(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061227
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】画像取得装置およびスライド傾き測定方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/34 20060101AFI20160808BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20160808BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   !G02B21/34
   !G02B21/00
   !G01B11/26 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
【出願番号】2014541927
(21)【国際出願番号】JP2013005965
(22)【国際出願日】20131007
(31)【優先権主張番号】2012228149
(32)【優先日】20121015
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】林 邦彦
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】成澤 龍
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】広野 遊
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号 ソニー株式会社内
【テーマコード(参考)】
2F065
2H052
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065AA35
2F065BB01
2F065BB22
2F065BB27
2F065CC21
2F065DD06
2F065FF09
2F065FF42
2F065FF43
2F065GG04
2F065HH04
2F065JJ08
2F065JJ09
2F065MM07
2F065PP03
2F065PP12
2F065QQ17
2F065QQ18
2F065QQ28
2F065QQ31
2H052AE04
2H052AE10
2H052AF02
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】
【課題】短時間でスライドガラスの傾きを測定できる画像取得装置およびスライド傾き測定方法を提供する。
【解決手段】画像取得装置は、スライドガラスに検体を載せカバーガラスで覆ったスライドを載置可能なステージと、前記ステージを移動させるステージ移動部と、前記スライド上での前記検体の位置を検出する検出部と、前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側からレーザ光を照射して前記スライドガラスの傾きを検出可能なオートコリメータと、前記レーザ光が前記スライドの前記検体の位置に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記オートコリメータに前記傾きを検出させる制御部とを具備する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドガラスに検体を載せカバーガラスで覆ったスライドを載置可能なステージと、
前記ステージを移動させるステージ移動部と、
前記スライド上での前記検体の位置を検出する検出部と、
前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側からレーザ光を照射して前記スライドガラスの傾きを検出可能な光学的角度測定器と、
前記レーザ光が前記スライドの前記検体の位置に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる制御部と
を具備した画像取得装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像取得装置であって、
スライドガラスの前記傾きを補正する傾き補正部をさらに具備し、
前記制御部は、
前記傾き補正部に前記検出された傾きを補正させる
画像取得装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像取得装置であって、
前記検出部は、
検出する対象を前記検体の位置からラベル部分の位置に切り替えて検出し、
前記制御部は、
前記レーザ光が前記ラベル部分の裏側に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる
画像取得装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像取得装置であって、
前記検出部は、
前記検体の位置を検出できないとき、前記スライドのラベル部分の位置を検出し、
前記制御部は、
前記レーザ光が前記ラベル部分の裏側に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる
画像取得装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像取得装置であって、
前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、
前記制御部は、前記スライドガラスの周縁領域の4つの隅部を第1の隅部、第2の隅部、第3の隅部および第4の隅部として、前記第1の隅部、第2の隅部、第3の隅部に直角三角形の頂点にそれぞれ対応する3つの測定点として、第1の測定点、第2の測定点および第3の測定点を設定し、前記直角三角形の互いに直交する2辺のうち一方の辺に対応する第1の方向に設定された前記第1の測定点および第2の測定点での前記距離測定器による測定結果をもとに前記スライドガラスの前記第1の方向の傾きを算出して補正するように傾き補正部を制御し、
他方の辺に対応する第2の方向に設定された前記第2の測定点および第3の測定点での前記距離測定器による測定結果をもとに前記スライドガラスの前記第2の方向の傾きを算出して補正するように傾き補正部を制御する
画像取得装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像取得装置であって、
前記制御部は、
前記距離の測定に失敗した測定点が発生すると、
少なくとも、前記第4の隅部に、新たな第4の測定点を設定し、この第4の測定点に対する距離の測定を距離測定器に実行させる
画像取得装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像取得装置であって、
前記制御部は、
前記第1の測定点での測定に失敗したときは、前記第3の測定点と、前記第4の測定点とから前記第1の方向の傾きを算出して補正し、
前記第2の測定点での測定に失敗したときは、前記第4の測定点と、前記第1の隅部に新たに設定する第5の測定点とから前記第2の方向の傾きを算出して補正し、
前記第3の測定点での測定に失敗したときは、前記第4の測定点と、前記第1の隅部に新たに設定する第5の測定点とから前記第2の方向の傾きを算出して補正し、前記第5の測定点と、前記第2の隅部に新たに設定する第6の測定点とから前記第1の方向の傾きを算出して補正する
画像取得装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像取得装置であって、
前記距離測定器は、
前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側から距離を測定する
画像取得装置。
【請求項9】
請求項4に記載の画像取得装置であって、
前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、
前記制御部は、
前記光学的角度測定器による前記ラベル部分の裏側での前記傾きの検出に失敗したとき、
前記距離測定器に前記傾きの検出を行わせる
画像取得装置。
【請求項10】
請求項4に記載の画像取得装置であって、
前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、
前記制御部は、
前記光学的角度測定器による前記傾きの検出に加え、
前記距離測定器に前記傾きの検出を行わせ、
前記検出された傾きの平均値により前記傾き補正部に前記傾きを補正させる
画像取得装置。
【請求項11】
