(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061103
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】光路制御装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/31 20060101AFI20160808BHJP
   G02B 6/35 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   !G02F1/31
   !G02B6/35
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】2014541851
(21)【国際出願番号】JP2012076719
(22)【国際出願日】20121016
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】大塚 節文
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電気工業株式会社横浜製作所内
【テーマコード(参考)】
2H141
2K102
【Fターム(参考)】
2H141MA12
2H141MA27
2H141MB24
2H141MB63
2H141ME01
2H141ME06
2H141ME22
2H141MF16
2H141MG01
2H141MZ16
2K102AA21
2K102BA05
2K102BA16
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD02
2K102CA13
2K102DB08
2K102DC09
2K102DD02
2K102EA02
2K102EA19
2K102EA21
2K102EA23
2K102EB01
2K102EB10
(57)【要約】
光路制御装置100においては、光信号のビームスポットがx軸方向よりもy軸方向に相対的に大きな扁平状に変換される。そして、光偏向素子7は、y軸方向に沿って配列された複数の光偏向要素素子7aによって、光信号を位相変調して偏向する。このように、光を偏向するための光偏向要素素子の配列方向(y軸方向)におけるスポットサイズがx軸方向におけるスポットサイズよりも相対的に大きな扁平状の光を光偏向素子7に入射するので、光を精密に効率よく偏向可能である。特に、光路制御装置100においては、光偏向素子7のy軸方向における位相変調パターンPが、光信号の光路を制御するためのパターンP1に対して異なるパターンP2が重畳されて構成されている。よって、種々の光学系の光学特性に合わせてパターンP2を調整することにより、y軸方向において好適にそれらの光学特性の制御が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された入力ポート及び出力ポートを含む入出力ポートと、
前記入力ポートから入力された光信号を波長に応じて前記第1の方向に直交する第2の方向に分光することにより、波長で特徴付けられた複数の光信号を生成する分光素子と、
ピクセル化されて前記第1の方向に配列された複数の光偏向要素素子によって、前記波長で特徴付けられた光信号のそれぞれを独立して位相変調し、前記波長で特徴付けられた光信号のそれぞれを前記出力ポートに向けて偏向する光偏向素子と、
前記光偏向素子における前記波長で特徴付けられた光信号のビームスポットを前記第2の方向よりも前記第1の方向に相対的に大きな扁平状に変換するアナモルフィック変換器と、
を備え、
前記光偏向素子における前記第1の方向についての位相変調パターンは、前記波長で特徴付けられた光信号の光路を制御するための第1のパターンに対して、前記第1のパターンと異なる第2のパターンを重畳して構成されている、
ことを特徴とする光路制御装置。
【請求項2】
前記光偏向素子は、前記波長で特徴付けられた光信号の前記第2の方向におけるビームウエスト位置に配置されており、
前記第2のパターンは、前記第1の方向において前記波長で特徴付けられた光信号の収差を制御するためのパターンである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光路制御装置。
【請求項3】
前記出力ポートは、光ファイバとマイクロレンズとの組み合わせからなり、
前記第2のパターンは、前記第1の方向において、前記マイクロレンズとアナモルフィック変換器との間における光信号のビームウエスト位置を、当該光信号の前記光ファイバへの光結合効率が最大となる位置よりも前記マイクロレンズ側に位置させるようなパターンである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光路制御装置。
【請求項4】
前記第2のパターンを調整して前記第1の方向における光信号のビームウエスト位置を変更すると共に、前記第1のパターンを調整して光信号の光路を変更することにより、光信号の前記出力ポートへの光結合効率の減衰量を制御する制御部をさらに備える、ことを特徴とする請求項3に記載の光路制御装置。
【請求項5】
前記光偏向素子における前記位相変調パターンは、前記光偏向素子に入射する光信号の位相状態と当該光偏向素子から出射する光信号の位相状態とが略同一となるようなパターンである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光路制御装置。
