(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061153
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】組電池監視装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20160808BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20160808BHJP
【FI】
   !H01M10/48 P
   !H02J7/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】2014541894
(21)【国際出願番号】JP2012077122
(22)【国際出願日】20121019
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市高場2520番地
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(72)【発明者】
【氏名】三浦 光
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】工藤 彰彦
【住所又は居所】日本国茨城県ひたちなか市稲田1410番地 日立ビークルエナジー株式会社内
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503BA03
5G503HA01
5H030AS08
5H030BB08
5H030BB23
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
複数の電池セルを直列接続したセルグループを単数または複数有する組電池を監視する組電池監視装置は、組電池の各セルグループに対応して設けられており、当該セルグループの各電池セルの電圧を測定すると共に、当該セルグループの各電池セルの容量を調整するためのセルバランシングを行う集積回路部と、集積回路部と通信を行って集積回路部を制御する制御部と、制御部へ電源を供給する電源部と、を備える。制御部は、電源部からの電源の供給に応じて、集積回路部にセルバランシングを開始または停止させると共に、電源部を起動するためのタイマ時間を設定して電源部に電源の供給を停止させ、電源部は、タイマ時間に応じて起動して電源の供給を開始する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを直列接続したセルグループを単数または複数有する組電池を監視する組電池監視装置であって、
前記組電池の各セルグループに対応して設けられており、当該セルグループの各電池セルの電圧を測定すると共に、当該セルグループの各電池セルの容量を調整するためのセルバランシングを行う集積回路部と、
前記集積回路部と通信を行って前記集積回路部を制御する制御部と、
前記制御部へ電源を供給する電源部と、を備え、
前記制御部は、前記電源部からの前記電源の供給に応じて、前記集積回路部に前記セルバランシングを開始または停止させると共に、前記電源部を起動するためのタイマ時間を設定して前記電源部に前記電源の供給を停止させ、
前記電源部は、前記タイマ時間に応じて起動して前記電源の供給を開始する組電池監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の組電池監視装置において、
前記制御部は、対応するセルグループの各電池セルの電圧を測定するための指令を前記集積回路部へ送信し、
前記集積回路部は、前記制御部からの指令に応じて、対応するセルグループの各電池セルの電圧を測定してその測定結果を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記集積回路部から受信した各電池セルの電圧測定結果に基づいて前記セルバランシングが必要か否かを判断し、必要と判断した場合には、前記集積回路部に前記セルバランシングを開始させる組電池監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の組電池監視装置において、
前記電源部は、第1のタイマ時間と、第2のタイマ時間とを設定可能なタイマ起動回路に接続されており、
前記タイマ起動回路は、前記電源部による前記電源の供給が停止されてから前記第1のタイマ時間または前記第2のタイマ時間が経過したときに、前記電源部を起動させて前記電源の供給を開始させ、
前記制御部は、
前記第1のタイマ時間が経過して前記電源部が起動された場合には、前記集積回路部に前記セルバランシングを開始させると共に、前記タイマ起動回路に対して前記第2のタイマ時間を設定し、
前記第2のタイマ時間が経過して前記電源部が起動された場合には、前記集積回路部に前記セルバランシングを停止させると共に、前記タイマ起動回路に対して前記第1のタイマ時間を設定する組電池監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載の組電池監視装置において、
前記制御部は、前記集積回路部から受信した各電池セルの電圧測定結果に基づいて前記セルバランシングの所要時間を算出し、その算出結果に基づいて前記第2のタイマ時間を設定する組電池監視装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の組電池監視装置において、
前記タイマ起動回路をさらに備える組電池監視装置。
【請求項6】
請求項5に記載の組電池監視装置において、
前記電源部は、前記制御部へ前記電源を供給するための主電源回路と、前記タイマ起動回路へ待機電源を常時供給するための待機電源回路とを有する組電池監視装置。
【請求項7】
請求項3または4に記載の組電池監視装置において、
前記電源部は、前記組電池監視装置を制御する上位システムに接続されており、
前記電源部は、前記上位システムから出力される上位起動信号に応じて起動して前記電源の供給を開始し、
前記制御部は、前記上位起動信号に応じて前記電源部が起動された場合には、前記上位システムからの前記上位起動信号の出力が停止されると、前記電源部に前記電源の供給を停止させる組電池監視装置。
【請求項8】
請求項7に記載の組電池監視装置において、
前記タイマ起動回路は、前記上位起動信号とは異なる電圧レベルのタイマ起動信号を前記電源部へ出力することにより、前記電源部を起動させ、
前記制御部は、前記電源部への入力信号の電圧レベルに基づいて、前記入力信号が前記上位起動信号と前記タイマ起動信号のいずれであるかを判別する組電池監視装置。
【請求項9】
請求項7に記載の組電池監視装置において、
前記タイマ起動回路は、前記上位システム内に設けられている組電池監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルからなる組電池を監視する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電池セルからなる組電池を監視する装置において、各電池セルの残充電容量を算出し、その算出結果に基づいて各電池セルに対応して設けられたバランシングスイッチを制御することにより、各電池セルの残充電容量のばらつきを抑えるセルバランシング技術が知られている。特許文献1には、こうしたセルバランシング中の消費電力を低減するための手法が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された電池制御システムでは、組電池と接続されている電池制御部の内部に、各電池セルに対応してCMOSタイマICがそれぞれ設けられると共に、電池制御部との間で通信を行うシステム制御部内にもタイマが設けられている。これらのタイマを用いることで、セルバランシング中には電池制御部内で必要最小限の容量調整回路のみを動作させ、消費電力を低減するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2003−282159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された電池制御システムによる手法では、各電池セルに対してCMOSタイマICを電池制御部内にそれぞれ設ける必要があり、電池制御部のコストアップにつながる。したがって、セルバランシング中の消費電力の低減を低コストで達成することができない。また、容量調整回路の動作が開始された後には、電池制御部内の他の回路やシステム制御部の動作が停止される。そのため、セルバランシングの完了を確認することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による組電池監視装置は、複数の電池セルを直列接続したセルグループを単数または複数有する組電池を監視するものであって、組電池の各セルグループに対応して設けられており、当該セルグループの各電池セルの電圧を測定すると共に、当該セルグループの各電池セルの容量を調整するためのセルバランシングを行う集積回路部と、集積回路部と通信を行って集積回路部を制御する制御部と、制御部へ電源を供給する電源部と、を備える。制御部は、電源部からの電源の供給に応じて、集積回路部にセルバランシングを開始または停止させると共に、電源部を起動するためのタイマ時間を設定して電源部に電源の供給を停止させ、電源部は、タイマ時間に応じて起動して電源の供給を開始する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、セルバランシング中の消費電力の低減を低コストで達成すると共に、セルバランシングの完了を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態による組電池監視装置の構成を示す図である。