スライドガラスとカバーガラスとの間に検体を介在させたスライドをステージに載置し、
前記スライドにおける前記検体の位置を検出し、
前記検出された検体の位置に、前記スライドガラスの前記検体が載っている側と反対の側から光学的角度測定器よりレーザ光を照射して、前記ステージ上での前記スライドガラスの傾きを検出する
スライド傾き測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、医療、病理、生物等の分野において、スライドガラス上に載置された検体を撮像し病理画像を生成する際にスライドの傾きを補正する画像取得装置(スキャナ)およびスライド傾き測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療または病理等の分野において、光学顕微鏡により得られた、生体の細胞、組織、臓器等の画像をデジタル化し、そのデジタル画像に基づき、医師や病理学者等がその組織等を検査したり、患者を診断したりする病理診断のシステムが提案されている。バーチャルスライドスキャナ(以下、スキャナと略す。)は、そのシステムにおいて、スライドガラス上に載置された検体を撮影し、デジタル画像(バーチャルスライド)を生成するための装置である。
【0003】
病理診断の現場では、デジタル画像の画質に加えて、撮影スピードも要求される。何故なら、一般的に大病院では一日1000〜2000枚のスライドが作成され、診断される状況の中で、デジタル画像を生成するために用いられるスキャナでは、読み込みスピードとして、長くても1枚2〜3分以内で取り込まないと、診断が遅れてしまい実用的ではない。従って、スキャナでは、画質の向上だけではなく、スキャンスピードを向上させることも重要な技術開発事項となっている。
【0004】
スキャンスピードを向上させる方法の1つとして、大判のイメージセンサを用いる方法がある。大判とは、35mmフルサイズ(約36mm×約24mm)やAPC−Cサイズ(約23.7mm×約15.6mm)などの大型イメージセンサのことをいう。
【0005】
例えば、スライドガラス上の検体が置かれた領域として、15mm×15mmの領域を撮影する場合、1.3Mピクセル、1/3インチサイズのイメージセンサを用いると約2000回の撮影を行わなければならない。しかし、24Mピクセル、35mmフルサイズのイメージセンサを用いると、約100回の撮影で済む。
【0006】
このように、大判イメージセンサを用いることは、スキャンスピードの高速化には有効である。しかし、その反面、大判イメージセンサを用いると、片ぼけの発生やオートフォーカスの難易度が高くなるという問題点が出てくる。片ぼけとは、1度に撮影する領域が大きくなると、スライド中の検体が数ミクロン程度、上下方向にうねっている場合、撮影領域のいずれかの隅で検体が焦点深度(例えば0.2から0.6ミクロン程度)の中に入らず、ぼけて見えてしまう現象のことである。
【0007】
また、検体のうねりと同様に、スライドガラスの反りも同じ問題を発生させる。この反りは、スライドの作成時、スライドガラスとカバーガラスの間に充填する包埋材が硬化する際に収縮が発生するために起こる現象である。
【0008】
反りの発生したスライドを適切に撮影する方法として、撮影時にスライドごと傾けて、両隅のフォーカス位置が焦点深度に収まるように調整する方法がある。(例えば、特許文献1参照)。この方法では、スライドの傾きの平均値を算出し、その値に基づいてスライドを傾ける。
【0009】
そのため、スライドの傾き量を正確に測定することが重要である。35mmフルサイズのイメージセンサを用いる場合、およそ0.03度傾くと影響が出る。従って傾きの検出精度としては、さらに1桁高い精度が要求される。
【0010】
スライドの傾きを検出する方法の1つとして、3か所に設置された光路差プリズムと専用のイメージセンサを用いて得られた合焦状態を表す信号に基づき、スライド上の検体の傾きを算出する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2012−13996号公報
【特許文献2】特開2011−221280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献2に示されている方法では、実際に撮影する画像から合焦状態を検出するので確実に傾きを検出できる反面、一度傾きを調整してから再度撮影し、十分にボケの無い状態であることを確認する。その為、撮影時間がかかるという問題点がある。
【0013】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、短時間でスライドガラスの傾きを測定できる画像取得装置および傾き測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置は、スライドガラスに検体を載せカバーガラスで覆ったスライドを載置可能なステージと、前記ステージを移動させるステージ移動部と、前記スライド上での前記検体の位置を検出する検出部と、前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側からレーザ光を照射して前記スライドガラスの傾きを検出可能な光学的角度測定器と、前記レーザ光が前記スライドの前記検体の位置に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる制御部とを具備する。
【0015】
本技術では、光学的角度測定器(オートコリメータ)を用いてスライドの1点のみを測定するので、短時間で傾きを測定することができる。また、オートコリメータからのレーザ光をスライドの検体部分に照射し検体部分を透過する光を弱めるので、測定を撹乱する要因となるカバーガラスからの反射光を抑えることができるので、オートコリメータを用いても正確に傾きを測定することができる。
【0016】
(2)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置は、スライドガラスの前記傾きを補正する傾き補正部をさらに具備し、前記制御部は、前記傾き補正部に前記検出された傾きを補正させる構成でもよい。
【0017】
(3)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置では、前記検出部は、検出する対象を前記検体の位置からラベル部分の位置に切り替えて検出し、前記制御部は、前記レーザ光が前記ラベル部分の裏側に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる構成でもよい。
【0018】
本技術では、光学的角度測定器(オートコリメータ)のレーザ光をスライドにあるラベル部分に裏側から照射するので、カバーガラスからの反射光による撹乱がなく、正確にスライドの傾きを検出することができる。
【0019】
(4)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置では、前記検出部は、前記検体の位置を検出できないとき、前記スライドのラベル部分の位置を検出し、前記制御部は、前記レーザ光が前記ラベル部分の裏側に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる構成でもよい。
【0020】
本技術では、最初に、光学的角度測定器(オートコリメータ)のレーザ光を検体部分に照射するために、スライド上での検体の位置の検出を試みるが、検体の位置が検出できない場合、次善の策として、ラベル部分の裏側にレーザ光を照射する。それ故、スライドの傾きを検出できる機会を増やすことができる。
【0021】
(5)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置は、前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、前記制御部は、スライドガラスの周縁領域の4つの隅部を第1の隅部、第2の隅部、第3の隅部および第4の隅部として、前記第1の隅部、第2の隅部、第3の隅部に直角三角形の頂点にそれぞれ対応する3つの測定点として、第1の測定点、第2の測定点および第3の測定点を設定し、前記直角三角形の互いに直交する2辺のうち一方の辺に対応する第1の方向に設定された前記第1の測定点および第2の測定点での前記距離測定器による測定結果をもとにスライドガラスの前記第1の方向の傾きを算出して補正するように傾き補正部を制御し、他方の辺に対応する第2の方向に設定された前記第2の測定点および第3の測定点での前記距離測定器による測定結果をもとにスライドガラスの前記第2の方向の傾きを算出して補正するように傾き補正部を制御する構成でもよい。