【請求項6】
光偏向素子は、前記第1及び第2の方向に沿って二次元アレイ状に配列された複数の画素を有する液晶素子、又は、前記第1及び第2の方向に沿って二次元アレイ状に配列された複数の画素を有するMEMS素子であり、前記画素のそれぞれに印加する電圧に応じて前記位相変調パターンを制御可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光路制御装置。
【請求項7】
前記分光素子の後段に配置され、前記第2の方向のみに光パワーを有する光パワーエレメントをさらに備え、
前記アナモルフィック変換器は、前記分光素子の前段に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光路制御装置。
【請求項8】
前記分光素子の後段に配置され、前記第1及び第2の方向に光パワーを有する光パワーエレメントをさらに備え、
前記アナモルフィック変換器は、前記分光素子の前段に配置された少なくとも3つのシリンドリカルレンズから構成されており、
アナモルフィック変換器を構成する前記シリンドリカルレンズのうちの2つの前記シリンドリカルレンズは、前記第1の方向に光パワーを有しており、
アナモルフィック変換器を構成する前記シリンドリカルレンズのうちの他の1つの前記シリンドリカルレンズは、前記第2の方向に光パワーを有している、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光路制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば波長選択スイッチといった光路制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、波長選択操作デバイスが記載されている。この波長選択操作デバイスは、入出力ファイバ、球面鏡、シリンドリカルレンズ、回折格子、及びLCD(Liquid Cristal Device)を備えている。入出力ファイバは、x方向に配列されている。入出力ファイバからの光は、球面鏡によって反射されてコリメートされ、回折格子に入射する。回折格子に入射した光は、波長成分に応じてy方向に角度分散されて出射される。回折格子から出射された光は、シリンドリカルレンズを通過することにより、x方向に集光されると共にy方向にコリメートされつつ球面鏡によって再び反射される。球面鏡によって再び反射された光は、シリンドリカルレンズを再度通過することにより、x方向にコリメートされると共にy方向に集光されてLCDに入射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7092599号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、波長選択スイッチの光偏向素子として、反射型液晶であるLCOS(Liquid Cristal On Silicon)を利用する場合がある。LCOSは、空間的に離散化された複数の画素を利用する光偏向素子である。このため、LCOSを用いて効率よく精密に光を偏向するためには、多数の画素を同時に利用すべきである。したがって、ポート選択軸方向(例えば入出力ポートの配列方向)については、LCOSに照射する光ビームのスポットサイズが大きい方が好ましい。
【0005】
これに対して、波長選択スイッチにおいては高い波長分解能が必要であるので、LCOSの画素数が有限である以上、波長選択方向(例えば回折格子の分光方向)については、光ビームのスポットサイズをある程度小さくする必要がある。つまり、LCOS等の光偏向素子上においては、波長選択軸方向のスポットサイズに対して、ポート選択軸方向のスポットサイズを大きくする(すなわち、アスペクト比を大きくする)ことが望ましい。
【0006】
上述した特許文献1に記載の波長選択操作デバイスにおいては、回折格子の後段において、x方向及びy方向の集光やコリメートを繰り返すことにより、それぞれの方向についてのスポットサイズを変更し、LCD上におけるスポットサイズのアスペクト比を相対的に大きくしている。しかしながら、特許文献1に記載の波長選択操作デバイスにあっては、上述したような複数の光学系を用いているにも関わらず、それらの光学特性の制御について言及されていない。
【0007】
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、光を精密に効率よく偏向可能であると共に好適に光学特性の制御が可能な光路制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、光路制御装置に関する。この光路制御装置は、第1の方向に配列された入力ポート及び出力ポートを含む入出力ポートと、入力ポートから入力された光信号を波長に応じて第1の方向に直交する第2の方向に分光することにより、波長で特徴付けられた複数の光信号を生成する分光素子と、ピクセル化されて第1の方向に配列された複数の光偏向要素素子によって、波長で特徴付けられた光信号のそれぞれを独立して位相変調し、波長で特徴付けられた光信号のそれぞれを出力ポートに向けて偏向する光偏向素子と、光偏向素子における波長で特徴付けられた光信号のビームスポットを第2の方向よりも第1の方向に相対的に大きな扁平状に変換するアナモルフィック変換器と、を備え、光偏向素子における第1の方向についての位相変調パターンは、波長で特徴付けられた光信号の光路を制御するための第1のパターンに対して、第1のパターンと異なる第2のパターンを重畳して構成されていることを特徴とする。
