(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061119
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】二次電池の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20160808BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20160808BHJP
【FI】
   !H01M10/04 Z
   !H01M10/0585
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
【出願番号】2014541865
(21)【国際出願番号】JP2012076826
(22)【国際出願日】20121017
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】507317502
【氏名又は名称】エリーパワー株式会社
【住所又は居所】東京都品川区大崎一丁目6番4号
(71)【出願人】
【識別番号】598142014
【氏名又は名称】長野オートメーション株式会社
【住所又は居所】長野県上田市下丸子401
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尋史
【住所又は居所】東京都品川区大崎一丁目6番4号 エリーパワー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山浦 誠司
【住所又は居所】長野県上田市下丸子401 長野オートメーション株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB14
5H028BB15
5H028BB18
5H028CC08
5H028CC15
5H028CC22
5H029AJ14
5H029AK00
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5H029AM07
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5H029BJ15
5H029CJ03
5H029CJ28
5H029CJ30
5H029DJ04
5H029HJ12
(57)【要約】
本発明は、ガイド部材によるセパレータ等の引き込みの際にセパレータが幅方向に移動してバタツク現象を抑制してガイド部材によるセパレータの引き込みを円滑に行わせるようにしたものである。
セパレータ(4)を、ガイド部材(21)により引き込むことにより、ジグザグ折りする工程と、セパレータ(4)の搬送方向に関し吊下げローラ(41)の上流側の途中を支持する支持ローラ(42,43,44)間に配設され、セパレータ(4)の上面に当接して昇降し、垂直方向に関する位置を調整可能に形成されたバッファローラ(45,46)を、所定の下降位置に占位させた状態で、吊下げローラ(41)を介してガイド部材(21)間にセパレータ(4)を吊下し、ガイド部材(21)の移動に伴うジグザグ折りに際し、バッファローラ(45,46)が上昇することにより、ガイド部材(21)に引き込まれる長さ分のセパレータ(4)を供給する工程を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータを、相対向して配設された複数列のガイド部材の間に吊下げローラを介して吊下げた状態で前記ガイド部材の移動によりジグザグ折りにする工程と、ジグザグ折りにされた前記セパレータの各谷溝内に正極板と負極板とを交互に挿入することにより、前記セパレータを介して前記正極板と前記負極板とが交互に重なり合う積層体を形成する工程と、前記セパレータの各谷溝内から前記ガイド部材を抜去した後、前記積層体を前記正極板と前記負極板とが積層された方向に押圧して極板群を製造する工程と、を有し、
前記セパレータの搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラ間に配設され、前記セパレータの一方の面に当接して垂直方向に昇降可能に配置された少なくとも1個のバッファローラを、前記セパレータと当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態で、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記セパレータを吊下げし、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折り工程に際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項2】
正負の電極板の一方を2枚のセパレータで挟んだ重畳体を、相対向して配設された複数列のガイド部材の間に吊下げローラを介して吊下げた状態で前記ガイド部材の移動により、ジグザグ折りにする工程と、ジグザグ折りにされた前記重畳体の各谷溝内に前記電極板の他方を挿入することにより、前記セパレータを介して正極板と負極板とが交互に重なり合う積層体を形成する工程と、さらに前記重畳体の各谷溝内から前記ガイド部材を抜去した後、前記積層体を前記正極板と前記負極板とが積層された方向に押圧して極板群を製造する工程と、を有し、
前記重畳体の搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラ間に配設され、前記重畳体の一方の面に当接して垂直方向に昇降可能に配置された少なくとも1個のバッファローラを、前記重畳体と当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態で、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記重畳体を吊下げし、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折り工程に際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する二次電池の製造方法において、
前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間では、この間を移動する前記セパレータまたは重畳体の下面側から気体を吹付けて前記セパレータまたは重畳体を支持することを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載する二次電池の製造方法において、
