(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014057780
(43)【国際公開日】20140417
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】フッ素化ナフタレン構造を持つ化合物及びその液晶組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 43/225 20060101AFI20160808BHJP
   C09K 19/32 20060101ALI20160808BHJP
   C09K 19/34 20060101ALI20160808BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   !C07C43/225 CCSP
   !C09K19/32
   !C09K19/34
   !G02F1/13 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】39
【出願番号】2014521773
(21)【国際出願番号】JP2013075266
(22)【国際出願日】20130919
(11)【特許番号】5622066
(45)【特許公報発行日】20141112
(31)【優先権主張番号】2012224114
(32)【優先日】20121009
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
【住所又は居所】東京都板橋区坂下3丁目35番58号
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(72)【発明者】
【氏名】東條 健太
【住所又は居所】埼玉県北足立郡伊奈町大字小室4472−1 DIC株式会社 埼玉工場内
(72)【発明者】
【氏名】楠本 哲生
【住所又は居所】埼玉県北足立郡伊奈町大字小室4472−1 DIC株式会社 埼玉工場内
【テーマコード(参考)】
4H006
4H027
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB64
4H006GP03
4H006GP22
4H027BD01
4H027BD02
4H027BD09
4H027DH05
4H027DK05
(57)【要約】
大きな誘電率異方性(Δε)、高いネマチック相上限温度(Tni)及び高い保存安定性を併せ持つ、有機電子材料や医農薬、特に液晶表示素子用材料として有用な化合物として、一般式(1)

で表される化合物を提供する。さらに、一般式(1)で表される化合物を含有する液晶組成物、該液晶組成物を使用した液晶表示素子を提供する。一般式(1)で表される化合物は、大きなΔε、高いTni及び他の液晶化合物との高い混和性を併せ持つ。従って、一般式(1)で表される化合物を液晶組成物の成分として用いる事により、大きなΔε及び広い温度範囲で液晶相を示す液晶組成物を得ることができるため、液晶表示素子用の液晶組成物の構成成分として非常に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、Rは炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、
〜Aはそれぞれ独立して、
(a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立してO−又は−S−に置き換えられても良い。)
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。)
からなる群より選ばれる基であり、
〜Zは各々独立して、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、存在するZ〜Zの内一つは必ず−CFO−又は−OCF−であり、
〜Xは各々独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、
nは0又は1を表す。)で表される化合物。
【請求項2】
一般式(1)において、存在するZ及びZが単結合を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式(1)において、Xが水素原子を表す請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
一般式(1)において、存在するA〜Aが各々独立して、
【化2】
を表す請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
一般式(1)において、X〜Xがフッ素原子を表す請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
一般式(1)において、nが0を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
一般式(1)において、nが1を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
一般式(1)において、Zが−CFO−でありZが単結合を表す請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
一般式(1)において、Zが単結合でありZが−CFO−を表す請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物を一種又は二種以上含有する液晶組成物。
【請求項11】
請求項10記載の液晶組成物を使用した液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電子材料や医農薬、特に液晶表示素子用材料として有用なフッ素化ナフタレン構造を持つ化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた垂直配向型やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型等がある。これらの液晶表示素子に用いられる液晶組成物は水分、空気、熱、光などの外的要因に対して安定であること、また、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相(ネマチック相、スメクチック相及びブルー相等)を示し、低粘性であり、かつ駆動電圧が低いことが求められる。さらに液晶組成物は個々の表示素子にあわせて誘電率異方性(Δε)及び屈折率異方性(Δn)等を最適な値としなくてはならない。
【0003】
TN型、STN型又はIPS型等の水平配向型ディスプレイではΔεが正の液晶組成物が用いられている。また、Δεが正の液晶組成物を電圧無印加時に垂直に配向させ、横電界を印加する事で表示する駆動方式も報告されており、Δεが正の液晶組成物の必要性はさらに高まっている。従って、液晶組成物を構成する成分には、出来る限り大きなΔεを持つ事が求められる。一方、液晶組成物を表示素子等として使用する際には、広い温度範囲において安定なネマチック相を示す事が求められる。広い温度範囲にてネマチック相を維持する為には、液晶組成物を構成する個々の成分が他の成分との高い混和性及び高い透明点(Tni)を持つ事が求められる。
【0004】
一般的に、大きなΔεを示す化合物を得る為には、分子内にフッ素原子を多く導入する事が効果的である。一方、高いTniを持つ化合物を得るためには、分子内に含まれる環構造を増やす事が効果的である。しかしながら、複数の環構造が連結基を介さずに直接結合した構造、いわゆる直環系と呼ばれる構造を持つ化合物は総じて結晶性が高く、該化合物を含む液晶組成物を冷却すると該化合物の結晶が析出するという問題があった。液晶組成物から化合物が析出すると液晶組成物の物性値が変化してしまうため、実用上の要求から長期に渡り、液晶組成物に添加した化合物が分離や析出が起こらないことが求められている(保存安定性)。
