(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014057936
(43)【国際公開日】20140417
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】ショット処理装置の点検システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20160808BHJP
【FI】
   !G05B23/02 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
【出願番号】2014540849
(21)【国際出願番号】JP2013077348
(22)【国際出願日】20131008
(31)【優先権主張番号】2012224315
(32)【優先日】20121009
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅三丁目28番12号
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138438
【弁理士】
【氏名又は名称】尾首 亘聰
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100131082
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 正信
(74)【代理人】
【識別番号】100185535
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 敦
(72)【発明者】
【氏名】森本 秀樹
【住所又は居所】愛知県豊川市穂ノ原3丁目1番地 新東工業株式会社豊川製作所内
(72)【発明者】
【氏名】瀬野尾 和久
【住所又は居所】愛知県豊川市穂ノ原3丁目1番地 新東工業株式会社豊川製作所内
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223BA03
3C223BB02
3C223BB03
3C223BB12
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223EB02
3C223EB05
3C223FF25
3C223GG01
3C223GG02
3C223HH02
3C223HH28
(57)【要約】
ショット処理装置の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができ、投射材を用いることに起因したショット処理装置の保守点検に資することができるショット処理装置の点検システムを得る。ショット処理装置の点検システム(10)の点検対象となるショット処理装置(12)には、予め設定された点検対象となる部品(14)にバーコード(18)が設けられている。これに対して、携帯端末(20)は、バーコードリーダ(20A)が点検対象となる部品(14)のバーコード(18)を読み取り、表示部(20E)がバーコード(18)の識別用データに応じて点検画面を表示すると共に、点検画面に応じて入力された点検結果の情報を送信部(20F)がパソコンへ送信する。パソコンは、印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理対象物に投射材を投射するショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品又はその周囲部に設けられ、点検対象となる部品の識別用データを表す部品識別部と、
点検対象となる部品の前記部品識別部を読み取る読取部と、前記読取部が読み取った前記部品識別部の識別用データに応じて点検画面を表示する表示部と、前記点検画面に応じて入力された点検結果の情報を送信する送信部と、を備えた携帯端末と、
前記携帯端末の前記送信部から送信された点検結果の情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した点検結果の情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する作表部と、を備えたコンピュータと、
を有するショット処理装置の点検システム。
【請求項2】
前記点検対象となる部品又はその周囲部に設けられ、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表す点検項目識別部を備え、
前記読取部が前記点検項目識別部を読み取り、前記表示部が前記読取部で読み取った前記点検項目識別部の識別用データに応じて点検項目を表示し、前記送信部が前記点検項目毎に入力された点検結果の情報を送信する、
請求項1記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項3】
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、投射材を投射する投射部を含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記投射部を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記投射部の摩耗を点検させるための点検項目を表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項4】
前記ショット処理装置は、駆動モータの駆動力で羽根車を高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射する遠心式投射機を備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記遠心式投射機を含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記遠心式投射機を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記遠心式投射機の振動を点検項目として表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項5】
前記ショット処理装置は、駆動モータの駆動力で羽根車を高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射する遠心式投射機を備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記遠心式投射機を含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記遠心式投射機を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記駆動モータの電流値を点検項目として表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項6】
前記ショット処理装置は、エア供給部で加圧されたエアと投射材とを混合させてノズルから噴射するエア圧式投射機を備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記ノズルを含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記ノズルを表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面にノズルの摩耗を点検項目として表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項7】
前記ショット処理装置は、加圧されたエアを供給するエア供給部と、投射材を貯蔵すると共に下部側から投射材を供給する加圧タンクと、前記加圧タンクの下部側に連通して投射材とエアとを混合させるミキシング部と、前記加圧タンク内の加圧用として前記エア供給部と前記加圧タンクとを連通させる第一エア供給配管部と、前記エア供給部と前記ミキシング部とを連通させる第二エア供給配管部と、を含み、かつ、前記エア供給部で加圧されて前記第二エア供給配管部を流通させたエアと前記加圧タンクから供給された投射材とを前記ミキシング部で混合させてノズルから噴射するエア圧式投射機を備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記第一エア供給配管部を含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記第一エア供給配管部を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記第一エア供給配管部におけるエアの圧力値を点検項目として表示する、請求項6に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項8】
前記ショット処理装置は、前記投射機に投射材を供給するタンクと、前記投射機から投射された投射材を前記タンクへ戻す循環路に設けられて投射材を上方側へ搬送するバケットエレベータと、を備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記バケットエレベータを含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記バケットエレベータを表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記バケットエレベータの作動時の異音を点検項目として表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項9】
前記ショット処理装置は、内部に投射材が投射される投射室を有するキャビネットを備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記キャビネットを含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記キャビネットを表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記キャビネットからの投射材の漏れを点検項目として表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項10】
前記ショット処理装置は、内部に投射材が投射される投射室を有するキャビネットと、前記キャビネットの内部の粉塵を含む空気を吸引する集塵機と、を備え、
前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記集塵機を含み、
前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記集塵機を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記集塵機の作動時の異音、前記集塵機の吸気側と排気側との差圧、及び前記集塵機からの粉塵漏れを点検項目として表示する、請求項1又は請求項2に記載のショット処理装置の点検システム。
【請求項11】
被処理対象物に投射材を投射するショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品又はその周囲部に設けられ、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表す点検項目識別部と、
前記点検項目識別部を読み取る読取部と、前記読取部が読み取った前記点検項目識別部の識別用データに応じて点検項目を表示する表示部と、前記点検項目毎に入力された点検結果の情報を送信する送信部と、を備えた携帯端末と、
