(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014058011
(43)【国際公開日】20140417
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20160808BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20160808BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   !A61L2/10
   !C02F1/32
   !A61L9/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】2014540889
(21)【国際出願番号】JP2013077588
(22)【国際出願日】20131010
(31)【優先権主張番号】2012225257
(32)【優先日】20121010
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝大門一丁目12番15号
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100096873
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 廣泰
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155871
【弁理士】
【氏名又は名称】森廣 亮太
(72)【発明者】
【氏名】二家本 博之
【住所又は居所】日本国神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 NOK株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 光彦
【住所又は居所】日本国茨城県牛久市奥原町1650−11−1 日本メクトロン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】越智 聡
【住所又は居所】日本国神奈川県川崎市川崎区東田町8番地 イーグル工業株式会社ネオプトカンパニー内
【テーマコード(参考)】
4C058
4C080
4D037
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058AA30
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK22
4C058KK46
4C080AA10
4C080BB05
4C080QQ11
4D037AA02
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB04
4D037CA01
(57)【要約】
紫外線を照射することで流体の殺菌を行う殺菌装置において、殺菌効率を向上させることが可能な技術を提供する。殺菌対象となる流体が流れる筒状流路111を有するハウジング110と、該ハウジング110に設けられ、前記筒状流路111内に該筒状流路111の軸方向にて紫外線を照射する光源121と、を備える殺菌装置100であって、前記筒状流路111内において、前記光源121から照射された紫外線を該筒状流路111の軸方向に反射する構造111a,130を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌対象となる流体が流れる筒状流路を有するハウジングと、
該ハウジングに設けられ、前記筒状流路内に該筒状流路の軸方向に紫外線を照射する光源と、を備える殺菌装置において、
前記筒状流路内において、前記光源から照射された紫外線を該筒状流路の軸方向に反射する構造を有する殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体や気体などの流体を殺菌する殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水器などにおいて、紫外線を照射することで水の殺菌を行う殺菌装置を備えたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、浄水器に、紫外線を生じる紫外線LEDを含む発光体アセンブリを設け、紫外線LEDで生じた紫外線を浄水カートリッジと吐水口との間の浄水通路内で該浄水通路の延伸方向に略沿って照射する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、直管状の金属パイプで形成された水を流す流路における一方又は両方の管端部の内壁に、水に対して紫外線を照射する紫外線LEDユニットを設けると共に、金属パイプの内周面に鏡面状酸化チタン膜を形成する技術が開示されている。
