(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014057514
(43)【国際公開日】20140417
【発行日】20160825
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20160729BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20160729BHJP
   B60G 9/04 20060101ALI20160729BHJP
   B60G 11/04 20060101ALI20160729BHJP
【FI】
   !B60K1/00
   !B60K1/04 Z
   !B60G9/04
   !B60G11/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】2014540641
(21)【国際出願番号】JP2012006491
(22)【国際出願日】20121010
(11)【特許番号】5923176
(45)【特許公報発行日】20160524
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 義基
【住所又は居所】兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会社 明石工場内
(72)【発明者】
【氏名】野崎 琢磨
【住所又は居所】兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会社 明石工場内
【テーマコード(参考)】
3D235
3D301
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB17
3D235BB18
3D235DD13
3D235DD16
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3D301DA04
(57)【要約】
本発明に係る電動車両(1)は、左右の駆動輪(4)を回転駆動するため駆動力を発生する電気モータ(19)と、電気モータ(19)の電源であるバッテリ(22,23)と電気モータ(19)に交流電力を供給するインバータ(21)と、左右の駆動輪(4)の間に配置されたディファレンシャル装置(26)と、電気モータ(19)により発生された駆動力をディファレンシャル装置(26)に伝達する動力伝達機構(25)と、を備える。ディファレンシャル装置(26)、動力伝達機構(25)及び電気モータ(19)が車幅方向に直線状に並べられ、電気モータ(19)が車両(1)の車幅中央(WC)に対して車幅方向一側に偏在すると共に、インバータ(21)が車両(1)の車幅中央(WC)に対して車幅方向前記一側に偏在している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の駆動輪を回転駆動するため駆動力を発生する電気モータと、
前記電気モータの電源であるバッテリと、
前記電気モータに交流電力を供給するインバータと、
前記左右の駆動輪の間に配置されたディファレンシャル装置と、
前記電気モータにより発生された駆動力を前記ディファレンシャル装置に伝達する動力伝達機構と、を備え、
前記ディファレンシャル装置、前記動力伝達機構及び前記電気モータが、車幅方向に直線状に並べられ、
前記電気モータが車両の車幅中央に対して車幅方向一側に偏在すると共に、前記インバータが車両の車幅中央に対して車幅方向前記一側に偏在している、電動車両。
【請求項2】
前記バッテリが、前記電気モータと前後方向に隣接すると共に前記インバータと車幅方向に隣接する、請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記インバータの少なくとも一部が、前記左右の駆動輪のうち車幅方向前記一側の駆動輪の内側面よりも、車幅方向前記一側へと突出し、
前記バッテリが、前記インバータの車幅方向他側で前記インバータに隣接し、車幅方向において前記左右の駆動輪の間に配置される、請求項1又は2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記左右の駆動輪から前後方向に離れた他の車輪と、
前記電気モータにより発生された駆動力を前記他の車輪に分配する動力分配装置と、
前記動力分配装置で取り出された駆動力を前記他の車輪に伝達するドライブシャフトと、を備え、
前記動力分配装置が、前記ディファレンシャル装置の車幅方向他側に配置され、前記ドライブシャフトが、前記動力分配装置から前記他の車輪に向け、車両の車幅中央に対して車幅方向前記他側で前後方向に延びる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項5】
前記左右の駆動輪が、車幅方向の両側において前後方向に延びるリーフスプリングを介して車体に接続される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項6】
前記左右の駆動輪が左右の後輪であり、
前記電気モータの前端が前記後輪の前端部付近に位置すると共に、前記バッテリの後端が前記後輪の前端部付近に位置する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項7】
前記バッテリに対し冷却風を車幅方向に流す冷却風ラインを備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項8】
冷却風が前記冷却風ラインに沿って前記他側から前記一側に向けて流れ、
前記インバータは、前記バッテリの車幅方向前記一側で前記バッテリに隣接し、冷却風の流れ方向において前記バッテリよりも風下に配置される、請求項7に記載の電動車両。
【請求項9】
