(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014054348
(43)【国際公開日】20140410
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/20 20060101AFI20160729BHJP
   H01B 7/17 20060101ALI20160729BHJP
   H01B 7/28 20060101ALI20160729BHJP
【FI】
   !H01B7/20
   !H01B7/18 D
   !H01B7/28 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】2014539635
(21)【国際出願番号】JP2013072251
(22)【国際出願日】20130821
(11)【特許番号】5867613
(45)【特許公報発行日】20160224
(31)【優先権主張番号】2012223116
(32)【優先日】20121005
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志賀 弘章
【住所又は居所】三重県四日市市西末広町1番14号 住友電装株式会社内
【テーマコード(参考)】
5G313
【Fターム(参考)】
5G313AB01
5G313AB05
5G313AB07
5G313AC03
5G313AD06
5G313AD08
5G313AE08
(57)【要約】
金属パイプと金属編組部との接続部における腐食を防止する。
内部に電線が挿通される金属パイプ(3)と、金属パイプ(3)から引き出された電線を覆うとともに、金属パイプ(3)とは異種の金属からなる金属素線を編組して形成された金属編組部(4)と、一端側には金属パイプ(3)が接続され、他端側には金属編組部(4)が接続されるジョイントパイプ(5)とを備えている。ジョイントパイプ(5)は金属編組部(4)と同種の金属または絶縁体で形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電線が挿通される金属パイプと、
前記金属パイプから引き出された電線を覆うとともに、金属素線を編組して形成された金属編組部と、
一端側には前記金属パイプが接続され、他端側には前記金属編組部が接続されるジョイントパイプとを備え、
前記ジョイントパイプは前記金属編組部と同種の金属または絶縁体で形成されていることを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、前記電線を密着状態で貫通しその外周面が前記接続部分の内周面に密着する弾性止水部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、前記弾性止水部材に軸方向から当接して前記弾性止水部材の軸方向の位置決めを行うリテーナが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分は、外周面側から多角形状にかしめられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
前記金属パイプは前記ジョイントパイプに対し内側に挿通されて接続がなされているとともに、前記金属パイプの外周面であって端部寄りの部位には前記ジョイントパイプの一端側が突き当て可能な突起部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記突起部と前記ジョイントパイプの前記一端側とが突き当てられる部分には、この突き当て部位からの浸水を防止するためのシール部が全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項5に記載のワイヤハーネス。
【請求項7】
前記リテーナには、前記弾性止水部材と当接する側とは反対側へ延出しつつ外周側へ折り返され、かつこの折り返し部分に形成された凹部へ前記ジョイントパイプの端部が突き当たる深さまで差し込まれていることを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネスに関し、詳しくは、腐食を発生させることなくワイヤハーネスを構成する電線を挿通する金属パイプと、該金属パイプから引き出された電線を挿通する金属編組部とを接続するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車では、バッテリとインバータとの間やインバータとモータとの間などに配索されるワイヤハーネスの電線を金属パイプに挿通して配線する場合が多い。例えば、特開2006−311699号公報(特許文献1)では、車体のフロア下方に沿った配線領域で、図8に示すような金属パイプ(シールドパイプ)101にワイヤハーネスの電線100を挿通している。金属パイプ101に電線100を挿通することによりシールドを図ることができると共に、路面などから跳ね上げられる石等の干渉物から電線100を保護することができる。