のネットワーク設定情報を取得し、中継局に装着されている通信ユニットに設定されているネットワーク番号を取得する(ステップS111)。
【0075】
ネットワーク構成解析部5は、ネットワークリスト101の中からステップS111で対象とした中継局に該当するものについて、ステップS111で取得できたネットワーク番号のチェックフラグ104をOK、取得できなかったネットワーク番号のチェックフラグ104をNGに設定する(ステップS112)。
【0076】
ネットワーク構成解析部5は、ステップS111で取得したネットワーク番号に割り付けられたネットワークのうち、任意のネットワークを選択し(ステップS113)、以下のステップS114〜S118の処理を行う。
【0077】
ネットワーク構成解析部5は、ネットワークリスト101の中からステップS113で取得したネットワーク番号について、チェックフラグがNGのものがあるかを確認する(ステップS114)。この時点でチェックフラグがNGになっているものは、ステップS111で対象とした中継局に直結したネットワークではなく、その先にあるネットワークであることを示している。
【0078】
チェックフラグがNGのものがない場合(ステップS115の[すべて直結の場合])は、その先にあるネットワークがないことを表しているため、ステップS118に進む。
【0079】
チェックフラグがNGのものがある場合(ステップS115の[その先にネットワークがある場合])は、ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、中継局のルーチング情報を収集する(ステップS116)。
【0080】
ネットワーク構成解析部5は、ステップS116で収集したルーチング情報の中から、その先にあるネットワークの存在を確認し、ネットワークリスト101の中から、完了フラグ105が未完了、かつ、該当するネットワーク番号のものの、チェックフラグ104をOKに再設定する(ステップS117)。
【0081】
ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、ステップS111で取得したネットワーク番号を割り付けられたネットワークのマスタ局に対して、そのマスタ局が保有する全機器の情報を取得する(ステップS118)。この時、ネットワーク構成解析部5は、該当する完了フラグ105を完了に設定する。
【0082】
中継局に対する具体的な動作を図5の例で示す。
【0083】
まずは、コントローラネットワーク42に接続された中継局(PLC)22に着目する。ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、中継局22のネットワーク設定情報を取得し、中継局22に装着されているコントローラネットワーク用通信ユニット83〜84に設定されているネットワーク番号を取得する(ステップS111)。
【0084】
局ID103が中継局22、かつ、完了フラグ105が未完了のものについて、ステップS111で取得したネットワーク番号に応じてチェックフラグ104を更新する(ステップS112)。すなわち、コントローラネットワーク42のチェックフラグをOKに設定し、フィールドネットワーク45のチェックフラグをNGに設定する。ネットワーク構成解析部5は、ステップS111で取得したネットワーク番号に割り付けられたネットワークのうち、任意のネットワークを選択し(ステップS113)、ネットワークリスト101の中からステップS113で取得したネットワーク番号について、チェックフラグがNGのものがあるか確認する(ステップS114)。
【0085】
この時、フィールドネットワーク45のチェックフラグがNG(ステップS115の[その先にネットワークがある場合])であるため、ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、中継局のルーチング情報を収集する(ステップS116)。しかし、図5の例では、中継局22のルーチング情報が設定されてないため、チェックフラグはNG、完了フラグは未完了のままである(ステップS117)。すなわち、フィールドネットワーク45は設定誤りがあり不整合が存在することを示す。
【0086】
ネットワーク構成解析部5は、情報収集部6を通じて、コントローラネットワーク42のマスタ局に対して、そのマスタ局が保有する全機器の情報を取得する(ステップS118)。この時、ネットワーク構成解析部5は、該当する完了フラグ105を完了に設定する。
【0087】
以上のように、制御システム管理装置1は、ネットワーク構成を解析した結果、コントローラネットワーク41、コントローラネットワーク42、フィールドネットワーク43に接続された各機器に通信可能であることが分かる。また、ネットワークリスト101を見ると、完了フラグ105が未完了のままであるため、フィールドネットワーク45には設定誤りがあることが分かる。
【0088】
なお、フィールドネットワーク44については、ネットワークリスト101に登録されていないため、制御システム管理装置1からはフィールドネットワーク44にのみ接続されている被制御機器33〜35には意図的に経路が設定されていないことが分かる。
【0089】
ネットワーク構成解析部5は、ネットワーク構成の解析結果として、ネットワークリスト101の完了フラグ105がOKに設定されているネットワーク番号を、システム構成エディタ部2に伝える。
【0090】
システム構成エディタ部2は、そのネットワーク番号をもとに、オブジェクト情報管理部3からそのネットワーク番号に接続されている機器を特定する。システム構成エディタ部2は、その結果をもとに、ネットワーク構成ウィンドウ6上の該当機器を図7に示すように表示部8にハイライト表示する。
【0091】