【図2】集積回路部の内部構成を示す図である。
【図3】組電池監視装置の各部分の動作タイミングチャートを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による組電池監視装置のタイマ起動時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態による組電池監視装置のタイマ起動時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態による組電池監視装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
−第1の実施形態−
図1は、本発明の第1の実施形態による組電池監視装置の構成を示す図である。図1に示す組電池監視装置3は、複数の電池セル1をそれぞれ直列に接続したセルグループGB1〜GB3によって構成される組電池2を監視するものであり、組電池2、上位システム12および鉛蓄電池13に接続されている。この組電池監視装置3は、図1に示すように、集積回路部41〜43、絶縁素子91および92、通信インターフェース5、制御部6、電源部7、タイマ起動回路8、OR論理入力回路10および上位通信インターフェース11を備えている。なお、組電池監視装置3は、組電池2の電力を用いてモータ駆動を行うシステム、たとえば電気自動車やハイブリッド電気自動車等の車両システムに搭載されて使用される。
【0010】
集積回路部41〜43は、組電池2のセルグループGB1〜GB3にそれぞれ対応して設けられ、対応するセルグループの各電池セル1に接続されている。これらの集積回路部41〜43は、デイジーチェーン接続により互いに接続されている。この集積回路部41〜43のデイジーチェーン接続は、絶縁素子91および92、通信インターフェース5を介して制御部6と接続されている。
【0011】
通信インターフェース5は、制御部6と集積回路部41〜43との間で通信信号を入出力する際のインターフェースとして機能する。具体的には、制御部6から通信信号が出力されると、通信インターフェース5は、絶縁素子91を介して、その通信信号をデイジーチェーン接続で最上位の集積回路部41へ出力する。また、デイジーチェーン接続で最下位の集積回路部43から絶縁素子92を介して通信信号が出力されると、通信インターフェース5は、その通信信号を制御部6へ出力する。絶縁素子91、92には、たとえばフォトカプラ等を用いることができる。
【0012】
デイジーチェーン接続で最上位の集積回路部41は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して制御部6から通信信号を受信すると、その通信信号を次の通信順位、すなわち中間位の集積回路部42へ送信する。このとき、受信した通信信号に集積回路部41に対する指令情報が含まれていた場合は、その指令情報の内容に応じた動作を実行する。集積回路部41が実行する動作には、たとえば、対応するセルグループGB1の各電池セル1の電圧測定や、各電池セル1の残充電容量を調整するためのセルバランシングなどが含まれる。
【0013】
集積回路部42は、集積回路部41から通信信号を受信すると、その通信信号を次の通信順位、すなわち最下位の集積回路部43へ送信する。このとき、集積回路部41と同様に、受信した通信信号に集積回路部42に対する指令情報が含まれていた場合は、その指令情報の内容に応じた動作を実行する。
【0014】
集積回路部43は、集積回路部42から通信信号を受信すると、その通信信号を絶縁素子92および通信インターフェース5を介して制御部6へ送信する。このとき、集積回路部41、42と同様に、受信した通信信号に集積回路部43に対する指令情報が含まれていた場合は、その指令情報の内容に応じた動作を実行する。
【0015】
上記のようにして通信信号を送受信することにより、制御部6と集積回路部41〜43との間で通信を行うことができる。なお、集積回路部41〜43が行った各電池セル1の電圧測定結果などの情報は、上記の通信信号と共に、または通信信号と同様の通信手順を用いて、集積回路部41〜43から制御部6へ送信することができる。
【0016】
制御部6は、所定の制御処理や演算処理を実行するための部分であり、たとえばマイクロコンピュータ等を用いて実現される。この制御部6において実行される処理に応じて、制御部6と集積回路部41〜43との間で上記のような通信が行われることにより、制御部6から集積回路部41〜43の動作を制御することができる。また、制御部6からタイマ起動回路8へタイマ設定信号を出力したり、制御部6からOR論理入力回路10を介して電源部7へ起動維持信号を出力したりすることもできる。制御部6は電源部7と接続されており、電源部7から供給される電源を受けて動作する。
【0017】
電源部7は、組電池監視装置3が通常モードで動作しているときに制御部6等へ電源を供給するための主電源回路71と、組電池監視装置3が低消費電力モードで動作しているときにタイマ起動回路8等へ待機電源を供給するための待機電源回路72とを備える。この電源部7は、OR論理入力回路10の出力側と接続されており、OR論理入力回路10から出力される起動信号に応じて、起動状態または起動停止状態のいずれかに切り替えられる。起動信号が出力されている場合、電源部7は起動状態となり、鉛蓄電池13の電力を用いて主電源回路71から制御部6等への電源供給を行う。これにより、組電池監視装置3が通常モードで動作する。一方、起動信号が出力されていない場合、電源部7は起動停止状態となり、主電源回路71からの電源供給を停止して、待機電源回路72からの待機電源のみをタイマ起動回路8等へ供給する。これにより、組電池監視装置3が低消費電力モードで動作する。なお、待機電源回路72からの待機電源の供給は、通常モードと低消費電力モードのいずれにおいても行われる。
【0018】
タイマ起動回路8は、電源部7を所定のタイミングで起動させるための回路である。組電池監視装置3が低消費電力モードでの動作を開始してから予め設定されたタイマ時間が経過すると、タイマ起動回路8は、OR論理入力回路10へタイマ起動信号を出力する。これにより、OR論理入力回路10から電源部7へ起動信号が出力されて電源部7が起動され、組電池監視装置3の動作モードが低消費電力モードから通常モードに移行される。タイマ起動回路8に対するタイマ時間の設定は、通常モードでの動作中に制御部6から出力されるタイマ設定信号によって行われる。
【0019】
なお、タイマ起動回路8には、制御部6により2種類のタイマ時間を設定可能である。その1つは、組電池2の各電池セル1に対するセルバランシングを定期的に行うために設定されるタイマ時間である。このタイマ時間に応じて電源部7が周期的に起動されることで、組電池監視装置3はセルバランシングを定期的に行い、低消費電力モードでの動作中に組電池2の各電池セル1の残充電容量のばらつきを防止できる。以下の説明では、このタイマ時間を「タイマ時間T1」と称する。
【0020】
もう1つは、組電池2の各電池セル1に対するセルバランシングが完了したか否かを判断するために設定されるタイマ時間である。後で説明するように、組電池監視装置3においてセルバランシングが開始されると、そのセルバランシングの所要時間に応じたタイマ時間がタイマ起動回路8に対して設定され、低消費電力モードに切り替えられる。このタイマ時間に応じて電源部7が起動されることで、組電池監視装置3はセルバランシングが完了したか否かを判断できる。以下の説明では、このタイマ時間を「タイマ時間T2」と称する。
【0021】