【0009】
この光路制御装置においては、アナモルフィック変換器によって、光偏向素子における光信号のビームスポットが、第2の方向よりも第1の方向に相対的に大きな扁平状に変換される。そして、光偏向素子は、第1の方向に沿って配列された複数の光偏向要素素子によって、光信号を位相変調して偏向する。このように、この光路制御装置においては、光を偏向するための光偏向要素素子の配列方向(第1の方向)におけるスポットサイズが第2の方向におけるスポットサイズよりも相対的に大きな扁平状の光を光偏向素子に入射するので、光を精密に効率よく偏向可能である。特に、この光路制御装置においては、光偏向素子の第1の方向における位相変調パターンが、光信号の光路を制御するための(すなわち光信号の偏向のための)第1のパターンに対して、その第1のパターンと異なる第2のパターンが重畳されて構成されている。したがって、この光路制御装置に用いる種々の光学系の光学特性に合わせて第2のパターンを調整することにより、第1の方向において好適にそれらの光学特性の制御が可能となる。
【0010】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、光偏向素子は、波長で特徴付けられた光信号の第2の方向におけるビームウエスト位置に配置されており、第2のパターンは、第1の方向において波長で特徴付けられた光信号の収差を制御するためのパターンであるものとすることができる。この場合には、光偏向素子上において、第2の方向についての光信号の収差が最小化されているため、第1の方向に配列された光偏向要素素子を利用して第1の方向についてのみ光信号の収差を制御すればよく、効率的である。
【0011】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、出力ポートは、光ファイバとマイクロレンズとの組み合わせからなり、第2のパターンは、第1の方向において、マイクロレンズとアナモルフィック変換器との間における光信号のビームウエスト位置を、当該光信号の光ファイバへの光結合効率が最大となる位置よりもマイクロレンズ側に位置させるようなパターンであるものとすることができる。この場合には、マイクロレンズ上における光信号のビームスポットが相対的に小さくなるので、例えばアッテネーション制御をするために第2の方向について光信号のビームスポットをシフトさせても、隣接ポートへの光結合(クロストーク)が生じにくくなる。
【0012】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、第2のパターンを調整して第1の方向における光信号のビームウエスト位置を変更すると共に、第1のパターンを調整して光信号の光路を変更することにより、光信号の出力ポートへの光結合効率の減衰量を制御する制御部をさらに備えることができる。この場合、制御部によって、隣接ポートへの光結合(クロストーク)が生じないようにしつつ光結合効率の減衰量を制御することができる。
【0013】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、光偏向素子における位相変調パターンは、光偏向素子に入射する光信号の位相状態と当該光偏向素子から出射する光信号の位相状態とが略同一となるようなパターンであるものとすることができる。この場合、光信号の出力ポートへの光結合効率を最大にすることが可能となる。
【0014】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、光偏向素子は、第1及び第2の方向に沿って二次元アレイ状に配列された複数の画素を有する液晶素子、又は、第1及び第2の方向に沿って二次元アレイ状に配列された複数の画素を有するMEMS素子であり、画素のそれぞれに印加する電圧に応じて位相変調パターンを制御可能に構成されているものとすることができる。このように、光偏向素子として、二次元アレイ状に配列された複数の画素を有する液晶素子又はMEMS素子を用いることができる。
【0015】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、分光素子の後段に配置され、第2の方向のみに光パワーを有する光パワーエレメントをさらに備え、アナモルフィック変換器は、分光素子の前段に配置されているものとすることができる。このように、分光素子の前段のアナモルフィック変換器に加え、分光素子の後段において第2の方向のみに光パワーを有する光パワーエレメントを用いれば、光信号のビームスポットのアスペクト比をより大きくすることが可能となる。
【0016】
本発明の一側面に係る光路制御装置においては、分光素子の後段に配置され、第1及び第2の方向に光パワーを有する光パワーエレメントをさらに備え、アナモルフィック変換器は、分光素子の前段に配置された少なくとも3つのシリンドリカルレンズから構成されており、アナモルフィック変換器を構成するシリンドリカルレンズのうちの2つのシリンドリカルレンズは、第1の方向に光パワーを有しており、アナモルフィック変換器を構成するシリンドリカルレンズのうちの他の1つのシリンドリカルレンズは、第2の方向に光パワーを有しているものとすることができる。このように、第1の方向に光パワーを有するシリンドリカルレンズと、第2の方向に光パワーを有するシリンドリカルレンズとによってアナモルフィック変換器を構成すれば、第1の方向と第2の方向とにおいて独立して光信号のビームスポットのサイズを変換することが可能となり、自由度が向上する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光を精密に効率よく偏向可能であると共に好適に光学特性の制御が可能な光路制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一側面に係る光路制御装置の一実施形態の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示された光偏向素子における位相変調パターンを示すグラフである。