【0022】
本技術では、距離測定器を使ってスライド上の3点までの距離測定し、スライドの傾きを求める。3点のみの測定を行うので、短時間で傾きを測定することができる。
【0023】
(6)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置では、前記制御部は、前記距離の測定に失敗した測定点が発生すると、少なくとも、前記第4の隅部に、新たな第4の測定点を設定し、この第4の測定点に対する距離の測定を距離測定器に実行させる構成でもよい。
【0024】
本技術では、3つの測定点での距離が分からないと傾きの補正ができないので、距離の測定に失敗した点がある場合は、新たに測定点を設けて3点分の測定を行う。それ故、スライドの傾きを測定できる機会を増やすことができる。
【0025】
(7)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置では、前記制御部は、前記第1の測定点での測定に失敗したときは、前記第3の測定点と、前記第4の測定点とから前記第1の方向の傾きを算出して補正し、前記第2の測定点での測定に失敗したときは、前記第4の測定点と、前記第1の隅部に新たに設定する第5の測定点とから前記第2の方向の傾きを算出して補正し、前記第3の測定点での測定に失敗したときは、前記第4の測定点と、前記第1の隅部に新たに設定する第5の測定点とから前記第2の方向の傾きを算出して補正し、前記第5の測定点と、前記第2の隅部に新たに設定する第6の測定点とから前記第1の方向の傾きを算出して補正する構成でもよい。
【0026】
本技術では、距離の測定に失敗した点が3つの測定点のうちいずれで発生しても、新たに必要な数の測定点を設けて3点分の測定を行う。それ故、スライドの傾きを測定できる機会を増やすことができる。
【0027】
(8)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置では、前記距離測定器は、前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側から距離を測定する構成でもよい。
【0028】
本技術では、距離を測定するために、スライドガラスの、検体が載っている側と反対の側からレーザ光を当てて測定を行うので、検体や包埋材、カバーガラス、ラベルに光路を邪魔されることなく、容易にスライドガラスまでの距離を測定し、スライドガラスの傾きを算出することができる。
【0029】
(9)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置は、前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、前記制御部は、前記光学的角度測定器による前記ラベル部分の裏側での前記傾きの検出に失敗したとき、前記距離測定器に前記傾きの検出を行わせる構成でもよい。
【0030】
本技術では、まず光学的角度測定器(オートコリメータ)での傾き測定を試みる。最初に検体の下側での測定を試みるが、検体の位置が特定できない場合、次にラベル部分での測定を試みる。ラベル部分でも測定に失敗した場合、オートコリメータでの測定は諦め、距離測定器での測定を行う。それ故、スライドの傾きを適切に測定する機会を増やすことができる。
【0031】
(10)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像取得装置は、前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、前記制御部は、前記光学的角度測定器による前記傾きの検出に加え、前記距離測定器に前記傾きの検出を行わせ、前記検出された傾きの平均値により前記傾き補正部に前記傾きを補正させる構成でもよい。
(11)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る傾き測定方法では、スライドガラスとカバーガラスとの間に検体を介在させたスライドをステージに載置し、前記スライドにおける前記検体の位置を検出し、前記検出された検体の位置に、前記スライドガラスの前記検体が載っている側と反対の側から光学的角度測定器よりレーザ光を照射して、前記ステージ上での前記スライドガラスの傾きを検出する。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本技術によれば、短時間でスライドガラスの傾きを測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】スライドガラスの下側からオートコリメータ10によりスライドの傾きを測定する様子を示す図である。
【図2】スライド16における表面反射と裏面反射の様子を示す図である。
【図3】表面反射光A’および裏面反射光B’の強度と位置の関係を示すグラフである。
【図4】大きくうねったカバーガラス14により反射された裏面反射光B’の様子を示す図である。
【図5】表面スポットと裏面スポットとが重なって検出される場合に、スポットの重心が合成されてしまう様子を示す図である。
【図6】オートコリメータ10をレーザ発射器10Aと検出器10Bとに分離して、斜めから光を当てる方法を示す図である。
【図7】スライド16のラベル部分15の下側からオートコリメータ10のレーザ光を照射して傾きを測定する様子を示す図である。
【図8】ラベル部分15におけるスライドガラス11の傾きと、検体12がある部分のスライドガラス11の傾きとが異なる場合を示した図である。
【図9】スライド16の検体12の下側からオートコリメータ10のレーザ光を照射して傾きを測定する様子を示す図である。
【図10】スライド16上の検体12の位置を特定して傾きの測定を行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】スライド16上の検体12の位置を特定した場合に傾きの測定を行う処理と特定できなかった場合に傾きの測定を行う処理とを組み合わせた流れを示すフローチャートである。
【図12】スライドガラス11の下側から4個の高さ測定器20を用いてスライド16の傾きを測定する様子を示す図である。
【図13】高さ測定器を用いた従来の測定方法を示す図である。
【図14】本技術における測定方法の基本的な考え方を表した図である。
【図15】測定点に測定不能な点があり、新たに測定点を設けていく様子を示す図である。
【図16】解決策を含めた本技術による測定方法の具体例の流れを説明するフローチャートである。
【図17】湾曲がひどいスライド16において傾きを複数の平面により近似して測定する方法を説明する図である。
【図18】湾曲がひどいスライド16において傾きを2次方程式により近似して測定する方法を説明する図である。
【図19】オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる場合の流れを示すフローチャートである。
【図20】オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる場合の別の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本技術では、スライドガラスの傾きを測定する方法として、2つの方法を説明する。1つの方法は、オートコリメータという傾き検出器を使う方法であり、もう一つの方法は、高さ測定器を使う方法である。
【0035】
オートコリメータを用いる場合、傾きを高精度で正確にかつ高速に測定することができる反面、1点での傾きを測定するので局所的な傾きしか測定できず、スライドの表面反射と裏面反射の区別がつかず正確な測定ができない場合があったりする。
【0036】
また、高さ測定器を用いる場合、本技術では最低3か所の高さを測定するので、スライドガラスの平均的な傾きを算出することができる反面、3か所の測定を行わなければならず、オートコリメータを用いる場合に比べ測定時間がかかってしまう。
【0037】
なお、3箇所において高さ測定を行う為には、3個の高さ測定器を用いる方法と、ステージを移動させて3か所において1個の高さ測定器により測定する方法とがある。前者は3か所同時並行で測定を行うことが出来るので後者に比べて1/3以下の測定時間で済むが、高さ測定器3個分のコストがかかる。後者は、コストは低くなるがステージを移動させて高さ測定器の測定位置にスライドの測定点3箇所を合わせて順次測定しなければならず測定時間がかかる。
【0038】
本技術に係るスキャナでは、オートコリメータと高さ測定器のうち、どちらか一方の方法を用いてもよいし、両方を備えたうえで、ユーザのニーズに基づいてこれらの方法を切り替えて用いたり、一方での測定に失敗した場合、もう一方での測定を行ったりしてもよい。