前記バッテリの車幅方向前記一側に、前記インバータと隣接して、電装品が配置される、請求項8に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の駆動輪を回転駆動する電気モータを備えた電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、電動四輪車等の左右の駆動輪を有した電動車両では、電気モータにより発生された駆動力がディファレンシャル装置を介して左右の駆動輪に伝達される。一方、電動車両は、バッテリ及びインバータ等、電気モータの駆動のため様々な電気機器が搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−73582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気モータからディファレンシャル装置に至るパワーユニットが大型化すると、これら電気機器を配置するスペースをうまく確保することができなくなる。すると、電気機器同士を接続する配線が長くなり過ぎてしまい、それにより結線作業の煩雑化を招く。
【0005】
そこで本発明は、電動車両のパワーユニットをコンパクトにまとめ、電動車両に搭載される電気機器同士を接続する配線を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成すべくなされたものであり、本発明に係る電動車両は、左右の駆動輪を回転駆動するため駆動力を発生する電気モータと、前記電気モータの電源であるバッテリと、前記電気モータに交流電力を供給するインバータと、前記左右の駆動輪の間に配置されたディファレンシャル装置と、前記電気モータにより発生された駆動力を前記ディファレンシャル装置に伝達する動力伝達機構と、を備え、前記ディファレンシャル装置、前記動力伝達機構及び前記電気モータが、車幅方向に直線状に並べられ、前記電気モータが車両の車幅中央に対して車幅方向一側に偏在すると共に、前記インバータが車両の車幅中央に対して車幅方向前記一側に偏在している。
【0007】
前記構成によれば、ディファレンシャル装置、動力伝達機構及び電気モータのユニット(以下「パワーユニット」とも称する)が前後方向にコンパクトにまとまる。電気モータは、ディファレンシャル装置から車幅方向に離れて配置され、車両の車幅中央に対して車幅方向一側に偏在するところ、インバータが当該一側に偏在している。このため、インバータを電気モータに接続してインバータからの交流を流す配線を、短くすることができる。
【0008】
前記バッテリが、前記電気モータと前後方向に隣接すると共に前記インバータと車幅方向に隣接してもよい。
【0009】
パワーユニットは車幅方向に直線状に並ぶので、パワーユニットの前又は後には、比較的大きいスペースが確保されるし、インバータが電気モータと共に車幅方向一側に偏在するので、インバータの車幅方向他側にも、比較的大きいスペースが確保される。バッテリを電気モータと前後方向に隣接させる共にインバータと車幅方向に隣接させると、バッテリを比較的大きいスペースに配置することができる。よって、バッテリを大型化することができる。
【0010】
前記インバータの少なくとも一部が、前記左右の駆動輪のうち車幅方向前記一側の駆動輪の内側面よりも、車幅方向前記一側へと突出し、前記バッテリが、前記インバータの車幅方向他側で前記インバータと隣接し、車幅方向において前記左右の駆動輪の間に配置されてもよい。
【0011】
前記構成によれば、インバータが、車両の車幅中央から車幅方向一側(すなわち車幅方向外方)に遠ざかるので、インバータの車幅方向他側で、バッテリを配置するためのスペースが広く確保される。よって、バッテリを大型化することができる。
【0012】
前記左右の駆動輪から前後方向に離れた他の車輪と、前記電気モータにより発生された駆動力を前記他の車輪に分配する動力分配装置と、前記動力分配装置から前記他の車輪に駆動力を伝達するドライブシャフトと、を備え、前記動力分配装置が、前記ディファレンシャル装置の車幅方向他側に配置され、前記ドライブシャフトが、前記動力分配装置から前記他の車輪に向け、車両の車幅中央に対して車幅方向前記他側で前後方向に延びてもよい。
【0013】
前記構成によれば、左右の駆動輪から前後方向に離れた車輪を駆動して車両を走行させることができる。そのためにドライブシャフトが設けられるところ、このドライブシャフトは、車幅方向において電気モータ及びインバータが配置されている側とは反対側で、前後方向に延びている。よって、ドライブシャフトがパワーユニット、インバータ及びこれらの間を繋ぐ配線と干渉するおそれを考慮する必要がなく、ドライブシャフトの配置自由度が高くなる。なお、バッテリをパワーユニット及びインバータに隣接させている場合には、ドライブシャフトをバッテリと干渉しないように配置することも簡単になる。
【0014】
前記左右の駆動輪が、車幅方向の両側において前後方向に延びるリーフスプリングを介して車体に接続されてもよい。
【0015】
前記構成によれば、例えば車体と左右の駆動輪それぞれとの間にコイルスプリング式のサスペンションを設けた場合と対比して、左右の駆動輪の周辺領域、特に左右の駆動輪の間の領域や駆動輪よりも上方の領域に、広くスペースを確保することができる。このため、パワーユニット及びインバータを車両の車幅中央に対して車幅方向一側に偏在させたり、パワーユニットを車幅方向に直線状に並べたりするというレイアウトを、容易に実現することができる。
【0016】
前記左右の駆動輪が左右の後輪であり、前記電気モータの前端が前記後輪の前端部付近に位置し、前記バッテリの後端が前記後輪の前端部付近に位置してもよい。
【0017】
前記構成によれば、電気モータの全部又は大部分が左右の後輪の前端部よりも後方のスペースに配置され、パワーユニットと左右の駆動輪とが前後方向に集約配置される。これにより後輪の前方に広いスペースが確保されるところ、バッテリの前端は後輪の前端部付近に位置しており、当該スペースがバッテリの配置に有効活用される。このようにバッテリをパワーユニットに近接させることで、バッテリとパワーユニットとが前後方向に集約配置され、バッテリを大型化可能になる。
