(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014054276
(43)【国際公開日】20140410
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】電磁波送信装置及び電磁波送信システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/80 20060101AFI20160729BHJP
【FI】
   !H05B6/80 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
【出願番号】2014539613
(21)【国際出願番号】JP2013005848
(22)【国際出願日】20131001
(11)【特許番号】5888427
(45)【特許公報発行日】20160322
(31)【優先権主張番号】2012221503
(32)【優先日】20121003
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】本間 幸洋
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】西原 淳
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓郎
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K090
【Fターム(参考)】
3K090AA02
3K090AB20
3K090PA00
(57)【要約】
高出力のマイクロ波など電磁波の照射が必要となる電磁波加熱システムや電磁波電力伝送システムなどにおいて、材料や被照射部に安定して、連続波の高出力のマイクロ波を照射する電磁波送信装置及び電磁波送信システムを得るために、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波、又は、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され増幅した電磁波を被照射体へ照射する電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムに関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を被照射体へ照射する複数の電磁波送信部を備え、
前記複数の電磁波送信部は、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動され、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間である電磁波送信装置。
【請求項2】
複数の前記電磁波送信部の送信タイミングを制御する制御装置を、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電磁波送信部の送信タイミングを順次遅延させている請求項1に記載の電磁波送信装置。
【請求項3】
複数の電磁波送信ユニットを、さらに備え、
前記複数の電磁波送信ユニットごとにそれぞれ、前記複数の電磁波送信部、を有し、
前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つが他の前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つと同じ送信タイミングで動作する請求項1に記載の電磁波送信装置。
【請求項4】
複数の電磁波送信ユニットと、
複数の前記電磁波送信部の送信タイミングを制御する制御装置とを、さらに備え、
前記複数の電磁波送信ユニットごとにそれぞれ、前記複数の電磁波送信部、を有し、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電磁波送信ユニット毎に前記電磁波送信ユニット内のそれぞれの前記電磁波送信部の送信タイミングを順次遅延させると共に、前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つが他の前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つと同じ送信タイミングで動作させている請求項1に記載の電磁波送信装置。
【請求項5】
前記制御装置は、それぞれの前記電磁波送信ユニットからの電磁波の位相が前記被照射体で揃うように、それぞれの前記電磁波送信ユニット内のそれぞれの前記電磁波送信部の位相を制御する請求項4に記載の電磁波送信装置。
【請求項6】
前記制御装置は、それぞれの前記電磁波送信ユニットからの電磁波が前記被照射体へ収束するようにそれぞれの前記電磁波送信ユニット内のそれぞれの前記電磁波送信部からの電磁波の指向性を制御する請求項4又は請求項5に記載の電磁波送信装置。
【請求項7】
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電磁波送信部の数の逆数である請求項1から請求項6のいずれかに記載の電磁波送信装置。
【請求項8】
電磁波を被照射体へ照射する電磁波送信部における電磁波を増幅する電力増幅装置であって、
所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され電磁波を増幅する複数の電力増幅部を備え、
前記複数の電力増幅部は、各々異なる送信タイミングでパルス駆動され、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間である電力増幅装置。
【請求項9】
複数の前記電力増幅部の送信タイミングを制御する制御装置を、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電力増幅部の送信タイミングを順次遅延させている請求項8に記載の電力増幅装置。
【請求項10】
複数の前記電力増幅部の前段側に設けられ、複数の前記電力増幅部へ電磁波を分配する分配器と、
この分配器の前段側に設けられ、入力した電磁波の位相を変化させて前記分配器側へ出力する移相器と、
複数の前記電力増幅部の後段側に設けられ、いずれかの前記電力増幅部を選択して出力する出力側切替器と、
複数の前記電力増幅部の送信タイミングと前記移相器と前記出力側切替器とを制御する制御装置とを、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電力増幅部の送信タイミングを順次遅延させ、それぞれの送信タイミングに対応した前記電力増幅部を選択するように前記出力側切替器を切り替え、それぞれの送信タイミング毎に前記出力側切替器から出力される電磁波が所定の位相となるように前記移相器を制御する請求項8に記載の電力増幅装置。
【請求項11】
複数の前記電力増幅部の前段側に設けられ、いずれかの前記電力増幅部を選択して電磁波を前記電力増幅部へ出力する入力側切替器と、
この入力側切替器の前段側に設けられ、入力した電磁波の位相を変化させて前記入力側切替器側へ出力する移相器と、
複数の前記電力増幅部の後段側に設けられ、いずれかの前記電力増幅部を選択して電磁波を出力する出力側切替器と、
複数の前記電力増幅部の送信タイミングと前記移相器と前記入力側切替器と前記出力側切替器とを制御する制御装置とを、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電力増幅部の送信タイミングを順次遅延させ、それぞれの送信タイミングに対応した前記電力増幅部を選択するように前記入力側切替器及び前記出力側切替器を切り替え、それぞれの送信タイミング毎に前記出力側切替器から出力される電磁波が所定の位相となるように前記移相器を制御する請求項8に記載の電力増幅装置。
【請求項12】
複数の前記電力増幅部の前段側に設けられ、複数の前記電力増幅部へ電磁波を分配する分配器と、
この分配器の前段側に設けられ、入力した電磁波の位相を変化させて前記分配器側へ出力する移相器と、
複数の前記電力増幅部の後段側に設けられ、複数の前記電力増幅部からの電磁波を合成し出力する合成器と、
複数の前記電力増幅部の送信タイミングと前記移相器とを制御する制御装置とを、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電力増幅部の送信タイミングを順次遅延させ、それぞれの送信タイミング毎に前記合成器から出力される電磁波が所定の位相となるように前記移相器を制御する請求項8に記載の電力増幅装置。
【請求項13】
前記移相器の後段であって、前記分配器の前段側又は後段側に設けられ、複数組の前記複数の電力増幅部及び前記複数の電力増幅部のいずれかを接続先として選択して電磁波を送る入力側切替器と、
前記入力側切替器が前記分配器の前段側に設けられている場合は前記合成器の後段側に設けられ、前記入力側切替器が前記分配器の後段側に設けられている場合は前記合成器の前段側に設けられ、前記入力側切替器が選択している前記接続先を選択して電磁波を受ける出力側切替器とを、さらに備え、
前記制御装置は、それぞれの送信タイミングに対応した前記複数の電力増幅部の組を選択するように前記入力側切替器及び前記出力側切替器を切り替える請求項12に記載の電力増幅装置。
【請求項14】
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電力増幅部の数の逆数である請求項8から請求項13のいずれかに記載の電力増幅装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれかに記載の前記電磁波送信部と、
前記電磁波送信部からの電磁波が照射される前記被照射体を保持する被照射体保持部とを備えた電磁波送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロ波等の電磁波を送信して、所定の場所に集中させて電磁波を照射し、加熱や化学変化、電力伝送を行うシステムに用いられる電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁波送信装置及び電磁波送信システムは、マイクロ波加熱炉(マイクロ波反応炉、マイクロ波製錬炉、マイクロ波精錬炉、マイクロ波溶解炉、マイクロ波溶鉱炉、マイクロ波焼結炉等を含む)やマイクロ波電力伝送システムに用いられるものである。例えば、マイクロ波加熱や宇宙太陽光発電システムの実験装置などのマイクロ波電力伝送システムにおいては、電磁波送信装置は大電力なマイクロ波の出力が要求される。このため、これらのシステムのマイクロ波送信装置には古くから高出力が特徴のマグネトロンやクライストロン等の電子管増幅器が使われてきた。
【0003】
一方、近年、半導体増幅器は、レーダ或いは通信機器などの分野において技術が進歩しており、例えばC帯においては、数十W〜200W程度を出力する高出力マイクロ波半導体増幅器の開発が進んでいる。これらの増幅器をアクティブフェーズドアレーアンテナ(Active Phased Array Antenna:APAA)などのマイクロ波送信装置に搭載して、大規模化・高出力化可能なシステムを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2010/087464
【特許文献2】特開2001−308649号公報
【特許文献3】特開平2−104103号公報
【特許文献4】特開2010−272913号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】佐藤元泰 他、第5回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム、公演要旨集2B07(2011)PP.98−99.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたマイクロ波加熱製錬炉(マイクロ波加熱炉)は、炉に複数のマイクロ波照射窓を設け、外部に設置したマイクロ波の波面及び位相を制御することでビームの方向を電気的に可変できるマイクロ波照射装置からマイクロ波を照射するものである。特許文献1の記載には、照射したマイクロ波によって、マイクロ波照射室内に投入した鉄鉱石などの材料を高い電力束密度のマイクロ波で溶かして製鉄などを行うことができることが示されている。一方、この特許文献1では、マイクロ波照射室において、高い電力束密度を得るための具体的なマイクロ波照射装置の構成やレイアウト等が記載されておらず、マイクロ波照射室内で高い電力束密度を得ることが困難であるという課題があった。また、マイクロ波加熱や宇宙太陽光発電システムの実験装置などのマイクロ波電力伝送システムの大規模化のために、マイクロ波の出力・照射電力を大きくする方法、例えば、一つのシステムにさらに複数のマイクロ波送信装置を設けるなどの具体的な大規模・高出力の方法も提示されておらず、システムの規模の拡張が困難であるという課題もあった。