【0039】
以下の説明では、最初にオートコリメータを用いる方法について詳述し、次いで高さ測定器を用いる方法について詳述し、最後にオートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる方法について詳述する。
【0040】
<オートコリメータを用いる方法>
ここでは、オートコリメータを用いて顕微鏡のステージ上に載置されたスライドガラスの傾きを測定する方法について説明する。図1は、スライドガラスの下側からオートコリメータ10によりスライドの傾きを測定する様子を示す図である。
【0041】
オートコリメータは、レーザ光を測定対象の面に照射し、その反射光の反射角度を検出することにより測定面の傾きの測定を行う。それ故、上記のとおり、最低3点の高さを測り面合成して傾きを求める方法に比べ、1点のみの測定で傾きが分るので、高速に測定できるという特徴がある。
【0042】
[表面反射と裏面反射の問題について]
オートコリメータは、鏡などの反射体の表面の傾き測定には向いているものの、スライドガラスの様な透明な対象物であると、表面反射と裏面反射が検出されてしまうという問題がある。図2は、スライド16における表面反射と裏面反射の様子を示す図である。
【0043】
オートコリメータ10から射出されたレーザ光Aは、主にスライドガラス11の下側の表面において反射され(表面反射光A’)、オートコリメータ10に戻る。その際、一部のレーザ光がスライドガラス11、検体12、包埋材13、カバーガラス14を透過し(レーザ光B)、カバーガラス14の上側の表面で反射する(裏面反射光B’)。スライドガラス11と包埋材13の屈折率はほぼ同じなので、その境界面での反射はあまり起こらない。
【0044】
通常は、図3に示すように、表面反射光A’の強度が裏面反射光B’の強度より強い(光量が多い)ので、強度の強いほうの反射光の中心点の位置を測定することにより、スライドガラス11下面の傾きを測定することができる。
【0045】
しかし、スライドガラス11下側の表面にゴミや汚れがあったりすると、裏面反射光B’のほうが強くなり、間違って、カバーガラス14側の傾きを測定してしまう可能性がある。
【0046】
一般的に、スライドガラスは0.9mmから1.7mm程度の厚みがあるのに対して、カバーガラスは0.1mmから0.2mm程度の厚みしかない。そのため、カバーガラス14は包埋材の硬化時の収縮の影響を強く受けやすく、図4に示すように、スライドガラス11に比べ大きくうねってしまう可能性が高い。
【0047】
そのため、裏面反射光B’のほうが強いと、カバーガラス14の傾きを測定してしまい、スライド16の傾きを適切に測定することはできないという問題があった。
【0048】
また、表面反射光A’がオートコリメータ10に戻って形成するスポット(表面スポット)と、同じく裏面反射光B’が形成するスポット(裏面スポット)とが重なる場合に、正確に表面スポットの重心が計算されず適切に傾きが計算されないという問題があった。
【0049】
図5は、表面スポットと裏面スポットとが重なって検出される場合に、スポットの重心が合成されてしまう様子を示す図である。本来ならば表面スポットのみの重心位置を求めなければ正確な傾きを測定できないが、この図にあるように、裏面スポットも含めた両方のスポットを1つと認識してしまい、合成された重心が求められてしまい誤差が生じるという問題があった。
【0050】
以上のような問題があるため、オートコリメータ10を用いてスライド16の傾きを測定する場合には、表面反射光のみを検出する必要がある。
【0051】
[表面反射光のみを利用する方法(その1)]
表面反射光のみを検出する方法として、図6に示すように、オートコリメータ10をレーザ発射器10Aと検出器10Bとに分離して、斜めから光を当てる方法がある。この方法では、図に示すように、裏面反射光は反射位置がずれて表面反射光と分離されるので、表面反射光だけを抽出できる。
【0052】
しかし、レーザ発射器10Aと検出器10Bとを分離しているため、より多くの設置スペースが必要となる点、光軸の調整が難しい点、被測定物までの距離に制限が加わる点などが問題となり、量産品には使用しづらい。そのため、本技術ではこの構成を採用しない。
【0053】
[表面反射光のみを利用する方法(その2)]
次の表面反射光のみを利用する方法は、病理スライドの特徴を利用する方法である。
【0054】
病理スライドでは、患者名やその他の情報を示すために、スライドガラス11にラベルを貼ったり、ガラスのラベルに相当する部分をすりガラス状にして、そこにペンで情報を記載したり、プリンタを用いて印刷したりする。
【0055】
これらラベルが貼られた部分やすりガラス状の部分(以下、ラベル部分15という)では、スライド16の下側からレーザ光を当てても裏面反射光は返ってこない。そのため、図7に示すように、この特徴を利用し、スライドガラス11の傾きの測定を行うことが可能である。
【0056】
しかしながら、一部のスライドでは、ラベル部分15におけるスライドガラス11の傾きと、検体12がある部分のスライドガラス11の傾きとが異なる場合がある。図8は、ラベル部分15におけるスライドガラス11の傾きと、検体12がある部分のスライドガラス11の傾きとが異なる場合を示した図である。このような状態は、ラベル部分15やその近傍には包埋材13が無い為に包埋材13の硬化時の収縮の影響をあまり受けないため、また、包埋材13の硬化収縮が強いために発生する。
【0057】
このように、ラベル部分15の下の傾きを測定する方法では、一部のスライドにおいて、検出したいスライド16の傾きと実際に検出した傾きとに乖離が生じる場合があることを考慮しなければならない。
【0058】
[表面反射光のみを利用する方法(その3)]
次の表面反射光のみを利用する方法も病理スライドの特徴を利用する方法である。
【0059】
この方法では、図9に示すように、オートコリメータ10のレーザ光を、スライド16の検体12がある位置に照射し、その位置の傾きを測定する。
【0060】
この方法では、検体12によりレーザ光が散乱するので、裏面反射の光量を減らしたり、光量を完全に無くしたりすることが可能となる。裏面反射光の光量を完全に無くすことが出来なくても、裏面反射光の光量が表面反射光の光量より確実に少ないことにより、上記の表面スポットと裏面スポットとの取り違えを防ぎ、適切な測定を行うことができる。
【0061】
この方法ではスライド16上の検体12の位置を正確に特定する必要がある。そのため、以下に述べる処理を行う。図10は、スライド16上の検体12の位置を特定して傾きの測定を行う処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
なお、スキャナ(画像取得装置)は、サムネイル画像撮像部(撮像部)、制御部、画像認識部(検出部)、ステージ移動部、ステージ、オートコリメータ10(光学的角度測定器)、傾き補正部を具備している。これらについては図示していない。
【0063】
まず、サムネイル画像撮像部が、制御部の指示に従い、スライド16の全体を撮影する(ステップS1)。この撮影は、透過光を用いて行う。ここで撮影されたスライド16全体の画像をサムネイル画像と呼ぶ。
【0064】
次に、画像認識部が、制御部の指示に従い、サムネイル画像の中から検体12の存在する確率が高い部分の座標を算出する(ステップS2)。
【0065】
画像認識部では具体的な画像認識処理として、透過光を用いて撮影されたサムネイル画像から、スライド16のエッジ部分およびラベル部分15を除いて最も輝度が低い部分の座標を検出する。最も輝度が低い部分では、検体12がある可能性が高いと考えられるためである。
【0066】
画像認識部は、ゴミなどを誤検出しないため、予め定められた閾値を設け、その閾値を超える輝度の部分を検出したときに、その部分の座標を検体12の存在する確率が高い位置とする計算を行う。
【0067】
次に、ステージ移動部が、制御部の指示に従い、スライド16が載ったステージの移動を行い、オートコリメータ10のレーザ光が照射される位置を、検体12の存在する確率が高い位置に移動させる(ステップS3)。
【0068】
最後に、オートコリメータ10が、制御部の指示に従い、スライド16の傾きを測定する(ステップS4)。
【0069】
以上のように、検体12の存在する確率が高い部分にレーザ光を照射することにより、裏面反射の光量が低下するので、スライド16の傾きを短時間で正確に測定する事が可能になる。
【0070】