前記気体はイオンエアーであることを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載する二次電池の製造方法において、
前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間では、前記セパレータまたは重畳体が前記支持ローラから前記吊下げローラに向けて上昇するように傾斜させて搬送するようにしたことを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項6】
鉛直方向にジグザグ状に配列された複数のガイド部材を有し、前記ガイド部材の一方の列と他方の列との間に吊下げローラを介して吊下げられたセパレータを、前記ガイド部材を列同士間で水平方向に交差させてジグザグ折りするジグザグ折り手段と、
所定枚数の正極板が載置される正極板用の極板搬送部材と所定枚数の負極板が載置される負極板用の極板搬送部材をそれぞれ備え、前記正極板用と前記負極板用の極板搬送部材とを前記セパレータの各谷溝内に移動させることで各谷溝内に前記正極板と前記負極板とを交互に挿入する極板挿入手段と、
前記セパレータの搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラと、該支持ローラの間に配設されるとともに前記セパレータの一方の面に当接させて垂直方向に昇降可能に配置された少なくとも1個のバッファローラとを備えたセパレータ供給手段と、を有し、
前記バッファローラは、前記セパレータと当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態のとき、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記セパレータが吊下げられるとともに、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折りに際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造装置。
【請求項7】
鉛直方向にジグザグ状に配列された複数のガイド部材を有し、前記ガイド部材の一方の列と他方の列との間に吊下げローラを介して吊下げられた、正負の電極板の一方を2枚のセパレータで挟んだ重畳体を、前記ガイド部材を列同士間で水平方向に交差させてジグザグ折りするジグザグ折り手段と、
所定枚数の前記電極板の他方が載置される極板搬送部材を備え、前記極板搬送部材を前記重畳体の各谷溝内に移動させることで各谷溝内に前記他方の電極板を挿入する極板挿入手段と、
前記重畳体の搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラと、該支持ローラの間に配設されるとともに前記重畳体の一方の面に当接させて垂直方向に昇降可能に配置された少なくとも1個のバッファローラとを備えたセパレータ供給手段と、を有し、
前記バッファローラは、前記重畳体と当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態のとき、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記重畳体が吊下げられるとともに、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折りに際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載する二次電池の製造装置において、
前記セパレータまたは重畳体の下面側から気体を吹付けて前記セパレータまたは重畳体を支持するエアー吹出手段を、前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間に配設したことを特徴とする二次電池の製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載する二次電池の製造装置において、
前記気体はイオンエアーであることを特徴とする二次電池の製造装置。
【請求項10】
請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載する二次電池の製造装置において、
前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間では、前記セパレータまたは重畳体が前記支持ローラから前記吊下げローラに向けて上昇するように傾斜させて搬送するように構成したことを特徴とする二次電池の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池の製造方法および製造装置に関し、特にリチウムイオン二次電池の製造に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、正負の極板間にセパレータが介在するように、正極板と負極板を交互に重ね合わせることによって形成される極板群を有する。この極板群の製造装置の一つとして、セパレータの連続体をジグザグ折りし、その各谷溝内に正極板と負極板とを挿入し、扁平に押し潰すジグザグスタック方式の製造装置がある(例えば、特許文献1参照)。かかるジグザグスタック方式の製造装置では、連続状のセパレータを一対のローラで挟み、この一対のローラを水平方向に往復運動させることによりセパレータをジグザグ折りし、一対のローラが一往復する都度、正負の極板を交互にセパレータ上に載せている。
【0003】
本発明者等は、特許文献1のジグザグスタック方式の製造装置で更なるタクトタイムの短縮を図るべく、正負の電極およびセパレータの位置精度を向上させることができる二次電池の製造方法および製造装置を提案した(特許文献2参照)。これは、帯状のセパレータを上方から垂下させ、テンションフリーの状態にしてから、複数のガイド部材を列同士間で水平方向に交差させることによりセパレータ(または一方の電極板を2枚のセパレータで挟んでなる重畳体)をジグザグ折りし、これにより形成された各谷溝内に正極板及び負極板(重畳体の場合は、他方の電極板)を挿入することにより、正極板および負極板がセパレータを挟んで何層にも重畳された二次電池の極板群を製造するものである。ここで、前記セパレータは、ジグザグ折り手段の上方に配設された収容ケース内にその上部側が収容され、ローラを介して下方に垂下されるとともに、前記ジグザグ折り手段の下方に配設された同様の収容ケース内にその下部側が収容される。このように、上下の収容ケースにセパレータの上部側および下部側を収容することでセパレータをジグザグ折りする場合のバッファ部分(余長部分)を確保している。すなわち、ジグザグ折りする場合、左右のガイド部材が相寄る方向に移動して同方向にセパレータを引き込むが、この移動に追従させるためのセパレータ長を確保しておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−22449号公報