【0005】
例えば下記フッ素化ナフタレン構造を持つ化合物(特許文献1参照)
【0006】
【化1】
【0007】
は、比較的大きなΔεを示し、高いTniを持つが、液晶組成物の組成構成によっては冷却により結晶の析出が生じてしまい、保存安定性が低い。
【0008】
また連結基として−CFO−基を導入した下記化合物は、大きなΔεを示しさらに保存安定性が優れて(特許文献2参照)いるものの、液晶組成物に添加するとTniが大幅に低下してしまうという課題があった。
【0009】
【化2】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−355560号
【特許文献2】特開2001−19649号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、大きなΔε、高いTni及び優れた保存安定性を併せ持つ化合物を提供し、併せて当該化合物を構成部材とする液晶組成物及び液晶表示素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本願発明者らは種々の化合物の検討を行った結果、本願発明の完成に至った。
【0013】
本願発明は、一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、Rは炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、
〜Aはそれぞれ独立して、
(a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立してO−又は−S−に置き換えられても良い。)
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。)
からなる群より選ばれる基であり、
〜Zは各々独立して、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、存在するZ〜Zの内一つは必ず−CFO−又は−OCF−であり、
〜Xは各々独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、
nは0又は1を表す。)で表される化合物を提供し、併せて、当該化合物を含有する液晶組成物及び当該液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により提供される、一般式(1)で表される化合物は、大きなΔε、高いTni及び他の液晶化合物との高い混和性を併せ持つ。
【0017】
従って、一般式(1)で表される化合物を液晶組成物の成分として用いる事により、大きなΔε及び広い温度範囲で液晶相を示す液晶組成物を得ることができる。このため、液晶表示素子用の液晶組成物の構成成分として非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般式(1)において、Rは、粘度を低下させるためには炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0019】
存在するA〜Aは各々独立して、粘度の低下を重視する場合にはトランス−1,4−シクロヘキシレン基又は無置換の1,4−フェニレン基であることが好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが更に好ましく、Δεの増大を重視する場合には、下記構造
【0020】
【化4】
【0021】
である事が好ましい。また、保存安定性を重視する場合には、下記構造
【0022】
【化5】
【0023】
である事が好ましい。
【0024】
存在するZ〜Zは各々独立して、粘度の低下を重視する場合には−CFO−、−OCF−、−CF=CF−又は単結合であることが好ましく、−CFO−、−OCF−又は単結合であることが更に好ましい。
【0025】
はΔεの増大を重視する場合には、−CFO−又は−OCF−であることが好ましく、−CFO−である事が更に好ましい。
【0026】
粘度、Δε及び保存安定性のバランスを重視する場合には、存在するZ及びZが−CHCH−又は単結合である事が好ましい。
が−CFO−であり、Zが単結合であるか、又はZが単結合であり、Zが−CFO−であることが好ましい。
【0027】
〜Xは各々独立して、Δεの増大を重視する場合にはフッ素原子であることが好ましく、粘度を重視する場合には、Xが水素原子であることが好ましく、粘度、Δε及び保存安定性のバランスを重視する場合には、X〜Xがフッ素原子であり、Xが水素原子であることが好ましい。
【0028】
nは溶解性を重視する場合には0であることが好ましく、Tniを重視する場合には1である事が好ましい。
【0029】
なお、一般式(1)で表される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
【0030】
好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 一般式(1)の中では以下の一般式(1−1)〜一般式(1−64)で表される各化合物が好ましい。
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
(式中、Rは各々独立して炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基又は炭素数2〜15のアルケニルオキシ基を表す。)
本発明の液晶組成物において一般式(1)で表される化合物の含有量が少ないとその効果が現れないため、液晶組成物中に下限値として、1%(組成物中の%は質量%を表す。以下同様。)が好ましく、2%が好ましく、5%が更に好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、50%が好ましく、30%がより好ましく、20%が更に好ましく、10%が特に好ましい。一般式(1)で表される化合物は1種のみで使用することもできるが、2種以上の化合物を同時に使用してもよい。
【0042】
液晶組成物の物性値を調整するために一般式(1)で表される化合物以外の化合物を使用してもよく、液晶相を持つ化合物以外にも必要に応じて液晶相を持たない化合物を添加することもできる。
【0043】
このように、一般式(1)で表される化合物と混合して使用することのできる化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第六成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
【0044】
即ち、第二成分はいわゆるフッ素系(ハロゲン系)のp型液晶化合物であって、以下の一般式(A1)〜(A3)で示される化合物を挙げることができる。
【0045】
【化16】
【0046】
上式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。また、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0047】
環A、環B及び環Cは各々独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基又は1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Bがトランス−1,4−シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましく、環Cがトランス−1,4−シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環B及び環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。また、(A3)において環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0048】
