(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014054265
(43)【国際公開日】20140410
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】ステアリング制御装置、ステアリング制御方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20160729BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20160729BHJP
   B62D 113/00 20060101ALN20160729BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20160729BHJP
【FI】
   !B62D6/00
   !B62D5/04
   !B62D113:00
   !B62D119:00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】35
【出願番号】2014539605
(21)【国際出願番号】JP2013005809
(22)【国際出願日】20130930
(11)【特許番号】5930058
(45)【特許公報発行日】20160608
(31)【優先権主張番号】2012221308
(32)【優先日】20121003
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100108914
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 匠吾
【住所又は居所】神奈川県厚木市森の里青山1−1 日産自動車株式会社 知的財産部内
【テーマコード(参考)】
3D232
3D333
【Fターム(参考)】
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3D333CE38
3D333CE39
3D333CE45
3D333CE49
(57)【要約】
複数のモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現する。第一転舵コントローラ(71)及び第二転舵コントローラ(72)が2モータSBWモードを実行している状態で、第一転舵コントローラ(71)、第一転舵モータ(M1)、及びトルクセンサ(34)の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二転舵コントローラ(72)で1モータSBWモードを実行する。また、第一転舵コントローラ(71)及び第二転舵コントローラ(72)が2モータSBWモードを実行している状態で、第二転舵コントローラ(72)、及び第二転舵モータ(M2)の少なくとも一つに異常が発生したときには、第一転舵コントローラ(71)で1モータEPSモードを実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
前記クラッチを遮断した状態で、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一制御部で前記第一モータの回転角を制御すると共に、前記第二制御部で前記第二モータの回転角を制御することにより、前記車輪の転舵角を制御することを2モータ転舵制御と定義し、
前記クラッチを遮断し、且つ前記第一制御部で前記第一モータの駆動制御をしない状態で、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二制御部で前記第二モータの回転角を制御することにより、前記車輪の転舵角を制御することを1モータ転舵制御と定義し、
前記クラッチを接続し、且つ前記第二制御部で前記第二モータの駆動制御をしない状態で、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一制御部で前記第一モータのトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータアシスト制御と定義し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御を実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御を実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御を実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御を実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【請求項2】
前記操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力モータと、
前記反力モータを駆動制御する反力制御部と、を備え、
前記クラッチを遮断した状態で、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一制御部で前記第一モータの回転角を制御すると共に、前記第二制御部で前記第二モータの回転角を制御することにより、前記車輪の転舵角を制御し、且つ前記反力制御部で前記反力モータのトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対する操舵反力を制御することを2モータ転舵制御と定義し、
前記クラッチを遮断し、且つ前記第一制御部で前記第一モータの駆動制御をしない状態で、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二制御部で前記第二モータの回転角を制御することにより、前記車輪の転舵角を制御し、且つ前記反力制御部で前記反力モータのトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対する操舵反力を制御することを1モータ転舵制御と定義し、
前記クラッチを接続し、且つ前記第二制御部で前記第二モータの駆動制御をしない状態で、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一制御部で前記第一モータのトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータアシスト制御と定義し、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御を実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部、及び前記反力制御部で前記1モータ転舵制御を実行し、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御を実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項3】
前記1モータ転舵制御を実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータ転舵制御を中止することを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
【請求項4】
前記1モータアシスト制御を実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータアシスト制御を中止することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項5】
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、一体化した複合部品で構成されており、且つ電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項6】
前記第一モータ及び前記第二モータは、同一型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項7】
前記第二モータは、前記第一モータよりも高出力型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項8】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構との間に、前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチを介装し、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータ及び第二モータを設けると共に、前記第一モータを駆動制御する第一制御部、及び前記第二モータを駆動制御する第二制御部を設け、
前記出力軸にトルクを検出するトルク検出部を設け、
前記クラッチを遮断した状態で、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一制御部で前記第一モータの回転角を制御すると共に、前記第二制御部で前記第二モータの回転角を制御することにより、前記車輪の転舵角を制御することを2モータ転舵制御と定義し、
前記クラッチを遮断し、且つ前記第一制御部で前記第一モータの駆動制御をしない状態で、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二制御部で前記第二モータの回転角を制御することにより、前記車輪の転舵角を制御することを1モータ転舵制御と定義し、
前記クラッチを接続し、且つ前記第二制御部で前記第二モータの駆動制御をしない状態で、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一制御部で前記第一モータのトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータアシスト制御と定義し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御を実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御を実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御を実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御を実行することを特徴とするステアリング制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング制御装置、及びステアリング制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、舵取り用の一つのモータによって車輪を転舵するステアリングバイワイヤについて記載されており、舵取り用のモータに異常が発生したときには、バックアップ用のクラッチを接続してステアリング系統を機械的に連結している。
このように、一つのモータによって転舵する場合、十分なパワーを得るためにモータが大型化してレイアウトの自由度が低下してしまうので、それよりも小型となる二つのモータによって車輪を転舵することが考えられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−225733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二つのモータによって車輪を転舵する構成とすれば、モータの大型化を抑制でき、レイアウト性にも優れるが、フェイルセーフについて検討の余地があった。例えば、何れか一方のモータに異常が発生したときに、バックアップ用のクラッチを接続することが考えられるが、これでは異常が発生していない他方のモータも使えなくなり、二つのモータを設けたことのメリットを十分に活かすことができない。