【図3】図1に示された光偏向素子における位相変調パターンを示すグラフである。
【図4】図1に示された光偏向素子における位相変調パターンを示すグラフである。
【図5】アッテネーション制御の比較例を示す図である。
【図6】図1に示された制御部のアッテネーション制御の様子を示す図である。
【図7】図6に示されたマイクロレンズの変形例を示す図である。
【図8】図1に示された光路制御装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一側面に係る光路制御装置の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは相当する要素同士には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明の一側面に係る光路制御装置の一実施形態の構成を示す模式図である。図1には、直交座標系Sが示されている。図1の(a)は、直交座標系Sのz軸方向からみたときの光路制御装置を伝搬する光のビームスポットを示す図である。図1の(b)は、直交座標系Sのy軸方向からみた光路制御装置の側面図である。図1の(c)は、直交座標系Sのx軸方向からみた光路制御装置の側面図である。
【0021】
図1に示されるように、光路制御装置100は、入力ポート1、アナモルフィック変換器2、分光素子5、光パワーエレメント6、光偏向素子7、制御部10、及び、出力ポート13を備えている。入力ポート1から入力された光信号は、アナモルフィック変換器2、分光素子5、及び光パワーエレメント6をこの順に通った後に光偏向素子7により偏向(反射)され、光パワーエレメント6、分光素子5、及びアナモルフィック変換器2をこの順に通って出力ポート13から出力される。
【0022】
なお、ここでの光パワーエレメントとは、例えば球面レンズやシリンドリカルレンズ等の透過型素子や、球面鏡や凹面鏡等の反射型素子であり、少なくとも一方向に光パワーを有する要素である。また光パワーとは、光パワーエレメントを通過する光を収束・コリメートする能力である(すなわち光路を変更する能力である)。ここでは、光パワーエレメントの集光位置が近いほど光パワーが大きい。図1においては、光パワーエレメントを、光パワーを有する面内において凸レンズ状に示しており、光パワーを有しない面内において直線状に示している。
【0023】
入力ポート1及び出力ポート13は、y軸方向(第1の方向)に沿って配列され、入出力ポートアレイ(入出力ポート)50を構成している。入力ポート1及び出力ポート13は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。光路制御装置100においては、入力ポート1から波長多重光(光信号)L1が入力される。
【0024】
アナモルフィック変換器2は、分光素子5の前段に配置されている。アナモルフィック変換器2は、入力ポート1から入力された波長多重光L1を入射し、そのビームスポットのアスペクト比を変換して出射する。より具体的には、アナモルフィック変換器2は、分光素子5の前段において、波長多重光L1のy軸方向についてのスポットサイズよりもx軸方向(第2の方向)についてのスポットサイズが大きくなるように、波長多重光L1のビームスポットのアスペクト比を変換する。その結果として、アナモルフィック変換器2は、光偏向素子7における(光偏向素子7に入射する)波長で特徴付けられた光信号(分光光L2)のビームスポットを、y軸方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−y平面内)において、x軸方向よりもy軸方向に相対的に大きな扁平状になるように変換する。
【0025】
アナモルフィック変換器2は、3つのシリンドリカルレンズ21〜23から構成されている。シリンドリカルレンズ21〜23は、入力ポート1から分光素子5に向かう光路上にこの順に配列されている。シリンドリカルレンズ21,23は、y軸方向のみに光パワーを有している。換言すれば、シリンドリカルレンズ21,23は、波長多重光L1の伝搬方向とy軸とによって張られる平面内(y−z平面内)においてのみ光パワーを有している。また、シリンドリカルレンズ22は、x軸方向のみに光パワーを有している。換言すれば、シリンドリカルレンズ22は、波長多重光L1の伝搬方向とx軸とによって張られる平面内(x−z平面内)においてのみ光パワーを有している。
【0026】