【0018】
前記バッテリに対し冷却風を車幅方向に流す冷却風ラインを備えてもよい。
【0019】
前記構成によれば、バッテリを空冷することができ、バッテリの性能劣化を抑えることができる。
【0020】
冷却風が前記冷却風ラインに沿って前記他側から前記一側に向けて流れ、前記インバータは、前記バッテリの車幅方向前記一側で前記バッテリに隣接し、前記冷却風ラインの冷却風流れ方向において前記バッテリよりも風下に配置されてもよい。
【0021】
前記構成によれば、バッテリを空冷するための冷却風を用いてインバータを空冷することができる。インバータはバッテリよりも風下に配置されるので、インバータで熱せられた風がバッテリに吹き付けられるのを防ぐことができ、バッテリの性能劣化を抑えることができる。
【0022】
前記バッテリの車幅方向前記一側に、前記インバータと隣接して、電装品が配置されてもよい。
【0023】
前記構成によれば、バッテリを空冷するための冷却風を用いて、インバータと共に電装品を空冷することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上の説明から明らかように、本発明によれば、電動車両のパワーユニットをコンパクトにまとめることができ、電動車両に搭載される電気機器同士を接続する配線を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るユーティリティビークルを示す斜視図である。
【図2】図1のユーティリティビークルを示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態の第1変形例に係るユーティリティビークルの駆動輪周辺の平面図である。
【図4】本発明の実施形態の第2変形例に係るユーティリティビークルの駆動輪周辺の平面図である。
【図5】本発明の実施形態の第3変形例に係るユーティリティビークルの駆動輪周辺の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同一の又は相当する要素には全ての図を通じて同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下の方向の概念は、電動四輪車に搭乗した運転者から見る方向を基準としており、左右方向は車両の車幅方向と一致し、前後方向は車両の車長方向と一致する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るユーティリティビークル1を示す斜視図である。図1に示すように、ユーティリティビークル1は、内燃機関を備えず、電力を供給する電源から回転動力を発生して車輪を駆動する電動車両である。ユーティリティビークル1は、車体2の前部に左右一対の前輪3を備え、後部に左右一対の後輪4を備えている。前輪3及び後輪4は、いわゆるバルーンタイヤを有している。左右の前輪3の間のフロント空間S1はボンネット5により上方から覆われている。ボンネット5の後方である車体前後方向の中央付近には、運転者及び同乗者が着座する横長のシート6が設けられている。車体2には、フロント空間S1とシート6が配置された搭乗空間S2とを仕切るダッシュボード7が設けられている。車体2には、ボンネット5の左右両側からシート6の斜め後下方のフロアフレーム11にわたって、シート6が配置された搭乗空間S2を囲むキャビンフレーム8(ROPS)が設けられている。
【0028】
キャビンフレーム8は金属製の円筒パイプであり、搭乗空間S2の前後左右及び上部を開放するように形成されている。車体2には、搭乗空間S2の後方において荷台9が設けられている。荷台9は、平面視四角形の底壁と、底壁の四辺から上方に突出する側壁とを有しており、上方に開放されている。荷台9は、手動又は自動で後傾するようにバンク可能である。
【0029】
図2は、図1のユーティリティビークル1を示す平面図である。なお、図2は、シート6及び荷台9(図1参照)を取り外した状態を示している。図2に示すように、車体2は、シート6(図1参照)を下方から支持するシートフレーム12を有している。シートフレーム12には、前後に延びる左右一対のリヤフレーム13の前端部が接続されており、リヤフレーム13は、荷台9(図1参照)を下方から支持する。左右のリヤフレーム13の後側部分は、車幅方向に延びるクロスメンバ14により互いに接続されている。後輪4には、車幅方向に延びる車軸16が接続されており、左右の後輪4のハブ15を左右に連結する連結部材17が車軸16の後方で車幅方向に延びている。
【0030】
左右のリヤフレーム13の下面にはそれぞれ、前後に延びる左右一対のリーフスプリング18が設けられている。リーフスプリング18は、板ばねであり、車体2の車幅方向外側部分に配置されて下方に湾曲している。リーフスプリング18は、前後方向の両端部においてリヤフレーム13に固定され、前後方向の中央部(すなわち、下方に湾曲した部分)においてリヤフレーム13の下方に配置されたハブ15の外面に連結されている。このように、左右の後輪4は、ハブ15及びリーフスプリング18を介して、車体2(詳細にはリヤフレーム13)に連結され、路面から後輪4に伝わる振動及び衝撃がリーフスプリング18で緩衝される。
【0031】
車体2には、後輪4を(四輪駆動時には前輪3も)駆動するため駆動力を発生する電気モータ19と、電気モータ19を制御するためのインバータ21と、インバータ21に供給する電力を蓄えた第1及び第2バッテリユニット22,23とが設けられている。バッテリユニット22,23は、その左部の外面(本例では上面)に外部充電コネクタ(図示せず)を接続するための充電口22a,23aを有している。電気モータ19、インバータ21、第1及び第2バッテリユニット22,23は、ダッシュボード7よりも後方に設けられている。
【0032】