本発明の課題は、複数のモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るステアリング制御装置は、操舵入力機構と転舵出力機構との間にクラッチを介装し、転舵出力機構には駆動力を付与する第一モータ及び第二モータを設け、出力軸にはトルク検出部を設ける。そして、クラッチを遮断した状態で、入力軸の回転角に応じて、第一制御部で第一モータの回転角を制御すると共に、第二制御部で第二モータの回転角を制御することにより、車輪の転舵角を制御することを2モータ転舵制御と定義する。また、クラッチを遮断し、且つ第一制御部で第一モータの駆動制御をしない状態で、入力軸の回転角に応じて、第二制御部で第二モータの回転角を制御することにより、車輪の転舵角を制御することを1モータ転舵制御と定義する。また、クラッチを接続し、且つ第二制御部で第二モータの駆動制御をしない状態で、トルク検出部で検出したトルクに応じて、第一制御部で第一モータのトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータアシスト制御と定義する。そして、第一制御部及び第二制御部が2モータ転舵制御を実行している状態で、第一制御部、第一モータ、及びトルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二制御部で1モータ転舵制御を実行する。さらに、第一制御部及び第二制御部が2モータ転舵制御を実行している状態で、第二制御部、及び第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、第一制御部で1モータアシスト制御を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、2モータ転舵制御を実行している状態で、第一制御部による制御系統に異常が発生したとしても、第二制御部による制御系統は正常に機能しているため、この第二制御部による制御によって1モータ転舵制御に切替える。一方、2モータ転舵制御を実行している状態で、第二制御部による制御系統に異常が発生したとしても、第一制御部による制御系統は正常に機能しているため、この第一制御部による制御によって1モータアシスト制御に切替える。このように、正常に機能している制御系統を活かしながら、異常発生箇所に応じて制御を切替えることにより、複数のモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ステアリング装置の構成図である。
【図2】診断結果に応じた制御モードを示す図である。
【図3】制御モードの遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
先ずステアリング装置の構造について説明する。
図1は、ステアリング装置の概略構成図である。
ステアリングホイール11は、ステアリングシャフト12に連結され、車輪(転舵輪)13L及び13Rは、ナックルアーム14、タイロッド15、ラック軸16、及びピニヨンギヤ17を順に介して第一ピニヨンシャフト18に連結される。ステアリングシャフト12及び第一ピニヨンシャフト18は、クラッチ19を介して接続又は遮断の何れかに切替え可能な状態で連結されている。
ここで、クラッチ19の入力側に存在するステアリングホイール11、及びステアリングシャフト12は、運転者のステアリング操作によってステアリングシャフト12が回転する操舵入力機構StINである。また、クラッチ19の出力側に存在するナックルアーム14、タイロッド15、ラック軸16、ピニヨンギヤ17、及び第一ピニヨンシャフト18は、第一ピニヨンシャフト18の回転によって車輪13L及び13Rが転舵される転舵出力機構StOUTである。
【0009】
したがって、クラッチ19を接続(締結)した状態では、ステアリングホイール11を回転させると、ステアリングシャフト12、クラッチ19、及び第一ピニヨンシャフト18が回転する。第一ピニヨンシャフト18の回転運動は、ラック軸16及びピニヨンギヤ17によってタイロッド15の進退運動に変換され、ナックルアーム14を介して車輪13L及び13Rが転舵される。
クラッチ19は、無励磁締結形の電磁クラッチからなる。すなわち、電磁コイルが無励磁のときに、例えばカムローラ機構により、入力軸のカム面と出力軸の外輪との間にローラが噛み合い、入力軸と出力軸とが締結される。一方、電磁コイルを励磁するときに、アーマチュアの吸引により、入力軸のカム面と出力軸の外輪との間でローラの噛み合いが解除され、入力軸と出力軸とが遮断される。
【0010】
ラック軸16は、車体左右方向(車幅方向)に延在し、その一方側(ここでは車体右側)にラックギヤ(歯)31を形成してあり、このラックギヤ31にピニヨンギヤ17を噛合させている。ラックギヤ31とピニヨンギヤ17との噛合状態はリテーナ機構によって調整される。
第一ピニヨンシャフト18は、クラッチ側の入力軸と、ピニヨンギヤ側の出力軸とからなり、その出力軸には、例えばウォームギヤ32を介して第一転舵モータM1を連結してある。第一転舵モータM1には、モータ回転角を検出するレゾルバ33を設けてある。
【0011】
ウォームギヤ32は、第一ピニヨンシャフト18に連結されたウォームホイールと、第一転舵モータM1に連結されたウォームとからなり、ウォーム軸をウォームホイール軸に対して斜交させている。これは第一ピニヨンシャフト18に対する軸直角方向のモジュールを小さくするためである。
ウォームギヤ32は、ウォームの回転によってウォームホイールが回転し、またウォームホイールの回転によってもウォームが回転するように、つまり逆駆動が可能となるように、ウォームのねじれ角を安息角(摩擦角)よりも大きくしてある。
【0012】
第一ピニヨンシャフト18における入力軸と出力軸との間には、トルクセンサ34を設けている。
上記のピニヨンギヤ17、第一ピニヨンシャフト18の出力軸、ウォームギヤ32、第一転舵モータM1、レゾルバ34、及びトルクセンサ34は、一体化した複合部品(アッセンブリ)として構成され、これを第一アクチュエータA1とする。第一アクチュエータA1は、電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化される。
【0013】
第一アクチュエータA1によれば、クラッチ19を遮断している状態で、第一転舵モータM1を駆動すると、ウォームギヤ32を介して第一ピニヨンシャフト18が回転するので、第一転舵モータM1の回転角に応じて車輪13L及び13Rの転舵角が変化する。したがって、クラッチ19を遮断しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第一転舵モータM1を駆動制御することにより、ステアリングバイワイヤ機能として所望のステアリングコントロール特性が実現される。
【0014】
さらに、クラッチ19を接続している状態で、第一転舵モータM1を駆動すると、ウォームギヤ32を介して第一ピニヨンシャフト18にモータトルクが伝達される。したがって、クラッチ19を接続しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第一転舵モータM1を駆動制御することにより、運転者の操作負担を軽減する所望のアシスト特性が実現される。
ラック軸16の他方側(ここでは車体左側)には、ピニヨンギヤ35を介して第二ピニヨンシャフト36が連結されている。すなわち、ラック軸16の他方側(ここでは車体左側)にラックギヤ(歯)37を形成してあり、このラックギヤ37にピニヨンギヤ35を噛合させている。ラックギヤ37とピニヨンギヤ35との噛合状態はリテーナ機構によって調整される。
【0015】
第二ピニヨンシャフト36には、例えばウォームギヤ38を介して第二転舵モータM2を連結してある。第二転舵モータM2は、第一転舵モータM1と同一型のモータである。第二転舵モータM2には、モータ回転角を検出するレゾルバ39を設けてある。
ウォームギヤ38は、第二ピニヨンシャフト36に連結されたウォームホイールと、第二転舵モータM2に連結されたウォームとからなり、ウォーム軸をウォームホイール軸に対して斜交させている。これは第二ピニヨンシャフト36に対する軸直角方向のモジュールを小さくするためである。
ウォームギヤ38は、ウォームの回転によってウォームホイールが回転し、またウォームホイールの回転によってもウォームが回転するように、つまり逆駆動が可能となるように、ウォームのねじれ角を安息角(摩擦角)よりも大きくしてある。
【0016】
上記のピニヨンギヤ35、第二ピニヨンシャフト36の出力軸、ウォームギヤ38、第二転舵モータM2、及びレゾルバ39は、一体化された複合部品(アッセンブリ)として構成され、これを第二アクチュエータA2とする。
第二アクチュエータA2によれば、クラッチ19を遮断している状態で、第二転舵モータM2を駆動すると、ウォームギヤ32を介して第二ピニヨンシャフト36が回転するので、第二転舵モータM2の回転角に応じて車輪13L及び13Rの転舵角が変化する。したがって、クラッチ19を遮断しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第二転舵モータM2を駆動制御することにより、ステアリングバイワイヤ機能として所望のステアリングコントロール特性が実現される。
【0017】
ステアリングシャフト12には、反力モータ51を連結してある。反力モータ51は、ステアリングシャフト12と共に回転するロータと、このロータに対向してハウジングに固定されるステータと、を備える。ロータは、周方向に等間隔に並べたマグネットを、例えばインサートモールドによってロータコアに固定して形成してある。ステータは、コイルを巻装した鉄心を周方向に等間隔に並べ、ハウジングに対して例えば焼き嵌めによって固定して形成してある。反力モータ51には、モータ回転角を検出するレゾルバ52を設けてある。
ステアリングシャフト12には、操舵角センサ53を設けてある。
反力モータ51によれば、クラッチ19を遮断している状態で、反力モータ51を駆動すると、ステアリングシャフト12にモータトルクが伝達される。したがって、クラッチ19を遮断してステアリングバイワイヤを実行しているときに、路面から受ける反力に応じて反力モータ51を駆動制御することにより、運転者のステアリング操作に対して操作反力を付与する所望の反力特性が実現される。
上記がステアリング装置の構造である。
【0018】
次に、制御系統の構成について説明する。
本実施形態では、第一転舵コントローラ(転舵ECU1)71と、第二転舵コントローラ(転舵ECU2)72と、反力コントローラ(反力ECU)73と、を備える。各コントローラは、例えばマイクロコンピュータからなる。
第一転舵コントローラ71は、レゾルバ33、トルクセンサ34、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して第一転舵モータM1を駆動制御する。第二転舵コントローラ72は、レゾルバ39、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して第二転舵モータM2を駆動制御する。反力コントローラ73は、レゾルバ52、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して反力モータ52を駆動制御する。