シリンドリカルレンズ21は、入力ポート1から入力されて拡大されながら伝搬する波長多重光L1を入射し、その波長多重光L1の伝搬方向とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、その波長多重光L1をコリメートする。シリンドリカルレンズ22は、シリンドリカルレンズ21から出射されてx軸方向に拡大されながら伝搬する波長多重光L1を入射し、その波長多重光L1の伝搬方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)において、その波長多重光L1をコリメートする。
【0027】
シリンドリカルレンズ23は、シリンドリカルレンズ22から出射された波長多重光L1を入射し、その波長多重光L1の伝搬方向とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、その波長多重光L1を一旦集光させる。シリンドリカルレンズ23によって一旦集光された波長多重光L1は、その集光位置(ビームウエスト位置)からy軸方向のみに拡大しながら伝搬する。このように、入力ポート1から入力された光信号のビームスポットは、アナモルフィック変換器2によって、分光素子5の後段(例えば光パワーエレメント6又は光偏向素子7上)において、x軸方向についてのスポットサイズよりもy軸方向のスポットサイズが大きい扁平状に変換される。
【0028】
分光素子5は、アナモルフィック変換器2から出射された波長多重光L1の伝搬方向とy軸とによって張られる平面内(y−z平面内)におけるシリンドリカルレンズ23の集光位置に配置されている。分光素子5は、アナモルフィック変換器2から出射された波長多重光L1の伝搬方向とx軸とによって張れる平面内(x−z平面内)において、波長多重光L1に含まれる各波長の光の伝搬方向を、波長に応じてy軸方向に沿った軸周りに回転させることにより、波長多重光L1を波長ごとに分光し、波長で特徴付けられた複数の分光光(光信号)L2を生成する。つまり、分光素子5は、波長多重光L1をx軸方向に沿って複数の分光光L2に分光して出射する。分光素子5としては、例えば回折格子等を用いることができる。
【0029】
光パワーエレメント6は、分光素子5の後段に配置されている。光パワーエレメント6は、x軸方向及びy軸方向に光パワーを有している。換言すれば、光パワーエレメント6は、分光光L2の伝搬方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)、及び、分光光L2とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において光パワーを有している。
【0030】
光パワーエレメント6は、分光素子5から出射された分光光L2の伝搬方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)において、分光光L2のそれぞれを収束すると共に、分光光L2の伝搬方向を互いに揃える。一方、光パワーエレメント6は、分光素子5から出射された分光光L2の伝搬方向とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、拡大しつつ伝搬する分光光L2のそれぞれをコリメートする。これにより、分光光L2のそれぞれのビームスポットは、光偏向素子7上においてx軸方向よりもy軸方向について相対的により大きな扁平状を呈することとなる(すなわち、アスペクト比が高められる)。
【0031】
光偏向素子7は、光パワーエレメント6から出射された分光光L2の伝搬方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)における分光光L2のビームウエスト位置に配置されている。光パワーエレメント6から出射された複数の分光光L2は、x軸方向に沿って配列されて光偏向素子7に入射する。
【0032】
光偏向素子7は、ピクセル化されてy軸方向に配列された複数の光偏向要素素子(画素)7aによって、光パワーエレメント6から出射された分光光L2のそれぞれを独立して位相変調する。これにより、光偏向素子7は、光パワーエレメント6から出射された分光光L2とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、分光光L2のそれぞれをx軸方向に沿った軸周りに回転させる。ここでは、光偏向素子7は、分光光L2の入射方向と略反対の方向に分光光L2を反射する。
【0033】
なお、光偏向素子7において、画素はx軸方向及びy軸方向に沿って2次元アレイ状に配列されるが、分光光L2の偏向に寄与する画素(光偏向要素素子7a)は、その中でもy軸方向に配列されたものである。光偏向素子7は、例えば、x軸方向及びy軸方向に沿って二次元アレイ状に配列された複数の画素を有するLCOSやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子等を用いることができ、それらの画素のそれぞれに印加する電圧に応じて、分光光L2に対する位相変調パターンを制御可能とされている。
【0034】
ここで、光偏向素子7におけるy軸方向についての位相変調パターンは、図2の(a)に示されるような第1のパターンP1に対して、例えば図2の(b)に示されるような第1のパターンP1と異なる第2のパターンP2を重畳して図2の(c)に示されるように構成された位相変調パターンPである。第1のパターンは、例えば光偏向素子7からの反射光(分光光L2)を所望の出力ポート13へ結合させるべく分光光L2の光路を制御するためのパターンである。第2のパターンは、例えば、y軸方向についての分光光L2の収差を制御するためのパターンである。
【0035】