、L及びLは連結基であって、各々独立して単結合、エチレン基(−CHCH−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH)CH−及び−CHCH(CH)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCF−、−CFO−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合又はエチレン基が特に好ましい。また、(A2)においてはその少なくとも1個が、(A3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0049】
環Zは芳香環であり以下の一般式(La)〜(Lc)のいずれかひとつを表す。
【0050】
【化17】
【0051】
式中、Y〜Yは各々独立して水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(La)において、Y及びYの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(Lb)において、Y〜Yの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にYはフッ素原子であることがさらに好ましく、(Lc)において、Y及びYの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にYはフッ素原子であることがさらに好ましい。
【0052】
末端基Pはフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルコキシ基、2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルキル基、2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルケニル基又は2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルケニルオキシ基を表すが、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0053】
第三成分はいわゆるシアノ系のp型液晶化合物であって、以下の一般式(B1)〜(B3)で示される化合物を挙げることができる。
【0054】
【化18】
【0055】
上式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。又、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0056】
環D、環E及び環Fは各々独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基又は1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Eがトランス−1,4−シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Dはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましく、環Fがトランス−1,4−シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環D及び環Eはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。又、(B3)において環Dはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0057】
、L及びLは連結基であって、各々独立して単結合、エチレン基(−CHCH−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH)CH−及び)−CHCH(CH)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−OCH−、−CHO−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、−COO−、−OCF−、−CFO−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合、エチレン基又は−COO−が特に好ましい。又、一般式(B2)においてはその少なくとも1個が、一般式(B3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0058】
はシアノ基を表す。
【0059】
環Yは芳香環であり以下の一般式(Ld)〜(Lf)のいずれかひとつを表す。
【0060】
【化19】
【0061】
式中、Y〜Yは各々独立的して水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(Ld)において、Y及びYの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(Le)において、Y〜Yの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にYはフッ素原子であることがさらに好ましく、(Lf)において、Y及びYの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にYはフッ素原子であることがさらに好ましい。
【0062】
第四成分は誘電率異方性が0程度である、いわゆる非極性液晶化合物であり、以下の一般式(C1)〜(C3)で示される化合物を挙げることができる。
【0063】
【化20】
【0064】
上式中、R及びPは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシ基又は末端が炭素原子数1〜3アルコキシ基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基が好ましく、更に少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基であることが特に好ましい。
【0065】
環G、環H、環I及び環Jは各々独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、他の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。環G、環H、環I及び環Jに存在するフッ素原子数の合計は2個以下が好ましく、0又は1個が好ましい。
【0066】
、L及びLは連結基であって、各々独立して単結合、エチレン基(−CHCH−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH)CH−及び)−CHCH(CH)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−が好ましく、一般式(C2)においてはその少なくとも1個が、一般式(C3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0067】
なお、一般式(C1)〜(C3)で示される化合物は一般式(A1)〜(A3)で示される化合物及び一般式(B1)〜(B3)で示される化合物を除く。
【0068】