これらのうち第1バッテリユニット22以外の電装品19,21,23は、キャビンフレーム8よりも後方で且つ荷台9(図1参照)で覆われた下方に配置されている。第1バッテリユニット22は、シート6(図1参照)の下方のシートフレーム12で囲まれた空間に配置されている。
【0033】
電気モータ19には、動力伝達機構25が接続されており、動力伝達機構25には、第1ディファレンシャル装置26が接続されている。動力伝達機構25は、電気モータ19が発生した駆動力を変速し、第1ディファレンシャル装置26に伝達する。動力伝達機構25は、例えばCVT(Continuously Variable Transmission)であり、その他の変速機構であってもよい。また、動力伝達機構25は、電気モータ19が発生した駆動力を単に所定の減速比で減速するだけの減速機であってもよいし、変速機構と単純な減速機構とが組み合わされていてもよい。また、動力伝達機構25は、車両の進行方向を切り換えるため、その出力軸(図示せず)の回転方向を切り換える前後進切替機構を含んでいてもよい。第1ディファレンシャル装置26は、車幅方向において左右の後輪4の間に配置されており、差動歯車(図示せず)を収容している。差動歯車の入力は動力伝達機構25の出力軸に接続される。差動歯車の出力は左右に対を成しており、該一対の出力が左右の車軸16それぞれに接続されている。
【0034】
上記構成のユーティリティビークル1においては、第1及び第2バッテリユニット22,23に蓄えられた電力がインバータ21で交流に変換され、変換された交流がインバータ21から電気モータ19に供給され、電気モータ19が駆動力を発生する。電気モータ19により発生された駆動力は、動力伝達機構25、第1ディファレンシャル装置26及び左右の車軸16を介して左右の後輪4に伝達され、これにより後輪4が回転駆動される。
【0035】
一方、車幅方向において左右の前輪3の間には、第2ディファレンシャル装置27が配置されており、左右の前輪3は、左右一対の車軸28それぞれを介して第2ディファレンシャル装置27に接続されている。第2ディファレンシャル装置27は、フロント空間S1内に収容され、平面視で車両の車幅方向における中心線(以下、「車幅中央WC」とも称する)上に位置している。
【0036】
第1ディファレンシャル装置26には、動力分配装置29が接続されており、動力分配装置29は、ドライブシャフト30を介して第2ディファレンシャル装置27に接続されている。ドライブシャフト30は、前後に離れた第1及び第2ディファレンシャル装置26,27を互いに接続するため、前後に延びている。これにより、動力伝達機構25から第1ディファレンシャル装置26に入力されようとする駆動力が、動力分配装置29、ドライブシャフト30、第2ディファレンシャル装置26及び左右の車軸27を介して前輪3にも分配される。なお、動力分配装置29は、前輪3にも駆動力を分配するか否かを切り換えるクラッチ(図示せず)を含み、クラッチの作動によって後輪4のみを駆動する状態と、四輪3,4を駆動する状態とを切り換えることができる。
【0037】
以下、図2を参照しながら、第1ディファレンシャル装置26、動力伝達機構25、電気モータ19及びその周辺の機器及び装置の配置について説明する。以降の説明では、第1ディファレンシャル装置26、動力伝達機構25及び電気モータ19から成るユニットを「パワーユニット」と称する場合がある。
【0038】
図2に示すように、第1ディファレンシャル装置26は、車幅方向において左右の後輪3の間に配置され、車幅中央WC上に位置する。第1ディファレンシャル装置26は、平面視で車軸16よりも前側に突出する部分を有しており、当該部分の車幅方向一側(本例では左側)に、動力伝達機構25が接続されている。動力伝達機構25の車幅方向一側(本例では左側)に、電動モータ19が接続されている。
【0039】
このようにして、第1ディファレンシャル装置26、動力伝達機構25及び電気モータ19は、車幅方向に直線状に並べられ、この順で車幅中央WCから車幅方向一側(本例では左側)に向けて延びている。よって、パワーユニットが前後方向及び上下方向にコンパクトにまとまる。動力伝達機構25及び電気モータ19は、左側の車軸16の前側に配置され、当該車軸16と前後方向に隣接している。
【0040】
第1ディファレンシャル装置26は、車幅中央WC上に位置している。電気モータ19は、この第1ディファレンシャル装置26と動力伝達機構25を車幅方向に挟むように配置され、第1ディファレンシャル装置26から車幅方向に離れている。このため、電気モータ19は、車幅中央WCに対して車幅方向一側(本例では左側)に偏在している。
【0041】
偏在配置の実現のため、電気モータ19の出力軸(図示せず)は、車幅方向に指向しており、車幅方向他側(本例では右側)に突出して動力伝達機構25の入力に接続されている。このような軸配置により、パワーユニットの長手方向が車幅方向に延びるように配置しやすくなる。前述したとおり、本実施形態では後輪4の緩衝装置にリーフスプリング18を採用している。リーフスプリング18は、車体2の車幅方向外側部分に配置されて前後に延びている。本実施形態ではリーフスプリング18がリヤフレーム13と平面視で重なって前後に延びており、リヤフレーム13から車幅方向への突出量が小さい。このため、リーフスプリング18よりも車幅方向内側に大きな空間を確保することができる。特に、緩衝装置にコイルスプリングを適用する場合と対比して、後輪4の周辺領域、特に左右の後輪3の間の領域や後輪3よりも上方の領域に、広いスペースを確保することができる。このため、パワーユニットを車幅方向に直線状に並べたり、電気モータ19を車幅方向一側に偏在させたりするレイアウトを容易に実現することができ、電気モータ19をリヤフレーム13に近接させることができる。
【0042】