【0005】
ここで、図12を参照して、流路内に紫外線を照射することで流体の殺菌を行う場合の仮想技術について説明する。図12は、仮想技術に係る殺菌装置の模式的断面図である。
【0006】
殺菌装置400は、殺菌対象となる流体が流れる円筒状流路411、入口側流路412、及び出口側流路413を有するハウジング410と、該ハウジング410に設けられる光源ユニット420とを備えている。光源ユニット420には、円筒状流路411内に紫外線を照射する光源であるLED素子421が備えられている。LED素子421は、円筒状流路411の軸方向に紫外線を照射する。尚、図12中の線Lは、LED素子421から照射された紫外線の中心軸(光軸)を示している。図12に示すように、円筒状流路411の中心軸と紫外線の中心軸とは重なり合っている。
【0007】
紫外線による殺菌効果を得るためには、光強度が一定値以上である必要がある。しかしながら、紫外線の光強度は距離の二乗に反比例するように減衰する。そのため、上記のように円筒状流路411の軸方向に向けてLED素子421から紫外線が照射される場合、円筒状流路411の軸方向においてLED素子421から離れるほど光強度が低下するため、殺菌効率が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−214241号公報
【特許文献2】特開2011−016074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、紫外線を照射することで流体の殺菌を行う殺菌装置において、殺菌効率を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明に係る殺菌装置は、
殺菌対象となる流体が流れる筒状流路を有するハウジングと、
該ハウジングに設けられ、前記筒状流路内に該筒状流路の軸方向にて紫外線を照射する光源と、を備える殺菌装置であって、
前記筒状流路内において、前記光源から照射された紫外線を該筒状流路の軸方向に反射する構造を有する。
【0011】
本発明によれば、筒状流路内において、光源と反射構造との間の紫外線の光強度は、光源から反射構造に向う紫外線の光強度と、反射構造によって反射されて光源に向う紫外線の光強度を足し合わせたものとなる。従って、筒状流路内における紫外線の光強度、特に、筒状流路の軸方向において光源から離れた位置での紫外線の光強度を高めることができる。そのため、殺菌効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、紫外線を照射することで流体の殺菌を行う殺菌装置において、殺菌効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施例に係る殺菌装置を備える浄水器の概略構成図である。
【図2】図2は、実施例1に係る殺菌装置の第一の模式的断面図である。
【図3】図3は、実施例1に係る殺菌装置の第二の模式的断面図である。
【図4】図4は、実施例1に係る殺菌装置内における紫外線の反射態様を模式的に示す図である。
【図5】図5は、実施例1に係る殺菌装置の円筒状流路内の紫外線の光強度の分布を示す図である。
【図6】図6は、実施例1の変形例に係る殺菌装置の円筒状流路における端部壁の内壁面の形状を示す拡大図である。
【図7】図7は、実施例1の変形例に係る殺菌装置の円筒状流路における端部壁の内壁面の形状を示す拡大図である。
【図8】図8は、実施例2に係る殺菌装置の第一の模式的断面図である。
【図9】図9は、実施例2に係る殺菌装置の第二の模式的断面図である。
【図10】図10は、実施例3に係る殺菌装置の第一の模式的断面図である。
【図11】図11は、実施例3に係る殺菌装置の第二の模式的断面図である。
【図12】図12は、仮想技術に係る殺菌装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
<殺菌装置の適用例>
本実施例に係る殺菌装置は、水(水道水)などの液体や空気などの気体を殺菌するためなど、各種用途に適用し得る。前者の場合には、例えば水道の蛇口に取り付けたり、水道に取付ける浄水器内に設置したりすることで水を殺菌するために用いることができる。また、後者の場合には、例えば排気管などに取付けることで、排気を殺菌するために用いることができる。ここでは、一例として、ポット型の浄水器に装着するカートリッジ型の殺菌装置の場合について、図1を参照して説明する。
【0016】