前記携帯端末の前記送信部から送信された点検結果の情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した点検結果の情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する作表部と、を備えたコンピュータと、
を有するショット処理装置の点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショット処理装置の点検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現場の装置(機器)の点検には、ハンディ式ターミナル装置が用いられる場合がある(例えば、特許第3406739号公報参照)。このような場合、例えば、ハンディ式ターミナル装置が、装置単位に設けられたバーコードをスキャンすることで、バーコードが付された装置の全点検項目をハンディ式ターミナル装置に表示し、また、ハンディ式ターミナル装置への点検結果の入力も可能としている。
【0003】
しかしながら、この場合、点検作業者が実際に点検箇所に足を運ばなくても点検結果の入力が可能になってしまう場合があるため、装置の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせるという点で改善の余地がある。そして、点検対象の装置がショット処理装置である場合、同一装置内に離れた点検箇所が存在するので、各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせるニーズは高い。なお、ショット処理装置は、投射材を被処理対象物に投射するものであるが、投射材を用いることに起因した保守点検が必要になる側面もある。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、ショット処理装置の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができ、投射材を用いることに起因したショット処理装置の保守点検に資することができるショット処理装置の点検システムを得ることが目的である。
【発明の開示】
【0005】
本発明の第1の態様に係るショット処理装置の点検システムは、被処理対象物に投射材を投射するショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品又はその周囲部に設けられ、点検対象となる部品の識別用データを表す部品識別部と、点検対象となる部品の前記部品識別部を読み取る読取部と、前記読取部が読み取った前記部品識別部の識別用データに応じて点検画面を表示する表示部と、前記点検画面に応じて入力された点検結果の情報を送信する送信部と、を備えた携帯端末と、前記携帯端末の前記送信部から送信された点検結果の情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した点検結果の情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する作表部と、を備えたコンピュータと、を有する。
【0006】
なお、上記の「部品」には、一部材で構成された部品に限定されず、複数部材で構成された部品も含まれる。
【0007】
本発明の第1の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、被処理対象物に投射材を投射するショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品又はその周囲部には部品識別部が設けられており、部品識別部は、点検対象となる部品の識別用データを表す。すなわち、部品識別部は、点検対象となるショット処理装置に複数の点検箇所がある場合には、各点検箇所に対応するように複数設けられている。点検対象となる部品の部品識別部は、携帯端末の読取部によって読み取られる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部の識別用データに応じて表示部が点検画面を表示し、点検画面に応じて入力された点検結果の情報を送信部が送信する。携帯端末の送信部から送信された点検結果の情報は、コンピュータの受信部によって受信される。コンピュータでは、受信部で受信した点検結果の情報を記憶部が記憶し、作表部が記憶部から点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する。このため、作表された点検結果を参照することが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1の態様に係る構成において、前記点検対象となる部品又はその周囲部に設けられ、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表す点検項目識別部を備え;前記読取部が前記点検項目識別部を読み取り、前記表示部が前記読取部で読み取った前記点検項目識別部の識別用データに応じて点検項目を表示し、前記送信部が前記点検項目毎に入力された点検結果の情報を送信する。
【0009】
本発明の第2の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、点検対象となる部品又はその周囲部には点検項目識別部が設けられており、点検項目識別部は、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表す。すなわち、点検項目識別部は、点検対象となる部品に複数の点検項目がある場合には、各点検項目に対応するように複数設けられている。点検項目識別部は、携帯端末の読取部によって読み取られる。携帯端末では、読取部が読み取った点検項目識別部の識別用データに応じて表示部が点検項目を表示し、点検項目毎に入力された点検結果の情報を送信部が送信する。このように、点検項目毎に携帯端末の読取部で点検項目識別部を読み取ってから点検結果が入力されるので、点検の堅実化をサポートすることができる。
【0010】
本発明の第3の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1又は第2の態様に係る構成において、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、投射材を投射する投射部を含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記投射部を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記投射部の摩耗を点検させるための点検項目を表示する。
【0011】
本発明の第3の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、投射材を投射する投射部を含んでいる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部が投射部を表す識別用データである場合に、表示部が点検画面に投射部の摩耗を点検させるための点検項目を表示する。ここで、投射部の摩耗が点検されて保守されることで、投射部は良好に投射材を投射することができる。
【0012】
本発明の第4の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第3のいずれかの態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、駆動モータの駆動力で羽根車を高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射する遠心式投射機を備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記遠心式投射機を含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記遠心式投射機を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記遠心式投射機の振動を点検項目として表示する。
【0013】
なお、第4の態様において第3の態様を引用する構成においては、第4の態様の「遠心式投射機」は、第3の態様の「投射部」に該当する。
【0014】
本発明の第4の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置は、駆動モータの駆動力で羽根車を高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射する遠心式投射機を備え、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、遠心式投射機を含んでいる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部が遠心式投射機を表す識別用データである場合に、表示部が点検画面に遠心式投射機の振動を点検項目として表示する。ここで、遠心式投射機の振動を点検することで羽根車の羽根の摩耗状態や軸受の摩耗などを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、遠心式投射機は良好な羽根車で投射材を投射することができる。
【0015】
本発明の第5の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第4のいずれかの態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、駆動モータの駆動力で羽根車を高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射する遠心式投射機を備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記遠心式投射機を含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記遠心式投射機を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記駆動モータの電流値を点検項目として表示する。
【0016】
なお、第5の態様において第4の態様を引用する構成では、第4の態様の遠心式投射機と第5の態様の遠心式投射機とは、同一の遠心式投射機を指している。
【0017】
本発明の第5の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置は、駆動モータの駆動力で羽根車を高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射する遠心式投射機を備え、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、遠心式投射機を含んでいる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部が遠心式投射機を表す識別用データである場合に、表示部が点検画面に駆動モータの電流値を点検項目として表示する。ここで、駆動モータの電流値を点検することで投射量が適切であるか否かを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、遠心式投射機は適切な駆動力で投射材を投射することができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第3のいずれかの態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、エア供給部で加圧されたエアと投射材とを混合させてノズルから噴射するエア圧式投射機を備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記ノズルを含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記ノズルを表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面にノズルの摩耗を点検項目として表示する。