OR論理入力回路10は、制御部6からの起動維持信号、タイマ起動回路8からのタイマ起動信号、および上位システム12からの上位起動信号のいずれか少なくとも1つが入力されると、電源部7へ起動信号を出力する。すなわち、これらの入力信号のいずれかがOR出力による起動信号として、OR論理入力回路10から電源部7へ出力される。
【0022】
上位通信インターフェース11は、制御部6と上位システム12との間で上位通信信号を入出力する際のインターフェースとして機能する部分である。すなわち、制御部6は、上位通信インターフェース11を介して、上位システム12との間で上位通信信号の送受信を行うことができる。これにより、上位システム12から組電池監視装置3を制御したり、組電池監視装置3による組電池2の監視結果を上位システム12へ報告したりすることができる。上位システム12は、たとえば電気自動車やハイブリッド電気自動車等の車両システムであり、これには車両制御装置等が含まれる。
【0023】
上位システム12は、必要に応じて、上位起動信号を組電池監視装置3へ出力することができる。この上位起動信号は、組電池監視装置3において、前述のようにOR論理入力回路10に入力され、OR論理入力回路10から電源部7へ起動信号として出力される。これにより、上位システム12は任意のタイミングで電源部7を起動させ、組電池監視装置3に通常モードでの動作を開始させることができる。たとえば、車両のキースイッチ信号を上位起動信号として用いることができる。
【0024】
次に、集積回路部41〜43の詳細について説明する。図2は、集積回路部41の内部構成を示す図である。なお、説明は省略するが、他の集積回路部42、43に関してもこれと同様の内部構成を有している。
【0025】
集積回路部41に対応するセルグループGB1には、図1に示したように4つの電池セル1が含まれている。図2では、これらの電池セル1をそれぞれ電池セルBC1〜BC4として示している。電池セルBC1の正極端子は、入力端子V1を介して、集積回路部41内の入力回路116に接続されている。この入力回路116はマルチプレクサを含む。同様に、電池セルBC1の負極端子であって電池セルBC2の正極端子は入力端子V2を介して、電池セルBC2の負極端子であって電池セルBC3の正極端子は入力端子V3を介して、電池セルBC3の負極端子であって電池セルBC4の正極端子は入力端子V4を介して、それぞれ入力回路116に接続されている。電池セルBC4の負極端子は、集積回路部41の端子GNDに接続されている。
【0026】
電圧検出回路122は、各電池セルBC1〜BC4のそれぞれの端子間電圧をデジタル値に変換する回路を有している。デジタル値に変換された各端子間電圧はIC制御回路123に送られ、内部の記憶回路125に保持される。これらの電圧は自己診断などに利用されたり、図1の制御部6に送信されたりする。
【0027】
IC制御回路123は、演算機能を有すると共に、記憶回路125と、各種電圧の検知や状態診断を行うタイミングを制御するためのタイミング制御回路252を有している。記憶回路125は、例えばレジスタ回路で構成されている。電圧検出回路122で検出した各電池セルBC1〜BC4の端子間電圧は、IC制御回路123内の記憶回路125において、各電池セルBC1〜BC4に対応づけて記憶される。また、その他の様々な検出値についても、記憶回路125において予め定められたアドレスに読出し可能に保持することができる。
【0028】
IC制御回路123には、通信回路127が接続されている。この通信回路127を介して、制御部6から集積回路部41へ送信された通信信号がIC制御回路123に入力されると共に、IC制御回路123から出力された通信信号が次の集積回路部42へ送信される。制御部6からの通信信号が入力されると、IC制御回路123は、その通信信号に含まれる指令情報の内容を解読し、それに応じた処理を行う。制御部6からの指令情報は、たとえば、各電池セルBC1〜BC4の電圧測定の指令情報や、各電池セルBC1〜BC4の充電状態を調整するためのセルバランシングの開始指令情報などを含む。
【0029】
電池セルBC1の正極端子は、抵抗R1を介して端子B1に接続されている。この端子B1と端子V2との間にはバランシングスイッチ129Aが設けられている。バランシングスイッチ129Aには、このスイッチの動作状態を検出するための動作状態検出回路128Aが並列接続されている。このバランシングスイッチ129Aは放電制御回路132によって開閉が制御される。同様に、電池セルBC2の正極端子は抵抗R2を介して端子B2に接続され、この端子B2と端子V3との間にはバランシングスイッチ129Bが設けられている。バランシングスイッチ129Bには、このスイッチの動作状態を検出するための動作状態検出回路128Bが並列接続されている。このバランシングスイッチ129Aは放電制御回路132によって開閉が制御される。
【0030】
電池セルBC3の正極端子は抵抗R3を介して端子B3に接続され、この端子B3はと端子V4との間にはバランシングスイッチ129Cが設けられている。バランシングスイッチ129Cには、このスイッチの動作状態を検出するための動作状態検出回路128Cが並列接続されている。このバランシングスイッチ129Cは放電制御回路132によって開閉制御される。電池セルBC4の正極端子は抵抗R4を介して端子B4に接続され、この端子B4と端子GNDとの間にはバランシングスイッチ129Dが設けられている。バランシングスイッチ129Dには、このスイッチの動作状態を検出するための動作状態検出回路128Dが並列接続されている。このバランシングスイッチ129Dは放電制御回路132によって開閉が制御される。
【0031】
動作状態検出回路128A〜128Dは、対応する各バランシングスイッチ129A〜129Dの両端電圧を所定周期で繰り返し検出し、各バランシングスイッチ129A〜129Dが正常であるかどうかを検出する。バランシングスイッチ129A〜129Dは電池セルBC1〜電池セルBC4の充電状態を調整するスイッチである。これらスイッチが異常の場合、電池セルの充電状態を制御できなくなり、一部の電池セルが過充電あるいは過放電になる恐れがある。たとえば、あるバランシングスイッチが導通している状態であるにもかかわらず、その端子間電圧が対応する電池セルの端子電圧を示す場合に、当該バランシングスイッチが異常であると検出する。この場合は、当該バランシングスイッチが制御信号に基づく導通状態になっていないこととなる。また、あるバランシングスイッチが開放状態であるにもかかわらず、その端子間電圧が対応する電池セルの端子電圧に比べて低い値である場合にも、当該バランシングスイッチが異常であると検出する。この場合は、当該バランシングスイッチは制御信号に関係なく導通していることとなる。このようにしてバランシングスイッチ129A〜129Dの異常検出を行う動作状態検出回路128A〜128Dには、たとえば差動アンプ等で構成される電圧検出回路が用いられる。
【0032】
バランシングスイッチ129A〜129Dは、たとえばMOS型FETで構成され、それぞれ対応する電池セルBC1〜BC4に蓄積された電力を放電させる作用をする。多数の電池セルが直列接続されている組電池2に対してインバータなどの電気負荷が接続されると、その電気負荷に対する電流の供給は、直列接続された多数の電池セルの全体で行われる。このとき、各電池セルが互いに異なる充電状態(SOC)にあると、組電池2において最も放電されている電池セルの状態により電流が制限されてしまうこととなる。一方、組電池2が充電される状態では、組電池2への電流の供給は、直列接続された多数の電池セルの全体に対して行われる。このとき、各電池セルが互いに異なる充電状態(SOC)にあると、組電池2において最も充電されている電池セルの状態により電流が制限されてしまうこととなる。
【0033】
そこで、上記のように各電池セルの充電状態の違いによって電流が制限されてしまうのを解消するため、以下のようなセルバランシングを必要に応じて行う。具体的には、組電池2において直列接続されている多数の電池セルのうち、所定の充電状態、たとえば各電池セルの充電状態の平均値を越えた充電状態にある電池セルに対して、当該電池セルに接続されているバランシングスイッチを導通状態とする。これにより、導通状態としたバランシングスイッチに直列接続されている抵抗を介して、当該電池セルから放電電流を流す。その結果、各電池セルの充電状態が互いに近づく方向に制御されることとなる。また他の方法として、組電池2において最も放電状態にある電池セルを基準セルとし、この基準セルとの充電状態の差に基づき放電時間を決める方法もある。その他にも、各電池セルの充電状態を調整するために様々なセルバランシング方法を用いることができる。なお、各電池セルの充電状態は、各電池セルの端子電圧を基に演算で求めることができる。各電池セルの充電状態と端子電圧には相関関係が有るので、各電池セルの端子電圧を互いに近づけるようにバランシングスイッチ129A〜129Dを制御することで、各電池セルの充電状態を互いに近づけることができる。