【0007】
非特許文献1においては、フェーズドアレーアンテナを炉の外周に並べ、複数の反射鏡を経由し、材料が配置されているマイクロ波照射室にマイクロ波を照射するシステムが提案されている。これらのシステムにおいては、フェーズドアレーアンテナの各素子に対して数百Wの連続波の高出力マイクロ波照射装置が必要になる。しかし、非特許文献1には具体的な連続波の高出力マイクロ波照射装置の実現方法は開示されていない。よって、非特許文献1の記載事項には、例えば、GaN(窒化ガリウム)素子を用いた半導体増幅器において課題があった。すなわち、百W程度以上の高出力を連続波として出力する場合、半導体増幅器は、十分な排熱が実現できず、温度上昇による利得低下、或いは、焼損等により、安定して電力を照射することが難しくなるという課題があった。
【0008】
特許文献2においては、時分割多元接続方式(Time Divison Multiple Access:TDMA)による通信に使用する電力増幅器が開示されている。この電力増幅器において、送信期間中の出力段増幅部の出力段トランジスタのTjの上昇を抑制するため、複数の出力段増幅部をデューティ比が出力段増幅部の逆数であるパルス幅毎に順次動作させて、所定の送信期間で動作させる高周波電力増幅器が記載されている。しかし、連続波を出力させる高周波電力増幅器に係る記載は無い。
【0009】
本発明の目的は、上記のような課題を解決するものである。すなわち、材料や受電装置などの被照射部に安定して、連続波の高出力のマイクロ波を照射するための電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムを得ることである。この電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムは、高出力のマイクロ波など電磁波の照射が必要となる電磁波加熱システムや電磁波電力伝送システムなどに好適である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波電力伝送システムは、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波、又は、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され増幅した電磁波を被照射体へ照射するものである。パルス駆動は、それぞれ異なる送信タイミングで行われ、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、連続波相当の高出力のマイクロ波を安定して効率よく所望の場所に照射することができるという効果を奏する。また、本発明は、大規模化・高出力化が可能な、拡張性の高い電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムを得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムが適用可能なマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)の構成説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムのマイクロ波送信部(電磁波送信部)の動作イメージ図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムのマイクロ波送信部(電磁波送信部)の出力電力イメージ図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムのマイクロ波送信部(電磁波送信部)のシステムブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電力増幅装置のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る電力増幅装置のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る電力増幅装置のブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。
【図11】本発明の実施の形態5に係る電力増幅装置のブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係る電力増幅装置のブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態6に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムが適用可能なマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)の構成説明図である。図1において、電磁波送信部1(マイクロ波送信部1)は、送信マイクロ波11を送信するAPAA等から構成される。反射板2は、送信マイクロ波11を反射するものである。加熱炉3は、焦点部4や材料12(被照射体12)を含み、鉄などを生成するものである。焦点部4は、マイクロ波送信部1が送信した送信マイクロ波11が集まる焦点に相当する部位である。窓5は、加熱炉3の上部に設置され送信マイクロ波11は透過するものである。材料12は、焦点部4に保持され送信マイクロ波11で加熱される対象である。焦点部4は、材料12を焦点付近に保持しておくためのテーブルやるつぼで構成される。なお、テーブルやるつぼは、被照射体である材料12を保持する被照射体保持部や被照射体である材料12を載置する被照射体載置部と称してもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0014】
また、図1において、加熱炉3は、送信マイクロ波11が入射してくる上部には、材料12や排ガス、熱や送信マイクロ波11等が外部に漏れ出さないように窓5が設けられている。図1では、加熱炉3の内部に配置された焦点部4,窓5(一部),材料12,テーブル(被照射体保持部)の構造を示すため、加熱炉3の内部を点線で示している。なお、実施の形態1に係る電磁波送信システムは、実施の形態1に係る電磁波送信装置の電磁波送信部1(マイクロ波送信部1)に加えて、電磁波送信部1からの電磁波が照射される被照射体を保持する被照射体保持部を備えたものとしている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0015】
次に、実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムにおける基本動作を説明する。マイクロ波送信部1から照射された送信マイクロ波11は、反射鏡2で反射して加熱炉3の上部の窓5を通過し、焦点部4付近に保持されている材料12に照射される。この際、APAAによるビーム方向制御・ビーム形成及び反射板の光学系により、各マイクロ波送信部1から照射される送信マイクロ波11の電力束密度は焦点部4付近で強くなるように制御されて照射される。実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)をマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)に適用する場合、焦点部4には、被照射体保持部に支持された材料12(被照射体12)が設けられる。一方、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)をマイクロ波電力伝送システムに適用する場合、焦点部4には被照射体保持部に支持された受電装置12(被照射体12)が設けられる。受電装置12は、電磁波を受信して電力に変換するものである。
【0016】
ここで、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)をマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)に適用する場合について、図1に示すマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)を用いて補足説明する。図1に示すように、マイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)の加熱炉3の焦点部4に相当する位置に被照射体である材料12を収納する。マイクロ波送信部1(電磁波送信装置)から照射された電磁波により加熱・精錬を行うため、加熱炉3には、電磁波を通過し、加熱・精錬により発生する発生物を閉じ込める窓5が設けられている。焦点部4は、窓5の内側である加熱炉3の内部に配置されている。
【0017】
また、図1に示すマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)では、マイクロ波送信部1が、加熱炉3を取り囲み円環状に配置されている。さらに、マイクロ波送信部1と加熱炉3(窓5)との間の電磁波の照射経路に電磁波を反射・集光する反射鏡2とを有している。マイクロ波送信部1の配置やマイクロ波送信部1から加熱炉3(窓5)までの電磁波の経路は、図1に記載のものに限るものではない。図1では、マイクロ波送信部1は、#1,#2,#3の組み合わせで、複数のものが加熱炉3を取り囲み円環状に配置されていることを模式的に示している。なお、加熱炉3の外観や内部を示すために、円環状に配置されたマイクロ波送信部1の一部の図示を省略している。
【0018】
次に、図2及び図3を用いて、実施の形態1におけるパルス出力のマイクロ波送信部1を用いた場合の動作を説明する。マイクロ波送信部1a、1b、1c・・・は、APAA等のマイクロ波送信部1に相当するものである。なお、マイクロ波送信部1a,マイクロ波送信部1b,マイクロ波送信部1cは、図1では、#1,#2,#3と示されたマイクロ波送信部1に相当するものである。マイクロ波送信部1a、1b、1c・・・は、異なる送信タイミングでパルスの送信マイクロ波11a、11b、11cを、焦点部に設置された材料12に向けて送信する。まずは、説明の簡素化のために、マイクロ波送電部1が1a、1b、1cの3台、送信マイクロ波11の送信デューティが33.3%である場合とし、それぞれのマイクロ波送信部1から送信マイクロ波11が送信される送信タイミングを制御して、図3のようなマイクロ波を送信する場合を考える。なお、送信デューティとは、パルス駆動の送信マイクロ波において、一組の送信時間と非送信時間とを1周期時間とし、この1周期時間における送信時間の比率をいう。例えば、後述の図3(a)の1周期におけるONの時間の比率である。また、送信タイミングとは、送信時間と非送信時間とからなるパルス駆動の送信マイクロ波において、非送信時間から送信時間に切り替わる時(タイミング)をいう。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0019】
図3のグラフにおいて、図3(a)(b)(c)の縦軸は、マイクロ波送信部1のON/OFFを示し、横軸は、時間を示している。すなわち、図3(a)(b)(c)はマイクロ波送信部1の送信タイミングを指している。上から順に、図3(a)がマイクロ波送信部1aの出力を示すマイクロ波送信部1aの送信マイクロ波波形のイメージ図である。図3(b)がマイクロ波送信部1bの出力を示すマイクロ波送信部1bの送信マイクロ波波形のイメージ図である。図3(c)がマイクロ波送信部1cの出力を示すマイクロ波送信部1cの送信マクロ波波形のイメージ図である。一番下に示す図3(p)が材料12付近における送信マイクロ波の合成波の電力束密度を示すイメージ図である。なお、図3(p)の縦軸は、送信マイクロ波の合成波の電力束密を示し、横軸は、時間を示している。
【0020】
