(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014054319
(43)【国際公開日】20140410
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/06 20060101AFI20160729BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20160729BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20160729BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20160729BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20160729BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20160729BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20160729BHJP
【FI】
   !H01L29/06 301D
   !H01L29/78 655A
   !H01L29/78 652M
   !H01L29/78 652P
   !H01L29/06 301G
   !H01L29/06 301V
   !H01L29/06 301R
   !H01L29/06 301F
   !H01L29/91 B
   !H01L29/91 D
   !H01L29/44 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】2014539627
(21)【国際出願番号】JP2013067644
(22)【国際出願日】20130627
(31)【優先権主張番号】2012219925
(32)【優先日】20121002
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】田口 健介
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹雄
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】楢崎 敦司
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104EE02
4M104FF02
4M104FF10
4M104GG02
4M104GG09
4M104HH18
(57)【要約】
半導体素子の外周部に設けられた終端構造(32)は、半導体基板(30)内に形成されたN型ドリフト領域(1)と、N型ドリフト領域(1)内の上面部に形成されたP型不純物領域(2)を備える。P型不純物領域(2)は、巨視的に見ると、P型の不純物濃度が終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて減少する。また、P型不純物領域(2)は、微視的に見ると、P型の複数の高濃度領域(2b)およびそれを囲む低濃度領域(2a)から構成されており、低濃度領域(2a)間が離間した部分を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子(31)が形成された半導体基板(30)と、
前記半導体基板(30)における前記半導体素子(31)の外周部に設けられた終端構造(32)とを備え、
前記終端構造(32)は、
前記半導体基板(30)内に形成された第1導電型の第1不純物領域(1)と、
前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域(2)とを含み、
前記第2不純物領域(2)は、
巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて減少し、
微視的に見ると、第2導電型の領域が離間した部分を有している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の複数の高濃度領域(2b)と、
前記複数の高濃度領域(2b)のそれぞれを囲む第2導電型の低濃度領域(2a)とから構成されている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の高濃度領域(2b)の間隔は、前記終端構造(32)の外周部に近いものほど広くなっている
請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の高濃度領域(2b)の不純物濃度は、前記終端構造(32)の外周部に近いものほど小さくなっている
請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の高濃度領域(2b)は、千鳥状に配設されている
請求項2記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の領域が前記終端構造(32)の幅方向に離間した部分を有している
請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の領域が前記終端構造(32)の周方向に離間した部分を有している
請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の領域が前記終端構造(32)の周方向および幅方向の両方に離間した部分を有している
請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体基板(30)はシリコンで形成されており、
前記第2不純物領域(2)の巨視的に見た不純物濃度が、当該終端構造(32)の内周部で1.0E+12cm−2〜2.0E+12cm−2であり、外周部へ向けて1/3〜1/20の勾配で減少している
請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体基板(30)はシリコンで形成されており、
前記第2不純物領域(2)の巨視的に見た不純物濃度が、当該終端構造(32)の内周部で1.0E+12cm−2〜1.4E+12cm−2であり、外周部へ向けて1/2の勾配で減少している
請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2不純物領域(2)の内周部に接続し、当該第2不純物領域(2)よりも不純物濃度が高いもしくは深さが深い第2導電型の領域(2c)をさらに備える
請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2不純物領域(2)の内周部は、当該第2不純物領域(2)の内周部に接続する前記第2導電型の領域(2c)に向けて、不純物濃度が徐々に高くもしくは深さが徐々に深くなっている
請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2不純物領域(2)の内周部は、当該第2不純物領域(2)の内周部に接続する前記第2導電型の領域(2c)に向けて、巨視的に見た不純物濃度の変化量が徐々に大きくなっている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2不純物領域(2)の巨視的に見た不純物濃度の変化量が、前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて徐々に大きくなっている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
前記終端構造(32)の内周部の上方に配設されたフィールドプレート(6)をさらに備える
請求項1記載の半導体装置。
【請求項16】
前記終端構造(32)の外周部の前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第1導電型のチャネルストッパ領域と、
前記終端構造(32)の外周部の上方に配設され、前記第1不純物領域(1)に接続したチャネルストッパ電極(9)をさらに備える
請求項1記載の半導体装置。
【請求項17】
前記終端構造(32)の外周部の上方に配設された1つ以上のフローティングフィールドプレート(17)をさらに備える