【0019】
なお、第6の態様において第3の態様を引用する構成においては、第6の態様の「ノズル」は、第3の態様の「投射部」に該当する。
【0020】
本発明の第6の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置は、エア供給部で加圧されたエアと投射材とを混合させてノズルから噴射するエア圧式投射機を備えており、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、ノズルを含んでいる。携帯端末は、読取部が読み取った部品識別部がノズルを表す識別用データである場合に、表示部が点検画面にノズルの摩耗を点検項目として表示する。ここで、ノズルの摩耗が点検されて保守されることで、投射範囲の広がり及び投射圧力の低下が抑えられる。
【0021】
本発明の第7の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第3及び第6のいずれかの態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、加圧されたエアを供給するエア供給部と、投射材を貯蔵すると共に下部側から投射材を供給する加圧タンクと、前記加圧タンクの下部側に連通して投射材とエアとを混合させるミキシング部と、前記加圧タンク内の加圧用として前記エア供給部と前記加圧タンクとを連通させる第一エア供給配管部と、前記エア供給部と前記ミキシング部とを連通させる第二エア供給配管部と、を含み、かつ、前記エア供給部で加圧されて前記第二エア供給配管部を流通させたエアと前記加圧タンクから供給された投射材とを前記ミキシング部で混合させてノズルから噴射するエア圧式投射機を備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記第一エア供給配管部を含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記第一エア供給配管部を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記第一エア供給配管部におけるエアの圧力値を点検項目として表示する。
【0022】
なお、第7の態様において第6の態様を引用する構成では、第6の態様に記載のエア圧式投射機と第7の態様に記載のエア圧式投射機とは、同一のエア圧式投射機を指している。
【0023】
本発明の第7の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、適用対象となるショット処理装置は、エア圧式投射機を備えている。このエア圧式投射機は、加圧されたエアをエア供給部が供給しており、加圧タンクが投射材を貯蔵すると共に下部側から投射材を供給する。この加圧タンクの下部側には、投射材とエアとを混合させるミキシング部が連通している。また、加圧タンク内の加圧用として設けられた第一エア供給配管部が、エア供給部と加圧タンクとを連通させており、第二エア供給配管部が、エア供給部とミキシング部とを連通させている。そして、エア圧式投射機は、エア供給部で加圧されて第二エア供給配管部を流通させたエアと加圧タンクから供給された投射材とをミキシング部で混合させてノズルから噴射する。このショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、第一エア供給配管部を含んでいる。
【0024】
携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部が第一エア供給配管部を表す識別用データである場合に、表示部が点検画面に第一エア供給配管部におけるエアの圧力値を点検項目として表示する。ここで、加圧タンク内の加圧用として設けられた第一エア供給配管部のエアの圧力値が点検されることで、適切な投射条件で投射が行われるか否かを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、エア圧式投射機が適切に投射材を投射することができる。
【0025】
本発明の第8の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第7のいずれか態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、前記投射機に投射材を供給するタンクと、前記投射機から投射された投射材を前記タンクへ戻す循環路に設けられて投射材を上方側へ搬送するバケットエレベータと、を備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記バケットエレベータを含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記バケットエレベータを表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記バケットエレベータの作動時の異音を点検項目として表示する。
【0026】
なお、第8の態様の「投射機」は、第4又は第5の態様を引用する構成では「遠心式投射機」のことであり、第6又は第7の態様を引用する構成では「エア圧式投射機」のことである。
【0027】
本発明の第8の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、投射材の循環路に設けられて投射材を上方側へ搬送するバケットエレベータを含んでいる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部がバケットエレベータを表す識別用データである場合に、表示部が点検画面にバケットエレベータの作動時の異音を点検項目として表示する。ここで、バケットエレベータの作動時の異音が点検されることで、バケットエレベータの蛇行やベルトテンションが適正か否かを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、バケットエレベータを良好に作動させることができる。
【0028】
本発明の第9の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第8のいずれかの態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、内部に投射材が投射される投射室を有するキャビネットを備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記キャビネットを含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記キャビネットを表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記キャビネットからの投射材の漏れを点検項目として表示する。
【0029】
本発明の第9の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置は、内部に投射材が投射される投射室を有するキャビネットを備え、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、キャビネットを含んでいる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部がキャビネットを表す識別用データである場合に、表示部が点検画面にキャビネットからの投射材の漏れを点検項目として表示する。ここで、キャビネットからの投射材の漏れが点検されることで、キャビネットのシール状態を確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、キャビネットのシール性が確保されてキャビネットからの投射材の漏れが抑えられる。
【0030】
本発明の第10の態様に係るショット処理装置の点検システムは、第1〜第9のいずれかの態様に係る構成において、前記ショット処理装置は、内部に投射材が投射される投射室を有するキャビネットと、前記キャビネットの内部の粉塵を含む空気を吸引する集塵機と、を備え、前記ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、前記集塵機を含み、前記携帯端末では、前記読取部が読み取った前記部品識別部が前記集塵機を表す識別用データである場合に、前記表示部が点検画面に前記集塵機の作動時の異音、前記集塵機の吸気側と排気側との差圧、及び前記集塵機からの粉塵漏れを点検項目として表示する。
【0031】
なお、第10の態様において第9の態様を引用する構成では、第9の態様に係るキャビネットと第10の態様に係るキャビネットとは、同一のキャビネットを指している。
【0032】
本発明の第10の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品には、キャビネットの内部の粉塵を含む空気を吸引する集塵機を含んでいる。携帯端末では、読取部が読み取った部品識別部が集塵機を表す識別用データである場合に、表示部が点検画面に集塵機の作動時の異音、集塵機の吸気側と排気側との差圧、及び集塵機からの粉塵漏れを点検項目として表示する。ここで、集塵機の作動時の異音、集塵機の吸気側と排気側との差圧、及び集塵機からの粉塵漏れが点検されることで、集塵機の濾布の破れ及び目詰まりの有無を確認することができる。そして、これらの点検項目に対応した保守がなされることで、集塵機を良好に作動させることができる。
【0033】
本発明の第11の態様に係るショット処理装置の点検システムは、被処理対象物に投射材を投射するショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品又はその周囲部に設けられ、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表す点検項目識別部と、前記点検項目識別部を読み取る読取部と、前記読取部が読み取った前記点検項目識別部の識別用データに応じて点検項目を表示する表示部と、前記点検項目毎に入力された点検結果の情報を送信する送信部と、を備えた携帯端末と、前記携帯端末の前記送信部から送信された点検結果の情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した点検結果の情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する作表部と、を備えたコンピュータと、を有する。
【0034】