一般に、制御システムでは、ネットワーク設定情報やルーチング情報の設定内容によっては、ネットワークで物理的に接続されていても、制御システム内のすべての機器(制御システム管理装置を含む)間で通信できるとは限らない。ユーザは、各機器に設定されているネットワーク設定情報やルーチング情報を一つずつ確認することは可能であるが、それらの設定情報を見ただけで、制御システム全体としての動作を理解するのは困難である。そのため、制御システム管理装置の利用者が、制御システム内の任意の機器に接続した時に、その時点でどの機器と通信できるかを判断することは難しく、ネットワークで物理的に接続されているため通信できるといった誤認識により、機器にアクセスできない、あるいは、制御システムのすべての機器から一括読書きできていなかったといったトラブルが発生することが課題であった。
【0092】
これに対して、本実施の形態にかかる制御システム管理装置は、制御システム内の機器が保有するネットワーク設定情報やルーチング情報をもとにネットワーク構成を解析することで、その時点で、その制御システム管理装置が通信可能な機器を特定し、ユーザに通信できる装置と通信できない装置を明示的に知らせることが可能である。また、本実施の形態にかかる制御システム管理装置は、ネットワーク設定情報を収集する対象機器を、制御システム管理装置と直結された機器、各ネットワークを管理する機器、複数のネットワークに接続された機器に限定することで、ネットワーク構成を解析する時間を短縮すること可能としている。
【0093】
そして、本実施の形態にかかる制御システム管理装置は、機器から情報を収集する回数を軽減するため、機器に設定されているルーチング情報を利用する。ルーチング情報の本来の目的は、中継局が、受信した通信フレームをどこのネットワークに中継するのかを決めるために使用される。上記実施の形態では、このルーチング情報を収集する対象機器を、接続局、中継局に限定する。
【0094】
即ち、本実施形態においては、複数のネットワーク階層で構成される制御システムにおいて通信可能な機器と通信不可の機器をユーザに知らせることができる。それにより、制御システム管理装置を接続した機器によって変わる通信可能な機器をユーザに示すことで誤認識を防止できる。
【0095】
また、コントローラネットワークおよびフィールドネットワークの特徴を生かし、情報を取得する機器を限定することで、ネットワーク構成の解析時間を短縮できる。それにより、制御システム管理装置の動作性能の面で、ユーザに余計なストレスを与えることを防止できる。また、ネットワーク構成の解析時に、ルーチング情報の不整合を見つけることができる。それにより、ユーザに設定ミスの箇所を示すことができ、設定の修正箇所を探すといった煩わしい作業が削減され、ネットワークの立上げ時間の短縮および容易化を実現できる。
【0096】
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明にかかる制御システム管理装置は、プログラマブルコントローラ(PLC)や表示器(HMI)などネットワークと接続可能なFA機器から構成される制御システムを対象とする制御システム管理装置に有用であり、特に、制御システムエンジニアリング装置に適している。
【符号の説明】
【0098】
1 制御システム管理装置、2 システム構成エディタ部、3 オブジェクト情報管理部、4 オブジェクト情報記憶部、5 ネットワーク構成解析部、6 情報収集部、7 ネットワーク情報記憶部、8 表示部、21〜24 PLC、31〜37 被制御機器、41〜42 コントローラネットワーク、43〜45 フィールドネットワーク、51〜54 ベースユニット、61〜64 電源ユニット、71〜74 CPUユニット、81 コントローラネットワーク用通信ユニット、82 フィールドネットワーク用通信ユニット、83〜84 コントローラネットワーク用通信ユニット、85 フィールドネットワーク用通信ユニット、86〜87 コントローラネットワーク用通信ユニット、88 フィールドネットワーク用通信ユニット、100 制御システム、101 ネットワークリスト、102 ネットワーク番号、103 局ID、104 チェックフラグ、105 完了フラグ、201〜204 ルーチング情報。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

【手続補正書】
【提出日】20141117
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークと、前記複数のネットワークを中継する1つ以上の中継局と、前記中継局により制御される1つ以上の被制御機器と、を含む制御システムのネットワーク構成をユーザが設計する表示部を有するシステム構成エディタ部と、
前記中継局から、装着されている通信ユニットに関するネットワーク設定情報、および接続されている前記ネットワークに関するルーチング情報を収集する情報収集部と、
任意の前記中継局を起点となる接続局とし、前記情報収集部を介して前記接続局から取得した前記ネットワーク設定情報および前記ルーチング情報に基づいて前記制御システムのネットワーク構成を解析するネットワーク構成解析部と、
を備え、
前記ネットワーク構成解析部の解析結果に基づき、前記システム構成エディタ部で設計されたネットワーク構成図上において、前記接続局から前記中継局および前記被制御機器への通信可否を前記表示部に表示する
ことを特徴とする制御システム管理装置。
【請求項2】
前記ネットワーク構成解析部は、前記接続局以外の前記中継局からの前記ネットワーク設定情報および前記ルーチング情報にも基づいて前記制御システムのネットワーク構成を解析する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム管理装置。
【請求項3】
前記ネットワーク設定情報は、前記通信ユニットに接続された前記ネットワークの識別番号を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム管理装置。
【請求項4】
前記ルーチング情報は、前記ネットワークの識別番号および前記中継局の識別番号を含む
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の制御システム管理装置。
【国際調査報告】