図3(a)(b)(c)に示すように、それぞれのマイクロ波送信部1(マイクロ波送信部1a,マイクロ波送信部1b,マイクロ波送信部1c)からのパルス波の出力の送信タイミングを1/3周期ずつずらして(順次遅延させて)、電磁波を材料12(被照射体12)へ繰り返し送信する。これを換言すると、複数のマイクロ波送信部1は、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動されるものであるといえる。そして、隣接するマイクロ波送信部1同士の異なる送信タイミング間の時間は、所定の送信デューティに対応する送信時間であるといえる。実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)では、電磁波送信装置(電磁波送信システム)内に制御回路30を形成して、制御回路30によって複数の電磁波送信部1(各電磁波送信部1)のパルス駆動を行ってもよい。つまり、制御回路30は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれのマイクロ波送信部1(各マイクロ波送信部1)の送信タイミングを順次遅延させるものである。制御回路30の詳細は後述する。
【0021】
所定の送信デューティの定義は、1/(それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるマイクロ波送信部1の数)である。よって、図1〜図3に示すマイクロ波送信部1において、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象は、マイクロ波送信部1a,マイクロ波送信部1b,マイクロ波送信部1cの3つなので、所定の送信デューティは1/3となる。このように、各マイクロ波送信部1が、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を被照射体12(材料12)へ照射することで、材料12付近の電力束密度は、図3の最下部、つまり、図3(p)のグラフのように、連続波のマイクロ波を照射させたのと同じ電力束密度が得られる。
【0022】
マイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)において、材料12(焦点部4)における電力束密度を高くする場合は、マイクロ波送信部1の数を3台ごとに増やし、同様に1/3周期毎にずらして電磁波を照射することで、連続波相当の高い電力束密度を得ることができる。例えば、図1に示すマイクロ波加熱炉(電磁波送信システム)のマイクロ波送信部1において、加熱炉3の円周方向に、図1の#1、#2、#3、その次はまた#1、#2・・・の送信タイミングで送信すればよい。この送信タイミングは、図3(a)(b)(c)の縦軸に示すONの状態である時間である。
【0023】
なお、各マイクロ波送信部1と材料12までの光路長が異なる場合、あるいはシステム内に通過位相差がある場合は、材料部(焦点部4)で位相が合うように、例えば、特許文献3に記載の素子電界ベクトル法を用いて、各送信マイクロ波11の位相誤差や通過位相誤差を測定・検出し、補正することで、材料12付近においてコヒーレントな連続波のマイクロ波照射と同様の電力束密度を得ることができる。また、各マイクロ波送信部1から出力される送信マイクロ波11の位相や振幅を調整して、自由に送電マイクロ波ビームの形状を形成することもできる。
【0024】
図4は、実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムにおけるAPAAを用いたマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)のマイクロ波送信部周辺のシステムブロック図である。図4において、マイクロ波送信部1(電磁波送信部1)の内部は、初段高出力増幅器モジュール21(初段HPA(High Power Amplifier)モジュール21)が設けられている。分配回路22は初段HPAモジュール21からのマイクロ波や最終段HPAモジュール制御信号33を分配するものである。最終段高出力増幅器モジュール23(最終段HPA(High Power Amplifier)モジュール23,電力増幅装置23)は、マイクロ波送信部1内に複数設けられ、それぞれが分配回路22と接続されている。アンテナ24はマイクロ波を送信するものであり、それぞれ最終段HPAモジュール23と接続されている。移相器25及びHPA26(電力増幅部26)は、初段HPAモジュール21や最終段HPAモジュール23に内蔵されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0025】
また、図4において、制御回路30はCPUやFPGAなどで構成されている。信号発生器34は、被照射体12へ照射(送信)する電磁波の基になる源振信号27を生成して、初段HPAモジュール21へ源振信号27を供給する。アンテナ制御ユニット35は各マイクロ波送信部1の制御を統合的に行うものであり、各マイクロ波送信部1の制御回路30にマイクロ波送信部制御信号31を送るものである。制御回路30は、マイクロ波送信部制御信号31に基づいて、初段HPAモジュール21へ初段HPAモジュール制御信号32を送る。同様に、制御回路30は、マイクロ波送信部制御信号31に基づいて、最終段HPAモジュール23へ最終段HPAモジュール制御信号33を分配回路22経由で送る。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0026】
実施の形態1に係る電磁波送信装置及び電磁波送信システムのうち、図4に示すものは、それぞれのマイクロ波送信部1(各マイクロ波送信部1)に形成された制御回路30(各制御回路30)が、アンテナ制御ユニット35からのマイクロ波送信部制御信号31をそれぞれ受ける。マイクロ波送信部制御信号31を受けた各制御回路30は、マイクロ波送信部制御信号31によって、所定の送信デューティに対応する送信時間で、各マイクロ波送信部1の送信タイミングを順次遅延させるための動作を行う。
【0027】
つまり、制御回路30は、初段HPAモジュール制御信号32及び最終段HPAモジュール制御信号33を送って、最終段HPAモジュール制御信号33を初段HPAモジュール21及び最終段HPAモジュール23を制御する。この制御を各制御回路30が行うことで、所定の送信デューティに対応する送信時間で、各マイクロ波送信部1の送信タイミングを順次遅延させることができる。よって、電磁波送信装置(電磁波送信システム)における制御回路は、各制御回路30を指すといえるだけでなく、各制御回路30に加えて、アンテナ制御ユニット35を含めたものを制御回路としてもよい。もちろん、アンテナ制御ユニット35を制御回路としてもよい。
【0028】
以上のように、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)は、例えば、図1に示すマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)の焦点部4において高い送信マイクロ波11の電力束密度が必要となる場合であっても適用可能である。すなわち、複数のパルス出力のマイクロ波送信部1を、パルスを送信する送信タイミングをずらして切り替えて送信マイクロ波11を送信することで、焦点部4付近に連続波の送信マイクロ波11を効率よく照射でき、電力束密度を高くするように制御が可能になる。図1に示すマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)の場合で詳しく説明すると、APAAによるビーム方向制御・ビーム形成、及び反射板2により、焦点部4付近に連続波の送信マイクロ波11を効率よく照射できるといえる。
【0029】
これまでは、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)における、複数のマイクロ波送信部1をそれぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動するものを説明した。複数のマイクロ波送信部1が複数組ある場合を説明する。なお、図1に示す3つずつのマイクロ波送信部1の組が複数存在していたが、全てのマイクロ波送信部1をそれぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動されるものであった。つまり、ここで説明する実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)は、複数のマイクロ波送信部1の組が複数存在し、かつ、同じく組の複数のマイクロ波送信部1だけが、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動されるものである。加えて、別の組のマイクロ波送信部1同士の送信タイミングを同じとし、二つのマイクロ波送信部1からの電磁波(送信マイクロ波11)を被照射体12に照射(送信)することで、焦点部4付近の電力束密度をさらにあげることができる。
【0030】
詳しくは、複数の電磁波送信ユニットごとにそれぞれ、複数のマイクロ波送信部1、を有する構成を採用することにある。この構成において、制御装置30(アンテナ制御ユニット35)は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの電磁波送信ユニット毎に、電磁波送信ユニット内のそれぞれのマイクロ波送信部1の送信タイミングを順次遅延させると共に、電磁波送信ユニットが有する複数のマイクロ波送信部のうち、いずれか1つが他の電磁波送信ユニットが有する複数のマイクロ波送信部のうち、いずれか1つと同じ送信タイミングで動作させるものである。ここでも、所定の送信デューティの定義は、1/(それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるマイクロ波送信部1の数)である。
【0031】
マイクロ波送信部1の配列が図1に示すものである場合で説明する。なお、ここでの「#」の表記とは図1に明記されている部分だけに言及して例示しており、「#」の表記が省略されたマイクロ波送信部1を対象に説明はしていない。図1に示す配置の場合は、複数の電磁波送信ユニットごとにそれぞれ、3つのマイクロ波送信部1(マイクロ波送信部1a,マイクロ波送信部1b,マイクロ波送信部1c)を有しているといえる。電磁波送信ユニットが有する3つのマイクロ波送信部1(例えば、図1の左からの順に、#1マイクロ波送信部1,#2マイクロ波送信部1,#3マイクロ波送信部1)のうち、いずれか1つが他の電磁波送信ユニットが有する3つのマイクロ波送信部1(例えば、図1の右からの順に、#3マイクロ波送信部1,#2マイクロ波送信部1,#1マイクロ波送信部1)のうち、いずれか1つと同じ送信タイミングで動作するといえる。
【0032】
この場合でも、マイクロ波送信部1において、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象は、図1の左からの順に、#1マイクロ波送信部1,#2マイクロ波送信部1,#3マイクロ波送信部1の組と、図1の右からの順に、#3マイクロ波送信部1,#2マイクロ波送信部1,#1マイクロ波送信部1の組は、それぞれ3つずつなので、それぞれの所定の送信デューティは1/3となる。
【0033】
このような同じ組のマイクロ波送信部1同士の送信タイミングを別とし(異ならせ)、別の組のマイクロ波送信部1同士の送信タイミングを同じとし、二つのマイクロ波送信部1からの電磁波(送信マイクロ波11)を被照射体12に照射(送信)する場合でも制御装置30の基本動作は次のとおりである。つまり、制御装置30(アンテナ制御ユニット35)は、それぞれの電磁波送信ユニットからの電磁波の位相が被照射体12で揃うように、それぞれの電磁波送信ユニット内のそれぞれのマイクロ波送信部1の位相を制御する。制御装置30(アンテナ制御ユニット35)は、それぞれの電磁波送信ユニットからの電磁波が被照射体12へ収束するようにそれぞれの電磁波送信ユニット内のそれぞれのマイクロ波送信部1からの電磁波の指向性を制御する。
【0034】