【0034】
バランシングスイッチ129A〜129Dの端子間電圧、すなわちバランシングスイッチ129A〜129Dを構成する各FETのソースとドレイン間の電圧は、動作状態検出回路128A〜128Dによって検出され、電位変換回路130に出力される。ここで、各FETのソースとドレイン間の電位は、基準電位に対してそれぞれ異なっているため、このままでは比較判断が難しい。そこで、電位変換回路130でこれらの電位をそろえ、次に異常判定回路131で異常判定する。また、電位変換回路130は、バランシングスイッチ129A〜129Dの中で診断すべきバランシングスイッチをIC制御回路123からの制御信号に基づき選択する機能も有している。選択されたバランシングスイッチの端子間電圧が電位変換回路130から異常判定回路131に送られると、異常判定回路131はIC制御回路123から制御信号に基づき、その端子間電圧を所定の判定電圧と比較する。これにより、異常判定回路131はバランシングスイッチ129A〜129Dが異常か否かを判定することができる。
【0035】
放電制御回路132には、IC制御回路123から放電させるべき電池セルに対応したバランシングスイッチを導通させるための指令信号が送られる。この指令信号に基づき、放電制御回路132は、上述したようにMOS型FETから構成されるバランシングスイッチ129A〜129Dの導通を行うゲート電圧に相当する信号を出力する。
【0036】
IC制御回路123は、図1の制御部6からの通信信号を通信回路127を介して受信することで、各電池セルに対応した放電時間の指令を制御部6から受けると、その指令に応じて上記のようなセルバランシング動作を実行する。またIC制御回路123は、バランシングスイッチ129A〜129Dの異常を検出すると、その検出結果を通信回路127を介して制御部6へ送信する。
【0037】
続いて、組電池監視装置3における各部分の起動タイミングについて説明する。前述のように、組電池監視装置3は、電源部7の状態に応じて、通常モードまたは低消費電力モードのいずれかによる動作を行う。すなわち、電源部7が起動状態であれば、組電池監視装置3は通常モードでの動作を行う一方で、電源部7が起動停止状態であれば、組電池監視装置3は低消費電力モードでの動作を行う。組電池監視装置3が通常モードで動作しているときに、制御部6は、上位システム12や集積回路部41〜43との間で通信を行うことにより、各電池セル1の電圧測定やセルバランシングを必要に応じて行う。このとき、上位システム12からの上位起動信号に応じて電源部7が起動された場合(以下、通常起動と称する)と、タイマ起動回路8からのタイマ起動信号に応じて電源部7が起動された場合(以下、タイマ起動と称する)とで、制御部6や集積回路部41〜43が起動されるタイミングが異なる。以下では、この点について詳しく説明する。
【0038】
図3は、組電池監視装置3の各部分の動作タイミングチャートを示す図である。図3において、時刻t0〜t1の期間では、通常起動における各部分の動作タイミングを示しており、時刻t2〜t5の期間では、タイマ起動における各部分の動作タイミングを示している。また、これらの期間の間にある時刻t1〜t2の期間は、組電池監視装置3が低消費電力モードで動作している起動待ちの期間を示している。
【0039】
図3の線図31に示すように組電池監視装置3が鉛蓄電池13に接続されると、電源部7が起動可能な状態となる。その後、時刻t0において、線図32に示すように上位システム12から上位起動信号が送信されると、それに応じて電源部7が起動され、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が開始される。その結果、線図35に示すように制御部6が起動状態となり、組電池監視装置3において通常起動による通常モードの動作が開始される。
【0040】
上記のようにして起動された制御部6は、線図34に示すように、起動維持信号をOR論理入力回路10へ出力する。これにより、上位システム12からの上位起動信号の出力が停止されても、OR論理入力回路10から電源部7への起動信号の出力が制御部6によって継続され、制御部6が自身の動作を継続できるようにする。さらに制御部6は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して、集積回路部41〜43へ所定の通信信号を送信する。この通信信号を受信すると、線図36に示すように集積回路部41〜43が起動状態となり、制御部6と集積回路部41〜43との間で通信信号の送受信が行われる。これにより、制御部6からの指令に応じて、各電池セル1の電圧測定や、セルバランシングが必要に応じて行われる。
【0041】
その後、線図32に示すように上位システム12から上位起動信号の出力が停止されると、制御部6は、起動終了のための処理を開始する。このとき制御部6は、タイマ起動回路8へタイマ設定信号を出力することで、線図37に示すように、次の起動タイミングまでの時間に応じたタイマ時間を設定する。すなわち、前述の2種類のタイマ時間のうち、タイマ時間T1をタイマ起動回路8に対して設定する。また制御部6は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して、集積回路部41〜43へ動作停止を指令するための通信信号を送信する。この通信信号を受信すると、線図36に示すように集積回路部41〜43が起動停止状態となる。
【0042】
上記のようにしてタイマ時間T1を設定すると共に集積回路部41〜43を停止させたら、制御部6は、線図34に示すように起動維持信号の出力を停止する。これにより、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が停止され、線図35に示すように制御部6の動作が停止される。その結果、時刻t1において、組電池監視装置3の動作モードが通常モードから低消費電力モードへと移行する。この低消費電力モードでは、電源部7において、主電源回路71からの電源供給は停止されるが、待機電源回路72からの待機電源の供給は停止されない。そのため、タイマ起動回路8の動作を継続して、設定されたタイマ時間が経過したか否かを低消費電力モード中に判断することができる。
【0043】
低消費電力モードによる動作が時刻t1で開始された後、設定されたタイマ時間T1が経過して時刻t2になると、タイマ起動回路8はタイマ起動信号を出力する。このタイマ起動信号の出力に応じて電源部7が再起動され、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が再開される。その結果、線図35に示すように、制御部6が再び起動状態となり、組電池監視装置3においてタイマ起動による通常モードの動作が開始される。
【0044】
ここでは、制御部6は、セルバランシングの前処理を実行する。このとき制御部6は、最初に、前述の通常起動時と同様の動作を行う。すなわち、線図34に示すように、起動維持信号をOR論理入力回路10へ出力し、制御部6の動作を継続できるようにする。さらに制御部6は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して、集積回路部41〜43へ所定の通信信号を送信する。この通信信号を受信すると、線図36に示すように集積回路部41〜43が起動状態となる。
【0045】
集積回路部41〜43が起動されると、制御部6は、各電池セル1の電圧測定を指令する通信信号を集積回路部41〜43へ送信し、その測定結果を集積回路部41〜43から取得する。そして、取得した各電池セル1の電圧測定結果に基づいてセルバランシングの必要性を判断し、必要であれば、当該電池セル1に対してセルバランシングの実行を指令する通信信号を集積回路部41〜43へ送信する。
【0046】
こうして集積回路部41〜43に対してセルバランシングの開始を指示したら、制御部6は、起動終了のための処理を開始する。このとき制御部6は、タイマ起動回路8へタイマ設定信号を出力することで、線図37に示すように、セルバランシングの所要時間に応じたタイマ時間を設定する。すなわち、前述の2種類のタイマ時間のうち、タイマ時間T2をタイマ起動回路8に対して設定する。そして、線図34に示すように起動維持信号の出力を停止する。これにより、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が停止され、線図35に示すように制御部6の動作が停止される。その結果、時刻t3において、集積回路部41〜43によるセルバランシング動作を継続しつつ、組電池監視装置3の動作モードが通常モードから低消費電力モードへと移行する。