本発明の第11の態様に係るショット処理装置の点検システムによれば、被処理対象物に投射材を投射するショット処理装置において予め設定された点検対象となる部品又はその周囲部には、点検項目識別部が設けられており、点検項目識別部は、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表す。すなわち、点検項目識別部は、点検対象となる部品に複数の点検項目がある場合には、各点検項目に対応するように複数設けられている。点検項目識別部は、携帯端末の読取部によって読み取られる。携帯端末では、読取部が読み取った点検項目識別部の識別用データに応じて表示部が点検項目を表示し、点検項目毎に入力された点検結果の情報を送信部が送信する。このように、点検項目毎に携帯端末の読取部で点検項目識別部を読み取ってから点検結果が入力されるので、点検の堅実化をサポートすることができる。携帯端末の送信部から送信された点検結果の情報は、コンピュータの受信部によって受信される。コンピュータは、受信部で受信した点検結果の情報を記憶部が記憶し、作表部が記憶部から点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式に変換する。このため、作表された点検結果を参照することが可能となる。
【0035】
以上説明したように、本発明のショット処理装置の点検システムによれば、ショット処理装置の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができ、投射材を用いることに起因したショット処理装置の保守点検に資することができるという優れた効果を有する。
【0036】
この出願は、日本国で2012年10月9日に出願された特願2012−224315号に基づいており、その内容は本出願の内容として、その一部を形成する。
また、本発明は以下の詳細な説明により更に完全に理解できるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の望ましい実施の形態であり、説明の目的のためにのみ記載されているものである。この詳細な説明から、種々の変更、改変が、当業者にとって明らかだからである。
出願人は、記載された実施の形態のいずれをも公衆に献上する意図はなく、開示された改変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文言上含まれないかもしれないものも、均等論下での発明の一部とする。
本明細書あるいは請求の範囲の記載において、名詞及び同様な指示語の使用は、特に指示されない限り、または文脈によって明瞭に否定されない限り、単数および複数の両方を含むものと解釈すべきである。本明細書中で提供されたいずれの例示または例示的な用語(例えば、「等」)の使用も、単に本発明を説明し易くするという意図であるに過ぎず、特に請求の範囲に記載しない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムの一部である携帯端末及び部品に貼り付けられたバーコードシールを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムの一部である携帯端末、パソコン、及びプリンタの関係を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システム、及び遠隔支援システムを含む管理システムを示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムの処理フローを示すフローチャートである。図5(A)は装置点検時の処理フローを示す。図5(B)はデータ転送時の処理フローを示す。図5(C)はパソコンに転送データを保存した後の処理フローを示す。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムの第一の点検対象装置を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムの第二の点検対象装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システムについて図1〜図7を用いて説明する。図1及び図2には、本発明の第1の実施形態に係るショット処理装置の点検システム10の一部が斜視図にて示されている。また、図3には、ショット処理装置の点検システムのシステム構成を示すブロック図が示されている。
【0039】
(ショット処理装置の点検システムの概要)
図1に示されるように、ショット処理装置の点検システム10において点検対象となるショット処理装置12には、装置本体部等の所定部位にバーコードシール12Aが貼り付けられている。なお、図1では、ショット処理装置12は模式的に示しているが、ショット処理装置12は、被処理対象物に投射材(「ショット」、「ショット材」ともいう。)を投射する処理装置である。バーコードシール12Aには、バーコード12Bが印刷されている。バーコード12Bは、点検対象となるショット処理装置12の識別用データを表しており、具体的には太さの異なる多数の黒い線(バー)の組み合わせによって装置情報をコード化している。なお、バーコードシール12Aは、点検対象となるショット処理装置12に直接貼り付けることができない場合等には、ショット処理装置12の周囲部に貼り付けられる。また、バーコード12Bは、ショット処理装置12又はその周囲部に刻印される等のように、バーコードシール12Aの貼り付け以外の形態で設けられてもよい。
【0040】
また、ショット処理装置の点検システム10において点検対象となるショット処理装置12には、予め設定された点検対象となる各部品14にもバーコードシール16、16A、16Bが貼り付けられている。なお、図1では、部品14も模式的に示している。部品14において最上段に貼り付けられたバーコードシール16には、部品識別部としてのバーコード18が印刷されており、部品14において中段及び最下段に貼り付けられたバーコードシール16A、16Bには、点検項目識別部としてのバーコード18A、18Bが印刷されている。また、部品14において最上段に貼り付けられたバーコード18は、点検対象となる部品14の識別用データを表しており、太さの異なる多数の黒い線(バー)の組み合わせによって部品情報をコード化している。これに対して、部品14において中段及び最下段に貼り付けられたバーコード18A、18Bは、点検対象となる部品14における点検項目の識別用データを表しており、太さの異なる多数の黒い線(バー)の組み合わせによって点検項目情報をコード化している。
【0041】
なお、これらのバーコードシール16、16A、16Bは、点検対象となる部品14に直接貼り付けることができない場合等には、部品14の周囲部に貼り付けられる。また、バーコード18、18A、18Bは、部品14又はその周囲部に刻印される等のように、バーコードシール16、16A、16Bの貼り付け以外の形態で設けられてもよい。
【0042】
ショット処理装置の点検システム10は、読取部としてのバーコードリーダ20Aを備えた携帯端末20を有する。バーコードリーダ20Aは、点検対象となるショット処理装置12のバーコード12B、点検対象となる部品14のバーコード18、及び点検項目のバーコード18A、18Bをそれぞれ認識して光学的に読み取ることが可能となっている。
【0043】
携帯端末20には、CPU及びメモリ等が内蔵されている。図3に示されるように、携帯端末20は、バーコードリーダ20Aに接続された制御部20Bを備えている。制御部20Bには、入力部20Cが接続されている。入力部20Cは、配列されたキー等を備え、点検作業者による点検結果等のデータ、及びその他の指示データを入力するための構成部とされている。また、制御部20Bには、記憶部20Dが接続されている。記憶部20Dには、制御プログラム、点検部品テーブル、点検項目テーブル、判定基準テーブル等のテーブルの他、入力部20Cから入力された点検結果のデータ等が記憶されている。点検部品テーブルは、ショット処理装置12(図1参照)のバーコード12Bの識別用データに応じた点検部品(点検箇所)のデータがテーブル化されたものである。点検項目テーブルは、部品14(図1参照)のバーコード18の識別用データに応じた点検項目のデータがテーブル化されたものである。判定基準テーブルは、点検項目のバーコード18A、18Bの識別用データに応じた判定基準のデータがテーブル化されたものである。
【0044】
また、制御部20Bには、表示部20Eが接続されている。制御部20Bは、バーコードリーダ20Aから取得したショット処理装置12(図1参照)の識別用データ(バーコード12Bのデータ)をキーとして、記憶部20Dの点検部品テーブルを参照し、前記識別用データとそれに対応する点検部品のデータを所定の表示形式に従って表示部20Eに表示させる。以上により、表示部20Eは、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード12Bの識別用データに応じて点検部品を表示するようになっている。また、制御部20Bは、バーコードリーダ20Aから取得した部品14(図1参照)の識別用データ(バーコード18のデータ)をキーとして、記憶部20Dの点検項目テーブルを参照し、前記識別用データとそれに対応する点検項目のデータを所定の表示形式に従って表示部20Eに表示させる。以上により、表示部20Eは、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18の識別用データに応じて点検画面を表示するようになっている。
【0045】
さらに、制御部20Bは、バーコードリーダ20Aから取得した点検項目の識別用データ(バーコード18A、18Bのデータ)をキーとして、記憶部20Dの判定基準テーブルを参照し、前記識別用データとそれに対応する判定基準のデータを所定の表示形式に従って表示部20Eに表示させる。以上により、表示部20Eは、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18A、18Bの識別用データに応じて点検項目及びその各判定基準を表示するようになっている。
【0046】
制御部20Bには、送信部20F(インタフェース)が接続されている。送信部20Fは、外部装置との間でデータの授受を行うデータ伝送機能を有しており、入力部20Cから点検画面に応じて点検項目毎に入力された多段階評価(本実施形態では、一例として、三段階評価)による点検結果の情報を、送信器22を介して送信するようになっている。なお、図2に示されるように、本実施形態では、送信器22は、携帯端末20のホルダを兼ねると共に送信部20F(図3参照)と接続される本体部22Aと、本体部22Aとコンピュータとしてのパソコン24とを接続する配線22Bと、を備えている。
【0047】
パソコン24には、CPU及びメモリ等が内蔵されている。図3に示されるように、パソコン24は、送信器22に接続される受信部24Aを備えている。受信部24Aは、携帯端末20の送信部20Fから送信された点検結果の情報を、送信器22を介して受信するようになっている。
【0048】
パソコン24は、受信部24Aに接続された制御部24Bを備えている。制御部24Bには、入力部24Cが接続されている。入力部24Cは、配列されたキー等を備え、指示データ等を入力するための構成部とされている。また、制御部24Bには、記憶部24Dが接続されている。記憶部24Dには、制御プログラム(後述するデータ転送ソフト及び点検報告書作成ソフトの各プログラムを含む)及び各種テーブルの他、受信部24Aで受信されて制御部24Bを介して取得した点検結果の情報(データ)等が記憶されている。そして、制御部24Bの一部は作表部24Gとされ、作表部24Gは、記憶部24Dから点検結果の情報を読み出すと共に印刷用又は表示用として点検結果の情報を表形式(少なくとも点検箇所と点検結果を示す所定フォーマットの一覧表形式)に変換するようになっている。
【0049】