【0019】
レゾルバ33は、第一転舵モータM1のモータ回転角θm1を検出する。このレゾルバ33は、ステータコイルに励磁信号が入力されるときに、ロータの回転角に応じた検出信号をロータコイルから出力する。第一転舵コントローラ71は、信号処理回路により、励磁信号をステータコイルに出力すると共に、ロータコイルから入力される検出信号の振幅変調に基づいて第一転舵モータM1のモータ回転角θm1を判断する。なお、第一転舵コントローラ71は、右旋回を正の値として処理し、左旋回を負の値として処理する。
同様に、第二転舵モータM2のモータ回転角θm2については、レゾルバ39を介して第二転舵コントローラ72で検出し、反力モータ51のモータ回転角θrについては、レゾルバ52を介して反力コントローラ73で検出する。
【0020】
トルクセンサ34は、第一ピニヨンシャフト18に入力されるトルクTsを検出する。このトルクセンサ34は、第一ピニヨンシャフト18の入力側と出力側との間に介在させたトーションバーの捩れ角を、例えばホール素子で検出し、多極磁石とヨークとの相対角度変位によって生じる磁束密度の変化を電気信号に変換して第一転舵コントローラ71に出力する。第一転舵コントローラ71は、入力された電気信号からトルクTsを判断する。なお、第一転舵コントローラ71は、運転者の右操舵を正の値として処理し、左操舵を負の値として処理する。
【0021】
操舵角センサ53は、例えばロータリエンコーダからなり、ステアリングシャフト12の操舵角θsを検出する。この操舵角センサ53は、ステアリングシャフト12と共に円板状のスケールが回転するときに、スケールのスリットを透過する光を二つのフォトトランジスタで検出し、ステアリングシャフト12の回転に伴うパルス信号を各コントローラに出力する。各コントローラは、入力されたパルス信号からステアリングシャフト12の操舵角θsを判断する。なお、各コントローラは、右旋回を正の値として処理し、左旋回を負の値として処理する。
【0022】
なお、各コントローラ同士は、通信線74によって相互通信可能に接続されている。すなわち、例えばCSMA/CA方式の多重通信(CAN:Controller Area Network)やフレックスレイ(Flex Ray)等の車載通信ネットワーク(車載LAN)規格を用いた通信路を構築してある。
各コントローラは、通信線75によってクラッチ19に接続されている。この通信線75は、クラッチ19を接続又は遮断の何れかに切替え可能なクラッチ制御信号を出力する通信路である。クラッチ制御信号は、クラッチ19を遮断するための信号であり、各コントローラがクラッチ制御信号を出力しているときに、クラッチ19が遮断され、何れかのコントローラがクラッチ制御信号の出力を停止すると、クラッチ19が接続される。
上記が制御系統の構成である。
【0023】
次に、制御モードについて説明する。
本実施形態では、2モータSBWモード(2M‐SBW)と、2モータEPSモード(2M‐EPS)と、1モータSBWモード(1M‐SBW)と、1モータEPSモード(1M‐EPS)と、マニュアルステアリングモード(MS)と、がある。
2モータSBWモードは、二つのモータでステアリングバイワイヤ制御を実行するモードであり、2モータEPSモードは、二つのモータで電動パワーステアリング制御を実行するモードである。また、1モータSBWモードは、一つのモータだけでステアリングバイワイヤ制御を実行するモードであり、1モータEPSモードは、一つのモータだけで電動パワーステアリング制御を実行するモードである。そして、マニュアルステアリングモードは、何れのステアリング制御も中止するモードである。
【0024】
[2モータSBWモード]
2モータSBWモードでは、クラッチ制御信号を出力してクラッチ19を遮断した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、転舵角制御を実行する。すなわち、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が協働し、必要とされる転舵力を分担して出力する。一方、反力コントローラ73で反力モータ52を駆動制御し、反力制御を実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現する。
【0025】
第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72は、操舵角θsに対する目標転舵角θwを設定すると共に、実際の転舵角θwを推定する。そして、モータ回転角θm1及びθm2を入力し、目標転舵角θwに実際の転舵角θwが一致するように、例えばロバストモデルマッチング手法などを用いて第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。
【0026】
目標転舵角θwの設定は、例えば車速Vに応じて行う。すなわち、据え切り時や低速走行時には、運転者の操作負担を軽減するために、小さな操舵角θsで大きな転舵角θwが得られるように目標転舵角θwを設定する。また、高速走行時には、過敏な車両挙動を抑制し、走行安定性を確保するために、操舵角θsの変化に対する転舵角θwの変化が抑制されるように目標転舵角θwを設定する。
実転舵角θwの推定は、操舵角θs、モータ回転角θm1、モータ回転角θm2等に基づいて行う。
【0027】
反力コントローラ73は、ステアリング操作時に路面から受ける反力に相当する目標反力トルクTrを設定し、この目標反力トルクTrに反力モータ52のトルクが一致するように、反力モータ52を駆動制御する。
目標反力トルクTrの設定は、例えば操舵角θs、第一転舵モータM1に流れる電流Im1、第二転舵モータM2に流れる電流Im2等に基づいて行う。
【0028】
[2モータEPSモード]
2モータEPSモードでは、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、アシスト制御を実行する。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保すると共に、さらに電動パワーステアリング機能として、運転者の操作負担を軽減する。
第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72は、目標アシストトルクTaを設定し、この目標アシストトルクTaに第一転舵モータM1のトルクが一致するように、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。
【0029】
目標アシストトルクTaの設定は、例えば車速Vに応じて行う。すなわち、据え切り時や低速走行時には、運転者の操作負担を軽減するために、大きな目標アシストトルクTaを設定する。また、高速走行時には、過敏な車両挙動を抑制し、走行安定性を確保するために、小さな目標アシストトルクTaを設定する。
一方、2モータEPSモードでは、反力モータ52のリレー回路が切断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御するときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ52が駆動されることで、反力モータ52自体が負荷とならないようにするためである。
【0030】
[1モータSBWモード]
1モータSBWモードでは、クラッチ制御信号を出力してクラッチ19を遮断し、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の駆動制御をしない(非駆動)状態で、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、転舵角制御を実行する。すなわち、第二転舵モータM2が、必要とされる転舵力を単独で出力する。一方、反力コントローラ73で反力モータ52を駆動制御し、反力制御を実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現する。
【0031】
目標転舵角θwの設定や第二転舵モータM2の制御手法、及び目標反力トルクTrの設定や反力モータ52の制御手法については、2モータSBWモードと同様である。
一方、1モータSBWモードでは、第一転舵モータM1のリレー回路が切断され、第一転舵モータM1が電路から遮断される。すなわち、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御するときに、ラック軸16の進退によって第一転舵モータM1が駆動されることで、第一転舵モータM1自体が負荷とならないようにするためである。
【0032】
[1モータEPSモード]
1モータEPSモードでは、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続し、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の駆動制御をしない(非駆動)状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御し、アシスト制御を実行する。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保すると共に、さらに電動パワーステアリング機能として、運転者の操作負担を軽減する。
目標アシストトルクTaの設定や第一転舵モータM1の制御手法については、2モータEPSモードと同様である。
【0033】
一方、1モータEPSモードでは、第二転舵モータM2のリレー回路が切断され、第二転舵モータM2が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御するときに、ラック軸16の進退によって第二転舵モータM2が駆動されることで、第二転舵モータM2自体が負荷とならないようにするためである。同様の趣旨で、反力モータ52のリレー回路も切断され、反力モータ52が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御するときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ52が駆動されることで、反力モータ52自体が負荷とならないようにするためである。
【0034】
[マニュアルステアリングモード]
マニュアルステアリングモードでは、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の駆動制御をせず(非駆動)、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の駆動制御をしない(非駆動)。つまり、各コントローラによる何れのステアリング制御も中止する。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保する。