請求項1記載の半導体装置。
【請求項18】
(a)半導体基板(30)における半導体素子(31)の形成領域を囲む終端領域に、複数の開口部(12)を有し前記終端領域の内周部から外周部へ向けて開口率が小さくなる注入マスク(20)を形成する工程と、
(b)前記注入マスク(20)を用いる不純物のイオン注入により、前記終端領域に終端構造(32)としての不純物領域(2)を形成する工程と、
(c)前記不純物領域(2)内に注入された前記不純物を熱拡散させる工程と
を備え、
前記注入マスク(20)の開口部(12)の寸法および間隔は、前記工程(c)における不純物の熱拡散により隣り合う不純物領域(2)が繋がる箇所と繋がらない箇所とが生じるように設定されている
半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記終端領域の幅方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は、前記終端領域の外周部に近いものほど広くなり、
前記終端領域の周方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は一定である
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記終端領域の幅方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は一定であり、
前記終端領域の周方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は、前記終端領域の外周部に近いものほど広くなっている
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記終端領域の幅方向における前記窓状の開口部(12)の間隔、および、前記終端領域の周方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は、前記終端領域の外周部に近いものほど広くなっている
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記窓状の開口部(12)の寸法は、前記終端領域の外周部に近いものほど小さくなっている
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記窓状の開口部(12)は、千鳥状に配設されている
請求項19記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記工程(b)が、前記イオン注入の加速電圧を変更して複数回行われる
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記工程(a)および(b)が、前記注入マスク(20)のパターンを変更して複数回行われる
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、半導体素子の外周部に設けられる終端構造の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーデバイスは、電力変換や電力制御などに用いられる電力機器向けの半導体装置であり、通常の半導体装置よりも高耐圧化、大電流化されている。また、パワーデバイスは、逆方向電圧が印加されたときに、電流を遮断して高い電圧を保持する必要がある。パワーデバイスの高耐圧化の方法としては、半導体素子の外周部に、FLR(Field Limiting Ring)構造や、リサーフ(RESURF:Reduced SURface Field)構造などの終端構造を設ける技術が知られている。
【0003】
FLR構造は、低濃度のN型不純物領域と、当該N型不純物領域内の表面部に形成されたP型不純物領域との間の主接合の周囲を、複数のリング状のP型不純物領域で取り囲んだ構造である。FLR構造では、逆方向電圧が印加されたとき、主接合がパンチスルーする前に、リング状のP型不純物領域の各々により形成される接合が順次パンチスルーすることによって、主接合の電界が緩和される。
【0004】
リサーフ構造は、比較的低濃度なP型不純物領域が分割されることなく一様に形成された構造を有する。リサーフ構造では、逆方向電圧が印加されたときに、空乏層がPN接合からP型不純物領域の内側に広がることで電圧が保持される。リサーフ構造は、比較的小面積な領域で高い耐圧を得ることができるが、特定の箇所に電界が集中しやすく、電界集中の緩和による半導体素子の高耐圧化には限界がある。
【0005】
また、下記の特許文献1,2には、半導体素子の内側から外側へ向かう方向に対する終端構造の不純物濃度分布を注入マスクの開口パターンによって制御する、VLD(Variation of Lateral Doping)構造による終端領域の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−084830号公報
【特許文献2】特開2003−197911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、場所に応じて開口率を変えたマスクを用いて不純物をイオン注入した後、不純物を熱拡散させて濃度を均一化させることでリサーフ層を形成している。この方法は、通常、不純物を熱拡散させるために高温長時間の熱処理が必要である。高温長時間の熱処理は、製造コストを増加させるだけでなく、生産性も低下させる。
【0008】
また、特許文献2では、P型不純物を離散的に注入してP型不純物領域を形成した後、熱処理を行ってP型不純物を熱拡散させることにより、P型不純物領域を互いに重なり合わせている。それにより、高濃度領域の間に熱拡散により形成された低濃度領域が配置されたP型不純物領域を得ている。特許文献2のように一定の間隔で濃度の濃淡を形成する場合、ウエハプロセスの写真製版工程、イオン注入工程、エッチング工程などの製造バラツキが生じると、逆方向耐圧が低下してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、生産性の低下を防止しつつ、電界集中の発生を抑えて安定した逆方向耐圧を得ることができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る半導体装置は、半導体素子が形成された半導体基板と、前記半導体基板における前記半導体素子の外周部に設けられた終端構造とを備え、前記終端構造は、前記半導体基板内に形成された第1導電型の第1不純物領域と、前記第1不純物領域内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域とを含み、前記第2不純物領域は、巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造の内周部から外周部へ向けて減少し、微視的に見ると、第2導電型の複数の高濃度領域および前記複数の高濃度領域のそれぞれを囲む低濃度領域から構成され、且つ、第2導電型の領域が離間した部分を有しているものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、P型不純物領域の内部に空乏層を広げつつ高電界となりやすい箇所を複数作り出し、電界集中を抑制することができるので、安定した逆方向耐圧を持つ半導体装置を得ることができる。また、第2不純物領域は、終端構造の外側へ向けて開口率が小さくなる注入マスクを用いるイオン注入により一括形成可能である。また第2不純物領域の不純物領域を均一化するのではないため、高温長時間の熱処理は必要なく、生産性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態1に係る半導体装置の終端構造の構成を示す断面図である。
【図3】実施の形態1に係る終端構造のP型不純物領域を形成するための注入マスクの例を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る終端構造におけるP型不純物領域のドーズ量分布を示す図である。
【図5】図3の注入マスクを用いて形成した終端構造のP型不純物領域の上面構造を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る終端構造の半導体基板内部の等電位線を模式的に示す図である。