そして、インバータ21が、車幅中央WCに対して車幅方向一側(本例では左側)、すなわち電気モータ19と同じ側に偏在している。本実施形態では、インバータ21が電気モータ19の前側に配置され、電気モータ19と前後方向に隣接している。インバータ21は、後輪4よりも前側に配置されている。このため、インバータ21を電気モータ19に接続する配線31を短くすることができ、当該配線の結線作業が簡便になるし、インバータ21と電気モータ19との間で電圧降下が生じたりサージ電流が生じたりするのを抑えることができる。配線31は、インバータ21のうち電気モータ19と対向する後面から取り出されているので、当該配線31を良好に短くすることができる。また、本実施形態では、インバータ21、電気モータ19及びバッテリユニット22,23がいずれもダッシュボード7よりも後方に配置されているので、ダッシュボード7を跨ぐように配線を配置する必要がなく、結線作業が簡単になるし配線長さを短くすることができる。
【0043】
パワーユニットは車幅方向に直線状に並ぶので、パワーユニットの前又は後には、比較的大きいスペースが確保される。本実施形態では、前述のとおり、動力伝達機構25及び電気モータ19が車幅方向一側(本例では左側)の車軸16の前側に隣接しており、そのため、パワーユニットの前側に、大きいスペースが確保されている。インバータ21は、電気モータ19と共に車幅方向一側(本例では左側)に偏在しているので、インバータ21を電気モータ19と前後方向に隣接させながらも、パワーユニットの前に確保されたスペースがインバータ21で占有されるのを極力回避している。
【0044】
このようにして、パワーユニットの前側且つインバータ21の車幅方向他側(本例では右側)には、大きなスペースが確保される。第2バッテリユニット23は、電気モータ19と前後方向に隣接すると共にインバータ21と車幅方向に隣接している。すなわち、第2バッテリユニット23は、パワーユニット及びインバータ21に囲まれたスペースに収容されている。当該スペースは、パワーユニットの直線的レイアウトやインバータ21の偏在配置により広くなっているので、第2バッテリユニット23を容易に大型化することができ、それによりユーティリティビークル1の航続距離が長くなる。
【0045】
特に、本実施形態では、インバータ21の略全部が、車幅方向一側(本例では左側)の後輪4の内側面4aよりも車幅方向一側(本例では左側)に突出している。インバータ21の全部が、車幅方向一側(本例では左側)のリヤフレーム13よりも車幅方向一側(本例では左側)に配置されている。このように、パワーユニットと左右のリヤフレーム13とで囲まれたスペースは、インバータ21の配置に利用されていない。そこで、このスペースを、第2バッテリユニット23の配置にそっくりそのまま活用している。このため、第2バッテリユニット23を容易に大型化することができるし、当該スペースへの取付け作業も、他の機器又は装置との干渉を考慮する必要性がなくなって簡便になる。また、左右に梁状に延びる金属製フレーム32を用いて、第2バッテリユニット23をリヤフレーム13で支持しやすくなる。よって、第2バッテリユニット23が大型且つ重量物であっても、第2バッテリユニット23を車体2で安定的に支持することができる。
【0046】
更に、パワーユニットの前端が、後輪4の前端部付近に位置している。つまり、パワーユニットの全部又は大部分が後輪4の前端よりも後方のスペースに配置され、パワーユニットの前側のスペースを前後方向に極力広くすることができる。そして、第2バッテリユニット23の後端が、後輪4の前端部付近に位置している。つまり、第2バッテリユニット23が、広く確保されたスペースを前後方向に有効活用して配置されている。このように、前後方向にコンパクトにまとめられたパワーユニットを極力後方に配置し且つ第2バッテリユニット23をパワーユニットと前後方向に近接させたことにより、第2バッテリユニット23を前後方向に良好に大型化することができる。
【0047】
このように、バッテリユニット22,23は前後方向において前輪3及び後輪4の間に配置され、車両全体の前後方向中央部分に配置される。このため、車両の重心を前後方向中央部分に配置しやすくなり、それにより走行安定性を向上することができる。また、パワーユニットの全部又は大部分が後輪4の車軸16よりも前方に配置されるので、荷台9をバンクしたときに荷台9とパワーユニットとの干渉を防ぐことができる。
【0048】
逆に、動力分配装置29は、第1ディファレンシャル装置26の車幅方向他側(本例では右側)に接続され、車幅中央WCに対して車幅方向他側(本例では右側)に偏在している。そのため、ドライブシャフト30は、車幅中央WCよりも車幅方向他側(本例では右側)の領域で、動力分配装置29から前輪3(詳細には第2ディファレンシャル装置27)に向けて前後方向に延在している。動力分配装置29を上記のとおり配置したので、ドライブシャフト30が、動力伝達機構25や電気モータ19やインバータ21や電気モータ19とインバータ21の間の配線等と干渉するおそれを考慮しなくてもよくなり、ドライブシャフト30の配置自由度が高くなる。本実施形態では、動力分配装置29も、第1ディファレンシャル装置26、動力伝達機構25及び電気モータ19と共に車幅方向に直線状に並べられている。これにより、ドライブシャフト30を車幅中央WCからなるべく車幅方向他側(本例では右側)に遠ざけて配置することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、第1バッテリユニット22は、バッテリ22bとバッテリ22bを収容するケーシング22cとを有し、第2バッテリユニット23も、これと同様にバッテリ23b及びケーシング23cを有している。ユーティリティビークル1は、ケーシング22c,23c内のバッテリ22b,23bに対して冷却風を流す冷却風ライン40を有している。ケーシング22c、冷却風をケーシング22c,23c内に取り入れるための流入口22d,23dと、冷却風をケーシング22c,23cから流出させるための流出口22e,23eとを有しており、流入口22d,23dは、ケーシング22c,23cの車幅方向他側部(本例では右部)に設けられ、流出口22e,23eは、ケーシング22c,23cの車幅方向一側部(本例では左部)に設けられている。