また、制御部24Bには、表示部24Eが接続されている。制御部24Bは、入力部24Cからの指示データ等に応じた画面を表示部24Eに表示させる。制御部24Bには、出力部24F(インタフェース)が接続されている。出力部24Fは、外部装置との間でデータの授受を行うデータ伝送機能を有しており、入力部24Cからの指示データ等に応じて、作表された点検結果の情報を、配線を介してプリンタ26に出力(送信)可能になっている。
【0050】
図4には、ショット処理装置の点検システム10の全体構成がブロック図にて示されている。図4に示されるように、パソコン(PC)24はプリンタ26の他にサポートセンター32の社内ネットワーク32Aに接続されている。サポートセンター32とは、ショット処理装置12が設置された現場を支援するための機関である。なお、パソコン24及びプリンタ26は、サポートセンター32に設置されてもよいし、サポートセンター32以外の場所に設置されてもよい。サポートセンター32では、社内ネットワーク32Aにメインサーバ32S及びパソコン32Bが接続されている。すなわち、サポートセンター32に設置されたメインサーバ32S及びパソコン32Bは、通信回線を介してパソコン24に接続されている。
【0051】
パソコン32Bには、管理サーバ32C及び監視モニター32Dが通信回線を介して接続されている。なお、管理サーバ32Cは、社内ネットワーク32Aに直接接続されてもよい。管理サーバ32Cには点検等に関するデータがデータベースとして格納されている。社内ネットワーク32Aは、公衆回線34(通信回線ネットワーク)に接続されており、パソコン32Bは、社内ネットワーク32Aを介して公衆回線34に接続されている。また、公衆回線34には、管理サーバ32C等を管理する管理会社36のシステムが接続されると共に、パソコン38が接続されている。パソコン38は、ショット処理装置12のユーザである顧客先に設置されている。そして、サポートセンター32に設置されたパソコン32Bは、パソコン24から受信した点検結果の情報を、顧客先のパソコン38に社内ネットワーク32A及び公衆回線34(通信回線ネットワーク)を介して送信する。なお、図4では、サポートセンター32のパソコン32Bから顧客先のパソコン38への送信経路を二点鎖線で示している。以上により、点検結果の情報(パソコン24の出力情報)は、サポートセンター32のパソコン32Bで参照できると共に、パソコン32Bから社内ネットワーク32A及び公衆回線34を介して顧客先のパソコン38に提供可能となっている。
【0052】
また、図4の左側に示されるように、点検対象となるショット処理装置12の部品14の少なくともいずれか(特に重要なもの)にはセンサ付発信器42Aが取り付けられている。センサ付発信器42Aは、振動、騒音、及び温度を検知すると共に検知した検知情報を無線で送信できる発信器である。センサ付発信器42Aは、検知情報を中継器42Bを介して受信器(親器)42Cに送信可能となっている。換言すれば、受信器42Cは、センサ付発信器42Aから送信された検知情報を受信する。なお、センサ付発信器42Aと受信器42Cとの距離が短い場合、中継器42Bは不要である。
【0053】
受信器42Cは、モバイルルータ(変換送信器)42Dに通信回線で接続されており、受信器42Cで受信した検知情報のデータはモバイルルータ42Dに転送される。モバイルルータ42Dは、受信器42Cで受信された検知情報を無線ネットワーク(図示省略)内の無線基地局42Eに送信するための通信機器である。また、無線基地局42Eは、公衆回線34(通信回線ネットワーク)に接続されている。そして、サポートセンター32に設置された管理サーバ32Cは、モバイルルータ42Dから無線基地局42E及び通信回線ネットワーク(公衆回線34及び社内ネットワーク32A)を介して検知情報を受信する。
【0054】
センサ付発信器42Aは定期的に前述の検知情報を発信する。センサ付発信器42Aの検知情報は、サポートセンター32の管理サーバ32Cに格納される。これにより、管理サーバ32Cに格納された検知情報は、通信回線ネットワーク(公衆回線34及び社内ネットワーク32A)を介して顧客先のパソコン38からアクセス可能とされている。また、管理サーバ32Cに格納された検知情報は、サポートセンター32のパソコン32Bからもアクセス可能とされている。このため、顧客先のパソコン38(端末)及びサポートセンター32のパソコン32Bから検知情報を閲覧することができる。また、サポートセンター32では、センサ付発信器42Aの検知情報を収集分析し、部品交換時期の予想情報を顧客先(ユーザー)に提供すると共に、予防保全計画を提案する。
【0055】
(ショット処理装置の点検システムを用いた処理手順)
次に、ショット処理装置の点検システム10を用いた処理手順について図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
図5(A)に示されるように、装置点検時には、まず携帯端末20の電源を入れる(S1)。次に、携帯端末20で点検するショット処理装置12のバーコード12Bをスキャンする(S2)。すると、携帯端末20には、ショット処理装置12全体の点検対象となる部品14が列挙される形で表示される(S3)。次に、携帯端末20で点検対象となる部品14のバーコード18をスキャンする(S4)。なお、このスキャン処理(読み取り処理)の前に携帯端末20に種々の情報(例えば、点検作業者のIDコード、日常点検、週次点検、月次点検のいずれであるか等の情報)を入力する形態であってもよい。
【0057】
スキャン処理を行なうと、携帯端末20には、バーコード18の識別用データに応じて点検画面が表示される。この点検画面には、点検項目が列挙される形で表示される。点検作業者は、携帯端末20の点検画面に従って(点検画面の表示に応じて)点検対象となる部品14における点検項目のバーコード18A、18Bをスキャンし、その点検項目の点検を行う(S5)。このとき、携帯端末20の点検画面には、点検項目及びその判定基準が表示されると共に、点検項目に対応する点検結果の入力(画面上の選択肢の選択等)が可能となる。そして、点検作業者は、判定基準に従った点検結果(例えば、○、×等の判定結果)を携帯端末20に入力する(S6)。なお、点検日がいつであるかの情報(データ)は、一例として携帯端末20のシステム日付が自動的に書き込まれる。
【0058】
次に、点検作業者は、未点検の項目が有るか否かを判断し(S7)、有る場合には、点検項目のバーコード18A、18Bをスキャンしその点検項目の点検を行う工程(S5)に戻る。また、未点検の項目がない場合には、点検作業者は、未点検の部品14が有るか否かを判断する(S8)。そして、点検作業者は、未点検の部品14が有る場合には、点検対象となる部品14のバーコード18のスキャンを行う工程(S4)に戻る。また、未点検の部品14がない場合には、点検作業者は、点検予定のショット処理装置12が有るか否かを判断し(S9)、有る場合には、点検するショット処理装置12のバーコード12Bをスキャンする工程(S2)に戻る。一方、点検予定のショット処理装置12がない場合、点検作業者は、点検を終了する。
【0059】
このように、ショット処理装置の点検システム10によれば、ショット処理装置12の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができる。
【0060】
点検が終了したら、点検作業者は、図5(B)に示されるデータ転送時の処理を行う。図5(B)に示されるように、データ転送時には、まず、携帯端末20を送信器22にセットする(S11)。次に、パソコン24の電源を入れる(S12)、そして、パソコン24でデータ転送ソフトを立ち上げ(S13)、パソコン24を待受け状態にする。なお、この直後に後述する点検報告書作成ソフトを立ち上げてもよい。
【0061】
次に、携帯端末20の画面及び入力部20Cからの操作によって、携帯端末20のデータ(点検画面に応じて点検項目毎に入力された点検結果の情報)をパソコン24に転送(送信)する(S14)。そして、転送されたデータをパソコン24の記憶部24Dに保存する(S15)。その後、データ転送ソフトを終了する(S16)。なお、データ転送ソフトは、後述するパソコン24をOFFする直前に終了させてもよい。
【0062】
図5(C)には、パソコン24に転送データを保存した後の処理フローが示されている。図5(C)に示されるように、この処理フローでは、まず、点検報告書をプリントアウトするか否かを作業者が判断する(S21)。プリントアウトしない場合はパソコン24の電源をOFFにし(S29)、処理を終了する。一方、プリントアウトする場合は、パソコン24上で点検報告書作成ソフトを立ち上げる(S22)。次に、点検報告書作成ソフトで点検データを取り込む(S23)。そして、点検をした装置のうち、プリントアウトしたい装置を選択し(S24)、点検日を入力すると(S25)、点検者、及び点検結果等が表示部24Eに表示され(S26)、印刷処理の操作を実行することでプリンタ26にプリントアウトされる(S27)。その後、点検報告書作成ソフトを終了させ(S28)、パソコン24の電源をOFFにして(S29)、処理を終了させる。
【0063】
(遠心式投射機を備えたショットブラスト装置の点検)
【0064】
次に、図6を参照しながら、点検対象のショット処理装置がショットブラスト装置50である場合について説明する。図6には、ショットブラスト装置50が斜視図にて示されている。まず、このショットブラスト装置50について概説する。なお、このショットブラスト装置50には、装置識別用としてショットブラスト装置50の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。
【0065】
図6に示されるように、ショットブラスト装置50は、内部に投射材が投射される投射室52Aを有するキャビネット52を備えている。キャビネット52の天井部52Bには、投射部としての遠心式投射機54が取り付けられている。遠心式投射機54は、ハウジング54Aと、ハウジング54Aの側板に隣接して配置される駆動モータ54Bと、ハウジング54Aの内側に配置されて駆動モータ54Bの駆動軸に連結される羽根車(インペラ)54Cと、を備えている。駆動モータ54Bの電流値は、図示しない電流計によって測定可能となっている。また、羽根車54Cには、その回転軸の外周に複数の羽根板(ブレード)54C1が設けられている。そして、遠心式投射機54は、駆動モータ54Bの駆動力で羽根車54Cを高速回転させることで投射材に遠心力を付与して投射材を投射室52A内の被処理対象物へ向けて投射するようになっている。
【0066】
また、ショットブラスト装置50は、遠心式投射機54に投射材を供給するタンク56を備えている。タンク56の下部は、導入管58等を介して遠心式投射機54に接続されている。また、タンク56の上部は、セパレータ60を介してバケットエレベータ62の上部に接続されている。バケットエレベータ62は、装置上下方向を長手方向として配置され、遠心式投射機54から投射された投射材をタンク56へ戻す循環路に設けられている。なお、循環路は、セパレータ60、バケットエレベータ62、及び、キャビネット52に設けられて投射室52Aの下方側に配置されたホッパ64を含む構成部にて形成されている。また、ホッパ64の排出口は、バケットエレベータ62の下部収集口に臨む位置に配置されている。
【0067】
