(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061144
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】複合金属材の製造方法、金型の製造方法及び金属製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/00 20060101AFI20160808BHJP
【FI】
   !B23K20/00 310C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
【出願番号】2013547051
(21)【国際出願番号】JP2012077012
(22)【国際出願日】20121018
(11)【特許番号】5839242
(45)【特許公報発行日】20160106
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】505290542
【氏名又は名称】株式会社 旭
【住所又は居所】長野県諏訪市大字湖南5902番地1
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】北澤 敏明
【住所又は居所】長野県諏訪市大字湖南5902番地1 株式会社 旭内
(72)【発明者】
【氏名】吉原 学
【住所又は居所】長野県諏訪市大字湖南5902番地1 株式会社 旭内
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167AA02
4E167AA03
4E167AA08
4E167AA29
4E167BA02
4E167BA17
4E167CA17
4E167CA21
4E167DA10
4E167DB05
(57)【要約】
本発明の複合金属材の製造方法は、第1金属からなる第1金属部材(10)と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材(20)とを備える複合金属材1の製造方法であって、第1金属からなる第1金属部材(10)と第2金属からなる複数の分割部材(22,24)とを準備する金属部材準備工程と、各金属部材を組上げて組上体とする組上工程と、組上体に、各金属部材を接合可能な第1温度及び第1圧力をかけることにより、複数の分割部材(22,24)を接合して第2金属部材(20)とし、かつ、第1金属部材(10)と第2金属部材(20)とについても接合する接合工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備える複合金属材の製造方法であって、
前記第1金属部材と、組上げたときに前記第1金属部材を内包可能な第1金属部材収納部を形成し、前記第2金属からなる複数の分割部材とを準備する金属部材準備工程と、
前記第1金属部材を前記第1金属部材収納部に配置した状態で前記複数の分割部材を組上げ、組上体とする組上工程と、
前記組上体に、各金属部材を接合可能な第1温度及び第1圧力をかけることにより、前記複数の分割部材を接合して前記第2金属部材とし、かつ、前記第1金属部材及び前記第2金属部材についても接合する接合工程とをこの順序で含むことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の複合金属材の製造方法において、
前記金属部材準備工程においては、前記複数の分割部材として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備し、
前記接合工程においては、前記組上体に、前記第1圧力を、前記平面に垂直な方向からかけることを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記組上体が受ける圧力が一定となるように接合することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記第1温度は、前記第1金属の融点及び前記第2金属の融点よりも低いことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程は、真空条件下で実施することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材のうち第2金属部材からなる部分に、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部を形成する凹部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする金型の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の金型の製造方法において、
前記第1金属は、前記第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上であることを特徴とする金型の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の金型の製造方法において、
前記凹部形成工程においては、前記第1金属部材からなる部分を通るように熱交換媒体用流路を形成することを特徴とする金型の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材を加工して金属製品を製造する加工工程とをこの順序で含むことを特徴とする金属製品の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であって、
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、
前記第2金属部材は前記第1金属部材を内包し、
前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で接合されていることを特徴とする複合金属材。
【請求項11】
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、
前記第2金属部材は前記第1金属部材を内包し、
前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で接合されていることを特徴とする複合金属材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合金属材の製造方法、金型の製造方法、金属製品の製造方法及び複合金属材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1金属からなる板状の第1金属部材と、第2金属からなる板状の第2金属部材とを備える板状の複合金属材の製造方法と、当該製造方法により製造された複合金属材が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。図20は、従来の複合金属材の製造方法を説明するために示す図である。図20(a)〜図20(d)は各工程を説明するために示す図である。なお、図20は全て側面図(複合金属材900の接合部の端部が見える図)として表示している。
【0003】
従来の複合金属材の製造方法は、図20に示すように、第1金属からなる第1金属部材910と、第2金属からなる第2金属部材920とを備える複合金属材900(図20(d)参照。)の製造方法であって、板状の第1金属部材910と、同じく板状の第2金属部材920とを準備する金属部材準備工程(図20(a)参照。)と、第1金属部材910と第2金属部材920とを積層する積層工程(図20(b)参照。)と、積層した金属部材に、各金属部材を接合可能な温度及び各金属部材を接合可能な圧力をかけることにより、第1金属部材910及び第2金属部材920を接合し、複合金属材900とする接合工程(図20(c)及び図20(d)参照。)とをこの順序で含む。
【0004】
従来の複合金属材900は、従来の複合金属材の製造方法により製造したものであり、図20(d)に示すように、第1金属部材910と第2金属部材920とを備える。
【0005】
従来の複合金属材の製造方法によれば、第1金属部材910及び第2金属部材920として、異なる性質の金属を接合することにより、種々の用途に使用することが可能な複合金属材を製造することが可能となる。また、従来の複合金属材900によれば、複合金属材であることを活かして種々の用途に使用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−175502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の複合金属材の製造方法においては、製造した複合金属材900において端部が存在し、当該端部においては第1金属部材910と第2金属部材920との両方及び第1金属部材910と第2金属部材920との接合部Jの末端が、外部に対して露出する(図20(d)参照。)。しかしながら、第1金属部材が第2金属部材に内包され、かつ、第1金属部材と第2金属部材とが接合されている複合金属材を製造する複合金属材の製造方法は存在しなかった。