光偏向素子7に入射する分光光L2のx軸方向におけるビームウエスト位置とy軸方向におけるビームウエスト位置とは、非点収差のために互いにずれている。本実施形態においては、分光光L2のx軸方向におけるビームウエスト位置に光偏向素子7を配置しているので、その光偏向素子7上における分光光L2のy軸方向についての光波面WSは一定の曲率を有する(図1参照)。
【0036】
したがって、その光波面WSに合わせた曲率半径を有する第2のパターンP2を上述した第1のパターンP1に重畳して位相変調パターンPを構成すれば、分光光L2の出力ポート13への光結合効率を最大化することができる(収差を制御することができる)。この場合には、位相変調パターンPは、光偏向素子7に入射する分光光L2の位相状態と光偏向素子7から反射されて出射する分光光L2の位相状態とが略同一となるようなパターンである。なお、図2の(a)に示される第2のパターンP2は、光偏向素子7において曲率半径が比較的大きな凹面ミラーを合成する場合の空間位相変調に相当する。
【0037】
なお、図3の(a)に示されるように、第2のパターンP2の曲率半径を、光波面WSから意図的にずらしたものとして第1のパターンP1に重畳し、図3の(b)に示されるような位相変調パターンPを構成すれば、光信号の出力ポート13への光結合効率を低くすることができる。この図3の(a)に示される第2のパターンP2は、光偏向素子7において曲率半径が比較的小さな凹面ミラーを合成する場合の空間位相変調に相当する。
【0038】
また、光偏向素子7において、曲率半径が比較的大きな凸面ミラーを合成する空間位相変調を実現する場合には、例えば、図4の(a)に示される第2のパターンP2を第1のパターンP1に重畳して図4の(b)示されるような位相変調パターンPを構成すればよい。
【0039】
このように、光結合効率を制御させるべく位相変調パターンPを調整する光偏向素子7の制御(アッテネーション制御)は、制御部10によって行われる。この制御部10のアッテネーション制御については後に詳述する。
【0040】
図1に示されるように、光偏向素子7によって偏向されて出射された光信号は、光パワーエレメント6、分光素子5、及びアナモルフィック変換器2をこの順に通って出力ポート13から出力される。光パワーエレメント6は、光偏向素子7から出射された分光光L2の伝搬方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)において、光偏向素子7から出射された分光光L2のそれぞれを、その波長に応じてy軸方向に沿った軸周りに回転させる。これにより、光偏向素子7から出射された分光光L2のそれぞれが、x軸方向について、分光素子5の所定の位置に集められる。
【0041】
一方、光パワーエレメント6は、光偏向素子7から出射された分光光L2の伝搬方向とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、光偏向素子7から出射された分光光L2のそれぞれを収束する。これにより、光偏向素子7から出射された分光光L2のそれぞれが、y軸方向について、分光素子5上に集光される。
【0042】
分光素子5は、光パワーエレメント6から出射された分光光L2の伝搬方向とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)において、分光光L2を多重化して多重化光(光信号)L3を生成する。つまり、分光素子5は、出力ポート13から出力させる分光光L2同士を合波して多重化光L3を生成する。
【0043】
アナモルフィック変換器2は、分光素子5から出射された多重化光L3を入射し、そのビームスポットのアスペクト比を変換して出射する。より具体的には、アナモルフィック変換器2は、分光素子5と出力ポート13との間において、多重化光L3のy軸方向についてのスポットサイズとx軸方向についてのスポットサイズとが略等しくなるように、多重化光L3のビームスポットのアスペクト比を変換する。
【0044】
アナモルフィック変換器2は、上述したように、シリンドリカルレンズ23,22,21から構成されており、シリンドリカルレンズ23,22,21は、分光素子5から出力ポート13に向かう光路上にこの順に配列されている。シリンドリカルレンズ23は、分光素子5から出射されてy軸方向に拡大しながら伝搬する多重化光L3の伝搬方向とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、その多重化光L3をコリメートする。
【0045】
シリンドリカルレンズ22は、シリンドリカルレンズ23から出射された多重化光L3とx軸方向とによって張られる平面内(x−z平面内)において、多重化光L3を収束する。シリンドリカルレンズ21は、シリンドリカルレンズ22から出射された多重化光L3の伝搬方向とy軸方向とによって張られる平面内(y−z平面内)において、多重化光L3を収束する。
【0046】
これにより、多重化光L3は、出力ポート13の前段において、y軸方向についてのスポットサイズとx軸方向についてのスポットサイズとが略等しくなる。このようにアナモルフィック変換器2によってビームスポットのアスペクト比が変換された多重化光L3は、出力ポート13に結合させられて出力される。
【0047】