【0050】
第2バッテリユニット23の車幅方向他側には、エアクリーナ41が配置されており、エアクリーナ41には、その前側に冷却ファン42が接続されている。エアクリーナ41及び冷却ファン42は、車幅方向他側(本例では右側)のリヤフレーム13よりも車幅方向他側(本例では右側)、すなわち、車幅方向外側に配置されている。冷却ファン42の車幅方向一側部(本例では左側部)からは流入ダクト43が延びている。流入ダクト43は途中で分岐しており、分岐された2つの端部が、第1バッテリユニット22の流入口22dと第2バッテリユニット23の流入口23dとにそれぞれ接続されている。
【0051】
冷却ファン42が作動すると、外気がエアクリーナ41に取り込まれ、エアクリーナ41で清浄化されたエアが冷却ファン42から吐き出される。冷却ファン43からのエアは、ダクトを介して第1バッテリユニット22のケーシング22c内に流入し、また、第2バッテリユニット23のケーシング23c内に流入する。冷却ファン42は、後からエアを取り込み、車幅方向一側(本例では左側)に向けてエアを吐き出す。このため、シロッコファンを好適に適用することができる。
【0052】
ケーシング22c,23c内に流入したエアは、流入口22d,23dから流出口22e,23eに向けて、ケーシング22c,23c内で車幅方向に流れていく。この過程で、ケーシング22c,23c内のバッテリ22b,23bに対し、冷却風が車幅方向に流れていき、冷却風がバッテリ22b,23bと熱交換してバッテリ22b,23bが空冷される。このようにバッテリ22b,23bを空冷することができるので、バッテリ22b,23bの性能劣化を防ぐことができる。
【0053】
第1バッテリユニット22の流出口22e及び第2バッテリユニット23の流出口23eにはそれぞれ、風上側で二股に分岐した流出ダクト44の端部が接続されている。流出ダクト44の風下端部は合流されてインバータ21の近傍で開口している。このように、冷却風ライン40は、エアクリーナ41、冷却ファン42、流入ダクト43、第1バッテリユニット22のケーシング22c、第2バッテリユニット23のケーシング23c及び流出ダクト44によって構成されており、冷却風は、バッテリ22b,23bを通過する部分において、冷却風ライン40に沿って車幅方向他側(本例では右側)から一側(本例では一側)に向けて流れていく。そして、インバータ21には、バッテリ22b,23bとの熱交換後のエアが流出ダクト44から吹き付けられる。
【0054】
インバータ21は、バッテリ22b,23bよりも高熱になりやすい装置であり、バッテリ22b,23bとの熱交換後のエアであってもインバータ21を好適に冷却することができる。逆に、インバータ21で一次的に空冷し、この空冷後のエアでバッテリ22b,23bを二次的に空冷する場合には、インバータ21で熱せられたエアがバッテリ22b,23bに吹き付けられることとなり、バッテリ22b,23bを好適に冷却することができないおそれもある。本実施形態では、このようなおそれを回避することができる。冷却風ラインに沿って冷却風が車幅方向他側(本例では右側)から一側(本例では左側)に向けて流れるようにし、インバータ21を第1及び第2バッテリユニット22,23の車幅方向一側に配置していることで、インバータ21が冷却風ライン40の風下側に配置されることとなり、このような空冷システムが実現される。
【0055】
そして、本実施形態では、インバータ21の近傍に電装品35が配置されており、この電装品35も、インバータ21と同様にして、第1及び第2バッテリユニット22,23の車幅方向一側(本例では左側)に配置されている。この電装品35には、例えば、インバータ21を制御するための制御基板などが含まれる。この電装品にも、バッテリ22との熱交換後のエアを流出ダクト44から吹き付けることができ、インバータ21と共に電装品35を空冷することができる。
【0056】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。
【0057】
図3〜図5は、本発明の実施形態の第1〜第3変形例に係るユーティリティビークル1の駆動輪周辺の平面図である。図3〜図5に示すように、パワーユニット及びバッテリの配置は、上記実施形態のものに限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能である。
【0058】
上記実施形態では、インバータ21がバッテリユニット23の車幅方向一側に配置され、且つ後輪4よりも前側に配置されているが、図3〜図5に示すように、インバータ21はバッテリユニット23の後方に配置されてもよい。このとき、図3に示すように、インバータ21を電気モータ19の車幅方向一側に配置してもよい。図4に示すように、インバータ21を前後方向において電気モータ19とバッテリユニット23との間に配置してもよい。図5に示すように、インバータ21を電気モータ19と上下方向に重なるように配置してもよい。いずれにせよ、第1〜第3変形例においても、第1ディファレンシャル装置26、動力伝達機構25及び電気モータ19が車幅方向に直線状に並べられており、電気モータ19が車幅中央に対して車幅方向一側に偏在している。インバータ21も電気モータ19と同様にして車幅方向一側に偏在しており、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