図1に示すポット型の浄水器500は、ケース510と、ケース510の内部の空間を2つの領域に仕切る仕切り部520と、仕切り部520に装着される浄水カートリッジ550とを備えている。また、ケース510の上部には、水道水などの原水をケース510内に入れるための第1蓋530、及び浄化後の水を外部に排出させるための第2蓋540が設けられている。浄水カートリッジ550には、その内部に活性炭が充填されている。
【0017】
以上のように構成される浄水器500によれば、第1蓋530を開いた状態で、原水をケース510内に入れると、浄水カートリッジ550により浄化された水Wが、ケース510の下方に溜められる。そして、第2蓋540を開いた状態で、ケース510を第2蓋540側に傾けることによって、浄化された水Wを外部に排出させることができる。
【0018】
ここで、上記のように構成される浄水器500の場合、ケース510内に溜められた水は、活性炭によって塩素が除去されている。そのため、長期間放置されると菌が発生してしまう問題がある。そこで、本実施例に係る浄水器500においては、溜められた水Wを殺菌するために、第2蓋540の付近にカートリッジ型の殺菌装置100装着されている。さらに、浄水器500には、殺菌装置100に電気を供給するための電源ユニット400も装着されている。そして、溜められていた浄化後の水Wをケース510の外部に排出する際には、該水Wが殺菌装置100内の流路を通る際に紫外線によって殺菌される。
【0019】
<実施例1>
[殺菌装置の概略構成]
図2及び3を参照して、本実施例に係る殺菌装置について説明する。図2は、本実施例に係る殺菌装置の模式的断面図である。図3は、図2中のAA断面図である。
【0020】
本実施例に係る殺菌装置100は、ハウジング110と光源ユニット120とを備えている。ハウジング110は、殺菌対象となる流体(ここでは、水)が流れる円筒状流路111、入口側流路112、及び出口側流路113を有している。光源ユニット120は、ハウジング110における円筒状流路111の一方の端部に設けられている。
【0021】
光源ユニット120は、LED素子121と、基板122と、レンズ123と、LEDハウジング124とを備えている。LED素子121は、円筒状流路111内に紫外線を照射するための光源である。LED素子121は基板122に取り付けられている。また、基板122上には、LED素子121を囲うようにLEDハウジング124が設置されている。LEDハウジング124にはレンズ123が設けられている。レンズ123は、LED素子121から照射された紫外線を集光する。
【0022】
光源ユニット120と円筒状流路111との間には、窓125が設けられている。この窓125は光源ユニット120が配置されている領域と円筒状流路111とを仕切るために設けられている。即ち、この窓125は、殺菌対象となる流体が光源ユニット120側に向かわないように、紫外線は透過させつつ流体の光源ユニット120側への侵入を防止する役割を担っている。
【0023】
LED素子121は、円筒状流路111の軸方向に紫外線を照射する。尚、図2中の線Lは、LED素子121から照射された紫外線の中心軸(光軸)を示している。図2に示すように、円筒状流路111の中心軸と紫外線の中心軸とは重なり合っている。
【0024】
尚、LED素子121には、浄水器500に装着された電源ユニット400から電気が供給される。ただし、LED素子121の電源を殺菌装置100に設けることもできる。
【0025】
ハウジング110において、円筒状流路111の一方の端部(光源ユニット120が設けられている方の端部)近傍の側方に入口側流路112が接続されている。また、円筒状流路111の他方の端部(光源ユニット120が設けられている方とは反対側の端部)に出口側流路113が接続されている。入口側流路112を通って円筒状流路111内に流体が流入する。また、円筒状流路111から出口側流路113を通って流体が外部に流出する。
【0026】
図3に示すように、入口側流路112は、その中心軸が円筒状流路111の中心軸に対してオフセットした位置(即ち、入口側流路112の中心軸の延長線と円筒状流路111の中心軸とが互いにぶつからず立体的に交差するような位置)に接続されている。入口側流路112がこのように構成されていることで、円筒状流路111内において、該円筒状流路111の軸周りに旋回する流体の旋回流が生じる。尚、図2及び3中の矢印は流体の旋回流を表している。
【0027】
また、図2に示すように、出口側流路113は、その中心軸が円筒状流路111の中心軸と重なり合うように接続されている。ただし、出口側流路113の直径は円筒状流路111の直径よりも小さい。そのため、円筒状流路111の他方の端部壁111aに出口側流路113が接続される形となっている。