【特許文献2】PCT/JP2011/059567
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2に係る二次電池の製造方法および製造装置では、ジグザグ折り手段におけるジグザグ折りに際し、相対向するガイド部材の間に垂下されたセパレータは、ジグザグ折り手段の上方の収容ケース内にその上部側が収容され、ローラを介して下方に垂下されるとともに、ジグザグ折り手段の下方の収容ケース内にその下部側が収容された状態で、幅方向の位置が何ら規制されることなくテンションフリーとなる。
【0006】
この結果、特許文献2によれば、特許文献1に記載するよりも正負の電極およびセパレータの位置精度の向上は期待できるが、前記複数のガイド部材の移動によりセパレータをジグザグ折りする際に、セパレータがバタツキながらガイド部材に引き込まれる可能性がある。かかる可能性は、セパレータの幅、厚みおよび表面状態のバラツキに起因して高くなり、前記極板群としての精度が許容値内に収まらない場合が生起される。それ故、幅や厚み等のサイズの決められた特定のセパレータを使用する場合に適してはいるが、サイズの異なるセパレータを用いる場合にはセパレータのバタツキによる影響をよく注意しなければならない。
【0007】
さらに、特許文献2では、ジグザグ折り手段のガイド部材間に垂下されるセパレータの上部側および下部側が収容ケースに収容された状態でテンションフリーの状態を作り出すためにジグザグ折り工程の一回分毎にセパレータを一回一回切断して用いている。このため切断部近傍において、必然的にセパレータの切断のためのマージン部分を確保する必要が生じる。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ジグザグ折りの際のセパレータのガイド部材による引き込みを円滑に行わせることにより、さらに製品精度を向上させることができ、同時にセパレータの歩留まりを可及的に向上させることができる二次電池の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、
セパレータを、相対向して配設された複数列のガイド部材の間に吊下げローラを介して吊下げた状態で前記ガイド部材の移動によりジグザグ折りにする工程と、ジグザグ折りにされた前記セパレータの各谷溝内に正極板と負極板とを交互に挿入することにより、前記セパレータを介して前記正極板と前記負極板とが交互に重なり合う積層体を形成する工程と、前記セパレータの各谷溝内から前記ガイド部材を抜去した後、前記積層体を前記正極板と前記負極板とが積層された方向に押圧して極板群を製造する工程と、を有し、
前記セパレータの搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラ間に配設され、前記セパレータの一方の面に当接して垂直方向に昇降可能に配置された少なくとも1個のバッファローラを、前記セパレータと当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態で、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記セパレータを吊下げし、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折り工程に際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造方法にある。
【0010】
本態様によれば、昇降可能に配置したバッファローラの上昇によりジグザグ折りされるセパレータの引き込み長さを補完することができるので、セパレータを事前に切断することなく、連続した状態で所定のジグザグ折りを行うことができる。かくして、ジグザグ折りは、実質的なテンションフリー状態で行われる。この結果、ガイド部材によるセパレータ等の引き込みの際にセパレータが幅方向に移動してバタツクという現象を抑制してガイド部材によるセパレータの引き込みを円滑に行わせることができる。
【0011】
しかも、セパレータは、ジグザグ折りするより前に所定の長さに切断しておく必要がなく、連続した状態で所定のジグザグ折りを行うことができるので、セパレータの歩留まりを可及的に向上させることができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、
正負の電極板の一方を2枚のセパレータで挟んだ重畳体を、相対向して配設された複数列のガイド部材の間に吊下げローラを介して吊下げた状態で前記ガイド部材の移動によりジグザグ折りにする工程と、ジグザグ折りにされた前記重畳体の各谷溝内に前記電極板の他方を挿入することにより、前記セパレータを介して正極板と負極板とが交互に重なり合う積層体を形成する工程と、さらに前記重畳体の各谷溝内から前記ガイド部材を抜去した後、前記積層体を前記正極板と前記負極板とが積層された方向に押圧して極板群を製造する工程と、を有し、
前記重畳体の搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラ間に配設され、前記重畳体の一方の面に当接して垂直方向に昇降可能に配置された少なくとも1個のバッファローラを、前記重畳体に当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態で、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記重畳体を吊下げし、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折りに際しては前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造方法にある。
【0013】
本態様によれば、第1の態様と同様の作用・効果に加え、重畳体に一方の電極板のみを挿入すれば良いので、第1の態様と同じ性能の極板群を製造する場合、重畳体の谷溝の数が半分になり、ガイド部材等の個数も略半数に減らすことができ、装置の簡略化や歩留りの向上が期待できる。