【0008】
上記のような複合金属材を製造することができれば、今までにない有用な工業用材として用いることが可能となる。具体例を示すと、熱伝導性が高いが強度に劣る金属からなる第1金属部材と、強度に優れるが熱伝導性が低い金属からなる第2金属部材とを用いれば、全体として高い熱伝導性と優れた強度とを両立した複合金属材とすることが可能となる。
【0009】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、今までにない有用な複合金属材を製造することが可能な複合金属材の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の複合金属材の製造方法により製造した複合金属材を用いた金型の製造方法及び金属製品の製造方法を提供することを目的とする。また、今までにない有用な複合金属材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]本発明に係る複合金属材の製造方法は、第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備える複合金属材の製造方法であって、前記第1金属部材と、組上げたときに前記第1金属部材を内包可能な第1金属部材収納部を形成し、前記第2金属からなる複数の分割部材とを準備する金属部材準備工程と、前記第1金属部材を前記第1金属部材収納部に配置した状態で前記複数の分割部材を組上げ、組上体とする組上工程と、前記組上体に、各金属部材を接合可能な第1温度及び第1圧力をかけることにより、前記複数の分割部材を接合して前記第2金属部材とし、かつ、前記第1金属部材及び前記第2金属部材についても接合する接合工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の複合金属材の製造方法によれば、上記した金属部材準備工程と、組上工程と、接合工程とをこの順序で含むため、接合工程において、複数の分割部材を接合して第2金属部材とし、かつ、第1金属と第2金属との線膨張率の差による圧力(以下、第2圧力という。)で第1金属部材と第2金属部材とについても接合することができるようになることから、第1金属部材が第2金属部材に内包され、かつ、第1金属部材と第2金属部材とが接合されているという今までにない有用な複合金属材を製造することが可能となる。
【0012】
また、本発明の複合金属材の製造方法によれば、第1金属からなる第1金属部材と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを用いるため、接合工程において組上体に外部から圧力をかけるだけで、熱により膨張した第1金属部材が第2金属部材に対して内部から圧力をかけるようになり、第1金属部材と第2金属部材とを接合することが可能となる。
【0013】
また、本発明の複合金属材の製造方法によれば、第1金属部材と第2金属部材とを接合するため、単に第1金属部材と第2金属部材とが接触している場合と比較して、製造する複合金属材の強度を高くすることが可能であり、また、熱や電気等をスムーズに伝達することが可能となる。
【0014】
本発明の複合金属材の製造方法においては、第1金属部材と第2金属部材とを固相拡散接合により接合することが好ましい。このような方法とすることにより、溶接のように金属を液体化させて接合する場合と比較して、接合後に残る応力を大きく低減することが可能となる。
【0015】
本発明においては、第1金属と第2金属とは、まったく種類が異なる金属(例えば、銅と鉄)を用いてもよいが、本発明はこれに限定されることはない。第1金属と第2金属とで線膨張率が異なるものであれば、例えば、鋼系合金(ステンレス鋼、ダイス鋼、炭素鋼等)のように同じ種類の金属を主成分とするものを用いてもよい。なお、「線膨張率」とは、「熱膨張率」の一種であり、ある物質において温度の上昇により長さが変化する割合のことをいう。
【0016】
第1金属部材収納部は、接合工程において第1金属部材と第2金属部材との間に十分な圧力がかかる程度の密閉度を有するものであればよい。つまり、第1金属収納部は、第1金属部材を完全に密閉するものであってもよいし、完全に密閉しない(例えば、第1金属部材と第2金属部材との接合を妨げない程度の穴や空間等を任意の場所に有する)ものであってもよい。
また、本明細書において「内包」とは、ある物質(第1金属部材)を他の物質(第2金属部材)で完全に密閉することだけでなく、完全には密閉しない(例えば、ある物質を他の物質がほとんど囲む)ことも含む。つまり、「内包」されるとは、他の物質の内部にある物質が配置されている状態のことをいい、他の物質がある物質を密閉しているか否かということには直接関係がないということになる。
【0017】
本発明の複合金属材の製造方法により製造された複合金属材は、例えば、熱伝導性が高いが強度に劣る金属からなる第1金属部材と、強度に優れるが熱伝導性が低い金属からなる第2金属部材とを用いた場合、全体として熱伝導性と強度との両方に優れる複合金属材の性質を活かして、金型、金型の冷却用ブロック(チルベント)、ブレーキローター、エンジンの冷却部材、観賞用製品等の材料として用いることができる。また、第1金属と第2金属とで磁気的特性が異なる金属を用いることで、今までにない電磁気学的特性を有する工業用材とすることができる。
【0018】
本発明の複合金属材の製造方法においては、第1圧力は、複数の分割部材同士を接合可能であり、かつ、第1金属部材の熱膨張に対抗可能な圧力であることが好ましい。このような方法とすることにより、複数の分割部材を接合して第2金属部材とし、かつ、第1金属部材及び第2金属部材についても接合することが可能となる。
【0019】
[2]本発明に係る複合金属材の製造方法においては、前記金属部材準備工程においては、前記複数の分割部材として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備し、前記接合工程においては、前記組上体に、前記第1圧力を、前記平面に垂直な方向からかけることが好ましい。
【0020】
このような方法とすることにより、組上体の全方向から圧力をかけるよりも簡易に複合金属材を製造することが可能となる。
【0021】
なお、所定の平面と垂直な方向からの圧力が十分であれば、所定の平面と水平な方向についても第1金属部材の熱膨張で十分な圧力(第2圧力)が発生し、当該方向についても当該圧力により接合が可能である。
【0022】
[3]本発明に係る複合金属材の製造方法においては、前記接合工程において、前記組上体が受ける圧力が一定となるように接合することが好ましい。
【0023】
このような方法とすることにより、安定した品質の複合金属材を製造することができる。
【0024】
「組上体が受ける圧力が一定となるように接合する」とは、組上体における熱膨張や軟化等の影響を考慮し、少なくとも組上体に第1温度をかけている間、組上体が受ける圧力が一定となるように接合することをいう。例えば、組上体が受ける圧力を測定する装置と、第1圧力を動的に調整する装置とを用いることで上記のようにすることができる。
第1圧力を組上体にかけるためには、種々の機械を用いることができるが、上記[3]を考慮すると、圧力を細かく調整することができるもの(例えば、コンピューター制御式の油圧プレス機)を用いることが好ましい。
【0025】
[4]本発明に係る複合金属材の製造方法においては、前記接合工程において、前記第1温度は、前記第1金属の融点及び前記第2金属の融点よりも低いことが好ましい。
【0026】
このような方法とすることにより、第1金属部材及び第2金属部材を液体化させることなく、第1金属部材と第2金属部材とを固相拡散接合することが可能となる。その結果、溶接のように金属を液体化させて接合する場合と比較して、接合後に残る応力を大きく低減することが可能となる。
【0027】
[5]本発明に係る複合金属材の製造方法においては、前記接合工程は、真空条件下で実施することが好ましい。
【0028】
このような方法とすることにより、金属部材の酸化を防ぐことが可能となる。
【0029】
また、上記のような方法とすることにより、組上体において金属部材同士の間に隙間がある場合でも、金属部材間の接合力が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0030】
[6]本発明に係る金型の製造方法は、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、前記複合金属材のうち第2金属部材からなる部分に、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部を形成する凹部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の金型の製造方法によれば、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程を含むため、今までにない有用な複合金属材を用いた金型を製造することが可能となる。