マニュアルステアリングモードでは、第一転舵モータM1のリレー及び第二転舵モータM2のリレー回路が切断され、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行うときに、ラック軸16の進退によって第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が駆動されることで、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2自体が負荷とならないようにするためである。同様の趣旨で、反力モータ52のリレー回路も切断され、反力モータ52が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行うときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ52が駆動されることで、反力モータ52自体が負荷とならないようにするためである。
上記が制御モードの概要である。
【0035】
次に、フェイルセーフについて説明する。
各コントローラは、夫々、自らの制御系統に異常があるか否かの自己診断を行い、その診断結果に応じて制御モードを切替える。すなわち、第一転舵コントローラ71は、第一転舵コントローラ71自身や、トルクセンサ34を有する第一アクチュエータA1、また配線系統に異常があるか否かの診断を行う。また、第二転舵コントローラ72は、第二転舵コントローラ72自身や、トルクセンサのない第二アクチュエータA2、また配線系統に異常があるか否かの診断を行う。また、反力コントローラ73は、反力コントローラ73自身や、反力モータ52、また配線系統に異常があるか否かの診断を行う。
【0036】
図2は、診断結果に応じた制御モードを示す図である。
ここでは、各コントローラの診断結果を、異常が検知されず正常である場合に「○」印で記し、異常が検知された場合に「×」印で記す。
先ず、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てが正常である場合には、2モータSBWモードとなる。但し、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の低電圧時や過熱時、イグニッションをONにした起動時(クラッチ19が遮断されるまで)、転舵角θwが最大転舵角に達している端当て時等には、一時的な措置として2モータEPSモードとなる。
【0037】
一方、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統のうち、少なくとも一つで異常が発生した場合に、1モータSBWモード、1モータEPSモード、及びマニュアルステアリング(MS)モードの何れかへと切り替わる。
先ず、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能に異常が生じているだけであり、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能や反力モータ52による反力生成機能は維持されているため、1モータSBWモードにする。
【0038】
また、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第二転舵コントローラ72の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードにする。
また、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び第二転舵コントローラ72の制御系統が正常であり、反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、反力モータ52による反力生成機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードにする。
【0039】
また、第一転舵コントローラ71の制御系統が正常であり、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能、及び反力モータ52による反力生成機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードにする。
【0040】
また、反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び第二転舵コントローラ72の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、反力モータ52による反力生成機能は維持されているものの、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能、及び第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能に異常が生じているため、マニュアルステアリングモードにする。
【0041】
また、第二転舵コントローラ72の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能は維持されているものの、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能、及び反力モータ52による反力生成機能に異常が生じているため、マニュアルステアリングモードにする。
そして、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てに異常が発生した場合である。この場合には、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能、及び反力モータ52による反力生成機能の全てに異常が生じているため、マニュアルステアリングモードにする。
上記がフェイルセーフの概要である。
【0042】
次に、制御モードの遷移について説明する。
図3は、制御モードの遷移図である。
先ず、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てが正常である場合には、基本的には2モータSBWモードとなる。また、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の低電圧時や過熱時、イグニッションをONにした起動時(クラッチ19が遮断されるまで)、転舵角θwが最大転舵角に達している端当て時等には、一時的な措置として2モータEPSモードとなる。そして、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の低電圧や過熱が解消されたり、クラッチ19が遮断されたり、転舵角θが小さくなったりしたときには、2モータSBWモードとなる。このように、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てが正常に作動している限り、2モータSBWモードと2モータEPSモードとの間で遷移する。
【0043】
また、2モータSBWモードの状態から、一次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、1モータSBWモードへと遷移する。そして、1モータSBWモードの状態から、二次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータSBWモードから1モータSBWモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
【0044】
また、2モータSBWモードの状態から、一次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへと遷移する。そして、1モータEPSモードの状態から、二次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータSBWモードから1モータEPSモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
【0045】
また、一時的な措置として2モータEPSモードにある状態から、一次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへと遷移する。そして、1モータEPSモードの状態から、二次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータSBWモードから1モータEPSモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
なお、一時的な措置として2モータEPSモードにある状態から、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへの遷移が不可能となるため直にマニュアルステアリングモードへと遷移する。
上記が、制御モードの遷移である。
【0046】
《作用》
次に、第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与可能な第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を設け、これら二つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する2モータSBWモードを実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現することができる。また、二つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する構成とするとすることで、転舵出力機構StOUTに必要とされる駆動力を分担することができる。したがって、一つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する構成と比べて、モータの大型化を抑制でき、レイアウト性にも優れる。
【0047】
また、二つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する構成では、仮に何れか一方の制御系統に異常が発生したとしても、異常が発生していない他方の制御系統を活用することができる。本実施形態では、何れか一方の制御系統のみに異常が発生した一次失陥に対するフェイルセーフとして、1モータSBWモード、及び1モータEPSモードの二つの制御モードを用意している。
【0048】
先ず、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能に異常が生じているだけであり、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能や反力モータ52による反力生成機能は維持されているため、1モータSBWモードに切替える。これにより、ステアリングバイワイヤ機能が維持されるので、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現することができる。
【0049】
また、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第二転舵コントローラ72の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードに切替える。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し直接的なステアリング操作性を確保できると共に、さらに電動パワーステアリング機能として、運転者の操作負担を軽減することができる。
【0050】