【図7】実施の形態1に係る終端構造の半導体基板内部の等電位線を模式的に示す図である。
【図8】実施の形態1に係る終端構造の半導体基板内部の等電位線を模式的に示す図である。
【図9】終端構造に注入される不純物のドーズ量と、当該終端構造における逆方向耐圧との関係を示す図である。
【図10】実施の形態1に係る終端構造における不純物濃度と逆方向耐圧との依存性を示す図である。
【図11】実施の形態1に係る終端構造における半導体基板内部の等電位線を模式的に示す図である。
【図12】実施の形態1に係る終端構造における半導体基板内部の等電位線を模式的に示す図である。
【図13】実施の形態1に係る終端構造におけるP型不純物領域のドーズ量分布を示す図である。
【図14】実施の形態1に係る半導体装置の終端構造のP型不純物領域の上面構造を示す図である。
【図15】実施の形態1に係る半導体装置の終端構造のP型不純物領域の上面構造を示す図である。
【図16】実施の形態1に係る注入マスクの拡大図である。
【図17】実施の形態2に係る終端構造のP型不純物領域を形成するための注入マスクの例を示す図である。
【図18】実施の形態2に係る終端構造におけるP型不純物領域のドーズ量分布を示す図である。
【図19】実施の形態3に係る半導体装置の終端構造の構成を示す断面図である。
【図20】実施の形態3に係る終端構造におけるP型不純物領域のドーズ量分布を示す図である。
【図21】実施の形態4に係る半導体装置の終端構造の構成を示す断面図である。
【図22】エミッタ電極の一部をフィールドプレートとして用いた本発明に係る終端構造の構成を示す断面図である。
【図23】チャネルストッパ電極を設けた本発明に係る終端構造の構成を示す断面図である。
【図24】フローティングフィールドプレートを設けた本発明に係る終端構造の構成を示す断面図である。
【図25】本発明をトレンチIGBT型の素子構造に適用した場合の終端構造の構成を示す断面図である。
【図26】本発明をN型キャリア蓄積層を持つ素子構造に適用した場合の終端構造の構成を示す断面図である。
【図27】本発明をダイオードとN型MOSFETとを持つ素子構造に適用した場合の終端構造の構成を示す断面図である。
【図28】曲率緩和領域を省略した場合の本発明に係る終端構造の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、説明で用いる各図面では、半導体装置の構造等を簡易的に示しているため、縮尺や縦横比などは正確とは限らない。
【0014】
<実施の形態1>
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構成を模式的に示す図である。図1は当該半導体装置の平面図、図2は図1に示すA1−A2線に沿った断面図である。
【0015】
本実施の形態に係る半導体装置は、シリコン(Si)等の半導体基板30に形成された半導体素子であるIGBT31(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、その外周部の終端領域に形成された終端構造32とを含んでいる。図2は、IGBT31の最外周部と終端構造32の断面に対応している。
【0016】
IGBT31は、ゲート電極8、エミッタ電極6、N型ドリフト領域1、N型バッファ領域4、P型コレクタ領域5、コレクタ電極7とを含んでいる。ゲート電極8およびエミッタ電極6は、半導体基板30の上面(主表面)上に形成されている。図1のように、平面視では、ゲート電極8は半導体基板30の一辺の近傍に形成され、エミッタ電極6はゲート電極8の形成領域を除くIGBT31の全体を覆うように形成されている。
【0017】
N型ドリフト領域1、N型バッファ領域4およびP型コレクタ領域5は、半導体基板30の内部に形成された不純物領域である。N型ドリフト領域1は、半導体基板30の内部全体に形成されている。N型バッファ領域4はN型ドリフト領域1の下側に形成され、P型コレクタ領域5はN型バッファ領域4のさらに下側に形成されている。また、半導体基板30の下面には、P型コレクタ領域5に接続するコレクタ電極7が形成されている。
【0018】
図2のように、終端構造32は、半導体基板30に形成されたN型ドリフト領域1(第1不純物領域)と、N型ドリフト領域1内の上面部に形成されたP型不純物領域2(第2不純物領域)およびN型チャネルストッパ領域3とを備えている。終端構造32の内周部のP型不純物領域2は、IGBT31の最外周のP型不純物領域(Pウェル)に接続されている。
【0019】
図2において、P型不純物領域2は、P型不純物の濃度に応じて3つの領域2a〜2cに分けて示されている。領域2a〜2cの不純物濃度は、領域2cが最も高く、次いで領域2bが高く、領域2aが最も低くなっている。以下、領域2aを「低濃度領域」、領域2b,2cを「高濃度領域」と称することとする。
【0020】
低濃度領域2aの不純物濃度は、低濃度領域2aが完全に空乏化する条件(リサーフ条件)を満たす値に設定されている。高濃度領域2cの不純物濃度は、高濃度領域2cがほぼ空乏化しない条件を満たす値に設定されている。高濃度領域2bの不純物濃度は、ウエハプロセスのバラツキによって高濃度領域2bが空乏化するか否かが決まる程度の値に設定されている。
【0021】
高濃度領域2cは、P型不純物のイオン注入により形成される。一方、高濃度領域2bおよび低濃度領域2aは、主に高濃度領域2cから不純物を熱拡散させることにより形成される。そのため、高濃度領域2bおよび低濃度領域2aは、高濃度領域2cの周囲を取り囲むように形成される。つまり、高濃度領域2bは、低濃度領域2a内の上面部に位置し、高濃度領域2cは高濃度領域2b内の上面部に位置することになる。
【0022】
なお、図2の終端構造32には、内部に高濃度領域2cを有さない高濃度領域2bが示されているが、これはイオン注入時に用いる注入マスクの開口率が低い(開口部の寸法が小さい)領域に形成された寸法の小さい高濃度領域2cの全体が熱拡散して高濃度領域2bになったものである。あるいは、注入マスクの開口部の寸法が小さいために、注入される不純物のドーズ量が少なくなった結果、高濃度領域2cに比べて不純物濃度が低い高濃度領域2bが形成される場合もある。
【0023】
P型不純物領域2の内周部に接続するIGBT31の最外周のP型不純物領域(Pウェル)は、P型不純物領域2よりも不純物濃度が高く、またP型不純物領域2よりも深く形成されている。図2においては、終端構造32の内周部のP型不純物領域2は、IGBT31の最外周のP型不純物領域へ向けて、次第に深くなるように形成されている。また、IGBT31の最外周のP型不純物領域へ向けて、次第に不純物濃度が高くなっている。それにより、IGBT31の最外周のP型不純物領域低端部の曲率が緩和され、その部分に電界が集中することが防止される。この終端構造32の内周部を「曲率緩和領域10」と称する。
【0024】
曲率緩和領域10の外側の領域には、高濃度領域2bが離間的に形成されている。高濃度領域2bの間隔は終端構造32の外周部に近いものほど広くなっており、終端構造32の外周部近傍では低濃度領域2aの間が離間している。よって、巨視的に見ると、終端構造32におけるP型不純物領域2の不純物濃度は、終端構造32の外側ほど低くなる。また微視的に見ると、P型不純物領域2は、複数の高濃度領域2bとその周囲の低濃度領域2aとにより構成され、低濃度領域2aと高濃度領域2bとが交互に配置された構造をとなっている。この領域は、半導体基板30の逆方向耐圧を保持するための領域であり、当該領域を「耐圧保持領域11」と称する。
【0025】
N型チャネルストッパ領域3は、終端構造32の外周部(半導体チップの端部に相当)に形成される。本実施の形態では、N型チャネルストッパ領域3をP型不純物領域2から離間させて形成しているが、N型チャネルストッパ領域3は最外周の低濃度領域2aと接していても。N型チャネルストッパ領域3は、N型ドリフト領域1よりも高いN型不純物濃度を有している。
【0026】
図3は、P型不純物領域2を形成するイオン注入で用いる注入マスク20の例を示す図である。本実施の形態では、注入マスク20は、開口部12を有するシリコン酸化膜13により構成する。注入マスク20の開口部12のパターンとしては、ライン形状やドット形状などが考えられる。