また、エンジンルーム内のようにスペースに余裕のない屈曲した配線領域では、前記金属パイプ101から引き出した電線100を金属編組部(可撓性シールド部材)102に挿通して配線している。金属編組部102は金属素線をメッシュ状に編組したもので、金属パイプ101の端部に前記金属編組部102の端部を被せ、その外周側にカシメリング103を取り付けて加締めることで、金属パイプ101と金属編組部102とを導通可能に接続している。さらに、防水等の目的で金属パイプ101と金属編組部102との接続部から金属編組部102側にゴム製のグロメット104を外装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−311699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の構成では、金属パイプ101と金属編組部102との接触部分が水濡れしないように、金属パイプ101と金属編組部102との接続部Sから金属編組部102に挿通される電線100端末側のコネクタ部105[図9(A)、(B)参照]までのすべての領域を完全防水領域としている。よって、前記ゴム製のグロメット104や、コネクタ部105に取り付けるゴム製のコネクタブーツ106等の止水部品が必要となり構造が複雑になるという問題がある。特に、コネクタブーツ106をコネクタ部105にカシメリング107等で密着固定する場合には、コネクタ部105にシール用平面部105aを設ける必要が生じ、コネクタ部105が肥大化するという問題がある。
【0005】
そこで、コネクタ部105における止水構造を省略して、コネクタ部105を肥大化させない構造が検討されているが、この場合は、金属パイプ101と金属編組部102との接触部分が水濡れすると共に、金属パイプ内に水が浸入するおそれがある。金属パイプ101はアルミニウム系金属や鉄系金属などから形成される一方、金属編組部102は表面に錫メッキ加工が施された銅系金属素線など、前記金属パイプ101とは異種の金属から形成される場合が多い。このように、金属パイプ101に異種金属の金属編組部102を被せてカシメリング103で固定する構造では、金属パイプ101の金属編組部102との接触部分が水濡れにより腐食(電食)しやすいという問題がある。そして、金属パイプ101が腐食すると内部の電線を保護できなくなると共にシールド機能も果たせなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、完全防水領域を形成しない場合においても、金属パイプと金属編組部との接続部における腐食を防止できるようにしたワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、内部に電線が挿通される金属パイプと、
前記金属パイプから引き出された電線を覆うとともに、金属素線を編組して形成された金属編組部と、一端側には金属パイプが接続され、他端側には金属編組部が接続されるジョイントパイプとを備え、ジョイントパイプは金属編組部と同種の金属または絶縁体で形成されるようにした。
【0008】
前記のように、本発明では、金属編組部と同種の金属または絶縁体からなるジョイントパイプを介して金属パイプと金属編組部との接続を行っている。したがって、ジョイントパイプと金属編組部との接触部分が水濡れしても従来のように電食を生じてしまうことはない。
【0009】
ジョイントパイプと金属パイプとの接続部分の内側には、電線を密着状態で貫通しその外周面が前記接続部分の内周面に密着する弾性止水部材が設けられるようにしてもよい。
このような構成によれば、金属パイプの内部への水の進入を防止することができる。
【0010】
また、ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、弾性止水部材に軸方向から当接して弾性止水部材の軸方向の位置決めを行うリテーナが設けられるようにしてもよい。
このような構成によれば、リテーナが弾性止水部材に当接することで弾性止水部材を軸方向に関して予定された位置に位置決めすることができる。
【0011】
ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分は、外周面側から多角形状にかしめられるようにするとよい。
このようにすれば、ジョイントパイプと金属パイプとの固着力が高められ、これらの間への水の進入を緩和することができる。
【0012】
金属パイプはジョイントパイプに対し内側に挿通されて接続がなされているとともに、金属パイプの外周面であって端部寄りの部位にはジョイントパイプの一端側が突き当て可能な突起部が形成された構成としてもよい。
このような構成によれば、金属パイプにジョイントパイプの一端側を突き当て保持する突起部を設けることが好ましい。該構成により、金属パイプとジョイントパイプの位置決めがなされて、金属パイプが必要以上にジョイントパイプに挿入されて弾性止水部材が適切な位置で内嵌固定できなくなるのを防ぐことができる。