また、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)は、パルスの長さや送信デューティに従って、マイクロ波送信部1の送信や切り替えのタイミングをアンテナ制御ユニット35や制御回路30でソフトウエアやFPGAで制御すればよい。そのため、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)は、通常のマイクロ波送電システムやAPAAのハードウエアに、特殊なハードウエアを追加することなく、焦点部4付近に連続波の送信マイクロ波11を効率よく照射でき、電力束密度を高くするように制御が可能にすることができる、という効果を奏する。
【0035】
また、一般的なAPAAでは、マイクロ波の送信の切り替えのための各初段HPAモジュール21及び最終段HPAモジュール23へのON/OFFの制御信号は、High/Low等の制御信号を各モジュールに入力することで、即時(μ秒以下)に制御することできる。このため、実施の形態1に係る電磁波送信装置(電磁波送信システム)は、マイクロ波送信部1のパルス波の送信タイミングや、各マイクロ波送信部1をタイミングよく切り替えることが可能である。
【0036】
なお、システムによっては、初段での増幅が不要となる場合や、初段HPAモジュール21の移相器25で補正・調整等を行う位相補正等を最終段HPAモジュール23の移相器25で実施するなどが可能であり、それらの場合は、初段HPAモジュール21或いは初段HPAモジュール21内のHPA26や移相器25を省略することができる。
【0037】
更に、制御回路30で実施する処理をアンテナ制御ユニット35などで実施することで、制御回路30を省略することもできる。逆に、特許文献4にあるような発信機を備えたRFIC等をマイクロ波送信部1或いは初段HPAモジュール21に内蔵し、アンテナ制御ユニット35を介して同期をとることで信号発生器34を省略することもできる。
【0038】
また、各マイクロ波送信部1の切り替えと同期して信号発生器34から創出される源振信号27の通過経路を切り替えることで、信号発生器34で生成する源振信号の電力を低減することができる。
【0039】
なお、実施の形態1の例示では、異なる送信タイミングのマイクロ波送信部1は3台としたが、2台でも、4台以上でもよい。その場合、送信タイミングは、1/(マイクロ波送信部1の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。つまり、所定の送信デューティが1/(マイクロ波送信部1の台数)となる。また、同じ組のマイクロ波送信部1同士の送信タイミングを別とし(異ならせ)、別の組のマイクロ波送信部1同士の送信タイミングを同じとし、二つのマイクロ波送信部1からの電磁波(送信マイクロ波11)を被照射体12に照射(送信)する場合を含める。このように解釈すると、前述のとおり、送信タイミングは、1/(それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるマイクロ波送信部1の数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよいといえる。つまり、所定の送信デューティが1/(それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるマイクロ波送信部1の数)といえる。
【0040】
実施の形態2.
まず、実施の形態2と実施の形態1の相違点を説明する。実施の形態1では、図2及び図4に示すように、複数の最終段HPAモジュール23が複数集まったマイクロ波送信部1の単位で、ビームの照射のタイミングを調整して材料12付近で大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を生成している。一方、実施の形態2では、最終段HPAモジュール23内に複数のHPA26を有しており、最終段HPAモジュール23内で切り替えて出力することにより、最終段HPAモジュール23の出力部において、大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を得るものである。最終段HPAモジュール23が実施の形態2に係る電力増幅装置(電力増幅装置23)に相当する。
【0041】
そのため、実施の形態2に係る電磁波送信装置の電磁波送信部1における電磁波を増幅する電力増幅装置を実施の形態2に係る電力増幅装置としている。また、実施の形態2に係る電磁波送信装置の電磁波送信部1(マイクロ波送信部1)に加えて、電磁波送信部1からの電磁波が照射される被照射体を保持する被照射体保持部を備えた電磁波送信システムを実施の形態2に係る電磁波送信システムとしている。
【0042】
図5は、実施の形態2に係る電力増幅装置の最終段HPAモジュール23の構成ブロック図である。図5において、前置増幅器36は、マイクロ波をある程度まで増幅するものである。分配回路22(分配器22)は、前置増幅器36によって増幅されたマイクロ波を分配するものである。HPA26は、分配回路22によって分配されたマイクロ波を高出力に増幅するものである。切り替え回路37(出力側切替器37)はHPA26の出力を切り替えて出力するものであり、これらが最終段HPAモジュール23としてパッケージされている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0043】
この最終段HPAモジュール23に源振信号27を入力し、移相器25でビーム方向制御やビーム形成やHPA26間の位相補正のための位相調整を行い、前置増幅器36とHPA26で増幅され、HPA26の出力を切り替え回路37により切り替えてアンテナ24へ出力する。アンテナ24より連続波の送信マイクロ波11が送信される。なお、移相器25、HPA26、切り替え回路37を制御する制御信号は、最終段HPAモジュール23の外部から直接、若しくは終段HPAモジュール23内の制御部39から供給される。外部の場合は、実施の形態1で説明したアンテナ制御ユニット35に相当するアンテナ制御ユニットが存在する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0044】
図6は、実施の形態2に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。つまり、図6は、図5のような最終段HPAモジュール23における各HPA26の出力と、最終段HPAモジュールの出力である送信マイクロ波11のイメージ図である。図6のグラフにおいて、図6(a)(b)(c)(d)の縦軸は、HPA26のON/OFFを示し、横軸は、時間を示している。すなわち、図6(a)(b)(c)(d)はHPA26の送信タイミングを指している。上から順に、図6(a)がHPA26(#1)の出力を示すHPA26(#1)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図6(b)がHPA26(#2)の出力を示すHPA26(#2)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図6(c)がHPA26(#3)の出力を示すHPA26(#3)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図6(d)がHPA26(#4)の出力を示すHPA26(#4)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。一番下に示す図6(p)は、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)が出力する送信マイクロ波の合成波の電力(マイクロ波電力)を示すイメージ図である。なお、図6(p)の縦軸は、マイクロ波電力を示し、横軸は、時間を示している。
【0045】
この例では、各HPA26は送信デューティ25%の繰り返しパルス出力を想定している。つまり、各HPA26からのパルスのマイクロ波の照射を1/4周期分だけ送信タイミングをずらす(順次遅延させる)。これにより、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)から出力されるマイクロ波は、図6の最下段、図6(p)の様に連続波の出力を得ることができる。また、切り替え回路37は、ON状態となっているHPA26を選択するように、1/4周期毎にHPA26のタイミングに同期して切り替わる。
【0046】
実施の形態2に係る電力増幅装置は、マイクロ波を被照射体12へ照射するマイクロ波送信部1における電磁波を増幅する電力増幅装置である。詳しくは、電力増幅装置が、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され電磁波を増幅する複数のHPA26、複数のHPA26の前段側に設けられ、複数のHPA26へ電磁波を分配する分配回路22、この分配回路22の前段側に設けられ、入力した電磁波の位相を変化させて分配回路22側へ出力する移相器25、複数のHPA26の後段側に設けられ、いずれかのHPA26を選択して出力する切り替え回路37、複数のHPA26の送信タイミングと移相器25と切り替え回路37とを制御する制御部39(制御装置39)を備えている。
【0047】
実施の形態2に係る電力増幅装置の制御部39(制御装置39)は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれのHPA26の送信タイミングを順次遅延させ、それぞれの送信タイミングに対応したHPA26を選択するように切り替え回路37を切り替え、それぞれの送信タイミング毎に切り替え回路37から出力される電磁波が所定の位相となるように移相器25を制御するものである。
【0048】
つまり、図5及び図6では、異なる送信タイミングのHPA26(電力増幅部26)は4台として実施の形態2を説明しているが、2から3台でも、5台以上でもよい。その場合、送信タイミングは、1/(HPA26の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。よって、所定の送信デューティが1/(HPA26の台数)となる。
【0049】
以上のように、実施の形態2によれば、焦点部4において高い送信マイクロ波11の電力束密度が必要となるマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)などにおいて、マイクロ波送信部1の最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)の中に、複数のパルス出力のHPA26(電力増幅部26)を搭載する。そして、各HPA26を、パルスを送信する送信タイミングをずらして切り替えて送信マイクロ波11を送信することで、大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を照射することができる。また、実施の形態1の説明で用いた図1に記載のマイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)に、実施の形態2に係る電磁波送信システムを適用することで、APAAによるビーム方向制御・ビーム形成、及び、反射板2により、焦点部4付近に連続波の送信マイクロ波11を効率よく照射でき、電力束密度を高くするように制御が可能である。
【0050】
更に、実施の形態2によれば、実施の形態1のように、マイクロ波送信部1(電磁送信部1)という大きな単位でON/OFFを切り替えて送信するのではなく、マイクロ波送信部1の中のいくつかの最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)内の複数のHPA26(電力増幅部26)の出力を切り替えて使用するものである。よって、各アンテナ素子24から送信される送信マイクロ波11の位相や振幅を調整することによりビーム方向やビーム形成の制御を行う場合に、焦点部4付近で合成される送信マイクロ波ビームは、より自由度が高く形成することができる、という効果を奏する。
【0051】
なお、図5で例示した実施の形態2に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムの切り替え回路37(出力側切替器37)は、例えば、PINダイオードやMOS−FETを用いたスイッチなどで構成することで、高速な切り替えが実現できる。
【0052】
実施の形態3.