【0028】
円筒状流路111は石英ガラス等の透過率の高い物質で形成されている。円筒状流路111の外壁面(端部壁111a及び側壁111bの外壁面)は反射膜130によって覆われている。この反射膜130は、例えば、円筒状流路111の外壁面の表面をフッ化マグネシウム等の紫外線透過率の高い保護膜でコーティングし、その上にアルミニウムを蒸着させ、さらにその表面をフッ化マグネシウム等の紫外線透過率の高い保護膜でコーティングすることで形成することができる。ただし、反射膜130を形成する物質はこれらに限られるものではない。
【0029】
ここで、本実施例に係る殺菌装置内における紫外線の反射態様を模式的に示す図4を参照して、円筒状流路111内における紫外線の進路について説明する。図4の破線矢印に示すように、LED素子121から照射され円筒状流路111の径方向に拡がった紫外線は、該円筒状流路111の側壁111bの外壁面に形成された反射膜130によって繰り返し反射されつつ、円筒状流路111の端部壁111aに向っていく。さらに、円筒状流路111の端部壁111aの外壁面に形成された反射膜130によれば、該円筒状流路111の軸方向に紫外線が反射される。この円筒状流路111の端部壁111aの外壁面に形成された反射膜130によって反射された紫外線は光源ユニット120に向っていく。
【0030】
[本実施例に係る殺菌装置の優れた点]
上述したように、本実施例に係る殺菌装置100において、LED素子121は円筒状流路111の軸方向に紫外線を照射する。この場合、円筒状流路111の中心軸付近で光強度が最も高く、該中心軸から外側(径方向)に離れるほど光強度が低下する。そして、円筒状流路111の側壁111bの内壁面付近では光強度が最も低くなる。そのため、円筒状流路111の側壁111bの内壁面付近を流れる流体に対しては殺菌効果が得られ難い。
【0031】
しかしながら、本実施例に係る殺菌装置100によれば、円筒状流路111内において該円筒状流路の中心軸周りに旋回する流体の旋回流が生じる。このような旋回流が生じることで、円筒状流路111内において、光強度の高い中心軸付近を流れる流体と、光強度の低い側壁111bの内壁面付近を流れる流体とが混ざり合う。そのため、円筒状流路111内を流れる流体を略均一に殺菌することが可能となる。従って、殺菌効率を向上させることができる。
【0032】
また、本実施例に係る殺菌装置100によれば、モータ等の動力を別途設けることなく、円筒状流路111内において流体の旋回流を生じさせることができる。
【0033】
尚、図2に示す殺菌装置100において、入口側流路112と出口側流路113とを逆にしてもよい。つまり、流路113を通って円筒状流路111内に流体が流入し、円筒状流路111から流路112を通って流体が外部に流出する構成を採用してもよい。また、図2に示す殺菌装置100において、入口側流路112のみならず出口側流路113も円筒状流路111の側方に接続し、且つ、その接続位置を、その中心軸が円筒状流路111の中心軸に対してオフセットした位置(即ち、出口側流路113の中心軸の延長線と円筒状流路111の中心軸とが互いにぶつからず立体的に交差するような位置)とする構成を採用してもよい。これらの構成を採用した場合も、円筒状流路111内において流体の旋回流を生じさせることができる。
【0034】
また、紫外線の光強度は距離の二乗に反比例するように減衰する。そのため、本実施例に係る殺菌装置100において、LED素子121から円筒状流路111の軸方向に照射され円筒状流路111の端部壁111a側に向う紫外線の強度は、円筒状流路111の軸方向においてLED素子121から離れるほど低下する。
【0035】
しかしながら、本実施例に係る殺菌装置100によれば、LED素子121から照射された紫外線が、円筒状流路111の端部壁111aの外壁面に形成された反射膜130によって、該円筒状流路111の軸方向に反射される。そのため、円筒状流路111内における紫外線の光強度は、LED素子121から円筒状流路111の端部壁111aに向う紫外線の光強度と、該円筒状流路111の端部壁111aの外壁面に形成された反射膜130によって反射されて光源ユニット120に向う紫外線の光強度を足し合わせたものとなる。従って、円筒状流路111内における紫外線の光強度、特に、円筒状流路111の軸方向においてLED素子121から離れた位置(即ち、端部壁111aの内壁面付近)での紫外線の光強度を高めることができる。その結果、殺菌効率をさらに向上させることができる。
【0036】
図5(a)は、図2中のBB断面における円筒状流路111内の紫外線の光強度の分布を示す図である。図5(b)は、本実施例に係る殺菌装置100において円筒状流路111の端部壁111aに反射膜130が存在していない場合の、図2中のBB断面における円筒状流路111内の紫外線の光強度の分布を示す図である。