【0013】
突起部とジョイントパイプの一端側とが突き当てられる部分には、この突き当て部位からの浸水を防止するためのシール部が全周に亘って形成されるようにするとよい。
このようにすれば、ジョイントパイプの外周面側からジョイントパイプ内周面と金属パイプ外周面との間、即ち、ジョイントパイプと金属パイプとの嵌合接触部分に水が侵入するのを効果的に防止することができる。
【0014】
リテーナには、前記弾性止水部材と当接する側とは反対側へ延出しつつ外周側へ折り返され、かつこの折り返し部分に形成された凹部へ前記ジョイントパイプの端部が突き当たる深さまで差し込まれるようにしてもよい。
このような構成によれば、リテーナ自体も軸方向に関して位置決めがなされるため、弾性止水部材をより精度よく位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、金属編組部と同種の金属または絶縁体からなるジョイントパイプを介して金属パイプと金属編組部との接続を行っている。したがって、金属パイプと金属編組部とが異種金属によって形成されている場合においても、電食の虞がない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態のワイヤハーネスを示す一部概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(A)は図2のB−B線断面図であり、(B)は図2のC−C線断面図である。
【図4】第2実施形態のワイヤハーネスを示す一部概略断面図である。
【図5】リテーナの凹部とジョイントパイプの端末との嵌合構造を示す説明図である。
【図6】第3実施形態における金属パイプの断面図である。
【図7】第3実施形態のワイヤハーネスを示す一部概略断面図である。
【図8】従来例を示す図である。
【図9】従来例を示し、(A)はワイヤハーネス端末側を示す概略斜視図であり、(B)は(A)のD−D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は本発明の第1実施形態を示している。本実施形態ではハイブリッド自動車において、リア側の車室(図示せず)内に搭載したバッテリとフロント側のエンジンルーム(図示せず)内に搭載したインバータとの間に2本の高圧電線2(以下、電線という)からなるワイヤハーネス1を配索している。なお、高圧電線2は撚線からなる芯線の外周面に絶縁被覆層を設けた絶縁被覆電線としている。
【0018】
ワイヤハーネス1の配線領域は、リア側から引き出され車両のフロア(図示せず)下方に沿って配線される第1領域R1と、第1領域R1に連続しフロント側のエンジンルーム内に配線される第2領域R2とを備えている。第1領域R1では、図1および図2に示すように、2本の電線2をアルミニウム系金属からなる1本の金属パイプ3に通して配線している。また、第2領域R2では2本の電線2を1本の金属編組部4に通して配線している。金属編組部4は前記アルミニウム系金属からなる金属パイプ3とは異種の金属から形成しており、具体的には、表面に錫メッキ加工を施した銅系金属素線をメッシュ状に編組して形成している。なお、第2領域R2の金属編組部4には、図示していないが、樹脂製のコルゲートチューブを外装している。
【0019】
前記金属パイプ3と金属編組部4とは、金属編組部4と同種の金属からなるジョイントパイプ5を介して導通可能に接続している。具体的には、ジョイントパイプ5は表面に錫メッキ加工を施した鉄系金属から形成し、ジョイントパイプ5の一端側より金属パイプ3の端部を内嵌固定させると共に、ジョイントパイプ5の他端側より外周面に金属編組部4の端部を被せて該金属編組部4の外周側に取り付けるカシメリング6で金属編組部4とジョイントパイプ5とを加締め固定する構成としている[図3(A)参照]。カシメリング6はステンレス製の環形状の金属バンドであり、その一部にカシメ突起6aを設けている。
また、金属パイプ3の外周面には、金属パイプ3に外嵌するジョイントパイプ5の一端側の端面5aを突き当て保持する突起部3aを周方向に連続して設けている。
【0020】
ジョイントパイプ5内には、ワイヤハーネス1の電線2をそれぞれ密着状態で貫通する貫通穴(図示せず)を備えると共に第2領域R2の金属編組部4側から第1領域R1の金属パイプ3側への水の侵入を防止するゴム栓7(弾性止水部材)を内嵌固定している。この際、ジョイントパイプ5に内嵌固定した金属パイプ3の端面3bに前記ゴム栓7の一方の端面7aを突き当てると共に、ゴム栓7の他方の端面7bに当接するようにゴム栓押さえ用の樹脂製のリテーナ8を内嵌固定して、ゴム栓7の軸線方向への位置ズレを防止している。リテーナ8にもゴム栓7の貫通穴と連通する電線貫通穴8aを設けている。
なお、本実施形態では、カシメリング6による加締め位置を、前記ゴム栓7に押し当てるリテーナ8よりもジョイントパイプ5の他端側端部5bに近い位置としている。
【0021】