上記のように、2モータSBWモードを実行している状態で、一次失陥が生じたときには、異常が発生した箇所に応じて、1モータSBWモードへ遷移するか、1モータEPSモードへ遷移するかが決定される。切り分けのポイントとなるのは、トルクセンサ34とのインターフェースを有するか否か、つまりトルクセンサ34の検出値を取得できるか否かである。したがって、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常がなければ、1モータEPSモードに切替える。
【0051】
なお、第一転舵コントローラ72で第一転舵モータM1を駆動制御し、この第一転舵モータM1で1モータSBWモードを実行することも可能だが、第一転舵モータM1にかかる負担を考慮して1モータEPSモードとする。一つのモータでも必要とされる転舵力を出力できるように設計されるが、可及的にモータを小型化したいという要求もあり、モータ性能として十分な余力が確保できるとは限らない。したがって、一つのモータでステアリングバイワイヤ制御を実行する1モータSBWモードよりは、一つのモータで電動パワーステアリング制御を実行する1モータEPSモードを積極的に活用する。
【0052】
また、第一転舵モータM1のみならず、第二転舵モータM2にもトルクセンサを設け、第二転舵モータM2で1モータEPSモードを実行することも考えられるが、これではコストアップを招いてしまう。したがって、トルクセンサとのインターフェースを二系統に構築することはしていない。むしろ、本実施形態のように、第一転舵モータM1と第二転舵モータM2の夫々に対して、EPS用と非EPS用(SBW用)という異なる役割を担わせる方が費用対効果に優れるため望ましい。
【0053】
上記のように、2モータSBWモードを実行している状態で、一次失陥が生じたときには、異常が発生した箇所に応じて、1モータSBWモードか、又は1モータEPSモードの何れかに切替えられる。こうして、何れか一方の制御系統に異常が発生したとしても、異常が発生していない他方の制御系統を活用することで、二つのモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することができる。
一方、一次失陥に対するフェイルセーフから、さらに残りの制御系統にも異常が発生した二次失陥に対するフェイルセーフも用意してある。すなわち、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続した状態で、各コントローラによる何れのステアリング制御も中止するマニュアルステアリングモードである。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保することができる。
【0054】
例えば、一次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生したことで1モータSBWモードを実行していた状態から、さらに第二転舵コントローラ72の制御系統や反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードに切替える。また、一次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統に異常が発生したことで1モータEPSモードを実行していた状態から、さらに第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合にも、マニュアルステアリングモードに切替える。
【0055】
上記のように、1モータSBWモードや1モータEPSモードを実行している状態で、二次失陥が生じたときには、マニュアルステアリングモードに切替えられる。
こうして、2モータSBWモードの状態から、一次失陥によって1モータSBWモードや1モータEPSモードに遷移し、さらに二次失陥によってマニュアルステアリングモードへと最終的に遷移する。すなわち、2モータSBWモードから1モータSBWモードや1モータEPSモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させることで、運転者に違和感を与えることのない制御システムを構築することができる。
【0056】
《変形例》
本実施形態では、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与するモータとして、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の二つのモータを設けているが、これに限定されるものではなく、三つ以上のモータを設けてもよい。このように、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与するモータの数量を増やせば、一つのモータに求められる駆動力が小さくなるので、さらに小型化することができる。
【0057】
本実施形態では、第一ピニヨンシャフト18に対してウォームギヤ32を介して第一転舵モータM1を連結しているが、これに限定されるものではない。すなわち、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与することができればよいので、例えば第一転舵モータM1を、第一ピニヨンシャフトと共に回転するロータと、このロータに対してハウジングに固定されるステータとで構成することで、ウォームギヤ32を省略したダイレクトドライブ構造にしてもよい。また、第二ピニヨンシャフト36にウォームギヤ38を介して第二転舵モータM2を連結しているが、やはりウォームギヤ38を省略したダイレクトドライブ構造にしてもよい。このように、第一ピニヨンシャフト18や第二ピニヨンシャフト36を省略することで、重量増加の抑制や、部品点数の削減を図ることができる。
【0058】
本実施形態では、ラック軸16にピニヨンギヤ17を介して第一ピニヨンシャフト18を連結すると共に、ピニヨンギヤ35を介して第二ピニヨンシャフト36を連結した2ピニヨン構造としているが、これに限定されるものではない。すなわち、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与することができればよいので、ピニヨンギヤ35及び第二ピニヨンシャフト36を省略し、第一ピニヨンシャフト18に対してウォームギヤ38を介して第二転舵モータM2を連結した1ピニヨン構造としてもよい。このように、ピニヨンギヤ35及び第二ピニヨンシャフト36を省略することで、重量増加の抑制や、部品点数の削減を図ることができる。
【0059】
本実施形態では、第一転舵モータM1と第二転舵モータM2とを同一型のモータで構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、仮に一次失陥が生じた際に、第一転舵モータM1が1モータEPSモードで使用されるのに対して、第二転舵モータM2は1モータSBWモードで使用される。前述したように、1モータEPSモードで使用されるよりも1モータSBWモードで使用される方がモータにかかる負担は大きいので、第一転舵モータM1よりも第二転舵モータM2の方を、高出力型のモータにしてもよい。これにより、仮に第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生したことで、1モータSBWモードを実行することになったときに、第二転舵モータM2の一つだけでも十分な転舵力を生むことができる。
【0060】
本実施形態では、2モータSBWモードを実行している状態で、第一転舵コントローラ71に異常が発生したら、1モータEPSモードを断念して、1モータSBWモードを実行しているが、これに限定されるものではない。すなわち、トルクセンサ34自体に異常が発生しておらず、且つトルクセンサ34の検出値を、第一転舵コントローラ71から通信線74を介して第二転舵コントローラ72に送信可能な状態であるときには、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御することで1モータEPSモードを実行してもよい。このように、第二転舵コントローラ72がトルクセンサ34の検出値を取得して1モータEPSモードを実行することにより、1モータSBWモードを実行するよりも第二転舵モータM2にかかる負担を軽減することができる。したがって、第二転舵モータM2の長寿命化を図れる。
【0061】
以上、ステアリングシャフト12が「入力軸」に対応し、第一ピニヨンシャフト18が「出力軸」に対応し、第一転舵モータM1が「第一モータ」に対応し、第二転舵モータM2が「第二モータ」に対応する。また、第一転舵コントローラ71が「第一制御部」に対応し、第二転舵コントローラ72が「第二制御部」に対応し、トルクセンサ34が「トルク検出部」に対応し、反力コントローラ73が「反力制御部」に対応する。また、2モータSBWモードが「2モータ転舵制御」に対応し、1モータSBWモードが「1モータ転舵制御」に対応し、1モータEPSモードが「1モータアシスト制御」に対応する。
【0062】
《効果》
次に、第1実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態のステアリング制御装置では、運転者のステアリング操作によってステアリングシャフト12が回転する操舵入力機構StINと、第一ピニヨンシャフト18の回転によって車輪13L及び13Rが転舵される転舵出力機構StOUTと、を備える。また、ステアリングシャフト12と第一ピニヨンシャフト18とを断続可能に連結するクラッチ19と、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与可能な第一転舵モータM1と、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与可能な第二転舵モータM2と、を備える。また、第一転舵モータM1を駆動制御する第一転舵コントローラ71と、第二転舵モータM2を駆動制御する第二転舵コントローラ72と、第一ピニヨンシャフト18のトルクを検出するトルクセンサ34と、を備える。そして、クラッチ19を遮断した状態で、ステアリングシャフト12の回転角に応じて、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の回転角を制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の回転角を制御することにより、車輪13L及び13Rの転舵角を制御することを2モータSBWモードと定義する。また、クラッチ19を遮断し、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御しない状態で、ステアリングシャフト12の回転角に応じて、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の回転角を制御することにより、車輪13L及び13Rの転舵角を制御することを1モータSBWモードと定義する。また、クラッチ19を接続し、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御しない状態で、トルクセンサ34で検出したトルクに応じて、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1のトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータEPSモードと定義する。そして、第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72が2モータSBWモードを実行している状態で、第一転舵コントローラ71、第一転舵モータM1、及びトルクセンサ34の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二転舵コントローラ72で1モータSBWモードを実行する。また、第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72が2モータSBWモードを実行している状態で、第二転舵コントローラ72、及び第二転舵モータM2の少なくとも一つに異常が発生したときには、第一転舵コントローラ71で1モータEPSモードを実行する。