バケットエレベータ62は、ショットブラスト装置50の上部及び下部に配置されたプーリ62A(図中では上側のみ図示)に無端ベルト62Bが巻き掛けられると共に、無端ベルト62Bに多数のバケット62Cが取り付けられている。なお、図中では、バケットエレベータ62の上部のみを隠れ線(点線)で示している。また、図を見やすくするために、図中では、多数のバケット62Cのうちの二つのバケット62Cのみを図示しているが、実際には多数のバケット62Cが無端ベルト62Bの周方向に隣接して配置されている。また、上側のプーリ62Aは、モータ(図示省略)に接続されて回転駆動可能とされている。これにより、バケットエレベータ62は、ホッパ64で回収した投射材をバケット62Cで掬い上げると共に、上側のプーリ62Aを前記モータで回転させることによって、バケット62C内の投射材を上方側へ向けて搬送するようになっている。
【0068】
なお、バケットエレベータ62に代えて、スクリュコンベア、ベルトコンベア、オシレートコンベア、空気輸送等の搬送方式が適用されてもよい。
【0069】
また、バケットエレベータ62の上部と連通するセパレータ60は、ダクト66を介して集塵機68と接続されている。そして、セパレータ60は、集塵機68の吸引力によって生じる気流を利用して、バケットエレベータ62から流入された投射材を含む粉粒物を、軽量物と重量物とに選別し、投射材から異物を分級するようになっている。また、セパレータ60は、再利用可能な投射材を前述したタンク56に落とし込む位置に設定されている。なお、セパレータ60としては、サイクロン、セトリングチャンバー、ロータリスクリーン、振動篩等が適用可能である。
【0070】
集塵機68の内部には、空気を吸入するファン(図示省略)が設けられている。これにより、集塵機68は、バケットエレベータ62、セパレータ60、及びダクト66を介して、キャビネット52の内部の粉塵を含む空気を吸引する。また、集塵機68の内部において前記ファンよりも流路上流側の空間には、当該空間を流路上流側と流路下流側とに仕切るように濾布が張られている。前記濾布は、粉塵の捕捉用とされている。集塵機68は、前記濾布が設けられることで、清浄空気を排出するようになっている。また、集塵機68には、吸気側と排気側との差圧を測定する差圧計(図示省略)が設けられている。
【0071】
次に、ショットブラスト装置50の点検について説明する。
【0072】
前述した遠心式投射機54は、ショットブラスト装置50において予め設定された点検対象となる部品となっており、遠心式投射機54には、遠心式投射機54の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図6に示される遠心式投射機54を表す識別用データである場合に、表示部20E(図1参照)が点検画面に駆動モータ54Bの電流値及び遠心式投射機54の振動を点検項目として表示する。
【0073】
駆動モータ54Bの電流値は、ショットブラスト装置50を作動させて電流計を目視で読み取ることで確認される。点検作業者は、駆動モータ54Bの電流値が予め想定した電流値の正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、駆動モータ54Bの電流値が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、駆動モータ54Bの電流値が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。なお、注意(△)の状態は、調整又は部品準備が必要な状態であり、異常あり(×)の状態は、修理や部品交換が必要な状態である(以下の説明における注意(△)及び異常あり(×)も同様)。ここでの判定結果(点検結果)は、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0074】
また、遠心式投射機54の振動は、遠心式投射機54の摩耗を点検させるための点検項目であり、ショットブラスト装置50を作動させた後に目視することで確認される。点検作業者は、遠心式投射機54の振動の程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、遠心式投射機54の振動の程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、遠心式投射機54の振動の程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0075】
ここで、駆動モータ54Bの電流値を点検することで投射量が適切であるか否かを確認することができる。また、遠心式投射機54の振動を点検することで羽根車54Cの羽根板54C1の摩耗状態を確認することができる。また、羽根車54Cを回転自在に支持する軸受(図示省略)の損傷なども確認できる。そして、これらの点検項目に対応した保守がなされることで、遠心式投射機54が適切に投射材を投射することができる。
【0076】
また、バケットエレベータ62も、ショットブラスト装置50において予め設定された点検対象となる部品となっており、バケットエレベータ62には、バケットエレベータ62の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図6に示されるバケットエレベータ62を表す識別用データである場合に表示部20E(図1参照)が点検画面にバケットエレベータ62の作動時の異音を点検項目として表示する。
【0077】
バケットエレベータ62の作動時の異音は、ショットブラスト装置50を作動させた後に聴音で確認される。点検作業者は、バケットエレベータ62の作動時の異音の程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、バケットエレベータ62の作動時の異音の程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、バケットエレベータ62の作動時の異音の程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0078】
ここで、バケットエレベータ62の作動時の異音が点検されることで、バケットエレベータ62の蛇行やベルトテンションが適正か否かを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、バケットエレベータ62を良好に作動させることができる。
【0079】
また、キャビネット52も、ショットブラスト装置50において予め設定された点検対象となる部品となっており、キャビネット52には、キャビネット52の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図6に示されるキャビネット52を表す識別用データである場合に表示部20E(図1参照)が点検画面にキャビネット52からの投射材の漏れを点検項目として表示する。
【0080】
キャビネット52からの投射材の漏れは、ショットブラスト装置50を作動させた後に目視で確認される。点検作業者は、キャビネット52からの投射材の漏れの程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、キャビネット52からの投射材の漏れの程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、キャビネット52からの投射材の漏れの程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0081】
ここで、キャビネット52からの投射材の漏れが点検されることで、キャビネット52のシール状態を確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、キャビネット52のシール性が確保されてキャビネット52からの投射材の漏れが抑えられる。
【0082】
さらに、本実施形態では、集塵機68も、ショットブラスト装置50において予め設定された点検対象となる部品となっており、集塵機68には、集塵機68の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図6に示される集塵機68を表す識別用データである場合に、表示部20E(図1参照)が点検画面に集塵機68の作動時の異音、集塵機68の吸気側と排気側との差圧、及び集塵機68からの粉塵(ダスト)漏れを点検項目として表示する。
【0083】
集塵機68の作動時の異音は、ショットブラスト装置50を作動させた後に聴音で確認される。点検作業者は、集塵機68の作動時の異音の程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、集塵機68の作動時の異音の程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、集塵機68の作動時の異音の程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0084】
また、集塵機68の吸気側と排気側との差圧は、ショットブラスト装置50を作動させた後に、集塵機68の吸気側と排気側との差圧を測定する差圧計を目視で読み取ることで確認される。点検作業者は、差圧計の値が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、差圧計の値が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、差圧計の値が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0085】
また、集塵機68からの粉塵漏れは、ショットブラスト装置50を作動させた後に、目視で確認される。点検作業者は、集塵機68からの粉塵漏れの程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、集塵機68からの粉塵漏れの程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、集塵機68からの粉塵漏れの程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0086】
ここで、集塵機68の作動時の異音、集塵機68の吸気側と排気側との差圧、及び集塵機68からの粉塵漏れが点検されることで、集塵機68のファンや軸受けの摩耗、濾布の破れ及び目詰まりの有無を確認することができる。そして、これらの点検項目に対応した保守がなされることで、集塵機68を良好に作動させることができる。
【0087】
以上説明したショットブラスト装置50には、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表すバーコード(図示省略、図1の符号18A、18B参照、点検項目識別部)が設けられている。詳細説明を省略するが、これらのバーコードは、点検項目に対応する点検対象となる部品又はその周囲部に設けられている。すなわち、ショットブラスト装置50において、点検項目の識別用データを表すバーコードは、前記の「ショット処理装置の点検システムの概要」及び「ショット処理装置の点検システムを用いた処理手順」で説明したバーコード18A、18B(図1参照)に対応する構成部である。このように、点検項目の識別用データを表すバーコードが設けられることで、点検項目毎に当該バーコードを図1に示される携帯端末20のバーコードリーダ20Aで読み取ってから点検結果が入力されることになるので、点検の堅実化をサポートすることができる。
【0088】
以上のように、ショット処理装置の点検システム10では、図6に示されるショットブラスト装置50の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができ、投射材を用いることに起因したショットブラスト装置50の保守点検に資することができる。
【0089】
(エア圧式投射機を備えたショットピーニング装置の点検)