また、加締め治具(図示せず)を用いて、ジョイントパイプ5とその内周側に嵌合される金属パイプ3とを、断面八角形に加締めている[図3(B)参照]。なお、本実施形態では断面八角形に加締めているが、四角形や六角形、十角形などに加締めてもよい。
さらに、前記金属パイプ3の突起部3aとジョイントパイプ5の一端側の端面5aとの突き当て面に沿って液状またはペースト状のシール剤を全周に塗布することにより、ジョイントパイプ5の一端側の端末にシール部9を形成している。
【0022】
また、ジョイントパイプ5の他端側の端末5bを拡径方向に湾曲させている。該構成とすることにより、挿通する電線2がジョイントパイプ5の他端側端末5bのエッジに当接して損傷するのを防止すると共に、金属編組部4を固定するカシメリング6の抜けを防止している。また、ゴム栓7やリテーナ8をジョイントパイプ5内に挿入しやすくしている。
【0023】
前記のように、本実施形態では、金属編組部4と同種の金属からなるジョイントパイプ5を介して、異種金属である金属パイプ3と金属編組部4との接続を行い、具体的には、第1領域R1の金属パイプ3の端部をジョイントパイプ5の一端側より挿入して内嵌固定すると共に、第2領域R2の金属編組部4の端部をジョイントパイプ5の外周面にパイプ他端側より被せてカシメリング6で固定する構造としている。よって、ジョイントパイプ5とその外周面に被せた金属編組部4との接触部分が水濡れしても互いに同種金属であるため腐食を起こすことはなく、また、ジョイントパイプ5に内嵌固定した金属パイプ3については、ジョイントパイプ5に内嵌固定したゴム栓7によって金属編組部4側から金属パイプ3側への水の侵入を防止することができるため、異種金属であるジョイントパイプ5と金属パイプ3との嵌合接触部分10の水濡れを防いで該接触部分の腐食を防止することができる。
【0024】
さらに、前記のように、ジョイントパイプ5とその内周側に嵌合される金属パイプ3とを、断面多角形(八角形)に加締めることで、ジョイントパイプ5と金属パイプ3との固着力を高めて、ジョイントパイプ5と金属パイプ3との嵌合接触部分10への水の侵入を防止することができる。また、ジョイントパイプ5の一端側の端末にシール部9を設けることにより、ジョイントパイプ5の外周面側から、ジョイントパイプ5と金属パイプ3との嵌合接触部分10に水が侵入するのを防止することができる。
【0025】
即ち、本実施形態の構成によれば、金属パイプ3と金属編組部4との接続部Sから金属編組部3に挿通された電線端末側のコネクタ部(図示せず)までの全領域を完全防水領域とする必要がなくなり、コネクタ部に取り付けるコネクタブーツ等の止水部品も不要になる。よって、コネクタ部をコンパクトな構造としつつ、異種金属からなる金属パイプ3と金属編組部4との接続部Sにおける腐食を効果的に防止することができる。
【0026】
図4および図5は第2実施形態を示している。
第2実施形態では、ジョイントパイプ15の他端側の端末15bをストレート状としている。また、リテーナ18の外周縁より円筒状の側壁18cを突設すると共に該側壁18cの先端を断面コ字状に屈曲させて凹部18bを形成して、該凹部18bに前記ジョイントパイプ15の他端側の端末15bを嵌合させる構成としている。
また、カシメリング6で金属編組部4とジョイントパイプ15とを加締め固定する位置を第1実施形態よりジョイントパイプ15の軸線方向中央部寄りの位置に変え、ゴム栓7およびリテーナ18を内嵌固定している位置としている。
前記した点以外は第1実施形態と同様としている。
【0027】
前記のように、ストレート状のジョイントパイプ15の他端側の端末15bを、リテーナ18の側壁18c先端に設けた凹部18bに嵌合させることにより、該端末15bのエッジを凹部18bで被覆して電線損傷を防止できると共に、リテーナ18をジョイントパイプ15内の所定位置に確実に固定することができる。
【0028】
図6及び図7は本発明の第3実施形態を示している。
第3実施形態においては、金属パイプ20の構成を変更している。すなわち、本実施形態に係る金属パイプ20は、図6に示すように、断面が3層構造となっている。最内層及び最外層は共に樹脂層20a,20bであり、これらに挟まれた中間層はアルミニウム系金属からなる金属層20cとなっている。本発明の金属パイプ20は内部に長さ方向に沿って金属層20cを有しているため、全長に亘ってシールド性が確保されている。このように、本発明の「金属パイプ」は金属層20cが樹脂層20a,20b内にインサートされた構成も含む。
【0029】
上記した金属製パイプ20における金属編組部4と接続される側の端部は、図7に示すように、最外層及び最内層の両樹脂層20a,20bが共に同じ長さ範囲に亘り全周に沿って除去され、金属層20cのみを所定長さ範囲に亘って露出させている。
【0030】
そして、この露出された金属層20cの外周面にはジョイントパイプ21の一端側が嵌め入れられている。ジョイントパイプ21は、実施形態1と同様、表面に錫メッキ加工を施した鉄系金属から形成され、加締め治具にて露出された金属層20cとともに断面8角形に加締められることで、金属パイプ20とジョイントパイプ21との接続がなされている。なお、ジョイントパイプ21の端部と金属パイプ20の最外層の樹脂層20bの端部との間には全周に沿ってシール剤22が塗布されている。