特に、熱伝導性が高いが強度に劣る金属からなる第1金属部材と、強度に優れるが熱伝導性が低い金属からなる第2金属部材とを用いた場合、全体として熱伝導性と強度との両面で優れる金型を製造することが可能となる。
【0032】
なお、本明細書において「凹部」は、窪んだ形状を有する部分のことをいう。当該凹部の中や周辺に、盛り上がりや突起のような突き出す形状からなる部分があってもよい。
【0033】
[7]本発明に係る金型の製造方法においては、前記第1金属は、前記第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上であることが好ましい。
【0034】
このような方法とすることにより、特に熱伝導性に優れる金型を製造することが可能となる。
【0035】
[8]本発明に係る金型の製造方法においては、前記凹部形成工程においては、前記第1金属部材からなる部分を通るように熱交換媒体用流路を形成することが好ましい。
【0036】
このような方法とすることにより、熱交換媒体を熱交換媒体流路に通すことにより、製造した金型の温度調節(熱交換)を容易にすることが可能となる。
【0037】
また、熱伝導率が高い第1金属部材を通るように熱交換媒体用流路を形成するため、熱交換媒体による熱交換の効果を速やかにかつ全体に行き渡らせ、金型全体の温度を素早く変更することで、精密かつ均一な温度コントロールが可能な金型を製造することが可能となる。
【0038】
「第1金属部材からなる部分を通る」とは、熱交換媒体流路が第1金属部材からなる部分の中を通ることの他に、熱交換媒体流路が第1金属部材と第2金属部材との接合部を通ることも含む。
【0039】
[9]本発明に係る金属製品の製造方法は、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、前記複合金属材を加工して金属製品を製造する加工工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0040】
本発明の金属製品の製造方法によれば、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程を含むため、今までにない有用な複合金属材を用いた金属製品を製造することが可能となる。
【0041】
本発明の金属製品の製造方法により製造される金属製品としては、例えば、金型の冷却用ブロック(チルベント)、ブレーキローター(後述する実施形態4参照。)、エンジンの冷却部材、観賞用製品(後述する実施例1参照。)が考えられる。また、第1金属と第2金属とで磁気的特性が異なる金属を用いた、特異な電磁気学的特性を有する金属製品も考えられる。
【0042】
[10]本発明に係る複合金属材は、本発明の複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であって、第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、前記第2金属部材は前記第1金属部材を内包し、前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で接合されていることを特徴とする。
【0043】
本発明の複合金属材は、本発明の複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であるため、今までにない有用な複合金属材となる。
【0044】
また、本発明の複合金属材によれば、第1金属部材と第2金属部材とが接合されているため、第1金属部材と第2金属部材との間に明確な境界が存在しない状態とすることが可能となる。したがって、製造する複合金属材において、強度を高くすることが可能であり、また、部材間の性質を連続的なものとして熱や電気等をスムーズに伝達することが可能となる。
【0045】
[11]本発明に係る複合金属材は、第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、前記第2金属部材は前記第1金属部材を内包し、前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で接合されていることを特徴とする。
【0046】
本発明の複合金属材は、上記の構成を有するため、今までにない有用な複合金属材となる。
【0047】
また、本発明の複合金属材によれば、第1金属部材と第2金属部材とが接合されているため、第1金属部材と第2金属部材との間に明確な境界が存在しない状態とすることが可能となる。したがって、製造する複合金属材において、強度を高くすることが可能であり、また、部材間の性質を連続的なものとして熱や電気等をスムーズに伝達することが可能となる。
【0048】
本発明の複合金属材においては、各金属部材の部分に加工(切削加工や研磨加工等)がなされていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態1に係る複合金属材1を説明するために示す図である。
【図2】実施形態1に係る複合金属材の製造方法のフローチャートである。
【図3】実施形態1における第1金属部材10を説明するために示す図である。
【図4】実施形態1における複数の分割部材22,24を説明するために示す図である。
【図5】実施形態1における組上工程S20を説明するために示す図である。
【図6】実施形態1における接合工程S30を説明するために示す図である。
【図7】実施形態2に係る複合金属材2を説明するために示す図である。
【図8】実施形態2における複数の分割部材42,44,46を説明するために示す図である。
【図9】実施形態2における組上工程S22を説明するために示す図である。
【図10】実施形態2における接合工程S32を説明するために示す図である。
【図11】実施形態3における金型4を説明するために示す図である。
【図12】実施形態3に係る金型の製造方法を説明するために示す図である。
【図13】実施形態4における金属製品6を説明するために示す図である。
【図14】実施形態4における複合金属材製造工程S42を説明するために示す図である。
【図15】実施形態4における複合金属材製造工程S42及び加工工程S52を説明するために示す図である。
【図16】実施例1に係る複合金属材8を説明するために示す図である。
【図17】実施例1に係る金属製品7を説明するために示す写真である。
【図18】実施例2における第1金属部材10aと第2金属部材40aと接合部Jbの拡大写真である。
【図19】変形例に係る複合金属材9を説明するために示す図である。
【図20】従来の複合金属材の製造方法を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の複合金属材の製造方法、金型の製造方法、金属製品の製造方法及び複合金属材について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0051】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る複合金属材1を説明するために示す図である。図1(a)は複合金属材1の斜視図であり、図1(b)は複合金属材1の上面図であり、図1(c)は図1(b)のA−A断面図である。
図2は、実施形態1に係る複合金属材の製造方法のフローチャートである。
【0052】
図3は、実施形態1における第1金属部材10を説明するために示す図である。図3(a)は第1金属部材10の斜視図であり、図3(b)は第1金属部材10の断面図である。なお、図3(b)は図1(c)に対応する断面図である。
図4は、実施形態1における複数の分割部材22,24を説明するために示す図である。図4(a)は分割部材22の斜視図であり、図4(b)は分割部材22の断面図であり、図4(c)は分割部材24の斜視図であり、図4(d)は分割部材24の断面図であり、図4(e)は複数の分割部材22,24のみを組上げた様子を示す断面図である。なお、図4における断面図は図1(c)に対応する断面図である。
【0053】
図5は、実施形態1における組上工程S20を説明するために示す図である。図5(a)〜図5(c)は組上体30を組上げる様子を示す図である。なお、図5は図1(c)に対応する断面図である。
図6は、実施形態1における接合工程S30を説明するために示す図である。図6(a)は組上体30に第1温度(図示せず。)及び第1圧力OPをかけることを表す断面図であり、図6(b)は接合工程S30を実施した後の断面図(つまり、複合金属材1の図)である。なお、図6(a)において符号IPで示す矢印は、第1金属部材10が膨張することによる圧力(第2圧力)を示すものである。なお、図6は図1(c)に対応する断面図である。