【0027】
注入マスク20は、その開口率(開口部12の面積の割合)が、巨視的に見て、終端構造32の内側から外側へ向かう方向(終端構造32の幅方向)に減少するパターンを有している。例えば、半導体基板30上に注入マスク20を形成し、注入マスク20の開口率が1%の領域の領域に1E+14cm−2のドーズ量で不純物をイオン注入して熱拡散させた場合、巨視的に見ると、その領域に注入された不純物のドーズ量は1E+14cm−2の1%である1E+12cm−2となる。
【0028】
P型不純物領域2は、注入マスク20を用いたP型不純物のイオン注入により半導体基板30に高濃度領域2cを形成し、さらに熱処理によりP型不純物を熱拡散させて高濃度領域2bおよび低濃度領域2aを形成することによって形成される。
【0029】
図3に示した注入マスク20を用いて終端構造32のP型不純物領域2を形成するイオン注入を行った場合における、P型不純物領域2の不純物のドーズ量分布を図4に示す。実線は微視的に見たドーズ量を示しており、破線は巨視的に見たドーズ量を示している。図4から分かるように、巨視的に見たドーズ量は、終端構造32の外側へ向けて徐々に減少する。
【0030】
本実施の形態では、注入マスク20の開口率の分布を制御することで、ウエハプロセスの工程数を増やすことなく、巨視的に見たドーズ量に勾配を持たせ、比較的高濃度な曲率緩和領域10のP型不純物領域2と、比較的低濃度な耐圧保持領域11のP型不純物領域2とを、同一のイオン注入工程で一括形成することができる。
【0031】
曲率緩和領域10のP型不純物領域2は、注入マスク20のライン状の開口部12が配置された領域(もしくは窓状の開口部12が高密度に配置された領域)に、イオン注入を行って開口部12の直下に高濃度領域2cを形成した後、熱処理を加えて高濃度領域2cの周囲に高濃度領域2bおよび低濃度領域2aを形成することによって、形成される。耐圧保持領域11のP型不純物領域2は、注入マスク20の開口部12が離間的に配置されている領域に、上記のイオン注入と熱処理が行われることにより、開口部12の直下に高濃度領域2bが形成され、その周囲に低濃度領域2aを形成されることによって、形成される。図3に示した注入マスク20を用いた場合、熱処理後によりP型不純物を拡散させた後のP型不純物領域2の上面の構造は図5のようになる。
【0032】
図2の終端構造32を備える半導体装置において、エミッタ電極9の電位に対してコレクタ電極7の電位が高くなる逆方向電圧が印加されると、終端構造32の上面部では、N型ドリフト領域1とP型不純物領域2の低濃度領域2aとの接合部(N型チャネルストッパ領域3と低濃度領域2aが接合している場合はその接合部)に電圧が加わり、N型チャネルストッパ領域3側(高圧側)から低濃度領域2a側(低圧側)へ向かって空乏層が伸びる。
【0033】
低濃度領域2aの下部とN型ドリフト領域1との境界から半導体基板30表面に向かって伸びる空乏層により、低濃度領域2aが完全に空乏化される。その際、低濃度領域2aの不純物濃度が適切に設定されていれば、上記接合部の電界が臨界点を超えて降伏する前に、高濃度領域2bの表面および内部もしくは半導体基板30の上面まで空乏化される。
【0034】
コレクタ電極7の電位がさらに高くなると、高濃度領域2b内に空乏層が伸びる。その際、高濃度領域2bの不純物濃度および位置関係が適切に設定されていれば、上記接合部の電界が臨界点を超えて降伏する前に、高濃度領域2bの上面近傍もしくは半導体基板30の上面まで空乏化される。これにより、高濃度領域2bの各々に高電界となりやすい箇所ができ、各箇所の最大電界強度を抑えることができるため、安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0035】
その結果、低濃度領域2aおよび高濃度領域2bの内部、並びに、N型ドリフト領域1の内部に形成された空乏層によって逆方向電圧が保持される。
【0036】
図6〜図8は、図2に示した終端構造32の半導体基板30内部における等電位線に示す図である。図6、図7、図8の順に、逆方向電圧が大きくなった様子が示されている。これらの図に示すように、等電位線の間隔はほぼ均一になっており、終端構造32の特定箇所に電界が集中することが抑制されていることが分かる。
【0037】
図9は、終端構造に注入される不純物のドーズ量と、終端構造における逆方向耐圧との関係を示す図である。図9において、実線は、本実施の形態に係る終端構造の場合を示しており、破線は、従来の終端構造(耐圧保持領域のP型不純物領域が一様な不純物濃度を有する構造)の場合を示している。
【0038】
従来の終端構造では、終端構造のP型不純物領域に不純物が高濃度に注入されると、最外周のP型不純物領域に高い電界が生じるため、耐圧低下を引き起こす。それに対し、本発明の終端構造では、終端構造のP型不純物領域に不純物が高濃度に注入される場合でも、外周部のP型不純物領域の不純物濃度は巨視的に見ると低濃度となるため、最外周のP型不純物領域に高い電界が生じることが抑えられる。そのため、本発明の終端構造では、高い逆方向体圧が得られる不純物濃度(ドーズ量)の範囲が、従来の終端構造よりも広くなり、ウエハプロセスのバラツキが生じても安定した耐圧を得ることができる。
【0039】
また、P型不純物領域の不純物濃度(ドーズ量)と逆方向耐圧には依存性がある。図10にその依存性を示す。図10において、半導体基板30のN型ドリフト領域1の不純物注入量は8.85E+13cm−2と設定されており、ウエハプロセスで注入されるP型不純物のドーズ量は3.0E+14cm−2と設定されている。また、図10に示されているドーズ量は、耐圧保持領域11の最内周部を巨視的に見たときのドーズ量を示している。
【0040】
図10より、耐圧保持領域11の最内周の巨視的に見たドーズ量を1.0E+12cm−2〜2.0E+12cm−2とし、耐圧保持領域11の巨視的に見たドーズ量を外側に向けて1/3〜1/20(0.3333〜0.05)の勾配になるようにすると、安定した逆方向耐圧が得られることが分かる。
【0041】
もしくは、図10より、耐圧保持領域11の最内周の巨視的に見たドーズ量を1.0E+12cm−2〜1.4E+12cm−2とし、耐圧保持領域11の巨視的に見たドーズ量を外側に向けて1/2(0.5)の勾配になるようにしても、安定した逆方向電圧を実現できる半導体装置が得られることが分かる。
【0042】
耐圧保持領域11のP型不純物領域2をそのような不純物濃度プロファイルで形成するには、P型不純物領域2を形成するイオン注入で用いる注入マスク20(例えば図3)の開口率を、終端構造32の外側へ向けて減少させればよい。
【0043】
注入マスク20の開口率を減少させる割合としては、例えば、曲率緩和領域10の内周部から外周部までの間に開口率を1/50程度まで下げることが考えられる。また、耐圧保持領域11の外周部において、巨視的に見てP型不純物領域2が空乏化する不純物濃度になるまで低下させる。開口率を減少させる関数は、線形関数などが挙げられるが、指数関数など減少率が高いものが望ましい。例えば、巨視的に見て、下に凸となる指数関数や多項式に従って減少する関数を用いると、電界の局所的な集中を緩和することができる。
【0044】
図11および図12は、終端構造32における半導体基板30内部の等電位線を模式的に示す図である。図11および図12中の細い線は等電位線であり、太い線はPN接合である。
【0045】
図11は、曲率緩和領域10の不純物濃度プロファイルを、図13のように巨視的に見て、半導体装置内周から外周へ向けて線形に濃度を低下させた場合を示している。図12は、曲率緩和領域10の不純物濃度プロファイルを、図4のように巨視的に見て下に凸の関数となるように、内周部から外周部へ向けて低下させた場合を示している。図11では等電位線の間隔が局所的に狭くなっているのに対して、図12では等電位線の間隔がほぼ均一になっていることが分かる。つまり、図12の方が、終端構造32の特定箇所への電界集中が抑制されていることが分かる。
【0046】
ウエハプロセスの制約上、微視的に見て終端構造32の内周部から外周部へ向けて連続的に濃度を減少させることが困難な場合があるが、本発明では、必ずしも微視的に見て連続的に濃度が減少する必要はない。例えば図4のように、巨視的に見た不純物濃度の変化量が、曲率緩和領域10の内周部から外周部へ向かい徐々に小さくなっていれば(つまり、高濃度領域2cへ向けて徐々に大きくなっていれば)、同様の効果が得られる。