次に、図7を参照しながら、点検対象のショット処理装置がショットピーニング装置70である場合について説明する。図7には、ショットピーニング装置70が概略構成図にて示されている。まず、このショットピーニング装置70について概説する。なお、このショットピーニング装置70には、装置識別用としてショットピーニング装置70の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。
【0090】
図7に示されるように、ショットピーニング装置70は、装置本体70Aを備えている。また、装置本体70Aは、内部に投射材が投射される投射室72Aを有するキャビネット72を備えている。キャビネット72の側壁部には、エア圧式投射機74の投射部としてのノズル76が取り付けられている。
【0091】
エア圧式投射機74は、被処理対象物Wに投射材を噴射(投射)するためのものであり、ノズル76と、エア供給部としてのコンプレッサ80と、加圧タンク82と、を含んで構成されている。コンプレッサ80は、加圧されたエアを供給することが可能な圧縮空気供給装置である。また、加圧タンク82は、投射材を貯蔵すると共に下部側から投射材を供給するためのタンクである。加圧タンク82の下部(底部)には、カットゲート(図示省略)が設けられたショット流出口82Bが形成されており、このショット流出口82Bには、タンク接続配管部79Aの一端部が接続されている。このタンク接続配管部79Aを介して加圧タンク82の下部側にはミキシング部79Bが連通しており、ミキシング部79Bは、投射材とエアとを混合させる空間を形成している。また、タンク接続配管部79Aの流路中間部には、ショット流量制御弁(図示省略)が設けられている。
【0092】
加圧タンク82及びミキシング部79Bは、エア供給配管部78によってコンプレッサ80に連通している。エア供給配管部78は、一端部がコンプレッサ80に接続されると共に、流路中間部で分岐しており、分岐した一方の端部が加圧タンク82の側部のエア流入口82Aに接続され、分岐した他方の端部がミキシング部79Bに接続されている。すなわち、エア供給配管部78は、加圧タンク82内の加圧用としてコンプレッサ80と加圧タンク82とを連通させる第一エア供給配管部78Aと、コンプレッサ80とミキシング部79Bとを連通させる第二エア供給配管部78Bと、備えている。なお、エア供給配管部78において分岐点よりも流路上流側の構成部は、第一エア供給配管部78Aと第二エア供給配管部78Bとを兼用する兼用配管部78Xとなっている。
【0093】
第一エア供給配管部78Aにおいて兼用配管部78Xよりも流路下流側の配管部には、第一エア流量制御弁(図示省略)が設けられており、この第一エア流量制御弁が開かれることで、コンプレッサ80からの圧縮空気が加圧タンク82内に供給される。これにより、加圧タンク82内は加圧可能となっている。
【0094】
また、第二エア供給配管部78Bにおいて兼用配管部78Xよりも流路下流側の配管部には、第二エア流量制御弁(図示省略)が設けられている。すなわち、加圧タンク82内が加圧された状態で前記カットゲート及び前記ショット流量制御弁が開かれかつ第二エア流量制御弁が開かれた場合、加圧タンク82から供給された投射材と、コンプレッサ80から供給された圧縮空気とが、ミキシング部79Bにて混合されるようになっている。
【0095】
ミキシング部79Bには輸送配管部79Cの一端部が接続されている。この輸送配管部79Cの他端部は噴射用(ショットピーニング用)のノズル76に接続されている。すなわち、ミキシング部79Bとノズル76とは、輸送配管部79Cによって連通されている。そして、輸送配管部79Cは、ミキシング部79Bからノズル76へエア及び投射材を輸送するための配管部とされている。これにより、ミキシング部79Bに流れた投射材は、圧縮空気と混合された状態でノズル76の先端部より噴射されるようになっている。換言すれば、エア圧式投射機74は、コンプレッサ80で加圧されて第二エア供給配管部78Bを流通させたエアと加圧タンク82から供給された投射材とをミキシング部79Bで混合させてノズル76から噴射する。
【0096】
また、第一エア供給配管部78Aにおいて、兼用配管部78Xには、圧力計84が設置されている。圧力計84は、第一エア供給配管部78A(兼用配管部78X)におけるエアの圧力の測定用とされている。
【0097】
ショットピーニング装置70は、エア圧式投射機74に投射材を供給するタンク86を備えている。タンク86は、エア圧式投射機74における加圧タンク82の上方側に配置され、導入管88を介して加圧タンク82に接続されている。導入管88には、流量調整弁90が設けられている。
【0098】
また、ショットピーニング装置70には、エア圧式投射機74から投射された投射材をタンク86へ戻す循環路が設けられ、前記循環路には、前述したショットブラスト装置50のバケットエレベータ62(図6参照)と同様の構成を備えたバケットエレベータ92が設けられている。すなわち、バケットエレベータ92は、上下に配置されたプーリ92Aに無端ベルト92Bが巻き掛けられると共に、無端ベルト92Bに多数のバケット92Cが取り付けられている。なお、バケットエレベータ92に代えて、スクリュコンベア、ベルトコンベア、オシレートコンベア、空気輸送等の搬送方式が適用されてもよい。また、本実施形態では、循環路は、導入管88、タンク86、バケットエレベータ92、及び、キャビネット72に設けられて投射室72Aの下方側に配置されたホッパ94を含む構成部にて形成されている。バケットエレベータ92は、ホッパ94で回収された投射材を受け入れて当該投射材を上方側へ搬送するようになっており、搬送した投射材をタンク86に供給するようになっている。
【0099】
また、ショットピーニング装置70には、前述したショットブラスト装置50の集塵機68(図6参照)と同様の構成を備えた集塵機98が設けられている。集塵機98は、ダクト96を介してキャビネット72に接続されており、キャビネット72の内部の粉塵を含む空気を吸引するようになっている。
【0100】
次に、ショットピーニング装置70の点検について説明する。
【0101】
前述した第一エア供給配管部78Aは、ショットピーニング装置70において予め設定された点検対象となる部品となっており、第一エア供給配管部78Aの周囲部には、第一エア供給配管部78Aの識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図7に示される第一エア供給配管部78Aを表す識別用データである場合に、表示部20E(図1参照)が点検画面に第一エア供給配管部78Aにおけるエアの圧力値を点検項目として表示する。
【0102】
第一エア供給配管部78Aにおけるエアの圧力値は、エア圧式投射機74を作動させて圧力計84を目視で読み取ることで確認される。点検作業者は、第一エア供給配管部78Aにおけるエアの圧力値が予め想定した正常値である場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、第一エア供給配管部78Aにおけるエアの圧力値が正常値でなく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、第一エア供給配管部78Aにおけるエアの圧力値が正常値でなく注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)は、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0103】
ここで、加圧タンク82内の加圧用として設けられた第一エア供給配管部78Aのエアの圧力値が点検されることで、適切な投射条件で投射が行われるか否かを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、エア圧式投射機が適切に投射材を投射することができる。
【0104】
また、ノズル76は、ショットピーニング装置70において予め設定された点検対象となる部品となっており、ノズル76の周囲部には、ノズル76の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図7に示されるノズル76を表す識別用データである場合に、表示部20E(図1参照)が点検画面にノズル76の摩耗を点検項目として表示する。
【0105】
ノズル76の摩耗は、エア圧式投射機74を作動させずに点検され、目視で確認される。点検作業者は、ノズル76の摩耗の程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、ノズル76の摩耗の程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、ノズル76の摩耗の程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。ここで、ノズル76の摩耗が点検されて保守されることで、投射範囲の広がり及び投射圧力の低下が抑えられる。
【0106】
また、バケットエレベータ92も、ショットピーニング装置70において予め設定された点検対象となる部品となっており、バケットエレベータ92には、バケットエレベータ92の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図7に示されるバケットエレベータ92を表す識別用データである場合に表示部20E(図1参照)が点検画面にバケットエレベータ92の作動時の異音を点検項目として表示する。
【0107】
バケットエレベータ92の作動時の異音は、ショットピーニング装置70を作動させた後に聴音で確認される。点検作業者は、バケットエレベータ92の作動時の異音の程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、バケットエレベータ92の作動時の異音の程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、バケットエレベータ92の作動時の異音の程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0108】
ここで、バケットエレベータ92の作動時の異音が点検されることで、バケットエレベータ92の蛇行やベルトテンションが適正か否かを確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、バケットエレベータ92を良好に作動させることができる。
【0109】
また、キャビネット72も、ショットピーニング装置70において予め設定された点検対象となる部品となっており、キャビネット72には、キャビネット72の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図7に示されるキャビネット72を表す識別用データである場合に表示部20E(図1参照)が点検画面にキャビネット72からの投射材の漏れを点検項目として表示する。
【0110】
キャビネット72からの投射材の漏れは、ショットピーニング装置70を作動させた後に目視で確認される。点検作業者は、キャビネット72からの投射材の漏れの程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、キャビネット72からの投射材の漏れの程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、キャビネット72からの投射材の漏れの程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0111】