一般式(A1)〜(A3)で示される化合物、一般式(B1)〜(B3)及び一般式(C1)〜(C3)で示される化合物で示される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
【0069】
第五成分は液晶組成物にらせん構造を誘起する為に用いられる、光学活性な化合物である。好ましくは不斉炭素原子を持つ化合物であり、1−メチルヘプチルオキシ基を持つ化合物である事がさらに好ましい。
【0070】
第六成分は応答速度を改善もしくは液晶組成物の配向性を改善する為に加えられる、紫外線照射又は加熱により重合させる事が可能な重合性官能基を持つ化合物である。重合性基としてはアクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基である事が好ましく、メタクリルオキシ基である事が更に好ましい。また、重合性官能基を1から3個有する事が好ましく、2個有する事が更に好ましい。
【0071】
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製法1)
一般式(2)
【0072】
【化21】
【0073】
(式中R、A〜A、Z〜Z及びnは各々独立して一般式(1)におけるR、A〜A、Z〜Z及びnと同じ意味を表し、Aは3−フルオロフェニル基又は3,5−ジフルオロフェニル基を表す。)で表される化合物を、塩基と作用させた後、ジブロモジフルオロメタンと反応させる事で、一般式(3)
【0074】
【化22】
【0075】
(式中R、A〜A、Z〜Z及びnは各々独立して一般式(1)におけるR、A〜A、Z〜Z及びnと同じ意味を表し、Aは3−フルオロフェニル基又は3,5−ジフルオロフェニル基を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0076】
溶媒としては反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0077】
塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム試薬又はリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド類が好ましく、Aが3−フルオロフェニル基である場合にはsec-ブチルリチウムである事が更に好ましく、Aが3,5−ジフルオロフェニル基である場合にはn−ブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドである事が更に好ましい。
【0078】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、−76°〜−40℃が好ましく、−76℃から−60℃が更に好ましい。ジブロモジフルオロメタンを加えた後は、室温にて反応を行う事が好ましい。
【0079】
続いて、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)
【0080】
【化23】
【0081】
(式中X〜Xは各々独立して、一般式(1)におけるX〜Xと同じ意味を表す。)で表される化合物を塩基の存在下反応させる事で、Aが3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである一般式(1)で表される化合物を得る事が出来る。
【0082】
塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩等が好ましく、炭酸カリウムが更に好ましい。
【0083】
溶媒としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリドンが更に好ましい。
【0084】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、室温〜溶媒が還流する温度が好ましく、室温〜80℃である事が更に好ましく、40℃〜60℃である事が特に好ましい。
(製法2)
一般式(5)
【0085】
【化24】
【0086】
(式中R、A〜A、Z〜Z及びnは一般式(1)におけるA〜A及びZ〜Zと同じ意味を表す。)で表される化合物を、酸塩化物と反応させることで、一般式(6)
【0087】
【化25】
【0088】
(式中R、A〜A、Z〜Z及びnは一般式(1)におけるA〜A及びZ〜Zと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0089】
酸塩化物としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、シュウ酸二塩化物、塩化チオニル等が好ましい。
【0090】
溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が好ましく、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンが更に好ましい。
【0091】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、0℃〜溶媒が還流する温度が好ましく、40℃から溶媒が還流する温度である事が更に好ましい。
【0092】
続いて、一般式(6)で表される化合物を、ジチオール類及びトリフルオロメタンスルホン酸と反応させる事で、一般式(7)
【0093】
【化26】
【0094】
(式中R、A〜A、Z〜Z及びnは一般式(1)におけるA〜A及びZ〜Zと同じ意味を表し、mは3又は4を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0095】
ジチオール類としては、1,3−プロパンジチオール又は1,4−ブタンジチオールが好ましい。
【0096】
反応温度は、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、一般式(6)で表される化合物及びジチオール類を混合したものにトリフルオロメタンスルホン酸を加える際には0℃である事が好ましく、その後は100℃〜130℃である事が好ましく、110℃〜120℃である事が更に好ましい。
【0097】
続いて、一般式(7)で表される化合物を、フッ素化試薬及び酸化剤の存在下一般式(4)で表される化合物と反応させる事で、一般式(1)で表される化合物を得る事が出来る。
【0098】
フッ素化試薬としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩、テトラブチルアンモニウム三フッ化二水素、ピリジン・フッ化水素錯体、メラミン・フッ化水素錯体である事が好ましい。
【0099】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、−76℃〜−60℃である事が好ましい。
【実施例】
【0100】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0101】
なお、相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。
【0102】
以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0103】
n−iはネマチック相−等方相の転移温度を表す。
【0104】
化合物記載に下記の略号を使用する。
【0105】
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Me:メチル基、Pr:n−プロピル基、Bu:n−ブチル基
Tf:トリフルオロメタンスルホニル基
(実施例1)[3,5−ジフルオロ−trans−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの製造
【0106】
【化27】
【0107】