【0037】
図5における(a)と(b)とのいずれにおいても、円筒状流路111の中心軸付近で光強度が最も高く、該中心軸から外側(径方向)に離れるほど光強度が低下している。また、図5における(a)と(b)とを比較すると、円筒状流路111の端部壁111aに形成された反射膜130によって紫外線が反射されることで、該反射膜130が存在しない場合に比べて円筒状流路111内における紫外線の光強度が高くなっていることがわかる。
【0038】
また、本実施例に係る殺菌装置100においては、ハウジング110における円筒状流路111の側壁111bの外壁面も反射膜130に覆われている。これにより、LED素子121から照射された紫外線のハウジング110の外部への漏れを抑制することができる。
【0039】
また、本実施例に係る殺菌装置100においては、出口側流路113の直径は入口側流路112の直径よりも小さい。つまり、出口側流路113の流路面積が入口側流路の流路面積よりも小さい。これにより、円筒状流路111内に流体が充満し易くなっている。円筒状流路111内に流体が充満していると、該円筒状流路111において、中心軸付近を流れる流体と側壁111bの内壁面付近を流れる流体とが旋回流によって混ざり合い易い。従って、殺菌効率をより高めることができる。
【0040】
[変形例]
尚、図2に示す殺菌装置100においては、円筒状流路111の端部壁111aの壁面が該円筒状流路111の軸方向に対して傾斜した構成となっている。ただし、円筒状流路111の端部壁111aの壁面の形状は、その外壁面に形成される反射膜130によって円筒状流路111の軸方向に紫外線を反射させることができる形状であればどのような形状を採用してもよい。図6及び7は、円筒状流路111の端部壁111aの内壁面の形状の他の例を示す拡大図である。例えば、円筒状流路111の端部壁111aの壁面の形状として、この図6に示すような曲面形状を採用してもよい。また、端部壁111aの壁面を傾斜面で構成する場合には、紫外線の反射光量を増大させるために、その傾斜角θ(図7参照)を90度に近付けるとよく、特に図7に示すように90度としてもよい。
【0041】
また、図2に示す殺菌装置100においては、円筒状流路111の端部壁111a及び側壁111bの外壁面が反射膜130に覆われているが、円筒状流路111の端部壁111a及び側壁111bの内壁面を反射膜によって覆ってもよい。この場合、反射膜は、例えば、円筒状流路111の内壁面にアルミニウムを蒸着させ、さらにその表面をフッ化マグネシウム等の紫外線透過率の高い保護膜でコーティングすることで形成することができる。ただし、反射膜を形成する物質はこれらに限られるものではない。
【0042】
尚、円筒状流路111の端部壁111a及び側壁111bの外壁面を反射膜によって覆った方が、これらの内壁面を反射膜によって覆う場合に比べて、反射膜の形成がより容易となる。そのため、アスペクト比(軸方向の長さ/直径)の高い円筒状流路111にも反射膜を容易に形成することができる。
【0043】
ただし、円筒状流路111の端部壁111a及び側壁111bの外壁面を反射膜によって覆う構成とすると、これらの内壁面を反射膜によって覆った場合に比べて、円筒状流路111の径方向における該円筒状流路111の中心軸から反射膜までの距離が大きくなる。そのため、反射膜近傍で紫外線の光強度が低くなる。しかしながら、紫外線の光強度が最も低くなる反射膜と接する部分には円筒状流路111の端部壁111a及び側壁111bが存在するため、該部分は流体の流路とはならない。つまり、流体の流路となる円筒状流路111内の紫外線の光強度の低下は招き難い。
【0044】
<実施例2>
図8及び9を参照して、本実施例に係る殺菌装置について説明する。図8は、本実施例に係る殺菌装置の模式的断面図である。図9は、図8中のAA断面図である。尚、上述した実施例1に係る殺菌装置と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
本実施例に係る殺菌装置200は、ハウジング210における入口側流路212の構成が、実施例1に係る殺菌装置100と異なっている。本実施例に係る殺菌装置200のハウジング210においては、円筒状流路111の一方の端部(光源ユニット120が設けられている方の端部)近傍の側方に入口側流路212が接続されている。この入口側流路212は、その中心軸の延長線と円筒状流路111の中心軸とが互いにぶつかって交差するような位置に接続されている。
【0046】