【0054】
まず、実施形態1に係る複合金属材の製造方法により製造された複合金属材1について説明する。
実施形態1に係る複合金属材1は、図1に示すように、第1金属からなる第1金属部材10と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材20とを備え、第2金属部材20は第1金属部材10を内包し、第1金属部材10と第2金属部材20とが対向する面で接合されているものである。第1金属部材10と第2金属部材20とは、いわゆる固相拡散接合により接合されている。
なお、実施形態1における第1金属部材10が第2金属部材20の中に占める割合は例示であり、当該割合は用途や目的に応じて増減することができる。
【0055】
複合金属材1における第1金属は純銅(線膨張率:約16.8×10−6/K。以下、単に銅と記載する。)であり、第2金属はSKD61(線膨張率:約13.3×10−6/K。以下、単にダイス鋼と記載する。)である。なお、本発明の複合金属材において用いることが可能な金属の組み合わせは上記のものに限られるものではない。複合金属材を使用する用途に応じて種々の金属の組み合わせを用いることができる。
【0056】
なお、図1において符号Jbで示すのは第1金属部材10と第2金属部材20との接合部であり、符号Jaで示すのは第2金属部材20を構成する複数の分割部材22,24(後述)の接合部である。接合部Jbは同種金属同士で接合を行った部分であるため、実際に図1(a)に示すような線が視認できるとは限らない。
【0057】
実施形態1に係る複合金属材1は、第1金属部材10は熱伝導性が高いが強度に劣る金属である銅からなり、第2金属部材20は強度に優れるが熱伝導性が低い金属であるダイス鋼からなるため、全体として熱伝導性と強度との両方に優れる複合金属材の性質を活かして、例えば、金型、金型の冷却用ブロック(チルベント)、ブレーキローター、エンジンの冷却部材等の材料として用いることができる。
【0058】
次に、実施形態1に係る複合金属材の製造方法について説明する。
実施形態1に係る複合金属材の製造方法は、第1金属からなる第1金属部材10と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材20とを備える複合金属材の製造方法であって、図2に示すように、金属部材準備工程S10と、組上工程S20と、接合工程S30とをこの順序で含む。以下、各工程について説明する。
【0059】
1.金属部材準備工程S10
金属部材準備工程S10は、第1金属からなる第1金属部材10(図3参照。)と、組上げたときに第1金属部材10を内包可能な第1金属部材収納部28を形成し、第2金属からなる複数の分割部材22,24(図4参照。)とを準備する工程である。
なお、実施形態1においては、第1金属部材収納部28は、第1金属部材10よりもやや大きくなるように(例えば、第1金属部材10を配置したときに、全体的に2μm程度の隙間ができるように)形成されている。
【0060】
金属部材準備工程S10においては、複数の分割部材22,24として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備する。実施形態1における所定の平面は、図1(c)に示すA−A断面に対して垂直な平面である。
【0061】
実施形態1に係る複合金属材の製造方法は、上記した複合金属材1を製造する製造方法であるため、第1金属は銅であり、第2金属はダイス鋼である。第1金属部材10及び複数の分割部材22,24は、例えば、金属ブロックを切削・研磨加工等して製造することにより準備することができる。また、第1金属部材10及び複数の分割部材22,24は、目的に適合するものを購入することにより準備することもできる。
【0062】
なお、実施形態1においては、複数の分割部材22,24は、組上体として組上げたときにおいて第1金属部材収納部28が第1金属部材10を完全に密閉するように設計したが、本発明はこれに限定されるものではない。接合工程において、第1金属部材と第2金属部材とを接合するのに十分な圧力が得られるのであれば、複数の分割部材は、組上体として組上げたときにおいて第1金属部材収納部が第1金属部材を完全には密閉しない(つまり、外につながる隙間がある)ように設計してもよい。
【0063】
2.組上工程S20
組上工程S20は、図5に示すように、第1金属部材10を第1金属部材収納部28に配置した状態で複数の分割部材22,24を組上げ、組上体30とする工程である。
【0064】
3.接合工程S30
接合工程S30は、図6に示すように、組上体30に、各金属部材を接合可能な第1温度及び第1圧力OPをかけることにより(図6(a)参照。)、複数の分割部材22,24を接合して第2金属部材20とし、かつ、第1金属部材10及び第2金属部材20についても接合する(図6(b)参照。)工程である。
第1圧力OPは、複数の分割部材22,24同士を接合可能であり、かつ、第1金属部材10の熱膨張に対抗可能な圧力である。
また、第1金属部材10と第2金属部材20とについては、第1金属と第2金属との線膨張率の差による第2圧力IPで、第1金属部材10と第2金属部材20とが対向する面について接合する。
【0065】
接合工程S30においては、組上体30に、第1圧力を平面に垂直な方向からかける(図6(a)参照。)。圧力をかけるためには、コンピューター制御式の油圧プレス機を用いる。
接合工程S30においては、組上体30が受ける圧力が一定となるように接合する。一定の圧力は、例えば、5MPaとすることができる。また、第1温度は、第1金属の融点及び第2金属の融点よりも低い温度である。
接合工程S30は、例えば、真空条件下で実施する。
【0066】
上記各工程を実施することにより、上記した複合金属材1を製造することができる。
なお、接合工程S30の後に、他の工程として、複合金属材1を機械加工等する工程や、焼入れを行って第2金属部材20の硬度を高める工程等をさらに実施してもよい。
【0067】
以下、実施形態1に係る複合金属材の製造方法及び複合金属材1の効果を説明する。
【0068】
実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、金属部材準備工程S10と、組上工程S20と、接合工程S30とをこの順序で含むため、接合工程において、複数の分割部材を接合して第2金属部材とし、かつ、第1金属と第2金属との線膨張率の差による第2圧力で第1金属部材と第2金属部材とについても接合することができるようになることから、第1金属部材が第2金属部材に内包され、かつ、第1金属部材と第2金属部材とが接合されているという今までにない有用な複合金属材を製造することが可能となる。
【0069】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、第1金属からなる第1金属部材10と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材20とを用いるため、接合工程において組上体に外部から圧力をかけるだけで、熱により膨張した第1金属部材が第2金属部材に対して内部から圧力をかけるようになり、第1金属部材と第2金属部材とを接合することが可能となる。
【0070】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、第1金属部材10と第2金属部材20とを接合するため、単に第1金属部材と第2金属部材とが接触している場合と比較して、製造する複合金属材の強度を高くすることが可能であり、また、熱や電気等をスムーズに伝達することが可能となる。
【0071】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、第1圧力は、複数の分割部材22,24同士を接合可能であり、かつ、第1金属部材10の熱膨張に対抗可能な圧力であるため、複数の分割部材を接合して第2金属部材とし、かつ、第1金属部材及び第2金属部材についても接合することが可能となる。
【0072】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、金属部材準備工程S10においては、複数の分割部材として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材22,24を準備し、接合工程S30においては、組上体30に、第1圧力を平面に垂直な方向からかけるため、組上体の全方向から圧力をかけるよりも簡易に複合金属材を製造することが可能となる。
【0073】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、接合工程S30において、組上体30が受ける圧力が一定となるように接合するため、安定した品質の複合金属材を製造することができる。