【0014】
本発明の第3の態様は、
第1または第2の態様に記載する二次電池の製造方法において、
前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間では、この間を移動する前記セパレータまたは重畳体の下面側から気体を吹付けて前記セパレータまたは重畳体を支持することを特徴とする二次電池の製造方法にある。
【0015】
本態様によれば、物理的な接触を行うことなくセパレータまたは重畳体を支持することができるので、セパレータまたは重畳体の所定の搬送を良好に行うことができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、
第3の態様に記載する二次電池の製造方法において、
前記気体はイオンエアーであることを特徴とする二次電池の製造方法にある。
【0017】
本態様によれば、イオンエアーによる除電効果によりセパレータまたは重畳体の帯電も防止あるいは除去することができるので、ジグザグ折り工程において隣接するセパレータまたは重畳体同士の静電力による吸着を未然に防止することができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、
第1〜第4の態様のいずれか1つに記載する二次電池の製造方法において、
前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間では、前記セパレータまたは重畳体が前記支持ローラから前記吊下げローラに向けて上昇するように傾斜させて搬送するようにしたことを特徴とする二次電池の製造方法にある。
【0019】
本態様によれば、支持ローラから吊下げローラに向けて搬送されるセパレータまたは重畳体の走行に伴う運動エネルギーを位置エネルギーに変換して制動することができる。この結果、ジグザグ折り工程においてセパレータが急激に引き込まれても所定の位置で良好に停止させることができる。
【0020】
本発明の第6の態様は、
鉛直方向にジグザグ状に配列された複数のガイド部材を有し、前記ガイド部材の一方の列と他方の列との間に吊下げローラを介して吊下げられたセパレータを、前記ガイド部材を列同士間で水平方向に交差させてジグザグ折りするジグザグ折り手段と、
所定枚数の正極板が載置される正極板用の極板搬送部材と所定枚数の負極板が載置される負極板用の極板搬送部材をそれぞれ備え、前記正極板用と前記負極板用の極板搬送部材とを前記セパレータの各谷溝内に移動させることで各谷溝内に前記正極板と前記負極板とを交互に挿入する極板挿入手段と、
前記セパレータの搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラと、該支持ローラの間に配設されるとともに前記セパレータの一方の面に当接させて垂直方向に可能に配置された少なくとも1個のバッファローラとを備えたセパレータ供給手段と、を有し、
前記バッファローラは、前記セパレータと当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態のとき、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記セパレータが吊下げられるとともに、前記ガイド部材の移動に伴うジグザグ折りに際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造装置にある。
【0021】
本態様によれば、昇降可能に配置したバッファローラの上昇によりジグザグ折りされるセパレータの引き込み長さを補完することができるので、事前にセパレータを切断することなく、連続した状態で所定のジグザグ折りを行うことができる。かくして、ジグザグ折りは、実質的なテンションフリー状態で行われる。この結果、ガイド部材によるセパレータ等の引き込みの際にセパレータが幅方向に移動してバタツクという現象を抑制してガイド部材によるセパレータの引き込みを円滑に行わせることができる。
【0022】
しかも、セパレータは、ジグザグ折りする前に所定の長さに切断しておく必要がなく、連続した状態で所定のジグザグ折りを行うことができるので、セパレータの歩留まりを可及的に向上させることができる。
【0023】
本発明の第7の態様は、
鉛直方向にジグザグ状に配列された複数のガイド部材を有し、前記ガイド部材の一方の列と他方の列との間に吊下げローラを介して吊下げられた、正負の電極板の一方を2枚のセパレータで挟んだ重畳体を、前記ガイド部材を列同士間で水平方向に交差させてジグザグ折りするジグザグ折り手段と、
所定枚数の前記電極板の他方が載置される極板搬送部材を備え、前記極板搬送部材を前記重畳体の各谷溝内に移動させることで各谷溝内に前記他方の電極板を挿入する極板挿入手段と、
前記重畳体の搬送方向に関し前記吊下げローラの上流側の途中を、相対的な上流側と下流側とで支持する少なくとも2個の支持ローラと、該支持ローラの間に配設されるとともに前記重畳体の一方の面に当接させて垂直方向に可能に配置された少なくとも1個のバッファローラとを備えたセパレータ供給手段と、を有し、
前記バッファローラは、前記重畳体と当接しながら所定の上昇位置あるいは下降位置に占位させた状態のとき、前記吊下げローラを介して前記ガイド部材間に前記重畳体が吊下げられるとともに、前記ガイド部材の移動によるジグザグ折りに際しては、前記バッファローラが下降あるいは上昇することを特徴とする二次電池の製造装置にある。
【0024】
本態様によれば、第6の態様と同様の作用・効果に加え、重畳体に一方の電極板のみを挿入すれば良いので、第6の態様と同じ性能の極板群を製造する場合、重畳体の谷溝の数が半分になり、ガイド部材等の個数も略半数に減らすことができ、装置の簡略化や歩留りの向上が期待できる。
【0025】
本発明の第8の態様は、
第6または第7の態様に記載する二次電池の製造装置において、
前記セパレータまたは重畳体の下面側から気体を吹付けて前記セパレータまたは重畳体を支持するエアー吹出手段を、前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間に配設したことを特徴とする二次電池の製造装置にある。
【0026】
本態様によれば、物理的な接触を行うことなくセパレータまたは重畳体を支持することができるので、セパレータまたは重畳体の所定の搬送を良好に行うことができる。
【0027】
本発明の第9の態様は、
第8の態様に記載する二次電池の製造装置において、
前記気体はイオンエアーであることを特徴とする二次電池の製造装置にある。