また、上記実施形態においては、2つのバッテリユニットを個別に車両に搭載可能としたが、バッテリユニットの個数は特に限定されないし、2つのバッテリユニットが一体として形成されていてもよい。また、上記実施形態では、四輪駆動及び二輪駆動を切り換え可能な車両に適用するものとしたが、後輪のみを駆動して前輪を駆動しない車両にも本発明を適用可能である。この場合、上記実施形態における動力分配装置29及びドライブシャフト30は不要となる。また、パワーユニットは、車体後部に配置される場合に限られず、例えば前輪の駆動のため車体前部に配置されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態においては、本発明に係る電動車両をユーティリティビークル1に適用するとしたが、左右の駆動輪を備える電動式の車両であれば、ユーティリティビークルに限らず本発明を適用可能であり、従動輪を1輪のみとした電動三輪車にも本発明を適用可能である。また、電気モータの駆動力で走行可能な車両であれば本発明を適用可能であり、そのため、電気モータを走行駆動源の一部として備えるハイブリッド式の車両にも本発明を適用可能である。ただし、電気モータの他に走行駆動源を持たない純粋な電動車両には本発明を好適に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、パワーユニット(電気モータ、動力伝達機構及びディファレンシャル装置等からなるユニット)をコンパクトにまとめることができ、電気機器同士を接続する配線を短くすることができるとの作用効果を奏し、同様構成のパワーユニットを備える電動車両に適用すると有益である。
【符号の説明】
【0062】
WC 車幅中央
1 ユーティリティビークル(電動車両)
2 車体
3 前輪(他の駆動輪)
4 後輪(駆動輪)
4a 内側面
18 リーフスプリング
19 電気モータ
21 インバータ
22,23 バッテリユニット
22b,23b バッテリ
25 動力伝達機構
26 第1ディファレンシャル装置
27 第2ディファレンシャル装置
29 動力分配装置
30 ドライブシャフト
35 電装品
40 冷却風ライン
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

【手続補正書】
【提出日】20150925
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の駆動輪を回転駆動するため駆動力を発生する電気モータと、
前記電気モータの電源であるバッテリと、
前記電気モータに交流電力を供給するインバータと、
前記左右の駆動輪の間に配置されたディファレンシャル装置と、
前記電気モータにより発生された駆動力を前記ディファレンシャル装置に伝達する動力伝達機構と、を備え、
前記ディファレンシャル装置が、車両の車幅中央上に配置され、前記動力伝達機構が、前記ディファレンシャル装置の車幅方向一側に前記ディファレンシャル装置と隣接して配置され、前記電気モータが、前記動力伝達機構の車幅方向前記一側前記動力伝達機構と隣接して配置され、
前記電気モータが車両の前記車幅中央に対して車幅方向前記一側に偏在すると共に、前記インバータが車両の車幅中央に対して車幅方向前記一側に偏在している、電動車両。
【請求項2】
前記バッテリが、前記電気モータと前後方向に隣接すると共に前記インバータと車幅方向に隣接する、請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記インバータの少なくとも一部が、前記左右の駆動輪のうち車幅方向前記一側の駆動輪の内側面よりも、車幅方向前記一側へと突出し、
前記バッテリが、前記インバータの車幅方向他側で前記インバータに隣接し、車幅方向において前記左右の駆動輪の間に配置される、請求項1又は2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記左右の駆動輪から前後方向に離れた他の車輪と、
前記電気モータにより発生された駆動力を前記他の車輪に分配する動力分配装置と、
前記動力分配装置で取り出された駆動力を前記他の車輪に伝達するドライブシャフトと、を備え、
前記動力分配装置が、前記ディファレンシャル装置の車幅方向他側に配置され、前記ドライブシャフトが、前記動力分配装置から前記他の車輪に向け、車両の車幅中央に対して車幅方向前記他側で前後方向に延びる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項5】
前記左右の駆動輪が、車幅方向の両側において前後方向に延びるリーフスプリングを介して車体に接続される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項6】
前記左右の駆動輪が左右の後輪であり、
前記電気モータの前端が前記後輪の前端部付近に位置すると共に、前記バッテリの後端が前記後輪の前端部付近に位置する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項7】
車幅方向他側に配置されたファンと、
前記バッテリに対し、前記ファンからの冷却風を車幅方向に流す冷却風ラインと、を備え
前記冷却風ラインは、前記バッテリケースの車幅方向他側部に接続されて前記ファンからの冷却風を前記バッテリケース内に導く流入ダクト、および前記バッテリケースの車幅方向一側部に接続されて前記バッテリケースからエアを排出させる流出ダクトを含み、
冷却風は前記冷却風ラインに沿って前記他側から前記一側に向けて流れ、
前記インバータは、前記バッテリの車幅方向前記一側で前記バッテリに隣接し、冷却風の流れ方向において前記バッテリよりも風下に配置され、前記流出ダクトが前記インバータの近傍で開口している、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電動車両。
【請求項8】
前記バッテリの車幅方向前記一側に、前記インバータと隣接して、電装品が配置される、請求項に記載の電動車両。
【請求項9】
前記バッテリが、前記電気モータの上方に配置され前記電気モータと平面視で重なる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電動車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