【0047】
注入マスク20の開口率を線形関数的に減少させる場合、耐圧保持領域11の内周部から外周部へ向かう方向の位置をxとして、位置xでの開口率が100×1/50×(−ax+b)%となるようにシリコン酸化膜13を形成しておくと、x=(b−1/5.0)/aでの実効的なドーズ量は、開口率が2%の場合の約5分の1まで減少する。このとき、ドーズ量や耐圧保持領域11の寸法およびa、bの値を適当に選択することで、所望の不純物濃度プロファイルのP型不純物領域2が得られる。
【0048】
注入マスク20のパターンとしては、例えばドット状の開口部12(以下「注入窓」)の寸法を一定にし、注入窓の間隔を終端構造32の外側へ向かうにつれて広くすることが考えられる。例えば、注入マスク20の注入窓の寸法は全て0.4μmとし、終端構造32の周方向における注入窓の間隔は全て2.8μm間隔とし、終端構造32の幅方向における注入窓の間隔を、耐圧保持領域11の最内周部では2.8μm間隔、最外周部では14.0μm間隔と広げる。
【0049】
また、耐圧保持領域11の全てのP型不純物領域2が繋がって一体的に形成されるよりも、図2のように部分的に繋がらない箇所を含む方が、安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0050】
全てのP型不純物領域2が接続する場合、ウエハプロセスでのバラツキにより注入されるP型不純物のドーズ量が高濃度となる場合、逆方向電圧を保持するのに適切なP型不純物濃度(完全空乏化する中で最も濃い濃度)の領域がほとんど存在しなくなる。そのため、空乏化して逆方向耐圧を保持する領域が狭くなり、P型不純物領域2の最外周部に電界が集中して耐圧が低下する。
【0051】
それに対し、耐圧保持領域11においてP型不純物領域2が接続しない箇所が形成されると、ウエハプロセスでのバラツキにより注入されるP型不純物のドーズ量が高濃度になった場合でも、終端構造32の幅方向で逆方向電圧を保持するのに適切なP型不純物濃度の領域が多く形成されるため、逆方向耐圧が向上する。よって、本実施の形態では、注入マスク20の開口部12の間隔は、熱拡散により低濃度領域2aを形成するための熱処理の際に、隣り合う低濃度領域2aが繋がる箇所と繋がらない箇所とが生じるように設定される。
【0052】
なお、図2および図5では、終端構造32の幅方向にP型不純物領域2が繋がらない箇所がある例を示しているが、図14のように終端構造32の周方向のみにP型不純物領域2が繋がらない場合でも、同様の効果が得られる。終端構造32の周方向のP型不純物領域2が繋がらない場合には、熱処理によってP型不純物が周方向に拡散して、耐圧を保持するための適切なP型不純物濃度を作り出すことができるからである。
【0053】
また、図15のように終端構造32の幅方向と周方向の両方にP型不純物領域2が繋がらない箇所が存在する構造(P型不純物領域2が島状に配置された構造)でも、同様の効果が得られ、ウエハプロセスのマージンをさらに増やすことができる。特に、N型ドリフト領域1の不純物濃度が低い半導体基板30を用いた場合、P型不純物領域2の最適な不純物濃度を得るために微調整が必要となるが、ウエハプロセスのマージンが大きくなることにより、その調整が容易になり安定した逆方向耐圧が得られる。
【0054】
但し、終端構造32の周方向における注入窓の間隔を広くしすぎると、終端構造32の幅方向にP型不純物濃度が低い領域が延在することとなり、安定した逆方向耐圧が得られるものの、逆方向耐圧の絶対値が低下するため好ましくない。よって注入窓の間隔は適切に設定する必要がある。
【0055】
注入マスク20のパターンは任意でよく、どのようなパターンでも一定の効果を得ることができる。ここでは特に、注入窓の配置例について図16を用いて説明する。
【0056】
図16は、耐圧保持領域11のP型不純物領域2を形成するための注入マスク20の拡大図である。図16においては、内周側からn列目の注入窓(開口部12)の寸法をS、終端構造32の幅方向におけるn列目の注入窓とn+1列目の注入窓との間隔をD、終端構造32の周方向におけるn列目の注入窓の間隔をWと表している。
【0057】
例えば、注入窓の寸法(S)を一定にし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くし、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を一定にすることで、巨視的に見たP型不純物領域2の不純物濃度(ドーズ量)を終端構造32の内周部から外周部へ向けて徐々に減少させることができる。
【0058】
また例えば、注入窓の寸法(S)を一定にし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を一定にし、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くしても、巨視的に上記と同様の不純物濃度分布が得られる。
【0059】
さらに、注入窓の寸法(S)を一定にし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くし、且つ、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くしても、同様である。
【0060】
また、n列目の注入窓の位置に対して、その隣のn+1列目の注入窓の位置を終端構造32の周方向にW/2だけずらす。これを各列に対して行うことにより、図16のように注入窓を千鳥配置してもよい。その場合、耐圧保持領域11に、P型不純物領域2の不純物の濃淡を一様に作り出すことができ、電界強度の高い箇所を2次元的に分散することができる。それにより、耐圧保持領域11における最大電界強度をさらに低減させることができ、より安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0061】
なお、上の説明では注入マスク20をシリコン酸化膜13で形成した例を示したが、例えばレジストパターンなど、一般的な半導体プロセスで注入マスクとして用いられる材料を用いて形成してもよい。
【0062】
また、注入マスク20に設ける注入窓(ドット状の開口部12)の形状は任意でよく、上に示した正方形の他、円、長方形、楕円など他の形状でも同様の効果を得ることができる。特に、開口径が長方形の場合、その長辺が終端構造32の周方向に沿うように配置されることが望ましい。図3では、終端構造32の内周部にライン状の絶縁膜21を配置し、その外側にドット状の開口部12を配置した構成の注入マスク20を示したが、注入マスク20はライン状の開口部12とドット状の開口部12の両方を備える必要はなく、例えば、ライン状の開口部12のみを備える構成や、ドット状の開口部12のみを備える構成でもよい。
【0063】
また、実施の形態1では、P型不純物領域2を不純物濃度(ドーズ量)が異なる低濃度領域2a、高濃度領域2b、高濃度領域2cから成る構成としたが、P型不純物領域2は、巨視的に見た不純物濃度が終端構造32の外側へ向けて徐々に減少すれば、微視的に見て均一な濃度であってもよい。例えば、微視的に見て均一な濃度のP型不純物領域2において、P型の領域が離間された部分を、終端構造32の外側ほど多く(または広く)配置すれば、巨視的に見た不純物濃度を終端構造32の外側へ向けて徐々に減少させることができる。この場合も、実施の形態1と同様に、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した逆方向耐圧を得ることができる。このことは、以下に示す実施の形態についても同様である。
【0064】
<実施の形態2>
図4においては、終端構造32の耐圧保持領域11におけるP型不純物領域2の不純物濃度が巨視的に見て外側へ向けて線形関数的に減少する例を示したが、巨視的に見て単調に減少していれば、上に凸の関数もしくは、下に凸の関数に従って減少してもよい。
【0065】