なお、スライド16の傾きが適切に測定された後、傾き補正部がスライド16の傾きを補正して、片ぼけなどが発生していない適切な病理画像が撮影される。傾きの補正方法としては、スライドガラス11のみを傾けたり、スライド16が載置されたステージの傾きを補正したり、撮像する光学系側で傾きを補正したりする方法のいずれでもよい。
【0071】
[表面反射光のみを利用する方法(組み合わせ)]
次に、上記の表面反射光のみを利用する方法(その2)と表面反射光のみを利用する方法(その3)の組み合わせについて説明する。
【0072】
この方法は、検体12が脂肪細胞など色の薄いものであったり、検体の切り出しが薄かったり、染色が薄かったりという理由により、どうしてもサムネイル画像から検体12の存在する確率が高い位置を特定できない場合に有効である。
【0073】
この方法では、検体12の存在する確率が高い位置を特定できない場合、非常用としてオートコリメータ10のレーザ光照射位置がラベル部分15の下に来るようにステージを移動し傾きの測定を行う。
【0074】
図11は、スライド16上の検体12の位置を特定した場合に傾きの測定を行う処理と特定できなかった場合に傾きの測定を行う処理とを組み合わせた流れを示すフローチャートである。なお、ステップS1からS4までの処理は上記と同じなので、説明を省略する。
【0075】
ステップS1およびステップS2の処理の後、すなわちステップS2において画像認識部がサムネイル画像に対して検体12の存在する確率が高い位置の検出を試みた後、制御部は、検出が成功したか否かを判断する(ステップS5)。
【0076】
ステップS5において、検体12の検出が成功しなかったと判断された場合(ステップS5のNo)、ステージ移動部は、制御部の指示に従い、スライド16のラベル部分15の下にオートコリメータ10のレーザ光が照射されるように、ステージの移動を行う(ステップS6)。
【0077】
次に、オートコリメータ10が、スライド16の傾きを測定する(ステップS7)。
【0078】
以上のように、検体12の存在する確率が高い部分が見つからなかった場合でも、ラベル部分15での傾き測定を行うので、適切な傾きを得られる機会を増加させることが出来る。
【0079】
以上、ここまで、オートコリメータ10を用いて短時間でスライド16の傾きを測定する方法について説明した。
【0080】
<高さ測定器を用いる方法>
ここでは、高さ測定器を用いて顕微鏡のステージ上に載置されたスライドガラス11の傾きを測定し補正する方法について説明する。図12は、スライドガラス11の下側から4個の高さ測定器20を用いてスライド16の傾きを測定する様子を示す図である。なお、この図では、4個の高さ測定器20を用いているが、上述のとおり、最低3か所の高さを測定すればよく、必ずしも4個の高さ測定器20が必要というわけではない。
【0081】
なお、高さ測定器には、接触式の測定器と非接触式の測定器とが存在し、理論的にはどちらの方式を使っても高さを測定できる。しかし、測定箇所にゴミなどがあったときにその存在を知る手段を具備しているという点で、非接触式、中でも光学式の高さ測定器が好ましいので、本技術では、この光学非接触式の高さ測定器を用いる。
【0082】
光学非接触式高さ測定器では、三角測量の原理により測定対象に、発光部から出射したレーザ光を当てその反射光を受光部にて受光し測定するので、測定箇所にゴミがある場合は反射光が減衰するか、もしくは反射光が全く返ってこなくなるため、ゴミの存在を知ることが可能である。
【0083】
[従来の測定方法]
高さ測定器を用いる場合でも、本技術では短時間で測定できることを説明するために、まず、高さ測定器を用いた従来の測定方法について説明する。
【0084】
図13は、高さ測定器を用いた従来の測定方法を示す図である。従来は、スライド16のうち、ラベル部分を除いた領域に対して均等に測定を行い、得られたそれぞれの高さに基づき最小二乗平面を計算し、傾きを求めていた。この図では、15箇所の測定点において高さを測定し、測定結果に基づき、スライド16の傾きを修整する。修正した傾きが基準値以内であれば傾きの調整を終了する。傾きが基準値以内に入らなければ、再度15箇所の測定を行う。このように、従来の方法では、測定点が多いので精度が高い一方、15×N回(Nは自然数)の測定が必要であり、短時間での傾きの測定と補正は不可能であった。
【0085】
[本技術による測定方法(基本的な考え方)]
次に、本技術では短時間で傾きを測定し補正できる理由を説明する。その理由は、測定点を最低3箇所に絞った点と、スライド16のX軸方向およびY軸方向の傾きをそれぞれ独立して測定および補正する点にある。図14は、本技術における測定方法の基本的な考え方を表した図である。この図に基づいて以下説明を行う。
【0086】
なお、以下の説明では、スキャナが備えている高さ測定器20は1個である事を前提にしている。これは、高さ測定器20を複数備える構成ではさらに短時間で傾きの測定ができるものの、コストが上がり現実的ではないためである。なお、3箇所の高さを測定するために以下の説明では、スライド16が載置されたステージを移動させているが、この構成に限らず、高さ測定器20のほうを移動させてもよい。
【0087】
測定点を最低3点とした理由は、最低3点を測定すれば傾きを求める平面の方程式を生成することができる事と、高さ測定器20の測定位置にスライド16の測定点が来るようにステージを移動させる時間や測定点での測定時間を考えると、測定点の数は少ないほうがよい事である。
【0088】
また、3つの測定点は、スライド16に4つある隅の部分のうち、3つの隅の部分にそれぞれ設ける。これは、スライド16の外側の隅に測定点を設けるほうが、測定点間の距離が長くなり、スライド16の傾きを求める際に誤差を減らすことが出来るからである。
【0089】
また、スライド16の傾きの調整は、スライドガラスの長辺方向をX軸、短辺方向をY軸として、X軸方向、Y軸方向に分けて行うとして、測定点とする3点は、スライドガラス表面上において直角三角形を形成し、その直角三角形の直交する2辺がそれぞれX軸およびY軸のいずれか一方の軸と平行になるように設定されることが好ましい。なお、以下では、スライドガラスの長辺方向であるX軸と、短辺方向であるY軸とは、ステージのX軸、Y軸とそれぞれ一致しているとして説明を行っている。
【0090】
なお、以下の処理では、測定点3点の高さをまとめて測定し、平面の傾きを測定するのではなく、測定点2点のみの高さを測定し直線補間することにより、平面の傾きの一方向、例えばX軸方向のみを測定し補正する。そして、直交する残りの方向での傾きを測定し補正する。
【0091】
なお、スキャナ(画像取得装置)は、サムネイル画像撮像部(撮像部)、制御部、画像認識部(検出部)、ステージ移動部、ステージ、高さ測定器20(距離測定器)、傾き補正部を具備している。これらについては図示していない。
【0092】
まず、制御部は、ステージ移動部に指示し、サムネイル画像の画像認識により得られた測定点1の位置に高さ測定器20の測定位置が来るようにステージを移動させ、測定点1において高さ測定器20に高さの測定を行わせる。次いで、制御部は、ステージ移動部に指示し、測定点2の位置での測定ができるようにステージを移動させ、測定点2での高さを測定する。なお、測定点2の位置は、測定点1と測定点2を結ぶ線分がX軸と平行となる位置であることが好ましい。
【0093】
次に、制御部は、測定した2つの高さより、X軸方向の傾きを算出し、この傾きが基準値以内に収まっているか否かを判断する。基準値は、スキャナが大判のイメージセンサを用いる場合に、片ぼけなどが発生しない傾きを予め調べて定められた値である。
【0094】
測定された傾きが基準値以内に収まっていない場合は、収まるように、傾き補正部がスライド16の傾きを補正する。なお、傾きの補正方法は、オートコリメータ10を用いる上記の方法と同じく、スライドガラス11のみを傾けたりチルトさせたり、スライド16が載置されたステージの傾きを補正したり、撮像する光学系側で傾きを補正したりする方法のいずれでもよい。
【0095】
次に、制御部は、高さ測定器20に測定点2の高さを再度測定させ、測定点3の位置で測定ができるようステージを移動させ、高さ測定器20に測定点3の高さを測定させる。測定点3の位置も、測定点2と測定点3を結ぶ線分がY軸と平行となる位置であることが好ましい。
【0096】
そして、制御部は、測定した2つの高さより、Y軸方向の傾きを算出し、この傾きが基準値以内に収まっているか否かを判断する。そして、測定された傾きが基準値以内に収まるように、傾き補正部がスライド16の傾きを補正する。
【0097】