【0074】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、接合工程S30において、第1温度が第1金属の融点及び第2金属の融点よりも低いため、第1金属部材及び第2金属部材を液体化させることなく、第1金属部材と第2金属部材とを固相拡散接合することが可能となる。その結果、溶接のように金属を液体化させて接合する場合と比較して、接合後に残る応力を大きく低減することが可能となる。
【0075】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、接合工程S30は真空条件下で実施するため、金属部材の酸化を防ぐことが可能となる。
【0076】
また、実施形態1に係る複合金属材の製造方法によれば、接合工程S30は真空条件下で実施するため、組上体において金属部材同士の間に隙間がある場合でも、金属部材間の接合力が低下するのを防ぐことが可能となる。
【0077】
実施形態1に係る複合金属材1は、実施形態1に係る複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であるため、今までにない有用な複合金属材となる。
【0078】
実施形態1に係る複合金属材1は、第1金属からなる第1金属部材10と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材20とを備え、第2金属部材20は第1金属部材10を内包し、第1金属部材10と第2金属部材20とは、第1金属部材10と第2金属部材20とが対向する面で接合されているため、今までにない有用な複合金属材となる。
【0079】
また、実施形態1に係る複合金属材1は、第1金属部材10と第2金属部材20とが接合されているため、第1金属部材と第2金属部材との間に明確な境界が存在しない状態とすることが可能となる。したがって、製造する複合金属材において、強度を高くすることが可能であり、また、部材間の性質を連続的なものとして熱や電気等をスムーズに伝達することが可能となる。
【0080】
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係る複合金属材2を説明するために示す図である。図7(a)は複合金属材2の斜視図であり、図7(b)は複合金属材2の上面図であり、図7(c)は図7(b)におけるB−B断面図である。
図8は、実施形態2における複数の分割部材42,44,46を説明するために示す図である。図8(a)は分割部材42の斜視図であり、図8(b)は分割部材42の断面図であり、図8(c)は分割部材44の斜視図であり、図8(d)は分割部材44の断面図であり、図8(e)は分割部材46の斜視図であり、図8(f)は分割部材46の断面図であり、図8(g)は複数の分割部材42,44,46のみを組上げた様子を示す断面図である。なお、図8の断面図は図7(c)に対応する断面図である。
【0081】
図9は、実施形態2における組上工程S22を説明するために示す図である。図9(a)〜図9(d)は組上体50を組上げる様子を示す図である。なお、図9は図7(c)に対応する断面図である。
図10は、実施形態2における接合工程S32を説明するために示す図である。図10(a)は組上体50に第1温度及び第1圧力OPをかけることを表す断面図であり、図10(b)は接合工程S32を実施した後の断面図(つまり、複合金属材2の図)である。なお、図10は図7(c)に対応する断面図である。
【0082】
実施形態2に係る複合金属材の製造方法は、実施形態1に係る複合金属材の製造方法と基本的に同様であるが、第2金属部材を構成する複数の分割部材が3つの分割部材からなる点が異なる。以下、実施形態2に係る複合金属材の製造方法及び複合金属材2について、実施形態1に係る複合金属材の製造方法及び複合金属材1と異なる点を中心に説明する。
【0083】
実施形態2に係る複合金属材2は、図7に示すように、基本的に実施形態1における複合金属材1と同様の構成を有し、第1金属からなる第1金属部材10と第2金属部材40とを備える。複合金属材2における第2金属部材40は、実施形態1における第2金属部材20とは複数の分割部材の構成が異なるが、図7に示すのは接合後の状態であるため、実施形態1における第2金属部材20と基本的に同様の構成となる。
【0084】
なお、図7において符号Jbで示すのは第1金属部材10と第2金属部材40との接合部であり、符号Ja1,Ja2で示すのは第2金属部材40を構成する分割部材42,44,46(後述)の接合部である。接合部Ja1,Ja2は同種金属同士で接合を行った部分であるため、実際に図7(a)に示すような線が視認できるとは限らない。
【0085】
次に、実施形態2に係る複合金属材の製造方法について説明する。
実施形態2に係る複合金属材の製造方法は、第1金属からなる第1金属部材10と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材40とを備える複合金属材2の製造方法であって、金属部材準備工程S12と、組上工程S22と、接合工程S32とをこの順序で含む。金属部材準備工程S12は実施形態1における金属部材準備工程S10と、組上工程S22は実施形態1における組上工程S20と、接合工程S32は実施形態1における接合工程S30と、それぞれ基本的には同様の工程である。以下、各工程について、実施形態1と異なる部分について説明する。
【0086】
1.金属部材準備工程S12
金属部材準備工程S12は、図8に示すように、第1金属部材10(図3参照。)と、組上げたときに第1金属部材10を内包可能な第1金属部材収納部48を形成し、第2金属からなる複数の分割部材42,44,46(図8参照。)とを準備する工程である。
金属部材準備工程S12においては、複数の分割部材42,44,46として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備する。実施形態2における所定の平面は、図7(c)に示すB−B断面に対して垂直な平面である。
【0087】
2.組上工程S22
組上工程S22は、図9に示すように、第1金属部材10を第1金属部材収納部48に配置した状態で複数の分割部材42,44,46を組上げ、組上体50とする工程である。
【0088】
3.接合工程S32
接合工程S32は、図10に示すように、組上体50に、第1温度及び第1圧力OPをかけることにより、複数の分割部材42,44,46を接合して第2金属部材40とし、かつ、第1金属部材10と第2金属部材40とについても接合する工程である。
上記各工程を実施することにより、実施形態2に係る複合金属材2を製造することができる。
【0089】
以下、実施形態2に係る複合金属材の製造方法及び複合金属材2の効果を説明する。
【0090】
実施形態2に係る複合金属材の製造方法は、第2金属部材を構成する複数の分割部材が3つの分割部材からなる点が実施形態1に係る複合金属材の製造方法の場合とは異なるが、金属部材準備工程S12と、組上工程S22と、接合工程S32とをこの順序で含むため、実施形態1に係る複合金属材の製造方法と同様に、接合工程において、複数の分割部材を接合して第2金属部材とし、かつ、第1金属と第2金属との線膨張率の差による第2圧力で第1金属部材と第2金属部材とについても接合することができるようになることから、第1金属部材が第2金属部材に内包され、かつ、第1金属部材と第2金属部材とが接合されているという今までにない有用な複合金属材を製造することが可能となる。
【0091】
なお、実施形態2に係る複合金属材の製造方法は、第2金属部材を構成する複数の分割部材が3つの分割部材からなる点以外は実施形態1に係る複合金属材の製造方法と同様の方法であるため、実施形態1に係る複合金属材の製造方法が有する効果をそのまま有する。
【0092】
実施形態2に係る複合金属材2は、複合金属材の製造方法が実施形態1に係る複合金属材1の場合とは異なるが、実施形態2に係る複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であるため、実施形態1に係る複合金属材1と同様に、今までにない有用な複合金属材となる。
【0093】
なお、実施形態2に係る複合金属材2は、複合金属材の製造方法以外は実施形態1に係る複合金属材1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る複合金属材1が有する効果をそのまま有する。
【0094】
[実施形態3]
図11は、実施形態3における金型4を説明するために示す図である。図11(a)は金型4の斜視図であり、図11(b)は金型4の上面図であり、図11(c)は図11(b)のC−C断面図である。