図17は、実施の形態2に係る終端構造のP型不純物領域を形成するための注入マスクを示す図である。図17の注入マスク20は、図3の例に対して、耐圧保持領域11の内周近傍における開口率(開口部12の密度)を高くし、外周近傍の開口率を低くしている。
【0066】
図17の注入マスク20を用いて形成したP型不純物領域2のドーズ量分布は図18のようになる。実線は微視的に見たドーズ量を示しており、破線は巨視的に見たドーズ量を示している。図18のように、巨視的に見たドーズ量は、上に凸の関数に従って、終端構造32の外側へ向けて減少する。すなわち、巨視的に見たドーズ量の変化量が、終端構造32の外側へ向けて徐々に大きくなっている。
【0067】
巨視的に見て、耐圧保持領域11の不純物濃度(ドーズ量)が終端構造32の外側へ向けて凸の関数で連続的もしくは段階的に減少している場合、線形で減少させるよりも最外周のP型不純物領域2において、巨視的に見てより低濃度の領域を作り出すことができる。よって、適切なドーズ量でも逆方向耐圧を保持できるのはもちろん、ウエハプロセスでのバラツキにより注入されるP型不純物のドーズ量が高濃度となった場合でも、最外周のP型不純物領域2において電界集中が生じることを抑制できる。
【0068】
凸の関数の例としては、2次関数や、X+1=αX+β(α、β任意)のような数列を用いてもよい。また、終端構造32のP型不純物領域2の不純物濃度を巨視的に見て凸の関数にするためには、注入マスク20の開口率が終端構造32の外側へ向けて凸の関数になるように開口部12を配置すればよい。
【0069】
<実施の形態3>
実施の形態1,2では、注入マスク20に設ける注入窓(開口部12)の寸法を一定としたが、注入窓の寸法を制御することによっても、P型不純物領域2の巨視的に見た不純物濃度を変化させることができる。
【0070】
図19は、実施の形態3に係る半導体装置の終端構造の構成を示す断面図である。本実施の形態では、終端構造32のP型不純物領域2を、注入窓の寸法を耐圧保持領域11の内側から外側に向けて小さくした注入マスク20を用いて形成している。
【0071】
この場合における終端構造32のP型不純物領域2のドーズ量分布を図20に示す。実線は微視的に見たドーズ量を示しており、破線は巨視的に見たドーズ量を示している。本実施の形態においても、巨視的に見たドーズ量は、終端構造32の外側へ向けて徐々に減少する。微視的に見るとドーズ量が高い領域と低い領域とが交互に配置されている。従って、実施の形態1と同様に、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0072】
注入マスク20のパターンは任意でよく、どのようなパターンでも一定の効果を得ることができる。ここでも、注入窓の配置例について図16を用いて説明する。
【0073】
また例えば、注入窓の寸法(S)を一定にし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を一定にし、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に小さくしても、巨視的に上記と同様の不純物濃度分布が得られる。
【0074】
例えば、注入窓の寸法(S)を終端構造32の内側から外側へ向けて段階的もしくは連続的に小さくし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を一定にし、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を一定にすることで、巨視的に見たP型不純物領域2の不純物濃度(ドーズ量)を終端構造32の内周部から外周部へ向けて徐々に減少させることができる。
【0075】
また例えば、注入窓の寸法(S)を終端構造32の内側から外側へ向けて段階的もしくは連続的に小さくし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くし、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を一定にしても、巨視的に上記と同様の不純物濃度分布が得られる。
【0076】
また、注入窓の寸法(S)を終端構造32の内側から外側へ向けて段階的もしくは連続的に小さくし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を一定にし、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くしても、巨視的に上記と同様の不純物濃度分布が得られる。
【0077】
さらに、注入窓の寸法(S)を終端構造32の内側から外側へ向けて段階的もしくは連続的に小さくし、終端構造32の幅方向への注入窓の間隔(D)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くし、且つ、終端構造32の周方向の注入窓の間隔(W)を外側へ向けて連続的もしくは段階的に広くしても、同様である。
【0078】
また、n列目の注入窓の位置に対して、その隣のn+1列目の注入窓の位置を終端構造32の周方向にW/2だけずらすことにより、図16のように注入窓を千鳥配置してもよい。その場合、耐圧保持領域11に、P型不純物領域2の不純物の濃淡を一様に作り出すことができ、電界強度の高い箇所を2次元的に分散することができる。それにより、耐圧保持領域11における最大電界強度をさらに低減させることができ、より安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0079】
注入窓の寸法と、イオン注入および熱拡散後における半導体基板30表面のP型不純物濃度とは依存性がある。注入窓の寸法を終端構造32の外側へ向けて小さく形成することで、半導体基板30の表面部におけるP型不純物濃度の制御でき、より顕著な効果を得ることが期待できる。
【0080】
なお、注入窓の寸法(S)はある程度小さいほうが望ましいが、半導体基板30表面のP型不純物濃度は、終端構造32の周方向における注入窓の間隔(W)、終端構造32の幅方向の注入窓の間隔(D)、イオン注入量、および熱処理の条件等でも調整可能である。
【0081】
<実施の形態4>
実施の形態1〜3では、終端構造32のP型不純物領域2を1回のイオン注入で形成したが、異なる加速電圧で複数回のイオン注入を行うことで形成してもよい。
【0082】
図21は、実施の形態4に係る半導体装置の終端構造32の構成を示す断面図である。本実施の形態では、終端構造32の外側ほど開口率が小さくなる注入マスク20を用いて、低加速電圧で高ドーズ量のP型不純物を注入する第1のイオン注入と、高加速電圧で低ドーズ量のP型不純物を注入する第2のイオン注入とを行い、その後に熱処理を行うことで、低濃度領域2aおよび高濃度領域2b、2cから成るP型不純物領域2を形成している。
【0083】
本実施の形態においても、巨視的に見たドーズ量は、終端構造32の外側へ向けて徐々に減少する。微視的に見るとドーズ量が高い領域と低い領域とが交互に配置されている。従って、実施の形態1と同様に、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0084】
また、高加速電圧で低ドーズ量の第2のイオン注入が行われることにより、低濃度領域2aに相当する部分が熱処理前に形成されるので、実施の形態1と比べて、熱処理を低温度もしくは短時間で済ませることができ、生産性を向上させることができる。
【0085】
さらに、第2のイオン注入によって低濃度領域2aを深く形成できるので、低濃度領域2aを実施の形態1〜3と同様の深さにする場合、その横方向の広がりは小さくなる。これにより、終端構造32の幅方向もしくは周方向に対するP型不純物領域2の不純物濃度プロファイルの制御がより容易になり、ウエハプロセスのバラツキに対するマージンをさらに大きくできる。
【0086】
なお、不純物濃度が異なる複数のP型不純物領域2を、それぞれ個別の注入マスクを用いた複数回のイオン注入で形成してもよい。また、レジストによるマスクを用い、P型不純物領域2の形成を部分的にそのマスク越しのイオン注入で行うことで、不純物濃度の異なる複数のP型不純物領域2を一括形成することもできる。あるいは、複数の注入マスクを用いて、部分的に複数回のイオン注入を行うことで、不純物濃度の異なる複数のP型不純物領域を形成することもできる。
【0087】