【0028】
本態様によれば、イオンエアーによる除電効果によりセパレータまたは重畳体の帯電も防止あるいは除去することができるので、ジグザグ折り工程において隣接するセパレータまたは重畳体同士の静電力による吸着を未然に防止することができる。
【0029】
本発明の第10の態様は、
第6〜第9の態様のいずれか1つに記載する二次電池の製造装置において、
前記支持ローラのうち最下流の支持ローラと前記吊下げローラとの間では、前記セパレータまたは重畳体が前記支持ローラから前記吊下げローラに向けて上昇するように傾斜させて搬送するように構成したことを特徴とする二次電池の製造装置にある。
【0030】
本態様によれば、支持ローラから吊下げローラに向けて搬送されるセパレータまたは重畳体の走行に伴う運動エネルギーを位置エネルギーに変換して制動することができる。この結果、ジグザグ折り工程においてセパレータが急激に引き込まれても所定の位置で良好に停止させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、セパレータまたは重畳体(以下、「セパレータ等」という)を連続した状態でジグザグ折り手段のガイド部材間に吊下げられ、実質的なテンションフリー状態でガイド部材が移動することによりジグザグ折り成形が行われるので、ガイド部材によるセパレータ等の引き込みの際にセパレータ等が幅方向に移動してバタツクという現象を抑制してガイド部材によるセパレータ等の引き込みを円滑に行わせることができる。この結果、セパレータ等の幅、厚み、表面状態が多少ばらついても、極板群の精度を充分許容値の範囲内に収めることができ、品質の向上に資することができる。
【0032】
また、セパレータ等は、ジグザグ折りする前に所定の長さに切断しておく必要がなく、連続した状態で所定のジグザグ折りを行うことができるので、セパレータ等の歩留まりを可及的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る極板群が収納された角形電池の概略を示す斜視図である。
【図2】図1に示す極板群の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る二次電池製造装置における極板群製造手段を示す図で、(a)はその平面図、(b)はその正面図である。
【図4】図3に示す製造装置を用いたセパレータのジグザグ折工程の途中の態様を示す概略図である。
【図5】図3に示す製造装置を用いたセパレータのジグザグ折工程の途中の他の態様を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る二次電池製造装置におけるセパレータ供給手段を極板群製造手段との関係において示す概略図で、(a)がセパレータのジグザグ折りの前工程、(b)がジグザグ折り工程の態様をそれぞれ示している。
【図7】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る製造装置を用いた二次電池の製造方法を示す概略図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る製造装置で製造される他の極板群を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0035】
図1および図2に示すように、リチウムイオン二次電池である角形電池(二次電池)1は、角形ケース2を備え、この角形ケース2内には極板群3が収納されている。角形ケース2の所定箇所には、図示しない正極端子と負極端子が設けられている。また角形ケース2内には、有機溶媒にリチウム塩を配合してなる電解液が充填されている。
【0036】
極板群3は、ジグザグ折りされたセパレータ4と、このセパレータ4の各谷溝4a内に交互に挿入された一方の極板(例えば、正極板5)と他方の極板(例えば、負極板6)とを具備する。正極板5と負極板6とは、各々の間にセパレータ4が介在するように交互に重ね合わせられ、セパレータ4が扁平に畳まれた状態になっている。正極板5と負極板6とはセパレータ4から互いに反対側に突出するリード部5a,6aを備え、各極のリード部5a,6aはそれぞれ束ねられる。そして束ねられた正極板5のリード部5aは上記正極端子に接続され、束ねられた負極板6のリード部6aは上記負極端子に接続される。
【0037】
このような構成の極板群3は、二次電池の製造装置で製造される。本実施の形態に係る製造装置は、セパレータ4をジグザグ折りして極板群3を製造するため、ジグザグ折り手段と極板挿入手段とを有して構成される極板群製造手段Iとジグザグ折りするためのセパレータ4を供給するセパレータ供給手段IIを有している。図3は、極板群製造手段Iを示す図で、(a)はその平面図、(b)はその正面図である。同図に示すように、ジグザグ折り手段20は、鉛直方向にジグザグ状に配列された複数のガイド棒(ガイド部材)21を有し、詳しくは後述するが、このガイド棒21の一方の列22Aと他方の列22Bとの間にセパレータ4を配置して、ガイド棒21を列22A,22B同士間で水平方向に交差させて、セパレータ4をジグザグ折りする。
【0038】
ガイド棒21は、セパレータ4に対して供給される正極板5および負極板6の枚数と同じ本数か、またはそれ以上の本数設けられている。これら複数本のガイド棒21は、図示しない基台上に垂直方向に二列22A,22Bで各々水平に配列される。また各ガイド棒21は、列22A,22B間でジグザクになるように、すなわち鉛直方向においてジグザグになるように配列される。これらのガイド棒21は、列22A,22Bごとに設けられた縦フレーム23,24にそれぞれ片持ち状に支持されている。
【0039】
また、ジグザグ折り手段20は、ガイド棒21を水平方向に移動することにより、列22A,22B間で交差させてセパレータ4をジグザグ折りするための駆動部を備える。この駆動部は、例えば、ボールネジとボールネジを回転させるモータ等により構成される。なお、このようにボールネジ、モータ等で構成される駆動部は通常の送り手段であるから図示は省略する。
【0040】
極板挿入手段30は、ジグザグ折り手段20を構成するガイド棒21の各列22A,22Bの後方に配される一対の極板搬送部材31(31A,31B)を備える。各極板搬送部材31は、所定枚数の正極板5又は負極板6が載置される複数の極板搬送トレー32を有する。図3においては、セパレータ4より左側に配置された極板搬送部材31Aの極板搬送トレー32には正極板5が載置され、セパレータ4より右側に配置された極板搬送部材31Bの極板搬送トレー32には負極板6が載置されている。そして極板挿入手段30は、これらの極板搬送トレー32を、ガイド棒21の水平方向への移動に同期させてセパレータ4に形成される谷溝4a(図2参照)内に移動させることで、各谷溝4a内に正極板5と負極板6とを交互に挿入する。