図12は、実施形態3に係る金型の製造方法を説明するために示す図である。図12(a)は複合金属材製造工程S40における接合工程S34の図であり、図12(b)は複合金属材製造工程S40で準備する複合金属材3であり、図12(c)及び図12(d)は凹部形成工程S50を説明するために示す図である。なお、図12は図11(c)に対応する断面図である。
【0095】
まず、実施形態3に係る金型の製造方法により製造された金型4について説明する。
金型4は、他の金型(図示せず。)と組み合わせて用いる金型であり、図11に示すように、第1金属からなる第1金属部材60と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材70と、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部80及び湯道となる溝部82と、第1金属部材60からなる部分を通るように形成された熱交換媒体用流路90とを備える。
【0096】
実施形態3においては、第1金属は、第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上である。詳しく説明すると、第1金属は銅であり、熱伝導率が398W/(m・K)であるのに対して、第2金属はダイス鋼であり、熱伝導率が約25W/(m・K)である。
【0097】
次に、実施形態3に係る金型の製造方法について説明する。
実施形態3に係る金型の製造方法は、複合金属材製造工程S40と、凹部形成工程S50とをこの順序で含む。
複合金属材製造工程S40は、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材3を製造する工程である。実施形態3においては、実施形態2に係る複合金属材の製造方法と同様の方法により、複合金属材3を製造する(図12(a)及び図12(b)参照。)。実施形態3に係る複合金属材の製造方法と実施形態2に係る複合金属材の製造方法との差異は、各部材の寸法が異なる程度であるため、詳しい説明は省略する。
【0098】
凹部形成工程S50は、複合金属材3のうち第2金属部材70からなる部分に、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部80(図12(c)参照。)を形成する工程である。また、凹部形成工程S50においては、他の金型と組み合わせたときに湯道となる溝部82と、熱交換媒体用流路90(図12(d)参照。)とをさらに形成する。なお、熱交換媒体用流路90は、第1金属部材60からなる部分を通るように形成する。実施形態3においては、熱交換媒体用流路90は、第1金属部材60を貫通するように形成する。
【0099】
凹部80、溝部82及び熱交換媒体用流路90は、例えば、各種切削用工具、各種穿孔用工具、各種研磨用工具等を用いて形成することができる。
なお、実施形態3に係る金型の製造方法においては、熱交換媒体用流路90は単なる貫通孔であるが(図11(b)参照。)、熱交換媒体用流路をコの字型に形成し、金型内部のみで流路が成立するようにしてもよい。
【0100】
なお、必要に応じて、凹部形成工程S50の後に、他の工程として、金型4をさらに加工する工程(例えば、研磨を行う工程や、金型表面の硬度を変化させる工程)を実施してもよい。
【0101】
実施形態3に係る金型の製造方法によれば、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材3を製造する複合金属材製造工程S40を含むため、今までにない有用な複合金属材を用いた金型を製造することが可能となる。
【0102】
また、実施形態3に係る金型の製造方法によれば、熱伝導性が高い金属からなる第1金属部材60と、強度に優れる金属からなる第2金属部材70とを用いるため、熱伝導性と強度との両面において優れる金型を製造することが可能となる。
【0103】
また、実施形態3に係る金型の製造方法によれば、第1金属は、第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上であるため、特に熱伝導性に優れる金型を製造することが可能となる。
【0104】
また、実施形態3に係る金型の製造方法によれば、凹部形成工程S50において、第1金属部材60からなる部分を通るように熱交換媒体用流路90を形成するため、製造した金型の熱交換を容易にすることが可能となる。
【0105】
また、実施形態3に係る金型の製造方法によれば、熱伝導率が高い第1金属部材60中に熱交換媒体用流路90を形成するため、熱交換媒体による熱交換の効果を速やかにかつ全体に行き渡らせ、金型全体の温度を素早く変更することで、精密かつ均一な温度コントロールが可能な金型を製造することが可能となる。
【0106】
[実施形態4]
図13は、実施形態4における金属製品6を説明するために示す図である。図13(a)は金属製品6の正面図であり、図13(b)は金属製品6の側面図であり、図13(c)は図13(a)のD−D断面図である。
図14は、実施形態4における複合金属材製造工程S42を説明するために示す図である。図14における矢印は、組上げの様子を簡易的に表示したものである。
図15は、実施形態4における複合金属材製造工程S42及び加工工程S52を説明するために示す図である。図15(a)は複合金属材製造工程S42における接合工程S36の図であり、図15(b)は複合金属材製造工程S42で準備する複合金属材5であり、図15(c)は加工工程S52を説明するために示す図である。なお、図15(a)においては、図面のスペースの関係上、第2圧力IPの図示を省略している。図15は図13(c)に対応する断面図である。
【0107】
まず、実施形態4に係る金属製品の製造方法により製造された金属製品6について説明する。
金属製品6は、ブレーキローターとして用いることが可能な金属製品であり、図13に示すように、第1金属からなる第1金属部材110と、第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材120と、第1金属部材110及び第2金属部材120を貫通するように形成された通風孔130とを備える。
【0108】
次に、実施形態4に係る金属製品の製造方法について説明する。
実施形態4に係る金属製品の製造方法は、複合金属材製造工程S42と、加工工程S52とをこの順序で含む。
複合金属材製造工程S42は、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材5を製造する工程である。実施形態4においては、まず、図14に示すように、それぞれ円盤型の形状を有する、第1金属部材112と複数の分割部材122,124,126,128とを準備する(金属部材準備工程S14)。実施形態4における第1金属及び第2金属は、実施形態3における第1金属及び第2金属と同様である。
【0109】
次に、第1金属部材112を第1金属部材収納部に配置した状態で複数の分割部材122,124,126,128を組上げ、組上体140とする(組上工程S24)。その後は、実施形態2に係る複合金属材の製造方法と同様の方法により、複合金属材5を準備する(接合工程S36。図15(a)及び図15(b)参照。)。実施形態2に係る複合金属材の製造方法との差異は、各部材の形状が異なる程度であるため、詳しい説明は省略する。
【0110】
加工工程S52は、複合金属材5を加工して金属製品6を製造する工程である(図15(c)参照。)。加工工程S52においては、第1金属部材112を貫通するように通風孔130を形成する。通風孔130は、例えば、例えば、各種切削用工具、各種穿孔用工具、各種研磨用工具等を用いて形成することができる。
実施形態4に係る金型の製造方法においては、通風孔130を直線状の貫通孔としたが、通風孔を斜めあるいは曲線状に形成し、金属製品内部を通過する風量を増やすようにしてもよい。
【0111】
実施形態4に係る金属製品の製造方法によれば、本発明の複合金属材の製造方法により複合金属材5を製造する複合金属材製造工程S42を含むため、今までにない有用な複合金属材を用いた金属製品を製造することが可能となる。
【0112】
また、実施形態4に係る金属製品の製造方法によれば、金属製品6は本発明の複合金属材の製造方法により製造した複合金属材5を加工したブレーキローターであるため、単一の金属板からなるブレーキローターと比較して熱伝導率を非常に高くすることが可能となる。また、単に金属板を積層して接合した従来の複合金属材からなるブレーキローターと比較して、第1金属部材と第2金属部材との接合部の末端が外面に露出しないため、強度を高くすることが可能となる。
【0113】
[実施例1]
図16は、実施例1に係る複合金属材8を説明するために示す図である。図16(a)は複合金属材8の斜視図であり、図16(b)は複合金属材8の上面図であり、図16(c)は図16(b)のE−E断面図である。なお、複合金属材8は実施例1に係る金属製品7の材料である。