ここで、キャビネット72からの投射材の漏れが点検されることで、キャビネット72のシール状態を確認することができる。そして、この点検項目に対応した保守がなされることで、キャビネット72のシール性が確保されてキャビネット72からの投射材の漏れが抑えられる。
【0112】
さらに、集塵機98も、ショットピーニング装置70において予め設定された点検対象となる部品となっており、集塵機98には、集塵機98の識別用データを表すバーコード(図示省略)が付されている。図1に示される携帯端末20は、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード18が図7に示される集塵機98を表す識別用データである場合に、表示部20E(図1参照)が点検画面に集塵機98の作動時の異音、集塵機98の吸気側と排気側との差圧、及び集塵機98からの粉塵(ダスト)漏れを点検項目として表示する。
【0113】
集塵機98の作動時の異音は、ショットピーニング装置70を作動させた後に聴音で確認される。点検作業者は、集塵機98の作動時の異音の程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、集塵機98の作動時の異音の程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、集塵機98の作動時の異音の程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0114】
また、集塵機98の吸気側と排気側との差圧は、ショットピーニング装置70を作動させた後に、集塵機98の吸気側と排気側との差圧を測定する差圧計(図示省略)を目視で読み取ることで確認される。点検作業者は、差圧計の値が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、差圧計の値が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、差圧計の値が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0115】
また、集塵機98からの粉塵漏れは、ショットピーニング装置70を作動させた後に、目視で確認される。点検作業者は、集塵機98からの粉塵漏れの程度が予め想定した正常範囲内にある場合は、異常なし(○)の判定をする。一方、集塵機98からの粉塵漏れの程度が正常範囲内になく注意すべき範囲内にある場合、点検作業者は注意(△)の判定をする。さらに、集塵機98からの粉塵漏れの程度が正常範囲内になくかつ注意すべき範囲内にもない場合、点検作業者は異常あり(×)の判定をする。ここでの判定結果(点検結果)も、点検作業者により携帯端末20(図1参照)に入力される。
【0116】
ここで、集塵機98の作動時の異音、集塵機98の吸気側と排気側との差圧、及び集塵機98からの粉塵漏れが点検されることで、集塵機98のファンや軸受けの摩耗、濾布の破れ及び目詰まりの有無を確認することができる。そして、これらの点検項目に対応した保守がなされることで、集塵機98を良好に作動させることができる。
【0117】
以上説明したショットピーニング装置70には、点検対象となる部品における点検項目の識別用データを表すバーコード(図示省略、図1の符号18A、18B参照、点検項目識別部)が設けられている。詳細説明を省略するが、これらのバーコードは、点検項目に対応する点検対象となる部品又はその周囲部に設けられている。すなわち、ショットピーニング装置70において、点検項目の識別用データを表すバーコードは、前記の「ショット処理装置の点検システムの概要」及び「ショット処理装置の点検システムを用いた処理手順」で説明したバーコード18A、18B(図1参照)に対応する構成部である。このように、点検項目の識別用データを表すバーコードが設けられることで、点検項目毎に当該バーコードを図1に示される携帯端末20のバーコードリーダ20Aで読み取ってから点検結果が入力されることになるので、点検の堅実化をサポートすることができる。
【0118】
以上のように、ショット処理装置の点検システム10では、図7に示されるショットピーニング装置70の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができ、投射材を用いることに起因したショットピーニング装置70の保守点検に資することができる。
【0119】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るショット処理装置の点検システムについて、第1の実施形態を示す図面を援用しながら説明する。なお、第2の実施形態は、以下に説明する点を除き、第1の実施形態と同様の構成とされている。よって、第1の実施形態と同様の構成部については説明を省略する。
【0120】
第2の実施形態では、図1に示される点検対象となる部品14の識別用データを表すバーコード18(部品識別部)が設けられていない。一方、点検対象となる部品14における点検項目の識別用データを表すバーコード18A、18B(点検項目識別部)は、ショット処理装置12において予め設定された点検対象となる部品14又はその周囲部に設けられている。
【0121】
第2の実施形態では、図3に示される制御部20Bは、バーコードリーダ20Aから取得したショット処理装置12(図1参照)の識別用データ(バーコード12Bのデータ)をキーとして、記憶部20Dの点検項目テーブル及び判定基準テーブルを参照する。そして、制御部20Bは、参照した点検項目及び判定基準のデータを所定の表示形式に従って表示部20Eに表示させる。以上により、表示部20Eは、バーコードリーダ20Aが読み取ったバーコード12Bの識別用データに応じて点検項目等を表示するようになっている。
【0122】
この第2の実施形態におけるショット処理装置の点検システムを用いた処理手順は、図5(A)に示される第1の実施形態における処理手順とは以下の点で異なっている。まず、図5(A)に示される「携帯端末に装置全体の点検部品が表示される工程」(S3)に代えて、「携帯端末に装置全体の点検項目が表示される工程」が適用される。また、図5(A)に示される「携帯端末で点検部品のバーコードをスキャンする工程」(S4)及び「未点検の部品の有無を判断する工程」(S8)は適用されない。
【0123】
以上説明した第2の実施形態によっても、ショット処理装置の各点検箇所で該当部品の点検を確実に行わせることができ、投射材を用いることに起因したショット処理装置の保守点検に資することができる。
【0124】
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態において、点検時に目視で判定しているものについては、点検箇所を撮影し、撮影された画像のデータを併用して種々の判定をしてもよい。
【0125】
また、上記第1の実施形態では、図1に示されるように、部品識別部がバーコード18とされているが、部品識別部は、例えば、数字を含む文字、模様等のようなバーコード以外の他の部品識別部であってもよい。また、同様に、上記実施形態では、点検項目識別部がバーコード18A、18Bとされているが、点検項目識別部は、例えば、数字を含む文字、模様等のようなバーコード以外の他の点検項目識別部であってもよい。さらに、ショット処理装置の識別用データを表す装置識別部についても同様である。
【0126】
また、上記実施形態では、コンピュータが図2に示されるパソコン24である場合を例に挙げて説明したが、コンピュータは、大型コンピュータであってもよい。同様に、図4に示されるパソコン32B、38に代えて、大型コンピュータが適用されてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、点検画面に応じて三段階評価による点検結果の情報が入力されているが、点検画面に応じて二段階評価又は五段階評価等のような三段階評価以外の多段階評価による点検結果の情報が入力されるように構成されてもよい。
【0128】
また、点検対象となるショット処理装置は、遠心式投射機を備えたショットピーニング装置、遠心式投射機を備えたショットブラスト兼ショットピーニング装置、エア圧式投射機を備えたショットブラスト装置、及びエア圧式投射機を備えたショットブラスト兼ショットピーニング装置等でもよい。
【0129】
また、上記第1の実施形態の変形例として、点検項目識別部としてのバーコードが設けられない構成も採り得る。この変形例に係るショット処理装置の点検システムでは、図3に示される制御部20Bは、バーコードリーダ20Aから取得した部品14(図1参照)の識別用データ(バーコード18のデータ)をキーとして、記憶部20Dの点検項目テーブル及び判定基準テーブルを参照する。そして、制御部20Bは、参照した点検項目及び判定基準のデータを所定の表示形式に従って表示部20Eに表示させる。また、この変形例に係るショット処理装置の点検システムを用いた処理手順は、図5(A)の第1の実施形態における処理手順に示される「携帯端末の画面に従い点検項目のバーコードをスキャンし、点検を行う工程」(S5)に代えて、「携帯端末の画面に従い点検を行う工程」が適用されることになる。
【0130】
また、上記実施形態の変形例として、センサ付発信器(図4参照)は、部品の振動、騒音、及び温度のいずれか二つを検知すると共に検知した検知情報を無線で送信するものであってもよい。また、他の変形例として、センサ付発信器は、部品の振動、騒音、及び温度のいずれか一つを検知すると共に検知した検知情報を無線で送信するものであってもよい。
【0131】
また、上記実施形態の変形例として、図4に示されるセンサ付発信器42A、受信器42C、及びモバイルルータ42Dが設置されないような構成も採り得る。
【0132】
また、第2の実施形態の変形例として、図7に示される兼用配管部78Xに設置された圧力計84に代えて、第一エア供給配管部78Aにおいて兼用配管部78Xよりも流路下流側の配管部に圧力計を設置してもよい。また、他の変形例として、第一エア供給配管部78Aと第二エア供給配管部78Bとの兼用配管部78Xが設けられず、第一エア供給配管部と第二エア供給配管部とが別個独立に設置されてもよい。
【0133】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0134】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0135】
以下に本明細書及び図面で用いた主な符号をまとめて示す。
10 ショット処理装置の点検システム
12 ショット処理装置
14 部品
18 バーコード(部品識別部)
18A、18B バーコード(点検項目識別部)
20 携帯端末
20A バーコードリーダ(読取部)
20E 表示部
20F 送信部
24 パソコン(コンピュータ)
24A 受信部
24D 記憶部
24G 作表部
50 ショットブラスト装置(ショット処理装置)
52 キャビネット(部品)
52A 投射室
54 遠心式投射機(投射部(部品))
54B 駆動モータ
54C 羽根車
56 タンク
62 バケットエレベータ(部品)
68 集塵機(部品)
70 ショットピーニング装置(ショット処理装置)
72 キャビネット(部品)
72A 投射室
74 エア圧式投射機
76 ノズル(投射部(部品))
78A 第一エア供給配管部(部品)
78B 第二エア供給配管部
79B ミキシング部
80 コンプレッサ(エア供給部)
82 加圧タンク
86 タンク
92 バケットエレベータ(部品)
98 集塵機(部品)
W 被処理対象物
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】