【0047】
低消費電力モードによる動作が時刻t3で開始された後、セルバランシングの所要時間に応じて設定されたタイマ時間T2が経過して時刻t4になると、タイマ起動回路8はタイマ起動信号を出力する。このタイマ起動信号の出力に応じて、前述のように電源部7が再起動され、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が再開される。その結果、線図35に示すように、制御部6が再び起動状態となり、組電池監視装置3において、タイマ起動による通常モードの動作が再開される。
【0048】
ここでは、制御部6は、セルバランシングの後処理を実行する。このとき制御部6は、線図34に示すように、起動維持信号をOR論理入力回路10へ出力し、制御部6の動作を継続できるようにする。また、各電池セル1の電圧測定を指令する通信信号を集積回路部41〜43へ送信し、その測定結果を集積回路部41〜43から取得する。そして、取得した各電池セル1の電圧測定結果に基づいて、セルバランシングが完了したか否かを判断する。その結果、セルバランシングが完了していたら、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して、集積回路部41〜43へ動作停止を指令するための通信信号を送信する。この通信信号を受信すると、線図36に示すように集積回路部41〜43が起動停止状態となる。
【0049】
その後、制御部6は、起動終了のための処理を開始する。このとき制御部6は、タイマ起動回路8へタイマ設定信号を出力し、線図37に示すように、次の起動タイミングまでの時間に応じたタイマ時間T1を設定する。そして、線図34に示すように起動維持信号の出力を停止する。これにより、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が停止され、線図35に示すように制御部6の動作が停止される。その結果、時刻t5において、組電池監視装置3の動作モードが通常モードから低消費電力モードへと移行する。
【0050】
時刻t5以降では、前述と同様の動作が繰り返される。すなわち、起動待ち状態での待機中に、上位システム12から上位起動信号が出力された場合、組電池監視装置3は、時刻t0〜t1の期間と同様に、通常起動による動作を行う。一方、起動待ち状態での待機中に、設定されたタイマ時間T1が経過してタイマ起動回路8からタイマ起動信号が出力された場合、組電池監視装置3は、時刻t2〜t5の期間と同様に、タイマ起動による動作を行う。具体的には、前処理を行ってセルバランシングを開始し、低消費電力モードで集積回路部41〜43を動作させてセルバランシングを実行した後に、後処理を行って集積回路部41〜43の動作を停止させる。そして、次の起動タイミングまで低消費電力モードで動作することにより、起動待ち状態で待機する。
【0051】
ここで、上位システム12からの上位起動信号と、タイマ起動回路8からのタイマ起動信号とは、互いに異なる電圧レベルの信号としてそれぞれ出力されることが好ましい。このようにすれば、制御部6は、電源部7の主電源回路71からの電源供給により起動したら、電源部7への入力信号、すなわちOR論理入力回路10からの起動信号の電圧レベルを測定し、その電圧レベルに基づいて、入力信号が上位起動信号とタイマ起動信号のいずれであるかを判別することができる。そして、この判別結果により、通常起動またはタイマ起動のいずれかを選択し、その選択結果に応じた動作を行うことができる。あるいは、電源部7において入力信号の電圧レベルを測定し、その測定結果を制御部6へ出力するようにしてもよい。
【0052】
図4は、本発明の第1の実施形態による組電池監視装置3のタイマ起動時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに従って、本実施形態のタイマ起動時における処理の詳細を説明する。
【0053】
ステップS10において、タイマ起動回路8は、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給が最後に停止されてから、予め設定されたタイマ時間T1を経過したか否かを判定する。このタイマ時間T1は、前述のようにセルバランシングを定期的に行うためのものであり、通常起動時に上位システム12の制御により、または前回のセルバランシング時に後で説明するステップS270の処理が制御部6で実行されることにより、タイマ起動回路8において設定される。タイマ時間T1を経過するまではステップS10に留まり、経過したらステップS20へ進む。
【0054】
ステップS20において、タイマ起動回路8は、OR論理入力回路10へタイマ起動信号を出力する。このタイマ起動信号は、OR論理入力回路10を介して、起動信号として電源部7に入力される。これにより、タイマ起動回路8は電源部7を起動させ、主電源回路71から制御部6への電源の供給を開始させる。
【0055】
ステップS30において、電源部7は、ステップS20で起動信号として入力されたタイマ起動信号に応じて起動し、制御部6への電源供給を開始する。すなわち、待機電源回路72からタイマ起動回路8へ待機電源の供給を継続しつつ、主電源回路71から制御部6への電源供給を行う。これにより、制御部6の動作が開始される。
【0056】
ステップS40において、制御部6は、電源部7へ起動維持信号を出力する。この起動維持信号は、ステップS20でタイマ起動回路8から出力されたタイマ起動信号と同様に、OR論理入力回路10を介して、起動信号として電源部7に入力される。
【0057】
ステップS50において、制御部6は、組電池2の各電池セル1に対する電圧測定指令を集積回路部41〜43へ送信する。すなわち、セルグループGB1〜GB3の各電池セル1を測定対象として、これらの電圧測定の指令情報を含む通信信号を制御部6から送信する。この通信信号は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して集積回路部41へ送信される。これにより、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43が順次起動され、制御部6からの通信信号が受信される。
【0058】
ステップS60において、集積回路部41〜43は、ステップS50で制御部6から送信された電圧測定指令に応じて、対応するセルグループの各電池セル1の電圧をそれぞれ測定する。
【0059】
ステップS70において、集積回路部41〜43は、ステップS60で行った各電池セル1の電圧測定の結果を制御部6へそれぞれ送信する。すなわち、各電池セル1の電圧測定結果を含む通信信号を、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43の順に送信する。この通信信号は、集積回路部43から通信インターフェース5および絶縁素子92を介して制御部6へ送信され、制御部6において受信される。
【0060】
ステップS80において、制御部6は、ステップS70で集積回路部41〜43から受信した各電池セル1の電圧測定結果に基づいて、各電池セル1の残充電容量を算出する。たとえば、各電池セル1の電圧値と残充電容量との関係を示すテーブル情報を制御部6において予め記憶しておくことで、このテーブル情報を用いて、各電池セル1の電圧測定結果に対応する残充電容量を求めることができる。
【0061】
ステップS90において、制御部6は、ステップS80で算出した各電池セル1の残充電容量に基づいて、セルバランシングが必要であるか否かを判断する。たとえば、各電池セル1の残充電容量の中で最小の残充電容量を基準値とし、この基準値に対する残充電容量の差が所定の制御範囲を超える電池セル1が存在する場合は、当該電池セル1に対してセルバランシングが必要であると判定する。あるいは、各電池セル1の残充電容量の平均値を基準値としてもよい。その結果、少なくとも1つの電池セル1に対してセルバランシングが必要であると判断した場合はステップS100へ進む。一方、全ての電池セル1に対してセルバランシングが不要であると判断した場合は、ステップS10へ戻り、再びタイマ時間1を経過するまで待機する。このステップS90の処理により、制御部6は、ステップS70で集積回路部41〜43から受信した各電池セル1の電圧測定結果に基づいて、セルバランシングが必要か否かを判断することができる。
【0062】