図17は、実施例1に係る金属製品7を説明するために示す写真である。図17(a)は切断する前の金属製品7を示す写真であり、図17(b)及び図17(c)は切断した後の金属製品7を示す写真である。図17(b)及び図17(c)における破線は第1金属部材150と第2金属部材160との接合部Jbを示す補助線であり、実際の金属製品7に描かれているわけではない。
【0114】
実施例1は、本発明に係る金属製品(金属製品7)を実際に製造した実施例である。
まず、複合金属材製造工程においては、図16に示すような複合金属材8を製造した。実施例1における複合金属材の製造方法は、各金属部材の形状が異なるものの、基本的には実施形態1に係る複合金属材の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
図16において符号162で示す第2金属部材は、加工工程で加工される前の第2金属部材である。なお、第1金属部材150は直径約25mmの球形形状を有するものとし、第2金属部材は直径約50mm、高さ約150mmの円柱形状を有するものとした。
第1金属は銅とし、第2金属はステンレス鋼(SUS420J2。線膨張率:約11.7×10−6/K。)とした。
【0115】
次に、加工工程で複合金属材8を卵形に切削加工し、金属製品7を製造した。金属製品7の高さ(底端から先端までの距離)は69mmとし、最大直径は46mmとした。上記の製造方法により卵形の金属製品7(図17(a)参照。)を製造した後、さらに、内部を観察するためにワイヤー放電加工を用いて金属製品7を切断した(図17(b)及び図17(c)参照。)。図17における符号150は第1金属部材であり、符号160は第2金属部材である。
【0116】
上記のようにして製造した金属製品7は、図17に示すように、銅からなる第1金属部材150が黄身、ステンレス鋼からなる第2金属部材160が白身のように見え、あたかも金属製の堅ゆで卵のような外観を呈した。また、第1金属部材150と第2金属部材160とが接合されているため、黄身たる第1金属部材150が抜け落ちてしまう心配もない。つまり、金属製品7は、美観及び強度に優れた観賞用製品となった。
【0117】
[実施例2]
図18は、実施例2における第1金属部材10aと第2金属部材40aとの接合部Jbの拡大写真である。図18(a)は接合部Jb付近を200倍に拡大した写真であり、図18(b)は接合部Jb付近を1000倍に拡大した写真であり、図18(c)は接合部Jb付近を3000倍に拡大した写真である。
【0118】
実施例2は、第1金属部材と第2金属部材との接合の様子を調べた実施例である。
実施例2においては、実施形態2に係る複合金属材の製造方法と同様の方法により複合金属材2aを製造し、第1金属部材10aと第2金属部材40aとの接合の様子を観察した。なお、第1金属は銅とし、第2金属はステンレス鋼(SUS420J2)とした。
その結果、図18に示すように、実施例2に係る複合金属材2aにおいては、接合部Jb付近では第1金属部材10aと第2金属部材40aとが固相接合により、強固に接合されていることが確認できた。
【0119】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0120】
(1)上記各実施形態において記載した各構成要素の寸法、個数、材質及び形状は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0121】
(2)上記各実施形態においては、第1金属部材として単一の金属部材からなる第1金属部材を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。図19は、変形例における複合金属材9を説明するために示す図である。図19(a)は複合金属材9の断面図であり、図19(b)は金属部材準備工程における第1金属部材170の斜視図である。なお、図19(a)は図1(c)に対応する断面図である。例えば、図19に示すように、2種類の第1金属部材172,174からなる第1金属部材170を用いてもよい。なお、図19(a)において符号Jb1で示すのは第1金属部材172と第2金属部材180との接合部であり、符号Jb2で示すのは第1金属部材174と第2金属部材180との接合部であり、符号Jaで示すのは第2金属部材180を構成する複数の分割部材の接合部であり、符号Jcで示すのは第1金属部材170を構成する金属部材172,174同士の接合部である。本発明の複合金属材の製造方法においては、3種類以上の金属部材からなる第1金属部材を用いてもよい。また、この場合、第1金属部材全てで同一の種類からなる第1金属を用いてもよいし、第1金属部材ごとに異なる種類からなる第1金属を用いてもよい。
【0122】
(3)また、複数の分割部材及び第2金属についても、第1金属よりも線膨張率が小さいという条件を満たす限り、複数の分割部材全てで同一の種類からなる第2金属を用いてもよいし、複数の分割部材ごとに異なる種類からなる第2金属を用いてもよい。
【0123】
(4)上記実施形態4及び実施例1においては、ブレーキローターとしての金属製品6及び観賞用製品としての金属製品7を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の金属製品の製造方法により製造された金属製品として、他にも、金型の冷却用ブロック(チルベント)、エンジンの冷却部材等を製造することが考えられる。また、第1金属と第2金属とで磁気的特性が異なる金属を用いた、特異な電磁気学的特性を有する金属製品を製造することも考えられる。
【0124】
(5)各実施形態においては、組上体の上下から第1圧力OPをかけたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、組上体の下に支持台を置き、組上体の上から第1圧力をかけるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1,2,3,5,8,9…複合金属材、4…金型、6,7…金属製品、10,10a,60,62,110,112,150,170…第1金属部材、20,40,40a,70,77,120,160,180…第2金属部材、22,24,42,44,46,72,74,76,122,124,126,128…分割部材、28,48…第1金属部材収納部、30,50…組上体、80…凹部、82…溝部、90…熱交換媒体用流路、130…通風孔、172,174…第1金属部材を構成する金属部材、Ja,Ja1,Ja2…分割部材同士の接合部、Jb,Jb1,Jb2…第1金属部材と第2金属部材との接合部、Jc…第1金属部材同士の接合部、OP…第1圧力、IP…第2圧力
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】

【手続補正書】
【提出日】20141220
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備える複合金属材の製造方法であって、
前記第1金属部材と、組上げたときに前記第1金属部材を内包可能な第1金属部材収納部を形成し、前記第2金属からなる複数の分割部材とを準備する金属部材準備工程と、
前記第1金属部材を前記第1金属部材収納部に配置した状態で前記複数の分割部材を組上げ、組上体とする組上工程と、
前記組上体に、各金属部材を固相拡散接合可能な第1温度及び第1圧力をかけることにより、前記複数の分割部材を固相拡散接合して前記第2金属部材とし、かつ、前記第1金属部材及び前記第2金属部材についても固相拡散接合する接合工程とをこの順序で含むことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項2】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記金属部材準備工程においては、前記複数の分割部材として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備し、
前記接合工程においては、前記組上体に、前記第1圧力を、前記平面に垂直な方向からかけることを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記組上体が受ける圧力が一定となるように固相拡散接合することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記第1温度は、前記第1金属の融点及び前記第2金属の融点よりも低いことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程は、真空条件下で実施することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材のうち第2金属部材からなる部分に、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部を形成する凹部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする金型の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の金型の製造方法において、