このように、本技術では、基本的には、最低3箇所の測定点において測定を行うので、高さ測定は最低3回で済み、ステージの移動は最低2回で済む。なお、高さ測定の回数およびステージ移動の回数は、傾き補正が繰り返される毎に増加していく。
【0098】
以上が本技術による測定方法の基本的な考え方である。
【0099】
[本技術の基本的な考え方に関する問題点]
上記において説明した本技術による測定方法の基本的な考え方だけでは、問題点がある。スライド16の測定点に、ゴミや埃、指紋、包埋材13のはみ出しによる汚れなどが付着しており、高さ測定器20からその測定点に光を当てても反射光が適切に戻らず、光量不足により正常に高さが測定できない場合がある点である。1つの測定点において高さが測定できないと、有効な測定点の個数が2個以下になり、平面の傾きを測定することが出来なくなってしまう。
【0100】
[本技術の問題点に対する解決策]
上記の問題点に対し、本技術では、以下の解決策を採る。すなわち、最低3点の測定を行ううち、1点でも適切に高さの測定が行えなかった場合は、新たに別の測定点を設け、3点分の測定を行うことにより、平面の傾きを求め補正を行う。
【0101】
新たに設ける別の測定点は、まだ測定点を設けていない4つめの隅の部分に設ければよい。この場合も、上述のように、3つの測定点が直角三角形を形成し、直交する2辺がそれぞれX軸、Y軸の一方と平行となるように、新たな測定点を設ける事が好ましい。
【0102】
もし、4つ目の測定点を設けても測定不能点がある場合は、最初の4つの測定点を結んでできる矩形よりも内周側に新たに測定点を設けて測定を続ける。
【0103】
別の測定点を設ける際のポイントは、測定不能であった点にはゴミなどが付着している事を想定し、そのゴミなどの影響が無いであろう位置に新たな測定点を設けることである。なお、測定不能とは、測定対象物からの反射光の光量が不足して測定できない場合に加え、高さ測定器が異常な値を高さとして示す場合も含む。
【0104】
図15は、測定点に測定不能な点があり、新たに測定点を設けていく様子を示す図である。この図では、本技術による測定方法の基本的な考え方において説明したように、当初、スライド16のラベル部分15以外の領域の外周部において、測定点1から測定点3を用いて測定を試みる。しかし、これらの測定点の中に測定不能な点が存在していたので、次に、スライド16の4隅のうちまだ測定点を設けていない右上の隅に測定点4を設け、スライド16の測定点2から測定点4を用いて測定を試みる。
【0105】
測定点2から測定点4の中にも測定不能点が含まれていた場合、次に、スライド16の右下隅、測定点1より内周側に、新たに測定点5を設け、測定点3から測定点5を用いて測定を試みる。
【0106】
なお、この図では、例えばスライド16の右下隅に新たな測定点5を設ける場合に、測定点1より内周側に設けているが、これはあくまで例である。新たな測定点を設ける位置は、同じ隅において、内周側に限らなくてもよい。別の測定点を設ける際のポイントにおいて説明したように、測定不能点のゴミの影響が無いであろう位置であってもよい。
【0107】
但し、X軸方向の傾き成分やY軸方向の傾き成分を正確に測るためには、傾き測定に用いる2つの測定点を結んだ直線が、X軸またはY軸と平行になるように測定点を設けることが好ましい。
【0108】
同様にして、この図では、測定点8までを設けて測定をし直している。
【0109】
なお、本技術では、スライド16の外周部の隅から測定を始めるが、これは、上述のとおり、スライド16の外側の隅に測定点を設けるほうが、測定点間の距離が長くなり、スライド16の傾きを求める際に誤差を減らすことが出来るからである。
【0110】
また、上記の説明では、スライド16のうち、ラベル部分15を除いた領域に測定点を設けているが、測定点は、スライドガラス11の上側がラベル部分15である領域を含んで設定されても構わない。但し、湾曲率が異なる2つの領域に亘って測定を行うので、測定されるスライド16の傾きの精度は、ラベル部分15を除いた領域のみに測定点を設ける場合に比べて劣る。
【0111】
また、上記の説明では、スライド16の4つの隅の部分を順次使いながら測定点を設けていったが、この構成以外に、測定点を設ける隅の部分は3つだけに限り、測定不能点が発生した場合は、それら3つの隅の部分内において新たな測定点を設けていく構成でもよい。この構成でも、測定に用いる3点の位置関係が、上記の直角三角形の配置であることが好ましい。
【0112】
以上の解決策により、最低3箇所において高さを測定し、ゴミなどにより測定が不能な点が発生した場合のみ、測定不能な点に代わって追加して測定点を増やすので、必要最小限の測定回数でスライド16の傾きを測定し補正することができる。
【0113】
[解決策を含めた本技術による測定方法の規則(具体例)]
次に、上記において説明した解決策を含んだ、本技術によるスライド16の傾き測定および補正の基本的な規則を説明する。
【0114】
(1)測定点Nおよび測定点N+1は、サムネイル画像の画像認識により求められた、ラベル部分15を除いた領域の四隅に、順次内周側にいくように設定していく。
(2)傾きの測定は、測定点N(Nは自然数)と測定点N+1における高さを測定して、一方向のみ行う。
(3)Nが奇数の時は、X軸方向の傾きを測定、補正する。なお、スライド16の位置とX軸、Y軸の関係は、図15に示すとおりとする。
(4)Nが偶数の時は、Y軸方向の傾きを測定、補正する。
(5)X軸方向、Y軸方向それぞれにおいて傾きが基準値以内に収まれば測定および補正を終了する。
(6)傾きが基準値以内に収まらなければ、測定と補正を繰り返しリトライする。
(7)傾きが基準値以内に収まらない場合でも、リトライ回数が最大リトライ回数を超えたら、Nを1だけ増やし、新たな測定点で測定と補正を行う。
(8)測定点Nが測定不能の場合、Nを1だけ増やし、新たな測定点で測定と補正を行う。
(9)測定点N+1が測定不能の場合、Nを2だけ増やし、新たな測定点で測定と補正を行う。
(10)傾きが基準値以内に収まらない場合は、Nの値を増やしていくが、Nの値が、測定点限度値を超えたら、エラーとして測定および補正を終了する。
【0115】
以上が、問題の解決策を含めた本技術の測定方法の規則の具体例である。
【0116】
[解決策を含めた本技術による測定方法の流れ(具体例)]
次に、上記において説明した解決策を含んだ、本技術によるスライド16の傾き測定および補正の具体的な処理の流れを説明する。図16は、解決策を含めた本技術による測定方法の具体例の流れを説明するフローチャートである。
【0117】
まず、制御部は、Nを初期値0に設定する(ステップS11)。
【0118】
次に、制御部は、X軸方向の傾きおよびY軸方向の傾きが基準値以内であるかを判断する(ステップS12)。最初は傾きの値が測定されていないので、傾きは基準値以内ではないと判断される(ステップS12のNo)。
【0119】
次に、制御部は、Nの値を1だけ増やして1とし、リトライ回数を0に設定する(ステップS13)。
【0120】
次に、制御部は、Nの値が奇数であるか否かを判断する(ステップS14)。最初、Nは1であるので(ステップS14のYes)、ステップS15の処理に進む。
【0121】
ステップS15では、まず制御部が、測定点1において、高さ測定器を用いて高さを測定する。次いでステージ移動部に指示し、高さ測定器を測定点2に移動させ、高さ測定器を用いて高さを測定する。測定点1および測定点2の高さからX軸方向のスライド16の傾きを測定し、測定した傾きが基準値以内であるか否かを判断する(ステップS15)。
【0122】
ステップS15において、測定した傾きが基準値以内ではない場合(ステップS15のNo)、制御部は、リトライ回数を1だけ増やすと共に、傾き補正部を用いて、スライド16の傾きを補正する。そして、制御部が、測定点2において、高さ測定器を用いて高さを測定する。次いでステージ移動部に指示し、高さ測定器を測定点1に移動させ、高さ測定器を用いて高さを測定する。(ステップS16)。
【0123】
次に、制御部は、測定点N+1が測定不能であったかを判断する(ステップS17)。
【0124】
測定点N+1では適切に測定が行われた場合(ステップS17のNo)、制御部は、次に、測定点Nが測定不能であったかを判断する(ステップS18)。
【0125】
測定点Nでは適切に測定が行われた場合(ステップS18のNo)、制御部は、次に、リトライ回数が最大リトライ回数に達したか否かを判断する(ステップS19)。
【0126】
最大リトライ回数に達していない場合(ステップS19のYes)、制御部は、ステップS15に戻って、新たに測定したX軸方向の傾きが、基準値以内であるかを判断する(ステップS15)。
【0127】