このように、正常に機能している制御系統を活かしながら、異常発生箇所に応じて制御を切替えることにより、複数のモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することができる。
【0063】
(2)本実施形態のステアリング制御装置では、操舵入力機構StINに操舵反力を付与可能な反力モータ51と、反力モータ51を駆動制御する反力コントローラ73と、を備える。そして、クラッチ19を遮断した状態で、ステアリングシャフト12の回転角に応じて、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の回転角を制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の回転角を制御することにより、車輪13L及び13Rの転舵角を制御し、且つ反力コントローラ73で反力モータ51のトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対する操舵反力を制御することを2モータSBWモードと定義する。また、クラッチ19を遮断し、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御しない状態で、ステアリングシャフト12の回転角に応じて、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の回転角を制御することにより、車輪13L及び13Rの転舵角を制御し、且つ反力コントローラ73で反力モータ51のトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対する操舵反力を制御することを1モータSBWモードと定義する。また、クラッチ19を接続し、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御しない状態で、トルクセンサ34で検出したトルクに応じて、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1のトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータEPSモードと定義する。そして、第一転舵コントローラ71、第二転舵コントローラ72、及び反力コントローラ73が2モータSBWモードを実行している状態で、第一転舵コントローラ71、第一転舵モータM1、及びトルクセンサ34の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二転舵コントローラ72、及び反力コントローラ73で1モータSBWモードを実行する。また、第一転舵コントローラ71、第二転舵コントローラ72、及び反力コントローラ73が2モータSBWモードを実行している状態で、第二転舵コントローラ72、及び第二転舵モータM2の少なくとも一つ、又は反力コントローラ73、及び反力モータ51の少なくとも一つに異常が発生したときには、第一転舵コントローラ71で1モータEPSモードを実行する。
このように、正常に機能している制御系統を活かしながら、異常発生箇所に応じて制御を切替えることにより、複数のモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することができる。
【0064】
(3)本実施形態のステアリング制御装置では、1モータSBWモードを実行している状態で、第二転舵コントローラ72、及び第二転舵モータM2の少なくとも一つ、又は反力コントローラ73、及び反力モータ51の少なくとも一つに異常が発生したときには、クラッチ19を接続した状態で、1モータSBWモードを中止する。
これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保することができる。
【0065】
(4)本実施形態のステアリング制御装置では、1モータEPSモードを実行している状態で、第一転舵コントローラ71、第一転舵モータM1、及びトルクセンサ34の少なくとも一つに異常が発生したときには、クラッチ19を接続した状態で、1モータEPSモードを中止する。
これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保することができる。
(5)本実施形態のステアリング制御装置では、少なくとも第一転舵モータM1、及びトルクセンサ34は、一体化した複合部品で構成されており、且つ電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化される。
これにより、例えば既製の電動パワーステアリング装置の構成部品を転用すること等ができ、コストアップを抑制できる。
【0066】
(6)本実施形態のステアリング制御装置では、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2は、同一型のモータで構成される。
これにより、モータを共通化することができ、コストアップを抑制することができる。
(7)本実施形態のステアリング制御装置では、第二転舵モータM2は、第一転舵モータM1よりも高出力型のモータで構成される。
これにより、1モータSBWモードを実行するときに、第二転舵モータM2の一つだけでも十分な転舵力を生むことができる。
【0067】
(8)本実施形態のステアリング制御方法では、運転者のステアリング操作によってステアリングシャフト12が回転する操舵入力機構StINと、第一ピニヨンシャフト18の回転によって車輪13L及び13Rが転舵される転舵出力機構StOUTとの間に、ステアリングシャフト12と第一ピニヨンシャフト18とを断続可能に連結するクラッチ19を介装する。また、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与可能な第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を設けると共に、第一転舵モータM1を駆動制御する第一転舵コントローラ71、及び第二転舵モータM2を駆動制御する第二転舵コントローラ72を設け、第一ピニヨンシャフト18にトルクを検出するトルクセンサ34を設ける。そして、クラッチ19を遮断した状態で、ステアリングシャフト12の回転角に応じて、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の回転角を制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の回転角を制御することにより、車輪13L及び13Rの転舵角を制御することを2モータSBWモードと定義する。また、クラッチ19を遮断し、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の駆動制御をしない状態で、ステアリングシャフト12の回転角に応じて、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の回転角を制御することにより、車輪13L及び13Rの転舵角を制御することを1モータSBWモードと定義する。また、クラッチ19を接続し、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の駆動制御をしない状態で、トルクセンサ34で検出したトルクに応じて、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1のトルクを制御することにより、運転者のステアリング操作に対するアシストトルクを制御することを1モータEPSモードと定義する。そして、第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72が2モータSBWモードを実行している状態で、第一転舵コントローラ71、第一転舵モータM1、及びトルクセンサ34の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二転舵コントローラ72で1モータSBWモードを実行する。また、第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72が2モータSBWモードを実行している状態で、第二転舵コントローラ72、及び第二転舵モータM2の少なくとも一つに異常が発生したときには、第一転舵コントローラ71で1モータEPSモードを実行する。
このように、正常に機能している制御系統を活かしながら、異常発生箇所に応じて制御を切替えることにより、複数のモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することができる。
【0068】
以上、本願が優先権を主張する日本国特許出願P2012−221308(2012年10月3日出願)の全内容は、ここに引用例として包含される。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
【符号の説明】
【0069】
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13L及び13R 車輪
14 ナックルアーム
15 タイロッド
16 ラック軸
17 ピニヨンギヤ
18 第一ピニヨンシャフト
19 クラッチ
StIN 操舵入力機構
StOUT 転舵出力機構
31 ラックギヤ
32 ウォームギヤ
M1 第一転舵モータ
33 レゾルバ
34 トルクセンサ
A1 第一アクチュエータ
35 ピニヨンギヤ
36 第二ピニヨンシャフト
37 ラックギヤ
38 ウォームギヤ
M2 第二転舵モータ
39 レゾルバ
A2 第二アクチュエータ
51 反力モータ
52 レゾルバ
53 操舵角センサ
71 第一転舵コントローラ
72 第二転舵コントローラ
73 反力コントローラ
74 通信線
75 通信線
【図1】
【図2】
【図3】

【手続補正書】
【提出日】20140919
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、一体化した複合部品で構成されており、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【請求項2】
前記操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力モータと、
前記反力モータを駆動制御する反力制御部と、を備え、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御し、且つ前記反力制御部により、前記反力モータのトルクを制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御し、且つ前記反力制御部により、前記反力モータのトルクを制御する1モータ転舵制御モードと、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部、及び前記反力制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項3】