前記第1金属は、前記第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上であることを特徴とする金型の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の金型の製造方法において、
前記凹部形成工程においては、前記第1金属部材からなる部分を通るように熱交換媒体用流路を形成することを特徴とする金型の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材を加工して金属製品を製造する加工工程とをこの順序で含むことを特徴とする金属製品の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であって、
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、
前記第2金属部材は前記第1金属部材を内包し、
前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で固相拡散接合されていることを特徴とする複合金属材。
【請求項11】
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、
前記第2金属部材は前記第1金属部材を完全に密閉し、
前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で固相拡散接合されていることを特徴とする複合金属材。

【手続補正書】
【提出日】20150410
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備える複合金属材の製造方法であって、
前記第1金属部材と、組上げたときに前記第1金属部材を内包可能な第1金属部材収納部を形成し、前記第2金属からなる複数の分割部材とを準備する金属部材準備工程と、
前記第1金属部材を前記第1金属部材収納部に配置した状態で前記複数の分割部材を組上げ、組上体とする組上工程と、
前記組上体に、各金属部材を固相拡散接合可能な第1温度及び第1圧力をかけることにより、前記複数の分割部材を固相拡散接合して前記第2金属部材とし、かつ、前記第1金属部材及び前記第2金属部材についても固相拡散接合する接合工程とをこの順序で含むことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項2】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記金属部材準備工程においては、前記複数の分割部材として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備し、
前記接合工程においては、前記組上体に、前記第1圧力を、前記平面に垂直な方向からかけることを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記組上体が受ける圧力が一定となるように固相拡散接合することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記第1温度は、前記第1金属の融点及び前記第2金属の融点よりも低いことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程は、真空条件下で実施することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材のうち第2金属部材からなる部分に、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部を形成する凹部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする金型の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の金型の製造方法において、
前記第1金属は、前記第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上であることを特徴とする金型の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の金型の製造方法において、
前記凹部形成工程においては、前記第1金属部材からなる部分を通るように熱交換媒体用流路を形成することを特徴とする金型の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材を加工して金属製品を製造する加工工程とをこの順序で含むことを特徴とする金属製品の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により製造された複合金属材であって、
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備え、
前記第2金属部材は前記第1金属部材を内包し、
前記第1金属部材と前記第2金属部材とは、前記第1金属部材と前記第2金属部材とが対向する面で固相拡散接合されていることを特徴とする複合金属材。

【手続補正書】
【提出日】20150906
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属からなる第1金属部材と、前記第1金属よりも線膨張率が小さい第2金属からなる第2金属部材とを備える複合金属材の製造方法であって、
前記第1金属部材と、組上げたときに前記第1金属部材を内包可能な第1金属部材収納部を形成し、前記第2金属からなる複数の分割部材とを準備する金属部材準備工程と、
前記第1金属部材を前記第1金属部材収納部に配置した状態で前記複数の分割部材を組上げ、組上体とする組上工程と、
前記組上体に、各金属部材を固相拡散接合可能な第1温度及び第1圧力をかけることにより、前記複数の分割部材を固相拡散接合して前記第2金属部材とし、かつ、前記第1金属部材及び前記第2金属部材についても固相拡散接合する接合工程とをこの順序で含むことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項2】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記金属部材準備工程においては、前記複数の分割部材として、互いに平行な平面に沿って分割された複数の分割部材を準備し、
前記接合工程においては、前記組上体に、前記第1圧力を、前記平面に垂直な方向からかけることを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記組上体が受ける圧力が一定となるように固相拡散接合することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程において、前記第1温度は、前記第1金属の融点及び前記第2金属の融点よりも低いことを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の複合金属材の製造方法において、
前記接合工程は、真空条件下で実施することを特徴とする複合金属材の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材のうち第2金属部材からなる部分に、他の金型と組み合わせたときにキャビティとなる凹部を形成する凹部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする金型の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の金型の製造方法において、
前記第1金属は、前記第2金属よりも熱伝導率が高く、かつ、室温における熱伝導率が50W/(m・K)以上であることを特徴とする金型の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の金型の製造方法において、
前記凹部形成工程においては、前記第1金属部材からなる部分を通るように熱交換媒体用流路を形成することを特徴とする金型の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の複合金属材の製造方法により複合金属材を製造する複合金属材製造工程と、
前記複合金属材を加工して金属製品を製造する加工工程とをこの順序で含むことを特徴とする金属製品の製造方法。

【手続補正書】
【提出日】20150906
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、複合金属材の製造方法、金型の製造方法及び金属製品の製造方法関する。
【国際調査報告】