第1ディファレンシャル装置26には、動力分配装置29が接続されており、動力分配装置29は、ドライブシャフト30を介して第2ディファレンシャル装置27に接続されている。ドライブシャフト30は、前後に離れた第1及び第2ディファレンシャル装置26,27を互いに接続するため、前後に延びている。これにより、動力伝達機構25から第1ディファレンシャル装置26に入力されようとする駆動力が、動力分配装置29、ドライブシャフト30、第2ディファレンシャル装置26及び左右の車軸2を介して前輪3にも分配される。なお、動力分配装置29は、前輪3にも駆動力を分配するか否かを切り換えるクラッチ(図示せず)を含み、クラッチの作動によって後輪4のみを駆動する状態と、四輪3,4を駆動する状態とを切り換えることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
図2に示すように、第1ディファレンシャル装置26は、車幅方向において左右の後輪の間に配置され、車幅中央WC上に位置する。第1ディファレンシャル装置26は、平面視で車軸16よりも前側に突出する部分を有しており、当該部分の車幅方向一側(本例では左側)に、動力伝達機構25が接続されている。動力伝達機構25の車幅方向一側(本例では左側)に、電動モータ19が接続されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
偏在配置の実現のため、電気モータ19の出力軸(図示せず)は、車幅方向に指向しており、車幅方向他側(本例では右側)に突出して動力伝達機構25の入力に接続されている。このような軸配置により、パワーユニットの長手方向が車幅方向に延びるように配置しやすくなる。前述したとおり、本実施形態では後輪4の緩衝装置にリーフスプリング18を採用している。リーフスプリング18は、車体2の車幅方向外側部分に配置されて前後に延びている。本実施形態ではリーフスプリング18がリヤフレーム13と平面視で重なって前後に延びており、リヤフレーム13から車幅方向への突出量が小さい。このため、リーフスプリング18よりも車幅方向内側に大きな空間を確保することができる。特に、緩衝装置にコイルスプリングを適用する場合と対比して、後輪4の周辺領域、特に左右の後輪の間の領域や後輪よりも上方の領域に、広いスペースを確保することができる。このため、パワーユニットを車幅方向に直線状に並べたり、電気モータ19を車幅方向一側に偏在させたりするレイアウトを容易に実現することができ、電気モータ19をリヤフレーム13に近接させることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
冷却ファン42が作動すると、外気がエアクリーナ41に取り込まれ、エアクリーナ41で清浄化されたエアが冷却ファン42から吐き出される。冷却ファン4からのエアは、ダクトを介して第1バッテリユニット22のケーシング22c内に流入し、また、第2バッテリユニット23のケーシング23c内に流入する。冷却ファン42は、後からエアを取り込み、車幅方向一側(本例では左側)に向けてエアを吐き出す。このため、シロッコファンを好適に適用することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
そして、本実施形態では、インバータ21の近傍に電装品35が配置されており、この電装品35も、インバータ21と同様にして、第1及び第2バッテリユニット22,23の車幅方向一側(本例では左側)に配置されている。この電装品35には、例えば、インバータ21を制御するための制御基板などが含まれる。この電装品にも、バッテリ22との熱交換後のエアを流出ダクト44から吹き付けることができ、インバータ21と共に電装品35を空冷することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】

【手続補正書】
【提出日】20160226
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の駆動輪を回転駆動するため駆動力を発生する電気モータと、
前記電気モータの電源であるバッテリと、
前記電気モータに交流電力を供給するインバータと、
前記左右の駆動輪の間に配置されたディファレンシャル装置と、
前記電気モータにより発生された駆動力を前記ディファレンシャル装置に伝達する動力伝達機構と、
車幅方向他側に配置されたファンと、
前記バッテリに対し、前記ファンからの冷却風を車幅方向に流す冷却風ラインと、を備え、
前記ディファレンシャル装置が、車両の車幅中央上に配置され、前記動力伝達機構が、前記ディファレンシャル装置の車幅方向一側に前記ディファレンシャル装置と隣接して配置され、前記電気モータが、前記動力伝達機構の車幅方向前記一側に前記動力伝達機構と隣接して配置され、
前記電気モータが車両の前記車幅中央に対して車幅方向前記一側に偏在すると共に、前記インバータが車両の車幅中央に対して車幅方向前記一側に偏在しており、
前記冷却風ラインは、前記バッテリケースの車幅方向他側部に接続されて前記ファンからの冷却風を前記バッテリケース内に導く流入ダクト、および前記バッテリケースの車幅方向一側部に接続されて前記バッテリケースからエアを排出させる流出ダクトを含み、
冷却風は前記冷却風ラインに沿って前記他側から前記一側に向けて流れ、
前記インバータは、前記バッテリの車幅方向前記一側で前記バッテリに隣接し、冷却風の流れ方向において前記バッテリよりも風下に配置され、前記流出ダクトが前記インバータの近傍で開口している、電動車両。
【請求項2】
前記バッテリの車幅方向前記一側に、前記インバータと隣接して、電装品が配置される、請求項に記載の電動車両。
【請求項3】
前記バッテリが、前記電気モータの上方に配置され前記電気モータと平面視で重なる、請求項1又は2に記載の電動車両。
【国際調査報告】