また、終端構造32の内側の活性領域(IGBT31の形成領域)にP型不純物領域を形成するイオン注入と同時に、終端構造32のP型不純物領域2を形成してもよく、それにより半導体装置の製造工程が簡略化される。
【0088】
<実施の形態5>
実施の形態5では、本発明に係る終端構造32の構成の変形例を示す。
【0089】
例えば図22のように、エミッタ電極6の一部をシリコン酸化膜16を介して終端構造32上に張り出させることで、エミッタ電極6をフィールドプレートとして機能させてもよい。これにより、終端構造32における電界集中をさらに抑制できる。フィールドプレートとしてのエミッタ電極6は、図22のように耐圧保持領域11の上部まで張り出してもよい。
【0090】
また、図23のように、終端構造32の外周部上に、N型チャネルストッパ領域3に接続したチャネルストッパ電極9を形成してもよい。チャネルストッパ電極9は、終端構造32の幅方向への空乏層の広がりを抑えるように働き、小面積でパンチスルーを防ぐことができる。
【0091】
また、図24のように、耐圧保持領域11上にシリコン酸化膜16を介して配設されエミッタ電極6から離間した複数のフローティングフィールドプレート17と、耐圧保持領域11の外周部上に形成されN型チャネルストッパ領域3に接続したチャネルストッパ電極9とを設けてもよい。複数のフローティングフィールドプレート17およびチャネルストッパ電極9が設けられることにより、耐圧保持領域11での電位分担の割合が増加し、終端構造32における電界集中をさらに抑制できる。なお、N型チャネルストッパ領域3は省略してもよい。
【0092】
本発明の適用は、IGBTの終端構造に限られず、IGBT以外の半導体素子、例えばダイオードやMOSトランジスタなどの終端構造にも適用可能である。
【0093】
例えば図25は、トレンチIGBT型の半導体素子の外周構造に適用した例である。N型チャネルストッパ領域3内には、チャネルストッパ電極9に電気的に接続された導電体のトレンチ埋込層22と、その表面に形成された絶縁膜21とが形成されている。すなわち、チャネルストッパ電極9とトレンチ埋込層22との間には絶縁膜21が介在している。図25のように、トレンチ埋込層22は、N型チャネルストッパ領域3を貫通してN型ドリフト領域1内へ突き出している。
【0094】
図26は、N型キャリア蓄積層を持つ半導体素子の終端構造32に適用した例である。N型チャネルストッパ領域3の取り囲むように、N型キャリア蓄積層23およびP型不純物領域24が形成されている。すなわち、終端構造32におけるN型ドリフト領域1の上面部にP型不純物領域24が形成され、P型不純物領域24内の上面部にN型キャリア蓄積層23が形成され、N型キャリア蓄積層23内の上面部にN型チャネルストッパ領域3が形成されている。
【0095】
また、本発明をトレンチIGBT31型でN型キャリア蓄積層を持つ半導体素子の終端構造に適用する場合は、図26の構成に、図25に示したチャネルストッパ電極9、絶縁膜21およびトレンチ埋込層22を設けてもよい。
【0096】
図27は、ダイオードとN型MOSFETとを持つ素子構造の終端領域に本発明を適用した例である。半導体基板30の下面部には、図2の構成のN型バッファ領域4およびP型コレクタ領域5に代えて、N型ドレイン(カソード)領域25が形成されている。
【0097】
以上の説明では、終端構造32の内周部に曲率緩和領域10を設けたが、図28のように曲率緩和領域10を省略して、耐圧保持領域11のP型不純物領域2が半導体素子の最外周のP型不純物領域(Pウエル)26に接続する構成としてもよい。この場合も、耐圧保持領域11のP型不純物領域2の巨視的に見た不純物濃度(ドーズ量)が、終端構造32の外側へ向けて徐々に減少し、且つ、微視的に見るとドーズ量が高い領域と低い領域とが交互に配置され、さらに、P型不純物領域2同士が接続しない箇所が存在することにより、実施の形態1と同様に、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した逆方向耐圧を得ることができる。
【0098】
以上の説明で示した、P型不純物領域2形成のためのイオン注入における不純物のドーズ量は、固定電荷の影響や、酸化膜中へのドーズの吸い出し等の考慮していない。そのため、実際にイオン注入を行う場合には、それらを考慮して不純物のドーズ量を補正することが望ましい。
【0099】
また、以上の説明では、半導体基板30がシリコンで形成された例を示したが、本発明は、例えば炭化シリコン(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、またはダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体の基板を用いて形成される半導体基板に対しても適用可能である。但し、ドーズ量などの最適値は、シリコンの半導体基板30を用いる場合とは異なるものとなる。
【0100】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 N型ドリフト領域、2 P型不純物領域、2a 低濃度領域、2b 高濃度領域、2c 高濃度領域、3 N型チャネルストッパ領域、4 N型バッファ領域、5 P型コレクタ領域、6 エミッタ電極、7 コレクタ電極、8 ゲート電極、9 チャネルストッパ電極、10 曲率緩和領域、11 耐圧保持領域、12 開口部、13 シリコン酸化膜、16 シリコン酸化膜、17 フローティングフィールドプレート、20 注入マスク、21 絶縁膜、22 トレンチ埋込層、23 N型キャリア蓄積層、24 P型不純物領域、25 N型ドレイン領域、26 P型不純物領域(Pウェル)、30 半導体基板、31 IGBT、32 終端構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】

【手続補正書】
【提出日】20150703
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子(31)が形成された半導体基板(30)と、
前記半導体基板(30)における前記半導体素子(31)の外周部に設けられた終端構造(32)とを備え、
前記終端構造(32)は、
前記半導体基板(30)内に形成された第1導電型の第1不純物領域(1)と、
前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域(2)とを含み、
前記第2不純物領域(2)は、
巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて減少し、
微視的に見ると、第2導電型の領域が離間した部分を有しており、
前記半導体基板(30)はシリコンで形成されており、
前記第2不純物領域(2)の巨視的に見た不純物濃度が、当該終端構造(32)の内周部で1.0E+12cm−2〜2.0E+12cm−2であり、外周部へ向けて1/3〜1/20の勾配で減少している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体素子(31)が形成された半導体基板(30)と、
前記半導体基板(30)における前記半導体素子(31)の外周部に設けられた終端構造(32)とを備え、
前記終端構造(32)は、
前記半導体基板(30)内に形成された第1導電型の第1不純物領域(1)と、
前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域(2)とを含み、
前記第2不純物領域(2)は、
巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて減少し、
微視的に見ると、第2導電型の領域が離間した部分を有しており、
前記半導体基板(30)はシリコンで形成されており、
前記第2不純物領域(2)の巨視的に見た不純物濃度が、当該終端構造(32)の内周部で1.0E+12cm−2〜1.4E+12cm−2であり、外周部へ向けて1/2の勾配で減少している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
半導体素子(31)が形成された半導体基板(30)と、
前記半導体基板(30)における前記半導体素子(31)の外周部に設けられた終端構造(32)とを備え、
前記終端構造(32)は、