【0031】
金属編組部4等、他の構成は実施形態1と同様であり、共通の構成については同一符号を付すことで説明は省略する。このように構成された第3実施形態においても、第1・第2実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。
【0032】
本発明は上記に説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、金属編組部4は表面に錫メッキ加工を施した銅系金属素線からなり、ジョイントパイプ5は表面に錫メッキ加工を施した鉄系金属からなるものとしたが、両者は表面に現れる金属が同種の金属であれば、上記の金属に限られるものではなく、種々の金属を適用することができる。なお、ここでいう同種の金属とは、接触部分の水濡れによる腐食(電食)を生じない、あるいは生じるとしても特に車両等に使用して実用上問題がない程度である金属の組み合わせをいい、異種の金属とは、腐食が実用上問題となる程度に発生する金属の組み合わせをいう。
【0033】
(2)また、ジョイントパイプ5は金属ではなく樹脂成型品等からなる絶縁体で形成されていてもよい。この場合も、ジョイントパイプ5とその外周面に被せた金属編組部4との接触部分が水濡れしても互いに異種金属ではないため腐食を起こすことはない。
【0034】
(3)シール部9はシール剤の塗布によるものではなく、ゴムリング等を装着してシール部9としてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 ワイヤハーネス
2 電線
3,20 金属パイプ
4 金属編組部
5、15 ジョイントパイプ
6 カシメリング
7 ゴム栓(弾性止水部材)
8、18 リテーナ
9 シール部
R1 第1領域
R2 第2領域
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】

【手続補正書】
【提出日】20151102
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電線が挿通される金属パイプと、
前記金属パイプから引き出された電線を覆うとともに、金属素線を編組して形成された金属編組部と、
一端側には前記金属パイプが接続され、他端側には前記金属編組部が接続されるジョイントパイプとを備え、
前記ジョイントパイプは前記金属編組部と同種の金属または絶縁体で形成されており、
かつ前記金属パイプは前記ジョイントパイプに対し内側に挿通されて接続がなされているとともに、前記金属パイプの外周面であって端部寄りの部位には前記ジョイントパイプの一端側が突き当て可能な突起部が形成されていることを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、前記電線を密着状態で貫通しその外周面が前記接続部分の内周面に密着する弾性止水部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、前記弾性止水部材に軸方向から当接して前記弾性止水部材の軸方向の位置決めを行うリテーナが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分は、外周面側から多角形状にかしめられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
前記突起部と前記ジョイントパイプの前記一端側とが突き当てられる部分には、この突き当て部位からの浸水を防止するためのシール部が全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記リテーナは、前記弾性止水部材と当接する側とは反対側へ延出しつつ外周側へ折り返され、かつこの折り返し部分に形成された凹部へ前記ジョイントパイプの端部が突き当たる深さまで差し込まれていることを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネス。
【請求項7】
内部に電線が挿通される金属パイプと、
前記金属パイプから引き出された電線を覆うとともに、金属素線を編組して形成された金属編組部と、
一端側には前記金属パイプが接続され、他端側には前記金属編組部が接続されるジョイントパイプとを備え、
前記ジョイントパイプは前記金属編組部と同種の金属または絶縁体で形成され、かつ前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、
前記電線を密着状態で貫通しその外周面が前記接続部分の内周面に密着する弾性止水部材と、前記弾性止水部材に軸方向から当接して前記弾性止水部材の軸方向の位置決めを行うリテーナとが設けられ、