ここで、ステップS15において、X軸方向の傾きが基準値以内である場合(ステップS15のYes)、制御部は、処理をステップS12に戻す。
【0128】
ステップS12では、制御部は、X軸方向の傾きおよびY軸方向の傾きが基準値以内であるかを判断する(ステップS12)。Y軸方向の傾きの値はまだ測定されていないので、傾きは基準値以内ではないと判断され(ステップS12のNo)、ステップS13の処理に進む。
【0129】
次に、制御部は、Nの値を1だけ増やして2とし、リトライ回数を0に設定する(ステップS13)。
【0130】
次に、制御部は、Nの値が偶数であるか否かを判断する(ステップS14)。今回、Nは2であるので(ステップS14のYes)、ステップS20の処理に進む。
【0131】
ステップS20からS24までの処理は、ステップS15からS19までの処理と同様なので、説明は省略する。
【0132】
ステップS20からS24までにおいて、正常に測定および補正が行われた場合、制御部は、処理をステップS12に戻す。
【0133】
ステップS12では、X軸方向およびY軸方向の傾きが基準値以内となるので(ステップS12のYes)、制御部は、処理を終了する。
【0134】
なお、ステップS16またはステップS21において、測定点Nおよび測定点N+1における高さを測定した後、測定点N+1での測定が測定不能であった場合(ステップS17のYes、またはステップS22のYes)、制御部は、ステップS25およびステップS13においてNの値を2だけ増加さて、傾き測定および補正の処理を繰り返す。
【0135】
また、ステップS16またはステップS21において、測定点Nおよび測定点N+1における高さを測定した後、測定点Nでの測定が測定不能であった場合(ステップS18のYes、またはステップS23のYes)、制御部は、ステップS13においてNの値を1だけ増加さて、傾き測定および補正の処理を繰り返す。
【0136】
以上が、上記において説明した問題点の解決策を含めた、本技術による測定方法の具体例の流れである。
【0137】
<高さ測定器を用いる方法の発展例1>
次に、高さ測定器を用いる方法の発展例の1つとして、湾曲がひどいスライド16において傾きを複数の平面により近似して測定する方法を説明する。
【0138】
図17は、湾曲がひどいスライド16において傾きを複数の平面により近似して測定する方法を説明する図である。
【0139】
(1)まず、制御部は、測定点1および測定点2において、高さの測定を行う。そして測定により得られた2つの高さを直線補間する。
(2)次に、制御部は、測定点3において高さの測定を行う。
ここで測定された高さと直線補間により得られる高さとの差が、予め定められた基準値以内である場合は、湾曲がひどくはないと判断して、上記において説明した高さ測定器を用いた方法によりスライド16の傾きを測定し補正を行う。
もし、ここで測定された高さと直線補間により得られる高さとの差が、予め定められた基準値を超えている場合は、以下の処理に進む。
(3)制御部は、さらに測定点4および測定点5において高さの測定を行う。そして、測定点1、3、4の高さから、平面1の傾きを求める。また、測定点2、3、5の高さから平面2の傾きを求める。すなわち、スライド16の湾曲を、スライドガラス11の長辺(X軸)方向に、測定点1から測定点3までと、測定点3から測定点2までの2つの領域に分割し傾きを計算する。
(4)制御部は、検体12を撮影するとき、平面1に含まれる領域と、平面2に含まれる領域とで、それぞれ最適な傾きに補正したのち、撮影を行う。
【0140】
なお、上記の説明では、測定の際に、測定不能点が発生しない場合を説明した。もし、測定不能点が発生した場合は、上記の方法と同様に新たな想定点を設けて複数の平面の傾きを求めればよい。
【0141】
以上、スライド16の湾曲がひどい場合に、湾曲を複数の平面により近似してスライド16の傾きを測定し補正する発展例について説明した。
【0142】
<高さ測定器を用いる方法の発展例2>
次に、高さ測定器を用いる方法の別の発展例として、湾曲がひどいスライド16において傾きを2次方程式により近似して測定する方法を説明する。
【0143】
図18は、湾曲がひどいスライド16において傾きを2次方程式により近似して測定する方法を説明する図である。
【0144】
(1)まず、制御部は、測定点1、測定点2、および測定点3において高さを測定する。
(2)次に、制御部は、得られた3つの高さから、後述する方法により近似する2次方程式を求める。この2次方程式は、X軸方向の傾きを補正する際に用いられる。
(3)次に、制御部は、測定点4において高さを測定し、測定点3の高さも用いて直線補間を行い、Y軸方向の傾きを求める。スライドガラス11は、Y軸方向に湾曲する事はほとんどないので、直線補間を用いることが出来る。
(4)制御部は、スライド11の検体12を撮影する際、2次方程式から得られるX軸方向の傾きと、直線補間により得られるY軸方向の傾きとを用いて傾きを補正し、撮影を行う。
【0145】
[2次方程式の導出について]
ここでは2次方程式の導出について説明を行う。
【0146】
まず、2次方程式の一般式の表現方法であるが、これには、以下に示すように、数式(1)で表す形式と、数式(2)で表す形式の2種類の形式がある。
y=p(x−q)+R (1)
y=ax+bx+c (2)
【0147】
これら数式(1)および(2)より、p、q、rは、それぞれ数式(3)のように表される。このqが求める値である。
【数1】
【0148】
また、数式(2)より、誤差関数δを定義すると、数式(4)のように表される。
【数2】
【0149】
そこで、i=1からNまでのN回測定した合計をa、b、cでそれぞれ偏微分すると、数式(5)、(6)、(7)が得られる。
【数3】
【0150】
数式(5)、(6)、(7)を変形して数式(5’)、(6’)、(7’)が得られる。
【数4】
【0151】
数式(5’)、(6’)、(7’)を行列式化すると、数式(8)が得られる。
【数5】
【0152】
ここで、数式(8)は、行列A、ベクトルu、vを用いて単純化して表すとAu=vの形である。
そこで、行列Aが正則行列であるとすると、u=A-1vとなり、a、b、cが求まる。
【0153】
求められたaおよびbの値から数式(3)によりqを求めることができる。
【0154】
以上、2次方程式の導出について説明した。
【0155】
<オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる方法(その1)>
ここでは、オートコリメータ10と高さ測定器20とを組み合わせて用いる最初の方法について説明する。図19は、オートコリメータ10と高さ測定器20を組み合わせて用いる場合の流れを示すフローチャートである。
【0156】
この組み合わせ方法では、まず測定時間の短いオートコリメータ10を用いた方法により傾きを測定し、オートコリメータ10での測定がうまくいかなかった場合のみ、高さ測定器20を用いて傾きの測定を行う。
【0157】
なお、以下の説明では、オートコリメータと高さ測定器の両方を傾き測定に用いているが、上述のとおり、これらは必ず一緒に用いなければならないものではなく、それぞれ単独で用いることができることは言うまでもない。
【0158】
まず、制御部は、オートコリメータ10を用いて、スライド16の検体12の部分での傾き測定を行う(ステップS11)。
【0159】
次に、制御部は、検体12部分での測定が成功したか否かを判断する(ステップS12)。なお、検体12部分での測定が失敗した状態とは、スライド16上での検体12の位置が特定できなかった場合に加え、例えば、スライド16からの反射光の光量が不足し測定が行えなかった場合も含んでいる。
【0160】
測定が成功した場合(ステップS12のYes)は、測定された傾きに基づいて、スライドの傾きを調整する(ステップS13)。
【0161】
測定が失敗した場合(ステップS12のNo)、制御部は、オートコリメータ10を用いて、スライド16のラベル部分15の下側での測定を行う(ステップS14)。
【0162】
次に、制御部は、ラベル部分15での測定が成功したか否かを判断する(ステップS15)。なお、ラベル部分15での測定が失敗した状態とは、例えば、スライド16からの反射光の光量が不足し測定が行えなかった場合である。
【0163】
測定が成功した場合(ステップS15のYes)、制御部は、測定された傾きに基づいて、スライドの傾きを調整する(ステップS13)。
【0164】
測定が失敗した場合(ステップS15のNo)、制御部は、高さ測定器20を用いて、スライド16の傾きの測定を行う(ステップS16)。
【0165】