前記半導体基板(30)内に形成された第1導電型の第1不純物領域(1)と、
前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域(2)とを含み、
前記第2不純物領域(2)は、
巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて減少し、
微視的に見ると、第2導電型の領域が離間した部分を有しており、
前記第2不純物領域(2)の内周部は、当該第2不純物領域(2)の内周部に接続する前記第2導電型の領域(2c)に向けて、巨視的に見た不純物濃度の変化量が徐々に大きくなっている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
半導体素子(31)が形成された半導体基板(30)と、
前記半導体基板(30)における前記半導体素子(31)の外周部に設けられた終端構造(32)とを備え、
前記終端構造(32)は、
前記半導体基板(30)内に形成された第1導電型の第1不純物領域(1)と、
前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域(2)とを含み、
前記第2不純物領域(2)は、
巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて減少し、
微視的に見ると、第2導電型の領域が離間した部分を有しており、
前記第2不純物領域(2)の巨視的に見た不純物濃度の変化量が、前記終端構造(32)の内周部から外周部へ向けて徐々に大きくなっている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の複数の高濃度領域(2b)と、
前記複数の高濃度領域(2b)のそれぞれを囲む第2導電型の低濃度領域(2a)とから構成されている
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の高濃度領域(2b)の間隔は、前記終端構造(32)の外周部に近いものほど広くなっている
請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の高濃度領域(2b)の不純物濃度は、前記終端構造(32)の外周部に近いものほど小さくなっている
請求項5記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の高濃度領域(2b)は、千鳥状に配設されている
請求項5記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の領域が前記終端構造(32)の幅方向に離間した部分を有している
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の領域が前記終端構造(32)の周方向に離間した部分を有している
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2不純物領域(2)は、
第2導電型の領域が前記終端構造(32)の周方向および幅方向の両方に離間した部分を有している
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2不純物領域(2)の内周部に接続し、当該第2不純物領域(2)よりも不純物濃度が高いもしくは深さが深い第2導電型の領域(2c)をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2不純物領域(2)の内周部は、当該第2不純物領域(2)の内周部に接続する前記第2導電型の領域(2c)に向けて、不純物濃度が徐々に高くもしくは深さが徐々に深くなっている
請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記終端構造(32)の内周部の上方に配設されたフィールドプレート(6)をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記終端構造(32)の外周部の前記第1不純物領域(1)内の上面部に形成された第1導電型のチャネルストッパ領域と、
前記終端構造(32)の外周部の上方に配設され、前記第1不純物領域(1)に接続したチャネルストッパ電極(9)をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記終端構造(32)の外周部の上方に配設された1つ以上のフローティングフィールドプレート(17)をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
(a)半導体基板(30)における半導体素子(31)の形成領域を囲む終端領域に、複数の開口部(12)を有し前記終端領域の内周部から外周部へ向けて開口率が小さくなる注入マスク(20)を形成する工程と、
(b)前記注入マスク(20)を用いる不純物のイオン注入により、前記終端領域に終端構造(32)としての不純物領域(2)を形成する工程と、
(c)前記不純物領域(2)内に注入された前記不純物を熱拡散させる工程と
を備え、
前記注入マスク(20)の開口部(12)の寸法および間隔は、前記工程(c)における不純物の熱拡散により隣り合う不純物領域(2)が繋がる箇所と繋がらない箇所とが生じるように設定されている
前記工程(b)が、前記イオン注入の加速電圧を変更して複数回行われる
半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記終端領域の幅方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は、前記終端領域の外周部に近いものほど広くなり、
前記終端領域の周方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は一定である
請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記終端領域の幅方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は一定であり、
前記終端領域の周方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は、前記終端領域の外周部に近いものほど広くなっている
請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記終端領域の幅方向における前記窓状の開口部(12)の間隔、および、前記終端領域の周方向における前記窓状の開口部(12)の間隔は、前記終端領域の外周部に近いものほど広くなっている
請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記注入マスク(20)は、窓状の開口部(12)を複数有し、
前記窓状の開口部(12)の寸法は、前記終端領域の外周部に近いものほど小さくなっている
請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記窓状の開口部(12)は、千鳥状に配設されている
請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記工程(a)および(b)が、前記注入マスク(20)のパターンを変更して複数回行われる
請求項17記載の半導体装置の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る半導体装置は、半導体素子が形成された半導体基板と、前記半導体基板における前記半導体素子の外周部に設けられた終端構造とを備え、前記終端構造は、前記半導体基板内に形成された第1導電型の第1不純物領域と、前記第1不純物領域内の上面部に形成された第2導電型の第2不純物領域とを含み、前記第2不純物領域は、巨視的に見ると、第2導電型の不純物濃度が前記終端構造の内周部から外周部へ向けて減少し、微視的に見ると、第2導電型の領域が離間した部分を有しており、前記半導体基板はシリコンで形成されており、前記第2不純物領域の巨視的に見た不純物濃度が、当該終端構造の内周部で1.0E+12cm−2〜2.0E+12cm−2であり、外周部へ向けて1/3〜1/20の勾配で減少しているものである。

【国際調査報告】