ステップS100において、制御部6は、ステップS80で算出した各電池セル1の残充電容量に基づいて、セルバランシングの所要時間を算出する。たとえば、前述の基準値との差が所定の制御範囲を超える各電池セル1の残充電容量のうち、基準値との差が最小である電池セル1の残充電容量を用いて、これがセルバランシングにより放電されて基準値となるまでの所要時間を算出する。このステップS100の処理により、制御部6は、ステップS70で集積回路部41〜43から受信した各電池セル1の電圧測定結果に基づいて、セルバランシングの所要時間を算出することができる。
【0063】
ステップS110において、制御部6は、セルバランシングが必要であるとステップS90で判断した各電池セル1を対象として、セルバランシングの開始指令を集積回路部41〜43へ送信する。すなわち、当該電池セル1が属するセルグループに対応する集積回路部に対して、当該電池セル1のセルバランシングの開始指令情報を含む通信信号を制御部6から送信する。この通信信号は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して集積回路部41へ送信され、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43の順に受信される。
【0064】
ステップS120において、集積回路部41〜43は、ステップS110で制御部6から送信されたセルバランシングの開始指令に応じて、対応するセルグループの中で指定された各電池セル1のセルバランシングを開始する。
【0065】
ステップS130において、制御部6は、タイマ起動回路8に対してタイマ設定信号を出力し、タイマ時間T2を設定する。このとき、ステップS100におけるセルバランシングの所要時間の算出結果に基づいて、設定すべきタイマ時間T2の値を決定する。これにより、セルバランシングを停止すべきタイミングに合わせて、タイマ時間T2をタイマ起動回路8に設定することができる。
【0066】
ステップS140において、制御部6は、ステップS40で開始した起動維持信号の出力を停止することで、OR論理入力回路10から電源部7への起動信号を停止し、電源部7を起動停止状態に移行させる。これにより、電源部7に対して、主電源回路71からの電源の供給を停止させる。
【0067】
ステップS150において、電源部7は、ステップS140による起動信号の停止に応じて起動停止状態に移行し、制御部6への電源供給を停止する。すなわち、待機電源回路72からタイマ起動回路8への待機電源の供給を継続しつつ、主電源回路71から制御部6への電源供給を停止する。これにより、集積回路部41〜43においてセルバランシングが実行されている状態で、制御部6の動作が停止され、組電池監視装置3において低消費電力モードでの動作が開始される。
【0068】
ステップS160において、タイマ起動回路8は、電源部7の主電源回路71から制御部6への電源供給がステップS150で停止されてから、ステップS130で設定されたタイマ時間T2を経過したか否かを判定する。タイマ時間T2を経過するまではステップS160に留まり、経過したらステップS170へ進む。
【0069】
ステップS170〜S190において、タイマ起動回路8、電源部7および制御部6は、前述のステップS20〜S40と同様の処理をそれぞれ実行する。すなわち、ステップS170において、タイマ起動回路8はタイマ起動信号を出力し、電源部7を起動させて電源の供給を開始させる。このタイマ起動信号に応じて、ステップS180において電源部7が起動することにより、ステップS190において制御部6は電源部7へ起動維持信号を出力する。
【0070】
ステップS200において、制御部6は、ステップS110でセルバランシングの開始指令を送信した各電池セル1を対象に、セルバランシングの停止指令を集積回路部41〜43へ送信する。すなわち、当該電池セル1が属するセルグループに対応する集積回路部に対して、当該電池セル1のセルバランシングの停止指令情報を含む通信信号を制御部6から送信する。この通信信号は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して集積回路部41へ送信され、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43の順に受信される。
【0071】
ステップS210において、集積回路部41〜43は、ステップS200で制御部6から送信されたセルバランシングの停止指令に応じて、対応するセルグループの中で指定された各電池セル1のセルバランシングを停止する。
【0072】
ステップS220において、集積回路部41〜43は、対応するセルグループの各電池セル1の電圧をそれぞれ測定する。
【0073】
ステップS230において、集積回路部41〜43は、ステップS70と同様に、ステップS220で行った各電池セル1の電圧測定の結果を制御部6へそれぞれ送信する。
【0074】
ステップS240において、制御部6は、ステップS230で集積回路部41〜43から受信した各電池セル1の電圧測定結果に基づいて、ステップS80と同様の手法により、セルバランシング後の各電池セル1の残充電容量を算出する。
【0075】
ステップS250において、制御部6は、ステップS240で算出したセルバランシング後の各電池セル1の残充電容量に基づいて、セルバランシングが完了したか否かを判断する。この判断は、前述のステップS90の判断と同様の手法により行うことができる。すなわち、各電池セル1の残充電容量の中で最小の残充電容量や、各電池セル1の残充電容量の平均値を基準値として、この基準値に対する残充電容量の差が所定の制御範囲を超える電池セル1が存在するか否かを判断する。その結果、こうした条件を満たす電池セル1が少なくとも1つ存在する場合は、セルバランシングが完了していないと判断してステップS100へ戻り、前述のようにしてセルバランシングを再実行する。一方、条件を満たす電池セル1が1つも存在しなければ、セルバランシングが完了したと判断してステップS260へ進む。
【0076】
ステップS260において、制御部6は、動作停止指令を集積回路部41〜43へ送信する。すなわち、集積回路部41〜43の動作を停止するための指令情報を含む通信信号を制御部6から送信する。この通信信号は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して集積回路部41〜43へ送信される。この動作停止指令に応じて、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43の動作が停止される。
【0077】
ステップS270において、制御部6は、タイマ起動回路8に対してタイマ設定信号を出力し、タイマ時間T1を設定する。このタイマ時間T1の設定値は、制御部6またはタイマ起動回路8において、低消費電力モード中に行われるセルバランシングの実行間隔に応じて予め設定されることが好ましい。
【0078】
ステップS280において、制御部6は、ステップS140と同様に、ステップS190で開始した起動維持信号の出力を停止することで、OR論理入力回路10から電源部7への起動信号を停止し、電源部7を起動停止状態に移行させる。これにより、電源部7に対して、主電源回路71からの電源の供給を停止させる。
【0079】
ステップS290において、電源部7は、ステップS150と同様に、ステップS280による起動信号の停止に応じて起動停止状態に移行し、制御部6への電源供給を停止する。これにより、セルバランシングの完了後には制御部6の動作が停止され、組電池監視装置3において低消費電力モードでの動作が開始される。ステップS290を実行したら、ステップS10へ戻り、次にタイマ時間1を経過するまで待機する。
【0080】
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0081】
(1)組電池監視装置3は、複数の電池セル1を直列接続したセルグループGB1〜GB3を有する組電池2を監視するものであって、集積回路部41〜43と、集積回路部41〜43と通信を行ってこれらを制御する制御部6と、制御部6へ電源を供給する電源部7とを備える。集積回路部41〜43は、組電池2の各セルグループGB1〜GB3に対応して設けられており、当該セルグループの各電池セル1の電圧を測定すると共に、当該セルグループの各電池セル1の容量を調整するためのセルバランシングを行う。制御部6は、電源部7からの電源の供給に応じて、集積回路部41〜43にセルバランシングを開始(ステップS120)または停止(ステップS210)させると共に、電源部7を起動するためのタイマ時間を設定して(ステップS130、S270)、電源部7に電源の供給を停止させる(ステップS140、S280)。電源部7は、ステップS130またはS270で設定されたタイマ時間に応じて起動し、制御部6への電源の供給を開始する(ステップS30、S180)。このようにしたので、セルバランシングの実行中には制御部6の動作を停止して、組電池監視装置3を低消費電力モードで動作させることができると共に、適切なタイミングで制御部6の動作を再開することができる。その結果、セルバランシング中の消費電力の低減を低コストで達成すると共に、セルバランシングの完了を確認することができる。