前記1モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータ転舵制御モードを中止することを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
【請求項4】
前記1モータアシスト制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータアシスト制御モードを中止することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項5】
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項6】
前記第一モータ及び前記第二モータは、同一型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項7】
前記第二モータは、前記第一モータよりも高出力型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項8】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構との間に、前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチを介装し、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータ及び第二モータを設けると共に、前記第一モータを駆動制御する第一制御部、及び前記第二モータを駆動制御する第二制御部を設け、
前記出力軸にトルクを検出するトルク検出部を設け、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部を、一体化した複合部品で構成し、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
課題を解決するための手段
[0005]
本発明の一態様に係るステアリング制御装置は、操舵入力機構と転舵出力機構との間にクラッチを介装し、転舵出力機構には駆動力を付与する第一モータ及び第二モータを設け、出力軸にはトルク検出部を設ける。少なくとも第一モータ、及びトルク検出部を、一体化した複合部品で構成する。そして、クラッチを遮断し、第一制御部及び第二制御部により、入力軸の回転角に応じて、第一モータ及び第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードを有する。また、クラッチを接続し、第一制御部により、トルク検出部で検出したトルクに応じて、第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードを有する。また、クラッチを遮断し、第二制御部により、入力軸の回転角に応じて、第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードを有する。そして、第一制御部及び第二制御部が2モータ転舵制御モードを実行している状態で、第一制御部、第一モータ、及びトルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二制御部で1モータ転舵制御モードを実行する。さらに、第一制御部及び第二制御部が2モータ転舵制御モードを実行している状態で、第二制御部、及び第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、第一制御部で1モータアシスト制御モードを実行する。
発明の効果
[0006]
本発明によれば、2モータ転舵制御モードを実行している状態で、第一制御部による制御系統に異常が発生したとしても、第二制御部による制御系統は正常に機能しているため、この第二制御部による制御によって1モータ転舵制御モードに切替える。一方、2モータ転舵制御モードを実行している状態で、第二制御部による制御系統に異常が発生したとしても、第一制御部による制御系統は正常に機能しているため、この第一制御部による制御によって1モータアシスト制御モードに切替える。このように、正常に機能している制御系統を活かしながら

【手続補正書】
【提出日】20150304
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、一体化した複合部品で構成されており、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【請求項2】
前記操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力モータと、
前記反力モータを駆動制御する反力制御部と、を備え、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御し、且つ前記反力制御部により、前記反力モータのトルクを制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御し、且つ前記反力制御部により、前記反力モータのトルクを制御する1モータ転舵制御モードと、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部、及び前記反力制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項3】
前記1モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータ転舵制御モードを中止することを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
【請求項4】
前記1モータアシスト制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータアシスト制御モードを中止することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項5】
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項6】
前記第一モータ及び前記第二モータは、同一型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項7】
前記第二モータは、前記第一モータよりも高出力型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項8】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構との間に、前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチを介装し、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータ及び第二モータを設けると共に、前記第一モータを駆動制御する第一制御部、及び前記第二モータを駆動制御する第二制御部を設け、
前記出力軸にトルクを検出するトルク検出部を設け、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部を、一体化した複合部品で構成し、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御方法。
【請求項9】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第一ピニヨンシャフト18における入力軸と出力軸との間には、トルクセンサ34を設けている。
上記のピニヨンギヤ17、第一ピニヨンシャフト18の出力軸、ウォームギヤ32、第一転舵モータM1、レゾルバ33、及びトルクセンサ34は、一体化した複合部品(アッセンブリ)として構成され、これを第一アクチュエータA1とする。第一アクチュエータA1は、電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
上記のピニヨンギヤ35、第二ピニヨンシャフト36の出力軸、ウォームギヤ38、第二転舵モータM2、及びレゾルバ39は、一体化された複合部品(アッセンブリ)として構成され、これを第二アクチュエータA2とする。
第二アクチュエータA2によれば、クラッチ19を遮断している状態で、第二転舵モータM2を駆動すると、ウォームギヤ38を介して第二ピニヨンシャフト36が回転するので、第二転舵モータM2の回転角に応じて車輪13L及び13Rの転舵角が変化する。したがって、クラッチ19を遮断しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第二転舵モータM2を駆動制御することにより、ステアリングバイワイヤ機能として所望のステアリングコントロール特性が実現される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
次に、制御系統の構成について説明する。
本実施形態では、第一転舵コントローラ(転舵ECU1)71と、第二転舵コントローラ(転舵ECU2)72と、反力コントローラ(反力ECU)73と、を備える。各コントローラは、例えばマイクロコンピュータからなる。
第一転舵コントローラ71は、レゾルバ33、トルクセンサ34、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して第一転舵モータM1を駆動制御する。第二転舵コントローラ72は、レゾルバ39、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して第二転舵モータM2を駆動制御する。反力コントローラ73は、レゾルバ52、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して反力モータ51を駆動制御する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
[2モータSBWモード]
2モータSBWモードでは、クラッチ制御信号を出力してクラッチ19を遮断した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、転舵角制御を実行する。すなわち、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が協働し、必要とされる転舵力を分担して出力する。一方、反力コントローラ73で反力モータ51を駆動制御し、反力制御を実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
反力コントローラ73は、ステアリング操作時に路面から受ける反力に相当する目標反力トルクTrを設定し、この目標反力トルクTrに反力モータ51のトルクが一致するように、反力モータ51を駆動制御する。
目標反力トルクTrの設定は、例えば操舵角θs、第一転舵モータM1に流れる電流Im1、第二転舵モータM2に流れる電流Im2等に基づいて行う。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
目標アシストトルクTaの設定は、例えば車速Vに応じて行う。すなわち、据え切り時や低速走行時には、運転者の操作負担を軽減するために、大きな目標アシストトルクTaを設定する。また、高速走行時には、過敏な車両挙動を抑制し、走行安定性を確保するために、小さな目標アシストトルクTaを設定する。