【0041】
本形態では、極板挿入手段30は、一方の極板(例えば、正極板5)を搬送する第1の極板搬送部材(例えば、正極板用極板搬送部材)31Aと、他方の極板(例えば、負極板6)を搬送する第2の極板搬送部材(例えば、負極板用極板搬送部材)31Bと、を備えている。第1の極板搬送部材31Aは、極板群3に必要な一方の極板(例えば、正極板5)の枚数と同数個の極板搬送トレー32を備えている。第1の極板搬送部材31Aの各極板搬送トレー32は、一方の列22Aを構成するガイド棒21の後方に、極板搬送トレー32の電極板載置面が水平になるように配置され、その後端が支持フレーム33Aによって連結されている。同様に、第2の極板搬送部材31Bも極板群3に必要な他方の極板(例えば、負極板6)の枚数と同数個の極板搬送トレー32を備える。第2の極板搬送部材31Bの各極板搬送トレー32は、他方の列22Bを構成するガイド棒21の後方に、極板搬送トレー32の電極載置面が水平になるように配置され、その後端が支持フレーム33Bによって連結されている。
【0042】
各支持フレーム33A,33Bは、一方の極板としての正極板5または他方の極板としての負極板6の搬送方向に伸縮可能なピストン・シリンダ装置34のピストンロッド34aにそれぞれ連結されている。また各ピストン・シリンダ装置34は、正極板5または負極板6の搬送方向に往復移動可能な往復台35にそれぞれ設置されている。
【0043】
各往復台35は、ボールネジ等からなる駆動部により水平方向に移動可能に構成されている。具体的には、各往復台35は、図示しない基台上に回転可能に設置された送りネジであるネジ軸36に螺合するナット37に連結されている。ネジ軸36は図示しないモータによって回転するようになっている。ネジ軸36が回転すると、回転方向に応じて、第1および第2の極板搬送部材31A,31Bのそれぞれがセパレータ4に向かって、あるいはセパレータ4から離れる方向に移動される。
【0044】
なお、第1および第2の極板搬送部材31A,31Bそれぞれの極板搬送トレー32の左右両側(電極載置面と水平な方向において、極板搬送トレー32の移動方向とは直交する方向における両側)には、極板搬送トレー32上に載置される極板の縁部に当接される一対の押し部材38が設けられている。押し部材38は、具体的には各極板搬送トレー32の左右両側から突出した正極板5および負極板6の縁部に当接する一対の縦棒として構成され、各往復台35に取り付けられている。
【0045】
セパレータ4はジグザグ折り手段20のガイド棒21の相対向する列22A,22B間に、セパレータ供給手段IIの吊下げローラ41を介して吊下されている。
【0046】
ここで、上述の如き極板群製造手段Iを用いて極板群3を製造する際の態様を説明する。図4および図5は、図3に示す極板群製造手段Iを用いたセパレータのジグザグ折り工程の途中の態様をそれぞれ示す概略図である。図4に示すように、ジグザグ状に配列されたガイド棒21の列22A,22B間にセパレータ4が吊下げられた状態で、ガイド棒21の列22A,22Bをセパレータ4側に向かってそれぞれ水平に移動させ、図5に示すように、ガイド棒21を列22A,22B間で交差させる。このとき、図示はしないが、同期してセパレータ供給手段IIのバッファローラが上方に移動し、ガイド棒21に引き込まれる長さ分のセパレータ4を供給する。したがって、かかるセパレータ4のガイド棒21による引き込みは、セパレータ4が実質的にテンションフリーの状態で円滑に行われる。なお、かかるセパレータ供給手段IIの動作に関しては後に詳述する。
【0047】
ガイド棒21の水平方向への移動に同期してネジ軸36の回転により往復台35が移動する。これにより、第1および第2の極板搬送部材31A,31B、ならびに押し部材38をセパレータ4に向かって移動させる。往復台35の移動の開始はガイド棒21の移動開始と同時、ガイド棒21の移動開始後におけるガイド棒21の移動中、あるいはガイド棒21の移動終了と同時あるいは所定時間後のいずれでもよい。タクトタイムを考慮すると、ガイド棒21の移動開始と同時あるいは移動開始から短い時間おいた後でガイド棒21の移動中である方が望ましく、このタイミングを検知して同期した移動を行うようにするのがよい。この結果、ガイド棒21を列22A,22B間で交差するように水平方向に移動してセパレータ4に形成される谷溝4a内に向かって第1および第2の極板搬送部材31A,31B、ならびに押し部材38を水平方向に移動する。かくして、第1の極板搬送部材31Aの各極板搬送トレー32に予め搭載された正極板5、および第2の極板搬送部材31Bの各極板搬送トレー32に予め搭載された負極板6が、ジグザグ折りされたセパレータ4の各谷溝4a内に交互に挿入される。この結果、セパレータ4を介して正極板5と負極板6とが交互に重なり合う積層体が形成される。その後、セパレータ4の各谷溝4a内からガイド棒21が抜き取られ、押し部材38を残して第1および第2の極板搬送部材31A,31Bがセパレータ4から離れる方向に移動されることでセパレータ4の各谷溝4a内に正極板5と正極板6が残され、セパレータ4を介して正極板5と負極板6とが交互に積層された積層体が形成される。かかる積層体は正極板5と負極板6の積層方向で所定のプレス手段(図示せず)によって押圧(プレス)して一体化され、極板群3が形成される。
【0048】
図6は、本形態に係る二次電池製造装置におけるセパレータ供給手段IIを極板群製造手段Iとの関係において示す概略図で、(a)がセパレータ4のジグザグ折りの前工程、(b)がジグザグ折り工程の態様をそれぞれ示している。図6(a)に示すように、この状態では、ガイド棒21の列22A,22Bが離間されており、その間にセパレータ4が吊下げローラ41を介して吊下げられている。ここで、セパレータ4は、ロール状に巻回されたロール部材40として回転軸48に回転可能に支持してある。ロール部材40と吊下げローラ41との間には支持ローラ42,43,44および中心軸の位置が上下方向に移動可能に形成されたバッファローラ45,46を有している。バッファローラ45,46は支持ローラ42,43,44の間に配置されており、図6に示されるように、図の水平方向において、支持ローラ42,43,44とバッファローラ45,46が交互に配置されている。また、吊下げローラ41側に移動して吊下げローラ41とでセパレータ4を挟持する可動ローラ49も図に示している。可動ローラ49の動作、役割は後ほど述べる。