ここで、光路制御装置100の各要素の位置関係について簡単に説明する。x−z平面内において、入力ポート1(出力ポート13)からシリンドリカルレンズ22までの距離と、シリンドリカルレンズ22から分光素子5までの距離とは、互いにfx1であって等しい。また、分光素子5から光パワーエレメント6までの距離と、光パワーエレメント6から光偏向素子7までの距離とは、互いにfであって等しい。また、y−z平面内において、入力ポート1(出力ポート13)からシリンドリカルレンズ21までの距離をfy11とし、シリンドリカルレンズ23から分光素子5までの距離をfy12とすると、シリンドリカルレンズ21とシリンドリカルレンズ23との間の距離は(fy11+fy12)となっている。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係る光路制御装置100においては、アナモルフィック変換器2によって、光偏向素子7における光信号のビームスポットが、x軸方向よりもy軸方向に相対的に大きな扁平状に変換される。そして、光偏向素子7は、y軸方向に沿って配列された複数の光偏向要素素子によって、光信号を位相変調して偏向する。このように、光路制御装置100においては、光を偏向するための光偏向要素素子の配列方向(y軸方向)におけるスポットサイズがx軸方向におけるスポットサイズよりも相対的に大きな扁平状の光を光偏向素子7に入射するので、光を精密に効率よく偏向可能である。
【0049】
特に、本実施形態に係る光路制御装置100においては、光偏向素子7のy軸方向における位相変調パターンPが、光信号の光路を制御するための(すなわち光信号の偏向のための)第1のパターンP1に対して、その第1のパターンP2と異なる第2のパターンP2が重畳されて構成されている。したがって、この光路制御装置100に用いる種々の光学系の光学特性に合わせて第2のパターンP2を調整することにより、相対的に多くの画素を利用可能なy軸方向において好適にそれらの光学特性の制御(例えば収差制御等)が可能となる。
【0050】
また、光路制御装置100においては、光偏向素子7が、分光光L2のx軸方向におけるビームウエスト位置に配置されており、第1のパターンP1に重畳される第2のパターンP2が、y軸方向において分光光L2の収差を制御するためのパターンである。このため、光偏向素子7上において、x軸方向についての分光光L2の収差が最小化されているので、y軸方向に配列された画素(光偏向要素素子7a)を用いてy軸方向についてのみ分光光L2の収差を制御すればよく、効率的である。
【0051】
さらに、光路制御装置100においては、アナモルフィック変換器2が、分光素子5の前段に配置されたシリンドリカルレンズ21〜23から構成されている。そして、シリンドリカルレンズ21〜23のうちのシリンドリカルレンズ21,23がy軸方向に光パワーを有しており、他のシリンドリカルレンズ22がx軸方向に光パワーを有している。このため、x軸方向及びy軸方向において独立して光信号のビームスポットのサイズを変換することが可能となり、自由度が向上する。
【0052】
ここで、図5,6を参照してアッテネーション制御について説明する。図5,6においては、入力ポート1は、z軸方向に光軸を有するように配列された光ファイバ1a及びマイクロレンズ1bの組み合わせから構成されている。また、出力ポート13は、z軸方向に光軸を有するように配列された光ファイバ13a及びマイクロレンズ13bの組み合わせから構成されている。
【0053】
まず、図5を参照して、アッテネーション制御の比較例について説明する。この比較例においては、まず、図5の(a)に示されるように、制御部の制御のもとで、光偏向素子7において図2に示されるような位相変調パターンPが構成されている。つまり、多重化光L3の出力ポート13への光結合効率が最大となるように、制御部によって位相変調パターンPが調整されている。このため、マイクロレンズ1b(マイクロレンズ13b)とシリンドリカルレンズ21(すなわちアナモルフィック変換器2)との間において、波長多重光L1のビームウエスト位置と多重化光L3のビームウエスト位置とは、位置BW1で略一致しており、多重化光L3は出力ポート13の光ファイバ13aの端面に集光されている。
【0054】
その後、多重化光L3の出力ポート13への光結合効率を減衰させるべく、図5の(b)に示されるように、制御部の制御の下で、第1のパターンP1のみを調整して多重化光L3の光路をy軸方向(図中矢印方向)に変更(シフト)させる。そうすると、多重化光L3が、隣接する出力ポート13のマイクロレンズ13bにまたがって入射する結果、隣接する出力ポート13の光ファイバ13aに結合してしまう(クロストークが生じてしまう)。
【0055】
これに対して、本実施形態に係る光路制御装置100においては、制御部10は、図6に示されるようにアッテネーション制御を行う。すなわち、まず、上述した場合と同様に、図6の(a)に示されるように、制御部10の制御によって、多重化光L3の出力ポート13への光結合効率が最大となるように位相変調パターンPが調整されている。続いて、図6の(b)に示されるように、制御部10の制御のもとで、第2のパターンP2のみを調整し、マイクロレンズ13bとシリンドリカルレンズ21(すなわちアナモルフィック変換器2)との間における多重化光L3のビームウエスト位置をz軸方向(図中矢印方向)に変更(シフト)する。
【0056】
このとき、多重化光L3のビームウエスト位置が、多重化光L3の出力ポート13(光ファイバ13a)への光結合効率が最大となる位置BW1よりもマイクロレンズ13b側の位置BW2となるように、第2のパターンP2を調整する。これは、例えば、図2の(b)に示される第2のパターンP2から図3の(b)に示される第2のパターンP2に変更する制御に相当する。これにより、マイクロレンズ13b上における多重化光L3のビームスポットが相対的に小さくなる。