(1−1) 窒素雰囲気下、金属マグネシウム(5.5g)をTHF(5mL)に懸濁させ、3,5−ジフルオロブロモベンゼン(41.5g)をTHF(120mL)に溶解させた溶液を穏やかに還流する速度で加え、40℃にて45分間撹拌した。続いて、40℃にて4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサノン(39.8g)をTHF(85mL)に溶解させた溶液を加えた後、室温にて1時間撹拌した。反応液を5℃に冷却した10%塩酸(120mL)に撹拌しながら静かに加え、トルエン(160mL)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水(120mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去する事で、粗製3,5−ジフルオロ−4−(1−ヒドロキシ−4−(4−trans−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)ベンゼン(62.5g)を得た。
(1−2) (1−1)で得られた粗製3,5−ジフルオロ−4−(1−ヒドロキシ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)ベンゼン(62.5g)及びp−トルエンスルホン酸1水和物(1.7g)をトルエン(300mL)に溶解させた溶液を還流させ、ディーンスターク装置を用いて発生する水を除去しながら5時間撹拌した。放冷し、水(150mL)を加えて分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)、飽和食塩水(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機溶媒を減圧留去し、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、粗製3,5−ジフルオロ−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−シクロヘキセニル)ベンゼン(64.1g)を得た。
(1−3) (1−2)で得られた粗製3,5−ジフルオロ−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−シクロヘキセニル)ベンゼン(64.1g)及び5wt%パラジウム/カーボン(3.0g)をトルエン(200mL)、エタノール(100mL)に溶解させた溶液を、オートクレーブに入れ、水素雰囲気下(0.5MPa)40℃にて5時間撹拌した。パラジウム/カーボンを濾過により除去し、溶媒を減圧留去する事により、粗製3,5−ジフルオロ−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−シクロヘキシル)ベンゼン(64.3g)を得た。
(1−4) 窒素雰囲気下、(1−3)にて得られた粗製3,5−ジフルオロ−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)ベンゼン(64.3g)及びt−ブチルオキシカリウム(2.0g)をDMF(300mL)に溶解させ、70℃にて3時間撹拌した。放冷後、トルエン(300mL)及び水(300mL)を加えて分液し、有機層を水(300mL)、飽和食塩水(300mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製、減圧蒸留(0.7mmHg、沸点171〜174℃)、エタノールから再結晶する事により、3,5−ジフルオロ−4−(trans−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)ベンゼン(43.5g)を得た。
(1−5) 窒素雰囲気下、(1−4)で得られた3,5−ジフルオロ−4−(trans−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)ベンゼン(43.5g)をTHF(300mL)に溶解させた溶液を−76℃に冷却し、1.6mol/L n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(95mL)を加え、−76℃にて1時間撹拌した。続いて、ジブロモジフルオロメタン(19.0g)をTHF(90mL)に溶解させた溶液を加え、ゆっくりと室温まで昇温した。トルエン(300mL)及び水(200mL)を加えて分液し、有機層を10%亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)、飽和食塩水(159mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製する事で、粗製(3,5−ジフルオロ−4−(trans−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル)ブロモジフルオロメタン(57.5g)を得た。
(1−6) 5,6,7−トリフルオロ−2−ナフトール(25.4g、特開2004−91361号に従って製造)、(1−5)で得られた(3,5−ジフルオロ−4−(trans−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル)ブロモジフルオロメタン(57.5g)及び無水炭酸カリウム(26.5g)をDMF(300mL)に懸濁させ、50℃にて18時間撹拌した。放冷後、水(200mL)及びトルエン(200mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(200mL)にて2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、エタノール及びヘキサンから再結晶する事により、[3,5−ジフルオロ−4−(trans−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン(47.4g)を得た。
MS m/z:566[M
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,J=9.2Hz),7.67(1H,s),7.48−7.46(1H,m),7.38−7.32(1H,m),7.19(2H,d,10.3Hz),2.35(1H,tt,J=3.2Hz,J=12.1Hz),1.90−1.71(8H,m),1.33−1.28(4H,m),1.56−0.94(9H,m),0.89−0.81(5H,m)
(実施例2)[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの製造
【0108】
【化28】
【0109】
(2−1) 3,5−ジフルオロブロモベンゼン(30g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.8g)、エタノール(150mL)及び2mol/L炭酸カリウム水溶液(155mL)を混合し、50℃に加熱し、2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルホウ酸(49.3g)をエタノール(300mL)に溶解させた溶液を加え、50℃にて5時間撹拌した。室温まで放冷後、トルエン(300mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(200mL)で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エタノールから再結晶する事で、4−[2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−3,5−ジフルオロベンゼン(39.1g)を得た。