【0049】
一方、図6(b)は、ガイド棒21の列22A,22Bが相寄る方向に移動されてセパレータ4がジグザグ折りされるとともに、ジグザグ折りされたセパレータ4間に交互に正極板5および負極板6が挿入された状態を示している。このとき、バッファローラ45,46は、ガイド棒21の列22A,22Bの移動と同期して図6(a)に示す最下降位置から最上昇位置まで上昇させる。かかるバッファローラ45,46の上昇により支持ローラ44から吊下げローラ41を介して先端に至るセパレータ4の長さに余長分が供給される。つまり、バッファローラ45,46を最下降位置へ下降した際の支持ローラ42,43,44とバッファローラ45,46とにより保持されたセパレータ4の余長分が、セパレータ4のジグザグ折りに際し、ガイド棒21により水平に引き込まれるセパレータ4の量に相当するようにしている。この結果、ジグザグ折りの際のセパレータ4の引き込み量が、バッファローラ45、46の図6(a)に示す状態から図6(b)に示す状態までの上昇距離の2倍までであれば、セパレータ4の引き込みに際してセパレータ4は実質的にテンションフリー状態で円滑に引き込まれてジグザグ折りされる。ここで、本形態は、2個のバッファローラ45,46を有するものとしたが、その数には特別な制限はない。各バッファローラの上下移動のストロークとバッファローラの数の積が、セパレータ4のジグザグ折りに際し、ガイド棒21により水平に引き込まれるセパレータ4の寸法を確保できるような構成となっていれば良い。
【0050】
このように、本形態では、上下方向に移動可能に形成されたバッファローラ45を支持ローラ42,43の間に配設するとともに、同様に上下方向に移動可能に形成されたバッファローラ46を支持ローラ43、44の間に配設することでジグザグ折り工程におけるセパレータ4の引き込み量を確保するバッファ部を形成している。
【0051】
また、本形態において、支持ローラ44と吊下げローラ41との間におけるセパレータ4の下面側には、エアー吹出手段47が配設されており、このエアー吹出手段47でセパレータ4の下面にエアーを吹付けてセパレータ4を下方から非接触で支持するようになっている。吹付けるエアーは搬送されるセパレータ4の帯電を防止あるいは除去する効果を奏するイオンエアーとしている。さらに、本形態における支持ローラ44は、その垂直方向の位置が、吊下げローラ41の垂直方向の位置よりも下方に配設されている。これに合わせて、エアー吹出手段47は、そのエアー吹出面がセパレータ4の下面と平行になるよう、セパレータ4の供給側である上流側47Aよりも排出側である下流側47Bを上方に位置させて図中右上がりに傾斜させて配設してある。
【0052】
かかるエアー吹出手段47は必ずしも必要なものではないが、このような非接触構造を採用することにより、ローラでセパレータ4を支持する場合等のようにセパレータ4との物理的な接触部分を排除し得る。ちなみに、セパレータ4が、ロール部材40から引き出され、ローラ等に接触しつつ極板群製造手段Iに搬送されることで、引き出しやローラとの接触に伴う摩擦によりセパレータ4が帯電してしまう。このように、帯電したままでは静電気により、セパレータ4の搬送時に搬送方向を規定するためのガイド部(図示せず)に接触して正しい方向に搬送されなくなってしまったり、隣接するセパレータ4同士が吸着されてしまい、ガイド棒21の移動によるセパレータ4の引き込みを円滑に行わせることができない。このため、吹付ける気体として、イオンエアーのような帯電を防止し、除電を行う気体を吹き付けることでセパレータ4が帯電することを防止するとともに帯電しているセパレータ4を除電することができる。エアー吹出手段47からのエアーの吹出しは常時行うものとしてもよいし、セパレータ4が搬送されるときとその前後に吹出し、しばらく搬送しないようなときには吹出しを止めるようにするなど必要に応じて吹出しを制御するようにしてもよい。常時吹出すようにすれば、搬送されるセパレータ4全体に対しての除電を確実に行えるため、隣接するセパレータ4同士の吸着をより確実に抑制することが期待でき、搬送状況に応じて吹出しを制御するようにすれば、無用なイオンエアーの吹出し動作を減らすことができ、同一箇所に対して長時間イオンエアーを吹出し続けてしまうことによるセパレータ4の変形等の不具合を生ずる可能性も抑えることができる。
【0053】
また、本形態では、上述の如く、セパレータ4が支持ローラ44から吊下げローラ41に向けて位置が上昇するように傾斜させてあるが、かかる構成を採用することも任意である。ただ、このように傾斜させることにより、吊下げローラ41を介して極板群製造手段Iに引き込まれる際のセパレータ4を制動することができる。すなわち、セパレータ4が、ジグザグ折り工程でガイド棒21の水平方向移動に伴い引き込まれる際、かかる引き込みが、セパレータ4の実質的なテンションフリー状態で行われるので、引き込み動作で加速されたセパレータ4が、引き込み動作が終了しても停止することができず、所定の停止位置を行き過ぎてしまう場合がある。かかる行き過ぎを防止すべく、本形態では、支持ローラ44から吊下げローラ41に向けてセパレータ4が図中右上がり方向に搬送されるように構成することにより、吊下げローラ41を介して引き込まれるセパレータ4の運動エネルギーを支持ローラ44と吊下げローラ41との垂直方向高さの差に基づく位置エネルギーに変換して制動をかける構造としている。
【0054】
ここで、図7〜図14に基づき本形態に係る二次電池の製造装置を用いた二次電池の製造方法を説明する。図7は本形態に係る二次電池の製造装置を用いた極板群の製造方法を示す概略図である。同図は、前工程で極板群3の製造が完了した後の初期状態を示している。かかる初期状態では前工程で切断されたセパレータ4の先端部が吊下げローラ41から吊下げられている。このとき、可動ローラ49は吊下げローラ41の方向に移動させてあり、吊下げローラ41と可動ローラ49とでセパレータ4が挟持された状態でセパレータ供給手段IIは、バッファローラ45,46(図6参照;以下同じ)の下降とともにロール部材40が回転してセパレータ4が繰り出され、図6(a)に示す状態となっている。また、このとき極板群製造手段Iの相対向する列22A,22Bは離間されている。
【0055】