まず、実施の形態3と実施の形態2の相違点を説明する。実施の形態2に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムにおいては、分配回路22(分配器22)を用いていたが、実施の形態3に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムにおいては、分配回路22(分配器22)に代えて、切り替え回路37a(入力側切替器37a)を用いる。実施の形態3の説明は、実施の形態2との相違点を中心に行う。
【0053】
図7は、実施の形態3に係る電力増幅装置の最終段HPAモジュール23の構成ブロック図である。図7において、切り替え回路37a(入力側切替器37a)は、前置増幅器36によって増幅されたマイクロ波を切り替えて伝送するものである。HPA26は、切り替え回路37a(入力側切替器37a)から伝送されたマイクロ波を高出力に増幅するものである。切り替え回路37b(出力側切替器37b)は、HPA26の出力を切り替えて出力するものであり、これらが最終段HPAモジュール23としてパッケージされている。なお、切り替え回路37b(出力側切替器37b)は、実施の形態2における切り替え回路37(出力側切替器37)に相当する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0054】
この最終段HPAモジュール23に源振信号27を入力し、移相器25でビーム方向制御やビーム形成やHPA26間の位相補正のための位相調整を行い、前置増幅器36で増幅されたマイクロ波を切り替え回路37aで切り替えて伝送し、HPA26で増幅され、HPA26の出力を切り替え回路37bにより切り替えてアンテナ24へ出力する。アンテナ24より連続波の送信マイクロ波11が送信される。なお、移相器25、HPA26、切り替え回路37a、切り替え回路37bを制御する制御信号は、最終段HPAモジュール23の外部から直接、若しくは終段HPAモジュール23内の制御部39から供給される。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0055】
図8は、実施の形態3に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。つまり、図8は、図7のような最終段HPAモジュール23における各HPA26の出力と、最終段HPAモジュールの出力である送信マイクロ波11のイメージ図である。図8のグラフにおいて、図8(a)(b)(c)(d)の縦軸は、HPA26のON/OFFを示し、横軸は、時間を示している。すなわち、図8(a)(b)(c)(d)はHPA26の送信タイミングを指している。上から順に、図8(a)がHPA26(#1)の出力を示すHPA26(#1)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図8(b)がHPA26(#2)の出力を示すHPA26(#2)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図8(c)がHPA26(#3)の出力を示すHPA26(#3)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図8(d)がHPA26(#4)の出力を示すHPA26(#4)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。一番下に示す図8(p)は、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)が出力する送信マイクロ波の合成波の電力(マイクロ波電力)を示すイメージ図である。なお、図8(p)の縦軸は、マイクロ波電力を示し、横軸は、時間を示している。
【0056】
この例では、実施の形態2と同じく、各HPA26は送信デューティ25%の繰り返しパルス出力を想定している。つまり、各HPA26からのパルスのマイクロ波の照射を1/4周期分だけ送信タイミングをずらす(順次遅延させる)。これにより、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)から出力されるマイクロ波は、図8の最下段、図8(p)の様に連続波の出力を得ることができる。また、切り替え回路37a及び切り替え回路37bは、ON状態となっているHPA26を選択するように、1/4周期毎にHPA26の送信タイミングに同期して切り替わる。
【0057】
また、実施の形態2と同様に、実施の形態3でも、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)内で複数のHPA26(電力増幅部26)を有しており、最終段HPAモジュール23内で切り替えて出力することにより、HPAモジュール23の出力部において、大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を得ることができる。
【0058】
実施の形態3に係る電力増幅装置は、マイクロ波を被照射体12へ照射するマイクロ波送信部1における電磁波を増幅する電力増幅装置である。詳しくは、電力増幅装置が、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され電磁波を増幅する複数のHPA26、複数のHPA26の前段側に設けられ、いずれかのHPA26を選択して電磁波をHPA26へ出力する切り替え回路37a、この切り替え回路37aの前段側に設けられ、入力した電磁波の位相を変化させて切り替え回路37a側へ出力する移相器25、複数のHPA26の後段側に設けられ、いずれかのHPA26を選択して電磁波を出力する切り替え回路37b、
複数のHPA26の送信タイミングと移相器25と切り替え回路37aと切り替え回路37bとを制御する制御部39(制御装置39)を備えている。
【0059】
実施の形態3に係る電力増幅装置の制御部39(制御装置39)は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれのHPA26の送信タイミングを順次遅延させ、それぞれの送信タイミングに対応したHPA26を選択するように切り替え回路37a及び切り替え回路37bを切り替え、それぞれの送信タイミング毎に切り替え回路37bから出力される電磁波が所定の位相となるように移相器25を制御するものである。
【0060】
つまり、図7及び図8では、異なる送信タイミングのHPA26(電力増幅部26)は4台として実施の形態3を説明しているが、実施の形態2と同じく、2から3台でも、5台以上でもよい。その場合、送信タイミングは、1/(HPA26の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。よって、所定の送信デューティが1/(HPA26の台数)となる。
【0061】
以上のように、本実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果を奏する。更に、実施の形態3によれば、HPA26の入力側と出力側の切り替え回路37a及び切り替え回路37bは、実施の形態2における切り替え回路37と同じ構成・回路で、それらの制御も同じ信号で済むことから、回路等を簡素化することができる効果を奏する。
【0062】
実施の形態4.