【0082】
(2)制御部6は、対応するセルグループの各電池セル1の電圧を測定するための指令を集積回路部41〜43へ送信する(ステップS50)。集積回路部41〜43は、この制御部6からの指令に応じて、対応するセルグループの各電池セル1の電圧を測定し(ステップS60)、その測定結果を制御部6へ送信する(ステップS70)。制御部6は、集積回路部41〜43から受信した各電池セル1の電圧測定結果に基づいてセルバランシングが必要か否かを判断し(ステップS90)、必要と判断した場合には、ステップS120において集積回路部41〜43にセルバランシングを開始させる。このようにしたので、セルバランシングが必要か否かを正確に判断して、必要な場合には確実にセルバランシングを開始することができる。
【0083】
(3)電源部7は、タイマ時間T1と、タイマ時間T2とを設定可能なタイマ起動回路8に接続されている。タイマ起動回路8は、電源部7による制御部6への電源の供給が停止されてから、タイマ時間T1が経過したとき(ステップS10)、またはタイマ時間T2が経過したとき(ステップS160)に、電源部7を起動させ(ステップS20、S170)、電源の供給を開始させる。制御部6は、タイマ時間T1が経過して電源部7が起動された場合には、ステップS120において集積回路部41〜43にセルバランシングを開始させると共に、タイマ起動回路8に対してタイマ時間T2を設定する(ステップS130)。一方、タイマ時間T2が経過して電源部7が起動された場合には、ステップS210において集積回路部41〜43にセルバランシングを停止させると共に、タイマ起動回路8に対してタイマ時間T1を設定する(ステップS270)。このようにしたので、組電池監視装置3においてセルバランシングを定期的に行うと共に、適切なタイミングでセルバランシングを停止することができる。
【0084】
(4)制御部6は、集積回路部41〜43から受信した各電池セル1の電圧測定結果に基づいて、セルバランシングの所要時間を算出し(ステップS100)、その算出結果に基づいて、ステップS130でタイマ時間T2を設定する。このようにしたので、セルバランシングを停止すべきタイミングに合わせて、タイマ時間T2を適切な値で設定することができる。
【0085】
(5)組電池監視装置3は、タイマ起動回路8をさらに備える。電源部7は、制御部6へ電源を供給するための主電源回路71と、タイマ起動回路8へ待機電源を常時供給するための待機電源回路72とを有する。このようにしたので、組電池監視装置3が低消費電力モードで動作しているときには、タイマ起動回路8の動作に必要な待機電源のみを電源部7から供給することができる。
【0086】
(6)電源部7は、組電池監視装置3を制御する上位システム12に接続されており、この上位システム12から出力される上位起動信号に応じて起動(通常起動)し、制御部6への電源の供給を開始する。制御部6は、上位システム12からの上位起動信号に応じて電源部7が起動された場合には、上位システム12からの上位起動信号の出力が停止されると、起動終了のための処理を行った後、起動維持信号の出力を停止して電源部7に電源の供給を停止させる。このようにしたので、上位システム12により、任意のタイミングで組電池監視装置3の動作を開始および終了させることができる。
【0087】
(7)タイマ起動回路8は、上位システム12からの上位起動信号とは異なる電圧レベルのタイマ起動信号を電源部7へ出力することにより、電源部7を起動させてもよい。この場合、制御部6は、電源部7への入力信号の電圧レベルに基づいて、その入力信号が上位起動信号とタイマ起動信号のいずれであるかを判別することができる。このようにすれば、通常起動、すなわち上位システム12により起動された場合と、タイマ起動、すなわちタイマ起動回路8により起動された場合とで、組電池監視装置3をそれぞれ適切に動作させることができる。
【0088】
−第2の実施形態−
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述の第1の実施形態では、セルバランシングの必要がある全ての電池セル1について、同時にセルバランシングを行う例を説明した。これに対して、以下に説明する第2の実施形態では、互いに隣接する電池セル1同士については、別々のタイミングでセルバランシングを行う例を説明する。なお、本実施形態による組電池監視装置の構成は、図1に示したものと同一である。したがって、以下の説明では、図1に示した組電池監視装置3の構成を用いて、本実施形態による組電池監視装置の動作を説明する。
【0089】
図5は、本発明の第2の実施形態による組電池監視装置3のタイマ起動時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに従って、本実施形態のタイマ起動時における処理の詳細を説明する。なお、図5のフローチャートでは、図4に示した第1の実施形態による処理と同じ内容の処理ステップに対して、これと同一のステップ番号を付している。以下の説明では、この同一ステップ番号の処理ステップについて、特に必要のない限りはその説明を省略する。
【0090】
ステップS111において、制御部6は、ステップS90でセルバランシングが必要であると判断した各電池セル1の中から、ステップS100で算出されたセルバランシングの所要時間が最長である電池セル1を特定する。そして、この電池セル1に対して割り当てられた電池セル番号が奇数と偶数のいずれであるかを判定する。当該電池セル1の電池セル番号が奇数である場合、すなわち当該電池セル1が図2の電池セルBC1またはBC3である場合はステップS112へ進む。一方、当該電池セル1の電池セル番号が偶数である場合、すなわち当該電池セル1が図2の電池セルBC2またはBC4である場合はステップS113へ進む。
【0091】
ステップS112において、制御部6は、ステップS90でセルバランシングが必要であると判断した各電池セル1のうち、電池セル番号が奇数であるものを対象に、セルバランシングの開始指令を集積回路部41〜43へ送信する。すなわち、当該奇数番号の電池セル1が属するセルグループに対応する集積回路部に対して、その電池セル1のセルバランシングの開始指令情報を含む通信信号を制御部6から送信する。この通信信号は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して集積回路部41へ送信され、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43の順に受信される。
【0092】
ステップS113において、制御部6は、ステップS90でセルバランシングが必要であると判断した各電池セル1のうち、電池セル番号が偶数であるものを対象に、セルバランシングの開始指令を集積回路部41〜43へ送信する。すなわち、当該偶数番号の電池セル1が属するセルグループに対応する集積回路部に対して、その電池セル1のセルバランシングの開始指令情報を含む通信信号を制御部6から送信する。この通信信号は、通信インターフェース5および絶縁素子91を介して集積回路部41へ送信され、デイジーチェーン接続された集積回路部41〜43の順に受信される。
【0093】
ステップS112またはステップS113を実行した後は、ステップS120以降において、第1の実施形態で説明した図4のフローチャートと同様の処理を実行する。
【0094】
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した各作用効果と同様の作用効果を奏することができる。さらに、互いに隣接する電池セル1同士については、別々のタイミングでセルバランシングを行うことができる。したがって、直列接続された多数の電池セル1が同時にセルバランシングを行うことで、過大な電流が集積回路部41〜43内に流れてしまうのを防ぐことができる。
【0095】
−第3の実施形態−
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述の第1の実施形態では、内部にタイマ起動回路8が設けられている組電池監視装置3の例を説明した。これに対して、以下に説明する第3の実施形態では、タイマ起動回路8が外部に設けられている組電池監視装置の例を説明する。
【0096】