(2−2) 以下の工程は、実施例1に示した方法と同様に行い、[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン(20.5g)を得た。
MS m/z:578[M
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,J=9.2Hz),7.67(1H,s),7.49−7.45(1H,m),7.39−7.33(1H,m),7.27(1H,t,J=8.1Hz),7.18(2H,d,10.4Hz),7.06−6.97(2H,m),2.50−2.43(1H,m),1.93−1.86(4H,m),1.49−1.38(2H,m),1.36−1.26(3H,m),1.24−1.18(2H,m),1.11−1.00(2H,m),0.91(3H,t,J=7.1Hz)
(実施例3)[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−[3−フルオロ−4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニルオキシ]ジフルオロメタンの製造
【0110】
【化29】
【0111】
(3−1) 窒素雰囲気下、金属マグネシウム(3.9g)をTHF(5mL)に懸濁させ、4−ブロモ−3−フルオロアニソール(30g)をTHF(150mL)に溶解させた溶液を穏やかに還流する速度で加え、更に40℃にて1時間撹拌した。続いて反応液を5℃に冷却し、ホウ酸トリメチル(19.8g)をTHF(60mL)に溶解させた溶液を加えた後、室温にて1時間撹拌した。10%塩酸(100mL)及びトルエン(150mL)を加えて分液し、水層にトルエン(100mL)を加えて抽出し、有機層を併せ、有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機溶媒を減圧留去する事で、粗製2−フルオロ−4−メトキシフェニルホウ酸(26.3g)を得た。
(3−2) 窒素雰囲気下、5,6,7−トリフルオロ−2−ナフトール(30g)及びピリジン(15.6g)をジクロロメタン(150mL)に溶解させ、5℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(47.0g)をジクロロメタン(150mL)に溶解させた溶液を加えた。室温にて1時間撹拌した後、水(200mL)を加えて分液し、有機層を10%塩酸(150mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)、飽和食塩水(150mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、トリフルオロメタンスルホン酸5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル(49.4g)を得た。
(3−3) 窒素雰囲気下、(3−2)で得られたトリフルオロメタンスルホン酸5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル(40.0g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.4g)、2mol/L炭酸カリウム水溶液(120mL)及びTHF(200mL)を混合し、60℃に加熱し、(3−1)で得られた2−フルオロ−4−メトキシフェニルホウ酸(24.7g)をTHF(100mL)に溶解させた溶液を加え、60℃にて6時間撹拌した。室温まで冷却し、トルエン(150mL)を加えて分液し、有機層を水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、粗製2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,6,7−トリフルオロナフタレン(35.1g)を得た。
(3−4) (3−3)で得られた粗製2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,6,7−トリフルオロナフタレン(35.1g)をジクロロメタン(350mL)に溶解させ、5℃に冷却し、三臭化ホウ素(14.4g)を加えた。室温にて3時間撹拌した後、5℃に冷却し、水(100mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(100mL)にて2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィーにて精製し、ヘキサンから再結晶する事で、4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)−3−フルオロフェノール(25.3g)を得た。
(3−5) 以下の工程は実施例1と同様にして行う事で、[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−[3−フルオロ−4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニルオキシ]ジフルオロメタン(49.9g)を得た。
MS m/z:672[M
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,J=9.2Hz),7.67−7.66(2H,m),7.49−7.46(1H,m),7.38−7.33(1H,m),7.27(1H,t,J=8.0Hz),7.19(2H,d,10.4Hz),7.06−6.97(2H,m),6.83−6.82(2H,m),2.52−2.45(1H,m),1.93−1.86(4H,m),1.49−1.38(2H,m),1.36−1.26(3H,m),1.24−1.18(2H,m),1.11−1.00(2H,m),0.91(3H,t,J=7.1Hz)
(実施例4)[4−(4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)−3−フルオロフェニル)フェニルオキシ]−(2,6−ジフルオロ−4−プロピルフェニル)ジフルオロメタンの製造
【0112】
【化30】
【0113】
実施例1〜3に記載の方法と同様にして行う事で、4−(4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)−3−フルオロフェニル)フェニルオキシ]−(2,6−ジフルオロ−4−プロピルフェニル)ジフルオロメタン(10.1g)を得た。
MS m/z:572[M
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,J=9.2Hz),7.67(1H,s),7.49−7.45(1H,m),7.39−7.33(1H,m),7.27(1H,t,J=8.1Hz),7.18(2H,d,10.4Hz),7.13(2H,d,J=8.8Hz),7.06−6.97(2H,m),6.85(2H,d,J=8.8Hz),2.64(2H,t,J=7.6),1.68(2H,quinted,J=8.0Hz),0.97(3H,t,J=7.2Hz)
(実施例5)[3,5−ジフルオロ−4−(4−(2−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−エチル)フェニル)フェニル]−[4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニル]ジフルオロメタンの製造
【0114】
【化31】
【0115】
実施例1〜3に記載の方法と同様にして行う事で、[3,5−ジフルオロ−4−(4−(2−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−エチル)フェニル)フェニル]−[4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニル]ジフルオロメタン(5.1g)を得た。