【0057】
続いて、制御部10の制御のもとで、図6の(c)に示されるように、第1のパターンP1のみを調整して多重化光L3の光路をy軸方向(図中矢印方向)に変更(シフト)させる。このとき、上述したように、第2のパターンP2の調整によりマイクロレンズ13b上における多重化光L3のビームスポットが小さくなっているので、その多重化光L3が隣接するマイクロレンズ13bに入射することが避けられる。その結果、多重化光L3が、隣接する出力ポート13の光ファイバ13aに入射することが避けられる。よって、クロストークが生じることを抑制しつつ、出力ポート13に対する光結合効率の減衰を実現することができる。
【0058】
このように、本実施形態に係る光路制御装置100においては、制御部10は、第2のパターンP2を調整して多重化光L3のビームウエスト位置を変更するステップ(アッテネーション第1ステップ)を実行すると共に、第1のパターンP1を調整して多重化光L3の光路を変更するステップ(アッテネーション第2ステップ)を実行することにより、多重化光L3の出力ポート13への光結合効率の減衰量を制御する。つまり、制御部10は、多重化光L3の集光点の位置ずれと光軸ずれとの両方により光結合効率の減衰量を規定する。なお、多重化光L3の出力ポート13への光結合効率は、第2のパターンP2の調整によって多重化光L3のビームウエスト位置を位置BW2にシフトした時点で、出力ポート13の光ファイバ13aの端面における多重化光L3のビームスポットが拡大されるために減衰する。多重化光L3の出力ポート13への光結合効率が最大となる場合に対するアッテネーション第1ステップによる損失をA1とし、アッテネーション第2ステップによる損失をA2とすると、所望の光減衰量が(A1+A2)となるように、第1の位相パターンP1及び第2の位相パターンP2を設定すればよい。
【0059】
ここで、マイクロレンズ1b及びマイクロレンズ13bは、図7に示されるように、所定の間隔でもって配列されて一体化されたレンズアレイ1Bとすることができる。その場合には、互いに隣り合うマイクロレンズ1b(マイクロレンズ13b)同士の間に光吸収部(例えばレンズ(ガラス等)に光吸収材料(P,B,Er等)をドープした部分)1cを設けることができる。このように光吸収部1cを設ければ、出力ポート13から逸らされた多重化光L3が光吸収部1cで吸収され、迷光となることを避けることができる。
【0060】
以上の実施形態は、本発明の一側面に係る光路制御装置の一実施形態を説明したものである。したがって、本発明の一側面に係る光路制御装置は、上述した光路制御装置100に限定されるものではなく、各請求項の要旨を変更しない範囲において、光路制御装置100を任意に変形したものとすることができる。
【0061】
例えば、図8に示されるように、光路制御装置100においては、光パワーエレメント6に代えて光パワーエレメント6Aを備えることができる。光パワーエレメント6Aは、分光素子5の後段に配置され、x軸方方向のみに光パワーを有する。つまり、光パワーエレメント6Aは、分光光L2の伝搬方向とx軸とによって張られる平面内においてのみ光パワーを有している。光パワーエレメント6Aとしては、例えばシリンドリカルレンズ等を用いることができる。
【0062】
このように、分光素子5の前段のアナモルフィック変換器2に加えて、x軸方向のみに光パワーを有する光パワーエレメント6Aを用いれば、光パワーエレメント6Aから光偏向素子7の間において、分光光L2のy軸方向についての拡大が維持されるので、光偏向素子7上における分光光L2のビームスポットのアスペクト比をより大きくすることができる。
【0063】
また、上記実施形態においては、位相変調パターンPとして、光路を制御するための第1のパターンP1に対して収差制御のための第2のパターンP2を重畳するものを例示したが、位相変調パターンPはこれに限定されない。例えば、位相変調パターンPは、光路を制御するための第1のパターンP1に対して、光路制御装置100における種々の光学系における光学特性を制御するための任意の第2のパターンP2を重畳したものとすることができる。
【0064】
また、光路制御装置100においては、アナモルフィック変換器2を分光素子5の後段に配置し、分光素子5から出射される分光光L2のそれぞれのビームスポットのアスペクト比を変換するものとしてもよい。さらに、アナモルフィック変換器2は、4つ以上のシリンドリカルレンズを含むものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
光を精密に効率よく偏向可能であると共に好適に光学特性の制御が可能な光路制御装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1…入力ポート、2…アナモルフィック変換器、5…分光素子、6,6A…光パワーエレメント、7…光偏向素子、7a…光偏向要素素子、10…制御部、13…出力ポート、13a…光ファイバ、13b…マイクロレンズ、21〜23…シリンドリカルレンズ、50…入出力ポートアレイ、P…位相変調パターン、P1…第1のパターン、P2…第2のパターン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】