さらに、前記リテーナは、前記弾性止水部材と当接する側とは反対側へ延出しつつ外周側へ折り返され、かつこの折り返し部分に形成された凹部へ前記ジョイントパイプの端部が突き当たる深さまで差し込まれていることを特徴とするワイヤハーネス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、内部に電線が挿通される金属パイプと、
前記金属パイプから引き出された電線を覆うとともに、金属素線を編組して形成された金属編組部と、
一端側には前記金属パイプが接続され、他端側には前記金属編組部が接続されるジョイントパイプとを備え、
前記ジョイントパイプは前記金属編組部と同種の金属または絶縁体で形成されており、
かつ前記金属パイプは前記ジョイントパイプに対し内側に挿通されて接続がなされているとともに、前記金属パイプの外周面であって端部寄りの部位には前記ジョイントパイプの一端側が突き当て可能な突起部が形成されるようにした。
さらに、他の発明は、内部に電線が挿通される金属パイプと、前記金属パイプから引き出された電線を覆うとともに、金属素線を編組して形成された金属編組部と、一端側には前記金属パイプが接続され、他端側には前記金属編組部が接続されるジョイントパイプとを備え、前記ジョイントパイプは前記金属編組部と同種の金属または絶縁体で形成され、かつ前記ジョイントパイプと前記金属パイプとの接続部分の内側には、前記電線を密着状態で貫通しその外周面が前記接続部分の内周面に密着する弾性止水部材と、前記弾性止水部材に軸方向から当接して前記弾性止水部材の軸方向の位置決めを行うリテーナとが設けられ、さらに、前記リテーナには、前記弾性止水部材と当接する側とは反対側へ延出しつつ外周側へ折り返され、かつこの折り返し部分に形成された凹部へ前記ジョイントパイプの端部が突き当たる深さまで差し込まれていることを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明では、金属編組部と同種の金属または絶縁体からなるジョイントパイプを介して金属パイプと金属編組部との接続を行っている。したがって、金属パイプと金属編組部とが異種金属によって形成されている場合においても、電食の虞がない。
また、金属パイプにジョイントパイプの一端側を突き当て保持する突起部を設けたことにより、金属パイプとジョイントパイプの位置決めがなされて、金属パイプが必要以上にジョイントパイプに挿入されて弾性止水部材が適切な位置で内嵌固定できなくなるのを防ぐことができる。
また、他の発明によれば、上記の効果に加え、次の効果もある。すなわち、弾性止水部材によって金属パイプの内部への水の進入を防止することができる。また、リテーナが弾性止水部材に当接することで弾性止水部材を軸方向に関して予定された位置に位置決めすることができる。
さらに、リテーナは、弾性止水部材と当接する側とは反対側へ延出しつつ外周側へ折り返され、かつこの折り返し部分に形成された凹部へジョイントパイプの端部が突き当たる深さまで差し込まれるようにしたため、リテーナ自体も軸方向に関して位置決めがなされるため、弾性止水部材をより精度よく位置決めすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
【図1】第1実施形態のワイヤハーネスを示す一部概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(A)は図2のB−B線断面図であり、(B)は図2のC−C線断面図である。
【図4】第2実施形態のワイヤハーネスを示す一部概略断面図である。
【図5】リテーナの凹部とジョイントパイプの端末との嵌合構造を示す説明図である。
【図6】参考例における金属パイプの断面図
【図7】参考例のワイヤハーネスを示す一部概略断面図である。
【図8】従来例を示す図である。
【図9】従来例を示し、(A)はワイヤハーネス端末側を示す概略斜視図であり、(B)はD−D線断面図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
図6及び図7は本発明の参考例を示している。
参考例においては、金属パイプ20の構成を変更している。すなわち、本参考例に係る金属パイプ20は、図6に示すように、断面が3層構造となっている。最内層及び最外層は共に樹脂層20a,20bであり、これらに挟まれた中間層はアルミニウム系金属からなる金属層20cとなっている。本発明の金属パイプ20は内部に長さ方向に沿って金属層20cを有しているため、全長に亘ってシールド性が確保されている。このように、本発明の「金属パイプ」は金属層20cが樹脂層20a,20b内にインサートされた構成も含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
金属編組部4等、他の構成は実施形態1と同様であり、共通の構成については同一符号を付すことで説明は省略する。このように構成された参考例においても、第1・第2実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。
【国際調査報告】