図6は、本発明の第3の実施形態による組電池監視装置の構成を示す図である。図6に示す組電池監視装置3Aは、前述の第1の実施形態で説明した図1の組電池監視装置3と比べて、タイマ起動回路8が内部に設けられていない点が異なっている。この組電池監視装置3Aは、タイマ起動回路8を有する上位システム12Aと接続されている。
【0097】
上位システム12Aは、第1の実施形態で説明した上位起動信号に加えて、内部のタイマ起動回路8からタイマ起動信号を組電池監視装置3Aへ出力する。これらの信号は、第1の実施形態で説明したのと同様に、OR論理入力回路10にそれぞれ入力され、起動信号として電源部7へ出力される。
【0098】
制御部6は、上位通信インターフェース11を介して上位システム12Aとの間で上位通信信号を送受信することにより、タイマ起動回路8に対するタイマ時間の設定を行うことができる。上位システム12Aは、タイマ時間の設定情報を含む上位通信信号が制御部6から送信されると、内部のタイマ起動回路8に対してそのタイマ時間を設定する。こうして設定されたタイマ時間に応じて、第1の実施形態で説明したのと同様に、タイマ起動回路8からタイマ起動信号が出力され、OR論理入力回路10を介して電源部7へ入力される。これにより、電源部7が起動されて制御部6への電源供給が開始され、組電池監視装置3Aの動作モードが低消費電力モードから通常モードに移行される。
【0099】
なお、本実施形態による組電池監視装置3Aにおけるタイマ移行時の処理は、第1、第2の各実施形態でそれぞれ説明した図4、5の各フローチャートのいずれに従って行ってもよい。
【0100】
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、第1、第2の各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、タイマ起動回路8を組電池監視装置3Aの外に設けることとしたので、組電池監視装置3Aの消費電力をより一層低減すると共に、低コスト化および省スペース化を図ることもできる。
【0101】
なお、上記第3の実施形態では、タイマ起動回路8を上位システム12Aの内部に設けることとしたが、それ以外の場所に設けることもできる。たとえば、タイマ起動回路8を組電池監視装置3Aの機能拡張用の外付け回路とし、これを組電池監視装置3Aと接続して利用することで本発明の特徴が実現されるようにしてもよい。
【0102】
第1〜第3の各実施形態では、組電池監視装置3または3Aにより、4つの電池セル1をそれぞれ直列に接続した3つのセルグループGB1〜GB3によって構成される組電池2を監視する例を説明した。しかし、本発明の組電池監視装置が監視対象とする組電池の構成はこれに限定されない。複数の電池セルを直列接続したセルグループを単数または複数有するものであれば、どのような構成の組電池を監視する組電池監視装置についても本発明を適用可能である。
【0103】
以上説明した各実施形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】

【手続補正書】
【提出日】20160328
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを直列接続したセルグループを単数または複数有する組電池を監視する組電池監視装置であって、
前記組電池の各セルグループに対応して設けられており、当該セルグループの各電池セルの電圧を測定すると共に、当該セルグループの各電池セルの容量を調整するためのセルバランシングを行う集積回路部と、
前記集積回路部と通信を行って前記集積回路部を制御する制御部と、
前記制御部へ電源を供給する電源部と、を備え、
前記電源部は、第1のタイマ時間および第2のタイマ時間を設定可能なタイマ起動回路に接続されており、
前記タイマ起動回路は、前記電源部による前記電源の供給が停止されてから前記第1のタイマ時間または前記第2のタイマ時間が経過したときに、タイマ起動信号を前記電源部へ出力することにより、前記電源部を起動させて前記電源の供給を開始させ、
前記電源部は、前記タイマ起動信号または上位システムからの上位起動信号に応じて起動して前記電源の供給を開始し、
前記制御部は、
前記第1のタイマ時間が経過して前記電源部が起動された場合には、前記集積回路部に前記セルバランシングを開始させると共に、前記タイマ起動回路に対して前記第2のタイマ時間を設定してから前記電源部に前記電源の供給を停止させ、
前記第2のタイマ時間が経過して前記電源部が起動された場合には、前記集積回路部に前記セルバランシングを停止させると共に、前記タイマ起動回路に対して前記第1のタイマ時間を設定してから前記電源部に前記電源の供給を停止させ、
前記上位起動信号に応じて前記電源部が起動された場合には、前記上位起動信号の出力が停止されると、前記タイマ起動回路に対して前記第1のタイマ時間を設定してから前記電源部に前記電源の供給を停止させる組電池監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の組電池監視装置において、
前記制御部は、対応するセルグループの各電池セルの電圧を測定するための指令を前記集積回路部へ送信し、
前記集積回路部は、前記制御部からの指令に応じて、対応するセルグループの各電池セルの電圧を測定してその測定結果を前記制御部へ送信し、
前記制御部は、前記集積回路部から受信した各電池セルの電圧測定結果に基づいて前記セルバランシングが必要か否かを判断し、必要と判断した場合には、前記集積回路部に前記セルバランシングを開始させる組電池監視装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の組電池監視装置において、
前記制御部は、前記集積回路部から受信した各電池セルの電圧測定結果に基づいて前記セルバランシングの所要時間を算出し、その算出結果に基づいて前記第2のタイマ時間を設定する組電池監視装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の組電池監視装置において、
前記タイマ起動回路をさらに備える組電池監視装置。
【請求項5】
請求項に記載の組電池監視装置において、
前記電源部は、前記制御部へ前記電源を供給するための主電源回路と、前記タイマ起動回路へ待機電源を常時供給するための待機電源回路とを有する組電池監視装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の組電池監視装置において、
前記タイマ起動回路は、前記上位起動信号とは異なる電圧レベルで前記タイマ起動信号を前記電源部へ出力することにより、前記電源部を起動させ、
前記制御部は、前記電源部への入力信号の電圧レベルに基づいて、前記入力信号が前記上位起動信号と前記タイマ起動信号のいずれであるかを判別する組電池監視装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の組電池監視装置において、
前記タイマ起動回路は、前記上位システム内に設けられている組電池監視装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様による組電池監視装置は、複数の電池セルを直列接続したセルグループを単数または複数有する組電池を監視するものであって、組電池の各セルグループに対応して設けられており、当該セルグループの各電池セルの電圧を測定すると共に、当該セルグループの各電池セルの容量を調整するためのセルバランシングを行う集積回路部と、集積回路部と通信を行って集積回路部を制御する制御部と、制御部へ電源を供給する電源部と、を備える。電源部は、第1のタイマ時間および第2のタイマ時間を設定可能なタイマ起動回路に接続されており、タイマ起動回路は、電源部による電源の供給が停止されてから第1のタイマ時間または第2のタイマ時間が経過したときに、タイマ起動信号を電源部へ出力することにより、電源部を起動させて電源の供給を開始させ、電源部は、タイマ起動信号または上位システムからの上位起動信号に応じて起動して電源の供給を開始し、制御部は、第1のタイマ時間が経過して電源部が起動された場合には、集積回路部にセルバランシングを開始させると共に、タイマ起動回路に対して第2のタイマ時間を設定してから電源部に電源の供給を停止させ、第2のタイマ時間が経過して電源部が起動された場合には、集積回路部にセルバランシングを停止させると共に、タイマ起動回路に対して第1のタイマ時間を設定してから電源部に電源の供給を停止させ、上位起動信号に応じて電源部が起動された場合には、上位起動信号の出力が停止されると、タイマ起動回路に対して第1のタイマ時間を設定してから電源部に前記電源の供給を停止させる
【国際調査報告】