まず、実施の形態4と実施の形態2の相違点を説明する。実施の形態2に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムにおいては、分配回路22(分配器22)を用いていたが、実施の形態4に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムにおいては、分配回路22(分配器22)に代えて、合成回路38(合成器38)を用いる。実施の形態4の説明は、実施の形態2との相違点を中心に行う。そのため、実施の形態4と実施の形態3の相違点も自明となる。
【0063】
図9は、実施の形態4に係る電力増幅装置の最終段HPAモジュール23の構成ブロック図である。図9において、分配回路22(分配器22)は増幅されたマイクロ波を分配して伝送するものである。合成回路38(合成器38)は、HPA26の出力を合成するものであり、これらが最終段HPAモジュール23としてパッケージされている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0064】
この最終段HPAモジュール23に源振信号27を入力し、移相器25でビーム方向制御やビーム形成やHPA26間の位相補正のための位相調整を行い、前置増幅器36で増幅されたマイクロ波を分配回路22で分配して伝送し、HPA26で増幅され、合成回路38で合成して出力し、アンテナ24より連続波の送信マイクロ波11が送信される。なお、移相器25、HPA26を制御する制御信号は、最終段HPAモジュール23の外部から直接、若しくは終段HPAモジュール23内の制御部39から供給される。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0065】
図10は、実施の形態4に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。つまり、図10は、図9のような最終段HPAモジュール23における各HPA26の出力と、最終段HPAモジュールの出力である送信マイクロ波11のイメージ図である。図10のグラフにおいて、図10(a)(b)(c)(d)の縦軸は、HPA26のON/OFFを示し、横軸は、時間を示している。すなわち、図10(a)(b)(c)(d)はHPA26の送信タイミングを指している。上から順に、図10(a)がHPA26(#1)の出力を示すHPA26(#1)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図10(b)がHPA26(#2)の出力を示すHPA26(#2)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図10(c)がHPA26(#3)の出力を示すHPA26(#3)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図10(d)がHPA26(#4)の出力を示すHPA26(#4)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。一番下に示す図10(p)は、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)が出力する送信マイクロ波の合成波の電力(マイクロ波電力)を示すイメージ図である。なお、図10(p)の縦軸は、マイクロ波電力を示し、横軸は、時間を示している。
【0066】
この例では、実施の形態2及び3と同じく、各HPA26は送信デューティ25%の繰り返しパルス出力を想定している。つまり、各HPA26からのパルスのマイクロ波の照射を1/4周期分だけ送信タイミングをずらす(順次遅延させる)。これにより、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)から出力されるマイクロ波は、図10の最下段、図10(p)の様に連続波の出力を得ることができる。
【0067】
また、実施の形態2及び3と同様に、実施の形態4でも、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)内で複数のHPA26(電力増幅部26)を有しており、最終段HPAモジュール23内で切り替えて出力することにより、HPAモジュール23の出力部において、大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を得ることができる。
【0068】
実施の形態4に係る電力増幅装置は、マイクロ波を被照射体12へ照射するマイクロ波送信部1における電磁波を増幅する電力増幅装置である。詳しくは、電力増幅装置が、複数のHPA26の前段側に設けられ、複数の前記電力増幅部へ電磁波を分配する分配回路22、この分配回路22の前段側に設けられ、入力した電磁波の位相を変化させて分配回路22側へ出力する移相器25、複数のHPA26の後段側に設けられ、複数のHPA26からの電磁波を合成し出力する合成回路38、複数のHPA26の送信タイミングと移相器25とを制御する制御部39(制御装置39)を備えている。
【0069】
実施の形態4に係る電力増幅装置の制御部39(制御装置39)は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれのHPA26の送信タイミングを順次遅延させ、それぞれの送信タイミング毎に合成回路38から出力される電磁波が所定の位相となるように移相器25を制御するものである。
【0070】
つまり、図9及び図10では、異なる送信タイミングのHPA26(電力増幅部26)は4台として実施の形態3を説明しているが、実施の形態2及び3と同じく、2から3台でも、5台以上でもよい。その場合、送信タイミングは、1/(HPA26の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。よって、所定の送信デューティが1/(HPA26の台数)となる。
【0071】
以上のように、本実施の形態4によれば、実施の形態2及び3と同様の効果を奏する。更に、本実施の形態4では、実施の形態2及び3のように切替手段とHPA26のON/OFF制御の同期をとる必要がないため、制御部39(制御装置39)を簡素化することができるという効果を奏する。
【0072】
これまでの説明から、実施の形態2〜4に係る電力増幅装置は、電磁波を被照射体へ照射するマイクロ波送信部1における電磁波を増幅するものであって、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され電磁波を増幅する複数のHPA26を備え、複数のHPA26は、各々異なる送信タイミングでパルス駆動され、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間であるといえる。
【0073】
実施の形態2〜4に係る電力増幅装置(電磁波送信装置)では、最終段HPAモジュール23(電磁波送信部1)内に制御回路39を形成して、制御回路39によって複数のHPA26(電力増幅部26)のパルス駆動を行ってもよい。つまり、制御回路39は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれのHPA26(各HPA26)の送信タイミングを順次遅延させるものである。
【0074】
次に、実施の形態5及び6を説明するが、予め、実施の形態5及び6と実施の形態4との関係を、ここで説明する。実施の形態5及び6に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムは、実施の形態4に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムに、切り替え回路37a及び切り替え回路37bを追加したものである。切り替え回路37a及び切り替え回路37bの配置の概要に関しては、次のとおりである。実施の形態4に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムにおける前置増幅器36、分配回路22、HPA26のいずれかの間に切り替え回路37aを配置する。実施の形態4に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムにおけるHPA26、合成回路38、アンテナ24のいずれかの間に切り替え回路37bを配置する。
【0075】
詳しくは、実施の形態5及び6に係る電力増幅装置(電力増幅装置23,最終段HPAモジュール23)において、切り替え回路37aは、移相器25の後段であって、分配回路22の前段側又は後段側に設けられ、複数組の複数のHPA26及び複数のHPA26のいずれかを接続先として選択して電磁波を送るものである。また、切り替え回路37bは、切り替え回路37aが分配回路22の前段側に設けられている場合、合成回路22の後段側に設けられる(実施の形態5として後述する)。切り替え回路37bは、切り替え回路37aが分配回路22の後段側に設けられている場合、合成回路38の前段側に設けられる(実施の形態6として後述する)。そして、切り替え回路37bは、切り替え回路37aが選択している接続先(複数組の複数のHPA26及び複数のHPA26のいずれかの組)を選択して電磁波を受ける。
【0076】
実施の形態5及び6に係る電力増幅装置(電力増幅装置23,最終段HPAモジュール23)において、制御部39(制御装置39)は、所定の送信デューティに対応する送信時間で、少なくとも接続先となった方の複数のHPA26のそれぞれのHPA26の送信タイミングを順次遅延させる。そして、制御部39(制御装置39)は、それぞれの送信タイミングに対応した複数のHPA26の組を選択するように切り替え回路37a及び切り替え回路37bを切り替え、それぞれの送信タイミング毎に合成回路38から出力される電磁波が所定の位相となるように前記移相器を制御するものである。
【0077】
実施の形態5及び6における送信タイミングは、実施の形態2〜4と同じく、1/(HPA26の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。よって、所定の送信デューティが1/(HPA26の台数)となる。なお、実施の形態5及び6おいて、HPA26の台数とは、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるHPA26の台数となる。よって、所定の送信デューティは、1/(それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるHPA26の数)ともいえる。
【0078】
これは、同じ組のHPA26同士の送信タイミングを別とし(異ならせ)、別の組のHPA26同士の送信タイミングを同じとし、二つのHPA26からの電磁波(送信マイクロ波11)を被照射体12に照射(送信)する場合を含めているためである。よって、実施の形態2〜4においても、送信タイミングは、1/(それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるHPA26の数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよいといえる。
【0079】
さらに、異なる組のHPA26のうち、少なくとも1つ同士を同じ送信タイミングでそれぞれ動作させること、つまり、同じ送信タイミングで動作させることで、最終段HPAモジュール23の出力部において、組数分の台数のHPA26の出力を重ねあわせたものを得ることができる。
【0080】
実施の形態5.