そして、入口側流路212内に羽根車240が設置されている。この羽根車240は、入口側流路212内を円筒状流路111に向って流れる流体の運動エネルギーによって、該入口側流路212の中心軸を中心に回転する羽根車である。
【0047】
入口側流路212内にこのような羽根車240を設置することで、入口側流路212内において、該入口側流路212の中心軸周りに旋回する流体の旋回流が生じる。そして、流体が旋回しながら円筒状流路111に流入する。その結果、円筒状流路111内においては、該円筒状流路111の中心軸周りに旋回する流体の旋回流が生じる。尚、図8及び9中の矢印は流体の旋回流を表している。
【0048】
本実施例に係る殺菌装置200によっても、実施例1と同様、円筒状流路111内において流体の旋回流が生じることで、該円筒状流路111内において、光強度の高い中心軸付近を流れる流体と、光強度の低い側壁111bの内壁面付近を流れる流体とが混ざり合う。そのため、円筒状流路111内を流れる流体を略均一に殺菌することが可能となる。従って、殺菌効率を向上させることができる。
【0049】
また、上述したように、羽根車240は流体の運動エネルギーによって回転する。そのため、本実施例に係る殺菌装置200によっても、実施例1と同様、モータ等の動力を別途設けることなく、円筒状流路111内において流体の旋回流を生じさせることができる。
【0050】
<実施例3>
図10及び11を参照して、本実施例に係る殺菌装置について説明する。図10は、本実施例に係る殺菌装置の模式的断面図である。図11は、図10中のAA断面図である。尚、上述した実施例1に係る殺菌装置と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
本実施例に係る殺菌装置300は、ハウジング310における入口側流路312の構成が、実施例1に係る殺菌装置100と異なっている。本実施例に係る殺菌装置300のハウジング310においては、円筒状流路111の一方の端部(光源ユニット120が設けられている方の端部)近傍の側方に入口側流路312が接続されている。この入口側流路312は、その中心軸の延長線と円筒状流路111の中心軸とが互いにぶつかって交差するような位置に接続されている。
【0052】
そして、円筒状流路111内において、流体の流れに沿って入口側流路312の接続部分よりも下流側に糸状部材340が設けられている。この糸状部材340は、円筒状流路111の中心軸を横切るように設けられている。
【0053】
円筒状流路111内にこのような糸状部材340を設置すると、該糸状部材340が存在することに起因してカルマン渦が発生する。その結果、円筒状流路111内において、該円筒状流路111の中心軸と交差する軸周りに旋回する流体の旋回流が生じる。尚、図10中の矢印は流体の旋回流を表している。
【0054】
本実施例に係る殺菌装置300によっても、実施例1と同様、円筒状流路111内において流体の旋回流が生じることで、該円筒状流路111内において、光強度の高い中心軸付近を流れる流体と、光強度の低い側壁111bの内壁面付近を流れる流体とが混ざり合う。そのため、円筒状流路111内を流れる流体を略均一に殺菌することが可能となる。従って、殺菌効率を向上させることができる。
【0055】
また、上述したように、流体の旋回流を生じさせるカルマン渦は糸状部材340が存在することに起因して発生する。そのため、本実施例に係る殺菌装置300によっても、実施例1と同様、モータ等の動力を別途設けることなく、円筒状流路111内において流体の旋回流を生じさせることができる。
【0056】
尚、円筒状流路111内に、カルマン渦を発生させるための糸状部材340を複数設けてもよい。また、糸状部材340に代えて棒状部材を円筒状流路111内に設けることでカルマン渦を発生させてもよい。
【0057】
上記各実施例で示したLED素子については、例えば、オンオフスイッチを設けることによって、使用する際にのみ紫外線を照射させるようにすればよい。
【0058】
また、上記各実施例に係る構成を適宜組み合わせることで、円筒状流路内において流体の旋回流を生じさせてもよい。
【符号の説明】
【0059】
100,200,300・・殺菌装置
110,210,310・・ハウジング
111・・円筒状流路
112,212,312・・入口側流路
113・・出口側流路
120・・光源ユニット
121・・LED素子
122・・基板
123・・レンズ
124・・LEDハウジング
125・・窓
240・・羽根車
340・・糸状部材
400・・電源ユニット
500・・浄水器
510・・ケース
520・・仕切り部
530・・第1蓋
540・・第2蓋
550・・浄水カートリッジ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】