一方、2モータEPSモードでは、反力モータ51のリレー回路が切断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御するときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ51が駆動されることで、反力モータ51自体が負荷とならないようにするためである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
[1モータSBWモード]
1モータSBWモードでは、クラッチ制御信号を出力してクラッチ19を遮断し、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の駆動制御をしない(非駆動)状態で、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、転舵角制御を実行する。すなわち、第二転舵モータM2が、必要とされる転舵力を単独で出力する。一方、反力コントローラ73で反力モータ51を駆動制御し、反力制御を実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
目標転舵角θwの設定や第二転舵モータM2の制御手法、及び目標反力トルクTrの設定や反力モータ51の制御手法については、2モータSBWモードと同様である。
一方、1モータSBWモードでは、第一転舵モータM1のリレー回路が切断され、第一転舵モータM1が電路から遮断される。すなわち、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御するときに、ラック軸16の進退によって第一転舵モータM1が駆動されることで、第一転舵モータM1自体が負荷とならないようにするためである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
また、一時的な措置として2モータEPSモードにある状態から、一次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへと遷移する。そして、1モータEPSモードの状態から、二次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータEPSモードから1モータEPSモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
なお、一時的な措置として2モータEPSモードにある状態から、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへの遷移が不可能となるため直にマニュアルステアリングモードへと遷移する。
上記が、制御モードの遷移である。

【手続補正書】
【提出日】20160307
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、一体化した複合部品で構成されており、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第二モータを非駆動状態にし、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第一モータを非駆動状態にし、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【請求項2】
前記操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力モータと、
前記反力モータを駆動制御する反力制御部と、を備え、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御し、且つ前記反力制御部により、前記反力モータのトルクを制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第二モータを非駆動状態にし、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第一モータを非駆動状態にし、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御し、且つ前記反力制御部により、前記反力モータのトルクを制御する1モータ転舵制御モードと、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部、及び前記反力制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部、前記第二制御部、及び前記反力制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項3】
前記1モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つ、又は前記反力制御部、及び前記反力モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータ転舵制御モードを中止することを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
【請求項4】
前記1モータアシスト制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記クラッチを接続した状態で、前記1モータアシスト制御モードを中止することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項5】
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項6】
前記第一モータ及び前記第二モータは、同一型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項7】
前記第二モータは、前記第一モータよりも高出力型のモータで構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
【請求項8】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構との間に、前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチを介装し、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータ及び第二モータを設けると共に、前記第一モータを駆動制御する第一制御部、及び前記第二モータを駆動制御する第二制御部を設け、
前記出力軸にトルクを検出するトルク検出部を設け、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部を、一体化した複合部品で構成し、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第二モータを非駆動状態にし、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第一モータを非駆動状態にし、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御方法。
【請求項9】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第二モータを非駆動状態にし、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第一モータを非駆動状態にし、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【請求項10】
運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第一モータと、
前記転舵出力機構に駆動力を付与可能な第二モータと、
前記第一モータを駆動制御する第一制御部と、
前記第二モータを駆動制御する第二制御部と、
前記出力軸のトルクを検出するトルク検出部と、を備え、
少なくとも前記第一モータ、及び前記トルク検出部は、一体化した複合部品で構成されており、
前記クラッチを遮断し、前記第一制御部及び前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第一モータ及び前記第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードと、
前記クラッチを接続し、前記第二モータを電路から遮断し、前記第一制御部により、前記トルク検出部で検出したトルクに応じて、前記第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードと、
前記クラッチを遮断し、前記第一モータを電路から遮断し、前記第二制御部により、前記入力軸の回転角に応じて、前記第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードと、を有し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第一制御部、前記第一モータ、及び前記トルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、前記第二制御部で前記1モータ転舵制御モードを実行し、
前記第一制御部及び前記第二制御部が前記2モータ転舵制御モードを実行している状態で、前記第二制御部、及び前記第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、前記1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、前記第一制御部で前記1モータアシスト制御モードを実行することを特徴とするステアリング制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様に係るステアリング制御装置は、操舵入力機構と転舵出力機構との間にクラッチを介装し、転舵出力機構には駆動力を付与する第一モータ及び第二モータを設け、出力軸にはトルク検出部を設ける。少なくとも第一モータ、及びトルク検出部を、一体化した複合部品で構成する。そして、クラッチを遮断し、第一制御部及び第二制御部により、入力軸の回転角に応じて、第一モータ及び第二モータの回転角を制御する2モータ転舵制御モードを有する。また、クラッチを接続し、第二モータを非駆動状態にし、第一制御部により、トルク検出部で検出したトルクに応じて、第一モータのトルクを制御する1モータアシスト制御モードを有する。また、クラッチを遮断し、第一モータを非駆動状態にし、第二制御部により、入力軸の回転角に応じて、第二モータの回転角を制御する1モータ転舵制御モードを有する。そして、第一制御部及び第二制御部が2モータ転舵制御モードを実行している状態で、第一制御部、第一モータ、及びトルク検出部の少なくとも一つに異常が発生したときには、第二制御部で1モータ転舵制御モードを実行する。さらに、第一制御部及び第二制御部が2モータ転舵制御モードを実行している状態で、第二制御部、及び第二モータの少なくとも一つに異常が発生したときには、1モータ転舵制御モードを行なえる状態であっても、第一制御部で1モータアシスト制御モードを実行する。
【国際調査報告】