実施の形態5の説明は、実施の形態4との相違点を中心に行う。図11は、実施の形態5に係る電力増幅装置の最終段HPAモジュール23の構成ブロック図である。図11において、切り替え回路37a(入力側切替器37a)は、前置増幅器36で増幅されたマイクロ波を切り替えて伝送するものである。分配回路22(分配器22)は増幅されたマイクロ波を分配して伝送するものである。合成回路38(合成器38)は、HPA26の出力を合成するものである。切り替え回路37b(出力側切替器37b)は、切り替えてマイクロ波を出力するものであり、これらが最終段HPAモジュール23としてパッケージされている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0081】
この最終段HPAモジュール23に源振信号27を入力し、移相器25でビーム方向制御やビーム形成やHPA26間の位相補正のための位相調整を行い、前置増幅器36で増幅されたマイクロ波を切り替え回路37aと分配回路22で切り替え・分配して伝送し、HPA26で増幅され、合成回路38と切り替え回路37bにより合成・切り替えて出力し、アンテナ24より連続波の送信マイクロ波11が送信される。なお、移相器25、HPA26、切り替え回路37a、切り替え回路37bを制御する制御信号は、最終段HPAモジュール23の外部から直接、若しくは終段HPAモジュール23内の制御部39から供給される。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0082】
図12は、実施の形態5に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。つまり、図12は、図11のような最終段HPAモジュール23における各HPA26の出力と、最終段HPAモジュールの出力である送信マイクロ波11のイメージ図である。図12のグラフにおいて、図12(a)(b)(c)(d)の縦軸は、HPA26のON/OFFを示し、横軸は、時間を示している。すなわち、図12(a)(b)(c)(d)はHPA26の送信タイミングを指している。上から順に、図12(a)がHPA26(#1)の出力を示すHPA26(#1)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図12(b)がHPA26(#2)の出力を示すHPA26(#2)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図12(c)がHPA26(#3)の出力を示すHPA26(#3)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図12(d)がHPA26(#4)の出力を示すHPA26(#4)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。一番下に示す図12(p)は、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)が出力する送信マイクロ波の合成波の電力(マイクロ波電力)を示すイメージ図である。なお、図12(p)の縦軸は、マイクロ波電力を示し、横軸は、時間を示している。
【0083】
この例では、実施の形態4と異なり、各HPA26を図11に示す#1HPA26及び#3HPA26の組、#2HPA26及び#4HPA26の組に分け、各組のHPA26は送信デューティ50%の繰り返しパルス出力を想定している。つまり、各組のHPA26からのパルスのマイクロ波の照射を1/2周期分だけ送信タイミングをずらす(順次遅延させる)。これにより、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)から出力されるマイクロ波は、図12の最下段、図12(p)のように連続波の出力を得ることができる。また、切り替え回路37a・37bは、ON状態となっているHPA26の組を選択するように、1/2周期毎にHPA26の送信タイミングに同期して切り替わる。さらに、各組のHPA26のいずれか1つ同士のONのタイミングを図12に示すように同期させているので、HPA26の2台分の出力を得ることができる。図12では、#1HPA26と#2HPA26とが同じ送信タイミングで、ONとなっている。
【0084】
また、実施の形態4と同様に、実施の形態5でも、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)内で複数のHPA26(電力増幅部26)を有しており、最終段HPAモジュール23内で切り替えて出力することにより、HPAモジュール23の出力部において、大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を得ることができる。加えて、各組のHPA26のいずれか1つ同士のONのタイミングを同期させているので、2台分のHPA26の出力を重ねあわせたものを得ることができる。これは、実施の形態5における組数が2であるためである。
【0085】
つまり、実施の形態5によれば、最終段HPAモジュール23の内部で、HPA26の組が異なる#1と#2のHPA26、あるいはHPA26の組が異なる#3と#4の2つのHPA26出力を合成することができるので、最終段HPAモジュール23の出力のマイクロ波は、より大きな出力が得られる、という効果を奏する。
【0086】
図11及び図12では、異なる送信タイミングのHPA26(電力増幅部26)は2台として実施の形態5を説明しているが、3台以上でもよい。その場合、送信タイミングは、1/(一組あたりのHPA26の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。よって、所定の送信デューティが1/(一組あたりのHPA26の台数)となる。複数のHPA26の組数は、二組以上であればよい。なお、一組あたりのHPA26の台数は、それぞれ異なる送信送信タイミングでパルス駆動される対象であるHPA26(電力増幅部26)であるといえる。
【0087】
実施の形態6.
実施の形態6の説明は、実施の形態4との相違点を中心に行う。図13は、実施の形態6に係る電力増幅装置の最終段HPAモジュール23の構成ブロック図である。図13において、分配回路22(分配器22)は、前置増幅器36で増幅されたマイクロ波を分配するものである。切り替え回路37a(入力側切替器37a)は、マイクロ波を切り替えて伝送するものである。切り替え回路37b(出力側切替器37b)は、HPA26の出力を切り替えてマイクロ波を出力するものである。合成回路38(合成器38)は、マイクロ波を合成するものであり、これらが最終段HPAモジュール23としてパッケージされている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0088】
この最終段HPAモジュール23に源振信号27を入力し、移相器25でビーム方向制御やビーム形成やHPA26間の位相補正のための位相調整を行い、前置増幅器36で増幅されたマイクロ波を分配回路22と切り替え回路37aで分配・切り替えて伝送し、
HPA26で増幅され、HPA26で増幅され、切り替え回路37bと合成回路38により切り替え・合成して、アンテナ24より連続波の送信マイクロ波11が送信される。なお、移相器25、HPA26、切り替え回路37a、切り替え回路37bを制御する制御信号は、最終段HPAモジュール23の外部から直接、若しくは終段HPAモジュール23内の制御部39から供給される。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0089】
図14は、実施の形態6に係る電力増幅装置の出力電力イメージ図である。つまり、図12は、図11のような最終段HPAモジュール23における各HPA26の出力と、最終段HPAモジュールの出力である送信マイクロ波11のイメージ図である。図14のグラフにおいて、図14(a)(b)(c)(d)の縦軸は、HPA26のON/OFFを示し、横軸は、時間を示している。すなわち、図14(a)(b)(c)(d)はHPA26の送信タイミングを指している。上から順に、図14(a)がHPA26(#1)の出力を示すHPA26(#1)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図14(b)がHPA26(#2)の出力を示すHPA26(#2)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図14(c)がHPA26(#3)の出力を示すHPA26(#3)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。図14(d)がHPA26(#4)の出力を示すHPA26(#4)の送信マイクロ波波形のイメージ図である。一番下に示す図14(p)は、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)が出力する送信マイクロ波の合成波の電力(マイクロ波電力)を示すイメージ図である。なお、図14(p)の縦軸は、マイクロ波電力を示し、横軸は、時間を示している。
【0090】
この例では、実施の形態4と異なり、各HPA26を図11に示す#1HPA26及び#2HPA26の組、#3HPA26及び#4HPA26の組に分け、各組のHPA26は送信デューティ50%の繰り返しパルス出力を想定している。つまり、各組のHPA26からのパルスのマイクロ波の照射を1/2周期分だけ送信タイミングをずらす(順次遅延させる)。これにより、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)から出力されるマイクロ波は、図14の最下段、図14(p)のように連続波の出力を得ることができる。また、切り替え回路37a・37bは、ON状態となっているHPA26の組を選択するように、1/2周期毎にHPA26の送信タイミングに同期して切り替わる。さらに、各組のHPA26のいずれか1つ同士のONのタイミングを図14に示すように同期させているので、HPA26の2台分の出力を得ることができる。図14では、#1HPA26と#3HPA26とが同じ送信タイミングで、ONとなっている。
【0091】
また、実施の形態4と同様に、実施の形態6でも、最終段HPAモジュール23(電力増幅装置23)内で複数のHPA26(電力増幅部26)を有しており、最終段HPAモジュール23内で切り替えて出力することにより、HPAモジュール23の出力部において、大電力の連続波相当の送信マイクロ波11を得ることができる。加えて、各組のHPA26のいずれか1つ同士のONのタイミングを同期させているので、2台分のHPA26の出力を重ねあわせたものを得ることができる。これは、実施の形態6における組数が、実施の形態5と同様に2であるためである。
【0092】
つまり、実施の形態6によれば、最終段HPAモジュール23の内部で、HPA26の組が異なる#1と#3のHPA26、あるいはHPA26の組が異なる#2と#4の2つのHPA26出力を合成することができるので、最終段HPAモジュール23の出力のマイクロ波は、より大きな出力が得られる、という効果を奏する。
【0093】
また、実施の形態6は、実施の形態5と比較して、同時に動作するHPA26が離れているため、HPA26の放熱における問題がより緩和され、発熱の大きな大出力のHPA26を搭載しても、より安定的に動作する、という効果を奏する。図13を用いて説明すると、HPA26の組み合わせが、#1と#2のものと#3と#4のものの二組が、図のとおり、順に並んでいる。そのため、#1HPA26がONのときは、#2HPA26がOFFとなり、そのとき、隣接する#3HPA26はONとなり、#3HPA26の隣の#4HPA26はOFFとなっているので、熱が集中しにくい。よって、実施の形態5の説明で用いた図11では、隣り合うHPA26同士が同時にONとなることに対して、HPA26の放熱における問題がより緩和されているといえる。
【0094】