MS m/z:664[M
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,J=9.2Hz),7.67(1H,s),7.49−7.45(3H,m),7.42(2H,d,J=7.9Hz),7.40−7.33(3H,m),7.27(2H,d,J=8.0Hz),7.19(2H,d,J=10.4Hz),2.38(2H,t,J=7.0Hz),1.60−1.58(2H,m),1.40−1.17(10H,m),1.07−0.97(4H,m),0.90(3H,t,J=7.2Hz)
(実施例6)[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの製造
【0116】
【化32】
【0117】
実施例2に記載の方法と同様に行う事で、3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン(19.1g)を得た。
MS m/z:572[M
相転移:Cr 99 N 217 Iso
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.06(1H,d,J=9.2Hz),7.71(1H,s),7.55−7.37(7H,m),7.27(2H,d,J=10.1Hz),2.65(2H,t,J=7.4Hz),1.69(2H,sixtet,J=7.6Hz),0.98(3H,t,J=7.3Hz)
(参考例1) [3,5−ジフルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの製造
【0118】
【化33】
【0119】
実施例1〜3に記載の方法と同様にして行う事で、[3,5−ジフルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン(24.1g)を得た。
MS m/z:478[M
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,J=9.2Hz),7.67(1H,s),7.49−7.45(3H,m),7.38−7.33(1H,m),7.27(2H,d,J=8.0Hz),7.19(2H,d,10.4Hz),2.63(2H,d,7.4Hz),1.67(2H,quinted,J=7.6Hz),0.96(3H,t,J=7.3Hz)
(参考例2)5,6,7−トリフルオロ−2−[3−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]ナフタレンの製造
【0120】
【化34】
【0121】
実施例1〜3に記載の方法と同様にして行う事で、5,6,7−トリフルオロ−2−[3−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]ナフタレン(50.1g)を得た。
MS m/z:394[M
(実施例7) 液晶組成物の調製−1
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)
【0122】
【化35】
【0123】
を調製した。ここで、(H)の物性値は以下の通りである。
【0124】
ネマチック相上限温度(Tni):117.2℃
誘電率異方性(Δε):4.38
屈折率異方性(Δn):0.0899
粘度(η20):20.3mPa・s
この母体液晶(H)80%と、実施例1で得られた[3,5−ジフルオロ−trans−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン20%からなる液晶組成物(M−A)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0125】
ni:127.4℃
Δε:8.44
Δn:0.10232
η20:35.3mPa・s
[3,5−ジフルオロ−trans−4−(4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの添加による効果として、Tniを上昇させ(外挿Tni=168.2℃)、Δεが正に大きくなる(外挿Δε=24.7)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−A)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例8) 液晶組成物の調製−2
母体液晶(H)80%と実施例2で得られた[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン20%からなる液晶組成物(M−B)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0126】
ni:124.5℃
Δε:10.88
Δn:0.1135
η20:34.3mPa・s
[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの添加による効果として、Tniを上昇させ(外挿Tni=153.6℃)、Δεが正に大きくなる(外挿Δε=36.9)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−B)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例9) 液晶組成物の調製−3
母体液晶(H)90%と実施例3で得られた[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−[3−フルオロ−4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニルオキシ]ジフルオロメタン10%からなる液晶組成物(M−C)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0127】
ni:128.8℃
Δε:8.30
Δn:0.1106
η20:31.8mPa・s
[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)フェニル]−[3−フルオロ−4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニルオキシ]ジフルオロメタンの添加による効果として、Tniを大きく上昇させ(外挿Tni=233.4℃)、Δεが正に大きくなる(外挿Δε=43.6)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−C)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例10)液晶組成物の調製−4
母体液晶(H)80%と実施例4で得られた[4−(4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)−3−フルオロフェニル)フェニルオキシ]−(2,6−ジフルオロ−4−プロピルフェニル)ジフルオロメタン20%からなる液晶組成物(M−D)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0128】
ni:117.7℃
Δε:9.77
Δn:0.1481
η20:28.3mPa・s
[4−(4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)−3−フルオロフェニル)フェニルオキシ]−(2,6−ジフルオロ−4−プロピルフェニル)ジフルオロメタンの添加による効果として、Tniを比較的大きく上昇させ(外挿Tni=119.7℃)、Δεが正に大きくなる(外挿Δε=31.2)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−D)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例11)液晶組成物の調製−5