かかる状態から図8に示すように、可動ローラ49を吊下げローラ41から離間する方向に移動させて、セパレータ4を挟んでその両面側にそれぞれ配設されているクランプ部材50A、50Bからなるクランプ50でセパレータ4の先端部を挟持する。押圧部材51は図11の押圧部材52とでジグザグ折りされた谷溝部に電極板が挿入されたセパレータ4の積層体に対して押圧処理を施すことにより極板群3を形成することに用いられるものである。
【0056】
その後、図6(a)の状態でロール部材40が回転してセパレータ4を繰り出しつつ、図9に示すように、セパレータ4の先端部をクランプしたままクランプ50(図9には図示せず)を下方に移動させてセパレータ4が列22A,22B間に配置されるように引き下げる。この後、セパレータ4からクランプ部材50A、50Bを離間させてセパレータ4をクランプ状態から解放する。なお、図示していないが、この後クランプ50は、図9における手前側あるいは奥側に移動して上昇し、次の処理に備えるように動作する。
【0057】
この状態から、図10に示すように、各ガイド棒21を水平方向に移動させ、ガイド棒21の列22A,22B同士間で交差させる。このとき、同期してセパレータ供給手段IIのバッファローラ45,46を上方に移動させる。この移動により、バッファローラ45,46それぞれの上昇量の加算値の2倍の長さのセパレータ4を余長分として繰り出すことができるので、ガイド棒21に引き込まれる長さ相当分のセパレータ4が供給される。したがって、かかるセパレータ4のガイド棒21による引き込み、およびジグザグ折りは、セパレータ4が実質的にテンションフリーの状態で円滑に行われる。特に、本形態ではセパレータ4がセパレータ供給手段IIから切断されることなく、連続した状態でジグザグ折り成形が行われるので、ガイド棒21によるセパレータ4の引き込みの際にセパレータ4が幅方向に移動してバタツクという現象を可及的に抑制することができる。
【0058】
セパレータ4のジグザグ折り成形が完了した後、図5に基づく説明と同様の態様で、ジグザグ折りされたセパレータ4の間に正極板5と負極板6とを交互に挿入してセパレータ4を挟んだ正極板5と負極板6との積層体を形成する。同時に積層体の上方から押圧部材51を下降させ、積層体の上面に当接させることにより図11に示す状態とする。
【0059】
図11に示す状態において、同様の押圧部材52を下方から上昇させて積層体の下面に当接させる。
【0060】
かくして、図12に示すように、積層体を押圧部材51,52で上下から挟持する。かかる状態から、ガイド棒21を退避させるとともに、第1および第2の極板搬送部材31A,31Bを退避させる。その後、積層体を押圧部材51,52で挟持した状態で上昇させ、可動ローラ49を吊下げローラ41の方向に移動して吊下げローラ41と可動ローラ49とでセパレータ4を挟持し、図13に示すように、上方の所定位置でカッタ53によりセパレータ4の終端部を切り離す。切り離した積層体は極板群3に成形されて製品となる。
【0061】
積層体の切り離しの結果、図14に示すように、クランプ部材50A、50Bがセパレータ4の先端部を挟持可能な位置に移動していき、極板群製造手段Iは図7に示す場合と同様の初期状態となる。一方、セパレータ供給手段IIは、図示はしないが、バッファローラ45,46が上昇位置にある。したがって、かかる状態からバッファローラ45,46を下降させつつロール部材40を回転してセパレータ4を繰り出すことにより初期状態(図7の状態)となる。
【0062】
図15は本発明の他の実施の形態における極板群を示す概略図である。同図に示すように、本形態における極板群3Aは、ジグザグ折りされた連続状の重畳体100と、この重畳体100の各谷溝100a内に挿入された正極板5とを具備する積層体として構成される。重畳体100は2枚のセパレータ4Aで負極板6Aを挟んで形成した積層体である。このため、重畳体100の各谷溝100a内に挿入された正極板5はセパレータ4Aを介して負極板6Aと対峙することになる。
【0063】
かかる本形態の構成においても、図3〜図14に基づき説明した前記実施の形態の場合と同様に、正極板5と負極板6Aとには互いに逆向きにセパレータ4Aから突出するリード部5a,6aが設けられる(図2参照)。そして、各極のリード部5a,6aはそれぞれ束ねられて角形ケース2(図1参照)の図示しない正極端子及び負極端子にそれぞれ接続される。
【0064】
このような極板群3Aを製造する製造装置は、基本的に、図3に示す前記実施の形態と同様の構成となっているが、セパレータ供給手段IIからはセパレータ4の代わりに重畳体100が供給されて、ジグザグ折手段20のガイド棒21の列22A,22B間に配置される。また、同時に、第1および第2の極板搬送部材31A,31Bのそれぞれが、正極板5を重畳体100の谷溝100a内に搬送する。
【0065】
かかる本形態によれば重畳体100に正極板5のみを挿入する谷溝100aを形成すればよい。このため、前記実施の形態の極板群3と同様な性能の極板群3Aを製造する場合、重畳体100の谷溝100aの数は前記実施の形態の場合に比べ半数で足りる。したがってガイド棒21や極板搬送トレー32の個数も略半数に減らすことができ、ひいてはタクトタイムをさらに短縮することができるという効果を奏する。
【0066】
なお、本形態における重畳体100は2枚のセパレータ4Aで負極板6Aを挟んで形成した積層体であるが、負極板6Aの代わりに正極板を挟んで形成したものであっても構わない。この場合には、第1および第2の極板搬送部材31A,31Bのそれぞれが、負極板6を重畳体100の谷溝100a内に搬送する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は二次電池を電子機器等の非常用電源装置として利用する非常用電源システムを製造する産業分野や、二次電池をエネルギー源として利用する電気自動車の製造を行う産業分野において有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
I 極板群製造手段
II セパレータ供給手段
1 角形電池
2 角形ケース
3 極板群
4 セパレータ
4a 谷溝
5 正極板
6 負極板
5a,6a リード部
20 ジグザグ折り手段
21 ガイド棒
23,24 縦フレーム
30 極板挿入手段
31 極板搬送部材
32 極板搬送トレー
33 支持フレーム
38 押し部材
41 吊下げローラ
42,43,44 支持ローラ
45、46 バッファローラ
47 エアー吹出手段
47A 上流側
47B 下流側
50 クランプ
53 カッタ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】