図13及び図14では、異なる送信タイミングのHPA26(電力増幅部26)は2台として実施の形態6を説明しているが、実施の形態5と同様に、3台以上でもよい。その場合、送信タイミングは、1/(一組あたりのHPA26の台数)の周期だけずらして(順次遅延させて)繰り返し送信すればよい。よって、所定の送信デューティが1/(一組あたりのHPA26の台数)となる。複数のHPA26の組数は、二組以上であればよい。なお、一組あたりのHPA26の台数は、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象であるHPA26(電力増幅部26)であるといえる。
【0095】
実施の形態2〜6においては、HPA26のON/OFFのタイミングや切り替え回路37(切り替え回路37a,切り替え回路37b)の切り替えのタイミングは、最終段HPAモジュール23の外部の制御回路30から、切り替えタイミングのクロックをHPA26や切り替え回路37に送信することで制御をおこなう。なお、最終段HPAモジュール23に、HPA26や切り替え回路37(切り替え回路37a,切り替え回路37b)などの切り替え等の制御対象が複数ある場合には、最終段HPAモジュール23の中に、簡素な制御部39を設けてこれらの制御を行うことで、制御回路30は各最終段HPAモジュール23に対して、切り替えの基準となる1種類のクロックを送信するだけでよくなる。このようにすることで、制御回路30を簡素化することもできる。図5、図7、図9、図11及び図13の制御部39を備えた場合がこれに相当する。
【0096】
また、実施の形態1〜6では、マイクロ波加熱炉(マイクロ波製錬炉)を中心に例示し、マイクロ波反応炉、マイクロ波精錬炉、マイクロ波溶解炉、マイクロ波溶鉱炉、マイクロ波焼結炉等なども含む加熱システムへの適用を示した。しかし、実施の形態1〜6に係る電波送信システムは、加熱システムと同様に、マイクロ波を送信して、所定の場所に受電装置を設置し、そこに集中させてマイクロ波を照射するようなマイクロ波電力伝送システムにも適用が可能である。このようなマイクロ波電力伝送システムにおいても、同様にパルス出力の高出力のマイクロ波送信部やHPAモジュールを切り替えて動作させることにより、連続波相当の高出力のマイクロ波を安定して照射して電力を安定的に供給することができる。また、マイクロ波送信部やHPAモジュールを複数用意することで大規模化・高出力化が可能な、拡張性の高いマイクロ波送信システムを実現することができる。
【0097】
更に、本実施の形態1〜6においては、マイクロ波のシステムを例示したが、例えばミリ波やテラヘルツ等の電磁波を送信するシステムにおいても、それぞれの電磁波の複数のパルス出力の電磁波送信装置や電磁波増幅器を切り替えて使用することで、大電力の連続波相当の電磁波を効率よく照射することができる、という同様の効果が得られる。
【0098】
以上、実施の形態1〜6に係る電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システムは、大出力の連続波のマイクロ波を送信するマイクロ波送信部やHPAモジュールがなくても、パルス出力の高出力のマイクロ波送信部1や最終段HPAモジュール23を切り替えて動作させることにより、連続波相当の高出力のマイクロ波を安定して効率よく所望の場所に照射することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 マイクロ波送信部(電磁波送信部)
2 反射板
3 加熱炉
4 焦点部
5 窓
11 送信マイクロ波
12 材料(被照射体)
21 初段HPAモジュール
22 分配回路(分配器)
23 最終段HPAモジュール(電力増幅装置)
24 アンテナ
25 移相器
26 HPA(電力増幅部)
27 源振信号
28 初段増幅されたマイクロ波
29 分配されたマイクロ波
30 制御回路(制御部)
31 マイクロ波送信部制御信号
32 初段HPAモジュール制御信号
33 最終段HPAモジュール制御信号
34 信号発生器
35 アンテナ制御ユニット
36 前置増幅器
37 切り替え回路(切替器)
38 合成回路(合成器)
39 制御部(制御装置)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】

【手続補正書】
【提出日】20141029
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電磁波送信ユニットと、
前記電磁波送信ユニット毎に同じ数ずつ設けられた複数の電磁波送信部と、
前記電磁波送信ユニット毎に前記複数の電磁波送信部の送信タイミングを制御し、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を、被照射体が配置される焦点部へ照射させる制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電磁波送信ユニット毎に、前記電磁波送信ユニット内の前記複数の電磁波送信部の送信タイミングを順次遅延させると共に、前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つが他の前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つと同じ送信タイミングで動作させるものであって、
前記焦点部は、前記複数の電磁波送信部が送信する電磁波が集まる焦点に相当し、
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電磁波送信部の数の逆数である電磁波送信装置。
【請求項2】
所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を、被照射体が配置される焦点部へ照射する複数の電磁波送信部を備え、
前記焦点部は、前記複数の電磁波送信部が送信した電磁波が集まる焦点に相当し、
前記複数の電磁波送信部は、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動され、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間である電磁波送信装置。
【請求項3】
複数の前記電磁波送信部の送信タイミングを制御する制御装置を、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電磁波送信部の送信タイミングを順次遅延させている請求項2に記載の電磁波送信装置。
【請求項4】
複数の電磁波送信ユニットを、さらに備え、
前記複数の電磁波送信ユニットごと毎にそれぞれ、前記複数の電磁波送信部、を有し、
前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つが他の前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁送信部のうち、いずれか1つと同じ送信タイミングで動作する請求項2に記載の電磁波送信装置。
【請求項5】
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電磁波送信部の数の逆数である請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電磁波送信装置。
【請求項6】
電磁波を増幅する電力増幅装置において、
所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動され電磁波を増幅し、電磁波送信部へ増幅した電磁波を出力する複数の電力増幅部を備え、
前記複数の電力増幅部は、各々異なる送信タイミングでパルス駆動され、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間であり、
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電力増幅部の数の逆数であって、
前記電磁波送信部から連続波の電磁波を被照射体へ送信する電力増幅装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の前記電磁波送信部と、
前記電磁波送信部からの電磁波が照射される前記被照射体を保持する被照射体保持部とを備えた電磁波送信システム。

【手続補正書】
【提出日】20151204
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電磁波送信ユニットと、
前記電磁波送信ユニット毎に同じ数ずつ設けられた複数の電磁波送信部と、
前記電磁波送信ユニット毎に前記複数の電磁波送信部の送信タイミングを制御し、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を、被照射体が配置される焦点部へ照射させる制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電磁波送信ユニット毎に、前記電磁波送信ユニット内の前記複数の電磁波送信部の送信タイミングを順次遅延させると共に、前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁波送信部のうち何れか1つが他の前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁波送信部のうち何れか1つと同じ送信タイミングで動作させるものであって、
前記焦点部は、前記複数の電磁波送信部が送信する電磁波が集まる焦点に相当し、
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電磁波送信部の数の逆数である電磁波送信装置。
【請求項2】
所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を、被照射体が配置される焦点部へ照射する複数の電磁波送信部を備え、
複数の電磁波送信ユニットのそれぞれが前記複数の電磁波送信部を有し、
前記焦点部は、前記複数の電磁波送信部が送信した電磁波が集まる焦点に相当し、
前記複数の電磁波送信部は、それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動され、隣接する前記異なる送信タイミング間の時間は前記所定の送信デューティに対応する送信時間であり、
前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁波送信部のうち何れか1つが、他の前記電磁波送信ユニットが有する前記複数の電磁波送信部のうち何れか1つと、同じ送信タイミングで動作する電磁波送信装置。
【請求項3】
複数の前記電磁波送信部の送信タイミングを制御する制御装置を、さらに備え、
前記制御装置は、前記所定の送信デューティに対応する送信時間で、それぞれの前記電磁波送信部の送信タイミングを順次遅延させている請求項2に記載の電磁波送信装置。
【請求項4】
前記所定の送信デューティは、前記それぞれ異なる送信タイミングでパルス駆動される対象である前記電磁波送信部の数の逆数である請求項2又は請求項3に記載の電磁波送信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電磁波送信装置と、
前記電磁波送信部からの電磁波が照射される前記被照射体を保持する被照射体保持部とを備えた電磁波送信システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る電磁波送信装置及び電磁波電力伝送システムは、複数の電磁波送信ユニットのそれぞれが複数の電磁波送信部を有し、電磁波送信ユニットが有する複数の電磁波送信部のうち何れか1つが、他の電磁波送信ユニットが有する複数の電磁波送信部のうち何れか1つと、同じ送信タイミングで動作し、複数の電磁波送信部が、所定の送信デューティで繰り返しパルス駆動された電磁波を、被照射体が配置される焦点部へ照射するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明は、連続波相当の高出力のマイクロ波を安定して効率よく所望の場所に照射することができるという効果を奏する。また、本発明は、大規模化・高出力化が可能な、拡張性の高い電磁波送信装置及び電磁波送信システムを得ることができるという効果を奏する。
【国際調査報告】