母体液晶(H)95%と実施例5で得られた[3,5−ジフルオロ−4−(4−(2−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−エチル)フェニル)フェニル]−[4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニル]ジフルオロメタン5%からなる液晶組成物(M−E)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0129】
ni:126.1℃
Δε:5.63
Δn:0.1017
η20:30.8mPa・s
[3,5−ジフルオロ−4−(4−(2−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−1−エチル)フェニル)フェニル]−[4−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル)フェニル]ジフルオロメタンの添加による効果として、Tniを極めて大きく上昇させ(外挿Tni=294.5℃)、Δεが正に大きくなる(外挿Δε=29.3)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−E)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例12) 液晶組成物の調製−6
母体液晶(H)90%と実施例6で得られた[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン10%からなる液晶組成物(M−F)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0130】
ni:123.3℃
Δε:7.51
Δn:0.1060
η20:26.2mPa・s
[3,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの添加による効果として、Tniを大きく上昇させ(外挿Tni=178.2℃)、Δεが正に大きくなる(外挿Δε=32.3)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−F)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(比較例1) 液晶組成物の調製−7
母体液晶(H)80%と参考例1にて得られた[3,5−ジフルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタン20%からなる液晶組成物(M−G)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0131】
ni:106.9℃
Δε:9.79
Δn:0.1112
η20:26.9mPa・s
[3,5−ジフルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]−(5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチルオキシ)ジフルオロメタンの添加の効果として、Tniを低下させ(外挿Tni=65.8℃)、Δεを正に大きくできる(外挿Δε=31.4)事がわかる。調製した液晶組成物(M−G)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(比較例2)液晶組成物の調製−8
母体液晶(H)90%と参考例2にて得られた5,6,7−トリフルオロ−2−[3−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]ナフタレン10%からなる液晶組成物(M−H)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0132】
ni:119.6℃
Δε:6.15
Δn:0.1137
η20:23.8mPa・s
5,6,7−トリフルオロ−2−[3−フルオロ−4−(4−プロピルフェニル)フェニル]ナフタレンの添加の効果として、Tn−iをやや上昇させ(外挿Tni=140.8℃)、Δεを正に大きくできる(外挿Δε=22.1)事がわかる。調製した液晶組成物(M−H)を、室温にて二週間保存したところ結晶が析出していた。
【0133】
実施例7と比較例1を比較する事により、本願発明化合物は参考化合物と比べて、高い保存安定性を維持しながら、Tni及びΔεを極めて大きく上昇させる効果が高い事がわかる。また、実施例7と比較例2を比較する事により、本願発明化合物は高いTniを維持しながら、保存安定性及びΔεを上昇させる効果が極めて高い事がわかる。

【手続補正書】
【提出日】20140806
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、Rは炭素原子数1から15のアルキル基又は炭素原子数2から15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CO−により置き換えられても良く、
〜Aはそれぞれ独立して、
(a)1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の−CHは−S−に置き換えられても良く、この基中に存在する隣接していない2個以上の−CH−は各々独立してO−又は−S−に置き換えられても良い。)
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。)
からなる群より選ばれる基であり、
〜Zは各々独立して、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、存在するZ〜Zの内一つは必ず−CFO−又は−OCF−であり、
〜Xは各々独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、
nは0又は1を表す。)で表される化合物。
【請求項2】
一般式(1)において、存在するZ及びZが単結合を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式(1)において、Xが水素原子を表す請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
一般式(1)において、存在するA〜Aが各々独立して、
【化2】
を表す請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
一般式(1)において、X〜Xがフッ素原子を表す請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
一般式(1)において、nが0を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
一般式(1)において、nが1を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
一般式(1)において、Zが−CFO−でありZが単結合を表す請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
一般式(1)において、Zが単結合でありZが−CFO−を表す請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物を一種又は二種以上含有する液晶組成物。
【請求項11】
請求項10記載の液晶組成物を使用した液晶表示素子。
【国際調査報告】