次に、制御部は、高さ測定器20による測定が成功したか否かを判断する(ステップS17)。なお、高さ測定器20による測定が失敗する状態とは、測定点に測定不能点が混じり、3点の測定が行えない状態のことである。
【0166】
測定が成功した場合(ステップS17のYes)、制御部は、測定された傾きに基づいて、スライドの傾きを調整する(ステップS13)。
【0167】
測定が失敗した場合(ステップS17のNo)、制御部は、中心値を用いて、スライド16の傾きを調整する(ステップS18)。
【0168】
以上が、オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる最初の方法の流れである。
【0169】
<オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる方法(その2)>
ここでは、オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる次の方法について説明する。図20は、オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる場合の別の流れを示すフローチャートである。なお、測定が失敗した状態の定義は上述のものと同じである。
【0170】
この組み合わせ方法でも、最初にオートコリメータ10を用いて傾きの測定を行う。最初の方法との大きな違いは、オートコリメータ10による測定が成功した場合でも、続けて高さ測定器20による傾きの測定を行うことである。
【0171】
まず、制御部は、オートコリメータ10を用いて、スライド16の検体12の部分での傾き測定を行う(ステップS21)。
【0172】
次に、制御部は、検体12部分での測定が成功したか否かを判断する(ステップS22)。
【0173】
測定が失敗した場合(ステップS22のNo)のみ、制御部は、オートコリメータ10を用いて、スライド16のラベル部分15の下側での測定を行う(ステップS23)。
【0174】
次に、制御部は、高さ測定器20を用いて、スライド16の傾きを測定する(ステップS24)。
【0175】
次に、制御部は、オートコリメータ10および高さ測定器20を用いて行った測定のうち、2つの測定が成功したか否かを判断する(ステップS25)。
【0176】
成功した測定が2つである場合(ステップS25のYes)、制御部は、成功した測定により得られた2つの測定値を平均して傾きを算出し、傾きの調整を行う(ステップS26)。
【0177】
成功した測定が1つである場合(ステップS25のNo、ステップS27のYes)、制御部は、成功した測定により得られた1つの測定値を用いて傾きの調整を行う(ステップS28)。
【0178】
1つも測定が成功しなかった場合(ステップS27のNo)、制御部は、中心値に傾きの調整を行う(ステップS29)。
【0179】
以上が、オートコリメータと高さ測定器を組み合わせて用いる次の方法の流れである。
【0180】
[本技術の別の構成]
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
スライドガラスに検体を載せカバーガラスで覆ったスライドを載置可能なステージと、
前記ステージを移動させるステージ移動部と、
前記スライド上での前記検体の位置を検出する検出部と、
前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側からレーザ光を照射して前記スライドガラスの傾きを検出可能な光学的角度測定器と、
前記レーザ光が前記スライドの前記検体の位置に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる制御部と を具備した画像取得装置。
(2)
前記(1)に記載の画像取得装置であって、
スライドガラスの前記傾きを補正する傾き補正部をさらに具備し、
前記制御部は、
前記傾き補正部に前記検出された傾きを補正させる
画像取得装置。
(3)
前記(1)または(2)に記載の画像取得装置であって、
前記検出部は、
検出する対象を前記検体の位置からラベル部分の位置に切り替えて検出し、
前記制御部は、
前記レーザ光が前記ラベル部分の裏側に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる
画像取得装置。
(4)
前記(1)または(2)に記載の画像取得装置であって、
前記検出部は、
前記検体の位置を検出できないとき、前記スライドのラベル部分の位置を検出し、
前記制御部は、
前記レーザ光が前記ラベル部分の裏側に照射されるように前記ステージ移動部を制御し、前記光学的角度測定器に前記傾きを検出させる
画像取得装置。
(5)
前記(4)に記載の画像取得装置であって、
前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、
前記制御部は、
前記光学的角度測定器による前記ラベル部分の裏側での前記傾きの検出に失敗したとき、
前記距離測定器に前記傾きの検出を行わせる
画像取得装置。
(6)
前記(4)に記載の画像取得装置であって、
前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器をさらに具備し、
前記制御部は、
前記光学的角度測定器による前記傾きの検出に加え、
前記距離測定器に前記傾きの検出を行わせ、
前記検出された傾きの平均値により前記傾き補正部に前記傾きを補正させる
画像取得装置。
(7)
スライドガラスに検体を載せカバーガラスで覆ったスライドを載置可能なステージと、
前記ステージを移動させるステージ移動部と、
前記スライドの全体を撮像する撮像部と、
前記撮像された画像から前記検体の位置を検出する検出部と、
前記スライドガラスの面に設定された測定点にレーザ光を照射し、前記スライドガラスの面からの反射光を受光して、前記スライドガラスの面までの距離を測定する距離測定器と、
前記スライドガラスの周縁領域の4つの隅部を第1の隅部、第2の隅部、第3の隅部および第4の隅部として、前記第1の隅部、第2の隅部、第3の隅部に直角三角形の頂点にそれぞれ対応する3つの測定点として、第1の測定点、第2の測定点および第3の測定点を設定し、前記直角三角形の互いに直交する2辺のうち一方の辺に対応する第1の方向に設定された前記第1の測定点および第2の測定点での前記距離測定器による測定結果をもとに前記スライドガラスの前記第1の方向の傾きを算出して補正するように傾き補正部を制御し、
他方の辺に対応する第2の方向に設定された前記第2の測定点および第3の測定点での前記距離測定器による測定結果をもとに前記スライドガラスの前記第2の方向の傾きを算出して補正するように傾き補正部を制御する制御部と
を具備する画像取得装置。
(8)
前記(7)に記載の画像取得装置であって、
前記制御部は、
前記距離の測定に失敗した測定点が発生すると、
少なくとも、前記第4の隅部に、新たな第4の測定点を設定し、この第4の測定点に対する距離の測定を距離測定器に実行させる
画像取得装置。
(9)
前記(8)に記載の画像取得装置であって、
前記制御部は、
前記第1の測定点での測定に失敗したときは、前記第3の測定点と、前記第4の測定点とから前記第1の方向の傾きを算出して補正し、
前記第2の測定点での測定に失敗したときは、前記第4の測定点と、前記第1の隅部に新たに設定する第5の測定点とから前記第2の方向の傾きを算出して補正し、
前記第3の測定点での測定に失敗したときは、前記第4の測定点と、前記第1の隅部に新たに設定する第5の測定点とから前記第2の方向の傾きを算出して補正し、前記第5の測定点と、前記第2の隅部に新たに設定する第6の測定点とから前記第1の方向の傾きを算出して補正する
画像取得装置。
(10)
前記(7)から(9)のうちいずれか1つに記載の画像取得装置であって、
前記距離測定器は、
前記ステージに載置された前記スライドガラスの、前記検体が載っている側と反対の側から距離を測定する
画像取得装置。
(11)
スライドガラスとカバーガラスとの間に検体を介在させたスライドをステージに載置し、
前記スライドにおける前記検体の位置を検出し、
前記検出された検体の位置に、前記スライドガラスの前記検体が載っている側と反対の側から光学的角度測定器よりレーザ光を照射して、前記ステージ上での前記スライドガラスの傾きを検出する
傾き測定方法。
【符号の説明】
【0181】
10…オートコリメータ
11…スライドガラス
12…検体
13…包埋材
14…カバーガラス
15…ラベル部分
16…スライド
20…高さ測定器
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【国際調査報告】